891: 2014/08/26(火) 20:45:44.95 ID:r+EHvC/P0


前回:【艦これ】瑞鶴「目標、母港執務室の提督……と翔鶴姉ぇ!」【9】


・・-・・艦娘ニ聞イテミヨウ・・・



提督「うーん……どうしたものか」


瑞鶴「提督さんが珍しく悩んでるけど、どうかしたの?」

翔鶴「空調の導入が決まったけれど、工事までまだ少しあるでしょ? それで暑さを忘れる催し物でもしようって話になって、今考えてるところなの」

瑞鶴「……いつもの事だから今更かもしれないけどさ。ここってやっぱり他と違うよね」

翔鶴「まあ、ね……」アハハ

瑞鶴「暑さを忘れたいなら水泳大会でもやったらいいんじゃない? ちょうど目の前に海があるんだしさ」

翔鶴「それは真っ先に浮かんだわ。でもすぐに却下になったの」

瑞鶴「どうして? 一番簡単だと思うけど」

翔鶴「深海棲艦が来たら危ないってことで。艤装がないと艦娘と言えどただの的になってしまうもの」

瑞鶴「あー」ナルホド

翔鶴「全員参加を目的にしてるから、誰かを哨戒に充てるのはかわいそうでしょ?」


瑞鶴「うん。そっかー水泳じゃないとすると……お祭りとか?」

翔鶴「確かにお祭も主催する方も参加する方も楽しめるから候補としては浮かんでいるわ。でも……」

瑞鶴「でも?」

翔鶴「準備に時間がかかるのと、お金が……」

瑞鶴「暑さよりも冷え込む現実的な問題だったかぁ」

翔鶴「そういう訳だから、私も提督も考えこんじゃって」

瑞鶴「うーん……。なにかみんなでやりたい。でも予算はない、か……。確かに難しいなぁ」

翔鶴「よければ瑞鶴も一緒に考えてもらえる? 暑さを忘れることに限らず、案は多いに越したことはないから」

瑞鶴「わかった。私もなにか考えてみるね」



……

…………

………………



瑞鶴「……とは言ったものの。案なんてそう簡単に出てこないしなぁ」ウーン

瑞鶴「どこかにポンと落ちてないかなー、なんて」



瑞鶴「……!」ティンッ



瑞鶴「落ちてないなら集めに行けばいいんだ」
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
892: 2014/08/26(火) 20:50:29.61 ID:r+EHvC/P0


―扶桑姉妹の部屋―

扶桑「――それで、私たちの所に来たの?」

瑞鶴「参考までに何かないかなーって」

山城「と言われても急には出てこないわよ」

瑞鶴「お金がかからないモノだったらなんでもいいの。案というよりも発想とかでもいいから」


扶桑「うーん。そう、ねぇ……。定番の海水浴やお祭りがダメとなると、難しいわぁ……」

山城「悩んでる姿の姉さまも美しい……! じゃなくて、扶桑姉さまのいい所をみんなで挙げていくのはどうかしら?」

瑞鶴「え……」

山城「みんなで姉さまの良さを再確認……いい、いいわ!」

瑞鶴「えっと……扶桑さん、どう?」

扶桑「恥ずかしいから却下ね」

山城「そんな……っ」ガーン


扶桑「私だけじゃなく、みんなにもそれぞれの良さがあるわ。 ……あ、そう言うのを発表するのはどうかしら?」

瑞鶴「発表?」

扶桑「褒め合う……と言うと言葉は違うかもしれないけれど、他のみんなは知らないこんなところ、姉妹だけが知ってるこんなところ、なんてどうかしら?」

瑞鶴「なるほど」メモメモ

扶桑「それ以外にも、題目を決めてみんなで何かしても面白そうね。一番元気な子はだれ? とか」

瑞鶴「なるなる。これは出だしから好調な予感」メモメモメモ

扶桑「お役に立てたかしら?」

瑞鶴「うんっ。二人ともありがとっ」


山城「……私、だいたい何もしてませんよね?」

扶桑「そんなことはないわ山城。山城のお陰で閃いたんだもの。私はとても感謝しているわ」

山城「ね、姉さま……!」キラキラ


瑞鶴「じゃ、じゃあ私は早速翔鶴姉ぇの所に……お邪魔しました―」





893: 2014/08/26(火) 20:55:49.35 ID:r+EHvC/P0

瑞鶴「……と言うわけで、こんなのどうかな? 私的には結構いいと思うんだけど」

翔鶴「みんなで題目を決めて……なるほど」

提督「予め題目を募集しておけば進行も楽だし、何より予算は限りなくかからない。暑さ対策にはならんが……食堂を使えばいけるな。すごいじゃないか瑞鶴」

瑞鶴「ふふん。私もやる時はやるのよ!」

翔鶴「でもこの案を出してくれたのは……」

提督「扶桑と山城らしいな」

瑞鶴「き、聞かなかったら出てこなかったかもしれないんだから、その偵察能力を褒めてよぉ!」

提督「二人には後でそれとなくお礼を言っておくとしてだ。誰か他にも聞いたりしたのか?」

瑞鶴「一応部屋が近い川内たちにも聞いてみたんだけどね……」




―オマケ:川内姉妹の部屋―


川内「みんなで夜戦!」

瑞鶴「却下で」

那珂「那珂ちゃんのオールナイトフェス!」

瑞鶴「却下で」


ブーブー


神通「あの……二人が、ごめんなさい」

瑞鶴「まあある程度は予想してたんだけどさ。的中するとソレはソレでなんだかなあと」

神通「二人とも悪気はないはず……です」タブン

瑞鶴「そこはわかってるから大丈夫。ところで神通はなんか案みたいなのある?」

神通「えっと……ぱ、パジャマパーティみたいなのは、いかがでしょうか?」オドオド

瑞鶴「パジャマパーティーかぁ」メモメモ

神通「大きなお部屋で、みんなでお布団を広げて寝たら……楽しそうだなって……」

瑞鶴「それは提督さんも含めて?」

神通「は、はい……!」ゼヒ


瑞鶴「(目の輝きが増したなあ)」



パジャマパーティーもありか?!

912: 2014/08/28(木) 21:00:41.49 ID:TjtSfn0P0

・・-・・月夜ノ双鶴5・・・


瑞鶴「5回目になったから、お酒飲んでみてもいいよね?」

提督「また今度な。俺の平穏のためにもここは是非麦茶で頼む」

翔鶴「提督のささやかな晩酌からだいぶ離れてしまいましたね……」

提督「お酒を飲むことが目的……の時もあるけど、大事なのはそっちじゃないから」


『乾杯』


瑞鶴「風が涼しい……もう夏も終わっちゃうね」

提督「そうだなぁ。ついこの間暑くなってきたと思ったらもうこれだよ」

翔鶴「ここ数日は秋の虫が鳴き始めるようになりましたね」

提督「もうじきここで月を見るには寒くなるな」

瑞鶴「さすがに冬はやらないでしょ?」

提督「ここ作る前までは自分の部屋で一人で飲んでたよ。たまに鳳翔が一緒だったくらいかな」

翔鶴「」ピクッ


913: 2014/08/28(木) 21:06:05.73 ID:TjtSfn0P0


瑞鶴「鳳翔さんと提督さんって仲いいよねー」

提督「お酒を飲めるのが鳳翔くらいっていうのもある」

瑞鶴「あれ、扶桑さんとかは?」

提督「その頃まだ二人はいないよ。翔鶴がここへ来る少し前に扶桑達を招いたから」

瑞鶴「ふーん」チビチビ


翔鶴「………………」スススッ


提督「ん?」

翔鶴「ちょっと夜風にあたり過ぎたみたいで……」

提督「二人とも風呂あがりだったな。湯冷めしたら大変だし……コレで悪いが我慢してくれ」ウワギパサー

翔鶴「あっ」

瑞鶴「あぁーッ。翔鶴姉ぇだけズルイ! てーとくさーん私だって冷えてきた―!」

提督「上着は一着しか無い。すまないが早い者勝ちだ」

瑞鶴「ぶぅー……。いいもん。じゃあ提督さんから直接分けてもらうから」ギュッ

提督「ちょっ。瑞鶴?!」

翔鶴「むむぅぅ」ギューッ

提督「し、翔鶴まで。なんかこの展開前にもあった気がするぞ?!」

瑞鶴「提督さんあったか~い」

翔鶴「……瑞鶴には負けないもん」


時流れ 日々に近づく 秋の声

914: 2014/08/28(木) 21:09:38.98 ID:TjtSfn0P0
本日は以上です
よろしければまたお付き合いください

イベントはもう諦めた! 雲龍はまたいずれ……余った資源で大型回して武蔵出る 翔鶴姉はいずこ?

917: 2014/08/30(土) 21:09:19.23 ID:5Fc0S3+y0

・・-・・幸セ・・・


提督「―――と言うわけで、本日の予定は以上だ。今日も頑張っていこう」


『はい!』


ガヤガヤ


扶桑「今日は出撃がないのね」

山城「駆逐艦の子たちの遠征が主みたいですね」

扶桑「みんなが頑張っているところ申し訳ないけれど、次の出撃のためにも今日は英気を養いましょうか」

山城「はいっ。姉さま」

扶桑「私はお散歩に出ようと思うけれど、山城はどうする?」

山城「私も是非! ……といきたいところなんですが、この後艤装の整備があって……うう、不幸だわ」

扶桑「そういうこと言わないの。じゃあ、あとで一緒にお茶しましょう。昨日飲んだ紅茶が美味しかったから、また飲みたいわ」

山城「はい!」キラキラ

扶桑「ふふっ。それじゃあ、ちょっと歩いてくるわね」

山城「いってらっしゃいませ!」




918: 2014/08/30(土) 21:14:32.08 ID:5Fc0S3+y0

ツクツクボーウシツクツクボーウシツクツクボーウシ……


扶桑「今日も良いお天気で、空も高くて蒼い。それにやっぱり暑いわね」

扶桑「一昔前だったら、この季節に日傘をさしてお散歩なんてとても考えられなかったけれど」


ワイワイ

扶桑「あら、あれは……」



川内「はーい。それじゃあみんな集まったところで、やせ……遠征いこっか」


初雪「ん」

深雪「いえーい!」

叢雲「ささっと済ませちゃいましょ」

磯波「わかりました」


川内「今日は資源地帯から資源積んで戻ってくる輸送船団の護衛かぁ……なんなら帰りがけにそこら辺で敵見つけて夜戦してく?」

叢雲「いやいや。分けてもらった資源落としたら大変なことに!」

川内「んーだよねぇ。提督に怒られてまた夜戦禁止されても嫌だし。素直に護衛任務やるかぁ」


ソレジャ、イクヨー

ハーイ!


扶桑「うふふっ。みんな元気ね」ニコニコ

扶桑「あの子達が頑張ってくれるからこそ、私たちも存分に戦うことが出来る。本当にありがたいわ」

扶桑「そう言えば、友軍を母港から見送ることにもうなんの悔しさや恨めしさを感じなくなったわね」

扶桑「………………」フゥ

扶桑「母港も、工廠も、そしてここから見える大海原も……。何もかもがあの時とは違って見える。光り輝いて見える」

扶桑「生きていると、本当に何が起こるか分からないものなのね」

919: 2014/08/30(土) 21:19:56.59 ID:5Fc0S3+y0


―食堂―

扶桑「―――と思ったんだけれど、山城はどう思う?」

山城「そうですねぇ。これが夢だったらと思うとゾッとすることがあります」

扶桑「夢……確かに以前の私達には幸せすぎる夢ね。それこそ、永遠に覚めないで欲しいくらい」

山城「航空戦艦になったけど、戦艦として戦うことはできるし、もう身体の事を気にしなくてもいい。こんな幸せなことないですよ」

扶桑「えぇ。他の子達からしたらどうって事ないかもしれないけれどね」

山城「笑ってるのがいたら、あの人に言いつけて主砲で吹き飛ばしてやりましょう!」

扶桑「ふふっ、そうね―――――こんな会話が出来るくらい、穏やかな日がこれからも続くといいわね」

山城「……はい」


鳳翔「お待たせしました。扶桑さんご所望の紅茶と、間宮さんに教わってシフォンケーキを焼いてみました。甘さを抑えてあるので、お好みでこのクリームと一緒に食べてくださいね」


山城「わぁ、美味しそうですね! 姉さま」

扶桑「ええそうね。鳳翔さん、ありがとう」

鳳翔「いいえ。洋菓子はあまり作らないのでお口に合えばいいのですが……」

山城「鳳翔さんの作るものにハズレなんてないですって」

鳳翔「あらあら。ありがとうございます。それではごゆっくりどうぞ」


扶桑「(穏やかに流れる時間。山城と過ごす何気ない日々。望んでも手に入らなかったはずの日常がここにはある。私にとって、かけがえの無いひと時が、ここに)」


山城「姉さま、このケーキすっごく美味しいですよ! それに紅茶ともよく合います」

扶桑「うふふっ。それじゃあ、私も頂くわね」ニコニコ


扶桑姉妹の、何気ない幸せなこと

925: 2014/09/01(月) 20:10:16.14 ID:QyJKRpeX0

・・-・・例エバコンナ艦載機トノ話・・・


烈風妖精「……!」パタパタ

瑞鶴「へぇー。そうなんだ」


翔鶴「あら、瑞鶴どうかしたの?」

瑞鶴「ちょっとこの子たちと話してたの。艦載機の整備も兼ねてね」


流星改妖精「ッ」ビシッ

彩雲妖精「~♪」クルクル


翔鶴「あらあら、みんな楽しそう」ニコニコ

瑞鶴「いつも私達と一緒に戦ってくれるからね。母艦としても労いは必要だもん」ハイ アイスー


妖精's『!!!』ヤッター!


翔鶴「そうね……私達よりもむしろ戦ってるのはこの子たちなのよね」


彗星妖精「!」ハイ


翔鶴「あら、私にもくれるの?」


彗星妖精「!!」コクコク


翔鶴「ふふふっ。ありがとう」ナデナデ


彗星妖精「♪」




926: 2014/09/01(月) 20:16:01.38 ID:QyJKRpeX0

瑞鶴「翔鶴姉ぇはもうお仕事終ったの?」

翔鶴「ええ。今日は量が少なかったからもういいって。本当は最後までお手伝いしたかったけれど……提督のご好意に甘えたわ」

瑞鶴「とか何とか言って本当は一緒にいたかったんじゃないの?」


妖精's「~」ナイノー?


翔鶴「み、みんなまで……! い、いいでしょう。その……す、すき、なんだから……」ゴニョゴニョ

瑞鶴「にやにやにや」


妖精's「☆」ニコニコニコ


翔鶴「」マッカッカ

瑞鶴「ご覧のとおりみんなも気になってるんだよ―?」

翔鶴「わ、私のことはいいの!」

瑞鶴「ちぇー。あ、そうだ。せっかく早く終わったんだし、ご飯の前にお風呂でも行く? この子たちも連れて行ってさー」

翔鶴「え? うん。いいけれど」

瑞鶴「続きはお風呂に入りながらゆっくり聞こっか。暖まれば気も緩むでしょ」


妖精's「!」ビシッ


翔鶴「ず、ずいかく!」モゥ

瑞鶴「まあまあ。この事は妹の私だけでなく艦載機の子たちだって気にするってば。お家の大事ってね」

翔鶴「お家って……」


彩雲妖精「……っ」ガンバッテネ


翔鶴「う、うん……ありがとう」

瑞鶴「さ、そうと決まればお風呂に急がないと! ほら翔鶴姉ぇ、いこっ」

翔鶴「そんなに急がなくても逃げないわよ……」

瑞鶴「遅くなると他にも来るかもしれないよー? 扶桑さんとかもご飯の前に入るし」

翔鶴「誰もいないといいけれど……」




瑞鶴「あ、しまった」

翔鶴「どうかしたの?」

瑞鶴「今お風呂入ったらあがった時またアイス食べたくなりそう……今食べたばっかりなのに」

翔鶴「……お夕飯食べられなくなるからダメよ」


ある日の一コマ

932: 2014/09/03(水) 20:06:02.41 ID:P7kBsi5q0
今日は始まるところまでです



・・-・・サァミンナデモリアガロウ・・・


提督「――――と言うわけで、こっちは手配しておくから、その間に頼むよ」


工廠妖精1「了解ですー」ビシッ

工廠妖精2「建造はないです?」ワクワク


提督「建造ねぇ……」


工廠妖精3「(あ、コレは今日もないかな……)」


提督「いい加減命令をしらばっくれるのも限界に近くてね。余裕はないが、大型艦を……重巡か戦艦を戦力化しようかと」


工廠妖精's「ッ?!!」


提督「と言うわけで、久しぶりだが皆には"建造"を依頼したいんだ」


工廠妖精1「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」

工廠妖精2「万事お任せくださいです」フンスッ

工廠妖精3「ついに我々の本気を見せる時が……!」

工廠妖精4「パパパッパッパッパ、パァウァー!!」


提督「おおぅ……ま、まあそれよりも先にコッチを頼むよ? 建造はその後だからな?」


工廠妖精's「了解です!!」ビシッ


提督「それじゃあ、俺はもう行くから……」



提督「(そんなに建造したかったのか……)」




933: 2014/09/03(水) 20:10:46.10 ID:P7kBsi5q0

・・-・・・・-・・・・-・・

―食堂―

加古「食堂に全員集合なんて、なんかあったのかな?」

古鷹「特に何も聞いてないけれど……」

加古「テーブルに所狭しと並んだ料理を見ると宴会と予想した」

古鷹「誰かの誕生日、とかかな?」スゴイネ

加古「ま、どれも美味しそうだからそういう意味では楽しみだけどねー。眠気も飛んで行くよ」



瑞鶴「ふっふっふ。私だってやる時はやるのよ」

翔鶴「でもこれを考えたのって扶桑さんたちよね……?」

瑞鶴「発掘したのは私なの!」

翔鶴「はいはい……」アハハ

瑞鶴「ところで、司会進行は誰がやるのかな? 提督さんは違うとして、翔鶴姉ぇもここにいるし」

翔鶴「提督がふさわしい人たちにお願いしたって言ってたわよ」

瑞鶴「ふさわしい人? たち?」

翔鶴「実は私も参加側だから詳しいことは教えてもらえなくて」

瑞鶴「ふーん。ま、楽しみに待ってましょうか」

翔鶴「――あ、提督が来たわ」




提督「やあみんな。待たせてしまって申し訳ない。みんなそろって…………うん。いるな」


『はい!』


提督「今日集まってもらったのは、暑いなか戦闘に遠征に頑張ってるみんなへの慰労会ってことで、ささやかだけどこうして場を設けさせてもらった」

提督「まずは、たくさんの料理を作ってくれた鳳翔たちに改めて感謝を。後のことはこっちに任せて参加側で楽しんでほしい」


鳳翔「はい。羽根を伸ばさせていただきますね」

大鯨「ありがとうございます」

間宮「♪」ニコニコ


提督「ここで俺が長々話すのも無粋なんで……みんなコップには飲み物は入ってるかな? ――――それじゃ、みんないつもお疲れさま! 乾杯!」


『かんぱーい!!』



??「………………」スススッ

??「………………」スススッ




934: 2014/09/03(水) 20:15:50.63 ID:P7kBsi5q0


ワイワイガヤガヤ

白雪「すごいね。和・洋・中と全部揃ってる」

吹雪「いつも食べてるご飯も美味しいけど、今日は特別って感じがするよね」

磯波「うん」

初雪「………………」モグモグ

吹雪「あれ? そう言えば深雪ちゃんと叢雲ちゃんは?」

白雪「え、と……?」イナイネ

磯波「さっきまで一緒にいたはずなのに」キョロキョロ




??『いぇーい! みんな、楽しんでるか―ッ?!』キーーーン

??『ちょっ、マイク反響してるからもっと声下げなさいよ!』




白雪「あ、あれって……!」



深雪『これからは司会進行役でこの吹雪型四番艦、深雪さまと!』

叢雲『五番艦の叢雲がお送りするわ。心して聞きなさい』



吹雪「二人とも……?」イツノマニ

磯波「司会役だなんて。二人とも、すごいなあ」

初雪「……うまうま」モグモグ



深雪『って言うかさ。司会引き受けたのはいいけど、よく考えたらここじゃ何も食べられないじゃんか! ご飯食べたい!』

叢雲『アンタ本当に勢いだけで生きてるのね……』

深雪『おい初雪―! ちょっとなんか持ってきてくれよ―』



吹雪「って言われてるけど……?」

初雪「……ヤ」ムグムグウマウマ

935: 2014/09/03(水) 20:20:59.47 ID:P7kBsi5q0


深雪『かーっ。いっこ上の姉は薄情者だねえ。その点持ってきてくれた磯波には感謝だよ。ありがとな!』

叢雲『アンタの事なんてどうでもいいから、さっさと始めましょ』

深雪『ちぇ。んじゃま最初のコーナーから行くぜ! えっと……かんむすぜんいんさんかきかく……?』

叢雲『ちゃんと読みなさいってば。いいから貸してッ。 んんっ。艦娘全員参加企画、ナンバーワンは誰だ?! を始めるわ』



全員参加……?

ナンダロー?


叢雲『ま、言ってしまえばアンケートみたいなものね。指定されたテーマに一番ふさわしい人を決めようって企画よ』

深雪『そーそー。そんな感じ』モグモグ

叢雲『……立候補でもいいし、推薦でも構わないわよ』

深雪『うんうん』ゴックン



白露「はいはーい、しつもんでーす!」イッチバーン



叢雲『白露? なにかしら』



白露「一番に選ばれたらなにかイイコトあるんですかー?」



叢雲『みごと一番に選ばれた人には、この箱の中のくじを引いてもらうわ。何が入ってるかはお楽しみだけどね。損はさせないわよ』

深雪『いやー何が入ってるんだろうなあ』アーン

叢雲『……私は今すぐアンタを箱の中に押し込みたいわ』ギリッ



940: 2014/09/05(金) 21:00:20.97 ID:D/dAl6aB0

深雪『まーいきなりじゃアレだろうから最初はわかりやすいのから行っとこっか』←タンコブ1個

叢雲『そうね。どんなのか分かってもらえた方がこちらとしてもありがたいわ』

深雪『んじゃ最初のテーマは…… "一番元気が良さそうな艦娘と言えば?" おぉっ深雪さま立候補だなこれ! 自信あるぜぇ―!』

叢雲『確かにアンタのためにあるようなお題ね。元気が良いって事だから、声でも行動でも当てはめやすいと思うわ。他にも我こそはと言う人はいるかしら』



白露「もっちろん! あたしが一番に決まってるじゃない! ねぇ?」ガタッ

時雨「まあ、白露ならね」

村雨「村雨さんもそう思うかな」

夕立「白露のためのお題っぽい!」


白露「白露型駆逐艦一番艦、白露。でまーす!!」



深雪『やべっ……予想してたけど強力なライバルが』

叢雲『しかも早くも推薦が入ってるわね。他に誰かいるかしら? いなければ推薦でもいいわよ。この人はと思うのを出してちょうだい』



941: 2014/09/05(金) 21:05:47.35 ID:D/dAl6aB0


川内「那珂行ってくればいいんじゃない? アイドルなんでしょ」

那珂「えぇー。でもここは夜限定で川内ちゃんの方が適任じゃ……」

神通「(二人共行けばいいのにって思うのは私だけかな……?)」


古鷹「加古、行かないの?」

加古「んーあたしはどちらかと言うと元気よりも寝てる方が多いと思うんだけどね」

古鷹「……そうだね」

加古「一番寝てる艦娘は? ってのがあったら立候補かなー」

古鷹「それは加古以外に候補いないんじゃないかな……」


初雪「……むっ」ピクッ

白雪「どうかしたの?」

初雪「呼ばれた気がする」

白雪「えっ、だ、誰に……?」

初雪「……でもまだ出番じゃない」モグモグ

白雪「???」



叢雲『今のところは私たち駆逐艦から二人立候補ね。ここは是非大型艦の人にも来てもらいたいところだけど……』

深雪『……ふぇもふぁあ、そもふぉうがかふぇるんにゃばい? (でもさ、その方が勝てるんじゃない?)』モグモグ

叢雲『だからアンタは食べてないでしっかり司会しなさいよ! 皿没収するわよ?!』



942: 2014/09/05(金) 21:11:02.52 ID:D/dAl6aB0


翔鶴「それじゃあ、私は妹の瑞鶴を推薦するわね」スッ

瑞鶴「ちょっ?!」



深雪『おぉ、瑞鶴さんかあ。確かに訓練でも戦闘でもどんどんみんなに声かけたりして、元気だなーって思うことはあるね』←タンコブ2個

叢雲『二人にとっても強力なライバルになるんじゃないかしら?』



山城「なるほど。瑞鶴なら適任ね」

扶桑「ええ」

瑞鶴「うぅ……。で、でも推薦されたからには一番狙うわよ!」

翔鶴「頑張ってね。瑞鶴」ニコニコ



叢雲『最初はこのくらいかしらね……。それじゃあ、選ばれた人は私たちのところまで来てもらえるかしら。と言うか、次からは前に出てもらうわ』←司会は一番前で進行中

深雪『ではでは深雪サンもちょいと失礼して……』



深雪「へへっ」

白露「準備万端!」

瑞鶴「まさか最初から出番とはね」


大鯨「そう言えば、一体どうやって三人の中から一番を決めるんでしょうね。多数決とかかな?」

鳳翔「言われてみれば、まだ説明はありませんね。これからでしょうか?」

翔鶴「実は提督もそこは決めてなくて……。二人に話した時にお願いしたかもしれませんね」

鳳翔「となると、深雪ちゃんと叢雲ちゃんが? でも深雪ちゃんは候補に挙がってるし……」



叢雲『さて、ここでいよいよ"一番元気な艦娘"を決めるわけだけど、じゃんけんとかクジ、多数決なんかだと納得出来ないだろうし、運が絡むでしょ? だから……あんた』



提督「……んっ?」オレ?



叢雲『そ。司令官として相応しい娘を選んであげなさい』

艦娘一同『ッ?!』



943: 2014/09/05(金) 21:16:16.04 ID:D/dAl6aB0

提督「お、俺が決めるのか?! それこそ贔屓とか言われそうだが」



叢雲『みんなそんな器小さくないし、ちゃんとあんたの事は信頼してるから大丈夫よ。あと、どちらにせよ私たちからの不平不満への対処も仕事のうちでしょ?』



提督「あぁー……まあ、な」

川内「うわぁ。さっすが叢雲。言うねえ」

那珂「でもでも、提督が決めるならしょうがないかなって感じもするね」

神通「うん……(わ、私が選ばれることはある、のかなぁ?)」



叢雲『他の皆もそれでいいかしら?』


ダイジョウブデース!


叢雲『そういう訳だから、判定よろしく頼むわね。その間に私も少しご飯食べたいから』


944: 2014/09/05(金) 21:21:43.44 ID:D/dAl6aB0

提督「なんだか一番重要な部分をそっくり返された気分だ。では僭越ながら俺が選ばせてもらうが……一番元気な艦娘。それに相応しいのは――――深雪だ」



深雪「まじ?! いよっしゃぁあー!! 深雪さまいちばんだぜー!」

白露「ちぇー……イチバンじゃなかったかぁ」

瑞鶴「まあなんとなくそうだろうなあとは思ってたけどね」


提督「もちろんちゃんと根拠はある。それに白露も瑞鶴も元気という部分では負けてないんだよ。違ったのは"いつも"の部分だな」

白露「いつも、ですかー?」

提督「ああ。深雪はいつどんな時でも朝から夜まで元気いっぱいだ。遠征や出撃から帰ってきて疲れてる時も笑顔を忘れない。損傷を受けてきた時も笑ってたのは流石に驚いたが……まあ、そんな深雪の姿に自然と元気づけられる子も多いんじゃないかな」

瑞鶴「……なるほど」


吹雪「あ、確かにそうかも」

白雪「深雪ちゃんが元気じゃないと、こっちまでなんとなく静かになっちゃうよね」

磯波「うん」


提督「選ぶ方としては難問なテーマだったけど、元気に相応しいなら深雪だ。おめでとう」

深雪「へへっ。これからも深雪さまにお任せだぜ! と言うわけで、早速くじをごそごそっと……」



叢雲『……んんっ、そうそう、くじについてだけど、艦種ごとに箱が違うからそのつもりでね。今深雪が使っているのは駆逐艦用よ』



深雪「これだ! えっとなになに……」


『61センチ五連装(酸素)魚雷』オメデトー


深雪「おぉっやったぜ! これで深雪スペシャルが更に強力に……!」



叢雲『更に言うと、一箱に1つずつ大当たりがあるから期待してちょうだい。それ以外は今深雪が当てたようにイイ装備が出るわ』



五月雨「大当たりかぁ」

涼風「なんだろな。最新装備フルセットとかだったら嬉しいけどさ」

川内「夜戦装備の充実とか……胸が熱くなるよね!」

那珂「川内ちゃんもう十分揃ってるじゃんー」


深雪「ま、これでも十分大当たりだけどな! へへっ司令官。これからの深雪さまの活躍見ててくれよ!」



949: 2014/09/07(日) 20:06:29.47 ID:OvyDy8fp0
賛否両輪はあるかも



叢雲『さて、企画が飲み込めてきたところでドンドンいくわよ。次のテーマはこれ "一番働き者な艦娘は?" よ』

深雪『深雪さま復帰だぜ! でもこの働き者って、どこまでが範囲なんだ?』

叢雲『戦場だけだとどうしても偏るでしょ。だからここはあらゆる面で貢献してる人ってことになるかしらね』

深雪『なるほど。ってことは日常での行動も入ってくると』

叢雲『そうなるわね』

深雪『と言うわけで、今回は立候補は難しいだろうから、是非この人はってのを頼むぜ!』



扶桑「これって……」

古鷹「あ、扶桑さんもひょっとして?」

川内「皆考えてることは同じだったり?」

翔鶴「すぐに思い浮かびました」

吹雪「そうですよね」

時雨「うん。一人しかいないと思うよ」


山城「私は扶桑姉さまを……!」

白露「あれ? 私一番艦……」ナンデ シグレ?



艦娘一同『鳳翔さん!』



鳳翔「えっ、私……ですか?」

950: 2014/09/07(日) 20:11:18.62 ID:OvyDy8fp0


深雪『おぉっと、なんとほぼ満場一致ってやつで鳳翔さんが!』

叢雲『一応聞いておくけど、他に推薦はあるかしら?』



山城「この空気で扶桑姉さまだなんて言えない……」クッ

扶桑「ありがとう山城。その言葉だけで私は十分に幸せよ」

山城「ね、姉さま……!」キラキラ


瑞鶴「私的には秘書艦やってる翔鶴姉ぇでも良かったけど」

翔鶴「確かに仕事量では多いかもしれないけれど、それだと不公平になってしまうわ。それに、全員への貢献って考えるとやっぱり鳳翔さんが一番じゃないかしら」



深雪『さあ鳳翔さん。是非こっちへ来てくれよな!』

叢雲『司令官。あんたも言うことあるでしょ?』



提督「そうだな……。先に一つ言っておくが、これは全員に当てはまるものだと俺は思う。扶桑を中心とした攻略組は戦闘で、川内や吹雪、白露を中心とした戦闘・遠征組は支援で立派に活躍しているからな」

鳳翔「………………」ニコニコ

提督「そういった中で、鳳翔が一歩抜きん出ていた。戦闘に遠征、それにみんなの食事や相談事などなど貢献は多岐に渡る。負担も多いだろうが、みんなはそれをちゃんと見ていた。理解していた。だからこその満場一致だと思う」

艦娘一同「………………」ウンウン

提督「いつもありがとう。そしてこらからもよろしく頼む」


鳳翔「ふふっ。こんな私でも皆さんのお役に立てたのなら、嬉しいです。これからも頑張りますね」ニコニコ

951: 2014/09/07(日) 20:16:42.29 ID:OvyDy8fp0

深雪『んじゃ、早速この箱からくじを一つどーぞ』



鳳翔「たしかにこの箱には"空母用"と書かれているわね。では、ちょっと失礼して……これにしましょう」ゴソゴソ


『熟練艦載機整備員』オメデトウゴザイマス


鳳翔「まあっ。こんなに良いものを頂けるのですか? 航空隊の皆も喜びますね」

補足:鳳翔さんは意図的に零式21、99艦爆、97艦攻を使用しています ただし練度は他所で言うExtra hard
   航空機の性能が戦力の絶対的な差でないこ(ry


瑞鶴「鳳翔さんところの練度が更に上る……勝てる気がしないなあ」

大鯨「そうなんですか? でも瑞鶴さん達の方が私たちよりもはるかに搭載数多いですし……」

翔鶴「今のところ、その数で押し切る以外の戦法が見えてこないのが何よりの証拠かもしれないわね」

瑞鶴「でもその数も3倍差位じゃ効果が薄いっていうね」

大鯨「さ、3倍なのにですかあ?!」

翔鶴「今風に言うならば、瑞鶴や私の戦闘機隊の練度をAとすると、鳳翔さんの所はA+か……特A+?」

瑞鶴「SとかS+でもいいかもね」

大鯨「ふわぁ……す、凄いです。あの、ちなみに私はどうですか……?」

瑞鶴「んー。忌憚なく正直に言うと、B-かなぁ。でも練度なんて最初は誰でもそうだし、訓練すれば上がっていくから大丈夫よ」




○鳳翔航空隊のココが凄い○

鳳翔「私が無茶しては、ダメですね」

・一機五殺は当たり前。一機八殺も
・わずか二十機の戦闘機隊なら大丈夫だろうと六十機で挑んだら撃退された
・鳳翔隊に後ろに付かれたら撃墜される確率が150% 撃破されて戦場離脱するのが100%なのと、離脱中に撃墜されるのが50%の意味
・後ろを取ったと思ったら、取られていたのは自分の方だった
・演習時、相手が旧型の零式21だからと油断していたら次の瞬間には編隊全滅判定をされていた
・降爆隊第一編隊にとって飛行甲板への命中は艦橋への当て損ない 飛行甲板へは第二編隊以降の仕事 なお25番は触発信管のみ使用
・防御力のない97艦攻で雷撃 と言うか1000メートル以内に入られたら確実に脚元を飛ばされる

・搭載機種は戦闘により異なるが搭載機数は二十機程度である

960: 2014/09/09(火) 11:07:09.00 ID:nXps3RoAO
陸軍三式戦だが、今読んでいる本の台湾沖航空戦にて2対40(ヘルキャット)で勝利を収めた話思い出した。

961: 2014/09/09(火) 22:10:30.95 ID:cWW6FQ7a0
暗躍者がいます


深雪『次のテーマはこれだな。 "妹属性の艦娘といえば?" ……妹属性ってなんだろ』

叢雲『これはちょっと難しいわね。属性って付くくらいだし、自分から見て妹のように思える子ってこと……?』

深雪『それじゃあ叢雲も磯波も妹属性だな! っていうか妹だ』

叢雲『うーん??? これ、いいのかしら。なんか違うような。誰か知ってる人いる?』



扶桑「純粋に妹だと、長女の子からすれば下はみんな妹よね」

山城「妹キャラの姉さまも……ッ?! ベネ」ハァハァ

翔鶴「妹でいいのなら、私はやっぱり瑞鶴を推薦するわ」

瑞鶴「それじゃ下の子みんな選ばれるよね?」

古鷹「となると、私と加古って難しいね」

加古「んー、生まれは古鷹が先。でも完成はあたしが先。でも一応古鷹が姉ってことみたいだけど……」

古鷹「どちらかと言うと双子みたいな感じだよね。私たち」


時雨「――――うん。ちょっといいかな」



叢雲『時雨? なんか知ってるの?』



時雨「知ってるというよりは理解した、かな。例えばだけど、僕や村雨と白露を初めて見た時みんなはどっちが姉だと思う?」

村雨「なるほどなるほど。そういうことね」

夕立「んーと、ホントは白露がお姉さんだけど、知らないでどっちって言われると時雨たちの方がお姉さんっぽい?」

春雨「あ……時雨姉さんの言いたいことが分かったかもです」

涼風「あたいと五月雨だったら、あたいの方がお姉さんっぽいよなー」

五月雨「え、えぇー。そんなことないと思う……けど」

白露「ちょ、ちょっとみんなー。あたし、一番艦……」



叢雲『そういうことなら分かりやすいかもね。みんなも、姉妹の順番に関係なく "妹っぽい子" を選んでちょうだい』



白露「いやあの、だからあたしが一番艦……お姉ちゃん……」アレー

時雨「何も白露が姉じゃないって言ってるわけじゃないよ。妹みたいな感じってことさ」

白露「それって素直に喜んでいいの?」

962: 2014/09/09(火) 22:15:55.30 ID:cWW6FQ7a0


川内「妹っぽい子かあ。これは神通出番でしょ!」

神通「えっ? わ、わたし……?!」

那珂「引っ込み思案で内気な性格だけど、いざと言う時は頼りになる妹のような子……。那珂ちゃんもいいと思うなー」

神通「で、でもっ……わたしなんて」アタフタ

川内「はーい。私たちは神通推薦しまーす!」


扶桑「これは姉妹以外を推薦してもいいのかしら……?」

山城「特に言われてないので大丈夫だと思いますよ」

扶桑「それなら、私は瑞鶴を推薦するわ」

瑞鶴「うぇッ?! なんで」マタワタシ

扶桑「いつも執務室で提督と一緒にいるのを見ていると、どうしてもね」

山城「兄に構ってほしい妹っていうのがバッチリよねぇ」

加古「あぁ。暇だから構ってーって言うあれかぁ。寝ててもよく聞こえるよ」

初雪「ん、聞こえる」モグモグ

瑞鶴「そ、そんなに? てか、提督さんがお兄ちゃんて」

翔鶴「ふふっ。見てる人はちゃんと見ているのね」

瑞鶴「翔鶴姉ぇまでー!」



深雪『さぁさぁ、呼ばれた人は前に来ちゃってくれよー』

叢雲『………………』

深雪『ん? どうかした?』ナンカ シズカダ

叢雲『私たちってこんなテーマ作ったっけ? もっとこう当り障りのないのを作ったような』

深雪『まあいいじゃん。色んな意味で面白くなってきたしさ』

叢雲『うん。まあ、そう……ね?』




工廠妖精1「今頃みんなは楽しんでるはずです」ガチャコンガチャコン

工廠妖精2「私たちも頑張るです」ウィンウィン

工廠妖精1「そう言えば、さっき紙に何を書いてたのん?」

工廠妖精2「……ひみちゅ」

工廠妖精1「???」



963: 2014/09/09(火) 22:20:47.35 ID:cWW6FQ7a0

深雪『推薦の結果、今回選ばれたのはこの人たちだぜ!』



神通「あ、ぅ……」モジモジ

瑞鶴「私そんなに妹みたいなのかなあ?」

大鯨「提督の妹もいいけれど……」

磯波「わ、私でも、いいのかな」



深雪『言われてみればみんな妹っぽい感じに見えなくもない……か?』

叢雲『まあどう捉えるかはそれぞれだから、もっと相応しい子もいただろうし、違うって子もいるだろうけどね』

深雪『そうだ、せっかくだからここで選ばれた人は妹っぽいセリフでアピールしてもらおうぜ!』

叢雲『あら、いいかもしれないわね。余興にはピッタリだわ』



瑞鶴「ちょ、ちょっとそれは恥ずかしいってば!」

神通「え、あのっ……」アタフタ



深雪『最初は神通さんから司令官に向けて妹アピールよろしく!』



神通「あ、あのっ……え、と……あぅ」オロオロ

提督「大丈夫か神通? 顔が真っ赤だぞ」


神通「お、おにい、ちゃん……?」


提督「」ズキューン



深雪『でたぁ! 下の子からの定番な呼び方お兄ちゃん。いやぁ上目遣いな部分もポイント高いですなあ叢雲サン?』

叢雲『そ、そうね……ところでアンタそのキャラなんなのよ』



964: 2014/09/09(火) 22:25:39.07 ID:cWW6FQ7a0

深雪『では次に瑞鶴さん、よろしく!』



瑞鶴「えっと……んんー、お、お兄ちゃん! 瑞鶴暇だから構ってほしい、な?」クビカシゲ


提督「」ズキューン



深雪『いつも使ってるセリフに被せてきたぁ! それだけにシンプルながらも威力も高いと見える』

叢雲『だからアンタ急にどうしたのよ』



大鯨「次は私ですね……。んんっ。お・に・い・ちゃん♪」ウィンク!

提督「」ズキュウウウン



深雪『これは……! 神通さんと同じながらも首傾げながらのウィンクで圧倒的なまでの破壊力ッ。大鯨さんの恐ろしさを再確認したぜ……』

叢雲『……もう何も言わないわ。さ、それじゃ次、磯波よろしく』



磯波「妹っぽいセリフ……妹っぽいセリフ……。えっと、おっお兄ちゃんって、今付き合ってる人っている? ……あっ、そうなの? ふふっそうか~なるほど~♪」

提督「」グサッ



深雪『なんだそのキャラは! 威力高すぎでこんなのお姉ちゃんゆるさないぞ!』

叢雲『アンタこそキャラ崩壊しまくってるわよ! ……でも同意はするわ。磯波ってこんなに大胆だったっけ?』



磯波「あの、えっ演技だからね?」

磯波「本当にそんなこと言えたら苦労しないよぉ……」ボソッ



965: 2014/09/09(火) 22:30:42.70 ID:cWW6FQ7a0

深雪『では司令官。今のを踏まえて一番妹属性な子、よろしく!』



提督「い、いやぁ……言葉に詰まるが、どれも異性に言われるとなかなか破壊力があるというか。参ったなぁ」ハハハ


翔鶴「………………」ピクピク

山城「ん? 翔鶴急に大人しくなってどうかしたの?」

翔鶴「いえ、何でもありません……っ」ピクピクピク

山城「(ビクッ)……き、急に寒気と殺気が?! ふ、不幸だわ……」


提督「もしもみんなが本当の妹だったら俺は妹にダダ甘になってたかもしれないなと思ったくらいだ」


翔鶴「…………ッ!」ベキッ

山城「あの、翔鶴。お箸折れたわよ……?」


提督「そんな中で一番を決めないといけないのは大変心苦しいが……ここで一つ提案したいんだが、いいかな?」



叢雲『どうかしたの?』



提督「その妹属性だが、二人になってもいいかな? 一人はテーマに沿った子を、もう一人は今のセリフから選びたいんだ。どうだろうか」



叢雲『それならこちらは別に構わないけどね。みんなもいいでしょ』

ウン イギナシー
……ッ!! ミシッ
シ、ショウカク……?!


提督「じゃあまずはテーマに沿った子だけど……こっちは瑞鶴だ」


アァー
ヤッパリネ


瑞鶴「ちょ、この反応……」ソンナニ?

提督「やっぱりみんなも納得してるよな。でもはっきり言って選ぶの難しいそこれ。性格が違ったらある意味で全員当てはまりそうなんだが」



叢雲『それを纏めるのがあんたの役目でしょうが』



966: 2014/09/09(火) 22:35:42.68 ID:cWW6FQ7a0


提督「次にセリフの方からだけど、こっちも悩んだが磯波にしようと思う。主観で申し訳ないが、何というか一番心に来た」

磯波「わ、私……!」

提督「普段大人しいぶんの反動だろうか。まあ意外な一面というか」


神通「残念、です……」シュン

大鯨「あはは……まあ気を落とさず、次頑張りましょう」



深雪『ひょっとして司令官ってシスコンの気があったりして?』


艦娘一同『ッ?!』


提督「いやいやっそんなことはないと思うが……」



叢雲『下手に手を出したら問答無用で酸素魚雷食らわすけどね。さ、それじゃ瑞鶴と磯波にはくじを引いてもらいましょうか。今のところまだ大当たりは出てないわね』



瑞鶴「装備が貰えるのは嬉しいけど……なんか納得がいかない」ゴソゴソ


『震電改』キタヨ


磯波「私がもらっちゃて、いいのかな……」


『22号対水上電探改四』レーダーデアル!



叢雲『ちなみにこれらの装備品は妖精さんが気まぐれで造り出した逸品だから、早々手には入らないわよ。魚雷とか電探とか、私にとっても羨ましいわね』

深雪『へへー。深雪さま五連装魚雷だぜ? 叢雲よりも強いんだぜ―』

叢雲『………………』



974: 2014/09/11(木) 20:50:34.69 ID:VdVagMlD0
1レスが長いのは詰め込んだ証拠orz


深雪『さて、ドンドン行こうぜ!』←タンコブ3個

叢雲『次のテーマは…………』

深雪『ん? なんで黙ってんの?』

叢雲『ちょっと失礼! 深雪、ちょっとこっち来なさい。……アンタ、こんなのまで書いたの?』ヒソヒソ

深雪『な、なんだよ……。って、こんなの書いてないぞ?』ヒソヒソ

叢雲『じゃあ誰が書いたっていうのよ!』

深雪『知らないってば』


『一番地味な艦娘と言えば?』


叢雲『こんなのやったら晒し者みたいじゃないの!』

深雪『ネタ的に面白おかしくやったら?』

叢雲『どうやって……』

深雪『うーん。んじゃま、ここは深雪さまに任せておきなって……。いやーゴメンゴメン! ちょっと叢雲が読み方ド忘れしちゃってたもんで』

叢雲『ちょっ……!』

深雪『次のテーマはこれだぜ! "一番地味な艦娘といえば?"』


叢雲『』ソノママイッチャッタアァァァァァ?!



ジミッテ……
ソレチョット ヒドクナイカナ
イイノカナァ……



深雪『まーまー待って。そのままの意味で捉えちゃいけないぜ! 本当はこう書いてあったんだよ。"変身したら一番かわいい艦娘は?" って。でもそのまま言ったらうまく捉えてもらえないかもしれないから、言葉は悪いけど元になってる"地味な艦娘"にしたわけさー』

叢雲『……! そ、そうね。普段はあまり目立たないかもしれないけれど、キッカケ一つでガラリと変わりそうなイメージの子を選んでちょうだい』


ナルホドネー



深雪『だから今回は、最初からかわいい子は対象外! おっと、これはさすがの深雪さまも外れちゃうよなぁー』

叢雲『いやアンタは外れないでしょ。むしろこの私こそ外れて然るべきよね』

深雪『なんだとぅ』


アハハハハハ
ナニソレー



深雪『……な?』ヒソヒソ

叢雲『ずいぶん上手いこと考えたわね』

深雪『へへっ。深雪さまに出来ないことなんてないのさー』



975: 2014/09/11(木) 20:55:27.26 ID:VdVagMlD0


瑞鶴「んー。誰だろう」

翔鶴「どちらにしても、選ぶ方も選ばれる方もちょっと気を使うというか」

瑞鶴「言いたいことは分かるんだけどね。でも何というか、みんな十分にかわいいような……はっ!」

翔鶴「どうかしたの?」

瑞鶴「はいはい! 私翔鶴姉ぇ推薦しまーす!」

翔鶴「えぇっ?! ちょ、ちょっと瑞鶴」



深雪『おぉっと、ここで一人目はなんと秘書艦の翔鶴さん!』

叢雲『ちなみに、理由を伺ってもいいかしら?』



瑞鶴「翔鶴姉ぇは何というか……大人しすぎる!」

翔鶴「えっ? 大人しいって……?」

瑞鶴「うまく言葉が見つからないんだけど、やっぱりなんかこう、地味? 的な?」


翔鶴「」グサッ


瑞鶴「翔鶴姉ぇはもうちょっと自分を出してもいいと思うんだよね。普段の一歩引いたような感じなのも、秘書艦だからって言うのもあるかもしれないけど……変身したらもっと提督さんも見てくれるんじゃないかな」

翔鶴「ッ?!」ボッ

提督「……ここはノーコメントにしておこう」

瑞鶴「と言うわけで、翔鶴姉ぇに一票!」


川内「この流れなら言えるッ。今度こそ神通に一票!」

神通「ふぇっ!?」

川内「神通も十分かわいいんだからそんな縮こまってないでアピールすればいいんだよ。でないと地味子のまんまだよー」

那珂「戦場では元気いいのにね―」

神通「あ、ぅ……」


吹雪「うーん、私的には初雪ちゃんを推してもいいような気がするけど」

白雪「確かに初雪ちゃんも元気な姿になったらもっと可愛くなるかもね」

初雪「……ヤ。地味最高」モグモグ

吹雪「当てはまってても、本人に改善の兆しがなさそうだし……」ネー

白雪「まあ、今のままの方が初雪ちゃんらしい、のかな?」ネー

初雪「ん。その代わり磯波を推す」

磯波「ま、また私なの? 確かに、地味だけど……でも、もう選ばれてるからいいよぉ」

吹雪「二連覇を狙うのもいいかもしれないね」

磯波「吹雪ちゃんまで―!」



976: 2014/09/11(木) 21:00:25.36 ID:VdVagMlD0

深雪『選ばれた翔鶴さんと神通さん。その中でイチバンはどっちだ?!』

叢雲『個人的に磯波がいても良かったと思うけど……ま、さっき出たことだしね』

深雪『それじゃ司令官、おねがいしまーす!』



提督「先に言っておくけど、他意があるわけじゃない。むしろ願望を込めて発表させてもらおうと思う」

提督「今回は――――――神通を選びたい」


神通「あっ……」

翔鶴「おめでとう。神通さん」


提督「皆も知ってると思うけど、神通は普段は大人しいが戦闘となれば一二を争うぐらい勇猛果敢だ。ちょっと自分を顧みない所はあるが……でも、度胸についてはなかなか真似できないことだとも思う」

提督「そんな姿を日常でも……まんまと言う訳じゃないが、元気で笑う神通を見ることができたらなと思って選ばせてもらった」

神通「………………」

提督「もちろん今の神通が良くないわけじゃないぞ? どちらも"らしさ"があって俺は好きだし」

神通「っ!」


神通「(こ、こんな私でも……提督は、すき?)」ドキドキ


提督「それに、翔鶴がこれ以上元気になって瑞鶴とそっくりになったら執務室が大変なことになるからな」


瑞鶴「ちょっと、ここで私なの?!」



叢雲『なんか司令官の気になる発言があったけど、あえて流しておきましょう。それじゃあ、このくじを引いてもらおうかしら』

深雪『今度こそ大当たりが出るか?!』



神通「で、では……いきます!」ゴソゴソ


『応急修理女神』ペカー



叢雲『あ、大当たり……』


オオォーッ!
パチパチパチパチ
ナニコレ?


神通「こ、これは……?」



叢雲『簡単に言うと、これがあれば撃沈・轟沈に相当するダメージが"無かったこと"になるわ。ゲームとかで言えば1UPみたいなものかしら』

深雪『妖精さん曰く、偶然造りだした逸品中の逸品らしいぜ! おめでとう!!』



提督「神通にはピッタリの装備かもしれないな。でも、そう簡単に使ってほしくないが……」

神通「が、頑張ります……! あの、提督……」

提督「うん?」

神通「えっと……あ、ありがとうございます。これからも頑張りますね」ニコッ


983: 2014/09/13(土) 20:10:50.58 ID:W3xChMr50
これでおしまい!



叢雲『さて、時間もだいぶ過ぎたところだし次が最後かしらね』

深雪『なんだかんだあっという間だったよなー』

叢雲『みんなにも楽しんで貰えたことを願いつつ締めに入るわよ。続いてのテーマは――――――の前に。司令官ちょっとごめんなさいね。自分で外したらダメよ』ガポッ



提督「をぉっ! な、なんだこれ?! ヘルメットか? でも何も見えんぞ! それに声も!」アタフタ



叢雲『ふふっ……司令官には目と耳を塞がせてもらったわ。今までのはある意味で練習。本番の前の前菜にすぎないの。そしてここからが本番……覚悟することね』クックック

深雪『どうせだからグラサンでも掛けてみるか』スチャッ



古鷹「あ、あれ? なんだか空気が変わったような?」

加古「んー?」モグモグ

瑞鶴「これも演出のうちなの?」

翔鶴「さ、さあ……。内容については二人に任せちゃったから」



叢雲『最後にして本番のテーマはこれよ』

深雪『みんなでぶっちゃけ! キライ(?)と見せかけて実は密かに司令官のことをスキな艦娘と言えば?! アーンド』

叢雲『一番新妻っぽい艦娘といえば?! のダブルテーマよ!』



艦娘一同『ッ??!!??!!』ガタッ



叢雲『最後は私たち艦娘だけの、そして司令官が対象のテーマよ。どうせだからみんな思いの丈をぶち撒けてみなさいな』

深雪『もちろん全員参加だぜー』

叢雲『さあ、みんな存分に"語り合いましょう?"』



984: 2014/09/13(土) 20:16:15.51 ID:W3xChMr50

瑞鶴「語り合おうと言っても……」

翔鶴「どうしたものかしら?」

瑞鶴「まあ最初の方については一人心当たりが……」チラリ

翔鶴「あはは……」チラリ

山城「最後がこんなテーマなんて……激しく不幸だわ」

扶桑「……山城。あなた本当は提督のこと好きよね?」

山城「ね、姉さまッ?! とと、突然何を」


艦娘一同『(扶桑さんが自ら切り込んでいった?!)』


山城「あの人のことなんて何も……っ。私は誰よりもまず姉さまのことを……!」アタフタ

扶桑「私も山城のことは第一に考えているわ。でも、それとは話が別なの。提督のことをいろいろ言ってる時のあなた、とても嬉しそうよ?」

山城「そそそそそそんなことは」マッカッカ


加古「……あ、でも提督に楽しそうに絡んでる山城さん見たことあるかも」

山城「ちょッ?!」

川内「私もあるかなー。だいたいは扶桑さんのことばかり話してるけど、所々に自分もっていうのがにじみ出てるというか」

瑞鶴「活躍した時とか、褒めてオーラが全開に出てるよね」ソウイエバ

山城「」チーン


扶桑「恥ずべき事ではないのよ山城。私たちは提督に救ってもらったと言っても過言ではないもの。程度は別にしても何もないとは思えないわ」

山城「ね、姉さまは……」

扶桑「私は好きよ。提督のこと。提督のためなら命をかけて戦えるくらい……もっとも、そんなことを言ったら怒られてしまうけれどね」

山城「………………」

扶桑「もちろん私たちだけじゃないわ。ここにいる全員……大なり小なり違いはあれど、好きじゃない子はいないはずよ」

山城「じゃ、じゃあ叢雲は……? あの子も結構キツイことを言うけど……」

叢雲「私? まあ恋愛感情かと言われると怪しい部分もあるけど、好きは好きよ。なんだかんだ私たちのことをイチバンに考えてくれてるしね。甘えたり甘やかしたりはしないけど」

扶桑「だそうよ?」

山城「他のみんなも……?」

大鯨「わ、私は提督には艤装のことで大変お世話になったので……。あと、私のことを認めてくれた初めての人でもありますし」

鳳翔「そうですね。確かに怒られてしまいますが、私も提督のためならばと言う思いはあります。同じ境遇として、翔鶴さんに神通さん、吹雪ちゃんも同じではないから?」

翔鶴「はい」

神通「は、はい!」

吹雪「もちろんです」

山城「………………」



985: 2014/09/13(土) 20:20:43.16 ID:W3xChMr50


山城「やっぱり不幸だわ……」

扶桑「本当にそう思うのかしら?」

山城「……私だって、素直になろうとは思いますよ。でもいざ目の前にすると」

扶桑「素直になれないって?」

山城「考えるよりも先に口が出ちゃって、それで……」

扶桑「ええ。そういう所も山城らしくて私は大好きよ。だから、少しずつでいいから、ね?」

山城「うぅ。どうしてこんなことに」マッカッカッカ


山城「……本当にあの人には聞かれてないのよね?」

叢雲「それは保証するわ」

山城「はぁ……わかったわかりました。私もあの人のこと好きです。そりゃそうでしょう初対面で……お荷物なんて言われてた私たちにあんなにも真剣になってくれたら……今でも変わらず私や扶桑姉さまのことを大事にしてくれたら何もない方がおかしいでしょ」

扶桑「(ニコニコ)」←"私や"の部分が先に来たことを喜んでる

山城「で、でも! 恋愛感情がどうのなんてのは言いませんからね! 私はあくまでも扶桑姉さま一筋ですから!」

扶桑「ええ。それで構わないわ。今のところはね」ニコニコ

山城「はぁっ。ココ最近でイチバンの不幸よ」グッタリ


叢雲「別名、素直じゃない艦娘イチバンは満場一致で決まりみたいなものよね。じゃあ、はい。くじをどうぞ」

山城「もうこうなったらヤケよ……砲でも魚雷でも航空機でも来なさいっての」ゴソゴソ


『(新)三式弾』ヨッ


山城「……三式弾ならもう持ってるわよ。はぁ、装備にすら……不幸だわ」

扶桑「(なんだか頭に新ってついてるけれど……?)」


山城「ちなみにだけど、普段おとなしい初雪とかはどうなってるの? 対象にならないのかしら」

初雪「……ん」ピトッ

提督「な、なんだ。誰か何か付けたのかっ? いやなんか抱きついてるような感覚があるんだが?!」ジタバタ

山城「……私の負けでいいわよもぅ」

初雪「んっ」フンス



987: 2014/09/13(土) 20:25:52.02 ID:W3xChMr50


山城「……さっ。次に行こうじゃないの。次はなんだっけ? 新妻イチバンでしょう? そりゃあもうこれだけ慕われてれば推薦いらずにイッパイ立候補も出てくるわよねぇ!」


古鷹「山城さん……」

加古「色んな意味で吹っ切れてるよねこれ」

川内「新妻っぷりかぁ。料理の上手な鳳翔さんか大鯨さん、それに秘書艦の翔鶴さんが思い浮かぶけど……」

那珂「あれ、川内ちゃん立候補しないの?」

川内「私ぃ? んー新妻っぽいかと言われると違うような。むしろ神通じゃないかな」

神通「え……っ?」ポッ

那珂「あー神通ちゃんも提督の事好きだもんねー」

神通「(わ、私が、新妻……なんだか、身体が火照ってきてしまいました……)」カアァァァァ

川内「そういう那珂は?」

那珂「那珂ちゃんはー、新妻にも憧れるけどまだまだみんなのアイドルでいたいし、みたいな☆」


時雨「立候補したいけど、鳳翔たちにはさすがに敵わないからね。だから僕は扶桑を推薦したいかな」

扶桑「わたし?」

時雨「いつだったか、提督と二人で縁側でお茶を飲んでた時があったよね。その時に見たんだけど、なんだかそんな感じがしたんだ」

扶桑「縁側、お茶というと……あの時かしら」

山城「姉さまがどんどん遠くに……」


五月雨「なんて言うか、やっぱり新妻って言われると大型艦の人たちが当てはまっちゃうよね」

涼風「そんなことないんじゃない? 駆逐艦でも新妻は務まるだろー」

五月雨「たとえば?」

涼風「ん? んー……あたい?」

五月雨「そんな冗談はいらないよ」

涼風「ひどっ! あたいだってヨメくらい務まるって」

村雨「なになに何の話? 村雨さんも混ざっちゃうわよ―」

五月雨「駆逐艦でも新妻ってできるのかなーって思って」

村雨「そうねぇ。敵う敵わないは別にしても、時雨なんて結構いけそうな気がするかな。あとは、吹雪ちゃんと白雪ちゃんあたりとか? あと意外と白露」

涼風「へっ白露? そりゃまたなんで」

村雨「甲斐甲斐しく接するだけが妻じゃないってことね。ほら、白露は気後れしない性格だし、持ち前の明るさで元気にしてくれると思わない?」

五月雨「明るさかぁ」

涼風「そう言われるとそんな感じも……?」

涼風「(っていうかそれでいくとむしろ村雨の方が適任なんじゃね?)」


白露「あれ? あたし妹から新妻へ昇格しちゃうの?」

夕立「あたしはー?」ッポイ?



988: 2014/09/13(土) 20:30:42.11 ID:W3xChMr50


山城「って言うかこれ、どうやって一番を選ぶのよ。まさか提督に……」

叢雲「そのことだけど、ここについては一番を決めることはしないわ。誰も選べないだろうし」

山城「じゃあなんのためにやったのよ」

叢雲「面白そうだから、かしら。みんなであれこれ話せていいでしょう」

山城「お、面白そうって」

叢雲「意外な一面も見られて、みんなも楽しめる。いいことヅクメじゃない」

山城「私は不幸でしか……まあいいわ。ここで嘘ついたってしょうがないもの」

叢雲「そうそう。せっかくの慰労会だもの。素直に楽しまなきゃ損だわ」


深雪「だよな! 美味しい料理は美味しい内に食べるのがいいんだよー」モグモグ


叢雲「……アンタは色気よりも食い気よね。らしいけど」



瑞鶴「うーん」

翔鶴「どうかしたの瑞鶴」

瑞鶴「一番は決めないって言ってたけど、結局のところ誰だったらみんなも納得するかなって」

翔鶴「誰でも納得するだろうし、誰でも納得しないんじゃないかしら」

瑞鶴「みんな提督さんのことが好きーって?」

翔鶴「えぇ」

瑞鶴「翔鶴姉ぇとしても負けられないよね」

翔鶴「そう、ね。負けられないわね」キュッ……

瑞鶴「ま、そのチョーカーを見る限り一人先行してるのは間違いないだろうけどねー」

翔鶴「………………」


そして宴は過ぎてゆく……


………………

…………

……



989: 2014/09/13(土) 20:35:57.01 ID:W3xChMr50

提督「何故か俺だけ最後に遮断されてしまったが……みんな楽しんでもらえたかな」


ハーイ!


提督「そろそろいい時間だし、名残惜しいがこの辺でお開きにしようと思う。今日この場を盛り上げてくれた深雪と叢雲には感謝を。そして拍手を送りたいと思う」


パチパチパチパチ


深雪「いやーなんのなんの。深雪さまにおまかせだって!」

叢雲「ま、当然よね」


提督「また明日からは遠征に戦いに、気を抜かずに取り組んでもらいたい。それについては細やかだが……俺からみんなへプレゼントを用意した」


プレゼント……?
ナンダロー


提督「みんな部屋に帰ってからのお楽しみってところだな。それじゃあ、また明日からも頑張っていこう」

艦娘一同『はいっ!』


………………


瑞鶴「提督さんからのプレゼントってなんだろうね。翔鶴姉ぇはなにか知ってる?」

翔鶴「ううん。むしろ提督からプレゼントってこと自体を今知ったくらいだわ」

瑞鶴「翔鶴姉ぇすらにもナイショだなんて……一体なんだろう」

翔鶴「提督は部屋へ帰れば分かるって言ってたけれど」

瑞鶴「プレゼントっていうくらいだから、なんか箱でも置いてあるのかな―」ガチャッ


翔鶴「……なにもない?」

瑞鶴「隠してあるのかな。でもそんな時間ないはずだし……あれ、この部屋ってこんなに快適だったっけ? 今日暑かったよね?」

翔鶴「えっ?」カイテキ?

瑞鶴「なんだか食堂にいるみたいな――――あ」

翔鶴「瑞鶴?」

瑞鶴「……空調ついてる」ウエユビサシー



あちこちの部屋から『空調だーっ!!!!!!』



提督「みんなお疲れさま。短い時間だったけど工事終わらせてくれてありがとう。料理は別に取っておいたからゆっくりとしていってくれ」

工廠妖精『はーい!』

提督「これで少しは生活が快適になるといいんだが」

工廠妖精2「提督さん。建造はしてもいいです?」モグモグ

提督「ん? ああ。正式に依頼はしたからね。いつでも始めちゃって構わない」

工廠妖精1「気合、入れて、いきます!」ワクワク

提督「うん。資材にも余裕が出てきたし、是非とも重巡や戦艦をたのむよ」


鎮守府に空調が完備されました


990: 2014/09/13(土) 20:40:57.04 ID:W3xChMr50

...finale


・・-・・鎮守府ハ今日モ健在ナリ・・・


……慰労会後


瑞鶴「はぁーいいお湯だったー。あぁ、火照った身体に空調の風が心地いい~」ドサーッ

瑞鶴「ねぇ翔鶴姉ぇ……あれ? 翔鶴姉ぇー? さっきまで一緒にお風呂いたのになあ」イナイ



―縁側―

翔鶴「さあ提督。一献」

提督「ああ。ありがとう翔鶴……ふぅ。やっぱりここで呑む酒は格別だなあ」

翔鶴「最近はお茶ばかりでしたからね」

提督「まったくだ。でも、そのおかげで今日は一層美味い。翔鶴が注いでくれたからってのもあるかな」

翔鶴「まあ、提督ったら」フフッ


提督「プレゼントは気に入ってもらえたかな」

翔鶴「驚きましたよ。工事はもっと先と伺っていたのですが……」

提督「実は妖精さんに頼んだんだ。資材だけ集めたら作れるって言うから大幅に節約できた。本当にありがたいことだよ」

翔鶴「そうだったんですか。じゃあ、私たちが食堂にいる間に?」

提督「うん。建物の主な部屋は全て空調が入った。これで暑くても寒くても平気だろう」

翔鶴「瑞鶴も喜んでいましたよ。今頃はお風呂上がりで涼んでいるかと」

提督「そう言えば翔鶴も浴衣だったな。湯あがり美人だ」

翔鶴「ふふっ。それはもう前に聞きましたよ――――提督、そばに寄ってもいいですか?」

提督「ん? あぁ」


991: 2014/09/13(土) 20:45:40.35 ID:W3xChMr50


翔鶴「慰労会の催し物にはビックリしましたね」

提督「いやはや。まさか皆の中から俺が一番を決めるとはね……。てっきり多数決にでもするかと思ったら」

翔鶴「でも、提督が決めてくれたおかげでみんなも喜んでましたし、結果的には良かったのでは」

提督「まあね。でも、中身は完全に投げてたから驚いたよ。正直決めにくかったというか」

翔鶴「提督は妹好きなんですよね」

提督「いや、あれは……」

翔鶴「鼻の下が伸びてました。デレデレです」ツーン

提督「そ、そんなはずは……」

翔鶴「私では妹にはなれませんか?」

提督「……そう、だな。妹にはなれないかな」

翔鶴「………………」

提督「むしろ妹になってしまったら俺が困る」ナデナデ

翔鶴「あっ……」

提督「うん。とても困るな」ナデナデ

翔鶴「………………」ギュッ


提督「なあ、翔鶴」

翔鶴「はい」

提督「えっと……月が綺麗だよな」

翔鶴「ここは氏んでもいいって返すべきですが……縁起でもないのでまだ氏ぬ気はありませんね」

提督「氏なれちゃ困るさ」

翔鶴「だからその代わり――――――」


ふわっ……


提督「!」

翔鶴「ふふふっ。……本当に月が綺麗ですね。提督」ニコニコ




・・-・・・・-・・・・-・・

工廠妖精1「建造~建造~♪」ワクワク

工廠妖精2「さあ、ドンドンいくです!」ガチャコンガチャコン

工廠妖精3「建造こそがー我らのアイデンティティー!」

工廠妖精4「パパパッパッパッパ、パァウァー!!」



??『08:00:00』ピッ


To be Continued→?


992: 2014/09/13(土) 20:50:06.08 ID:W3xChMr50
鶴姉妹劇場これにておしまい! 長らくのご拝読ありがとうございました
設定とか伏線とか回収しきれてないので、そこら辺はその内どうにかします 具体的には来月辺り?
書き溜めないとストックが……

その時はまたお付き合いいただければ幸いです

993: 2014/09/13(土) 20:55:04.63 ID:dCzJwLzD0

996: 2014/09/13(土) 21:10:35.33 ID:W3xChMr50
埋めます埋めます


雲龍「えっと……なんで私呼ばれたノ?」

提督「ま、普段出番がないからね」

雲龍「基本的には出番ない方がいいんだけどなア」

提督「まーな。普通の雲龍だったらレギュラーだっただろう」

雲龍「私、元深海棲艦だからネ。妹達や冬月たちモ」

提督「普段の生活の中で人知れず動きまわる艦隊がある……なかなかいいじゃないか」

雲龍「目立ちたいわけじゃないからネ。今のところハ」

提督「今のところって……」

雲龍「前にも言ったけれど、全部終わったら堂々と表には出るわヨ? 瑞鶴姉や鳳翔とも普通に会いたいし」

提督「正直なところ、やっぱり今の生活は嫌か?」

雲龍「うーン……全く嫌じゃないとはいえないけど、しょうがないとも思ってる、かナ?」

提督「不便をかけるよ。それに資源面ではお世話になりっぱなしだ」

雲龍「これくらいしか出来ないからネ」

提督「大変だろうけど、これからも頼むよ。天城たちにもよろしく言っておいてくれ」

雲龍「うん。わかったワ」

997: 2014/09/13(土) 21:27:59.02 ID:H/ZwgAxmO
一旦乙
続きも楽しみにしてます

998: 2014/09/13(土) 21:34:40.16 ID:PJ0muVB30
乙 次作楽しみにまってます


引用: 瑞鶴「目標、母港執務室の提督……と翔鶴姉ぇ!」