738: 2012/02/28(火) 22:28:49.19 ID:+x5GLqWk0
ちゃちゃっとSS書いちゃうよ
昨日ゆずとか夏色とかの話題があったからそれ関係


結衣「京子、数学どうだった?」

京子「…あの状態で点数がとれるとお思いか」

結衣「いや…悪いこと訊いたな」

同人誌の締め切りとテストがかぶり、
桜どころか梅の花よりも前に、私は見事に散った。



京子・結衣「「夢を書いたテストの裏」」



先生「これで全部テストは返しましたが~云々」

京子(えへへ~まあテスト終わったしそれだけで幸せじゃん?)

そういえばテスト用紙の裏に夢を書いて紙飛行機にして投げたら夢が叶う、
みたいな話をどこかで聞いた気がする。
古いおまじないか何かだったか?

京子(面白そうじゃん!
   どうせならミラクるんの絵も一緒に描いとこう!)
ゆるゆり、
740: 2012/02/28(火) 22:29:46.29 ID:+x5GLqWk0
先生「こら歳納さん!聞いてるんですか!?」

京子「は、はい!すみません!」

先生「まったく…それでは~云々」

びっくりした。だがやると決めたらすぐに始める。
思い立ったが吉日だ。

京子(まずはミラクるんを描こう。あとライバるんもかな)

絵を早く描くことには自信がある。
落書きレベルを越えた落書きをする、と(一部では)有名人になるほどだ。

京子(2人は仲良しだからなー。
   手を繋がせて、ライバるんは少し照れさせて…)

私なりの解釈では、ミラクるんとライバるんはかなり仲がいい。
元気な可愛い女の子と冷静沈着でかっこいい女の子。
相性もばっちりだと思う。

京子(よし、描けた!あとは願い事だけど…。
   どうしよっかなー)

741: 2012/02/28(火) 22:30:41.12 ID:+x5GLqWk0
と、そこで隣の席の結衣に声をかけられた。

結衣「(小声)おい、京子。先生が見てるぞ」

京子「ハッ!ありがとう。また怒られるところだった」

結衣「全く、気をつけろよ。あと、同人誌で疲れてるなら無理すんな」

結衣は優しい。いつも寡黙でツッコミもキツイなほうだけど、
要所要所で気遣ってくれる。
クールでかっこいい、私の一番大事な存在。

京子(うん。願いごとは…)

ミラクるんに吹き出しをつけて、私の願い事をそこに書き込む。

先生「じゃ今日はこれまでー」

日直「起立、気を付け、礼」

ピッタリのタイミングで仕上がった。

「「「「さようなら」」」」

あとはこれを飛ばすだけだ。

742: 2012/02/28(火) 22:31:32.96 ID:+x5GLqWk0
結衣「京子、今日はあかりとちなつちゃんいないけど、
   どうする?」

京子「うーん、ちょっと寒いし帰ろうか!結衣の家に!」

結衣「また来るのか…。まあ別に構わないけど」

京子「さすが結衣さん!最高!」

結衣は多分私に甘い。
思い上がりでなければ、結構大事にされてると思う。
それを実感する度に、
こんなにかっこいい子が私を大事にしてくれてるんだぞ、
なんて自慢したくなるんだ。

京子「あ、結衣、私少し用事あるから先に外出て待っといて!」

結衣「分かった。早く来いよ」

京子「ラジャ!」

そう言って鞄を持って屋上に駆けていく。
寒い中結衣を待たせるわけにはいかないからね。

そして屋上にたどりついた。
鞄からテスト用紙を取りだし、遠くへ飛ぶように願いながら、
紙飛行機を折っていく。
この願いは必ず叶えたい。

京子「よしっ!」

743: 2012/02/28(火) 22:32:37.99 ID:+x5GLqWk0
作り終えた紙飛行機を持って、屋上の端に向かう。
あいにくの曇り空と、まだまだ寒々しい景色。
少し遠くには私たちの街が見える。
願わくばあそこまで飛んでいけ。

京子「それ!!」

投げられた飛行機は、しかし風に吹かれて校舎の下のほうに落ちて行った。

京子「あ、ああ~~!」

余りにもあっけなく吹き飛ばされていく。
私の願いが叶わないかのようで。
そうして虚しくも紙飛行機は私の視界から消えていった。

********************

京子の奴はどこに行ったんだろう。
しばらく玄関外で待っていてもなかなか来ない。
と、そのとき

コツン。

頭に何かが当たって落ちた。

結衣「これは…紙飛行機?」

しかもどうにも見たことある。
これは数学のテスト用紙だ。そして更に裏面には何か書いてあるようだ。

745: 2012/02/28(火) 22:33:42.35 ID:+x5GLqWk0
結衣「?」

訝しみながらも開いてみる。
するとそこには見なれた2人のアニメキャラクターと、
セリフが一言、

『いつまでも結衣の一番近くにいられますように!』

そう言えばさっきのHRの時間、京子は何かを一生懸命描いていた。

結衣(全く、しょうがない奴だよ、あいつは)

緩みそうになる唇をきゅっと引き締め、私は筆記用具を取り出した。

********************

京子「結衣ーお待たせ―!」

玄関で待っている結衣に声をかける。

結衣「おー」

いつも通りの短い返事。
でも決してぶっきらぼうという訳ではないんだ。

京子「いやーまた寒くなりましたなー」

結衣「そうだな。あと一回は雪が降るってな」

746: 2012/02/28(火) 22:34:24.44 ID:+x5GLqWk0
そんな他愛もない会話をしながら2人で歩く。
こんな時間があとどのくらいあるのかな。
きっとたくさんあるんだろうけど、
終わるときにはあっさり終わってしまうんだろうな。

さっきの紙飛行機のせいで、少し気分が落ち込んでしまう。
物思いにふけりながら歩く。
ふと気付くと隣にいたはずの結衣がいない。
そんなことあるはずない。けどさっきまでの考えが私を不安にする。

京子(やだ!まだ終わりにしたくない!結衣と一緒にいたい!)

一瞬の内に乱れる私の心。
その時、

結衣「京子!」

後ろから結衣に呼ばれた。
安心してバッと振り向くと、

コツン

と頬に何か当たった。これは…

京子「ゆ、結衣!?なんでこれ持ってんの!?」

そこには吹き飛ばされていったはずの紙飛行機。
そうか、確か玄関のほうに飛ばされて…!

748: 2012/02/28(火) 22:34:55.13 ID:+x5GLqWk0
京子「これ中見た!?」

そう問いただす私に、結衣は涼しげな表情で返す。

結衣「ああ。でも見ただけじゃない」

一瞬何のことか分からなかったけど、まさかと思って紙を広げる。
そこには、

『いつまでも結衣の一番近くにいられますように!』

と言っているミラクるんと、

『いつまでも京子の一番近くにいられますように』

と言っているライバるんが、仲良く手を繋いでいた。

全ての不安が吹き飛び、かわりに嬉しさだとか安心だとか、
暖かいものが胸を満たす。
鼻がツーン、としてくる。

749: 2012/02/28(火) 22:35:28.00 ID:+x5GLqWk0
結衣「あー…ちょっとキザだったかな」

そう言って苦笑いして頬を掻く結衣。
そんなわけないじゃん。凄く嬉しいよ。

京子「そんなわけないじゃん!結衣最高!」

結衣の後ろに回り込み思いっきり抱きつく。
涙を見られたくない。

結衣「う、うわ。ちょっと邪魔。歩きづらい」

京子「そんなこと言っちゃってー。今日はこのまま離さないぞ!」

結衣「おい!恥ずかしいから離れろって!」

寒い季節はまだまだ続くけど、私は凄く幸せです。




おわゆり

750: 2012/02/28(火) 22:36:19.33 ID:jS3fsMf90
よかったぞ
GJ

引用: 【ゆるゆり】船見結衣ちゃん応援スレ