606: 2015/05/09(土) 17:36:25.93 ID:tp1lfnwf0


前回翔鶴「瑞鶴、あまり提督の邪魔をしちゃだめよ?」【6】

・---・ヤッチマッタZE・---・


葛城「さァーて! 今日も瑞鶴センパイの所に遊びに行こウかな」

雲龍「あのねェ。そんなしょっちゅう遊びに行ってたら本当にバレるわヨ?」

葛城「ちゃんと注意してるッてば。あ、お菓子とか持ってった方がいいカな―」

天城「葛城ハ本当ニ瑞鶴さんノ事がオ気ニ入りなのね」

葛城「もっチろん。腕を上げて、いつか絶対に一緒の艦隊組むんダから! この間の作戦のセンパイカッコ良かっタなあ」キラキラ

雲龍「完全にお熱ネ」

天城「ですね」

葛城「じゃ、行ってきマーす」タタタッ


雲龍「はァ……。出撃が再開できたら少しは落ち着くかしらネ?」

天城「それまではもうしばらくノ辛抱、ト言っタ所でしょうか」

雲龍「冬月たちの艤装修理が終わるまであと少シ。何事もなければいいけれド」

艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(3) (角川コミックス・エース)

607: 2015/05/09(土) 17:40:40.89 ID:tp1lfnwf0

葛城「ふっふフーん。セーンパイっと」コココンココ コココ



………………



葛城「あれ?」コココンココ コココ



………………



葛城「誰もいないノかな……? 提督も?」ガタタッ



しーん……



葛城「見事にもぬけの殻ね。お夕飯にはまだ早いし、燃料がないから出撃モない。……ああ、言ってて悲しくなっテきた」ホ口リ

葛城「翔鶴さんもいないし、こりゃあ出直してきた方が――――ん?」チラッ


??『Zzz』


葛城「あの髪型に白いリボンって……ひょっとしなくても瑞鶴センパイよね。むこう向いてるからお顔は見えないけど、やっぱり寝顔も素敵なんだろウなあ」

葛城「瑞鶴セーンパイっ! 葛城、来ちゃいマした」


瑞鶴?『……んぅ。かつらぎ……じゃと?』モゾッ


葛城「ん?」ジャト?


瑞鶴?『……おぉ、おぬしかつらぎかぁ。ひさしいのぅ。くれいらいじゃ』モゾモゾ



葛城「」ビクッ




葛城「(やっ……やっちゃったあぁああぁぁぁーッ!)」


608: 2015/05/09(土) 17:45:46.78 ID:tp1lfnwf0

葛城「」ダラダラダラダラ

利根「……いままでどこにいたんじゃ。あねのあまぎもいっしょか? むさしのようにながいひるねかの」フワフワ

葛城「そ、そんなカンジ……デス」

利根「……ひょっとして、わがはいのことだだれだかわかっとらんな?」ジー

葛城「え、エート」オロオロ

瑞鶴?「……おぼえておらぬか。とねじゃよ」ネムイ

葛城「いやぁーマア、ソノ」

利根「……みてのとおり、わがはいちとねむいのじゃ。すまぬがはなしならまたあとにしてくれるとありがたい……」モゾモゾ

葛城「ど、ドーゾ」

利根「うむ……またあとでのぅ」Zzz

葛城「………………」

葛城「(ど、どうシよう)」ヤバイ



ざわざわ……



葛城「(だ、誰か来る! とりあえず戻らナいと!)」ダッ



ガタンッ

ガチャッ



提督「――――部屋に戻ってたんじゃなかったのか?」

瑞鶴「だって一人だと暇だったんだもん。だから提督さんと遊ぼうと思って」

提督「遊ぼうって……」

翔鶴「たまには注意してもいいんですよ? この子のためにも」

提督「んー、まあな」

翔鶴「もぅ」

瑞鶴「えへへー。やっぱり提督さんは優しいなっ」

翔鶴「優しさと甘やかしは違いますよ提督」

提督「まあまあ」

瑞鶴「とりあえず翔鶴姉ぇ、お茶でも飲もうよ」

提督「そうしようそうしよう」

翔鶴「はぁ……。わかりました。では今用意しますね」


利根「……むう?」ムクリ

利根「………………」キョロキョロ


利根「……ゆめ、か?」


609: 2015/05/09(土) 17:50:49.86 ID:tp1lfnwf0

………………


提督「それで、よく眠れたか利根」

利根「うむっ。一眠りしたらスッキリしたぞ。カタパルトの事は残念じゃったが、次こそは吾輩の活躍を見せつけるのじゃ」

提督「それは安心だ」ヨカッタ

瑞鶴「あの時の慌てようったらすごかったもんね―」ズズズ……

利根「しょうがなかろう。吾輩にとってカタパルト故障は切っても切れぬ因縁なのじゃ」

提督「嫌な因縁だな」

利根「全くじゃ。彼奴とは真の意味で分かち合えた時が本当の力を発揮できるであろう」

翔鶴「まぁ」クスクス


利根「……ところで、つかぬことを聞くがここに葛城がおらんかったか?」

提督「は?」ピタッ

翔鶴「え?」ピクッ

瑞鶴「葛城……?」

利根「うむ。瑞鶴は知っておるじゃろ。雲龍の末妹じゃ」

瑞鶴「いやそれはわかるけど……」ナンデ

利根「なんかこう、枕元に葛城の姿を見た気がしたのじゃ。会話もした気もするが、皆が知らぬ所を見ると吾輩の夢の中の話だったようじゃな」

提督「ま、まあ利根は今まで寝てたんだし、混同することもあるよな」

利根「うーむ……確かにその通りじゃが、何故吾輩は夢の中のあやつを"おっどあい"にしてしまったのかのぅ」ムムム

提督「………………」チラッ

翔鶴「………………」チラッ

瑞鶴「葛城ねえ。あの子には悪いことをしたわ。一番大事な時に先達である私たちはもういなかったわけだし」

利根「瑞鶴のせいではない。時期や間が悪かっただけじゃ。それに、今の世ならあやつらも活躍できるであろう」

瑞鶴「……そうね。案外人知れず暴れまわってるかも」

提督「あっ。そう言えば今日中に仕上げないといけない書類があるんだった。仕上げちゃわないと」

翔鶴「そ、そうですね。徹夜になったら大変ですし」イソイソ

利根「む。そうか。では吾輩はこれにて失礼させてもらおうかの」

提督「急にすまんな。カタパルトは明日には直ってるから、工廠に取りに行ってもらえるか」

利根「了解じゃ!」



提督「……翔鶴。至急雲龍たちに確認を」ヒソヒソ

翔鶴「はい」ヒソヒソ


610: 2015/05/09(土) 17:55:37.04 ID:tp1lfnwf0

雲龍「――――コノ度ハ、愚昧ガ大変ゴ迷惑ヲ、オ掛ケ致シマシタ」フカブカ

天城「姉デアル天城タチノ監督不行デス」フカブカ



葛城「ビエエェェェンッ!」←たんこぶ二つ



提督「……と言うことは、やっぱり利根の話は事実だったのか」

雲龍「提督がいない時は扉を開けないようにって言ってあったんだけれド……」

天城「慢心しテ勝手ニ開けタ挙句、眠っていタ利根さんヲ瑞鶴さんト間違えたみたいでして」

提督「うーん。なんと言うか、ちょうど翔鶴とそんな話をしたばっかりだった」

翔鶴「あはは……」

雲龍「葛城曰く、半分寝てたらしいけれド……」

提督「ああ。本人も夢の中の出来事だと思ってるから完全に露呈したわけじゃないかな。でも、言われた時はさすがに驚いたよ」

翔鶴「雲龍さんたちの特徴を当てられると、見間違いとも言えなくなりますからね」

天城「それで、天城たちはこれからどうなるんでしょう……?」

雲龍「やっぱりしばらく会わない方がいいのかしラ」

葛城「え、そっソれは……!」ヤダ

雲龍「葛城」

葛城「あぅ……」ションボリ

提督「まあ、今度からちゃんと気をつけてもらえれば今までどおりで構わないよ。みんなに不便を強いてるのは事実だから」

葛城「……イいの?」

提督「ただしちゃんと約束は守ってくれよ。誰もいない時は開けない。今回みたくなりたくなければこれは絶対だ」

葛城「う、うん!」

提督「ほんと頼むぞ。 ……しかし、いろいろと限界かね。知る者も増えたし隠し通すのにも限度があるな」

翔鶴「いろいろと考えなければいけませんね」

提督「ああ」


だって好きなんだもん


616: 2015/05/12(火) 21:10:24.07 ID:WuzIibbH0

・---・続・月夜ノ鳳鶴・---・


提督「今日はまた一段と暑いな……!」

提督「最近は寝る時も冬布団だと寝苦しい日も増えてきた。むしろ蹴っ飛ばしてる時さえある」

提督「そう遠くなく半袖にもなるだろう。それはつまり……」



提督「鳳翔。今夜辺り久々にどうかな」クイッ

鳳翔「あらあら。では何か肴を用意いたしますね」

提督「うむっ。期待してるよ」ワクワク



翔鶴「………………」



617: 2015/05/12(火) 21:15:29.76 ID:WuzIibbH0


提督「――ここへ来るのも半年ぶりか。なんか、つい最近までやってたような気もするってのに」

鳳翔「ふふっ。今夜使われるとのことでしたので、掃除はしっかりとしてありますよ。さぁ、どうぞ」

提督「ありがとう。んっ……ほぅ。いやあ部屋で呑むのとはまたひと味ちがうな!」

鳳翔「やはり外の空気を肌で感じているせいでしょうかね」

提督「月見酒の醍醐味ってやつだよな。まあ、これでキレイに晴れてたらもっと良かったんだが」

鳳翔「ですね」ニコニコ

翔鶴「………………」

提督「翔鶴はどうしたんだ。ずいぶんと大人しいが」

翔鶴「いえ、別に……なんでもありません」グイッ

提督「ああこらそんないっぺんに飲んだら……」

翔鶴「だいじょうぶですっ。私だってお酒くらい飲めます」ジィッ

提督「それは呑むじゃなくて"飲む"だぞ」

翔鶴「いっしょですっ」グイッ

提督「」エー

翔鶴「だいたい提督は鳳翔さんと仲が良すぎです。お酒飲む時はだいたい一緒ですしー」ブゥ

提督「そりゃあ数少ないお酒仲間だからなぁ」

翔鶴「私じゃダメですか?」ボソッ

提督「む……」

鳳翔「あらあら。まあまあ」


618: 2015/05/12(火) 21:20:19.95 ID:WuzIibbH0

翔鶴「Zzz」スヤスヤ

提督「そしてあっと言う間に潰れてしまった……」←膝枕中

鳳翔「翔鶴さんはお酒に強くありませんからね」

提督「だからいつもはお茶にするか、飲んでもゆっくり少しずつって言ってるんだがねぇ」

鳳翔「ふふっ。でも、翔鶴さんの気持ちも理解できます。相手が提督だからこそ、こうして一生懸命なんだと」

提督「それはまあ、俺だってわかってるさ」

鳳翔「あら。それはそれでなんだか妬けてしまいますね」ニコニコ

提督「勘弁してくれ」

鳳翔「どうしましょうかねえ」

提督「ははは……。しかし、時の流れってのは早いものだな。気が付くと翔鶴が一番長くなってしまった」

鳳翔「初代の吹雪ちゃんが二ヶ月ほどで、あとを継いだ私が半年くらいでしたでしょうか」

提督「ああ。そしてあの事件の寸前に来たのが翔鶴だ」

鳳翔「そのすぐ後でしたね。提督が秘書艦に任命したのは」

提督「今となっては頼りになる右腕的存在だよ。本当に感謝ばかりだ」ナデナデ


翔鶴「うぅ……ん」ムニャ……


提督「もちろん。鳳翔や吹雪、それに他のみんなにだって感謝はしてるぞ。みんなあっての鎮守府だ」

鳳翔「まあ」フフフ


もうすぐいちねん


619: 2015/05/12(火) 21:25:26.22 ID:WuzIibbH0

・---・オマケノ鎮守府:翔鶴・---・


提督「さて、それじゃあこの辺でお開きにしようか。俺は寝てしまった翔鶴を部屋まで連れて行くよ」

鳳翔「では私はお片付けを。ついでに朝食の下ごしらえをしてしまいます」

提督「いつもありがとう鳳翔。大鯨や間宮にも伝えておいてくれ」

鳳翔「ふふっ。わかりました。では、おやすみなさい」

提督「おやすみ。……さ、お姫様。お城へ戻る時間ですぞ」ヨイショ

翔鶴「んー……」ギュッ

提督「なんと言うか、完全に酔っぱらってるなぁ。こんな状態の翔鶴も珍しいというか」

鳳翔「ですね」ニコニコ



………………

…………

……



提督「まさか部屋に誰もいないとは。鍵もかかってたし……瑞鶴は何処へ行ったんだ?」

提督「放置する訳にはいかないから執務室のベッドへ連れてきたが、さてさて。これは困ったなぁ」


翔鶴「Zzz」ギュッ


提督「しっかりと掴まれてしまって離れられない」ウン

提督「無理に起こすのは悪いし……しょうがないか」



ゴロン



提督「なんだか会議に出た時の夜を思い出すなぁ。なんて」

提督「しばらくしたら翔鶴も起きるだろうし、その時に部屋に戻ればいいか」


その後目を覚ました翔鶴が驚いたのはまた別のお話


625: 2015/05/15(金) 20:50:21.07 ID:TRhZC49V0

・---・鶴タチノ休息・---・


瑞鶴「ついに翔鶴姉ぇが鎮守府内でも朝帰りをした件について」

翔鶴「そんな人聞きの悪い事を言わないでっ。酔い潰れてしまっただけよ」

瑞鶴「酔い潰れるほどお酒飲んでナニしてたんですかねえ」ニヤニヤ

翔鶴「またゲンコツされたいの?」グッ

瑞鶴「――――」←お口チャックの仕草

翔鶴「もぅ。大体提督が鳳翔さんと仲が良すぎるのが……」ブツブツ

瑞鶴「何を焦ってるのかねぇ。確かに提督さんは鳳翔さんと仲いいけどさ、だからって翔鶴姉ぇが捨てられたわけじゃないでしょ?」

翔鶴「それはそうだけど……。その捨てられたって言い方はチョットね」

瑞鶴「あーあ。人間ってメンドクサイよね。ケッコンは一人までーなんて言わずに好きなだけすればいいのに」

翔鶴「一人だからこそ意味がある、とも言えるんじゃないかしら。それに、そうなったら特定の誰かに偏ってしまうかもしれないし」

瑞鶴「昔と今じゃあいろいろ違うんだねー。頑張ってね翔鶴姉ぇ。私含めてライバルは多いよ」

翔鶴「それは……って、ちょっと待って瑞鶴。あなたもなの?」

瑞鶴「へへっ。さぁてね! うかうかしてると横からかっさらわれちゃうかもよ―」ホホホ

翔鶴「えっ? ちょっと瑞鶴、え?」アレレ


翔鶴さんは驚いています


631: 2015/05/17(日) 21:15:23.61 ID:upcNWyG50

・---・アル日ノ鎮守府:翔鶴、瑞鶴・---・


ガチャッ

瑞鶴「おっはようございまーす」

提督「おはよう瑞鶴。今日はまたずいぶん早いご出勤で」

瑞鶴「なんか目が覚めちゃってねー。うん。寝覚めスッキリって感じ」

提督「それは重畳。で、おとなりの翔鶴は……」

翔鶴「お、おはようございます……」クマー

提督「どうした? なんか目にクマができてるみたいだが。夜寝られなかったとか」

翔鶴「いえ、大丈夫です……。お気になさらず」

提督「どうみても大丈夫そうには見えないんだが」ウン

翔鶴「そんなことは……では、書類まとめちゃいますね」

提督「あ、あぁ。……なあ瑞鶴。翔鶴はどうしたんだ?」

瑞鶴「んー、ちょっとハッパを掛けたつもりが逆効果になっちゃた、みたいな?」

提督「なんだそれは。ケンカでもしたのか」

瑞鶴「まさか。で、翔鶴姉ぇがこんな感じだから手伝おうと思うけど何からしたらいいかな」

提督「今日は貴重な資源配給日だから資源在庫表の更新かな。あとは前回からの増減をまとめなきゃいけないから、それを手伝ってもらえると嬉しい」

瑞鶴「りょーかいっ。まあ今回のことは私にも責任あるから、翔鶴姉ぇの補佐はちゃんとするわ」


632: 2015/05/17(日) 21:20:52.38 ID:upcNWyG50


翔鶴「………………」ウツラウツラ

提督「………………」

瑞鶴「………………」サラサラペタン

翔鶴「………………」コックリコックリ

提督「翔鶴。大丈夫か?」

翔鶴「……えっ? あ、ははい。すみません」

提督「辛いならベッドで寝ててもいいんだぞ」

翔鶴「いえそんな。お仕事中ですから」

瑞鶴「(大丈夫かな―)」



………………



翔鶴「………………」ボー

翔鶴「………………」ウツラウツラ

瑞鶴「完全にオネムだね」

提督「ハァ。翔鶴。おーい翔鶴」

翔鶴「……はっ」ビクッ

提督「二時間だ。今から二時間しっかりと寝てきなさい。そうすればだいぶマシになるから」

翔鶴「で、でも」

提督「だーめ。残念ながらこれは提督命令です。業務に支障が出てるから無理にでも従ってもらいます」

翔鶴「あ、ぅ……」シュン

提督「そこのベッドを使っていいから、一度ちゃんと寝て眠気をとっておいで。仕事のことは気にしなくていいから」

翔鶴「すみません……」

提督「誰だって眠たい時くらいあるさ。無理に起きて能率の悪いことするよりかは、一度リセットして改めての方が絶対にイイ。翔鶴も俺によく言うだろう?」

翔鶴「そう、ですね。ではちょっと失礼して」

提督「そして今ならなんとテイトク自らがベッドまで運んでくれるサービス付きです」ヒョイッ

翔鶴「わ、わっ」

提督「どうする、ココで寝るかそれとも部屋に戻る?」

翔鶴「で、ではその……ここでオネガイシマス」

提督「かしこまりましたお嬢様。ではしばしお捕まりをば」

瑞鶴「いーなー」


633: 2015/05/17(日) 21:25:24.84 ID:upcNWyG50

翔鶴「Zzz」

提督「やっぱり眠たかったんじゃないか。我慢しなくても良かったのに」

瑞鶴「そこはほら、翔鶴姉ぇも秘書艦としてのプライドがあるじゃない?」

提督「だからこそ余計になんだがねぇ。で、昨日なにがあったんだ」

瑞鶴「早く翔鶴姉ぇと提督さんがくっつくようにけしかけました」

提督「………………」

瑞鶴「いまが戦の最中ってのはわかるけどさ。やっぱり翔鶴姉ぇには幸せになってもらいたいし」

提督「俺だって先のことはちゃんと考えてるよ。ただ、瑞鶴の言うように今は真っ只中。幸せにかまけてうつつを抜かして、なんてな。ましてそれで誰かを欠くような事をしたら氏んでも氏にきれん」

瑞鶴「だよねぇ」

提督「まあなんだ。暖かく見守ってもらえればと思うよ」

瑞鶴「ん。じゃあ生温~く見てるね。"お兄ちゃん"」

提督「なんだそりゃ」

瑞鶴「だって翔鶴姉ぇと提督さんがくっついたらそうなるでしょ? 前も言ったかもしれないけど」

提督「この歳でお兄ちゃん呼ばわりされると違和感満載だな」

瑞鶴「うん。私も言ってて変な感じ。提督さんは提督さんだよね」

提督「いつも通りが一番かな。さあさあ、いい加減仕事に戻ろう。翔鶴が起きたら全部片付いてて驚かせるくらいに」

瑞鶴「了解。あ、でもそう言えばもうすぐ配給の時間じゃない? 準備しないと」

提督「もうそんな時間に……じゃあ吹雪たちに伝えておくか。みんな部屋にいるかな」

瑞鶴「私もついて行こうっと」

提督「書類進めておいてくれるとありがたいんだがね」

瑞鶴「気にしない気にしない。さ、いこっ」グイグイ



……パタン


634: 2015/05/17(日) 21:30:37.46 ID:upcNWyG50

・---・オマケノ鎮守府:瑞鶴・---・


――工廠にて――


瑞鶴「――ってコトを提督さんと話してたんだけどさ」


彗星妖精『』クルクルクル


工廠妖精1『ふむふむです』

工廠妖精2『二人のシンテンは我々も気になってるです』


瑞鶴「こればっかりはご時世とか二人のタイミングとかあるから急かせないけどさ。なんかイイ案ないかなー」ムニー


彗星妖精『みぃ~』ミョーン


工廠妖精1『案です?』

工廠妖精2『ケッコン指輪的な?』


瑞鶴「まあそんな感じ。ケッコンとかじゃなくてもなんかこう結びつけるものがあればなーって」


彗星妖精『ッ』ハイ


瑞鶴「ふふっ。ありがと」ナデナデ


彗星妖精『~♪』


工廠妖精1『なるへそなるへそ』

工廠妖精2『ちょっと違うかもしれないけど、なんとかなるかもです』


瑞鶴「ほんと?」


工廠妖精1『少し時間を貰えればです』

工廠妖精2『資源はほぼ使わないから安心です』


瑞鶴の発案で妖精さんがナニかを始めました


639: 2015/05/20(水) 20:10:58.67 ID:fTSOBlZn0
注:長くなったので二つに分けます



・---・発覚・---・


――第三艦隊使用全装備、修理完了


雲龍「やっと出撃再開できるわネ」

冬月「お待たせいたしましタ!」

天城「先ノ作戦でハ囮任務とハ言え、結果ニ満足できたとハ言いきれません。これもまだまダ天城たちガ未熟であル証拠だト思います」

葛城「えーでも瑞鶴センパイカッコ良かったけドなあ。特に最後の発艦の時なんて超本気モードって感じで!」

雲龍「瑞鶴姉でなく私たちの問題ヨ。装備の優劣に驕ることなく結果を出すためには、まだまだ私たちは鍛錬が足りないというこト」

葛城「千里の道も一歩からってワケね」

雲龍「そうそウ。じゃあどうする? 準備出来たらすぐにでも出撃すル?」

天城「天城ハ構いません。オ休みはたくさんいただきました」

葛城「もうちょっと瑞鶴センパイとお話したいけど……一緒の艦隊組むための修行も必要ヨねっ。私も問題ナいわ」

雲龍「冬月たちは? いいかしラ」

冬月「はイ! いつでも行けまス!」

夏月「……ウム」

花月「お休みも嬉しいけど、やっぱり花月たちは海に出てなンぼ、よねぇ」

雲龍「了解。じゃあ早速だけど、今夜から出ましょうカ。と言うわけで秋月、しばらくは留守にしてゴメンナサイだけド……」

秋月「はい。皆さんのご活躍とご武運をお祈りいたします。 冬月、夏月、花月。秋月型の名にかけてしっかりと雲龍さんたちを護るのですよ」

冬月「わかりましタッ。姉さま、行ってまいりまス!」

秋月「司令へはこの後秋月から伝えておきますね」

雲龍「ありがとウ。それじゃあみんな夜までに準備を済ませておいてネ。出撃は……零時にしましょウ。始まりとしてはうってつけだワ」


………………

…………

……


秋月「――と言うわけで、雲龍さんたちは今夜出撃されるそうです」

提督「わかった。今までは気が付くと出掛けてたり帰ってきたりでなかなか行動が把握しきれない部分があったけど、秋月のお陰でより把握しやすくなったかな」

翔鶴「ですね」

秋月「いえ、秋月はそんな……っ。で、ではこれにて失礼いたします」


……パタン


提督「これでしばらく資源は雲龍たち頼みになってしまうな」

翔鶴「私たちだけでも遠征で得ることはできますが、どうしても限界がありますからね」

提督「まったくだよ。彼女たちの頑張りに応えるためにも、やりくりはしっかりしないとな」

翔鶴「はい」

提督「珍しくここにいない瑞鶴にもあとで言っておかないと」

翔鶴「何処に行ったんでしょうかね。部屋にもいませんでしたし……」


640: 2015/05/20(水) 20:15:34.60 ID:fTSOBlZn0

秋月「……ふぅ」テクテク

秋月「(今日から暫く夜は一人……。ここへ来てからずっとあの子たちと一緒だっただけに、少し寂しい気もするかも?)」

秋月「あ、でもせめてお見送りくらいは――――」


??『ん? 誰か出かけるの』


秋月「わひゃっ?! せ、川内さんっ」

川内「やほー」オテテフリフリ

秋月「こ、こんにちは」

川内「秋月は今ひとり?」

秋月「え、えぇ。今まで司令の所へいました」

川内「提督か翔鶴さんが出かけるところだったとか」

秋月「あ、いえそうではなく……っ」アタフタ

川内「違うの? じゃあ誰だろ……あ、出かけるで思い出したけど、たとえ誰かに誘われても予定にない訓練とかはダメだぞ―。いま資源に余裕が無いから」

秋月「そう、みたいですね」

秋月「(その一端に自分が関わっているのがまたなんとも心苦しいのですが)」

川内「私も余裕さえあれば夜戦とか思いっきりやりたいんだけどねぇ。まあ、ないものはしょうがないからしばらくは遠征に精を出してるってわけなのよ。秋月にもそのうち手伝ってもらうからそのつもりでね」

秋月「わかりました。護衛ならお任せくださいっ」

川内「んっ。じゃあ私はこれから寝るから」

秋月「お休みですか?」

川内「基本夜型だからね~」ジャネ

秋月「お疲れさまです……」


秋月「(そう言えば瑞鶴さんが言ってたっけ。川内さんは夜戦が好きだから夜になると元気が良くなるって)」


641: 2015/05/20(水) 20:20:22.94 ID:fTSOBlZn0

―川内型の部屋―

川内「あーなんかいいことないかなー」ゴロンゴロン

神通「いいこと……?」

那珂「洞窟探検はいいの?」

川内「アレ? 散々怪しいと期待させといて結局何もなかったってオチだったし。もういいかなって」

神通「(ホっ……)」

那珂「それ以外の川内ちゃんのいいことってみんな夜戦ばっかりな気がするかも」

川内「そうとも言う。遠征ばっかりでもう飽きちゃった」

那珂「やっぱりー」

神通「姉さん。遠征も立派なお仕事ですよ」

川内「そうなんだけどさぁ。やっぱり私たちって戦ってナンボじゃん? 夜戦してナンボじゃん?」

神通「それは……」

那珂「夜戦は川内ちゃんだけじゃないかな」

川内「那珂だって好きなくせに。神通も好きでしょ? 夜戦」

神通「え、えぇ。まあ」

那珂「夜間ライブは那珂ちゃんたちの宿命とも言えるよね」

川内「でしょ? だからなんかないかなーって」ゴロゴロ

那珂「寝転がりながら言ってても全然説得力ないけどねー」

神通「あはは……」

川内「神通が羨ましいよ。この間の作戦では思いっきり戦えたんだし。こっちは夜戦ができるって期待したものの結局哨戒どまりだもん」

神通「お、囮という都合上いろいろと大変でしたよ……?」

川内「それでも戦えただけいいじゃん。まさか神通たちが還って来たら資源無くなっちゃうなんて思いもしないし」

那珂「やっぱり提督はプロデューサーらしくココにドシーンって構えてた方がいいよねー」

神通「(プロデューサー……?)」

川内「やることないしとりあえず夜まで寝るわぁ。夕飯になったら起こして」

那珂「昼夜逆転してても、いざ遠征ってなればシャンとしてるのも川内ちゃんらしいよね」

神通「そ、そう……かな」


knock knock

??『吹雪です』


那珂「吹雪ちゃん? いいよー」

吹雪「失礼します。司令官から次の遠征についての資料を預かってきました」ガチャッ

川内「……また遠征かぁ」ゴロン

那珂「ちょうど話してたところだったね」

吹雪「そうなんですか?」

神通「今の私たちの主なお仕事ですからね。ありがとう吹雪さん」

吹雪「はいっ」


642: 2015/05/20(水) 20:25:20.28 ID:fTSOBlZn0

吹雪「えっと、この後は……」トコトコ


大鯨「あ、吹雪ちゃん。ちょうどいい所に」


吹雪「大鯨さん。どうかしましたか」

大鯨「いま鳳翔さんとお菓子を作っていたところなんですけれど、良かったら味見をお願いできないかなって」

吹雪「いいんですかっ」キラキラ

大鯨「はい。もうすぐ焼きあがるので、お暇でしたら食堂までいらしてくださいね」ニコニコ

吹雪「もちろんです。万難排除してでm」ムギュ

初雪「ん! ……行くっ」フンス

深雪「お菓子と聞いちゃあ深雪サマも黙っちゃいられないぜぃ!」

吹雪「ふ、二人ともっ。なんで乗っかるのぉ」ガクガクガク

初雪「……お約束」

深雪「抜け駆けはゲンキンなんだぜー吹雪」

大鯨「ふふふっ。では初雪ちゃんも深雪ちゃんもいっしょですね」

初雪「んっ」コクコク

深雪「鳳翔さんと大鯨さんが作るんだったら味に間違いはないよなー。楽しみ楽しみ」

吹雪「降りてよぉ―!」オモイ!

深雪「なあなあ、一体何のお菓子を作ったんだ」

大鯨「前に雑誌で見た中がしっとりとしたクッキーを作ってみようということで、間宮さんに教えてもらいました」

初雪「……おぉ。さくさく、しっとり」

深雪「こりゃあますます期待が膨らむなあ!」

吹雪「も、もう限界」ベシャッ

初雪「……吹雪、沈没」ナームー

深雪「やっぱ二人して乗っかったのはトップヘビーだったかー」ウンウン

吹雪「な、ならせめて早くどいて……」

深雪「じゃあ大鯨さん。早いところ行こうぜ―。時は金ナリ急がば回れだ」

初雪「……クッキーが待ってる」

大鯨「そ、それは意味が違いますよ。それに吹雪ちゃんが」

深雪「ダーイジョブ大丈夫。吹雪はやればできる子だから」

初雪「……がんばれ。できる。きもちのもんだい」ネ

吹雪「えぇー」ソンナ


643: 2015/05/20(水) 20:30:34.35 ID:fTSOBlZn0

吹雪「二人してひどいよー」プンスカ

深雪「まーまー。ほれ、もうひと口食べよーぜー」ハイ

吹雪「まったく……むぐむぐ……もぅ」

初雪「……うまうま」

瑞鶴「試食のはずがすっかりおやつタイムに入ってるわね。んー、おいしっ」モグモグ

鳳翔「初めて作りましたが、お口にあったみたいでよかったです」ニコニコ

吹雪「そう言えば、先ほど瑞鶴さんは執務室にいませんでしたが今までどちらに?」

瑞鶴「ん? ちょっと工廠までね。妖精さんに頼み事」

深雪「工廠で何してたんですか?」

瑞鶴「それはヒミツ~。まあ悪いことじゃないからそこは安心して」

吹雪「はぁ」

瑞鶴「ねぇ鳳翔さん。このクッキーって味は一種類だけ?」

鳳翔「まずは試作ということだったので……」

瑞鶴「チョコとか抹茶とか混ぜたらもっと美味しくなるんじゃないかなー。ほら、チョコクッキーとかもあるし」

大鯨「チョコクッキーですかあ」

鳳翔「……そう、ですねぇ。後で焼く皆さんの分の生地が残っているので、せっかくですから作ってみましょうか」

大鯨「作り方は変わらないと思うので、すぐ出来そうですね」

鳳翔「ちょうどチョコレートとお抹茶もありますね」

大鯨「はいっ」

瑞鶴「フフフ……これで新味試食権ゲットよ」

深雪「やりましたなあお代官様。ささ、こちらをお納めくだせぇ」フフフ

瑞鶴「深雪屋、お主も悪よのぅ」ホホホ

吹雪「あ、あんまり食べるとお夕飯入らなくなっちゃうよ?」

初雪「……甘い物は別腹。ダイジョブ」

瑞鶴「そうそう。そして美味しいものなら尚更よ。あ、あとで翔鶴姉ぇと提督さんにも持ってってあげよ―っと」


644: 2015/05/20(水) 20:35:23.48 ID:fTSOBlZn0


瑞鶴「はい、二人に差し入れを持ってきたよー」

提督「おぉクッキーか。仕事の合間の甘いモノは嬉しいな」サクサク

翔鶴「瑞鶴。あなた今まで何処に行ってたの?」

瑞鶴「ん? ちょっと工廠まで。あとついさっきまではこのクッキー食べに食堂へ」

翔鶴「工廠……また何か変なコト考えてるんじゃないでしょうね」

瑞鶴「そんなわけないじゃんー。ほらほら、翔鶴姉ぇも食べてよっ。鳳翔さんたちの新作だよ。味は私のお墨付き」ハイ

翔鶴「……確かに、美味しいわね」サクサク

瑞鶴「でしょ?」

提督「工廠に行くのは構わないけれど、資源に余裕が無いからあんまりヘンなことには使わないでくれよ」

瑞鶴「そりゃもう! ちゃーんと有意義なことに使いますとも。提督さんにとってもみんなにとってもね」

提督「俺も?」

瑞鶴「そうそう」ニコニコ

提督「なんかその笑顔がすごくコワイんだが……」

翔鶴「私もです……」

瑞鶴「(ニッコニコ)」

翔鶴「あ、そうだ瑞鶴。雲龍さんたち第三艦隊は今夜から出撃を再開するそうよ」

瑞鶴「今夜から? またなんともすごい時間帯に」

翔鶴「みんなが寝静まった頃に、と言うところでしょう。葛城さんに会いに行くなら今のうちよ」

瑞鶴「いやぁもう毎日のように会ってるから……別にいいかなーって」

翔鶴「そんなこと言ったら葛城さんがかわいそうよ」

瑞鶴「でもここんトコ毎日のようにあっち行ってるしー」ウーン

提督「だからこそ激励に行ったら喜ぶんじゃないかな。慕われてる先輩としてはね」

瑞鶴「……まあ、二人がソコまで言うなら」

翔鶴「このクッキーも持っていったらいいんじゃない?」

瑞鶴「だね。じゃああとでちょっと行ってこようかな」



………………

…………

……


650: 2015/05/24(日) 17:30:46.68 ID:V0QGuTPp0
注:最初に二つに分割と言ったな アレは嘘だ



――深夜


雲龍「……そろそろ時間ネ。みんな準備はいイ?」

葛城「もっチろん! 久々だから派手に暴れてヤるわ」

天城「艦載機ノ整備及び、燃料・弾薬共ニ準備万端です」

冬月「こちらも各装備点検完了済みでス」

雲龍「了解。念のためもう一度周囲に誰かいないか確認してから出ましょうカ」

天城「はい。水上・対空電探共ニ反応はありません。皆さン既にオ休ミ中かと」

雲龍「よシ。……いつもこの瞬間だけは慣れないわネ。昼間なら鳳翔とかが教えてくれるかラ」

葛城「さすがに夜までは頼めなイって?」

雲龍「こんな遅くまで私たちのわがままに付き合わせるわけにいかないからネ」

天城「いつか、みんなデ堂々ト出撃できル日ガ来るといいですね」

雲龍「……そうネ。さ、それじゃあみんな寝てる間に出ましょウ」

冬月「前衛はいつも通り私ガ。両翼は夏月と花月が努めまス」

雲龍「湾を出るまでは単縦陣で行きましょウ。あとで夜間陣形変更の確認もやっておきたいかラ」

花月「それなら花月がいちばン後ろねぇ。夏月にはまンなかをお願いするわあ」

夏月「……了」

雲龍「では、第三艦隊出撃すル。久々の実戦だけど、油断はしないでネ」



『ハイッ!』



………………



川内「………………」ムクリ

神通「Zzz」

那珂「Zzz」

川内「………………」ゴソゴソゴソ



……パタン


651: 2015/05/24(日) 17:35:42.95 ID:V0QGuTPp0

ザザーン

川内「夜はいいよねぇ。夜はさ……なんて毎度のごとく独り言ってねー」

川内「どうせ誰も聞いてないし。気にしない気にしないっと」

川内「波の音を聞きながら星空を眺める。最高だねえ。これで夜戦ができればもっと最高なんだけどなー」ゴロン


――最近は夜外に出ても寒くない。こうして屋根に寝転んでても冷やっとしないし


川内「………………」

川内「……雲量およそニ、月の光量ほぼ問題なし。ちょっと風が強いけど……うん。やっぱり夜戦にはちょうどいいや」

川内「でもめったに夜戦なんて起こらないし、やっぱり敵さんも夜は眠かったりしてねー――――?」ピタッ


ザザーン


川内「………………」ジー


ザザーン……ユラリ


川内「!」ググッ


――自然の波に逆らうような波紋。途切れ途切れの光の反射……間違いない。"なんかいる"

――フネならもっと大きな波紋や影が出るからあれは艦娘? いや、でも夜間訓練は休止中だしそもそも完全に時間外。他所から来るにしてもこんなところにこんな時間に来るはずがない。第一来るなら連絡くらいあるはず。緊急かそれともあれは……深海棲艦。まさか夜襲?!

――でもおかしい。夜襲ならなんで"沖に向かおうとしてる? 今なら無防備なココを奇襲して襲いたい放題のはず。なのにあんなにゆっくりと……まるで散歩に出かけるみたいな動きを?


川内「あれは一体……罠?」


――みんなを起こす時間と余裕はない。こんなだから艤装の殆ども持ってない。あるのはいつも身につけてるクナイ型の小型魚雷……


川内「……行くか。やれやれ。こんな夜戦は望んでないんだけどなぁ」グッ


――私に何かあったら後はよろしくね。二人とも


652: 2015/05/24(日) 17:40:55.45 ID:V0QGuTPp0

花月「?」ピクッ

葛城「ん、どうかシたの?」

花月「あ、いえ。なンか気配を感じたなぁって」

葛城「気配ですって? 雲龍姉ぇ、天城姉ぇ」

雲龍「天城、冬月。電探に反応ハ?」

天城「……いいえ、どちらモ周囲ニ反応はありません」フルフル

冬月「こちらもでス」

花月「気のせい、かしらぁ?」アレレ

葛城「久々の出撃だから感覚が鋭くなってるんじゃナいの?」

花月「……かもしれませン」

葛城「まあ夜は気にしすぎるくらいでちょうどいイわよ。引き続きよろシくね」



………………



川内「……見えたっ!」シュタタタッ


――艦影は……大小合わせて六か。一瞬気づかれたような動きをしたけど見つかってはいないみたい


川内「さすが妖精さんの特殊装備ってね。電探を誤魔化しちゃったからこの暗闇じゃ己の目以外に頼るものはないよ。狙うは単縦陣の最後尾……カモ番のちッこいの!」



…………



花月「……やっぱり、なンだか見られてるような気がするわぁ」ウーン

葛城「でも電探には反応なイわよ? それとも水中から?」

夏月「……無反応ダ」

葛城「となるとやっぱり気のせいってことになルけど」

花月「うーン」……タタタタッ

花月「?」 タタタタタッ!



バッ――!!



花月「ッ?! て、てきs」



ドーモ。テキカンタイ?=サン。センダイです


653: 2015/05/24(日) 17:46:12.01 ID:V0QGuTPp0

雲龍「な、なニッ?!」

天城「探照灯! 至近距離かラ直射されてます!」

葛城「くっ……眩しくて何も見エない!」


川内「動くな! 全員大人しくしろ。言葉くらい通じるでしょ? でないと……」グッ

花月「あわわわ……っ」アタフタ


冬月「花月!」

夏月「……チッ」ジャキンッ

雲龍「ま、待っテ! 私たちは敵じゃなイ。味方ヨ」

川内「そんな目をした味方なんて聞いたことないね。まるで深海棲艦みたい」

雲龍「う……と、とにかく敵意はないワ。だからそっちも落ち着いテ。あと、探照灯を下げてほしいワ」

川内「ならどうして闇夜にこそこそと動いてるの? 敵味方識別にも反応ないなんてやましい証拠が満載よ。これで信じろって無理な相談じゃない?」

天城「そ、それは……」

川内「所属と名前、目的を答えなさい。ここはこの鎮守府の領海内だから許可無く侵入した場合こちらに臨検する権利がある。でも、少しでも怪しい動きをしたら……」グイッ

花月「」ヒィッ

雲龍「わかっタ。降参すル。だからお願い、探照灯を下げテ。まぶしすぎて目が痛いワ」

川内「じゃあまずそっちから武器を下ろしなさい。ちっこいのが狙ってるその砲よ。そしたらこっちも探照灯を消す」

雲龍「冬月、夏月、主砲仰角九○度、全部反対側に向けなさイ」

冬月「……はイ」スッ

夏月「………………」スッ


654: 2015/05/24(日) 17:50:53.52 ID:V0QGuTPp0

川内「……確認した。じゃあ次は所属と名前と目的よ。嘘はつかないでね」パチン

雲龍「雲龍型航空母艦一番艦、旗艦を務める雲龍ヨ。所属ハ……」

川内「………………」

雲龍「ここヨ」

川内「……もうちょっと上手い嘘のつき方もあると思うけど。わざと? それともバカにしてる?」

雲龍「違うワ。本当に所属はこコ。あなたが知らないだケ」

川内「実際ここにいる私が知らないってことは信じられないってことだけど?」

雲龍「でも事実は事実。私たち六人はもう一年も前からここの所属ヨ」

川内「ならその証拠を見せなさい。誰が見ても納得できる証拠をね。出せる?」

葛城「そ、その前に花月を離しナさい! こっちに敵意がないことはわかったでシょう。首元に魚雷を押し付けるなんてかわいソうよ!」

川内「要求できる立場にないくらいは理解してほしいねえ」

葛城「で、でも!」

雲龍「葛城、落ち着きなさイ。その人の言うとおり……言葉で言って信じてもらえないなら態度で見せるしかないのヨ」

天城「態度で……? ね、姉様まさかっ。それはいけません!」

雲龍「もうどうしようもないノ。どんなものにも花月の命には代えられなイ。……ねえアナタ、今から一本だけ空に矢を射ッテモイイカシラ」

川内「許可するとでも?」

雲龍「本当ニ、オ願イ、コノ通リヨ。私ノ命ニカケテデモオ願イスルワ」ゴゴゴゴゴゴゴ

花月「雲龍さン……」

川内「……わかった。でも少しでも怪しい動きをしたら」

雲龍「シナイワ。絶対ニ。 葛城、鏑矢ヲ出シテ。緊急時吹鳴照明弾用意」

葛城「了解。……こうなった以上もうダメかもしれナいね」スッ

雲龍「……エエ」

葛城「ハぁっ。なんだかんだ、ここでの生活は楽しかっタなあ」グイッ

川内「さっきから見てたけど、あなた本当に艦娘なの? その頭から出てる緑色の角みたいなのとか、左目から揺らぎ出てる蒼いオーラみたいなのとかどうみても深海棲艦のそれよ?」

雲龍「……世の中、言葉じゃ説明できないことなんてたくさんあるのヨ。あとで神通に聞いてみるといいワ。 "川内"」フゥ

川内「え? なんで神通や私の名前を」




ピイィーッ! ヒュルルルルルルル……パパパッ


655: 2015/05/24(日) 17:56:14.20 ID:V0QGuTPp0

提督「Zzz」グースカピー


―――ピイィーッ! ヒュルルルルルルル……パパパッ


提督「んんッ、なんだ……?! こ、これは鏑矢! いかんッ」ガバッ


………………


大鯨「……な、なんですかぁ」モゾ……

鳳翔「ごめんなさい大鯨さん。私は少々出て参ります」スッ

大鯨「えっ鳳翔さん、艤装まで装備されて何処へ……?」

鳳翔「呼ばれてしまいましたからね。あの子たちに」

大鯨「?」


………………


神通「………………」ゴソゴソゴソ

那珂「Zzz」

神通「(姉さんの布団は空……熱も残ってない。と言うことは、これはやはり……)」

神通「ある意味で恐れていたことが現実になった、と」スッ


………………


叢雲「もぅ。なんなのよこんな時間に……」ネムイ

敷波「……また川内さんの暴走?」アフゥ

綾波「いくら夜戦が好きでも、ここまで迷惑を掛けるような方じゃないかと……?」

深雪「すげー。照明弾が音を立てて降下してるぜ。花火みたいだ」

磯波「でも、どうして上げてるのかな?」

吹雪「み、みんな落ち着いて! とりあえず司令官から指示があるまでは絶対に部屋から出ないでね!」ガチャッ

白雪「吹雪ちゃんはどうするの?」

吹雪「白露ちゃんや秋月ちゃんたちにも伝えてこないと! 白雪ちゃん、誰かが外に出そうになったら止めてくれる?」

白雪「う、うんっ。わかった」


初雪「Zzz」


………………


瑞鶴「な、なんのこれ。誰が照明弾なんかを……」

翔鶴「雲龍さんたちよ」

瑞鶴「え」ナンデ

翔鶴「これはね、第三艦隊の存在が私たち以外に露呈した時の知らせなの。もちろん鎮守府周辺限定の話しよ?」

瑞鶴「ってコトはまさか」

翔鶴「そのまさか、ね」

瑞鶴「葛城は、みんなはどうなっちゃうの?」

翔鶴「……まだ分からないわ。とにかく、行かないと」スッ

瑞鶴「わ、私も行く!」ガタッ


656: 2015/05/24(日) 18:01:03.72 ID:V0QGuTPp0

雲龍「……鎮守府に明かりが灯り始めたワ。もう直鳳翔たちが来ると思ウ。もちろん提督もネ」

天城「これデ隠シ切ることハ不可能になりましたね」

葛城「ある意味覚悟してたことダしね。むしろここまで隠し通せたことがスゴイんじゃなイかな」

冬月「これから、どうなるんでしょウ?」

雲龍「どうなるもこうなるも、最早流れに身を任せるより他はない……かしらネ」


川内「……アンタたちって一体。ほ、本当にここの所属なの?」スッ

花月「あ」フラリ

冬月「花月!」ギュッ

雲龍「我らは影。我らは闇。この戦争が終わるまで表に出ることを禁じられた存在――――って言ったら、物語っぽくてかっこいいのかしらネ?」

天城「ね、姉様。それハ事実ですがどちらかト言うト思春期特有ノ痛イ系物語になってしまいます」

雲龍「あラ」

葛城「なんか緊張の糸が切れちゃっタなー。もうどうにでもなれっテ感じ。今ならなんでも行け入れられそウかも」

川内「影、闇……。私ってひょっとして、開けちゃいけない系の箱の蓋を開けちゃった感じ?」

雲龍「そんなことないワ。あなたの行動は理に適ってるし落ち度なんてなイ。あるのはむしろこちら側。もしも反対の立場なら、私たちだってそうしたはズ」

天城「しかし、夜間でここまでハッキリ見つかってしまうのハ完全ニ誤算でした。最後まデ電探にモ反応ありませんでしたし」

川内「あ、あー……たぶん妖精さんの艤装のおかげかも。夜戦で電探にも映らなかったらスゴイよねって話してたら作ってくれたの」コレ

雲龍「……なるほド。本当にここの妖精の技量は素晴らしいわネ」

川内「ね、ねえ! みんなに見つかっちゃマズイなら私黙ってるよ? これも私のイタズラってことにすれば、今からでも……」


??『――その必要はありませんよ』


川内「あ……」

鳳翔「こんばんは。川内さん」

神通「やはり姉さんでしたね」

吹雪「夜の川内さんに敵う人はいませんからね」

川内「鳳翔さんに神通、それに吹雪まで……」

雲龍「ごめんなさい鳳翔。見つかってしまったワ」

鳳翔「仕方がありません。いつかが今日になってしまっただけのことです」

瑞鶴「みんな大丈夫っ?」

葛城「ず、瑞鶴センパイっ」アタフタ

雲龍「それはみんな来るわよネ……ところで提督と翔鶴は?」

瑞鶴「翔鶴姉ぇたちはフネで来るって。ほら、提督さんはこうできないから」パシャパシャ


663: 2015/05/27(水) 20:15:48.07 ID:/I+axZit0

提督『みんなー!』



瑞鶴「あ、提督さんたちもやっときたみた……い?」ナニアレ

雲龍「あラ」

鳳翔「まあ」

翔鶴「すみません皆さん。お待たせいたしました」←ロープを引っ張っている

提督「みんな大丈夫か? 怪我とかはしてないな?」←手こぎボートで曳航されている

瑞鶴「いや、まあみんな無事だけどさ……」

神通「て、提督。その、えっと」

提督「……何も触れないでもらえるとありがたい。フネで来られなかったのも察してもらえると」ハズカシクテ ナキソウ

翔鶴「同じく……」

瑞鶴「二人して何やってんだか」

鳳翔「それよりも提督。今回のことですが……」

提督「あ、ああ。とりあえず、全員執務室へ集合してもらえるか。もちろん川内や雲龍たちもだ」

雲龍「了解」

葛城「堂々と行けるのは初めてじゃないカしら。なんか新鮮でイイわね」

天城「あなたはもウ少シ緊張感ヲ持ちなさい」

川内「あの、提督。私……」

提督「今は何も言わなくていい。それにこの後お説教をするわけでもないよ。だからそんな悲しそうな顔をしないでおくれ」

川内「で、でも!」

提督「状況を見る限り、いつもの様に夜起きてた川内がたまたま出撃時間が被った雲龍たちを見つけてしまった。ただそれだけの事だろう?」

川内「それは、そうだけど」

提督「知らなかったんだからどうしようもない。むしろ隠してた俺にこそ責任がある。だからこそ、いろいろ説明しなきゃならない」

川内「………………」


664: 2015/05/27(水) 20:20:30.15 ID:/I+axZit0

提督「川内にもそうだし、あっちから何事かとこっちをみてる他のみんなにもな」

瑞鶴「え、と言うことはひょっとして」

翔鶴「よろしいのですか?」

提督「これで誤魔化したら不信感が残るだろうしね。それになんと言うか限界かなって。この間の葛城の……いや、瑞鶴の頃から考えてたんだ」

鳳翔「確かに人数が増えるほど隠していくのは難しくなりますからね」

提督「あとはまあ、信じてみたくなった。今日まで苦楽を共にした仲間を」

翔鶴「提督……」

瑞鶴「うん。いいんじゃないかな。きっとみんな受け入れてくれると思うよ」

翔鶴「私も瑞鶴の意見に賛成です」

提督「鳳翔たちはどうかな。反対?」

鳳翔「リスクが無くなるわけではありませんが、それはまた新たな対策としてみんなで考えていけば良いと思います。私は賛成ですね」

神通「……私も、提督の判断を支持します」

吹雪「私もです。一緒に生活が出来るなら、それは嬉しい事ですからっ」

提督「雲龍たちも、いいかな? こればかりは俺たちだけの判断で動けない」

雲龍「そう、ネ。瑞鶴姉や秋月を見て羨ましい気持ちもあったのは認めるワ。正直もっと先のことだと思ってたけれど……私は構わないワ」

天城「天城モ構いません。それでどのようナ結果だったとしてモ受ケ入れます」

葛城「私はこの間ニアミスしちゃったし大きなことは言えないけど、やっぱり堂々と瑞鶴センパイとお話できたら嬉しいかナって」

瑞鶴「アンタはそれしかないのかいっ」

冬月「私たちも構いませン!」

提督「……ありがとう。じゃあ改めてみんな執務室に集合してほしい。全員集まって欲しいが、もしも寝ていたら無理に起こさなくてもいいから」

瑞鶴「たぶんみんな起きてるんじゃないの? ……あーでも初雪と加古あたりは気づいてなさそうかも」


翔鶴「では提督。戻りましょうか」

提督「あぁうん。なんだかもの凄い惨めな気持ちになるなぁ。傍から見たこの図は」

葛城「手足を縄で縛ったらもう立派な捕虜ね! 罪は、そうねぇ……覗きカしら」

提督「勘弁してくれ」


665: 2015/05/27(水) 20:25:24.76 ID:/I+axZit0

―執務室―


ざわざわ……


提督「みんなお休みのところ申し訳ない。そして夜遅いのに突然の照明弾と警報吹鳴に驚いたと思う。まずは重ねて謝罪させてもらう」ペコリ


初雪「……眠い」ブニャブニャ

加古「くかー」Zzz

古鷹「ちょ、ちょっと加古。立ちながら寝ないでっ」


提督「最初に伝えておくが、これは決して敵艦隊の奇襲攻撃によるものではない。その点については安心してほしい」


白露「まあもしそうだったら今頃こうしてないだろうからねぇ」

夕立「鎮守府、ボロボロになっちゃうっぽい?」

時雨「みんな寝ていたっていう事でなら、そうなるかもね」

敷波「……ここ、ホントに鎮守府?」

叢雲「アンタも慣れれば気にしなくなるわよ」

敷波「それもそれでどうかと思う」


提督「そして、奇襲でないなら何故このようなことになったか。今からその理由をみんなに伝えようと思う。今日これまで、一部以外に秘密にしていた鎮守府における最高機密事項だ」


利根「さ、最高機密じゃと……。そのようなものがここにあるとは」ゴクリ

筑摩「なんだか緊張してきてしまいますね」

武蔵「フッ。この武蔵もかつては最高機密と言われた存在。並大抵のことでは驚かないぞ」

山城「夜中に突然叩き起こされて秘密を暴露とか、こんな展開に不幸を覚えるわ……」

扶桑「そう言わないの山城。提督にもきっとなにかお考えがあるのよ」


提督「まあ説明するよりも実際に見てもらった方が早いだろうから――――入ってくれ」


ガチャッ


『!!』


666: 2015/05/27(水) 20:30:25.12 ID:/I+axZit0

ざわざわ……!


アレダレ?
ナンダカ、目ガ……
ヨクミルト、手トカ足モ……


雲龍「……やっぱり、みんな驚くわよネ」

天城「覚悟していたとはいえ、奇異ノ視線ト言うのはやはリ気分ノ良いものではありませんね」

葛城「見世物じゃないぞーって言っテみる?」

天城「止めなさい」

雲龍「あ、時雨」オテテフリフリ


時雨「! お、驚いたなぁ。まさか雲龍たちがいるなんて。でも、あの姿は一体……」

夕立「知り合いっぽい?」

時雨「知り合い……うん、そうだね。扶桑たちのこともそうだけど、雲龍のことだって忘れたことはないよ」

春雨「あの、なんと言ったらいいのでしょう。言葉が見つからないのですが、えっと」

村雨「見た目がおかしいって?」

春雨「あ、その……は、はぃ」アゥ

村雨「確かにこの言い方以外に出てこないけれど、ソコも含めて提督から説明があるんじゃないかな」


利根「なんじゃ。葛城のやつおるではないか。それに天城に雲龍の姿も。この間は何故いないなどと言っておったのじゃろうかのぅ」

筑摩「ひょっとするとその事が機密事項なのかもしれませんよ? ほら、皆さんチョット雰囲気が違うと思いませんか」

利根「ぬなっ。そ、そう言われてみれば……」ウムム


提督「知っている人は知っていると思う。雲龍型の雲龍、天城、葛城と、この間やってきた秋月の妹たちである冬月、夏月、花月だ」

提督「そして彼女たちは――――元・深海棲艦でもある」


川内「!」



……え?


667: 2015/05/27(水) 20:35:20.96 ID:/I+axZit0

ざわざわ!


加古「……んぁ」パチリ

古鷹「深海、棲艦?」

山城「……嘘でしょ。そんなっ」

扶桑「深海棲艦が艦娘に……」

敷波「そ、そんな事ってあり得るの?」

叢雲「聞いたことないわよそんなの」

綾波「では、今まで倒してきた敵というのは……?」


提督「静かに! まずはこちらの説明を聞いてほしい。質問もあとでまとめて受け付ける」


ぴたっ


提督「……ありがとう。元・深海棲艦と言うことで皆動揺していると思うが、これだけは言っておきたい。彼女たちの場合は例外だ。全てに当てはまるわけじゃない」

提督「深海棲艦が艦娘であると決まったわけじゃないしその逆も然り。もしかしたら彼女たちも本当の意味で深海棲艦でなかったのかもしれない」

提督「そしてもっと言えば戻った原因も方法も不明のまま。偶然がいくつも重なった結果としか言いようがないんだ」

提督「もう一年も前になるが、ちょうどその時一緒にいた翔鶴、鳳翔、神通、吹雪とともに、一度はその存在を秘匿しようと決めていた」

提督「公にしたら混乱は必至だし、彼女たちの身も危ない。そして戦いに躊躇が生まれたらこちらも危ない、と言うことでだ」

提督「だけどこの鎮守府も人数が増えた。人数が増えるということは行動が広がるということで、監視の目も届きにくくなる。そして今夜ついに発見されてしまった」


川内「………………」


668: 2015/05/27(水) 20:40:29.56 ID:/I+axZit0

提督「誰が見つけたという話じゃない。場所は違えど一緒に生活している以上いつか起こり得た話だ。イイ悪いを決めるつもりもない」

提督「見つかったから公にしたと捉えられても仕方ないと思う。だけど良い機会だとも判断したんだ。今日まで苦楽を共にしてきた皆なら、きっと共有できると」


加古「んー、つまり信頼してもらえたってことかな? 本当の意味で」ポケー

古鷹「か、加古」


提督「……試しているわけじゃあないがね。気を悪くしたら申し訳ない。だけど公にするのはこの鎮守府の中だけだ。もし中央にバレたら彼女たちの身が危ないし俺たちも危なくなる。なんとしてもこの中で守り通す必要がある。そのためにはみんなの協力が不可欠なんだ」

提督「どうか、一緒に彼女たちを守ってほしい。そしてどうか "一緒に生活すること" を許してほしい」ペコリ



……しーん……



提督「………………」

武蔵「ふむ。やはりここは私が行くしかなかろうて。では提督よ。質問をいいかな」

提督「ああ。なんだ」

武蔵「今さらこんなことを聞いても詮無いが、何故今まで皆に隠していたんだ。まさか信用されてなかったとか……」

提督「いや、誓って決してそんなことはない。信用云々の前に、人としての心理を警戒しただけなんだ」

武蔵「人としての心理か。伺っても?」

提督「今話している時点で俺も資格はないかもしれないが、みんな大好きここだけの話・内緒の話ってやつだ。みんなが知らないような秘密をこっそり教えたくなるって気持ち、分かるだろう? 誰かがソレを始めたらもう止められない。あっと言う間に広がっていくだろう」


669: 2015/05/27(水) 20:45:29.25 ID:/I+axZit0

大鯨「な、なるほど……」

叢雲「人の口に戸は立てられぬってワケね。納得だわ」

提督「知っている人が多ければ多いほどリスクは高まり速度は早くなる。ならば最小限に留めようと。そういう訳だったんだ」

武蔵「ふむ。なるほど確かに説得力はあるな。理にも適っている。では何故今はいいのだ? こちらを信頼してくれる気持ちは嬉しいがリスクとやらは高まってしまったぞ?」

提督「武蔵の言うことは最もだ。正直に打ち明ければ信頼よりもリスクは怖い。こっちの信頼とはイコールと限らないからね。でも、きっかけはどうあれ俺は打ち明けることにした。リスクよりも信頼を取ったんだ。みんなとなら秘密を共有できると」

武蔵「……オモイなあ」フフッ

提督「すまん」

武蔵「だが指揮官が艦を……いや、我らを真に信頼してくれる気持ち。これは我らにとって何物にも代えられぬ僥倖ではないだろうか? なあ皆よ」


綾波「つまり私たち駆逐艦も大切にしてくださると」

敷波「まあ消耗品扱いは嫌だからね」

深雪「うちの司令官がそんなコトするわけ無いじゃんー」

古鷹「ですね」クスクス

加古「なんか寝てる場合じゃない気がする」パチクリ

山城「こんな時くらいちゃんと起きてなさいよ。まったく……あの人の信頼が重いわ」

扶桑「その割には、とても嬉しそうよ?」


武蔵「……と、言うわけだ提督よ。信頼を勝ち取れていたようだな」

提督「ああ。本当にありがたいことだ」

武蔵「では最後の質問だ。 部屋割りはどうする?」

提督「部屋割りは――――って、いいのか?」

武蔵「ここでソレは無粋ってものだろう提督よ。皆まで言うな。 なあ? 雲龍たちよ」

雲龍「……そうネ。無粋になってしまうわネ」クスクス

武蔵「我らは新たなる戦力の"正式"加入に歓迎するぞ。……と言っても、知ってると思うが作戦行動は殆どないがね」

深雪「よし、じゃあ早速空き部屋をササッと準備してしまいますかぁ」

白雪「そう言えば秋月さんは今一人だから……」

磯波「これからは冬月さんたちと一緒の部屋かな?」

時雨「雲龍たちの部屋はどうしようか――――――」


雲龍「………………」



………………

…………

……


670: 2015/05/27(水) 20:50:59.09 ID:/I+axZit0

太陽『』 サイタマー


雲龍「……朝日ネ」

天城「ですね」

葛城「結局作戦失敗したけど徹夜しちゃッたと」

雲龍「まさか、私たちがここから朝日を眺める日が来るなんてネ」

天城「ちょっと、夢のようですね」

雲龍「今までの生活も悪くはなかったけれド……」

葛城「堂々としていられるのは嬉しイって?」

雲龍「そう、ね……うン。嬉しいワ。それニ」チラリ


冬月「Zzz」

夏月「Zzz」

花月「Zzz」


雲龍「この子たちともある意味で部屋が一緒のまマ。本当に有難いことだワ」

天城「元々あっタ壁ヲ取リ払ってしまいましたからね。とてモ広いです」

葛城「どうせなら瑞鶴センパイたちの隣の部屋が良かったけど、まあ遊びに行けばいいだけだシねっ。ああ、堂々と遊びに行けるこの幸せ……!」キラキラ

雲龍「本当に瑞鶴姉のこと好きなのネ」

葛城「もち!」


ガチャッ


秋月「戻りました」

雲龍「あら秋月。おかえりなさイ」

秋月「鳳翔さんが朝ごはんの準備ができたので来てくださいとのことです。食堂までご案内しますね」

葛城「そう言えばここの中のこと全然知らないノよね。私たち」

天城「あとでいろいろト案内してもらわないといけませんね」

雲龍「そうネ。今日からここで暮らすのだものネ」


雲龍「(元・深海棲艦と言うことに変わりないけれど、今ならはっきりと言えるかもしれない。自分は艦娘なんだって)」


葛城「夜以来だからお腹も空いたし、早く行きマしょ。あ、冬月たち起こさナいと」

天城「まずハ全員で、ですね」

雲龍「……ええ、全員で行きましょウ」


なかまいり


679: 2015/05/29(金) 20:05:29.29 ID:7Xa1XpgW0

・---・オマケノ鎮守府:瑞鶴・---・


葛城「さぁ瑞鶴センパイ! 一緒に訓練行きマしょ!」グイグイ

瑞鶴「だーから訓練しようにも燃料とかがないの!」

葛城「そんなのちょっと敵泊地から失敬すればすぐ貯まりまスって」ネ

瑞鶴「そんなことが出来るのはアンタたちだけでしょうが」



ジャアイッショニアソビマショウ!

ボスケテー



提督「瑞鶴の懐かれ度が目に見えて上がってるなぁ」

翔鶴「我慢する必要がなくなったからでしょうか……」アハハ

提督「ますますこの部屋が賑やかになりそうだ。執務室ってなんだってくらいに」

翔鶴「お仕事の邪魔になるようならば出て行ってもらいますか?」

提督「それこそ今さらだろう。賑やかなラジオだと思えばなんとかなるさ」

翔鶴「は、はぁ」


瑞鶴「提督さーん! 助けてよ~」

提督「いいじゃないか瑞鶴。後輩の面倒を見るのもセンパイの役割だぞ」

瑞鶴「いやまあそうなんだけど……でもぉ」

提督「暇がなくなっていいコト尽くめじゃないか」

瑞鶴「そうなんだけど……そうなんだけどぉ!」ムゥー!

翔鶴「瑞鶴、あまり提督の邪魔をしちゃダメよ」

瑞鶴「翔鶴姉ぇまでー」トホホ

葛城「あのー瑞鶴センパイ。ひょっとして迷惑デした?」

瑞鶴「迷惑じゃないとでも?」

葛城「あぅ」シュン

瑞鶴「う……。わ、わかったわよ! 確かここに吹雪たちがよく遊んでる双六があるからそれでね。いい?」

葛城「はい!」キラキラ

瑞鶴「じゃあ適当にあと何人か探してきましょ。ついでに食堂行ってお菓子もね」


瑞鶴さんはすっかり懐かれました


686: 2015/05/31(日) 18:40:34.87 ID:jKmSr4E50

・---・アル日ノ鎮守府:翔鶴・---・


提督「お、今日の書類は少ないくていいな。この分だと早く終わるんじゃないか」

翔鶴「そうですね。手早く済ませてお茶でも飲みましょうか」

提督「そうしようそうしよう。賑やかになる前にある程度進んでればなんとかなるはずだ」

翔鶴「はい」



カチコチカチコチ……

提督「………………」サラサラサラ

翔鶴「………………」グイッ ペタン



カチコチカチコチ……

提督「………………」トントン

翔鶴「………………」カキカキ



提督「……なあ、翔鶴。今日は静かだな」

翔鶴「静かですね」


687: 2015/05/31(日) 18:45:43.26 ID:jKmSr4E50

提督「こんなことを言うのもヘンだが、静かすぎて返って落ち着かないというか」

翔鶴「珍しく瑞鶴がいないからなのも大きいですが、ベッドで寝ていることの多い初雪ちゃんや加古さんもいませんね」

提督「本来ならこれが当たり前のはずなのに、賑やかな空間で仕事をするのに慣れてしまった自分がいるよ」

翔鶴「正直なところ私もです……」

提督「みんな何してるんだろうなぁ」

翔鶴「さ、さぁ。恐らくですが、雲龍さんたちとお話されているか、一緒になって何かをしているのかもしれませんね」

提督「あー、そう言えば持ってる装備とか段違いだもんな」

翔鶴「しばらくは皆さん興味が尽きないかと」

提督「だからこんなにココが静かなのか」

翔鶴「私はこの空間も嫌いではありませんよ」

提督「そりゃもちろん俺だって」

翔鶴「提督と二人っきりになれますし」ジー

提督「む……」コホン


688: 2015/05/31(日) 18:50:31.54 ID:jKmSr4E50

提督「ま、まあたまにはこういうのもいいよな? でも、誰か来たら流石に止めよう」ネ

翔鶴「他の皆さんの場合はそのままなのに?」←提督の足の間に座ってる

提督「それはほとんど相手が駆逐艦の子たちばかりだから……」

翔鶴「駆逐艦の子が良くて私がダメな理由になりません」

提督「むぅ」

翔鶴「……それに、こんな時でもないと提督に甘えたり出来ませんから」

提督「まあ、ね」ウン

翔鶴「しかも提督は瑞鶴に激甘ですからね。尚さらです」ツーン

提督「そんなつもりは全くもってないんだがなぁ。単に妹なぶん甘え上手なだけかと」

翔鶴「姉だって時には誰かに甘えたいんですよ」

提督「翔鶴の場合は俺限定でお願いしたい。今だったらこの買ったばかりの"イノシシの毛で作られたヘアブラシ"を使って髪を梳いてあげようじゃないか」

翔鶴「イノシシですか?」

提督「今までのでもいいが、こういったモノの方が髪や頭皮にいいって本に書いてあったもので」ハチマキ ホドキホドキ

翔鶴「いつの間に……」

提督「俺だってただ髪を梳いてるわけじゃないってことさ。特に翔鶴の髪の毛だったら気合い入れないとな」スッスッ

翔鶴「贔屓はダメですよ提督」

提督「バレなければ贔屓にならない」スッスッ

翔鶴「もぅ」ニコニコ

提督「翔鶴もみんなもそうだけど、日々海で戦ってるってのに本当に櫛通りがいいんだよなぁ」

翔鶴「髪は命とも言いますからね。皆さんお手入れはしっかりとされているかと」

提督「うん。今日も翔鶴はサラサラだ」



689: 2015/05/31(日) 18:55:56.98 ID:jKmSr4E50

・・-・・・・-・・・・-・・


葛城「ず、瑞鶴センパイ。入らないんデすか……?」ヒソヒソ

瑞鶴「このタイミングで入って行ったら私たち悪者でしょうが」ヒソヒソ

利根「そうじゃな……"バノクウキ"ってヤツじゃのぅ」ヒソヒソ

葛城「せっかく面白そうなものを持ってきタのに」

利根「おやつもあるしなっ」

瑞鶴「んーでもこれはソっとしておきたいっていう妹心と邪魔したいっていう対抗心が……」ムゥ

葛城「瑞鶴センパイってやっぱり提督のこと好きなンじゃ……ねえ、利根さん」

利根「吾輩にはよくわからん。ところでなんで瑞鶴だけセンパイがついておるのじゃ? 吾輩のことも利根センパイって呼んでも良いぞ」

葛城「いやぁ利根さんは利根さンんかと」ウン

利根「……むぅ」ショボン

瑞鶴「うーむ、入るか入らないか。それが問題ね」

葛城「入るなら早く入りまセんか? これじゃまるで出歯亀みたいでスよぅ。雲龍姉ぇに見つかったら怒らレそう」

雲龍「そうネ。こういったことは良くないわネ」

天城「皆さんオ行儀ガ悪いですよ」メッ デス

葛城「」


なんだかんだ仕事はやったようです



693: 2015/06/03(水) 13:05:24.00 ID:c+hO6a600

・---・鶴タチノ休息・---・


翔鶴「……瑞鶴に見られた……葛城さんに見られた……利根さんに見られた……それに雲龍さんや天城さんにまで……」ズーン

瑞鶴「まあまあ。どうせみんな知ってるんだし」ネ

翔鶴「知られるのと見られるのとでは大違いなんですっ」

瑞鶴「じゃあ誰もが来るような場所でイチャついてた翔鶴姉ぇが悪いってことで」ニコニコ

翔鶴「」グサッ

瑞鶴「って言っても結構な頻度で誰かしら髪は梳いてもらってるけどねー」

翔鶴「……え、えぇ。そうね」

瑞鶴「あのまま誰も来なかったらベッド直行とかしちゃってたり?」

翔鶴「しませんっ!」モゥ


694: 2015/06/03(水) 13:10:27.47 ID:c+hO6a600

瑞鶴「そんな提督さんとらぶらぶな翔鶴姉ぇに質問です!」

翔鶴「な、なに……?」

瑞鶴「提督さんと私たち全員。どちらか片方しか選べませんって言われたらどっちを選ぶ?」

翔鶴「え? 選ぶってどういうこと?」

瑞鶴「まあ端的に言えば選ばなかった方とは二度と会えません」

翔鶴「」

瑞鶴「ほらよくあるじゃん。今にも谷底だかに落ちかかってる二人がいて、誰かを選ばなきゃいけないって質問」

翔鶴「そ、そんなの選べるわけないでしょう」

瑞鶴「選べなかった場合は当然両方とも二度と会えません」

翔鶴「」

瑞鶴「さあ、どうする?」


翔鶴「……選びません」

瑞鶴「え?」

翔鶴「本当にそういう場面に直面したとしたら、私は誰も選びません。そして私も運命を共にします」

瑞鶴「いや、そんな意図じゃないんだけどなあ……。じゃあ両方と会えなくていいってこと?」

翔鶴「二度と会えないと言うことは氏と同然。ならば私も命を絶つ覚悟」

瑞鶴「ま、まあそれだけ提督さんのこともみんなのことも大切ってことだよね」

翔鶴「もちろんよ。誰一人欠けて良いものではないわ。きっと提督も同じ答えを出すはず」

瑞鶴「だから翔鶴姉ぇを選ばないって?」

翔鶴「仮にその場で私を選んでしまったら、気持ちは嬉しいけれど私は提督を軽蔑するわ」

瑞鶴「……んっ。わかった」

翔鶴「こんな質問をして一体どうしたの?」

瑞鶴「ちょっとねー。ね、翔鶴姉ぇ」

翔鶴「今度はなあに?」

瑞鶴「翔鶴姉ぇのその想い、叶えてあげるっ」ニコッ


695: 2015/06/03(水) 13:15:56.89 ID:c+hO6a600

………………


瑞鶴「ねえねえ提督さん。質問してもいい?」

提督「なんだ?」サラサラペタン

瑞鶴「もしも、建物の屋上から私と翔鶴姉ぇが今にも落ちそうになってたらどっちを助ける?」

提督「……それはアレか。片方を選ぶともう片方は氏ぬって言う」

瑞鶴「そうそう」

提督「なんだか子供の頃に似たようなのが流行ったような……。どっちを答えても角が立つって不毛系なんだよなソレ」

瑞鶴「あ、ちなみに誰も助けないとか両方助けるとか自分も落ちるって言う答えはナシね!」

提督「……む」

瑞鶴「翔鶴姉ぇの時にはそう答えられちゃったからね。質問にならないもん」

提督「はぁー。答えがないのに答えると大変なことになる信頼クラッシャー系の質問は止めろよな」

瑞鶴「ささ、どっちどっち」

提督「……瑞鶴」

瑞鶴「へっ?」ワタシ?


696: 2015/06/03(水) 13:20:31.94 ID:c+hO6a600

提督「本当にそういう場合なら、俺は瑞鶴を助けるな」

瑞鶴「え、あ、え? な、なんでっ? どうしてさ!」

提督「おいおいどうした。質問する側が動揺してるぞ」

瑞鶴「そ、そりゃあするよ! だって提督さん翔鶴姉ぇのコト好きなんじゃないのっ?」

提督「モチロン好きだとも」

瑞鶴「だったらどうして、その……私を選ぶの?」ジー

提督「あまり真剣に捉えられてほしくないが、翔鶴のことを信じてるから、かな」

瑞鶴「………………」

提督「もちろん瑞鶴のことを信じてないわけじゃないぞ? そこの所は誤解しないでくれ。だけどもしも逆の立場になった時翔鶴ならどうするかなって」

瑞鶴「翔鶴姉ぇが……」

提督「まあそうなったら当然瑞鶴には怒られるだろうし、こんなの俺の深読みし過ぎかもしれないけれどね。もしもここで翔鶴を選んだら嫌われそうだよ」

瑞鶴「………………」

提督「最もなんでも答えが許されるなら当然ここは二人とも助ける一択だがね。またはその場のウケ狙いで俺も落ちそうになるのに参加するって答えも……」



瑞鶴「あ、あーあ! つまんなーい! 提督さんココは翔鶴姉ぇを選んでくれなきゃ―」

提督「ちょっと真剣に答えすぎたかな」

瑞鶴「そうそう。あっさり翔鶴姉ぇを選んで私がぎゃーっとやればイイ暇つぶしになったのにさ」ブーブー

提督「……もういつもの事だから気にしない」

瑞鶴「妹としてはそれくらい姉のことを気にしてほしいかも!」カモカモ!

提督「すまんすまん」

瑞鶴「じゃあそんな提督さんにモウヒトツ質問です」

提督「はいはい。今度はなんだろうな」

瑞鶴「翔鶴姉ぇともそうだけど、他のみんなともずっと一緒にいたい?」

提督「そりゃ、なあ。モチロン向こうがどう考えてるかは別として戦を抜きにしてもいられるものならいたいがね。俺の目指してる目標にも重なるし」

瑞鶴「……んっ。りょーかい」ニッコニコ

提督「?」


ずいかく の たくらみ おわり に むけて


697: 2015/06/03(水) 13:24:40.64 ID:c+hO6a600
夏に予定(?)される鶴姉妹の改二までにはどうにかしたいね
ホントに鶴姉妹かは不明だけど
瑞鶴のアレが出来るまでもう少しですがよろしければまたお付き合いください


せっかくの平日休みも雨じゃあなぁ……

698: 2015/06/03(水) 15:45:35.58 ID:yRnqoAZjo
乙です


引用: 翔鶴「瑞鶴、あまり提督の邪魔をしちゃだめよ?」