1: 2017/07/14(金) 01:25:58.733 ID:lAQSY5BSM.net
狐娘(516)「待っておったぞ」

ぼく(20)「え?あ…ごめん…ぼく、にんげんのおんなのひととけっこんしゅるの…」

にんげんのおんなのひと(16)「そういうわけだから、おばさんは引っ込んでてよ」

狐娘「そうか…」

ぼく「それじゃ!」

狐娘(これだから…人間は嫌いなんじゃ…)
見える子ちゃん 1 (MFC)
4: 2017/07/14(金) 01:31:48.869 ID:ZnYWDAol0.net
狐娘「はぁ、毎日退屈じゃ……」

ぼく「ひさしぶり」

狐娘「……今更なんのつもりじゃ」

ぼく「そんなに冷たくしなくても」

狐娘「勝手にフっておいて、よくそういうこと言えるの」

ぼく「だって……」

狐娘「だっても何もない、帰れ帰れ!」

6: 2017/07/14(金) 01:34:23.348 ID:ZnYWDAol0.net
ぼく「こんにちは」

狐娘「また来おったのか、塩まくぞ」

ぼく「ちゃんと謝りたいから」

狐娘「ふんっ!どうせあの女と毎日幸せとかなんとかノロケに来たのじゃ!」

ぼく「そんなことしないよ!」

狐娘「わしは人間なんて嫌いなんじゃ! 帰れ帰れ!」

8: 2017/07/14(金) 01:37:06.142 ID:ZnYWDAol0.net
ぼく「こんにちは」

狐娘「帰れー!」

ぼく「ひどい!」

狐娘「ひどい? ひどいじゃと!? お主がわしにしたことはひどくないのか!」

ぼく「うっ」

狐娘「これ以上、まだわしを傷つけるつもりか!」

ぼく「そんなこと……」

狐娘「……もう来るでない、来てくれるな。あの日のことを思い出す度に涙がポロポロこぼれるのじゃ」

ぼく「……」

9: 2017/07/14(金) 01:39:06.745 ID:ZnYWDAol0.net
にんげんのおんなのひと「こんにちは」

狐娘「っ!」

にんげんのおんなのひと「ふふふ、おぼえてる?」

狐娘「忘れもせんわ、その憎らしい顔。今すぐにでも八つ裂きにしてくれようか」

にんげんのおんなのひと「きゃーこわーい」

狐娘「ふんっ、しっしっ!」

11: 2017/07/14(金) 01:42:20.577 ID:ZnYWDAol0.net
にんげんのおんなのひと「こんにちは」

狐娘「……何の用じゃ。頭からバリバリ食べてやろうか」

にんげんのおんなのひと「ちょっとねー、お願い事」

狐娘「聞く気はない、帰れ」

にんげんのおんなのひと「いいじゃない、お互いトクするわよ?」

狐娘「帰れ」

にんげんのおんなのひと「わたし子供産めないんだよねー……あの人貸してあげるから、わたしと彼の子供、産んで?」

狐娘「帰れ!!」

にんげんのおんなのひと「きゃーこわーい」

12: 2017/07/14(金) 01:46:04.652 ID:ZnYWDAol0.net
ぼく「こ、こんにちは」

狐娘「っ、……」

ぼく「い、いないのかな」

狐娘「……」

ぼく「ごめん、ごめんね。うちのがひどいこと言ったみたいで……あ。そうか、ぼくもひどいこと言ったって、そう言ってたもんね。ごめん。ごめんなさい」

狐娘「……」

ぼく「ぼくらのこと、大嫌いだろうけど、それでも君におめでとうって言って欲しくて……あはは、一人で何言ってるんだろうね」

狐娘「……」

ぼく「また来ます」

狐娘「……」

13: 2017/07/14(金) 01:49:32.362 ID:ZnYWDAol0.net
にんげんのおんなのひと「やっほ」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「わっ、ほんとにいない。引っ越したのかしら」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「まあいいや、元から目に見えないようなオバケみたいなもんだし。どっかで聞いてるでしょ」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「お世話さま。子供の話は忘れていいわ、不妊治療でなんとかなったし。じゃーね、ばっははーい」

狐娘「……」

15: 2017/07/14(金) 01:55:12.189 ID:ZnYWDAol0.net
ぼく「こんにちは」

狐娘「……」

ぼく「お饅頭好きだったよね、ほら、いっぱい買って来たんだ」

狐娘「……」

ぼく「おはぎも、豆大福も、かるかんもあるよ。一人じゃ食べきれないんだ」

狐娘「……」

ぼく「もぐもぐ、美味しいなあ」

狐娘「……」

ぼく「この塩大福も、塩加減が絶妙で、もぐ」

狐娘「……」

ぼく「ぷはぁ、ごちそうさま……余りは置いてくね」

狐娘「……」

ぼく「また来ます」

狐娘「……」

17: 2017/07/14(金) 01:58:39.638 ID:ZnYWDAol0.net
にんげんのおんなのひと「こんにちは」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「まだ怒ってんの? しつこ、うざー」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「何よ、顔くらい見せなさいよ」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「ふんっ。わたしもあんたなんかキライキライ大っキライ!」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「ばーかばーか」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「うOこたれー!」

狐娘「……」

18: 2017/07/14(金) 02:00:42.276 ID:ZnYWDAol0.net
ぼく「こんにちは」

狐娘「……」

ぼく「おてだま、もってきたんだ。いっしょにやろーよ」

狐娘「……」

ぼく「めんこもあるよ、おはじきも」

狐娘「……」

ぼく「ね、いっしょにしよー。たのしーよー」

狐娘「……」

ぼく「だめかぁ」

狐娘「……」

ぼく「またくるね」

狐娘「……」

21: 2017/07/14(金) 02:04:11.957 ID:ZnYWDAol0.net
にんげんのおんなのひと「いる?」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「いないんだ」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「ヘンクツばばあ」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「ガンコもの! いじっぱり! いじわる、うOこたれ! えーとえーと、ばかー!」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「けちんぼ! ぼけなすび! おたんちんぱれおろがす!」

狐娘「……」

22: 2017/07/14(金) 02:06:33.664 ID:ZnYWDAol0.net
ぼく「こんにちは」

狐娘「……」

ぼく「ふー、よい……しょ」

狐娘「……」

ぼく「あいたたた。あ、これおまんじゅうだよ」

狐娘「……」

ぼく「おいしいねえ」

狐娘「……」

ぼく「おいしいなあ」

狐娘「……」

ぼく「はー、おいしかった。ごちそうさま」

狐娘「……」

ぼく「またくるねえ」

狐娘「……」

24: 2017/07/14(金) 02:08:17.934 ID:ZnYWDAol0.net
にんげんのおんなのひと「こんばんは」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「あたし、どうしたらいいんだろう」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「ねえ、なんとかいってよ……」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「……」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「……そう。そうよね、わたしがなんとかしなきゃ」

狐娘「……」

にんげんのおんなのひと「ありがとう、またね」

狐娘「……」

25: 2017/07/14(金) 02:09:04.327 ID:ZnYWDAol0.net
狐娘「……」

狐娘「……」

狐娘「……」

狐娘「……来んのう」

30: 2017/07/14(金) 02:12:45.469 ID:ZnYWDAol0.net
狐娘「暇じゃ」

狐娘「あやつの置いていったオモチャで遊ぶかの」

狐娘「ほっほっ、ほっ。うはは、わしもまだまだお手玉小町の名前は捨てられんな」

狐娘「よっ! ……ぬぬ、やっ! ……たりゃ!」

狐娘「はん、けん玉は好かん!」

狐娘「おはじきは奴といい勝負じゃったな。こうして、こうして、ていっ」

狐娘「わっはっは! 変なところへ飛んでいきおった! おんもしろいのう!」

狐娘「わっはっはっはっは!」

狐娘「……」

狐娘「つまらんのう」

33: 2017/07/14(金) 02:17:24.151 ID:ZnYWDAol0.net
狐娘「あのドロボー猫もとんと来んのう」

狐娘「うはは、あの顔を見ずにすんでせいせいするわ!」

狐娘「……でも言われっぱなしじゃ」

狐娘「……」

狐娘「ドロボー猫! 間女! えーと、バカ! まぬけ! それから、それからー……うOこたれー!」

狐娘「……」

狐娘「相手がおらんとスッキリせんのじゃ」

狐娘「はー、思い出しただけでムカムカしてきた! ふんっやめじゃやめじゃ!」

34: 2017/07/14(金) 02:18:16.524 ID:ZnYWDAol0.net
狐娘「……」

狐娘「……」

狐娘「……」

狐娘「……」



狐娘「……来んのう」

37: 2017/07/14(金) 02:20:38.217 ID:ZnYWDAol0.net
狐娘「むむむ、仕方ない」

狐娘「町へ出てみるかの!」

38: 2017/07/14(金) 02:23:03.742 ID:ZnYWDAol0.net
ぼく「こんにちは」

にんげんのおんなのひと「こんにちは」

ぼく「やっぱりいない?」

にんげんのおんなのひと「そうみたい」

ぼく「そっかあ、ざんねん」

にんげんのおんなのひと「ざんねんね」

ぼく「ざんねんだね」

にんげんのおんなのひと「ざんねん」

ぼく「えっと、ぼくたち、ひっこします」

にんげんのおんなのひと「だからもうこないわ、ばいばい」

ぼく「あっさりしてるなあ」

にんげんのおんなのひと「いいのよ、なかよくないもん」

ぼく「ぼくも、たぶんもうこられません。ごめんなさい」

にんげんのおんなのひと「じぶんだってあっさりじゃない」

ぼく「しかたないよ、きらわれることしちゃったし」

にんげんのおんなのひと「それじゃあ、いきましょうか」

ぼく「うん、いこう……ばいばい」

40: 2017/07/14(金) 02:31:09.244 ID:ZnYWDAol0.net
狐娘「ぐぬぬ、右も左も分からんのう……」

おとこのこ「わーいわーいふーせーん!」

狐娘「やいそこの坊主!」

おとこのこ「ふぇ!? う、うう」

狐娘「この辺りで人間の大人の男」

おとこのこ「びえー! びええーん! ふやあー!!」

狐娘「なぁ!? 泣くな、泣くでない男の子じゃろ!」

おとこのこ「う、うう」

狐娘「ごめんの、いきなり大っきな声出してお姉ちゃんが悪かったの。すまんのう、よしよし」

おとこのこ「……ぐす」

狐娘「泣きやんだか? よし、強いぞ、えらいぞ」

おとこのこ「おねえちゃん、だれ?」

狐娘「わしか? わしは向こうの森にすんでおる、ええと……向こうの森に住んでおるお姉ちゃんじゃ」

おとこのこ「もりにすんでるの?」

狐娘「うむ。もうかれこれ五百…じゃなくて五年くらい」

おとこのこ「へー! ぼくね、ここのいえ! こっち、このいえですんでるの!」

狐娘「ほほほ、立派な家じゃな……これは、誰か氏んだのか?」

おとこのこ「おじいちゃん。おばあちゃんも。きょうのあさしんじゃったんだって」

狐娘「むう、悲しいのう。お主も寂しいじゃろうが泣くなよ」

おとこのこ「ぼく、なかないよ」

狐娘「そうか、えらいぞ」

41: 2017/07/14(金) 02:32:57.482 ID:ZnYWDAol0.net
おとこのこ「でもね、おはじきひとりでしててもつまんないの」

狐娘「ううむ、よーく分かるぞ。わしもやってみてつまらんことに気付いた」

おとこのこ「へー」

狐娘「……お姉ちゃんとちょっとやってみるか?」

おとこのこ「うん!」

43: 2017/07/14(金) 02:36:39.523 ID:ZnYWDAol0.net
狐娘「わっはっは!」

おとこのこ「あはははは!」

狐娘「いやー遊んだ遊んだ!」

おとこのこ「おもしろーい! もっとやろもっと!」

狐娘「こりゃこりゃ、もう暗くなって来ておるじゃろ。お家に帰るのじゃ」

おとこのこ「えー」

狐娘「それにわしも……は! 遊んでいる場合ではなかったのじゃ!?」

おとこのこ「そうなの?」

狐娘「うむ、人探しを……そうじゃ写真! これ! この男に見覚えはないかの!?」

おとこのこ「?」

狐娘「……ダメかぁ。くう、地道に探すかのー」

おとこのこ「おかーさんにきいてみる」

狐娘「おうおう、ありがとの」

46: 2017/07/14(金) 02:41:53.437 ID:ZnYWDAol0.net
狐娘「どうじゃった? いや、よい。知っとるわけないもんな」

おとこのこ「しってたよ!」

狐娘「ほ、ほんにか!?」

おとこのこ「うん!」

狐娘「それでどっ、どこにおるとな!」

おとこのこ「おじいちゃんだって! これおじいちゃんの写真でしょ? ともだちだったの?」

狐娘「……」

おとこのこ「おねえちゃん?」

狐娘「そうかそうか、お主のおじいちゃんか。ありがとの」

おとこのこ「かえっちゃうの?」

狐娘「うむ。慣れない町ではしゃぎすぎて疲れた。じゃあの」

おとこのこ「あ、まって! ちょっとまっててね!」

狐娘「なんじゃなんじゃ、もう帰るというに」

47: 2017/07/14(金) 02:48:58.039 ID:ZnYWDAol0.net
狐娘「しかし……そうか。ほんにわしは、ガンコ者の意地っ張りじゃのう」

おとこのこ「おまたせおねえちゃん!」

狐娘「走っては転ぶぞ、どうした?」

おとこのこ「これ、あげる!」

狐娘「なんじゃこれ」

48: 2017/07/14(金) 02:50:56.038 ID:ZnYWDAol0.net
おとこのこ「ゆびわ! じょうずにできてるでしょ!」

狐娘「上手に出来てるのう、器用じゃな。将来は指輪職人かの」

おとこのこ「しょうらいはね、おねえちゃんのおむこさん!」

狐娘「なっ」

おとこのこ「大きくなったらけっこんしようね!」

狐娘「っ、バカめ。お主みたいなうOこたれと結婚なんかせんわ!」

おとこのこ「え……」

狐娘「わしは人間なんかキライキライ大っキライじゃからの!」

おとこのこ「う、うっうあ……!」

狐娘「泣き虫もキライじゃ! 子供もキライじゃ! お主みたいなのが一等キライじゃ!!」

おとこのこ「びえー! びええーん! ふやあー!」

狐娘「ふん! いつまでも泣いておれ、いいザマじゃ! わっはっはっはっは!」

51: 2017/07/14(金) 03:02:08.474 ID:ZnYWDAol0.net
狐娘「ふふん、あの小僧の泣き顔は何度思い返しても笑えるのう。わっはっは!」

狐娘「さ、今日はもう寝るかの。町なんて出るもんじゃないのじゃ」

狐娘「たくさん歩かなきゃならんし、耳と尻尾がバレんよう気を使うし、人間の小僧のお守りはさせられるし」

狐娘「知らなくていいことまで、知らされるし」

狐娘「……」

狐娘「……う、うう」

狐娘「びえー! びええーん! ふやあー!」

狐娘「おっお愚か者ぉ! ぐす、勝手にいき、かってにいきおって、わしっ……わしと結婚する、けっこ、結婚すると言うたのに!」

狐娘「嘘つき! ひっく、嘘つきじゃ! 人間なんか、キラっ、ライじゃ! 大キライじゃ!」

狐娘「ぐず、はー、はー……わしが、ちょっと目を離、すと、ひっく……あっという間に歳を取りおって、氏におって」

狐娘「これだから……人間は嫌いなんじゃ……」



おわり

54: 2017/07/14(金) 03:04:45.376 ID:zhM5eeLX0.net
せつねえ

引用: ぼく(4)「大きくなったらけっこんしようね!」狐ロリ娘(500)「うん!!!」