159: 2012/02/27(月) 22:31:14.80 ID:6xUaWv060

桐乃「兄貴とのキスが気持ちよすぎてやめられない」【前編】


桐乃「」チュ

京介「Zzzz」

桐乃「熟睡してる……」

桐乃「もう一回、もう一回だけ……」

ガタガタガタガタ

桐乃「!!な、何の音……?」

ガタガタガタガタ

桐乃「窓……?」

桐乃「開けて、みよっか……」

桐乃「……」ガラ

桐乃「誰か……いるの?」

?「…り……の…………に……」

162: 2012/02/27(月) 22:35:23.31 ID:6xUaWv060
あやせ「きりのぉぉおっぉおおぉおお、なにやってるのおぉおおおおお!!!」

桐乃「きゃぁあっぁあああああああ!!!」

あやせ「きりのぉぉぉぉおおぉおお!!!!!」

桐乃「うぉわぁぁあぁあああああ!!あやせぇえええ?!!!」ガラガラッピシャ

あやせ「開けてよぉおお……開けてよ桐乃ぉぉおお……」

桐乃「うわぁあああ」

京介「zzz」

165: 2012/02/27(月) 22:41:38.98 ID:6xUaWv060
あやせ「桐乃桐乃桐乃桐乃桐乃桐乃」ドンドンドン

桐乃「うぉぉわ……」ブルブルブルブル

あやせ「ねえ、桐乃?知ってる?ガラスってね、案外簡単に割れるんだよ?」

桐乃「こ、来ないで……」

あやせ「こんな風になっ!!!!」ガシャーン

桐乃「きゃぁぁああぁぁああ!!!」

あやせ「ねえ、桐乃?」ガラ

あやせ「さっき、何してたのかな?」

168: 2012/02/27(月) 22:47:59.88 ID:6xUaWv060
桐乃「」ガクガクブルブル

あやせ「ずっと、見てたんだよ?」

あやせ「お兄さんと……キス……してたよね?」

桐乃「それは……」

あやせ「そんな、悪いことさせる唇はコレかな……?」

桐乃「あ、兄貴に……ち、近づかないで……」

あやせ「そんな悪い唇は引き千切っちゃおっか……?」

桐乃(兄貴が……殺されるッ……)

169: 2012/02/27(月) 22:51:53.36 ID:6xUaWv060
桐乃「う……うぉおおおおおお!!!!!」ドンッ

あやせ「痛っ……」

桐乃「兄貴にっ、京介に触るな!!!」

あやせ「ひどい……ひどいよ、桐乃……」

あやせ「人を突き飛ばすなんて……悪いこと……」

あやせ「悪いことしたら……お仕置きしなきゃ……ね?」

桐乃「」ゾワァ

あやせ「大丈夫、ちょっと意識を失う程度に加減するから」

172: 2012/02/27(月) 23:00:47.62 ID:6xUaWv060
桐乃「もし、アタシが気を失ったらどうする気なの……?」

あやせ「もちろん、お兄さんの唇を引っぺがすよ……当たり前でしょ?」

あやせ「それから、桐乃がお兄さんに邪な感情を抱かないように壊すだけだよ?」

桐乃「狂ってる……」

桐乃「そんなこと、させないから!!」

あやせ「ふーん、じゃあ……まずは、桐乃にお仕置きかな!!!!」

174: 2012/02/27(月) 23:07:32.57 ID:6xUaWv060
あやせ「大丈夫だよ?桐乃の可愛い顔に傷は付けないから!!」ブン

桐乃(お腹に!)

桐乃「ぐっ」

あやせ(ダメージが通らない……?)

桐乃「ふぅーっ……ふぅーっ……」

桐乃「いたい……」

あやせ「……」

あやせ「桐乃……痛かったでしょ?」

あやせ「このことは忘れて部屋に戻って?」

175: 2012/02/27(月) 23:13:48.26 ID:6xUaWv060
桐乃「ヒグっ……やだっ」ポロポロ

あやせ「仕方ない……」

あやせ「ふっ!」

桐乃「ぐっ……」ドン

あやせ「ごめんね」ドゴォ

あやせ「ごめんね桐乃」ドゴォ

桐乃(痛い、痛いけど、ここで折れたら……京介が……)

桐乃「負けないっ……!」ガッ

あやせ「な……」

桐乃「京介はアタシが守る……!!」

179: 2012/02/27(月) 23:20:36.57 ID:6xUaWv060
桐乃「うおおお!」ブン!

あやせ「当たらないよ、桐乃……そんな大振り……」

桐乃「わあぁあ!!」ブン!

あやせ「拳って言うのは……こうやって打つんだよ!!」ドゴォ

桐乃「ぐっ……」

あやせ「圧倒的に経験が違うんだよ……私と桐乃じゃ……」

桐乃「そんなの……関係ない……」

あやせ「気持ちじゃ、力の差は覆らないんだよ?」

185: 2012/02/27(月) 23:27:20.65 ID:6xUaWv060
あやせ「ねえ」

あやせ「桐乃」ガス

あやせ「もう気絶しちゃいなよ?」ブン!

桐乃「イヤだ……」ガッ

あやせ(止められた……?)

桐乃「避けるっていうのなら……アンタの手を引っ張って拳にぶち当てる!!」ドゴォ

あやせ「ぐっ……」

桐乃「やっと、一発!!」

あやせ「そんなことで喜ばないでよ……」

189: 2012/02/27(月) 23:35:11.75 ID:6xUaWv060
あやせ「たかが一発」

桐乃「ふん!!」ゴッ

あやせ(速い!)

あやせ「でも、速いだけなんだよぉ!!」スッ

桐乃「!!」

あやせ「人を殴るっていうのは!こうやるの!!」ドゴォ

桐乃「ぐっ」ガッ

あやせ(また……?)

桐乃「また、捕まえたよ……」

桐乃「くらえっ!!!」ドゴォ

あやせ「くっ…」

191: 2012/02/27(月) 23:42:19.10 ID:6xUaWv060
桐乃「二度も同じ手に引っ掛かるなんて、アンタバカなんじゃないの?」

あやせ「ふふ…手加減なんてするんじゃなかった」

あやせ「別に顔に傷が付いても人前に出なければいいよね?」

あやせ「アタシの部屋でずっと看病してあげるから安心して桐乃」

あやせ「このコート……脱ぐとは思わなかった」スッ

あやせ「さあ、やり合おう?」ドスン

196: 2012/02/27(月) 23:50:49.63 ID:6xUaWv060
あやせ「」フッ

桐乃「くっ」ドゴォ

あやせ「そろそろ、諦めたら?」ドゴ

桐乃「……軽い」

あやせ「なに?」

桐乃「アンタの拳は軽いんだよ……あやせ」

あやせ「ふん……つよがっちゃって……」

桐乃「もう、アンタの拳は当たってもダメージは通らない……!」

あやせ「ふふふふ」

200: 2012/02/28(火) 00:00:33.01 ID:6w6L97DH0
あやせ「なかなかね、桐乃」

桐乃「……ただ速いだけだね」

あやせ「フッ!」シュン

桐乃「くっ」ドッ

あやせ「ハァッ!」ヒュン

桐乃「無駄だって!」

あやせ(……スピード重視じゃ、無理か……)

あやせ(この一発に、全体重を乗せて……)

あやせ「うぉぉおおおぉおおおおおおお!!!」ドゴォォオ!

桐乃「」

202: 2012/02/28(火) 00:07:15.28 ID:6w6L97DH0
あやせ「ふっ……」

桐乃「……」

あやせ「まさか、読んでたの?」ドサァ…

桐乃「そう」

あやせ「くっ……立てない……」

桐乃「まともにアゴに入ったからね、寝てなよ」

あやせ「……まさか、この結末を予想してたって言うの?」

桐乃「……どっちにもダメージが通らない以上、スキのある威力のある拳を打たなきゃいけない」

205: 2012/02/28(火) 00:12:30.65 ID:6w6L97DH0
桐乃「スキが大きいんだから、後はそこを狙ってこっちも威力のある拳を打つ……ただ、それだけ」

あやせ「そっか……」

あやせ(甘く見てた……ダメージが通らないことで焦ってた……)

あやせ(桐乃はずっと冷静にそんな私を観察していた……)

あやせ(そんなこと普通できるはずがない)

あやせ(才能……圧倒的な才能……経験を覆す圧倒的な才能!)

207: 2012/02/28(火) 00:17:59.94 ID:6w6L97DH0
あやせ「悔しいけど……あなたの勝ち……おめでとう、桐乃」

桐乃「……勝った!」

桐乃「勝ったぁぁああああああ!!!!!」

「うるせぇな……」

桐乃「え?なに?良いとこだから邪魔しないでよ」

「なんぴとたりとも、俺の眠りを妨げるものは許さん……」

桐乃「あ?起こしちゃった?ごめーん」

桐乃「」トン ドサァ

209: 2012/02/28(火) 00:23:21.86 ID:6w6L97DH0
京介「ったく、人が寝てるところで、暴れやがって……」

あやせ「お兄さん……その技は」

京介「ああ……この数年、桐乃に付きまとう男どもを右手一つで昏倒させてきた」

京介「何年も延髄チョップを極めてきた、桐乃のためだけに」

京介「しかし睡眠を邪魔するというのなら……昏倒させる」

あやせ「二人とも、その格闘センスは一流ってことね……」ガク

210: 2012/02/28(火) 00:25:57.31 ID:6w6L97DH0
あやせ「でも……妹よりも睡眠をとるって」

京介「仕方ないだろう……眠いんだから」

京介「だからお前もおやすみ」トン

あやせ「」

京介「さて、もうひと眠りするか……」

京介「zzz」

桐乃「」

あやせ「」




お わ り

211: 2012/02/28(火) 00:26:18.01 ID:7cuGr3XK0
おい

225: 2012/02/28(火) 01:02:18.10 ID:6w6L97DH0
桐乃「」チュ

京介「Zzzz」

桐乃「熟睡してる……」

桐乃「もう一回、もう一回だけ……」

京介「んあ?」

桐乃「うわっ!あ、アンタ起きてたの?」

京介「起きてたの?って……お前が起こしたんだろ?何か用か?」

桐乃「いや、特に無いけど……」

京介「だったら起こすな……ったく……じゃ、俺、もうひと眠りするから」

226: 2012/02/28(火) 01:08:03.43 ID:6w6L97DH0
チュンチュン

京介「ふわぁあ、朝か……」

京介「夜中起こされた割にはよく眠れたな……」

京介「さて、学校行く準備でもするか……」

------

京介「おはよう」

母「あら、最近早いわね」

京介「まあ、早起きは三文の徳って言うし」

京介「そういや、桐乃は?」

母「あの子最近遅いのよ、疲れてるんでしょうね」

228: 2012/02/28(火) 01:13:50.97 ID:6w6L97DH0
京介「じゃ、俺起こしてくるわ」

母「そう?おねがいね」

京介(やっぱり、昨日相談があったんじゃ……)
---

京介「おーい、桐乃ー」コンコン

京介「まだ寝てんのか、入るぞー」ガチャ

桐乃「zzz」

京介「おい、起きろよ桐乃、メシ出来てるぞ」ユサユサ

桐乃「ん…ぅん?」

桐乃「な、なんでアンタがここに居んのよ!」

229: 2012/02/28(火) 01:19:02.66 ID:6w6L97DH0
京介「なんでって、起こしに来ただけだ」

桐乃「勝手に部屋入ってこないでよ!バカ!変態!」

京介「お前なあ…自分のこと棚に上げすぎだろ…」

桐乃「あ、アンタの部屋はいいの!」

京介「はいはい、ったく…起きたらさっさと朝メシ食うぞ」

桐乃「ちょっと!謝んなさいよ!」

京介「スンマセンでした」

桐乃「まあ許してあげる」

230: 2012/02/28(火) 01:24:03.31 ID:6w6L97DH0
京介「ああ、そういやさ、昨日人生相談あったんじゃないのか?」

桐乃「?……無いケド?」

京介「はあ?じゃあ、なんで昨日」

桐乃「ああもう!とくに理由は無いからほっといてよ!!」

桐乃「つーかさっさと部屋から出てけ!!」

京介「はいはい、わかったよ」

桐乃「……アンタにこんなこと言えるわけないじゃん……」ボソ


238: 2012/02/28(火) 01:40:57.45 ID:6w6L97DH0

京介「じゃ、行ってきます」

母「いってらっしゃい、あと今日遅くなるから夜ご飯適当に食べといて」

京介「はいよ」

桐乃「行ってきます……」

母「いってらっしゃい、車に気をつけるのよ?」

京介「小学生かっつーの」

239: 2012/02/28(火) 01:45:05.72 ID:6w6L97DH0
京介「一緒の時間に家出るの久しぶりだな」

桐乃「まあ、今日は朝練無いし、ゆっくりでもいいかなって思って」

京介「これはこれでいいもんだ」

桐乃「アンタはさ……」

京介「なんだ?」

桐乃「んーん、やっぱ何でもない」

京介(なんか変だな……)

「京ちゃーん!」タッタッタ

京介「おう、麻奈実か」

241: 2012/02/28(火) 01:49:35.83 ID:6w6L97DH0
桐乃「……アタシ、先行くから」タッタッタ

京介「お?おう」

麻奈実「おはよう、京ちゃん」

京介「なあ、麻奈実?」

麻奈実「なあに、京ちゃん?」

京介「お前、何で桐乃に嫌われてんの?」

麻奈実「ええ?!」

245: 2012/02/28(火) 01:55:54.08 ID:6w6L97DH0
麻奈実「桐乃ちゃん、何かあった?」

京介「ああ、昨日の夜中に俺の部屋にきて起こされたんだけど、何でもないって」

麻奈実「悩みごと?」

京介「今朝も聞いてみたんだけど、やっぱり何でもないって」

京介「あと、ボソっと”こんなこと言えるわけない”って、言ってた」

麻奈実「……それは、京ちゃんが気づいてあげないといけないんじゃないかな?」

249: 2012/02/28(火) 02:04:40.38 ID:6w6L97DH0
京介「そうなのか?」

麻奈実「そうなの」

麻奈実「それに京ちゃんは鈍感さんだから頑張らないといけないよ?」

京介「ああ、わかった、頑張るよ」

麻奈実「ふふ、応援してるね」

京介「……いつもありがとな」

麻奈実「今日は素直だねえ」

京介「うっせ、さっさと行こうぜ」

251: 2012/02/28(火) 02:10:12.67 ID:6w6L97DH0
京介「そういやさ、今日お袋遅くなるんだ」

麻奈実「おばさん今日は用事なんだあ」

京介「で夜メシ適当にしろってさ」

京介「でさ」

麻奈実「うーん、やめとくね」

京介「まだ、最後まで言ってないんだけど」

麻奈実「京ちゃんの言いたいことはわかるし、私もご飯作りに行ってあげたいけど」

麻奈実「桐乃ちゃんに頼んでみたら?」

255: 2012/02/28(火) 02:17:11.69 ID:6w6L97DH0
京介「アイツ料理できんのか……?」

麻奈実「料理って言うのは、好きな人に作ってあげるときが一番おいしくなるんだよ」

京介「だとしたら、今日はクソまずい夜メシになりそうだ……」

麻奈実「もう、京ちゃんったら……」

京介「?」

麻奈実「とにかく、桐乃ちゃんに頼んでみたらいいと思うよ」

麻奈実「きっと楽しい夕食になるから」

256: 2012/02/28(火) 02:21:52.27 ID:6w6L97DH0
京介「まあ、アイツも女だし食えるもんは出てくるだろ」

麻奈実「そんな、言い方ひどいよ」

京介「まあ、少しは期待しとくよ」

麻奈実「褒め言葉考えとかなきゃね」

京介「ああ、そうしとく」

麻奈実「あとね」

麻奈実「……桐乃ちゃんにまっすぐ素直に向き合ってあげてね?」

京介「?ああ、わかったよ」

259: 2012/02/28(火) 02:28:54.17 ID:6w6L97DH0
京介「さて、放課後だ」

赤城「なんか、今日の授業は早く感じたな」

京介「気のせいだろ」

赤城「今日はゲー研行くのか?」

京介「いや行かねえ真っ直ぐ帰る」

赤城「なんか用事でもあんのか」

京介「地獄の晩餐だ」

赤城「はあ?」

京介「ああ、まだ桐乃に電話してなかったな」

赤城「まあ、がんばれよ?」

260: 2012/02/28(火) 02:34:37.78 ID:6w6L97DH0
京介「あ、もしもし桐乃か?」

桐乃『な、なに?』

京介「今日の夜メシのことなんだけどさあ」

桐乃『まさか、地味子に作ってもらう気じゃないでしょうね!』

京介「いや、それも考えたんだが、麻奈実がお前に作ってもらえって」

桐乃『……まあ、いいけど』

京介「そうか、ありがとな」

桐乃『あと、今日早く帰るつもりだから』

262: 2012/02/28(火) 02:39:14.58 ID:6w6L97DH0
桐乃「アンタも早く帰ってきなさいよ」

京介『ああ、わかった』

桐乃「でさ……」

京介『ん?』

桐乃「すぅー、はぁー」

桐乃「二人で買い物……行こ?」

京介『了解』

桐乃「じゃ、後でね?」

京介『ああ、楽しみにしてる』プツ

桐乃「ふぅー」

あやせ「桐乃ー、誰からだったの?」

265: 2012/02/28(火) 02:44:08.53 ID:6w6L97DH0
桐乃「兄貴から!夜ごはん作ってくれって!」

あやせ「ずいぶん、うれしそうだね?」

桐乃「はあ?!そんなわけないし!!マジめんどくさいし!」

あやせ「じゃあ、アタシが作りに行ってあげようか?」

桐乃「だ、だめ!」

桐乃「いや、兄貴みたいな変態とあやせを会わせるわけにいかないし!!」

あやせ「まあ、桐乃がそこまで言うなら……」

266: 2012/02/28(火) 02:49:16.46 ID:6w6L97DH0
あやせ「そうだ!何作るか決めてるの?」

桐乃「いや、まだ何も」

あやせ「そうだと思った」

桐乃「アタシ的にはすごい料理作ってアイツを驚かせてやろっかなって」

あやせ「桐乃、料理作ったことある?」

桐乃「いや、そんなに無いケド」

あやせ「だろうと思った」

桐乃「でも、簡単な料理作ってもアイツは…アイツの周りには」

269: 2012/02/28(火) 02:54:33.14 ID:6w6L97DH0
あやせ「周りの人と比べなくていいの、桐乃は桐乃が出来ることを一生懸命やればいいんだよ」

桐乃「うん、頑張る……」

あやせ「ふふ、桐乃はホントにお兄さんのこと好きだね?」

桐乃「そ、そんなわけないし!!」

あやせ「もう、わかりやすいなあ」

桐乃「もう!あやせ!」

あやせ「で、本題に戻るんだけど」

桐乃「?」

271: 2012/02/28(火) 03:04:11.82 ID:6w6L97DH0
あやせ「桐乃は何が作れる?」

桐乃「作ったこと……ない」

あやせ「」

桐乃「ごめん」

あやせ「大丈夫!茹でたり、焼いたり簡単なことで出来る料理いっぱいあるから」

桐乃「なんか、急に不安になってきた……」

あやせ「えっと、例えば……」

桐乃「なるほど……」

桐乃「ありがと、あやせ!何とかなる気がしてきた」

273: 2012/02/28(火) 03:17:54.81 ID:6w6L97DH0
桐乃「ただいまー」

京介「おかえり、早かったな」

桐乃「うん」

京介「寒かったろ、ココア飲むか?」

桐乃「飲む、ありがと」

桐乃「ねえ」

京介「なんだ?」

桐乃「妙に優しくない?ちょっとキモいんだけど」

京介「……夜メシを作ってくれるお前に、なんか出来ることは無いかと」

桐乃「…そう」

296: 2012/02/28(火) 06:38:05.83 ID:6w6L97DH0
寝落ちしてた……申し訳ない

----

桐乃「買い物、行こっか」

京介「ああ、何作るつもりなんだ?」

桐乃「ミートソースのパスタ」

桐乃「おいしいの作ったげるから」

京介「ほう、期待してる」

桐乃「でもさ」

京介「ん?」

桐乃「あんまり美味しく作れないかも」

京介「いいんだよ、そんなこと」

297: 2012/02/28(火) 06:46:11.90 ID:6w6L97DH0
京介「こっちから頼んだんだし、それにさ」

桐乃「それに?」

京介「おまえが、作ってくれるってのが…まあ、なんだ…すごくうれしい」

桐乃「もう、何言ってんの?」

京介「いや、その……な」

桐乃「顔真っ赤じゃん」

京介「慣れないことしてるからな……」

桐乃「でもさ、そうやって真っ直ぐな感情向けられるのは悪くないかも」

298: 2012/02/28(火) 06:52:17.15 ID:6w6L97DH0
桐乃「なんか、つられてアタシも恥ずかしいこと言ってんじゃん……」

京介「だな」

桐乃「さっさと行くよ」

京介「おう」

桐乃「うわ、寒っ」

京介「ほら、コレ」

桐乃「ん?これ、アンタのマフラーじゃん、いいの?」

京介「ああ、俺は結構着こんでるし、お前外見重視で寒そうな格好してるしな」

桐乃「あ…ありがと」

299: 2012/02/28(火) 06:57:20.75 ID:6w6L97DH0
桐乃「ねえ」

京介「ん?」

桐乃「手も寒い」

京介「手袋か……持ってきてないぞ」

桐乃「必要無いって、手、つなご?」

京介「お、おう……」ギュ

桐乃「アンタ、手大きいんだね」

京介「そうか?一般的だと思うが……?」

桐乃「昔はさ……」

京介「ん?」

桐乃「やっぱ、なんでもない……」

300: 2012/02/28(火) 07:02:16.65 ID:6w6L97DH0
京介「お、着いたな」

桐乃「えーと、買うものは……」

京介「ミートソースだったな、あっちの方に湯煎して出来るやつが」

桐乃「そんなの使うわけ無いじゃん」

京介「そうなのか?」

桐乃「えーと、ホールトマトと……」

京介「けっこう、マジみたいだな」

桐乃「まあね」

京介「ホラ、カゴ持ってやるよ」

302: 2012/02/28(火) 07:09:39.19 ID:6w6L97DH0
京介「結構買い込むんだと思ってたが」

桐乃「うん、そんなに買うものないし」

京介「そりゃそうか、じゃさっさと帰ろうぜ」

桐乃「うん」

京介「どうした?」

桐乃「手…」

京介「ああ、わかったよ」

桐乃「フフっ、帰ろ」

京介(今日はすっげえ、デレデレだな)

桐乃(今更だけど、今日の京介はデレてる)

303: 2012/02/28(火) 07:16:34.82 ID:6w6L97DH0
京介「うう、寒かった…」

桐乃「やっぱ、寒かったんじゃん」

京介「いや、その、な?」

桐乃「ありがと…」ギュ

京介「まあ、いいんだよ……お前のためだからな」ナデナデ

桐乃「んふふ」

京介「上機嫌だな」

桐乃「アンタに撫でてもらうなんて、今までなかっ、ううん久しぶりだし……」

京介「ああ、そうか、そうだな」

304: 2012/02/28(火) 07:22:08.91 ID:6w6L97DH0
桐乃「じゃあ、作っちゃうから」

京介「ああ」

桐乃「テレビでも見て待ってて」

京介「手伝おうか?」

桐乃「ん、大丈夫」

京介「それならいいけど、怪我するなよ?」

桐乃「心配性ね……」

京介「まあな」

305: 2012/02/28(火) 07:26:28.17 ID:6w6L97DH0
桐乃「さて、えーと作り方は…」

桐乃「お湯わかして……野菜炒めてっと」ザッザッ

桐乃「ひき肉入れてっと」ジャッジャッ

桐乃「火が通ったらホールトマト入れて」

桐乃「パスタ投入してっと」

桐乃「ソースは煮込むだけっと」

桐乃「あとは、麺が茹であがるのを待つだけ…か」

桐乃「あやせの言うとおり意外と料理って簡単ね」

306: 2012/02/28(火) 07:32:23.41 ID:6w6L97DH0
桐乃「さて、麺は…と」チュル

桐乃「うん、柔らかくなってる」

桐乃「ミートソースはっと」ペロ

桐乃「うん、初めてにしちゃ上出来ね」

桐乃「できたよー」

京介「はーい」

桐乃「どう?」

京介「見た感じはだいぶいいな」

桐乃「でしょ、食べよ食べよ」

京介「おう」

308: 2012/02/28(火) 07:42:17.07 ID:6w6L97DH0
京介「」チュルチュル

桐乃「ど、どう?」

京介「……美味い」

桐乃「よっし」

京介「いや、マジほんと美味いわ」

桐乃「///」モグモグ

京介「なあ、桐乃」

桐乃「なに?」

京介「おかわりある?」

桐乃「ふふん、多めに作っといてよかったわ」

京介「じゃあおかわりもらうな?」

312: 2012/02/28(火) 07:56:07.84 ID:6w6L97DH0
京介「ふぅー、食った食った」

桐乃「初めて料理したけど、案外イケるわ」

京介「ああ、美味かったぞ」

桐乃「まあね!」

京介「さて、風呂入って寝るか……」

桐乃「一緒に入る?」

京介「ば、バカ言ってんじゃねえ」

桐乃「本気にした?」

京介「するわけねえだろ」

京介「入ってくるからな!」

315: 2012/02/28(火) 08:04:16.60 ID:6w6L97DH0
京介「ふう」チャポン

京介「今日の桐乃はずいぶんとデレデレだったな……」

京介「いつもああなら可愛いんだけどな……」

京介「ここで工口ゲなら妹が風呂に乱入してきたりするんだが…」

京介「まさかな……」

京介「いや、アイツ工口ゲ脳だし……」

京介「全くありえないってことは……」

京介「落ち着け…俺……」

316: 2012/02/28(火) 08:09:53.18 ID:6w6L97DH0
京介「風呂上がったぞー」

桐乃「んー」

京介(結局来なかったな……)

桐乃「じゃ、アタシも入ってくるから」

京介「おう」

桐乃「なに、こっちジッと見て」

京介「あ、イヤ、なんでもない」

桐乃「へんな兄貴」

321: 2012/02/28(火) 08:32:09.29 ID:6w6L97DH0
京介「もやもやする……」

京介「寝るか……」

京介「ちょっと早い気もするが」

京介「まあ、いいか……」

京介「……」

京介「部屋に戻ろう……」

328: 2012/02/28(火) 08:50:52.91 ID:6w6L97DH0
コンコン

京介「ん?どうした?」

桐乃「ちょっといい?」ガチャ

京介「かまわないけど」

桐乃「なんか、今日は一人になりたくなくてさ……」

京介「そうか」

桐乃「うん……」


329: 2012/02/28(火) 08:58:16.97 ID:6w6L97DH0
京介「前から聞きたかったんだけどさ、何でお前麻奈実のこと嫌ってんの?」

桐乃「覚えてない……?」

京介「ん?」

桐乃「昔さ、アンタと二人で公園で遊んでたときにさ」

桐乃「アンタの友達が何人か来て……」

京介「ああ、そうか……」

桐乃「思い出した?」

京介「ああ、思い出した」

331: 2012/02/28(火) 09:07:52.70 ID:6w6L97DH0
---

友達「京介ーこっちきて遊ぼうぜー」

京介「おーう!桐乃も来いよ」

友達「なんだ妹もいたのかよ」

京介「いいじゃねーかよ」

友達「おまえだけこいよー」

麻奈実「桐乃ちゃんも一緒に誘ってあげようよー」

友達「やだよ、京介行くぞー」ガシッ

京介「ちょ、待てって」

桐乃「お兄ちゃんまってよ……」

332: 2012/02/28(火) 09:12:53.92 ID:6w6L97DH0
友達「行くぞ」タッタッタ

京介「待てって桐乃を置いてけないし」タッタッタ

桐乃「お兄ちゃん……」

桐乃「……」

麻奈実「あ……桐乃ちゃん、ごめんね」タッタッタ

桐乃「ねえ、待ってよ……お兄ちゃん……おにいちゃん!!」タッタッタ

桐乃「あれ?ココどこ?」

桐乃「……」ヒクッ グスッ

桐乃「おにいちゃぁん……」

334: 2012/02/28(火) 09:16:58.90 ID:6w6L97DH0
---

京介「それからか…俺が桐乃と一緒に居づらくなって距離を置いてた……」

桐乃「うん、まなちゃんが悪いとは思ってないけど、知ってる誰かのせいにしたかったんだと思う……」

京介「ごめんな、桐乃」

桐乃「ううん、もういいの」

京介「本当にごめん、何年も放りっぱなしにして……」

桐乃「もういいの、それにさ……これからはさ」

335: 2012/02/28(火) 09:21:00.54 ID:6w6L97DH0
桐乃「これからはさ……いっぱいかまってくれるでしょ?」

京介「ああ、当たり前だろ」

桐乃「いっぱい一緒にいて、褒めて頭撫でてくれたり、ギュってしてくれたり……」

京介「ああ、なんでもしてやるよ」

桐乃「だから、いいの」

京介「ああ」ギュ

桐乃「でさ」

桐乃「さっき、なんでもしてくれるって言ったよね?」

338: 2012/02/28(火) 09:33:16.75 ID:6w6L97DH0
京介「ああ、何してほしいんだ?」

桐乃「今日さ、一緒に寝ていい?」

京介「そんなことか……いいぞ?」

桐乃「へへっありがと」

京介「ほらベッドに来いよ」

桐乃「うん…」

桐乃「ねえ」

京介「どうした?」

桐乃「大好き」

京介「ああ、俺もだ」

339: 2012/02/28(火) 09:39:07.64 ID:6w6L97DH0
桐乃「腕枕してくれない?」

京介「ああ」

桐乃「抱きついてもいい?」

京介「存分に抱きつけ」

桐乃「うん」ギュー

桐乃「あったかい……」

京介「そうだな」

桐乃「眠たくなってきた……」

京介「ああ、寝てくれ…」

桐乃「お兄ちゃんはまだ寝ないの?」ウトウト

京介「桐のが寝たら俺もすぐ寝るよ」

346: 2012/02/28(火) 10:13:13.32 ID:6w6L97DH0
桐乃「zzz」スゥスゥ

京介「寝たか……」ウトウト

京介「俺も、もう……」ウトウト

京介「おやすみ、桐乃」チュ

京介「zzz」

桐乃「zzz」

350: 2012/02/28(火) 10:35:45.60 ID:6w6L97DH0
京介「ん……」

桐乃「あ?起きた?」

京介「んああ、おはよう」

桐乃「今日さ、まなちゃん家行かない?」

京介「ああ、いいけど、何で急に」

桐乃「昨日のことでさ、いろいろ振り切れたっていうか……ちゃんとしときたいと思って」

京介「ああ、わかったよ」


351: 2012/02/28(火) 10:41:05.40 ID:6w6L97DH0
それから、麻奈実の家に行き

照れくさそうに笑う麻奈実と桐乃を見て

俺は思った

これが本来あるべき姿なのだと…



正直、俺にとっての今回の功労者は麻奈実だと思う…

こいつは俺と桐乃との関係をなんとかしたかったんだろう

麻奈実が再び結んでくれた兄妹の絆はずっと守っていくつもりだ




おわり

356: 2012/02/28(火) 10:55:34.14 ID:DLQgDST3O

引用: 桐乃「兄貴とのキスが気持ちよすぎてやめられない」