1: 2009/04/13(月) 21:30:17.61 ID:n7ANBuij0
 
ジュン「耳かき?なんでまた?」
 
翠星石「さっきから耳の奥が疼いて仕方ないんです」
 
ジュン「別にやっても良いけど、耳かきぐらい一人で出来るだろ?第一他人にして貰う耳かきなんて怖くて痛いだけだ」
 
真紅「甘いわねジュン」
 
ジュン「なに?」
 
真紅「耳かきは他人にして貰うからこそ良いものよ。ねえ翠星石?」
 
翠星石「そうですぅ!ジュンは何も分かってないです」
 
真紅「ここは私がイチ耳かきストとして貴方に耳掃除の素晴らしさを教えてあげるのだわ」
 
 
 
ローゼンメイデン0―ゼロ― 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
3: 2009/04/13(月) 21:48:52.09 ID:GCOQBnzyO
まかせろ

8: 2009/04/13(月) 21:53:56.92 ID:GCOQBnzyO
JUM「耳かきの素晴らしさってなんだよ…」

真紅「愚問ね。百聞は一見にしかず、少しそこで見ていなさい」

JUM「耳かきにそこまでムキになるなよ」

翠星石「まったく、何にもわかってないですねぇ…これだから愛に触れられない人間は」

JUM「…僕だって、愛に触れたい。触れてみたいさ」

真紅「まぁ良いわ。実践してあげましょう。良い事?まずはこの真紅が一人で耳かきをする」

翠星石「はい、耳かきですぅ」すっ

真紅「ありがとう。JUM、しっかり見ておきなさい」

10: 2009/04/13(月) 21:57:37.66 ID:GCOQBnzyO
真紅「…」すっ

カリ…カリ…

翠星石「さすがはローゼンメイデン、耳かきひとつ取っても優雅ですね」

JUM「確かに。目を閉じて耳かきを繰る姿…とても綺麗だ」

翠星石「それだけですか?」

JUM「…」

真紅「…」カリ…カリ…

JUM「いや、でも…なんだこの…何とも言えない寂しさは…」

12: 2009/04/13(月) 22:01:33.88 ID:GCOQBnzyO
翠星石「そう、一人作業の耳かき。孤独な作業です」

JUM「本来なら誰かの膝の上に横たわって、目を閉じて…愛を育む共同作業なのに」

翠星石「わかりますか?それに比べて、今の真紅はどうです」

真紅「…」カリ…カリ…

JUM「優雅に見えた仕草も、まるで氏に別れた恋人を思うように寂しく見えるな…」

翠星石「です。そして、耳かきはされる側だけじゃなく、する側にも至福の喜びがあるんですよ」

14: 2009/04/13(月) 22:04:43.12 ID:GCOQBnzyO
JUM「する側にも?」

翠星石「これは実際に見てみないとわからんですね。真紅」

真紅「なぁに、翠星石」カリ…

翠星石「お姉ちゃんが耳かきしてあげるですぅ。こっちにいらっしゃい」ニコ

JUM「…」ドキ

真紅「あら、嬉しいわ。ではお願いしようかしら」すっ

トテトテ

翠星石「さぁ、膝の上に寝転ぶです」

真紅「ええ。失礼するわ」すっ

16: 2009/04/13(月) 22:08:35.04 ID:GCOQBnzyO
翠星石「じゃあ始めるですよ」

真紅「お願い。頭乗せても、くすぐったくないかしら?」

翠星石「大丈夫ですよ。真紅も痛かったりくすぐったかったらすぐに言うです」

真紅「わかったわ」

カリ…
カリ…

翠星石「それにしても真紅の金髪は綺麗ですね。羨ましいですぅ」なでなで

真紅「ふふ、あなたの髪も美しいわよ」

JUM「なんだ…?同じ耳かきなのに、一人でするのとこの違いはなんだ?」

17: 2009/04/13(月) 22:13:04.82 ID:GCOQBnzyO
真紅「あ、ちょっとくすぐったいわ」

翠星石「おっと、すまんですぅ。こっちの耳は終わりですね」

真紅「ありがとう。反対もお願いしていい?」

翠星石「もちろん。さぁ、反対の耳を上にするですよ」

真紅「少し待ってね。反対側に移動するわ」

翠星石「ふふ、そんな面倒な事しなくても、その場でこっち向けば良いじゃねーですか」

真紅「あら、それではあなたがくすぐったくない?」

翠星石「大丈夫ですよ。ほら、早く」

真紅「もう、翠星石ったら…たまに良いお姉ちゃんになるんだから」クスッ

くるっ

19: 2009/04/13(月) 22:16:56.09 ID:GCOQBnzyO
JUM「なんだこの気持ちは…」

JUM「なんなんだよ、この幸せな気持ちは…」

JUM「僕は今までこんな気持ちを味わった事があるか?」

JUM「いや、それ以上に…こんなに長く誰かと触れ合った事があるだろうか」

JUM「…」

JUM「ない。僕の人生って、本当に愛に触れる機会がなかったんだな…」

JUM「僕の人生なんて所詮、一人ぼっちの耳かきみたいなものなのか…あぁ、なんか泣けてきた」

真紅「それは違うわ、JUM」

22: 2009/04/13(月) 22:22:36.88 ID:GCOQBnzyO
JUM「真紅…耳かきは終わったのか?」

真紅「ええ。ありがとう翠星石。とても気持ちよかったわ」

翠星石「お安い御用ですよ」ニコ

JUM「…真紅、なにが違うって?僕の人生、一人でやる耳かきみたいに虚しいんだよ」

真紅「違う。違うのよJUM。あなたは気付いていないだけ」

JUM「気付いて…ない?」

真紅「今まであなたに差し出された膝はいくらでもあった。本当は聞こえていたはずよ、あなたにも」

JUM「聞こえていた?一体なにがだよ」

真紅「さっきの翠星石の言葉を思い出してごらんなさい」

JUM「…」

『お姉ちゃんが耳かきしてあげるですぅ。こっちにいらっしゃい』
『こっちに』

『いらっしゃい』

JUM「……ああ……」

23: 2009/04/13(月) 22:26:45.23 ID:GCOQBnzyO
JUM「こっちに…いらっしゃい…」

『JUM君、ほら、ひとつ学年あがるんだし…制服も新調したのよぅ』

『ねぇ、また二人で一緒にご飯食べれないかしら…?』

『JUM君、趣味とか見つけましょう?ほら、ラクロスとか』

JUM「…僕は、聞こえていた。差し出された膝に横たわるのが怖かったんだ」

真紅「そう。それも仕方のない事。耳は繊細な場所だもの。少し間違えば大怪我に繋がる」

真紅「でもJUM。さっきの私と翠星石の耳かきは…怖いものに見えた?」

26: 2009/04/13(月) 22:37:51.30 ID:GCOQBnzyO
JUM「それは…」

真紅「ふふ、聞くだけ野暮というものね。さぁ翠星石」

翠星石「はいですぅ…」

JUM「…」

翠星石「翠星石に…耳かきしてくれますか?」モジモジ

真紅「翠星石に上目づかいでお願いされたんだもの。やってあげられるわね、JUM?」

JUM「僕には……」

JUM「無理だ」

翠星石「!」

28: 2009/04/13(月) 22:46:40.73 ID:GCOQBnzyO
翠星石「翠星石が膝に乗るのは嫌ですか…?」

JUM「違う、嫌じゃない。ただ僕は、お前を傷つけてしまうかも知れない」

翠星石「え?」

JUM「僕は今まで周りからの愛を拒絶してきた。いまさら、誰かに優しく接する事なんて…」

真紅「出来るわ」

JUM「真紅…」

真紅「あなたは優しい人。ただ愛に慣れていないだけ」

JUM「そうだとしても、僕は慣れない愛なんかで翠星石を傷つけたくない。もしも手元が狂ったら…」

真紅「最初は誰だってそうなのよ。でも、愛には勇気も必要。愛だけでは、誰も愛せないの」

JUM「愛だけでは…愛せない」

真紅「さぁ、翠星石に耳かきしてあげなさい。それが愛への一歩を踏み出すのだわ」

29: 2009/04/13(月) 22:50:08.01 ID:GCOQBnzyO
JUM「…翠星石」

翠星石「はいですぅ」チラッ

JUM「こっちにおいで」

翠星石「翠星石に耳かきしてくれるですか?」

JUM「うん。その…下手くそかも知れないけど」

翠星石「クス、良いんですよ。優しくするですよ?」

JUM「もちろんだ。気をつけて、大切に、丁寧にするよ」

真紅「良い子ね、JUM」

31: 2009/04/13(月) 22:54:28.75 ID:GCOQBnzyO
翠星石「じゃあ、失礼するですよ」

JUM「うん。おいで」

ぽふっ

翠星石「ん~、チビ人間の割に良い枕ですぅ」もぞもぞ

JUM「ちょ…もぞもぞするな」

翠星石「このまま寝ちまいそうですぅ…」

JUM「初めての耳かきだぞ?怖くないのか?」

翠星石「全然?」

真紅「言ったでしょう?愛には勇気も必要。翠星石にはそれがあるからこそ、あなたを愛する事が出来るのよ」

JUM「僕を愛する、か」

翠星石「な!なに勘違いしてやがるですか!誰がお前みたいな…」かぁぁ

32: 2009/04/13(月) 22:56:53.86 ID:GCOQBnzyO
翠星石「まったく!翠星石が耳かきさせてやるってんです!さっさとやるですぅ!」むすっ

JUM「何膝の上で怒ってんだよ。じゃあ始めるぞ」

翠星石「よろしくですぅ」

すっ……

さわ…

翠星石「きゃん!?そ、そんな触れるか触れないかでされたらくすぐったいですぅ…」

JUM「ご、ごめん」

34: 2009/04/13(月) 23:05:30.23 ID:GCOQBnzyO
JUM「こんな感じかな?」

カリ…

翠星石「そうそう。上手ですよJUM。気持ち良いです…」

JUM「痒かった所はどのへんだ?」

翠星石「も…ちょっと奥…」

カリ…

カリ…

翠星石「そこ、そこですぅ。あん、ちょっと痛いかも」

JUM「ごめん。力加減がわからなくてな」

翠星石「初めてだったら仕方ないですよ。ゆっくり覚えていけば良いです。翠星石はすごく気持ち良いですよ」ニコ

37: 2009/04/13(月) 23:12:50.96 ID:GCOQBnzyO
JUM「…」

翠星石「良い気持ちですぅ…チビ人間の膝もあったかくって…」

JUM(翠星石の頭がずっと僕の足に乗ってる…)

JUM(体温…なのかはわからないけど、すごく暖かいな)

JUM(独特のくすぐったさも、ズボン越しに伝わる吐息も)

JUM(僕を幸せな気持ちにしてくれる。これが、する側の幸せか)

JUM「翠星石」

翠星石「はい?」

JUM「お前をこうして膝に乗せてると、幸せな気分になるよ」

翠星石「クスッ…何言ってるですか、おバカ人間」

JUM「はは、まぁそう言うなよ」

翠星石「…星石も、幸せですよ」ぽつり

38: 2009/04/13(月) 23:17:30.36 ID:GCOQBnzyO
JUM「ん?なんだって?」

翠星石「なんでもねーです」

JUM「なんだよ、気になるな。教えてくれよ」

翠星石「もう。…翠星石も、JUMに膝枕してもらって幸せですよって」

JUM「そっか。そう言ってもらえると嬉しいな」

翠星石「…恥ずかしい事言わせるなです、バカ」

真紅「…ようやく耳かきの素晴らしさがわかってきたようね」カリ…カリ…

43: 2009/04/13(月) 23:31:14.35 ID:GCOQBnzyO
変態路線に走りたくて仕方がない

50: 2009/04/13(月) 23:40:06.43 ID:GCOQBnzyO
JUM「?」

真紅「…」カリ…カリ…

JUM「どうしたんだよ真紅、一人で耳かきして」

真紅「深い所が疼いているのよ。気持ち悪くて」

JUM「…一人でやるなよな。翠星石が終わったらやってやるから」

真紅「まぁ、本当?優しいのね」

JUM「…翠星石、こんなもんで良いか?真紅が淋しがってる」

翠星石「むぅ…。しょうがないですねぇ。良いですよ、代わってやるです」

53: 2009/04/13(月) 23:44:18.98 ID:GCOQBnzyO
真紅「…あ、やっぱり私は良いわ。翠星石、ちょっと良いかしら」

翠星石「ん?なんですか?」

真紅「耳を貸してちょうだい」

翠星石「内緒話は感心しないですが…どうかしましたか?」

JUM「…?」

真紅「JUMは、愛情ある接し方を覚えたわ。きちんと勇気を振り絞ってね」ボソッ

翠星石「ですね。喜ばしい限りです」ボソッ

真紅「ご褒美に…私達からも、あの子に愛を感じてもらいましょう」ボソッ

57: 2009/04/13(月) 23:49:38.12 ID:GCOQBnzyO
翠星石「そうですね。私達からも耳かきしてあげるです」

真紅「決まりね」

JUM「なぁ、何の話をしてるんだよ」

真紅「ふふ、勇気を出したあなたにご褒美をあげようかと思ったの」

翠星石「翠星石に優しくしてくれたお礼ですよ。ありがたく受け取るですぅ」

JUM「ん?僕にも耳かきしてくれるのか」

翠星石「もちろんですよ。さ、横になるです、チビ人間」ニコ

58: 2009/04/13(月) 23:53:22.99 ID:GCOQBnzyO
翠星石「じゃあまずは…」

真紅「私が膝枕になるわ。身体のサイズが合わないから二人一組でしないとね」

翠星石「了解です。さ、JUM。真紅の足に頭を乗せるです」

JUM「あ、あぁ。でも大丈夫か?重くない?」

真紅「大丈夫よ。さぁ、この膝に頭を…」ぽんぽん

JUM「じゃあ失礼して」

ぽふっ

翠星石「で、翠星石が耳かき役です。JUM、良いですね?」

JUM「もちろんだ。よろしく頼むよ」

61: 2009/04/13(月) 23:57:28.58 ID:GCOQBnzyO
翠星石「じゃあ始めるですぅ。…あ、耳にゴミがついてる」

JUM「本当?どのへんだ?」

翠星石「あぁ、翠星石が取ってやるから良いですよ。じっとしてるです」

JUM「うん」

翠星石「ふぅっ」

JUM「ッッ!!」ぞわわわ

64: 2009/04/14(火) 00:01:57.45 ID:cCX0PCPKO
JUM「い、いきなり息を吹き掛けるな…」

翠星石「へ?」

JUM「びっくりするだろ。手で取ってくれよ」

翠星石「細かい事を気にする人間ですねぇ。こんなのでごちゃごちゃ言うなです」

JUM「…こんなのって、お前…」

翠星石(面白い反応しやがるですね…もう一回)

翠星石「ふっ」

JUM「ん!?」ビクッ

真紅「…!JUM!膝の上で動かないの…!」

67: 2009/04/14(火) 00:06:38.88 ID:cCX0PCPKO
翠星石「クスクス…面白い奴ですねぇ」

JUM「お前が息吹き掛けるからだろ…!」

翠星石「これくらいでビクッとなるなんて、まだまだ子供ですねぇ」

JUM「なにを…」

真紅「こら、翠星石。余計な事をしてないで早くしなさい」

翠星石「ちょっとからかっただけなのに…。ん?」

翠星石(真紅が顔を赤らめてるです…?)

翠星石(ああ、なるほど)クスッ

69: 2009/04/14(火) 00:10:01.97 ID:cCX0PCPKO
JUM「は、早く耳かきするならしてくれよ…」

翠星石「すまんですぅ。始めるですよ」

JUM「ああ…もう余計な事しないでくれよ」

翠星石「しねぇですよ。ん~…暗くてよく見えないですねぇ」

翠星石「ちょっと顔の角度変えるですよ?」

翠星石(くひひ…と言いつつ、首筋に指を這わせて)

ツツ…

JUM「!」ぞくぞく

真紅「…!」ぴくん

76: 2009/04/14(火) 00:15:42.77 ID:cCX0PCPKO
真紅「翠星石…!」

翠星石「おっと。ん、まだ見えるようになりましたね」

JUM「…」

翠星石「でもちょっと見づらいですぅ。チビ人間、悪いですけど顔を逆向きにしてくれますか?」

真紅「!」

JUM「真紅の身体の方に向けって事か?」

翠星石「そうです。そのほうが見やすいですから」

JUM「わかったよ」くるっ

JUM「これで良いか?」

真紅「ちょっと…JUM、顔を押し付けたまま喋らないでちょうだい…!」

81: 2009/04/14(火) 00:19:30.13 ID:cCX0PCPKO
翠星石「ん、バッチリですぅ。これでよく見えるです」

JUM「よかった。気をつけてやってくれよ」もごもご

真紅「…!」

翠星石「んん?真紅、唇噛んでどうしたです?」

真紅「な、なんでもないわよ」

JUM「?どうした真紅?やっぱり重い?ならどこうか?」もごもご

真紅「ひゃう…!なん、でもないって…言ってるでしょう…」ぷるぷる

86: 2009/04/14(火) 00:24:45.40 ID:cCX0PCPKO
翠星石「あれ、あんまり耳汚れてないですよ?最近耳かきしたんですか?」

JUM「ああ、そういえば昨夜一人でしたよ」もごもご

真紅「…」ぐ…

翠星石「そうですか。じゃあ耳かきの後ろについてるポンポンで軽く掃除するだけにしときます」

JUM「わかった」

ぽんぽん

ぽんぽん

さわ…さわ…

JUM「あはは!ちょっとくすぐったいって!」

真紅「きゃぅ…!翠星石!代わりなさい!」ビクッ

翠星石「え~…もう交代ですか?」ぶー

89: 2009/04/14(火) 00:29:10.56 ID:cCX0PCPKO
真紅「JUM、交代よ。次は翠星石の膝に行きなさい」

JUM「うん。ありがとな真紅」ニコ

真紅「い、良いのよ私は。さぁ翠星石、準備なさい」

翠星石「はぁーいです…」

JUM「じゃあ悪いけど頼むよ、翠星石」

翠星石「かまわんですよ。いらっしゃいです」

ぽふっ

真紅「ああ、もちろん翠星石の方に顔を向けてね」

93: 2009/04/14(火) 00:32:01.28 ID:cCX0PCPKO
JUM「これで良い?」

翠星石「…」ぐ…

真紅「まだね。見にくいわ。もう少し翠星石のお腹に顔を押し当てて」

翠星石「え…」

真紅「もっとよ。翠星石のお腹にぐりぐり顔を押し付けるくらい」

JUM「はぁ?こうか?」ぐりぐり

翠星石「ちょ、それは露骨過ぎ…ですってば…!!」

102: 2009/04/14(火) 00:37:10.68 ID:cCX0PCPKO
真紅「場所はそこで良いわ。次にもう少し顔を下に向けて」

翠星石「え!?」

JUM「え…いや、さすがにそれは…」

真紅「そうした方が見やすいのよ。お願いJUM、万が一にでもあなたに怪我をさせたくないの」

JUM「わかった…心配してくれてありがとな」

すっ

翠星石「~~~!!!」かぁぁ

真紅「あら翠星石、あなたこそ顔を赤らめて唇噛んでどうしたの?おまけに涙目になっちゃって」

JUM「涙目?翠星石、大丈夫か?」もごもご

翠星石「んん…!お前はどんな場所に向かって言ってるですか!!良いから喋るな!です!」

118: 2009/04/14(火) 01:06:54.11 ID:cCX0PCPKO
JUM「真紅、この体勢は少し息苦しいんだが…」もごもご

翠星石「人のスカートに顔埋めてんだから当たり前ですぅ…良いから黙って…!」

真紅「そうね、では始めるわ。JUMどこか痒いところは?」

JUM「いや、まだ特に…?」

真紅「そう?あら、耳が痒いんじゃないかしら?」

JUM「うーん…言われてみれば痒いかも」

真紅「そう。困ったわね、私は両手塞がってるし…」

JUM「ああ、自分でかくよ」

真紅「良いのよ。じっとしていなさい。良い?じっとしているのよ」

ぺろ…

125: 2009/04/14(火) 01:12:46.83 ID:cCX0PCPKO
JUM「ひゃあ!?」ビクン!

翠星石「きゃっん…!」びくっ

真紅「ちょっとJUM、じっとしなさい」

JUM「いいい、今何したんだ真紅!?」

真紅「あら、耳を掻いてあげようとしただけよ」

JUM「ほ、本当か?」

真紅「本当よ。さぁ、じっとしているのよJUM」

ぺろ ぺろ

JUM「…!!…!!……!!」

翠星石「ん…あ!チビ人間!!息を…スカートに…あっ!」ぷるぷる

真紅「クスッ…JUM、どうしたの?耳が真っ赤よ?翠星石も顔が赤いけれど…?」ぺろっ

132: 2009/04/14(火) 01:19:12.37 ID:cCX0PCPKO
翠星石「息を吐かれてる所が…だんだん温くなって……!」ビクッ

真紅「ふふっ」

ぺろ

翠星石「!…だめェ!!」ビクンッ

JUM「うわ!?びっくりした」

真紅「あら、ダメよ翠星石。じっとしていないとJUMが危ないわ」

翠星石「だ、だって…だって…!」うるうる

真紅「あなただって言ったでしょう?JUMにご褒美を…って。ねぇJUM?」

ぺろっ

JUM「はぅっ!」

翠星石「ぅぅ!そ、そんなの耳かきじゃない…!」

140: 2009/04/14(火) 01:26:12.30 ID:cCX0PCPKO
JUM「し、真紅…もうそろそろ耳かきしてくれないか…僕も恥ずかしいし」

真紅「そう?翠星石はあなたに耳かきをすると言ったけれど、私は言ってないわよ?」

JUM「え?」

翠星石「え?」

真紅「私はあなたに『ご褒美をあげる』としか…」す…

JUM「真紅さん、ちょっと声が近い…くすぐったい…」

翠星石「真紅ぅ…耳元で何囁いてるですかぁ…」

真紅「そう、これはJUMが頑張ったご褒美なの」ボソッ

JUM「…」ぞく

真紅「たまには、甘えなさい」ボソッ

かぷっ

JUM「っ!??」ビクン

142: 2009/04/14(火) 01:30:14.97 ID:cCX0PCPKO
翠星石「ひぁぁあ…」

真紅「ほらJUM。痒かったのはここでしょう?」かぷっ

翠星石「あン!真紅、何耳を甘噛みしてやがりますかぁ…!」

真紅「あら、私はJUMが痒いと言うからこうしているのに」

かじかじ…

JUM「~!」ビクン

翠星石「あ…!」

144: 2009/04/14(火) 01:34:46.61 ID:cCX0PCPKO
翠星石「あ!!」

真紅「?」

翠星石「真紅、ストップ!ストップぅ!です!!」

真紅「あら、止めて欲しいの?せっかくJUMは気持ちよくなっているのに」かじかじ

翠星石「ダメです!本当にダメなんですぅ!」

真紅「…翠星石?」

翠星石「…!」ぶんぶんぶん

真紅「仕方ないわね…この辺にしておいてあげるわ」ふぅ…

JUM「はぁ、はぁ、はぁ」

翠星石「は……は……」くて…

151: 2009/04/14(火) 01:46:53.71 ID:cCX0PCPKO
翠星石「はぁ……はぁ……」

翠星石(……真紅…やりすぎです…)もんもん

真紅「ふふ。JUM、ご褒美はどうだったかしら」

JUM「…参った」

真紅「私も少し虐めすぎたかも知れないわね。翠星石、大丈夫?」

翠星石「大丈夫ですぅ…JUM、もう二度と翠星石の膝でもぞもぞするんじゃねーですよ…」

JUM「それは真紅に言ってくれ」

真紅「あら、嫌だったと言うつもりかしら、翠星石?」

翠星石「嫌じゃ…ねーですけど…」

153: 2009/04/14(火) 01:52:07.65 ID:cCX0PCPKO
JUM「でもまぁ、こうしてふざけ合ったりも含めて、耳かきが良いものだって事はわかったよ」

翠星石「ですぅ。JUMもようやく人と心から関われるようになってきましたね」

JUM「そう…なのかな。でも、こうして幸せな気持ちになれるのも、お前達に耳かきをして、そしてしてもらったからだ」

真紅「そうね。あなたはもう誰かから差し出された膝を拒んだりしないわ」

翠星石「そして、チビ人間も誰かに膝を差し出してやれるですよ。きっと」

157: 2009/04/14(火) 01:59:27.75 ID:cCX0PCPKO
真紅「愛だけでは人を愛せない。時として、勇気も必要になるのよ。今日のJUMのように」

翠星石「でも、耳かきをしてもらうのは決して怖い事じゃないんですよ」

真紅「そう。誰かに扱いを間違えば大怪我をしてしまう事もある。けれど、正しく使えば…」

翠星石「それは、双方にとって幸せをもたらしてくれるんです。耳かきって、人の心の触れ合いと同じなんですよ」

JUM「そっか。これが、心の触れ合い…愛情のある触れ合いか」

真紅「そう、それがわかったのなら。あなたはもう、一人で耳かきをしたりしないはずよ」ニコ

160: 2009/04/14(火) 02:08:46.51 ID:cCX0PCPKO
JUM「ありがとう。真紅、翠星石。…お前達が言った通り、耳かきって素晴らしいよ」

翠星石「わかってくれたですね、JUM」

真紅「素晴らしい成長だわ」

JUM「…」すっ

翠星石「?どこ行くですか?」

JUM「とりあえず、姉ちゃんに…謝るのも恥ずかしいから、耳かきでもしてやろうと思って」

真紅「偉いわJUM。やっと一歩踏み出せたわね。のりもきっと喜ぶわ」

翠星石「ですぅ。頑張ってくるですよ!」

JUM「うん、ありがとう、二人とも」

ガチャ

162: 2009/04/14(火) 02:16:20.62 ID:cCX0PCPKO
翠星石「行っちゃったですね」

真紅「あの子も、こうして少しずつ自分の殻を破っていくのだわ」

翠星石「ふふ、少し淋しいような気もしますけどね」

真紅「ええ。でも、喜ばしい事だわ。あの子が自分からのりに…」

翠星石「そうですね。やっぱり、こんな風に優しさを持って人と関われるのは幸せな事ですね」

真紅「そうね。さぁ、JUMの様子を見に行きましょう」

翠星石「ですぅ」



終わり

164: 2009/04/14(火) 02:18:46.38 ID:cCX0PCPKO
【おまけ】

蒼星石「〆に入っている所ごめんね。お邪魔します」

真紅「あら、蒼星石」

翠星石「蒼星石、いつからいたですか?」

169: 2009/04/14(火) 02:23:04.55 ID:cCX0PCPKO
蒼星石「君達がJUM君の膝の上でちちくりあってる所からかな」

真紅「ち、乳繰り…」

翠星石「翠星石達は耳かきしてただけですよ?」

蒼星石「へぇ。JUM君の頭を股間に埋めさせて涙目で喘いでいた君が?」

翠星石「な、なに怒ってるですか…」

174: 2009/04/14(火) 02:29:42.52 ID:cCX0PCPKO
蒼星石「わかるかな?愛しい姉妹が顔を赤くして股間に男の顔を押し付けられる姿を…」

蒼星石「窓の外で唇を噛み潰しながら見ていた僕の気持ちが、君達にわかるか?」

翠星石「唇から血が…」

真紅「だから、それは勘違いなの。あれはJUMに頑張ったご褒美を…」

蒼星石「ご褒美?」ぴくっ

翠星石「です。JUMが頑張って、翠星石に耳かきしてくれたから…」

178: 2009/04/14(火) 02:34:29.44 ID:cCX0PCPKO
蒼星石「あはは、なんだ。そんな事…」

翠星石「そうですよ。だから怒る事なんてないです。ね?」

蒼星石「うん。じゃあ…僕もしてあげるよ」

真紅「してあげる?耳かきを?」

蒼星石「うん。耳だけとは言わず、どこでも綺麗に掃除してあげる」

蒼星石「さぁ、翠星石。こっちにおいで…?」

翠星石「…」

183: 2009/04/14(火) 02:39:11.01 ID:cCX0PCPKO
蒼星石「さぁ。こっちにいらっしゃい」ニコ

翠星石「…真紅。怖い…ですぅ…」

蒼星石「『愛だけで人は愛せない』」

翠星石「!」ビクッ

蒼星石「『人を愛するには、勇気も必要』」

翠星石「…」

蒼星石「翠星石。僕の膝の上においで?」ニコ

翠星石「わかったですぅ…」

185: 2009/04/14(火) 02:48:24.45 ID:cCX0PCPKO
ぽふっ

蒼星石「…ああ、翠星石」

翠星石「あ、あの…痛い事はしないで下さいね?」

蒼星石「もちろんさ。それじゃあ耳…はもうしてもらったんだったね」

翠星石「ですぅ。蒼星石、耳かきも持たないで何してるです…?」

蒼星石「道具なんていらないさ」ちろ

翠星石「…はい?」

蒼星石「耳は終わってるんだったね。身体中の穴という穴、球体間接の隙間まで綺麗にしてあげるよ」

翠星石「ひ…」

蒼星石「上から行こうか。まずは鼻だね」ちろ…

翠星石「いやぁ!!!」


おわり

186: 2009/04/14(火) 02:49:18.35 ID:cCX0PCPKO
乗っ取り久しぶりにやったけどやっぱり難しい。
最後まで読んでくれてthxでした。

189: 2009/04/14(火) 02:51:13.58 ID:UXx+iFEkO

引用: 翠星石「ジュン、耳かきするですぅ」