52: 2013/08/09(金) 23:53:22.41 ID:WCjgXfhDO


最初から:【艦これ】或る鎮守府の短篇集なのです!

【りべんじなのです!】


電「電、復帰なのです!」

提督「うむ、しっかり治してきたか?」

電「大丈夫なのです!」

提督「よろしい、ではそろそろ借りを返しに行こうではないか!」

電「おー! なのです!」


【で……】

電「し、司令官さん!また渦潮なのです!?」

足柄「ふにゃぁぁぁっ!?」

提督「またかーッ!!」



艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 水雷戦隊クロニクル(1) (角川コミックス・エース)

53: 2013/08/09(金) 23:56:31.81 ID:WCjgXfhDO

【押してもダメなら引いてみろ!なのです】


提督「どうなってるんだこの海域は……、フル面子揃った途端渦潮コースしか出てないぞ……」

足柄「うーん、その面子がダメなんじゃないですか?」

提督「面子が? 一理あるかもしれないな」

神通&五十鈴「えっ!?」ビクッ!?

足柄「そうと決まったら早速私を旗艦にして……」

提督「足柄、利根、悪いが今日は水雷戦隊で突貫してみることにする。今回は残ってくれ」

利根「分かった。なら休ませて貰おう」

足柄「」


提督「おーい、誰か初雪と白雪呼んでこーい」

電「了解なのです」


足柄「……」

足柄「…………」

足柄「………………悔しくなんかないわ」クスン



【なおこの出撃は単なる資源拾いになった模様】





54: 2013/08/09(金) 23:57:55.89 ID:WCjgXfhDO

【翔鶴さん、出番なのです】


提督「重巡を主力にすれば渦潮、水雷戦隊なら資源拾い……一体どうしろと言うんだ羅針盤の神は……!」ウガーッ!

電「司令官さん、落ち着いて欲しいのです!」アワワ…

ガチャ…

翔鶴「提督、電さん、お茶が入りましたよ」

提督「ん?ああ、翔鶴か、悪い……」

翔鶴「いえ、たまの演習以外、やることもありませんし……」

提督「悪いな、空母運用出来るほど余裕がなくて……って、空母?」ジーッ…

翔鶴「提督?どうかしましたか?」ワタシノカオニナニカツイテマス?

提督「ものは試しでやってみるか……」

電&翔鶴「?」





55: 2013/08/10(土) 00:10:37.37 ID:OAgFXOIDO

【得意分野なのです?】


神通「で、翔鶴さんを艦隊に入れたら……」

電「あっさりボス戦となのです……」

五十鈴「ホント、世の中何がどう作用するか分からないわねぇ……」

足柄「とは言え、良かったのかしら?戦艦と殴りあう所に空母を連れてきちゃって……」

翔鶴「私の事でしたら気にしないで下さい。こう見えて耐久は高い方ですし、それに……」

電&足柄&五十鈴「それに?」

翔鶴「被害担当艦になるのは慣れっこ(※)ですから……」ズーン……


全員(お、重い! 空気が重すぎる……)




(※)被害担当艦
姉妹艦であり幸運艦と呼ばれた瑞鶴との対比で使われる。
翔鶴が瑞鶴と一緒に行動した珊瑚海海戦、南太平洋海戦、マリアナ沖海戦で翔鶴のみがやたら被弾したことからこう呼ばれる。

珊瑚海海戦と南太平洋海戦では爆撃のみであり、何とか生還したが、マリアナ沖海戦では潜水艦の魚雷を受け大量に浸水。
何度やられても立ち上がり戦い続けた翔鶴は、遂にその姿を海面下に没したのである。
(艦これ作中で翔鶴がやたら潜水艦を気にしてるのはこのせいだと思われる)

56: 2013/08/10(土) 00:12:04.16 ID:OAgFXOIDO

【戦闘開始なのです】


翔鶴「提督、偵察機が敵艦隊を発見しました」

提督「よし、先手をとるぞ!第一次攻撃隊を出せ!」

翔鶴「はいっ!」ヒュンヒュンヒュン!ブォォォン


足柄「敵の陣形が乱れたわ!行くわよ、目標、敵駆逐か……」

攻撃隊「」ブォォォン…!
敵駆逐艦「ギャー!」チュドーン


五十鈴「見えたわ!目標、敵軽巡洋艦、撃ち方はじ……」

攻撃隊「」ブォォォン…
敵軽巡「ギャー!?」チュドーン!



翔鶴「提督、先制空襲で軽巡洋艦1隻を撃沈、駆逐艦2隻大破です」

提督「うむ、宜しい!」


足柄&五十鈴(もう翔鶴(アイツ)一人で良いんじゃないかな?)





57: 2013/08/10(土) 00:14:22.28 ID:OAgFXOIDO

【敵戦艦のターンなのです】


利根「二人とも何をぼさっとしておるのだ、敵の砲撃が来るぞ!」

五十鈴「ッ!」

足柄「しまった、気を抜いてる場合じゃ……!」


ドーン!ドーン!ドーン!


電「撃ってきたのです!」

提督「全員衝撃に備えろ!」

電「っ!」


ズドーン!ズドーン!チュドーン!


提督「ちっ、誰か食らったか! 被害知らせ!」


電「電、大丈夫なのです」
足柄「足柄、大丈夫よ」
五十鈴「五十鈴、被害ありません」
利根「吾輩も問題ないぞ」
神通「神通、大丈夫です……」

提督「? 全員被弾なしだと? どう言うことだ?って、まさか!?」


翔鶴「て、提督……、私やっぱり怪我しやすいみたいです……」ボロ…ッ←【中破に限りなく近い小破】

提督「翔鶴ーッ、しっかりしろーッ!!!傷は浅いぞーッ!!」





58: 2013/08/10(土) 00:16:20.60 ID:OAgFXOIDO

【決着なのです】


提督「とにかく、翔鶴が敵の砲撃を引き受けてくれたお陰で何とか夜戦に持ち込めたぞ! 残りは二隻だ、叩き潰せ!」

足柄「10門の主砲は伊達じゃないの!その雷装を活かせず沈みなさい!」

敵雷巡「ギャー!」

五十鈴「雷巡轟沈!残りは戦艦よ!」

利根「まずは吾輩の砲撃をくらうがよい!」


ドーン!ドーン!ギャー!
敵戦艦「ウボァ-」←【中破】


提督「よし、今がチャンスだ! 電、左雷撃戦用意……、全魚雷、発射ァ!」

電「命中させちゃいます!」バシュ!


シュルシュルシュル……


提督&電「…………」ゴクリ…


シュルシュルシュル……チュドーン!
敵戦艦「ギャアアア!?」←【撃沈】


神通「敵戦艦に魚雷命中。 敵戦艦、撃沈です」

利根「やった!やったぞ!」

足柄「中々やるじゃない。流石、ウチの旗艦ね」

翔鶴「電さん、おめでとう」

提督「よくやったな電、大金星だ」ナデナデ

電「あっ、あの……、その……///」カァァ…



電「……ありがとう」エヘヘ…





59: 2013/08/10(土) 00:18:12.07 ID:OAgFXOIDO

【戦闘終了なのです】


電「アハハ、ナノデス……(白目」チーン

翔鶴「電さん!しっかり……、しっかりしてください!」アワワ…



白雪「あの、電ちゃんどうかしたんですか?」アワフイテル…

叢雲「また被弾でもしたの?」ソノワリニコワレテナサソウダケド…

五十鈴「MVPをね、雑魚敵掃討した翔鶴さんに持っていかれちゃったのよ」

足柄「戦艦を沈めたのは電なんだけどねぇ。利根との共同戦果扱いになっちゃって……。 現実って非情よね」

白雪&叢雲「あー……」


翔鶴「しっかりしてください電さん! 電さーん!」

電「」チーン





62: 2013/08/11(日) 13:43:11.80 ID:sZenTNiDO

【戦艦レシピ再びなのです】


電「司令官さん、みんな集まったのです」

足柄「全員召集だなんて何があったんです?出撃ですか?」

利根「御主はいい加減その戦闘脳をなんとかした方が良いと思うぞ?」

提督「……今日集まって貰ったのは他でもない。皆にはこれから戦艦レシピを回して貰う」

電「またなのですか?」

提督「上から扶桑型戦艦を配備しろ、とつつかれまくってな。造らないわけにはいかなくなったんだ」

足柄「なるほど、なら仕方ないかもしれませんね」

五十鈴「でも万年赤貧鎮守府のウチに戦艦を養う余裕なんてあるの? 翔鶴だけでも精一杯なんでしょ?」

翔鶴「あ、あははは……」(^_^;)


提督「そこは問題ない。上から『配備しろ』とは言われたが、『運用しろ』とは一言も言われてはいない」

電「? どういう意味なのですか?」

提督「つまり造るだけ造って、運用するのは一月後、一年後でも構わないと言うことだ」


全員(うわぁ、放置する気満々だこの人!!)





63: 2013/08/11(日) 13:45:04.41 ID:sZenTNiDO

【足柄にお任せよ!】


足柄「それじゃあ先ずは私からやらせて貰うわね」

提督「大丈夫か?」

足柄「まっかせてください!提督の望む艦娘は私の望む艦娘! 絶対お望みの艦娘を出して見せるわ!」



【で……】

那智「貴様が司令官か、私は那智。宜しく頼む。 って、足柄じゃないか」

足柄「那智姉さん!?」

提督「そうかそうか、足柄は姉さんの事が恋しかったんだな。すまんな、気付いてやれなくて……」ポンポン

電「感動の再会なのですね……」ウルウル

五十鈴「イイハナシダナー」

足柄「い、いえっ、これは違うんです!」

那智「えっ!? ソウナノカ!?」!Σ( ̄□ ̄;)ガーン!

足柄「あっ、那智姉さん、別に那智姉さんが嫌だとかそう言う意味じゃ……」o(T△T=T△T)oアタフタ


提督(面白い……)ニヤニヤ
利根(面白い……)ニヤニヤ
五十鈴(面白い……)ニヤニヤ





64: 2013/08/11(日) 13:46:41.70 ID:sZenTNiDO

【五十鈴にお任せ!】


五十鈴「じゃあ次は私がやってみるわ。 と、その前に戦艦って何時間ぐらいだったかしら?」

提督「確か4時間以上、だった気がするな」

五十鈴「4時間以上ね……。じゃあ行くわよ!」


『4時間30分』パッ!


提督「おっ!」
足柄「げっ!?」
翔鶴「あら?」
利根「ふむ……」

電「4時間以上なのです!」

五十鈴「ふふん、ざっとこんなものよ。 さ、提督、炙ってみて下さい」



【で……】

日向「伊勢型戦艦2番艦、日向よ。一応覚えておいて」

利根「惜しいな……」(¬_¬)ジーッ

足柄「ええ、限りなく惜しいわ……」(¬_¬)ジーッ


五十鈴「orz」チーン

提督「い、いや、胸を張って良いんだぞ五十鈴? 紛れもなく我が鎮守府初の戦艦なんだから……、な!?」






65: 2013/08/11(日) 13:50:14.59 ID:sZenTNiDO

【電の番なのです】


提督「さて、気を取り直して次は……、そうだな、電にやって貰おうかな」

電「えっ!?電が、ですか? でも電は前に一度……」チラッ

足柄「?」ヨンダ?

提督「最初に言っただろ?今日は戦艦レシピをやって貰う為に集まって貰った、って」

電「うぅ~、わ、分かったのです……」



『建造レシピましーん』バ
入力【???/???/???/???】 バーン!


電(うぅ、緊張するよぉ~……)ブルブル

翔鶴「(電さん、電さん……)」チョンチョン

電「(? 翔鶴さん?)」コソコソ

翔鶴「(電さん、このレシピでやってみて?)」つ【400/100/600/30】

電「(このレシピは?)」コソコソ

翔鶴「(最近見付かった最新の戦艦レシピよ。 戦艦が出易いみたいなの)」コソコソ

電「(!? それは本当なのですか?)」コソコソ

翔鶴「(ええ、試してみて下さい)」

電「(分かったのです! ところで……)」

翔鶴「?」

電「翔鶴さんはなんでこんなレシピを知ってたのですか?」

翔鶴「えっ!? い、いえ、それは……、な、なんでもいいじゃないですか、たまたまですよ。たまたま……」(-_-;)

電「?」


翔鶴(い、言えない! 妹の瑞鶴と会いたくて、日夜レシピの情報を集めてるだなんて、恥ずかしくて絶対言えないッ!)(ノД`)ワーン





66: 2013/08/11(日) 13:54:36.99 ID:sZenTNiDO

【新・戦艦レシピなのです】


電「えっと、【400/100/600/30】で、えいっ!」ナノデス!


『5時間』パッ


電「ご、5時間……?」

提督「おおっ!?」
足柄「あら?」
利根「ほほぅ……」
五十鈴「負けた……orz」
翔鶴「…………」ニコニコ


電「えっ!?5時間と言う事は、戦艦なのです!?」

提督「お、落ち着け電! ま、先ずは炙ってみるんだ!」

叢雲「先ずはアンタが落ち着きなさい」

初雪「……ここに来てようやく出番」

白雪「とにかく!炙ってみましょう、ね?電ちゃん?」

電「わ、分かったのです!」



長門「私が戦艦長門だ、よろしく頼むぞ」



全員(す、スゴい人来ちゃったーっ!!?)!Σ( ̄□ ̄;)ガビーン!





67: 2013/08/11(日) 14:17:52.37 ID:sZenTNiDO

【びっく7さんなのです】(>>>1


長門「ん?どうしたんだ? 鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして?」

提督「い、いや、だって、その……、なぁ?」

利根「狙っておったのは扶桑型なのに、尽くその上を行かれたら普通に驚くと思うぞ」

足柄「悪かったわね、私だけ下で……」

提督「いや、一言もそんな事は言ってないからな?」

長門「ふむ、よく分からないが、この鎮守府はまだ中小の鎮守府なのか?」

翔鶴「まあ、そんなところですね。 オヒサシブリデス、ナガトサン」

長門「ほぅ、翔鶴も居るのか。赤城は居るのか?」

翔鶴「いえ、赤城さんはまだうちには……」

長門「……なるほど、大体分かった。暫く私は動かない方が良いのだな?」

提督「理解が早くて助かります」

長門「なに、最近、手軽なレシピが出回っているせいか、鎮守府を何軒か破産させてしまったからな。それに、聯合艦隊旗艦が颯爽と先陣を切る時代でもあるまい」(>>>2

提督「出て来て戴いたのにすいません」ペコペコ



電「司令官さんが頭を下げてるのです」

足柄「あれが聯合艦隊旗艦の風格なのね……。ミナライタイワ」




>>>1)ビック7
ワシントン軍縮条約により保有を認められた戦艦の内、41センチ(又は16インチ)砲を積んだ7隻の戦艦こと。

日本の長門型(2隻)、アメリカのコロラド級(3隻)、イギリスのネルソン級(2隻)が当てはまる。
ネルソン級の姿は変態紳士イギリスの代表例とも言えるので一見の価値アリ。



>>>2)颯爽と先陣を切る時代でもない

日露戦争までは総大将が前線に出て戦う事はよくあった。
が、戦争の規模が地域が限定されたものから世界大戦へと発展し、電信・無線技術が発展すると、
総大将は後方から指示だけ飛ばし、前線に出ない形に変貌していった。

現場特有の狭窄に囚われず柔軟な視点から作戦が立てられるなど、メリットも大きかったのだが、
明治の先例に倣い、前線指揮型の戦術に染まりきった当時の海軍では、その利点を生かしきることは出来なかった。

この点、アメリカは柔軟で、情報を重視し、綿密な戦略を練った結果、序盤の苦境をはねのけ、日本を敗戦へとおいやった。
時代に即時対応できた者と、出来なかった者の差があの結末なのである。

68: 2013/08/11(日) 14:20:43.81 ID:sZenTNiDO

【定番のオチなのです】


提督「さて、扶桑型は出なかったが、戦艦は手に入れた訳だし、今日の所はこの辺で……」

利根「何を言っておるのだ? 吾輩がまだ回してないであろう?」

提督「えっ、いや、あの資源がそろそろ……」

利根「気にするでない、電のやった新レシピを吾輩が回せばすぐだ!」


叢雲「私も回すわよ!」
文月「文月もやるぅ~」
神通「で、では私も……」
那珂「那珂ちゃんもやっちゃうよー!」
那智「ふむ、それでは私も回してみようかな?」



提督「資源が……、資源が溶けて……あはは……」\(^o^)/オワタ

電「司令官さん!しっかりしてくださいなのです!」



【なお、以降どれだけやっても巡洋艦しか出なかった模様】





81: 2013/08/14(水) 20:20:34.11 ID:u3ry2w8DO

【利根さんとカタパルトなのです】


【配属直後の頃】

利根「バカな!?カタパルトが不調だと!?」

提督「なにぃ!?」ミッドウェーフラグカ!?

電「大変なのです!」アタフタ



【資源地帯攻略の頃】

利根「カタパルトが不調だと!?」

電「またなのですか!?」ガビーン!

提督「…………」



【そして今……】

利根「カタパルトが(ry」

提督&電「いい加減にしろ(なのです)!!」





83: 2013/08/14(水) 20:40:02.61 ID:u3ry2w8DO

【古傷なのです?】


提督「毎度毎度カタパルト不調カタパルト不調って、お前のカタパルトはどうなってるんだ!?」

利根「そ、それは……、そう!吾輩のカタパルトはちと特殊で……」

提督「俺の記憶が正しければ、カタパルトが特殊なのは『大淀』(※)で、利根型のカタパルトは妙高型と同じ型だった筈だが?」

利根「う゛っ……」


足柄「? イマナンダカヨバレタヨウナ…?」
那智「アシガラモカ? ワタシモソンナキガシテナ…」


提督「で?カタパルトがなんだって?」

利根「あ、その……、なんだ? そ、そう!実は吾輩はかのミッドウェーでカタパルトに矢を受けてしまってだな……!」(>>>2

提督「……零式水偵没シュートしても良いんだぞ、オイ」キジュウツンデヤロウカ?キジュウ

利根「以後気を付けます!(土下座」




(※)軽巡洋艦『大淀』
潜水艦部隊に後方から指揮を出す潜水艦隊旗艦として計画された軽巡洋艦。
当時開発中だった超高性能水偵を運用する為、専用の格納庫と大型カタパルトを装備しているのが特徴だった。

が、肝心の超高性能水偵が失敗作で、大淀は生まれながらにして失職。
カタパルトは撤去され格納庫を司令部施設にして、聯合艦隊旗艦として使用された。

昭和20年7月の呉大空襲で転覆・沈没。(艦これ未実装)


>>>2)ミッドウェー
歴史の転換点となったミッドウェー海戦にて、利根のカタパルトが故障した故事から。
長年の間、この時の出遅れがミッドウェーの敗因とされていたが、両軍の位置関係を詳しく調べた結果、この説は否定されている。

84: 2013/08/14(水) 20:41:31.10 ID:u3ry2w8DO

【油断大敵なのです】


【南西諸島沖にて】

電「司令官さん、また資源なのです!」

提督「連続で資源回収とは美味しいな。 敵も出てこないし、今回は当たりを引いたか?」

足柄「敵主力が見付かった海域も近いですし、案外行けるかも!」

五十鈴「ここの敵さえ倒せば鎮守府近海の制海権を得たも同然! やっと外海へ乗り出せるのね!」ウットリ

那智「おいおい、そう言うことは敵主力を倒してから言ってくれないか?」

翔鶴「そうですよ。昔から油断大敵と言いま……、 ッ!て、提督!偵察機から『空母を含む敵艦隊発見』の報告が!」

提督「空母だと!? で、敵艦隊がこちらに気付いた様子は!?」

翔鶴「……提督、敵空母は攻撃隊を発進済みのようです」

全員「!!!」





85: 2013/08/14(水) 20:48:07.42 ID:u3ry2w8DO

【対空戦闘なのです】


提督「ちぃ、先手を取られたか!」

電「ど、どうするのですか!?司令官さん!?」o(T△T=T△T)oアタフタ

提督「落ち着け! 足柄、高角砲でもって対空戦闘用意! 翔鶴は待機中の攻撃隊の発艦を急げ!」

足柄&翔鶴「了解!」

五十鈴「……私たちはどうするの?高角砲なんて積んでないわよ?」

提督「なんとか回避でやり過ごす以外ないわな。 気だけは抜くなよ?」

電&五十鈴「…………(ゴクリ」

那智「来たぞ!敵の攻撃隊だ!」

提督「えぇい、南無三!なるようになれだ!対空戦闘始めッ!!」



【で……】

赤城「航空母艦赤城です!空母機動部隊ならお任せくださ……」

提督「スマン、挨拶なら後にしてくれ!今ちょっと手が離せないんだ!」

赤城「えっ……? えぇっ!?」


電「ウゥ、ハズカシイヨォ…」←【中破】
足柄「コノワタシガ、ココマデヤラレルナンテ…」←【大破】
翔鶴「ワタシッテ、ケガシヤスイノカシラ?」←【中破】
五十鈴「ダ、ダイジョウブ、スコシヤスメバ、ナントカナリマス…」←【大破】

提督「お前らしっかりしろ! 今、ドックに入れてやるからなーッ!おーい、修繕班!修繕はーん!」(※)



赤城「えっ、なに……これ? ここは野戦病院か何かですか……?」

那智「今現在に限定すればあながち間違いじゃないな」




(※)
ちなみにネタなどでよくみる衛生兵は軍医だけでなく医療行為を行う兵全般を指す。
つまり包帯処置しかできなくても衛生兵は衛生兵です。

86: 2013/08/14(水) 20:54:52.98 ID:u3ry2w8DO

【一航戦なのです】


赤城「改めまして、航空母艦赤城です」

提督「うむ、宜しく」

電「よろしくお願いしますなのです」

提督「さっきは悪かったな。放置するような真似をして……」

赤城「いえ、大変だったのは分かりますし、気にしてませんから……」

提督「で、赤城は正規空母か……」

赤城「はい、空母機動部隊を編成するならお任せくださ……、って、翔鶴さん!?」

翔鶴「あっ、赤城さん! お久しぶりです」

赤城「えっ、あ、な、なんで翔鶴さんが此処に!?もしかして私、要らない子ですか!?一航戦の座は既に翔鶴さんのものなんですか!?」ヽ(*TДT)ノ

翔鶴「落ち着いてください赤城さん! 私はまだ五航戦です!」(※)

赤城「まだ? まだと言う事はそのうち……」!Σ( ̄□ ̄;)ガビーン

翔鶴「違います!違うんです! あー、もうどうやって説明したら……」



電「赤城さんと翔鶴さんはなにがあったのです?」

提督「触れて欲しくないトラウマ、ってヤツだ。そっとしておいてやろう」




(※)まだ五航戦
元々一航戦(第一航空戦隊)は赤城・加賀の2隻で構成されていたが、
ミッドウェーで両艦とも撃沈され、空席となってしまったので、翔鶴・瑞鶴ら五航戦が繰り上げで一航戦になった事から。

因みに蒼龍と飛龍が構成していた二航戦は、飛鷹・隼鷹が引き継いでいる。

93: 2013/08/15(木) 19:35:25.56 ID:0Kq0/JvDO

【強化なのです】


提督「南西諸島攻略の為に、艦隊の対空能力を上げないと不味いな」

電「どうするのですか?司令官さん」

提督「ん~、そうだな……。 電、そう言えばお前確かあと少しでレベル20だったよな?」

電「あっ、はい、そうなのです」←【レベル19】

提督「先ずは改造出来るまで鍛えようと思うんだが……、電、大丈夫か?」

電「はい、大丈夫なのです!」モンダイナイノデス!

提督「よーし、いい返事だ。 それじゃあ龍田教官、電の事、任せたぞ」

龍田「は~い、任せて~」

電「えっ!?」Σ( ̄□ ̄;)





94: 2013/08/15(木) 19:37:11.96 ID:0Kq0/JvDO

【防空戦闘訓練なのです】


龍田「うふふ、電ちゃんは第一艦隊で旗艦をしてるそうねぇ……」

電「は、はいなのです……」( ;∀;)ガクガク

龍田「と、言うことはぁ、実戦経験もウチの鎮守府トップなんでしょう?」

電「い、一応そうだと思うのです……」(・・;)?

龍田「ん~、そうなるとアレかなぁ……」ニコッ

電(あれ?龍田教官が笑ってるのです。 もしかして今回の訓練は結構簡単だったり……)


龍田「なら実戦形式で大丈夫よねぇ。 翔鶴さん、航空隊の方、全力でお願いしますねぇ」

翔鶴(電さん、ご免なさい!)(;>人<;)ペコペコ

電「やっぱりそんな事はなかったのです!!?」!Σ(T□T;)ガーン!





95: 2013/08/15(木) 19:56:39.94 ID:0Kq0/JvDO

【改造なのです】

電「し、氏ぬかと思ったのです……」グッタリ

提督「だいぶお疲れだな……。だが、これで電もレベル20だな」

電「はい、ようやく改造出来るのです!」エヘン

提督「んじゃまあ、早速で悪いがドックの方に行ってくれ、準備は出来てるから」

電「はいなのです!」



【で、改造終了】

電「電あらため、電<改>なのです!」ジャーン!

提督「おっ、主砲が半自動の長10センチ高角砲になってるじゃないか!」(※)

電「長10センチ高角砲?」コレデスカ?

提督「うむ、高角砲だが初速が速いから対艦戦闘でも使える傑作高角砲だ。いいモノつけて貰ったな」ナデナデ

電「えへへ……なのです」


五十鈴「ナンデイナヅマダケ…ナンデイナヅマダケ…」(# ̄З ̄)ブツブツ…

足柄「い、五十鈴?高角砲と電探を取っちゃった事は謝るわ。だから机をかじるのは止めてくれない?」(-_-;)コワイ




(※)長10センチ高角砲
正式名称は六五口径九八式一〇糎高角砲。
艦これで、電たちが改造後に装備してるのがコレ。

防空駆逐艦『秋月』や装甲空母『大鳳』など、次世代の艦に搭載する高角砲として誕生。
『秋月』型では対空用の高角砲でありながら対艦戦闘にも度々用いた。

『電』たちの初期装備がその機構上、対空戦闘では毎分4発が限度だったのに対し、此方は毎分15発と四倍近い性能を誇る。
故に当時の日本では量産出来ず、結局上記艦船に装備されただけだった。

艦これで大半の駆逐艦が改造で装備出来るのは夢と言っても過言ではないと思う。

96: 2013/08/15(木) 19:59:51.02 ID:0Kq0/JvDO

【近代化改装なのです】


電「司令官さん、また電の武装セットなのです」

提督「またか。いくらなんでも五着も予備は要らないぞ?」

電「どうしますか?司令官さん?」

提督「ん~、電は改造も済ませたし、電の強化に使うか……。電、近代化のエサにしちゃって良いぞ」

電「了解なのです」


ニア『イナヅマブソウセットナノデス!』カチッ
ニア『イナヅマブソウセットナノデス!』カチッ
ニア『イナヅマブソウセットナノデス!』カチッ
ニア『イナヅマブソウセットナノデス!』カチッ
ニア『キョウハナンノヒ? ネノヒダヨー』カチッ


水雷(+5)
ニア【宜しいですか?】カチッ


提督「ん?おい、今変な声混じらなかったか?って、子日ーッ!!?」!Σ( ̄□ ̄;)ガビーン

電「あっ!?間違って押しすぎちゃったのです!?」!Σ( ̄□ ̄;)ガビーン



【なお、子日ちゃんは沖ノ島海域攻略中までお預けだった模様】




(※)
保護機能がつくまでやらかした提督は多いと思う。
多いと思いたい……。

97: 2013/08/15(木) 20:02:14.69 ID:0Kq0/JvDO

【一航戦赤城、○ます!】


提督「よーし、対空能力も上げたし、リベンジと行こうじゃないか」

電「オー!なのです」
足柄「やるわよ!」
那智「腕がなるな」
利根「うむ、出陣だな」
五十鈴「今度は負けないわよ!」
翔鶴「はい、頑張ります!」


赤城「ちょっと待って下さい!」

提督「ん?どうした赤城?」

赤城「提督、対空能力を上げたいなら護衛の戦闘機を増やせば良いと思うんです!」

提督「戦闘機を?しかしだな、そうなると攻撃力が……」

赤城「搭載機数の多い私なら、攻撃力を維持したまま戦闘機が増やせます!」

提督「んー、翔鶴、悪いんだが今回は遠慮して貰って良いか?」

翔鶴「あっ、はい、分かりました」スコシ、ザンネンデスガ…

提督「と言う訳で赤城、行くぞ」

赤城「はい、一航戦赤城、出ますッ!!」ビシッ!



【数分後……】

赤城「一航戦赤城、寝ます!」スヤァ…←【大破】

提督「初っぱなから重巡にタコ殴りにされて戦線離脱とか嘗めとんのかゴルァ!!」ヽ(#`Д´)ノ

電「し、司令官さん!落ち着いてくださいなのです!」(>□<;)





98: 2013/08/15(木) 20:14:05.20 ID:0Kq0/JvDO

【夜戦マスター電なのです!】


翔鶴「提督、夜間につき、攻撃隊発進不可能です!」←【結局翔鶴さんを入れて出撃しました】

提督「宜しい!昼を凌いだだけで十分だ! 水雷戦隊、突入せよ!」

五十鈴「了解!艦載機の出せない空母なんて、もう怖くないわ!」

足柄「夜戦ならこっちのものよ!見てなさい!」

利根「弾着観測は吾輩に任せてもらおう!観測機、発進!」(※)

那智「足柄、利根!突撃するぞ!」



電「電の本気を見るのです!」



~電の勇気が世界を救うと信じて!~
【ご愛読、ありがとうございました!】



電「って、まだ終わりじゃないのです!!」ヽ(*TДT)ノカッテニオワラセナイデホシイノデス!


【なお、敵空母部隊の撃滅には普通に成功したようです】




(※)弾着観測と観測機
戦艦や巡洋艦に積まれた偵察機のもう一つの役目。
長距離戦や夜間戦闘では艦から着弾を確認するのが難しいので、上空に偵察機を飛ばして補佐して貰っていた。
日本海軍には偵察機の他に弾着観測専用の観測機も存在する。
零式水上観測機は戦闘機に襲われてもある程度戦えるなど色々おかしい。

他にも夜戦では吊光弾(敵を照らすための照明弾)を投下したり、水上偵察機の役割は多かった。

99: 2013/08/15(木) 20:26:10.95 ID:0Kq0/JvDO
まだ終わりじゃありません。
まだ終わりじゃありませんよ?
大事なことなので二度言いました。


鎮守府近海海域はこれで終了です。
巷で人気の某戦艦姉妹をお待ちの皆様、少々お待ちください。
出番まで、あと少しです。

胸が豊満な高雄型姉妹をお待ちの皆様、今暫くお待ちください。
アタゴンも川内さんもこの頃はマジで引けなかったのです。今ではボロボロ出ますが……


このゲーム、物欲センサー強すぎだと思います。いやホント

100: 2013/08/15(木) 20:43:34.33 ID:34V0R+KUo
わかる
なんでかいまはぽよぽよ…ぽろぽろでるんだけどねぇ

雑学もおもしろくていいスレなのです

次回:或る鎮守府の短篇集【その3なのです!】


引用: 【艦これSS】或る鎮守府の短篇集【なのです!】