71: 2009/03/18(水) 23:09:22.30 ID:gMY8C0150
水銀燈「からたちの花…」

72: 2009/03/18(水) 23:11:12.61 ID:gMY8C0150
水銀燈「良い歌ね…」

めぐ「そう?」

水銀燈「もっと聞かせて」

めぐ「ふふ、水銀燈はこの歌が好きね」
ローゼンメイデン 愛蔵版 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
73: 2009/03/18(水) 23:12:24.79 ID:gMY8C0150
水銀燈「めぐだって好きだからよく歌うんでしょ?」

めぐ「ええ、この歌はおばあちゃんが私の小さい頃によく歌ってくれてたの」

水銀燈「ふーん…」

めぐ「もう氏んじゃったんだけどね。私の子守歌として聞かせてもらってたわ」

水銀燈「氏んじゃったの?」

めぐ「3年前にね。私は入院してたからお葬式にはでれなかったんだけど」

水銀燈「めぐがそんな風に他人のことを話すなんて珍しいわね」

めぐ「優しい人だったからね。私はおばあちゃんっ子だったし」

めぐ「だから、はやく氏んでおばあちゃんに会いたいわ」

水銀燈「めぐ!」

めぐ「ふふ、続きを歌いましょうか」

75: 2009/03/18(水) 23:14:31.59 ID:gMY8C0150
    からたちの花が咲いたよ
       白い 白い 花が咲いたよ
     からたちのとげはいたいよ
       青い 青い 針のとげだよ
     からたちは畑の垣根よ
       いつも いつも とおる道だよ
     からたちも秋はみのるよ
       まろい まろい 金のたまだよ
     からたちのそばで泣いたよ
       みんな みんな やさしかったよ

水銀燈「からたちってどういう植物なの?」

めぐ「さぁ?私は見たこと無いからわからないわ」

水銀燈「この歌好きなのに?」

めぐ「それとこれとは関係ないわ。まあ、見てみたいとは思うけどね」

水銀燈「みたいんだ…」

77: 2009/03/18(水) 23:16:19.09 ID:gMY8C0150
めぐ「あ、そういえば一つ知っていることがあるわ」

水銀燈「なに?」

めぐ「からたちの葉はアゲハチョウの幼虫の好物なんだって」

めぐ「なんだか私と水銀燈の関係に似てるわね」

水銀燈「どこがよ」

めぐ「だって、幼虫はからたちの葉をたべて蝶になるでしょ?水銀燈は私の命を吸ってアリスになるじゃない」

水銀燈「別に私は好きこのんでアナタの命を吸い取るわけじゃないわぁ」

水銀燈「アナタの代わりなんて、いくらでもいるんだから」

めぐ「何よ、その言い方」

水銀燈「ふん!」

78: 2009/03/18(水) 23:18:10.08 ID:gMY8C0150
めぐ「!」

めぐ ゴホッゴホッ

水銀燈「めぐ!」

水銀燈「しっかりして!ナースコールは押したから、すぐ人が来わ!」

めぐ 「す、すいぎん…と……」ゴホッゴホッ

水銀燈「じゃ、じゃあ私は医者に見つかるからいくわね!」バサッ

水銀燈(最近、めぐの発作が多くなってる…)

水銀燈(めぐ………)

80: 2009/03/18(水) 23:19:55.15 ID:gMY8C0150
翠星石「伸びやかに~健やかに~♪」シャー

水銀燈「花の水やりに精が出るわね」

翠星石「水銀燈!」

水銀燈「そんなに警戒しないでよ。今日はアリスゲームしに来た訳じゃないんだから」

翠星石「……」

翠星石「ホントですか?」

水銀燈「別にうそつく必要がないじゃない」

水銀燈「もしアリスゲームしに来たのだったら不意打ちでも何でもしてるわぁ」


82: 2009/03/18(水) 23:22:36.87 ID:gMY8C0150
翠星石「じゃあ、何かようですか?」

水銀燈「実はアナタにちょっとした相談があるんだけど」

翠星石「相談?」

水銀燈「アナタは花や植物に詳しいから」

翠星石「ふーん。水銀燈が翠星石に相談ですか」

翠星石「いいですよ。とりあえず、家の中でお茶でも飲みながら話しましょう」


85: 2009/03/18(水) 23:24:14.29 ID:gMY8C0150
水銀燈「ちょっと待って家の中には誰がいるの?」

翠星石「JUMとのりは学校ですから、真紅と雛苺がくんくんのDVDを見ているですよ」

水銀燈「あの引きこもりが学校!?」

翠星石「そんなに驚くことないじゃないですか。JUMは2学期から学校に行ってるんです」

水銀燈「ふーん」

翠星石「じゃあ、家に入りましょうよ」

水銀燈「いやいや、だめよ」

翠星石「なぜですか?」

水銀燈「真紅がいるんでしょう?あのブサイクとは顔を会わせたくないわぁ」

翠星石「相変わらず仲が悪いんですねぇ」

86: 2009/03/18(水) 23:25:33.95 ID:gMY8C0150
水銀燈「ちょっとした相談だからここで聞いてちょうだい」

翠星石「別にいいですよ。それで相談ってなんなんですか?」

水銀燈「アナタ、からたちって知ってる?」

翠星石「からたちですか?もちろん知ってますけど、それがどうかしたんですか?」

水銀燈「私のミーディアムのめぐって子がいるんだけど」

水銀燈「その子が好きな歌でからたちの花って言うのがあって、でもめぐはそれを見たことがないの」

水銀燈「だから、私が見せてあげたくって…」

87: 2009/03/18(水) 23:26:41.95 ID:gMY8C0150
翠星石「ほぇー、水銀燈が他人の為になにかするなんて…」

翠星石「こりゃ、天変地異でも起きちまうですかねぇ」

水銀燈「からかわないでちょうだい」

翠星石「冗談ですよ。でも、水銀燈が気にかける、そのめぐってヤツには興味があるです」

翠星石「どんなヤツなんですか?」

水銀燈「私と同じ、いやそれ以上に病んでる子よぉ。心も体もね」

翠星石「病気なんですか?」

水銀燈「ええ、まぁ。そのせいか人に気を許さないのよ。誰も近寄るなって感じで」

翠星石「ふーん。なんだか、からたちみたいなヤツですねぇ」

水銀燈「どういう意味?」

88: 2009/03/18(水) 23:28:26.82 ID:gMY8C0150
翠星石「からたちには鋭いトゲがあるんですよ」

翠星石「だから昔は敵からの侵入を防ぐ為に生け垣によく使われてたんです」

水銀燈「生け垣?」

翠星石「塀のことですよ。めぐも人を寄せ付けないっていうから、なんだか似てるなぁって思ったわけです」

水銀燈「なるほどね」

89: 2009/03/18(水) 23:29:39.52 ID:gMY8C0150
翠星石「で、水銀燈はめぐにそのからたちを見せたいわけですね」

水銀燈「ええ、でもそういうものだとは知らなかったわぁ」

水銀燈「もっと、華やかで優しい感じだと思ってた」

翠星石「いえ、きれいな白い花が咲きますよ。大体、トゲなら薔薇にだってあるじゃないですか」

水銀燈「それもそうねぇ。それで、その花は手に入るのぉ?」

翠星石「うーん、むずかしいですねぇ」

水銀燈「珍しいものなの?」

翠星石「いえ、確かにメジャーではないですが、手に入らないわけじゃないです……」


91: 2009/03/18(水) 23:30:36.67 ID:gMY8C0150
水銀燈「食べてみたら?」

めぐ「じゃあ、たべようかな」パクッ

めぐ「うえぇぇ、まずい。こんなの食べられないわ」

水銀燈「ふふ、だって食用じゃないもの」

めぐ「ひどいじゃない!」

水銀燈「悪かったわ。ごめんなさい、めぐ」

92: 2009/03/18(水) 23:31:59.22 ID:gMY8C0150
水銀燈「ところで、からたちにはオレンジと合体したものがあってね、オレタチって言うのがあるの」

水銀燈(翠星石からの受け売りだけどね)

めぐ「へぇ、面白い名前ね」

水銀燈「めぐ……」

めぐ「なに?」

水銀燈「ワタシタチはずっと一緒よ」

めぐ「ふふ、そうねワタシタチはずっと一緒だわ」

水銀燈「氏が二人を別つまで……?」

めぐ「いいえ」

水銀燈・めぐ「氏んでからも、ずっと一緒だわ」

-fin-

93: 2009/03/18(水) 23:34:25.88 ID:WR5A7+040
そのギャグセンスには同意しかねるぜ・・・・
乙!

94: 2009/03/18(水) 23:35:26.05 ID:SsFv0O2g0
乙なのだわ

95: 2009/03/18(水) 23:35:42.05 ID:gMY8C0150
終わりです。支援、ありがとうございました。
次回は書くときはもっとカオスでブラックなのを書きたいと思います。

予定
翠星石「ゆ、幽霊なんて信じないです」
JUM「くんくん終了のお知らせwwwww」
真紅「太ってる…」
の3本です。

96: 2009/03/18(水) 23:35:44.48 ID:FpbGOfae0
乙!!!!

引用: 薔薇水晶「びくんびくん…」他