1: 2012/02/25(土) 21:03:57.16 ID:piOa1OgW0
     タッタッタッタッタ   タッタッタッタッタ   


   『てーへんだー! てーへんだー!』


ホムン『…………』スゥ

      ガチャッ!

マドカ『てーへんだ! ホムンさん!!』

ホムン『あら? どうしたのまどか? そんなに慌てて』スパー

マドカ『マ、マミさんが……』

ホムン『…………』スパー


マドカ『殺されましたぁ!!』

2: 2012/02/25(土) 21:05:22.67 ID:piOa1OgW0
ホムン『……遅いわね』

マドカ『へ?』

ホムン『その情報はすでに私のとこに入ってきてるわ。……それに犯人も分かっている……』

マドカ『さっ、さすが魔法少女探偵ホムンさん! 推理力がハンパないぜ!』

ホムン『ふふふ……もっと褒めなさい、称えなさい』

マドカ『で、犯人ってのは?』

ホムン『え? そ、そうね……、犯人は―――――――――



   ――――――――――――キュゥべえ! あなたよ!!』ビシィ!


QB『はい!?』

4: 2012/02/25(土) 21:07:02.35 ID:piOa1OgW0
ほむら(な……何で僕だと決めつけるんだい?)

まどか「……………」

ほむら(あなたの体は複数存在する。犯行は十分可能よ)

まどか「あ、あの~……」

ほむら(そ、そこまで言うのなら証拠でもあるのかい!)

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら(ええ、あるわ。あなたの体にね)

まどか「ほーむーらーちゃーん」

ほむら(これは金の髪の毛!? あ、ありえない! 証拠が残らないように細心の注意を……し、しまった!!)

まどか「ほ~むぅー、ほ~むぅー」

ほむら(その発言が証拠よ。ちなみにあなたに付いてる金の髪の毛は、私の髪の毛に魔法で色を付けたものよ)

まどか「もしもぉーし、ノックしてもしもぉーし」コンコン

6: 2012/02/25(土) 21:08:45.92 ID:piOa1OgW0
ほむら(ホ、ホムンさん! やっぱ最高です! かっちょいいです!!)

まどか「…………」

ほむら(くっ、完敗だよ……まさか君に見破られるとは……)

まどか「…………すぅぅぅ~……」

ほむら(ふふ、私を誰だと思ってるの? 私はどんなトリックも見破る天才超絶魔法少女探偵……)


まどか「ほむらちゃんッ!!」

ほむら「ホムンっ!?」ビクッ

7: 2012/02/25(土) 21:10:25.05 ID:piOa1OgW0
まどか「どうしたのほむらちゃん? なんかボーっとしてたけど」

ほむら「い、いえ……ちょっと考え事してただけよ(探偵の妄想していたなんて言ったら引くわよね……)」

まどか「ふーん……、あの……悩み事があったらいつでも相談してね!」

ほむら「(心配されてしまった……)ところで、私に何か用があるのかしら?」

まどか「あ! そうだった! え、えとね……ほむらちゃんは今度の休日暇?」

ほむら「? え、ええ。まあ一応……」

まどか「そ、それじゃ……その日一緒に遊びに行かない?」

ほむら(なん……だと……)

9: 2012/02/25(土) 21:13:10.50 ID:piOa1OgW0
まどか「ほむらちゃんが良ければ……」

ほむら「いいい行きましょ! いえ、行かしてくださいお願いします!」

まどか「ほんと? よかった!」

ほむら(まどかとデートまどかとデートまどかとデート)

まどか「それじゃ、さやかちゃんと仁美ちゃんに知らせて来るね」

ほむら(まどかとデートまどかとデートまどかと……え?)キョトン

まどか「?」

ほむら「あ……あの二人も? まどかと二人っきりじゃなくて……?」

まどか「あの二人だけじゃないよ。私とほむらちゃんを入れれば六人だね」

ほむら「あ、私用事あったわ。今思い出したわ」

まどか「ええ!?」

11: 2012/02/25(土) 21:15:19.18 ID:piOa1OgW0
ほむら「ごめんなさい。とても大事な用事なの」

まどか「そ、そんな……」

ほむら(あまりあの二人とは親しくないし、知らない残りの二人が怖いし……友達の友達が一番嫌なのよね)

まどか「せっかく仁美ちゃんの別荘に行けるのに……」

ほむら(別……荘?)ピクッ

まどか「ほむらちゃんともっと仲良くなれると思ったのになぁ……」

ほむら「ね、ねえ……別荘って……」

まどか「? 仁美ちゃん、別荘持ってるんだって。それで今度の休日に皆と遊びに行くことになったんだけど……」

ほむら「そ、その別荘って……もしかして、む……むむ…むじ、むじん……」

まどか「え? うん、無人島らしいよ」

ほむら(キタコレェェェ!)

12: 2012/02/25(土) 21:18:15.79 ID:piOa1OgW0
ほむら(無人島にある別荘って最高のシチュエーションじゃない! 事件の匂いがプンプンするわぁ!)

まどか「でも、ほむらちゃんは行けないんだよね……」

ほむら「大丈夫よ! 行きましょう! 絶対行きましょうね!!」

まどか「え……さっき大事な用事があるって……」

ほむら「そんなもの無くなったわ! あったとしても友達との約束より大事な用事なんてあるわけないじゃない!!」

まどか「あ、ありがと、ほむらちゃん! 私二人に知らせて来るね!」タッ


ほむら(…………ふ)

ほむら(……ふふふ)

ほむら(ふふふふふふふ! ……ついに私の推理力を見せる時ね)


ほむら(魔法少女探偵ホムン! 私に解けない謎は無い!!)ドン!

14: 2012/02/25(土) 21:20:11.12 ID:piOa1OgW0
~当日~ =クルーザーで移動中=


ほむら「…………」

まどか「わぁー! 海がとってもきれいだよ!」

マミ「…………」

さやか「う~ん……風が気持ちいいねぇ」

QB「…………」

杏子「悪いな、部外者のアタシまで誘ってくれて」

仁美「いえいえ、さやかさんのご友人さんは大歓迎ですわ」

17: 2012/02/25(土) 21:24:31.40 ID:piOa1OgW0
ほむら(全員知り合いだった……)

QB「どうしたんだいマミ? 顔色が優れないけど」

ほむら(つーか、何でこいつまでいる訳?)

マミ「だ、大丈夫よ。ちょっと睡眠不足なだけ」ショボショボ

ほむら「楽しみで眠れなかっただけだったりして」ショボショボ

マミ「そういうあなたも目の下の隈がひどいわよ」

18: 2012/02/25(土) 21:28:05.17 ID:piOa1OgW0
さやか「ねえ、仁美。あとどんくらいで着くの?」

仁美「えっと……十分ぐらいですわ」

まどか「あーっ! カモメだー!」

杏子「マジで!? うわっ、あんなにたくさん……おっ!? まどか! 下! 下見てみろ!!」

まどか「イ、イルカ!? イルカが船と並走してるよ!!」

杏子「すっげー! アタシ、イルカなんて初めて見たぜ!」

まどか「私も初めてー!!」

さやか「あはは、はしゃいでんなー」


ほむら「…………」

19: 2012/02/25(土) 21:30:37.46 ID:piOa1OgW0
ほむら(この微笑ましい日常は、後に起こる悲劇の前振りに過ぎないわ)

まどか「あはははは」

ほむら(だけど……安心してまどか。あなたは私が絶対に守る。……でもまどかより気になるのが……)

マミ「…………」

ほむら(巴マミ……、彼女は私の妄想の中では大抵氏んでるわ。少しは気にかけてやらないと……)

マミ「……暁美さん」

ほむら「……なにかしら」

マミ「海って綺麗よね」

ほむら「? ええ、そうね」

22: 2012/02/25(土) 21:35:12.28 ID:piOa1OgW0
マミ「こんなに……こんなに綺麗だったら……」

ほむら「…………」

マミ「ちょっと……ぐら…い……汚しても……」

ほむら「……へ? いや、ちょ」

マミ「いい……わ…よね……ウプ」

ほむら「あ、あと十分で着くって言ってたわよ! それぐらい我慢しなさい!」

マミ「いや……もう…ム……リ…………オロロロロロロロロロロロロ」キラキラキラキラ

QB「マ、マミ!?」

さやか「マミさん!?」

ほむら「し、しっかりして! 巴マロロロロロロロロロロロロ」キラキラキラキラ

まどか「ほ、ほむらちゃん!?」

杏子「ほむらの奴も吐きやがったぞ!!」

仁美「ふ、二人とも大丈夫ですか!? あともう少しで私の別荘ですわよ!!」


――――――――こうして私を窮地に追い詰めたあの事件は、ゆっくりと幕を上げたのだった―――――――――

                  キィ ガチャンッ! ←例の扉

25: 2012/02/25(土) 21:37:54.92 ID:piOa1OgW0
                  ガチャ バンッ!

18:33 =志筑仁美の別荘= ~食堂~


マミ「うへー……」グデー

ほむら「うはー……」グダー

仁美「あの……二人とも、寝室で横になられた方が……」

ほむら「……それには及ばないわ」

マミ「ええ……少し休めば良くなるわ……たぶん」

仁美「はあ……、また気分が悪くなったら言ってくださいね」

杏子「ひとみー、飯はどうなってるんだー?」

仁美「今からご用意しますわ」

杏子「今から!? すでに作ってあるとかじゃねえの!?」

26: 2012/02/25(土) 21:41:21.20 ID:piOa1OgW0
仁美「ええ、今夜は使用人もシェフも出払っていて、今現在この島にいるのは私たちだけですのよ」

ほむら(なるほど……外部犯という線は消えるのね)メモメモ

マミ「?」

杏子「そうか……はぁ、腹減ったなぁ」

仁美「杏子さん、少しお時間をいただければ私が作ってきますわ」

杏子「ほんとか! 期待して待ってるぜ! えっと……んじゃその間何してっかなぁ……どうすっかなぁ……」ウズウズ ソワソワ

仁美「ふふ、この館を探検してきてもいいですわよ」

杏子「あ、ありがと仁美! さっきから気になって気になって……、さやかー! 一緒に探検しようぜー!!」

仁美「では私は夕飯を作ってきますわ。ごゆっくりしてくださいね」ガチャ バタン


ほむら(18:35 志筑仁美 退室)メモメモ

27: 2012/02/25(土) 21:46:28.84 ID:piOa1OgW0
杏子「なあなあ! 探検しようぜ!」

さやか「あー……パス」

杏子「ええ!? 何でだよぉ!!」ガーン

さやか「実はあたしもちょっと酔っちゃって……休まして……」グデー

杏子「じゃ、じゃあまどか! 探検しようぜ!」

まどか「ごめんね杏子ちゃん。私もなんだ……」

杏子「そんなぁー……、だったら……」チラ

マミ「うえー……」

ほむら「…………ぅ」

杏子「うん、ダメそうだ」

29: 2012/02/25(土) 21:49:11.49 ID:piOa1OgW0
杏子「しゃあねー……一人で行ってくっか……」

QB「僕が一緒に行くよ、佐倉杏子」

杏子「えー……」

QB「あからさまに嫌な顔したね。でも僕は行くよ。僕もこの館には興味あるし」タッ

杏子「あ! 分かった、一緒に行くからちょっと待てって!」

              ガチャ バタン

ほむら(18:37 佐倉杏子 キュゥべえ 退室)メモメモ


30: 2012/02/25(土) 21:51:14.81 ID:piOa1OgW0
18:43 ~食堂~

ほむら(……ふぅ、大分良くなってきたわ)

マミ「…………ぅぅ」

ほむら(彼女はまだ酔ってるのかしら……?)


ほむら(今のうちに現状を確認しときましょう)

ほむら(ここ、今私たちがいる食堂は入り口が一つしかないわ)

ほむら(それに監視カメラもあるわね……。ここにいればアリバイは完璧ね)

ほむら(志筑仁美は今厨房にいるわ。この部屋と近いせいか、料理している音が聞こえるわね)

ほむら(そして佐倉杏子とキュゥべえがいない……。何か起こりそうね……ふふふふふ)

31: 2012/02/25(土) 21:56:53.78 ID:piOa1OgW0
さやか「ふっ……うし! やっと気分が良くなった! まどかは?」

まどか「私も大丈夫だよ」

さやか「んじゃ、あたしたちも探検しに行くとしますか。マミさんと転校生は……」

ほむら(まどかを守るにはそばにいた方が良さそうだけど……)

マミ「わ、私はあともうちょっと……」

ほむら「……私ももう少し休ましてもらうわ」

さやか「ふーん……それじゃあたしたちだけで行こっか」

まどか「うん……二人とも、あまり無理しないでね」

           ガチャ バタン

ほむら(18:44 鹿目まどか 美樹さやか 退室)メモメモ

32: 2012/02/25(土) 21:57:30.30 ID:piOa1OgW0
マミ「……さっきから何をメモっているのかしら?」

ほむら「ふふ……後で役に立つわ、絶対」

マミ「そ、そう……」

ほむら「……一言忠告しとくけど……、あなた、今夜氏ぬわよ」

マミ「ええ!?」

ほむら「殺されるって言った方が正しいわね」

マミ「な……なんでそんなことが分かるの……?」

ほむら「探偵の勘よ」

マミ「……?」

34: 2012/02/25(土) 21:59:13.22 ID:piOa1OgW0
ほむら「危なかったわね。さっき私がまどかたちと一緒に行ってたら」

マミ「ど、どうして?」

ほむら「こういう館ものは一人になった瞬間が一番危険なの」

マミ「じゃ、じゃあ……志筑さんは……」

ほむら「彼女は大丈夫よ。料理の音が聞こえてる限り生きてるわ」

マミ「そういうものかしら……」

ほむら「ちなみにこの食堂で犯行が行われたら、証拠なんてすぐに出てくるわ」

マミ「へ? 何で?」

ほむら「監視カメラがあるからよ。つまり、逆にこの部屋が一番安全ということを意味する」

マミ(…………ふむ……探偵モノにはまってるのかしら? ………中二病ね、かわいそうに……)


36: 2012/02/25(土) 22:04:29.08 ID:piOa1OgW0
マミ「……ちょっとトイレに行ってくるわね」

ほむら「!? あ、あなた! 私の忠告が耳に入らなかったの!?」

マミ「すぐに戻って来るわよ」

ほむら「それは『バカバカしい! 俺は自分の部屋に戻るぞ!』と言っていつの間にか氏んでるケースに酷似してるわ!」

マミ「はは……考え過ぎよ」スタスタ

ほむら「わ、分かった! 私も着いていくわ! えっ…と」

ほむら(18:47 暁美ほむら 巴マミ 退室)メモメモ

          ガチャ バタン


―――――――――この判断があのような悲劇に繋がるなんて……この時の私は思ってもみなかった――――――――

                   キィ ガチャンッ! ←例の扉

39: 2012/02/25(土) 22:10:39.04 ID:piOa1OgW0
                   ガチャ バンッ!

18:59 ~女子トイレ前~


ほむら(遅いわね、巴マミ。大の方かしら……)

杏子「うぅー……腹減ったぁ~……」トボトボ

ほむら「あら、佐倉杏子」

杏子「おっ、ほむらじゃん。何してんだこんなとこで」

ほむら「巴マミを待っているのよ。……ん? そういえばキュゥべえは?」

杏子「ああ、アイツなら途中ではぐれちまった。まあ、飯になったら帰ってくんだろ」

ほむら(一応メモっときましょう……18:59……あ、19時になった)


ほむら(19:00 女子トイレ前にて佐倉杏子と遭遇 キュゥべえ不在)メモメモ


40: 2012/02/25(土) 22:11:37.08 ID:piOa1OgW0
杏子「それにしても仁美って料理うまいんだな。さすがお嬢様だぜ」

ほむら「あなた……厨房に入ったの?」

杏子「ちょ、ちょっとだけ……」

ほむら「つまみ食いでもしたんでしょうね」

杏子「し、してねえよ! いや、しそうになったけど理性が残ってるうちに厨房から出たよ!」

ほむら「…………」

マミ「おまたせ~って佐倉さん?」

杏子「おう、もうそろそろ飯ができるって」

ほむら「ちゃんと手は洗ったかしら?」

マミ「へ? 洗ったけど…………はっ! ち、違うわよ! ちょっと化粧を直してただけよ!」

杏子「ん? 何のことだ?」

ほむら「さあ? 私にもさっぱり」

マミ「くっ……うぅ~……///」

42: 2012/02/25(土) 22:15:37.93 ID:piOa1OgW0
ほむら(19:02 暁美ほむら 巴マミ 佐倉杏子 入室)メモメモ


杏子「あれ? さやかとまどかは?」

マミ「会わなかったの? 彼女たちも探検しに行ったのだけど」

杏子「ああー、すれ違っちまったのかな」

マミ「キュゥべえはどうしたの? あなたと一緒に行ったのよね」

杏子「いつの間にかはぐれちまったんだよ。よしっ、じゃあ探して来るか」

マミ「あっ、じゃあ私も行くわ」

杏子「……と思ったけど、腹が減って動きたくない……いってらっしゃいマミ~」グゥ~

マミ「えっ、行かないの!? なら私も待ってるわ。そのうち帰って来るでしょ」

ほむら「…………」

43: 2012/02/25(土) 22:19:56.73 ID:piOa1OgW0
19:13 ~食堂~

杏子「うぅ~……もうそろそろって後どんくらいだよひとみぃ~」グゥ~

マミ「……はぁ、私もお腹が減ってきたわ……」

ほむら「出すもの出したからね」ボソッ

マミ「だっ、だから! 出してないって言ってるでしょ!!」

杏子「ん? お前ら船で吐いてたじゃねえか」

マミ「…………」

ほむら「…………」


         ガチャッ

さやか「ただいま~! いやー広いね、この館は」


ほむら「…………え?」

46: 2012/02/25(土) 22:23:44.51 ID:piOa1OgW0
ほむら「み、美樹さやか! まどかは……まどかはどうしたの!?」

さやか「ちょ、なんだよ転校生。そんなに慌てて」

ほむら「いいから! まどかは今どこにいるの!!」

さやか「どこって……それが分からないんだよね」

ほむら「……そ……そんな…」

さやか「途中ではぐれちゃって……って、心配し過ぎじゃない?」

ほむら(まさか……いや……でもまどかが……)


            コンコンッ

ほむら「!!」

47: 2012/02/25(土) 22:26:51.32 ID:piOa1OgW0
ほむら「だ、誰!?」

  「だれか~、ドアを開けてくれませんか? 両手が塞がってて開けられないんですの」

さやか「あ、仁美か。ちょっと待ってて」
 
        ガチャ

仁美「ようやくできましたわ」

杏子「おお! チャーハンか!」

仁美「すみません……このようなものしか用意できなくて……」

杏子「何言ってんだ。これちょーうまそうじゃん!」

仁美「あ、ありがとうですわ!」

さやか「料理持ってくるの手伝うよ。ほら杏子つまみ食いしようとしてないで手伝って」

杏子「んなっ! お前もか! 何でアタシはつまみ食いするようなキャラに……」



     「きゃぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!!」


全員「!!?」

49: 2012/02/25(土) 22:31:18.91 ID:piOa1OgW0
マミ「ひ、悲鳴!?」

――――――――胸騒ぎはしていた――――――――――

さやか「まどかの声だ!!」

―――――――――――だけど――――――――――――

杏子「厨房から聞こえたぞ!!」

―――――本当に起こるとは思ってもいなかった――――


仁美「い、いったい何が……」

51: 2012/02/25(土) 22:32:04.07 ID:piOa1OgW0
19:16 ~厨房~


さやか「まどかっ!」ダッ

まどか「さっ、さや…さやかちゃん……」

杏子「どうした? 何があった……」

ほむら「…………」

まどか「あ……ヒグ……あ…あれ……」

仁美「……?」

マミ「…………何あれ……」

52: 2012/02/25(土) 22:32:36.20 ID:piOa1OgW0
―――――――静かに――――――――

さやか「……………え……」

―――――とても静かに―――――――

マミ「……うそ…………うそよ……」

――――闇に紛れた悪によって――――

仁美「? ……??」

―――――私たちを絶望の底へ――――

まどか「ぅぅ……ぅぁあ…………」

――――――突き落す悲劇が―――――

杏子「……マジかよ……キュゥべえが……キュゥべえの奴が……」



―――――――― 今 ――――――――



ほむら「……焼け氏んでる……」


―――――――始まった――――――――

58: 2012/02/25(土) 22:37:18.52 ID:piOa1OgW0
19:20 ~食堂~


マミ「…………」

まどか「……ぅぅ……ヒグ…ぐす……」

さやか「…………」

ほむら「…………」メモメモ

杏子「……ちくしょう……どうしてこんなことに…」

仁美(いまいち状況が呑み込めませんわ……)

61: 2012/02/25(土) 22:40:15.45 ID:piOa1OgW0
さやか「…………」スクッ

杏子「おい……どこに行くつもりだ」

さやか「……厨房……もう一度キュゥべえを見てくる」

杏子「止めとけ、危険だ」

さやか「危険? はは……なにそれ……。あんた……危険って意味よく分かってるよね」

杏子「っ! ち、違……」

さやか「危険って言ったじゃん……それってキュゥべえを頃した奴がまだうろついてるかもしれないって事でしょ!」

杏子「こ、殺されたって決めつけんじゃねえよ! ただの……事故だったかもしれねえし……」

さやか「あのキュゥべえが事故? そんなの考えられないね!」タッ

杏子「さ、さやか!」

さやか「あたし……キュゥべえを頃した奴を捕まえてくる……。あんたは皆を守ってやって」

杏子「ちょっと待……」


ほむら「全員動くな!!」

62: 2012/02/25(土) 22:43:49.35 ID:piOa1OgW0
まどか「ひっ!」

杏子「……ほむら」

仁美「…? ……??」キョロキョロ

マミ「暁美さん……?」

さやか「……なんだよ、転校生」

ほむら「美樹さやか……あなたって鋭いわ……。ええそうよ、これは事件……」

さやか「…………」

ほむら「れっきとした殺人事件……いえ」



ほむら「殺べえ事件よ!!!」ドーン!

63: 2012/02/25(土) 22:46:29.63 ID:piOa1OgW0
杏子「……ッ」

さやか「……それは分かってるっつーの。だからキュゥべえを頃した奴を探しに……っ」スタスタ

ほむら「動かないでって言ったでしょ、美樹さやか」サッ

さやか「そこどいてよ……転校生」

ほむら「席に戻りなさい」

さやか「ねえ……あんたが今からやろうとしてること分かってんの? それが取り返しのつかないことになるかもしれないってことも!!」

ほむら「ええ……重々承知の上よ。だけど……真実は解き明かさなければならない……」

さやか「…………」

ほむら「私は敢えてここに宣言するわ……」



ほむら「犯人はこの中にいる!!」

64: 2012/02/25(土) 22:48:54.44 ID:piOa1OgW0
杏子「ちょ、止めろよお前!」

まどか「そ、そうだよ、ほむらちゃん! 友達を疑うなんて……こんなの絶対おかしいよ!!」

仁美「い、いったい何が始まりますの?」ドキドキ ワクワク

さやか(あ、そっか……仁美にキュゥべえは見えないんだっけ……)

マミ「え~…と、最近暁美さんは探偵にはまってるぽくてね……推理ショーって言うのかしら……?
   まあ、あなたは質問されたら、正直に知ってることを話せばいいと思うわ」ボソボソ

仁美「(推理ショー……///) りょ、了解しましたわ!」


ほむら「皆知っているわよね。今現在、この島には私たちしかいないということを」

まどか「ぅ……」

ほむら「悲しいけどこれが現実なのよ……」

杏子「…………チッ」

ほむら「ふぅ……一度現状を整理するわ!」

65: 2012/02/25(土) 22:49:22.14 ID:piOa1OgW0
18:33 志筑仁美の別荘(食堂)に到着

18:35 志筑仁美 退室

18:37 佐倉杏子 キュゥべえ 退室

18:44 鹿目まどか 美樹さやか 退室

18:47 暁美ほむら 巴マミ 退室

19:00 女子トイレ前にて暁美ほむらと佐倉杏子が遭遇(この時点でキュゥべえは行方不明)

19:02 暁美ほむら 巴マミ 佐倉杏子 入室

19:13 美樹さやか 入室

19:14 志筑仁美 入室

    鹿目まどかの悲鳴 

19:15 厨房でキュゥべえの焼氏体発見

19:18 食堂に戻る

69: 2012/02/25(土) 22:55:45.69 ID:piOa1OgW0
杏子「すげぇ……こまけえな……」

ほむら「ふふん! こんなこともあろうかと用意しておいたのよ」

まどか「…………」

ほむら「あ、追記しておくわ。この食堂にいる限りアリバイは実証される……っと」カキカキ

さやか「アリバイ?」

ほむら「あそこに監視カメラがあるでしょ。あれのおかげで自分が食堂にいるという証拠になるわ」

マミ「志筑さん、食堂以外にも監視カメラはあるのかしら?」

仁美「はい、あるにはあるのですが……普段は人がいないので止めていますわ」

杏子「ふーん……(あれ? じゃあ何でこの部屋のカメラだけ動いてんだ?)」

仁美(皆さんの楽しそうなお姿を撮りたかった……なんて言えませんわ////)

72: 2012/02/25(土) 23:03:16.21 ID:piOa1OgW0
ほむら「現状も整理し終わったし、ついに始まるわ……魔法少女探偵ホムンの推理がッ!!」

マミ「魔法少女……」

杏子「探偵……」

まどか「……ホムン」ゴクリ

仁美「……?」ポカン

さやか「あ、あんまり本気にしなくていいよ」


ほむら「では、一つずつ気になるところから追及していきましょう」

73: 2012/02/25(土) 23:03:44.77 ID:piOa1OgW0
ほむら「佐倉杏子」

杏子「なっ、なんだよ!」ビクッ

ほむら「あなた、キュゥべえと一緒に探検しに行ったわよね」

杏子「お、おう……」

ほむら「いつキュゥべえとはぐれたのかしら?」

杏子「え? え…っと、正確な時間は分かんねえけど、はぐれて数分後にほむらと会ったから……18:47~19:00の間かなぁ……」

ほむら「なるほど……謎は全て解けたわ!!」

まどか「え?」

さやか「は?」

マミ「へ?」

仁美(キターーー///!!)

杏子「おい待て、マジでちょっと待て」

77: 2012/02/25(土) 23:11:21.79 ID:piOa1OgW0
ほむら「犯人は―――――――――佐倉杏子、あなたよ!」ビシィ!

 「「「な、なんだってー!?」」」

杏子「…………」

ほむら「…………ドヤ」

杏子「イラッ…………とりあえず話だけは聞いてやる」

ほむら「ええ、とくと聞きなさい……私の天才超絶魔法少女的推理を!!」ドーン!

78: 2012/02/25(土) 23:11:47.44 ID:piOa1OgW0
ほむら「18:37 あなたはキュゥべえと一緒に食堂を出た」

杏子「……ああ」

ほむら「そして頃した」

杏子「はやっ!?」

ほむら「その後あなたはキュゥべえを焼いて……」

杏子「いやいやいやいや! なんかいろいろぶっ飛んでねえか!?」

ほむら「人の推理は最後まで黙って聞きなさい!!」

杏子「……ちっ、んでどうなったんだよ……」

81: 2012/02/25(土) 23:15:46.25 ID:piOa1OgW0
ほむら「信じてないわね……私の推理。この根拠はあなたの口から聞いたものだというのに……」

杏子「どういうことだ……」

ほむら「あなた……厨房に入ったんでしょ? 私と会う前に……」

杏子「っ!」

ほむら「そう! あなたはキュゥべえを頃した後、厨房で焼いた! しかもそのアリバイは無い!!」

杏子「…………」

ほむら「さあ、早く自白した方が身の為よ! 佐倉杏子ぉ!!」

仁美「あ、あの~……」

ほむら「? なにかしら」

仁美「私……厨房にずっといたのですけど……」

ほむら「あ」

杏子「…………ニヤ」

ほむら「で、でも……佐倉杏子はあなたに気付かれずに焼いたのかも……」

仁美「杏子さんなら……」

82: 2012/02/25(土) 23:16:39.68 ID:piOa1OgW0
====================

18:50 ~厨房~


仁美『ふふん♪ ふん ふふふ~ん♪』

       ガチャ

杏子『ひとみぃー! 腹減ったぁー!』

仁美『あら、杏子さん。もうそろそろでできますので、あと少しだけお待ちになってください』

杏子「おう……(それにしてもいい匂いだな……)』ジュルリ

仁美『つまみ食いはダメですよ」クス

杏子『し、しねぇよ///!! でもずっとここにいると理性が保てねえから出ていく!飯、楽しみに待ってんかんな!!』ガチャ バタン

仁美『はい///』

====================

仁美「……と言って、すぐに出て行きましたわよ」

ほむら「…………」

86: 2012/02/25(土) 23:22:46.27 ID:piOa1OgW0
杏子「おい、どうした? 魔法少女探偵ホムンさんよぉ」ニヤニヤ

ほむら「…………」

杏子「その後ずっとお前らと一緒にいたし、アタシにはキュゥべえを焼けないよなぁ」ニヤニヤ

ほむら「保留よ!」

杏子「保留!?」

ほむら「確かにあなたはキュゥべえを焼く暇は無かったかもしれない……だけど、頃すことはできたはずよ。だから保留!」

杏子「ああ……もういいよ、それで……」

87: 2012/02/25(土) 23:23:13.93 ID:piOa1OgW0
ほむら「志筑仁美はキュゥべえが見えない……よって嘘をつく理由がない。これは彼女の証言の信憑性を裏付けるわ」ブツブツ

仁美「…………」

ほむら「巴マミはこの館の中ではずっと私と共に行動していたわ……よってシロ」

マミ「…………」

ほむら「残りは鹿目まどかと美樹さやか……」

さやか「…………」

まどか「…………」ウルウル


ほむら「まどかはかわいいからシロとして……消去法で犯人は美樹さやか、あなたよ!」

まどか「……うしっ!」グッ

さやか「いや、その理屈はおかしい」

89: 2012/02/25(土) 23:26:35.70 ID:piOa1OgW0
さやか「消去法で犯人って……よくそんなことが言えるよねえ!」

ほむら「落ち着きなさい、余計怪しいわよ」

さやか「……ぐぬぬ」

ほむら「では証言してくれるかしら、志筑仁美? 美樹さやかが厨房に入ったことを!」

さやか「!!」

仁美「ええ、確かにさやかさんは厨房に一度立ち寄りました」

さやか「ひ、仁美!?」

ほむら「(よっしゃ! 当たった////) そのことを詳しく話しなさい。美樹さやかが犯人だという決定的な証言をね!!」

さやか「……そんな……」

仁美「えっとですね……。あれは杏子さんが来てから、しばらく経ってからでした……」

91: 2012/02/25(土) 23:30:47.66 ID:piOa1OgW0
=======================

19:10

~厨房~


仁美『よっと♪ それっ! ふふふ~ん♪』ジュージュー

さやか『やっほー仁美!』バン!

仁美『あら、さやかさん。どうかなさいました?』

さやか『それがさー、まどかとはぐれちゃって……って、すっげーうまそう!』

仁美『ふふ、つまみ食いはダメですよ』

さやか『し、しないよ! 杏子じゃあるまいし!』

仁美『それで……まどかさんとはぐれたって……?』

さやか『ああー……、まあ大丈夫でしょ。みんながいる食堂は分かりやすい所にあるし。それにしても厨房も広いねえ~
    コンロもたくさんあるし(カチッ カチッ ボゥッ) 何か手伝えることある?』

仁美『えっと……料理の方は、後は仕上げだけですし……あっ、できたら運ぶのを手伝ってくださいませんか?』

さやか『了解です料理長! じゃあ、食堂で待ってるからね~』ガチャ バタン

========================

92: 2012/02/25(土) 23:31:19.66 ID:piOa1OgW0
仁美「……と、まぁ大体こんな感じですわ」

さやか「…………」

ほむら「ほむ……、あっ……ふむ」

杏子(やっぱアタシってつまみ食いキャラなのか……)ガーン

さやか「……で? 何かおかしなとこあった? 魔法少女探偵さん?」

ほむら「……ええ、あったわ……決定的なとこがね!」

さやか「んなっ!?」

杏子「な……」

マミ「なな……」

まどか「なんだってー」

ほむら「とくと聞きなさい……私の天才超絶超越超克魔法少女的推理を!!」ドドーン!

93: 2012/02/25(土) 23:34:37.27 ID:piOa1OgW0
ほむら「とりあえず、今はキュゥべいを頃したかどうかはさほど重要では無いわ」

さやか「えっ?」

ほむら「頃すことはアリバイの無い時に、キュゥべえと会うことさえできればいつでもできるわ。
    重要なのは頃したあと。氏体をどう処理したのか、という点よ!!」

さやか「頃したあとって……まさか!」

ほむら「気づいたかしら、美樹さやか。あなたはキュゥべえを頃したあと厨房で焼いた。
    あなたがいじくっていたそのコンロでねえ!!」

さやか「っ!? たっ、確かにコンロをいじくって火を点けたけどさぁ! ほんのちょっとだけだよ!」

ほむら「ふふ……ふふふふ…………ふふふふふふふふ!」

さやか「な、何がおかしいのさ!」

ほむら「ふふ、美樹さやか……気付いてないの? 今あなたは自白したのよ、キュゥべえを焼いたってね!」

さやか「いや……だからコンロは……」

ほむら「そう、あなたがコンロに火を点けたのは一瞬だった。だけどそれで十分なのよ」

さやか「へっ?」

ほむら「キュゥべえはねえ……」

95: 2012/02/25(土) 23:35:09.40 ID:piOa1OgW0
ほむら「めっちゃ燃えやすいのよ!! 何度か試したことあるからね!」ドーン!



全員「「「…………」」」



ほむら「ふふ、ふはーっはっはっはっはっはっはっはっは!!」

全員「「「…………」」」


ほむら「はっはっは……はっは……」


ほむら「…………」



ほむら「あれ?」

97: 2012/02/25(土) 23:38:04.94 ID:piOa1OgW0
マミ「何度か試したことあるって……」

ほむら「…………はっ!ち、違うわ!この時間軸の事じゃないし!」

さやか「時間軸? 意味わかんないんだけど。ていうかさぁ……あんた何故かキュゥべえを毛嫌いしていたよね?」

ほむら「うぐっ……」

杏子「そもそも細かく時間を記録しすぎじゃね? まさか自作自演じゃn

ほむら「っ!? なななな訳ないでしょう!!」

まどか「てか、ほむらちゃんは時間停止できるからアリバイとかあってないようなものだよね」

ほむら「まどかぁ!?」

99: 2012/02/25(土) 23:42:47.10 ID:piOa1OgW0
ほむら「ままま待ちなさい! もしかして私を疑っているの?」

全員「「「………………」」」」

ほむら「ふっ……、私には難攻不落のアリバイがあるのよ!」

さやか「だから、それは時間停止で……」

ほむら「確かに時間停止を使えばアリバイなんて無意味……。だけど私は今日は時間を止めていないわ」

杏子「はぁ? んなもん証明できる訳n

ほむら「できるわ!!」

全員「「「!!?」」」」

ほむら「私の時間停止は傍から見れば瞬間移動に見えるのよ。それに能力を使用するには変身しなければならない」

マミ「…………」


ほむら「ふふふ……もし私が何か不審な動きをすれば隣にずっといた巴マミに気付かれたり、
    この食堂の監視カメラに映っていたりするはずよ!!」


まどか「てか、18:47から19:00の間は食堂を出ていて、しかも一人の時間あったよね」

ほむら「まどかぁ!?」

101: 2012/02/25(土) 23:44:27.08 ID:piOa1OgW0
さやか「なるほど、その隙にキュゥべえを……」

ほむら「ちょまっ!? はぁ!? いや違っ……はぁ!?」

仁美(なんだかよく分からないうちにほむらさんが犯人になっていますね)

ほむら「いやいやいやいや! 私は探偵よ! 探偵が犯人なんてありえないわ!!」

マミ「探偵が犯人だった、という推理小説はいくらでもあるわよ」

ほむら「ぐぬぬ……だったら……」



ほむら「証拠よ! 私が犯人だっていう決定的証拠を出しなさい!!」



まどか「あるよ」

ほむら「まどかぁ!?」

103: 2012/02/25(土) 23:47:33.20 ID:piOa1OgW0
まどか「少しわたしの推理を聞いてくれるかな?」

ほむら「ま、まどか……冗談よね……」

まどか「そもそも何故犯人はキュゥべえを頃すのでなく燃やしたのか……。そこがずっと引っかかっていた」

ほむら「え……そうなの?」

まどか「だからこう考えた……。犯人はキュゥべえを燃やしていないじゃないかと」

ほむら「!!?」

まどか「キュゥべえは犯人に殺された……だけどまだ生きていたんだよ」

ほむら「生きていた……?」

まどか「そして最後の力を振り絞ってわたしたちに残した…………そう」


まどか「ダイイングメッセージをね!!」


ほむら「!!!」

105: 2012/02/25(土) 23:50:42.05 ID:piOa1OgW0
ほむら「そ、それって……」

まどか「うん、キュゥべえは自分自身を燃やしたの。それがメッセージ」

ほむら「……!?」

まどか「そこから連想できるのは、火、炎……焔……」

ほむら「…………ほむら…………」


まどか「この殺べえ事件の犯人は……ほむらちゃん! 貴方だよ!!」ビシィ!


ほむら「わ……私が……キュゥべえを頃した犯人だったの………?」



仁美「…………?」

マミ「……うーん?」

杏子「…………いや」

さやか「……ないだろjk」

109: 2012/02/25(土) 23:55:58.57 ID:piOa1OgW0
ほむら「うぅ……グス……」

まどか「どうしてこんなことを……」

ほむら「グス……あいつが……あいつが憎かった……」

まどか「…………」

ほむら「まどかといつも一緒にいて……ずっと抱きかかえられているあいつが憎かった!」

さやか「えー……」

ほむら「私だって……私だってまどかに抱いてほしかtt

まどか「続きは署で聞く! ついてこい!」グイッ

杏子「お前が訊いたんだから最後まで言わしてやれよ……」

マミ「署ってどこよ……。暁美さんも犯行を認めてるし……」

112: 2012/02/26(日) 00:00:40.01 ID:CfMqHIaG0
さやか「なーんかアホらしくなってきた……殺べえ事件って所から」

マミ「うん……本当にキュゥべえが殺されかけているなら、私たちにテレパシーでもして助けを求めそうだし」

杏子「はぁ、ったくおかしな茶番に付き合わされたぜ。おい二人とも!」

まどか「ん?」

ほむら「ぐす……」

杏子「ほむらは犯人じゃねえよたぶん。いや、そもそも犯人がいることさえ怪しくなってきた」

ほむら「……ええ!?」

さやか「ほむらがこんなバカなことをするとは思えないしね。なんか場の雰囲気に流されてるけど」

ほむら「……キュゥべえを殺った記憶がないからおかしいなって思ってたけど、やっぱり私は犯人ではない!?」

さやか「ホントはバカだろお前」

116: 2012/02/26(日) 00:05:26.26 ID:CfMqHIaG0
さやか「とにかくもう一度厨房に行ってみようよ。何か分かるかもしれないし」

ほむら「……」コクン

――――――この判断が私たちを――――――――

~厨房~

まどか「……え?」

杏子「…………ウソだろ……」

――――――――さらなる闇に―――――――――

仁美「…………?」

さやか「キュ、キュゥベエの……」

――――――――――陥れた――――――――――

ほむら「……キュゥべえの氏体が…………ない……」


マミ「…………ん?」


QB「きゅっぷい」ゲップ

マミ「」

118: 2012/02/26(日) 00:09:06.86 ID:CfMqHIaG0
さやか「どうしてキュゥべえの氏体が消えているのよ……」

杏子「勝手になくなるわけないだろ! だってこの島にはアタシたち以外……」

ほむら「そう……この島には私たち以外いないはず。だけどこれで証明されてしまった」


ほむら「この島には私たち以外の第三者がいる!!」


「「「!!?」」」



マミ「ね、ねえキュゥべえ……貴方氏んでたんじゃ……」コソコソ

QB「確かに氏んでたけど」

マミ「じゃあ生き返ったの……?」

QB「いや、これは新しい個体で、さっきの氏体は僕が食べちゃったよ」

マミ「」

119: 2012/02/26(日) 00:09:56.78 ID:CfMqHIaG0
===================================

18:50  

~厨房前~

QB『やれやれ、杏子はいったいどこ行ったんだか……ん?』

杏子『飯、楽しみに待ってんかんな!!』ガチャ

QB『よっと』スルリ

   バタン!

~厨房~

QB『潜入成功!』

仁美『~♪ ~~~♪』(炒飯を作ってる)

QB『志筑仁美か……彼女には素質がないんだよなぁ』

QB『それにしてもお腹へったなぁ、つまみ食いでもしようかな?』

QB『でも勝手に食べると、僕のことが見えない彼女が不審がるだろうし…………あ!』ピコーン

120: 2012/02/26(日) 00:12:06.75 ID:CfMqHIaG0
QB『そうだ! 僕自身を食べればいいんだ!』

QB『でもいいかげんあの味は飽きたんだよなあ。何かアクセントでも……あ!』ピコピコーン

QB『志筑仁美に僕を炒めてもらえばいいんだ!』

QB『そうと決まればさっそく炒飯の海にダイブ! とぉ!』ピョン

仁美(ん? 中華鍋が少し重くなったような……)ジュージュー

QB『あっづ!? なにこれ熱っ! 超あっづぅぅ!!』ボウ!

仁美(まあ気のせいですよね)ジュージュー

QB『うぎゃぁ!! ちょっ熱っ! あっっづうひゃぁああ!!』

123: 2012/02/26(日) 00:17:54.86 ID:CfMqHIaG0
9:10

さやか『やっほー仁美!』バン!

仁美『あら、さやかさん。どうかなさいました?』

QB(み……美樹さやか……?)

さやか『それがさー――――はぐれちゃって―――――うまそう!』

仁美『ふふ―――食い――――ダメですよ』

QB(何言ってるかよく聞こえないや……)

さやか『―――――よ! ―――――まいし!』

QB(ああ……もう……意識が…………途切れ……)

仁美『―――で―――――たって』

QB(…………そう………………だ……)

QB(…………………………………………)


仁美『えっと……料理の方は、後は仕上げだけですし……あっ、できたら運ぶのを手伝ってくださいませんか?』

さやか『了解です料理長! じゃあ、食堂で待ってるからね~』ガチャ バタン

124: 2012/02/26(日) 00:21:32.12 ID:CfMqHIaG0
19:13

仁美『さて、人数分できましたね』

QB『』プシュー

仁美『んー、一度には運べませんね。さやかさんに手伝ってもらいましょうか……』

QB『』シュ~

  ガチャ スッスッ スタスタスタスタ

  ヒョコ

まどか『あれ? 厨房が開いてる。それにしても何かいい匂いがするなあ……ん?』

QB『』

まどか『何この黒い塊……? いい匂いするけど…………え?』ツンツン ゴロン

QB『』プスプス

まどか『きゅ、キュゥ……べえ……? え……嘘……、な、なんでくろ……黒こ……き』

   
まどか『きゃぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!!』

125: 2012/02/26(日) 00:22:03.18 ID:CfMqHIaG0
========================================

QB「……というわけだけど」

マミ「」

QB「いやー炒飯味の僕は斬新だったけど美味しかったね。あ、マミ、
   冷凍庫に入れてシャーベットっぽくしてある僕でも食べるかい?」

マミ「」


まどか「ほむらちゃん、わたし怖い!」ダキッ

ほむら「だだだだ大丈夫よ! 私がついているわ!」

さやか(さっき犯人に仕立て上げたくせに……)


        パリーン!!


      「「「!!?」」」

126: 2012/02/26(日) 00:24:33.98 ID:CfMqHIaG0
杏子「何の音だ!?」

仁美「食堂の方からですわ!」

ほむら「まさか犯人が食堂に……! 捕まえるわよ!」

マミ「はっ!? え、あ、ちょま!」

  タッタッタッタッタ

~食堂前~

ほむら「この中に犯人が……」

マミ「あ、あの、暁美さん……犯人h

ほむら「突撃ぃ!!」ガチャ!


     バ ン !!

???「モグモグん? よぉ、魔法少女諸君モグモグオイラはj

ほむら「確保ぉ!!」

???「はいぃ!!?」

130: 2012/02/26(日) 00:41:47.44 ID:CfMqHIaG0
ほむら「さて、貴方がキュゥべえを頃した犯人ね。てか何この生き物?」

???「こらぁ! いきなりオイラをロープです巻きにしやがって!!」


JB「オイラをジュゥべえと知っての狼藉かぁ!!」


さやか「アンタ、キュゥべえの仲間?」

杏子「いやキュゥべえを頃したんだったら、敵なんじゃね」

JB「炒飯の皿を割っちゃったのは悪かったけどよぉ……ってキュゥべえを頃した!?」

仁美「あの、ほむらさん……貴方は何を捕まえて……もふ?」モフモフ

JB「おい嬢ちゃん! オイラに触rあひぃん!?」

133: 2012/02/26(日) 00:50:22.14 ID:CfMqHIaG0
仁美「ほぉぉ……柔らかいです! 何もない空間がもふもふしています!」モフモフ

杏子「おいどうすんだ? もう誤魔化しきれねえじゃねえの?」

さやか「えー……うん。えと、妖精(でいいや)です。はい」

仁美「妖精!? 皆さんは見えていらっしゃるのですか?」モフモフ

まどか「う、うん、仁美ちゃん以外には見えてるよ」

仁美「えぇ!? う、羨ましいですわぁぁあ!!」モフモフモフモフ

JB「ひゃぃん!? どこ触ってyぃひょぉ!?」


マミ「…………!」ピコーン

マミ「キュゥべえ……ゴニョゴニョ」コソコソ

QB「?」

137: 2012/02/26(日) 00:58:24.98 ID:CfMqHIaG0
ほむら「何故キュゥべえを頃したの! さっさと答えなさい!!」

JB「」チーン

仁美「うふふ///」モフモフ

ほむら「黙秘するのね……。いいわ、無理矢理にでも吐かせてy


  「 待 っ た !!」


ほむら「!?」

  「その子は犯人じゃないわ。だけど全ての真相はすでに私の内にあるわ……」


マミ「この魔法少女探偵マミンのね!!」ドーン

140: 2012/02/26(日) 01:02:45.87 ID:CfMqHIaG0
まどか「魔法少女探偵……」

ほむら「マミン……?」

マミ「……」ドヤ

さやか(うわぁ……マミさんの変なスイッチが入っちゃったよ……)

杏子(こうなったら満足するまで止まらないんだよな……)

ほむら「いったいどういうこと? 貴方には真犯人が分かったというの?」

マミ「ええ、今から貴方たちには聞いてもらうわ」


マミ「華麗で鮮やかな超スタイリッシュ推理をッ!!」

142: 2012/02/26(日) 01:06:33.30 ID:CfMqHIaG0
マミ「まず発想を逆転させるの。犯人は頃すために焼いたんじゃない……焼いた結果氏んでしまった……ってね」

ほむら「? 意味が分からn

マミ「あせらないで暁美さん。キュゥべえが氏んでいたのは『厨房』、そして思い出して……キュゥべえの氏体に
   おかしな点がなかったか……」

ほむら「…………」

まどか「……あ! そういえばキュゥべえから炒飯のような匂いがしていたかも……」

マミ「そう! 犯人はキュゥべえを調理していたのよ!!」

ほむら「!!?」

さやか(えぇー……)

マミ「このことからキュゥべえを頃した真犯人は……」スッ


ほむら「佐倉杏子! 貴方ね!!」ビシィ!

杏子「はぁあ!!?」

144: 2012/02/26(日) 01:16:56.11 ID:CfMqHIaG0
ほむら「貴方、以前に『キュゥべえってどんな味すんだろなぁ』って言ってたじゃない!」

杏子「い、言ったかもしんねえけど、あんな淫獣を食おうとするまで落ちぶれてねえよ!!」

ほむら「落ちぶれれば食べるのね! じゃあ非常食として確保してたのよ!」

マミ「ま、待ちなさい! 私の推理はまだ途中よ! 暁美さんは黙ってなさい!」

ほむら「……」ムス

マミ「えと、実は犯人は容疑者から外れていたのよ。そこが盲点……真犯人は」スッ


ほむら「志筑仁美! 貴方ね!!」ビシィ!

仁美「?」モフモフ

マミ「はぁ……」

145: 2012/02/26(日) 01:20:28.96 ID:CfMqHIaG0
ほむら「志筑仁美! 貴方は本当はキュゥべえのことが見えてたんじゃnちょ!? 巴マミ! 止めなさい!」シュルシュル ギュッ!

マミ「大人しくしてましょうね、あ、け、み、さん?」

ほむら「むぐぅ!?」(リボンで縛られている)

マミ「さて今度こそ……真犯人は」スッ パチンッ!


QB(指パッチン……合図だね)スタスタ


QB「いったい何の用なんだいマm

マミ「キュゥべえ! 貴方よ!!」

QB「はいぃ!?」

146: 2012/02/26(日) 01:24:53.19 ID:CfMqHIaG0
まどか「キュゥべえ!?」

さやか「アンタ生きてたの!?」

杏子「おい! いったいどういうことだ!!」

ほむら「むーむぐぅー!」モゴモゴ

マミ「キュゥべえは自分で自分を調理して自分を食べたのよ!!」ドーン

全員「「「…………」」」

QB「んー……かくかくしかじか」

    ~説明中~

全員「「「」」」

マミ「……」ドヤァ!

148: 2012/02/26(日) 01:28:16.53 ID:CfMqHIaG0
杏子「んなのアリかよ……」

さやか「自分を食うってどんな生物よ……いや宇宙人……?」

まどか「わけがわからないよ……」

ほむら「…………」

QB「ところで何でキミがここにいるんだい?」

JB「お前が『今日、見滝原の魔法少女が集まるから一目見に来ないかい?』って誘ってんだrひゃぁひゅん!?」

仁美「ふふふふふ////」モフモフ モフモフ

マミ「暁美さん、どうだった私の推理は?」シュルシュル

ほむら「…………」

マミ「私ほどの腕だとこの程度朝飯前なのよ、って暁美さん?」


ほむら「弟子にしてください!!」ドゲザ!

151: 2012/02/26(日) 01:31:42.62 ID:CfMqHIaG0
マミ「あ、暁美さん!? いきなり何を? 弟子って……」

ほむら「今回のことで私はまだまだ未熟だと実感しました……。
    お願いです! 貴方のもとで探偵の修行をさせてください、巴師匠!!」

マミ「(巴師匠……いいわね!)……私に着いて来れるかしら?」

ほむら「はい! どこまでも着いていきます!!」

マミ「では開業しましょうか……巴マミ探偵事務所を!!」ドーン


    ~数日後~


<巴マミ探偵事務所>


ほむら「…………」


    「てーへんだー! てーへんだー!」

152: 2012/02/26(日) 01:33:34.79 ID:CfMqHIaG0
     ガチャ!


まどか「てーへんだ! ほむらちゃん!」

ほむら「あら? どうしたのまどか? そんなに慌てて」

まどか「マ、マミさんが……」

ほむら「…………」



まどか「殺されちゃったよぉ!!」

154: 2012/02/26(日) 01:40:09.11 ID:CfMqHIaG0
ほむら「…………」

まどか「マ、マミさんのく、首が……」グス

ほむら「……師匠は職業柄敵を作ることが多かったわ」

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「いずれこうなることは分かっていたわ……」

まどか「…………」

ほむら「師匠…………貴方の仇は必ず取るわ。……なぜなら……」



ほむら「真実はいつもひとつなのだから!!」


                    ~FIN~

156: 2012/02/26(日) 01:40:47.23 ID:F5iv4YAe0

くだらな面白かった

157: 2012/02/26(日) 01:44:40.38 ID:sbKzs8uP0
乙乙乙

159: 2012/02/26(日) 01:47:02.04 ID:CfMqHIaG0
こんばんは>>1です。

ここまで見てくださった皆様、ありがとうございます!

近々また、まどマギのギャグSSを書く予定です。
キュゥべえがやりたい放題やります。

その時もよろしくお願いします!

ではおやすみーノシ

引用: ほむら「真実はいつもひとつ!」