77: 2021/06/19(土) 11:39:15.34 ID:70wswz3V0


マツコの知らない世界 マツコの知らない応援アイドルの世界

なぜ、マツコ・デラックスは言いたい放題でも人に好かれるのか?


78: 2021/06/19(土) 11:40:02.84 ID:70wswz3V0
若林智香「ゴーゴーレッツゴー! レッツゴー、マツコ!」

周防桃子「がんばれ、がんばれ、マツコさん! フレー、フレー、マツコさん!」

真壁瑞希「ふぁいとー……おー」クルクルクルクル

智香・桃子「M! A! T! U! K! O! マツコ!! マツコ!!! YEAAAHHH☆」

瑞希「……いえー」

マツコ「はい。のっけからハイテンションとローテンション、ありがとう。思ってた通りの娘と予想外の娘が来たわね」

智香「そうですかっ?」

マツコ「アナタはいいわ。アナタは。よく知ってる。応援の娘」

智香「本日はよろしくお願いしますっ! 若林智香です」

マツコ「で、ちょっと意外だったのは」

桃子「今日はよろしくね、マツコさん」

マツコ「子役でも有名だった周防桃子ちゃんよね? アナタも応援アイドルなの?」

79: 2021/06/19(土) 11:40:37.91 ID:70wswz3V0
桃子「最初はね、お仕事のアイドルスポーツフェスティバルでチアガールをやったんだけど、ファンのみんなからの評判も良かったし、お兄……プロデューサーも褒めてくれたから、続けてるんだよね」

智香「すっごく筋がいいんですよ、桃子ちゃんっ☆」

桃子「それは智香さんの教え方が上手だからだよ。きっと」

マツコ「そしてメチャクチャ意外だったのが」

瑞希「こんにちは、真壁瑞希です。瑞希ちゃん、と呼んでください。名前で呼ばれると……いい感じです」

マツコ「実はここ、私と瑞希ちゃんはCMで共演したことがあるんだけど」

瑞希「ご無沙汰しています……いいことあるぞ。ミスタードーナツ」

マツコ「知り合いではあるんだけど、あなたも応援アイドルなの!? 全然知らなかったんだけど」

80: 2021/06/19(土) 11:41:10.19 ID:70wswz3V0
瑞希「実は私、学校ではバトントワリング部に所属していまして……」

智香「日本では、バトントワリング部とチア部が一緒になってる学校が結構あるんですよっ☆」

マツコ「そうなの!?」

瑞希「競技としてのバトントワリングだけではなく……応援の席で披露することもあります」

智香「何を隠そうアタシたち、アイドルになる前から知り合いなんですよっ☆」

マツコ「それは応援の席で?」

智香「対戦相手の応援に、すごい可愛い娘がいるなっ☆ って」

瑞希「若林さんも、いかにもチアガールという容姿だけでなく、元気いっぱいで目立つ存在でしたから」

智香「お互いアイドルになって再会して、やっぱりってなりましたね。瑞希ちゃん、可愛いからそれはアイドルになるよね、って」

瑞希「それは……若林さんも同じです。応援アイドルになったんだな……と。なっとく」

桃子「それでその縁で、チアのことならいい人がいるって瑞希さんが桃子に智香さんを紹介してくれたんだ」

81: 2021/06/19(土) 11:42:34.67 ID:70wswz3V0
マツコ「なるほど。ところで応援アイドル、っていうジャンルだけど。普通アイドルって応援される側じゃない? ファンに」

智香「マツコさんっ!」

マツコ「え?」

智香「してもされてもいいのが、応援ですよっ☆」

マツコ「……そうなの?」

桃子「桃子もね、最初は智香さんがそう言ってたことの意味がよくわからなかったんだけど、ライブの時とかでもね」

マツコ「うんうん」

桃子「自分がセンターの時でも、バックでダンスする時でも、ライブが成功した時の達成感は一緒なんだよね」

瑞希「わかります。ともに作り上げている……そういう気持ちが、自然とわきあがります。ふつふつ」

桃子「うん。だから、もりあげたり応援してた人が1番になると、なんだか自分も1番になったみたいなんだ」

智香「桃子ちゃん……」ボロボロ

82: 2021/06/19(土) 11:43:05.77 ID:70wswz3V0
マツコ「え!? なんで泣いてんの?」

智香「それなんですよっ! まさにそれこそが応援の醍醐味なんです!!」

マツコ「泣くことはないでしょ!?」

瑞希「先ほど……マツコさんがおっしゃっていましたが、確かに私は大きな声を出すことは得意ではありません。ですが、応援は必ずしも大きな声を出すわけではありません」

桃子「大声を出すだけが応援じゃないんだよ、マツコさん」

マツコ「そうなの? 私なんか古い人間だから、こう応援って大声でやるもんだってイメージがあるけど」

智香「必要な時は出しますけど、大声だけが応援じゃないんですよっ☆」

マツコ「たとえば?」

瑞希「振動によって爆発する爆弾の解除をしている、爆発物処理班の人を応援する時……ですとか」

マツコ「うん、それは静かにやった方がいいけど、どんなシチュエーションよ、それ!」

桃子「あとは、静かな競技の応援の時とかかな」

マツコ「静かな競技って……」

83: 2021/06/19(土) 11:43:37.37 ID:70wswz3V0
智香「弓道とか、そうでしたねっ☆」

マツコ「あー、弓道ね」

智香「シンデレラガールズに水野翠ちゃんっていう弓道をやってる娘がいるんですけど、彼女の応援にアタシが行くって言ったらみんなに止められて」

マツコ「大声出すと思われたんだ」

智香「でもちゃんと、静かに応援をしましたよっ☆ 翠ちゃんにも好評でした」

マツコ「静かな応援って、具体的にはどうやるの?」

瑞希「相手の目を見て……想いを伝えます」

桃子「真剣に見つめられると、気持ちが伝わってくるしね。これは演技も一緒だよ」

マツコ「なるほどね。そこら辺のTPOが大事なんだ、応援」

桃子「だから、応援する色んな競技を勉強したりはよくやってるよ。3人で」

マツコ「勉強? なにを? 盛り上げたり、声援を送ればいいんじゃないの?」

智香「間違った場面で声援をあげて、選手のモチベーションを下げちゃいけませんから」

マツコ「間違った場面?」

84: 2021/06/19(土) 11:44:28.93 ID:70wswz3V0
瑞希「例えば野球ですが……」

桃子「桃子、昴さんの応援で球場に行ったことあるんだけど、インフィールドフライっていうのがよくわからなくて」

マツコ「あー、あれ私もよくわかんないのよね。急に審判が空を指さして『インフィールドフライ!』って叫んで何事かと」

桃子「周りの人が盛り上がっているから、てっきり昴さんがいいプレーをしたと思ったんだけど、アウトになってて」

智香「そういう本当は残念なプレーをした場面で、応援側が盛り上がってたりするとプレーしてる選手はテンション下がっちゃうんですよ」

マツコ「せっかく喜んでもらってるのに……ってことね。それはそうよね。そうか、だからルールとか勉強するんだ」

瑞希「ちなみに……私たち3人が今までに勉強してきた競技のルールが、こちらになります」

マツコ「え? どれ……って、このスタジオの壁一面に貼ってあるこれ!? こんなに覚えたの、ルール!?」

桃子「まあ桃子は女優だから、こういうの覚えるの得意だけどね」

85: 2021/06/19(土) 11:45:06.47 ID:70wswz3V0
マツコ「すごい数……というか、聞いたこともない競技がちらほらあるんだけど……なにこのラートっていうのは」

智香「はーい。こちらにご用意いたしましたっ!」

瑞希「マツコさーん……ごろごろ」

マツコ「大きな丸い鉄の輪っかの中に瑞希ちゃんが入って、これ自分で回してるの? 目、回らない!?」

智香「これがラートという競技ですっ☆」

マツコ「これ、なにをどうやって競うの?」

桃子「ラートには直転、斜転、跳躍の3種目があるんだけど、要するにこのまま転がったり、傾いて転がったり、跳ねたりしてその技や美しさを競うんだよ」

瑞希「きれいな○になるよ……見ててね」

桃子「ちょっと瑞希さん、それ桃子の歌だよ!」

86: 2021/06/19(土) 11:45:39.74 ID:70wswz3V0
マツコ「このフィーエルヤッペン? これはどんな競技?」

智香「棒高跳びってあるじゃないですかっ?」

マツコ「うん。長い棒持って走って、でポール飛び越えるやつね。ブブカとかテレビで見たわ」

瑞希「あの要領で……運河を飛び越えるんです」

マツコ「うん?」

桃子「高さを競うんじゃなくてね、どのくらい遠くまで棒を使って飛び越えられるかを競うんだよ」

マツコ「え、運河って」

智香「オランダ発祥のスポーツですからっ☆」

マツコ「それで運河か。でもこれ日本でやってる人いるの?」

瑞希「大阪に協会があって……大会も、ありました」

マツコ「面白い。壁一面のこれ全部、どんな競技か聞いてみたいけど、全部のルール覚えるってすごいわね。改めて」

87: 2021/06/19(土) 11:46:20.91 ID:70wswz3V0
桃子「楽しいんだよ。このモトボールとか、バイクを使ってするサッカーなんだけど、参考に見てたビデオでのり子さんやエレナさんがすごい盛り上がって、即席の応援観戦みたいだったんだよね」

智香「あー、それアタシも参加したかったな」

マツコ「ところで、そもそもなんで応援アイドルっていうか、アイドルになろうと思ったの?」

智香「マツコさんも今日、色々なアイドルにお会いになってわかったと思うんですけど、アイドルのなり方って大体3パターンありまして」

マツコ「1番多いのはあれでしょ? あそこのアイツにスカウトされるパターン。アイドルにスカウトしないと氏んじゃう病気のアイツに」

モバP「www」

88: 2021/06/19(土) 11:46:51.76 ID:70wswz3V0
瑞希「そうです。ちなみに私も、あそこのプロデューサーではありませんが……スカウトをされました」

智香「そして次に多いのが、オーディションを受けるパターン」

桃子「桃子もね、自分ではそう思ってなかったんだけど、結果的にそのパターンになったんだよね」

マツコ「自分ではそう思ってなかったって?」

桃子「新しいお仕事のオーディションだと思って行ったら、アイドルのオーディションだったんだよ。その時は自分が本当にアイドルになるとか思ってなくて」

マツコ「でもまあ、オーディションを経てアイドルになったわけだ」

智香「そしてアタシは、3番目のパターンですっ!」

マツコ「スカウトでもオーディションでもないとすると……え? なんだろ」

89: 2021/06/19(土) 11:47:24.69 ID:70wswz3V0
智香「おしかけですっ☆」

マツコ「え?」

智香「おしかけです、えへへっ☆」

マツコ「おしかけ……って、自分からアイドルにしてくださいって、おしかけてきたの!?」

智香「ある時、球場にアイドルの人が来てて、そうしたら球場全体がひとつになって盛り上がって、それでアタシ感動しちゃって、アタシもアイドルになってこんな応援したい、ってなりましたっ!」

マツコ「で、押しかけたの?」

智香「アポなしでいきなりだったんですけど会ってくださって、熱意を語ってたら、とりあえず……じゃあ、って言われましたっ☆」

マツコ「あのアイツが、押され気味だったの? それはちょっと見たかったわねw でもまあ可愛いし、そのポニーテールも印象的だもの。採用して正解よ」

智香「個人的にはチアの基本はポニテだと思ってるんですよっ☆」

マツコ「そうなの? ポニテじゃなくなるとどうなるの?」

智香「やってみましょうか。これがほどけちゃうと……うう……」

マツコ「ど、どうしたの!?」

90: 2021/06/19(土) 11:47:55.56 ID:70wswz3V0
智香「ポニテがほどけて力がでない……★」ヘニャヘニャ

マツコ「そんな、へにゃへにゃになっちゃうの!?」

桃子「智香さーん! 新しい顔……ゴムだよ!!」

瑞希「てってれれてーれーれー♪」

智香「元気100倍! チアガールっ☆」

マツコ「そういう余所の局に怒られるようなネタ、やめなさいよw」

智香「あと、応援といえばやっぱりこれ」

マツコ「あ、ボンボンだっけ?」

桃子「違うよ。これはね、ポンポン」

マツコ「あ、ごめんなさい。ポンポンね」

瑞希「ただし、英語ではボンボンです」

マツコ「どっちなのよ!?」

91: 2021/06/19(土) 11:49:23.94 ID:70wswz3V0
智香「日本では、ポンポンですねっ☆」

桃子「智香さんは常にこのポンポンを持ち歩いているんだよね」

マツコ「常に?」

智香「いつでもどこでも応援できるようにっ☆」

瑞希「若林さんは学校では、応援が大好きポンポンさん、って呼ばれいるとかいないとか」

マツコ「これ、なんでポンポンって言うの?」

桃子「……」

瑞希「……」

智香「……」

マツコ「あれ!?」

92: 2021/06/19(土) 11:49:56.46 ID:70wswz3V0
桃子「あ! あのね、765プロで一緒にアイドルをやってるエミリーは、ポンポンのこと助太刀の玉房って呼ぶんだよね」

瑞希「そうでした。エミリーさんもチアのお仕事をされてましたね」

智香「玉になった房だから玉房なんですねっ!」

マツコ「いや、だからなんでポンポンって言うの?」

桃子「……」ヒソヒソ

瑞希「……」ヒソヒソ

智香「……」ヒソヒソ

マツコ「なんなのよ!? はっきり言いなさいよ!!」

93: 2021/06/19(土) 11:50:32.00 ID:70wswz3V0
智香「いちおう……一応ですよ、フランス語が語源という」

マツコ「フランス語? ポンポンが?」

桃子「フランス語でpompon……ポムポンって発音するんだけどね」

マツコ「意味は?」

瑞希「なんと言いますか……花とか実がなってこう……重くなって垂れている様子がありますよね。そこから転じて、糸とかを束ねて房状にしたものをpomponと言います」

マツコ「なるほど。え、ちゃんと名前の由来わかってるのに、なんでさっきは3人とも口ごもってたわけ?」

桃子「……」

瑞希「……」

智香「……」

マツコ「だから、なんなのよ!? その沈黙は!!」

94: 2021/06/19(土) 11:51:02.64 ID:70wswz3V0
智香「え、と……じゃあどういう経緯でフランス語のpomponがチアの時に使うこのポンポンの語源になったのか、とかですね……」

桃子「ポンポンって、跳ねるチアガールの動きからきてる、っていう説もあったり……」

瑞希「日本のチアガールの源流は、アメリカから伝わったものです。ですが……先ほどもお話ししたように、アメリカではポンポンをボンボンと呼びますが」

智香「フランス語のpomponがアメリカに渡ってボンボンになったとして、ではなぜ日本にそれが伝わったらポンポンというフランス語発音に戻っちゃったのかは……」

マツコ「なるほど、その辺は謎なんだ」

智香「フランス語が語源というのも、有力ではあるけどひとつの説でしかないんですよね」

瑞希「ではポンポンの次は、こちらの私の応援グッズ……バトンです。持ってみてくださいマツコさん」

マツコ「あ、持ってもいいの? あれ、これ左右で主さが違うの? なんか真ん中が重心じゃないのね」

瑞希「はい。左右で先端部分大きさが違いますよね。大きい方をボール、小さい方をティップと呼びます」

マツコ「これをクルクル回すのよね?」

95: 2021/06/19(土) 11:51:45.41 ID:70wswz3V0
瑞希「はい……やってみましょう……くるくる」クルクル

マツコ「あーすごいすごい。片手で……え、反対にも?」

瑞希「投げて……受け止めながら……回します」クルクル

マツコ「おー。これ、見応えあるわね」

瑞希「私の特技ですので。しかし、慣れればマツコさんでもできますよ」

マツコ「本当に? 私、言っとくけど不器用よ? やってみたいけど」

瑞希「マツコさんには……」

マツコ「え? バトンにタオルを掛けて……なにするの?」

瑞希「じゃじゃーん……こちらをどうぞ」

マツコ「えっ!? ペン!? うわ、すごい!!」

瑞希「実は手品も私の特技……多才だぞ瑞希」

桃子「このペン回しで練習するといいよ、マツコさん。感覚は近いから」

智香「そしてアタシたちと応援アイドル、始めちゃいましょうっ☆」

マツコ「いや、私は応援はしないし、アイドルでもないからね!?」

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引用: マツコ・デラックス「マツコの知らない世界THE IDOLM@STERスペシャル」