297: 2015/06/17(水) 17:00:28.09 ID:vzzB/h4E0
最初から:【艦これ】鳳翔「あゝ栄光の、空母機動部隊!」
前回:鳳翔「あゝ栄光の、空母機動部隊!」【幕間1 ~今日は何の日?~】
幕間2 ~母と娘と姉と~
赤城「――いただきます!!」パンッ
蒼龍「おはよう赤城さん。今日は早いんだね」
飛龍「そんなに張り切って、何かあったの?」
赤城「今日は久々に、お母さんと一緒の艦隊で演習なの」
赤城「旗艦として、日ごろの鍛錬の成果を見てもらうチャンス!」
赤城「一航戦赤城!! 頑張ります!!」パクパクモグモグ
298: 2015/06/17(水) 17:01:39.06 ID:vzzB/h4E0
蒼龍「気合い入ってるねー。演習も、どんぶり飯の盛り方も」
飛龍「胃袋の鍛錬はいつも見てもらってるんじゃない?」
飛龍「…………」
飛龍「……消化最高練度……く、くくく……」
蒼龍(自分で言って笑ってるよ)
赤城「ほっといて下さい!! 提督はいっぱい食べる私が好きって言ってくれてます!!」
蒼龍(先週のレストランの後、財布見てため息ついてたのは黙っててあげよ)
飛龍「お母さんも、赤城さんが来ると何も言わずにご飯大盛りにしてくれるもんね」
蒼龍「加賀さんの食べっぷりといい、同じ正規空母でよくも変わるよねー」
299: 2015/06/17(水) 17:03:07.13 ID:vzzB/h4E0
鳳翔「赤城ちゃん、今日はよろしくね?」
赤城「はい、こちらこそ!!」
鳳翔「私の艦載機は、貴女の指示で動かしますからね。自由に使ってもらっていいわ」
赤城「ええと、それでは、艦隊の直掩はお母さんの戦闘機隊に。
一次攻撃隊は私の、二次攻撃隊は私とお母さんの残りで編成します」
鳳翔「了解よ」
赤城「対空戦闘の指揮は鳥海さん、お願いしますね」
鳥海「お任せ下さい!」
長門「この2人が攻撃隊を出せば……ふむ。この長門の出番も無いかもしれんな?」
鳳翔「うふふ、流石にそれは無理ですよ」
300: 2015/06/17(水) 17:08:04.78 ID:vzzB/h4E0
赤城「では行きます。第一次攻撃隊、発艦してください!」
鳳翔「――うん、発艦も随分早くなりましたね。鍛錬の成果が良く出てます」
赤城「…………」
赤城(お母さんに褒められた! 嬉しい!)
赤城「うふ、えへへへへ」
長門「おい、気を抜くなよ。そろそろ敵方の攻撃隊も……」
「「「……………」」」
敷波「……全然来ないね」
雪風「あっ、鳳翔さんの直掩機が!! 敵編隊をすごい勢いで叩き落してます!!」 ←双眼鏡
長門「相変わらず凄まじい技量だな。数の上ではどう考えても劣勢なのに」
鳳翔「――鳥海さん、4機抜かれました。迎撃お願いしますね」
鳥海「あ、は、はいっ」
鳥海(わざと抜かせたように見えたんだけど……) ←熟練見張員
鳥海(もしかして私たちの演習のために……? まさか、ね……)
301: 2015/06/17(水) 17:09:43.64 ID:vzzB/h4E0
鳳翔「そろそろ、第二次攻撃隊を出しますか?」
赤城「あ、はい、そうですね。――装備換装を急いd」アタフタ
鳳翔「赤城ちゃん」肩ガシッ
赤城「ひゃいっ!?」
鳳翔「この時期にそのセリフはやめて頂戴。お願いですから」ハイライトOFF
赤城「は、はい、わかりました……」ナミダメ
鳳翔「まったくもう。演習で対地爆弾なんか、持ってきていないでしょうに」
赤城「すみません、何か勝手に、口をついて出てしまって」
鳳翔「まあいいでしょう、では攻撃隊を――」
――ドォオオオオ……――
鳳翔「……?」
鳳翔(今の音……戦闘音ではない?)
302: 2015/06/17(水) 17:11:11.08 ID:vzzB/h4E0
提督『――演習艦隊、聞こえるか!?』
赤城「提督? どうされました、演習中に」
提督『鎮守府沖合の海底で地震だ、演習は中止!!』
赤城「え……」
提督『規模は不明だが、津波の恐れもある。艦隊を纏めて、直ちに帰還せよ。向こうの艦隊とは話を付けた』
赤城「……じ、じしん……」
鳳翔「!!」
303: 2015/06/17(水) 17:11:59.71 ID:vzzB/h4E0
鳳翔「長門さん、聞きましたね!? 先に皆さんを連れて退避を!」
長門「了解だ。皆行くぞ」
赤城「また……地震が……」
鳳翔「赤城ちゃん、落ち着いて。大丈夫だから、ね?」
赤城「……はっ、い、いえ、私はなんともありません!」
鳳翔「膝が震えているわ、無理しないで」
鳳翔「第一次攻撃隊は、鎮守府の滑走路へ着陸!! 燃料が少ない機は、私の方へ着艦して下さい!!」
赤城「…………」
304: 2015/06/17(水) 17:12:42.41 ID:vzzB/h4E0
提督「――これで全員戻ったか。良かった」
鳳翔「はい。地震の情報は入りましたか?」
提督「ああ、先ほどから津波注意報が出てる。これから余震も続くかも知れないそうだ」
鳳翔「そうですか……あの、あなた」
提督「ああ、わかってる。周辺住民への対処は、今いる人員で十分だから……赤城についていてやってくれ」
鳳翔「ありがとうございます」
提督「先に自室へ戻らせておいたから」
鳳翔「はい、それでは失礼しますね」
305: 2015/06/17(水) 17:13:35.17 ID:vzzB/h4E0
鳳翔「――赤城ちゃん、入りますよ?」
赤城「お母さん……ごめんなさい、全部任せちゃって」
鳳翔「いいのよ。妖精さんは全員点呼を取りましたから、安心してね」
赤城「ありがとうございます……だめですね、私。自然現象なんかに狼狽えて……まだまだです」
鳳翔「そこまで気に病むことではないわ。私たちの、艦船としての記憶がそうさせているんだもの」
赤城「でも、今回は演習だったからいいようなものの……有事の際に、体が動かなかったら」
鳳翔「そう、ね。少しずつ、慣れていくしかないわね」
赤城「はい。皆の足を引っ張るわけにはいきませんから!」
306: 2015/06/17(水) 17:16:29.26 ID:vzzB/h4E0
鳳翔「……でもね、赤城ちゃん。自分の記憶を否定するのは、いけないと思いますよ」
赤城「えっ?」
鳳翔「面識は無かったかもしれないけれど……貴女の姉になるはずだった艦の意思を、貴女は継いでいるのですから」
鳳翔「船として生まれながら、海の上を一度も走れなかった無念は……如何ほどのものだったでしょうね」
鳳翔「前世の艦船や姉妹艦の魂を受け継いでいる……」
鳳翔「貴女が地震を苦手なこと、私は決して責めたりなんかしませんよ」
赤城「ありがとう、ござい、ます……お母さん」
鳳翔「これから先は、私や他の皆……あの人にも、頼っていいんですよ」
鳳翔「一緒に頑張っていきましょうね?」
赤城「はい、お母さん!!」
<お題:地震、鳳翔に甘える(赤城編)>
307: 2015/06/17(水) 17:33:35.46 ID:vzzB/h4E0
お疲れ様です、短編投下です。
地震と甘えるお題、提供ありがとうございました!
やっぱり勘違いネタでいいですね、なんか色々誤解させたようで……
これについていろいろ書きこんで頂いた方、ありがとうございました。
ただそれでも難しいので、もうちょっと時間を下さい、すみません。
なるべく次は早くできるよう頑張ります。
それでは、またよろしくお願い致します。
次回:鳳翔「あゝ栄光の、空母機動部隊!」【幕間3 ~戦艦は仲良し~】
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