1: 2024/06/17(月) 22:16:43 ID:???00
とまマルです。

2: 2024/06/17(月) 22:17:28 ID:???00
マルガレーテ「...お待たせ。待った?」

冬毬「はい、10分前には到着していました」

マルガレーテ「可愛くないわね、そういう時は「私も今来たところです」とか言うもんじゃないの?」

冬毬「事実を述べただけです。状況の共有は正確に行うべきですよ、マルガレーテ」

「ほら行きますよ」数歩先に進んで振り返える。それだけでなぜこんなに意識しないといけないのか。

3: 2024/06/17(月) 22:19:12 ID:???00
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部室
可可「うぃっすー!です!」

勢いよくドアが開かれる。慌ててスマホを机に伏せる。

恋「うぃっすです、可可さん」

マルガレーテ「こんにちは、可可先輩」

可可「あー!だめですよマルマル。Liella!に加入したからには、千砂都ジキデンのこの挨拶をマスターしなければ、ならないのです」

度々語尾が上がるイントネーションにテンションの高さが伺える。生徒会長の方にして正解だったかも。

4: 2024/06/17(月) 22:19:52 ID:???00
可可「レンレンもマルマルも早いですけど、何してたのデスか?」

マルガレーテ「別に、な 恋「マルガレーテさんが、冬毬さんをデートに誘いたいらしく相談を受けていたんですよ」

可可「デート!この間も二人で水族館に行ってましたよね。仲がいいのは大変よろしいことです」

マルガレーテ「ちょっと!デートなんて言ってないでしょ!あっ」

デート以外は肯定してしまった。腕を組んでうんうん頷いている可可先輩に、恋先輩からもなまあたたかい視線が。もう慣れたけど、とりあえずこれ以上話が広がるのは面倒だ。

マルガレーテ「...別に、少し日本語の言い回しが分からなかったから聞いてただけよ。ほら、早く練習始めましょ」

5: 2024/06/17(月) 22:20:39 ID:???00
可可「はい、送信です♪」

マルガレーテ「は?」

机に置いたはずのスマホは、無い!すぐに取り返したが時すでに遅し。

『明日、デートに行きませんか♡』

ご丁寧にハートマークまで添えられていた。

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6: 2024/06/17(月) 22:27:23 ID:???00
既読がつく前に取り消そうとしたけれど、「ククはハートを付けただけで、文はなんにも変えてませんよ」ぐうの音も出ず敗北。

しかも返信は『分かりました。では14時に〇駅でよいですか』だけ。

少しはリアクションとかないわけ?思い出したらちょっとムカいついてきたかも。

冬毬「マルガレーテ。何をぼーっと立っているのですか」

マルガレーテ「ごめんなさい。ちょっと考え事してただけ」

7: 2024/06/17(月) 22:28:26 ID:???00
冬毬「まったく、今私達はアイスを買うため並んでいます。この待ち時間を有効に使うべきです」

マルガレーテ「どういう意味よ。並んでるんだから別に無駄な時間ではないじゃない」

冬毬「マルガレーテは私を退屈させないようにするべきだと言っています」

...は?何で私がそんなことしないといけないわけ?

冬毬「デート、でしたか?マルガレーテが誘ってきたのですから、エスコートするというのが当然というものですよ」

やっぱムカつく。その余裕な態度絶対に崩してあげる。この私にかかればデートなんてちょちょいのちょいなんだから。

8: 2024/06/17(月) 22:29:52 ID:???00
マルガレーテ「ま、それはそうね」

マルガレーテ「冬毬あれ、このお店さつまいも味があるみたいよ」

冬毬「む、それは非常に有益な情報です。さすがですねマルガレーテ」

冬毬「しかし、こちらの期間限定の納豆味というのも気になります。これは是非食べて姉者にリサーチ結果を報告しなければ」

なんでそんな味があるんだ。悩むしぐさに合わせて揺れる2つ結びがちょっとかわいい。少々悩んだが、プランの変更は無し。

9: 2024/06/17(月) 22:30:55 ID:???00
マルガレーテ「なら、私が納豆のほうにするから冬毬はおいものほうにすればいいじゃない。分けてあげるわよ」

冬毬「いいのですか!恩に着ます」

明らかにテンションが上がっていてかわいい。なんだか優しい気持ちになって微笑んでしまう。猫にまたたび、冬毬に芋と姉者とはよく言ったものだ。

無事に手に入れたアイス。デートと言ったらこれは外せない、覚悟を決めなさいマルガレーテ!

マルガレーテ「はい冬毬、あーん」

冬毬「あむ。...ん、意外とおいしいですね」

11: 2024/06/17(月) 22:33:56 ID:???00
躊躇なく食べられた。この私のあーんで動揺しないなんて、結構恥ずかしかったのに。ていうか食べるほうも恥ずかしいもんじゃないのこれ?

冬毬「マルガレーテも、どうぞ」

マルガレーテ「う"ぇ!?」

予想外の展開に動揺してしまう。

冬毬「いただいたのですから返さなければ。納豆のほうが期間限定で値段も高いのですから遠慮なくどうぞ、ほら」

向かってくるスプーンに視線を集中させる。いらないなんて言えないし、というかむしろいるし。

12: 2024/06/17(月) 22:35:44 ID:???00
マルガレーテ「じゃあ、はむっ!」

冬毬「ちょ、そんなそんなに勢いよく食べなくても」

冬毬が後ろにバランスを崩してしまう。...ベシャッ。

「「あ」」

アイスが転がり、地面に落ちてしまった。

落としてしまったアイスを片付けて、冬毬の考えてくれた予定も台無し。

13: 2024/06/17(月) 22:36:32 ID:???00
マルガレーテ「ごめんなさい、今新しいの買ってくるから!」

冬毬「いいんですよ。時間もないですし片付けたら次の目的地に行きましょう」

気を使わせてしまっている。さっきだって夏美先輩の話の時がいちばん楽しそうだったし、私を近づけるべきではないのかもしれない。

冬毬「ハプニングによる遅延はつきものです。こういう時にいかにリスケするかが大切なのですよ、マルガレーテ」

...服を見たり、竹下通りですみれ先輩に会ったり、勉強のためにスクールアイドルショップに行ったりあっという間に今日は終わってしまった。

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14: 2024/06/17(月) 22:42:22 ID:???00
冬毬「ではまた明日」

マルガレーテ「ええ、またね」

駅のホーム、反対側には君の姿が見える。気まずそうにスマホに視線を落としているからメッセージを一件。

『マルガレーテ』

目が合ったので分かるように手を振って改札に逆戻り。きっと君も戻ってきてくれますから。

マルガレーテ「なに?」

冬毬「ふふ、少し寂しそうに見えたので」

15: 2024/06/17(月) 22:42:59 ID:???00
マルガレーテ「はあ!?!?別に、冬毬は楽しめたのかって思っただけ。あなた、全然顔に出ないんだもの。ちょっとくらい慌てる姿が見てみたいわ」

冬毬「よく言われます。特に意識してるつもりもないのですが、なぜでしょうね」

理由なんていくらでも言えるけど、結局これに尽きる。

自慢げなところも、怒ったところも、申し訳なさそうなところも、コロコロ変わる表情がどれも好きだから。欲を言うなら、優しい顔で笑ってるところとか見てみたいものですね。

冬毬「ほらマルガレーテ、次はいつにしますか?アイス、買ってくれるんですよね」

16: 2024/06/17(月) 22:49:12 ID:???00
終わりです。ニュートラルのラスト「floating heart」って流れないのは好きだからの1つに固まったからで、相手が揺れていない理由も同じだったらいいなというストーリー性を感じて書きました。

18: 2024/06/18(火) 00:07:14 ID:???00

とまマルの関係性良い
あとニュートラルにとまマルを感じるのすごいわかる

引用: 【SS】マルガレーテ「ニュートラル」