1: 2012/02/28(火) 22:48:34.96 ID:ZVCtyDN70
クラスメイツ「おおー」パチパチパチ
前回:【IS】一夏「ラウラ・ボーデヴィッヒは俺の嫁!」
4: 2012/02/28(火) 22:50:38.70 ID:ZVCtyDN70
◇
箒「……一夏、ちょっと来い」
一夏「おう箒、久しぶ―――」
箒「いいから来いッ!」グイッ
一夏「おわっ」
ラウラ「おっと、人の嫁に乱暴するのはいただけないな」
箒「っ……おい、一夏」
一夏「お、おう?」
箒「さっきの『俺の嫁』発言は、どういうことだ!」
一夏「どういうことも何も……なぁ?」
ラウラ「うむ。私は嫁の嫁であり、嫁は私の嫁であるということだ」
箒「……頭が痛い……」
箒「……一夏、ちょっと来い」
一夏「おう箒、久しぶ―――」
箒「いいから来いッ!」グイッ
一夏「おわっ」
ラウラ「おっと、人の嫁に乱暴するのはいただけないな」
箒「っ……おい、一夏」
一夏「お、おう?」
箒「さっきの『俺の嫁』発言は、どういうことだ!」
一夏「どういうことも何も……なぁ?」
ラウラ「うむ。私は嫁の嫁であり、嫁は私の嫁であるということだ」
箒「……頭が痛い……」
6: 2012/02/28(火) 22:51:35.65 ID:ZVCtyDN70
箒「つ、つまりだ。お前たち2人はその……こ、恋人同士なのか?」
一夏「いや、恋人じゃないぞ」
箒「そうなのか?」パァッ
ラウラ「私たちは夫婦だから確かに恋人ではないな」
箒「なっ……」ズーン
箒「……わかった、もういい」フラフラ
一夏「あっ、おい……あ。そういや箒、剣道の大会優勝したんだって? 千冬姉から聞いたよ、おめでとう!」
一夏「って聞こえてないか」
ラウラ「さて、嫁よ。私たちの愛の巣に向かおうではないか」
一夏「愛の巣って……どこでそんな言葉を覚えたんだよ」
一夏「(聞かなくても見当はつくが)」
ラウラ「クラリッサだ!」ドーン
一夏「(やっぱり……)」
7: 2012/02/28(火) 22:52:47.00 ID:ZVCtyDN70
一夏「ま、いいや。とりあえず部屋に向かうか」
ラウラ「うむ」
ラウラ「私と同室だから部屋番号は1025だ。連れて行ってやる」
一夏「助かるぜ」
テクテク
一夏「……お、ここか」
がちゃ
ラウラ「なかなか広いだろう?」
一夏「(普通の私学とは比べ物にならないレベルの寮部屋だな、こりゃ)」
ラウラ「ベッドは2つ、プライベートを尊重して仕切りもある」
ラウラ「私は1つでいいと言ったのだが今後ここを使うやつらのこともあると言われて断念した」
ラウラ「そうそう、部屋付のシャワーは1つだ。私は一緒でもいいが」フフン
8: 2012/02/28(火) 22:53:58.27 ID:ZVCtyDN70
ラウラ「何か質問はあるか?」
一夏「んーと、ラウラはベッドは窓側と廊下側どっちがいいんだ?」
ラウラ「どっちでもいいぞ。どうせ同じベッドで寝るのだからな」
一夏「それもそうか。なら景色のいい窓側にさせてもらうよ」
ラウラ「わかった。……さて」ギュッ
一夏「お?」
ラウラ「久々の嫁分を補給しなくてはな」
一夏「俺も……ラウラ分もクラリッサ分も足りないなぁ」ギュ
ラウラ「クラリッサなら呼べば来るのではないか? んぅ……」スリスリ
一夏「そこまで迷惑かけられないよ。でもクラリッサのことだから何かにつけて呼びつけてきそうだな……」ナデナデ
ラウラ「クラリッサはあまり表情を変えないが、割と内心では想いが煮えたぎっているのかもな」スンスン
ラウラ「まぁ、嫁なら微細な表情の変化でも読み取れるだろう?」
一夏「それにかけては自信あるぜ。なんたって嫁だしな」ポンポン
ラウラ「信頼しているぞ、嫁よ」
9: 2012/02/28(火) 22:56:14.83 ID:ZVCtyDN70
一夏「うーんラウラ、嫁じゃなくて一夏って呼んでくれないか?」
一夏「嫁のことを嫁と呼ぶ人ってはいない……わけでもなさそうだけど俺は名前で呼んでほしいな」
ラウラ「そうか? ならば今後は一夏と呼ぶことにしよう」
一夏「サンキュ、ラウラ」
ラウラ「一夏が私のことも名前で呼んでいるのだから当然だ」
コンコン
一夏「あ、はーい」
クラリッサ「クラリッサ・ハルフォーフだ。入ってもいいか?」
一夏「……噂をすれば何とやら、だな」
ラウラ「ああ」
一夏「どうぞー」
クラリッサ「失礼する。ふむ……改めて自己紹介しておこうか」
クラリッサ「今年度からIS学園に教師として赴任したクラリッサ・ハルフォーフだ」
クラリッサ「知ってのとおりIS学園にいる間はどの国家・団体などにも所属しない」
クラリッサ「そのためドイツ軍IS部隊副隊長も、隊長もここにはいない」
11: 2012/02/28(火) 23:00:08.49 ID:ZVCtyDN70
クラリッサ「それを踏まえて……ゴホン」
クラリッサ「ボーデヴィッヒ、織斑。お前たちは学園で唯一の男女同室だ」
クラリッサ「あまりおいたをしすぎないようにな」
一夏「はは……」
ラウラ「おいたとはなんだ、一夏」
一夏「それはおいおい教えるよ。この学校保健の授業とかあるのかな……」
クラリッサ「忠告は以上だ。ああ、これは独り言になるのだが……
そうそう、この学園はセキュリティもだが防音機能もハイレベルらしいな」
クラリッサ「体育館の倉庫や生徒指導室などもな!」キリッ
一夏「なぜピンポイントで普段は人がいないところばっかり」
クラリッサ「ありていに言えば気づかれなければ良いということだな」
クラリッサ「では失礼する」スタスタ
14: 2012/02/28(火) 23:04:06.85 ID:ZVCtyDN70
一夏「待ってください」ガシッ
クラリッサ「……なんだ、織斑」
一夏「勤務時間は17時までですよね?」
クラリッサ「そうだが」
一夏「あと5分、ですね」
クラリッサ「あと5分、だな」
一夏「……」
クラリッサ「……」
一夏「……」
クラリッサ「……ふぅ」
クラリッサ「ふむ、思春期の男子がいかがわしいものを持ち込んでいないか調べるとしよう……5分ほどかけて」
一夏「どうぞどうぞ」ニコニコ
クラリッサ「……なんだ、織斑」
一夏「勤務時間は17時までですよね?」
クラリッサ「そうだが」
一夏「あと5分、ですね」
クラリッサ「あと5分、だな」
一夏「……」
クラリッサ「……」
一夏「……」
クラリッサ「……ふぅ」
クラリッサ「ふむ、思春期の男子がいかがわしいものを持ち込んでいないか調べるとしよう……5分ほどかけて」
一夏「どうぞどうぞ」ニコニコ
15: 2012/02/28(火) 23:09:10.41 ID:ZVCtyDN70
~5分後~
一夏「……」チラッ
一夏(3……2……1……よし)
一夏「久しぶり、クラリッサ」ギュッ
クラリッサ「んっ……。これが、かの有名なあすなろ抱きというやつですか」
一夏「知ってるのか、さすが」
クラリッサ「憧れて、いましたから」
クラリッサ「初めて恋を知った……初めて恋と言うものを教えてくれたあなたに、いつかこうしてもらえることを」
一夏「……そ、そこまではっきり言われると照れるな」
クラリッサ「厳然たる事実ですよ」クス
一夏「んー……?」
一夏「ちょっと頬が赤くなってるぞ?」ツンツン
クラリッサ「……!」プイッ
20: 2012/02/28(火) 23:14:10.89 ID:ZVCtyDN70
一夏「なんにせよ元気そうでよかった。安心したよ」
クラリッサ「まったく……」クルッ
クラリッサ「……この胸に抱かれると、安心します」ギュ
一夏「ん……」
一夏「俺もクラリッサを抱きしめてると落ち着くよ」
ラウラ(……ふむ)
ラウラ「んしょ」グイ
ラウラ「クラリッサと一夏の両方に抱きしめられている私は得だな!」フフン
一夏「ラウラは可愛いなぁ」ナデナデ
クラリッサ「はい、本当に」ナデナデ
ラウラ「く、くすぐったいぞ」フルフル
一夏「うーむ、これが幸せというものか……」
21: 2012/02/28(火) 23:19:39.78 ID:ZVCtyDN70
クラリッサ「こうしているとまるで夫婦と子供のようですね」
一夏「たしかに。ラウラ小っちゃいからなぁ」
ラウラ「うん? 私と一夏が夫婦なのだろう?」
一夏「いや、それだとクラリッサが子供に……」
クラリッサ「……そういうのがお好みですか?」
一夏「いやいやいやいや」
一夏(子供のクラリッサとか全く想像できない)
クラリッサ「あ……そろそろ戻らないとダメですね」
一夏「そうか……じゃ、また今度そのうちな」
クラリッサ「はい、では……んっ」チュ
一夏「ん……お仕事お疲れさま」
クラリッサ「……では。失礼しました」スタスタ
がちゃり
24: 2012/02/28(火) 23:23:23.34 ID:ZVCtyDN70
ラウラ「どうだ一夏、クラリッサ分は補充できたか?」
一夏「うーん、ちょっと足りないかな」
ラウラ「そうか、ならば私が補ってやろう」グイッ
一夏「わっ……ん、む」
ラウラ「ん、ふ……はぁっ、ちゅ、ちゅぷっ、れろ」
ラウラ「んんっ……ぷは」
ラウラ「どうだ、満足できたか?」
一夏「今日のところは、な」
ラウラ「したくなったらいつでも言うがいい、私がしたくなったときは勝手にするからな」
一夏「はいよ」ナデナデ
26: 2012/02/28(火) 23:24:59.00 ID:ZVCtyDN70
一夏・ラウラ「「やることもないな」」
一夏「シャワー浴びて寝るか」
ラウラ「一緒に浴びたいのか?」
一夏「いや、まだそこまでは……そのうちな」
ラウラ「うむ。どっちが先に浴びるべきだろうか」
一夏「あー、俺は荷解きしなきゃいけないから先に浴びてていいぜ。つってもあんまり量がないからすぐに終わりそうだけど」
ラウラ「わかった。ならお先だ」
一夏「おう、ごゆっくり」
一夏「……さて、やるか」
◇
一夏「ふう、さっぱりした」わしゃわしゃ
ラウラ「ふあぁ……一夏、私は先にベッドに行っているぞ」
一夏「分かった、髪を乾かしたら行くよ」
28: 2012/02/28(火) 23:27:19.62 ID:ZVCtyDN70
ラウラ「待っているぞ。と、その前に……ん」
一夏「え?」
ラウラ「おやすみのキスだ」
一夏「ああ。んっ」チュ
ラウラ「ん……よし、布団を暖めておく」テクテク
一夏「あいあいさー」
一夏(“おやすみの”か。なら“おはようの”もあるのかな)ブオー
ぱたぱた
一夏(ん、乾いたな)
一夏「よいしょ」もぞもぞ
ラウラ「早かったな……ん」ギュ
ラウラ「私が布団代わりだな」ドヤァ
一夏「はは、あったかいよ」ギュッ
ラウラ「おやすみだ、一夏」
一夏「おやすみ、ラウラ」
29: 2012/02/28(火) 23:30:05.14 ID:ZVCtyDN70
◇
一夏「ん~……」ムクッ
一夏「ラウラは……まだ寝てるか」
一夏(抱きつかれてるから起きるに起きれないな)
一夏「……起きるまで待つか」ナデナデ
ラウラ「ん、ん……」
ラウラ「んー……もう朝か……ふわぁ」
一夏「起こしちゃったか。おはよう、ラウラ」
ラウラ「ああおはよう……一夏……むにゃ」
一夏「ほら、二度寝すると後がつらいぞ」ぺちぺち
ラウラ「ぅぅん……ん、よし。起きたぞ」
一夏「よしよし」ナデナデ
一夏「とりあえず顔洗って歯を磨いて……授業の支度だな」
ラウラ「うむ」ギュ
一夏「ん~……」ムクッ
一夏「ラウラは……まだ寝てるか」
一夏(抱きつかれてるから起きるに起きれないな)
一夏「……起きるまで待つか」ナデナデ
ラウラ「ん、ん……」
ラウラ「んー……もう朝か……ふわぁ」
一夏「起こしちゃったか。おはよう、ラウラ」
ラウラ「ああおはよう……一夏……むにゃ」
一夏「ほら、二度寝すると後がつらいぞ」ぺちぺち
ラウラ「ぅぅん……ん、よし。起きたぞ」
一夏「よしよし」ナデナデ
一夏「とりあえず顔洗って歯を磨いて……授業の支度だな」
ラウラ「うむ」ギュ
32: 2012/02/28(火) 23:33:03.51 ID:ZVCtyDN70
一夏「おいおい、洗面所までくらいは自分の足で歩こうぜ」
ラウラ「仕方ないな」テクテク
一夏・ラウラ「「ん……」」パシャパシャ
一夏・ラウラ「「……」」シャコシャコ
一夏・ラウラ「「がらがらー……ぺっ」」
一夏「ラウラ、寝癖ついてるぞ」
ラウラ「む?」
一夏「ここにおいで」ポンポン
ラウラ「うむ!」ポスン
ラウラ「一夏の膝の上は快適だな」
一夏「あぐらをかくとサイズぴったりですっぽり収まるなぁ」
33: 2012/02/28(火) 23:36:08.96 ID:ZVCtyDN70
一夏「……よし、直った」
ラウラ「一夏に寝癖……は、無いようだな」
一夏「うし、着替えて朝飯食いに行くか」
ラウラ「うむ」
一夏「ふんふふ~ん」スルスル
ラウラ「ご機嫌だな」シュルッ
ラウラ「スカートというものはスースーして好かんから私はズボンだ」
一夏「俺はラウラのスカート姿も見てみたいけどな」
ラウラ「嫁の望みとあらば……いずれな」
一夏「まだこの時期は寒いしな」
一夏「よーし、行くか」
ラウラ「ああ」
がちゃ・・・・・・ぱたん
36: 2012/02/28(火) 23:38:04.07 ID:ZVCtyDN70
一夏「鍵、鍵、と……」カチャリ
ラウラ「む、大事なことを忘れていた」
一夏「どうした? 忘れ物でもあったか?」
ラウラ「おはようのキス、だ」チュッ
一夏「んむっ」
女子『キャー! 朝っぱらからだいたーん!』
一夏「……確かにそうだけど、衆人環視では避けて欲しかったぜ」
ラウラ「何を恥ずかしがることがある。夫婦の当然の営みだ」
一夏「それもそう……か?」
ラウラ「そうだ。さぁ行くぞ」ギュ
一夏(僅かではあるが膨らみかけの胸が腕に……)
一夏「いかんいかん」ブンブン
37: 2012/02/28(火) 23:40:11.52 ID:ZVCtyDN70
~食堂~
箒「あ、一夏……」
一夏「おう箒、おはよう」
箒「おはよう」
一夏「ほら、ラウラも挨拶」
ラウラ「篠ノ之箒……だったな。ラウラ・ボーデヴィッヒだ。ラウラと呼んでくれていい。よろしく頼む。そしておはよう」
箒「あ、ああ。篠ノ之箒だ。箒でいい。おはよう」
一夏「箒は今から朝食か?」
箒「ああ」
一夏「んじゃ一緒に食べようぜ」
箒「え……いいのか? 私がいては邪魔になるのではないか」
一夏「なんでだ?」キョトン
箒「いや、その、お前には嫁とやらがいるじゃないか」
一夏「ああラウラのことを気にしてんのか?」
一夏「別に気にしないぜ。ラウラだって友達が増えるんなら大歓迎だろ?」
39: 2012/02/28(火) 23:43:01.44 ID:ZVCtyDN70
ラウラ「ああ。心を許せる存在というものはかけがえないからな」
一夏「だってさ」
箒「……ならお言葉に甘えよう」
一夏「ん。席は……あったあった」
一夏「よいしょ」ポフ
ラウラ「ん」ポフ
箒(やはり隣に座るのか)スッ
一夏「いやー昨日聞こえてたかわからないからもう一度言っておくけど」
一夏「剣道の大会で優勝したんだって? 千冬姉から聞いたよ。おめでとさん」
箒「……ああ。ありがとう」
ラウラ「そういえば一夏、箒とはどういう関係なのだ?」
一夏「ん? 幼馴染だよ」
一夏「正確に言えば幼馴染はもう1人いるからファースト幼馴染ってところか」
40: 2012/02/28(火) 23:46:37.84 ID:ZVCtyDN70
ラウラ「もう一人いるのか」
箒「私と面識はあるか?」
一夏「箒がいなくなったのが小4の終わりで、鈴と出会ったのが小5の春だからな。面識はないな」
一夏「あ、鈴ってのはそいつの名前な。鳳鈴音[ファンリンイン]って言うんだ」
ラウラ「女か」
一夏「女だな」
箒(また女……)
ラウラ「良い男のもとには女が寄ってくるというからな、つまり一夏が魅力的だということだろう。私は鼻が高いぞ!」
箒(ああ、そういう考え方もアリか)
箒(……アリか?)
一夏「鈴とはむしろ親友って感じかなー。言いたいことを言えて、時にはぶつかって、仲直りして……」
一夏「五反田弾って言う友達と3人でよく遊んだり悪戯したりしたよ」
ラウラ「ふむ、幼馴染というより悪友としての面が強いのか」
一夏「そんな感じだな。箒は剣道の師匠みたいな感じで、ラウラはうーん……戦友かな?」
箒「一夏は剣道を始めてからすぐに私を追い越して行っただろう」
41: 2012/02/28(火) 23:51:48.04 ID:ZVCtyDN70
一夏「剣道はしばらくやってないからなぁ……どうなんだろ」
一夏「箒、そのうち手合せしないか?」
箒「ああ。私は構わない」
一夏「ありがとな。っとそろそろ授業が始まっちまう。行こうぜ、2人とも」
ラウラ「うむ」ギュ
箒「……」ジー
ラウラ「? どうした?」
箒「いや、なんでもない」
ラウラ「……別に組んでも構わないぞ」
箒「ほ、ほんっ―――こほん。いや、遠慮しておく」
ラウラ「そうか」
一夏「早く行かないと遅刻しちまうぞー」
箒「分かった、今行く」
43: 2012/02/28(火) 23:56:03.32 ID:ZVCtyDN70
千冬「さて、これからクラス代表を決めねばならん。自薦他薦は問わない、誰かいないか?」
ラウラ「はい、教官!」
千冬「先生、だ。それでボーデヴィッヒ、お前が立候補するのか?」
ラウラ「いえ、わが嫁たる織斑一夏を推薦します!」
ざわっ・・・・・・
千冬「ふむ……他にいないか? いないなら―――」
セシリア「ま、待ってください! 納得がいきませんわ!」バンッ
セシリア「大体男がクラス代表だなんて恥晒しもいいところですわ!
物珍しさで選ばれた代表が無様に他クラスに敗北するなどということがあってはなりません!」
セシリア「力量で言えばクラス代表であるべきはこのわたくし、イギリス代表候補生のセシリア・オルコットでしてよ!」
セシリア「どうせIS起動時間などほとんど無いに等しいのでしょう?
千冬「……オルコット、織斑がISを起動させたのは2年前だということは知らないだろう」
セシリア「え……?」
千冬「情報保護として箝口令を敷いたからな。ふぅ……ボーデヴィッヒ」
44: 2012/02/28(火) 23:57:20.46 ID:ZVCtyDN70
ラウラ「はい。ふん、そこの金髪クルクル女」
セシリア「だ、誰が金髪クルクル女ですか!」
ラウラ「嫁を侮辱するようなやつはそれで十分だ」
ラウラ「織斑一夏は2年前に訓練兵としてドイツ軍に参加、途中でIS部隊に移籍した。ISの訓練を行っている間も一般訓練を行っていたし、起動時間は4ケタにも及ぶ」
セシリア「……は? よ、4ケタ!?」
ラウラ「貴様でさえ起動時間4ケタに届かないだろう。加えて身体能力も一夏のほうが優れているはずだ」
ラウラ「さて、どちらが代表であるかは明白だな?」
セシリア「……わ、わたくしは入試で唯一試験官を倒した実績がありましてよ!?」
ラウラ「何を言っている? 一夏も倒したぞ」
ラウラ「私はドイツ軍での経験を踏まえて入試の戦闘はパスだったがな」
ラウラ「女で唯一、というオチではないのか」
セシリア「なっ……な、ならば決闘ですわ! 直接戦って雌雄を決しましょう!」
ラウラ「懲りないやつだな……」
一夏(俺……他薦された本人なのにすっげぇ蚊帳の外)
45: 2012/02/28(火) 23:59:43.19 ID:ZVCtyDN70
ラウラ「ふむ……一夏は私を倒しているからな。わたし程度を倒せないようでは一夏に到底届くまい」
ラウラ「私が相手になろう」
一夏「あーいや、待ったラウラ」
ラウラ「む……なんだ」
一夏「俺がやるよ。ラウラ意外と実戦した経験がないからいい勉強になると思うし」
一夏「ラウラと俺じゃまったくタイプが違うから相性もあるだろうし、俺が出ればあっちも納得するだろ」
ラウラ「ふむ……一夏がそういうのならば」
千冬「話はまとまったか? では来週の月曜の放課後、第3アリーナでクラス代表決めを行う」
千冬「各自準備しろ。いいな?」
一夏・セシリア「「はい」」
セシリア(このわたくしが負けるはずがありませんわ……!)メラメラ
46: 2012/02/29(水) 00:00:47.19 ID:ooAjfoO50
~第3アリーナ・ピット内~
千冬「織斑、お前の専用ISが届いた! すぐに支度しろ!」
一夏「え? 俺は量産機でいいですよ、ドイツでもそっちだったんだし慣れてますから」
千冬「いいからこの『白式』にしろ、フォーマットとフィッティングは実戦の中でな」
一夏「ええー……はいはい、わかりましたから睨むのをやめてください」
一夏「っと……来い、白式」
キィィン・・・・・・
一夏「……!?」
一夏「こ、れは……」
千冬「行けるな?」
一夏「はい。行ってきます!」バシュッ
一夏「すまん、待たせたな」
セシリア「あら、恐れて逃げ出したのかと思いましたわ」
一夏「怖いより楽しみって感じだなー、実戦なんて久々だし」
セシリア「そ、そうですの」
47: 2012/02/29(水) 00:02:49.92 ID:ooAjfoO50
千冬『準備はいいな。では……始めッ!』
セシリア「ふふっ、先手を譲って差し上げてもよろしくてよ」
一夏「そうか、ならお言葉に甘えて」ヒュン
セシリア「っ!」
ガギィンッ!
セシリア(徒手!? しかも速い!)
一夏「んー……」
一夏(やっぱ慣れるまでは量産型のほうがよかったんじゃないかなぁ)
セシリア「では、こちらも行きますわ!」
一夏(へえ、ビット4機の……遠、いや中距離タイプか? 近距離型の俺が組めばバランスがいいかもな)
一夏「あ、武器武器っと……あれ? 1個だけか」
一夏「ブレードか。俺にぴったりだな!」
50: 2012/02/29(水) 00:05:50.03 ID:ooAjfoO50
セシリア(武器今頃!? しかし……)
セシリア「中距離射撃型のわたくしにブレード1本? 笑止、ですわ!」
一夏「(ビット攻撃2陣目、撃ち落とせるか)」
一夏「ふっ!」ヒュッ
キィンッ キィンッ
セシリア「なっ……!?」
一夏「反応が一番遅いだろうと思われるところを狙ってくるか。いい狙いだな」
一夏「けど……悪いな、俺は“良く視える”し身体もそれについていくんだよ」
一夏「んじゃ、そろそろケリをつけるか」
セシリア「くっ……! なら、もう一度!」
一夏「無駄だっての」ヒュンッ
一夏「その様子を見ると制御中は他の動作を出来なさそうだな」
セシリア「くっ、懐に……!」
一夏「もらった!」
セシリア「―――掛かりましたわね!」
52: 2012/02/29(水) 00:08:07.00 ID:ooAjfoO50
セシリア「わたくしのブルー・ティアーズは4機ではなく6機ありましてよ!」
一夏「なにっ!? やべぇっ……!」
セシリア「さぁ、くらいなさいな!」
一夏「間に合わない、やられる……っ」
一夏「なんて、な」シュッ
セシリア「そんなっ……避けられた!?」
一夏「機体を見てその可能性は考えてたよ、装備に対して機体に無駄がありすぎる」
一夏「ただ単に装飾か、もしくは何かが隠されているんじゃないかってな―――」
一夏「おらぁっ!」ブゥンッ
セシリア「きゃあっ……!」
『被ダメージ大、警告。シールドエネルギー残量67』
セシリア「い、一撃で……!?」
54: 2012/02/29(水) 00:11:18.76 ID:ooAjfoO50
一夏「どうする? まだやるか?」
セシリア「ま、まだわたくしは戦えますわっ!」
一夏「そうか、わかっ……ん?」
―――フォーマットとフィッティング終了しました。確認ボタンを押してください。
一夏「なんだ……? でもとりあえず、ほい」ピッ
キィィィィィィン・・・・・・
一夏「これは……」
セシリア「ま、まさか一次移行<ファースト・シフト>!? もしやあなたは今まで初期設定だけで戦っていたんですの!?」
一夏「これが移行<シフト>か。身体が軽くなった感じだな」
一夏「よーし、続きやろうぜ」
セシリア「……したわ」
一夏「え?」
セシリア「参り……ましたわ」
55: 2012/02/29(水) 00:13:50.88 ID:ooAjfoO50
セシリア「1撃すら与えられず、攻撃を完全に読まれ、逆に1撃だけでシールド残量は0に近い」
セシリア「しかもそれがすべて初期設定の機体によってもたらされたというもの……敵うはずが、ありませんわ」
セシリア「わたくしの負けです」
千冬『そこまで。勝者、織斑一夏!』
ワー ワー キャー キャー
一夏「そっか。お疲れさん」スッ
セシリア「え……?」
一夏「なに驚いてんだよ。握手だよ、握手」
セシリア「こ、こんな無様な大敗を喫したわたくしに、なぜその手を差し出してくださるのですか」
一夏「なんでって……同じISを使うものとして、クラスメイトとして、戦った仲として……戦いが終わった礼儀として。当然だろ?」ニカッ
セシリア「……おかしな方ですわ」クスッ
一夏「そうかぁ?」
セシリア「ええ。でも、ありがとうございます」ギュ
セシリア「それと、数々の非礼……本当に申し訳ありませんでした」ペコ
57: 2012/02/29(水) 00:16:22.66 ID:ooAjfoO50
一夏「おいおい、そんな深々と頭を下げられても困るぞ」
セシリア「いえ、これはわたくしの心からの気持ちです」
セシリア「あなたのことを知らないくせに勝手に見下し、蔑んで……本当に、本当に申し訳ありません」
一夏「……なら、受け取っておくよその気持ち」
セシリア「ありがとう……ございました」
一夏「こちらこそ」ニッ
一夏「じゃ、俺はピットに戻るよ。お疲れさん」
セシリア「あ……あの!」
一夏「ん?」
セシリア「あの……こ、これから一夏さんとお呼びしてもよろしいでしょうか!」
一夏「おう、いいぜ。じゃあ俺もセシリアって呼んでいいか?」
セシリア「はい、ぜひ!」
セシリア「それと……、図々しいお願いだとは承知の上ですが―――」
◇
59: 2012/02/29(水) 00:18:56.51 ID:ooAjfoO50
ラウラ「お疲れだ、一夏。タオルだ」
一夏「おう、サンキュ」
ラウラ「どうだった?」
一夏「うーん、専門外だから何とも言えないけど」
一夏「タイプ的には組んでコンビネーションを練習すればいいパートナーになりそうだよ」
一夏「組んでくれるかわからないけど」
ラウラ「ふーむ……一夏なら大丈夫だろう。何せ私の嫁なのだからな!」
一夏「そうだといいんだけどな」ナデナデ
一夏「あ、シャワー浴びるからラウラは先に戻っててくれ」
ラウラ「一夏はそのまま夕食に向かって構わないぞ。私は時間を見計らっていく」
一夏「わかった。またあとでな」
ラウラ「うむ」スタスタ
ぱしゅっ
61: 2012/02/29(水) 00:21:30.99 ID:ooAjfoO50
~後日~
セシリア「どうでしょうか」
一夏「うーん、なんだろうなぁ……思考が優先して、って感じ。ある程度は直感に任せて動くことも重要だぜ?」
一夏「思考と直感が上手く合わさって、それで基礎身体能力を磨けばもっともっと伸びると思う」
セシリア「直感……わかりました、またお手合わせお願いしますわ」
一夏「うし、んじゃ行くぜっ!」
セシリア「あ、ありがとう……ございました」ゼェゼェ
一夏「おう、こちらこそ。大丈夫か、立てるか?」
セシリア「ここで自力で立てなくては訓練していただいている意味がありませんわ……!」グッ
セシリア「ひぐっ! うぅ……」
一夏「ほんとに大丈夫か……?」
セシリア「え、ええっ……お気に、なさらずっ」プルプル
一夏「……わかった、しっかり休めよ」
セシリア「はい……ご指導ありがとうございました」
62: 2012/02/29(水) 00:26:13.02 ID:ooAjfoO50
◇◆◇
セシリア(なぜ……貴方は強いのでしょう)
セシリア(身体能力や訓練時間なども関係しているのは確か)
セシリア(ですが、他にも何か……何か、強い“想い”が伝わってきますわ)
セシリア(決して折れることのない太い芯を持ったその瞳……)
セシリア(今はまだなぜ貴方が強いのか、明確にはわかりません)
セシリア(ですが、きっと貴方に師事すればいつかわたくしもそれがわかる時が来る)
セシリア(……そんな確信があります)
セシリア(いつか必ず、きっと―――)
◇◆◇
64: 2012/02/29(水) 00:29:05.92 ID:ooAjfoO50
一夏「いやー初日だからって頑張りすぎたかな」
一夏「ただいまー」ガチャッ
ラウラ「むっ」タタタッ
ラウラ「ぬん」ピョンッ
ラウラ「……」ギュゥ
一夏「あの……ラウラさん?」
ラウラ「……一夏」
一夏「え―――んむっ」
ラウラ「んんっ……ふ、ぁ……ん、ちゅ、れろ」
ラウラ「んぅ……はぁっ、ちゅ、ちゅぱっ」
一夏「―――ぷはっ。いきなりどうしたんだ?」
ラウラ「……一夏が女にもてるのは私としても喜ばしいことだ」
ラウラ「だが、私以外の女とずっと一緒にいたり、仲よくしているのを見ると……
こう、胸が締め付けられるような感じがする……」ギュッ
一夏「ラウラ……」
65: 2012/02/29(水) 00:31:15.88 ID:ooAjfoO50
一夏「ありがとうな、ラウラ」
ラウラ「? なぜ一夏がそういうのだ?」
一夏「それだけラウラが俺のことを好いてくれてる証拠ってことだよ。だから、ありがとう」
ラウラ「私が一夏を好きな証拠……か」
ラウラ「うむ、元気が出たぞ!」
一夏「よかった。ラウラは元気な顔のほうが絶対に可愛い」
ラウラ「か、可愛いなどと……///」カァッ
一夏「ほんとのことだぜ」ニッ
一夏「さて、時間も遅いし、訓練に付き合ったから疲れたよ……ふわぁ……。寝ようか」
ラウラ「うむ、そうしよう」
一夏「ん、おやすみ、ラウラ」
ラウラ「おやすみ、一夏」
68: 2012/02/29(水) 00:33:35.68 ID:ooAjfoO50
一夏「んん……」モゾモゾ
一夏「……すー……すー」
ラウラ(もう寝てしまったか)
ラウラ(教官と違って慣れないことをしたのだ、無理もない)
ラウラ(だが……)
ラウラ「……ん」チュ
ラウラ(おやすみのキスだけはしっかりさせてもらうぞ)
ラウラ(なんたってお前は―――)
ラウラ(私の嫁、だからな)ニコッ
~Fin~
69: 2012/02/29(水) 00:34:08.61 ID:pt1OCoqy0
速いが乙
70: 2012/02/29(水) 00:34:32.01 ID:JQTXAFpk0
乙
73: 2012/02/29(水) 00:37:43.66 ID:ooAjfoO50
クラリッサメインは後日また
そのあとはラウラ・クラリッサとようやく結ばれて
んで嫁シリーズとして箒ver・鈴verも書く予定
気長に待っていてもらえればなと
今回もお付き合いありがとう、お疲れさま
75: 2012/02/29(水) 00:40:00.98 ID:0ZL9hUB20
うむ
引用: ラウラ「織斑一夏は私の嫁!」
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