185: ◆zwI8yAhfqw 2010/09/26(日) 12:00:11.79 ID:Hwnugb.o
紬「唯ちゃんがトンビに油揚げをさらわれて泣いていたわ」
梓「『待ってよ~!!』とか わめきながら
涙目で鳥を追いかける唯先輩が印象的でした」
紬「まさか本当に油揚げをさらわれる人間がいるなんて…」
梓「でも よく起こりうる事だから諺になったんじゃないですか?」
紬「犬も歩けば棒に当たるのかしら」
梓「あっ。私 子供のころ、犬を棒で叩いて遊んでましたよ!!」
紬「なにこの子こわい」
梓「怖くないですよー、あずにゃんですよー」ピョンピョン
紬「なにこの子 気が狂ってるの?」
「地面に勢いよく叩きつけたいわ」
186: 2010/09/26(日) 12:00:49.50 ID:Hwnugb.o
唯「同じ窓から見てた海」
※ただし澪はのぞく
187: 2010/09/26(日) 12:01:51.34 ID:Hwnugb.o
梓「そうやすやすと地面に叩きつけられるものか!!」
紬「1000円あげるわ」
梓「さぁどうぞ」
紬「しゃらんらああぁ!!」
┣¨┣″ォォン!!
188: 2010/09/26(日) 12:02:47.53 ID:Hwnugb.o
ガチャ
律「おーすクズども!!」
「ん?」
「梓に地獄の断頭台(>>>1)を炸裂させてどうしたんだムギ」
紬「私、梓ちゃんを地面に
勢いよく叩きつけるのが夢だったのかしら?」
律「アタシに聞かれても知らん」
>>>1 スピン・ダブルアームで相手が垂直になったところを上空に投げ飛ばし、
逆さになった相手の首にギロチンのように自分の膝を落とし、そのままリングに叩き付ける技。
古代に一度だけ悪魔超人が地球の支配に成功した時代において
捕虜の正義超人を実験台とし、完成させたとされる。
189: 2010/09/26(日) 12:03:28.30 ID:Hwnugb.o
律「なるほど、また梓の気が狂ったのか」
紬「壊れたテレビにチョップをしたら治るって のび犬のママが言ってたの~」
律「それで壊れた梓は治ったのか?」
梓「もちろんですとも。ムギ先輩のおかげで正常なあずにゃんに戻りました」
紬「狂人はみな そう言うわ」
梓「デュヘヘwwww」
190: 2010/09/26(日) 12:04:48.43 ID:Hwnugb.o
ガチャ
澪「ごめんごめん、遅くなったよ」
唯「わんわん!」
紬「えっ、唯ちゃん…?」
律「おや、唯の様子がおかしい……?」
唯「わふ?」
梓「わははは!!唯先輩が狂った!!唯先輩が狂った!!」
律「どうすればいいんだ」
191: 2010/09/26(日) 12:05:34.61 ID:Hwnugb.o
紬「唯ちゃん、どうしたの?」
澪「いや、教室で唯をイメチェンさせて遊んでたら
例の犬の髪型になってさ」
律「犬の髪型って……いつだったか和が『犬みたい』って言ってたヤツか」
澪「それで本当に 唯が犬みたいになっちゃたってワケさ」
律「なっちゃったってワケさ、とか言われても納得できないけどな」
唯「うぉん♪」
192: 2010/09/26(日) 12:06:47.66 ID:Hwnugb.o
紬「トンビに油揚げをさらわれる人類などいないと信じていたけど
唯ちゃんが犬だったなら謎は全てとけたわね」
唯「わん!」
梓「なっとくなっとく」
澪「それより どうして唯はトンビに油揚げをとられたんだ?」
律「そりゃトンビも腹減ってたんだろうさ」
澪「いやいや、仮に食に貪欲なトンビがいたとしてだ」
「油揚げって普通、家の中で食べるもんだろ」
「トンビがゾンビみたいに平沢家に侵入して さらっていったのか?」
梓「違いますよ。○○町の広場でハイパーうどん祭りがあって
みんなで行った時の話なんですよ、これって」
澪「えっ」
193: 2010/09/26(日) 12:07:48.50 ID:Hwnugb.o
律「そこで みんなで 出店のきつねうどんを食べたんだよな」
紬「私、きつねうどんってキツネの肉が入っているのかと思っちゃったぁ」
梓「ベタですね」
律「あはは、あの時の残念そうなムギの顔、おっかしかったなぁ」
唯「わんわん♪」
澪「なるほど、状況はわかった」
「しかし、今の会話の『みんな』の中に
私が含まれていないのはどういうことだ?」
梓「あっ、しまった」
澪「なにがしまったんだ」
梓「私、歯医者に予約を入れていたので失礼します」
澪「返答次第では、梓の歯は全部なくなるから行かなくても大丈夫だよ」
194: 2010/09/26(日) 12:08:44.21 ID:Hwnugb.o
紬「梓ちゃんから『澪先輩は受験のストレスで脱腸して
口から大腸とウOコがハミ出てるから行けない』と
聞いていたわ」
律「アタシも」
唯「わぅ」
澪「信じるなよ!!仮に信じても お見舞いに来てよ!?」
「私、口から内臓がハミ出てるんだろ!?」
律「いや、マジメな話、アタシが遊びに行こうぜって電話したら
『受験でクソ忙しいこの時期に遊びになんて行けるかこのダメ超人』と
一方的に罵って切ったんじゃないか」
澪「そういえばそうだったね」
195: 2010/09/26(日) 12:09:43.34 ID:Hwnugb.o
唯「クゥン…」スリスリ
澪「ゆ、唯……慰めてくれるのか…」
唯「わん」
澪「うっとおしいなぁ、あっち行け駄犬が!!」
唯「キャインキャイン;;」
律「最低のクズ野郎だなコイツ」
梓「しかし唯先輩はいつまで犬のままでいるんでしょうか」
196: 2010/09/26(日) 12:11:03.20 ID:Hwnugb.o
律「髪型を元に戻せば元に戻るんじゃないか?」
澪「元に戻せば元に戻る?」
「お前、なんかすごくアタマの悪そうなしゃべり方だね」
律「うるさいようるさいんだよクソ野郎」
梓「アンタ、なんかアソコがすごい汚物みたいなしゃべり方だな」
律「アンタってのは誰の事だ? チャンスは一回だけだぞ」
梓「アンタっていうのは 実は私の事でした」
律「よしよし、ガムやるぞ」
梓「キヒェwwww」クチャクチャ
197: 2010/09/26(日) 12:11:55.92 ID:Hwnugb.o
紬「お手」
唯「わん」ポム
紬「お座り」
唯「きゅん」ストン
紬「はい、ケーキよ~」
唯「わふわふ♪」
紬「おあずけ」
唯「はっはっ」ピタ
紬「あぁあいいわ、いいわコレ……」ウットリ
唯「わんわん♪」ペロペロ
澪「おっと、梓が狂っている間にムギが唯犬のとりこだ」
紬「唯ちゃん、いいコいいコ~。1000円あげるわね」
唯「あぉん?」キョトン
律「がうがう!!」
澪「そして人間をやめたバカがまた一人」
198: 2010/09/26(日) 12:12:44.32 ID:Hwnugb.o
紬「がうがうりっちゃんもカワイイわね」
「1000円あげるわ」
律「わんわんwwww」
澪「欲に目がくらんでイヌになりさがったか」
梓「にゃんにゃん!!」
紬「あら、梓ちゃんはネコ耳をつけてネコあずにゃんなのね」
梓「にゃ~ん」
紬「バカじゃないの」
199: 2010/09/26(日) 12:13:57.02 ID:Hwnugb.o
澪「さてと、おしゃべりはここまでにして久々に演奏するか」
唯「えぇ~っ」
梓「あまりの練習に対する拒絶反応で唯先輩が正気に戻った」
律「今日はそんな気分じゃないよなぁ」
澪「みんなはうどんを食べに行ってリフレッシュしたかも知れないが
私は受験のストレスで口から大腸がハミ出そうなんだよ」
「練習でスッキリしよう練習で」
唯「えぇ~っ」
梓「あまりの練習に対する拒絶反応で唯先輩が正気に戻った」
律「今日はそんな気分じゃないよなぁ」
澪「みんなはうどんを食べに行ってリフレッシュしたかも知れないが
私は受験のストレスで口から大腸がハミ出そうなんだよ」
「練習でスッキリしよう練習で」
200: 2010/09/26(日) 12:15:07.02 ID:Hwnugb.o
律「バカヤロウ、お前ってヤツは口を開けば練習練習とバカヤロウ」
「物書きがシコシコ文章だけ書いて おもしろい話が書けるか?」
「よく遊びよく食べてよく笑った経験があるからこそ
オリジナリティ溢れる作品が生まれるんだ!!」
澪「だから?」
律「なんだっけ?」
澪「知るか」
律「え、アタシ誰だっけ?」
澪「誰だよ」
201: 2010/09/26(日) 12:17:22.55 ID:Hwnugb.o
梓「つまり人を感動させる音楽を奏でたいなら
私達自身が色々なことを体験して感動しなければいけないと
そこのオデコが特徴のポケットモンスターは言いたいワケです」
律「アタシはポケモンだったのか!?すげぇ!!」
唯「そこに7つのドラゴンボールがあるじゃろ?」
紬「願いが叶うわね!」
梓「唯先輩のパンティストッキングお~くれ!!」
唯「ちょっと待っててね、よいしょ」ズルリ
紬「」パチパチパチパチ
梓「」パチパチパチパチパチ
澪「だめだこいつら、本当になんとかしないと本当に」
202: 2010/09/26(日) 12:18:11.18 ID:Hwnugb.o
紬「私も久々にキーボード弾くのはいいけど
練習前にテンションをヒートアップさせるべく、何か一勝負しない?」
律「いいね」
唯「やろうやろう!!」
澪「はぁ、じゃあなんか一回だけやったら絶対に練習しような」
梓「それで何をするんですか?」
「集団催眠ですか?」
唯「かくれんぼしようよ!!」
紬「かわいい!!1000円あげるわ唯ちゃん!!」
唯「えっ、こんなお金 受け取れないよぉ」
紬「奥ゆかしい!!1000円あげるわ唯ちゃん!!」
唯「このメカニズムで一生、食べていけないかなぁ」
紬「全額没収よ」
唯「わぁああん」
203: 2010/09/26(日) 12:19:02.02 ID:Hwnugb.o
紬「じゃあ かくれんぼに決定!!」
澪「やれやれ、子供じゃあるまいし……」
梓「でも童心に戻るのも、歌を作るのに役に立つかも」
澪「む、確かに」
律「『少年時代』や『夏休み』然り、子供時代を歌詞にした名曲も多いもんな」
梓「澪先輩の作る歌詞ときたら『揺れる思いはマシュマロ』だとか
『カレーCHOPPILIライスTAPPULI』だとかラリってんじゃねぇの?って
感じのばっかりですからね」
律「でもあれ、シラフで作ってるんだぜ」
梓「正気を疑いますね」
澪「お前らの上履きにヤモリとイモリを100匹ずつ詰め込んでやるからな!!」
「うわあああああ想像しただけで気持ちわるいいいいいいい!!」
「ゲロロロロロロロオロロロロロロオロロr」ビチャビチャビチャビチャ
律「あれでシラフなんだぜ」
梓「疑いは確信に変わった」
204: 2010/09/26(日) 12:27:10.85 ID:Hwnugb.o
紬「子供心を忘れ汚らしく汚れた天然シャブ中キング秋山澪をその気にさせるために
かくれんぼキングには賞金10万円出すわ」
澪「マジで!?」
律「おっしゃああ!!オニ決めようぜ!!」
梓「最初はグー!!」
唯「ジャ~ンケン…」
律「工口本何冊~!?」
梓「ぇあっ!?」パー
澪「わあああ梓、工口本5冊も持ってるんだああ!!」
紬「やーいやーいwwww」
唯「えOち!!あずにゃんのえOち!!」
梓「小学生かコイツら」
205: 2010/09/26(日) 12:28:24.32 ID:Hwnugb.o
律「じゃあ気を取り直してジャーンケーン…」
唯「ほいっ!!」
澪「あいこでしょ!!」
律「あいこでしょい!!」
梓「あっ」
紬「私の唯ちゃんの負けー!!」
唯「くぅ~、絶対にみんな見つけるもん!!」
澪「グララララwwww唯なんかに見つかるもんか!!」
「とっておきのあの場所の隠れてこようっと!!」タッタッタッタッタッタッタッ
律「むむ、澪のヤツ、簡単には見つからないかも知れないぞ」
「なにせアイツは一人で弁当を喰うスポットを見つける王者だからな」
梓「王様って孤独なんですね」
206: 2010/09/26(日) 12:29:15.62 ID:Hwnugb.o
唯「じゃあ、みんなも早く隠れてきてね」
紬「それよりなんか澪ちゃんが勝利しそうだし
かくれんぼ 今すぐ やめない?」
律「開始10秒でナイスな英断だな」
梓「賛成です」
唯「ぇあっ? 澪ちゃんは?」
律「アイツはずっと隠れ続けるさ」
梓「その方が幸せなんですよ。だって恥ずかしがり屋さんだから」
唯「そっかぁ」
207: 2010/09/26(日) 12:30:20.01 ID:Hwnugb.o
唯「あっ、じゃあ逆に私達が澪ちゃんから隠れるっていうのはどうかな~」
紬「いいわね!!唯ちゃんもいい趣味してるわ!!」
唯「ほぇ?」
律「メールの一つも入れてやれば泣きながら探しに来るぞ」
梓「さすがに学校の外にまで出ると澪先輩に深いトラウマを作りそうなので
あれっ、じゃあ絶対に学校の外に出ましょうよ!!」
「いっそ、澪先輩抜きでカラオケにでも!!」
律「ヒッヒヒヒヒwwwwww怖いヤツだよ、お前は」
紬「それもいいけど澪ちゃんのあわてふためく顔が見たいから
校内にとどまりましょう」
梓「はーい!!」
唯「なんだか 私の意図とは別の盛り上がりを見せてきたよー」
208: 2010/09/26(日) 12:31:31.10 ID:Hwnugb.o
────────────────────────
─────────────────
─────────────
梓「ここなんか いいんじゃないですか?」
ガチャ
唯「視聴覚室だね」
紬「目立たない場所だし、隠れ場所として悪くないわねぇ」
律「しっかし、なんか久々だな~。1年の頃は授業で使ってたけど」
唯「ヒアリングの授業、全然 わかんないから窓の外ばっかり見てたよ~」
律「ここはアタシらの教室とは逆側にあるから
見える景色が違うんだよな」
梓「授業も聞かずに、まるで白痴のように窓の外を眺めている
お2人の姿が目に浮かびますよ」
209: 2010/09/26(日) 12:32:35.58 ID:Hwnugb.o
律「『多数決で 澪が かくれんぼの鬼になりました』っと」ピッ
「メール送ったし、これで澪のヤツ あわてて探しにくるぞ」
梓「はてさて泣きながら澪先輩がここにたどりつくのは
いつになるやら…」
ピロリロ~
律「おっと、澪からメールが返ってきたぞ」
ピッ
210: 2010/09/26(日) 12:33:17.39 ID:Hwnugb.o

211: 2010/09/26(日) 12:34:02.31 ID:Hwnugb.o
律「うわああああああ!?」
唯「こ、こわいよ!!」
梓「5秒でメール返ってきましたけど
あの人、このコピペ ケータイに登録してるんですかね」
紬「コピペより澪ちゃんの精神そのものが怖いわね」
梓「これは怒ってますね」
律「悲しんでいるのかも知れないな」
唯「悪いことしちゃったかなぁ」
紬「それよりお茶にしよっか」
唯「そうだね!!」
梓「ポット持ってきたんですか」
212: 2010/09/26(日) 12:34:50.29 ID:Hwnugb.o
唯「はぁ~、お茶おいしいねぇ、あずにゃんや」ズズッ
梓「そうですね~」ゴク
紬「部室以外でくつろぐのも なんだか新鮮ねぇ」
律「こうやって、友達同士で視聴覚室に隠れてましたっていうのも
いい思い出になるのかもなぁ」
梓「さすがに30分もぼーっとしてると退屈ですけど」
唯「ふっふっふ、甘いよあずにゃん」
「こんな場所でも楽しもうと思えば いくらでも楽しみはあるんだよ」
梓「たとえば?」
梓「そうですね~」ゴク
紬「部室以外でくつろぐのも なんだか新鮮ねぇ」
律「こうやって、友達同士で視聴覚室に隠れてましたっていうのも
いい思い出になるのかもなぁ」
梓「さすがに30分もぼーっとしてると退屈ですけど」
唯「ふっふっふ、甘いよあずにゃん」
「こんな場所でも楽しもうと思えば いくらでも楽しみはあるんだよ」
梓「たとえば?」
214: 2010/09/26(日) 12:39:33.48 ID:Hwnugb.o
律「おい、みんな止めるぞ!!」
紬「なぜ?意味が分からない」
梓「唯先輩の好きにさせましょう。だって唯先輩の人生ですから」
律「しまった、こいつら 唯の放尿シーンを見たくて やまない病んだ変態だった」
「くそ、こうなったらアタシもウOコするしかねぇ!!」ズルリ
唯「…あれ?」
律「どうした!?今さらためらってんのか!?」ミチ…
「アタシはもうドキドキが止まんないフルスロットルな脳内ぃぃぃぃっ!!」ブチミチ
唯「ねえ、ひょっとして……あれって海?」
律「え?」ピタ
梓「うみ?」
紬「学校から海なんて…」
梓「あっ、本当に海だ!!」
215: 2010/09/26(日) 12:40:48.55 ID:Hwnugb.o
律「へぇ~、視聴覚室からだと海が見えるんだ」
「高校生活最後の冬にさしかかるこの時期にして初めて知ったよ」
唯「すごいすご~い!!」
紬「みんな、この教室の同じ窓から海を見てたハズなのに
誰も気づかなかったのね~」
梓「山の隙間からかろうじて見える程度ですし
遠くてぼんやりとしてますからね」
216: 2010/09/26(日) 12:41:49.71 ID:Hwnugb.o
梓「毎日、部室でムダにダラダラしてましたけど
こんな身近な景色も ゆっくり観てなかったんですねぇ」
律「ダラダラしているようでアタシたちは
毎日、かけ足で生きてたって事さ」
「立ち止まってる時間なんてなかったんだよ」
紬「ホント。そういえば中学生のときの3年間と
高校生の3年間って密度が違わない?」
「たくさん思い出があるの~」
唯「私も私も~」
217: 2010/09/26(日) 12:42:49.82 ID:Hwnugb.o
唯「中学の頃は家でゴロゴロしたりアイスを食べながらゴロゴロしたり
テレビを見ながらゴロゴロしてたけど
高校でけいおん部に入ってからは、部室でお茶したり あずにゃんにスリスリしたり
アイスを食べながらゴロゴロしたりテレビを見ながらゴロゴロしたりと
大忙しだよ~」
梓「結局 ほとんどゴロゴロしているように思えますが本当にかけ足なのでしょうか」
唯「でも本当に色んなことがあったんだよ」
梓「でしょうね」
「私も色々ありました」
218: 2010/09/26(日) 12:43:53.73 ID:Hwnugb.o
唯「ギー太を買うためにみんなでバイトしたり、合宿にいったり」
梓「私は海で埋められましたけどね」
律「学園祭でライブをして、ライブハウスでもライブして」
梓「私は打ち上げで校庭に埋められましたけどね」
紬「修学旅行も楽しかったし、夏フェスもすごく感動した」
梓「私は山でも埋められましたけどね」
唯「クリスマス会もおもしろかったね」
梓「私は雪に埋められましたけどね」
律「梓は埋められてばっかりだったな」
紬「でも、おもしろかったわね」
唯「そうだね」
梓「私の高校生活を返せ!!」
219: 2010/09/26(日) 12:45:02.64 ID:Hwnugb.o
唯「あ~ぁ」
律「どうしたんだ?」
唯「せっかく学校で海が見えるスポットを発見したのに
あと少しで卒業なんだー」
紬「そうね」
律「みんなで集まって いいトシこいて
かくれんぼしようなんてバカやってられるのも あとわずかか~」
梓「私はあと1年以上ありますけどね!」
律「そうだな」
梓「そうです。私だけ1年以上もあるんですよー!!」エッヘン
律「アタシらが卒業しちゃったら寂しいだろう?」
紬「いい気味ね」
梓「意味がよくわかりません」
唯「あ~ずにゃん」ギュ
梓「フヒヒ…」シュン…
220: 2010/09/26(日) 12:46:03.65 ID:Hwnugb.o
ガラララララッ
澪「見つけたぞクソどもおおおおああおおおおあ!!」
梓「ぎゃあああああああああああああああああああ」
唯「わぁあぁあああ!?澪ちゃん!?」
律「マ、マジでおどろいたああ」
紬「」ドキドキドキ
澪「あ?え?マ?お前らなんだよなんでなんだよ!?」
「私がジャンケンで勝ったのになんで鬼なの!?」
「講堂のステージの天井裏に潜んでいた
私の気持ちをどうする?どうすんの私!?」
梓「チッ、申し訳ありませんでした」
澪「ん?なんか 梓 ちょっぴり涙目じゃない?」
「そんなに私、怖かった?」
梓「そうですね、さすがにビビりましたよ」ゴシゴシ
221: 2010/09/26(日) 12:47:15.87 ID:Hwnugb.o
澪「ははっ、さぁて、次は誰が鬼をやるんだ?」ウキウキ
唯「ふふ、ねぇあずにゃん」
「今度の休みの日、一緒に海に行こっか?」
梓「ふぇ?」
唯「あずにゃんと もっといっぱい思い出作っておこうかなって」
梓「唯先輩…」
紬「私も行く!!いく!!イクゥゥゥウウウッ!?」ビクンビクン
律「じゃあ みんなで海に行くかー!!」
澪「えっ、なにこれ、どういう流れ?なんで海に行くの?」
「みんなの気持ちが分からないのは
私が本当の鬼になってしまったから…?」
律「おい、しっかりしろ」
222: 2010/09/26(日) 12:48:11.72 ID:Hwnugb.o
澪「あおおおぉああああああ」
人とは思えぬ野太い声で咆哮をあげると
澪の体が むくりと膨らみ、その形相は本物の鬼のそれへと変貌する。
唯「あ、あぁあああ……澪ちゃん…」
紬「そんな…」
爪は長く伸び、髪を振り乱し、いびつにならぶ歯の隙間から
腐った魚のような臭気が漂ふ。
黄色く濁った瞳で獲物を品定めすると
ひゅぅっと飛び跳ね、哀れな標的の首をねじり、その口から華奢で か細い声が漏れる
梓「ぅげえあっ」
223: 2010/09/26(日) 12:49:15.64 ID:Hwnugb.o
唯「澪ちゃん、やめてええええ!!あずにゃんが氏んじゃうううう」
紬「しゃらんらああ!!」
ガシッ
澪「グェア!?」
律「あぁっ、ムギが澪にスピンダブルアームをしかけた!!」
ビュンビュンビュン
律「ダブルアームの体勢で澪の体を回転させるなんて
なみたいていのパワーじゃ不可能だ!!」
唯「これは巨大たくあんの力が はたらいているんだね!!」
紬「そりゃー!!」
ブゥゥン
澪「……!!」
唯「澪ちゃんを上に放り投げたああああ!!」
ガッ
紬「地獄の断頭台いぃぃぃ!!」
┣″カ″シャアアアアン
澪「グハッ、私は何を…?」
律「正気に戻るの早ぇ」
224: 2010/09/26(日) 12:50:47.09 ID:Hwnugb.o
澪「私は友達失格だよ…」
「みんなが楽しそうに海の話をしているのに
私ときたら、『え、なんでコイツら人を鬼にしといて かくれんぼに興味を失って
海の話してるの!?[ピーーー]!!氏ねじゃなくて[ピーーー]!!』とか思ってムカムカして…」
唯「ごめんね…澪ちゃんの気持ちも考えないで…」
紬「確かに澪ちゃんはルール破りの最低の悪魔超人だけど私達も少しだけ悪かったわ…」
律「アタシはちっとも悪くないと内心 確信してるけどケジメだから謝っておくよクソが」
梓「サメの群れに突入しろよ」
澪「なんだろう、すごくモヤモヤするよ」
225: 2010/09/26(日) 12:51:33.23 ID:Hwnugb.o
唯「ごらんよ澪ちゃん、あの窓を」
澪「唯……」
唯「ほら、何かに気づかない?」
澪「何かってなに?あのアパートのベランダにパンティが干してあるって事?」
唯「そうじゃなくてほら、海が見えるでしょ」
澪「見えるな」
唯「一年生の時、みんな この同じ窓から海を見てたんだよ」
澪「そうだろうね」
唯「ね?」
澪「なにが?」
唯「だからホラ……高校生活でいろいろあったでしょ?」
澪「そりゃあったけど」
唯「そんなことができるのも今だけなんだよ?」
澪「そんなこと唯に言われなくても分かってるよバーカ」
226: 2010/09/26(日) 12:52:25.88 ID:Hwnugb.o
唯「だめだよ澪ちゃんはもうダメだよ」
律「分かってはいたけどさ…」
梓「まぁ話をするタイミングとかもありますし…」
澪「なにが?」
紬「もう澪ちゃん、帰っていいわよ」
澪「なにがだよなんでだよあの窓から海が見えるからなんだって言うんだ…あっ!!」
律「何か感じた?」
227: 2010/09/26(日) 12:53:28.58 ID:Hwnugb.o
澪「いや、トンビがこっちに向かってきて…」
トンビ「ピーヒョロロ」
バサバサ
律「あっ、窓から入ってきたぞ!!」
唯「やぁあっ!?」
トンビ「ピョロロwwww」
バッサバッサ
梓「あっ、あのクソ鳥、唯先輩のヘアピンを盗んでいきました!!」
唯「わあぁん、返してぇぇぇ!!!ヘアピン返してぇええ!!」
澪「ばんざーいばんざーい!!」
「私も唯がトンビに何かをさらわれる光景を目の当たりにしたよ!!」
「これで私もみんなの仲間だね!!」
紬「よかったわね」ペッ
228: 2010/09/26(日) 12:54:24.05 ID:Hwnugb.o
唯「その後、澪ちゃんはこれらの経験をもとに
新しい歌詞をルーズリーフいっぱいに書いてきましたが
りっちゃんがケツを拭く紙として使用しました」
「残念だなぁ」
おわり
230: 2010/09/26(日) 12:55:45.12 ID:Hwnugb.o
おわりです
ありがとうございました
ありがとうございました
引用: 唯「同じ窓から見てた海」
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