1: 2011/10/16(日) 02:03:35.75 ID:uA4/rf2W0
桐乃「……は?アンタ何言ってんの?」

京介「だから、結婚すんの」

桐乃「ば、バッカじゃないの?イキナリ何、嘘ぶっこいてんのよこの童O!」

京介「嘘じゃねえし、童Oでも……あるか。まあ、そういうことだ。だから……そのお前と居る時間も減るだろうしよ、相談あったら次で最後かもな。ああ、別にこれっきりってわけじゃねえけどよ」

桐乃「……キモ。居る時間が減ってって、アンタが困るだけじゃん。このシスコン」

京介「……こうやって喋る時間もなくなんのかな。ダラダラ、くだらないことをのんびりお前と話してる時間がさ……」

桐乃「い、いきなりさっきから何なの!?ほんっとシスコンみたい!アンタなんかさっさと結婚していなくなれ!」

京介「!……ああ、そうだ。俺はシスコンだ。兄弟としてお前が大好きだ、文句あっか。俺にとってお前と居る時間は心地よかったんだ」

桐乃「…………マジで結婚すんの?」

京介「ああ、大マジだ」
俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 Blu-ray Disc BOX(完全生産限定版)
5: 2011/10/16(日) 02:05:40.31 ID:uA4/rf2W0
桐乃「じゃあもういいよ、相談ももうないしさ……。アンタは結婚するんだから彼女と居る時間減らしちゃ駄目、これは絶対に守んなさいよね」

京介「お前は俺が居なくても大丈夫なのかよ」

桐乃「キモ、どんだけ妹に執着してんの?いままでの関係はもう終わり。絶対結婚の邪魔になるし。私にはアンタなんか必要ないから」

京介「っ……んだよそれ……!別に結婚したってかわんねえよ!なんでわざわざ終わりにまでしなきゃなんねーんだよ!」

桐乃「結婚したら変わるに決まってんじゃん!人の気も知らないで偉そうに変わらないとかいうな!」

京介「意味わかんねえ……何が変わるっつーんだよ……。でももういいわ、お前に俺は必要ないみたいだしな。元気でやってくれりゃ俺は別にいいんだ……それじゃ」

桐乃「アンタなんか大嫌い!でてけっ、氏ねっ、馬鹿兄貴!」

京介「いてえ!やめろっ、叩くな!おい、そこは駄目だマジで!……っ……け、蹴りやがった……」

6: 2011/10/16(日) 02:06:57.42 ID:uA4/rf2W0
桐乃は俺の股間に一発蹴りを入れて部屋から閉め出しやがった。
 氏ぬほどいてえ……。なんて無茶苦茶する奴なんだ。
 それにしたって結婚するぐらいで大袈裟過ぎるだろアイツ……。そんなに俺のこと邪魔だったのかね。
 だけどな、桐乃。俺にとってここ数年お前と過ごした時間はスゲー大事だったんだよ。
 冷戦状態だった俺らがちょっとしたキッカケで仲良くやれるようになって、友達も増えてな。今まで妹の為に何かしたことなんてなかったのに本気で妹の相談乗って。
 そんな時間は結婚したぐらいで変わっちまうのかよ……。
 ……なんだか妙にもやもやしちまったけど、これで良かったのかもな……。
 
 そんな気分で俺は自室に戻って寝る事にした。
 しかし、次の日からの桐乃の様子は明らかに変わっていた。
 それから一ヶ月ほど経ち、そんな桐乃の姿を見かねた俺は話かけることにした。

7: 2011/10/16(日) 02:08:38.24 ID:uA4/rf2W0
京介「おい、桐乃」

桐乃「…………」

京介「無視すんなよ!なんかあったんじゃないのかお前」

桐乃「…………」

京介(完全にシカト決めてやがる……。こういうときは何言っても駄目だ……)

8: 2011/10/16(日) 02:09:30.30 ID:uA4/rf2W0

 何もできずにすごすごと自室に入った。アホらし。
 とりあえず何もしないってのはまずいので俺は片っ端から色んな奴に相談することにした。
 
沙織『何の御用でしょうか、京介さん?……あ、すっかり忘れていましたわ。結婚おめでとうございます』

京介「その喋り方は未だに馴れないなぁ……」

沙織『京介氏!』

京介「~氏に戻すんだ!」

沙織『しかしこの呼び方だと中田という苗字の方がいると……』

京介「―ぶっ!いきなりとんでもねー下ネタいれてんじゃねえ!」

沙織『あっはっはっ!で、大事な話というのは?』

京介「あー……ちょっと桐乃の事でな」

9: 2011/10/16(日) 02:11:07.22 ID:uA4/rf2W0
沙織『成る程。大方結婚の件で何か揉めたのではないでしょうか?』

京介「すげー……当てやがった……」

沙織『この時期にもめるというのはそんな事情ぐらいしか思いつかなかったものでして』

京介「ま、その結婚のことで―」

沙織『答えはもう、出ているのでしょう。京介さん』

京介「あ?何言って―」

沙織『ふふ、今はまだ気づいてないだけできっとこれからすぐに気づくはずですよ』

京介「過信し過ぎだって!俺はそんなにできた人間じゃねえよ……」

沙織『出来ていないからこそ、だせる結論だと思いますわ。結婚式、楽しみにしてますわ。それでは」

京介「え、あ、ちょっ」プツ

最後にとても大人な雰囲気を残して切りやがった。

出来ていないからこそ―出る結論……。

11: 2011/10/16(日) 02:12:39.06 ID:uA4/rf2W0
あやせ『結婚おめでとうございます、桐乃のお兄さん』

京介「随分他人行儀な呼び方だな、もう数年も経ってるっつーのに」

あやせ『ふふ、そうですか?じゃあおにいちゃん、で』

京介「……勘弁してくれ」

あやせ『えーなんでですかー。いいと思うんですけど。じゃあお兄さんで』

京介「あー、それならいいかも」

あやせ『基準がよく分からないです。それで相談ってなんですか?』

京介「それが桐乃のことで―」

あやせ『あ、もう答えでてるんですね。それじゃあさようなら』

京介「―っておい!なんでどいつもこいつもそんなに過信してんだよ!」

あやせ『当然じゃないですか』

13: 2011/10/16(日) 02:14:20.71 ID:uA4/rf2W0
京介「……俺じゃどうしたらいいかわかんねーんだよ……」

あやせ『気づいていないだけですよ、きっと。お兄さんは親友の私より桐乃の事分かってると思います。悔しいですけど』

京介「んだよそれ……ただの兄妹ってだけでお前のほうが……』

あやせ『兄妹だからこそ、分かる事ですよ。それじゃあ今度こそさようならです、お兄ちゃん』

京介「え?あ、おい!」プツ

二件続けて不完全燃焼だぜ……やれやれ。

14: 2011/10/16(日) 02:15:32.42 ID:uA4/rf2W0
麻奈美『どーしたの?きょうちゃん』

京介「ああ、ちょっと相談があってな」

麻奈美『えぇっ!まさか結婚前に彼女さんと別れたとか……?』

京介「どんだけ重いんだよ!妹の事だよ、桐乃」

麻奈美『桐乃ちゃんのことかぁ……私に言えることはないよぉ』

京介「?なんでだ?」

麻奈美『だってきょうちゃん答えでてそうなんだもん』

京介「お前もかぁぁぁぁ!」

16: 2011/10/16(日) 02:17:26.10 ID:uA4/rf2W0

麻奈美『ふぇ!?ど、どうしたのきょうちゃん!?』

京介「お前らは俺にどうしろって言うんだよ……答えなんてでてねーから相談してんだよ……」

麻奈美『気づいてないだけだよ、きょーちゃんっ』

京介「たった数年しか付き合えてない俺に……何ができんだよ……」

麻奈美『そのたったすーねんって言うのは、たった……なのかな?』

京介「……え?」

麻奈美『多分ね、桐乃ちゃんにとっても。きょうちゃんにとっても。それはとっっても大事な時間だったんじゃないかなーって、私は思うなぁ』




18: 2011/10/16(日) 02:18:04.83 ID:uA4/rf2W0
京介「……」

麻奈美『あ、和菓子作るの手伝わなきゃ……ごめんねぇ、きょうちゃん。電話切るね~』

京介「……ああ、サンキューな。今度礼に何かするぜ」

麻奈美『うん、ありがと!じゃあばいばい、きょうちゃん』プツ


大事な時間……か。

段々どうしたらいいのか、分かってきた気がするぜ。

……ま、アイツにも一応相談すっか。

20: 2011/10/16(日) 02:19:02.34 ID:uA4/rf2W0
黒猫『で、なんの用なのかしら』

京介「わりぃな、ちょっと相談が―」

黒猫『シスコンと話してる暇はないわ、切るわね』

京介「待て待て!桐乃のことで―」

黒猫『……はぁ、答えなんて出てるくせによくも相談なんて言えたものだわ』

京介「…………」

黒猫『そんなことより、結婚式はいつ挙げるの?』

京介「とことん話がずれていくな……来月辺りかな」

黒猫『……そう。楽しみにしているわ』

京介「ああ、俺も楽しみだ」

黒猫『大好きよ、ア・ナ・タ』

京介「なななななな何言ってんだ!お、お、お前!」

23: 2011/10/16(日) 02:20:03.91 ID:uA4/rf2W0
黒猫『この程度でうろたえないで頂戴。言った私のほうが恥ずかしいわ』

京介「自業自得だ!」

黒猫『まあ、せいぜい頑張りなさいな。京介。貴方が出した答えは……思いはどんなものであっても伝わるはずよ』

年下なのに、良い事言ってくれるな……まるで俺がガキみたいだぜ。

京介「ああ、ありがとう。瑠璃」

黒猫『い、いきなり真名で呼ばないで頂戴』

京介「その厨ニ病、治しとけよなー……」

真名はねーだろ、流石に。

黒猫『……』

京介「おいおい、機嫌悪くすんなよ。愛してるぜ」

黒猫『フ、フンっ……今更謝ったって許さないんだから……』

京介「はいはいツンデレツンデレ」プツ

そう言って俺は電話を切った。ツンデレとか、普通に使っちまったぜ……。

全くどいつもこいつも俺を過信し過ぎだっつーの……。

さて、兄貴らしく決めるとすっか。

25: 2011/10/16(日) 02:21:06.13 ID:uA4/rf2W0
桐乃の部屋のドアをノックした。
 凄く懐かしい感覚の様な気がしてならなかった。
 ノブを回すと意外なことに鍵が掛かっていなかった。……意外でもないか。
 開けてまず見た姿はベッドに寝転んでいた。今はまだ午後4時だぞ……どんだけ疲れてんだよ、なんてことも思ったが今の様子じゃ不思議とは思わなかった。


京介(高坂京介……準備は出来たか?)

1.はい

2.いいえ


京介「1に……決まってんだろ」


ポツリと呟き俺は桐乃に話しかけた。

31: 2011/10/16(日) 02:22:40.95 ID:uA4/rf2W0
京介「なぁ、桐乃」

桐乃「……何」

意外なことに桐乃は返事をした。もっと時間掛かると思ってたぜ。

京介「公園にちょっと行かねえか?」

桐乃「…………」

返事こそはしなかったが、徐に起き上がったと思えば俺の前まで来た。

京介「ん。行くか」

33: 2011/10/16(日) 02:23:02.71 ID:uA4/rf2W0


-公園-


俺らはベンチに座った。

京介「ちょっと思い出話しようぜ」

京介「まずは俺とお前がまた話し始めたときの話でもすっかな」

京介「いや、あの時は本当に驚いたぜ。お前があんなもん隠し持ってたなんてな。今じゃすっかり定着しちまったがな」

京介「でもあれがなきゃ俺らここまで仲良くなってなかったよな。はっ、笑っちまうぜ。あんなもんが俺らの絆の証なんだ。ん?そう睨むなよ……別に馬鹿にしたわけじゃねえよ」

京介「次は沙織たちと出会った話だな、あん時はお前オフ会で浮いてたよなー。泣きそうになって、そんな気持ちで店でたら沙織が待ってたよな」

京介「マック行ったら黒猫と喧嘩し始めるしよぉ……全くお前は世話がやける妹だよ」


京介「そんでもって次の日には親父にオタク趣味ばれやがって……アホかってーの。何とか終わったけど……マジで親父の拳骨は痛かったぜ……」

37: 2011/10/16(日) 02:27:03.85 ID:uA4/rf2W0
京介「―で、あやせの時はマジで大変でって……きり……の?」

何故か桐乃はポタポタと大粒の涙を垂らして鼻水すすってる

桐乃「うっうっ……あに……ぎぃ……」

京介「……泣くなよ。どうした?妹よ」

桐乃「分かんない……分かんないけど今までの事思い出して……」

京介「……そか」

平坦な声で言っちまったが少し俺は同様していた。

少し間を置いて意外なことを桐乃は言う。いや、予想は出来ていたのかもしれない。それは今となってはわからねーけどな。


桐乃「じんぜい……人生相談…………最後に一つだげ……」




桐乃「兄貴の事が大好きなの……どうすればいいの……どうじたらいいのか……わかんないよぉ……」


京介「…………はっ、何泣いてんだよ。ったくよぉ……」

京介「その人生相談、俺に任せろ」

46: 2011/10/16(日) 02:33:42.57 ID:uA4/rf2W0
桐乃「ずっと……ずっど好きだったから……でもどうやって接すればいいか分からないし……だから……だから…」

京介「んな難しい事考えなくていいんだよ、馬鹿。俺だってお前の事大好きだぜ」

桐乃「……っ!」

京介「だから泣く必要なんてねーんだよ。お前の思いは伝わってるし、俺もお前に
伝えたんだ。どうしたらいいかなんて考える必要ねー。
これからも俺にとってお前は家族で、兄妹で、最高の妹なんだ。
結婚したからってそれがなくなるか?
ふん、そんなもんなくなるわけねーんだよ。シスコン?上等だぜ、なんどでも言ってやる、
俺は妹が大っ好きなんだよ!かけがえのねー宝モンだ!手放してたまっかよ!」

これが……俺の精一杯の気持ちだぜ、高坂桐乃。

俺の妹、桐乃。





48: 2011/10/16(日) 02:35:23.44 ID:uA4/rf2W0
桐乃「あ……あははっ!きっも!超……シスコンじゃん……この変態兄貴……」

京介「へっ、何とでも言えよ」

桐乃「じゃあ、言うよ。私も兄貴が大好き。どうしようもないくらい大好き。世の中の女が地味だとか言ったって私にとっては最高にかっこよくて、誰にでも優しくて、そんでもって自慢の兄貴なの……」

京介「なんか……ベタ褒めし過ぎじゃね」

笑っちまった。

桐乃「兄貴……」

京介「何だ」

桐乃「大好き」

満面の笑みで言う妹に俺は不覚にもこんなことをまた、思ってしまった。



俺の妹がこんなに可愛いわけがない、ってな。

51: 2011/10/16(日) 02:36:01.83 ID:uA4/rf2W0
―結婚式―


桐乃「遅い」

京介「うっせえなぁ、もう。あれ?瑠璃は?」

桐乃「もうとっくに皆のとこ行った!」

京介「おぉ、そっか。じゃあ俺らも行きますか……」

53: 2011/10/16(日) 02:36:24.09 ID:uA4/rf2W0
―式場、広場―

あやせ「遅いですよ、お兄さん」

麻奈美「きょうちゃーん、早くしようよ~」

沙織「京介さん、真ん中に」


京介「皆でそう突っ込みかよ!」

黒猫「……フン」


京介「……?どうした」

黒猫「写真、二枚撮るそうよ」

京介「ふーん」


黒猫「…………」プイッ

京介「そうそっぽ向くなよ。―よいしょっと」

黒猫「ちょ、ちょっと。何を―」

55: 2011/10/16(日) 02:37:35.11 ID:uA4/rf2W0
京介「お姫様だっこだけど?」

黒猫「そ、そういうことじゃなくて!」

写真屋(イチャイチャしやがってチクショー)「撮りますよー」


はい、チーズ


黒猫「……とんでもない辱めだわ……」

京介「馬鹿、思い出だろ」

56: 2011/10/16(日) 02:38:06.80 ID:uA4/rf2W0
写真屋「二枚目行きマース」


京介「おい、桐乃」

桐乃「え?ちょ、ちょっと!」


黒猫「ふん、とことんシスコンね」


京介「うっせ。んじゃ撮るぞ」


はい、チーズ。


京介「ふぅ……」

桐乃&黒猫「何がふぅ……よ!」

京介「え、なんで?そんな嫌だった?」

桐乃&黒猫「いや、まぁ……その……悪くはないけどさ……(悪くはないわ……)」

57: 2011/10/16(日) 02:38:35.39 ID:uA4/rf2W0
―数年後―


俺は親父の職業についた。ま、警察ってこと。

黒猫―まぁ、瑠璃は最高の妻だ。なんか恥ずかしいな、これ。


子供は二人で、長男と長女が居る。長男のほうが兄貴なんだが……俺みたいにはなって欲しくねえなぁ……。なんて、無茶か。

あやせはモデルで大活躍してる。よくここまで有名になったなぁ……。

麻奈美?あいつは赤坂と結婚したぜ。俺の親友だ、安心して任せられるぜ。


沙織はお見合いで運命的な出会いをしたそうだ。あのグルグルめがねさえなきゃ超美人だしな。結婚式にはぜひ呼んでくれと頼んだ。

59: 2011/10/16(日) 02:39:18.36 ID:uA4/rf2W0
―そして桐乃。今でもモデル活動をしているんだが、メインは陸上選手。

なんとオリンピックの出場候補だぜ……俺の妹スゲー。

今日は一年ぶりに海外から帰ってくるんだ。楽しみだぜ。


黒猫「もう出勤の時間よ、アナタ。子供達はもう学校へ登校したわ」

京介「ん、そうか。俺もそろそろ行かなきゃな。そうだ今日桐乃が夕方辺り帰国してくるからさ、おいしい夕食頼んだぜ」

黒猫「はいはい、じゃあ気をつけてね」

京介「ああ、行ってきます」


 俺の選んだ道はどうやら最高のエンディングみたいだな。達成率100%、なんてな。

さて、仕事行くか。

                    ~終わり~


75: 2011/10/16(日) 02:48:53.38 ID:3RbKgZ+t0

引用: 京介「桐乃、俺結婚することになったんだ」