932: 2019/05/11(土) 11:13:42.64 ID:XqTkDbxP0
前回:【ラブライブ】千歌「ポケットモンスターAqours!」【その13】
最初から:【ラブライブ】千歌「ポケットモンスターAqours!」【その1】
■Chapter066 『飛空挺、リベンジマッチ』
──中層、敵と遭遇した花丸。
花丸「ドダイトス! “せいちょう”!」
「ドーダイ!!!!!」
ドダイトスの大きな身体が更に大きくなり、マルたちを引き摺り込もうとするパワーに対抗する重量を確保する。
そこで、やっとドダイトスの足に絡み付いているものを確認した。
花丸「触手……!」
水色の触手、これは前にも見たことがある……!
花丸「ブルンゲルの触手ずら! やっぱり、あのときのブルンゲルもグレイブ団のポケモンだったんだ……!」
そうだろうとは思っていたけど、再び相対して確信に変わる。
花丸「でも、前のときとは違うずら! 今は綱引きでも負けないパワーがあるずら!」
「ドダイッ!!!!!」
ドダイトスがマルの言葉に呼応するように、地面を踏み鳴らす。
しかも、それだけじゃない。
花丸「行くずら、デンリュウ!」
「リュゥ!!!」
花丸「“10まんボルト”!!」
「リュゥゥーーー!!!!」
デンリュウは触手に向かって放電攻撃をする。
花丸「ドダイトスはじめんタイプだから、掴まれてる間でも巻き込まれて感電しないずら!」
デンリュウの強力な電撃を食らって、触手が引っ込められる。
──直後、
「ブルン…」
──ザバァッと音を立てて、ブルンゲルが水中から飛び出してきた。
花丸「出てきてくれるなら、こっちのものずら!!」
「ドダイッ!!!!」
ドダイトスが前に踏み出す、
──ダンッと地面を踏み切って、自分の背中に生えた巨大な樹木を振り下ろす、必殺技……!!
花丸「“ウッドハンマー”!!!」
「ダイトスッ!!!!!」
「ゲルッ!?!?」
上から思いっ切り、ぶっ叩かれたブルンゲルは水中に逆戻りし、
数秒経った後、
933: 2019/05/11(土) 11:15:05.35 ID:XqTkDbxP0
「ゲ、ル……」
……プカァと、水中に浮いてきて伸びていた。
花丸「やったずら! ドダイトス!」
「ドダイッ!!!」
花丸「さて……あとは転送装置の確認ずらね」
ブルンゲルがエネルギー源になっていたなら、恐らく装置は水中にあるはず……。
ドダイトスから降りて、砂浜を歩いて水に近付く。
花丸「……さて、どうやって確認しようかな……。マルの手持ちじゃ泳げないし……」
「ドダイ…」「リュー…」
花丸「……ブルンゲルは倒せたし、一旦曜ちゃんと合流した方がいいのかな」
マルは砂浜に背を向け、図鑑を開く。
曜ちゃんに場所を伝えて、来てもらえば確認が出来る。
マルは曜ちゃんと持ち場を入れ替えて──
花丸「えーっと……あれ? また通話切れてるずら……えっと、曜ちゃんと通信……」
マルは呑気にポチポチと図鑑を弄る。
──こんなことをしてる場合じゃなかったと気付いたのは、この数秒後のこと、
──ガクン。
急に後ろ向きに体を引っ張られる力を感じた。
花丸「──ずら!?」
そのまま、為す術なくマルは“ピンク”の触手に絡み取られて、水の中に引き摺り込まれる。
マルはそこでやっと思い出す、
確かにあのブルンゲルは──……つがいだった。
* * *
──上層、千歌、善子。
善子「ムウマージ! “マジカルフレイム”!」
「ムマァージ!!!」
ムウマージの周囲をぽっ、ぽっと炎が浮かび上がり、それを発射する。
「キィィィイイィィィィィ!!!!!」
その炎を掻き消すように、オンバーンが“かぜおこし”で吹き飛ばす。
だが、出来た隙に背後に回ったムクホークが、
千歌「ムクホーク! “つばめがえし”!!」
「ピィィイィィィィ!!!!!」
934: 2019/05/11(土) 11:20:00.24 ID:XqTkDbxP0
翼を振り下ろす、
「キィィイイィイィィ!!!!!!」
その翼に打ち合うように、オンバーンが翼で薙いだあと、
──キィィィ、と言う音が微かに聞こえてくる。
善子「……!! ドンカラス、“バークアウト”!!」
「カァーーーーー!!!!!!!」
ドンカラスが咄嗟に威嚇するように声をあげる、
その音にオンバーンが怯んだ隙に、
千歌「ムクホーク! “みだれづき”!!」
「ピィピィィイィィ!!!!!」
オンバーンの耳を狙う、
「ギキィ!!!!!!」
オンバーンはその攻撃を嫌がって、後方の空中に飛び退る。
そのまま、すぐに下を向いて、攻撃態勢に入ってくる。
千歌「! ムクホーク、上昇!!」
「ピィィ!!!!」
私はそれを見て、すぐさま前に駆け出して、ムクホークの脚を掴んで勢いよく上昇する。
善子「っち……! ドンカラス、飛ぶわよ!!」
「カァカァーーー!!!!」
私たちが咄嗟に飛び出し、高度を一気に上昇させたところで、オンバーンから下方に向かって、
「ギィィァアアァァァァァァ!!!!!!!!!」
もはや爆発音に近い、鳴き声が発される。
千歌「ぐぅぅぅ……!!」
片方の耳を塞ぎながら、どうにか耐える。
善子「……っ!!」
善子ちゃんも同様に。
……一方で、音の振動をまともに受けた、直下の通路は、そのあまりの爆音に通路の鉄板にところどころヒビが入っている。
千歌「う、うるさいぃ……」
善子「音技があると、こっちの動きが制限される……っ! やっぱどうにか“じごくづき”を叩き込まないと……!」
千歌「でも、近付いてもオンバーン空に逃げちゃうし……!」
善子「アブソルの攻撃は前に見てるからね……警戒してるんだと思うわ」
善子ちゃんはさっきから、どうにかアブソルを使って狙ってはいるものの、すぐに上空に逃げられたのち、一方的に上から攻撃を浴びせられるため、今アブソルはボールに戻している。
そんな話をしている間にも、
935: 2019/05/11(土) 11:22:07.30 ID:XqTkDbxP0
「キィィィィィィィィ!!!!!!」
オンバーンは溜めなしで金きり声を出す。
千歌「あ、頭に響くー……!!」
善子「ち、“ちょうおんぱ”……!! ……っく、ここは一旦引くっ!」
善子ちゃんはそう言ってから、通路の私が連れてこられた方へと飛行する。
私もそれにならって、追いかける。
千歌「よ、善子ちゃんっ、私たち逃げてる場合じゃ……!!」
善子「大丈夫よ、オンバーンは追ってくる」
千歌「……?」
言われて、背後を見ると、
「ギキィギキィ!!!!」
確かにオンバーンは私たちを追ってきていた。
善子「オンバーンはもともとこの先にいたんでしょ?」
千歌「う、うん」
善子「あいつもエネルギー源だって言うなら、そこにエネルギーの転送装置があるはずでしょ! 千歌と戦闘せずに連れ去ったのは、そこの装置を壊さないため遠ざけたんだって考えたら辻褄があうわ!」
千歌「な、なるほど!」
逆に言うなら、ここで追ってくる時点であのオンバーンはほぼ確実に私たちが倒すべき敵──エネルギー源のポケモンというわけで……あれ?
千歌「よ、善子ちゃん!」
善子「……千歌も気付いた!?」
千歌「うん!」
……それこそ、私たちの目的はオンバーンを倒すことじゃない。エネルギーの転送を止めればいいんだ、なら──。
千歌「転送装置を壊せば、私たちの目的は達成される!」
善子「そういうこと!!」
──キィィィィ。
再び背後から、“ばくおんぱ”のチャージ音が聴こえてくる。
善子「ムウマージ!!」
だけど、善子ちゃんが指示を出した瞬間、
「ムマァージ!!!」
ムウマージがどこからともなく現われて、オンバーンの横っ面に突進をかます。
「ギキィッ!!!!」
ムウマージの突進で無理矢理横を向かされたオンバーンの音波攻撃は通路の横側を吹き飛ばすだけに至る。
千歌「ムウマージ! いつの間に……!」
「今のは“ゴーストダイブ”ロト」
ロトムが横を浮遊しながら補足をしてくれる。
936: 2019/05/11(土) 11:23:55.35 ID:XqTkDbxP0
善子「って、あんた何処行ってたのよ!?」
「最初の“ばくおんぱ”で気絶してたロト。さっき起きたロト」
善子「……言われてみれば、ロトムの断末魔みたいなの聴いたような」
「まだ、氏んでないロト……。それより、梨子ちゃんから通信ロト」
千歌「梨子ちゃんから!?」
私たちは図鑑を取り出して、耳に当てる。
梨子『こちら梨子! スリーパー撃破! エネルギー転送装置みたいなものも発見したよ!』
善子「! ナイスよ、リリー!」
梨子『私はこのまま、中下層部に他に装置がないか探すね!』
善子「お願い! これで転送装置の存在も確証に変わった……! ずら丸と曜から連絡がないのは気になるけど……」
千歌「心配だね……でも二人を信じよう、私たちはエネルギーの転送装置を……!」
「待って欲しいロトー」
千歌「え、どうしたの? ロトム?」
「装置に直接アクセスして、電気信号を覚えれば、同じような装置の気配がわかるようになるはずロトー」
千歌「そんなこと出来るの!?」
善子「そういえば、ロトムは家電に住み着くゴーストポケモンだったわね……!」
そういえば、最初に出会ったときに鞠莉さんがそんなことを言ってたかもしれない。
家電……ではないけど、装置も電気を使って動く機械だろうし、ロトムが出来ると言ってるからには出来るんだろう。
善子「ざっくりとでも数と場所がわかれば、その情報は大きいわ!」
千歌「うん、そうだね! ロトム、お願いできる!?」
「任せてロトー」
会話の最中、先ほどオンバーンに襲われた広い空間のある部屋に突入する。
善子「……って扉とかなかったけど」
千歌「あ、うん、オンバーンが“エアスラッシュ”で吹き飛ばしちゃって……」
善子「……そこまでしてでも、千歌を部屋から排除したかったのね」
善子ちゃんとのやり取りに割り込むように、
「キィィィィィィァァァァァァァ!!!!!!」
通路側から鳴き声が響く。
善子「……もう来たか……っ! ロトム!」
「ロト!?」
善子「千歌と一緒に装置を探しなさい!」
千歌「善子ちゃんは!?」
善子「時間を稼ぐ! 空中戦なら、私の方が得意だし! 装置は見つけて信号をロトムに覚えさせたら、即破壊して!」
千歌「わかった!! ロトム、行こう!!」
「了解ロト!!!」
私は、ロトムと一緒に室内へ飛び出す。
そして、背後の善子ちゃんは、
善子「ランプラー、ユキワラシ!!」
「プラァ」「ユキッ」
937: 2019/05/11(土) 11:27:35.40 ID:XqTkDbxP0
更に追加でランプラーとユキワラシのボールを放り、飛び出した二匹にすかさず手に持った石を近付ける。
二匹は進化の光に包まれたのち──
「──シャンディ……!!」「──ヒュゥゥ……ッ」
新しい姿になって、善子ちゃんの傍らを浮遊している。
善子「行くわよ、シャンデラ、ユキメノコ!! さぁ、来なさいオンバーン! 遊んであげるわ!!」
「キィィイィィィィィィ!!!!!!!!」
私は装置を探し、善子ちゃんはオンバーンを迎え撃つ──。
* * *
──最下層部、曜。
床を貫通させながら、下へ向かってきた私たちは、
その最中で奇妙な構造の部屋を見つけた。
曜「これ……水槽かな……?」
「タマ?」
目の前にはガラスが一面に張ってあり、その中には水が詰まっている。
そして、何より不思議なのは、
この水槽には下側にも口があるということだ、
アルファベットのJの形を想像してもらうとわかりやすいかもしれない。
Jの文字の右側が目の前にある縦長の水槽部分、
左のちょこっと出ている低い出っ張りの位置に私たちは立っている。
曜「……一つに繋がった水槽を二層に分けて管理するためにこんな形なのかな……」
まあ、確かにこれだけ長いと、上からしか入口がなかったら大変ではあるけど……。
とは言え、めちゃくちゃ怪しいのは事実。
とりあえず潜ってみようかとゴーグルと果南ちゃんから貰った呼吸器を装着していたとき、
曜「……?」
ガラス張りの壁の先で、何かがゆっくりと降りてくる。
ピンクの塊が……人のようなものを引っ張っている……?
いや、あれは──
曜「花丸ちゃん!? 助けなきゃ!!」
私は反射に近いスピードで水槽へと飛び込んだ。
938: 2019/05/11(土) 11:29:34.76 ID:XqTkDbxP0
* * *
花丸「が、がぼぼっ……」
花丸ちゃんを引き摺りこんで居るのは、♀のブルンゲル。
以前15番水道でことりさんが撃退したやつだ。
私はブルンゲルを一直線に指差す、その指で斜めに薙ぐようなジェスチャーをする。
「タマッ」
──タマンタ、“エアスラッシュ”!!
タマンタから放たれた斬撃が水中内を伝播しながら、花丸ちゃんに絡み付いている触手に直撃する。
「ブルン…」
突然の下からの攻撃に驚いたのか、ブルンゲルの触手が花丸ちゃんから離れる。
花丸「ぶくぶくぶく……」
私はそのまま、泳いで近付いて、花丸ちゃんの腰辺りを腕を回して、そのまま私とタマンタが今さっき飛び込んだきた水槽の口へと、運んでいく──。
* * *
花丸「……げほっ! ……げほっ!」
曜「はぁ……はぁ……花丸ちゃん! 大丈夫!?」
水槽の入水口から十分に距離を取ってから、花丸ちゃんを介抱する。
花丸「だ、大丈夫……ずら……。……ありがと、曜ちゃん……助かった、ずら……」
意識はハッキリしている。
どうやら引き摺り込まれた直後だったようだ。
花丸「もう、一匹……いるのを、忘れてた……ずら……」
曜「もう一匹ってことは……」
花丸「♂の方は上の階層で倒したずら……エネルギーの転送装置を、確認しようとしたところで……引き摺り込まれて……」
肩で息をしながら、花丸ちゃんが状況を説明する。
曜「なるほど……」
花丸「……まだ、装置は確認出来てない、ずら……! なら、倒さなきゃ……!」
花丸ちゃんは立ち上がって水槽の方に向かおうとするが、
939: 2019/05/11(土) 11:31:06.54 ID:XqTkDbxP0
曜「ま、待って! 花丸ちゃん!」
花丸「……?」
曜「冷静になって? 花丸ちゃん、水中で戦えるポケモン持ってないよね? ここで突っ込んでもまた同じ結果になるだけだよ?」
花丸「ずら……」
曜「引き摺り込まれたとき、手持ちは外に出してたの?」
花丸「……う、うん。上の階層にドダイトスとデンリュウを置いてきちゃってるずら……」
曜「それなら、一旦合流した方がいいよ。このままの状態は花丸ちゃんにとっても、花丸ちゃんの手持ちにとっても良くないし」
ここは敵地である以上、自分の手持ちは自分の目の届くところに置いておかないと、何が起こるかわからない。
曜「ブルンゲルは、私が倒すから」
花丸「曜ちゃん……」
曜「水中戦なら、誰よりも戦えるのは私だから、任せて!」
花丸「……わ、わかったずら」
花丸ちゃんは私の言葉を聞いて、冷静さを取り戻したようだ。
花丸「ゴンベ! ウリムー!」
「ゴンッ」「ウリッ」
花丸「“かぎわける”でドダイトスとデンリュウのニオイを探して!」
「ゴンッ!」「ブー」
ゴンベとウリムーはくんくんと鼻を鳴らして、歩き出す。
曜「よし……じゃあ、行って来るね」
私は再びゴーグルと呼吸器を装着し、
「ガメ」「キュウ」
水槽の着水口に、カメックスとラプラスを繰り出す。
花丸「曜ちゃん……気をつけてね……!」
曜「ん、花丸ちゃんも!」
私は花丸ちゃんに敬礼したあと、水中へと飛び込んだ──。
* * *
──さて、水の中で上下左右を見回す、
すると、水槽の下の方からピンク色の物体が浮かんでくる。
さっきのブルンゲルだ、
「キュウ」「ガメ」「タマ」
私の周りにはラプラス、カメックス、タマンタの3匹。
さすがにこの狭い空間でホエルオーは出せない。
私はブルンゲルに向かって、腕を横向きに薙ぐジェスチャーをする。
940: 2019/05/11(土) 11:32:11.18 ID:XqTkDbxP0
「キュウッ」
ラプラス、“フリーズドライ”!
ラプラスが前方に向かって、冷気の波動を発する。
動きの鈍いブルンゲルは、
「ブル、ン」
そのまま、冷気に掴まって、凍りはじめる。
そこにすかさず、ジャブで打ち抜くようなジェスチャー。
「ガメー!!!」
カメックス、“ハイドロポンプ”!
カメックスから渾身の水砲が発射され、
「ブルンッ」
ブルンゲルを吹っ飛ばした。
……水中に引きずり込んでくることが厄介なだけで、ブルンゲル自体はそこまで強くなかったようだ。
安心して、水上に戻ろうとした、そのとき、
「タマッ!!!!」
曜「!?」
タマンタが叫ぶ、
タマンタは水中の微妙な動きをキャッチすることが出来る。
そのタマンタが何か異常を報せていた。
私は咄嗟にタマンタの体に掴まり、
「タマッ!!!」
それを確認すると、タマンタは私を引っ張りながら、“こうそくいどう”で泳ぎ始める。
直後──
曜「……!!」
私の居た場所を何か針のようなものが掠めた──
いや、あれも見たことがある。
──“ミサイルばり”。
皆は……!?
周囲を見回すと、
「キュウッ」「ガメッ」
941: 2019/05/11(土) 11:33:26.26 ID:XqTkDbxP0
ラプラスもカメックスも警戒態勢で、泳ぎまわっている。
狙いを付けられないように、
……どうやら、二匹とも戦う準備は十分のようだ。
私は水底に目を向ける。
かつて、スタービーチで私たちを苦しめたのと同じポケモンの姿が、そこにはあった。
「…ドイヒ」
ドヒドイデ……!
あのときは果南ちゃんが捕まえたから、あれは恐らく別の個体だろうけど……。
私にとっては因縁のあるポケモン。
カメックスに目を配る。
「ガメッ」
カメックスが頷く。
ラプラスに目を配る。
「キュウッ」
ラプラスが頷く。
私も、頷いた。
今度こそ、勝とう、皆で……!
「ガメーッ!!!」「キュウッ!!!!」
──前回同様辺りには気付けば既に“どくびし”が撒かれつつあった、
私は腕を回内させながら、拳を前に突き出す。
「ガメーッ!!!!」
それを見たカメックスが体を甲羅に収め、回転しながら飛び出した。
──“こうそくスピン”!
“どくびし”を蹴散らし、進む。
「ドイヒ…」
そこに向かって、ドヒドイデは“とげキャノン”を撃ち出して来る。
私は、拳を握ったまま突き出して、パッと手を開くジェスチャー。
「キュウッ!!!」
ラプラスが周囲に小さな氷の塊を作り出して、発射する。
──“こおりのつぶて”!
氷は“トゲキャノン”を相頃し、カメックスを守る。
「……ドイヒ」
942: 2019/05/11(土) 11:34:56.92 ID:XqTkDbxP0
それを見たドヒドイデは、全身の触手を閉じて、ドーム状になってしまう。
あれは……確か“トーチカ”だ。
毒針を立てたまま、防御姿勢を取る技。
私は、タマンタを促して、水底へと泳いでいく。
「ガメッ」「キュウッ」
私たちが水底に降り立っても。
「……」
ドヒドイデは“トーチカ”を開かない。
防御してれば、それでこっちが折れるという算段なんだろう。
……前までだったら、これだけで私たちには戦う術はなかっただろう。
私は──メガイカリを右手で握り込む。
眩い光と共に──
「ガーメッ……!!!」
カメックスはメガカメックスへと姿を変える。
これだけじゃない。
私は──旅立ちのあの日にダイヤさんから貰った、“みずのジュエル”を取り出した。
そして、メガカメックスの口に加えさせる。
メガカメックスは水底に四肢を着き、
三つの砲門全てをドヒドイデに向ける。
水のエネルギーを充填を始める。
──あのとき、私が始めて旅立った海で……私の大好きな海で、我が物顔で好き放題やっていたドヒドイデ。
そんなドヒドイデに手も足も出ずに負け帰って、それ以降バトルが怖くなった。
でも……今、この一撃でその過去とも、さよならだ。
私は──私たちは、強くなった……!!
「ガーメッ!!!!」
メガカメックスの口元にあった“みずのジュエル”が砕けて、みずタイプのエネルギーがカメックスに収束していく。
特性“メガランチャー”により、最大まで威力を増した、最強の“みずのはどう”を──
「ガメーーーー!!!!!!!!」
──発射した。
* * *
──中層、花丸。
ゴンベ、ウリムーの力を借りて、さっきの部屋まで戻ってきたマルは、
943: 2019/05/11(土) 11:37:10.36 ID:XqTkDbxP0
花丸「ドダイトス! デンリュウ!」
「ドダイッ!?」「リュゥーーーー!!」
花丸「ごめんね……!! 心配したよね……!!」
二匹の手持ちとやっと合流することが出来た。
よし、この後は──
次の行動を考えようとした、その瞬間、
──全身が大きく揺れた。
いや、床が傾いた……?
花丸「な、なんずら……?」
* * *
理亞「……ドヒドイデの水槽の底が吹き飛んで、水が飛空挺の外側部に流れ込んでる……?」
コントロールルームのアラートを聞きながら、私は顔を顰める。
理亞「外側部、これ以上水が流れていない部分に入り込まないように非常シャッターを下ろして。艦艇、ドヒドイデの水槽と逆側に注水して艦の傾斜復元。総重量が変わるわけじゃない、バランスさえ保てばすぐに飛行は安定する」
手早く管理AIに指示を出す。
理亞「……やってくれるじゃない」
* * *
──下層部、梨子。
梨子「──え、破壊?」
千歌『うん、梨子ちゃん、倒したあとの装置は破壊とかしてないかなって』
梨子「……完全に忘れてた」
言われてみれば、壊してしまえば再利用される心配もないし、今回の目的に一番沿ってるのは間違いなく、装置そのものの完全破壊だ。
梨子「ごめん……戻って壊してきた方がいいかな……?」
今現在は襲ってきた団員たちをどうにか撃退し、下層部から中層部へと向かう道すがらだった。
千歌『あ、ううん! 今現在装置が残ってるのかだけ確認したかっただけだから』
梨子「どういうこと?」
千歌『ロトムが今同じ装置の電気信号……? みたいなのを覚えてる真っ最中なんだけど、それで他の装置の場所とか数もサーチ出来るようになるって言ってたから』
梨子「……なるほど」
壊れている装置は確かにサーチ出来ない。
944: 2019/05/11(土) 11:47:04.04 ID:XqTkDbxP0
『検索完了ロト!!』
千歌『あ、サーチ終わったの?』
『終わったロトー』
どうやら、今話していたそのサーチも、たった今終わったようだった。
『機能が停止してる装置が今ここ上層部にある1個、下層部に1個、中層部に1個。現在稼働中のものが中層部の艦尾側に1個あるロトー』
千歌『え!? じゃあ生きてるのは残りは1個ってこと!?』
『加えて……今さっきまで似たようなエネルギー供給ルートが生きてた痕跡が最下層部に1個あったロト』
梨子「全部で4個……私が倒したスリーパーの居た下層部。中層部は花丸ちゃんが向かった方向」
千歌『上層部のは今私たちが抑えてるやつだよ!』
梨子「最下層のは、たぶん曜ちゃんが破壊したってことよね……!!」
さっき艦が揺れたのは、曜ちゃんが破壊した衝撃だったのかもしれない。
千歌『皆すごい! ちゃんと各個撃破してる!!』
梨子「なら、私はこのまま中層部の最後の一個を探すね!」
千歌『わかった! 私もこれ破壊したら、そのままそっちに向かうから!』
そこで千歌ちゃんとの通話が終了する。
そのタイミングで丁度中層部に戻ってきた私は、
花丸「──ずら!?」
梨子「花丸ちゃん!?」
945: 2019/05/11(土) 11:48:04.26 ID:XqTkDbxP0
ちょうど、通路で花丸ちゃんと邂逅する。
花丸「梨子ちゃん、助かったずら……!! 図鑑の通話がうまく使えなくて……」
梨子「ええ!? え、えっと、とりあえず残りの装置はあと中層部にある一個だけみたい。花丸ちゃんは一個止めたんだよね?」
花丸「あ、うん! さっき戦った部屋で、もう稼動してない装置を水中で見つけたずら!」
水中……? 飛空挺で……? ……まあ、それはいいや。
梨子「となると、本当に最後の一個が中層の艦尾側にあるだけってことね!!」
花丸「あと一個ずら!? それなら、このまま……!!」
梨子「……いや、花丸ちゃんはこのまま、艦首側に向かって!」
花丸「ずら? 艦首側ってマルたちが最初に入ってきた方じゃ……」
梨子「4個の装置を停止させた時点で、バリアの強度もだいぶ下がってきてると思うの」
花丸「……確かに」
梨子「私はこのまま最後の装置を探すけど、私たちの目的はそのあとの解除したバリアの先にある……だから、花丸ちゃんは先にそっちに向かって!」
花丸「……! で、でも、マルでいいの?」
梨子「……私は詳しい事情まではわからないけど……友達なんでしょ? ルビィちゃんって子」
花丸「!」
梨子「……友達、助けに行ってあげて?」
花丸「……うん!」
梨子「それじゃ、また後で!」
花丸「うん! 梨子ちゃんも気を付けて!」
花丸ちゃんと二手に分かれて、私は最後の装置を目指し、艦尾に向かって走り出した──。
946: 2019/05/11(土) 11:49:39.39 ID:XqTkDbxP0
>レポート
ここまでの ぼうけんを
レポートに きろくしますか?
ポケモンレポートに かこんでいます
でんげんを きらないでください...
【飛空挺セイントスノウ】

947: 2019/05/11(土) 11:50:23.48 ID:XqTkDbxP0
主人公 千歌
手持ち バクフーン♂ Lv.52 特性:もうか 性格:おくびょう 個性:のんびりするのがすき
トリミアン♀ Lv.47 特性:ファーコート 性格:のうてんき 個性:ひるねをよくする
ムクホーク♂ Lv.52 特性:すてみ 性格:いじっぱり 個性:あばれることがすき
ルガルガン♂ Lv.49 特性:かたいツメ 性格:わんぱく 個性:こうきしんがつよい
ルカリオ♂ Lv.52 特性:せいぎのこころ 性格:ようき 個性:ものおとにびんかん
バッジ 7個 図鑑 見つけた数:143匹 捕まえた数:13匹
主人公 梨子
手持ち メガニウム♀ Lv.49 特性:しんりょく 性格:いじっぱり 個性:ちょっぴりみえっぱり
チェリム♀ Lv.46 特性:フラワーギフト 性格:むじゃき 個性:おっちょこちょい
ピジョット♀ Lv.46 特性:するどいめ 性格:ひかえめ 個性:ものおとにびんかん
ネオラント♀ Lv.39 特性:すいすい 性格:わんぱく 個性:ちょっとおこりっぽい
メブキジカ♂ Lv.48 特性:てんのめぐみ 性格:ゆうかん 個性:ちからがじまん
バッジ 5個 図鑑 見つけた数:116匹 捕まえた数:13匹
主人公 曜
手持ち カメックス♀ Lv.49 ✿ 特性:げきりゅう 性格:まじめ 個性:まけんきがつよい
ラプラス♀ Lv.46 特性:ちょすい 性格:おだやか 個性:のんびりするのがすき
ホエルオー♀ Lv.41 特性:プレッシャー 性格:ずぶとい 個性:うたれづよい
ダダリン Lv.44 ✿ 特性:はがねつかい 性格:れいせい 個性:ちからがじまん
カイリキー♂ Lv.41 ✿ 特性:ふくつのこころ 性格:まじめ 個性:ちからがじまん
タマンタ♀ Lv.40 ✿ 特性:すいすい 性格:むじゃき 個性:こうきしんがつよい
バッジ 2個 図鑑 見つけた数:145匹 捕まえた数:23匹 コンテストポイント:48pt
主人公 善子
手持ち ゲッコウガ♂ Lv.47 特性:げきりゅう 性格:しんちょう 個性:まけずぎらい
ドンカラス♀ Lv.51 特性:じしんかじょう 性格:わんぱく 個性:まけんきがつよい
ムウマージ♀ Lv.46 特性:ふゆう 性格:なまいき 個性:イタズラがすき
シャンデラ♀ Lv.49 特性:もらいび 性格:れいせい 個性:ぬけめがない
ユキメノコ♀ Lv.40 特性:ゆきがくれ 性格:おくびょう 個性:こうきしんがつよい
アブソル♂ Lv.54 特性:せいぎのこころ 性格:ゆうかん 個性:ものおとにびんかん
バッジ 1個 図鑑 見つけた数:126匹 捕まえた数:52匹
主人公 花丸
手持ち ドダイトス♂ Lv.38 特性:しんりょく 性格:のうてんき 個性:いねむりがおおい
ゴンベ♂ Lv.33 特性:くいしんぼう 性格:のんき 個性:たべるのがだいすき
デンリュウ♂ Lv.34 特性:プラス 性格:ゆうかん 個性:ねばりづよい
キマワリ♂ Lv.31 特性:サンパワー 性格:きまぐれ 個性:のんびりするのがすき
フワライド♂ Lv.30 特性:ゆうばく 性格:おだやか 個性:ねばりづよい
ウリムー♂ Lv.38 特性:あついしぼう 性格:ようき 個性:たべるのがだいすき
アチャモ♂ Lv.39 特性:もうか 性格:やんちゃ 個性:こうきしんがつよい
アブリボン♀ Lv.28 特性:スイートベール 性格:のんき 個性:のんびりするのがすき
ヌイコグマ♀ Lv.40 特性:もふもふ 性格:わんぱく 個性:ちょっとおこりっぽい
ゴマゾウ♂ Lv.41 特性:ものひろい 性格:さみしがり 個性:ものをよくちらかす
バッジ 1個 図鑑 見つけた数:96匹 捕まえた数:38匹
千歌と 梨子と 曜と 善子と 花丸は
レポートを しっかり かきのこした!
...To be continued.
948: 2019/05/11(土) 12:20:33.49 ID:XqTkDbxP0
■Chapter067 『バリアの先へ……!』
──上層部、善子。
「ギキィァァァァアァァァァ!!!!!!」
前方からオンバーンが迫る、
──キィィィィ……。
オンバーンの耳から、また攻撃の予兆。
善子「ドンカラス、シャンデラ! “ねっぷう”! ムウマージ、ユキメノコ! “こごえるかぜ”!」
「カァーーー!!!!!」「シャンディーーー」 「マァージッ!!!!!」「ヒュゥゥゥ……!!!」
高温の風と、低温の風が絡みうねりながら、オンバーンに襲い掛かる。
「ギキィ!!!! ギキィィィィ!!!!!!」
オンバーンは憎そうに金きり声をあげるが、耳の音は止まった。
善子「なんとなく仕組みがわかってきたわ……!」
“ばくおんぱ”を撃つ際に何故チャージタイムがあるのかずっと疑問だった。
いや、正確にはあれだけの出力を出す以上、準備は必要だとは思うけど……。
疑問だったのは、何故相手に悟られるような、攻撃の予兆があるのか、だ。
善子「あれは、周囲の空気の状態をソナーで探ってる音だったのね……!」
あれだけの高出力の音波攻撃だ、無闇矢鱈に撃っていたら反響音で自分自身へも大なり小なりダメージを受けてしまう。
そこで役に立つのはあのソナーだ。音は気温によって微妙に伝わり方が変わる。
だから、攻撃の直前に周囲の音の伝わり方を確認してから、いかに効果的に相手を攻撃し、同時に自分へのダメージが少ない方向や距離を探っているということだ。
ましてや、この閉鎖空間。オンバーンにとっては、反響音による自傷のリスクは屋外よりも大きい。
より慎重になってるはずだ。
それなら、高温低温の風攻撃はかなり有効だ。
善子「ユキメノコ、“れいとうビーム”! シャンデラ、“かえんほうしゃ”!」
「ヒュォォォォ……!!!!」 「シャンディーラッ!!!!!」
「ギキィッ!!!!!!」
オンバーンは身を捻りながら、“れいとうビーム”を回避、
翼を振るって、“ぼうふう”を起こし、“かえんほうしゃ”を風で掻き消す。
善子「ムウマージ、“シャドーボール”!!」
「ムマァーージ!!!!!」
その隙に次の攻撃を続け様に叩き込む。
「ギキィァ!!!!!」
さすがにこの連撃は捌ききれず、直撃。
善子「よし……!! いけるわ!!」
949: 2019/05/11(土) 12:21:23.27 ID:XqTkDbxP0
高温低温を織り交ぜながら、“ばくおんぱ”を妨害し、その隙に連撃を差し込む。
この戦法なら押し切れる──!!
* * *
千歌「ロトム、データは取れた?」
「完璧ロト」
梨子ちゃんとの通話を終えて、私はロトムに確認を取った後、
千歌「よし! ルカリオ!」
「グゥォ!!!!」
ルカリオが両手から直接波導を流し込んで、装置を破壊する。
「……完全に機能停止したロト!!」
千歌「よし……!! ムクホーク!!」
「ピィィィ!!!!!」
ルカリオをボールに戻しながら、傍らで待っていたムクホークの脚に掴まり、飛び立つ。
同時に図鑑を開いて。
千歌「善子ちゃん! 装置破壊完了だよ!」
善子ちゃんに通信をする。
善子『OK!!』
千歌「後は逃げるだけだね!」
* * *
千歌『──後は逃げるだけだね!』
千歌からの通話を聞きながら、
善子「ドンカラス!! 撤退するわよ!」
「ギキィ…」
こちらを睨んでくる、オンバーンから視線を外さないように後退する。
完全に攻撃の対策を打たれて、苛立っているのか、オンバーンはその場に留まってホバリングしているだけだった。
──いや……。
善子「……おかしくない……?」
950: 2019/05/11(土) 12:22:49.71 ID:XqTkDbxP0
あれだけ、猛攻を続けていたオンバーンが何故急に大人しくなる……?
急な温度差によって陽炎の揺らめく先にいるオンバーンに目を凝らす。
すると──オンバーンの翼に、何かキラキラとした輝きのようなものが収束し始めていた。
善子「……!? や、やばっ!? あれって、もしかして!!?」
「ギキィィィィィィィ!!!!!!!!」
オンバーンが雄叫びと共に、高速でその場を飛び出した。
善子「──“ゴッドバード”!!?」
ひこうエネルギーを限界までチャージして、突進と共に放つひこうタイプ最強クラスの大技だ。
善子「全員退避──」
だが、指示も虚しく、
善子「……っ!!」
膨れ上がったエネルギーが通路側から溢れて、爆発を起こす。
「ムマァーージ!?!?」「シャンディ…!!!」「ヒュォォ…!?」
手持ちたちが室内に向かって吹き飛ばされる。
「カァカァーーー!!!!!」
善子「ドンカラス!! 気合いで持ちこたえなさいっ!!」
私の掴まっているドンカラスも例外ではない。
急なエネルギーの爆発の余波を受け、バランスを崩したドンカラスごと空中でぐるぐると回転している。
善子「ドンカラスッ!!!!」
「カァーーー!!!!!」
私が必氏に叫ぶと、ドンカラスは羽を思いっ切り羽ばたかせ、どうにか姿勢を保とうとする。
お陰で、徐々にブレる視界が元に戻って──
「ギキィ……!!!!!!」
善子「……!!」
──その視界に飛び込んできたのは、オンバーン。
ヤバイ、この距離での追撃は、無理だ。捌ききれない。
──キィィィィ……
“ばくおんぱ”の予兆音。
千歌「──“ブレイブバード”ッ!!!」
「ピィィイィィィィィィ!!!!!!!」
「ギキィ!?」
善子「!!」
そんな窮地を救ってくれたのはまたしても千歌とムクホークだった。
上から急降下で突撃して、オンバーンを下方に突き飛ばす。
951: 2019/05/11(土) 12:24:01.01 ID:XqTkDbxP0
善子「ありがと、千歌!! 助かった……!!」
千歌「うん! 丁度真下にいるのが見えたから!」
言われて、千歌が急降下してきた方向を見ると、天井に見える円柱状の鳥かごのような物体が煙を上げているのが見えた。
善子「天井に作ってたのね……!」
「お陰で見つけるのに苦労したロト」
ロトムが千歌の後ろの方から、うんざりしたような声音でそう言いながら飛んでくる。
部屋に入ってしまえば、どこからでも装置は見渡せるが、先入観のせいでなかなか視界に入らない。良い設置場所かもと敵ながら褒めてしまいそうになる。
「ギキィィ……」
声がして、下に目線を落とすと、オンバーンが体勢を立て直そうとしている。
善子「タフすぎでしょ……!!」
一体あのオンバーンは何度攻撃が直撃すれば倒れるんだろうか。
善子「とにかく、装置を壊したならもう用はないわ! 逃げるわよ!」
千歌「うん!」
空中に浮かぶ、ムウマージ、シャンデラ、ユキメノコを回収しながら、千歌と二人で部屋から出ようとした、そのとき。
「キィ」
眼下のオンバーンの様子がおかしいことに気付く。
その視線は──天井の壊れた装置に注がれていた。
「キィ…」
そして、そのまま流れるように私たちに視線を移してくる。
そのオンバーンの視線に、
千歌「──ひっ!?」
千歌が声をあげた。
私も背筋が凍った。
そこにあったのは──禍々しい、殺意。
脳が警鐘を鳴らしはじめた瞬間には、もう遅かった──
────キィィィィィィン、
善子「──ッ!!!!」
952: 2019/05/11(土) 12:25:04.84 ID:XqTkDbxP0
大きな衝撃が襲ってきたと思ったら、身体が跳ね上がる。
中空を跳ね飛ばされながら、見えた天井が、壁が、ガラスが、
次々と罅割れて行く。
──“ばくおんぱ”だ。
チャージはなかった。
“げきりん”に触れたんだ。
守るべき装置が壊されたことを認識して、
もはや自分の身すら顧みず、全てを破壊する殺戮の音波で攻撃してきた。
善子「────」
直撃で耳がイカレた。
音がしない。
上部からは、天窓が割れて、ガラス片が降ってくる。
──ふと、視界に千歌が映る。
千歌「──!!」
目が合った。
千歌は片耳を押さえながら、苦しげな顔をして何かを叫んでいる。
千歌も同じような状態なんだろう、
なんか、思い出すわね。
ドンカラスがバランスを崩している。
私は落ちている。
ムクホークに掴まった千歌が手を伸ばす。
私の手を取ろうと、
私は手を伸ばして──
その手を払った。
千歌「!?」
千歌が驚いた顔をする。
私は落下する。
千歌の方を見て、口を開いた。
善子「─、─、─、─、―」
自分の声は聞こえない。きっと千歌にも聞こえていない。
だけど、伝わる気がした。
簡潔な5文字の言葉を発する口の形。
『さ・き・に・い・け』
私たちがここで二人とも倒れるわけにはいかない。あんたにはまだやることがある。
千歌「……!!」
953: 2019/05/11(土) 12:26:42.13 ID:XqTkDbxP0
千歌は逡巡したが、
すぐに意図を汲んでくれたのか、ムクホークに掴まったまま、飛び出す。
その際、
千歌「────!!!!」
何かを言っていた。
たぶん……『絶対助けに戻るから』とかでしょ。
千歌ならたぶん、そう言うわ。
──落下する私の肩を掴む、黒い影、
遅いわよ、ドンカラス。
やっと体勢を整えたのか、ドンカラスが私を掴んで、そのまま急降下する。
「────!!!」
怒り狂っている眼下のオンバーンに向かって。
お陰で直撃は貰ったが──
決めるなら、今しかない。
私はボールを放った。
善子「──アブ──ルッ!!!」
やっと戻り始めた聴覚で、途切れ途切れ聞こえる自分の声を聴きながら、
天上からの一撃……!
「──ソルッ!!!!」
「────キィッ!!!!!」
善子「──“じごくづき”ッ!!!」
アブソルの頭の刃が、オンバーンに──炸裂した。
* * *
千歌「──あー……あーー!!」
通路をしばらく飛行して、段々耳の調子が戻ってくる。
千歌「あー、あー……。よし……ちゃんと、聞こえる……!」
「全く氏ぬかと思ったロト…」
背中の方からロトムの声がした。
手で板状の体を掴んで、自分の手前に持ってくる。
千歌「ロトムも無事……?」
「集音マイクをオフにしたからどうにかなったロト」
千歌「便利だね……」
954: 2019/05/11(土) 12:27:31.30 ID:XqTkDbxP0
それはともかく、ロトムが起きててくれてるのは幸いだ。
千歌「最後の装置の場所、案内して!」
「了解ロト!!」
大急ぎで倒して、善子ちゃんの元に戻らないと……!!
* * *
──中層、梨子。
船尾の部屋に辿り着いて。
私は部屋の奥にあるエネルギー転送装置に鎮座したポケモンに目をやる。
梨子「……随分と堂々としてるね」
「ヨノワ」
そこにいたのは、ヨノワール。
『ヨノワール てづかみポケモン 高さ:2.2m 重さ:106.6kg
頭の アンテナで 霊界からの 電波を 受信。
弾力の ある 体の 中に 行き場のない 魂を
取り込んで あの世に 連れて行くと 言われている。』
そしてヨノワールの周りには、
「ヨマワー」「ワルー」
数匹のヨマワルが漂っている。
梨子「……もしかして、あなたが今地方各地で大量発生してる、ゴーストポケモンの親玉?」
「ヨノワ…」
その相槌は否定なのか、肯定なのか。
ただ、一つハッキリしたのは、やはりゴーストポケモンたちもグレイブ団の手引きだったということだろうか。
梨子「どちらにしろ……あなたは倒さないといけない……!」
ボールを構える。
すると、
「ヨノワー…」
梨子「!」
ヨノワールは自らエネルギー転送装置から離れ、私の方に進んでくる。
梨子「……かかってこいってこと?」
「ヨノワー…」
955: 2019/05/11(土) 12:28:29.83 ID:XqTkDbxP0
私を倒して、また持ち場に戻るということだろう。
大した自信……といいたいところだけど。
あれだけ大規模な大量発生のボスなのだ。
自分の強さに自信があってもおかしくない。
でも、負けるわけにはいかない。
梨子「行くよ! メガニウム!」
「ガニュウッ!!!!」
メガニウムをボールから出す。
梨子「メガニウム! “つるのムチ”!」
「ガニュウッ!!!!」
蔓を伸ばして、叩き付けようとすると、
「ヨノワー」
ヨノワールはそれを手で掴み、
そのまま手が燃える。
「ガニュッ!?」
握り締めた蔓はそのまま、焼き切れてしまう。
梨子「“ほのおのパンチ”……! なら、“はなびらのまい”!!」
「ガッニュゥツ!!!!」
花びらが舞い踊り、ヨノワールに襲い掛かるが、
「ヨノワー…!!!」
ヨノワールの目が光ったと思ったら、花びらたちは急に軌道を変えて地面に叩き落される。
──今度は“じゅうりょく”だ。
梨子「……くっ」
なら、次は──
刹那、
梨子「──がっ……!?」
お腹に衝撃を受ける。
恐る恐る、視線を下に下げると──
眼下にある自分の影から伸びた拳が、私のお腹にめり込んでいた。
梨子「が、げほっ、げほっ……!!」
「ガニュッ!!?」
痛みに思わず蹲る。
梨子「今の……っ……“シャドーパンチ”……っ」
956: 2019/05/11(土) 12:29:41.13 ID:XqTkDbxP0
正々堂々かと思いきや、当然のようにトレーナーを狙ってきた。
いや、考えてみれば当たり前だ。向こうからしたらトレーナーを潰せばそれでいいのだ。
「ヨノワー……」
ヨノワールの拳が再び身体を離れて、影に潜っていく。
──不味い、次が来る……!
梨子「メ、メガニウムッ! “フラッシュ”!!」
「ガニュゥッ!!!!」
メガニウムがその場で閃光し、私の影を掻き消す。
とにかく足元に影があったら攻撃し放題だ。
対策を──
「ガニュッ!!?」
梨子「!?」
だが、拳はメガニウムを殴っていた。
梨子「メガニウム……ッ!?」
私が立ち上がろうとした瞬間。
梨子「っ!?」
脚を背後から何かに掴まれ、うつ伏せに転倒する。
いや、何かなんてわかりきっている。
ヨノワールの手で。
右手でメガニウムを殴り倒し、“フラッシュ”を解除させ、再び出来た影から左手を出して私の脚を掴んでいる。
梨子「……っ!!!」
振り払おうと、逆の脚で蹴り飛ばすが──
強い力で掴まれた手は、まるで離れない、
──バチバチリ、
爆ぜる火花の音、
その音に血の気が引いた。
拳の周りに稲妻が走る。
梨子「──っ!!!」
次の瞬間、全身に衝撃が走り、脳天まで突き抜ける。
梨子「──あ……が……っ……!!?」
──“かみなりパンチ”。
全身を電気が駆け抜け、痺れて動けない。
梨子「──あ……っ……あ……っ……!!」
957: 2019/05/11(土) 12:31:20.64 ID:XqTkDbxP0
どうにか他の手持ちを出すためにボールに手を伸ばそうとするが、
全く身体が言うことを聞かない。
「ヨノワー…」
蹲ったままの私の目の前に、いつの間にか浮遊してきたヨノワールが近付いてきて、
「ヨノワー…」
お腹の口を開く。
梨子「……っ……」
もう、ダメだ。
そう思った瞬間──
千歌「“かえんぐるま”ァっ!!!!」
「バクフーンッ!!!!!!!」
梨子「!!」
炎を纏いながら回転する、バクフーンが天井をぶち抜いて、ヨノワールを吹っ飛ばした。
そして、遅れて部屋の上部から、
千歌「梨子ちゃん!! 大丈夫!?」
千歌ちゃんが室内に降りてくる。
梨子「ち、か……ちゃ……」
「ヨノワッ!!!」
ヨノワールはすぐさま体勢を立て直して、千歌ちゃんの方に手を伸ばす、が。
「ガニュッ!!!!」
注意の逸れたヨノワールの横っ面に、メガニウムが“アイアンテール”を叩き込んで吹っ飛ばす。
「ヨノワッ…!!!」
千歌「バクフーン!! “かえんほうしゃ”!!」
「バクフーーーッ!!!!」
そして、追撃の“かえんほうしゃ”。
今のうちに……!
梨子「メ、メガニウ、ム……! “アロマセラピー”……!」
「ガニュッ」
メガニウムが近付いてきて、癒やしのフレグランスを私に振りまく。
それでやっと、体の痺れが取れる。
梨子「は……はっ……」
本当にもうダメかと思った。
958: 2019/05/11(土) 12:34:45.22 ID:XqTkDbxP0
千歌「梨子ちゃんっ!」
梨子「大丈夫……っ! ありがとう、千歌ちゃん……!! 助かった……!」
二人並んで立つ、その先では、
「ヨノワー……」
ヨノワールが恨めしそうにこっちに視線を向けている。
千歌「梨子ちゃん! 倒すよ!!」
梨子「うん!!」
千歌ちゃんとの共同戦線。ヨノワールとの第二ラウンドが始まった──。
* * *
──中層艦首、花丸。
マルたちが最初に突入したバリアの部屋では、
「バリ、バリ!!!」
バリヤードが盛大に焦っていた。
花丸「ゴンベ!」
「ゴンッ!!!」
マルはゴンベを繰り出して、
花丸「“かわらわり”!!」
「ゴンッ!!!!!」
ゴンベが拳に力を込めて、バリアを殴りつけると、
──パキパキ、
バリアにはいとも簡単にヒビが入り。
「バリリ!?!? バリリ!!?」
焦るバリヤードを尻目に──ガラガラ、と音を立てて砕け散った。
「バ、バリーー!!!!」
焦ったバリヤードが無鉄砲に飛び込んでくる。
花丸「ゴンベ! “なしくずし”ずら!」
「ゴンッ!!!!」
隙だらけのバリヤードのお腹に向かって、正中を捉えた拳を叩き込む。
「バ、バリィ……ッ」
攻撃を食らって、よろけるバリヤードに、
959: 2019/05/11(土) 12:35:34.15 ID:XqTkDbxP0
花丸「“のしかかり”!!」
「ゴンッ」
ゴンベが飛び掛るように追撃の“のしかかり”。
「バリ、ィッ」
100kgを超えるゴンベに推し潰されて。
「バリィ……」
バリヤードは気絶した。
花丸「……待っててね、ルビィちゃん……!!」
マルはゴンベと一緒に部屋の奥へと走り出した。
* * *
ルビィ『ん……ぅ……』
──目が覚めると、真っ暗な空間に居た。
ルビィ『ここ……どこ……?』
キョロキョロと辺りを見回す。
すると、闇の中に赤い光が燈る。
よく知っている、いつも一緒に居る宝石の光。
──コランの光。
ルビィ『……コラン!』
コランは依然動かない。
そんなコランに──
『……ヤミ』
ルビィ『!』
どこからともなく現われたヤミラミが手を掛ける。
ルビィ『や、やめて!!』
ルビィはヤミラミを止めようと、走り出そうとして──
ルビィ『あ、あれ……!?』
脚を動かせないことに気付く。
自分の姿を見下ろしてみると、
ルビィの身体は、闇の中に沈んでいた。
960: 2019/05/11(土) 12:36:35.13 ID:XqTkDbxP0
ルビィ『な、なに、これ……!!』
腰の辺りまで、闇が纏わりついている。
動けない。
『ヤミッ』
ヤミラミが口を開く。
ルビィ『や、やめてっ!!』
──バキリ。
コランの頭が噛み砕かれた。
ルビィ『や、やめてぇ……っ!!!!』
ルビィの叫びは……闇に呑まれて、消えて行く──。
* * *
ルビィ「……やめ……て……」
理亞「…………」
眠っているルビィは泣きながら、『やめて、やめて』と繰り返している。
カラマネロの“さいみんじゅつ”によって、感情を揺さぶられるものを見せられているんだろう。
──これでいいの?
私の中に生まれたのは、そんな疑問。
理亞「……迷うな」
私は頭を振る。
私はねえさまの目的の為に、手段は選ばないって、決めたんだ。
私をずっと守ってくれていた、ねえさまのために……ねえさまの力になるために。
ルビィ「……コラ……ン……ッ」
理亞「…………」
ルビィが自らの手持ちのメレシーの名を呼ぶ。
クリフでの戦闘以来、まるで動かなくなってしまったルビィのメレシー。
そのメレシーは椅子に座らされたまま、“さいみんじゅつ”を受けているルビィの傍らで、今も沈黙している。
理亞「……ご主人様、泣いてるわよ」
「────」
意味もなく、声を掛けてしまう。
961: 2019/05/11(土) 12:37:13.22 ID:XqTkDbxP0
理亞「……あんたはそれでいいの?」
「────」
理亞「……何やってんだろ、バカみたい……」
私は肩を竦めた。
それと同時に、部屋の出入り口の方から、大きな音がする。
理亞「……来たか」
花丸「──ルビィちゃん……!!」
「ゴンッ!!」
私はボールを放りながら、前に歩み出る。
「マニュー……ッ」
理亞「扉……壊さないでくれない?」
花丸「理亞さん……!!」
確か花丸とか言う名前だったか。
彼女は私の背後にいるルビィの姿を認めると、
花丸「!! ルビィちゃん……!!」
ルビィの名を呼んだ。
理亞「……巫女は今、夢を見てる最中。邪魔するな」
花丸「……ルビィちゃん、今助けるから……!」
理亞「マニューラ!!」
「マニュ!!!!」
花丸「ゴンベッ!!!」
「ゴンッ!!!!」
お互いのポケモンが飛び出した。
962: 2019/05/11(土) 12:38:45.37 ID:XqTkDbxP0
>レポート
ここまでの ぼうけんを
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【飛空挺セイントスノウ】

主人公 千歌
手持ち バクフーン♂ Lv.53 特性:もうか 性格:おくびょう 個性:のんびりするのがすき
トリミアン♀ Lv.47 特性:ファーコート 性格:のうてんき 個性:ひるねをよくする
ムクホーク♂ Lv.54 特性:すてみ 性格:いじっぱり 個性:あばれることがすき
ルガルガン♂ Lv.49 特性:かたいツメ 性格:わんぱく 個性:こうきしんがつよい
ルカリオ♂ Lv.52 特性:せいぎのこころ 性格:ようき 個性:ものおとにびんかん
バッジ 7個 図鑑 見つけた数:145匹 捕まえた数:13匹
主人公 梨子
手持ち メガニウム♀ Lv.49 特性:しんりょく 性格:いじっぱり 個性:ちょっぴりみえっぱり
チェリム♀ Lv.46 特性:フラワーギフト 性格:むじゃき 個性:おっちょこちょい
ピジョット♀ Lv.46 特性:するどいめ 性格:ひかえめ 個性:ものおとにびんかん
ネオラント♀ Lv.39 特性:すいすい 性格:わんぱく 個性:ちょっとおこりっぽい
メブキジカ♂ Lv.48 特性:てんのめぐみ 性格:ゆうかん 個性:ちからがじまん
バッジ 5個 図鑑 見つけた数:118匹 捕まえた数:13匹
主人公 善子
手持ち ゲッコウガ♂ Lv.47 特性:げきりゅう 性格:しんちょう 個性:まけずぎらい
ドンカラス♀ Lv.53 特性:じしんかじょう 性格:わんぱく 個性:まけんきがつよい
ムウマージ♀ Lv.48 特性:ふゆう 性格:なまいき 個性:イタズラがすき
シャンデラ♀ Lv.50 特性:もらいび 性格:れいせい 個性:ぬけめがない
ユキメノコ♀ Lv.42 特性:ゆきがくれ 性格:おくびょう 個性:こうきしんがつよい
アブソル♂ Lv.54 特性:せいぎのこころ 性格:ゆうかん 個性:ものおとにびんかん
バッジ 1個 図鑑 見つけた数:126匹 捕まえた数:52匹
主人公 花丸
手持ち ドダイトス♂ Lv.38 特性:しんりょく 性格:のうてんき 個性:いねむりがおおい
ゴンベ♂ Lv.33 特性:くいしんぼう 性格:のんき 個性:たべるのがだいすき
デンリュウ♂ Lv.34 特性:プラス 性格:ゆうかん 個性:ねばりづよい
キマワリ♂ Lv.31 特性:サンパワー 性格:きまぐれ 個性:のんびりするのがすき
フワライド♂ Lv.30 特性:ゆうばく 性格:おだやか 個性:ねばりづよい
ウリムー♂ Lv.38 特性:あついしぼう 性格:ようき 個性:たべるのがだいすき
アチャモ♂ Lv.39 特性:もうか 性格:やんちゃ 個性:こうきしんがつよい
アブリボン♀ Lv.28 特性:スイートベール 性格:のんき 個性:のんびりするのがすき
ヌイコグマ♀ Lv.40 特性:もふもふ 性格:わんぱく 個性:ちょっとおこりっぽい
ゴマゾウ♂ Lv.41 特性:ものひろい 性格:さみしがり 個性:ものをよくちらかす
バッジ 1個 図鑑 見つけた数:97匹 捕まえた数:38匹
千歌と 梨子と 善子と 花丸は
レポートを しっかり かきのこした!
...To be continued.
963: 2019/05/11(土) 13:05:02.77 ID:XqTkDbxP0
■Chapter068 『決戦! パルキア!』 【SIDE Dia】
──時は少し遡って……千歌さんたちがセキレイシティから飛び立った直後のこと。
わたくしたち3人も、準備を終え、クロサワの入江へと飛行している真っ最中でした。
果南「そういえば鞠莉」
鞠莉「ん?」
ビークインの下腹部を掴んでぶらさがっている果南さんが、同じくビークインの右腕に腰掛けている鞠莉さんに下から問い掛ける。
果南「ロトム図鑑を千歌たちに預けたってことは、今鞠莉は図鑑持ってないってこと?」
ダイヤ「そういえばそうですわね」
わたくしはオドリドリに掴まったまま、二人の会話に加わる。
ダイヤ「……ですが、ロトム図鑑と鞠莉さんの図鑑……形が全然違ったような……?」
鞠莉「……あー、ロトムのボディはアローラモデルだから、別の機種だヨ。わたしは昔から使ってるカントーモデルの持ってるから」
そう言って紫色のポケモン図鑑を取り出す。
果南「あ、それそれ。なんか懐かしいな」
果南さんは楽しそうに笑いながら、緑色の図鑑を取り出す。
ダイヤ「全く……遊びに行くわけじゃないんですわよ?」
果南「そう言いながら、ダイヤも図鑑出してるじゃん」
ダイヤ「……こ、これは……まあ」
わたくしも二人に釣られて、真っ赤な自分のポケモン図鑑を取り出していた。
ダイヤ「またこうして……この3つの図鑑が集まって一緒に戦うことになるなんて……」
果南「確かにすごい久しぶりかもしれないなぁ……」
果南さんがしみじみと言う。
鞠莉「……これだけ時間が経って、皆それぞれ成長したのに、なんで果南は未だにわたしのビークインに相乗りしてるのかしらねー……」
果南「いやーなんか、ここが落ち着くというか」
鞠莉「わたしが『飛行用に』って、あげたスワンナはどうしたのよ?」
果南「……普段は連れてるけど、今回は決戦だから置いてきた。やっぱりバトル用のフルメンバーじゃないからね」
鞠莉「ふーん……まあ、いいけど」
果南「そういう鞠莉は大丈夫なの? ロトムが居ないけど」
鞠莉「大丈夫よ、ロトムが抜けた穴には切り札を用意してきたから」
果南「へぇ、そりゃ楽しみだ」
ダイヤ「二人とも、いつまでも無駄話していないで。そろそろ入江に突入しますわよ」
果南「了解」
鞠莉「OK.」
964: 2019/05/11(土) 13:07:39.99 ID:XqTkDbxP0
全く……いつまで経っても緊張感がないのですから……。
……いえ、緊張感がないのは雰囲気だけで、実際3人とも緊張はしているのですが。
準備は入念にしてきたし、果南さんも普段旅をしている間は連れていない、戦闘用のフルメンバーをしっかり揃えてきているのは何よりの証拠。
鞠莉さんに至っては彼女自身もフル装備です。左腕にはスナッチマシーン、右腕にはミラクルシューターを装備している。右耳に付けている貝殻をあしらったピアスは……鞠莉さん用に拵えたキーストーンですわね。
鞠莉さんは今も移動しながら、簡易的な工具を使って、スナッチマシーンに調整を施している。
ここにいる誰も使ったことがないアイテムである以上、ぶっつけ本番での使用に耐えうるのかは不安要素ではありますが……。
そして、緊張しているのは、わたくしも──
震える右手を握り込む。
これはきっと武者震いですわ……。
ダイヤ「果南さん! 鞠莉さん!」
果南「ん?」
鞠莉「なに? ダイヤ」
ダイヤ「……絶対に勝ちますわよ……!」
果南「もちろん」
鞠莉「Yes!! そのつもりだヨ!」
わたくしたちは入江内部に突入し、そのままわたくしが先導する形で突き進む。
入江内の天井や壁には、いつもの輝きはほとんどない状態だった。
鞠莉「Carbinkたち……ほとんどいないわね……」
(*Carbink=メレシーの英名)
ダイヤ「恐らく強大なポケモンのエネルギーに驚いて隠れてしまったのでしょう……」
逆に言うなら、報告通り、ここにパルキアが来ているということだ。
ダイヤ「急ぎましょう……!」
* * *
入江の陸に降り立って、洞窟内を3人で駆ける。
鞠莉「ダイヤ、今どこに向かってるの!?」
ダイヤ「祠ですわ」
果南「祠?」
ダイヤ「この洞窟の奥には、ディアンシー様を祀る祠があるのですわ」
鞠莉「ナニソレ初耳なんだけど」
ダイヤ「基本的にはクロサワの一族しか知りませんからね」
果南「でも、聖良はそこに辿り着けてるのかな?」
ダイヤ「これだけ大規模な計画を練っていた人物です。まさか入江内の調査を全くしていないとは考えにくいですわ」
果南「ま、それは確かに……」
3人で駆けていると、ある場所にメレシーたちが集まっているのを発見する。
965: 2019/05/11(土) 13:09:42.90 ID:XqTkDbxP0
果南「! あれって、もしかして……!」
ダイヤ「あの辺りが祠への入口になっていますわ! メレシーたちが集まってきている……恐らく聖良さんは既に中に居ますわ!」
恐らく“ゆうかん”な性格や“まじめ”な性格の個体のメレシーたちが集まって、周囲に侵入者の存在を報せているのでしょう。
アーチ状に集まるメレシーたちの下を潜って、通路を抜けると──そこは開けた空間になっている。
鞠莉「……この入江にこんな空間が」
驚いたような口振りで、辺りを見渡す鞠莉さん。
その天井の高い空間の奥には、七色の宝石で輝く祠が鎮座していた。
果南「うわ、すご……さすがメレシーの女王様の祠……」
そして、その祠の前には──
聖良「……来ると思っていましたよ。皆さん」
聖良さんの姿。
ダイヤ「聖良さん。ここまで来てしまいましたわね」
わたくしは一歩前に出る。
ダイヤ「ここは聖域……貴方のような邪悪な考えを持った人間が、おいそれと踏み入っていい場所ではありませんわ。一応、忠告して差し上げます。即刻、立ち去りなさい」
聖良「そう邪険にしてないでください。ここに辿り着くまで苦労したんですから」
聖良さんはそう言って笑う。
聖良「しかし、本当に入り組んだ洞窟ですね、ここは。理亞がクロバットのエコーロケーションで作ってくれた地図がなかったら、本当に辿り着けなかったかもしれません」
ダイヤ「こちらとしては、辿り着かないでくれた方がよかったのですが……」
聖良「すみません。こちらにも事情があるので」
ダイヤ「……どのような事情かは、貴方を捕まえた後でたっぷり詰問して差し上げますわ」
啖呵を切って、ボールを構える。
聖良「……怖いですね。じゃあ、やってみてください。──出来るものならですが」
聖良さんがボールを放る。
そして、再び──伝説のポケモンが放たれた。
「バァル……」
鞠莉「……パルキア……!」
果南「いやぁ……嘘であって欲しかったんだけどな」
パルキアは、なんとも言えない、禍々しい雰囲気でわたくしたちを見下ろしている。
聖良「嘘ではありませんよ……! パルキア!!」
「バァル……!!!」
パルキアが腕を振り上げる、あれは飛空挺でも見せられた技──!!
果南「──ま、トレーナーの方の腕はそこまでじゃないみたいだけどね」
966: 2019/05/11(土) 13:10:47.33 ID:XqTkDbxP0
果南さんの言葉と共に、
「バァルッ……!!!!!」
パルキアが姿勢を崩した。
気付けばパルキアの足元には──
果南「ニョロボン!! “ともえなげ”!!」
「ボンッ!!!!」
パルキアの巨大な体躯の下に身体を滑り込ませたニョロボンの姿。
全身を使ったフルパワーの投げ技が──
「ボンッ…!!!!」
果南「……って言っても、相手がでかすぎる……! 体勢崩すのが限界か……!」
ダイヤ「いえ、十分ですわ!!」
──“あくうせつだん”を不発させただけで、お手柄だ。
この隙は逃さない。
地鳴りと共に──パルキアの足元が揺れる、
「バァル!!!!」
「ンネェーーーール!!!!!」
飛び出すのは鋼鉄の蛇、
ダイヤ「ハガネール!! “しめつける”!!」
「ンネェーーーール!!!!!」
ハガネールがパルキアの身体に巻きつき、動きを封じる。
ダイヤ「鞠莉さん!!」
鞠莉「OK. 行くヨ、サーナイト! メガシンカ!!」
「サーナ」
鞠莉さんの右耳のメガピアスと共鳴するように、サーナイトが光り輝く。
「──サーナ……!!!」
鞠莉「“はかいこうせん”!!!!」
メガシンカと共にメガサーナイトから、“はかいこうせん”が放たれる。
強力な光線が直撃した、パルキアは、
「バァ、ルッ!!!!!!」
後ろ向きに転倒し、祠に身体をぶつける。
そのタイミングを見計らって、ハガネールが離れる。
967: 2019/05/11(土) 13:12:02.67 ID:XqTkDbxP0
聖良「……はははっ! 素晴らしいコンビネーションですね!」
ダイヤ「貴方に勝ち目はありませんわ!! 潔く降参なさい!!」
聖良「──流石に……“しらたま”無しというわけには行かないようですね……!!」
ダイヤ「!?」
聖良さんが真っ白に輝く宝石を取り出す。
すると、宝石が光り輝き、
「バァァーーール!!!!!!」
パルキアの周囲に青いリングのようなものが出現する。
「ボンッ!!!!」
「ネェール!!!!!」
そのリングは衝撃を発生させ、近くにいたニョロボンとハガネールを吹き飛ばす。
鞠莉「まさかアレ……“アクアリング”!?」
果南「“アクアリング”はそういう技じゃないでしょ!?」
ダイヤ「さすがに一筋縄ではいきませんか……!!」
普通、回復技のはずの“アクアリング”もあまりの出力の高さに、衝撃波を発生させている。
まさに規格外のポケモンのようだ。
聖良「“ハイドロポンプ”……!!」
「バァーール!!!!!!」
指示と共に“アクアリング”から、水塊が飛び出してくる。
果南「ダイヤッ!!!」
ダイヤ「わかってますわ!!!」
果南さんと息を合わせて、次の手持ちを出す。
ダイヤ「ミロカロス!!」
果南「ギャラドス!!」
「ミロ…ッ!!!」「ギャシャァァーーー!!!!!」
ダイヤ・果南「「“ハイドロポンプ”!!!」」
二匹から同時に“ハイドロポンプ”が発射され、パルキアのモノと相頃する。
攻撃が爆ぜ散り、霧散する水の影から、流れるようにギャラドスとミロカロスが飛び出し、パルキアに接近する
“アクアリング”の周囲を泳ぐように滑りながら、二匹の龍がパルキアの周りを取り囲み、
そのまま、尾を振るう──
ダイヤ・果南「「“アクアテール”!!!」」
「ミロ!!!」「シャァァー!!!!!」
968: 2019/05/11(土) 13:13:26.90 ID:XqTkDbxP0
二匹が両サイドから、水のエネルギーを纏った尻尾を振るう──が、
「バァル……!!!」
パルキアはそれを片手でそれぞれの尻尾を掴んで止める。
そのまま、二匹を叩き付けようとするが、
果南「“りゅうのいかり”!!」
ダイヤ「“りゅうのいぶき”!!」
「ギャシャァァーッ!!!!!」「ミロッ!!!」
二匹すぐさま、頭の方向をパルキアに向け、ドラゴンエネルギーを纏った炎を口から吹き出す。
「バァァッ!!!!!」
一瞬、パルキアが怯んで手を放したところに──
ダイヤ・果南「「“ドラゴンテール”!!!」」
再び強力な尻尾での攻撃を叩き込む。
「バァル!!!!」
だが、パルキアもそれでは倒れない。
パルキアの周囲に、エネルギーで作った宝石が出現する──“パワージェム”だ。
その瞬間咄嗟に、ギャラドスは身を引き、そこに滑り込むように前に出るミロカロス、
ダイヤ「“ミラーコート”!!」
「ミロカァ……!!!!」
発射された“パワージェムは”すぐさま反射され、
「バルゥッ!!!!」
パルキアに襲い掛かる。
そして、踊るように、ミロカロスが身を捻ってスペースを作ると、
「ギャシャァァーーーー!!!!!!」
そこにギャラドスが飛び出してくる、
果南「“ギガインパクト”!!!」
そのまま、最大火力の攻撃を炸裂させる。
「バァァァーーール!!!!!!」
再び、大きく仰け反る、パルキア、
鞠莉「さぁ!! 次の大砲の準備、出来てるわよ!!! ポリゴンZ!!!!」
「──ピピ、ウィー──」
ポリゴンZから、間髪いれずに発射されるのはまたしても必殺の攻撃、
鞠莉「“はかいこうせん”!!!」
969: 2019/05/11(土) 13:15:18.44 ID:XqTkDbxP0
前方で突っ込んだギャラドスを巻き込みそうになるが、
「ミロ…!!!」
ミロカロスがギャラドスに当たらないように、身をくねらせながら、“ミラーコート”で“はかいこうせん”を反射させる。
軌道の読めない、“はかいこうせん”は──
「バァァァッ!!!!!!」
パルキアの横っ腹辺りを直撃し、怯ませる。
鞠莉「さっすが、果南のギャラドスとダイヤのミロカロスは息ピッタリだネ!」
果南「元々お互いのポケモンだからね」
ダイヤ「コイキング、ヒンバスだった頃が懐かしいですわね……!」
わたくしのミロカロスは元は果南さんが釣り上げたヒンバス。果南さんのギャラドスは元はわたくしの家の庭池にいたコイキング。
旅の途中で交換し、今ではお互いの水上戦のエースとなっている、わたくしと果南さんにとって、お互いがお互いの旧知の手持ち故に連携がとても取りやすい。
──さて、攻撃に関しては圧倒出来ているようにも見えますが……。
「バァァァーール……!!!!」
パルキアはまだ余裕がある。
鞠莉「“アクアリング”の回復が早すぎる……!!」
果南「というか……聖良の様子おかしくない……?」
果南さんに言われて、聖良さんの方に顔を向けると、
聖良「…………」
聖良さんは目を瞑って静止していた。
ダイヤ「指示を出していない……!?」
鞠莉「……いや、あの“しらたま”を通して、“テレパシー”で指示してるんだと思う」
果南「そんなことできんの!?」
鞠莉「アレはある意味でパルキアの身体の一部のようなもの……逆にアレを使うには集中力が必要なんだと思うわ」
わたくしたちの会話に、
聖良「──さすがですね、鞠莉さん。素晴らしい考察と洞察だと思います」
聖良さんが声をあげる。
聖良「……やっと、コレの使い方がわかってきました……!」
と、同時に聖良さんが口角を吊り上げた。
鞠莉「……!? 二人とも伏せて!!」
果南・ダイヤ「「!?」」
鞠莉さんの声で、咄嗟に伏せる。
「バァァァーーー!!!!!!!」
970: 2019/05/11(土) 13:16:29.66 ID:XqTkDbxP0
と、同時にパルキアが雄叫びをあげ、
──衝撃波を発生させた。
「ミロッ……!!!!」「ギャシャァァ!!?!?」
ミロカロスとギャラドスはその衝撃で吹き飛ばされてしまう。
聖良「ふふ……なるほど、こうすると指向性のある“ハイパーボイス”になるんですね」
ダイヤ「……こう……?」
鞠莉「た、たぶん、“テレパシー”で意思疎通してるから、通常じゃ出来ないような細かい技の出力の調整も出来るってことだと思う……!!」
聖良「さぁ、行きますよパルキア!!」
「バァァァァァアァァッァァ!!!!!!!」
今度は地面が激しく揺れ、あちこちの地面からエネルギーが噴出をはじめる。
ダイヤ「こ、これは、“だいちのちから”ですか!?」
果南「くっそ……!! ダイヤ、鞠莉、サポート頼むよ!! ラグラージ!!」
「ラァグ!!!!!」
そう言って、果南さんがラグラージに乗って飛び出す。
鞠莉「果南!?」
果南「ラグラージ!! メガシンカ!!!」
「ラァーーグ!!!!!!」
ラグラージが出るや否や、果南さんが左耳につけているメガピアスが光り輝く。それと同時にラグラージが光に包まれてメガシンカする。
一方パルキアは飛び出してきた、ラグラージに向かって、
「バァーール!!!!!!!!!」
身を捻って、尻尾を振るう。
尻尾が通った場所から水のエネルギーが漏れ出し噴出しているあの技は──
果南「“アクアテール”でしょ!! ぶん殴って止める!!!」
「ラァァァーーーグッ!!!!!!!!!!」
宣言どおり、ラグラージが真正面から尻尾を殴りつける。
ダイヤ「果南さん!!」
鞠莉「果南!!!」
パルキアの“アクアテール”はあまりの威力のせいか、尻尾が通ったあとの地面がめくれ上がるほどだ……が、
果南「一発でダメなら──二発殴ればいいっ!!」
ラグラージのすぐ傍で果南さんは指示を出す。
果南「踏み込んで、殴れ!!!」
「ラアァァァァァグ!!!!!!!!」
果南「足りないなら、もっと殴ればいいっ!!!!!」
ラグラージが何度も踏み込みながら、何度も拳でぶん殴ると──
次第にパルキアの尻尾の前進が止まる。
971: 2019/05/11(土) 13:17:58.26 ID:XqTkDbxP0
鞠莉「う、嘘……拮抗してる……!?」
ダイヤ「メガシンカで強化された拳とは言え……なんて力任せな解決法なんでしょう……」
すぐ近くで果南さんが、攻撃のうまく通る場所を、絶えず細かく指示し続けているというのはわかるが、あまりのパワープレイっぷりに、友人でありながらも呆気に取られてしまう。
果南「鞠莉!!! ダイヤ!!! サポートしてって!!!!」
ダイヤ・鞠莉「「……はっ」」
前衛で叫ぶ果南さんの声に意識を戻される。
ダイヤ「ジャローダ!!!」
「ジャロォーー!!!!」
すぐさま、ジャローダを繰り出し、
ダイヤ「“リーフストーム”!!!」
「ジャロォォォ!!!!!!」
“リーフストーム”をパルキアの顔目掛けて発射する。
一方、鞠莉さんは、
鞠莉「マフォクシー! “おまじない”!」
「マフォォーーー」
マフォクシーによる、敵からの攻撃が急所に当たらなくなる、サポート技を使う。
怒涛の迫力で尻尾を薙ぐ、パルキア。
それを拳の連打で拮抗させる、ラグラージ。
少しでもパルキアの注意を逸らせるために撃っている、“リーフストーム”はパワー不足なのか効果が薄い……が、
ダイヤ「“リーフストーム”!!」
「ジャロォォーー!!!!!」
──二回。
ダイヤ「“リーフストーム”!!」
「ジャロォォォォーーー!!!!!!」
──三回と撃つたびに、威力を増す。
果南「ナイスサポート……!! ダイヤ!!」
「ラァァァァグ!!!!!」
「バァァァァ!!!!!!!」
何度も撃つうちに“リーフストーム”によるダメージが通り始める。
──わたくしのジャローダの特性は“あまのじゃく”。
本来連打すると威力の下がる“リーフストーム”は、逆にどんどん威力が跳ね上がっていく、特別仕様。
ダイヤ「“リーフストーム”!!!」
「ジャァァァロォォォォォォーーー!!!!!!!」
「バァルッ!!!!!!!!」
今度こそ、怯みを取った、
果南「ぶっ飛ばせ!!! ラグラージ!!!!」
「ラァァァァグ!!!!!!!!」
972: 2019/05/11(土) 13:20:19.57 ID:XqTkDbxP0
ラグラージがその期を逃さず、全身全霊の拳を突き立てる。
すると、パルキアは押し返され、体勢を崩す。
その倒れたパルキアの上方には、気付けば大量の炎の弾が舞っていた。
鞠莉「It's show time!!」
「マフォォー!!!」
その炎はマフォクシーが手に持った木の棒を振るうと、一気にパルキアに向かって降り注ぎ、爆炎を立てる。
鞠莉「“マジカルフレイム”のお味はいかが~?♪」
その様子を見て、
聖良「──く……」
聖良さんが声をあげた。
聖良「パルキア……次は……」
そう言葉を発したところで、
聖良「……な!? “テレパシー”が切れている……!?」
驚きの声をあげた。
鞠莉「いやぁーわたしも完全に見落としてたんだけどー」
鞠莉さんがおどけたような口調で話し始める。
鞠莉「よく考えてみれば、その“しらたま”もポケモンの“どうぐ”よね? 実はマフォクシーは“どうぐ”を使えなくする、魔法が使えるのよね~」
聖良「……!! “マジックルーム”……!!」
鞠莉「正解~♪ “マジックルーム”は空間内の全ての“どうぐ”の効果を無効化するわ!」
ジャローダの遠距離攻撃、怯んだところをラグラージが近接攻撃で圧倒し、その隙にマフォクシーが相手のパワーの源を封じる。
鞠莉「さ……これで、Checkmateだネ!!」
聖良「……くっ」
果南「パルキアはラグラージが押さえ込んだ。これで動けないよ」
「バァァァァァァ!!!!!!! バァァァァァァァル!!!!!!!!」
パルキアは怒りの雄叫びをあげるが、体勢が崩れた状態をメガラグラージのパワーで押さえつけられたら、簡単には起き上がれない様子。
わたくしと鞠莉さんは聖良さんの方へと歩いて行く。
聖良「……警察にでも突き出しますか?」
ダイヤ「……それは当たり前ですが、その前にやることがありますわ」
鞠莉「パルキアを止めなさい。即刻、今すぐ」
聖良「鞠莉さん、貴方がパルキアへの指示の方法を絶ったんですよ?」
鞠莉「……あなた……状況わかってる? シメンソカですヨ?」
聖良「……まだです、まだ私の計画は終わっていない」
鞠莉「……同じ研究者のよしみよ。檻の中に入ったら、聞くだけ聞いてあげるわ」
973: 2019/05/11(土) 13:21:55.52 ID:XqTkDbxP0
鞠莉さんはそう言って、聖良さんが手に持っている“しらたま”を無理矢理取り上げて──
──バチン!!!
鞠莉「Auchi!?」
その“しらたま”は、鞠莉さんが手に取った瞬間、音を立てて弾け跳び地面を転がる。
ダイヤ「鞠莉さん!? 大丈夫ですか!?」
鞠莉「つつ……大丈夫」
聖良「ふふ……あくまでパルキアの“おや”は私です……。パルキアと“しらたま”は繋がっている。“おや”認識している人間の指令しか届かない故、今の貴方にはそれを使う権限はありませんよ」
鞠莉「…………。……マフォクシー、“マジックルーム”を解いて」
「マフォ」
ダイヤ「鞠莉さん!?」
鞠莉「どっちにしろ、このままじゃ。技の効果が切れるまでオシモンドウ続けるハメになるだけだし。もし反撃してくるようなら、また改めて無効化すればいい」
聖良「……賢明な判断ですね」
そう言いながら、聖良さんは“しらたま”を拾い上げる。
鞠莉「……その代わり、指示はわたしの言う通りにやりなさい。もし貴方やパルキアが変な行動をするようだったら……燃やすわよ」
「マフォク」
マフォクシーは炎の木の棒を聖良さんの方へ向けている。
聖良「それは脅しですか?」
鞠莉「ええ、脅しよ」
聖良「……わかりました、いいでしょう」
やっと観念したようですわね……。
鞠莉「まず、パルキアの所有権限を解除しなさい」
聖良「……野生に逃がせということですね」
鞠莉「そういうことよ」
聖良「……わかりました」
「バァァル……」
聖良「ですが……」
鞠莉「……?」
聖良「別れの挨拶くらい、させてもらえませんか?」
鞠莉「……なに? 泣き落とし?」
聖良「怪しい文言があったら好きに炙ってください。私は別に氏にたがりではないので、その点は問題ないと思いますが……」
鞠莉「……マフォクシー」
「マフォ」
マフォクシーが聖良さんに炎の棒を更に近くに突きつける。
鞠莉「……どうぞ、別れの挨拶、すれば?」
聖良「……ありがとうございます」
聖良さんは鞠莉さんの温情に謝礼を述べてから、話し始めた。
974: 2019/05/11(土) 13:22:57.61 ID:XqTkDbxP0
聖良「……パルキア、貴方が私の目の前に現われたとき、私は達成感で満たされました……。伝説のポケモンをこの手で呼び覚ますなんて、夢のようでした、ありがとうございます」
「バァ、ル……」
鞠莉「……」
聖良「これからは貴方は自由ですよ。自由に──」
聖良「──自由に暴れて、壊してください」
鞠莉「っ!!!! マフォクシー!!!!」
「マフォ!!!!!」
鞠莉さんの指示でマフォクシーが炎を放つ、
灼熱の炎は──地面を焼いた。
鞠莉「……は?」
ダイヤ「え?」
──聖良さんが、消えた……?
果南「え!? あれ!? パルキアは!?」
「ラグッ!!?」
果南さんもすぐ傍に居た。
いや、というか──
ダイヤ「どうして、わたくしたち、聖域の入口に戻されて……!?」
わたくしたちは、何故か場所を移動していた。
焦って祠の方に目をやると、
聖良「ははは……!!!」
975: 2019/05/11(土) 13:23:43.69 ID:XqTkDbxP0
聖良さんは祠の前に立っていた。
まるで──これではまるで、
ダイヤ「──位置関係が巻き戻っている……!?」
聖良「……ルビィさんの救出……間に合わなかったみたいですね……!!」
そう言う聖良さんの手の平の上には、
ダイヤ「……!!」
大きなダイヤモンドで出来た珠──“こんごうだま”が眩く光輝いている。
そして、気付いたときには、そこに存在していた。
「ディァガァァァ……!!!!」
果南「マジで……?」
鞠莉「Oh, my god...」
ダイヤ「そん、な……」
大きな体躯の四足のポケモンが、
胸部にダイヤモンドを煌かせた、伝説のポケモン──
ダイヤ「……ディア、ルガ……」
聖良「……さぁ、第二ラウンドと行きましょうか……!!」
聖良さんはそう言って、嬉しそうに再び口角を吊り上げた──。
976: 2019/05/11(土) 13:25:52.80 ID:XqTkDbxP0
>レポート
ここまでの ぼうけんを
レポートに きろくしますか?
ポケモンレポートに かこんでいます
でんげんを きらないでください...
【クロサワの入江】

主人公 ダイヤ
手持ち ジャローダ♀ Lv.69 特性:あまのじゃく 性格:いじっぱり 個性:まけんきがつよい
メレシー Lv.66 特性:クリアボディ 性格:まじめ 個性:とてもきちょうめん
ミロカロス♂ Lv.70 特性:かちき 性格:れいせい 個性:まけんきがつよい
ハガネール♀ Lv.72 特性:がんじょう 性格:ゆうかん 個性:ちからがじまん
オドリドリ♀ Lv.63 特性:おどりこ 性格:おっとり 個性:とてもきちょうめん
アマージョ♀ Lv.67 特性:じょおうのいげん 性格:さみしがり 個性:あばれることがすき
バッジ 8個 図鑑 見つけた数:266匹 捕まえた数:113匹
主人公 果南
手持ち ラグラージ♂ Lv.75 特性:しめりけ 性格:やんちゃ 個性:ちからがじまん
ニョロボン♂ Lv.71 特性:すいすい 性格:ゆうかん 個性:ちからがじまん
ギャラドス♀ Lv.74 特性:じしんかじょう 性格:いじっぱり 個性:まけんきがつよい
?????? ?? 特性:????? 性格:???? 個性:??????
キングドラ♂ Lv.71 特性:スナイパー 性格:ひかえめ 個性:ぬけめがない
?????? ?? 特性:????? 性格:???? 個性:??????
バッジ 8個 図鑑 見つけた数:280匹 捕まえた数:137匹
主人公 鞠莉
手持ち マフォクシー♀ Lv.68 特性:マジシャン 性格:がんばりや 個性:ちょっぴりみえっぱり
ギャロップ♀ Lv.66 特性:ほのおのからだ 性格:おとなしい 個性:のんびりするのがすき
サーナイト♀ Lv.70 特性:トレース 性格:まじめ 個性:かんがえごとがおおい
ビークイン♀ Lv.64 特性:きんちょうかん 性格:すなお 個性:うたれづよい
ポリゴンZ Lv.64 特性:てきおうりょく 性格:なまいき 個性:イタズラがすき
?????? ?? 特性:????? 性格:???? 個性:??????
バッジ 8個 図鑑 見つけた数:467匹 捕まえた数:311匹
ダイヤと 果南と 鞠莉は
レポートを しっかり かきのこした!
...To be continued.
977: 2019/05/11(土) 13:29:21.67 ID:XqTkDbxP0
■Chapter069 『──ルビィちゃん』
──最上層部、善子。
「──ギィッ!!?」
上空から、“じごくづき”の直撃を受け、オンバーンが声を詰まらせる。
善子「アブソル!! “ダメおし”!!」
「ソルッ!!!」
「ギギャァ!!!?」
間髪居れず、アブソルが追撃の“ずつき”をかます。
「ギキキキャッ!!!!!」
これはたまらんと言わんばかりに、飛び立とうとするオンバーン。
善子「逃がすか……!! “おいうち”!!」
「ソルッ!!!!」
頭の刃を振るって、さらに追撃の衝撃波を飛ばす、
「ギギャァッ!!!」
攻撃が直撃したオンバーンが地面を転がる、
善子「はぁ……はぁ……!!」
猛攻を掻い潜ってきて、完全に息があがっている。
だけど、まだ休む暇はない。
「ギキィッ……!!!!」
オンバーンが憎らしそうに鳴き声をあげながら、こちらを睨んでいる。
善子「はぁ……は……っ……音技、当分使えないでしょ……」
「ギ、キャァッ!!!!!」
善子「!!」
オンバーンは掠れる声をあげながら、大口を開けて突っ込んでくる。
「ソルッ!!!!」
飛んでもいない、床を走って近付いてくる。そんなオンバーンに攻撃をいれるのは、わけない。
再び、アブソルの“じごくづき”がオンバーンの胸部を打つ。
「ギ、ギャァッ!!!!!」
だが、オンバーンは止まらずに、アブソルに胴体に前歯を突きたてた。
──“いかりのまえば”だ。
978: 2019/05/11(土) 13:30:27.81 ID:XqTkDbxP0
「ソルッ!!!」
だが、アブソルは頭の刃を振るって、“きりさく”。
「ギ、ギャァッ!!!」
声をあげて、再び床を転がるオンバーン。
だが、すぐに立ち上がり、その瞳にはユラリと紫に色の炎が揺れる──次の攻撃の予兆。
善子「……大したものね」
「ギギャァッ!!!!!」
善子「ここまで、追い詰められてもまるで諦めない。持ち場を守り、敵を倒す。その意志、その忠誠心、尊敬するわ」
「キィィ、ギ、キィィィ!!!!!」
善子「確実に……今まで戦ったどんな敵よりも、あんたは強い。敵ながらアッパレよ」
空を見上げる。
オンバーンの最後の攻撃が、そこにはあった。
大きな隕石が、こちらに向かって降ってきている。
ドラゴンタイプ最強の大技──“りゅうせいぐん”だ。
善子「まだ、こんな大技隠してたなんてね……ホントにアッパレよ」
「ソル」
善子「そんなあんたに……敬意を評して、最強の技で倒す」
私は上着のポケットに手をいれ、ママから貰ったロザリオを首に掛け、握り締めた。
──メガロザリオの中心のキーストーンが光り輝く。
善子「アブソル……!! ──メガシンカ!!!」
「ソルッ!!!!」
アブソルのメガストーンとキーストーンが反応する。
七色の光に包まれ──
「──ソォル……!!!!」
アブソルの頭の刃は一回り大きくなり、全身の伸びた体毛はまるで羽のように、風にはためく。
「ギ、キィィィィ!!!!!!!!」
上空から、“りゅうせいぐん”が迫る。
善子「……これで、決着よ……!!」
「ソォルッ!!!!!」
アブソルが刃を振るうと──今まで見たことのないような巨大な空気の刃が、
私たちに向かって墜落してきた、“りゅうせいぐん”を真っ二つにして、
「ギ、キィィィ──」
その後ろのいる、オンバーンごと、
全てを斬り飛ばした──。
979: 2019/05/11(土) 13:31:20.24 ID:XqTkDbxP0
* * *
──中層、千歌、梨子。
千歌「バクフーン!! “かえんほうしゃ”!!」
梨子「メガニウム!! “リーフストーム”!!」
「バクフーーーッ!!!!!」「ガニューーーーーッ!!!!!!」
二匹の攻撃がヨノワールに向かって、撃ち放たれる。
メガニウムの草の嵐は、バクフーンの炎を風と葉っぱで何倍もの勢いに膨れ上がらせ、
「ヨノワッ!!!!!」
ヨノワールを飲み込む。
千歌「やった……!?」
梨子「いや……まだ……!!」
「ヨノワ…!!!!」
ヨノワールは攻撃を受けながらも、お腹の大口を開けて──
千歌「攻撃を……食べてる……!?」
巨大な炎の嵐を飲み込んでいた。
「ヨノワールはあのお腹から魂を取り込んで霊界に送ると云われてるロトー」
どうやら、そうやって攻撃を無効化しているらしい……けど、
「ヨノ、ワー」
ちょっと苦しそう。
梨子「たぶん、大きなエネルギーはすぐには無効化できないんだと思う!」
千歌「なるほど! なら、攻めるのみ!!」
私たちが会話をしている隙に、
「ヨノワッ!!!!」
ヨノワールが鳴き声をあげると共に、目が光る。
その瞬間、
千歌「──!?」
全身を上から押さえつけられるような圧迫感が襲ってくる。
梨子「か、体が……!! 重い……!!」
千歌「……っ……た、立てない……っ!!」
「こ、これは“じゅうりょく”ロトー」
とんでもないパワーの“じゅうりょく”で私と梨子ちゃんは膝を折る。
980: 2019/05/11(土) 13:32:15.76 ID:XqTkDbxP0
「ヨノワー……」
ヨノワールが不気味に目をギラつかせる。
「た、助けてロトー、動けないロトー」
梨子「それは、こっちも……同じだって……っ!!」
千歌「……くっそぉ……!!」
膝を折ってるだけでは耐えられなくなり、二人して床に腕をついて四つん這い状態に、
梨子「っ……!!」
千歌「どんどん、“じゅうりょく”……強く、なってる……!!」
「バクフー……ッ」「ガニュッ……!!!」
バクフーンとメガニウムも身動きが取れない。
不味い、なんとかしなきゃ。
でも、身体が言うことを利かない。
そのとき、
「ロトー!!!! ひらめいたロトー!!!!」
突然ロトムが叫ぶ。
「図鑑機能を強制呼び出しするロト!!!!」
ロトムの台詞と共に、
千歌「……?」──pipipipipipipipi!!!!!!
梨子「な、なに……?」──pipipipipipipipi!!!!!!
私と梨子ちゃんの図鑑が共鳴音を発し始める。
「ヨノワー……!!!!」
そんな間にもヨノワールの“じゅうりょく”はどんどん強くなり、ついに腕も膝も立てていられず、這い蹲る姿勢になってしまう。
梨子「図鑑、鳴らしてる、場合じゃ……!!」──pipipipipipipipi!!!!!!
「これは共鳴音ロト」
千歌「……??」──pipipipipipipipi!!!!!!
「図鑑は三つ揃うと共鳴音を鳴らすロト」
梨子「それは、知ってる……!!」──pipipipipipipipi!!!!!!
「ただ、近くに居る間何度も鳴ったら困るから、一度鳴ったら24時間、鳴らないようにロックがかかるロト」
千歌「そのロックを、外した、って、こと……?」──pipipipipipipipi!!!!!!
梨子「それに、なんの、意味が……っ……?」──pipipipipipipipi!!!!!!
千歌「今は、それどころ、じゃ……あ、れ……?」──pipipipipipipipi!!!!!!
そうだ、図鑑は“三つ揃う”と、鳴るんだ──ってことは!!
梨子「……!! そっか!!」
981: 2019/05/11(土) 13:34:06.95 ID:XqTkDbxP0
梨子ちゃんも気付いた!!
私は這い蹲ったまま、思いっ切り息を吸い込んで、
千歌「──曜ちゃーーーーーーーん!!!!!!!! ここだよぉーーーーーーー!!!!!!!!!」
力の限り叫んだ、
次の瞬間、
「──“ハイドロポンプ”ッッッ!!!!!!」
「ヨノワッ!!!?」
ヨノワールの足元から、床ごと貫く分厚い水の柱が撃ちあがり、ヨノワールを吹っ飛ばす。
同時に、身体が──ふっと軽くなる。
梨子「!! “じゅうりょく”が!!」
千歌「元に戻った!!」
そして、その数秒後に、
曜「──千歌ちゃん!!!! 梨子ちゃん!!!!」──pipipipipipipipi!!!!!!
「ガメッ!!!!」
曜ちゃんが水砲によって貫いた穴から、カメックスと一緒によじ登って来る。
そして、その手にはけたたましい音を鳴らし続ける水色のポケモン図鑑。
──ロトムは曜ちゃんの図鑑が近くにあることに気付き、曜ちゃんにも私たちがすぐ近くに居ることを気付いてもらうために、共鳴音の機能ロックを解除したんだ。
千歌「曜ちゃん、助かったよぉ……!!」
曜「うん!! 間に合ってよかった!!」
「ヨノワー!!!!!」
感動の再会も束の間、ヨノワールが起き上がる。
曜「あいつ、倒すんだよね!?」
梨子「うん!」
千歌「三人で!! あわせるよ!!」
「バクッ!!!」「ガニュッ!!!!」「ガメッ!!!!!」
三人と三匹で同時に、ヨノワールに向かって、
梨子「メガニウム!! “くさのちかい”!!」
曜「カメックス!! “みずのちかい”!!」
千歌「バクフーン!! “ほのおのちかい”!!」
「ガニュゥッ!!!!!」 「ガメェーーーッ!!!!!」 「バクフーーーーーーンッ!!!!!!!」
三匹のエネルギーが床を伝いながら、ヨノワールの足元まで飛んでいき、
「ヨノワッ……!!!?」
ヨノワールの真下に辿り着くと同時に、床から天井に向かって、竜巻のように巻き上がった。
「ガニュゥ!!!!」
“くさのちかい”が草のエネルギーと共に大量の草木を巻き上げ、
982: 2019/05/11(土) 13:34:55.70 ID:XqTkDbxP0
「ガメーーーッ!!!!!」
“みずのちかい”が草に弾かれながら、交じり合うように巻き上がる、
「バクフーーーーーッ!!!!!!」
“ほのおのちかい”が二つの誓いと絡み合うように、草を爆炎に、水を高熱の蒸気に変えながら巻き上がる。
三位一体のコンビネーション技──!!!
千歌・梨子・曜「「「いっけぇーーーーーー!!!!!」」」
三つのエネルギーが完全に調和し、融合し、膨れ上がって──
「ヨノワーーーー!!!!!!!!」
音を立てて、爆散した。
そして、その爆発が晴れた先で──
「ヨノ、ワ……」
ヨノワールが気絶していた。
梨子「……は、はは……」
梨子ちゃんがへたり込む、
千歌「梨子ちゃん!?」
梨子「ご、ごめん……ちょっと気が抜けて……」
曜「大丈夫?」
曜ちゃんが梨子ちゃんに手を差し伸べる。
梨子「……うん」
梨子ちゃんがその手を取って、立ち上がる。
私は──
千歌「曜ちゃん! 梨子ちゃん!」
曜「わ!?」
梨子「きゃ!?」
そんな二人に抱きつく。
千歌「勝ったよ!! 私たち!!」
梨子「……ええ!!」
曜「ヨーソロー!!」
私たちは三人で勝利の喜びを分かち合うのだった。
* * *
983: 2019/05/11(土) 13:37:00.20 ID:XqTkDbxP0
──コントロールルーム、花丸。
花丸「ゴンベ!! “すてみタックル”!!」
「ゴンッ!!!!」
ゴンベが床を蹴って飛び出す。
理亞「“れいとうパンチ”!!」
「マニュ!!!!」
マニューラはそのゴンベを、氷の拳で迎え撃つ、
──ガスン!!
鈍い音を立ててかち合う二匹、
お互い足を踏みしめて、競り合いになるが──
理亞「凍れ……!」
マニューラの冷気によって、ゴンベが──パキパキと、凍りつき始める。
花丸「さすがに“こおり”対策はしてきたずら……!! ゴンベ!!」
「ゴンッ!!!」
ゴンベは踏ん張りながらも、咄嗟に体毛からきのみを取り出して、すぐさま飲み込む。
すると、ゴンベの身体の凍りがみるみる溶けていく。
理亞「ナナシの実……!!」
ゴンベの食べているナナシの実は、“こおり”の状態異常を回復するきのみ。
戦闘の前に予め持たせたものだ。
更に──
花丸「“ゲップ”!!」
「ゴン、ゲェーーップ!!!!!」
「マニュ!!?」
ゲップはきのみを食べた直後にだけ使える、どくタイプの技。
急に目の前で浴びせかけられたマニューラが怯む。
花丸「“ずつき”!!」
「ゴンッ!!!」
そこに追い討ちの“ずつき”をかます。
「マニュッ!!?」
マニューラは咄嗟に爪で防ぐが、勢いに負けて後ずさる、
理亞「マニューラ!! 怯むな!! “れいとうビーム”!!」
「マニュ!!!」
僅かに離れた距離から、冷凍光線を発射する。
「ゴンッ!!」
984: 2019/05/11(土) 13:37:53.29 ID:XqTkDbxP0
攻撃を正面から食らい、ゴンベは再び凍り始めるが──
花丸「ゴンベ!! “からげんき”!!!」
「ゴンッ!!!!!」
ゴンベは気合いで踏みしめて、そのまま“たいあたり”をぶちかます。
「マニュッ!?!?」
理亞「……っち!」
マニューラを突き飛ばし、距離を取ったところで──
花丸「“リサイクル”ずら!」
「ゴンッ」
ゴンベは再び、体毛の中からナナシの実を取り出し、飲み込む。
先ほど同様、すぐに身体の凍りが解け始める。
理亞「どんな構造になってんのよ……!」
花丸「もう“こおり”は完全に対策済みずら!!」
理亞「……なら、パワーでぶっ潰す……!! リングマッ!!」
「グマァ!!!!!!」
理亞さんの手から放たれる次のボールからはリングマが飛び出し、
理亞「“アームハンマー”!!!」
「グマァッッ!!!!!」
振り下ろされる。
花丸「ゴンベ、伏せるずら!!」
「ゴンッ!!!」
ゴンベが伏せたところに、マルも次の手持ちのボールを投げ込む。
──ガンッ。
鈍い音と共に、リングマの拳を硬い殻で弾き返す。
「ドダイ……!!!」
理亞「ドダイトス……!!」
ドダイトスは“からにこもる”でリングマの攻撃を受け止めたあと、
殻から頭を出す反動を利用して、攻撃──
花丸「ドダイトス!! “アイアンヘッド”!!」
「ドダイッ!!!!」
「グゥマッ!!?」
リングマの腹部に、鋼鉄の頭突きを炸裂させる。
リングマを撃退し──たと思った矢先、
「グマァッ!!!!!」
花丸「ずら!?」
985: 2019/05/11(土) 13:38:49.58 ID:XqTkDbxP0
リングマは震脚しながら、その場に留まり、
腕を伸ばして──
「ドダイ!!?」
ドダイトスの背中の樹を掴む。
理亞「“かいりき”!!」
「グマァッ!!!!!」
気合いの掛け声と共にリングマの腕の筋肉が隆起し、
「ド、ドダイッ!!?」
花丸「ドダイトス!?」
ドダイトスの300kgを超える巨体が持ち上げられてしまう、
理亞「“なしくずし”!!」
「グマァッ!!!!」
そのまま、下にいるゴンベ向かって──
「ゴ、ゴンッ!?!?!」
ゴンベごと押し潰すように床に叩き付けられる。
「ゴンッ!!!!」
「ドダイッ!!!!」
花丸「ゴンベ!!? ドダイトスッ!!!」
超重量級の体重はゴンベのみならず、自重によってドダイトス自身にも大きなダメージを与え──
ドダイトスの丈夫な殻にヒビが入ってしまう。
「ド、ドダイ……ッ」
花丸「……ず、ずら」
やっぱり……強い……!
マルの実力じゃ……。
「──やめ……て……」
花丸「!」
理亞さんの後ろから聴こえてくる声。
ルビィ「……やめ、て……やめて……よぉ……!!」
花丸「ルビィちゃん……!」
傍らに立つカラマネロが今も絶えずルビィちゃんに催眠暗示を送っている。
花丸「ドダイトスッ!!」
「ドダイ……ッ」
花丸「“あばれる”!!」
「ドーダイッ!!!!!」
ドダイトスがその場で全身を振るって、暴れ始める。
986: 2019/05/11(土) 13:39:50.95 ID:XqTkDbxP0
「グマッ!!?」
理亞「……っ!! 悪あがきを……!」
マルが諦めちゃだめだ……!! マルは、今度こそ……!!
花丸「──ルビィちゃんを助けるんだ……!! キマワリ!!」
「キマァッ!!!!」
キマワリをボールから放つ。
花丸「“タネマシンガン”!!」
「キママママママママママッ!!!!!!!」
理亞「……ちっ、マニューラ!」
「マニュッ……!!!」
ゴンベに吹っ飛ばされていた、マニューラが体勢を整えて前線に戻ってくる。
理亞「“みだれひっかき”!!」
「マニュマニュマニュ!!!!!」
爪を高速で薙ぎながら、“タネマシンガン”を弾き落とす。
マニューラの指示で、理亞さんの視線が防御に移った瞬間を見計らって──
花丸「ドダイトス!! “ウッドハンマー”!!」
「ドダイッ!!!!!!!!」
ドダイトスが“あばれる”状態のまま、横薙ぎに背中の樹を乱暴に振るう。
理亞「っ!! リングマ!! 受け止めろ!!」
「グマァッ!!!!!」
だが、対応してくる。
リングマが、太い腕で再び樹を掴み受け止める。
花丸「キマワリ!! “リーフストーム”!!」
「キマァッ!!!!」
そこに再び、キマワリの後方からの攻撃。
理亞「……っ! 鬱陶しい!! オニゴーリ!!」
「ゴォォーーーリ!!!!!」
理亞「“ふぶき”!!」
「ゴォォォーーーリ!!!!!」
理亞さんが放ったボールから飛び出したオニゴーリは、強力な“ふぶき”で、草の嵐ごと吹き飛ばし──
「キ、キマァッ……──!?」
離れたところにいるキマワリごと、凍らせる。
花丸「ず、ずらぁ……!!」
冷気が一気に室内を覆い、マルの居る場所もフィールドごとどんどん凍り始め、足が取られる。
でも……止まるわけにいかない……!!
マルは次の手持ちを繰り出す。
987: 2019/05/11(土) 13:40:45.08 ID:XqTkDbxP0
花丸「ウリムー!!! “とっしん”!!」
「ウリッ!!!」
ウリムーなら、凍ったフィールドでも足を取られない。
そのまま、オニゴーリに突撃する。
理亞「しつこいッ!! “かみつく”!!」
「ゴォォーーリ!!!!!」
迎え撃つように、オニゴーリが顎を開き、
「ウリッ!!!!」
牙でウリムーに噛み付く形で“とっしん”を受け止める。
花丸「ウリムー!! “こらえる”ずら!!」
「ウリィィ…!!!」
理亞「いつまで、続けるのよ……!!」
花丸「ルビィちゃんを助けるまで……!!」
理亞「お前じゃ私には勝てない!!」
花丸「それでもずら!!!」
理亞「……!! わかった、なら完膚なきまでに叩きのめすまで……!! “かみくだく”!!」
「ゴォォーーーリ!!!!!!」
オニゴーリが思いっ切り顎を閉じようとする、
花丸「ウリムーッ!!!!」
「ウリッ──」
ウリムーの体が光る。
理亞「!?」
レベルを見て、最初からこの瞬間を見計らっていた。
進化のタイミングを──!!
花丸「イノムー!! “みだれづき”!!」
「──イノォッ!!!!!」
今生えてきたばかりの立派な角をオニゴーリの上顎に内側から突き刺す。
「ゴォォーーーリッ」
上顎を思いっ切り突き上げて、開いた口に、
花丸「“どろばくだん”!!」
「イノォッ!!!!」
追撃を叩き込む、
「ゴォーーリ!!?!!?」
理亞「くそ……!! 次から次へと……!!」
988: 2019/05/11(土) 13:42:12.16 ID:XqTkDbxP0
マルが押してる……!!
このまま、ルビィちゃんを──!!
そう思った瞬間だった、
ルビィ「ぁ、ぁ、ぁあぁぁぁ、ぁあああ!!!!」
ルビィちゃんの方から苦しげな悲鳴のような声が上がる。
花丸「ずらっ!!?」
理亞「!!」
次気付いたときには、
──ジュウ、と音を立てて周囲の氷が一気に蒸発する。
花丸「こ、これは……!? ルビィちゃん!!!」
理亞「……!! 巫女の覚醒は間に合った……!!」
花丸「巫女の覚醒……!!?」
その言葉に一瞬驚いて、こちらの指示が遅れる。
理亞「“メガトンキック”!!」
「グマァッ!!!!」
「ドダイッ」
くさタイプのドダイトスが急な炎熱に驚き、出来た隙にリングマが蹴りを叩き込む。
激烈な蹴りに再び巨体が浮き上がり、
「イノッ!?!?」
イノムーを巻き込んだまま、
花丸「ドダイトス!! イノムー!!」
二匹は壁に激突する。
やられた手持ちを目で追って、視線を外した瞬間、
「グマァッ!!!!」
すぐ近くでリングマの鳴き声がして、すぐに視線を戻すが、
間に合わない、
花丸「──がっ……!!」
リングマの手が伸びてきて、マルの首根っこを掴んで持ち上げる。
花丸「……っ……!!」
理亞「てこずらされた……でも、これでお前の負け」
花丸「……ぐ……!!」
リングマの腕を掴んでもがく、
表情を歪めながら、マルは視線を前に──ルビィちゃんの居るほうに、
989: 2019/05/11(土) 13:43:16.10 ID:XqTkDbxP0
ルビィ「……ぁ、ぁぁぁあぁぁぁ!!!」
ルビィちゃんは苦悶の表情を浮かべて、涙を流しながら、大量の熱を放射し続ける、
その傍らではコランが真っ赤な光を発しながら、転がっている。
花丸「ルビ、ィ……ちゃ、ん……!! マルが……い、ま助ける……ず、ら……!!」
マルはリングマの腕を掴む。
力を入れて退けようとするが──ビクともしない。
理亞「ポケモンの筋力に人間が勝てるはずない」
花丸「……ず、ら……」
理亞「もう、決着はついた」
花丸「まだ……っ……ずら……!!」
理亞「なんで、そこまでする……?」
花丸「マルは、ルビィちゃんの……友達、だから……!!」
理亞「……お前も、ルビィも、雑魚なのにどうしてそこまで戦う?」
理亞さんは私にそう問い掛けてくる。
花丸「違う……ずら……!!」
理亞「……違う……?」
花丸「マルは、そうかも……しれないけど……っ……。……ルビィちゃん、は……強い、子……ずら」
理亞「…………」
花丸「ルビィちゃん、は……確かに、臆病、だけど……自分の、やりたいこと、は……自分で、決めて、守りたいものの、ためには……真っ直ぐ、で……!!」
マルはリングマの腕に爪を立てる。
花丸「……ねえさま、ねえさまって……! 全部、お姉さんの、せいにして、る……お前、なんか、より……何倍も、何百倍、も……!! ルビィちゃんは、強い……ずら……っ!!」
理亞「……もういい、リングマ。締め落とせ」
「グマァッ!!!!」
花丸「……がぁぁぁっ!!!」
マルの首を掴む、リングマの手に力が籠められる。
花丸「──ルビィ……ちゃ……」
意識が薄らいでいく──
飛びかけの意識の中、遠くで微かに声がする。
ルビィ「──ぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ……!!!!」
ルビィちゃんが、苦しんでる。
ルビィ「──ぁっぃ、ょぉ……!!!」
ルビィちゃんが、泣いている。
ルビィ「──たす、けて……」
ルビィちゃんが、助けを呼んでいる。
990: 2019/05/11(土) 13:44:36.87 ID:XqTkDbxP0
ルビィ「──おねぇ、ちゃん……たすけ、て……。……たすけ、て……──」
……その言葉を最後に
……意識が落ち──
ルビィ「──はなまる、ちゃん……」
花丸「──……!!!!!」
──てる場合じゃない……!!
ルビィちゃんが──呼んでる。マルのことを……!!
花丸「ゴンベェッッッ!!!!!!!」
「ゴーーーーーーンッ!!!!!!!!」
マルの叫びに呼応するように、ゴンベが雄叫びをあげて、立ち上がる。
理亞「な!? ゴンベは戦闘不能だったはず!?」
「グマァッ!?」
動揺する理亞さんに釣られたのか、リングマの腕の力が一瞬緩む、
マルは確保された気道から、めいっぱい空気を吸い込んで、
花丸「──ルビィちゃんをッ!!!!!!! 助けるずらあぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!」
叫んだ──
「ゴォォーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!」
ゴンベがルビィちゃんの方へ飛び出す。
理亞「くっ!? カラマネロ!! “ばかぢから”!!!」
「カラマッ!!?!!??」
理亞さんが咄嗟にルビィちゃんのすぐ傍にいるカラマネロに迎撃の指示を出すが、急だったため迎撃が間に合わず、ゴンベはそのまま体重を乗せて突っ込む、
「カラマッ!!!!!」
だが、カラマネロはすぐに体勢を整え、ゴンベに飛び掛ってくる。
「カラマッ!!!!!」
「ゴンッ!!!!!!」
二匹のポケモンが“ばかぢから”で組み合う。
理亞「マニューラ、加勢を──!?」
飛び出そうとする、理亞さんとマニューラの前に、
「ドダイ……ッ!!!!」
ドダイトスが躍り出て、壁を作る。
理亞「“とおせんぼう”……!?」
991: 2019/05/11(土) 13:45:32.62 ID:XqTkDbxP0
だが一方で、組み合うゴンベとカラマネロは、次第にカラマネロが優勢になっていく。
理亞「無駄……!! カラマネロは“あまのじゃく”でどんどん“ばかぢから”の威力が上昇していく!! ゴンベのパワーじゃ勝ち目なんかない!!」
花丸「ゴンベ……!!! 行くずらあぁぁぁ……!!!!」
「ゴンッ!!!!!」
ゴンベが、マルの言葉に頷いた。
と、同時に──
どんどん押し返していく。
「カラマッ!!?!?」
理亞「な!? パ、パワーが……!?」
ゴンベの身体が内側から溢れでる輝きと共にどんどん大きく膨れていき──
「──カビ……ッ!!!!!」
新しい姿で、全力のパワーを叩き付ける……!!
花丸「“10まんばりき”!!!!!」
「カビッ!!!!!」
「カラマネッ!!!?!?」
カラマネロをぶっ飛ばす。
理亞「くそ!? リングマッ!! 早くそいつを──!!!?」
突然大きく、床が傾き、
「グマッ!!?」
バランスを崩したリングマがマルの首を離す。
花丸「──げほっ、げほっ……!!」
改めて気道が確保されて、膝をついたまま咳き込む。
理亞「ま、まさかお前……!!」
理亞さんが振り返ると、
「ドダイッ!!!!!!!」
ドダイトスが背中の樹を揺すりながら、全身で地面を揺らしている。
──これは“じしん”……!!
理亞「飛空挺の中で“じしん”なんか使ったら墜落する……!!?」
花丸「カビゴンッ!!!!!」
理亞「!!?」
花丸「“ギガインパクト”!!!!」
「カビッ!!!!!」
992: 2019/05/11(土) 13:46:10.14 ID:XqTkDbxP0
カビゴンが全体重を乗せた“ギガインパクト”を壁にぶち当てる。
『緊急事態発生、緊急事態発生、出力減少、高度低下』
理亞「あんた──!!!」
再び、振り返ろうとする理亞さんの横を──
花丸「──ルビィちゃん!!」
理亞「……!!」
マルは走ってすり抜け、
ルビィ「……たす……け、て……マル、ちゃ……」
花丸「ルビィちゃん!!! オラはここにいるよ!!!」
ルビィちゃんを抱きしめる。
花丸「っ゛……!!!」
ルビィちゃんの体は触っただけで火傷しそうなくらい熱かった。
けど、マルはそんなことお構いなしに抱きしめる。
花丸「もう、大丈夫だから……!!」
ルビィ「ぁ……ぁ……」
抱きしめて、声を掛けて、
ルビィ「……ぁ……」
──ぎゅっと……。
花丸「ルビィちゃん……っ」
ルビィ「……ぅゅ……」
──そしたら……
ルビィ「──……はなまる……ちゃん……?」
ルビィちゃんがゆっくりと目を開く。
花丸「……うん……助けに来たよ……ルビィちゃん」
すると、次第にルビィちゃんの体の熱が引いていくのがわかった。
理亞「く……!!! 巫女を逃がすな……!!! マニューラ!!!」
理亞さんがこっちにマニューラをけしかけようとした瞬間、
「マニュッ!!!?」
マニューラは眩い太陽光線を浴びて、吹っ飛ばされる。
993: 2019/05/11(土) 13:47:04.77 ID:XqTkDbxP0
「キマァッ!!!!!」
理亞「キマワリッ!!?」
「イノッ!!!!!」
「グマァッッ!!!?!?」
そして、イノムーがリングマを牙で横薙ぎに突き飛ばす。
理亞「くっ……!?」
「ドダイッ」「キマッ」「イノムゥ」
ドダイトスが、キマワリが、イノムーが、マルたちの元に駆け寄ってくる。
マルは理亞さんを見据えて、
花丸「ルビィちゃんは……返してもらうずら」
言い放った。
理亞「ふ……ざけるなぁ……!!!」
理亞さんは叫ぶが、
その間に──
「カビ……!!!!」
カビゴンが割って入る。
「カビッ!!!」
花丸「カビゴン……!」
「カビ」
カビゴンはマルに何かを伝えるように鳴き声をあげる。
花丸「……! お願い……!」
「カビッ」
マルはカビゴンと頷きあう。
カビゴンが前に向き直った直後、お腹が膨れ上がる。
理亞「!? ま、まさか!! やめろ……ッ!!!?」
花丸「カビゴンッ!!!!! ──“じばく”ずら!!!」
──コントロールルーム内はカビゴンの最後の一撃によって、吹き飛ばされた。
* * *
994: 2019/05/11(土) 13:47:31.39 ID:XqTkDbxP0
「プワァーーー」
マルたちは爆発の勢いに乗じて飛空挺を飛び出し、フワライドに掴まって飛行する。
ルビィ「花丸ちゃん……!!」
ルビィちゃんが抱きついてくる。
花丸「わわ、ルビィちゃん!! 危ないずら!!」
ルビィ「花丸ちゃん……っ」
花丸「……もう、大丈夫だよ。ルビィちゃん」
マルはルビィちゃんを抱き返す。
花丸「ほら……コランもいるよ」
「────」
咄嗟に抱きかかえて、連れ出したコランをルビィちゃんに手渡す。
ルビィ「……うん」
花丸「それと……ルビィちゃんのボールと図鑑」
預かっていた、ルビィちゃんの手持ちと図鑑を手渡して、
花丸「ルビィちゃん……」
再び抱きしめた。
花丸「おかえりずら……」
ルビィ「──ただいま……!」
ルビィちゃん奪還作戦は──成功した、ずら……!
995: 2019/05/11(土) 13:48:28.52 ID:XqTkDbxP0
>レポート
ここまでの ぼうけんを
レポートに きろくしますか?
ポケモンレポートに かこんでいます
でんげんを きらないでください...
【飛空挺セイントスノウ】

996: 2019/05/11(土) 13:49:15.30 ID:XqTkDbxP0
主人公 千歌
手持ち バクフーン♂ Lv.53 特性:もうか 性格:おくびょう 個性:のんびりするのがすき
トリミアン♀ Lv.47 特性:ファーコート 性格:のうてんき 個性:ひるねをよくする
ムクホーク♂ Lv.54 特性:すてみ 性格:いじっぱり 個性:あばれることがすき
ルガルガン♂ Lv.49 特性:かたいツメ 性格:わんぱく 個性:こうきしんがつよい
ルカリオ♂ Lv.52 特性:せいぎのこころ 性格:ようき 個性:ものおとにびんかん
バッジ 7個 図鑑 見つけた数:146匹 捕まえた数:13匹
主人公 梨子
手持ち メガニウム♀ Lv.50 特性:しんりょく 性格:いじっぱり 個性:ちょっぴりみえっぱり
チェリム♀ Lv.46 特性:フラワーギフト 性格:むじゃき 個性:おっちょこちょい
ピジョット♀ Lv.46 特性:するどいめ 性格:ひかえめ 個性:ものおとにびんかん
ネオラント♀ Lv.39 特性:すいすい 性格:わんぱく 個性:ちょっとおこりっぽい
メブキジカ♂ Lv.48 特性:てんのめぐみ 性格:ゆうかん 個性:ちからがじまん
バッジ 5個 図鑑 見つけた数:119匹 捕まえた数:13匹
主人公 曜
手持ち カメックス♀ Lv.50 ✿ 特性:げきりゅう 性格:まじめ 個性:まけんきがつよい
ラプラス♀ Lv.46 特性:ちょすい 性格:おだやか 個性:のんびりするのがすき
ホエルオー♀ Lv.41 特性:プレッシャー 性格:ずぶとい 個性:うたれづよい
ダダリン Lv.44 ✿ 特性:はがねつかい 性格:れいせい 個性:ちからがじまん
カイリキー♂ Lv.41 ✿ 特性:ふくつのこころ 性格:まじめ 個性:ちからがじまん
タマンタ♀ Lv.40 ✿ 特性:すいすい 性格:むじゃき 個性:こうきしんがつよい
バッジ 2個 図鑑 見つけた数:147匹 捕まえた数:23匹 コンテストポイント:48pt
主人公 善子
手持ち ゲッコウガ♂ Lv.48 特性:げきりゅう 性格:しんちょう 個性:まけずぎらい
ドンカラス♀ Lv.54 特性:じしんかじょう 性格:わんぱく 個性:まけんきがつよい
ムウマージ♀ Lv.48 特性:ふゆう 性格:なまいき 個性:イタズラがすき
シャンデラ♀ Lv.50 特性:もらいび 性格:れいせい 個性:ぬけめがない
ユキメノコ♀ Lv.42 特性:ゆきがくれ 性格:おくびょう 個性:こうきしんがつよい
アブソル♂ Lv.55 特性:せいぎのこころ 性格:ゆうかん 個性:ものおとにびんかん
バッジ 1個 図鑑 見つけた数:126匹 捕まえた数:52匹
主人公 花丸
手持ち ドダイトス♂ Lv.43 特性:しんりょく 性格:のうてんき 個性:いねむりがおおい
カビゴン♂ Lv.40 特性:くいしんぼう 性格:のんき 個性:たべるのがだいすき
デンリュウ♂ Lv.34 特性:プラス 性格:ゆうかん 個性:ねばりづよい
キマワリ♂ Lv.33 特性:サンパワー 性格:きまぐれ 個性:のんびりするのがすき
フワライド♂ Lv.30 特性:ゆうばく 性格:おだやか 個性:ねばりづよい
イノムー♂ Lv.40 特性:あついしぼう 性格:ようき 個性:たべるのがだいすき
バッジ 1個 図鑑 見つけた数:99匹 捕まえた数:40匹
主人公 ルビィ
手持ち アチャモ♂ Lv.39 特性:もうか 性格:やんちゃ 個性:こうきしんがつよい
メレシー Lv.35 特性:クリアボディ 性格:やんちゃ 個性:イタズラがすき
アブリボン♀ Lv.28 特性:スイートベール 性格:のんき 個性:のんびりするのがすき
ヌイコグマ♀ Lv.40 特性:もふもふ 性格:わんぱく 個性:ちょっとおこりっぽい
ゴマゾウ♂ Lv.41 特性:ものひろい 性格:さみしがり 個性:ものをよくちらかす
バッジ 0個 図鑑 見つけた数:82匹 捕まえた数:8匹
千歌と 梨子と 曜と 善子と 花丸と ルビィは
レポートを しっかり かきのこした!
...To be continued.
2: 2019/05/11(土) 14:01:31.54 ID:XqTkDbxP0
■Chapter070 『聖良の野望』
──中層船尾。梨子たち。
千歌「──わわ!? なんか揺れてる!?」
曜「すごい揺れだね……なんか起きてるのかな……?」
艦内の揺れに驚く二人を尻目に、
「ヨノワー……」
梨子「…………」
私は気絶して転がるヨノワールに視線を向ける。
すると、
「ヨマワーー……」「ワルワルーーー……」
戦闘直前から、ヨノワールの近くをふよふよと浮いていたヨマワルたちが掻き消えて行く。
恐らく、親玉が倒されて逃げて行ったのだろう。
曜「ヨマワルたちが……」
梨子「たぶん……ヨノワールがゴーストポケモン騒動のボスだったんだと思う」
千歌「! それじゃあ……!」
梨子「うん。たぶん、地方内のゴーストポケモンたちが旗本を失った状態になったから、直に沈静化すると思う」
曜「それなら、街に安全が戻るのも時間の問題だね……!」
千歌「よかったぁ……」
梨子「……うん」
肯定の意こそ示すものの……安心する二人とは逆に、私は少し難しい顔をする。
千歌「梨子ちゃん?」
曜「まだ、何か気になるの……?」
梨子「……真姫さんが言ってたこと、覚えてる?」
千歌「真姫さんが言ってたこと……? なんだっけ……?」
曜「もしかして……ゴーストポケモンの大量発生の理由がわかってないって言ってたやつ?」
梨子「うん」
私は曜ちゃんの言葉に頷く。
梨子「原因は絶てたとは思う……だけど、理由はまだわかってない」
千歌「理由……かぁ」
せいぜい、この飛空挺で皆が戦ってきたポケモンは全て、聖良さんとやらの計画に加担したポケモンだった。
梨子「私が倒したスリーパーはグレイブ団を操るために配置されたポケモンだった」
曜「ブルンゲルはルビィちゃんを攫う役割があったし、ドヒドイデはサニーゴを食べて珊瑚集めをしてたんだもんね。……結果として集めた珊瑚は使われなかったみたいだけど」
千歌「オンバーンも同じかな……。メテノから“ほしのかけら”を集めるために居た」
3: 2019/05/11(土) 14:03:51.13 ID:XqTkDbxP0
他にもバリヤードは艦首の部屋への入口を塞ぐという、かなり明瞭な理由を持ち合わせていた。
だけど……。
梨子「このヨノワールは……なんで、ゴーストポケモンを呼び寄せていたんだろう……」
千歌「……地方全体を混乱させるため?」
曜「確かにジムリーダーたちはそれで街から足止めを食らってるわけだし……一応理には適ってるのかな……?」
梨子「まあ……それはそうだね」
……やっぱり、それが理由なのかな……。
ゴーストタイプのポケモンが大量発生したら確かにイメージ的にも危機として認識されやすくはあるだろうし……。
でも……なにか釈然としない。
再び考え込みそうになったとき──
千歌「──あっ!!!?」
千歌ちゃんが大きな声をあげた。
曜「千歌ちゃん!? どうしたの……?」
千歌「私、善子ちゃんのところに戻らなきゃ……!!」
そう言って、部屋を飛び出そうとした、瞬間──
『その必要はないわ』
図鑑から、音声が聞こえてくる。
この声は……善子ちゃんだ。
千歌「! 善子ちゃん!」
善子『オンバーンなら、私が撃退したわ──』
* * *
善子「──オンバーンなら、私が撃退したわ」
千歌『ホントに!?』
天から、ガラス片や瓦礫が落ちてくる中、私は通話に応じる。
「ゲコガァ!!!」
ゲッコウガが絶えず、切り払ってくれているから、問題はないのだが。
戦闘を終え、アブソルは通常の姿に戻っていた。
どうやら、メガシンカは戦闘が終わると自動的に解除されるらしい。
実戦で使っていく最強戦力である以上、ちゃんとメガシンカを把握してかないとね……。
そんなことを考えながら、アブソルをボールに戻して、会話の続きに戻る。
善子「ええ。だから、これからずら丸の加勢に──」
『みんなぁーっ!!!』
4: 2019/05/11(土) 14:05:09.85 ID:XqTkDbxP0
……っと、噂をすればね。
図鑑の通話音声から、ずら丸の声が割り込んでくる。
花丸『ルビィちゃんの救出!! 成功したずらー!!』
善子「!」
ずら丸の勝利報告と、ほぼ時を同じくして、
──pipipipipipi!!!!!!
と、図鑑が共鳴音を発し始める。
花丸『ずら!? ま、また鳴り始めたずら!?』
共鳴音は3つの図鑑が正しい所有者の手元にある場合しか鳴らない。
──と言うことは、
『──みんな!!』
通話の先から聞き覚えのある声。
曜『その声……!!』
千歌『ルビィちゃん……っ!!』
善子「……全く、心配掛けさせんじゃないわよ、リトルデーモン」
ルビィ『花丸ちゃんからいろいろ聞いたよ。みんな、ありがとう……』
ルビィは通話の向こうでお礼を述べてくる。
千歌『もう! 何、水臭いこと言ってるの!』
曜『そうだよ! 私たち、学校の先輩なんだから!』
善子「……ま、まあ、リトルデーモンの危機に堕天使が手助けをしないわけにもいかないし」
ルビィ『えへへ……ありがと、千歌ちゃん、曜ちゃん、ヨハネちゃん。……それと、梨子さん』
梨子『! あ、その、いえ……! ルビィちゃん……? が無事でよかったよ』
ルビィ『はい……! 見ず知らずのルビィのために……ありがとうございます……!』
……言われてみれば、梨子とルビィって、これが初対面なのね。
いや、通話越しだから、まだ対面してないけど。
なんてことを考えていたら、
──ガタンッ!! と床が再び大きく傾く。
善子「わたたっ!?」
千歌『うわっ!? また、傾いた!?』
向こうも同じようだ。つまり、艦そのものがバランスを崩しているという証左。
花丸『あ、そうだったずら! ルビィちゃんの脱出の際に、制御室を壊しちゃったから、皆急いで脱出して欲しいずら……!!』
梨子『やっぱり……そういうことになってたんだね』
善子「そういうことは先に言いなさい!!」
私は上を見上げる。
5: 2019/05/11(土) 14:06:19.46 ID:XqTkDbxP0
天頂はオンバーンが吹き飛ばしてしまったため、視界の先には空が見える。
生憎、勝利にはやや相応しくない曇天だが……。
善子「私はこのまま、上から脱出するわ!」
千歌『じ、じゃあ、私たちは最初に入ってきた入口に戻って……!!』
梨子『い、急いで艦首の方に戻らないと……!!』
曜『あ、それなら、私が来た方に外に繋がる口があるよ!』
千歌『曜ちゃん、それホント!?』
曜『うん。ドヒドイデを倒した後、“ロッククライム”してるカイリキーに運んでもらう形で、壁とか天井を壊しながら、登ってきてたんだけど……その途中で、一度外に通じる外壁を間違えて壊しちゃって……危うく落ちかけたんだよね』
……曜から全然連絡がなかったと思ったら、そんなことになってたのね。
善子「……とにかく! 脱出経路があるなら、外で合流しましょう!」
千歌・梨子・曜『『『了解!』』』
通話を切り、ゲッコウガをボールに戻す。
善子「ドンカラス、まだ一仕事お願いね!」
「カァーーーー!!!!!」
──堕天使は黒翼を開き、ガラス片の舞う天頂へ向かって飛び出したのだった。
* * *
──クロサワの祠。鞠莉、ダイヤ、果南。
鞠莉「Oh...」
目の前では、圧倒的な存在感を示しているディアルガ。
そして、
「バァァァァーーールッ!!!!!!!!」
怒り狂ったように、パルキアが暴れ始める。
パルキアが腕を乱暴に振るうと──
果南「鞠莉ッ!!! 危ないっ!!!」
鞠莉「!?」
果南が飛びついてくる、
押し倒される、形で退けたその場所は──
鞠莉「……!!」
空間が切除され、地面から壁に向かって、巨大な爪で引っかいたような跡が出来上がっていた。
鞠莉「ご、ごめん、ありがとう果南……!!」
6: 2019/05/11(土) 14:08:07.79 ID:XqTkDbxP0
私はすぐさま、視線を前方の敵へと戻す。
「ディァァァ──」
鞠莉・果南「「!!」」
今度はディアルガが、僅かに開いた口に青白いエネルギーを収束している姿。
ダイヤ「ハガネール!!! メガシンカですわ!!!」
「ンネェェーーーーールッ!!!!!!」
ダイヤの声と共に、光り輝くハガネールが地中から飛び出し、ディアルガの身体に巻き付いていく。
ダイヤ「“たたきつける”!!」
「ンネェーーーーーールッッッ!!!!!!!」
メガハガネールが引き摺り落とすように、ディアルガを押し倒すと、
「ディア──ガァァァァァ!!!!!」
ディアルガの顔が、その拍子に上の方を向き、収束したエネルギーは天井に向かって暴発する。
ダイヤ「鞠莉さんっ!! 果南さんっ!! 伏せてくださいっ!!」
果南「!! 鞠莉っ!!」
鞠莉「!」
ダイヤの大声を聞いて、果南が再びわたしに覆いかぶさってくる。
──────。
天井に向かって一閃する青白い光は、聞いたこともない、形容するのも難しい、不可思議な轟音を響かせながら、天井を貫く。
空気が軋み、岩石が消滅し、その衝撃が地面を転がるわたしたちの元まで届いてくる。
これが、時空すらも歪めると言われるディアルガの最強の一撃──“ときのほうこう”……!!
ディアルガからのエネルギー放射が止まると──
攻撃を受けた天井の岩肌は、まるで最初からそういう形だったかのように刳り貫かれ、その穴の遠くには小さく空が見えていた。
果南「じ、冗談みたいな威力……!!」
ダイヤ「鞠莉さん!! 果南さん!!」
鞠莉・果南「「!!」」
再びダイヤの声に視線を戻すと、
「バァァァーーーール!!!!!!」
パルキアが暴れたまま、乱暴に尻尾を振るい、その衝撃波が迫っているところだった。
鞠莉「っ!! スターブライト号!!」
「ヒヒィーーーンッ!!!!!!!」
咄嗟に、ギャロップのスターブライト号を繰り出し、果南の手を引き、半ば無理矢理、騎乗して走り出す。
果南「っ!!」
間一髪で、“アクアテール”の衝撃波から、逃れるが……。
7: 2019/05/11(土) 14:10:04.29 ID:XqTkDbxP0
鞠莉「伝説ポケモン二匹相手……っ……」
果南「さすがに私たちでも荷が重いね……!!」
唯一の救いは、野生に還ったパルキアは暴れているだけで、わたしたちを積極的に狙っているわけじゃないというところだろうか。
鞠莉「こんなことなら、さっさとスナッチするべきだった……!!」
スナッチマシーン自体、まともにチューンする暇もなかったから、どれくらいまともに動くかの問題もあって、出来れば使いたくなかったと言うのが、甘い考えだった。
果南「いや、結果としては、使わなくてよかったと思う」
鞠莉「……今、慰めなんか……!!」
果南「どっちにしろ、ディアルガの召喚は誰にも防げなかった。それに、マスターボールは一個しかないんでしょ?」
鞠莉「それは……そうだけど……っ!!」
果南「スナッチの対象がディアルガに移っただけだよ。パルキアは野生に還ったんだったら、普通に捕獲出来る。まだ失敗だって、嘆くほどじゃない」
鞠莉「果南……うん」
後悔している場合じゃない。
こうなったら、ディアルガをスナッチマシーンで捕獲し、パルキアを通常の捕獲で無力化する必要がある。
鞠莉「果南の言う通り、マスターボールは1個しかない。出来る限り、スナッチマシーンでディアルガに対して使用したいことを考えると、パルキアは通常のボールで捕獲するしかない」
果南「なら、パルキアは極力弱らせる必要があるね」
この状況で、出来るのか……?
わたしは思案しながら、スターブライト号を操りながら、二匹のポケモンの標的にされないように、大回りでダイヤの居る元へと走る。
ダイヤ「お二人とも……!! 無事ですか!?」
辿り着くと、ダイヤはメガハガネールへの指示のためか、ディアルガの方を向いたまま、声だけで安否の確認を求めてくる。
鞠莉「ええ、お陰様で!」
果南「それより、また聖良の様子、またおかしくない……?」
果南に言われて、聖良の方に視線を配ると、
彼女はわたしたちにも、ディアルガやパルキアからも背を向けた状態で、
祠に向かって──
聖良「──さぁ、どうですか!? ディアルガもパルキアもこの手に御した私を放っておいていいんですか!?」
そう叫んでいた。
鞠莉「……あれは、なにしてるの……?」
ダイヤ「わかりません……ですが、何かを企んでいるのは、確実ですわ……!」
果南「なら……先に潰すしかない……!! ラグラージ!!」
「ラァグ!!!!!」
そう言って、果南が再びメガラグラージに飛び乗って、飛び出す。
果南「“アクアジェット”!!」
「ラァグッ!!!!」
8: 2019/05/11(土) 14:11:50.30 ID:XqTkDbxP0
水流を身に纏い、ラグラージが加速する。
メガハガネールに組伏されたディアルガと暴れるパルキアの間を縫うように通りぬけ、聖良の元へ一直線に近付き、
聖良「──さぁ……!!」
依然、背を向け、祠に向かって声を張り上げる聖良に向かって、
果南「“アームハンマー”!!!」
「ラァグッ!!!!!!」
拳を振り下ろした──が、
その拳は聖良に届くすんでのところで、突然現われた分厚い氷の壁に遮られる。
「────シャラシャラ」
大きな雪の結晶のようなポケモンが、ラグラージの攻撃を防いでいた。
果南「フリージオ……!?」
聖良「……邪魔しないで貰えますか?」
その氷の壁はそのまま、防いだラグラージの拳を巻き込んで大きく氷結結晶化していく。
鞠莉「果南っ!!」
「ヒヒィンッ!!!!!」
わたしはスターブライト号の横腹を足で打ち、走り出す。
「バァァァーーールッ!!!!!!!」
幸いパルキアは、わたしたちとは全然違う方向を向いて、攻撃の構えを──
鞠莉「……え!?」
ダイヤ「!!? パルキアが攻撃しとうとしてるのは、入江の壁ですわ!!」
鞠莉「穴を開けて、外に逃げようとしてる……!?」
「バァァァーーーールッ!!!!!!!」
パルキアが腕を振るうと、岩肌が豆腐でも切るかのように、切り裂かれ、
その隙間から外の光が差し込んでくる。
鞠莉「不味い……!! スターブライト号!! “ほのおのうず”!!」
「ヒヒィィーーーンッ!!!!!!!!」
どうにか拘束しようと、技を放つが──
次の瞬間、今度は祠の方から、
──巨大な影が飛び出してきた。
果南「!?」
鞠莉「今度は何!?」
巨大な影──それは比喩ではなく、まさしく巨大な影の塊だった。
次から次へと起こる事態に、この場に居る人間は誰も頭が追いつかない。
9: 2019/05/11(土) 14:13:21.68 ID:XqTkDbxP0
聖良「……やっと、来ましたか」
聖良を除いて──。
「──────」
果南「……な、に……これ……?」
まさにそれは巨大な影だった。
異様な雰囲気の影。
存在を感じないのに、圧倒的な存在感を示し、
啼いてもいないのに、その啼き声からは全身に重低音をぶつけられたような音圧を感じる。
ダイヤ「なん、ですか……あれは……?」
鞠莉「ま……さか……!?」
この異様なポケモンに対して、研究者の自分は、僅かながらだが、心当たりがあった。
鞠莉「──ギラティナ……」
影はどんどん大きくなっていく。
鞠莉「!! マフォクシー!! “かえんほうしゃ”!!」
──私は咄嗟に叫ぶ。
「マフォッ!!!!」
ラグラージを捕まえている、フリージオ向かって、後方からマフォクシーが火炎を吹き付けるが、
「────シャラン」
フリージオの分厚い氷は、マフォクシーの炎でもなかなか溶けない。
鞠莉「果南ッ!! 逃げてッ!!!!!」
果南「……っ!!」
私は叫ぶ。
直後、今度は、そんなわたしの背後から、通り過ぎるように、紫色の飛行体が、聖良の元へと飛んで行く。
鞠莉「……!?」
理亞「ねえさま!!」
ダイヤ「……! あれは……理亞さん……!?」
理亞はラグラージを凍らされ身動きが取れない果南を一瞥してから、
理亞「ねえさま……ごめんなさい、飛空挺。堕とされた……」
悔しそうに顔を歪めながら、謝罪をする。
聖良「理亞……大丈夫ですよ。計画は順調に進んでいます。見てください」
10: 2019/05/11(土) 14:15:09.60 ID:XqTkDbxP0
聖良はそう言いながら、目の前の影に向き直った。
聖良「この──ギラティナが……私たちを連れて行ってくれますよ」
聖良の言葉と共に、影は更に大きくなり、彼女たちを呑み込んで行く。
──もちろん、近くに居た果南ごと。
鞠莉「果南ッ!!!!!!」
わたしは叫んで、スターブライト号と共に飛び出す。
果南「ッ……!! ラグラージ!! “じならし”!!」
「ラァグッ!!!!!」
鞠莉「!?」
だが、ラグラージの“じならし”で動きを止められる。
鞠莉「果南!?」
果南「鞠莉ッ!! 来ちゃダメ!!」
鞠莉「果南ッ!!!! 自分だけ犠牲になんて、許さないわよ……ッ!!!!」
叫ぶ。
果南「違う、そうじゃないッ!!」
鞠莉「ッ!?」
果南「もし鞠莉まで、いなくなったら、ディアルガとパルキアはどうすんの!? ダイヤ一人で相手するなんて無理でしょ!!?」
鞠莉「!!」
果南の言葉にハッとする。まだ戦闘は終わっていないんだ。
果南「私は絶対戻ってくるから!!! 鞠莉はダイヤと一緒にディアルガとパルキアを止め────」
言葉ごと喰い尽くすように、影は果南と聖良と理亞を飲み込んで……。
──消えてしまった。
鞠莉「!! 果南…………!!」
そこに残っていたのは、立派な装飾の祠だけだった。
「ディアガァァァァ──」
「ンネェーーール!!?」
ダイヤ「……っ!! ハガネール……っ!!」
“ときのほうこう”の反動で僅かに大人しくなっていた、ディアルガが再びパワーを取り戻し始めたのか、メガハガネールの拘束を振りほどく。
「バァァァァーーール!!!!!!!」
パルキアは、自ら作った切れ目から、外に向かって乱暴に前進をしている。
鞠莉「…………何よ、どいつもこいつも」
果南も果南だ。いつも自分のことなんて顧みずに、わたしの気持ちなんて考えずに、一人で戦いに行ってしまうのだ。
11: 2019/05/11(土) 14:16:56.24 ID:XqTkDbxP0
鞠莉「……いいじゃない。やってやろうじゃない……!!」
わたしはボールを放る。
「マフォッ」「サナッ」「──ウィー、ピコピコ」「──ブブブ」「ヒヒィーン!!!!!」
鞠莉「マフォクシー、サーナイト、ポリゴンZ、ビークイン、スターブライト号……!! やるわよ!!」
ありったけの手持ちを繰り出して。わたしは体勢を立て直したディアルガに向き直る。
ダイヤ「鞠莉さん……!!」
ダイヤがこちらに駆け寄ってくる。
鞠莉「ディアルガを最速で捕まえて……パルキアも追っかけて捕まえて……!! 果南を助けに行く……!!」
「ディアガァァァァァァ!!!!!!!」
わたしは手持ちとともに、ディアルガに向かって──飛び出した。
* * *
──飛空挺、脱出口。千歌たち。
曜ちゃんの案内で飛空挺の外へ飛び出す、私たち。
千歌「ムクホーク!!」
「ピィィィーーーー!!!!!!」
梨子「ピジョット!!」
「ピジョットォォォ!!!!!!」
千歌「曜ちゃん! 乗って!!」
曜「うん!!」
曜ちゃんを乗せて、ムクホークと一緒に飛び立つ。
──そこは見慣れた海の上空。
千歌「ここ……スルガ海!!?」
曜「……うん、すぐ近くにアワシマも見える……!!」
気付けば飛空挺は随分とクロサワの入江に近付いていたようだった。
そんな私たちの上に、ポツポツと──
梨子「……雨」
雨が降って来る。
──ポツポツと降って来た雨は、冗談のように、一気に雨足を強め。
千歌「わわ!? す、すごい雨……!?」
雲の中で雷がゴロゴロと音を立て始める。
12: 2019/05/11(土) 14:18:56.06 ID:XqTkDbxP0
善子「──千歌っ!!!」
そこへ声を掛けながら飛んでくる善子ちゃん。
善子「リリーも、曜も!! あれ見て!!」
善子ちゃんが入江の方を指差す──そこには。
大きな白い体躯に、肩関節に見えるのは大きな宝玉。
あのポケモンは──
千歌「パルキア……!?」
曜「あ、あれが……」
梨子「パルキア……!」
善子「ま、鞠莉たちが捕獲したやつ……よね……?」
善子ちゃんが顔を引き攣らせて、そう言う。
「バァァァァッァーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
千歌「わぁーーーっ!!?」
曜「お、怒ってる……!?」
梨子「まさか、捕獲出来てない……!?」
善子「まあ……そうじゃないかとは思ってたわよ……!!」
パルキアは前進を初め、入江から海へと歩を進める。
善子「こっち来るわよ!! どうする!?」
梨子「ど、どうするって……!」
千歌「……私たちで止めよう……!」
善子「!? 千歌!? 本気!?」
曜「鞠莉さんたちがパルキアを追ってきてないってことは……追えない事情があるんだよね」
追えない事情……鞠莉さんたちの手が回らない何かが起きてる……。
だったら……ううん、だからこそ、
千歌「今あれを止められるのは私たちしかいない……!!」
曜「やるしかない……ってことだよね……!!」
梨子「千歌ちゃん……!! 行こう……!!」
善子「……あーもう、わかったわよっ!! 地獄の果てまで付き合ってあげるわよっ!?」
「ロトッ!? ホントに行くロト!?」
善子「ロトム、あんたは私のバッグにでも隠れてなさい!!」
「り、了解ロト……ッ」
「バァァッァーーーーーール!!!!!!!!!!」
千歌「皆、行くよーーーーっ!!!!」
私たち4人はパルキアに向かって、飛び出した。
13: 2019/05/11(土) 14:19:38.98 ID:XqTkDbxP0
* * *
──1番道路。
海未「──飛空挺が……」
見据える先、上空では、飛空挺が煙を上げて、墜落しそうになっている。
それも、こちら1番道路に向かって。
絵里「ふふ、千歌ちゃんたち、やり遂げたみたいね」
海未「……当然です」
敵旗艦を航行不能に追い込んだ。恐らく、ルビィの救出は成功したと判断していいでしょう。
絵里「じゃあ、ここからは私たちの仕事ね」
海未「ええ、お願いします。絵里」
こちらに向かって墜落してくる、巨大な飛空挺。
あんなものが地面に直撃したら、大きな被害になる。
だから、こうして待機していたのだ。
絵里「行くわよ! キュウコン!!」
「コーーーンッ!!!!!!」
海未「エルレイド」
「エルレッ!!!!」
14: 2019/05/11(土) 14:20:09.32 ID:XqTkDbxP0
──迫る飛空挺。
絵里「…………」
絵里が静かに前に躍り出る。
眼前の飛空挺に向かって──
絵里「──“ぜったいれいど”」
──飛空挺は、凍り付いて、止まった。
そして、その背後から、凍らせきれなかった大きめの瓦礫が飛んでくる。
海未「……“いあいぎり”!!」
「エルッ」
その瓦礫を微塵に切り裂く。
絵里「……さすがね」
海未「絵里も、お見事です」
讃えあうが、その背後からは、まだ細々とした瓦礫が降って来ている。
海未「……骨が折れそうですね」
エルレイドと共に再び構える。
海未「この先……一片たりとも、通しませんよ」
「エルレ!!!」
私の言葉と共に、エルレイドが刃を振るった──。
15: 2019/05/11(土) 14:21:48.96 ID:XqTkDbxP0
>レポート
ここまでの ぼうけんを
レポートに きろくしますか?
ポケモンレポートに かこんでいます
でんげんを きらないでください...
【スルガ海】【クロサワの入江】

16: 2019/05/11(土) 14:22:34.27 ID:XqTkDbxP0
主人公 千歌
手持ち バクフーン♂ Lv.53 特性:もうか 性格:おくびょう 個性:のんびりするのがすき
トリミアン♀ Lv.47 特性:ファーコート 性格:のうてんき 個性:ひるねをよくする
ムクホーク♂ Lv.54 特性:すてみ 性格:いじっぱり 個性:あばれることがすき
ルガルガン♂ Lv.49 特性:かたいツメ 性格:わんぱく 個性:こうきしんがつよい
ルカリオ♂ Lv.52 特性:せいぎのこころ 性格:ようき 個性:ものおとにびんかん
バッジ 7個 図鑑 見つけた数:146匹 捕まえた数:13匹
主人公 梨子
手持ち メガニウム♀ Lv.50 特性:しんりょく 性格:いじっぱり 個性:ちょっぴりみえっぱり
チェリム♀ Lv.46 特性:フラワーギフト 性格:むじゃき 個性:おっちょこちょい
ピジョット♀ Lv.46 特性:するどいめ 性格:ひかえめ 個性:ものおとにびんかん
ネオラント♀ Lv.39 特性:すいすい 性格:わんぱく 個性:ちょっとおこりっぽい
メブキジカ♂ Lv.48 特性:てんのめぐみ 性格:ゆうかん 個性:ちからがじまん
バッジ 5個 図鑑 見つけた数:121匹 捕まえた数:13匹
主人公 曜
手持ち カメックス♀ Lv.50 ✿ 特性:げきりゅう 性格:まじめ 個性:まけんきがつよい
ラプラス♀ Lv.46 特性:ちょすい 性格:おだやか 個性:のんびりするのがすき
ホエルオー♀ Lv.41 特性:プレッシャー 性格:ずぶとい 個性:うたれづよい
ダダリン Lv.44 ✿ 特性:はがねつかい 性格:れいせい 個性:ちからがじまん
カイリキー♂ Lv.41 ✿ 特性:ふくつのこころ 性格:まじめ 個性:ちからがじまん
タマンタ♀ Lv.40 ✿ 特性:すいすい 性格:むじゃき 個性:こうきしんがつよい
バッジ 2個 図鑑 見つけた数:149匹 捕まえた数:23匹 コンテストポイント:48pt
主人公 善子
手持ち ゲッコウガ♂ Lv.48 特性:げきりゅう 性格:しんちょう 個性:まけずぎらい
ドンカラス♀ Lv.54 特性:じしんかじょう 性格:わんぱく 個性:まけんきがつよい
ムウマージ♀ Lv.48 特性:ふゆう 性格:なまいき 個性:イタズラがすき
シャンデラ♀ Lv.50 特性:もらいび 性格:れいせい 個性:ぬけめがない
ユキメノコ♀ Lv.42 特性:ゆきがくれ 性格:おくびょう 個性:こうきしんがつよい
アブソル♂ Lv.55 特性:せいぎのこころ 性格:ゆうかん 個性:ものおとにびんかん
バッジ 1個 図鑑 見つけた数:126匹 捕まえた数:52匹
主人公 鞠莉
手持ち マフォクシー♀ Lv.68 特性:マジシャン 性格:がんばりや 個性:ちょっぴりみえっぱり
ギャロップ♀ Lv.66 特性:ほのおのからだ 性格:おとなしい 個性:のんびりするのがすき
サーナイト♀ Lv.70 特性:トレース 性格:まじめ 個性:かんがえごとがおおい
ビークイン♀ Lv.64 特性:きんちょうかん 性格:すなお 個性:うたれづよい
ポリゴンZ Lv.64 特性:てきおうりょく 性格:なまいき 個性:イタズラがすき
?????? ?? 特性:????? 性格:???? 個性:??????
バッジ 8個 図鑑 見つけた数:468匹 捕まえた数:311匹
主人公 ダイヤ
手持ち ジャローダ♀ Lv.69 特性:あまのじゃく 性格:いじっぱり 個性:まけんきがつよい
メレシー Lv.66 特性:クリアボディ 性格:まじめ 個性:とてもきちょうめん
ミロカロス♂ Lv.70 特性:かちき 性格:れいせい 個性:まけんきがつよい
ハガネール♀ Lv.72 特性:がんじょう 性格:ゆうかん 個性:ちからがじまん
オドリドリ♀ Lv.63 特性:おどりこ 性格:おっとり 個性:とてもきちょうめん
アマージョ♀ Lv.67 特性:じょおうのいげん 性格:さみしがり 個性:あばれることがすき
バッジ 8個 図鑑 見つけた数:267匹 捕まえた数:113匹
千歌と 梨子と 曜と 善子と 鞠莉と ダイヤは
レポートを しっかり かきのこした!
...To be continued.
続き:【ラブライブ】千歌「ポケットモンスターAqours!」【その15】
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