2: 2010/09/01(水) 18:37:45.85 ID:i+A1I+6c0
唯先輩にそう言われたのは、いつの事だったろう…思い出せない

今となってはとても懐かしい…というか、どうでもいい…

梓『眠い…寝たいよ…』

私はここ3日間ほど寝ていない、寝ていないと言うより、寝かせてもらっていない。

どうしてこうなったのだろう…?
けいおん! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)
4: 2010/09/01(水) 18:40:59.11 ID:i+A1I+6c0
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ー3日前ー

律「よし!今日の練習は終わりだな!今日は帰りにみんなで楽器店に行こうぜ!」

唯「そうだね!私、新しい弦買いたいし」

澪「私も新しい弦欲しかったんだ」

律「じゃあ、決まりだな!ムギと梓も行くよな?」

紬「私も行くわ」

梓「はい!私も弦切らしてたので」

5: 2010/09/01(水) 18:44:01.96 ID:i+A1I+6c0
そうして、私達はいつもの音楽店に行くことになった。

それで、行く道中に唯先輩が近道があると言い出したんだっけ…

唯先輩が言う近道に入ったときに、私達の前に黒いワンボックスが止まっていて…

私がそのワンボックスの前に差し掛かったときに、車のドアが開いて

後ろから押されて、車の中に入れられたんだ…

その後の記憶はなくて、気が付くとこの真っ暗の部屋に私は寝かされ身体を拘束されていた…

6: 2010/09/01(水) 18:47:35.24 ID:i+A1I+6c0
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梓『眠い…眠いよ…』

私は、ウトウトとし始めた…

その時だった、私の身体に付けられた電極から私の身体に電流が流れる。

私の身体の筋肉は強張り、ピクピクと震え始める。

そして、私の顔に水滴が落ち始める。

梓『ち、チクショー、殺せ!殺せよ!もう…嫌だよ…』

7: 2010/09/01(水) 18:55:33.11 ID:i+A1I+6c0
3日間この繰り返しだ…そうやって、私が寝ないようにないってる…

その時だった、暗い部屋にある1つだけのドアが開いた。

唯「あずにゃーん♪」

ドアを開けたのは、平沢唯だった。

いつもの調子で、私を呼ぶ。

その後に続いて、田井中律、秋山澪、琴吹紬が入ってきた。

律「梓、元気か?」

こんな状況で元気なわけがない。

澪「よっ!梓!」

何が、『よっ!』だ…

紬「おはよう!梓ちゃん!」

寝ていないのに、『おはよう!』もへったくりもない…この人の頭は大丈夫なのか?

9: 2010/09/01(水) 19:00:03.15 ID:i+A1I+6c0
唯「あずにゃん、どうしたの?返事してよ…」

梓「…」

唯「もう、あずにゃんのいけず…」

律「まあまあ、唯、ふて腐れるなよ」

唯「うん…」

律「じゃあ、放課後ティータイムのメンバーが、そろったことだし練習するか!」

澪「そうだな、練習するか!」

そうして、コイツらは練習の準備を始めた。

私の頭の右側には、ベースのアンプ、左側には、ギターのアンプ

頭の上にはキーボードのスピーカー、足元にドラム…

10: 2010/09/01(水) 19:03:51.50 ID:i+A1I+6c0
田井中の合図で一斉に楽器を弾き始める…

身体の中にまで響き渡る楽器の音…

正直、気が狂いそうだ…

どれぐらい、経ったろう…こいつらは一通り自分たちの曲を演奏し終わると

やっと演奏を止めた。

唯「どうだった…私のギター?」

私の顔に近づき、そう聞く平沢唯…氏んで欲しい…

私は顔を背けて、意思表示を行う。

11: 2010/09/01(水) 19:07:18.31 ID:i+A1I+6c0
唯「うううっ…あずにゃんが私を無視するよう…」

律「よしよし、可哀想な唯…」

唯「うわーん、りっちゃーん」

何が、「うわーん」だ、泣きたいのはこっちの方だ

澪「梓は多感な時期なんだよ、分かってやれよ!唯」

「多感な時期」?、何言ってるんだ?この人…

紬「今日は、終わりにしましょう?ねっ?みんな」

律「そうだな!じゃあ、帰るか!」

田井中がそう言うと、こいつらは帰り支度をして帰っていった…

13: 2010/09/01(水) 19:11:00.99 ID:i+A1I+6c0
ー4日目ー

唯「あずにゃーん♪」

いつもの調子で、部屋に入ってくる平沢唯…

こいつらがくることで、今日でこのイカれた状態が何日目かわかる。

今日も私は返事をしない

唯「もう、今日もあずにゃんはいけずだな…」

紬「今日はケーキ食べましょう?」

唯「わーい!ケーキ!ケーキ!ムギちゃんのケーキ!」

馬鹿のようにはしゃぐ平沢唯

そうして、コイツらは私から少し離れたところで、お茶をし始めた。

私の鼻に、ケーキの甘い匂いが漂ってくる。

『グーッ…』

甘いケーキの匂いで私のお腹が鳴る…

16: 2010/09/01(水) 19:16:04.89 ID:i+A1I+6c0
唯「あずにゃんのお腹の音?ねえねえ、みんな!あずにゃんにもケーキ食べさせてあげようよ?」

律「駄目だって!口の猿轡外したら、また、舌噛んで氏のうとするぞ?」

澪「そうだぞ!唯!梓が氏んでもいいのか?」

唯「うえっ…嫌だよ!あずにゃんが氏ぬなんて嫌!」

律「だろう!だったら、我慢しないと…」

そうだ、私は2日目にあまりにもこの行為が耐え切れなくなり、舌を噛んで氏のうとした。

でも、こいつらに押さえつけられ、口に猿轡を嵌められ、舌を噛めないようにされた。

紬「大丈夫よ!梓ちゃんにはちゃんと栄養を点滴してるから、食べなくても平気よ!」

唯「そうなの?わーい!やったー!流石、ムギちゃんだね!」

何が、『やったー!』なんだ?こいつは本当に真性の馬鹿なのかもしれない

17: 2010/09/01(水) 19:22:30.37 ID:i+A1I+6c0
澪「梓、何か言いたことあるんじゃないのか?」

秋山が、私にそう問いかけた。私は今持てる力を振り絞り、秋山を睨み付けた。

澪「うううっ…なんだよ…睨むなよ…」

私の睨みによって脅える、秋山

その時だった、私の頬に痛みが走った。

律「後輩の分際で、何、先輩を睨んでるんだよ!」

『後輩の分際』?先輩なら後輩に何しても良いのか?

私はオマエらに監禁されて、4日も寝ていないんだぞ?

律「なんだ?その反抗的な目は!」

田井中が私に怒りをぶつける。

その時だった、平沢が仲介に入った。

唯「りっちゃん、ケンカはやめて!今日のあずにゃんは、ちょっと機嫌が悪いんだよ」

『ちょっと機嫌が悪い』?、ちょっとどころではない、ここ4日間かなり機嫌が悪い。

律「あーあ、もうみんな帰ろうぜ!イライラする!」

田井中の言葉に、帰り支度を始めこいつらは帰っていった…

21: 2010/09/01(水) 19:26:16.87 ID:i+A1I+6c0
ー5日目ー

今日は、琴吹だけだった…

紬「あずさちゃん元気?」

私は顔を横に向けて、目線を合わせないようにする。

紬「無視しないでよ…梓ちゃん…私達、仲間でしょ?ずっと、一緒にやってきたじゃない…」

こいつも頭がオカシイのか…こいつがあいつらに手を貸さなければ

私がこんなことにならなかったのに…

24: 2010/09/01(水) 19:30:27.15 ID:i+A1I+6c0
紬「でも、これがりっちゃんが言っていた『キャトる』って事なんだね」

『キャトる』?流石、世間知らずのお嬢さまだ!

私はオマエらに拉致されたんだ、普通、『キャトる』のは宇宙人なんだよ!

紬「りっちゃんは優しいよね、私が『キャトる』の意味が分からないって言ったら
じゃあ、教えてやるよって言ってくれて、実践してくれるなんてね…
さすが、けいおん部の部長だけあるよね、部員のことをちゃんと考えてくれてるよね」

気が狂いそうだ…『キャトる』の意味を教えるために、後輩を拉致して監禁して

その上、寝かせないだなんて…

紬「梓ちゃん、眠いよね?寝てないものね…」

眠いに決まってる。5日も寝てないんだ…正気を保つのがやっとだ。

25: 2010/09/01(水) 19:35:11.40 ID:i+A1I+6c0
紬「でもね、梓ちゃんが悪いのよ、学際の時に唯ちゃんの『今夜は寝かさないぞ!子猫ちゃん』ってギャクを冷たく流すから…」

はぁ?ギャク?だからって、監禁して5日も寝かせないのか?

洒落だとしても、許されない行為をしていることに気が付かないのだろうか?

紬「だからね…『今夜も寝かさないぞ!子猫ちゃん』」

琴吹は私に満面の笑みを浮かべ、そう言うと部屋から出て行った…

狂ってる…

29: 2010/09/01(水) 19:40:02.33 ID:i+A1I+6c0
ー6日目ー

今日はどうやら4人でやって来た…

私から離れたところで、なにやらカタログを広げて、あーでもないこーでもないと言っている。

律「私はスネアを新品にしたいな」

澪「私は新しいアンプとマルチベースアンプシステムが欲しいな」

唯「うんとね、私はアンプとか分からないから、どうしようかな…」

紬「うーん、まだ予算的には大丈夫よ!」

律「じゃあ、これとこれも良いかな?」

澪「私も、じゃあ、これとこれ追加な!」

唯「でもさ、私達、卒業した後に使うのは、あずにゃんだよ?あずにゃんの事も考えてあげようよ?」

紬「そうよ、私達が卒業したら、梓ちゃん一人になるんだから、梓ちゃんのことも考えてあげないと…」

30: 2010/09/01(水) 19:43:23.54 ID:i+A1I+6c0
私のことを考えてくれるなら、今の私をどうにかして欲しい…

新しいアンプなんかより、今の私は泥のように寝たい…眠らせて欲しい…

律「じゃあ、これから楽器屋に実物見に行ってみるか?」

澪「そうだな、カタログだけじゃ分からないしな」

4人は帰り支度をして出て行った…

部屋を沈黙だけが支配する。

31: 2010/09/01(水) 19:46:35.99 ID:i+A1I+6c0
ー7日目ー

4人がやって来た。これで、7日目になるのか…

混濁した意識の中で、そう思う。

唯「あずにゃーん!寝れるよ!やったね!」

『寝れる』、平沢唯は今そう言ったのか?

律「良かったな!梓!寝たら、お前のイライラも直るな!」

やっぱり、私はやっと寝れるらしい…ホントに嬉しい…

私の目からは涙が溢れてくる。

澪「梓…泣くなよ…私まで悲しくなるじゃないか…」

紬「梓ちゃん、一杯、一杯、好きなだけ寝ていいからね…ずーっと寝れるのよ」

唯「一杯寝てね、あずにゃん!一杯、寝かせてあげるからね!」

35: 2010/09/01(水) 19:51:30.85 ID:i+A1I+6c0
その時だった、部屋のドアが開いた。

私はその方向を見た。

そこには、1日目に私の身体にたくさんのチューブを付けて電極を付けた

琴吹が先生と呼んでいた男が立っていた。

その男は、手術で着る緑色の服装をしている。

紬「それじゃあ、先生、梓ちゃんのことお願いします。
本人もたくさん寝たいみたいです。涙流して喜んでるみたいです。」

琴吹がそう言うと、先生と呼ばれた男が私に近づいてきた、部屋の電気に掛けている眼鏡のレンズが光る

口元を見ると、何だかニヤ付いているようだ…

そして、男は私の口にマスクみたいなものを付けた。

37: 2010/09/01(水) 19:57:13.12 ID:i+A1I+6c0
そして、男は私の口にマスクみたいなものを付けた。

唯「あずにゃん、おやすみなさい…バイバイ」

律「おやすみだ、梓…さようなら」

澪「じゃあな、梓…おやすみ」

紬「末永く眠ってね、梓ちゃん…おやすみなさい…」

はっ!?『末永く眠る』?どういう事?永眠って事?

その時、私はこいつらの顔を見た…4人とも私を見てニヤニヤしてる…

私は悟った…私はこいつらに殺される…

昨日、こいつらが見ていたのは楽器のカタログ…

私はこの先生と言われてる男に殺されるんだ…そして、私の内蔵を売るつもりなんだ…

38: 2010/09/01(水) 20:02:04.67 ID:i+A1I+6c0
私は拘束されてるのも忘れて暴れた、でも、無駄だった…

この7日間、何度外そうと藻掻いたか…藻掻いても暴れても外れないことは分かっている。

私の口に付けられたマスクから、霧状の何かが出てきているのが分かった。

離れた場所から平沢の声が聞こえる。

唯「ムギちゃんは凄いね!何でも出来るんだね!あずにゃんがお金に変わるなんて知らなかった!」

紬「ふふふっ…私に出来無い事はないの…」

私はその言葉で、息を止めて霧状のものを吸わないように頑張ったが無駄だった…

その霧状のものを少し吸い込んだ時だった…私は深い眠りに落ちていった。

39: 2010/09/01(水) 20:07:47.50 ID:i+A1I+6c0
ー10日目ー

私は知らない港のテトラポットとテトラポットの間に挟まっている。

遠くから釣り人と思われる人が近づいてるのが見える。

釣り人は黒い塊が蠢いてるのに気が付き、石を投げたようだ。

黒い塊、カラスたちが一斉に飛び立つ。

カラスが飛び立った後には、内蔵をすべて抜かれカラスに啄まれた

私の氏体が見える…私は3日前にあいつらによって殺され

全ての内臓、目も抜かれて、お金に変えられるものは全て持って行かれ、この海に捨てられた。

釣り人は私の氏体を見て、慌てて携帯を取り出して電話している。

多分、警察に電話しているんだろう。

これで、本当に眠ることが出来る…

私の魂はそれを見届けると、天高く登っていった…

ーおしまいー

42: 2010/09/01(水) 20:09:38.33 ID:i+A1I+6c0
※補足
キャトる=キャトルミューティレーション
1970年代のアメリカで、家畜の目や性器などが切り取られて氏亡しているという報告が多発。
事例が起きる前後に未確認飛行物体の目撃報告が複数あることや、
氏体にレーザーを使ったような鋭利な切断面があること(なぜナイフでなくてレーザーであるのかは説明がない)、
血液がすべて抜き取られていることなどの異常性から人間の仕業ではなく、宇宙人によるものではないかと騒がれた。

56: 2010/09/01(水) 21:35:29.58 ID:v4Vvy7yd0
これはひどい

引用: 唯「今夜は寝かさないぞ!子猫ちゃん」