1: 2017/07/01(土) 18:06:45.07 ID:VVZ74XVb.net
――音ノ木坂学院、生徒会室
絵里「今日はいい風が吹いてるわね……ほら、見て。木漏れ日が綺麗で……」
にこ「なによ、髪なんかかきあげちゃって。かっこつけのつもり?」
希「えりちがそう言うと、なんか映画のワンシーンみたいやね。さすがは才色兼備の生徒会長様……」
絵里「も、もう! 茶化さないでよ! ……ねぇ、ちょっと昔のことを思い出さない? 三人で広場の木の下で、お弁当を食べた時」
希「あ~……そういえばそんなこともあったなぁ。普段は教室で食べたり別々で食べたりなのに、にこっちが突然『親睦を深めるために食事会よ!』とか言い始めて……」
にこ「ふふん、我ながらあの時は冴えていたわね。お互いがお互いを知って更なる友情を深め……! どう?! 今思えばあの頃からにこのカリスマ性は素晴らしいものが……ほら、もっと崇めなさい」
希「……」
絵里「……」
にこ「って、なんで黙るのよ! 私が痛い子みたいじゃない?!」
絵里「……ねえ、久しぶりにゲームセンターでも行かない?」
にこ「うわ、完全スルー……さすがに傷つくわね。ゲーセンねぇ、私は構わないけど。希はどうなのかしら」
希「ええよ。それにしてもえりちがゲームセンターなんて珍しいね。……他に何か意図があるみたいやん?」
絵里「……ふふ、希は何でもお見通しね。長い間一緒にいると、言わなくても伝わっちゃうのかしら……面倒ね」クスッ
絵里「今日はいい風が吹いてるわね……ほら、見て。木漏れ日が綺麗で……」
にこ「なによ、髪なんかかきあげちゃって。かっこつけのつもり?」
希「えりちがそう言うと、なんか映画のワンシーンみたいやね。さすがは才色兼備の生徒会長様……」
絵里「も、もう! 茶化さないでよ! ……ねぇ、ちょっと昔のことを思い出さない? 三人で広場の木の下で、お弁当を食べた時」
希「あ~……そういえばそんなこともあったなぁ。普段は教室で食べたり別々で食べたりなのに、にこっちが突然『親睦を深めるために食事会よ!』とか言い始めて……」
にこ「ふふん、我ながらあの時は冴えていたわね。お互いがお互いを知って更なる友情を深め……! どう?! 今思えばあの頃からにこのカリスマ性は素晴らしいものが……ほら、もっと崇めなさい」
希「……」
絵里「……」
にこ「って、なんで黙るのよ! 私が痛い子みたいじゃない?!」
絵里「……ねえ、久しぶりにゲームセンターでも行かない?」
にこ「うわ、完全スルー……さすがに傷つくわね。ゲーセンねぇ、私は構わないけど。希はどうなのかしら」
希「ええよ。それにしてもえりちがゲームセンターなんて珍しいね。……他に何か意図があるみたいやん?」
絵里「……ふふ、希は何でもお見通しね。長い間一緒にいると、言わなくても伝わっちゃうのかしら……面倒ね」クスッ
2: 2017/07/01(土) 18:07:14.29 ID:VVZ74XVb.net
にこ「いや、私ぜんっぜん絵里の意図が伝わらなかったんだけど……」
希「あはは、そんなもんやと思うよ。だいたい伝わったり、でもたまーに伝わらなかったり。それがウチらの関係と距離……悪くないやろ?」
にこ「あーあ、今度は希がかっこつけ始めちゃったわね」
絵里「私と出会う前の希だったら、絶対言わなそうなセリフね。ふふ」
希「も、もうえーの! ほら、準備もできたし遅くなる前にアキバにいかないと」
にこ「えー、まだ3時くらいよ? そんなに急がなくても……」
絵里「じゃあ、ゲームセンターまで競争! 負けたらジュースおごりー!」ダッ
希「ふふ、ウチの運動神経舐めたらあかんよ!」ダッ
にこ「えっ、ちょ、私だけ準備済んでないし完全に不利じゃない! 待ちなさいよ二人ともー!!」
希「あはは、そんなもんやと思うよ。だいたい伝わったり、でもたまーに伝わらなかったり。それがウチらの関係と距離……悪くないやろ?」
にこ「あーあ、今度は希がかっこつけ始めちゃったわね」
絵里「私と出会う前の希だったら、絶対言わなそうなセリフね。ふふ」
希「も、もうえーの! ほら、準備もできたし遅くなる前にアキバにいかないと」
にこ「えー、まだ3時くらいよ? そんなに急がなくても……」
絵里「じゃあ、ゲームセンターまで競争! 負けたらジュースおごりー!」ダッ
希「ふふ、ウチの運動神経舐めたらあかんよ!」ダッ
にこ「えっ、ちょ、私だけ準備済んでないし完全に不利じゃない! 待ちなさいよ二人ともー!!」
3: 2017/07/01(土) 18:07:40.99 ID:VVZ74XVb.net
――ゲームセンター
にこ「はぁ、はぁ……そこそこ体力はつけてきたつもりだけど、さすがにスタート失敗したうえでアンタたちには敵わないわ……」
絵里「うーん、勝者の味ね! 美味しいわ!」ゴクゴク
希「くっ、敵わんかったか……もう少し胸が大きければ、ゴール判定が覆ってたのになぁ……」
にこ「ぬわぁんで胸の話になるのよ!」
絵里「まぁまぁ、この戦いの話は終わりにしましょう? 今日はゲームセンターで楽しみに来たんだから」
にこ「くっ、勝者の余裕まで見せつけられた……!」
希「ここもあんまり変わってないなぁ。音はちょっと耳に響くけど、これもゲーセンって感じがしていいやん?」
にこ「そうねー、私はダンスゲームとかやってたし結構慣れてるけど」
絵里「私はちょっと苦手かしら……って、言い出しっぺは私なんだけど。最初は何をやろうかしら?」
希「……えりち、あそこにエアホッケーがあるよ……」ゴゴゴゴ
絵里「……ふふふ、さっき私に及ばなかったのに。懲りないわね……」ゴゴゴゴ
にこ「う、うわ、これ二人の世界に入っちゃったかしら。に、にこはーおとなしく見学してまーす……」
にこ「はぁ、はぁ……そこそこ体力はつけてきたつもりだけど、さすがにスタート失敗したうえでアンタたちには敵わないわ……」
絵里「うーん、勝者の味ね! 美味しいわ!」ゴクゴク
希「くっ、敵わんかったか……もう少し胸が大きければ、ゴール判定が覆ってたのになぁ……」
にこ「ぬわぁんで胸の話になるのよ!」
絵里「まぁまぁ、この戦いの話は終わりにしましょう? 今日はゲームセンターで楽しみに来たんだから」
にこ「くっ、勝者の余裕まで見せつけられた……!」
希「ここもあんまり変わってないなぁ。音はちょっと耳に響くけど、これもゲーセンって感じがしていいやん?」
にこ「そうねー、私はダンスゲームとかやってたし結構慣れてるけど」
絵里「私はちょっと苦手かしら……って、言い出しっぺは私なんだけど。最初は何をやろうかしら?」
希「……えりち、あそこにエアホッケーがあるよ……」ゴゴゴゴ
絵里「……ふふふ、さっき私に及ばなかったのに。懲りないわね……」ゴゴゴゴ
にこ「う、うわ、これ二人の世界に入っちゃったかしら。に、にこはーおとなしく見学してまーす……」
4: 2017/07/01(土) 18:08:36.59 ID:VVZ74XVb.net
カンカン バシュッ!カラン……
希「時間切れ! ウチの勝ちやね!」
絵里「1点差……かなしいくやしいエリーチカ」
にこ「……」
希「……」
絵里「……せ、せっかく勇気をだしてボケてみたのに沈黙は心に来るのだけど……」
希「あ、あっちにクレーンゲームがある。1プレイ100円デーやって」
にこ「いいわねー、クレーンゲーム。昔はダンスゲームの息抜きによくやってたわ」
絵里「も、もう二度とボケには回らないわ……。あ、あの台なんかいけるんじゃない? ほら、今すぐにも落ちそうだし……」
にこ「ふふん、甘いわね絵里。クレーンゲームっていうのは『もう落ちそう』っていうのが罠なのよ。まぁ、私くらいの上級者になると……」
希「よーし、500円6クレ投入で一気に落とすでー!」
にこ「上級者の忠告聞きなさいよ?!」
希「時間切れ! ウチの勝ちやね!」
絵里「1点差……かなしいくやしいエリーチカ」
にこ「……」
希「……」
絵里「……せ、せっかく勇気をだしてボケてみたのに沈黙は心に来るのだけど……」
希「あ、あっちにクレーンゲームがある。1プレイ100円デーやって」
にこ「いいわねー、クレーンゲーム。昔はダンスゲームの息抜きによくやってたわ」
絵里「も、もう二度とボケには回らないわ……。あ、あの台なんかいけるんじゃない? ほら、今すぐにも落ちそうだし……」
にこ「ふふん、甘いわね絵里。クレーンゲームっていうのは『もう落ちそう』っていうのが罠なのよ。まぁ、私くらいの上級者になると……」
希「よーし、500円6クレ投入で一気に落とすでー!」
にこ「上級者の忠告聞きなさいよ?!」
5: 2017/07/01(土) 18:09:16.10 ID:VVZ74XVb.net
希「ここらへんかなー……いや、もうちょっと横にいっても……あ、ボタン押しすぎた」
にこ「だーっ、横にいきすぎよ! まぁ、縦移動でまだ挽回できそうだけど……」
絵里「えーっと、縦移動は筐体の側面から見つつ動かすといいって聞いたわね」
希「よーし、じゃあ横から……この辺、ていっ!」
絵里「い、いけるかしら……?」ドキドキ
にこ「あ、アームが下に行く設定なら……」
ガタン!
希「おお、やった! 落ちた!」
絵里「やったわね! 残り1クレジットでギリギリ……!」
にこ「ふん。初心者にしては悪くないってところかしら」
希「……ところでこのぬいぐるみ、どうしよう」
絵里「む、無計画すぎるわね……。そうね、にこの椅子にでも置いておく?」
希「あー、確かににこっちは好きそうやなぁ。このぬいぐるみ」
にこ「そうね。ま、まぁかわいいし、私の椅子に置いておくくらいなら……って、私の椅子に置いたら私が座れないじゃない?!」
希「……」
絵里「……」
にこ「またスルー?! にこの椅子危うし?!」
にこ「だーっ、横にいきすぎよ! まぁ、縦移動でまだ挽回できそうだけど……」
絵里「えーっと、縦移動は筐体の側面から見つつ動かすといいって聞いたわね」
希「よーし、じゃあ横から……この辺、ていっ!」
絵里「い、いけるかしら……?」ドキドキ
にこ「あ、アームが下に行く設定なら……」
ガタン!
希「おお、やった! 落ちた!」
絵里「やったわね! 残り1クレジットでギリギリ……!」
にこ「ふん。初心者にしては悪くないってところかしら」
希「……ところでこのぬいぐるみ、どうしよう」
絵里「む、無計画すぎるわね……。そうね、にこの椅子にでも置いておく?」
希「あー、確かににこっちは好きそうやなぁ。このぬいぐるみ」
にこ「そうね。ま、まぁかわいいし、私の椅子に置いておくくらいなら……って、私の椅子に置いたら私が座れないじゃない?!」
希「……」
絵里「……」
にこ「またスルー?! にこの椅子危うし?!」
6: 2017/07/01(土) 18:09:43.41 ID:VVZ74XVb.net
絵里「……ねぇ、ここから見る夕焼けも……綺麗だと思わない?」
にこ「……またかっこつけたこと言っちゃって。でも……ちょっとわかるわ。ゲーセンの入り口で夕焼けの美しさに浸るなんて、ちょっと可笑しいけど」
希「……ホントやね」クスッ
にこ「ねぇ、絵里……さっき言ってた、他の意図ってどういうこと?」
絵里「……私はね……この夕焼けを見ながら、ちょっとアキバを歩いてみたかったの」
にこ「今日はかっこつけっぱなしね……。まぁ、付き合ってあげてもいいけど」
希「ふふ、なんか今日は感傷的な感じやね」
絵里「そうかしら……ちょっとらしくない、そう見える?」
希「確かに、らしくないとは思うけど……らしくない一面は、誰にでもあるやろ? それを見せてくれるのは『友達』って感じがして嬉しいな」
にこ「……そうよ。絵里は普段真面目すぎるんだから……私や希の前では、少し素直になりなさい」
絵里「……そう言ってくれてうれしいわ、ありがとう」
にこ「ほーら、いつまでもセンチメンタルになってないで、さっさと行きましょう」
希「アキバを歩くといっても、最終的にはどこに行くん? まぁ、ぶらぶらするだけでもウチはええけど……」
絵里「ちょっとぶらぶら歩いてから……学校に戻らない? まだ、学校は空いてるし」
にこ「ええ、結局戻るの……」
希「あはは、今日のえりちはちょっと不思議やね。えりちがそういうなら、ウチはええよ」
にこ「しょーがないわねぇー。絵里の珍しいわがままだし、ついていってあげるわ」
にこ「……またかっこつけたこと言っちゃって。でも……ちょっとわかるわ。ゲーセンの入り口で夕焼けの美しさに浸るなんて、ちょっと可笑しいけど」
希「……ホントやね」クスッ
にこ「ねぇ、絵里……さっき言ってた、他の意図ってどういうこと?」
絵里「……私はね……この夕焼けを見ながら、ちょっとアキバを歩いてみたかったの」
にこ「今日はかっこつけっぱなしね……。まぁ、付き合ってあげてもいいけど」
希「ふふ、なんか今日は感傷的な感じやね」
絵里「そうかしら……ちょっとらしくない、そう見える?」
希「確かに、らしくないとは思うけど……らしくない一面は、誰にでもあるやろ? それを見せてくれるのは『友達』って感じがして嬉しいな」
にこ「……そうよ。絵里は普段真面目すぎるんだから……私や希の前では、少し素直になりなさい」
絵里「……そう言ってくれてうれしいわ、ありがとう」
にこ「ほーら、いつまでもセンチメンタルになってないで、さっさと行きましょう」
希「アキバを歩くといっても、最終的にはどこに行くん? まぁ、ぶらぶらするだけでもウチはええけど……」
絵里「ちょっとぶらぶら歩いてから……学校に戻らない? まだ、学校は空いてるし」
にこ「ええ、結局戻るの……」
希「あはは、今日のえりちはちょっと不思議やね。えりちがそういうなら、ウチはええよ」
にこ「しょーがないわねぇー。絵里の珍しいわがままだし、ついていってあげるわ」
7: 2017/07/01(土) 18:11:55.35 ID:VVZ74XVb.net
――音ノ木坂学院、屋上
絵里「……楽しかったわね。ゲームセンターも、学校までの道も」
希「……そうやね。たくさん人がいるアキバやけど、不思議と静かな気もして、夕焼けも綺麗で……」
にこ「私たちだけの時間……って感じがしたわね。……ふふっ、絵里のセンチメンタルがうつっちゃったかしら?」
絵里「……」
にこ「……絵里?」
希「……えりち?
――どうして、泣いてるん?」
絵里「な、泣いてなんか……グスッ……いないわよ……」
にこ「も、もう! どうしたのよ急に……」
希「えりち……さっきも言ったやろ、友達って。……強がらなくて、いいんよ」
絵里「……グスッ……うわぁぁぁぁぁん!!!!!」
希「……大丈夫、ウチがずっとそばにいる」ギュウ
希「落ち着くまで、ずっと、好きなだけ……泣いていいから」
絵里「うぅぅ……うわぁぁぁぁぁぁん!!!!」
絵里「……楽しかったわね。ゲームセンターも、学校までの道も」
希「……そうやね。たくさん人がいるアキバやけど、不思議と静かな気もして、夕焼けも綺麗で……」
にこ「私たちだけの時間……って感じがしたわね。……ふふっ、絵里のセンチメンタルがうつっちゃったかしら?」
絵里「……」
にこ「……絵里?」
希「……えりち?
――どうして、泣いてるん?」
絵里「な、泣いてなんか……グスッ……いないわよ……」
にこ「も、もう! どうしたのよ急に……」
希「えりち……さっきも言ったやろ、友達って。……強がらなくて、いいんよ」
絵里「……グスッ……うわぁぁぁぁぁん!!!!!」
希「……大丈夫、ウチがずっとそばにいる」ギュウ
希「落ち着くまで、ずっと、好きなだけ……泣いていいから」
絵里「うぅぅ……うわぁぁぁぁぁぁん!!!!」
8: 2017/07/01(土) 18:12:37.23 ID:VVZ74XVb.net
~~
希「……落ち着いた?」
絵里「グスッ……ええ……。ごめんね、急に泣き出したりなんかして」
にこ「だーかーらー、いいのよ。謝らなくても。友達でしょう?」
希「ふふ、夕日が綺麗すぎて、感動のあまり泣き出しちゃった?」
絵里「もう、またそんなこと言って……でも、そうね。そういうことにしておこうかしら」
希「……ねぇ、えりち。本当はまだ、気持ちは落ち着いてないんやない?」
にこ「今回ばかりは私も簡単にわかるわ。……不器用ね、隠すのが下手すぎよ……。強がらなくていいのに」
絵里「……ふふ、やっぱり面倒ね。伝わっちゃうって。……生徒会室に行ってくるわ、ちょっと頭を冷やそうと思うの」
希「ん、おっけー。ウチはもうちょっと屋上にいるな。……夕日、綺麗やし」
絵里「ふふ、希も感動して泣きだしちゃったり?」
希「そ、そんなわけないやん。……あ、そや。ほら、このぬいぐるみ」ガサッ
絵里「了解、ばっちりにこの椅子に置いておくわ!」
にこ「ええ、そのネタまだ引っ張るの……」
スタスタ……ガチャン
希「……落ち着いた?」
絵里「グスッ……ええ……。ごめんね、急に泣き出したりなんかして」
にこ「だーかーらー、いいのよ。謝らなくても。友達でしょう?」
希「ふふ、夕日が綺麗すぎて、感動のあまり泣き出しちゃった?」
絵里「もう、またそんなこと言って……でも、そうね。そういうことにしておこうかしら」
希「……ねぇ、えりち。本当はまだ、気持ちは落ち着いてないんやない?」
にこ「今回ばかりは私も簡単にわかるわ。……不器用ね、隠すのが下手すぎよ……。強がらなくていいのに」
絵里「……ふふ、やっぱり面倒ね。伝わっちゃうって。……生徒会室に行ってくるわ、ちょっと頭を冷やそうと思うの」
希「ん、おっけー。ウチはもうちょっと屋上にいるな。……夕日、綺麗やし」
絵里「ふふ、希も感動して泣きだしちゃったり?」
希「そ、そんなわけないやん。……あ、そや。ほら、このぬいぐるみ」ガサッ
絵里「了解、ばっちりにこの椅子に置いておくわ!」
にこ「ええ、そのネタまだ引っ張るの……」
スタスタ……ガチャン
9: 2017/07/01(土) 18:14:08.13 ID:VVZ74XVb.net
希「……夕日、綺麗やね」
にこ「……そうね」
希「……ッ」
にこ「希?」
希「……ぅう……グスッ……」
にこ「……何、泣いてんのよ。希も絵里も……二人とも、今日はなんかおかしいわよ」
希「……うぅ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
にこ「あー、もう! ほら、泣き止みなさいよ! さっき言ってたじゃない! 私も絵里も、友達だって!」
希「グスッ……うえぇぇぇぇぇぇん……」
にこ「の、希! ……ねぇ、ほら、私がいるでしょう!? 希が絵里をなだめたんだから、次は私が希をなだめる番でしょ!?」
にこ「……そりゃあ、まぁ、絵里と比べれば、希のことはわかってあげられてないかもしれない……けど、それでも……
さっきみたいに、胸に飛び込んできたり、そうじゃなくても、手を握り合ったり。なんでもいいじゃない。
ほら、この胸に飛び込んできなさい! 私の胸なら、さっきみたいに胸が窮屈にならないわよ!」
希「うぅ……うわぁぁぁぁぁん!!!!!」
にこ「ねぇ、希?! なんで何も言ってくれないのよ?! これじゃあ、まるで私が――
――私が、いないみたいじゃない……」
にこ「……そうね」
希「……ッ」
にこ「希?」
希「……ぅう……グスッ……」
にこ「……何、泣いてんのよ。希も絵里も……二人とも、今日はなんかおかしいわよ」
希「……うぅ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
にこ「あー、もう! ほら、泣き止みなさいよ! さっき言ってたじゃない! 私も絵里も、友達だって!」
希「グスッ……うえぇぇぇぇぇぇん……」
にこ「の、希! ……ねぇ、ほら、私がいるでしょう!? 希が絵里をなだめたんだから、次は私が希をなだめる番でしょ!?」
にこ「……そりゃあ、まぁ、絵里と比べれば、希のことはわかってあげられてないかもしれない……けど、それでも……
さっきみたいに、胸に飛び込んできたり、そうじゃなくても、手を握り合ったり。なんでもいいじゃない。
ほら、この胸に飛び込んできなさい! 私の胸なら、さっきみたいに胸が窮屈にならないわよ!」
希「うぅ……うわぁぁぁぁぁん!!!!!」
にこ「ねぇ、希?! なんで何も言ってくれないのよ?! これじゃあ、まるで私が――
――私が、いないみたいじゃない……」
11: 2017/07/01(土) 18:16:10.03 ID:VVZ74XVb.net
希「……うぅ……」
にこ「意地悪はやめなさいよ、こんな時に! ……ほら、手を握ってあげるわ。これで少しは落ち着くでしょう?」
希「グスッ……うぅ……うぅぅ……うわぁぁぁぁぁぁん!!!」
にこ「な、なんでもっと泣くのよ! ……ねぇ、希? なんで……なんで、私の方を向いてくれないの?」
希「……グスッ……にこっち……」
にこ「あ、やっと名前呼んでくれたわね! さっきからずっと呼び掛けてるんだから、さっさと返事して……」
希「にこっち……ウチ、嫌だよ。受け入れられないよ。あんなにたくさん話して、あんなにたくさん遊んで、あんなに笑ってたのに……
――なんで、いなくなっちゃうの? なんで、ウチとえりちを残して……ヒック……うわぁぁぁぁん!!!!!」
にこ「意地悪はやめなさいよ、こんな時に! ……ほら、手を握ってあげるわ。これで少しは落ち着くでしょう?」
希「グスッ……うぅ……うぅぅ……うわぁぁぁぁぁぁん!!!」
にこ「な、なんでもっと泣くのよ! ……ねぇ、希? なんで……なんで、私の方を向いてくれないの?」
希「……グスッ……にこっち……」
にこ「あ、やっと名前呼んでくれたわね! さっきからずっと呼び掛けてるんだから、さっさと返事して……」
希「にこっち……ウチ、嫌だよ。受け入れられないよ。あんなにたくさん話して、あんなにたくさん遊んで、あんなに笑ってたのに……
――なんで、いなくなっちゃうの? なんで、ウチとえりちを残して……ヒック……うわぁぁぁぁん!!!!!」
12: 2017/07/01(土) 18:16:46.44 ID:VVZ74XVb.net
にこ「……っ! ……私だって。
私だって、受け入れられるわけないじゃない! 希や絵里を残して、一人だけいなくなるなんて、嫌に決まってるじゃない!」
にこ「だいたい、アンタたち二人は不器用すぎるのよ! 私がいないと絶対ダメになるわ! だから、私がずっと二人のそばにいて、アンタたちを見守って!」
にこ「三人でまた木の下でお弁当食べたり、かけっこしたり……グスッ……ゲームセンターに行って! エアホッケーしたり、クレーンゲームしたり……っ!」
にこ「屋上で夕日を見て、三人で……っ……三人で、下らない話をしたり……うぅ……」
にこ「ねぇ、希! 私はここにいるわ! 霊が見えるんでしょ! スピリチュアルとかなんとかいってたじゃない!」
にこ「なのに、なんで、なんで――っ! なんでずっと泣いてるのよ! ……グスッ……うぅっ……!」
希「うわぁぁぁぁん……うえぇぇぇぇぇぇん!!!!」
私だって、受け入れられるわけないじゃない! 希や絵里を残して、一人だけいなくなるなんて、嫌に決まってるじゃない!」
にこ「だいたい、アンタたち二人は不器用すぎるのよ! 私がいないと絶対ダメになるわ! だから、私がずっと二人のそばにいて、アンタたちを見守って!」
にこ「三人でまた木の下でお弁当食べたり、かけっこしたり……グスッ……ゲームセンターに行って! エアホッケーしたり、クレーンゲームしたり……っ!」
にこ「屋上で夕日を見て、三人で……っ……三人で、下らない話をしたり……うぅ……」
にこ「ねぇ、希! 私はここにいるわ! 霊が見えるんでしょ! スピリチュアルとかなんとかいってたじゃない!」
にこ「なのに、なんで、なんで――っ! なんでずっと泣いてるのよ! ……グスッ……うぅっ……!」
希「うわぁぁぁぁん……うえぇぇぇぇぇぇん!!!!」
13: 2017/07/01(土) 18:17:33.46 ID:VVZ74XVb.net
にこ「……希、聞いてほしいことがあるの」
希「グスッ……うぅ……」
にこ「もう……グスッ……いつまで泣いてるのよ……」
希「にこっち……うぅ……会いたいよ……」
にこ「バカね、目の前にいるじゃない。ホント、絵里も希も寂しがり屋ね」
希「なんで、なんでにこっちが……いなくならなきゃいけないの……!」
にこ「これも運命でしょ? アンタが良く占ってくれてたじゃない。タロットで氏神のカードが出て『あーあ、これはにこっちに不吉なことが起きるな~』とか笑ってたのは誰よ、全く」
希「にこっちがいない世界で、生きてなんかいけないよ……!」
にこ「なーに弱気になってんのよ! そんなんでもし私を追いかけてきたりなんかしたら、アンタとは絶交よ!」
希「恥ずかしくて言わなかったけど……ヒック……ウチ、ずっとにこっちに支えられてたんだよ……? にこっちにも、えりちにも……なのに……!」
にこ「素直じゃないわねー、アンタはずっとそうだけど。こんな時だけ素直になっちゃって……。大丈夫よ、希には絵里がいるじゃない。
さっきはあんなこと言ったけど、希と絵里なら支え合って生きていけるわ。私が保証する。
……それに、私も希と絵里に支えられてたわ。おあいこよ。こんなこと、アンタの前では絶対言いたくなかったんだけどね」
希「グスッ……うぅ……」
にこ「もう……グスッ……いつまで泣いてるのよ……」
希「にこっち……うぅ……会いたいよ……」
にこ「バカね、目の前にいるじゃない。ホント、絵里も希も寂しがり屋ね」
希「なんで、なんでにこっちが……いなくならなきゃいけないの……!」
にこ「これも運命でしょ? アンタが良く占ってくれてたじゃない。タロットで氏神のカードが出て『あーあ、これはにこっちに不吉なことが起きるな~』とか笑ってたのは誰よ、全く」
希「にこっちがいない世界で、生きてなんかいけないよ……!」
にこ「なーに弱気になってんのよ! そんなんでもし私を追いかけてきたりなんかしたら、アンタとは絶交よ!」
希「恥ずかしくて言わなかったけど……ヒック……ウチ、ずっとにこっちに支えられてたんだよ……? にこっちにも、えりちにも……なのに……!」
にこ「素直じゃないわねー、アンタはずっとそうだけど。こんな時だけ素直になっちゃって……。大丈夫よ、希には絵里がいるじゃない。
さっきはあんなこと言ったけど、希と絵里なら支え合って生きていけるわ。私が保証する。
……それに、私も希と絵里に支えられてたわ。おあいこよ。こんなこと、アンタの前では絶対言いたくなかったんだけどね」
14: 2017/07/01(土) 18:18:07.08 ID:VVZ74XVb.net
希「にこっち……うわぁぁぁん……」
にこ「希。もう、泣かないでよ。私のためにそんなに泣くなら、その分、私の分まで笑いなさい! ほら、『にっこにっこにー♪』よ! 絵里にも伝えておくこと、いい?!」
希「……グスッ……ふふっ、にこっちはいつもやってたなぁ。『にっこにっこにー♪』って……」
にこ「希?! 私の声が聞こえて……」
希「……うぅ……笑えるわけない、笑顔になれるわけないよ……!」
にこ「……って、そんなわけないわよね。もう、最後の最後で期待させちゃって」
にこ「希。もう、泣かないでよ。私のためにそんなに泣くなら、その分、私の分まで笑いなさい! ほら、『にっこにっこにー♪』よ! 絵里にも伝えておくこと、いい?!」
希「……グスッ……ふふっ、にこっちはいつもやってたなぁ。『にっこにっこにー♪』って……」
にこ「希?! 私の声が聞こえて……」
希「……うぅ……笑えるわけない、笑顔になれるわけないよ……!」
にこ「……って、そんなわけないわよね。もう、最後の最後で期待させちゃって」
15: 2017/07/01(土) 18:18:43.29 ID:VVZ74XVb.net
「……もう夕日も沈んじゃうわね。希がずっと泣いてるせいで、結局最後に言うことになっちゃったけど」
「希に出会えて、絵里に出会えて、私は幸せだったわ。恵まれすぎていたくらいよ」
「その分、不幸にもなっちゃったけど……って、ダメねこれじゃ。私まで弱気になっちゃった。ま、癪だけど、ちゃんと受け入れることにするわ」
「ねぇ、希。アンタはよくスピリチュアルとか言ってたけど……今は神様を恨んでるでしょうね。『なんでにこっちを』とかって」
「私は、神様なんて信じてないわ。だけど、今日私が希や絵里のそばにいられたのは、『奇跡』ってやつじゃない?」
「ま、残念ながらアンタは私のことが見えないみたいだけどね。でもね、私は……希や絵里の顔を見られて、良かったわ」
「……もう行かなきゃ。これだけは言っておくわ。絵里にも伝えておきなさい。……ホントは、私がいた時、面と向かって言いたかったんだけどね」
「私は、アンタたちのこと――」
.
「希に出会えて、絵里に出会えて、私は幸せだったわ。恵まれすぎていたくらいよ」
「その分、不幸にもなっちゃったけど……って、ダメねこれじゃ。私まで弱気になっちゃった。ま、癪だけど、ちゃんと受け入れることにするわ」
「ねぇ、希。アンタはよくスピリチュアルとか言ってたけど……今は神様を恨んでるでしょうね。『なんでにこっちを』とかって」
「私は、神様なんて信じてないわ。だけど、今日私が希や絵里のそばにいられたのは、『奇跡』ってやつじゃない?」
「ま、残念ながらアンタは私のことが見えないみたいだけどね。でもね、私は……希や絵里の顔を見られて、良かったわ」
「……もう行かなきゃ。これだけは言っておくわ。絵里にも伝えておきなさい。……ホントは、私がいた時、面と向かって言いたかったんだけどね」
「私は、アンタたちのこと――」
.
16: 2017/07/01(土) 18:19:21.45 ID:VVZ74XVb.net
希「……っ!? にこっち!?」
絵里「ふぅ、少し落ち着いたわ……って、ど、どうしたの? 希?」
希「あ、えりち……? 戻ってきたんやね……。もう、目真っ赤やよ」
絵里「全く……グスッ……希もよ。人のこと言えないでしょう」
希「ふふ……ねぇ、えりち。今ね、にこっちの声が聞こえた気がしたんよ」
絵里「……風の音と聞き間違えたんじゃないかしら?」
希「もー、茶化さんといてよ! にこっちの声を聞き間違えるわけないやん!」
絵里「ふふ、ごめんなさい。……ねぇ、にこはなんて言ってたの?」
希「……『アンタたちのこと、二人のこと、大好きだったわ』って」
絵里「……今更ね」
希「ふふ、そうやね」
絵里「……でも、一応返事はしておこうかしら」
絵里「ふぅ、少し落ち着いたわ……って、ど、どうしたの? 希?」
希「あ、えりち……? 戻ってきたんやね……。もう、目真っ赤やよ」
絵里「全く……グスッ……希もよ。人のこと言えないでしょう」
希「ふふ……ねぇ、えりち。今ね、にこっちの声が聞こえた気がしたんよ」
絵里「……風の音と聞き間違えたんじゃないかしら?」
希「もー、茶化さんといてよ! にこっちの声を聞き間違えるわけないやん!」
絵里「ふふ、ごめんなさい。……ねぇ、にこはなんて言ってたの?」
希「……『アンタたちのこと、二人のこと、大好きだったわ』って」
絵里「……今更ね」
希「ふふ、そうやね」
絵里「……でも、一応返事はしておこうかしら」
17: 2017/07/01(土) 18:20:26.13 ID:VVZ74XVb.net
絵里「――ねぇ、にこ? 私もね……あなたのこと、大好きだったわ」
希「ウチも……えりちより、ずっとずっと、大好きだったよ!」
絵里「って、なんでこんなところで対抗心燃やしてるのよ……」
希「あはは、ほら、ずっと泣いてるとにこっちに怒られそうやん?」
絵里「……そう言ってる割に、また泣きそうになってるじゃない……グスッ……」
希「えりちも……グスッ……まだ泣き足りないん……?」
絵里「……ねぇ、希。もうちょっと、ここにいない? ……希の言ったにこの声が、また聞こえるかもしれないし」
希「うん……そうやね。……きっとまた、聞こえると思う」
希(ねぇ、にこっち……夕日はもう沈んじゃったけど、空は綺麗だよ)
希(ウチも――えりちも、きっと。本当はわかってる。にこっちはもういない。にこっちの声が、聞こえるわけないって。でも――)
希(叶わないって知ってるけど、それでもウチは……にこっちに、会いたいな)
~fin~
希「ウチも……えりちより、ずっとずっと、大好きだったよ!」
絵里「って、なんでこんなところで対抗心燃やしてるのよ……」
希「あはは、ほら、ずっと泣いてるとにこっちに怒られそうやん?」
絵里「……そう言ってる割に、また泣きそうになってるじゃない……グスッ……」
希「えりちも……グスッ……まだ泣き足りないん……?」
絵里「……ねぇ、希。もうちょっと、ここにいない? ……希の言ったにこの声が、また聞こえるかもしれないし」
希「うん……そうやね。……きっとまた、聞こえると思う」
希(ねぇ、にこっち……夕日はもう沈んじゃったけど、空は綺麗だよ)
希(ウチも――えりちも、きっと。本当はわかってる。にこっちはもういない。にこっちの声が、聞こえるわけないって。でも――)
希(叶わないって知ってるけど、それでもウチは……にこっちに、会いたいな)
~fin~
18: 2017/07/01(土) 18:21:45.23 ID:VVZ74XVb.net
以上です。読んでくれた方がいたら嬉しいです。ありがとうございました。
23: 2017/07/01(土) 18:36:54.83 ID:WQEkjD/q.net
なんでにこいなくなってしまうん…


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