203: 2015/02/06(金) 19:40:44.63 ID:+ojQ0pIb0


前回翔鶴「瑞鶴、あまり提督の邪魔をしちゃだめよ?」【2】

・---・コタこみゅ:大鯨 涼風 敷波・---・


提督「こんにちは。提督です。コタこみゅの場へようこそ。早速本日のお客様をご案内いたしましょう。まず一人目は――――」

涼風「いやあのー提督? なにやってるのさ」

敷波「そもそも誰に向かって話してんの?」

大鯨「そちらには誰もいませんが……」

提督「……まあ気にしないでくれ。ちょっとした演出ってやつだよ」

大鯨「は、はぁ」

提督「とりあえず、三人ともせっかく来たんだからコタツでゆったりとしていってくれ」

涼風「へへっ。おじゃましまーす」

大鯨「失礼いたします」

敷波「お、おじゃま、します」

提督「この通りお茶もお菓子もたくさん用意した。そしてミカンもある。おもてなしはバッチリだ」

大鯨「あ、ではお茶は私が……」

提督「まぁまぁ。今日はみんなはお客さんなんだからさ。俺に任せなさいと」コポコポコポ……

艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(3) (角川コミックス・エース)

204: 2015/02/06(金) 19:45:30.47 ID:+ojQ0pIb0


涼風「あー……あったかい」ヌクヌク

敷波「うん……同意」ヌクヌク

大鯨「背中がちょっと寒いですけど、足元からポカポカと温まるので気持ちいいですね」

提督「それがこのコタツの魔力とも言うな。ここから抜け出すのはなかなかどうして勇気と根気がいることだよ」

涼風「この間五月雨が嬉しそうに話してたからさ。あたいも絶対来ようと思ってたんだ」

敷波「あ、あたしは別にどうでも良かったんだけど、さ。じゃんけんに勝っちゃったから……」

大鯨「うふふっ。勝った時に嬉しそうな顔をしてたのをちゃーんと見てましたよ」ニコニコ

敷波「えっあ、う……」

提督「そんな敷波にさっそくミカンをプレゼントしようではないか。温州みかんを仕入れてもらったから甘くて美味しいぞ」

敷波「い、いいよあたしはっ。自分で食べるよ」

提督「そうか? じゃあ大鯨、食べる?」

大鯨「わ、私からですかっ?!」



敷波「………………」チラッ


205: 2015/02/06(金) 19:50:32.45 ID:+ojQ0pIb0

提督「大鯨にはいつもご飯で頼りになりっぱなしだからね。ここでちょっとしたお礼をば」

大鯨「それを言ったら鳳翔さんの方が……」

提督「今ここにいるのは鳳翔じゃなくて大鯨。ということではい、あーん」

大鯨「わ、わぁ……」マッカッカ

涼風「大鯨さん顔真っ赤ー」

敷波「そりゃ誰だって恥ずかしいって」

提督「対面で手が届かないからちょっと前に乗り出してもらえると助かるかな」

大鯨「は、はいっ。では……」ムニュッ

涼風「……お、おぉ」スゲー

敷波「うわぁ」スゴイ

大鯨「えっ? えっ?」ナニ

提督「ま、まあ気にしなくていいよ。はい、あーん」

大鯨「あ、あーん」パクッ

提督「美味しいか?」

大鯨「は、はいっ。美味しい、です」






涼風「……やっぱ大鯨さんって凄いよなぁ。おっOい。見事乗っかってるよ」ヒソヒソ

敷波「う、うん……」ヒソヒソ

涼風「あたい達には夢のまた夢……」ペタペタ

敷波「………………」ペタペタ



提督「(……聞こえないけど大体なにを話しているのか理解できてしまう自分が憎い)」


206: 2015/02/06(金) 19:55:39.08 ID:+ojQ0pIb0

大鯨「は、恥ずかしかったです……」モグモグ

提督「実はやってる方の俺も恥ずかしいんだが、ちょっとずつ慣れつつあるんだなぁ」

大鯨「提督も食べる側になればわかりますよぅ」

涼風「なんだったらあたいが食べさせてあげよーか?」

提督「おもてなしする側が食べさせてもらったら意味ないだろう」

涼風「ンなもん気にしなさんなって。こう見えてあたい、蜜柑の皮剥くの早いんだー。……ほいっと」

大鯨「わ、ほんと……」

敷波「すごーい。あっという間だ」

提督「涼風の意外な才能が明らかになった瞬間かな」

涼風「五月雨と一緒にいたら得意になったんだ。はい提督」アーン

提督「う、うむ……じゃあせっかくだから頂こうか」パクッ

涼風「大鯨さんも、はい」

大鯨「ま、またですか……っ。あ、あーん」

涼風「敷波も食べるっしょ」

敷波「だからあたしは自分で食べるって……いいよ」

涼風「遠慮しちゃってぇ」

提督「それじゃあ俺からもお返しに。はい、涼風」アーン

涼風「あーんっ。むぐむぐ……んっ。甘い! 美味い!」

大鯨「ふふっ」ニコニコ



敷波「………………」ジー


207: 2015/02/06(金) 20:00:19.94 ID:+ojQ0pIb0


涼風「はぁーそれにしてもやっぱりコタツいいなぁ。こうして横にもなれるし……」ゴロン

敷波「ちょ、ちょっと涼風。ここで寝ちゃダメだって」

涼風「いいのいいの……」モゾモゾ

大鯨「涼風ちゃんの気持ちもわかる気がします。この温かさは眠気を誘いますね……」アフゥ

提督「眠かったら大鯨も寝ちゃっていいよ。うたた寝くらいだったら風邪も引かないだろうし」

大鯨「で、でも提督に失礼では……っ」

提督「こうやって話すのも大事だけど、みんなには何より寛いでほしい。そのための場だからね。なんならソファーのクッションも貸そうじゃないか」ハイ

大鯨「………………」ゴクリ

提督「涼風も、そのまま寝たら身体痛めるぞ―」ハイ

涼風「んー、ありがと」ゴソゴソ

大鯨「えっと……で、ではちょっとだけ、いいですか……?」

提督「大鯨も普段忙しくて疲れてるだろう? たまには仕事を忘れてゆっくりしていってくれ」

大鯨「はい……ありがとうございます。提督」

提督「ちゃんと身体まで毛布掛けるんだぞ」

敷波「………………」


208: 2015/02/06(金) 20:05:19.23 ID:+ojQ0pIb0

大鯨「………………」Zzz

涼風「………………」Zzz



敷波「もぅ。二人とも寝ちゃってさー」

提督「よく翔鶴に言ってることだけど、休憩もまた立派な仕事なんだよ。むしろ俺はみんなに推奨したいね」

敷波「普通だったら寝る暇もないと思うけど」

提督「ははは。普通ならな。という訳で敷波、はい。あーん」

敷波「えっ? いや、だからあたしは……!」

提督「今なら誰も見てないぞ?」

敷波「う……いや、でもさっ」チラッ

提督「俺は敷波にもミカンを食べてもらいたいなあ」

敷波「自分で食べてるってば」チラッ

提督「そんなこと言って、涼風の所から取ったミカンちょっとだけじゃないか」

敷波「だ、だって……」

提督「まあこれもココに来た洗礼だと思って」アーン

敷波「……ホントに見てないよね?」

提督「ああ」

敷波「じゃあ……あーん」パクッ

提督「美味しい?」

敷波「もぐもぐ……」コクン

提督「それは良かった。ミカンはまだ余ってるけど、どうする?」

敷波「………………」アーン

提督「素直じゃないなぁ」ニコニコ

敷波「ふんだっ…………いいの♪」ボソッ


コタこみゅ


212: 2015/02/06(金) 23:18:26.56 ID:+ojQ0pIb0
注意:この話はなんの関係も繋がりもありますん


~アル秋ノ日~


雲龍「………………」ポケー

??『雲龍姉様』

雲龍「ン? 誰?」

??『私デ御座います。雲龍姉様』フカブカー

雲龍「え、ト? 天城……よネ?」

天城「はい。そうデ御座いますが」?

雲龍「そうっテ……あの、どうかしたノ? いつもの天城はどこへ……?」

天城「いつもの、とは? 雲龍姉様ノ仰っていル事ガ分かりかねますわ」

雲龍「だ、だっテ。いつも天城だったラ、こんな所でなにをやってるんだこノ暇人め、ッテ……」

天城「ワ、私がそのようなはしたなイ言葉遣いなんテ致しませんわっ」

雲龍「」エー

天城「それよりモ雲龍姉様。私、面白い情報ヲ見つけましたの」

雲龍「面白い情報?」

天城「はい。なんでモ"渾作戦"と言ウ大規模作戦ガ近々実施されるらしく――――」


天城さんのバージョンが1.50になりました
今後の情報(ボイス)次第では2.00へアップグレードされます

216: 2015/02/08(日) 20:40:33.91 ID:CFi0mU6c0

・---・鶴タチノ休息・---・


瑞鶴「翔鶴姉ぇ! 週末はバレンタインだよ!」

翔鶴「そうね」

瑞鶴「バレンタインといえばチョコレートだよ!」

翔鶴「そ、そうね」

瑞鶴「チョコレートといえば翔鶴姉ぇだよ!」

翔鶴「そう……え?」ナゼ

瑞鶴「提督さんも喜ぶことまちがいなし!」

翔鶴「ちょ、ちょっと待って瑞鶴。どうしてチョコレートといえば私なの?」

瑞鶴「え? だってそりゃあ……」

翔鶴「それは……?」

瑞鶴「溶かしたチョコを翔鶴姉ぇの身体にトッピングしてリボンで巻いて、私ごとプレゼント♪ って」ネ?

翔鶴「………………」

瑞鶴「あーでもそんなことしたら私もいよいよ叔母さんn



ゴチンッ☆


217: 2015/02/08(日) 20:45:05.27 ID:CFi0mU6c0


瑞鶴「……翔鶴姉ぇが、また"ぶった"……」イタイ

翔鶴「瑞鶴が変なコト言うからですっ」

瑞鶴「良い案だと思ったのに……」

翔鶴「全然良くありませんッ! そ、それにどうして身体にチョコレートなんか」

瑞鶴「だからぁ。私ごと食べてっていう意思表示に……」


翔鶴『瑞鶴!!』キーン


瑞鶴「ご、ごめんなさーい!」ブタナイデ

翔鶴「本当にもうっ。そんなはしたない事どこから聞いてきたの」

瑞鶴「ほ、本で見たのよぅ。ちょっとオトナなバレンタイン特集って記事で……」

翔鶴「さては街に行った時に立ち読みしてきたのね? まったく。もう」

瑞鶴「や、やっぱりやらないよ、ね?」

翔鶴「や・り・ま・せ・ん・!」


やりませんよ?


222: 2015/02/10(火) 22:05:18.25 ID:OhZNY61E0

・---・ばれんたいんな:神通・---・


神通「あの、鳳翔さん……。この間お話した物を……」

鳳翔「はい。ちゃんと届いていますよ」

神通「あ、ありがとうございます……!」

鳳翔「ふふっ。お互い、喜んでもらえるといいですね」

神通「は、はい……っ!」




―川内型の部屋―


神通「~♪」カチャカチャ


川内「……那珂チャンさん那珂チャンさん。ご覧になりましたかね?」ヒソヒソ

那珂「もっちろん見えちゃってるよ」ヒソヒソ

川内「現在室内には甘い匂いが充満しておりますなあ」

那珂「おりますなあ」

川内「この匂いは、言わずもがなチョコレート」

那珂「チョッコレイト!」

川内「いよいよバレンタインだからねぇ。こんな場所だから相手が解っちゃうあたり、神通も隅に置けないと言うか」

那珂「神通ちゃんらしいけどねー。そういう川内ちゃんはチョコどうするの?」

川内「私? 私は――――あ、考えてなかった」ア

那珂「あらら……。でもでも、神通ちゃんがあんなに真剣になってるのを見るのは訓練とか戦闘以外では珍しいよね」

川内「うん。だからこそこうして隠密に……」

那珂「……本人と同じ部屋の中で隠密もなにもないと思うんだけどねー」ボソッ


223: 2015/02/10(火) 22:10:46.61 ID:OhZNY61E0


神通「……よし」フゥ


神通「(ダマもなく、表面も均一に仕上げられた)」

神通「(あとは冷蔵庫で固めるだけ……包むのは最後で大丈夫)」

神通「(溶かして固め直しただけだけど、変じゃないよ、ね?)」

神通「(提督に受け取ってもらえるよ、ね?)」


神通「………………」



神通「(き、緊張してきてしまいました)」ドキドキ




川内「あの顔は緊張してる時のだ」ジー

那珂「まだ当日じゃないのにね」

川内「いざ本番でちゃんと渡せるのかなぁ」

那珂「カチコチになる神通ちゃんが目に浮かんじゃう……」

川内「……しょうがない。ここは姉らしく励ますとしようかな」

那珂「じゃあ、那珂ちゃんは妹らしく応援しようかな―」




……ア、ツイデニ ワタシノブンモ ツクッチャエバイイカモ

エェー……


バレンタインまであとわずか…


230: 2015/02/11(水) 23:26:29.81 ID:uWI5Hmki0

・---・ばれんたいんな:鳳翔、大鯨・---・


深雪「おぉ~、これはこれは白露さんや?」クンクン

白露「なんだかすっごくいい匂いがしてますなあ深雪さん」クンクン

深雪「鳳翔さん、それなに作ってるの?」ヒョコッ

白露「チョコレートの匂いが外まで漂ってきてるよ―」ヒョコッ

鳳翔「これですか? もうすぐバレンタインなので、そのためのチョコを作っているんですよ」

大鯨「提督だけでなく、みんなの分も作りますから楽しみにしてくださいね♪」

深雪「まじ?!」

白露「鳳翔さんたちのチョコすっごい楽しみ!」

鳳翔「ふふっ。ありがとうございます」

深雪「そう言えば週末はバレンタインだったっけ。言われてみれば吹雪とかがなんかやってたような」

白露「こっちも時雨たちが雑誌見ながら話してたよー」

大鯨「やっぱりみんな提督にあげるんでしょうかね」

白露「でも最近は友チョコも流行ってるから提督だけにあげるってわけでもなさそうかも?」

鳳翔「友チョコ……ですか?」

大鯨「えっと、異性同性に関係なく親しい人へのプレゼントですね。義理チョコとは意味合いが違うみたいです」

鳳翔「なるほど。今はそう言ったものもあるんですね」フムフム

深雪「鳳翔さんたちはやっぱり提督への本命チョコ?」

大鯨「えっ? えっと……」チラッ

鳳翔「確かに想いは込めたいですが、作るチョコに優劣はつけませんね」

白露「そうなんですかー?」

鳳翔「はい。私にとってここにいるみんなは友であり仲間であり、そして家族ですから」

深雪「鳳翔さんが女神な件について」

白露「お母さんって呼びたくなった」

鳳翔「あらあら」ウフフ


231: 2015/02/11(水) 23:31:09.67 ID:uWI5Hmki0

深雪「ところで、どうしてこのチョコ緑色してるの?」

鳳翔「これは生チョコに抹茶を混ぜているんですよ。甘いけれどほろ苦い、そんなチョコです」

白露「抹茶! あの苦いやつかぁ」ウワァ

大鯨「二人にはこっちのトリュフチョコの方がいいかも?」タベル?

深雪「うん。深雪サマ的にもやっぱこっちの甘い方がウマイぜー」モグモグ

白露「深雪に同じくー」モグモグ

鳳翔「どちらかと言うと大人向けかもしれませんね」

大鯨「他にもイチゴをチョコでコーティングしたものとか、オレンジを入れたもの、キャラメルチョコも作っていますよ」

深雪「なんだかバレンタイン当日が楽しみになってきた!」

白露「イベント的には、私たちがあげる側だよネ」

深雪「いいのいいの。楽しければさ」

鳳翔「うふふっ。そうですね」ニコニコ

白露「せっかくだからあたしたちもなんか作る?」

深雪「んー、料理とか食べる専門なんだよなぁ」

大鯨「良ければ一緒に作ります? まだ材料はたくさんあるので。ね、鳳翔さん」

鳳翔「そうですね。こういうのは作る楽しみもありますから」

深雪「ほんとっ? やったぜ!」

白露「じゃあじゃあ、あたしがイチバンに作りたーい!」

深雪「叢雲のヤツをギャフンと言わせてやる」

白露「美味しいの作ったら村雨たちびっくりするかなあ」

鳳翔「賑やかなのもいいものですね。大鯨さん」

大鯨「はい!」


もうすぐバレンタイン


238: 2015/02/14(土) 13:06:05.13 ID:XxB7rucx0

・---・ばれんたいんな・---・


吹雪「司令官! これ、受け取ってください! みんなで作ったチョコレートです!」

時雨「これ、僕たちからも渡しておくね」



チョコ『』アルヨ



古鷹「提督、いつもお疲れさまです。私と加古で作ったチョコレートです。お仕事の合間にでも食べてくださいね」

利根「まあなんじゃ。こういう催し事は参加することが大事じゃと筑摩のやつも言っておったからなっ。提督にもチョコをあげようではないか」



チョコ『』イッパイ



扶桑「私と山城からも、バレンタインのチョコレートです。提督にはお世話になりっぱなしなので、こんな形でしかお返し出来ませんが……」

武蔵「皆のように自分で作ることも考えたのだが、やはりプロの手には敵わんと思って間宮に頼んで作ってもらった。だから味は保証するぞ」



チョコ『』タップリ



神通「あ、あのっ! 提督……あの、その……あぅ」オドオド

川内「ほれほれ神通緊張しなさんなって」

那珂「手の熱でチョコが溶けちゃうよ―」

神通「え、えと、い、一生懸命……作りました。受け取って、いただけますか……?」

川内「ついでに私たちからもあるからねー」

那珂「お返し、よっろしくぅー☆」


鳳翔「私は大鯨さんとさまざまな味のひとくちチョコレートを作ってみました」

大鯨「定番の甘いものからちょっとほろ苦いものまで、気分に合わせて楽しんでくださいねっ」



………………


239: 2015/02/14(土) 13:10:48.02 ID:XxB7rucx0


チョコ『』ヤマモリー



提督「いやはや、生きてきて未だかつてこれほどのチョコを貰ったことなどあったろうかって位だな」アハハ

瑞鶴「モテモテだねぇ」

翔鶴「提督が慕われているという証拠ですね」

提督「本当に有難いことだよ。俺の方がみんなに頼りっぱなしだっていうのに」

翔鶴「私としては提督にもっと頼って欲しいですけれどね。主に執務の件で」

提督「そこはまあ、ね?」

瑞鶴「でもさー。現実問題こんな大量のチョコ全部食べきれるの?」

提督「貰ったからにはちゃんと頂くさ。とはいっても瑞鶴が言うとおり全部食べるには時間がかかる。だからこういう時は……」

瑞鶴「とき、は……?」

提督「まず全員分を少しずつ食べようかなと。全部食べてから次ってなると後の子に感想をすぐ伝えられないだろう?」

瑞鶴「あー」ナルホド

翔鶴「たしかに良い方法ですね」

提督「残りは日々のおやつにって感じかな。密封して日の当たらない所へ置いておけばある程度は保存もできるし。もちろん、どれが誰のかわかるようにはしておくよ」

瑞鶴「後のことまで考えるとは、マメな」

翔鶴「そこもまた提督らしいですね」ニコニコ


240: 2015/02/14(土) 13:16:12.16 ID:XxB7rucx0

提督「にしても、これだけの物を貰ってしまっては俺としてもお返しはちゃんとした物の方がいいかもなぁ」フム

瑞鶴「バレンタイン当日にもうお返しのことを考えてる提督さん。なんかシュール」アシプラプラ~

翔鶴「あはは……」

提督「うーんどうしたものか。クッキーなんて在り来りすぎるし、ここは間宮さんに話を通してアイスとかお菓子なんかと引き換えられる券でも作ってみるかなぁ」

瑞鶴「……んっ!」ティンッ

翔鶴「どうかしたの瑞鶴?」

瑞鶴「ねえねえ提督さん。瑞鶴からもバレンタインのチョコあげよっか?」ニコニコ

提督「え? あ、ああ。もちろんそれは嬉しいが……」

翔鶴「?」

瑞鶴「じゃあ……ハイッ」パクッ

提督「!」

翔鶴「!」



瑞鶴「ン~……」←ひとくちチョコを唇で挟んで、目を瞑って突き出してるポーズ


241: 2015/02/14(土) 13:20:36.36 ID:XxB7rucx0

翔鶴「ず、瑞鶴っ?!」

提督「えーと。これはどうすればいいんだ?」

瑞鶴「ン~ッ」ズイッ

提督「あー」ソユコト?

翔鶴「瑞鶴ったら、はしたないわよっ!」

瑞鶴「ンンッ」ズイズイッ

提督「いや、でもさすがにそれはマズイだろうて……なぁ?」チラッ

翔鶴「………………」



ムニュッ



瑞鶴「……ん?」パチリ

翔鶴「………………」←指でチョコを押し込んだ

瑞鶴「………………」

翔鶴「……だめ」スッ

瑞鶴「むぐむぐ」コクコク

提督「oh...」


242: 2015/02/14(土) 13:25:13.94 ID:XxB7rucx0


瑞鶴「いやあ半分冗談のつもりだったんだけどねぇ。やっぱりダメだった?」

翔鶴「当たり前です!」

瑞鶴「ちぇー」プクー

翔鶴「もうっ――――さあ提督、残った書類を片付けてしまいましょう!」

提督「あ、あぁ」

翔鶴「それが終わったら、皆さんからのチョコのお礼と感想を忘れないで下さいね?」

提督「りょ、了解」コクコク

翔鶴「瑞鶴もチョコを渡すのならちゃんと渡さないとダメよ」

瑞鶴「はーい。じゃあ提督さん、改めてはいコレっ……一個減っちゃったけどあげるねっ」

提督「うむ……ありがとう瑞鶴」

瑞鶴「お返しは倍でも三倍でもいいからね」




翔鶴「………………」


つづく?


247: 2015/02/14(土) 20:55:49.09 ID:XxB7rucx0

・---・バレンタインな?・---・


提督「いやはや。昼間の瑞鶴には驚かされたなあ。まさかあんな行動を取るとはね」

翔鶴「いたずら半分でやってる所が余計に厄介です」プリプリ

提督「行動はともかくとしても、まあ瑞鶴らしいと言えばらしいかな?」

翔鶴「提督も提督ですっ。あぁ言う時はちゃんと断れば良かったのに」

提督「いやぁ。ははは」

翔鶴「もうっ」プクー

提督「ところで、まだ肝心の翔鶴からはチョコを貰ってないのだが……」

翔鶴「提督には皆さんから貰ったたくさんのチョコがあるじゃないですか」

提督「それはそうだが、ソレとコレは別問題というか」

翔鶴「だらしない提督にあげるチョコなんてありませんよーだ」プイッ

提督「し、翔鶴さん……」

翔鶴「つーん」

提督「俺は翔鶴からチョコがほしいなぁ」

翔鶴「………………」チラッ

提督「それ楽しみに今日は頑張って早く仕事終わらせたと言っても過言じゃない」

翔鶴「……本当に?」

提督「もちろん」

翔鶴「嘘ついてたら雲龍さんから橘花改借りて爆撃ですよ?」


提督「(そもそも翔鶴にアレは使えないと思うが……黙っておこう)」


248: 2015/02/14(土) 21:00:17.84 ID:XxB7rucx0

提督「嘘なんかじゃない。ホントもホントだ」

翔鶴「じゃ、じゃあ……どうぞ」

提督「ありがとう。翔鶴」ナデナデ

翔鶴「それはなんだか子供扱いな気がします」

提督「おっと、すまない」パッ

翔鶴「……でも、もっとして欲しいです」スススッ

提督「はいはい」ナデナデ

翔鶴「はいは一回ですよ提督」ギュッ

提督「はーい」ニコニコ

翔鶴「もぅ」

提督「翔鶴は可愛いなあ」

翔鶴「ッ」カアァァァァ

提督「せっかく貰った翔鶴からのチョコ。大事に食べないと」

翔鶴「い、一応心をこめて、作りました……」マッカ

提督「……おぉっ。普通のチョコかと思ったらチョコケーキか!」

翔鶴「皆さんと同じだと飽きてしまうと思ったので……」

提督「贔屓するのは良くないけど、やっぱり違いがある分嬉しさも変わってくるな」

翔鶴「味わってもらえたら嬉しいです」

提督「そりゃもう。今だからこそできるひと足お先のホワイトデーのお返しもつけてあげよう」ギュウッ

翔鶴「て、提督……っ!」

提督「うーん、翔鶴の身体が暖かくて快適」

翔鶴「あ、あぅ」

提督「しばらくこうしててもいいかな?」

翔鶴「ど、どうぞ……」ギュッ

提督「暖房が要らなくなった」

翔鶴「です、ね」


はっぴーばれんたいん


254: 2015/02/17(火) 18:34:04.70 ID:Hi9hFV/w0

・---・アル日ノ鎮守府:翔鶴、提督・---・


提督「――さて、最近イベント続きでお休み気分だったがまた気合入れて書類と向き合うかな」

翔鶴「急ぎでないもので、後回しにしてしまったものもありますからね」

提督「ホコリと書類は放ったらかしにするとすぐに溜まるから困ったもんだ」

翔鶴「ふふっ。頑張りましょう」





加古「いよっしゃ! はい、かくめーい!」

瑞鶴「嘘でしょッ?!」←連勝中の大富豪

加古「へへっ。最下位がいつまでも続くとは限らないのさー。ね、2と1をたくさん持ってる大富豪さん? 盛者必衰盛者必衰~♪」←這い上がれそうな大貧民

川内「うわぁー。なんとかしてこの1をどうにかしないと……」←瑞鶴に勝てない富豪

初雪「……ふふん」←最初から高位のカードを持ってない貧民

瑞鶴「マズイわ。手札が一気にゴミ同然に」

加古「あれあれぇ瑞鶴サン? これってアタクシがGE☆KO☆KU☆JYOってパターン?」つ3

川内「……パスで」

初雪「パス」

瑞鶴「くっ……パスよ」

加古「んじゃーこれであたしがアガリって事でー。はいっ瑞鶴の転落決定!!」ヤターッ

瑞鶴「ナンテコッタイ」

川内「あーじゃあ私貧民かぁ」

初雪「……富豪」フンスッ

加古「さあさあ大貧民の瑞鶴さんや? さっさとカードを配っておくんなまし?」ハリーハリー

瑞鶴「はいはい分かったわよ。絶対下克上し直してやるんだから!」



マケナイワヨー!





提督「……まあ、コタツの有効な使い方ってやつだよな」

翔鶴「そ、そうですね……」

提督「書類、進めるか」

翔鶴「進めましょうか」


案の定進みは遅かったみたいです


263: 2015/02/20(金) 21:00:09.95 ID:eqObw0zv0

・---・鶴タチノ休息・---・


瑞鶴「朝起きたら雪が降っていた件について」

翔鶴「この分だと今日の任務は中止ね」

瑞鶴「さすがにこの天気の中で遠征とか戦闘は嫌だなぁ」

翔鶴「緊急時を除いて悪天候なら出撃しない。これはこの鎮守府の決まり事の一つよ」

瑞鶴「それ決めたのってやっぱり提督さん?」

翔鶴「もちろん。ちょっと変だとは思うけれど」

瑞鶴「普通に変だと思うけどねー。私としては嬉しいけど、兵器としてどうなのって」

翔鶴「提督は私たちのことを兵器だと見てないから……」

瑞鶴「うん。まあそれはここで生活しててよくわかるかな」

翔鶴「人間も艦娘も同じだって」

瑞鶴「だから提督さんと翔鶴姉ぇはくっついてるんだもんねー」ニヤニヤ

翔鶴「あぅ」プシュー


264: 2015/02/20(金) 21:05:58.50 ID:eqObw0zv0

瑞鶴「それで、任務はなくてもお仕事はするの?」

翔鶴「書類がなくなるわけじゃあないでしょう。やることなんて、探せばいくらでもあるのよ」

瑞鶴「たまには翔鶴姉ぇも休めばいいのに」

翔鶴「十分に頂いてます。暇なら瑞鶴が手伝ってくれてもいいのよ?」

瑞鶴「んー、パスで」ゴロゴロ

翔鶴「まったくもぅ。良くも悪くもすっかりここの環境に馴染んじゃったわね」

瑞鶴「私は最初からここの鎮守府所属っ。生え抜きです!」キリッ

翔鶴「調子いいんだから」クスッ

瑞鶴「翔鶴姉ぇもそう思ってるんでしょ?」

翔鶴「……まあ、ね。前の私は私じゃない。そう考えているわ」

瑞鶴「ここに来る前の翔鶴姉ぇってどんな感じだったの? やっぱり秘書艦だった?」

翔鶴「それは秘密。さ、いつまでも話してないで準備して朝ごはんにしましょう」

瑞鶴「だねぇ。お腹空いちゃった。今日の朝はなっにかな―っ!」ルンルン

翔鶴「………………」



翔鶴「(前の私、か……)」


かつていろいろありました


269: 2015/02/22(日) 16:16:14.96 ID:PlvOa76F0

・---・アノ日ノ鎮守府:発・---・


翔鶴「えっと、あの書類はどこに入れたかしら」ガッ

翔鶴「あっ――」



ガシャンッ!



翔鶴「ッ!!」ビクッ

提督「ん? 大丈夫か翔鶴。なんか割れたみたいな音がしたが」

翔鶴「ご、ごめんなさい提督。写真立てを割って……」

提督「あちゃー見事に割れちゃってるなぁ。こりゃ新しいの買わないともう駄目だな」ゴソゴソ

翔鶴「すみません……」シュン

提督「いいよいいよ。それよりも翔鶴、手や指に怪我はないかい?」

翔鶴「え、あっはい。大丈夫です」

提督「なら良かった。そっちの方が心配だからね。悪いけどホウキとチリトリを頼むよ。その間に大っきいのは分けてゴミ箱に入れておくから」

翔鶴「は、はいっ!」タタタッ

提督「中身の写真は……ん、大丈夫だな。破片払って新しいの買うまでペン立てにでも立てかけておくかな」



『提督と吹雪、鎮守府をバックに記念の一枚』スッ



提督「(あれからそれなりに経つけれど、少しはみんなの役に立ててるかな……)」



………………

…………

……


270: 2015/02/22(日) 16:21:17.46 ID:PlvOa76F0


吹雪「この鎮守府に初期艦として配属されました駆逐艦、吹雪です!」ビシッ

提督「こちらこそ。今日付けでこの鎮守府の責任者として配属になった提督だ。よろしく頼む……そして久し振りだね"吹雪さん"」

吹雪「はい! 私も、ここに来るにあたって"生徒さん"のお名前を見かけた時は嬉しかったですっ」

提督「兵学校以来だもんなぁ。ざっと一年ぶりくらいかな?」

吹雪「そうですね。懐かしいです――――って、あっごめんなさい。上官に向かって……」

提督「気にしなくていいよ。と言っても今までどおりの呼び方だとカッコも付かないから、提督なり司令官なり"吹雪さん"が呼びやすい言い方で呼んでくれ」

吹雪「で、ではその……司令官とお呼びしてもいいですか? あと、私のことも吹雪とお呼びください」

提督「わかった。じゃあ改めてこれからよろしくな。"吹雪"」

吹雪「はいっ。"司令官"!」ビシッ


提督「――で、早速だが吹雪。まずひとつ聞きたいんだが……」

吹雪「はい。なんでしょうか?」

提督「俺達の目的地はココで合ってるんだよな?」

吹雪「えっ? そう、ですね。こちらで合っていますが……」

提督「だよなぁ。俺が今思ってることを率直に言っていい?」

吹雪「あー……たぶん私も同じことを考えてます」アハハ……



提督「なんだよこれ。廃墟か?」





鎮守府?「我は氏に申した」ボロッ……



271: 2015/02/22(日) 16:26:19.21 ID:PlvOa76F0


提督「新しく創設した鎮守府って聞いてて、場所が場所だけに既存の建物をーって思ってたがまさかの廃墟とは……想像以上だった」

吹雪「見た限りではかつて軍の施設だった? くらいでしょうか」

提督「近所に民家も施設もないし、草もボウボウと……完全に破棄されて久しいって感じだよな。うーん、参ったねこれは」

吹雪「何かの手違いでしょうか?」

提督「そう思うのも最もだが残念ながらこれは現実……吹雪には大変申し訳ないが、今後もコレが軍部主導で改善される兆しはないんだ」

吹雪「そ、それはどう言う……」

提督「まず最初に謝っておく。巻き込んでしまって本当に申し訳ない」ペコリ

吹雪「えっ? 巻き込むって、えっ?」オロオロ



――これまでの経緯説明中……――



吹雪「」ボーゼン

提督「とまあそういう訳で、鎮守府とは名ばかりで戦果も功績も期待されてないっぽいんだ。やることと言ったら近海の制海権維持くらい……かな? ここらも深海棲艦が出るって話だし」

吹雪「な……」プルプル

提督「?」

吹雪「なにやってるんですかッ!!」クワッ


272: 2015/02/22(日) 16:31:08.32 ID:PlvOa76F0

吹雪「本当に、信じられません……! しかもそうなった原因たる目的が私たち艦娘のためって」

提督「この意志を変えるつもりはないよ。ちょっと環境がアレだったが、この分だとやれ訪問だ視察だなんてのはなさそうだから余計に都合がいい」

吹雪「司令官……主席だったのにぃ」グスン

提督「主席なんて今後の人生でなんの価値もない。下手に戦場出て氏んだら尚更ね。これでだめだったらその程度の運命ってことさ」

吹雪「まさか私がここに呼ばれたのも……」

提督「さすがに偶然だよ。主席とはいえ軍人としては実績もないペーペーだから人事権はないし」

吹雪「それで、これからどうするんです? 話を聞く限りもう詰んでるようにも思えるんですが」

提督「まずは散歩――もとい。敷地内の確認からかな。あとはここで生活するんだから拠点の確保だ」

吹雪「あうぅぅー。せっかく鎮守府配属なのに前途多難だよぉ」


273: 2015/02/22(日) 16:36:23.72 ID:PlvOa76F0

………………


提督「まずは敷地内で一番目立つこの建物。ここは事務棟かなんかだったのかな。頑丈に作ってあるのか朽ちてないみたいだ」

吹雪「窓も割れてないし、掃除すれば使えそうですよ。でもさすがに中はホコリっぽいですね」←ハンカチを口に当ててる

提督「積もりも積もったン年分ってか。窓開けて掃除すれば大丈夫だろう。階層的に部屋数も多そうだし、ここを執務と居住一緒くたにしてもいいかも」

吹雪「そう、ですね。お掃除が大変そうですが……」

提督「そこはもう頑張っていこうとしか、ね。俺も司令官だからって指示だけ出してふんぞり返る気もないし……お、ちょうどここにゴツいドアがあるから開けてみるか」ギギギィ

吹雪「わぁ。結構広いですね」

提督「会議室として使われていたのか、それとも多目的室だったのか。ふむ、せっかくだからここをこの鎮守府の執務室にしよう」

吹雪「確かに広さを考えればいいかもしれませんね」

提督「よし、まずは橋頭堡確保っと。荷物はここに置いて、引き続き回っていこうか」

吹雪「はい」


274: 2015/02/22(日) 16:41:15.82 ID:PlvOa76F0


………………



提督「建物から外に出てみたが、ここはなんだろうか?」

吹雪「なんだか工場……工廠? みたいな外観ですね」

提督「ここも破棄されてたにしては綺麗なのが気になるけれど、昔はここでなにか作ってたのかなあ……っと! この扉、錆びついてて重いな!」ガガガガガガッ

吹雪「あ、お手伝いしますっ」ガガガガーッ

提督「力で女の子に負ける俺って一体」

吹雪「あの、私艦娘ですから……」

提督「艦娘だろうが人間だろうが関係ないさ。吹雪は立派な女の子。今だって艤装を付けてないんだから誰が見たって全員女の子って答えるさ」

吹雪「お、女の子だなんて、そんな……」テレテレ

提督「この鎮守府では人間も艦娘も同じ。人間が嫌がることは艦娘にもやらせないし、仮にやるとしたら平等だ。俺が決めるんだからこれは規則として絶対となるね」

吹雪「前にお話した時もそうでしたが、やっぱり司令官って変わってますよね」

提督「はは、褒め言葉と受け取っておこうかな。 ……んー、それにしても中が暗くてよく見えないな。ここって電源生きてるのか? とりあえずスイッチ、スイッチは……と」ポチッとな



??『レディースアーンドジェントルメン、です』パッ



『ッ?!』


275: 2015/02/22(日) 16:46:13.72 ID:PlvOa76F0


??『これはこれは、ようこそですです』

??『わぁ、久しぶりの人間さんです』

??『あれあれ、一人は艦娘です?』

??『ココになにか御用です?』


ワラワラワラ


吹雪「し、司令官っ! こっこれって」

提督「驚いたな。こんな所に妖精さんがいるとは……。と言うことはかつては艦娘に関する施設だったのか」


妖精1「失礼な。ここは元から我らの家です」

妖精2「勝手にいなくなったのは後からやって来た人間さんの方なのです」


提督「ふむ……。俺は今日からここの責任者として着任した提督だ。何も知らないまま来たもんで、良ければここの事を教えてもらえると助かるんだがどうだろうか」

吹雪「私は初期艦として配属された吹雪ですっ」


妖精3「提督さんとブッキーさんです?」

妖精4「ならばお教えするのです」

妖精5「ここらで一杯茶が怖いです」


提督「あぁーと……道すがらで買ったペットのお茶で良ければ。吹雪、話を聞きがてら小休憩といこうか」

吹雪「は、はい」


276: 2015/02/22(日) 16:51:20.16 ID:PlvOa76F0

………………


提督「――――ふぅーむ……同じ人間としてなんと言ったらいいものやら」←隅っこで埃かぶってた机と椅子を引っ張り出してきた

吹雪「司令官の前で言うのもなんですが、その……自分勝手だなあ、と」←同上

提督「全くだな。こちらから頼んでおいて都合が悪くなったから蒸発って、なぁ?」

吹雪「放っておかれた妖精さんがかわいそうです」

提督「一応協力を約束してくれたからいいものの、人間不信になってたらどうにもならなかったかも」

吹雪「妖精さんは基本的に人間が好きですからね。余程のことがない限りは協力してくれるかと」

提督「それにつけ込んだのが一部のバカなんだけどね。今の状況があるのは艦娘たちと妖精さんあってこそだってのに、そこら辺が解っとらんのだ」

吹雪「とりあえず資源さえあればここの設備等は直してくれるそうですが……」

提督「配給されていたのは雀の涙程度の各種資源。これじゃ直すのにも足りないのは誰だって分かるな」

吹雪「ど、どうしましょう……」


提督「うーん、これはあまり使いたくない手なんだが。しょうがないか」サラサラサラ

吹雪「司令官。何を書いてるんですか?」

提督「ん? ちょっと知り合いに横流しのお願いをネ。あぁそうだ吹雪。これ書いたら一旦街に出ようか。手紙を出しに行かなきゃいけないし、何より……」

吹雪「何より……?」

提督「生活必需品がないし日用品もない。そして大前提として食料がないと氏んでしまいます」

吹雪「ですね」ウン

提督「買い出しが済んだらしばらくはここの掃除かな。妖精さんと総出で住める環境にしないとどっちにしろ詰んでしまう」

吹雪「鎮守府の仕事じゃあないですねー」

提督「いっその事トコトン独自路線を歩むのも悪くないな。こんな場所じゃ目も付けられないし。なにより堅苦しいのは俺が嫌だ」

吹雪「本当にそういうところ、学生時代から変わっていませんね」アハハ

提督「俺は大体こんなものだよ。――――さあ、これから忙しいぞ吹雪! 俺たち二人だけだがやることは山盛りだ。これから増えるかもしれない仲間たちのためにもまずは快適な空間を作るんだ」

吹雪「もう完全に鎮守府の仕事じゃあないですねっ。でも、頑張ります!」



『友へ―― 兵学校時代の借金を帳消しにするから、ナイショで各種資源こちらに譲ってくれ。できればしばらく。定期的に』



……

…………

………………


277: 2015/02/22(日) 16:56:25.10 ID:PlvOa76F0


提督「(あれから数日掛かりで掃除して、なんとか人様に見せられるまでにした所で撮った写真。あの頃は吹雪と二人。そして今は――――)」


翔鶴「提督っ。ホウキとチリトリ持ってきました!」タタタッ

提督「ああ。ありがとう翔鶴。それじゃあササッと掃除しちゃおうかな」

翔鶴「わ、私がやります。割っちゃったのは私なので……」

提督「いいのいいの。たまには俺も身体を動かさないとなー」サササッ

翔鶴「あっ」

提督「まあなんだ。辺鄙な場所だけど愛着もあるものでね。やれることは自分でやりたいのさ」

翔鶴「は、はぁ」



knock knock knock

??『司令官、吹雪です!』



提督「ああ。どうぞー」

吹雪「失礼ます」ガチャッ

提督「足元注意してくれよ。ガラス片があるかもしれないから」

吹雪「なにかあったんですか?」

提督「まあちょっとね。んで、どうした?」

吹雪「あっはい。鳳翔さんが――――」


はじまりのはじまり


282: 2015/02/22(日) 20:20:51.22 ID:PlvOa76F0

・---・オマケノ鎮守府:ソノ頃ノ同期サン・---・


『友へ―― 兵学校時代の借金を帳消しにするから、ナイショで各種資源こちらに譲ってくれ。できればしばらく。定期的に』


友→提督「………………」

赤城「提督。どうかされましたか?」←低練度時代

提督「なあ赤城。ウチの資源って今どれくらいだっけ? 駆逐艦たちが遠征頑張ってくれてるから余裕あるよな?」

赤城「資源ですか? えと、そうですね。鋼材はちょっと心許ないですが順調に貯まっています」

提督「ふむ。じゃあいけるかな……」

赤城「しかしボーキサイトは全然ですね。 なにせ超・貴重なのでっ!」モグモグ

提督「大体誰かさんたちが原因なんだがな? ついでに言うとその手に持ってるのはなんだろうなあ赤城よ」

赤城「おやつです」

提督「余裕が無いのにサッカーボール大のボーキまん食ってるってことは余裕があるってことだな? じゃあこれも問題なしっと」

赤城「なんと?!」

提督「悪いんだがその中から各種1000ずつを何回か私用に使ってもいいか?」

赤城「私用? 何か開発でもされるんですか?」

提督「まあそんな所だ。厳しいようなら半分とかでもいいけど」

赤城「ボーキサイトも?」

提督「ボーキサイトも」

赤城「NOと言ったら?」

提督「お前のおやつが残念なコトになるな」

赤城「提督の鬼! 悪魔! 童O!」

提督「どどどどどどど童Oちゃうわ! つーか俺結婚してるから!」

赤城「そんな事ボーキサイトの前では些細な事ですッ!!」

提督「自分で言ったんだろうが! っつーワケで、ちょっと使わせてもらうからな。余計な詮索はしないよーに」

赤城「くっ……一航戦の誇り、こんな所で……!」

提督「お前の中ではボーキサイト=一航戦の誇りなのか? 加賀は違うよな?」

加賀「頭にきました」

提督「えッ?!」


スマキヨ! スマキッ!
スマキネ
ウソンッ?!


今日も(同期の)鎮守府は平和です


285: 2015/02/22(日) 20:33:41.81 ID:PlvOa76F0

吹雪「司令官に!」

川内「ミカンを食べさせてもらえると!」

古鷹「き、聞いてきました!」


提督「」



執務室のコタツは絶好のコミュニケーションの場。艦娘たちは提督とお話をしたがっています。今回は誰がやって来るのでしょう?

一人で提督を独占するもよし……
二人で仲良く語らうもよし……
三人で賑やかに過ごすもよし……


<<現在鎮守府に所属している艦娘>>

戦艦
・扶桑 山城 武蔵

空母
・翔鶴 瑞鶴 鳳翔

巡洋艦
・古鷹 加古 利根 筑摩
・川内 神通 那珂

駆逐艦
・吹雪 白雪 初雪 深雪 綾波
・白露 時雨 村雨 夕立 春雨


今回欠席:叢雲、磯波、敷波、五月雨、涼風、大鯨


↓1の方に参加人数(1~3)を
↓2,3,4の方に参加艦娘をそれぞれお願いいたします

参加人数が三人未満の場合は、それぞれ↓2,3の艦娘が対象になります
鎮守府に所属しない艦娘や関係無かった場合は更に↓の方の採用となります
よろしければモノは試しと放り込んでいってみてください


296: 2015/02/25(水) 22:05:23.49 ID:fFit0kCi0

・---・アル日ノ鎮守府:夕立・---・


提督「3月も目前とはいえ、まだまだ寒い日が続くなぁ」ヌクヌク

翔鶴「暦上ではもう春なんですけれどね」ヌクヌク

瑞鶴「やっぱりまだまだコタツが止められないよねぇ」ヌクヌク

提督「コタツに入りながら温かいお茶を飲む。思わず仕事を忘れて昼寝をしたくなる瞬間だ」

瑞鶴「その気持わかるかもー。このヌクヌクが眠さを誘っちゃってもう」ダルーン

翔鶴「瑞鶴はしょっちゅうここでお昼寝してるでしょう」

瑞鶴「まぁね」テヘッ

提督「はははっ……あ、もうお茶飲んでしまったか」

翔鶴「ではお注ぎしま……あら、ポットのお湯が」ナイ

提督「冬はどうしてもお湯の消費が多いからしょうがないさ」

翔鶴「すみません。ちょっと沸かしてきますね」サッ

瑞鶴「あ、翔鶴姉ぇ。ついでになんかお菓子持ってきて―」

翔鶴「自分で持って来なさい」

瑞鶴「むぅ~。てーとくさーん翔鶴姉ぇがいじわるするぅ」ブーブー

提督「そう言うなって。あぁすまないが翔鶴。ミカンのおかわりも頼めるかい? もう少し食べたくなった」

翔鶴「提督まで……。もぅ、しょうがないですね」

瑞鶴「やっぱり提督さんには甘い」ボソッ

翔鶴「聞こえてるわよ瑞鶴」スタスタ


297: 2015/02/25(水) 22:10:50.30 ID:fFit0kCi0


ガチャッ


夕立「っぽい」ヒョコッ



瑞鶴「あれ、夕立だ」

提督「どうかしたか」

夕立「てーとくさん。一緒におはなししましょ」トコトコ

提督「ああ、休憩中だしいいよ。ちょうど一人分コタツが空いてるから入りなさい」

夕立「提督さんと一緒に座りたいなぁ」

提督「一緒って……さすがにくっついて座ると狭くなっちゃうぞ」

夕立「大丈夫っぽい。提督さんちょっとだけ下がってもらえる?」

提督「うん? あぁ」

夕立「こうするっぽい。いつもとあんまり変わらないでしょ?」ストン

提督「お、おぉっ?」

夕立「はふぅー。オコタって温かくて気持ちいいっぽい―」ダルーン

提督「えっと……これはどうすればいいんだろう?」

瑞鶴「すっぽり収まっちゃってるね」

夕立「提督さん、頭撫でてほしいっぽい―」グリグリ

提督「まるでお犬様のようだ」ナデナデ

夕立「わふー」ニコニコ

瑞鶴「ぽいぬだね」

提督「なんだそりゃ」


298: 2015/02/25(水) 22:15:37.80 ID:fFit0kCi0

夕立「~♪」

提督「夕立ー、俺ちょっと寒くなってきたぞ―」

夕立「寒いっぽい?」

提督「足はコタツの中だからいいけれど、身体が離れちゃったからなぁ」

夕立「んー、じゃあ夕立のこと抱きしめる?」

提督「いやぁソレはさすがに」ネェ?

夕立「お腹に手を回せばあったかいよっ」グイッ

提督「あぁこら……」

夕立「ふふーん。提督さんの身体も温かいっぽい!」

提督「まいったな」アハハ

夕立「提督さん、夕立温かい?」

提督「……ああ。とっても温かい。ありがとう」

夕立「ふふっ」ニコニコ

瑞鶴「毎度のことながらお父さんと子供って感じだねぇ」

提督「そう見えるんならまだいいんだがね?」

夕立「違うよ! 夕立、提督さんのお嫁さんになるっぽい!」

提督「もうちょっと大きくなったらな」ナデナデ

夕立「もうちょっとって、いつっぽいー?」

提督「戦艦になった頃かなぁ」

夕立「むぅー」←ある意味すでに戦艦級(打撃力的な意味で)

瑞鶴「………………」


299: 2015/02/25(水) 22:20:37.31 ID:fFit0kCi0


瑞鶴「……んーっと」ゴソゴソ


瑞鶴「………………」モゾモゾ

提督「ん? 瑞鶴?」ドコイッタ

瑞鶴「(ゴンッ)あいたっ……。――――ばぁっ!」ガバッ

提督「!」

瑞鶴「へへっ。私も一緒にくっつけばもっと温かいよね」ヨコカラ、ギュット

夕立「瑞鶴さんも来たっぽい」

瑞鶴「わーホントだ。夕立の身体あったかい~」ギュウッ

提督「……狭くなった」

瑞鶴「文句言わないの」ギュー



セッカクダカラ ミカンタベサセテアゲルッ
ユウダチモ ヤルッポイ!
イヤイヤイヤ



翔鶴「………………」


あっ……


300: 2015/02/25(水) 22:22:45.37 ID:fFit0kCi0
提督さん、お話(物理)しましょっ?
オマケは明日にでも……コタこみゅは土曜日の予定で
よろしければまたお付き合いください


……3-3グルグルしてるのに菱餅が出ない

304: 2015/02/26(木) 21:00:17.48 ID:ZHtlRgiU0

・---・オマケノ鎮守府:翔鶴・---・


翔鶴「………………」ゴゴゴゴゴ



提督「……なあ、瑞鶴よ。気のせいか背後からとんでもない殺気が」

瑞鶴「うん。奇遇よね。私も」

夕立「っぽい?」

提督「振り返るべきか? ここは振り返るべきなのか?」

瑞鶴「振り返るべきなんだろうけど、果たして振り返った先に未来はあるのか」

提督「俺はどうすればいいと思う?」

瑞鶴「私もどうしたら良いと思う?」

夕立「???」クビカシゲー

提督「とりあえず……」

瑞鶴「……とりあえず」



『ごめんなさい』



翔鶴「あら、どうして二人して謝っているのですか? それに、二人の先には誰もいませんよ?」ニコニコ



夕立「? 提督さん。ミカン、食べるっぽい?」ハイ

提督「……ああ。頂こうかな。しばらく食べられないかもしれないし」

瑞鶴「わ、私もかなーって……」

夕立「二人とも固まってるっぽい? どうかしたの?」

翔鶴「うふふふふふふっ。どうして固まってるんでしょうね? 今戻ってきた私には解らないわぁ」ゴゴゴゴゴゴ


どうしたんでしょうね?(棒読み)


305: 2015/02/26(木) 21:04:32.60 ID:ZHtlRgiU0
たった3つの菱餅探してる間に時間のかかるろ号が先終わるとかもうね
あー全然出ない……
コタこみゅは土曜日か日曜予定ですが、よろしければまたお付き合いください

293: 2015/02/22(日) 22:18:15.72 ID:AXHQUX7so
乙です


引用: 翔鶴「瑞鶴、あまり提督の邪魔をしちゃだめよ?」