1: 2024/07/07(日) 21:27:41.28 ID:L4YgO/P7.net
『天パ、くせっ毛、乱れ髪! 最強の爆発ヘアーは誰だ!? アーティスティック梅雨髪選手権!』

「湿気多きこの季節、みなさまも御髪のお悩みは尽きないことだろう。しかしその悩み、私たちの下で誇りへと、芸術へと昇華してみないだろうか? 題して『アーティスティック梅雨髪選手権!』今回の投稿企画では湿気に暴れた梅雨髪の写真を大募集! シチュエーションはなんでもOK、データを新聞部に送るだけでエントリー完了! 芸術的な爆発ヘアーには賞が与えられ、その中でも特に選ばれし写真は校内新聞に掲載! 梅雨のジメジメも笑い飛ばせ! 芸術は爆発だ!」

かすみ「…って、なんですかぁコレ?」

侑「新聞部主催の投稿企画だって。景品もあるらしいよ!」

かすみ「どうなんですかそれ、真面目に悩んでる人だって多いでしょうに…」

侑「まぁそれはそうだけど、結構盛り上がってるみたいだよ?」

2: 2024/07/07(日) 21:32:30.69 ID:L4YgO/P7.net
愛「……」パキッポキッ

璃奈「……」グッグッ

ミア「……」ノビッノビッ

エマ「……」モグッモグッ

彼方「……」スヤッスヤッ

侑「ほら、私たちスクールアイドル同好会の誇るくせっ毛のみんなもウォームアップを始めてる…!」

かすみ「いや、ただ写真撮るだけじゃないですか…寝てるしおやつ食べてるし…」

5: 2024/07/07(日) 21:37:12.81 ID:L4YgO/P7.net
愛「わかってないね、かすかす…」

ミア「仕方ないよ、子犬ちゃんには理解できない領域の話さ…」

かすみ「かすかすでも子犬でもなくてかすみんです! 髪放置するだけになんの深みがあるっていうんですか?」

璃奈「かすみちゃん…くせっ毛はね、お風呂上がりにドライヤーをかけずに寝ると次の日の朝には想像もできないことになってるんだよ」

かすみ「結局運ゲーじゃん! というかドライヤーはかけてください、スクールアイドル以前に女の子ですよ!?」

エマ「男の子もかけた方がいいよ~」モグモグ

彼方「遥ちゃ~ん……」ムニャムニャ

かすみ「そこまで興味なさそうですねお二人は…」

6: 2024/07/07(日) 21:43:11.11 ID:L4YgO/P7.net
愛「で、カリンは参加するの?」

果林「しないわよ…振られたくないから黙ってたのに…」

ミア「なんで? 果林なんて適任じゃないか」

果林「どう言われても嫌よ! モデルとしてボサボサの髪なんて見せるわけにいかないし、そうならないようにケアもしてきたの。自分の努力を否定するようなことはしたくないわ」

エマ「え~? 寝起きの果林ちゃんも可愛いのに…」

果林「エマっ!」

エマ「は~い…」

かすみ「くせっ毛のみなさんも大変ですねぇ」

7: 2024/07/07(日) 21:47:55.96 ID:L4YgO/P7.net
侑「そういえば、ストレートの子向けの企画もあるみたいだよ。ヘアサロン同好会主催の『つやさら美髪選手権』…」

かすみ「ホントですか!? かすみんそっちに応募しま~すっ!」

璃奈「ダメ。QU4RTZの三人がくせっ毛として応募するんだからかすみちゃんもこっち」

かすみ「なんでよ!」

エマ「でもかすみちゃんもよくハネ毛になってるときあるよね?」

かすみ「あれはオシャレですっ! かすみんの髪はさらさらでキューティクルもきゅるるんな素直な子なんですーっ!」

彼方「ほらほらかすみちゃん、素直になりなよ~」ギュッ

かすみ「彼方先輩!? いつの間に起きたんですか!?」

彼方「今だよ~、なんの話してるの?」

かすみ「わかってないじゃないですか!」

ミア「騒がしいなぁ…」

8: 2024/07/07(日) 21:53:40.89 ID:L4YgO/P7.net
かすみ「とにかくっ、かすみんつやさらの方に応募しますから! そっちはそっちで頑張ってください!」

愛「応援はしてくれるんだ」

果林「根っこの優しさが出てるわね」

9: 2024/07/07(日) 21:59:44.24 ID:L4YgO/P7.net
~それからしばらくして~

しずく「そういえば、かすみさんが応募してたつやさら美髪…だっけ、あれはどうだったの?」

かすみ「かすりもしなかったぁ~…」

栞子「まぁ、狭き門ですからね…」

璃奈「こういうのは応募すること自体が大事だから」

しずく「大丈夫、かすみさんはなでたくなる髪選手権なら一番だよ!」ナデナデ

かすみ「なにそれ、慰め方下手!」

10: 2024/07/07(日) 22:07:04.96 ID:L4YgO/P7.net
璃奈「でもこういう大会で優勝できる人ってどんな感じなんだろうね。璃奈ちゃんボード『気になる』」

栞子「見てみましょうか……この人ですね、ヘアエステ同好会の部長だそうです」

璃奈「これは…写真でもわかるくらい見事なつやさら…」

しずく「あれ、ヘアエステ同好会って主催じゃなかったっけ? 主催が優勝?」

栞子「いえ違います。主催はヘアサロン同好会で、優勝はヘアエステ同好会の部長の方です」

かすみ「…なにが違うの?」

栞子「さぁ…せつ菜さんも同じ質問をして違いを熱弁されたと仰られていましたが…」

しずく「せつ菜さんも覚えてないんだ…」

かすみ「あの人間生徒名簿が…?」

11: 2024/07/07(日) 22:12:08.06 ID:L4YgO/P7.net
栞子「いずれにせよ、梅雨髪の方も美髪の方も大きな反響があったようです。来年も似たような企画は実施されるのではないでしょうか」

かすみ「む~、こうなったら三年間応募してフクツの女王になってやる~っ!」

璃奈「このままだとヘアエステ同好会の次の部長が優勝するだけになりそうだけど」

しずく「あそうだ、その梅雨髪選手権ってもう結果は出てるの?」

璃奈「まだだよ。発表は次の校内新聞だって」

かすみ「りな子は自信ある?」

璃奈「あんまり…応募した他の子の写真も見たけど、かなりハイレベルだから」

栞子(素でこの状態の璃奈さんが自信を失くすほどの大会とは…)

12: 2024/07/07(日) 22:17:48.94 ID:L4YgO/P7.net
~スクールアイドル同好会部室~

新聞部「──改めて、優勝おめでとうございます! 今の心境はいかがでしょうか?」

果林「…なんというか、複雑です。元々この大会に応募する気はなくて、モデルとしてのイメージもありますし…」

新聞部「では、なぜ応募を?」

果林「私がしたわけではないんです。仲の良い子が私の寝起き姿を勝手に撮影して、それを応募したっていう形で…」

新聞部「なるほど…そういうことならば取り消しも可能です、再選考も間に合うようにスケジュールを組んでありますので」

果林「いえ、ここまで来たのなら腹を括ります。賞をもらえる事自体は栄誉ですし、同好会や私個人の知名度向上にも繋がりますし」

新聞部「わかりました、ではこのまま次回の校内新聞にて掲載という運びとなります!」

14: 2024/07/07(日) 22:24:36.51 ID:L4YgO/P7.net
 ガラッ

かすみ「お疲れ様で~すっ! あれ、新聞部の人?」

新聞部「お邪魔してます!」

しずく「同好会への取材の予定なんてあったっけ?」

璃奈「なかったと思うけど…この時期の取材ってことは、梅雨髪選手権の優勝ってもしかして…」

果林「うっ…」

かすみ「え? あんなことまで言ってたのに?」

果林「ち、違うのよ二人とも…これには深いわけが…」

しずく「えっ!? どうなってるのこれ!?」

栞子「これは…この毛量でこの髪型、物理的に可能なのですか…?」

果林「そ、そんなにまじまじと見ないでぇっ!」

15: 2024/07/07(日) 22:29:11.31 ID:L4YgO/P7.net
エマ「その後、一連の流れも含めてしっかりと一面記事になり、無事果林ちゃんの可愛さは全校へと広まることになるのでした~♪」

果林「もうっ、エマのせいなんだから!」

愛「すごっ! ミアちのかっこいい写真も審査員賞に選ばれてるよ!」

ミア「ふっ、テイラーの血を引くボクにかかれば当然さ!」

彼方「テイラーの血ってそんな簡単に使っていいの?」

おわり。

17: 2024/07/07(日) 22:41:09.09 ID:bpeoqlHF.net
つよい

引用: かすみ「アーティスティック梅雨髪選手権~?」