795: 2015/06/24(水) 22:00:38.20 ID:/dr74rpk0



前回
翔鶴「瑞鶴、あまり提督の邪魔をしちゃだめよ?」【8】

・---・続・今日モ鎮守府ハ平和ナリテ・---・


工廠妖精1『瑞鶴さん瑞鶴さん』

工廠妖精2『お望みの品が完成したです』


瑞鶴「おぉ、ついに出来たのねっ。ふふーんこれで……」


工廠妖精1『我らにかかればこんなものです』フンスッ


瑞鶴「じゃあ約束通りあとで間宮さんのアイスクリーム特盛りで持ってくるわね」


工廠妖精1『契約完了です』キラキラ

工廠妖精2『アイスー』キラキラ

工廠妖精3『これの説明いります?』


瑞鶴「うん。お願い」


工廠妖精1『と言っても難しいことはないです。コレを腕か首に――――』


艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(3) (角川コミックス・エース)

796: 2015/06/24(水) 22:05:28.96 ID:/dr74rpk0


瑞鶴「~♪」

翔鶴「朝からご機嫌ね瑞鶴。どこかに行ってたみたいだけどなにか良い事でもあったの?」

瑞鶴「まぁねーん」ルンルン

翔鶴「今度は何をしたの」

瑞鶴「ちょっといろいろと。あ、そうだ翔鶴姉ぇ。はいっ、コレ」つ

翔鶴「? これはキーホルダー? 瑞鶴が作ったの?」

瑞鶴「残念違います! あ、まだ絶対にロックしないでね。たぶん出来ないはずだけど意味なくなっちゃうから」

翔鶴「え、あっうん……」イミ?

瑞鶴「最初に聞いておくけど、提督さんとこの先もずっと一緒にいたいよね?」

翔鶴「き、急になに」

瑞鶴「いいからっ。真面目な話」

翔鶴「それはもちろん一緒にいたいけれど……」

瑞鶴「愚問だったね。じゃあ早速それ持って提督さんの所に行こうか」

翔鶴「え、え?」

瑞鶴「ほら早く行こう翔鶴姉ぇ」グイグイ

翔鶴「なんなの……一体? ちょっと瑞鶴ったら、ちゃんと説明をしてよ」

瑞鶴「すぐにわかるよー」

翔鶴「もぅ」


797: 2015/06/24(水) 22:10:33.82 ID:/dr74rpk0

ガチャッ


瑞鶴「おっはようございまーす!」

提督「やあ。おはよう瑞鶴。今日は一段と元気がいいな。なんか良い事あったのか?」

瑞鶴「提督さんったら翔鶴姉ぇと同じ事言ってる。やっぱり似た者同士だねぇ」ニヤニヤ

提督「そ、そうか」

翔鶴「あはは……おはようございます。提督」

提督「おはよう翔鶴。いったい瑞鶴はどうしたっていうんだ?」

翔鶴「さあ、それが私にもサッパリで。もうずっとこんな感じなんです」

提督「また変なこと企んでないだろうなあ?」

瑞鶴「なんにもー」ニコニコ

提督「……この笑顔で信じろってのもなかなか難しいよ」

翔鶴「ですよね」

瑞鶴「信用ないなあ。じゃあそんな提督さんに、はい」つ

提督「ん、なんだこれは。ハートのキーホルダー?」

瑞鶴「それを私の手首につけてもらえる?」

提督「じゃあブレスレットか。でもこれくらいなら自分で付けられるだろ」

瑞鶴「いいから!」ンッ

提督「しょうがないなぁ」ゴソゴソ


カチャンッ


提督「――んんっ? なんだ鍵が出てきたぞ」ピーン

瑞鶴「ほほぅこうなるのかあ」

翔鶴「?」


瑞鶴「じゃあ改めて今日からよろしくねっ。 "お兄ちゃん"♪」


提督・翔鶴「?!」


798: 2015/06/24(水) 22:15:28.06 ID:/dr74rpk0

瑞鶴「へへっ」ニコニコ

提督「な、なんだ……今度は何の遊びだ?」

翔鶴「瑞鶴、いい加減に説明をしてちょうだい。さっきから一体どうしたのよ」

瑞鶴「これはタダのブレスレットじゃなくてね。その名もズバリ"ハートロック" またの名を"ヨウシエングミカッコカリ"と言います!」ドヤァッ

提督「は、ハートロック?」

翔鶴「ヨウシエングミ……?」

瑞鶴「この間提督さんのお父さんに貰ったケッコンカッコカリってあったでしょ? まさかネタが被るとは思わなかったけど、そんな感じのやつ」

提督「そんな感じと言われても、なぁ」

翔鶴「じゃあこれをつけると能力が上がるの?」

瑞鶴「ううん。そんな効果はないよ。でももしつけたらきっと資源の消費量がコレよりも凄いことに……」

提督「今さらっと資源使ったって言ったな?」

瑞鶴「まあそこは気にしない方向でっ」テヘッ

翔鶴「もぅ瑞鶴ったら、ムダ使いはダメって普段から言ってるでしょう」

瑞鶴「でもこればっかりはムダじゃない使い方だと思ってるもん。翔鶴姉ぇやみんなにとっても必要だと思うし」

翔鶴「私たちも……?」

瑞鶴「カタチで分かる家族の絆っていうの? 一緒にいるよっていう証みたいな」

提督「……ようするに、擬似的な家族を構築したと? このブレスレットで」

瑞鶴「そんな感じ。もちろん強制力はないけどねー。でも、これお互いが望んでないと絶対にロックできないんだよ」

翔鶴「え、そうなの?」

瑞鶴「艤装の一種だから、逆に私たち艦娘から提督さんにつけることは出来ないし、作られた鍵を持つ提督さんも一方的には外せない。お互いが望まないと解除ができないの」

提督「なんとまあ。エライ物を作ったなぁ」

瑞鶴「そこもまた妖精さんの力ってね。だから翔鶴姉ぇに対しても絶対にロックできないことはないよ」フンスッ

提督「んー、試してみるか?」

翔鶴「まあせっかくですし……?」スッ


カチャンッ


翔鶴「んっ……」ピクッ

提督「なんか付ける度に電気みたいなのが身体に走るな」

瑞鶴「残念、これで翔鶴姉ぇは新妻(仮)から家族に格下げになりました~」ニコッ

翔鶴「えっ……?!」

提督「嘘だろ?」

瑞鶴「うん。ウソ☆」

翔鶴「………………」イラッ



ゴチンッ!!!



799: 2015/06/24(水) 22:20:39.94 ID:/dr74rpk0

瑞鶴「……痛い」ジンジン

翔鶴「そう言う嘘は嫌いですッ」プンプン

提督「まあまあ」

瑞鶴「で、でもコレにはもう一つ特殊効果がついててね……!」

翔鶴「今度はなあに?」ジー

瑞鶴「これをつけている限り、謎の力によって提督さんから離れることはありません! つまり移動や転属もないと」

提督「移動や転属がないって、そんなバカな……一体どうやって」

瑞鶴「だから謎の力なの。詳しくはわからないけど、誰だって無理やり家族を引き離そうって思わないでしょ?」

提督「まぁ、いや、でも……本当なのか?」

瑞鶴「実験できないからこればっかりは妖精さんの言葉を信じてもらうしかナイかも」

提督「うーむ」

瑞鶴「簡単にまとめると、これをつけた瞬間から私たちは提督さんのモノってことかな」

提督「そのまとめ方は誤解を招きそうで怖い」ヤメテ

翔鶴「でもどうしてこれを作ったの?」

瑞鶴「前に提督さんが話してた戦いの後ってコト、私なりに考えてみたんだ。今のこの時間をずっと続けられればなって」

翔鶴「瑞鶴……」

瑞鶴「やっぱり私たちは艦娘だからさ、フネよろしく今後もいざ戦闘となれば行き先バラバラになっちゃうでしょ? せっかく提督さんやみんなと仲良くなれたのにさ」

提督「………………」

瑞鶴「中央にいた頃には考えもしなかったのにね。なんだかんだすっかりここの空気に染まっちゃったのかなー」アハハ


805: 2015/06/26(金) 20:20:32.59 ID:xgvBbrW70

提督「……まあ、瑞鶴の言いたいことはわかったよ。俺だって今さら瑞鶴がいなくなるのは考えられない。もちろんみんなだってそうだ」

翔鶴「そうですね。戦闘以外で誰かが欠けるなんてこと、考えもしませんでした」

瑞鶴「他のみんなもきっと同じ気持ちだと思うよ。誰かが欠けてもこの鎮守府は成立しないって」

提督「みんなの心の拠り所になれることほど指揮官冥利に尽きるものはなし、かな」

翔鶴「このブレスレットまだあるの?」

瑞鶴「もちろん。予備も含めて人数分は確保してあるよ」

提督「お互いが望めばロックできるって言うが……これでもしロックしなかったら俺本気で落ち込みそうだ。ある意味怖いな」

翔鶴「さ、さすがに大丈夫だと思いますよ……?」

瑞鶴「ある意味普段とは逆に提督さんが"評価される側"になるわけだからねー」

提督「い、胃に来るなあ!」

翔鶴「あまり提督を困らせちゃだめよ瑞鶴」

提督「いや、結果はどうあれこれは必要なことかもしれん。俺の目標にも被るものがあるし、評価という点では俺もされるべきかもな」

翔鶴「よろしいんですか?」

提督「ここまで来て嫌とは言えないよ。今後のためにも俺も腹をくくろう」

瑞鶴「んっ。じゃあ早速いこっか。いざ家族構築の旅へ!」

提督「……やっぱり念のため胃薬飲んでいこうかな」

瑞鶴「」エー



……

…………

………………



806: 2015/06/26(金) 20:25:30.56 ID:xgvBbrW70


――ある時は本当の家族のように


吹雪「これからも司令官やみんなといっしょにいられるのなら、私嬉しいです!」

白雪「私もこれからも皆さんと平和が守れるように頑張ります」

初雪「……ん。ありがと」

深雪「なーんかいつもとあんま変わんないような気もするけどなー。まあいっか」

叢雲「ま、あんたがこれからも道を外さないようにしっかりと見といてあげるわ」

磯波「そうなると、提督はお父さんでしょうか……それともお兄ちゃん?」

綾波「不束者ではございますが、これからもよろしくお願いしますね」

敷波「まーあたしは別にどうでもいいんだけど……さ。その、よろしく……な」

秋月「秋月、これからも艦隊を……鎮守府をお守ります!」

冬月「姉様に同じク!」

夏月「……ウム」

花月「戦えて、そしてのンびりできればそれで満足だわぁ」



――ある時は姉妹の結束(笑)のように


白露「じゃあ、あたしが一番上のお姉ちゃんね!」

夕立「これで夕立も提督さんのお嫁さんになれるっぽい!」

時雨「却下だね」

村雨「阻止でーす」

五月雨「そういう冗談はあまり好きじゃありません」

春雨「あ、あの皆さん……落ち着いて……っ」

涼風「まーまー気にすんなって春雨。いつもの事じゃんか。平和平和~」


807: 2015/06/26(金) 20:30:28.28 ID:xgvBbrW70


――ある時は姉妹へのエールのように


川内「もー提督ってば私たちがいないとダメなんだからなあ。ま、提督のことは神通にお願いして、夜戦のことなら私に任せてよね」

神通「あの、提督……私、その……」

那珂「神通ちゃん落ち着いて、これはケッコンとは関係ないと思うよ―。まずは家族から堀を埋めていこうねっ」

扶桑「山城、これからも提督とこの幸せが続くように頑張りましょうね」

山城「いや提督は別に……いえ、そうですね姉様。扶桑型の意地を見せつけましょう!」



――ある時はいつもと変わらないように


古鷹「これからも重巡の良い所をいっぱい見せられるように加古と一緒に頑張りますね」

加古「最近改装したんだけどさー。眠いのはやっぱ変わんないんだよね。あとでベッド貸して」

利根「うむっ。吾輩に任せておくが良いぞ!」

筑摩「まだまだ新参者ではございますが、これからも提督を利根姉さんや鎮守府の皆さんと一緒に支えていきますね」

武蔵「ここにはこの武蔵がいる。それが答えだ」



――またある時は決意を新たにするように


鳳翔「このまま家族で終わってしまうのも心残りがあるので……これからはもう少し素直になってみます。ね、大鯨さん」

大鯨「は、はい! あのっ私頑張りますね。お料理とか居住性には自身がありますっ」

雲龍「私たちはこんなだし、提督から離れられないから……これからも頑張るワ」

天城「天城も、雲龍姉様たちト一緒ニ鎮守府をオ守りできるようニ頑張ります!」

葛城「面白いこと考えるのねー……ってちょっと待って。と言うことは瑞鶴センパイともある意味で姉妹に……?!」



鎮守府は続いていく……



808: 2015/06/26(金) 20:35:39.95 ID:xgvBbrW70

………………


翔鶴「さあ提督。どうぞ」トクトクトク

提督「ありがとう。この瞬間が一番幸せを感じるよ」

翔鶴「そうですか。なら良かったです」ニコニコ

提督「ブレスレットもみんな受け取ってもらえたし、一安心ってところかなあ。今日のお酒は一段と胃に染み渡る」

翔鶴「悪酔いだけはしないでくださいね」

提督「そしたら翔鶴に介抱してもらえるかもな」ハハハ

翔鶴「どうなっても責任は持てませんよ?」

提督「具体的には?」

翔鶴「提督のお部屋で、一緒のお布団で朝日を迎えるかもしれません」

提督「それは……悪くないかもね」

翔鶴「あら、もう酔っ払われたんですか?」トクトクトク

提督「手厳しいね」

翔鶴「私もうかうかしていられませんので」

提督「俺の気持ちは変わらないよ」

翔鶴「それでもです」

提督「……いっそみんなと一緒になれたら楽なのになぁ」

翔鶴「堂々と浮気発言ですか?」

提督「まあまあ。お酒の席だ気にしないでくれ」

翔鶴「……今日だけですよ」


809: 2015/06/26(金) 20:40:36.85 ID:xgvBbrW70

提督「それにしても、梅雨の中休みってかね。ジメッとしてないし空気も澄んでる。いい月夜じゃないか」

翔鶴「また明日から崩れていくそうですから、ここでの席も今日までですね」

提督「早く梅雨が明けないかね。暑さ以外は大歓迎なんだが」

翔鶴「私もです」

提督「………………」

翔鶴「………………」

提督「あー、まあなんだ。こんな事が言いたいんじゃなくてだね」

翔鶴「……はい」

提督「なんというかこう、やっぱり口にするのは恥ずかしいものがあるな」

翔鶴「その恥ずかしい物を提督は私に言わせようとしているんですよね」

提督「いや、それは単に返事なんだから……なあ」

翔鶴「何度でも提督から言って下さいっていいんですよ?」

提督「月が綺麗ですね」

翔鶴「65点」

提督「やっぱり手厳しい」

翔鶴「提督は持ち上げて落とすタイプですからね。私も習ってみました」

提督「………………」ポリポリ


グイッ


翔鶴「わっ」

提督「これからも俺の側にいてくれ。翔鶴」

翔鶴「……お酒の席ですから98点ですね」

提督「あと2点が遠いなぁ」

翔鶴「それは一番大事な時までお預けですっ」



――あれー、提督さん何処行ったんだろ―?

――翔鶴さんの姿もありませんね

――あっ……もしかしたら……



提督「……見つかったかな」

翔鶴「ふふっ。独り占めできるのもここまでですね」

提督「だな。残念」

翔鶴「提督」

提督「ん?」



ふわっ……



提督「!」

翔鶴「ふふっ。月が綺麗ですね、提督」ニコッ


おしまい


810: 2015/06/26(金) 20:45:41.85 ID:xgvBbrW70
最後何回か書きなおしてコレ……もにょったらゴメンナサイ
これで鶴姉妹劇場おしまいです ご乗車ありがとうございました

あとは消化試合でオマケです
もし何かリクエストあればどうぞ

811: 2015/06/26(金) 20:56:52.25 ID:p1BHnm2xo

出番の少なかったとねちくで何かオナシャス

817: 2015/06/26(金) 22:55:36.01 ID:xgvBbrW70
とねちく+ブッキー


・---・鎮守府ノ休日1・---・


筑摩「~♪」イソイソ

吹雪「あれ、筑摩さんなにしてるんですか?」

筑摩「あら吹雪ちゃん。こんにちは」

吹雪「こんにちは」

筑摩「今は姉さんが放ったらかしにしたままのお洋服を畳んでいたところなの」

吹雪「と、利根さん」ホ口リ

筑摩「ふふっ。なんだか子供みたいで可愛いですよね」

吹雪「あはは……い、いいのかなぁ」

筑摩「もうすぐ本格的に夏になるでしょう。だから衣替えも兼ねているわ」ゴソゴソ

吹雪「夏物の服を着る前にはやっぱり洗濯をしないとですよね」

筑摩「ええ。それにもしも虫食いに気が付かなかったら大変だものね」ニコニコ

吹雪「そうですね。それで、肝心の利根さんは……?」キョロキョロ

筑摩「うーん、きっと今頃は駆逐艦の子たちに混じって遊んでいるのかも?」フフフ

吹雪「そう言えば深雪ちゃんたちが外で遊ぶみたいなことを言ってたような」

筑摩「きっと今着ている服も汚してしまうでしょうから、代わりの服を出しておかないとね」

吹雪「なんだか利根さんのお母さんみたいですね」

筑摩「姉さんのお世話をするのは私の生き甲斐だから」ニコニコ



818: 2015/06/26(金) 23:00:40.41 ID:xgvBbrW70

ガチャッ


利根「ちくまー! 今帰ったぞ!」グチャア……

吹雪「あ、利根さん帰って来たみたいで――――えぇえッ?!」

筑摩「あらあら姉さん。全身濡れ鼠で一体どうしたんですか」ハイ、タオル

利根「うむっ。深雪や叢雲たちと遊んでおったのだがな、なんと鎮守府のすぐ近くにヤドカリがおったのじゃ! それも四匹じゃぞ四匹ッ」ドヤッ

筑摩「まあ。ヤドカリですか」

吹雪「んー、場所柄いてもおかしくはない……かなぁ?」

利根「どうやらその内の二匹はツガイのようでな、ずっと寄り添っておった。小さな生物が一生懸命生きているのを見るのはなんとも微笑ましい物じゃなあ」

筑摩「でも、それでどうして濡れてしまったんですか?」

利根「ん? ああこれか。つい艤装を付けずに海に入ってしまったのじゃ。クセと言うのは恐ろしいのぅ」

筑摩「まあ。では靴も……?」

利根「うむっ! この通り普通のサンダルじゃ。この前筑摩と街に出た時に買ったやつじゃ」

吹雪「私もたまにやっちゃいそうになるから分かります」ウンウン

筑摩「深雪ちゃんたちに笑われませんでした?」

利根「笑われるものか。あやつらも同じじゃからな。むしろ開き直って水浴びならぬ海浴びと洒落こんできたのじゃ」

筑摩「あらまぁ」

吹雪「まあ、今日も暑いからいいのかな? あれ、利根さんがこうってことはきっと深雪ちゃんたちも……?」



――誰だー! ずぶ濡れのまま廊下を歩いたのはぁー!!



『あ』


その後、しっかり怒られた


827: 2015/06/28(日) 20:25:24.70 ID:YDiQBMKf0
冬月+白雪 ところにより夏月+花月



・---・鎮守府ノ休日2・---・


――冬月でス。陽を浴びる生活にもすっかり慣れて、真の意味で鎮守府の一員となって早幾日。ですガ……



冬月「………………」チラッ

白雪「………………」コソッ



――最近白雪さんにものすごく見られていまス。何故でしょうカ。



冬月「あ、あのー白雪さン。何かご用でしょうカ?」

白雪「あっご、ごめんなさい。ただちょっと気になることがあって」アワアワ

冬月「気になることですカ? 私ニ?」

白雪「大したことじゃないんだけれどね。えっと……」ジー

冬月「?」

白雪「実はその、冬月ちゃんたちの装備が……」キニナルッ

冬月「装備ですカ?」コレ?

白雪「吹雪ちゃんに聞いたんだけれど、その砲ってもの凄い弾幕を張れるってホントかなって」

冬月「弾幕……。あ、なるほどっそう言うコトですカ。ちょうどみんなで訓練に行くところだったので、良ければ白雪さんもいかがですカ? 実際にお見せいたしますヨ」

白雪「う、うんっ!」



828: 2015/06/28(日) 20:35:29.94 ID:YDiQBMKf0


夏月「……ム」

花月「あらぁ?」

冬月「お待たセ。白雪さんが見学するけれどいいよネ?」

白雪「お邪魔します」

夏月「……無問題」

花月「こんにちはぁ」

冬月「白雪さン。残念ながら耐久の問題で本気では撃てませんけれどいいですカ?」

白雪「本気……ちなみに、どんな感じなのか聞いてもいいのかな」

冬月「んーそうですねェ。大体途中で壊れちゃいますけれど、最大で毎分一ニ○発でス」

花月「連装だから一秒間に四発、主砲全体で毎秒一六発の斉射ができますねぇ」

白雪「毎秒一六発……」ウットリ

夏月「?」

冬月「えっと、では通常モードで撃ちますネ」ガションッ

白雪「お願いしますっ」キリッ

冬月「いきますッ」


ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ……


白雪「うわぁ……!」キラキラ

冬月「次ッ」グイッ


――ズラララッ


白雪「!」マト ガ イッパイ!

冬月「各個照準各個撃破、いきまス!」ガションッ


ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ……


――ブーン……


白雪「こ、今度は飛行機が……」

冬月「次、対空射撃訓練開始!」


ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ

ブオォォォ……ブオオォォォォ


白雪「」ウワァ



………………

…………

……


829: 2015/06/28(日) 20:40:34.53 ID:YDiQBMKf0

……数日後



――冬月でス。妖精さんに怒られましタ……。何故かと言うト――



白雪「や、やっぱり何とかなりませんか?」オネガイー


工廠妖精1『むりです』

工廠妖精2『そもそも構造が違うのでどうにもならないです』


白雪「でもでも、だったらあの砲を私の艤装につければきっと……」


工廠妖精1『あれは冬月さんたちの専用装備です』

工廠妖精2『普通の艦娘にはちょいと扱えないシロモノです』



ガンバリマスカラ!

ムリポー



工廠妖精3『最近毎日ああなのです』

工廠妖精4『お仕事にならないです』


冬月「すみませン……」



――そう言えば、吹雪さんが以前白雪さんは弾幕に並々ならぬ愛情と情熱を傾けていると言っていたのを思い出しましタ。



冬月「ま、また訓練にお誘いした方がいいのかなぁ?」



――余計に悪化したらどうしよウ……と言うのは考えない方がいいかもしれませン。



弾幕とは人生である By白雪



842: 2015/06/30(火) 19:55:36.90 ID:B157S/Df0

注意:結婚後ifなのです R12かR15?


翔鶴+提督 瑞鶴のち一時雲龍・天城


・---・鎮守府ノ休日3・---・


提督「なあ翔鶴、そう言えばあの書類って何処にしまったっけ?」

翔鶴「確か右側の引き出しの上から三番目だったかと」

提督「上から三番目、上から三番目……っとあったあった。ありがとう」

翔鶴「いいえ」ニコニコ


瑞鶴「………………」


翔鶴「提督、こちらに承認印をお願いいたします」

提督「了解ー。急ぎでなければそこに置いといてもらえるか。あとでまとめてハンコしとくから」

翔鶴「わかりました」


瑞鶴「……ねえ、翔鶴姉ぇ」


翔鶴「なあに瑞鶴」

瑞鶴「翔鶴姉ぇと提督さんて"結婚"したんだよね。"ケッコン"じゃなくてさ」

翔鶴「え、えぇ。そうだけど……」

瑞鶴「なーんか、いつもと変わらなくない?」

提督「変わるもなにも今は仕事中だからなぁ」

翔鶴「お仕事中に夫婦もなにもないわよ?」

瑞鶴「いやーなんかこうさ、滲み出てくる甘い空気っていうの? お互いを呼ぶ時に恥じらいがあったり、手と手が触れてあっ……みたいなさ」

提督「………………」チラリ

翔鶴「………………」チラッ


提督・翔鶴『ない(わね)』


瑞鶴「えー」ツマンナイッ



提督「新鮮味がないと言われてしまえばそれまでだが、仕事中を抜きにしても翔鶴とはもう長いからなぁ」

翔鶴「はい。むしろ長く一緒にいたからこそ今望むもの、必要なことが言われずとも分かるようにはなりましたね」

提督「"つー" と "かー"みたいな」

翔鶴「阿吽の呼吸とも言いますね。むしろその事に喜びを感じます」

提督「うん。俺もだ」

瑞鶴「新婚のはずなのに既に熟年夫婦的領域へ……」アカン


843: 2015/06/30(火) 20:00:34.10 ID:B157S/Df0


瑞鶴『からかい甲斐がないからもう帰るっ』



翔鶴「瑞鶴に呆れられちゃいましたね」

提督「大方予想してた反応じゃなかったからでないかい?」

翔鶴「かもしれません」クスッ

提督「俺としては今の関係も幸せだと思ってるけど、翔鶴はどうだい? やっぱりもうちょっと新婚さんらしくしたい?」

翔鶴「うーん……まあ、まったくないとは言えませんね。なんだかんだ新婚生活というものに少なからず憧れはありましたので」

提督「もうちょっとラブラブにいく?」

翔鶴「それはまあ、えっと……ふ、二人っきりの時になら」ポッ

提督「家に帰れば二人っきりじゃないか」

翔鶴「だ、だいたい瑞鶴がいますけれどね……」

提督「じゃあ今が二人っきりだ。いつもどおりならしばらく誰も来ない」

翔鶴「………………」

提督「今なら俺は仕事の手を止めて嫁さんの相手しちゃうんだけどな―」ポンポン

翔鶴「うぅ……」


ギシッ……


提督「はい、よく出来ました」

翔鶴「膝の上に座るだなんて……だ、誰かきたら止めますからねっ」

提督「さっきも言った通り基本来ないよ。前みたいに緊急の用事ももうないんだし――――平和様々だよ」

翔鶴「……戦争が終わって、平和になって、こうして提督と一緒になることができました」

提督「うん。それらが合わさって一番の幸せを手に入れた。やっととも言うけれどね」

翔鶴「そうですね。時間が掛かってしまいました」

提督「お腹に手を回してもいい?」

翔鶴「……はい」


ギュッ


844: 2015/06/30(火) 20:05:33.96 ID:B157S/Df0

提督「やっぱり翔鶴の身体はいつ触れても柔らかいし温かい。それにいい匂いがする」

翔鶴「もぅ。提督ったら」

提督「艦娘だってこうしていれば普通の女の子だもんな。違いなんてないよ」

翔鶴「ほとんど退役みたいなものですよ……重くないですか?」

提督「全ー然。お姫様抱っこしてベッドに連れて行きたいくらい」

翔鶴「まだ陽は落ちてませんよ」

提督「たまには明るいうちからって言うのも、それこそ新鮮でいいんじゃない?」サワッ

翔鶴「ひゃっ。あ、足を撫でないで……っ」

提督「まあさすがに実際致してしまうほど欲求不満じゃあナイんだが……しばらく翔鶴で遊ぼうかと」ナデナデ

翔鶴「くすぐったいです……」

提督「太ももの内側に指をもって行きたいこの衝動。どうしたものか」ツツー

翔鶴「だ、だめっ……!」

提督「下がダメなら上という選択肢もあるんだなこれが」スススッ

翔鶴「そ、そっちもダメです」

提督「そっちってどっち?」

翔鶴「あぅ……」マッカッカ

提督「ほらほら、言わないと本当に触っちゃうぞー」

翔鶴「だ、だからその……て、提督!」

提督「はーい時間切れ」スッ

翔鶴「ひゃうっ」ビクッ

提督「まだ触ってないよ。服越しに胸の輪郭……下着の外側に沿って指でなぞってるだけ」ツツツー

翔鶴「やぅ、でも、その触り方が……んんっ」

提督「気持ちいいって?」

翔鶴「ち、ちが……わないですけどぉ」

提督「もう全部を見たし見せたこともある仲じゃないか」スリスリ

翔鶴「んぅ……ふっ……」ゾクゾクッ

提督「このまま中心に攻めたらどうなるかな」

翔鶴「ほ、ホントに、誰か来ちゃいますからぁ」

提督「鍵空いてるから入ってきたら大変なことになっちゃうな」

翔鶴「!」ビクッ


845: 2015/06/30(火) 20:10:32.99 ID:B157S/Df0

翔鶴「や、やぁ……!」

提督「本当に嫌なら力を入れれば逃げられるのに、そうしないよね?」

翔鶴「それは……」

提督「皆まで言うなって?」

翔鶴「……て、提督がイジワルです」プゥー

提督「ごめんごめん。かわいい嫁さんを持つとついいたずらしたくなるんだ」

翔鶴「あと、ここからじゃ提督の顔も見えません……そんなの、ヤダ」

提督「俺は今でも十分楽しいけど」

翔鶴「や~ぁ」モジモジ

提督「こっち向ける?」

翔鶴「んっ」


ギシッ……


翔鶴「やっと……見えました」

提督「俺も。翔鶴顔真っ赤だね」

翔鶴「どうして提督は平気なんですか―」ムゥ

提督「いたずらしてる側だからかな」

翔鶴「不公平ですぅ」

提督「それにしても、俺の両足を挟んで座ってる状態だと、スカート捲ったら下着が見えそうだ」

翔鶴「……みたいですか?」

提督「せっかくのお誘いだけど、それはまた後で。今は翔鶴を楽しみたいので」

翔鶴「結婚しても持ち上げて落とすのは変わらないですね」

提督「性格かもね」

翔鶴「そんなところも好きですけれど」スッ

提督「ありがとう」グイッ

翔鶴「んっ……」



ン……ンンッ………



瑞鶴「……小姑はミタ。姉の情事を!!」←例によって覗き見

瑞鶴「しっかし翔鶴姉ぇがあんなコトするなんて……」

瑞鶴「私の知らないところでは二人もお盛んってことなのかな」ニヤッ

瑞鶴「いやー甥っ子か姪っ子に会える日も近いかなぁ――――ン?」トントン


雲龍「瑞鶴姉……あんまりそんなことやってるト……」

天城「人ノ恋路ヲ邪魔すル者は~ですよ」メッ デス

瑞鶴「」ゲ


瑞鶴「いやー、妹としては行動を見守る義務があるというか。他人の情事が気になるというか」

雲龍「……まあ、確かにそれは気になるわネ」ドレドレ

天城「ね、姉様ッ!」


(戦争が終わっても)鎮守府は平和です

850: 2015/07/03(金) 22:20:32.42 ID:zUuzZ/Kl0

・---・鎮守府ノ休日4・---・


―川内型の部屋―


川内「神通、これからは押して押して押しまくるべきだよ!」バンッ

那珂「そーだそーだ」

神通「え、え……?」オロオロ

川内「まさかこんなブレスレットで満足しちゃったりなんかしてないよね?」

神通「いや、あの……」

那珂「このままじゃいつまで経っても神通ちゃんだけの提督にはならないよー」

神通「それは、そうかもしれない……けど」

川内「むしろこの状況を好機と捉えるべきじゃないかな。神通の良さを提督にアピールしないと」

那珂「神通ちゃんの魅力で提督のことメロメロにしちゃえばいいんだよ☆」キラッ

神通「め、メロメロ」マッカ

川内「もっとも、現状は翔鶴さんっていう絶対的な存在があるからなんとかして妾……二号の座をゲットしなきゃ。ライバルは多いよ―」

那珂「側室側室ぅ」

神通「二号……側室」

川内「そのためにはまずは格好からだよね。いつもの衣装じゃ代わり映えないからもっとこう派手なのでいこう」

那珂「那珂ちゃんのステージ衣装着るー?」

神通「あ、それは大丈夫……」

那珂「えぇー」ブゥー


851: 2015/07/03(金) 22:25:29.83 ID:zUuzZ/Kl0


『いつもと違う格好でドキッ☆作戦』


神通「ドキッ☆作戦って……」

川内「ここにこの間街で買ってきた(って言うか私と那珂が無理やり買わせた)服があります! 神通にはこれを着て提督のところへ行ってもらいます」

那珂「今のところ翔鶴さんはいないみたいだよ―」

神通「で、でも……この服、本当に私に似合ってます……? やっぱり派手なような」

川内「大丈夫ダイジョーブ。別に露出も(そこまで)多いわけじゃないし普通に夏らしい格好だよ。街中じゃみんな着たりしてるってば」



………………



神通「(うぅ……こ、これのどこが露出が少ないのでしょうか。肩から指先まで全部出てしまっています)」←ノースリーブ・ブラウスを想像してみよう

神通「(それにこのスカートも……ズボンみたいですけど、丈が短い……!)」←パンツスカートを想像してみよう

神通「(て、提督にはしたない女だと思われたら、どうしよう……)」←実はいつもの服も大差ありません! 灯台もと暗しッ


提督「……ん? ひょっとして神通か?」


神通「はぅっ?!」ビクッ

提督「あ、あぁすまん。驚かせてしまったか」

神通「い、いえっ。こちらこそ、すみません……」ドキドキドキ

提督「それにしても、私服姿の神通を見るのは何と言うか……えらく新鮮だな」

神通「に、似合っていません……よね?」

提督「いやいやその逆。よく似合ってるよ。ちょっと派手にも見えなくないけれど、夏らしいといえば夏らしいし、なにより普段の神通とのギャップでぐっと魅力的だ」

神通「ほ、本当に……!」パァッ

提督「うん。これでサンダル履いて帽子を被って海辺を歩いてたら完璧かもしれない。いやー神通がおしゃれにも造詣が深いとは恐れいったよ」

神通「いえ、そんな……ね、姉さんたちが選んだものですから」テレテレ

提督「それでも着こなせてるのは神通あってこそだよ」

神通「あぅ……」マッカ

提督「あ、でももし外に出る時は日焼け止めを忘れずにね。腕が出てるからせっかくの白い肌が焼けてしまう」

神通「は、はいっ。……あ、あのっ提督」

提督「ん?」

神通「えっと……その、わ、私、これからも一緒にいてよろしいでしょうか……!」

提督「……ああ、もちろんだよ」

神通「あ――!」

提督「神通にはいて貰わないと俺が困る。出て行くって言われたらなんとしてでも引き止めるくらいね」

神通「は、はい!」


852: 2015/07/03(金) 22:30:30.89 ID:zUuzZ/Kl0


――いて貰わないと俺が困る。出て行くって言われたらなんとしてでも引き止めるくらいね

――は、はい!



川内「あ、これオチが読めたぞ」

那珂「那珂ちゃんも読めちゃったかなぁ」

川内「絶対に違った意味で捉えてるよね提督」

那珂「あれはきっと一人の女の子じゃなくて艦娘の方だよね」

川内「神通も言い方が曖昧すぎるよ……あれじゃ告白に聞こえないもん」

那珂「でもあれは神通ちゃんの精一杯だと思うよ」

川内「これ以上を望むのはまだ早いかぁ」

那珂「まだまだ時間かかりそうだねー」

川内「ねー。でもまぁ――」



神通「~♪」ニコニコ



川内「神通が幸せそうなら今のところはそれでもいいかな」


神通の恋もまだ一歩――――


853: 2015/07/03(金) 22:33:50.24 ID:zUuzZ/Kl0
next... few days later

・そうめん
・扶桑型
・秋月
・白雨
・時雨

神通の肩からずれ落ちてるサラシカッコカリがブラ紐に見えてしょうがない
狙ってんスかねぇ


白雨 is 白露+村雨

856: 2015/07/06(月) 21:00:53.16 ID:5i/C+cwZ0
新旧一航戦if


・---・鎮守府ノ休日5・---・



――――その日、私たちは"悪夢"を見た。完敗という名の――――




―終戦後、同期鎮守府―


赤城「……加賀さん。例の噂は聞きましたか?」

加賀「えぇ。にわかには信じがたいけれど」

赤城「私もです。しかもこれは軍令部を含めほとんどの方たちが知らない超一級の機密情報。しかしこれが事実なら」

加賀「戦いが終わったとはいえ、私たちが戦っていたのは元・味方ということになる」

赤城「公になったら混乱は必至よね……」

加賀「だからこそ今まで秘匿されていたのでしょう。それだけに噂として出たのがむしろ気になるけれど」

赤城「一例だけの、深海棲艦から艦娘に戻った娘たち……会ってみたいわね」

加賀「そうね」



??『……あのー。ちょっといいですかね?』


857: 2015/07/06(月) 21:05:34.14 ID:5i/C+cwZ0


赤城「あ、あらっ。ごめんなさい提督。すっかりノケモノにしてしまいました」

加賀「……まだいたの?」

提督「いやいやそれはコッチのセリフなんだけどさ。むしろ捕まえたのはお前たちじゃねーか! なんで俺が邪魔したみたいな扱いになってんの? てかいい加減コレほどいてくんない? 自分の重みで縄が食い込んで痛い」←スマキ吊るしちう

赤城「だって提督ほどいたら逃げるじゃないですか」

加賀「あまり余計な手間をかけさせないでほしいわね」

提督「逃げないとお前たちになにされるかわかったもんじゃないからな!」

赤城「それはもう……」

加賀「ナニ?」

提督「ンなことしたら嫁に殺されるっていつも言ってるじゃん」

加賀「いい加減諦めなさいっていつもいつも言ってるでしょう?」

赤城「提督も強情ですね」

提督「もうこの流れ飽きたー。いいからほどけよー」ブラブラ

加賀「……まるでミノムシね」

赤城「でも、どうしていつもこの状態から逃げ出せるのかしら……?」


858: 2015/07/06(月) 21:10:26.77 ID:5i/C+cwZ0

knock knock


大淀「失礼します。提督、お手紙とお荷物が届いていま……」アラマァ

提督「げっ。大淀」

赤城「あら大淀さん。この通り今提督は手が離せない状態なので」

大淀「……またいつものですか」

赤城「はい。いつものです」ニコニコ

大淀「私も参加したほうがよろしいですか?」

加賀「戦力は多いに越した事はないわ」

提督「はーいはいはいちょっと真面目な話したいからストップね。で、手紙って誰からだ? 軍令部か」ブランブラン

大淀「いいえ違います。提督の同期の方からですね。というか提督、揺れながら言わないでください」コワイ

提督「あいつからか。で、なんて書いてあるんだ? これじゃ読めそうもないから代わりに読んでくれ」

大淀「よろしいのですか?」

提督「構わん構わん。ヘンな事書いてあったらお前の独断で読み飛ばしていいから」

大淀「で、では失礼して……。『この間送ってきた本は残らず返す。あんなものを堂々と送りつけるな』……?」

提督「」ゲ

赤城「あんなもの?」

加賀「この箱の中ね……(ゴソゴソ)……ほぅ」


『月刊制服天使夏の超・特大号 チラリ、チラ見せ総力特集! ブラ透けもあるよ』


赤城「こんなものにうつつを抜かすくらいなら私たちがいるのに」

加賀「浮気は犯罪よ」

大淀「提督……」

提督「そ、それは俺だって男だモン! しょうがないだろう。どうでもいいから早く続きを!!」ハリーハリー

大淀「……そう言うプレイをご所望なんですか?」

提督「ちがうよ?!」


………………

…………

……


859: 2015/07/06(月) 21:15:29.80 ID:5i/C+cwZ0


――同期へ。改めて元気でやってるか? 今回は演習へのお誘いだ。
――空母三・護衛艦三で演習をやってみたい。
――空母は第一航空戦隊、赤城・加賀の参加を希望する。もう一人はそちらに任せる。
――なお、今回は航空戦を主体にやりたいので軽巡以上の護衛艦は除外希望。
――こちらは……新生第一航空戦隊を基幹にお相手しよう。
――最後に、驚くなよ? あと余計な詮索はしないように。



提督「……これでいいのか?」

雲龍「えェ。ありがとう提督」

提督「しかし、これで雲龍たちの存在が本当の意味で公になるかぁ」

雲龍「と言っても、提督の同期の人のところだけだけどネ」

提督「まあアイツなら口もカタイからな。余計なことを外に喋らないだろうし」

雲龍「海軍最強と謳われていた四一年度第一航空戦隊……戦うのが楽しみだワ」

提督「本当にいつもの装備でやるのか?」

雲龍「もちろン。私たちの力量を見るいい機会でしょウ?」

提督「いやまあそうだけど……これヘタなくても一方的になるぞ。ただでさえ翔鶴や瑞鶴、それに鳳翔が相手になっても敵わないっていうのに」

雲龍「まあ、同一装備でやったら確実に負けるのはこっちよネ。正直練度は無いかラ」

提督「それでもやるのか」

雲龍「それでも、ヨ。一度戦ってみたかったノ」

提督「……はぁ。まああれだ。せっかくのチャンスなんだから悔いのないようにな。あと、やるからには負けるなよ」

雲龍「当然。結果を期待しててちょうだイ」


860: 2015/07/06(月) 21:20:31.07 ID:5i/C+cwZ0


―演習当日―


赤城「しかし今回の演習は不可解な点が多いですね。私たちを指名されたことは嬉しいですが……」

加賀「演習前の顔合わせはなし、演習海域についたら即座に開始、当事者以外への連絡禁止。なんなのこれは」

大鳳「あ、あのぉ。本当に私がご一緒してもよろしかったのでしょうか?」

赤城「ええ。話によると相手は新生第一航空戦隊と名乗っているそうです。ならば、第一航空戦隊を務めたことがある大鳳さんを入れるのは自然な流れでしょう?」

大鳳「新生……と言うことは、相手は私と一緒に一航戦を務めた翔鶴さんたちでしょうか」

加賀「五航戦の子たち……。それが本当なら徹底的にやるべきね」

赤城「加賀さん。翔鶴さんたちはもう五航戦などと蔑む方たちではありませんよ」

加賀「……それはわかってるけれど。五航戦は五航戦よ」フイッ

赤城「ふふっ。素直じゃありませんね」ニコニコ

大鳳「うう。正直ここで私が一航戦を名乗るのは場違い感が……」

赤城「そんな事はありませんよ。もっと自信を持って、ね? 皆さんも、援護よろしくお願いしますね」

陽炎「まっかせてください!」

不知火「……お任せを」

黒潮「ウチもそこはかとなく場違い感が……」アレレー

赤城「さあ、間もなく演習海域です。即座に開始とありますので、お言葉に甘えて早速偵察機を発艦させましょう。加賀さん、大鳳さん」

加賀「はい。大鳳、彩雲準備をなさい」

大鳳「は、はいっ」


陽炎「……ん?」キョロキョロ

不知火「陽炎、どうかしましたか?」

陽炎「いやーなんか誰かに見られてるような気がして」

黒潮「誰かって……だれ?」

陽炎「……さあ?」

不知火「電探には反応ありません。気のせいでしょう」

陽炎「かなあ」ウーン





??『………………』ジー


861: 2015/07/06(月) 21:25:32.65 ID:5i/C+cwZ0


天城「――姉様、景雲改よリ報告です。艦隊発見。編成ハ空母三、駆逐艦三」

雲龍「ありがとウ。奇しくも編成はこちらと一緒ネ」

葛城「と言っても中身はぜーんぜん違うんだケどっ」

天城「空母ハ赤城さんト加賀さんノ姿ヲ確認。もウ一名は……艦影からしテ大鳳さんト推定されます」

葛城「おぉー、装甲空母! ますますやる気が出てくルわね!」

雲龍「相手はまだこちらを見つけてなイ。先手必勝ネ。全機発艦。防空は冬月たちに任せるから直掩はいらないワ」

冬月「了解しましタ!」

雲龍「せっかくだからアレをしましょうカ。私たちがまだ深海棲艦だった頃、鳳翔たちを見つけた時のようニ」

天城「では、第一波ハ噴式震電のみデ先行させますか?」

雲龍「えェ。先導に景雲改を付けてまずは相手の防空網を突き破るワ」

葛城「こーゆーのって、スイーピングって言うらしイわね。性能差があるとエグイ作戦だわ」

雲龍「噴式震電発艦後はただちに橘花改を発艦させル。タイミングが重要だから遅れないようニ」

天城「わかりましたっ。天城航空隊、発艦開始します!」

葛城「オッケー。こっちも発艦イくわ。攻撃一番槍はこの葛城よ!」

雲龍「……さあ"悪夢"を魅せてらっしゃイ」


862: 2015/07/06(月) 21:30:27.05 ID:5i/C+cwZ0

………………


加賀「……どういうこと? もっとはっきりと報告なさい」

赤城「加賀さん。どうかされましたか?」

加賀「彩雲が敵影らしきものを一瞬だけ見かけたらしいわ。ただ、あまりにも速くて次の瞬間には見えなくなったらしいけれど」

大鳳「と言うことは、相手の艦隊も近くにいますね。付近を重点的に索敵しましょう」

赤城「(速すぎて加賀さんの偵察機が敵を見失う……? 反対方向に飛んでいった偵察機……?)」

加賀「大鳳の意見を取り入れて、付近を索敵した方がいいと思うわ」

赤城「……そう、ですね。幸い向こうはまだこちらを発見していない。ならば先手必勝の意味でも小さな可能性に賭ける価値はあるわね。彩雲に付近を徹底的に見てもらいましょう」

加賀「了解」

大鳳「はい!」

赤城「さて、幸先良く見つかるといいけれど」



赤城「(でも、なぜでしょう……。今すぐ全戦闘機を上げろと、頭の中で何かが……!)」



赤城「っ。二人とも、全戦闘機発艦用意!」グイッ

加賀「えっ? 赤城さん?」

大鳳「ど、どうしたんですか」

赤城「はやく! 一機でも多く直掩機を――――」



陽炎「ッ?! 電探が敵編隊の接近を探知! 距離、六万五千!」


863: 2015/07/06(月) 21:35:42.29 ID:5i/C+cwZ0


大鳳「敵……編隊?」

加賀「まだ私たちは相手に見つかってないわ。なのにどうして」

赤城「狼狽えないで! まだ距離はあります。今すぐ直掩を上げればまだ対処は――――」

陽炎「嘘……なんで、なんでこんなに速いの?! 距離、六万を切りました! 速度はどう計算しても四○○kt以上は出てますよ?!」

赤城「よ、四○○……?! そんなバカな」

加賀「電探の誤探知ではなくて?」

陽炎「違います! でも、あり得ない速さでどんどん接近してきます! 更に後方より新たな編隊を感知!」

赤城「くっ。落ち着いて……とにかく、全機発艦を。上空の直掩隊は直ちに迎撃を、急いで!」

赤城「(なにか、嫌な予感がする……)」



………………



赤城「………………」

加賀「直掩隊が全滅。防空網に穴が……そんな、馬鹿な」

大鳳「うそでしょう」

赤城「……直掩隊からの最後の報告では、相手の戦闘機は零戦でも紫電改でも烈風でもなく、プロペラのない震電。そんな艦載機を私は知らないわ」

加賀「しかも遠方からの噴進弾らしきもので一方的に攻撃を受けたなんて……ありえない」

大鳳「わ、私たちは何と戦ってるんですか? 本当にコレは演習なんですか?!」

赤城「直掩隊はあくまで撃墜判定を受けただけ。実際に墜落はしていません。しかし私たちは大半の戦闘機を失いました」

陽炎「敵編隊、接近! 対空戦闘開始しますッ!」ドンドンッ

不知火「速い……墜ちろ!」

黒潮「まだまだ負けと決まったワケじゃあないんやでー」

赤城「いったい何が、何が悪かったというの……? あの速度はなに……相手の戦力がまるで分からない」

大鳳「赤城さん、回避を!」


……ゴオォォォォォ!


陽炎「敵機、上空より爆弾投下!! あれは――ッ?!」

加賀「……かみ、なり?」


864: 2015/07/06(月) 21:40:26.68 ID:5i/C+cwZ0


天城「――攻撃隊よリ入電、攻撃成功。大鳳さんヲ除ク全員ニ中大破判定出ました! こちらノ損害ハ対空砲によル二機のみです」

葛城「やッたぁ、完勝よ! これが"新生第一航空戦隊の力"ナのよ」バンジャーイ

天城「全航空機、帰投開始。攻撃終了です」

雲龍「さすが装甲空母といったところネ。一撃では仕留め切れなかったワ」

葛城「でもでも、これはもう勝ったも同然デしょ! 相手の戦力は喪失同然、こっちの被害はごく僅か。勝負あッたわ」

雲龍「やはり絶対的な装備の差は戦況に与える影響大……カ。あまりいい気分ではないわね」

天城「……えぇ」

葛城「ナんで? 勝ったからいいジゃん」

雲龍「改めて自分たちは艦娘だけど"化け物"なんだと再確認したワ」

天城「傲ル気ハ微塵もありませんが、これガ演習でよかったト天城ハ思います」

雲龍「……そうネ。味方にぶつけることがなくて、本当に良かったワ」

葛城「?」

雲龍「いいえ、なんでもなイ。それじゃあ攻撃隊を収容したら会いに行きましょうカ。第一航空戦隊の先輩たちニ」

葛城「瑞鶴センパイに見せたかっタなあー」


………………

…………

……


865: 2015/07/06(月) 21:45:31.66 ID:5i/C+cwZ0


赤城「……まさか演習相手が噂の方だったなんて。知らない艦載機に知らない攻撃方法なのも訳ないですね」

雲龍「こちらこそ、最後の最後に不意をつかれたワ。中破状態でも発艦可能な装甲空母の力を見誤っていタ」

大鳳「私の攻撃隊による送り狼が唯一の戦果でしたが、結局こちらも帰還機は無し。防空網の厚さには驚きました」

葛城「あっハはぁ……。ね、ねぇ」←攻撃隊収容中に奇襲雷撃を食らった

加賀「噴式機に誘導弾、こんなものは私の戦技にないわ」

天城「ま、まア本来ノ天城たちでモ持ちえませんでしたから……」アハハ

赤城「それにしても、あなた達は本当に……?」

天城「はい。天城たちハ元深海棲艦です。ゴ覧ノ通リ身体ノ所々ニ名残があります」

雲龍「残念ながら、妖精の力を以ってしても治すのは不可能だそうヨ」

大鳳「今まで大変だったでしょう?」

葛城「もう慣れッこよ。それに、戦争は終わったから前みたいに気にすることも無くなッたわ。これからどんどん表に出ていクわよ!」

加賀「そう。なら次の戦いでは負けません」

葛城「また戦ってくレるの?」

加賀「……その前にあなたはもう少し言葉を選ぶべき。まるでどこかの五航戦の子と話してる気分になるわ」

赤城「まあまあ加賀さん。でも、次に会う時は私たちも簡単にはやられませんよ。今度こそ、一航戦の誇りを皆さんにお見せします」スッ

雲龍「えェ。楽しみにしているワ」ギュッ



陽炎「ねえねえ、それってひょっとして機関砲?」

冬月「主砲でス」

不知火「機銃の間違いでは……」

夏月「……主砲ダ」

黒潮「なんや、ケッタイな装備やなあ」

花月「主砲ですわ」


一航戦の誇り

869: 2015/07/11(土) 19:30:35.00 ID:WbrjTM500
そうめん



・---・鎮守府ノ休日6・---・


白露「あ"ぁ"~」

深雪「あづい、あづい、だるい」ダルーン

夕立「夕立、暑い夏はちょっとキライっぽいー」

叢雲「暑い暑い言うな。こっちまで暑くなってくるじゃないの」パシャッ

深雪「……ぬるい。叢雲ぉ水取り替えたらどうだー」

叢雲「足を入れてる分には冷たいわよ。まあ、正直氷は欲しいところだけど」

深雪「しっかしまあ、なーんでこんな暑い日に限って全室一斉で空調の点検なんてするのかねえ! 普通するなら冬だろ」

涼風「そりゃあ同意だぜー」ダルーン

時雨「提督の話だと、梅雨が明ける前にやっておいた方がいいかららしいけれどね。それで今日にしたみたいだけど……」

村雨「昨日まで涼しかったのに、今日に限って快晴・猛暑日っていうのがまたあれよねえ」

叢雲「運が悪すぎよ。あいつの日頃の行いのせいじゃないの」

深雪「あー早く終わってくんないかな―。空調の効いた部屋でゴロゴロしたいぜぇ」

叢雲「まったく……。そう言えば、一番やってそうな初雪の姿が見えないけど」

深雪「あー初雪なら今鳳翔さんたちの説教受けてるぞ」カルイヤツ

叢雲「は? なんでまた」

深雪「この暑い中、アイツが考えそうなことを想像してみ~。司令官の部屋に勝手に入って涼むくらいのやつだぜー」

叢雲「そりゃアンタでしょうが。うーん、あのコの考えそうなこと? 考えそうな…………?」マサカ






鳳翔「いくら暑いからといって、大切な食材の入った冷蔵庫を開けっ放しにして涼んではいけませんよ」メッ

大鯨「気持ちは分からなくもないですけれど、お行儀悪いことですからね」デス

初雪「……はい」←おデコに冷えピタ設置済み



870: 2015/07/11(土) 19:35:31.74 ID:WbrjTM500


もしも食材が傷んでしまったら、皆さんのご飯がなくなってしまいますからね

……はい



山城「……あの子も考えたものねえ。空調がない以上この建物の中で一番涼しいのは間違いなく冷蔵庫だもの」

扶桑「言われてみればその通りだけれど、さすがに考えつかなかったわね」

瑞鶴「でも冷蔵庫開けっぱってのはマズイわね。せめて中に入るとかしないと」

山城「中に入ったら開けられないんじゃなかったかしら。そんな話を聞いたことがあるような」

翔鶴「それにいくら最初は涼しくても、ずっといたら寒くなってしまうわ」

瑞鶴「んーそっかぁ。だから開けっ放しにしてたのかも。確かに考えたもんだわ」

扶桑「一年前はこれが当たり前だったのにね」クスッ

山城「去年までどんな涼の取り方してかなぁ……」

葛城「まったく、アイスだけじゃ限界があるワよねー」モウイッコ

天城「あまリ食ベ過ぎるとオ腹ヲ冷やすわヨ葛城。ねエ雲龍姉様? ……姉様?」

雲龍「………………」ポケー

天城「ああ、フリーズしてらっしゃる……」アハハ

瑞鶴「翔鶴姉ぇ、点検っていつまでかかるんだっけ?」

翔鶴「予定ではお昼すぎには終わるけれど、一緒にお掃除もしてるからもう少し時間がかかるかもしれないわね」

瑞鶴「てコトは一番暑い午後もこのままかぁ。じゃあ昼はよく冷えたお蕎麦とかそうめんがいいなー」

翔鶴「確か鳳翔さんのお話だと今日のお昼は……」



………………



カレーライス『』ヤァ



瑞鶴「」ウワー

山城「……まあ、今日は金曜だからカレーなのは分かるわ。うん」ダケド……

扶桑「汗を掻きながら熱くて辛いカレーを食べるというのも、一つの涼の取り方かしらね」

瑞鶴「でもこれじゃ余計に暑く……美味しいけどさ」

鳳翔「ふふっ。お昼にカレーにしたのはちゃんと理由があるんですよ」ニコニコ

大鯨「その代わり夜は、今の季節にピッタリな涼しげなものですからね」

瑞鶴「今の季節にピッタリって……」ンー?



山城「あれ、そういえば今日はずっとあの人の姿を見てないような」


871: 2015/07/11(土) 19:40:34.28 ID:WbrjTM500


――総員一八○○に工廠前に集合!


瑞鶴「――なんてお触れが出たから来てみれば、これは」

深雪「すっげー! これテレビで見たことあるよ。ということは今日の夕飯って……」ワクワク

鳳翔「はい。今日は皆さん暑い思いをたくさんされたので、少しでも涼を感じて頂こうとこういった趣向を凝らしてみました」

大鯨「ちなみに、竹の切り出しから加工・設置までは提督や武蔵さんに重巡の皆さん、そして妖精さんがやって下さいました」

武蔵「ま、この武蔵にかかれば造作も無いことだ」フフン

古鷹「ふふっ。こういった縁の下の力持ち的な存在が重巡洋艦なんですよ」ニコニコ

加古「いやー疲れた疲れた暑かった。おかげで寝る暇もなかったよー」

利根「お主は竹を切りながらコックリコックリと船を漕いでおったではないかっ。"ふぉろー"をしたのは吾輩じゃぞ!」

筑摩「文句を言いながらもしっかりと手を動かしていた姉さんはとっても素敵でした」

鳳翔「竹のレーンは複数ありますので、お好きな方でお召し上がりください。もちろん内容は一緒ですよ」

大鯨「そうめんを流すのは私たちで行いますので」

敷波「あれ、じゃあ二人は食べないの?」

綾波「良ければ綾波たちが途中で変わりますが……」

大鯨「ご心配なくです。提督が都度都度代わってくださるそうですので、その時に私たちも参加させて頂きます」

鳳翔「あとは流す前に、流す側が食べてしまうという手もありますけれどね」フフッ

深雪「ハッ、その手があったか!」

叢雲「そしたら流しそうめんじゃないでしょうに」



武蔵「では皆好き好きにと言いたいところだが、誰がどの場所に陣取るかはしっかりと周りを見て考えておくんだぞ」

瑞鶴「やっぱりココは……」

翔鶴「えぇ。私たちはうしろn 『筑摩よ、先頭を氏守して流れたてのそうめんをゲットするのじゃ!』

筑摩「まあまあ姉さん。そこは駆逐艦の子たちの場所ですよ」

利根「なんと!」

瑞鶴「……分かってないのがいたね」

翔鶴「あはは……」

五月雨「すみませーん、この小さい竹のレーンはなんですか?」

鳳翔「そこは妖精さん専用の場所です。私たちと同じでは大きすぎてしまうので」

五月雨「あ」ナットク


妖精1『食べるです』フンス

妖精2『流されるです』


872: 2015/07/11(土) 19:45:30.42 ID:WbrjTM500


鳳翔「さあ、流し始めますよ。皆さんお箸とおつゆの準備はいいですか」


『はーい!』←元気な駆逐艦たちの声


鳳翔「取れなくても次々に流していきますので、ケンカには注意してくださいね。では……」スッ


そうめん『』イクゼェェェェッ!!!


深雪「まず第一投目は様子見だな。これが今後の見極めを左右すると言っても過言じゃないぜぃ」

初雪「……同じく」

磯波「後ろの方にも取っていただきたいですからね」


そうめん『』ヒャッハアァァァァッ!!


白露「時雨、行ったよ」

時雨「ボクはまずこっちのきゅうりとミョウガを楽しもうかと」コリコリ

春雨「わぁ。お水の流れに沿ってまるで滑るように流れていきますねっ」ワクワク


そうめん『』オラオラオラアァッ!


秋月「冬月、先にどうぞ」

冬月「いえいえッ。姉さまこそお先にどうゾ!」


そうめん『』……オヤオヤァ?


古鷹「……取らないのかな?」

加古「とか言ってる間にあたしたちの前も通過してったけどね……って、通過?」アレ


そうめん『』エ? チョッ……


パシャンッ

『あ』



鳳翔「ど、どなたも取らないので受け取り用のザルに入っちゃいましたね。皆さん遠慮しなくても流しますからね……?」アハハ

深雪「ま、まあこれで様子見は終わったな。次からは本気でいくぜ!」

鳳翔「色付きのそうめんも混ざっていますので、もし取れたらなにか良いことがあるかもしれませんね」フフフ


873: 2015/07/11(土) 19:51:10.56 ID:WbrjTM500


白露「ちょっと夕立、色付きのそうめんばっかりとらないでよー!」

夕立「流しそうめんは早い者勝ちっぽい!」

大鯨「まだまだたくさんありますからねー」サッサッ

叢雲「……と言うかよくこの中で色付きだけ選んで取れるわね。逆にすごいわ」

吹雪「あはは。でも、なんだかこういう食べ方も新鮮でいいよね」

白雪「うん。そうだね」

那珂「あっちは結構平和っぽいのにこっちは全然ここまで流れてこないね」

川内「いっそ転進という手もあるかも。んーでも、鳳翔さんの作ったこのおひたしはここのが近いし……」ウムム

那珂「そう言えば神通ちゃんはドコ行っちゃったのかな。さっきまで一緒にいたのに」

川内「神通? 神通ならホラあそこ」



翔鶴「提督。おかずを一通り持ってきました」

神通「あの……び、ビールのおかわりは如何でしょうか」



山城「一方ではそうめんを巡って戦の中、一方では嫁候補が提督に奉仕。渾沌としてるわねえ」

扶桑「山城も混ざる?」

山城「私は別に……」

扶桑「それじゃあ私は一緒にお酒を飲んでこようかしら」

山城「えOちょ。ね、姉さま!」

瑞鶴「ほらほら~山城さんも行かないと置いてきぼりにされちゃうよー」

山城「あ、あのねえ。私は……」

扶桑「提督。今夜は良い月が出そうですね。お酒を飲むには持ってこいかもしれません」ウフフ

山城「姉さま……あ、う……わ、私も一緒しますぅ―!」



ワイワイワイ



葛城「今日も元気ねえ」ズルズルッ

天城「そノ方がこノ鎮守府らしイ気もするけれどね」

葛城「まあ、うん。確カにね」

天城「雲龍姉様もそウ思いますよね?」

雲龍「(ズルズルズルッ……ムグムグ……)そう、ネ」

夏月「……平和ダ」

花月「平和ねえ」


妖精1『そうめん美味しいです』ズルズル

妖精2『ひやむぎと何が違うです?』

妖精3『美味しければなんでもいいです』




一番平和なのは、妖精さんゾーンでした


882: 2015/07/17(金) 20:26:20.49 ID:/CvHL/4S0
扶桑型+鳳翔


・---・鎮守府ノ休日7・---・


扶桑「ねえ、山城」

山城「はい」

扶桑「提督って、私たちにとってお兄様なのかしら。それとも弟君?」

山城「はい?」ナンダッテ

扶桑「ほら、この間みんなに配っていたブレスレットがあるでしょう」キラン

山城「あー、家族がどうのこうのって言ってた」ブラブラ

扶桑「それでふと思ったんだけれど……」ドッチ

山城「(私としては別にドッチでもいいんだけど……)姉さまはどちらが嬉しいですか? 姉さまが姉になるのか、それとも妹になるのか」

扶桑「私? そう、ねえ」

山城「………………」

扶桑「うーん。姉……妹……」

山城「(あれ、思いの外真剣に悩んでる?)」ウソン

扶桑「いざそう考えるとなると、結構難しいわね。どっちにもなってみたいというか、面白そうというか」

山城「まあ実艦年齢的に考えると何をどう考えてもおb」

扶桑「山城」ニコニコ

山城「」

扶桑「私たちは今は艦娘。フネだった頃とは違うわ」イイワネ

山城「はい」

扶桑「うふふ。でも、お婆ちゃんの知恵袋的な存在というのもいいかもしれないわね」

山城「い、いいんですか……」



883: 2015/07/17(金) 20:30:42.68 ID:/CvHL/4S0

鳳翔「あら、お二人で何を話されているんですか」トコトコ

山城「あ、鳳翔さん」

扶桑「ちょうどいいところに。せっかくだから鳳翔さんにも聞いてみましょうか」

鳳翔「何かお困り事ですか?」

山城「いや、困り事というか……」ネェ?

扶桑「鳳翔さんにとって、提督はお兄様的な存在ですか? それとも弟のような存在ですか?」

鳳翔「え、えーと? 話がよく見えないのですが」

山城「この間提督がみんなに配った例のブレスレットのことです」コレ

鳳翔「あ、なるほど」

山城「それで家族のようになるなら、あの人はなんなのかなーって」

鳳翔「そうですねえ。確かにこれは難しいかもしれませんね」

扶桑「鳳翔さんもですか?」

鳳翔「はい。正直に申し上げれば一番なのは旦那様なんですけれどね」

扶桑「それは私も同感ね」

山城「(さらっと第三の選択肢を入れてきた……!)」

鳳翔「ふふ、お互いにライバルが多いですね」

扶桑「ええ。本当に」

鳳翔「やはり一番の難関はいかに翔鶴さんを超えるかということでしょう」

扶桑「勝負はほぼ決まっているとはいえ、簡単には諦められませんからね」

山城「(なんか話の流れ変わってきたなぁ)」


884: 2015/07/17(金) 20:36:22.02 ID:/CvHL/4S0

鳳翔「とは言え、いざ日常でとなると兄か弟のどちらかではなく、両方というのが正直な所でしょうか」

扶桑「両方?」

山城「(あれ、話が唐突に戻った)」

鳳翔「私たちにとって頼れる指揮官と言う面では兄的な。また日常面で頼られることがあれば弟的な」

扶桑「なるほど……。言われてみればそんな感じですね」

鳳翔「そんな二面性のある方ですね。提督は」

扶桑「さすが鳳翔さんです。どちらかではなくどちらもと言うのは考えつきませんでした」

鳳翔「先程のも含めると優柔不断に聞こえてしまいますけれどね」

山城「なんか、アレですね。頼って頼られてっていうのは兄・弟よりもむしろ……お父さん?」ミタイナ


扶桑・鳳翔『あ』


山城「まあちょっと強引だったかなというのも否めないですが」

扶桑「お父様……ありかもしれませんね」

山城「エ?」

鳳翔「そ、そうですね。盲点でした」

山城「」ウソンッ

扶桑「今度さり気なくお父様と呼んでみるのもいいかもしれません」

鳳翔「ふふっ。呼ばれた時の提督の表情が気になりますね」

扶桑「提督がお父様ということは私達は子供……娘?」

鳳翔「ですね」クスッ

山城「("艦娘"だけに……なんて言える空気じゃない)」

鳳翔「でもそうなると今度は旦那様と呼べなくなると……」

扶桑「やっぱり難しいですね」

鳳翔「まったくです」


お兄さま お父さま


885: 2015/07/17(金) 20:39:02.71 ID:/CvHL/4S0
next... few days later

・秋月
・白雨
・時雨
・春雨
・19駆
・五月雨


Wows、やっとTier3に入り天龍ちゃん導入へ 魚雷戦、いいねぇ

887: 2015/07/17(金) 20:46:06.19 ID:FJbRGgWSO
乙です。
そして明日は那珂ちゃんにスポットが当たって鶴姉妹は雲龍達の指導をする鶴翼の絆5巻発売ですね

888: 2015/07/17(金) 20:56:19.73 ID:ZZXnn+X+O
乙です


引用: 翔鶴「瑞鶴、あまり提督の邪魔をしちゃだめよ?」