1: 2012/02/14(火) 21:57:35.42 ID:IoSjKYri0

――まどかの部屋



QB「……というわけで、君はすごい才能を持ってるんだよ」

まどか「うーん……実感わかないなあ」

QB「まあ、僕の方はいつでも準備は出来てるからね」

QB「ゆっくり願い事を考えるといいさ」

まどか「うん、わかった」

まどか「……あ、キュゥべえ? ちょっと質問しても良い?」

QB「なんだい? 何でも聞いていいよ」


まどか「あのさ、キュゥべえって男の人とは契約できないの?」


2: 2012/02/14(火) 22:02:20.27 ID:IoSjKYri0

QB「え?……まあ、出来なくはないけど」

QB「どうしてそんなことを聞くんだい?」

まどか「いや、だって……魔女ってすごく強いし、怖いし」

まどか「私みたいなのより、男の人の方が上手く戦えるんじゃないのかな、って」

QB「……そうだね、君の言うことも一理ある」

QB「けど、魔女と魔法少女の戦いは、魔法が主となるからね」

QB「物理的な強さはそこまで重要じゃないのさ」

QB「それよりかは、才能の方がはるかに大事だね」

まどか「なるほど……あ、でも、すっごい才能を持った男の人が居たらどうするの?」

5: 2012/02/14(火) 22:06:58.80 ID:IoSjKYri0

QB「残念だけど、そういう人はほとんど居ないんだ」

QB「……それに男性はね、契約しても魔法少女にはなれないんだ」

まどか「そうなの? ……ああ、魔法少年になっちゃうもんね」

QB「魔法少年、という言い方はあまり適切では無いけど……まあいいか」

QB「まあ端的に言えば、魔法少女とは全く別物になってしまうんだね」

まどか「へえ……どんな風になるの?」

7: 2012/02/14(火) 22:14:20.75 ID:IoSjKYri0

QB「うーん……まず、女性と男性では、魔力の質が全然違うんだ」

QB「場合によっては、女性の力よりもはるかに強力だったりするよ」

まどか「そうなの!? 強いこともあるんだ……」

QB「……まあ、デメリットもあるからね、あまり男性との契約はしないなあ」

まどか「そっか……」

QB「そんなことより、今日はもう寝たほうがいいんじゃないのかい?」

まどか「あ、もうこんな時間……そうだね、もう寝ようか」

まどか「一緒に寝る?」

QB「いや、遠慮しておくよ……悪夢を見ている時の君は、僕を潰しかねない」

まどか「えー? ひどいなあ」

QB「さあさあ、電気を消すよ」

まどか「はーい……おやすみ」

QB「おやすみなさい」


…パチン

9: 2012/02/14(火) 22:21:49.34 ID:IoSjKYri0

………………………


――翌日、放課後 病院の駐輪場


マミ「……ここね」パアアア…


ブオン…


マミ「キュゥべえ、状況は?」

QB『まだ大丈夫、すぐに孵化する様子は無いよ』

まどか『さやかちゃん、大丈夫?』

さやか『平気平気、退屈で居眠りしちゃいそう』

QB『むしろ、迂闊に大きな魔力を使って卵を刺激する方がまずい』

QB『急がなくていいから、なるべく静かに来てくれるかい?』

マミ『わかったわ』


ブオン…

11: 2012/02/14(火) 22:26:02.13 ID:IoSjKYri0

…………………………


――お菓子の魔女の結界



マミ「無茶しすぎ……って怒りたい所だけど、今回に限っては冴えた手だったわ」

マミ「これなら魔女を取り逃がす心配も……っ!」

まどか「え?……あっ!」

ほむら「…………」

マミ「……言ったはずよね? 二度と会いたくないって」

12: 2012/02/14(火) 22:29:40.91 ID:IoSjKYri0

ほむら「今回の獲物は私が狩る」

マミ「そうもいかないわ、美樹さんとキュゥべえを迎えに行かないと」

ほむら「その二人の安全は保証するわ」

マミ「……信用すると思って?」

ほむら「……っ!」バッ!


ヒュオオオ…!


ほむら「……はっ!」シュンッ!

マミ「っ!?」

まどか「消え、た……?」

マミ「……取り逃がしちゃったか」

マミ「後で邪魔してこないといいけど……」

マミ「まあ、とりあえず今は先を急ぎましょう」

まどか「は、はい……」

13: 2012/02/14(火) 22:34:26.36 ID:IoSjKYri0

……………………………

――クッキーの陰


ほむら「……ふう、危なかった」

ほむら(なんとか変身が間に合ったから良いけど……)

ほむら(まったく、困ったものね)

ほむら(……今回の魔女は、油断していればあの人でもやられるほどなのに)

ほむら「…………」

ほむら「でも、こうなったからには……」


ほむら「……少し利用させてもらうわよ、巴マミ」



14: 2012/02/14(火) 22:38:35.14 ID:IoSjKYri0

…………………………

――通路


マミ「体が軽い……」

マミ「……こんな幸せな気持ちで戦うなんて初めて」

マミ「もう何も怖くない!」


マミ「……私、一人ぼっちじゃないもの!」

16: 2012/02/14(火) 22:42:12.59 ID:IoSjKYri0

――お菓子の魔女の間


マミ「おまたせ!」

さやか「ああ、間に合った……」

QB「気をつけて! 出てくるよ!」

まどか「……!」


ブワッ! …ポムン


シャルロッテ「キュルウウ…」


バキッ!


マミ「せっかくのところ悪いけど……」


マミ「……一気に決めさせて!」

18: 2012/02/14(火) 22:45:07.52 ID:IoSjKYri0

マミ「もらうわよ!」バンッ!バンッ!


シュルルルルル…


さやか「いやったあ!」

まどか「あ……!」

マミ「ふふっ……」シュルルルル ジャキン!



マミ「ティロ・フィナーレ!!」ドオンッ!



――――ズルッ



マミ「……え?」

20: 2012/02/14(火) 22:47:33.03 ID:IoSjKYri0


カチッ!


―――――――――


まどか「……あれ?」

まどか「何これ……皆、止まってる?」キョロキョロ

ほむら「……私が止めてるのよ」

まどか「ほむらちゃん!? どうして……」

ほむら「これが私の力だから……離れないで、あなたの時間まで止まってしまう」

まどか「う、うん……」

21: 2012/02/14(火) 22:50:44.17 ID:IoSjKYri0

まどか「でも、どうして私だけ……?」

ほむら「……あなたに、あれを見せたかったから」

まどか「あれ、って……っ!!」


シャルロッテ「」

マミ「」


まどか「あっ……! マミさんが、食べられちゃう!!」ダッ

ほむら「落ち着いて!」ガシッ

ほむら「時間が止まっている間になんとかすれば、巴マミは十分助かるわ」

まどか「あ、そ、そっか……」スッ

24: 2012/02/14(火) 22:55:40.70 ID:IoSjKYri0

まどか「じゃあ、早く助けてあげて!」

ほむら「…………」

まどか「……ほむらちゃん?」

ほむら「さっき、あのリボンに私が捕らえられていたら……」

ほむら「……どうなってたと思う?」

まどか「あ、それは……」

ほむら「…………」

ほむら「よく見ていなさい、まどか」


ほむら「魔法少女として戦うということが、どういうことなのか!」


カチッ!


――――――――

26: 2012/02/14(火) 22:57:20.58 ID:IoSjKYri0

まどか「……え? ああっ!!」


シャルロッテ「…………」ズオオオオ…

マミ「あ……」


まどか「……いやあああああ!!」



カチッ!


――――――――

30: 2012/02/14(火) 23:03:06.77 ID:IoSjKYri0

まどか「あ……うう……」ガタガタ

ほむら「……安心しなさい、ちゃんと食べられる前に止めたわ」


シャルロッテ「」

マミ「」


まどか「は……はあああ……」ヘタッ

まどか「良かっ、たあ……」

ほむら「ゲームしましょうか?」

まどか「え……?」


ほむら「巴マミが氏ぬまで、何回時間を止められるか……賭けようって言ってるの」


まどか「ふっ……ふざけないで!」ガッ

ほむら「……ふざけてるのはあなたよ!!」

まどか「っ!!」

34: 2012/02/14(火) 23:09:10.51 ID:IoSjKYri0

ほむら「……魔法少女っていうのは、そんなつまらないお遊びでも氏ぬのよ?」

ほむら「どんなに強かろうが、才能があろうが……簡単に氏ぬ」

まどか「……!!」

ほむら「契約するのは簡単よね? ケーキを出して、っていう願いでも契約できるわ」

まどか「あ……」

ほむら「……この道はね、入るのも迷うのも力尽きるのも、とても簡単なの」


ほむら「でも、出ることだけは……出来ない」


まどか「……っ」

ほむら「……わかった? あなたが憧れてた魔法少女がどういうものなのか」

まどか「……うん、わかった」

35: 2012/02/14(火) 23:11:22.77 ID:IoSjKYri0

ほむら「……なら、二度と魔法少女になろうなんて思わないことね」

まどか「…………」

ほむら「戦いは……あなたの仕事じゃないわ」スクッ

まどか「……っ!」


ガシッ!



ほむら「……? まどか?」

まどか「……ちょっと待ってよ」

38: 2012/02/14(火) 23:19:21.73 ID:IoSjKYri0

ほむら「何? まだ何か言いたいことがあるの?」

まどか「あるよ!……だって」


まどか「どうしてほむらちゃんが……戦わなきゃいけないの!?」


ほむら「え……」

まどか「ほむらちゃんだって私と同じでしょ!? ただの中学生でしょ!!」

まどか「……なのに、なんで戦わなくちゃいけないの?」

まどか「どうしてそんなに平気な顔してるの!?」

ほむら「それは……」

まどか「さっきから私のことばっかりで、自分のことは何も言わないじゃない」


まどか「……ほむらちゃんだって、辛いんでしょ?」


ほむら「……っ!」

44: 2012/02/14(火) 23:25:44.55 ID:IoSjKYri0

ほむら「……でも、じゃあどうしろっていうの!?」

ほむら「魔女を放っておけば、人が氏ぬのよ! それに私達だって……」

ほむら「……魔女を倒して、ソウルジェムを浄化しなければ大変なことになる」

ほむら「嫌だからって、辛いからって立ち止まれないの!!」


ほむら「戦い続けるしか無いのっ!!」


まどか「……そんなのおかしいよ」

ほむら「じゃあどうするっていうの?」

ほむら「このまま、巴マミが食べられるのを黙って見てるの!?」ビッ

まどか「……ううん、それは絶対嫌」

ほむら「それならっ……」


まどか「だから……私が守る」


ほむら「……え?」

46: 2012/02/14(火) 23:32:18.85 ID:IoSjKYri0

まどか「…………」

ほむら「一体何を……」

まどか「……ちょっとごめんねっ!」ドカッ

ほむら「え? わ、きゃあっ!」グラッ… ドサッ


QB「……あれっ? これは一体……」


ほむら「あ、まずい……」

まどか「やっぱり、触ってれば動けるんだね!」

ほむら「まどか!? ……まさか!」

QB「えーっと……ほむら? 周りが止まっているけど、これは君の」

まどか「キュゥべえ! そんなことより、私と今すぐ契約して!」

ほむら「っ!?」

52: 2012/02/14(火) 23:38:32.89 ID:IoSjKYri0

QB「え? ま、まあ……いいけど」

ほむら「くっ……! させるか!!」ジャキッ

まどか「邪魔しないで!!」ガシッ!

ほむら「っ!! ……まどか!」

QB「えーっと、早めにすませた方がよさそうだねこれは」

QB「願い事はなんだい? まどか」

まどか「キュゥべえ、私を……」

ほむら「まどかっ! お願いだからやめてえっ!」バタバタ

QB「……私を?」



まどか「……私を、男にして! キュゥべえ!」



QB「……なっ! その願いは……!!」



………カッ!!!

58: 2012/02/14(火) 23:42:53.05 ID:IoSjKYri0


ゴッ!!


ほむら「……きゃああっ!!」ゴロゴロ…


ドサッ


ほむら「う、うう……突風……?」

ほむら「……あっ!!」

ほむら「まずい、時間停止が解けてる……! このままじゃ魔女が!」タッ



ドゴオオッ!!!



ほむら「!?……今の音は?」ビリビリ…

62: 2012/02/14(火) 23:50:16.71 ID:IoSjKYri0


マミ「……え?」

マミ「あれ……私、生きてる?」


まどか「……大丈夫ですか、マミさん」


マミ「あ、鹿目……さ、ん?」

マミ「その格好は……契約したの?」

まどか「あー、なんだ、あんまり可愛くない服でしたね」パンパン

まどか「……ってあたりまえか」

ほむら「まどか! 今のは……」タッタッタッ

まどか「ああほむらちゃん、ちょうど良かった」シュルッ…

まどか「このリボン、預かってて」ヒョイッ

ほむら「え……? まさか、あなた……」



まどか「リボンなんて、『僕』がつけてるのも……変だしね」

68: 2012/02/14(火) 23:56:09.91 ID:IoSjKYri0

ほむら「そんな……」

マミ「え?え?何があったの?」アタフタ

まどか「えっと、これは……」


ガラッ…


QB「あーあ、やっちゃった……」フラフラ

マミ「あ、キュゥべえ! ねえ、何があったの?」

QB「……まどかは、彼風に言うなら『魔法少年』になったのさ」

マミ「魔法少年……?」

まどか「まあ、そういうことです」

まどか「……さてと、あとの説明は任せたよ、キュゥべえ」

QB「え?」

まどか「あれ……まだ、生きてるみたいだからさ」


シャルロッテ「……オオオ……」ズルッ… ズルッ…

77: 2012/02/15(水) 00:03:13.93 ID:0nqHwfQV0

ほむら「……うっ!」

マミ「うわ……」ゾクッ

QB「……顔の側面に穴が空いてるね」

QB「ま、まどかの才能を考えれば、原型を留めてるだけでも驚きだけど」


シャルロッテ「アアア……イ……タ……」


まどか「……じゃあ、そういうことだから」

まどか「ちょっと、止めさしてくるね」スタスタ

ほむら「でも、まどか!」

まどか「大丈夫……僕は絶対負けないから、安心して」

まどか「……それに」



まどか「戦いは男の仕事、ってね!!」ゴッ!!




83: 2012/02/15(水) 00:10:27.88 ID:0nqHwfQV0

シャルロッテ「ア……ア……」ズルズル

まどか「……逃げられない、よっ!!」ドガッ!!


グシャッ…!


シャルロッテ「――――!!!」


マミ「す、すごい……どんな魔法の使い方をすれば、あんな……」

QB「……彼は魔法なんて使ってないよ」

QB「いや、使えない、というべきかな」

ほむら「え? そんな……じゃあ、どうやってあの状況から魔女を攻撃したというの?」

QB「別に? ただ走って殴った、それだけさ」

ほむら「それだけって……」

86: 2012/02/15(水) 00:16:34.86 ID:0nqHwfQV0

QB「……そもそも、男性と女性とじゃ魔力の質がまるで違うんだ」

QB「女性が持つのは曲線的、柔軟で個性的な力」

QB「対して男性が持つのは、直線的な力……シンプルで強力な、純粋な破壊の力さ」

マミ「身体能力の向上……ってこと?」

QB「そう……魔法少年はソウルジェムを持たず、魔法の類が一切使えない」

QB「そのかわり、自分が持てる魔力の全てを、物理的なエネルギーに当てることができる」

QB「まどかほどの才能なら、その力は……君たちなんて比べ物にならないだろう」

94: 2012/02/15(水) 00:24:56.13 ID:0nqHwfQV0

ほむら「……ちょっと待って」

QB「? なんだい?」

ほむら「今、ソウルジェムが無い……と言ったわね?」

QB「ああ、そうだよ」

QB「君も見てただろう? 本来ならソウルジェムになるはずの光が再吸収されるのを」

QB「今は彼の血液の一部となって、全身を廻っているよ」

ほむら「じゃ、じゃあ……グリーフシードは、どうやって……」

QB「君はそんなことも知っているのかい? ……まあいいか」


QB「そうだよ、魔法少年は魔女にはならない……なんだか変な言い方だけどね」


ほむら「……!!」

マミ「………?」


ほむら(なら……もう、良いの?)

ほむら(これで全部、上手くいく……?)

100: 2012/02/15(水) 00:30:15.05 ID:0nqHwfQV0


シャルロッテ「――! ――!」ズルズル

まどか「あー……ごめんね、思ったより時間かけちゃって」

まどか「けんかなんてしたこと無かったから……」

まどか「……殴り方、わからなくって」

シャルロッテ「――!――!」ガタガタ…

まどか「でも大丈夫、もうだいたいコツは掴んだから」コキッコキッ

まどか「怖がらなくたって良いよ?」



まどか「もう痛くないように……次の一撃で粉々にしてあげるから」グッ…



シャルロッテ「―――――!!!」


104: 2012/02/15(水) 00:35:26.20 ID:0nqHwfQV0

…………………………


――まどかの部屋



チュン… チュチュン… キバヲムク



まどか「……ふあ?」パチッ

まどか「また、夢オチ……?」ムクッ ポリポリ


QB「……なわけない、だろう……」

まどか「わっ! き、キュゥべえ?」

まどか「……なんか、細くない?」

QB「君が……細くしたんじゃないかあ……」

まどか「え? あ……もしかして、また抱きしめて寝ちゃった?」

QB「わけが……わからな……ぎゅっ」ドテッ

まどか「キュゥべえ? キュゥべえーっ!」ユサユサ

106: 2012/02/15(水) 00:39:59.68 ID:0nqHwfQV0

――洗面台



まどか「…………」シャカシャカ

詢子「…………」シャカシャカ

QB「」ブクブク…

まどか(……水を吸って元に戻るって……そんな乾燥わかめみたいな)

まどか(本当に生き物なのかなあれ?)ジーッ

詢子「……まどか? 何見てるの?」

まどか「えっ? いや、なんでも無いよ……」シャカシャカ

109: 2012/02/15(水) 00:45:43.33 ID:0nqHwfQV0

詢子「ふう……最近、学校はどう?」

まどか「あー、またラブレターもらったよ……今月になってもう二通目」

詢子「ふん……直に告る勇気が無い女なんて駄目だ」

まどか「気持ちは嬉しいけどねー」

詢子「変な女に騙されんなよー?」

まどか「大丈夫だって……」


まどか・詢子「「がらららら……ぺっ」」

115: 2012/02/15(水) 00:52:58.64 ID:0nqHwfQV0

詢子「和子はどう?」

まどか「……うーん」

詢子「? どした?」

まどか「なんか最近、視線が粘っこいっていうか……」

詢子「……そろそろ言って聞かせないと駄目みたいだな」

まどか「あはは……暴力はダメだよ?」


ザプッ


QB『ぎゅっぷい……あー、氏ぬかと思ったよ』トテトテ

まどか『……本当に、僕が男だってことになってるんだね』

QB『まあね……魔法少女に関する知識が無い者は、全員記憶が書き換えられてるみたいだ』

QB『君の願いが曖昧すぎてね……体だけの性転換にとどまらなかったわけだ』

まどか『ラッキーだったけど、ちょっと寂しいな……』

117: 2012/02/15(水) 01:04:54.13 ID:0nqHwfQV0

QB『仕方ないだろう? それも含めて、君が決めたことだ』

まどか『……別に、後悔してるわけじゃないよ』

QB『ならいいけどね……こちらも結構損したわけだし』

まどか「……?」

詢子「……まどか? だからさっきから何を見つめてるんだ……」

まどか「え? いや、何でもないって! あはは……」

詢子「……もしかして、教師に乱暴されて心に傷がっ……!」

まどか「だから何でもないってば!」

124: 2012/02/15(水) 01:16:24.95 ID:0nqHwfQV0

詢子「あっははは! 冗談だって」

まどか「もう……」

詢子「……っと、あれ? こんなリボンあったっけ?」スッ

まどか「あっ!」

まどか『昨日僕が付けてたやつだ……』

QB『……わざわざ洗って戻したのかい?』

まどか『……つい』

詢子「……もしかしてまどかの?」

まどか「そっ、そんなわけないでしょ!?」

詢子「そりゃそうだ」

詢子「……でも、意外と似合うかも?」

まどか「……はあっ?」

詢子「いやー、パパに似て優男に育ったし……背も低いし」ポンポン

まどか「や、やめてよ気にしてるんだから」

詢子「はは、ごめんごめん」

130: 2012/02/15(水) 01:29:09.69 ID:0nqHwfQV0

まどか「……はあ」

詢子「そう落ち込むなって、モテモテじゃんか」

まどか「あんまり嬉しくないなー」

詢子「……クラスメイトが聞いたら発狂するよ?」

まどか「だってさ、みんな僕のことかわいいかわいいって……」

まどか(……女だった時にはあんまり言われなかったのに)


まどか「僕、そんなに頼りないかな?」


詢子「……ほう」

まどか「……え? 何?」

詢子「まどか……さては、好きな子が出来たな?」

まどか「なっ……!」

133: 2012/02/15(水) 01:37:34.45 ID:0nqHwfQV0

まどか「ち、違うよ! そんなんじゃないって!」ワタワタ

詢子「いやいや、あんたみたいな男が急に頼られたがってる時はね」

詢子「だいたい、頼られたい娘が居る時なんだよー」

まどか「……それって、実体験?」

詢子「……まあな」

まどか「…………」

詢子「血は争えないねー」

まどか「違うもん! 絶対そんなんじゃないから!」

詢子「どうだか? 最近転校してきた娘が随分可愛いらしいけど、まさかその娘が……」

まどか「あーもう! 先行ってるからね!」スタスタ

QB『あ……待ってよまどか』トテトテ



詢子「……ふふ、わかりやすいねえ」



………………………………

140: 2012/02/15(水) 01:46:08.23 ID:0nqHwfQV0


――数日前 お菓子の魔女の結界があった場所、病院の駐輪場



まどか「……というわけで、これから僕も戦うから! よろしくね!」


ほむら「…………」

QB「…………」

マミ「…………」

さやか「え、えーっと……」ポリポリ

さやか(……な、なんか急に目の前が光ったと思ったら、吹き飛ばされて)

さやか(目の前が真っ暗になって……まあ気絶してたんだろうけどさ)

さやか(起きたら、なんか……すごいことになってるんだけど……)

144: 2012/02/15(水) 01:52:39.39 ID:0nqHwfQV0

さやか(えっと、まどかが男の子になって、魔法少年?になって、すごく強くて……?)

さやか(やばい、完全についていけてないー!)


まどか「だ、だめ……かな?」

QB「……いや、僕は別に、何か言える立場でも無いし」

マミ「うーん……あまりに急すぎて、ね……」

ほむら「…………」


さやか(……っていうか何? 何この重い空気?)

さやか(耐えらんないよー! なんか喋れよ転校生ー!)


ほむら「……私は、別に構わないわ」


さやか(あ、通じた?)

145: 2012/02/15(水) 02:00:04.78 ID:0nqHwfQV0

まどか「ほ、本当?」

ほむら「ええ……戦力としては申し分ないし、それに」ギロッ

ほむら「キュゥべえ? ……あの話、本当なんでしょうね?」

QB「ああ、おかげでこっちは大損さ」

ほむら「……なら、文句はないわ」

まどか「そう言ってくれるなら、嬉しいな」

ほむら「……じゃあ、また明日」スタスタ

まどか「うん、ばいばい」


さやか「……へー、なんか意外」

さやか「転校生がこんな簡単にデレるなんてねえ……」

まどか「まあ、ほむらちゃんにも色々事情が有ったんだよ」

さやか「そうかなー?」

148: 2012/02/15(水) 02:14:54.59 ID:0nqHwfQV0

まどか「……ところで、さやかちゃんはそれほど驚かないんだね」

さやか「え? うん、まあね」

さやか「ぶっちゃけ、ほとんど変わってないし?」

まどか「えっ」

さやか「顔も体つきも男っぽくないし、背丈もまだあたしより低いし」

まどか「えっ……」

さやか「単にまどかが男装して、僕っ娘になったようにしか……ってあれ?」

まどか「…………」

さやか「ごめん、もしかして落ち込んでる?」

QB「私が皆を守る、とか大見得切ってたからね」

まどか「うっ……」

さやか「あっ、そうだったんだ……考えなしだったかな?」

まどか「良いんだよさやかちゃん、僕が頼りないのは本当なんだから……」

さやか(あっちゃー)

151: 2012/02/15(水) 02:24:19.37 ID:0nqHwfQV0

まどか「…………」

QB「…………」

マミ「…………」


さやか(うわあ……やっちゃったよ)


さやか「えーっと、あ! そうだ!」

まどか「え?」

さやか「ほら、やっぱりその、魔法使い同士、いろいろ話もあるだろうし?」

さやか「邪魔になっちゃ悪いから、あたしはこのへんで退散するね!」

さやか「じゃ、そういうことで! また明日ー!」タッタッタッ


まどか(……逃げた)

マミ(……逃げたわ)

QB(……逃げたね)

156: 2012/02/15(水) 02:40:24.00 ID:0nqHwfQV0

まどか「……えーっと、マミさん」

マミ「え?」

まどか「やっぱり、受け入れられないですか?」

まどか「魔法少年、なんて」

マミ「そんなことは、無いけど……そうね」

マミ「ついさっきまで、ただの後輩で一般人だった鹿目さんが、急にあんな強くなって」

マミ「……本当に、私が守られる立場になっちゃったから」

マミ「ちょっと、混乱してるんだと思うわ」

まどか「…………」

マミ「……ごめんなさい、なんだか情けないわね、こんな……」

まどか「……いえ、そんなこと無いですよ」

158: 2012/02/15(水) 03:03:24.15 ID:0nqHwfQV0

マミ「そう言ってくれるのは嬉しいけど、でも……」

まどか「いえ、マミさんが思ってるほど、これは立派な力じゃありません」

まどか「確かに魔女を倒すのには使えるけど、器用なことはできないですし……」

まどか「……人の傷を治すことすら、今の僕には出来ない」


まどか「あんなこと言ったけど、まだまだ……足りないんです」



162: 2012/02/15(水) 03:21:35.47 ID:0nqHwfQV0
駄目だ眠い頭が回らない もし明日の夜まで残ってたら続き書く
落ちたらいつか建てなおすから許しておやすみなさい

215: 2012/02/15(水) 17:59:00.20 ID:0nqHwfQV0

まどか「だからまだ、マミさんが居てくれないと」

マミ「……そう、ね」

マミ「まだ、私の力も必要かな?」

まどか「はい! ……これからもよろしくお願いします、マミさん」

マミ「ふふ、こちらこそ」


219: 2012/02/15(水) 18:25:40.38 ID:0nqHwfQV0

まどか「……あ、そうだ」

まどか「はいっ!」スッ

マミ「え? えっと……何?」

まどか「何ってほら、ハイタッチですよ」フリフリ

まどか「二人で魔女を倒したじゃないですか! だからやっとこうと思って」

マミ「あなたがほとんど一人で倒したようなものだけどね……」

まどか「そんなの関係無いですよ、こういうのは決まりみたいなものですから」

マミ「……そういうものかしら?」

まどか「そういうものですよ!……だって」



まどか「もう僕達、一緒に戦う仲間じゃないですか?」



マミ「あ……」

221: 2012/02/15(水) 18:30:53.51 ID:0nqHwfQV0

まどか「魔法少女コンビにはなれなかったけど……」

まどか「……もう、マミさんの背中を守るくらいなら出来ますよ」

マミ「ふふ……あはは!」

マミ「……そうね! そういうことにしておくわ」スッ

まどか「えへへ……じゃあ、行きますよ」



パシンッ!



225: 2012/02/15(水) 18:37:06.31 ID:0nqHwfQV0

…………………

まどか「……今日はありがとうございました、マミさん」

マミ「ええ、また明日ね」フリフリ

まどか「はい!」


テッテッテッテッ…


マミ「…………」

マミ(……あーあ)

マミ(やっぱり私、駄目な先輩だなあ……)

マミ(本当は、お礼言わなきゃいけないのは私の方なのにね)

マミ「…………」

マミ「……仲間、か」


マミ「私、もう…… 一人じゃないんだ」



229: 2012/02/15(水) 18:49:38.74 ID:0nqHwfQV0

マミ「ハイタッチかあ……ふふ、なんかいいわね」ジーン

マミ「…………」ジーン

マミ「…………」ジンジン

マミ「……あ、これ……」ジンジン


マミ「ほ、骨に、ヒビが入っちゃってるかも……」ズキズキ


マミ「もしかして、さっきのハイタッチで!?」ズキズキ

マミ「あー、こんど力加減ってものを、教えてあげなくちゃ、ね……!」ズキズキ

マミ「……い、ったたたたた!」


マミ「はあ……なんだかんだで、手のかかる後輩ね」



…………………………

235: 2012/02/15(水) 19:08:33.37 ID:0nqHwfQV0

――学校


タッタッタッ…


さやか「……おっ、やっと来たか」


タッ


まどか「ふう……お待たせさやかちゃん」

さやか「もう、遅いよー」

まどか「ごめんごめん、トイレが結構混んでてさ」

さやか「そう? 誰も居なかったじゃ……あ」

さやか「そっか、男子トイレなんだっけ」

242: 2012/02/15(水) 19:41:04.08 ID:0nqHwfQV0

まどか「そりゃそうだよ、一応男子だもん」

さやか「うーん……まあ確かに当然っちゃ当然だけどさ」

さやか「結構意外だな、まどかがこんなに早く慣れるなんて」

まどか「そ、そうかな?」

さやか「うん、もっときゃーきゃー言うと思ってたよ」

さやか「恥ずかしくてトイレ行けない、とかお風呂入れない、とか」

まどか「あー、僕も最初はキツいかな、って思ってたけど……」

まどか「……でも、案外なんとも思わないもんだよ?」

248: 2012/02/15(水) 19:59:31.81 ID:0nqHwfQV0

さやか「そうなの?」

まどか「うん、男子の着替えとか見てても何も思わなくなっちゃったな」

まどか「あー筋肉ついてるなーとか、背高いなーとか……それくらいだね」

さやか「へえ……慣れってすごいなー」

まどか「うーん……慣れっていうより、中身まで男になってってるのかも」

まどか「願いの範囲が広すぎて皆の記憶まで変わっちゃうくらいだし」

さやか「……そう言われてみれば、たしかに前より男らしくなってるなあ」

まどか「えへへ……そう?」

251: 2012/02/15(水) 20:11:10.43 ID:0nqHwfQV0

さやか「まあね、ちょっとかっこいい時もあるよ」

まどか「……ふふ、そうでもないよ」ドヤ

さやか(すごい誇らしげだ……)

さやか(……やっぱりまどかはまどかだなー)

まどか「? なんか言った?」

さやか「い、いや、別に?」

まどか「そう……?」

さやか(……耳まで強化されてるのか)


まどか「あ、そうだ……今日は病院によってくの?」

さやか「ん? ああ、うん」

257: 2012/02/15(水) 20:27:32.17 ID:0nqHwfQV0

まどか「そっか……上條くんも幸せだねー、さやかちゃんみたいな幼馴染がいて」

さやか「えっ!?……そ、そうかな?」

まどか「そりゃあね、大事にしてもらえたら嬉しいよ」

さやか「本当に? まどかから見て、そう思う?」

まどか「?……うん、そうだと思うけど?」

さやか「そ、そうかー……そうだよね!」


まどか「……?」


…………………………………

262: 2012/02/15(水) 20:39:41.83 ID:0nqHwfQV0

――恭介の病室



恭介「……この人の演奏は、本当にすごいんだ」

恭介「さやかも聞いてみる?」スッ

さやか「え……い、いいのかな」スッ

恭介「本当はスピーカーで聞かせたいんだけど、病院だからね」


ピンッ…


恭介「ん……ふふ」スイッ

さやか(え、ええ……!? ち、近い……)

263: 2012/02/15(水) 20:42:44.66 ID:0nqHwfQV0

――カチャッ ルルルルル…


(演奏)


さやか「…………」

恭介「…………」


さやか(……あ、この曲)

さやか(子供の頃にも、聞いたことあるな……)

さやか(恭介が、弾いてた曲……)

さやか「…………」

265: 2012/02/15(水) 20:49:52.99 ID:0nqHwfQV0

恭介「…………」

さやか(……恭介、あたしのことどう思ってるのかな)

さやか(CD見つけてくるとか、それくらいしか……できないけど)

さやか「…………」


恭介「……っく」

さやか「……ん?」チラッ


恭介「くっ……うう……」ポロポロ


さやか「………!」

さやか「…………」シュン



さやか(……大事にされるだけで、幸せになるなら……)

さやか(……苦労、しないよね)


………………………………

267: 2012/02/15(水) 20:59:56.91 ID:0nqHwfQV0

――病院の女子トイレ


ジャーッ…


さやか「…………」

さやか「……キュゥべえ、ちょっと出てきてくれる?」

QB「なんだい?」ヒョコッ

さやか「わ、本当に出てきたよ」

QB「君が呼んだんじゃないか……」

さやか「いや、ここ女子トイレだし?」

QB「君は僕をオスだと思っているのかい?」

さやか「違うの?」

QB「まあ、間違いではないね」

さやか「じゃあやっぱり変態じゃん……って、そんなことはどうでもいいよ」


さやか「……ちょっと、聞きたいことがあるんだけどさ」

269: 2012/02/15(水) 21:08:11.83 ID:0nqHwfQV0

QB「……上條恭介を魔法少年に?」

さやか「うん、そうしたら腕も治るんじゃないかな、って……」

さやか「なんか、デメリットが少ないみたいなこと言ってたじゃん?」

QB「うーん……まあ、ほむらが言うような『デメリット』は無いけどね」

さやか「じゃあ……!」


QB「……いや、駄目だ」


QB「彼と契約することはできない」

さやか「え? なんで!?」

QB「……端的に言ってしまえば、才能が無いんだよ」

さやか「そんな……! でも、契約するだけだったら誰だって!」

275: 2012/02/15(水) 21:22:22.20 ID:0nqHwfQV0

QB「それは君たちの話だろう?」

QB「男性と女性とでは、魔力の質が全然違うって言ってるじゃないか」

QB「彼が契約しても、せいぜい普通の人間と同じくらいの身体能力になるだけさ」

QB「腕の怪我が治るには至らないし、魔法で埋め合わせることもできない」

QB「それに、魔女に襲われたら簡単に氏んでしまうよ?」

さやか「まどかは普通に戦ってるじゃん!」

QB「まどかはかつてないほどの才能を持っていたんだ、上條恭介とは次元が違う」


QB「……それにそもそも、彼と契約して僕に何のメリットがあるっていうんだい?」

さやか「……っ!」

QB「魔女も倒せないし、魔法も使えないし……」

さやか「それは……そう、かもしれないけど」

277: 2012/02/15(水) 21:29:07.82 ID:0nqHwfQV0

QB「だいたい、彼の怪我を治したいなら、君が契約すればすむじゃないか」

QB「どうしてわざわざ彼に契約させようとするんだい?」

さやか「っ!!」

QB「……わけがわからないよ、元はそのつもりだったんじゃないのかい?」

QB「魔法少年の存在を知ったから、それで代用しようとしたのかな?」

さやか「うっ……そ、そんなことない!!」

QB「なら、なおさらわけがわからないね」


さやか「!……っ!」

さやか「……あああ!もう!」

さやか「いいわよ、あたしが契約すれば良いんでしょ!?」

282: 2012/02/15(水) 21:36:40.25 ID:0nqHwfQV0

さやか「そうだよ、最初からそのつもりだったよ!」

さやか「さっきのは……ちょっと、気になったから聞いてみただけ」

QB「そうなのかい? まあ、僕はどっちでも構わないけどね」

QB「……どのみち、君と契約すれば良いんだから」

さやか「…………」


QB「さあ、君の願いはなんだい? 美樹さやか」


さやか「私の願いは……」



バンッ!!



さやか「っ!?」

QB「!!……ああ、なるほどね」



まどか「……何やってるのかな? 二人とも」

286: 2012/02/15(水) 21:49:05.47 ID:0nqHwfQV0

さやか「まどか!? ど、どうしてここが……」

まどか「なんとなくキュゥべえの気配がしたから、まさかと思ってね」

さやか「何それ……っていうかここ女子トイレ!」

まどか「つい癖で、間違えちゃった」

さやか「学校での会話は何だったのよ……」


まどか「……ま、冗談はこのくらいにしようか」

まどか「ね、キュゥべえ?」ギロッ


QB「ふう……やれやれ」


さやか「……っ!!」ゾクッ

さやか(こ、怖……あたしが睨まれたわけでもないのに)

291: 2012/02/15(水) 21:59:22.85 ID:0nqHwfQV0

まどか「…………」

QB「やだなあ、そんなに睨めつけなくてもいいじゃないか」

QB「僕は別に、契約を強制したわけじゃないよ? さっきはあくまで、さやかの意思さ」

まどか「……確かにね」

まどか「でも、ちょっと煽り過ぎじゃないかな? あまりフェアじゃないと思うよ、今の」

QB「…………」

まどか「それに乗るさやかちゃんも……大概だけどさ?」ジロッ

さやか「ひっ……」

まどか「魔法少女になるって色々大変なんだからさ」

まどか「……もっと慎重になってよ」

さやか「う、うん……ごめん」

295: 2012/02/15(水) 22:05:35.44 ID:0nqHwfQV0

QB「……まあ、君の言うことにも一理あるね」

QB「この契約はとりやめにしよう」

まどか「ごめんね、仕事の邪魔して」

QB「…………」

まどか「……なに?」

QB「……君も段々、その体が板に付いてきたみたいだね?」

QB「まるでほむらみたいじゃないか」

まどか「……言ってる意味がよくわからないよ?」

QB「大したことじゃないよ、気にしないでくれ」ピョンッ

まどか「…………」


QB「それじゃ、僕はこれで」タッタッタッ…

306: 2012/02/15(水) 22:26:35.93 ID:0nqHwfQV0

さやか「……本当にごめん、まどか」

まどか「良いよ……でも、絶対に勢いで契約したりしないでね」

まどか「ただでさえ、他人のために契約するのは……危ないことなんだから」

まどか「契約して初めて、自分の力の小ささに気付いたりするものだし」

さやか「……まどかが、それ言う?」

まどか「僕だって、そんなに上手くやれてるわけじゃないんだよ?」

まどか「魔法少年、なんて言っても……大したものじゃないんだから」

さやか「…………」

まどか「……じゃ、そろそろ帰ろうか? 僕は先に外出てるからね」ガチャッ

さやか「……うん」


ギイッ… バタン



さやか「上手くやれてない?……そうは、見えないけどな」


………………………………………

308: 2012/02/15(水) 22:39:45.80 ID:0nqHwfQV0

――数日後 恭介の病室



さやか「……何を、聞いてるの?」

恭介「……亜麻色の髪の乙女」

さやか「ああ、ドビュッシー? 素敵な曲だよね」

恭介「…………」

さやか「…………」

さやか「……あ、あたしってほら、こんなだからさ?」

さやか「クラシックなんて聞く柄じゃないだろって、皆が思うみたいでさ」

さやか「たまに、曲名とか言い当てたら、すっごい、驚かれるんだよね!」

さやか「意外すぎて、尊敬されたりしてさ……」

恭介「…………」

311: 2012/02/15(水) 22:43:12.43 ID:0nqHwfQV0

さやか「…………」

さやか「……恭介が教えてくれたから」

さやか「でなきゃあたし、こういう音楽ちゃんと聞こうと思うきっかけなんて」

さやか「多分、一生無かっただろうし……」

恭介「……さやかはさ」

さやか「……んっ? 何?」


恭介「さやかは……僕をいじめてるのかい?」


さやか「……え」

313: 2012/02/15(水) 22:47:24.18 ID:0nqHwfQV0

恭介「……なんで今でもまだ、僕に音楽なんて聴かせるんだ」

恭介「嫌がらせのつもりなのか?」

さやか「……っ!」

さやか「……だって恭介、音楽好きだから……」


恭介「……もう聴きたくなんて無いんだよっ!」


恭介「自分で弾けもしない曲……!! ただ聞いてるだけなんて!!」

恭介「僕は……僕はっ!」


パリンッ! ビチャッ…


さやか「……ああっ!」ガシッ

315: 2012/02/15(水) 22:51:48.45 ID:0nqHwfQV0

さやか「はあっ、はあっ……」

恭介「……ひぐ、うっ……」

恭介「……動かないんだ」

さやか「…………」

恭介「……もう、痛みさえ感じない」

恭介「こんな、手なんて……!」

さやか「大丈夫だよ!きっと、なんとかなるよ!」

さやか「諦めなければ、きっと、いつか……」

恭介「……諦めろって言われたのさ」

317: 2012/02/15(水) 22:55:51.57 ID:0nqHwfQV0

恭介「もう、演奏は諦めろってさ……先生から直々に言われたよ」

恭介「今の医学じゃ無理だって!」

さやか「……っ!」

恭介「僕の手はもう二度と動かない」

恭介「奇跡か、魔法でもない限り治らない……!」


さやか「……あ」

さやか「………!」

さやか「……ご、めん」

さやか「ごめん、恭介……」

恭介「……う、うう……」

恭介「うああああ……あああ」



さやか「…………」


………………………………

321: 2012/02/15(水) 23:00:30.65 ID:0nqHwfQV0

――夜道


さやか「…………」フラフラ

さやか(……言え、なかった)

さやか(奇跡も、魔法も……あるって、知ってるのに)

さやか(言えなかった……)


ザッ… ザッザッ…


さやか(私が、契約すれば……すぐに治っちゃうのに)

さやか(言い、出せなかった……)

さやか(私が治すって……契約して、戦うって)


ザッ… ザッザッザッザーッ



323: 2012/02/15(水) 23:04:50.77 ID:0nqHwfQV0

さやか(どう、して……)

さやか(……この前、まどかに怒られたから?)

さやか(ううん……違う)


ザッ… ザッ… ザーッ ザッ ザ――ッ


さやか(……怖かったからでしょ?)


ザーッ ザッ ザーッ ザ―――


さやか「……うるさい」


ザッ ザッ ザザ――――――


さやか(私は、恭介なんかよりも……自分の身が可愛かったから)

さやか(だから裏切ったんでしょ?)

327: 2012/02/15(水) 23:10:58.20 ID:0nqHwfQV0

さやか「うるさい……うるさい!」


ザ―――ッ ザッザッザッ ザザ――――


さやか(……裏切り者)

さやか(好きじゃなかったの? 憧れたんじゃなかったの?)

さやか(この記憶は何? この思い出は何?)


ザ――――――――――――――


さやか「違う……私は!」


―――――――――――――ッ


キャハハハハ…


「違うなら……氏んじゃおうか?」


…………………………………………

332: 2012/02/15(水) 23:17:08.98 ID:0nqHwfQV0

――夜 噴水前


タッタッタッタッ…


まどか「…………」キョロキョロ

マミ「……あれ? 鹿目さん?」

まどか「あ、マミさん……」

マミ「どうしてここに? ……もしかしてあなたも、魔女を追って?」

まどか「……はい」

マミ「へえ、ソウルジェムが無くても、魔女を感じ取ることは出来るのね」

まどか「ええ、なんとなくですけど」

336: 2012/02/15(水) 23:29:10.46 ID:0nqHwfQV0

まどか「……でも、ここらへんで方向がわからなくなっちゃって」クンクン

マミ「丁度いいわね……」

マミ「私はたった今、場所を特定出来た所よ」

まどか「え? もうわかったんですか!?」

マミ「伊達にこの町を守ってきたわけじゃないのよ?」

マミ「……おそらくこの魔女は、犠牲者を一度集めてから手をつけるタイプね」

マミ「そして、そんなことが出来る場所は限られてるわ」

まどか「なるほど……」

マミ「この近くで、この方角なら……いつも無人の廃工場があったはず」

337: 2012/02/15(水) 23:34:14.85 ID:0nqHwfQV0

まどか「………!」

マミ「……でもこのタイプの魔女は、厄介な攻撃を仕掛けてくることが多いの」

マミ「どう攻めようか悩んでた所だけど……」


マミ「……あなたなら、強行突破できるわね!」


まどか「……その工場、案内してもらえますか!?」

マミ「もちろん! 付いてきて!」ダッ!



…………………………………………

343: 2012/02/15(水) 23:56:04.86 ID:0nqHwfQV0


――廃工場



仁美「……みなさん、準備は整いましたか?」

仁美「これを体にふりかけて……」

さやか「…………」


トクトクトク…


仁美「……はい、ありがとうございます」

さやか「…………・」


仁美「……それでは、はじめましょうか」

347: 2012/02/16(木) 00:06:24.42 ID:xXQ050PL0

――工場前


タッタッタッタッ…


まどか「……! マミさん、あれ!」

マミ「あれは……口づけで操られた人達ね」

まどか「何か、してるみたいですけど……」

マミ「魔女がさせることなんて、ろくでもない事に決まってるわ!」

マミ「さっさと門を破って、中に入りましょう!」ジャキッ!

まどか「はい、わかりま……ん?」



……フワッ



まどか「……っ!!」ゾッ

350: 2012/02/16(木) 00:11:59.79 ID:xXQ050PL0

マミ「さて、狙い撃つわよ!」チャッ

まどか「待って!」

マミ「えっ? ……って、きゃあっ!」


ドカッ!


マミ「お、っとっとっと! ……いきなり何するのよ鹿目さん!」

まどか「すみません、でも銃は撃たないでください!」

マミ「へっ? ど、どうして?」

まどか「この臭い……! あの人達の足元の水たまり!」



まどか「……あれは、ガソリンです!」

まどか「銃で撃ったりしたら、全員燃えちゃいますよ!」



マミ「なっ……!」

353: 2012/02/16(木) 00:25:47.19 ID:xXQ050PL0


まどか「僕が手で門を破っても、火花が散らないとも限らないし……」

まどか「……普通に、回りこむしか無いと思います」

マミ「そうね……」


マミ「……でも、もうその時間は無いみたいよ」


まどか「え……? あっ!」




仁美「さあ……皆さん、旅立ちましょう」カチッ… シュボッ


357: 2012/02/16(木) 00:29:34.16 ID:xXQ050PL0

まどか「ライター……!」

まどか「……最初から焼身自殺が目的だったんだ!」

マミ「……もう仕方が無いわね」

マミ「一か八か、引火しないことに賭けるしか……!」ジャキッ



ほむら「……その必要は無いわ」



――カチッ!


…………………………

358: 2012/02/16(木) 00:33:06.90 ID:xXQ050PL0

――工場内



仁美「…………」

仁美「……あれ?」

仁美「ど、どうして何も起こらないの……?」


ザワザワ…


仁美「な……ライターが、無くなってる……」



364: 2012/02/16(木) 00:44:24.25 ID:xXQ050PL0


マミ「……残念だったわね」パチンッ


仁美「!? ……きゃっ!」シュルルルルッ


シュルルル シュルルルル…


仁美「う、あ……?」ジタバタ


マミ「しばらくおとなしくしてて貰うわよ」

ほむら「相変わらず、便利な魔法ね……」

マミ「……それ、あなたが言うセリフ?」

367: 2012/02/16(木) 00:56:57.61 ID:xXQ050PL0

まどか「あーあ……僕も使いたいなあ、魔法……」シュン

まどか「一人だけ何の役にも立ってないような……」

マミ「何言ってるの、ここから先があなたの仕事でしょ?」

マミ「早く先に進んで、魔女を倒さないと」

まどか「あ、そっか……マミさんはここじゃ戦えないんだ」

ほむら「……私も一応付いていくけれど、魔女と戦うことは出来ないわ」

ほむら「それに、あの魔女は人の心を見透かす力を持っている」

ほむら「まどかのようなタイプじゃなければ倒せない敵よ」

まどか「……そうだね、戦うのは僕の仕事だったね!」


まどか「じゃあ行こうか、ほむらちゃん!」タッ



タッタッタッタッ…


370: 2012/02/16(木) 01:08:15.11 ID:xXQ050PL0

マミ「…………」

マミ「……なんだか、全然不安にならないわね」

マミ(まあ、こっちの人達に何か出来るわけでもないし……)


マミ(……ここまで来れば、ゴールは見えたようなものね)


マミ「ふう……さてと! 一応、全員外に運び出しておきましょうか」

マミ「って、あれ?」

マミ(ポリタンクは……にい、しい、ろう、やあ……20個あるのに)

マミ(人は9人しか居ない……)



マミ「……まさか、一人取り逃がした?」



…………………………

373: 2012/02/16(木) 01:24:49.60 ID:xXQ050PL0


ガチャッ キイ…


まどか「あった! 結界の入り口……」

ほむら「……入るわよ」

まどか「う、うん……」



ズオオオ…



……………………………………

375: 2012/02/16(木) 01:41:21.46 ID:xXQ050PL0

――ハコの魔女の結界


キャハハハハ…


ほむら「……上手く侵入出来たみたいね」

まどか「なんだか、テレビがたくさんあるね……」

ほむら「それがこの魔女の力よ」

ほむら「相手の心を見透かし、そのテレビに映しだすの」

まどか「そうなんだ……あれ?」


まどか「まだ、誰も見透かされてないはずなのに……テレビ、映ってるよ?」


393: 2012/02/16(木) 02:14:29.09 ID:xXQ050PL0

ほむら「え? そんなはずは……」

まどか「でもほら、これ……」

ほむら「……まだこの結界内に、被害者が居るんじゃないかしら」

まどか「……! そっか、さっき逃げられちゃったんだ……」


まどか(……ん? この記憶の中の女の子、どこかで見たこと有るような……)


396: 2012/02/16(木) 02:35:45.79 ID:xXQ050PL0

まどか「…………」

ほむら「……まあ、今はそのことを気にしていても仕方が無いわ」

ほむら「なるべく早めに終わらせないと、私達まで捕らえられてしまう」

まどか「……そうだね、今はそっちを……」


――ザッ ザーッ


まどか「っ!? 今の音……」

ほむら「……まずい!」


ザッ ザーッ… ザ――――――


まどか「わっ……ど、どういうこと?」

まどか「魔女なんてどこにも……」


キャハハハハハ…


397: 2012/02/16(木) 02:43:42.76 ID:xXQ050PL0

ダニイェル「―――!」スイーッ

イェニフェル「―――!」スイーッ


ガシッ!


ほむら「くっ……!」

まどか「うわっ!? も、もしかしてこれって……」

ほむら「ええ、やられたわね……」



ほむら「……全部罠よ!」



スイーッ…


エリー「キャハハハハハハハ!」


………………………………

399: 2012/02/16(木) 02:51:46.42 ID:xXQ050PL0


カタカタカタカタカタ…


まどか(……ああ、わかった)

まどか(これ……さやかちゃんの記憶だ)

まどか(隣にいるのは……上條くん、かな)

まどか(場所は、水族館?)

まどか(…………)

まどか(……これが多分、さやかちゃんの……一番大事な記憶)

まどか(そっか……さやかちゃんは、上條くんのことが……)

まどか(……なんて、いまさらか)

402: 2012/02/16(木) 03:03:33.33 ID:xXQ050PL0

まどか(……いろんな記憶が映ってる)

まどか(これは、さやかちゃんの最近の記憶……)

まどか(……こんなことがあったんだ)

まどか(だから、契約なんて……)

まどか(…………)

まどか(こっちは……ほむらちゃんの記憶?)

まどか(……あー、なるほどね)

まどか(やらなくちゃならないことが、出来たな……)

まどか(…………)


まどか「……だからさ」


バキッ!


エリー「キャハハ…?」


まどか「そろそろ……終わりにするね?」

403: 2012/02/16(木) 03:09:53.28 ID:xXQ050PL0

エリー「…………」

まどか「……無理だよ」

まどか「僕の心は、覗き見ることなんて出来ない」



まどか「……人間とは、構造が違うんだから」ゴッ!



エリー「………!!」


バキッ!


ヒュルルルル……ドチャッ



………………………

405: 2012/02/16(木) 03:14:50.97 ID:xXQ050PL0


――恭介の病室



恭介「…………」


コンコン


恭介「? 誰だろう……」

恭介「……どうぞ」


ガララララ…


まどか「……こんばんは」スタスタ


408: 2012/02/16(木) 03:26:22.99 ID:xXQ050PL0

恭介「えっと、君は確か……鹿目くん、だっけ?」

まどか「…………」

恭介「もうすぐ、面会時間過ぎちゃうけど……何の用?」

まどか「……昨日の晩、ちょっとした事件があったんだけど」

まどか「知ってる?」

恭介「え? いや……」

まどか「……集団催眠とかで、廃工場に数人が集まって寝てたっていうだけなんだけどさ」

まどか「その中で一人だけ、段差から落ちて怪我をしちゃった子が居るんだ」

恭介「……それが、どうかしたのかい?」


まどか「……その子は、美樹さやかっていうんだけど」

まどか「あなたの幼馴染じゃないの?」


恭介「さやかが!? ……本当に?」

まどか「うん、今もこの病院で入院してるよ」

409: 2012/02/16(木) 03:33:24.57 ID:xXQ050PL0

恭介「入院?」

まどか「……骨折だって」

恭介「そう、なんだ……」

まどか「…………」

恭介「…………」

まどか「……で? 君はいつまでそうしてるの?」

恭介「え?」

まどか「行ってあげないの? さやかちゃんの所に」

496: 2012/02/16(木) 17:57:38.90 ID:xXQ050PL0

恭介「いや、僕は……見ての通り、まともに歩けないから」


恭介「……今すぐは、無理だよ」


まどか「………!」ギリッ

まどか「……ああそう」スタスタ

恭介「?」


ガシッ! グイッ…



501: 2012/02/16(木) 18:10:10.45 ID:xXQ050PL0

恭介「!? ちょっ……何を」

まどか「……っ!」ブンッ



――バキッ!



恭介「がっ……は!」ドサッ

恭介「……え? な、何が……」

まどか「はあ……」

まどか「そうだったね、歩けないんだったね」



まどか「……じゃあ、這って行ったら?」



恭介「……な」

512: 2012/02/16(木) 18:21:59.93 ID:xXQ050PL0

まどか「その左手、どうせもう動かないでしょ?」

まどか「毎日眺めてるより、足がわりにした方がよっぽど有効な使い道だと思うけど」

恭介「……っ!」

恭介「いきなり人を殴っておいて……何なんだよ君は!?」

まどか「ああ、いきなり殴ったのはごめんね?」


まどか「君の顔見てたら……腹が立ってさ」


恭介「……君の恨みを買った覚えなんて無いんだけどな」

520: 2012/02/16(木) 18:34:04.58 ID:xXQ050PL0

まどか「……君の方に覚えがなくても、こっちにはあるんだけどね」


まどか「君がいつまでたってもぐずぐずしてるせいで、危うく友達が氏ぬ所だったんだから」ボソッ


恭介「は……?」

まどか「……わからなくても良いよ」

まどか「そんなこといちいち説明するために来たんじゃないし」

恭介「……じゃあ何しに来たっていうんだ」

恭介「まさか、僕を一方的に殴るためだけにわざわざ来たっていうのかい?」

まどか「……それもあるけどね」

恭介(こいつ……)

まどか「でもそれだけじゃないよ」

608: 2012/02/17(金) 02:33:36.29 ID:qQilx0A00
まどか「もう一つ用事があるんだ」ズルッ

上条「な、なんでズボンを下ろすんだ!?」

まどか「この体になってずっと股間がムズムズするんだ……で、一番どうなっても構わない君で試そうと思ってね」ジリジリ

上条「た、試すって……く、来るな!それをしまえ!」

まどか「えへへ、捕まえた」ガシッ

上条「ひ……」

まどか「ね、一緒に気持ち良くなろうよ」

上条「うわあああぁぁぁぁ!」





779: 2012/02/18(土) 18:31:12.44 ID:RcQ+HuH90
もう許してやれよ

781: 2012/02/18(土) 18:55:54.48 ID:D+VvzAFo0
許さない、絶対にだ

834: 2012/02/18(土) 23:11:04.76 ID:/wCUkZFUi
まどか「わたし、男の子になりたい!」

ほむら「だめえええええ」

QB「君の願いはエントロピー以下略!」

まどか「……あっ、ついてる」ゴソゴソ

ほむら「いやあああ……なんでよお」

まどか「男の子になればほむらちゃんと付き合えるかなって……」

ほむら「ほむっ!?」ブシャアアアアアアア ゴンッ

まどか「ほむらちゃん? 嫌だよ氏んじゃいやああああああ」

QB「わけがわからないよ」



835: 2012/02/18(土) 23:11:44.88 ID:tyXcImsH0
おう乙

引用: まどか「戦いは男の仕事、ってね」