1: 2012/02/14(火) 11:14:53.49 ID:fG9ut+df0
一夏「そんな日もあったなぁ」

一夏「取りあえず食堂行って朝ごはんでも食べるか」

― 食堂
キャー オリムラクンヨー
チョコウケトッテー

一夏「お、おう… ありがとうな」

一夏(…やっぱりたくさん貰えるよな)

一夏(弾にこの事を話したら『自慢ですか?不幸自慢ですか?』って嫌味を言われるだろうなぁ…)

一夏「お、みんな 今日は先に来ていたのか」

箒「・・・」

セシリア「・・・」

鈴「・・・」

シャル「・・・」

ラウラ「・・・」

3: 2012/02/14(火) 11:21:00.17 ID:fG9ut+df0
一夏「あ、あれ?どうした?」

箒セ鈴ラ「・・・」

シャル「そ、そのね…」

一夏「お、おう…」

シャル「皆が唐変木にチョコは渡しても意味ないだろうって…」

一夏「唐変木?確かに唐変木に本命チョコを渡しても意味は無いな」

シャル「…もういいよ」

4: 2012/02/14(火) 11:25:39.01 ID:fG9ut+df0
一夏「? 変なシャルだな」

シャル「・・・」モグモグ

一夏「まぁいいか 今日は何定食にすっかなっと」

箒「まさかあそこまで唐変木とは…」

セシリア「・・・」

鈴「呆れちゃうわね」

ラウラ「唐変木とは何だ?」

シャル「話しの分からない人の事だよ…」

箒セ鈴シ「はぁ…」

6: 2012/02/14(火) 11:30:18.67 ID:fG9ut+df0
一夏「今日は和食だな」

一夏「日本人たるもの朝は白飯だ」

一夏「あ、あれ?皆居なくなってるぞ」

一夏「まぁいいか」

一夏「いただきます」モグモグ

一夏「・・・」モグモグ

一夏(授業始まる前に貰ったチョコレートを部屋に置いてこなくちゃな)モグモグ

9: 2012/02/14(火) 11:40:00.95 ID:fG9ut+df0
一夏「ごちそうさまでした」

一夏「一旦部屋に戻ろう…」ドッサリ

― 一夏の部屋
一夏「よいしょっと」ドサドサッ

一夏「はぁ… やっぱり男が珍しいんだろうな…」

一夏「女尊男卑になってからは男が女にチョコをあげるのにな」

一夏「あ、ヤバい!授業に遅れる!千冬姉の授業じゃないか!」

10: 2012/02/14(火) 11:44:29.55 ID:fG9ut+df0
― 教室
千冬「織斑、何故遅れた」

一夏「そ、それはですね…」

一夏「学園の皆さんから頂いたチョコレートを部屋に置いてきたら遅れまして…」

千冬「ほう、つまり遅刻をしたのをチョコレートを渡してきた女生徒のせいだと言うのだな」

一夏「ち、違うよ千冬姉!」

スパァン!

千冬「学校では織斑先生と呼べ 何度言わせるんだ?」

一夏「す、すみません… 織斑先生…」

一夏(なんかいつもより機嫌が悪いぞ…)

12: 2012/02/14(火) 11:51:06.82 ID:fG9ut+df0
― 授業終了後
千冬「織斑、後で職員室に来い」

一夏「わかりました」

一夏(まさか遅刻の事でなんか有るのか?)

女子「あ、織村君!チョコ貰って!」

キャーキャー

一夏「ご、ごめんな ちょっと今は…」

女子「酷い!私のは貰ってくれないんだ…」ウルウル

一夏「ちょ、ちょっと待った!そういうわけじゃな…」

箒「・・・」ジトー

一夏「ほ、箒さん?」

箒「女を泣かせるような男に興味など無い」フイッ

一夏「え、俺が悪いのかよ…」

16: 2012/02/14(火) 11:58:59.16 ID:fG9ut+df0
一夏「あ、セシリア」

セシリア「一夏さん…」

一夏「どうした?暗い顔して セシリアらしくないぞ?」

セシリア「ええぇ… ちょっと…」

セシリア「失礼しますわ」タッ

一夏「お、おう…」

一夏「行っちまった…」

17: 2012/02/14(火) 12:06:55.43 ID:fG9ut+df0
一夏「お、鈴じゃないか」

鈴「…何よ」ムスーッ

一夏「どうした、そんな顔して」

鈴「そんな顔とは何よ!」

一夏「いや、熱でもあるのかなーって」ピト

鈴「ひゃ!何すんの!」バシーン

一夏「痛ぇ!」

鈴「女の子の体を勝手に触るなんて氏ね!工口一夏!」ダダダダ

一夏「なんなんだよ…」

18: 2012/02/14(火) 12:11:36.77 ID:fG9ut+df0
― 職員室
一夏「失礼します」ガラッ

千冬「来たか」

一夏「はい」

千冬「いや、お前に言っておきたい事があってな」

一夏「なんでしょうか?」

千冬「今日はバレンタインデーでお前はたくさんチョコレートを貰うだろう?」

一夏「はい」

千冬「お返しの事は考えているのか?」

一夏「…あ!」

千冬「はぁ…」

20: 2012/02/14(火) 12:21:11.65 ID:fG9ut+df0
千冬「お前はいつもそうだ」

千冬「後先考えず行動して結果失敗する」

千冬「それに加えて唐変木と来たもんだ」

一夏「あ、あのー織斑先生?」

千冬「なんだ?」

一夏「その話、長くなりますか?」

千冬「ふむ… 長話をしても仕方ない」

千冬「ともかく、いつもお前がつるんでいる小娘共以外からチョコレートは受け取るな」

23: 2012/02/14(火) 12:31:49.46 ID:fG9ut+df0
一夏「確かにお返し大変だよなぁ…」

一夏「中学生の時にバイトで貯金したとはいえ4,50人分はちょっと…」

千冬「そうだろう?」

一夏「あぁ、そうするよ」

千冬「よろしい、戻っても構わないぞ」

一夏「はい、失礼します」

千冬「ちょっと待て、織斑」

一夏「?」

千冬「私からのプレゼントだ、受け取れ」

一夏「こ、これって…」

千冬「こんな愚弟でも一応私の弟だからな」

一夏「でも、箒達以外からは受け取るなって…」

パァン!

千冬「私にお返しは不要だ、受け取れ」

一夏「お、おう…」

28: 2012/02/14(火) 12:48:10.36 ID:fG9ut+df0
一夏「失礼しましたー」ガラッ

一夏「お」

ラウラ「む、嫁か」

一夏「おう、ラウラ」

ラウラ「嫁よ、手に持っている物は何だ?」

一夏「あぁ、これか?千冬姉に貰ったんだ」

ラウラ「教官から!?」

一夏「おう」

ラウラ「ずるい!私も貰ってこよう!失礼します!」ガラッ

一夏「あ、ちょっと…」

31: 2012/02/14(火) 12:53:50.46 ID:fG9ut+df0
千冬「どうした、ボーデヴィッヒ」

ラウラ「教官!私にも嫁に渡したプレゼントを下さい!」

パァン!

千冬「織斑先生と呼べ」

ラウラ「はい!織斑先生!」

千冬「お前、バレンタインデーと言うものは知らないのか?」

ラウラ「バレンタインデー…?」

千冬「全く… 誰かに聞くと良い」

ラウラ「はい!」

33: 2012/02/14(火) 13:02:28.06 ID:fG9ut+df0
ラウラ「失礼します!」ガラッ

ラウラ「嫁よ、バレンタインデーとは何だ?」

一夏「あぁ、元は好きな男に女子がチョコレートをあげる日だったんだけど
ISが出来てからは逆だな」

ラウラ「つまり、男が行為を寄せている女にチョコレートを渡すのか?」

一夏「まぁ、そうなるな」

ラウラ「嫁よ」

一夏「なんだ?」

ラウラ「私にはくれないのか?」

34: 2012/02/14(火) 13:07:48.16 ID:fG9ut+df0
一夏「なんだ、欲しいのか?」

ラウラ「あぁ!」キラキラ

一夏「じゃあ、俺の部屋までついてこいよ」

ラウラ「わかった」テクテク

― 一夏の部屋
一夏「ほれ、好きなのをもってけ」

ラウラ「おぉ!こんなに用意してくれたのか!」

一夏「そうだぞー 好きなだけ持っていけ」

ラウラ「嫁よ、愛しているぞ!」ガチャ

一夏「おう、チョコ貰えてよかったな」

42: 2012/02/14(火) 13:18:16.80 ID:fG9ut+df0
一夏(どうせ1人じゃ食べきれないし、誰かに貰ってもらった方が良いよな…)

一夏(週末になったら弾にもわけに行くか…)

― シャル・ラウラの部屋、プライベートチャンネルにて

クラリッサ「―――受諾。クラリッサ・ハルフォーフ大尉です」

ラウラ「私だ」

クラリッサ「ラウラ・ボーデヴィッヒ隊長、何か問題が起きたのですか?」

ラウラ「その… 一夏からチョコレートを貰ったんだ」

クラリッサ「隊長が好意を寄せている一夏という彼からですか?」

ラウラ「そ、そうだ…」

44: 2012/02/14(火) 13:26:43.20 ID:fG9ut+df0
クラリッサ「隊長…」

ラウラ「こ、これで一夏と私は両想いと言う事に…」

クラリッサ「甘い!」

ラウラ「ひっ…」

クラリッサ「甘い甘い甘ーい!チョコレートのように甘い!」

クラリッサ「いいですか、本来のバレンタインデーは女性が男性にチョコレートを贈る日」

クラリッサ「しかし時代は女尊男卑、受け渡す立場が逆転してしまいました」

45: 2012/02/14(火) 13:35:47.47 ID:fG9ut+df0
クラリッサ「しかし、それは男性からしたら理不尽に過ぎない」

クラリッサ「バレンタインデーには美少女から多くのチョコレートを貰いたい!」

クラリッサ「そういうものなのです」

ラウラ「…流石、クラリッサ 日本の文化について詳しいだけある」

クラリッサ「お褒めのお言葉、ありがとうございます隊長」

クラリッサ「しかし、今隊長がやるべき事は私に褒美の言葉を与える事ではありません」

クラリッサ「隊長のご友人に相談してチョコレートを作り、織斑一夏殿に渡すのです」

ラウラ「わかった、それでは作戦が完了したら再び連絡をする」

クラリッサ「ご好運を」

47: 2012/02/14(火) 13:47:48.68 ID:fG9ut+df0
ラウラ「シャルロット」

シャル「なに?」

ラウラ「一夏にチョコレートをあげたいのだが」

シャル(ラウラには言わないでおけば気付かないと思ったのに…)

シャル「うーん、じゃあ今から作るの手伝ってあげようか?」

ラウラ「かたじけないな」

シャル「全然大丈夫だよ」

51: 2012/02/14(火) 13:54:50.33 ID:fG9ut+df0
― 調理室
ラウラ「どんなチョコが良いのだろうか」

シャル「そうだね… ハート形とか?」

ラウラ「は、はーと!?」

シャル「うん…」

ラウラ「そ、その…」

ラウラ「私にそんな可愛いのは似合わないんじゃないか…」

シャル「そんなことないよ 一夏も喜んでくれると思うよ」

ラウラ「そ、そうか…」

シャル「あ、ちょっと待っててね」

ラウラ「あぁ」

53: 2012/02/14(火) 14:07:56.97 ID:fG9ut+df0
シャル「・・・」プルルルル

シャル「あ…えっとね…」

シャル「・・・・・で」

シャル「うん… じゃあまたね…」ピッ

ラウラ「どうした?」

シャル「なんでもないよ、じゃあ早速作ろうか」

ラウラ「宜しく頼む」

55: 2012/02/14(火) 14:14:02.89 ID:fG9ut+df0
シャル「まず、チョコレートを細かく砕く」

ラウラ「うむ」タンタンタンタン

シャル「そしたらボウルに入れる」

ラウラ「わかった」ザララララ

シャル「でね、お湯にボウルをつけてチョコを溶かすんだ」

ラウラ「なるほどな」

シャル「で、それを型に入れれば完成だよ」

ラウラ「ふむ、さほど難しくはないようだ」

シャル「そうだね」

57: 2012/02/14(火) 14:24:13.30 ID:fG9ut+df0
ラウラ「案外、簡単に出来るものだな」

シャル「これからだよ」

ラウラ「?」

シャル「ラッピングが重要なんだ」

ラウラ「包装か?」

シャル「うん、これが可愛くなきゃ駄目だよ」

ラウラ「そ、そうか…」

61: 2012/02/14(火) 14:30:31.74 ID:fG9ut+df0
ラウラ「こ、こんな感じで良いのか?」

シャル「うん、よく出来ていると思うよ」

ラウラ「そうか… そうか!」

シャル「じゃあ私に行ってみようか?」

ラウラ「嫁は喜んでくれるだろうか?」

シャル「喜んでくれると思うよ」

62: 2012/02/14(火) 14:35:15.65 ID:fG9ut+df0
― 一夏の部屋
ラウラ「嫁、入るぞ」ガチャ

一夏「んー、どした」

ラウラ「その…な、バレンタインデーを勘違いしていたみたいだ…」

一夏「?」

ラウラ「こ、これ…///」

一夏「俺にくれるのか?」

ラウラ「そ、そうだ…」

一夏「ラウラ」

一夏「ありがとな」ニカッ

ラウラ「はう…」キュン

64: 2012/02/14(火) 14:41:59.87 ID:fG9ut+df0
シャル「あ、あの… これ…僕からも…」

一夏「お、シャルもか ありがとうな」

シャル「ううん、本当に大した事ないやつだからね?」

一夏「いや、普通に嬉しいよ ありがとうな」

シャル「じゃ、じゃあ僕達はもう戻るね!織斑先生に怒られちゃうかも知れないし」

一夏「おう、また明日な」

65: 2012/02/14(火) 14:52:15.09 ID:fG9ut+df0
― 夜
一夏「結局、いつものメンバーでチョコレートをくれたのはラウラとシャルだけか」

一夏「箒と鈴は幼馴染なんだし義理でくれてもいいと思ったんだけどなぁ」

一夏「セシリアは… まぁ、チョコまで不味いなんて事は無いだろ」

一夏「お、シャルのチョコは手が込んでんなー、トリュフチョコか」

一夏「ラウラのは… まぁ初めて作ったんだろうな、十分だ」

一夏「さーて、この量のチョコをどうすっかなぁ…」ドッサリ

67: 2012/02/14(火) 14:58:45.52 ID:fG9ut+df0
― 次の日 食堂
一夏「お、皆おはよう」

箒「…」

セシリア「…」

鈴「…」

シャル「おはよう、一夏」

ラウラ「おはよう」

一夏「相変わらず、箒と鈴とセシリアは暗いなー」

71: 2012/02/14(火) 15:13:24.14 ID:fG9ut+df0
箒「そ、そのだな… これを…」スッ

一夏「なんだこれ?」

箒「1日遅れだがバレンタインデーのチョコレートだ」

鈴「私からも、ほい」

一夏「おいおい、投げるなよ」パシッ

セシリア「い、一夏さん… 私からも…」

一夏「ん、ありがとうな」

一夏「でも、なんで昨日じゃなかったんだ?」

セシリア「そ、それは…」

73: 2012/02/14(火) 15:20:56.72 ID:fG9ut+df0
― 13日
箒「…」

セシリア「…」

鈴「…」

ラウラ「…」

シャル「明日はバレンタインだね」

鈴「そうね…」

セシリア「渡す時は全員一緒ですわよ」

箒「あぁ…」

ラウラ「?」

76: 2012/02/14(火) 15:39:45.77 ID:fG9ut+df0
鈴「ところでさ」

鈴「セシリアのチョコ、大丈夫なの?」

セシリア「何がですか?」

鈴「ほら、メシマズ大国じゃない」

セシリア「なっ…」

鈴「味見はしてみた?」

セシリア「味見をする必要なんてありませんわ!写真通りなのですから!」

鈴「・・・味見してみなよ」

79: 2012/02/14(火) 15:50:12.66 ID:fG9ut+df0
セシリア「そ、そこまで言うなら…」

セシリア「余った物がありますから取ってきますわね」

―――――
セシリア「・・・」パクッ

セシリア「~~~~っ!」

鈴「どれどれ」パクッ

鈴「からーーい!何入れたのよ!」

――――――
――――
――

鈴「で、セシリアのチョコをみんなで作り直してたのよ」

箒「抜け駆けは無しって事でな、渡すのが遅れたのだ」

セシリア「本当に申し訳なく思っていますわ…」

83: 2012/02/14(火) 15:59:32.87 ID:fG9ut+df0
鈴「でも、ラウラがまさかバレンタインを知らなかったとはねー」

セシリア「ラウラさんだけは昨日作って渡したみたいですわね」

箒「まぁ、知らなかったのなら仕方が無いだろう」

鈴「まぁね、抜け駆け無しってのも説明してもわからないだろうし」

一夏「あれ?」

鈴「どしたの?」

一夏「昨日シャルからも貰ったぞ?」

箒セ鈴「え゛」

85: 2012/02/14(火) 16:11:23.81 ID:fG9ut+df0
セシリア「シャルロットさん… どういう事ですの…?」

鈴「へぇ… そうか、抜け駆けか」

箒「…覚悟はできているであろうな?」

シャル「い、一夏… たすけて?」

一夏「? 何がだ?」

こうしていつもと変わらないバレンタインデーとなったとさ
おしまい

86: 2012/02/14(火) 16:12:17.37 ID:EN/Yp+OH0

引用: 一夏「あ、バレンタインデーか」