286: 2012/05/05(土) 16:49:53.96 ID:YKgqOsGO0
社長「さて、お次は萩原君だ」

P「うわぁ……」

春香「一番不安な……」

貴音「大丈夫でしょうか……」

社長「流石に萩原君は不安だからねぇ……早めにネタバラシする事にしよう」

春香「雪歩の場合穴を凄い勢いで掘りそうですからね」

P「ですね。たるき屋の店主さんがグロい事になってしまう気がする」

貴音「面妖な……」

ガチャッ

P「あ、来たみたいだな」

雪歩『おはようございまーす』
ぷちます!(14) (電撃コミックスEX)
291: 2012/05/05(土) 16:59:42.45 ID:YKgqOsGO0
雪歩『あれぇ……だれもいないんですかぁ……?』

春香「もう心細そう……不安だなぁ」

社長「それでは、行ってくるよ」

P「社長!!今度こそお手柔らかに!!」

貴音「どうか萩原雪歩を泣かせる事の無き様に…」

社長「うむ……か、かなり難しい気がするが、頑張ろう」

バタン

P「さすがの社長も雪歩には気を遣うか…」

春香「大丈夫ですかね…」

貴音「春香」ボソッ

春香「はい?どうしたんですか?」

貴音「いえ、その」モジモジ

貴音「……」チラッ

P「雪歩、スコップ磨いてる…」ゴクリ

貴音「先程の……真に聴かれていなかったのですか?」ボソボソ

299: 2012/05/05(土) 17:08:35.86 ID:YKgqOsGO0
春香「はいっ!大丈夫ですよっ!」ボソッ

貴音「……感謝、致します」ニコ

春香「いーえー」エヘヘー

春香(……やっぱり貴音さんもライバルだったかぁ……)

春香(うぅ、強敵だ……)

ガチャッ

P「お、狸のお出ましだ」

社長『……萩原君』

雪歩『あ、しゃ、社長、お、おはようございますぅ』

春香「社長にも慣れてないみたいですね」

P「俺には結構触れるようになったから平気かと思ったんだけど……無理かぁ」

春香「はい?」

貴音「今、なんと」

P「え?だから、俺にはだいぶ触れるようになったから……なにちょっと二人とも目怖い」

302: 2012/05/05(土) 17:15:49.52 ID:YKgqOsGO0
雪歩『きょ、今日は他の皆はいないんですかぁ?』

社長『…………』

雪歩『もう打ち合わせの時間ですよね?』

社長『……』

雪歩『プロデューサーも来てないみたいですし……何かあったんですか?』

社長『……』

雪歩『…………しゃ、社長……?』

社長『……萩原、君……』

雪歩『は、はい?』

社長『落ち着いて聞いて欲しい』

雪歩『……?』


社長『キミのプロデューサーが……亡くなった』

雪歩『………………え?』

P「あぁ……言っちゃった……!」

春香「うぅ、先がこわいよぉ」

306: 2012/05/05(土) 17:22:34.68 ID:YKgqOsGO0
貴音「落ち着きましょう。落ち着きましょう」ペチペチペチペチ

P「貴音もな。看板で俺を叩くのやめて。ってかそれ気に入ったのか?」


雪歩『は……はい……?』

社長『…………つい先程の事らしい……今連絡が入った』

雪歩『…………』

社長『……事故で……即氏だったらしい』

雪歩『…………』

社長『…………』

雪歩『…………』

社長『……萩原君?』


雪歩『』パタリ


P・春香「「ぶっ倒れた!!!!」」

貴音「これは、めんような……」アワアワ

316: 2012/05/05(土) 17:31:52.85 ID:YKgqOsGO0
……

雪歩「……ん……」

社長「……大丈夫かね?」

雪歩「あれ……私……」

社長「さっき、訃報を聞いて倒れてしまったんだよ。まだ五分も経っていないがね」

社長「悪いが、ソファに運ばせてもらった」

雪歩「…………前が、見えません……」

社長「顔が真っ青になったり真っ赤になったりしていたからね。濡らしたタオルを乗せておいたよ」

雪歩「……すみません」

社長「いや……気にすることは無いさ」

雪歩「…………そっか……」

雪歩「……夢じゃ……なかったんですね……」

318: 2012/05/05(土) 17:40:26.86 ID:YKgqOsGO0
社長「…………」

雪歩「…………社長」

社長「…………なんだね?」

雪歩「…………」

社長「…………どうしたんだい?」

雪歩「…………私……言えなかったんです」

社長「……?」

雪歩「私……昨日……プロデューサーに……」

雪歩「“お疲れ様です、さようなら”って…………言えなかったんです……」

社長「…………」

雪歩「昨日……撮影から、帰ってきて……疲れてて…………」

雪歩「プロデューサーは……お仕事の電話をしてて…………待ってたんですけど……長くって……」

雪歩「…………『明日、また会えるから。いいや』って……」

雪歩「…………さよなら……言えなかったんです……」

社長「……」

327: 2012/05/05(土) 17:48:27.16 ID:YKgqOsGO0
雪歩「…………明日、会えるからって」

雪歩「……また、会えるからって……」

雪歩「私……言わなかったんです……!!」

社長「……」

雪歩「…………なんで、ですかね」

雪歩「私の、恩人だったのに……あんなに、助けてもらって」

雪歩「いつだって、あの人は……私を、助けてくれたのに……!!」

ツー

社長「!!……萩原君……涙が……」

雪歩「私……お別れも……何も言えなかった……!!」グスッ

雪歩「いやです……!!いやぁっ……!!」グスッ グスッ

社長「…………萩原、君……」

338: 2012/05/05(土) 17:55:30.97 ID:YKgqOsGO0
雪歩「まだ、まだ一緒に居たかった……!!」

雪歩「トップアイドルになって、お礼を言いたかったんです……!!」

雪歩「今まで迷惑かけてごめんなさいって……!!あなたのおかげでトップアイドルになれましたって……!!」

雪歩「言えなかった……!!言いたかった……!!」

雪歩「お礼も、ごめんなさいも、さよならも!!言えていないのに……!!お別れなんてやだ……!!いやです……!!」

社長「……」

社長「萩原君……タオル、替えようか」

雪歩「うぅっ……!!うぁぁっ……!!」ポロポロ


ヒョイッ

雪歩「ぐすっ……はふ?」


P「…………本当にごめんなさい」

雪歩「なふ?」

360: 2012/05/05(土) 18:07:02.81 ID:YKgqOsGO0
――――たるき亭

亭主「へい!!ありがとうございやした!!」

カランカラン

亭主「うっ!!ごふっ!!ごふっ!!」

女将「ちょ、ちょっと!!アンタ!!大丈夫かいっ!?」

亭主「へっバッカヤロイ!女房の手なんぞ借りてたまるかってんだい」

女将「でも、アンタ、持病の癪が!」

亭主「……バッキャロウ」

コツン

女将「あいたっ!な、なにするんだい」

亭主「……お前を嫁さんにもらう時、言うったろうが」

亭主「…………お前を、一生……守るって」

女将「……アンタ……」

亭主「へ、へっ!湿っぽい事言わせんじゃねえよい!ほら!張り切って繁盛させるぞ!」

女将「えへへ、アンタったら♪」

368: 2012/05/05(土) 18:08:54.14 ID:YKgqOsGO0


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


亭主・女将「「あれ?」」

亭主「何の音だ?地震か?」

女将「それにしては、上から振動が――――まさか!!」

亭主「はっ!!!!」





ドゴオオオオオオオオオン!!!!

雪歩「うわあああああああああああああああん!!!!!///」ビエェェェェン!!

亭主・女将「「雪歩ちゃんだああああああああああああああああ!!!!!!」」

……

380: 2012/05/05(土) 18:21:15.03 ID:YKgqOsGO0
―――社長室

雪歩「す、すみませんでしたぁ……」

社長「いや……君のせいじゃないよ」

P「っていうか、全部俺らの責任だよ……本当にすまん」

春香「見ました貴音さん……床が綺麗に円形に抉られてましたよ」

貴音「ええ……真に面妖な……」

雪歩「あ、あの……たるき亭の方々は……」

社長「いや、いつも通りこちらが弁償する形となったよ。お二人は無事だそうだ。というか打ち所が良くて持病が治ったらしくて感謝された」

春香「なにそれこわいです」

雪歩「うぅぅぅ…………本当にすみまぇん……!」ウルウル

P「だ、だから雪歩は全然悪くないんだって!泣かないでくれ!本当にごめん!!」

春香「雪歩、本当にごめんね」

社長「流石の私も今回は反省するよ。申し訳なかった」

388: 2012/05/05(土) 18:27:32.94 ID:YKgqOsGO0
雪歩「でも……」グスッ

P「お願いだから泣かないでくれよ……そうだ!お詫びになんでもしてやるから!」

春香・貴音「「!!!?」」

雪歩「え……?な、なんでも……ですか……?」グスッ

P「あ、あぁ!俺にできる事ならなんでもするぞ!何がいい!?」

春香「ちょ、ちょっと!プロデューサーさん!私達には何も無かったじゃないですか!」

貴音「あなた様はいけずです」ムゥ

P「えぇっ!?いや、確かにそうだけど、その……」

雪歩「……プロデューサー」グスッ

P「ん?なんだ?」

雪歩「お願い事、決まりました」

P「そ、そうか。なんだ?」

402: 2012/05/05(土) 18:38:27.03 ID:YKgqOsGO0
ペコリ

雪歩「昨日は……黙って帰ってすみませんでした」

P「…………ん?」

雪歩「?どうかしました?」

P「いや、それがお願いごと?」

雪歩「は、はい」

P「……えーと、つまり、どういう事?」

雪歩「あ、あの……私の勇気が足りなくて今まで言えなかった事……いっぱいあるので……聞いてください」

P「……そっか。うん。お願いします」

406: 2012/05/05(土) 18:41:09.68 ID:YKgqOsGO0

雪歩「……スゥ……ハァ」

雪歩「……プ、プロデューサー。いつも、ありがとうございます」

雪歩「いつも迷惑ばかりかけて、す、すみません……」

雪歩「……いつも助けてくれて……ありがとうございます」

雪歩「………………お、お願いですから……今日みたいに、突然居なくならないで下さい」

雪歩「…………いつか…………いつか、トップアイドルになってみせるので」

雪歩「………………そ、その時まで」

ニコ…



雪歩「その時まで、ずーっと……傍に居てくださいね」


萩原雪歩のドッキリ・大成功!!

407: 2012/05/05(土) 18:41:29.33 ID:029pnijBO
雪歩ええ子やぁ

引用: P「例えば僕が死んだら」