180: 2015/05/29(金) 22:09:27.06 ID:UZLlsT4E0
お疲れ様です、蒼龍小話投下です。
最初から:【艦これ】鳳翔「あゝ栄光の、空母機動部隊!」
前回:鳳翔「あゝ栄光の、空母機動部隊!」【第2話】
183: 2015/05/30(土) 00:25:43.65 ID:75OPGDHy0
第2.1話 ~ホリデー・スペシャル~
飛龍「蒼龍蒼龍!! ビンゴで貰った、休暇の優先権どうするの!?」
蒼龍「え? ど、どうって」
飛龍「せっかくのチャンスなんだから、提督の休みに合わせてさ。一緒にどっか行ってきたらいいじゃん」
蒼龍「飛龍……貴女、提督とお母さんの仲を応援してるんじゃなかったの?」
飛龍「うーん、応援って言うか、応援するまでもないって言うか……あの2人、もう心配するまでもなくラブラブだし?」
蒼龍「……やっぱりそうだよねorz」
飛龍「でもさ、とりあえずこの戦争が終わるまでは、提督は結婚しないって言ってたのよ。問題はその後ね」
蒼龍「カッコカリ?」
飛龍「カッコガチ」
184: 2015/05/30(土) 00:27:54.45 ID:75OPGDHy0
飛龍「私なりにこの戦争の後のこと、ちょっと考えてみたんだけど。多分提督はお母さんと本物の夫婦になって、一緒に暮らすよね」
蒼龍「うんうん」
飛龍「私たちは色々身の振り方があるけど、仮に軍をやめることになったらどうなると思う?」
蒼龍「うーん、普通に何か仕事を探して生きていくんじゃない?」
飛龍「だよね。それで、鎮守府を出た後はどこに住む?」
蒼龍「そ、そんなのまだわかんないよ」
飛龍「そう、まだわからない。つまり、今なら何でも希望を出せるっ!! フリーダムなのよ!!」
蒼龍「……酔ってんの?」
飛龍「……雰囲気と勢いでね」
185: 2015/05/30(土) 00:32:48.15 ID:75OPGDHy0
蒼龍「結局何が言いたいの? 飛龍」
飛龍「え、ええとね? 笑わないで聞いてほしいんだけど」
蒼龍「うん」
飛龍「……私……その……戦争が終わった後も、提督とお母さんと、空母の皆で暮らしたいな……って、思ってるの」
蒼龍「……」
186: 2015/05/30(土) 00:33:46.12 ID:75OPGDHy0
飛龍「普段からそんなこと言ってたら、提督にもお母さんにも重く受け止められちゃうから、
今まで誰にも言ってないんだけどね?」
飛龍「ほら、あの戦争ではすぐ別れちゃったお母さんや翔鶴、瑞鶴とも、仲良くやれてるじゃん?
これで戦争終わって、これからは別々に歩みましょうって……」
飛龍「なんかその、やなの」
飛龍「もちろんこんなのは私のわがままで、その後は提督が決めることなんだけどさ」
飛龍「でも、私は今の、家族みたいな関係が好き。出来ればずっと一緒にいたいな、って」
187: 2015/05/30(土) 00:43:17.96 ID:75OPGDHy0
蒼龍「……」
飛龍「蒼龍?」
蒼龍「もぉ~~可愛いなぁ飛龍はぁ~~!! 大好きだよ~~~~」ギュー!!
飛龍「きゃぁ!! ちょっとぉ!!」
蒼龍「飛龍がいつまでも独り身なんてだめだと思ってたけど、そんなこと考えてたんだね」
飛龍「い、いつまでもじゃないよ。私だってちゃんと結婚願望は」
蒼龍「飛龍につり合う殿方なんてそうそう簡単にいるわけないじゃん? 適当な男との結婚なんて私が認めないから」
飛龍「蒼龍が認めるって、提督以上の人ってこと? ……それだと私、当分結婚出来そうにないんだけど」
188: 2015/05/30(土) 00:47:12.09 ID:75OPGDHy0
蒼龍「とりあえず、提督となんとか一緒に出かけて、将来のビジョンを聞いてみるよ。私も気になるしね」
飛龍「う、うん。それとなーく聞いてよ? 変に負担掛けたくないし」
蒼龍「大丈夫だよ。任せてね」
蒼龍「いつまでも6人まとめて可愛がって下さいって、ちゃんと伝えとくから。じゃあね~!!」
飛龍「ちょ、違う!! 私が言いたいのはそんなんじゃなくて……」
飛龍「ていうか今ので伝わんないって、冗談だよね蒼龍!? 私相当頑張って恥ずかしいこと言ったのに!! ねぇってば――」
189: 2015/05/30(土) 00:56:10.48 ID:75OPGDHy0
◇
翔鶴「提督、赤城さん、お茶が入りましたよ。休憩しませんか」
提督「ああ、ありがとう翔鶴」
赤城「翔鶴も一緒に飲みましょう。お菓子もありますよ」
翔鶴「ありがとうございます、それじゃ……」
蒼龍「――ノックノック!!」
赤城「はい、どちらさま?」
蒼龍「ドラゴンだよ!!」
翔鶴「何ドラゴンさんですかー?」
蒼龍「ジャパニーズブルーだよ!! ゲームじゃないよ、がおー」
提督「……あんまり上手くないな」
蒼龍「ちょっとぉ。一生懸命考えたんだよ」
190: 2015/05/30(土) 00:58:36.65 ID:75OPGDHy0
提督「どうしたんだ?」
蒼龍「ビンゴ景品の、休暇の申請に来たよ。でもその前に……提督、次の休みの日教えて? 私その日に休むから」
提督「えーと、3日後だね。どうして?」
蒼龍「提督!! その日私とデートして!!」
赤城「!?」ブフゥッ
提督「デートか。いいぞ」
翔鶴「!!!?!?」ゲホッゲホッ
蒼龍「うんうん、提督はお母さんとの方がいいってわかってる。でもちょっと大事な話を……」
蒼龍「……へ? いいの?」
提督「ああ。買い物とかなら付き合うけど」
蒼龍「やったぁ!! じゃあその日によろしくね、それじゃ!!」
191: 2015/05/30(土) 01:01:24.47 ID:75OPGDHy0
翔鶴「ちょ、て、提督、良いんですか!? お母さん以外の人とデートなんて!!」
提督「デートって言っても買い物だろう? それくらいは許してくれるさ」
翔鶴「そ、それじゃあ提督、次のお休みの日は私と」
提督「あー、ごめん。次は鳳翔との約束が入ってるんだ」
翔鶴「」
提督「加賀や瑞鶴と一緒に行ってくればいいんじゃないか?」
翔鶴「やめてください提督……そのセリフは私に効きます……」グスッ
赤城(突然積極的になるなんて……何があったの、蒼龍?)
192: 2015/05/30(土) 01:03:58.35 ID:75OPGDHy0
◇
蒼龍「さてと、次のお店はーっと」
提督「ちょっと……休ませて……流石に店20軒ハシゴは……」
蒼龍「もう、しょうがないな。じゃあお茶にしましょう」
提督「こんなにたくさん服買って、全部着れるのか?」
蒼龍「全部私のじゃないよ。お母さんとか、飛龍たちに似合いそうなのを買ってきたの」
提督「あ、そうなのか……優しいじゃないか、蒼龍」
蒼龍「ふふーん、もっと褒めていいからね? あんまり気軽に鎮守府の外に出れないからね」
提督(費用持ちは大体私だけどな。まあそういうことならいいか)
蒼龍「提督も、お母さんの私服が増えれば嬉しいでしょ。うふふ」
提督「そ、そうだね」
193: 2015/05/30(土) 01:06:03.63 ID:75OPGDHy0
蒼龍「喫茶店のクリームソーダ、たまに飲むと美味しいね」
提督「はは、時々懐かしくなるんだよな。……ところで、蒼龍」
蒼龍「んー?」
提督「何か話があるんじゃなかったのか? 休暇取りに来た時に言ってただろ」
蒼龍「あ、そうだった。うーん」
蒼龍(それとなくって言われたけど、上手く言えそうにないなぁ……)
蒼龍「提督、この戦争が終わった後ってどうなると思う? いつになるかわからないけど」
194: 2015/05/30(土) 01:13:20.78 ID:75OPGDHy0
提督「そうだな、まず間違いなく軍は縮小されるだろうな。
私たち軍人や、艦娘がどうやって生きていくか、今から考える必要がある……」
提督「とはいえ、そんなに近い話ではないと思うけどね。泊地の様なわかりやすい目標だけじゃなく、はぐれ艦隊も多いし。
完全に脅威が無くなるまで、海上護衛は続ける必要があるだろうな」
蒼龍「提督は、その……軍を退役したら、どうするつもり?」
提督「まだはっきりとした考えはないよ……どこか静かな所に、家を探そうかと思ってるけどね」
蒼龍「お母さんと一緒に暮らすの?」
提督「……ああ。鳳翔が軍を退役する時、正式に結婚を申し込もうと思ってるよ」
195: 2015/05/30(土) 01:15:34.64 ID:75OPGDHy0
蒼龍「そっか……そうだよね」
提督「でもそれは最後だな。最低でも鎮守府にいる子たちの、生活の目処がついてから退役する。私のことはその後だ」
蒼龍「……私たち6人も?」
提督「もちろん。何か希望があれば出来る限り、叶える努力はするさ」
蒼龍「……希望……ね」
提督「話ってこのことか? もしかして何か、将来のことで」
蒼龍「ううーん、ちょっと待ってね……」
蒼龍(落ち着け、私……提督の1番はお母さんって、わかってたじゃない……)
196: 2015/05/30(土) 01:19:29.28 ID:75OPGDHy0
提督「どうした、蒼龍。大丈夫か?」
蒼龍「だ、大丈夫大丈夫。ごめんね? 変なこと聞いて」
提督「いや、大事なことだからね」
蒼龍「それに、戦いはまだ続くし……私たちだってどうなるか」
提督「蒼龍、誰かが欠けることは絶対にない。それだけは信頼してくれ」
蒼龍「あ、ご、ごめんなさい」
提督「謝ることじゃないよ。危険なのはいつも君たちなんだから」
197: 2015/05/30(土) 01:25:29.45 ID:75OPGDHy0
提督「でも、どうしてそんな話に?」
蒼龍「ちょっと話してたんだよね……せっかくまた会えたんだから、ずっと一緒に居たいねー、って」
提督「鳳翔や空母の子たちと、か?」
蒼龍「うん。あと提督もね」
提督「そうか。それは嬉しいな」
蒼龍「ほんと? お母さんと愛の巣を作りたいんじゃないのー?」
提督「いや、そんなことは……ないわけじゃないけどな。愛情がなければ、君たちに指輪なんて渡さないぞ」
蒼龍「……家族としての愛情でしょ?」
提督「ああ。鳳翔が君たちに注ぐ愛情を見ていたら、ね」
蒼龍「ふふ、まだ子供いないのに、お父さんみたいだね」
198: 2015/05/30(土) 01:30:54.03 ID:75OPGDHy0
蒼龍「……もし、もしだよ?」
蒼龍「私たちが、本当の家族になりたいって言ったら」
蒼龍「軍を出た後も一緒に暮らしたいって言ったら……どうする?」
提督「……さっきも言ったけれど……私は出来る限り、君たちの希望を叶えたい」
提督「きっと鳳翔も、君たちと一緒に居たいと願ってる……」
提督「いや、それだけじゃない」
提督「それは私も同じなんだ。鎮守府を出た後も、その……鳳翔と、君たち6人の、傍に居たい」
提督「もし君たちもそう思ってくれているなら、とても嬉しいな」
蒼龍「……そっかぁ」
提督「もちろん、君たちが自分自身の進む道を見つけてくれるまででいいんだ。
そのために私は何でもするし、いつでも帰って来てくれてもいい」
提督「君たちの、命を預かって戦った者として果たす、最低限の責任だと思っている」
199: 2015/05/30(土) 01:34:02.98 ID:75OPGDHy0
蒼龍「……優しいんだね、提督。本当にお父さんみたい」
提督「多分に私の希望が入っているよ」
蒼龍「私の自惚れじゃなければ、私たち6人は、提督にとって特別ってことでいいのかな?」
提督「ああ。普段こんなことは、あまり言えないけど」
提督「鳳翔と、君たちと、共に歩んでいくことが出来れば……間違いなく、幸福な人生だと思うよ」
蒼龍「……うふふ。そっかそっか」
提督「あまり言いふらさないでくれよ?」
蒼龍「うん、わかってるよ。一応軍人だしね」
200: 2015/05/30(土) 01:37:38.98 ID:75OPGDHy0
蒼龍「さてと、そろそろ帰ろうか。今日はありがとうね」
提督「あれ、もういいのか? また店をまわるんじゃ」
蒼龍「ううん、いいの。これ以上紙袋増やしたら、持って帰るのが大変でしょ? ……提督が」
提督「これ1人で持って帰るのか!?」
蒼龍「こういうところで甲斐性見せてくれたら、うれしいなぁ。ね?」
提督「まったくもう……タクシー拾うかな」
蒼龍「ごめんね提督」
蒼龍「――あ、そうだ。空母寮の消耗品頼まれてたんだった……本当に悪いんだけど、先に戻っててもらえる?」
提督「ああ、わかった。1人で大丈夫か?」
蒼龍「うん、ちょっとしたものだから。――それじゃ、また明日ね。今日は本当にありがとう」
提督「私も楽しかったよ。じゃあ、また明日」
201: 2015/05/30(土) 01:40:54.97 ID:75OPGDHy0
蒼龍「……もういいよ。聞いてたでしょ、飛龍?」
飛龍「……ありがとね」
蒼龍「提督も結構、色んな事考えてるみたいだね」
飛龍「蒼龍は良かったの? あんまり進展しなかったんじゃ」
蒼龍「あはは、今の状態じゃ何言ってもダメだよ。恋愛感情は、完全にお母さんに向いちゃってるもん」
飛龍「そうだねぇ……」
蒼龍「でもね、皆と暮らせたら私だって嬉しいし」
飛龍「家族で……蒼龍はいいの?」
蒼龍「私だってお母さん大好きなんだよ? 幸せになってほしいし……」
蒼龍「でも提督も好きなの!!」
飛龍「うーん……辛い所ね」
202: 2015/05/30(土) 01:44:43.36 ID:75OPGDHy0
蒼龍「ここはとりあえず保留だよ、保留」
飛龍「告白を保留するの? 本当に辛いわね」
蒼龍「提督は私たちを娘みたいに見ちゃってるわ。まずは恋する乙女として見てもらうところから始めないとね」
飛龍「茨の道ね」
蒼龍「赤城さんや翔鶴とも協力して、女子力磨いてくよ! 飛龍も協力してね?」
飛龍「う、うん。まずはどうするの?」
蒼龍「……それがわかったら苦労しないじゃん……」
蒼龍「よしっ、今日は空母寮で女子会にしよう!! 皆で語り合って、これからのこと色々考えよう」
飛龍「……ふふっ、そうだね、明日に差し障りがない程度に、今日は騒いじゃおうか」
飛龍「なんか私も、今日は呑みたい気分」
蒼龍「よぉおーし!! 頑張るぞーっ!!」
203: 2015/05/30(土) 01:54:21.75 ID:75OPGDHy0
今回はここまでです。書いてて恥ずかしくなる台詞ばかり。
蒼龍がここで告白して撃沈、提督を諦めるのはあまりに不憫で出来ませんでした。
安易なハーレムがすごい苦手なので、現状のラブコメ路線を維持するために保留というchicken戦法
>>4 赤城の紹介の欄に「隙あらば」とわざわざ入れてるのは、
赤城自身が今告白しても撃沈するのを理解してるからだったりしますね……
次は川内小話になります。
またよろしくお願い致します。
204: 2015/05/30(土) 02:02:20.51 ID:gGLvU7cZO
おつかれさん
金曜に投稿される作品が多いのはみんなカレー食った勢いできてるんやな!
金曜に投稿される作品が多いのはみんなカレー食った勢いできてるんやな!
次回:鳳翔「あゝ栄光の、空母機動部隊!」【第2.2話】
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