160: 2015/08/22(土) 23:01:15.15 ID:i3XYOagy0

お疲れ様です、続き投下していきます。

【艦これ】鳳翔「ちび空母鎮守府!」【前編】

161: 2015/08/22(土) 23:02:05.03 ID:i3XYOagy0

かが「それじゃあ、みんなでちんじゅふにもどりましょう」

しょうかく「もうすぐ、くらくなっちゃいますもんね」

あかぎ「おなかがすきました! はやくかえって、かれーをつくってもらいましょう!!」

北方『カレー? ……ッテ、ナンダ? ウミノナマエ?』

あかぎ「ううん、おりょうりのなまえです。たべたことないの?」

北方『ナイ。ドンナノ?』

あかぎ「…………」


あかぎ「とにかくおいしいんです!!」

北方『ワカンナイ!!』
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
162: 2015/08/22(土) 23:02:46.86 ID:i3XYOagy0

ずいかく「あじを、つたえるのはむりだよ」

しょうかく「たべてみないと、わかりませんよね」

北方『タベテミタイ!!』

かが「おかあさんのかれーは、はつたいけんにふさわしいわ」

ひりゅう「ほっぽちゃんも、いっしょにたべる?」

そうりゅう「こーわんさんもね!」

北方『ウン。アッタラ、キイテミル』

163: 2015/08/22(土) 23:03:26.40 ID:i3XYOagy0

ずいかく「ねーねー、こーわんさんって、どんなひと?」

北方『ドンナッテ?』

ずいかく「おしごととか、せいかくとか」

北方『オシゴト……ウーン』


北方『フダンハ、ダイタイ、イスニスワッテル』

あかぎ「へー。すわって、なにするひと?」

北方『エット、サクセンヲ、タテタリトカ』

しょうかく「てーとくの、おとーさんみたい!」

164: 2015/08/22(土) 23:07:09.30 ID:i3XYOagy0

北方『アトハ、ホカノフネニ、メイレイシタリ』

ひりゅう「めいれい? それじゃ、えらいひとなんだ!」

かが「えらいひとは、じぶんでたたかわないもんね」

北方『フダンハ、アンマリタタカワナイ。タタカウノモ、キライッテイッテル』


北方『デモ、タタカウト、トッテモツヨイ。ソレニ、ヤサシイ!』

ずいかく「つよくてやさしいのは、おかーさんみたいだね」

北方『ヒコウキノツカイカタモ、こーわんニ、オソワッタノ』

そうりゅう「ますます、おかーさんにそっくり」

165: 2015/08/22(土) 23:07:47.56 ID:i3XYOagy0

ひりゅう「わたしたちも、おかーさんにおそわったんだよ」

北方『ミンナモ、ヒコウキツカエルノ?』

ずいかく「うん。いつも、ひこうきでたたかうの」

北方『ジャア、ワタシトイッショダ!』

かが「どこかのうみで、あえるかもしれないわね」

あかぎ「そのときは、いっしょにあそびましょう!」

北方『ウン! トモダチモ、ツレテク!』

166: 2015/08/22(土) 23:09:41.47 ID:i3XYOagy0


鳳翔「公園はここですね、まだいればいいんですけど」

『アノ、オ店ハアッチデハ?』

鳳翔「あ、ごめんなさい。娘たちがここに……あと、ここを通った方が、お店には近いんですよ」

『ソウデシタカ』

鳳翔「それに、6人いますから。皆で探せば、きっとすぐ見つかります」

『ア、アリガトウゴザイマス』


鳳翔「心配しないで。いざとなれば、鎮守府に戻って飛行機を使いますからね」

『エ!? イエ、アノ。ソコマデ、シテ頂カナクテモ』

鳳翔「気にしないで下さい、困った時はお互い様ですよ!」

『ハ、ハア……』


(角ハ帽子デ隠シテルカラ、バレテナイヨウダケド)

(流石ニ、艦娘ノ本拠地マデ、入ルワケニハ……)

167: 2015/08/22(土) 23:11:34.14 ID:i3XYOagy0


北方『……アッ!! こーわん!!』

あかぎ「えっ、どこですか?」

北方『アッチ!! アレ、アレ』

かが「あら……いっしょにいるのは」

ひりゅう「おかーさんだ!!」

「「「おかーさーん!!」」」



鳳翔「ああ、良かった……皆、無事でしたね」

港湾棲姫『ほっぽ、ココニイタノネ。ゴメンネ、一人ニシテ』

168: 2015/08/22(土) 23:12:32.71 ID:i3XYOagy0

北方『ダイジョウブ。ミンナイタカラ、サビシクナカッタ!』

港湾棲姫『貴女タチガ、遊ンデクレテタノ? アリガトウ』

そうりゅう「いいの! わたしたちも、たのしかったよ」

しょうかく「ね、ほっぽちゃん。おかーさんにまかせれば、みつかったでしょ?」

北方『ウン!! スゴイナ、オカーサンハ!!』

ずいかく「なんかちがうような……まーいっか」

169: 2015/08/22(土) 23:28:37.97 ID:i3XYOagy0

鳳翔「良かったですね、見つかって」

港湾棲姫『ハイ! 本当ニアリガトウゴザイマシタ』

鳳翔「いえ、そんな。結局何もせずに……」

港湾棲姫『トンデモナイ。道ガワカラナクテ、途方ニクレテイマシタカラ』

鳳翔「助けになれたのなら、良いのですが」



鳳翔「それから、あの、お節介なようですが」

港湾棲姫『ナンデショウ?』

鳳翔「もし帰り道がわからなければ、うちの人に車を出すよう、お願いしましょうか?」

港湾棲姫『イエイエ、ソンナ。旦那サマニマデ、ゴ迷惑ヲ、オカケスルワケニハ参リマセン」

鳳翔「ええ!? だ、旦那さま、ですか。良いのでしょうか、私が呼んで……」

港湾棲姫『違イマシタカ? ……デモ、本当ニイイノデス。海岸マデ出レバ、後ハワカリマスノデ』

鳳翔「そうですか。それなら大丈夫ですね」

170: 2015/08/22(土) 23:31:22.85 ID:i3XYOagy0

あかぎ「おかあさん、おかあさん」

鳳翔「あら、どうしたの? 赤城ちゃん」

あかぎ「ほっぽちゃんに、おかあさんのかれーを、たべてもらいたいんです」

鳳翔「カレーを? 確かに今日は、カレーを作りますけど」


北方『カレー!! タベタイ!!』

港湾棲姫『コラ、ほっぽ!!』

鳳翔「ああ、いえいえ。こちらは全然構いませんよ?」

港湾棲姫『違ウノデス。我々モ帰ッテ、同僚タチノ、夕飯ノ準備ヲシナイト』

171: 2015/08/22(土) 23:32:16.61 ID:i3XYOagy0

鳳翔「そうでしたか……それは、急がないといけませんね」

港湾棲姫『ハイ。申シ訳アリマセンガ、ココデ、オイトマサセテ頂キマス』

北方『エー!? カレー、カレー!!』

鳳翔「めっ。お姉さんを、困らせちゃいけませんよ?」

北方『デモー』

鳳翔「それじゃあ、また今度、遊びに来て下さい。ね?」

北方『ホント!? カレー、ツクッテクレル!?』

鳳翔「ええ。金曜日なら、いつも作りますから」

172: 2015/08/22(土) 23:35:13.26 ID:i3XYOagy0

北方『こーわん!! キンヨウビニ、カレー!!』

港湾棲姫『ア、アノ、私タチハデスネ』

鳳翔「遠慮なさらないで下さい。地域の方々との交流も、軍の役割ですから」

港湾棲姫『ソウイウコトデハナク……』


鳳翔「あ、そうですよね。お2人だけじゃ入りにくいですよね」

鳳翔「……そういえば! ちょうど良く、一般公開イベントの日程が決まったんです」

北方『イベントデ、カレー!!』

鳳翔「よろしければ、こちらへ。他にも、色々な子がカレーを作ってますから」

港湾棲姫『アノ……ハイ……アリガトウ、ゴザイマス』

173: 2015/08/22(土) 23:36:22.17 ID:i3XYOagy0

港湾棲姫『ソレデハ、オ世話ニナリマシタ』

北方『マタネー!!』

そうりゅう「またねー、ほっぽちゃん!!」

しょうかく「あそびにきてねー!!」

ひりゅう「おともだちもいっしょにねー、まってるからー!!」

北方『ウン!! バイバーイ!!』



ずいかく「ふー。おともだちがふえて、よかったね」

かが「そうね。なんとなく、すぐまたあえるきがするわ」

あかぎ「あえますよー。こんどは、いっしょにごはんをたべましょう」

鳳翔「ふふ、そうね。……それじゃ、私たちもご飯にしましょう。帰りますよ」

「「「はーい!!」」」

174: 2015/08/22(土) 23:37:50.97 ID:i3XYOagy0





「「「ただいまー!!」」」

鳳翔「ただ今帰りました」

提督「おー、お帰り。皆仲良く出来たか?」

そうりゅう「あのね、おとーさん、あのね!」

ひりゅう「おかいもののかえりにね! こうえんでね!」

しょうかく「あたらしいおともだちがね! できたんです!」

提督「友達? そうかそうか、良かったね」

175: 2015/08/22(土) 23:38:26.72 ID:i3XYOagy0

あかぎ「おとうさん! おなかがすきました!」

かが「わたしもすきました」

提督「はは、わかったわかった。じゃあ、夕飯を作ろう」

鳳翔「出来たら呼ぶから、お部屋で待ってなさいね」

ずいかく「はーい。それじゃこれ、かってきたやつね」

提督「うん、ありがとうな」

176: 2015/08/22(土) 23:39:18.00 ID:i3XYOagy0

提督「そうだ、その前に! さっき、ポラロイドを見つけたんだよ」

鳳翔「あ、カメラですね?」

提督「うん。兵学校で使ってた年代物だけどね」

鳳翔「良かった! 全員で撮りましょう、こっちに並んで並んで!」

「「「はーい」」」

提督「タイマーは15秒で……よし。皆、ベンチの周りにおいで」

177: 2015/08/22(土) 23:41:31.51 ID:i3XYOagy0

あかぎ「おとうさん、かたぐるま!!」

ひりゅう「だっこ!!」

しょうかく「あー、わたしもわたしも!!」

提督「うおっと、よしよし。ちゃんと掴まってるんだぞ」


そうりゅう「むむっ、おかーさん、だっこして!!」

鳳翔「はいはい、いいですよー」


ずいかく「えーと、わたしは……」

かが「おとうさんたちのあいだにいましょう」

ずいかく「うん!!」


鳳翔「じゃあ、ほら皆、笑って――」



―― カシャッ


178: 2015/08/22(土) 23:42:54.81 ID:i3XYOagy0

提督「良かったね、皆で撮れて」

鳳翔「はい! 良ければ、もうちょっと……」

提督「あー、ごめんね。今のが、最後の1枚だったみたいだ」

鳳翔「そうですか。それでは、写真はこの1枚だけですね」


提督「……これは、君が持っとくといい。撮りたがってたものね」

鳳翔「あ、ありがとうございます。よろしいんですか?」

提督「うん。これだけになっちゃって、申し訳ないけど」

鳳翔「いえ、そんなこと……大切にします。絶対に」

179: 2015/08/22(土) 23:44:54.22 ID:i3XYOagy0

鳳翔「それじゃ、あなた。カレー、手伝って下さいますか?」

提督「いいとも。……あれ?」


→にんじん(1本)

→たまねぎ(1個)

→ジャガイモ(大量)

→クリームチーズ

→マーガリン

→飲むヨーグルト

→板チョコ(大量)

→メープルシロップ

→牛レバー(大量)



提督「どうしてこうなった!!」

鳳翔「あっ……お買い物メモに、数を書き忘れてました……」

184: 2015/08/23(日) 21:06:39.93 ID:PUzojrwj0





「「「いただきまーす」」」

鳳翔「どうぞ、召し上がれ!」

あかぎ「……おいしいです!!」

かが「おにくが、やわらかいですね」

そうりゅう「にんじんもたまねぎも、あまくておいしい!」

しょうかく「るーがとろとろで、ごはんにあいます!」

鳳翔「そう。貴女たちが、買って来てくれたおかげよ」

185: 2015/08/23(日) 21:07:09.24 ID:PUzojrwj0

提督(鳳翔……余ってた材料で、ちび達の分だけはまともなのを作ったな)

提督「――ああ、待て、そこの3人! そっちの鍋は、年上組のだ」

五月雨「え、分かれてるんですか」

叢雲「何が違うの? 辛さ?」

提督「もっと別なところだよ……とりあえず、こっちから盛るんだ」

吹雪「は、はあ。わかりました」

186: 2015/08/23(日) 21:08:22.94 ID:PUzojrwj0


陸奥「鳳翔さん? 私たちのお皿、ジャガイモしか入ってないんだけど」

鳳翔「ええ、入れましたからね。にんじんとたまねぎが入ってたら当たりですよ」

山城「何なのよ、その当たっても嬉しくない当たりは」

長門「……ジャガイモが多すぎで飲み込みにくいな」

扶桑「た、炭水化物が……ちょっと、ご飯減らしてきます……」


妙高「鳳翔さん、ちょっと……このお肉、なんだか苦いんですけど」

鳳翔「ええ、レバーですからね。ヘルシーで体にもいいですよ」

那智「カレーにレバーは……合わないぞ、確実に」

鳳翔「いくら食べても大丈夫なんです」

那智「レバーは酒のあてになるが……カレーでは……」


鳥海「あの、鳳翔さん……このカレー、チョコレートの味がするんですけど」

鳳翔「ええ、入れてますからね。チョコレートは立派な調味料なんですよ」

摩耶「そりゃ知ってるよ、でも入れ過ぎだろこれ……チョコの味しかしねーぞ」

鳳翔「この暑さで溶けちゃったので、使うしかなかったんです」

鳥海「何故、わざわざカレーに使うのですか……」

187: 2015/08/23(日) 21:08:54.13 ID:PUzojrwj0

鳳翔「まだまだありますから、おかわりして下さいね」

那智「いや、流石にこれは……」

摩耶「一皿、食べ切ったことを褒めて欲しいぜ」

ずいかく「……まやおねーちゃん、もういらないの?」

摩耶「えっ」

ひりゅう「なちおねーちゃん。わたしたちが、なにか、へんなのかってきちゃった?」

那智「い、いや」

188: 2015/08/23(日) 21:09:36.26 ID:PUzojrwj0

ずいかく「……ふぇ」

ひりゅう「……ごめ、なさ……」


鳳翔「おかわり、しますよね?」ニッコリ

摩耶「オウモチロンダオオモリデタノムゼ」ガツガツ

那智「コレナライクラデモタベラレルナ」ガツガツ

「「よかったー!!」」


妙高(那智、貴女の犠牲は無駄にはしないわ……)ゴチソウサマ

鳥海(摩耶……貴女は良い姉だったわよ)ゴチソウサマ

207: 2015/09/11(金) 23:30:43.76 ID:UZQeXVV80





明石「――失礼します提督、鳳翔さんも」

鳳翔「あら明石さん、お疲れ様です」

提督「待ってたぞ明石。何かわかったか?」

明石「ええ。確証はありませんが、おそらくは」

鳳翔「どんな原因でしたか?」

明石「正規空母の皆さんの、艤装を調べてたんですが。原因は補給だと思います」

提督「補給?」

208: 2015/09/11(金) 23:32:47.52 ID:UZQeXVV80

明石「まず、小さくなったのは空母の皆さんだけ。要するに、補給にいつもボーキサイトを使う艦娘だけです」

鳳翔「それでは私や、航空戦艦の扶桑さんと山城さんは?」

明石「タイミングの違いですね。工廠妖精さんによると小さくなったのは、
昨日の遠征で獲得したボーキサイトを使った艦娘だけだそうです」

提督「昨日か。遠征の行先は、確か……」

鳳翔「第2艦隊、東京急行。第3艦隊、東京急行弐。第4艦隊……ボーキサイト輸送」

明石「確定ですね。何があったか、聞いてみましょう」

提督「旗艦は那珂……仕事は問題なかったはずだが」

209: 2015/09/11(金) 23:36:07.84 ID:UZQeXVV80


「「「―― COS MOS!!!!」」」

那珂「つよくなれる、いっつおーらーい!! やさしさからー?」

あかぎ「は!!」

そうりゅう「じ!!」

しょうかく「ま!!」

ひりゅう「る!!」

ずいかが「「ぱわーあー!!」」

那珂「そーれーがー?」

「「「ゆーうしゃー!!!!」」」

210: 2015/09/11(金) 23:36:45.33 ID:UZQeXVV80

「「「―― COS MOS!!!!」」」

那珂「どんなときもー?」

「「「わなびーらーい!!」」」

那珂「じぶんにだけはー、けっしてまけなーいー!!」

「「「う・る・と・ら・の、ちーかいー!!!!」」」


川内「那珂が、持ち歌以外を歌うなんて珍しいね」

神通「最初は歌おうとしたみたいですよ。でも、あの子たちが」

211: 2015/09/11(金) 23:38:06.82 ID:UZQeXVV80


そうりゅう『なかちゃーん、おうたうたってー』

那珂『お、ね、え、ちゃん!』

那珂『――よーし、それじゃあ聞いて下さい、恋の2-4-11!!』

かが『……??』

ひりゅう『わかんなーい』

那珂『(´・ω・`)』

あかぎ『もっともりあがるのがいいです!!』

那珂『盛り上がるよ!?』

ずいかく『うるとらまんがいいー!!』

しょうかく『おねがいします、なかちゃん!!』

那珂『おねえちゃんって呼んでってばー!!(´;ω;`)』


川内「不憫な妹(つД`)゚。」

神通「まだ気を使える歳じゃありませんからね」

212: 2015/09/11(金) 23:42:17.55 ID:UZQeXVV80

那珂「よーしっ、このまま2番、いっくよー!!」

「「「わー!!!!」」」

那珂「きずついただれーかが、どこかーにいーれーば――」


鳳翔「――こらぁああああっ!!」

那珂「!!」

「「「おかーさーん」」」

鳳翔「那珂さん、今何時だと思ってるんですかっ!! 年上なんだからしっかりしてもらわなきゃ困ります!!」

那珂「ひぃっ、ごめんなさいごめんなさい!!」

213: 2015/09/11(金) 23:43:09.63 ID:UZQeXVV80

鳳翔「貴女たちも、めっ! 子どもはもう、寝る時間です!」

「「「えー!!」」」

鳳翔「えーじゃありません!! 明日はお休みじゃないんですからね」

鳳翔「――ほら、歯みがきに行きますよ」

「「「はーい……」」」

提督「那珂、ちょっと執務室へ来てくれ」

那珂「? はいはーい」

214: 2015/09/11(金) 23:44:31.52 ID:UZQeXVV80


提督「昨日の遠征の事なんだけどな」

那珂「遠征? ばっちりだったよ、何か問題あった?」

明石「それ自体ではなくて、持ち帰ってもらったボーキサイトがですね。ちょっと変と言うか」

那珂「変って、普段どおりでしょー」

提督「何か違うと思うんだ。採掘場所が変わったとか、機械が変わったとか」

那珂「えーと、ああ、そういえば! 採掘現場に、掘りたてのボーキが余分にあったよ。それも持ってきたんだ」

提督「……? 他の鎮守府の艦娘か?」

那珂「違うと思うよ。あんなとこに置いといたら、すぐ深海棲艦に輸送されちゃうもん」

215: 2015/09/11(金) 23:45:03.67 ID:UZQeXVV80

明石「妙ですね。緊急退避でもしたんでしょうか」

提督「勝手に持って来て大丈夫かな」

明石「というか、怪しまなかったんですか? 技術屋としては突っ込まざるを得ませんよ」

那珂「ラッキー!! って思った」

提督「しっかりしてくれよ。常に戦意高揚状態でもあるまいし」

那珂「! 那珂ちゃんはいt」

明石「いつでもキラキラしてるとか、そういうのはいいです」

那珂「(´・ω・`)」

提督「まあまあ」

216: 2015/09/11(金) 23:46:33.07 ID:UZQeXVV80

那珂「でも要するに、ちびちゃん爆誕は私のせいだよね……ごめん提督」

提督「いやいや。資材の確認を、書類だけで済ませてしまった私も悪いからね」

提督「ただ今回は良かったものの……どんな影響が出るかわからないから、変わったことは直接報告を頼むよ」

那珂「うん、了解!」

提督「さて、明石。ちび達は元に戻るのか?」

明石「やってみないとわかりませんが、戻ると思います」

明石「例のボーキには、普段我々が使うボーキとは少々違う成分が含まれてるようで」

明石「これが艤装妖精さんとトンデモ反応を起こして、艤装ごとちび化しちゃったんだと思います」

217: 2015/09/11(金) 23:48:39.34 ID:UZQeXVV80

那珂「……なんか、すごい非論理的じゃない?」

提督「艦娘自体がもう、あれだからな」

明石「空母の艤装から、艦載機を1度すべて取り外して、別のボーキで整備し直せば……」

明石「実はもうやっておきました。次の装着時に様子を見ましょう」

提督「そうか、ありがとう。お疲れ様」

明石「那珂さんの持ち帰ったボーキ、頂いても良いですか? もう少し調べたいので」

提督「いいとも。君も一応気を付けてね」

218: 2015/09/12(土) 00:00:41.01 ID:oW/LsKL20

明石「とりあえず、今の所はこんな感じですか」

那珂「良かったね提督。元に戻るみたいでさ」

提督「そうだな。機動部隊が使えないのは痛かったからな……」

那珂「でもホントは、このままお父さんになりたかったんじゃないのー?」

提督「はは、確かに魅力的だけどな」

提督「……鳳翔は流石に板についた感じだったが、私は親としてまだまだだよ」

明石(あの親バカぶりでまだまだ……? これ以上何を目指すんだろ)

219: 2015/09/12(土) 00:06:59.43 ID:oW/LsKL20

那珂「提督とあの子たち、いい家族になれそうだったのにねー」

提督「あんないい子たちが私の娘になってくれたら、そりゃあ嬉しいけれどね」

那珂「それじゃこれからだね提督、頑張ってね!! お休み!!」

明石「お休みなさい提督」

提督「? ……あ、ああ。頑張るよ。お休み」



明石「あのー、那珂さん。頑張ってっていうのは?」

那珂「うっふっふー。なんだろうねー」

明石「アイドルがそんなこと言っていいんですか……」

那珂「提督、多分わかってないから大丈夫!」

220: 2015/09/12(土) 00:07:54.04 ID:oW/LsKL20


鳳翔「――あの、あなた。ちょっと今、よろしいですか」

提督「おう、どうした?」

鳳翔「その、あの子たちが……お父さんと一緒に寝たいと」

提督「……うーむ」

鳳翔「お願いします! 寝付くまででいいので」

提督「あ、ああ。わかったよ」


提督(ちび化してるとはいえ……)

提督(年頃の子の寝室に入って、後で何か言われやしないだろうか)

229: 2015/09/13(日) 14:24:20.73 ID:XgT0ykxW0





そうりゅう「まだねむくないよー」

しょうかく「もっとうたいたかったですー」

かが「でも、おかあさんはこわいわ」

ずいかく「あしたは、わたしもしゅつげきだしね」

あかぎ「……うふふふっ」

ひりゅう「どーしたの、あかぎちゃん?」

あかぎ「これです!! ちんじゅふのしょくりょうこから、おせんべいをもってきました!!」

かが「…………」

230: 2015/09/13(日) 14:25:00.41 ID:XgT0ykxW0

ずいかく「えー!? さっき、はみがきしたじゃん」

しょうかく「だめですよ、おかーさんにおこられちゃいますよ」

あかぎ「なぜか、かれーがおかわりできなかったのがわるいのです。おなかがすきました」

そうりゅう「ず、ずるいよ! わたしたち、まだおくばがないからかめないよ!!」

あかぎ「そうおもって、おまんじゅうももってきました」

そうりゅう「やったー!! あかぎちゃんだいすきー!!」

ひりゅう「やめようよ、おかーさんがこわいよー? かがさん、なんかいってよ!」

かが「ばれなきゃあ、いかさまじゃあ、ないのよぉ」ダラダラ

ひりゅう「……よだれ、よだれ」

231: 2015/09/13(日) 14:25:54.78 ID:XgT0ykxW0

鳳翔「――ほら貴女たち。ホットミルクを作ってきたから、寝る前に……あら?」

あかぎ「あっ」

そうりゅう「えっ」

かが「」

鳳翔「……あらあら、ミルクは3つだけで良かったみたいね?」

「「「わ、わーい」」」

「「「ごめんなさーい!!!!」」」

232: 2015/09/13(日) 14:27:22.77 ID:XgT0ykxW0

鳳翔「未遂ですか……ならまあ、許してあげます。もとあったところに返してらっしゃい」

あかぎ「はーい……」

そうりゅう「わたしもいってきます」

かが「ずいかく。わたしのぶん、のんじゃだめよ?」

ずいかく「うーん。おそかったらのんじゃうかもねー」

かが「!! はやくいくわよ、ふたりとも!!」

「「ま、まってー!」」


ひりゅう「おお、はやい。かがちゃん、わたしたちのなかじゃいちばんおそいのに」

しょうかく「!! おいしい!! ちょっと、ちょこのあじがします!!」

鳳翔「ふふ、カレーで余ったのを入れてみたの」

233: 2015/09/13(日) 14:28:03.53 ID:XgT0ykxW0

ずいかく「ほんとだ、おいしー……じょーだんだったけど、これは、かがさんのぶんも」

かが「わたしのぶんがなんですって?」ハーハー

ずいかく「ほんとうにはやいね!?」

あかぎ「わたしの!! わたしのはどれですか!!」

そうりゅう「おかーさん、わたしもちょーだい!!」

鳳翔「はい、ちゃんとあるわよ。えらかったわね」

「「やったー!!」」

鳳翔「飲み終わったら、ちゃんと口をゆすぐんですよー」

「「「はーい!!」」」

234: 2015/09/13(日) 14:29:00.33 ID:XgT0ykxW0

鳳翔「――お布団入った? 電気消しますよー」

「「「はーい」」」

あかぎ「……あれ、おかあさんはねないんですか?」

鳳翔「ええ、まだね。お父さんのお手伝いをしないと」

ひりゅう「えー、もうちょっといてほしいな」

そうりゅう「そうだよ。おとーさんと、みんなでねたほうがたのしーよ」

かが「だめよ、おしごとのじゃましちゃ」

鳳翔「まあ、寂しいの? みんな」

かが「! さ、さびしくありません」

235: 2015/09/13(日) 14:29:54.70 ID:XgT0ykxW0

ずいかく「わたしはさびしー!」

かが「えっ」

しょうかく「わたしも、おとーさんといっしょがいいです!」

ずいかく「かがさん、いいのー?」

しょうかく「じーっ」

ずいかく「じーっ」

かが「…………」

鳳翔「あらあら」

かが「……さ……さびしい……です」グスッ

鳳翔「よしよし、泣かないの。呼んできますから、ちょっと待っててね」

236: 2015/09/13(日) 14:31:04.96 ID:XgT0ykxW0

提督「――赤城、飛龍。そんなにひっついて、寝にくくないか」

あかぎ「だいじょうぶですー」

ひりゅう「? なんかかわったにおいがするー」

提督「へ、変か?」

しょうかく「でも、ぜんぜんいやじゃないです!」

ずいかく「ほんとー。そばにいるとなんかおちつくね」

鳳翔「それはね、戦う男の人の匂いです。みんなを守ってくれるから、近くにいると安心するの」

そうりゅう「たたかう? おとうさんはどこでたたかうの?」

237: 2015/09/13(日) 14:31:49.10 ID:XgT0ykxW0

鳳翔「私たちが戦うとき、みんなが無事に帰って来れるように、作戦を考えることです。
大砲を撃ったり、飛行機を飛ばすことだけが、戦いじゃないわ」

鳳翔「お父さんはずっと、全員の命を背負って戦っているの。大切なものを守るために」

かが「……わたしたちも?」

提督「勿論だよ、加賀」

鳳翔「さあ、もう目をつぶって。明日は早く起きましょうね」

提督「おやすみ、みんな」

「「「おやすみなさい……」」」

238: 2015/09/13(日) 14:32:44.57 ID:XgT0ykxW0

提督「6人とも、眠ったようだね」

鳳翔「そうですね。おつかいで、疲れてたみたいです」

提督「カレーや、歌でもはしゃいでたもんな」

鳳翔「お仕事の途中に、ありがとうございます。あなた」

提督「いや、嬉しかったよ。こちらこそありがとう」

鳳翔「執務室に戻りますか?」

提督「今日の分はもう大丈夫だ。このまま寝よう」

鳳翔「はい、では……おやすみなさい、あなた」

提督「おやすみ、鳳翔」

239: 2015/09/13(日) 14:33:37.18 ID:XgT0ykxW0


鳳翔「すぅ……」

提督「……うーん……」

240: 2015/09/13(日) 14:35:27.98 ID:XgT0ykxW0


…………


提督「――ようやく終わったな、鳳翔」

鳳翔「はい……長かったですね、あなた」

提督「君たちも、本当に頑張ってくれたね。これからはゆっくりできるはずだ」

鳳翔「そうですね。誰1人欠けることなく、ここまで来れて良かった……」

提督「ええと、それで、だな」

鳳翔「はい?」

提督「これから、君も人間として生きていくだろう?」

鳳翔「はい、おそらくそうなるかと」

241: 2015/09/13(日) 14:36:23.25 ID:XgT0ykxW0

提督「今まで私を助けてくれて、ありがとう。これからもずっと、君と一緒にいたい」

鳳翔「…………」

提督「私の、本当の、妻になってくれ。鳳翔」

鳳翔「……あなた……」



鳳翔「……残念ですが、それは、無理です」

提督「なっ、何故だ!? どうして無理なんだ、鳳翔!!」

鳳翔「あなた……だって私は……」

242: 2015/09/13(日) 14:37:15.26 ID:XgT0ykxW0



ほうしょう「まだ、5さいですから!!」

提督「」



243: 2015/09/13(日) 14:38:50.43 ID:XgT0ykxW0

加賀「……そこまでです、提督」

提督「か、加賀!? みんな!!」

飛龍「うわー、提督口リコンだったんだー……」

蒼龍「表では紳士を装っておきながら」

翔鶴「まだ5歳のお母さんに求婚するなんて、信じられないです」

提督「おかしいだろそのセリフ!! 言ってて変だと思わないか!?」

瑞鶴「とにかく、口リコンの提督さんなんかに、お母さんを近づけられないわ」

赤城「お母さんは私たちが、責任を持って育てますから――ここまでです、提督。さようなら」

ほうしょう「あなた、ばいばーい!!」


提督「待ってくれ、誤解なんだ!! もう一度私と……話を聞いてくれ、鳳翔ーーー!!!!」


…………


244: 2015/09/13(日) 14:39:28.73 ID:XgT0ykxW0

……た、あなた!!

提督「うーん……鳳翔、鳳翔……」

鳳翔「ここに居りますよ。大丈夫ですか、しっかりしてください!」

提督「だ、大丈夫……だ」

鳳翔「どうなさったんですか、何か悪い夢でも?」

提督「そうなんだ、悪い夢を……ほんっと、夢でよかった……」

鳳翔「まだ早いですから、ゆっくり休んでくださいね。私は朝ごはんの用意をしてきますから」

提督「そうだな、もう少し寝ているよ……」

245: 2015/09/13(日) 14:40:25.08 ID:XgT0ykxW0

提督「――ふう。ひどい寝覚めだ、まったく」

ひりゅう「おはよー、おとーさん」

あかぎ「なんだか、かおいろがわるいですよ?」

提督「おはよう。ちょっと、怖い夢を見てね」

そうりゅう「はやくねなきゃだめだよー、わたしたちみたいに」

ずいかく「おとーさんも、おかーさんにほっとみるく、つくってもらえば?」

提督「はは、そうだね。頼んでみようかな」


しょうかく「あれ、おかーさんは?」

提督「朝ごはんを作ってくれてるよ」

かが「じゃあいきましょう、はやくはやく」

提督「よし、みんなで行こう。顔洗っておいで」

「「「はーい!!」」」

246: 2015/09/13(日) 14:41:03.96 ID:XgT0ykxW0

提督「――これまでも何度か、ストレスで辛い日もあったけど」

提督「どんな朝でも、鳳翔の美味しいご飯で元気になれる」

提督「鳳翔、いつもの定食を頼むよ!」

ほうしょう「はーい!! どうぞ、こちらです!!」

提督「」

ほうしょう「きょうはじしんさくです、たーんとめしあがってください!!」

提督「え……あれ……」

ほうしょう「あなたたちも、はやくすわりなさーい」

「「「はいおかあさん!!」」」

247: 2015/09/13(日) 14:41:39.20 ID:XgT0ykxW0

ほうしょう「おいしいですか、みなさん!!」ニコニコ

長門「アア、トテモウマイヨ……コメガナマジャナケレバ、モットウマイナ……」

陸奥「ソウネ、オイシイワネ……オサカナガ、ナマヤケジャナケレバ、モットイイワネ……」

ほうしょう「それはよかったです!!」

扶桑「ヤマシロ、オチャヲ、モウイッパイ……」

山城「ネエサマ……オミソシルハ、ウスメマショウ、ムリセズニ……」


提督「な、なんで鳳翔まで?」

248: 2015/09/13(日) 14:42:48.97 ID:XgT0ykxW0

明石「テイトク……」

提督「大丈夫か明石!?」

明石「ボーキハ、ホキュウダケジャナク、タベルノモダメダッタミタイデス……」

提督「どういうことだ?」

明石「クウボヨウノオベントウニ、アノボーキヲ、ツカッチャッタミタイデス……キット、アジミヲシタトキニ……がくっ」

提督「……すまん、みんな」

249: 2015/09/13(日) 14:45:00.11 ID:XgT0ykxW0

提督「鳳翔!」

ほうしょう「? あなた、はやくたべないと、さめちゃいますよ」

提督「えっ」

ほうしょう「ほら、あーんしてあげます! あーん!!」

提督「……あ、あーん」

ほうしょう「どうですか、どうですか!?」ニコニコ

提督「すごく可愛い……じゃ、なくて」


提督「うん、美味しいよ鳳翔」

ほうしょう「そうですか!! それじゃ、まいにちつくってあげます!!」

提督「! あ、ありがとう、鳳翔!!」


ほうしょう「これからずーっと、いっしょですからね、あなた!!」






250: 2015/09/13(日) 14:47:08.48 ID:XgT0ykxW0

大変長らくお待たせ致しました。
本編は以上となります。読んで下さってありがとうございました!

以降は作中設定を使った小話を少しずつ書いていきます。
よろしければ、もう少しお付き合いくださるとうれしいです。
では、一旦失礼致します。

253: 2015/09/13(日) 16:13:13.69 ID:CpbsVMASO
乙です

254: 2015/09/13(日) 16:47:37.49 ID:3TwvQP/20
乙!

まさかの鳳翔さんがちび化するとはw

・・・どうすればちび化する?(迫真)

269: 2015/09/18(金) 23:20:25.33 ID:bUzwRUgK0

投下していきます。
長くなりましたが今回で完結です。

270: 2015/09/18(金) 23:36:38.68 ID:bUzwRUgK0

おまけですが、時系列があっちこっちしております。
おまけ1、2、9は本編中のお話、それ以外は本編後のお話です。
読みにくくてすみません。

271: 2015/09/18(金) 23:38:30.69 ID:bUzwRUgK0


おまけ1 ~お菓子は鳳翔さんが決めた分までです~


赤城「……これで最後尾ですね」

飛龍「今なら誰にも見られないよ!」

赤城「それでは……」

飛龍「…………」

赤城「じゃーん! お母さん特製の航空弁当です!!」(小声)

艦載機妖精s「\(^ω^\)( /^ω^)/」

飛龍「しかもっ! 昨日取れたてのボーキおやつ付きだよ!!」(小声)

艤装妖精s「ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ」

赤城「……私たちだけデザートを持ってきちゃいましたが」

飛龍「なんかお母さんのお弁当も、いつもより豪華な気がする」

272: 2015/09/18(金) 23:39:39.63 ID:bUzwRUgK0

赤城「いいのでしょうか、長門さんたちより豪勢なものを戦場で」

飛龍「赤城さんが、食べ物で気を使うなんて珍しいね」

赤城「そこまで食い意地張ってませんよ!?」

飛龍「そっかなー? まあとりあえず、はいこれ。特製ボーキおはぎとボーキようかんね」

赤城「あっ、そっちの方が大きいです!! 取り替えて下さい!!」

飛龍「やっぱり張ってるじゃん!! 早く食べないと敵が来ちゃうよ!!」

赤城「むー、後で残りを下さいね!!」

飛龍「まったくもう……ほら早く」

赤龍「「あーん……ぱくっ」」



長門「天使だ!!」

扶桑「ファッ!?」

273: 2015/09/18(金) 23:41:27.51 ID:bUzwRUgK0


おまけ2 ~那珂ちゃんは何を持ってきた?~


ヲ級『ヲ~』

空母棲姫『アア、戻ッタカヲ級。早カッタネ……ドウシタ、ヤレラタノカ!?』

ヲ級『ヲッヲ~、ヲヲヲー』

空母棲姫『ナニッ、新型ノ正規空母!? ドンナノダ!!』

ヲ級『ヲヲー、ヲッヲー』

空母棲姫『1隻ハ私ニ似テルヤツ? アカギタイプト、カガタイプカ」

ヲ級『ヲヲヲヲヲ~』

空母棲姫『ソレヲ、モット小サクシタ空母ダト?』

ヲ級『ヲ~ヲヲヲ~、ヲッッヲッッ!』

空母棲姫『小サイクセニ、イツモヨリ強イノカ。艦娘ドモメ、恐ロシイ新兵器ヲ出シテキタモノダナ』

274: 2015/09/18(金) 23:42:46.82 ID:bUzwRUgK0

ヲ級『ヲヲッヲッヲヲヲ、ヲヲヲッ、ヲヲ』

空母棲姫『奇襲サレテ、ほっぽニ渡スボーキサイトヲ、採掘現場ニ置イテキタノカ』

ヲ級『ヲヲヲ~』

空母棲姫『ウン、ほっぽハアノボーキシカ食ベナイカラナ……』

空母棲姫『シカシ、アソコハ艦娘ドモノ遠征ルートダ。モウ奪ワレテシマッタダロウ』

ヲ級『ヲ~……』

空母棲姫『マア、ショウガナイ。マタ堀リニイケバイイサ』



駆逐棲姫『……相変ワラズ、ヨク意思疎通デキルヨネ』

飛行場姫『マア、同ジ空母ダカラ』

275: 2015/09/18(金) 23:43:29.68 ID:bUzwRUgK0


おまけ3 ~体は子供、指導は激辛~


提督「月が綺麗ですね」

陸奥「えッ!?」

提督「というセリフが私は大好きなんだけど」

山城「…………」

提督「今、演習中の鳳翔を見てるとな」

山城「え? ちび鳳翔ちゃん、演習に出しちゃったの?」

陸奥「小さい子には戦わせられないんじゃなかった?」

提督「鳳翔が、絶対行くって聞かないんだよ。赤城と加賀にお目付けを頼んであるから」

276: 2015/09/18(金) 23:44:37.77 ID:bUzwRUgK0

ほうしょう「こら、あかぎちゃん! えんしゅうちゅうに、そうびかんそうはいけませんっていったでしょ!!」

赤城「ごめんなさいお母さん!!」

ほうしょう「あいてのいちはわかってるんですから、はやくはっかんさせなさい!!」

赤城「はい!! 第二次攻撃隊、全機発艦!!」


ほうしょう「かがちゃん! あなたはかじがききにくいのだから、かんきょうにうまくあわせて、こうげきをよけるのです!!」

加賀「ど、どうすれば良いのですか?」

ほうしょう「あっちに、かいりゅうがながれてるでしょ。うまくつかって、ぎょらいのきどうをそらしなさい!!」

加賀「見えませんよ!?」

277: 2015/09/18(金) 23:45:44.57 ID:bUzwRUgK0

提督「あの状態の鳳翔には、文学的な告白は無理だろうなぁ」

陸奥「そうでしょうね」

提督「ちび正規空母は、結局元に戻れたが」

陸奥「入れ替わりで鳳翔ちゃ……鳳翔さんが小さくなって心配事が続くわね」

提督「私はともかく、空母には苦労をかけてるな」

山城「ちっちゃいのに、赤城たちへの指導はあんまり変わらないような……」


―― バタァン!!


ほうしょう「ただいまです、あなた!! えすしょうりですよ、ほめてください!! ほら、なでなで、なでなで!!」

提督「もう口リコンでいいかな」

陸奥「諦め早いわね!?」

278: 2015/09/18(金) 23:46:36.96 ID:bUzwRUgK0


おまけ4 ~クリーニング・ドラゴン~


蒼龍「おはようございます提督ー、洗濯物の回収ですよー」

提督「おはよう、今日は蒼龍の当番か」

蒼龍「はい! 私と、五月雨ちゃんがやります」

提督「おう、ありがとう。そこの籠に入ってるやつを頼むよ」

蒼龍「了解しました!」

提督「……あー、蒼龍」

蒼龍「はい?」

提督「まあ……なんだ、頑張ってくれよ」

蒼龍「? はあ、ありがとうございます」

279: 2015/09/18(金) 23:48:09.64 ID:bUzwRUgK0

蒼龍「―― ぼーくはーどうーしてーおーとなにー、なるんだろー――」

蒼龍「ああ……ぼーくはーいつごーろー、おとーなにー―― あれ?」

蒼龍「な、なんじゃこりゃ!?」

五月雨「おお。提督と同じリアクションです」

蒼龍「五月雨ちゃん! 何この洗濯機、中がデロデロなんだけど!」

五月雨「提督が、洗濯機の掃除は蒼龍さん1人でって」

蒼龍「ええー!? 不公平!!」

五月雨「覚えてないと思いますけど、蒼龍さんのせいですからね」

蒼龍「どういうことなの……」

280: 2015/09/18(金) 23:49:42.67 ID:bUzwRUgK0

蒼龍「んもー! 誰なのよ、粉洗剤と片栗粉間違えたおバカさんは!!」

五月雨「さあ誰でしょうね」

蒼龍「これはもうだめだよ、奥のほうまで入り込んでて洗えないよ」

五月雨「簡単にダメって言わないでくださいよ、鎮守府の備品なんですから」

蒼龍「大本営に言って、代わりを買ってもらおう」

五月雨「どう報告するんですか、寝ぼけて間違えたじゃすみませんよ?」

蒼龍「何者かが、巨大なわらびもちを作ろうとしましたとでも言えばごめんなさい冗談です」

五月雨「まったく……でも、これじゃ干す時間がなくなっちゃいますね」

蒼龍「それじゃ今日は保留で、明日の当番の子と一緒に考えれば……」

五月雨「甘いこと言うんじゃありません!! 洗濯機がだめなら立派な手があります、はい洗濯板!!」

蒼龍「ひえぇ、お母さんそっくり……流石、初期艦は鎮守府の母だね」

281: 2015/09/18(金) 23:55:41.80 ID:bUzwRUgK0


おまけ5 ~食べたお腹はどこに消えた~


加賀「……どこにいったのかしら」

瑞鶴「加賀さん? どうしたの、冷蔵庫覗き込んで」

加賀「ここに、買ってきたプリンを入れておいたのだけど」

瑞鶴「えっ、プリン!? いいなー、私にも下さいよ」

加賀「そのつもりで、提督とお母さんと私たちの分、8個取っておいたはずなのに」

瑞鶴「はずなのに?」

加賀「今日、みんなで食べようと思って見たら、7個しかないのよ」

282: 2015/09/18(金) 23:58:25.41 ID:bUzwRUgK0

瑞鶴「誰か食べちゃったんですか?」

加賀「空母以外の子にはもう配ったから、これには手を出さないように言っておいたのだけど」

瑞鶴「あー、そういえば提督さんが何か知ってるかも」

加賀「どうして?」

瑞鶴「私にお小遣いくれて、プリン1個買って冷蔵庫に入れておくように言われたんですよ。ほら、これ」

加賀「私が買ってきたのと同じね、提督はどうしてわかったのかしら?」

瑞鶴「さあ……? こうすると加賀さんが喜ぶとか、みんなで食べられるとか言ってたわ」

加賀「……わからないわね」

283: 2015/09/18(金) 23:59:18.78 ID:bUzwRUgK0

瑞鶴「あの、それで、これ……」

加賀「? ――これは! MARL○WEの秋季限定、栗のプリン!!」

瑞鶴「えへへ。たまたま移動販売が来てて、ラッキーだったわ」

加賀「でも、2つなの? 翔鶴や他の子の分は?」

瑞鶴「何故か2つだけ、買って帰りたくなったんですよ。ほんと、自分でもわからないんだけど」

加賀「…………」

瑞鶴「…………」


加賀「一緒に、食べましょうか」

瑞鶴「うん」

284: 2015/09/19(土) 00:00:05.48 ID:9CAS5ecw0


おまけ6 ~工作艦は電気ウナギの夢を見るか?~


明石「おっかしいなぁー」

翔鶴「明石さん、どうしましたか?」

明石「私の飼ってたペットが、どこかに行っちゃったんですよ」

翔鶴「まあ、どんな子ですか?」

明石「電気ウナギです」

翔鶴「えっ……」

明石「あ、その顔!! 今『趣味悪!!』っと思いましたね!?」

翔鶴「い、いえ、そんなことは」

285: 2015/09/19(土) 00:00:54.06 ID:9CAS5ecw0

明石「ペットというより、仕事仲間なんです」

翔鶴「仕事仲間?」

明石「少し前に、近くの川で見つけたんですけど」

翔鶴「拾ったんですか? 誰かが放したんですね」

明石「可哀そうなので連れてきたんですが、ちょっとした電気が必要な時に発電したりしてくれてたんです」

翔鶴「ああ、なるほど。確かに技術屋さんの相棒っぽいですね」

明石「それが、ふと気づいたら居なくなってて……どこ行ったのかなあ」

286: 2015/09/19(土) 00:01:47.22 ID:9CAS5ecw0

吹雪「あ、明石さんに翔鶴さん。おはようございます」

翔鶴「おはよう吹雪ちゃん」

明石「どうしたの、お鍋なんか持って」

吹雪「司令官に頼まれて、鎮守府の池に放しに行くんですよ。ほら、これ」

明石「――あーーー!! 私の、私のシビルドンちゃん!!!!」

吹雪「え、えっ!?」

明石「ここにいたのね!! よしよし、もう大丈夫よ!!」

吹雪「この子、明石さんのだったんですか」

翔鶴「どうして提督が持ってたのかしら」

吹雪「よくわかりませんけど、皆で食べようとしてたとか、何とか」

明石「食べる!!?? おのれ提督! ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」ドギューン

翔鶴「……何故でしょう、私に責任があるような気がします」

吹雪「?」

287: 2015/09/19(土) 00:07:43.63 ID:9CAS5ecw0


おまけ7 ~ヤセン=1000コイン~


川内「よおおーしっ、相手方の戦艦を中破まで追い込んだよ!! 提督、提督!!」

提督「おう、聞こえてるよ」

川内「ほらほら、夜戦許可チケット!! 早速使うからね!!」

提督「残念だがそれは無理だ、川内。裏をよく読んでみろ――ちゃんと書いてあるだろう、『演習では無効』。弾薬は大切にな」

川内「」

提督「既に戦術的勝利は得ている。ここまでだな」



川内「よしっ、提督!! 輸送ワ級を打ち漏らしたよ、夜戦だ夜戦!!」

提督「残念だがそれは無理だ、川内。叢雲が中破している――ちゃんと書いてあるだろう、『中破艦がいる場合は無効』」

叢雲「あ、あの……悪いわね、川内」

川内「」

叢雲「撤退だ。中破艦の索敵をカバーして帰投するように」

288: 2015/09/19(土) 00:09:29.33 ID:9CAS5ecw0

川内「今度こそっ!! 対深海棲艦かつ中破なし!! 夜戦だワッショイ!!」

提督「ふむ……神通、那珂」

神通「まだ戦艦タ級が2隻健在です。こちらには空母の皆さんがいますし、夜戦は慎重になるべきです」

那珂「旗艦のワ級flagshipは沈めたし、戦術的勝利の撤退でいいんじゃないかなー?」

提督「同感だな。残念だが川内……『全員の合意がなければ無効』だ」

川内「…………」



川内「よくも私をォ!! だましたなァ!! よくもだましたアアアア!!」

神通「姉さん、落ち着いて!!」

那珂「しょうがないよ、毎回夜戦とか出来るわけないじゃん!!」

川内「ぐぬぬ……」

289: 2015/09/19(土) 00:12:15.98 ID:9CAS5ecw0


提督「よし、3隻撃沈で残りも大破と中破艦のみ」

提督「昼のうちに雷撃で仕留められる! 頼むぞみんな!」

川内「あらほらさっさー」パシュッ

提督「何だその気のない返事は!?」


川内「アーシマッター、ツイテガスベッテハズシチャッター」

提督「つい!? ついって言ったか今!?」

川内「シカモソノスキニ、キョリヲハナサレチャッタヨー」

提督「」

川内「コレハモウヤセンシカナイナー、ウン。ショウガナイショウガナイ」


提督「……まったく。他の子も全員外すとはね」

叢雲「あー、面目ないわね司令官。ちょっと調子悪いみたい」

提督「そうか。見返りは何だった?」

叢雲「伊良湖もn……な、何もないわよ!! 川内が気の毒だと思っただけよ!!」

提督「やれやれ。川内、十分注意するんだぞ!!」

川内「わかってるって!! ――待ちに待った夜戦だああああ!!!!」

290: 2015/09/19(土) 00:17:45.61 ID:9CAS5ecw0


おまけ8 ~DDH-184 オカエリナサイ~


飛龍「お帰りなさい!!」

瑞鶴「お帰りなさい、加賀さん!!」

加賀「ありがとう。ただいま」

飛龍「何かお祝いしようか?」

瑞鶴「うーん。こういうことって、お祝いとは何か違うような」

加賀「私の特別な出来事ということで、お母さんに普段の感謝の気持ちを伝えようと思うの」

瑞鶴「おお、いいじゃないですか」

飛龍「きっと喜ぶよ、手紙でも書きます?」

加賀「手紙もいいけれど――せっかくだから、私は歌を歌うわ」

飛龍「お、おう」

291: 2015/09/19(土) 00:18:33.90 ID:9CAS5ecw0

加賀「加賀岬を歌うにあたって、色々と演歌の勉強をしたの」

瑞鶴「ああ、そういえば色々聞いてましたよね」

飛龍「ってことは、持ち歌を歌うの?」

加賀「いえ。よりはっきりと感謝を伝えられる歌を探した結果、決めたわ」


加賀「小林幸子さんの『元気でいてね』を歌います」

鶴龍「「無理だよ」」

加賀「!?」

292: 2015/09/19(土) 00:21:56.09 ID:9CAS5ecw0

加賀「お母さんへの感謝が伝わる、素晴らしい歌詞じゃない」

瑞鶴「いや、そりゃいい歌なんですけど」

飛龍「ちょっと聞いてみようよ、それでわかると思うよ」


…………


『―― 今だから 今だから 言える"ありがとう"
 いつまでも いつまでも 元気でいてね――』


加賀「うう、ひぐっ、グスッ、ふぐううう……」

瑞鶴「ほらあ。こうなるに決まってるよ」サスサス

飛龍「加賀さんが最後まで、泣かずに歌えるわけないじゃん」


『―― 遠くはなればなれになっても ずっと元気でいてね――』


加賀「……ぐすん」

飛龍「フツーに加賀岬でいいんじゃないの?」

瑞鶴「それは私が泣いちゃうからダメ」

飛龍「ああ……」

293: 2015/09/19(土) 00:23:19.19 ID:9CAS5ecw0


おまけ9 ~ちび空母鎮守府 Side深海~


港湾棲姫『タ、タダイマ』

飛行場姫『オカエリ……ボロボロジャナイノ』

駆逐棲姫『ドウシマシタ? 今ノ時期、艦娘ハ防空棲姫チャンニ集中シテルンジャ』

港湾棲姫『何故カ、防空棲姫ニ行ク前ニ、コッチヲ空爆シテイクノヨ……クルナ…ト……イッテイル…ノニ……』

駆逐棲姫『……オ、オ疲レサマデス』

飛行場姫『ソウイエバ、ほっぽガ呼ンデイタワ』

港湾棲姫『ほっぽガ? 何カシラ』

294: 2015/09/19(土) 00:25:05.12 ID:9CAS5ecw0

港湾棲姫『ほっぽ? 今帰ッタワヨ』

北方棲姫『こーわん!! ミテミテ、コレ!!』


アーアーアーアー♪ ドレミファドレミファ ドッドドレミファ♪ ダーレニモーナーイショデー♪

『今日は海軍さん、横須賀鎮守府から生中継でお送りします!』


港湾棲姫『……?』


『はじめてのおつかい、今回はあかつきちゃん! 司令官さんのお願いを、上手く聞くことができるかな?』

イチニンマエノレディーダモノ、アサメシマエヨ!!


北方棲姫『オオッ!!』キラキラ

295: 2015/09/19(土) 00:26:21.14 ID:9CAS5ecw0

『気合十分のあかつきちゃん、でも、早速道に迷っちゃったみたいです』

アレ……ココドコカシラ グスッ……


北方棲姫『ガンバレ、あかつきチャン!!』


『ああっ、心配してこっそり着いてきてたお姉ちゃんが、助けてくれました!』

モーットワタシニ タヨッテイイノヨ!!  ウェェン イカズチィー!!


港湾棲姫『……変ワッタ駆逐艦ネ』

北方棲姫『ヨカッタ!!』


『えっ、お姉ちゃんじゃなくて、妹!? ……大変失礼いたしました、訂正してお詫び申し上げます』

296: 2015/09/19(土) 00:27:56.81 ID:9CAS5ecw0

北方棲姫『ほっぽモ! ほっぽモヤル!!』ピョンピョン

港湾棲姫『ダメデス!! 陸地ハ危ナイノヨ!!』

北方棲姫『ヤダヤダ!! イクッタライクノ!!』


飛行場姫『イイジャナイノ、コレモ経験ダト思エバ』

港湾棲姫『ソウハ言ッテモネ、人間ノ住処ニ1人デハ』

駆逐棲姫『ソレジャほっぽチャン、港湾サント一緒ニ行ッテクレバ?』

北方棲姫『ヒトリジャナイト、オツカイニナラナイ!!』

駆逐棲姫『デモ、最初ハミンナ、大人ト一緒ニ行クンダヨ?』

北方棲姫『ソウナノ?』


港湾棲姫『……ワカッタワ。ソレジャ、オ店の近クマデ一緒ニ行クカラ、ソコカラハ1人デオ買イ物シテキテ』

北方棲姫『ワカッタ!!』

飛行場姫『面白ソウネ、私モ途中マデ行クワ』

駆逐棲姫『夜食用ニ、マーボー春雨買ッテキテネ~』

297: 2015/09/19(土) 00:29:14.25 ID:9CAS5ecw0

飛行場姫『……戻ッテコナイワネ』

港湾棲姫『ヤッパリハグレタジャナイノ!! ダカラ私ハ!! 1人デオツカイナド!! 早イト言ッタノヨ!!』

飛行場姫『私ニ言ッテモショウガナイデショ。……マア私モ、何モ備エテナカッタワケジャナイワ』

港湾棲姫『……? 何ソレ』

飛行場姫『ケータイ電話。GPSデ、ほっぽニ持タセタ子機ノ位置ガワカルワ』

港湾棲姫『ソンナノ持ッテタノ?』

飛行場姫『太平洋ニ、ゴミベルトガアルデショ? レ級ガパーツヲ集メテ、暇ツブシニ作ッテクレタノヨ』

298: 2015/09/19(土) 00:31:11.89 ID:9CAS5ecw0

港湾棲姫『フゥン、チョット貸シテ……ほっぽハ何処ニイルノ?』


『…………』

『対象のデバイスは、電波の届かない位置に存在するか、電源が入っていないため……』


港湾棲姫『役ニ立タヌ!! イマイマシイ!! ガラクタメ!!』ギャクパカー

飛行場姫『ギャアアア!!!! 私ノケータイ!!!!』

港湾棲姫『流石ニ飛行機ハ使エナイワネ……モウイイ、自分デ行クワ』

飛行場姫『私ノケータイイイイイーーーーーー!!!!』

299: 2015/09/19(土) 00:35:04.63 ID:9CAS5ecw0


おまけ10 ~家族~


摩耶「早く早く、こっちだ」

妙高「明石さんの資材貯蔵庫、今なら誰もいませんね」

摩耶「おう、合鍵もちゃんとある……よし開いたぞ」

妙高「あのボーキサイト、何処にあるかわかるでしょうか?」

摩耶「運び込むのを私が手伝ったからな。別のと混ざってなければ、すぐ運び出せるはずだぜ」

提督「ほう、運び出してどうするんだ?」

摩耶「決まってるだろ? 正規空母にもう一度食べてもらうのさ」

提督「ふむ、何のために?」

妙高「約束を守るためですよ! 甘味処に連れていく前に、元に戻っちゃったから……って、あら?」

300: 2015/09/19(土) 00:36:21.74 ID:9CAS5ecw0

提督「なるほど。よーくわかった」

妙高「」

摩耶「」

那智「すまんな2人とも。流石に看過できないので、密告させてもらった」

鳥海「司令官さんに苦労かけちゃだめですよ」

提督「遊び半分でボーキを使うな!! どんな害があるかわからんと言ってるだろうが!!」

妙高「うう……もっと、おねえちゃんと呼ばれてみたかった……」

那智「普段とは違う面を見れて、私は満足だぞ」

摩耶「すまないちび空母……ふがいない姉貴を許してくれ」

鳥海「姉として、代わりに私に奢ってくれてもいいのよ?」

301: 2015/09/19(土) 00:36:50.75 ID:9CAS5ecw0

提督「まったくもう……ん?」

鳳翔「…………」コソコソ

提督「何持ってるんだ?」

鳳翔「あ、あなた!? いえ、これは、その」

提督「――鳳翔、君もか!! 明石に頼んで、厳重に管理するって言っただろ!!」

鳳翔「ご、ごめんなさい……これがあればいつでも、あの子たちの可愛い姿を見れると思うと、つい」

鳳翔「――あ、いつものあの子たちが可愛くないっていう意味じゃないですよ?」

302: 2015/09/19(土) 00:39:02.65 ID:9CAS5ecw0

提督「だめだって。また突然ちびになったら色々大変だろう」

鳳翔「わかりました……」

提督「……それに」

鳳翔「はい?」

提督「その、子供は、戦争が終わった後に……な」

鳳翔「…………」

提督「どうかな?」

鳳翔「は、はい!」

303: 2015/09/19(土) 00:41:50.59 ID:9CAS5ecw0

提督「そうだ。子供といえば、あの写真は?」

鳳翔「明石さんに頼んで、ラミネートにしてもらいました。ほら」

提督「そうか、少しは変色も抑えられるだろうけど……」

鳳翔「そうですね。紫外線は防げないので、いずれは色あせると思いますが」


鳳翔「でも、それでいいんです」

提督「どういうことだ?」

鳳翔「あなた。私の夢、覚えていますか?」

304: 2015/09/19(土) 00:48:32.89 ID:9CAS5ecw0

提督「ああ。いつか小さなお店を持つこと、だろう?」

鳳翔「あなたと一緒に、ですよ? ……それと、もうひとつ」


鳳翔「ここに写っている家族は、わずかな間だけの、夢のような時間でした」

鳳翔「でも、強く感じたのです。家族の大切さ、温かさを」

鳳翔「これは、いつかは色あせてしまうけれど。でも家族の絆は、いつまでも失われません」

鳳翔「戦おうと思いました。子供たちが、お父さんやお母さんと、笑って過ごせる世界のために」


鳳翔「そして、いつか平和な世界で。私も家族と共に、幸せに暮らしたいと、そう思います」

鳳翔「あの子たちと……あなたと一緒に、です」


提督「……うん。そのために頑張るよ、鳳翔」

鳳翔「はい、私もお傍で頑張ります」


鳳翔「これからずっと一緒ですからね、あなた!」






305: 2015/09/19(土) 00:54:46.19 ID:9CAS5ecw0

ここまで読んで下さって、本当にありがとうございました!
短編のつもりが書きたいことがどんどん湧いてきて、ここまで長くなってしまいました。
何度も更新が空いたりして、その度に待っていてくれる方がいらっしゃいました。申し訳ないながら、とてもうれしかったです。

これ以降はまた、書き途中の鳳翔さんSSに戻る予定です。
短編が浮かんだらまた建てるかもしれませんので、見かけたらよろしくお願いいたします。


それでは失礼いたします。ありがとうございました。

306: 2015/09/19(土) 00:58:43.48 ID:FjtTLHIIo
乙です

307: 2015/09/19(土) 01:00:19.53 ID:qJTTDb/no
おつん
まったく、鳳翔さんは最高だぜ!!

引用: 鳳翔「ちび空母鎮守府!」