458: 2008/12/08(月) 00:05:06 ID:+0fI/zFk


前回:【スト魔女】サーニャがペリーヌの部屋に 間違えて入ったら

「もしサーニャがシャーリーの部屋に間違って入ったら」

どうしたんだい?そんな浮かない顔をして?
もしかしてお姫様が今日は来なかったからがっくりしてるのかい?
反対にアンタは機嫌良さそうだって?
まあね。ちょっといいことがあったから。

そう言えば、きょうあたしが寝てたときのことだけどさ、
あたしが寝返りを打つと手がなにか柔らかいものに当たったんだ。
最初ルッキーニがあたしの布団に潜り込んだのかと思ったんだ。
ルッキーニが寂しくなったときなんかたまにあたしの布団にくるからね。
だけど横を見て、それがルッキーニじゃなかったからびっくりしたよ。

誰かって?
サーニャだよ、隣に寝てたのは。

まぁまぁ、そう興奮するなよ。
え?「私は落ちついている」だって?
そんなに声が震えているのに?
わかったわかった。
落ちつているっていうことにしておこう。

459: 2008/12/08(月) 00:06:21 ID:+0fI/zFk
なんで起こさなかったのかって?
それがサーニャはよく寝てるんだよね。
夜間哨戒が終わってほんとに疲れてたんだろうね。
だって「人が寝ているときに空を飛ぶ」なんてとってもきつそうだし。
せっかく寝たのに起こすのもなんだからと思ってしばらく一緒に寝てたんだ。
でも、あたしはちょっとばかり寝相が良くないんだ。
それにベッドは一人用だろ?
そんなに広いわけじゃない。
二人寝たらぎゅうぎゅう詰めさ。
寝返りを打ったりすると何度か手や足がサーニャに当たってしまった。
このままじゃ蹴り落とすのも時間の問題だから、サーニャをどこかに移すか、
あたしがどこかへ行くかって起きて考えたんだ。

ルッキーニならいつもべつのとこに寝ててたぶん部屋にいないだろうから、
少しの間だけベッドを借りようかな、と思ったんだ。
サーニャに布団を掛けて、あたしはルッキーニの部屋へ行った。
ルッキーニがいなかったのは予想通り。
きっと秘密基地の一つで寝てるんだろう。

あたしはルッキーニのベッドに横になった。
ルッキーニのベッド、使われなかったんだろうなぁ。
シーツ、糊がきいたまんまだったよ。

460: 2008/12/08(月) 00:07:16 ID:+0fI/zFk
あたしは再び眠り始めた。
うとうとし出した頃、人の気配がしたんだ。
サーニャが寝ぼけてまたこっちに来たのかと思って顔を上げると
お気に入りの毛布を持ったルッキーニがいた。

そりゃ、そうだよな。ルッキーニの部屋だもん。
ルッキーニがいても不思議じゃあない。
というかいるのがふつうだ。
「悪い、ルッキーニ。おまえのベッド使っちゃって」
そう言うとルッキーニはあたしの胸に顔を埋めた。
「シャーリー、部屋にいなかったからどこかに行っちゃったのかと思った」
「代わりにサーニャがいてびっくりしたろ?」
ルッキーニはうなずいた。
「一緒に寝ていい?」
「いいもなにもおまえの部屋じゃないか?」
あたしは少し横にずれてルッキーニが寝やすいよう場所を作ってやる。
ルッキーニはお気に入りの毛布を抱えて横に滑り込み、ぎゅっとあたしにしがみついた。
「どうした?怖い夢でも見たのか?」
しがみつくルッキーニに聞いてみたんだけど、ルッキーニは「うん……」と言っただけであとは何も言わない。
しばらくしてからルッキーニは落ち着いたのか少しずつ話し始めたんだ。
なんでもみんなで飛んでるところに大きなネウロイがやってきてみんなが食べられてしまう夢を見たんだって。
で、自分の番になって食べられそうになるところで目覚めたと。

461: 2008/12/08(月) 00:08:21 ID:+0fI/zFk
変な夢だって?
うん、変な夢だ。
でも夢ってなんか意味があるって言うじゃないか?
あんた、占いやってるんだろ?
これってなんか意味があるのかい?
夢占いは専門外だって?
なんだ、わからないのか。
じゃあ、いいや。
……そこまで言うんならタロットで占ってやる?

なになに、ルッキーニになにか不安なことでもあるんじゃないかって?
うーん、どうかなぁ?あるのかなぁ。
今度ルッキーニに聞いてみよう。

夢の話のあとに「シャーリーはネウロイに食べられたりはしないよね?」って泣きそうな顔でルッキーニが聞くもんだから、あたしはルッキーニの頭をなでて言ってやった。
「あたしがそんな簡単にネウロイに食べられそうに見えるかい?」って。

ルッキーニはあたしの言葉に首を横に振った。
あたしが笑うとルッキーニはいつもの笑顔で笑い返した。
そしてルッキーニは丸まってあたしの横で眠り始めた。

462: 2008/12/08(月) 00:09:13 ID:+0fI/zFk
あの子は自分が食べられることが怖いわけじゃない。
あたしやみんなが食べられることが不安で心配だったんだ。
それを知ったとき少しうれしくなった。
ルッキーニも小さくたってやっぱりウィッチの一員なんだ、みんなが好きで守りたいと思ってるんだなぁって。

穏やかに眠るルッキーニの寝顔を見てるとあたしも眠くなってきていつの間にかルッキーニを抱え込むようにして眠ってしまった。
ルッキーニは日だまりのように温かくてそれがよけいに眠気を誘ったからね。

え?サーニャはどうしたかって?
さぁ。たぶんあたしの部屋でまだ寝てるんじゃないかな。
おいおい、そんなに急ぐと……。
ありゃ、ミーナ中佐にぶつかってら。

さてと……あたしもルッキーニを起こしに行くとするか。


463: 2008/12/08(月) 00:12:34 ID:+0fI/zFk
以上5レスです。


よろしくお願いします。

引用: ストライクウィッチーズでレズ百合萌えpart12