512: 2015/11/16(月) 01:45:10.18 ID:V+9RS8no0

513: 2015/11/16(月) 01:47:59.76 ID:V+9RS8no0


幕間8 ~たまには静かな朝~


提督「――いかんいかん、寝過ごした」

提督「鳳翔はもう執務か……悪いことしたな」


提督「鳳翔?」

鳳翔「はい! おはようございます」

提督「おはよう。ごめん、遅くなった」

鳳翔「いえ、遅れてませんよ? そろそろ起こしに行こうかと思いましたが」

提督「あ、そうか……いつも余裕持ってたんだった」

鳳翔「すみません、起こさなくて。昨日は遅かったようですから」
514: 2015/11/16(月) 01:48:46.24 ID:V+9RS8no0

提督「ああ、確かにそうだね」

鳳翔「遅くまで出かけてましたが、どちらへ?」

提督「ちょっと注文してたものを……うん。忘れないうちに渡しておこうかな」

提督「はい、これ。誕生日おめでとう、鳳翔」

鳳翔「えっ、私に?」

提督「11月13日、進水で……あってるよね」

鳳翔「は、はい。――覚えててくれたんですね」

515: 2015/11/16(月) 01:49:32.77 ID:V+9RS8no0

提督「そして起工日、竣工日が来月と。こっちも忘れないようにしないと」

鳳翔「そっちもですか!?」

提督「いいんじゃないか、お祝いごとは多いほうが」

鳳翔「そういうものでしょうか……?」

提督「司令官によって違うらしいよ、お祝いは起工日や竣工日のところも。
   鎮守府に来た日が誕生日なんてとこもあるらしい」

鳳翔「へえ、自由なんですね」

516: 2015/11/16(月) 01:53:50.78 ID:V+9RS8no0

提督「なら別に、全部祝ってもいいかな、っと」

鳳翔「それはちょっと自由過ぎ、でしょうか」

提督「おっと、君は特別だぞ。ケッコン1周年のお祝いは楽しみにしててくれ!」

鳳翔「ふぇ!? は、はい!! 期待してます!!」

提督「うん。――とりあえず、今はそれを」

鳳翔「はい……あ、綺麗なストール」

提督「温かそうだろ。結構探し回ったよ」

517: 2015/11/16(月) 01:54:24.71 ID:V+9RS8no0

提督「最近、急に冷えてきたからね」

鳳翔「ありがとうございます、大事に使いますね!」

提督「うん、楽しみにしてるよ」

鳳翔「楽しみ、ですか?」

提督「そう、それ着てデートに行こう。きっと似合うと思うよ」

鳳翔「――はい!」

518: 2015/11/16(月) 01:57:19.80 ID:V+9RS8no0

提督「――じゃあ、今日も書類整理から頑張ろうか」

鳳翔「あ、あの、それなんですけど……」

提督「どうした?」

鳳翔「まだ、大淀さんから書類が届かないんですよ」

提督「え、まだ? おかしいな、司令部からは遅れとか聞いてないぞ」

鳳翔「あなたが来る前までには、と思ってたんですが」

提督「そうか、変だな……ちょっと行ってみようか」

鳳翔「はい」

519: 2015/11/16(月) 01:57:49.46 ID:V+9RS8no0

提督「大淀」

鳳翔「おはようございます、大淀さん」

大淀「おはようございます……すみません、書類ですよね」

提督「うん、何かあったのかと思って」

大淀「えー、ちょっと遅れてるみたいで……司令部の方に問い合わせ中です」

鳳翔「そうですか、珍しいですね」

大淀「届き次第お持ちしますので、執務室の方でお待ちいただけますか」

520: 2015/11/16(月) 01:59:07.73 ID:V+9RS8no0

提督「わかった、よろしく頼むよ。それじゃあ」

鳳翔「お願いしますね」

―― バタン


大淀「……行かれましたよ」

赤城「ふふふ、じーじぇいです、大淀さん」

大淀「あの……本当にいいんですか、こんなことして」

飛龍「いいんだよー。提督も自分がいない間の執務、覚えてほしいって言ってたし」

521: 2015/11/16(月) 01:59:43.27 ID:V+9RS8no0

赤城「提督の決裁が必要なもの以外は、私たちで片付きますしね」

大淀「それで、提督と鳳翔さんの2人の時間を作ってあげる……と」

飛龍「まあ全部は無理だから、後で提督にチェックしてもらうけど」

赤城「戦闘だけじゃなく事務もできるようになって、提督とお母さんに褒めてもらいます!」

大淀「それは構わないんですが……」

大淀「はあ……久々の出番が、嘘の片棒を担ぐことだなんて」シクシク

飛龍「人助けだよ、気にしない気にしない」

522: 2015/11/16(月) 02:01:16.92 ID:V+9RS8no0


提督「…………」

鳳翔「…………」

提督「時間、空いちゃったな……気が抜ける」

鳳翔「普段は仕事の時間ですからね」

提督「どういうわけか、今日は静かだな」

鳳翔「ああ、そういえば。みんな、お布団から出たくないんでしょうか」

提督「そろそろ、蒼龍や瑞鶴あたりが飛び込んでくると思ったけど」

鳳翔「確かに……疲れてるんでしょうかね」

523: 2015/11/16(月) 02:02:30.62 ID:V+9RS8no0

提督「鳳翔、お茶淹れてくれないか」

鳳翔「そうですね、休憩しますか……って、まだ何もしてませんけど。ふふ」

提督「何かしてないと、まぶたが落ちそうなんだ……」

鳳翔「あら、それじゃあ膝、貸しましょうか?」

提督「んー。いや、やめとく」

鳳翔「そうですか? ……ちょっと傷つきますねぇ」

524: 2015/11/16(月) 02:04:01.80 ID:V+9RS8no0

提督「ああ、いやね。せっかく時間できたから、寝ちゃうのはもったいないと思って」

鳳翔「もったいないですか」

提督「君に膝枕されたら、多分1分もたないから」

鳳翔「そ、そうでしょうか……」

提督「じゃあ今夜、やってもらおうかな……しかし眠い」

鳳翔「いっそ少し眠ったほうがいいですよ。実は私も……ふぁ」

提督「そうか? じゃあこっちの長椅子で」

鳳翔「せっかくなのでプレゼントも使って――」

525: 2015/11/16(月) 02:04:37.05 ID:V+9RS8no0


赤城「――提督ー? ちょっと見てほしいんですけど……って、あら」

「「Zzz……」」

飛龍「寝ちゃったんだね。かわいー、2人でストールにくるまってる」

赤城「むむ。本当に可愛いですね」

飛龍「昼休みまではそっとしといてあげようよ、赤城さん」

赤城「そうですね……褒めてもらうのは、また後でにします」


赤城「今度、あいだに挟んで寝てもらいましょう」フンスッ

飛龍「意外と甘えん坊だよね赤城さん……いや、人のこと言えないけどさ」


526: 2015/11/16(月) 02:10:35.48 ID:V+9RS8no0

お疲れ様です、お題消化でないのでひっそりと更新です。
頂いたものでなくてすみませんが、流石に進水日スルーはできませんので……

明日から家族旅行で、大和ミュージアムや呉鎮守府長官室跡などに行ってまいります。
大和対ミズーリ展楽しみですね……!


また別の短編で、翔鶴さん編を考えてます。
来週あたりに更新しますので、よろしければそちらも読んでもらえると嬉しいです。

では、またよろしくお願いいたします。

527: 2015/11/16(月) 02:19:50.32 ID:BmTrQYyUo

次回:鳳翔「あゝ栄光の、空母機動部隊!」【幕間9 ~きよしこの夜~】


引用: 鳳翔「あゝ栄光の、空母機動部隊!」 【お題募集】