1:◆kVQhfnJMM6 2014/05/22(木) 17:26:34.10 ID:3K8AONi90
・初めてココを使うから最初のうちはバタつくかも……

・左遷を食らった瑞鶴が、こまけぇことはいいんだよ精神で提督と艦娘達とまったり過ごす日常モノ。
・鶴姉妹メインの話が少ないから書いた。反省はしていない。
・可愛いのが翔鶴、かわいいのが瑞鶴。ここテストに出ます。

・近ごろタイトル詐欺が多発しています。ゴメンナサイ。
・一部設定と内容に独自解釈を含みます。予めご留意ください。

艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)

2: 2014/05/22(木) 17:30:04.89 ID:3K8AONi90

・・-・・瑞鶴着任ス・・・


瑞鶴「――やっぱり納得いかないわ。私はゼッタイに悪くない」

瑞鶴「セクハラしてきたからちょっと艦載機飛ばして爆撃しただけなのに!」

瑞鶴「なーにが『指揮官に反抗する艦娘はうちの艦隊にはいらない』よ。そんなのこっちから願い下げだわ!」

瑞鶴「『キミがこれから行く所は被弾癖の酷いお姉さんもいるそうだし、せいぜい仲良くな』」

瑞鶴「『もっとも、あんな僻地じゃあ被弾も何もないか』ですって……?」

瑞鶴「……ああもう。関係ない翔鶴姉ぇまでバカにして。思い出しただけでムカついてきた」ブツブツ……

3: 2014/05/22(木) 17:35:24.27 ID:3K8AONi90

―鎮守府前―


瑞鶴「ここ、よね……?」


鎮守府「」どーん?


瑞鶴「(背後には岩山。周囲に建物はなくて、道路挟んだ反対側にはまるで漁港のような鎮守府。歩哨もなし……)」

瑞鶴「……これが左遷、か」ズーン

瑞鶴「ま、まあ。もしかしたら外見だけで、中には歴戦の艦娘達がたくさんいるのかも」ショウカクネェモイルシ!


??「――おや、こんな所に客人とは珍しいなあ。鎮守府に何か用かい?」


瑞鶴「えっ!? あ、あのっ。今日からこの鎮守府に転属となりました正規空母の瑞鶴です!」

??「瑞鶴……? あー、そういえば提督がそんな事言ってたっけ。寝ぼけてて忘れてた」

瑞鶴「(ねぼ……け、え?)」

??「まあ、そういう事ならこれからよろしくね。執務室は入った廊下の突き当りだからー」オテテフリフリ

瑞鶴「えぇっ!? あのちょっと、あなたは……」

??「今日は天気も良いし、木陰で昼寝するには最適だねぇ」スタスタ……

瑞鶴「え、えぇーと。おーぃ……」


鎮守府「」ちょこーん


瑞鶴「………………」


鎮守府「」タタズマイ ホメテクレテモ エエンヤデ?


瑞鶴「これが、左遷か」

4: 2014/05/22(木) 17:40:06.39 ID:3K8AONi90

―鎮守府内執務室前―


瑞鶴「さて、なんのアレもなく入っちゃったけど……廊下の突き当り。たぶんここ。きっとここ」

瑞鶴「建物の中なのに未だ誰とも会わず、物音一つしない」

瑞鶴「時間的にみんな出払っちゃってるのかな。それとも……」


??『今日は天気も良いし、木陰で昼寝するには最適だねぇ』


瑞鶴「(……まさか、ね)」

瑞鶴「スー、ハー」

瑞鶴「……よしっ!!」

5: 2014/05/22(木) 17:45:14.48 ID:3K8AONi90

翔鶴「――提督、お茶が入りました」

提督「ああ、ありがとう。そう言えば何時頃だったかな。妹さんが来るのは」

翔鶴「お昼までにはと言っていたので、もうそろそろかと」

提督「自分が言うのも何だがこんな所に移動とはね。詳しい事情は本人に聞いてみないと分からないんだが……妹さんは行動派、なのかな?」

翔鶴「あ、あはは……。素直でまっすぐないい子なんですけれどね」

提督「翔鶴の妹だもんな。それは間違いないさ」

翔鶴「まあ、提督ったら」クスクス


knock knock knock!


提督「お、噂をすれば来たかな。 どうぞ!」


ガチャッ


瑞鶴「失礼します。本日付でこちらの鎮守府に着任いたしました。正規空母の瑞鶴です!」ビシッ!

提督「うむ。ようこそ我が鎮守府へ。貴艦の活躍を大いに期待する」

瑞鶴「はい!」


瑞鶴「(あれ、思ったよりも普通だった? やっぱりアレなのは外見だけだったのかな)」


翔鶴「いらっしゃい瑞鶴。また一緒に働けて嬉しいわ」

瑞鶴「久しぶり翔鶴姉ぇ。私もすっごく嬉しいよ。今度こそ、勝とうね」

翔鶴「……え、えぇ。そうね」

瑞鶴「?」

提督「遠路遥々で疲れたろう。ちょうど休憩を挟むところだったし、一緒にお茶でもどうかな。翔鶴、妹さんにもお茶を出してあげなさい」

翔鶴「はい」

6: 2014/05/22(木) 17:50:37.30 ID:3K8AONi90

・・-・・カクカク シカジカ・・・


瑞鶴「――>>2と、いう訳でして……」

提督「ふむ……そういう事だったのか」

瑞鶴「上官に手をあげるのが論外なのはわかってます。しかし、いくら上官とはいえあまりにも……」

提督「いやいいよ」

瑞鶴「え?」

提督「そう言う理由なら仕方がない。むしろ、瑞鶴よくやったもっとやれって感じかな。なあ翔鶴」

翔鶴「そうですね。お話を聞く前ならいざしらず、今では提督と同意見です」

瑞鶴「えぇっ?!」ウソン?!

8: 2014/05/22(木) 17:55:36.52 ID:3K8AONi90

提督「いっそ今から追撃食らわすか?」

翔鶴「流星改なら今すぐにでも出せますが……」

瑞鶴「ちょちょちょ、ちょっと待って下さい!」

提督「ん? なんなら彗星もやっとくか?」

瑞鶴「そうじゃなくて! あの、自分で言うのもなんですけど私は上官に手をあげたんですよ?」

提督「でもそもそもの原因はあっち側なんだろう? ヤツの自業自得だ」

瑞鶴「……だーかーらぁ! そうじゃなくて、普通なら提督さんも私に注意するところなんじゃないですか!?」

提督「――ん、今のが君の素の状態ってところかな?」

瑞鶴「あっ! そ、そのっ」ヤバッ……

提督「いやいや。なにも咎めるわけじゃないさ。むしろ遠慮しないで思ったことはどんどん言ってくれて構わない」

瑞鶴「えーっと……も、もぅ何が何だか」

提督「まず最初に、本来であれば君の行為は厳禁である。軍のような縦社会で上に手をあげるなんてもっての外だ」

瑞鶴「……はい」

提督「でも君は……君たちはただの兵器ではない。こうして会話もするし意志もある。嫌なことは嫌というべきなんだ。特に今回の場合なんかはね。直に手を出すのはやり過ぎだけど」

瑞鶴「………………」

提督「……どうも言いたいことが纏まらないなぁ。とにかく、どうして私が肯定したかというと……あー、非常に言い辛いのだが」


提督「君の元いたところの元帥――アイツね、俺の親父なの。非常にムカつくことに」

9: 2014/05/22(木) 18:00:13.50 ID:3K8AONi90

瑞鶴「……えっ?」

提督「工口でスOベで無能な分際でいっちょ前に階級だけは高いモンだから……身内の恥、ヤツに代わって謝罪させてもらう」

瑞鶴「えぇっ、いや、そんなっ」オドオド

提督「だから今回の件は君にとっては不幸な結果かもしれないが、私的にはよくやったもっとやれ! と。そう言いたかったんだよ。アイツ嫌いだし」

瑞鶴「あ、ホンネ」ヨッポド……

翔鶴「ねえ瑞鶴。他にも変なことされたりしてないわよね……?」

瑞鶴「う、うん! それは大丈夫。ただ、やっぱりあの人、他の娘にもセクハラとかしてるからみんな困ってた」

提督「ここまで来るとセクハラじゃなくてパワハラだよなあ。ったく、あのクソ親父め」

翔鶴「やはり流星改飛ばしますか?」

提督「な。翔鶴一人だと数が足らないけど、夜陰に紛れて全機で突撃かけるか」

瑞鶴「やめて!」ソレハイロイロキケン!

10: 2014/05/22(木) 18:05:08.08 ID:3K8AONi90

提督「――とにかく。君の事情はよぉく理解したし、この件についてこれ以上掘り下げるような事はしない」

提督「中央在籍から比べると不本意な移動かもしれないが、一つ心機一転という気持ちで望んでほしい」

瑞鶴「はい!」

提督「あー、あと。その敬語ももう使わなくていいよ。公の場以外では普段の話し方接し方で構わない。俺もそうするから」

瑞鶴「はい……あ、えと。う、うん」

提督「最初は勝手が大きく違うから戸惑うだろうけど、ここの流儀だと思ってひとつ頼むよ」

瑞鶴「……わかったわ。よろしくね。提督さん」


瑞鶴さんが着任しました

22: 2014/05/22(木) 21:40:14.92 ID:3K8AONi90

・・-・・鎮守府式特殊対潜訓練・・・


提督「えー、この鎮守府に新しい仲間が来たので紹介する。翔鶴の妹の瑞鶴だ」

瑞鶴「航空母艦 瑞鶴です。よろしくお願いします」


ヨロシクー
ヨロシクオネガイシマース!


提督「と言うわけで、今晩瑞鶴の歓迎会を開催しようと思うのだが、その前に恒例のアレをやる」

瑞鶴「???」アレ?

提督「みな、伝えたものは用意出来たか?」


ハーイ!


提督「よし、じゃあ総員抜錨して沖合に集合せよ!」

瑞鶴「ばつびょ……え?」

提督「瑞鶴は主賓だからついて来てくれるだけでいい。もちろん次からは参加してもらうがね」

瑞鶴「は、はぁ……」ナニヲ?

24: 2014/05/22(木) 21:45:20.57 ID:3K8AONi90

・・-・・・・-・・・・-・・

提督「吹雪、音探の様子はどうだ?」

吹雪「うーん……ちょうど前方近くに大っきい群れがいますね!」

提督「爆雷班、準備は?」

駆逐艦's『単横陣で準備オッケーでーす!』

提督「よーし、では特殊対潜訓練を開始する。超小型非殺傷爆雷、連続投射!」


ドンドンドンドンドンッ!


魚「」プカァ……


吹雪「目標、浮き上がりました」

提督「回収開始だ。一番多くとった者には間宮限定スペシャルアイスを進呈する!」


わー!!!!


吹雪「私も頑張っちゃうんだから!」アイスー!

瑞鶴「」ポカーン

提督「ん? どうした瑞鶴」

瑞鶴「あの……これは?」

提督「我が鎮守府恒例の特殊対潜訓練だ」

瑞鶴「いや、どう見てもただの発破漁にしか」イホウ……

提督「そうとも言うな」

瑞鶴「」

提督「これは食材確保と子供たち向けのレクリエーションも兼ねてるんだよ。戦ってばかりだと気分も滅入るだろう?」

瑞鶴「ま、まあ……うん」

提督「おまけに、この特殊な爆雷は妖精さんの作った特製品だ。絶対に魚や海藻を殺傷しないっていうスグレモノだぞ」

瑞鶴「どんな技術よ……」

提督「これでとった魚で、鳳翔や間宮さんらが様々な料理を作ってくれる。みんなの一番の楽しみだ」

瑞鶴「……それは私も楽しみ、かな」

提督「こんな時でもないと大っぴらに騒げないんだ。これもここの流儀だと思ってくれ」

瑞鶴「(ゆ、ユルイなあ……)」ベツニイイケド


こんな空気も悪くないかな、と思った瑞鶴でした

25: 2014/05/22(木) 21:50:15.49 ID:3K8AONi90

・・-・・瑞鶴サント翔鶴サン・・・


瑞鶴「ふぅー……疲れたぁ―!」ゴロン

翔鶴「あらあら瑞鶴。服が皺になるわよ。あとお風呂にも入らないと」

瑞鶴「んんーちょっとだけ休憩。翔鶴姉ぇお風呂一緒に行こー」

翔鶴「はいはい。それにしてもさっきの歓迎会、主賓だけあって人気者だったわね」

瑞鶴「歓迎してくれるのは嬉しいんだけどねー」イキオイガ

翔鶴「やっぱり、あっちとは違うの?」

瑞鶴「あー……うん。全然、全く。あっちはよくも悪くも"軍隊"って感じだった」

翔鶴「私も、他所からココに来た側だったけれど、最初は戸惑ったわ」

瑞鶴「なんて言うのかな。うーん、緩い?」

翔鶴「かもしれないわね」

瑞鶴「まず、提督さん相手に敬語がいらないってだけでありえない」

翔鶴「提督は堅苦しいのを嫌う方だから」

瑞鶴「あと、みんな提督さんに気軽に話しかけ過ぎじゃない?」イイノ?

翔鶴「最低限の礼儀さえ守ってれば気にしないって。特に駆逐艦の子たちから見たら、お父さんみたいなものでしょう?」

瑞鶴「んー。逆に難しいなあ」

翔鶴「今のような感じでいいのよ?」

瑞鶴「むむむ。まあ、そのうち慣れるかな」

翔鶴「瑞鶴ならきっと大丈夫」

瑞鶴「そう言えば、翔鶴姉ぇは秘書艦やってるんだよね? どんなのか見ててもいい?」

翔鶴「それは構わないけれど……」

瑞鶴「ありがと。翔鶴姉ぇ」

翔鶴「いいえ。少しくらいはお姉さんらしいところを見せないとね」

瑞鶴「翔鶴姉ぇは翔鶴姉ぇだけどねー。……さっそれじゃあお風呂いこっか。ここのお風呂はどんなかな~」

翔鶴「ふふふっ」ニコニコ


姉妹が揃って翔鶴さんも嬉しいようです

33: 2014/05/23(金) 21:25:42.49 ID:LvKsD8Fo0

・・-・・翔鶴ト提督1・・・


翔鶴「提督。本日の任務一覧まとめておきました」

提督「ありがとう翔鶴。資源の方はどうなってる?」

翔鶴「はい。最新の備蓄量はこちらに……」テキパキ

瑞鶴「………………」ジー



翔鶴「やはりこの海域での編成は航空火力よりも打撃を優先した方が……」

提督「ふむ……。しかし万一にも相手に空母が混じっていると危険じゃないか?」

翔鶴「これまでの戦闘経験及び軍令部の情報をまとめると、この海域には空母を含む部隊は確認されておりません。またこちらでは反対に多数確認されているため、現在は敵の攻勢から外れているかと」

提督「そうか。では二人を残して代わりに重巡を充てよう。だが念のためいつでも出られるように準備だけはしておいてくれ」

翔鶴「はい」

提督「助言ありがとう翔鶴」

翔鶴「いいえ。これも秘書艦の務めですわ」ニコニコ

瑞鶴「………………」ジィー



翔鶴「提督、一息つきませんか? 間宮さんから頂いた美味しい羊羹があるんです」

提督「お、もうそんな時間か。なら当然、翔鶴も付き合ってくれるよな?」

翔鶴「ふふ、はい。ではお茶の準備をしますね。瑞鶴も食べるでしょう?」

瑞鶴「――えっ?! あ、あぁーうん! 瑞鶴も羊羹食べたい!」オヤツオヤツー


秘書艦と他一名がキラキラ状態になりました

42: 2014/05/24(土) 18:35:14.21 ID:nTjTvToL0

・・-・・瑞鶴ト提督1・・・


瑞鶴「(さて、私がこっちに来て早数日。少しずつ鎮守府の人たちのことがわかってきた)」


扶桑「提督。山城とともに新しく装備した艤装についてよろしいでしょうか?」

古鷹「すみません提督。加古がまたどこかに行ってしまって……」

鳳翔「鎮守府近海の哨戒任務、終了いたしました」

吹雪「全員被害はありません!」

白露「ていとくぅー、みんなで一緒にお茶しましょー!」


瑞鶴「(左遷という形でここに来たわけだけれど、外見とは違って戦力までお察しじゃあないということ)」

瑞鶴「(戦艦、空母、巡洋艦とひと通りはいるみたい)」

瑞鶴「(鎮守府の人達はみな提督さんを慕っているみたいで、執務室はいつでも人の出入りがあり賑やかだ)」

瑞鶴「(どうして私が来た時は静かだったかというと……みんな例の訓練の準備で出払っていたらしい)」

瑞鶴「(そのうえ夜には私のために歓迎会を開いてくれた。嬉しいことこの上ない)」ヨウセイサンモイタ!

瑞鶴「(でも……だからこそ気になることができたんだよなぁ)」

43: 2014/05/24(土) 18:40:08.89 ID:nTjTvToL0

瑞鶴「ねえ、提督さん。ちょっと質問いいかな」

提督「ん? どうしたんだ急に。分からないことでもあったか?」

瑞鶴「ううん。そう言うのじゃないんだけれど……」

提督「なにか言いにくいことなのか? 良ければ場所を変えたりするが」

瑞鶴「いやいや! そうでもなくてっ。ただ、この鎮守府ってどの位艦娘がいるのかなぁって」

提督「どのくらいか、と言われるとこの前の歓迎会にいたのが全員だなあ」

瑞鶴「んー、やっぱりかぁ。なるほどなるほど」

提督「?」ナンダロウカ


瑞鶴「じゃあもう一つ。ここの鎮守府ってまだ新しいの?」

提督「そうでもないな。艦娘にしても、前はもっと少なかった……というか駆逐艦しかいなかったんだ」

提督「最初からずっと一緒って意味では吹雪だな。今では駆逐艦をまとめるリーダーをしてもらってる」

瑞鶴「なるほど。じゃあやっぱり規模相応なのかな」

提督「正直な話、ここは裕福でもないし大艦隊を養う余裕もない。だからこそ規模相応って感じだがね」

瑞鶴「……うん。だいたい分かったわ。ごめんなさい。どうしても前の所と比べちゃって」

提督「こればかりはしょうがないさ。でもな、俺はこの鎮守府を守るものとして、また君たちを誰一人沈ませない覚悟で望んでいるよ」

瑞鶴「でも、やっぱり戦力の強化は必要だと思うな―」戦艦ト重巡二人ッテ……

提督「……まあ、そのうちな」


誰もが最初は小規模なものなのです

44: 2014/05/24(土) 19:00:25.45 ID:nTjTvToL0

・・-・・翔鶴ト瑞鶴1・・・


瑞鶴「そう言えば翔鶴姉ぇ。ちょっと気になったんだけどさ」

翔鶴「どうしたの?」

瑞鶴「この、いつも留守にしてる第三艦隊って誰がいるの? まだ会ったことないから気になってて」

翔鶴「あー……その人達、ね」ヘンセイヒョウ ミチャッタノネ……

瑞鶴「ん? 長期遠征でも出てるの?」

翔鶴「えっとね瑞鶴。私から言えることはただ一つだけなの」

瑞鶴「うんうん」ナニナニ?

翔鶴「世の中、知らない方が幸せなことってあるのよ?」

瑞鶴「オリョクル?!」ココデモ?!


違います

52: 2014/05/25(日) 15:00:04.24 ID:0EO+xnBs0
2-5 突破 浦風は……

-------------------------


・・-・・寝テル子 ダレダ・・・


瑞鶴「さてとー。もうすぐ出撃だから準備しちゃわないと」

古鷹「あ、ねえ瑞鶴さん。加古見ませんでした?」

瑞鶴「え、加古? ううん見てないけど」

古鷹「そうですか……。もぅ、もうすぐ出撃の時間なのに。また何処かで寝てるのかしら」コマッタナァ

瑞鶴「(古鷹の妹、加古はとても良く寝る。どこでも良く寝る。思えば、最初に会った時もそうだったなあ)」

瑞鶴「たぶん外じゃない? ほら、この前も木の下にいたし」

古鷹「……私、外探してきます。ありがとう瑞鶴さん」

瑞鶴「うん。古鷹も準備忘れないでねー」フリフリ

瑞鶴「(加古の姉、古鷹はとても妹思い。姉妹仲もすごく良いみたいだし、まるで私と翔鶴姉ぇみたい)」

瑞鶴「(そんな二人と共に戦場へ出たら……)」

53: 2014/05/25(日) 15:05:09.26 ID:0EO+xnBs0

・・-・・・・-・・・・-・・

瑞鶴「先制航空攻撃完了! 敵残存艦は駆逐二及び大破重巡一。隊列、乱れてるわ!」

加古「よっしゃあ、突撃だー! 古鷹、ついてきて!」

古鷹「ちょっと加古! もぅ……しょうがないんだからあ!」

吹雪「お二人を援護します。牽制射撃開始!」

白雪「弾幕、いきます!」


ドンドンドン! バババババっ!!


瑞鶴「ふぅ」

翔鶴「どうしたの瑞鶴? ため息なんて」

瑞鶴「ん? いや別に。ただ、あの二人の連携はすごいなぁって」

翔鶴「そうね。相手がどう動いてくれるかをわかってるからこその動き、と言うのかしら」

瑞鶴「以心伝心って言葉がぴったり合いそう」スゴイワ


ドカーン!!


加古「っしゃあ! 敵艦殲滅、挟み撃ち成功ー。さすが古鷹、わかってるぅ♪」

古鷹「もぅ、いつも言ってるでしょ加古! 一人で突っ込むのは危ないって」

加古「でもさ、そう言いながらちゃーんと古鷹だって着いてきてくれるじゃん? 駆逐艦の援護と合わせればあたしたちは無敵さ―」

古鷹「そうじゃなくて!」モゥ!


ワイワイ ガヤガヤ


瑞鶴「(古鷹と加古の連携は艦隊でも随一。加古も普段のやる気なさげな雰囲気とは違い、頼りになる事この上ない)」

瑞鶴「(……でも)」

54: 2014/05/25(日) 15:10:14.35 ID:0EO+xnBs0

加古「くかー……すぴー……」Zzz

瑞鶴「帰る前に寝るのはどうなのよ」オンブシテル古鷹ガカワイソウ

古鷹「あ、あはは……」ヨクアルコトナノデ

瑞鶴「昼間は寝てばかりだけど、加古って夜更かししてるの?」

古鷹「いえ、戦闘がなければ夜も早く寝てますが……この子、昔から寝るのが好きみたいで」

瑞鶴「にしても、戦闘の帰りですら寝るなんて……」


加古「……んんっ、古鷹ぁ……迷子になっていいのは……ソロモンだけだよぉ……」ムニャムニャ


古鷹「やれやれ……お眠りさんな妹だなあ」ニコニコ


二人は、仲良し

61: 2014/05/25(日) 20:30:42.11 ID:0EO+xnBs0

・・-・・古鷹ト加古1・・・


古鷹「瑞鶴さん、加古見ませんでしたか?」

瑞鶴「また?! もー本当に寝るのが好きなんだから」ネコ?

古鷹「今回はいつもの場所にもいなくて」

瑞鶴「他に加古が寝てそうな場所は?」

古鷹「えっと、あるにはあるんですけど……」マサカ、ネ


ガチャッ


翔鶴「――あら、瑞鶴に古鷹さん。ちょうどいい所に」

瑞鶴「あ、翔鶴姉ぇ。加古見なかった? また何処かで寝てるみたいなの」

翔鶴「えっと、加古さんなら……」

62: 2014/05/25(日) 20:35:47.97 ID:0EO+xnBs0

加古「くかー」Zzz

瑞鶴「」ボーゼン

翔鶴「ちょうど古鷹さんを呼びに行こうとしていたのよ」

瑞鶴「ね、ねえ古鷹。私には加古が提督さんに膝枕して貰ってるように見えるんだけど」

古鷹「」カコ……

提督「俺は一息つきながら報告書を読んでたんだが……加古がどうしてもと言うもんだから」

古鷹「すみません提督。幾度と無く加古が粗相を」

瑞鶴「幾度?」エ?

提督「まあ気にしないでくれ。それだけ慕われていると思えば苦にならないよ」

古鷹「そ、そうですか……」チラ、チラ

提督「あー、まあなんだ。これも毎度かもしれないけれど、今ちょうど左肩から腕にかけてひんやりすると思ってたところなんだ。何処かに暖めてくれる艦娘はいないかなあ」

古鷹「で、ではまた私が……!」トナリニスワリツツ

瑞鶴「また?」エエッ?

古鷹「し、失礼致します」カタニアタマノセー

提督「休むことも立派な任務の内だ。また二人で元気いっぱい暴れまわっておくれ」

古鷹「はい……。ありがとうございます。提督」Zzz


瑞鶴「え、えぇー……」ナンダコレ

翔鶴「行きましょう瑞鶴。起こしてしまうのは悪いわ」ホントウハ ワタシモ……

瑞鶴「いやそれよりも確認したいことが山ほどあるんだけど」


この鎮守府ではよくあることです

64: 2014/05/25(日) 21:35:26.55 ID:0EO+xnBs0

・・-・・翔鶴ト提督2・・・


翔鶴「提督、遠征部隊が帰投しました」

提督「おぉ。やっと帰ってきたか。で、肝心の艦娘たちは?」

翔鶴「それが……補給と資源の揚陸を済ませるとさっさと次の遠征に」ア、レポートはアリマスヨ?

提督「……またか。で、なんて言ってるんだ?」

翔鶴「え、えぇと」

提督「書いてあることそのまま読んでいいから」

翔鶴「で、では。

『敵泊地へのピンポンダッシュは成功したよ。積んであった物資はこの通りごっそり頂いちゃいました! こっちの被害は微々たるものだから、補給をしたらまた行ってきます!!』

   だそうです」

提督「ちなみに、翔鶴はアイツらに会ったんだよな」

翔鶴「は、はぃ」

提督「どうだった?」

翔鶴「……輝いてました。今回は後光がさしてるみたいに」

瑞鶴「」ダカラダレナノ?


遠征は重要ですよ

68: 2014/05/26(月) 21:55:05.45 ID:evjKzLKQ0

・・-・・アマヤカシ・・・


翔鶴「提督、軍令部からお手紙です」

提督「ん、悪いがそこに置いといてくれるか。ちょっと今手が離せないんだ」

翔鶴「わかりました」

瑞鶴「~♪」アシ プラプラー

提督「………………」



提督「……沖ノ島は激戦地、か」

翔鶴「報告では、一進一退を繰り返しているようですね」

提督「それだけ一大勢力が集結しているということだろうなあ」

翔鶴「我々も出ますか?」

提督「まさか。今行ったらアイツの指揮下に組み込まれる。嫌味を言われながら戦闘するのは御免だ」

翔鶴「私も、間違えて流星改を向かわせてしまいそうです」

提督「夜間の全力一回分の攻撃でも誤射かもしれない……って言えないよなあ」

瑞鶴「………………」ゴロゴロ



翔鶴「提督、少し休憩してはいかがですか? 根を詰めすぎるのも身体に毒ですわ」

提督「ふむ…。それもそうだな。ではたまには俺がお茶を淹れようか。実家から送られてきた美味いのがあるんだ」

翔鶴「ちょうど間宮さんから頂いた最中もあります。今日はちょっとした贅沢ですね」

提督「あとでお茶と一緒に食堂へ持って行こう。独り占めは申し訳ないからな」

瑞鶴「~♪」オチャー モナカー♪



提督「ところで……」ナア ズイカク

瑞鶴「?」モグモグ

提督「秘書艦でもないのにどうしてここにいるんだ? 基本毎日いるだろ」

瑞鶴「え、ダメなの?」

提督「ダメとは言わないが……」

瑞鶴「翔鶴姉ぇに聞いたら良いって言ってたから」

提督「……翔鶴」ハァ

翔鶴「す、すみません。瑞鶴からお願いされると断れなくて……」

提督「……まあ、ここに来るのは瑞鶴に限った話じゃないからいいけどな」チラリ



加古「Zzz」←執務室の仮眠スペースで熟睡中

初雪「……布団に篭もるって、最高」←部屋でやると姉妹たちに怒られるので逃げてきた


一番甘いのは、提督

83: 2014/05/27(火) 09:03:59.86 ID:isMlEo+30


・・-・・華ノ二水戦・・・


神通「あ、あの。きょ、今日は……旗艦を務めさせていただきます……その、よろしくお願い致します」オドオド

瑞鶴「う、うん」ヨロシクネ

瑞鶴「(神通……。夜戦夜戦ウルサイ"あの"川内の妹だとはとても思えない、一見頼りなさ気な子)」

瑞鶴「(私とはまだあまり話したことがないからこうなのか、と言うと答えは否)」

瑞鶴「(姉や妹相手でもこんなだとか)」マア センダイナラネェ……

神通「それではみなさん……まっ参りましょう」

瑞鶴「(こんなんで戦闘は大丈夫かと普通は思うでしょう?)」フツウハ、ネ……



・・-・・・・-・・・・-・・

神通「瑞鶴さん、戦果を報告してください」

瑞鶴「駆逐ロ級三隻撃沈! 残りは無傷……ごめん、みんな盾になっちゃったみたい」

神通「構いません。ならば直接叩けば済むことです。時間的にまもなく夜ですね……夜戦に突入し敵を殲滅します!」

瑞鶴「う、うん!」

神通「瑞鶴さんは後方に移動し回避行動を。時雨も残って護衛なさい。残りは突撃します。初雪、叢雲、磯波、私に続きなさい!」

初雪「ん……がんばる」

叢雲「ふふっ。やっと本領発揮できるわね」

磯波「私だって……頑張れます!」

神通「良い返事です。では――二水戦、いざ参ります!」


ドドドドド……ドカーンッ!!


瑞鶴「夜戦では空母はお荷物だけど、これだけは言えるかも」

時雨「ん、なんだい?」

瑞鶴「乱戦時に神通を敵に回したくないわ」

時雨「そうだね」

瑞鶴「しかも探照灯点けて突っ込んでるし」スゴイ……

時雨「時々、神通がレイテの時にいてくれたらって思うことがあるんだ」

瑞鶴「あー……」ワカルワ



神通「ふふっ……囮だと思って油断しましたね。次発装填済みです」スチャッ


神通さんは裏表のない素敵な人です

87: 2014/05/27(火) 22:09:20.57 ID:isMlEo+30

・・-・・瑞鶴ト神通1・・・


神通「あ、あの……提督。作戦が終了しました」

提督「お疲れさま神通。そう言えば改装後は初の旗艦だったな。どうだ、調子の方は」

神通「は、はいっ。身体が軽く感じられて……とっても戦いやすい、です」

提督「それは何よりだ。今後も水雷戦隊の一番槍として大いにみんなを奮い立たせておくれ」

神通「は、はい!」ガ、ガンバリマス

提督「夜戦もあって疲れただろう? 報告はこのくらいにして、入渠が済んだらゆっくりと休むといいよ」

神通「わかりました。失礼、します……」


パタン……


瑞鶴「………………」コックリコックリ

提督「……おーい瑞鶴。ソファーじゃ休まらないからまずは入渠してこーい。もうみんな行ったぞ―」

瑞鶴「んー……」ウツラウツラ

提督「しょうがないなあ」

翔鶴「すみません提督……」

提督「なあに。翔鶴が謝ることじゃないさ。空母にとって夜戦は不慣れなもの。疲れても無理ないだろう」

翔鶴「私、ちょっとお部屋に連れて行きますね。入渠の方は起きてからでも行かせます」

提督「ああ、じゃあ俺が運ぼう。悪いが先導よろしく頼むよ」ヒョイッ

瑞鶴「むにゃむにゃ」ギュウッ

翔鶴「あっ……」

提督「ん、どした?」

翔鶴「いえ、なんでも……じゃあ、ドア開けますね」

提督「頼む」

瑞鶴「Zzz」



翔鶴「……いいなぁ」ボソッ


おやすみなさい

95: 2014/05/28(水) 22:28:08.27 ID:3gCmyVMG0

・・-・・ウタタ寝翔鶴・・・


翔鶴「(提督は今工廠へ妖精さんと開発について相談中……)」

翔鶴「(仕事も一段落して私は待機ついでの一休み)」

翔鶴「(麗らかな午後。眠気を誘う陽気。静かな室内……)」

翔鶴「(そして……)」


瑞鶴「くー……」Zzz


翔鶴「(瑞鶴も食後の眠気で仮眠ベッドの上……)」

翔鶴「(私は堪えなきゃ、いけないのに…まぶたは自然と……下がって……い……く)」


………………
…………
……


ガチャッ


提督「ただいま――――おや?」

翔鶴「すー……」Zzz

瑞鶴「くー……」Zzz

提督「これは陽気にあてられた、かな?」

提督「さすがに起こすのは申し訳ないな。いつも頑張ってくれてることだし……よいしょっと」ヒョイッ

翔鶴「んっ……」

提督「二人だとちょっと狭いかもしれないけど、勘弁な」ドサ……


翔鶴「Zzz」
瑞鶴「Zzz」


提督「鶴の休息、だなこれは。さて、起こさないようにして仕事するか」


ごそごそごそ



『入室時は静かにゆっくりと』カタン……



寝てても幸せ 起きてたらもっと幸せ

96: 2014/05/28(水) 22:30:23.82 ID:3gCmyVMG0
今日はここまで
よろしければまたお付き合いください

97: 2014/05/28(水) 23:13:48.36 ID:iooY7O7Eo


引用: 瑞鶴「目標、母港執務室の提督……と翔鶴姉ぇ!」