蒼「会ってみたいな……君のマスターに……」

翠「……蒼星石が言うなら……」

翠「ついてくるです」



～桜田家～

うにょん

翠「ついたです」

蒼「ここは？……色々なものがあるけれど……」

翠「翠星石のマスターの家にある、物置です」

蒼「へぇ。あ、これ、かわいいね」

翠「それは『くんくん』ですね」

蒼「『くんくん』？……なんだいそれは」

翠「真紅が夢中な人形劇の主人公です」

蒼「真紅!?真紅がいるのかい!?」

翠「雛苺もいるですよ」

蒼「君のマスターに会うのが、楽しみになってきたよ」

翠「あんな奴に会ったって、なーんにもならんですー」

蒼「でも、翠星石はウキウキしているみたいだね」

翠「そ、それは蒼星石といるからですよ……」

蒼「はははっ。ありがとう」

～リビング～

ガチャ

翠「オッス!!」

紅「翠星石。どこへ行っていたの？」

翠「実はですね……」

蒼「久しぶり……真紅」

紅「……蒼星石っ!?あなた、何故ここへ？」

蒼「アリスゲームの前に、君たちのマスターを見ておこうと思ってね」

蒼「真紅に雛苺……そして翠星石。三体のドールを従えるミーディアムなんて、初めてだからね」

翠「………………」

紅「…………そう。ジュンなら……」

のり「あらあら、またお人形さんが増えたのねぇ？」

蒼「…………彼女が!?」

翠「あれはボス猿の、のりです。この家の真のボスですよ」

蒼「よく解らないけど、彼女じゃないのかい？」

翠「のり、ジュンはどこですか？」

のり「二階にいるんじゃないかしら？」

翠「ありがとです。さ、蒼星石。二階に行くですよ」

紅「私も行くわ。ジュンに紅茶をいれさせなきゃ」

蒼「相変わらず紅茶好きなんだね」

翠「チビ苺も上ですか。ほら、行くですよー」


～二階～

翠「この扉の向こうです」

蒼「この扉の向こう……」

蒼「……あけるよ？」

ガチャ


ジュン？「ギシャァァァァァアアアア!!!!グルルルルァァァァアアアアア!!」ﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝ!!!!!!


バタン


蒼「……………………」

蒼「………………え？」

翠「何でしめたですか？」

蒼「え……いや、その……あはは、おかしいな。疲れてるのかな？」

紅「ジュン、あけるわよ？」

蒼「あ、ちょっ、真紅まって!!」

ガチャ

ジュン？「ゴゴゴアァァァァァ!!!!ブルルルァァァァガアアアァァァアア!!!!!!」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ!!!!!!!!

蒼「うわぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!」

ジュン？「キシャァァァァァアアアア!!ジャッ!!!!ジャアアアアアアアアアア!!!!!!」ｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ!!!!!!

蒼「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」ｶﾞﾀｶﾞﾀﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

ふっ…………　　ぱたり

翠「そ、そ、蒼星石が気絶したです!!!!」

………………んん

ここは？これは、ベッド？　

僕は、気絶して……何で気絶を？


確か、翠星石のマスターに会うために……この家に来て……。

二階の扉を……。

ﾎﾟﾀ ﾎﾟﾀﾎﾟﾀ ﾎﾟｯ

何かが……たれてきた？

蒼「ん、……んん」ﾊﾟﾁﾘ

ジュン？「コォォォォォォォォォ!!!!!!」

蒼「うわぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!」

翠「こら怪物人間!!天井に貼りつくんじゃねーって何回言えば解るですか!!緑の涎ふけです!!」

ジュン「グァバァ!!!!」ｼﾞｭﾙﾘｯ!!!!

蒼「食べられる……僕食べられる!!!!」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀﾌﾞﾙﾌﾞﾙﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

足は二本、手は四本。目玉は三つで口一つ。これなぁんだ？

幼女「わかんない……」

こたえはね？




ジュン「キシャァァァァァアアアア!!ガッ!!ガッ!!ガガガガガガガガガガガガ!!!!」

蒼「お父様お父様お父様お父様お父様お父様お父様お父様お父様お父様」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙｶﾞﾀｶﾞﾀ

紅「あら雛苺、そんなとこにいたのね」

雛「ジュンの背中に乗ってると楽しいのよー!!」

バッ　　バババッ!!!!

翠「こら!!壁から壁へ飛びうつるなです!!」

ジュン「オガゴッ!!」

蒼「ぐすっ……ふぇぇぇん!!」ｶﾞﾀｶﾞﾀﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

蒼「化け物!!どう見ても化け物だよこれは!!」

紅「これ、とは？」

蒼「君たちのマスターだよ!!」

ジュン「ジュルバッ!!」ﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝ!!!!!!

翠「な、なんてこというですか!!」

蒼「君だって怪物って言っていたじゃないか!!」

翠「違うです!!怪物人間です!!」
蒼「何が違うんだ!!」

翠「ちゃんと人間なんです!!」

蒼「どこをどう見ればこんな化け物が……ん？」

ジュン「ガッ…………ガッ……」

ジュン「オゴベェェェェェェアアアア!!!!!!」ﾋﾞｼｬﾋﾞｼｬﾋﾞｼｬ!!!!

蒼「な、何か吐き出したぁぁああ!!!!????」

ジュン「キシャァァァァァ……グヮァバッ!!!!」バッ　バババッ　バッ!!!!

翠「ジュンが雛苺ごと屋根裏に逃げたです!!待つですー」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ……

蒼「ど、どういうことなんだ？……うっ、吐き出したこれ、ひどい臭いだ……」

紅「蒼星石……」

蒼「真紅、今すぐここから……



パァン



蒼「…………なっ？」

紅「………………口を慎みなさい、蒼星石」

紅「ああ見えてジュンは、私達のマスターよ。悪口は許さないわ」

蒼「真紅…………」

蒼「いやでも、あれは人間じゃぁ……」

紅「…………いいわ、話してあげる」

紅「ジュンの過去の話を」

蒼「いや、聞いてないよ……。どうせ危ない実験サンプルでしょ？」

紅「それは、去年の話……」

蒼「いや、聞いてよ」

校長「では次に……文化祭実行委員顧問の梅岡先生からお話があるそうです」

梅岡「えー皆さん、現在一年生は、出し物で使う衣裳のデザインを広く募集してます」

梅岡「皆さんの個性的なアイデアで、デザインをたくさん応募してくださいね☆チャハッ!!」

生徒達（キメェ、ウゼェ、クセェ……）

生徒達（…………クセェ？なんだこの臭い）

ガシャァァァン!!!!!!

ジュン「バルブジャァァアアアアアアア!!ジャッ、ギッ、グルアアアアア!!!!!!」ﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝ!!!!

きゃぁぁああああああ!!!!!!

巴「桜田くん!?」

ジュン「オゥボァアアアアアアアアアアア」

巴「おぅぼ……応募なのね!!桜田くん!!」

うわぁぁぁぁぁぁああああきゃぁぁああああああばけものー!!

巴「皆!!桜田くんの話を聞いてあげて!!皆!!」

きゃぁぁああああああきゃぁぁああああああにげろーばけものー!!

ジュン「ガゥ…………」

ばけものーばけものー!!
ばけものーばけものー!!

ジュン「ウグァァガ!!ガガガガガガガガガガガガ!!!!」

ジュン「オゴベェェェェェェアアアア!!!!」

ﾍﾞﾁｬﾍﾞﾁｬﾍﾞﾁｬ!!!!　ﾄﾞｼｭｩｩｩｩｩ!!!!!!

桑田「きゃぁぁああああああ!!!!」ｸﾞｽｸﾞｽ……ｸﾞｽ

生徒「桑田さんが化け物が吐き出した液体を浴びて溶けた!!」

巴「あぁ、まさか、そんな……」

梅岡「ギャァアアアアアア!!!!」

生徒「梅岡も溶けたー!!!!」

ジュン「ギガバッ!!ザッ、ギッ、キシャァァァァァアアアア!!!!」ババッ

巴「待って、桜田くん待って!!」

巴「桜田くーん!!!!!!」

紅「これが、ジュンの過去よ」

蒼「襲撃事件……怖いよ……」

紅「違うのよ、ジュンはただ、趣味の裁縫をいかした、衣裳デザインを応募しようとしただけ」

紅「けれど、ジュンのデザインは受け入れてもらえず……」

蒼「デザインより本人（人？）が受け入れてもらえてないよ」

紅「あまつさえ、ジュンを化け物呼ばわり……」

蒼「間違ってないよね？」

紅「ジュンはストレスに耐えられず、嘔吐してしまったわ……」

蒼「嘔吐って…………」

蒼「ん？じゃあさっきのは……」

紅「あなたが化け物呼ばわりしたせいね」

蒼「どんだけピュアハートなのさ……」

銀「ごきげんいかが？水銀燈よ」

銀「改めて、ジュンの姿が想像しにくい、というおばかさん達のために、私が特別におさらいしてあげるわぁ」

銀「ジュンの容姿は……こんなかんじかしら？」


・足は二本、腕四本。緑の目玉三つに、口が一つ。
・茶色く、堅い鎧のような皮膚を持つ。
・間接から緑色の液体があふれている。
・虫のような触角。と言うか虫に近い顔。
・大きな牙を持つ。
・二本の腕は鋭利な刃物のように。
・細く長く、鋭い指。
・口のなかにもう一つ口がある。
・羽がついてるが、普段は背中に収納されている。
・意外にマッスル。
・背中に雛苺が乗ってる（かわいい）。

未確認情報
・胸が開き、中に人の顔が？
・足の裏に、魚の目？
・瞳のなかには君がいるよ。
・熱いハート。
・夜、淋しいと光るらしい。


銀「こんなカンジね」

ジュン「ギシャバッ!!ジャジャァ!!」

蒼「ひいっ!!」

翠「ジュンが晩ご飯を食べていけといってるです」

紅「それは良い提案ね」

雛「みんなでごはんっ、ごはんっ!!」

蒼「いつのまに背後に……というより、ごはん？」

蒼「まんまる太った僕を食べる気なの？」ｶﾞﾀｶﾞﾀﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

ジュン「ガグ……」

紅「蒼星石!!ジュンが落ち込んだわ!!謝って!!」

蒼「あわあわあわ…………」

～晩ご飯～

のり「さぁ、いただきましょう」

いただきまーす（シャガバオゴエェェ!!!!!!）

雛「はなまるハンバーグ、おっいしーのー!!」

紅「雛苺、ジュンの背中から降りて食べなさい」

翠「はー、のりの料理の腕は大したものですねー」

蒼（味を感じない…………と言うのも……）

のり「ジュンくーん、『牛』、おいしー？」

モ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛!!!!
モ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛!!!!!!

ジュン「ギシャバグヮァバシャガバ!!!!!!」ﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝﾊﾞｷﾞﾝ!!!!!!!!

蒼「生きたまま……うぶぐっ!!オェェェ」

翠「ヒィィィ!!蒼星石が吐いたです!!!!」

ジュン「オゴベェェェェェェアアアア!!!!」ﾋﾞｼｬﾋﾞｼｬﾋﾞｼｬﾌﾞｼﾞｭｩｩｩ!!!!!!

翠「怪物人間がもらいゲ〇ですぅ!!!!」

蒼「ただいまー…………」ﾌﾗﾌﾗ

蒼「無理……あれは無理。人間じゃないもん。どう見ても国が動くレベルの危険生物」

蒼「翠星石達を助けなきゃ……でも、どうやって？」




ふふふ……


蒼「っ!!誰だ!!」

銀「お久しぶりね、蒼星石……」
蒼「水銀燈……」

蒼「何の用だい？僕は今、君にかまっていられる気力はないんだ……」ｹﾞｯｿﾘ

銀「（痩せた？）話があるわ。あなたの大切な、翠星石のことで」

蒼「……なんだって？」

銀「あなた、思ったでしょ？翠星石を、真紅のマスターから取り戻したいって」

銀「あんなどこの馬の骨とも知らぬ人間には任せられないって……」

蒼「というより、生物としても知らないよ……」

銀「手を貸してあげましょうか？」

蒼「……何？」

銀「二人で真紅のマスターを倒すのよ」

銀（ふふふ、これで真紅のマスターを倒せば、力の供給源を失った真紅を倒せる!!）

銀（そうすれば、真紅と雛苺のローザミスティカを奪って、私がアリスに近づく……）

銀（翠星石と蒼星石は、ローザミスティカを回収してからゆっくりと、ふふふ……）

銀（…………ぶっちゃけあのミーディアムの力が強すぎて真紅が強力なのよね）

銀（あのミーディアムは物凄い力の持ち主みたいで、エネルギーが枯渇しないのよ）

銀（チートよチート。ずるいわぁ、あんなの）

銀（飛ぶし、羽で）

銀「さ、二人で真紅のミーディアムを、……蒼星石？」

蒼「断る」

銀「なっ!!」

銀「ど、どうしたのよ？何で乗り気じゃないのよ？」

蒼「………………だよ」

銀「ん？どうしたの？」

蒼「あんなの、勝てないよ…」ｶﾞﾀｶﾞﾀﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

銀「ち、ちょっと！」

蒼「無理だよ、僕達、食べられちゃうよ……」ｶﾞﾀｶﾞﾀﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

銀「だ、大丈夫だから、絶対大丈夫よ!!」

蒼「う、うぅ、うわぁぁぁああん!!ふぇぇぇん!!!!」

銀「な、泣かないの!!お姉ちゃんがついてるじゃないの!!泣き止んで!!」

なだめました

銀「作戦はこうよ。ｎのフィールドに真紅達を呼び出す。そこで落し穴にドールズを誘い込む」

蒼「落し穴って……そんなのに引っ掛かるの？」

銀「あそこを見て」

蒼「ん？」

？「助けてかしらー」

銀「あんな感じで、結構引っ掛かるわ」

蒼「へぇ、案外引っ掛かるんだ」
？「かしらー」

銀「落し穴が発動すると、ドールズは落ちても、真紅のミーディアムだけは助かる」

蒼「なんで？」

銀「たぶん、地面に穴が空くと同時に見えない速度で飛び跳ねて移動するわ」

銀「それくらい素早いし、感覚が鋭いのよ、あいつ」

蒼「勝てる気がしないよ……」

銀「そこで、穴に落ちたドールズを人質にするの」

蒼「あぁ、なるほど」

銀「あとは、あなたのはさみで、チョッキン♪」

蒼「……行ける気がしてきた」

銀「よし、そうと決まれば、行くわよ!!」

蒼「うん!!」




？「かしらー」

紅「水銀燈から手紙が来たわ」

翠「げげ、なんの用ですかね？」

紅「深夜一時、ｎのフィールドに、ミーディアムを含めた全員でこい、ですって」

翠「そうは言っても、ジュンはもう繭を作って寝ちまったですよ。雛苺ごと」

紅「仕方ないわ、叩き起こしなさい」

翠「おきるですー。おきるですー」ﾄﾞﾝﾄﾞﾝ

バリッ、バリバリバリィッ!!!!

ジュン「キョォォォォォォオオ!!!!!!!!」

翠「うるせーです!!近所迷惑を考えろです!!」

ジュン「ガガッ…………」ﾎﾞｩｯ

翠「光っても許さないですよっ!!」

～フィールド内～

銀「来たわね……」

蒼「勝てる、僕は勝てる、やれる、頑張れ頑張れ僕やるぞやるぞやるぞ……」



紅「このへん、かしらね」

ジュン「ギャガバッ、ギジャァァァググガァバッ!!!!」ｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁ……

蒼「うわ、歯を素早く動かして音を出してる……」

蒼「あれ、翠星石の言ってたぱそこんって……もしかして」

紅「水銀燈、出てきなさい!!」

翠「あれ、このばつマーク、なんですかね？」

銀「今よ!!」

バカァッ!!

翠・紅「えっ!?」

ジュン「ッ!!!!!!」バババッ!!!!

ドサァッ!!!!

銀「やったわぁ!!さっそく見に行くわよ!!」ﾊﾞｻｧｯ ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

蒼「あぁっ!!待ってよぉ!!」

銀「ふんふ～んっと。……あら？」

蒼「どうしたの？」

銀「…………いや、穴のなかに……」

ジュン「………………」ﾎﾞｩｯ

蒼「………………」

銀「………………」

ジュン「………………シャァ……」ﾎﾞｩ……

蒼「なんか、淋しそうに光ってるね……」

銀「と、いうより、ドールズは？」

紅「ここよ」

銀「なっ!?どこ!!??」

ひゅるるるるる……

すたっ　すたっ　べしゃっ

紅「間一髪だったわ」

翠「危なかったです……」

雛「うゅ、着地しっぱいなの……」

銀「ど、どういうこと!?」

蒼（もしかして……）

紅「簡単なことよ。ジュンが助けてくれた」

翠「自分が落ちる前に、翠星石たちを上に投げ飛ばしたです」

雛「背中に乗ってた雛も、危ないからって助けてくれたの」

銀「チイッ!!こしゃくなぁ!!」

蒼「むり、勝てない、無理。もうダメ」

銀「あきらめないで!!見てみなさいあいつを!!」

ジュン「シャァ………………ガァッ……」ﾎﾞｩ……

銀「落し穴でダメージを受けてるわ!!」

蒼「メンタルにね」

銀「今やれば勝てる!!」

蒼「メンタルはね」

>>138

？「かしら……」

？「か、かしらー!!」

？「かしら、かしら!!」

？「かしらー」

蒼「庭師の鋏!!」ｻﾞｼｭｳｯ

蒼「じ、ジュン君……今から君を、この鋏で真っ二つにするよ……」

銀「あなたたちの相手は私よっ!!」

紅「くっ!!」

翠「蒼星石と戦わなくていいなら、やってやるです!!」

雛「あいとあいとー!!」

蒼「はぁっ!!」

ガギィッ

ジュン「………………」

蒼「………………」

蒼「無理、刃が通らない。堅すぎ」

銀「そ、そんな!!」

銀「作戦失敗!!逃げるわよ!!」ﾊﾞｻｧｯ

蒼「ま、待って!!おいてかないで!!」ｶﾞﾀｶﾞﾀﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

紅「待ちなさい!!水銀燈!!」

バリィッ

ジュン「ゴガボボボギシャァァアアア!!」

蒼「羽!?」

ジュン「マ゛ッ」ﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞ!!!!!!!!

蒼「飛んだ!!」

銀「イヤァッ!!こっちにこないで!!」

ジュン「グヮァバッグヮァバッガァッギジャァァァググガァバッ!!!!!!」ﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞ!!!!!!!!!!

銀「いやぁぁあああああああああ!!!!!!!!気持ち悪いぃぃぃぃぃ!!!!!!」

ジュン「ガゥ…………」

翠「ま、負けるなですー!!!!」

蒼「逃げなきゃ、逃げなきゃ!!」

蒼「うわっ、足場が不安定な場所に来ちゃった!!」

蒼「水銀燈のフィールド、地面に穴まであるんだ……」

銀「いやぁぁあああああああああ!!こないでこないでぇぇえ!!!!」

ジュン「バルルルルルルル!!!!ガギンガギン!!ビギャァアアアアア!!」ﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞ!!!!!!

蒼「うわぁっ!!なぜか後ろに回り込まれた!!」

つるっ

蒼「あ……」

銀「蒼星石!!」

蒼「おち…………て…………ああああああああああぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!」

ひゅるるるるる

銀「蒼星石ぃっ」!!

ドシュゥッ

銀「っ!!」

蒼「ああああああああああぁぁぁぁぁぁあああああああああああああぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!!!!!!」


蒼（もうだめだ……僕はここでリタイアか……）

蒼（翠星石、真紅、雛苺、水銀燈、まだ見ぬ末妹……）


蒼（……お父様……）

蒼（さようなら……）


ガシィッ


蒼（………………）


蒼「ん？」

ジュン「ギジャァァァググガァバッグヮァバッシャァ!!!!」

蒼「う、うわぁっ!!!!」 

ジュン「ジャガ？」

蒼「ま、まさか…………助けて、くれたの？」

ジュン「キシャァァァァァアアアア!!!!!!」

蒼「………………」



すたっ

翠「無事でしたか、蒼星石」

真紅「よくやったわね、ジュン」

雛「お祝いのジュン登りなのー!!」ﾖｼﾞﾖｼﾞ

蒼「………二人とも、教えてほしい

蒼「君たちは、どうしてばけm……ジュン君と契約を？」

紅「そうね……。確かに、私もはじめはジュンが恐ろしかったわ」

紅「ネジをまかれ、目を覚ませば……ねぇ？」

紅「恥ずかしながら、淑女らしからぬ泣き叫びを見せてしまったわ……」

翠「ぷぷっ!!」

紅「泣き叫び、部屋の隅に逃げる私。困ったジュンは、カバンの中にあった私のカップを見つけたの」

紅「そしたらね、彼は何もいわず、紅茶をいれてくれたわ」

紅「もちろん、警戒したわ。けれど、いれる行程は見ているかぎりでは完璧」

紅「私は三日間、契約せずに部屋の隅に丸くなり、ジュンを観察した」

紅「その間、ジュンは何度も紅茶をいれてくれたわ」

紅「183回目の紅茶を、私はやっと飲んでみる気になったの」

蒼「いれすぎたよね？生産しすぎだよね？いれっぱなしだよね？」

紅「飲んで初めてわかったわ。ジュンは、心を許せるって」

紅「だって、あんなにおいしい紅茶、飲んだことないもの」

紅「あんなに、やさしい味は……」

蒼「………………」

雛「蒼星石、ジュンはね、怖くないよ？」

蒼「雛苺……」

紅「雛苺は不思議ね。ジュンを初めて見ても、泣くどころか、近づいていったのよ」

雛「だって、きれいな目をしてるのよ？」

ジュン「ギジャァァァググガァバッ!!」ｷﾞｮﾛﾘ

蒼「ヒィッ!!」

雛「緑色で、とってもきれい」

蒼「い、色の話か……」

翠「いうが早いか、ジュンの夢を見るです。扉よ開けー」

ジュン「シャガゥ……」ｼｭﾙｼｭﾙ

蒼「ま、繭……雛苺ごと……」

翠「翠星石だって、最初は怖かったですよ……」

翠「でも、こいつの夢を見れば、蒼星石も気が変わるですよ」

蒼「夢を……？」

翠「夢は心を映すです」

蒼「ジュン君の、夢は……」

翠「見るです」


パァァァアアア…………

キシャァァァァァアアアア!!!!

オガババババァァアアアア!!!!

ブルアアアアアアアアアア!!!!


蒼「………………」

翠「………………」

蒼「あのさ、展開上さ、夢はすごく美しくて光に溢れて、すばらしい人間性を見せなきゃいけないんじゃないの？」

蒼「なんでさ、暗雲立ちこめ大地は割れ、町は荒廃し、ジュン君みたいのがたくさんいるの？」

翠「こっちは闇の部分です」

蒼「闇!?闇って何さ!!??」

翠「ジュンはAB型で、二面性があるんですよ」

蒼「ひどすぎるでしょ闇!!これ相当ひどいよ!!」

翠「AB型ですから」

蒼「そもそも人間の血液型で表せるの？」

翠「ほら、こっちはきれいです!!」

ちんまり

蒼「ちいさっ!!これ大丈夫？今にも闇に支配されそうだよ？」

翠「大丈夫ですよ。ほら、これが心の木です」

蒼「これは、おじぎ草？これが？」

翠「触るとお辞儀するです。かわいいですねー」

蒼「心の木ちっさ!!」

翠「すこやかにーのびやかにー」ｼｬﾜｧｧｧ

へな……

蒼「水浴びてもお辞儀するんだ……」

翠「蒼星石に頼みがあるですよ」

蒼「まかせて、ばっさりだよ、ばっさり」

翠「違うです!!このおじぎ草にからんだ邪魔な草をとってほしいです」

翠「そうすれば、ジュンは成長して、ヒキコモリを脱出できるかもしれないです」

蒼「いや、ダメだよね。世間に出しちゃダメだよね」

翠「頼むです!!」

蒼「………………」

蒼「………………仕方ないか。うん、助けてもらったしね」

翠「感謝するです!!」

蒼「うん、任せて!!」



ばっさり

翠「ほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」

蒼「ざまぁ見ろこのやろー!!めしとったぞ!!」

翠「な、なんてことを!!」

蒼「…………ん？」

しゅるしゅる

翠「…………また生えてきたです」

蒼「な、なんて生命力!!結果雑草だけが消えた!!」

蒼「つかじゃあ何であんなメンタル弱いんだよ!!」

翠「落ち込んでも、寝て起きたら元気になる人っているですよね」

蒼「なんでひきこもってるんだよ……あぁ、隔離か……」

にゅるん

翠「ふわぁ、ただいまですー」

蒼「もうやだ……」

紅「さ、フィールドを出ましょう」

翠「水銀燈は？」

紅「よほど怖かったのね。泣きながら出ていったわ」

蒼「うん、僕なら舌噛みちぎってる」

翠「ふわぁ、ねむてーです。はやくカバンで寝たいです」

紅「ええ、帰りましょう」

蒼「僕も帰るよ……」

紅「翠星石、繭を転がしていくわよ」

翠「うへぇ、メンドクセーです」


ごろごろ……

～明け方～

パキッ　パキパキ

ジュン「オギャァアアアアアアアアッ!!!!」

ジュン「……ア？」

時計～午前四時半

ジュン「…………」

ドールズ「すやすや…………」

ジュン「………………」

ジュン「シ～っ…………」人差し指たてる

ジュン「シャガバ」ｶﾞﾗﾗ

ジュン「グワラバダッ!!」バババッ（窓から飛び出す）

銀「うぅ、ぐすんっ、ひっく」

銀「だめ、怖かった……目瞑ったら思い出しちゃう……」

銀「怖い……無理よ、今回はアリスゲームに勝てないわ……」

銀「この時代は眠りにつきましょう……」ｶﾞﾊﾟｯ

銀「……眠る前に、マイカップで紅茶を……」

ビタァン

ジュン「シャガガガガアアアア!!!!グルワガバァ!!ギジャァァァググガァバッ!!!!」ｶﾞｷﾞﾝｶﾞｷﾞﾝｶﾞｷﾞﾝ!!!!!!

銀「きゃああああああああああああ!!!!!!!!」

ジュン「ギジャァァァググガァバッ（君も紅茶を飲むのかい？）」
銀「だれかああぁぁ!!!!!!!!!」

ジュン「グルワガバァシャガガガガアアアア（よし、君に紅茶をごちそうしよう!!）」

銀「いやああああ!!!!」

ジュン「ギャガバッダバァ（おいしいよ☆彡」




終わり

乙

Extra stage
YELLOW YELLOW HAPPY

？「誰か～。た～す～け～て～……」

ぐっぐぐぐっ

？「はうっ!!見知らぬ誰かがひっぱってくれてる!!暗くてよく見えないけど、ありがとう……


ずぼっ

ジュン「………………」

？「…………かしらー…」

？「あーびっくりした、かしら」

ジュン「ギガバッ、アグッ、アグッ、ウガギガガガガガ？」

？「そりゃ、毎日外から見ていたから、わかるかしら」

ジュン「ギジャァァァ!!!!????」
？「カナは策士かしら。相手のことは、まず入念に調べるかしら」

ジュン「ゴガギシャ。ギジャァァァググガァバッ!!!!ギガバッギャガバッギガバッ!!」ｶﾞｷﾞﾝｶﾞｷﾞﾝｶﾞｷﾞﾝ!!!!!!

？「ふふふ、カナの信条は、楽してズルして頂きかしらー!!」

ジュン「ギジャァァァググガァバッ!!ガァッジャガシャガガガガアアアア!!!!」

？「ふふふ、カナを舐めてると、痛い目をみ～る～わ～よ～？」

ジュン「シャガバアグッ、アグッガァッガァッシャガバ!!!!!!」ｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁ

？「さ、さっきの穴は、ぐ、偶然!!偶然かしら!!」

ジュン「シャガガガガアアアア!!!!!!シャガガガガアアアア!!!!!!」

？「ち、違うかしら!!もう……知らないかしら!!」

ジュン「シャガガガガアアアアシャガガガガアアアア!!シャガガガガアアアアシャガガガガアアアア!!」

？「………………ぷいっ」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

ジュン「………………シャガバ？」

ジュン「………………シャァ……」ﾎﾞｩ……

ジュン「……シャガァ…………」

ジュン「シャガバ!!シャガバ!!シャガガガガアアアア!!!!ギジャァァァググガァバッ!!」

ジュン「ガァッダバァジャガバババッ!!ウガギガガガガガオギャァアアアアアアアアッ!!!!!!!!」

？「………………ぷっ」

ジュン「…………ガ？」

？「ふふっ、そ、そんなに必氏で謝らなくてもいいかしら!!」

？「怒ってないわ」

ジュン「……オ……オ……」

ジュン「オギャァアアアアアアアアッ!!!!!!!!」

？「卵焼き、たべる？」

ジュン「オギャァアアアアアアアアッ!!!!!!!!」

？「ただいまかしらー」

？「みっちゃーん、お客さんつれてきたかしらー」

みつ「お帰りカナー!!お客さんって？」

？「なんと、２体のドールを従える、桜田ジュンかしらー」

みつ「あらあら、はじめまし……て…………」

ジュン「シャガバッ!!!!」

みつ「………………あ……あぁ……」

みつ「いけない、尻尾出しっぱなしなの忘れてたわ」

ジュン「シャガァ」

みつ「おほほほへ」

？「うふふ」



おわり



？「あれ、名前が変かしら……」

one more extra stage
ストレンジ　カメレオン


のり「あらやだ、目玉とれちゃった」

蒼「っ!!!!??」

のり「やだわ、また腐敗がすすんでる……」

蒼「う、うわぁぁあああああ!!」

ending
育つ雑草

植物人間になった水銀燈のマスター、めぐ。水銀燈は、彼女を救うため、ローゼンにあうためにアリスゲームを続ける。

銀「今回は蒼星石を利用して、真紅のマスターを倒す」

銀「まってて、めぐ」

めぐ「しゅるしゅる……」

銀「…………」

銀「やっぱり、何かおかしいわよね？」



完