1: 2009/05/09(土) 00:41:36.27 ID:Gpaoxk+x0
電話の前に立ち、ジーッとそれを見つめる。
昔はよく喋ったり遊んだりもしたけれど、最近はそういう機会が無かった。
だから、悩んでいた。
「考えていても仕方がないわ・・・・・・」
受話器を取った勢いでそのまま番号を押す。
呼び出すまでのコール音がカウントダウンに聞こえる。
カチャ
「もしもし、桜田です」
昔はよく喋ったり遊んだりもしたけれど、最近はそういう機会が無かった。
だから、悩んでいた。
「考えていても仕方がないわ・・・・・・」
受話器を取った勢いでそのまま番号を押す。
呼び出すまでのコール音がカウントダウンに聞こえる。
カチャ
「もしもし、桜田です」
4: 2009/05/09(土) 00:45:36.55 ID:Gpaoxk+x0
久しぶりに聞く私に向けての桜田君の声。
少し、緊張する。
「あの・・・・・・巴、柏葉巴です」
ジュンが息を飲み込む音が受話器越しに聞こえた。
「な、何だ柏葉か・・・・・・ それで、何の用だ?」
スゥッと息を吸い込み、一気に用件を告げる。
他に話したいことは山ほどあるけど、今は胸にしまって。
「桜田君・・・・・・、悪いけど雛苺を返してもらうわ」
少し、緊張する。
「あの・・・・・・巴、柏葉巴です」
ジュンが息を飲み込む音が受話器越しに聞こえた。
「な、何だ柏葉か・・・・・・ それで、何の用だ?」
スゥッと息を吸い込み、一気に用件を告げる。
他に話したいことは山ほどあるけど、今は胸にしまって。
「桜田君・・・・・・、悪いけど雛苺を返してもらうわ」
8: 2009/05/09(土) 00:49:53.07 ID:Gpaoxk+x0
少しの間が出来る。
受話器からはジュンの呼吸の音が聞こえていた。
多分私も同じなんだろう、と思い少し受話器を口から遠ざけた。
「柏葉・・・・、悪いけど今から僕の家に来れないか?」
少し考えれば分かる回答なのに、全く想定外だった。
だがジュンがそう言う以上は、従うしかないだろう。
「分かった、今から行くわ」
カチャ、と電話を置き玄関へ向かった。
途中の鏡で少し髪の毛を整えて。
受話器からはジュンの呼吸の音が聞こえていた。
多分私も同じなんだろう、と思い少し受話器を口から遠ざけた。
「柏葉・・・・、悪いけど今から僕の家に来れないか?」
少し考えれば分かる回答なのに、全く想定外だった。
だがジュンがそう言う以上は、従うしかないだろう。
「分かった、今から行くわ」
カチャ、と電話を置き玄関へ向かった。
途中の鏡で少し髪の毛を整えて。
11: 2009/05/09(土) 00:54:53.77 ID:Gpaoxk+x0
ゆっくり、ゆっくりとジュンの家に向かった。
決して行きたくない訳じゃない、ゆっくり行きたかった。
通常の1,5倍程度の時間を掛けてようやくジュンの家にたどり着いた。
「すぅ・・・・・・」
ただチャイムを鳴らすだけなのに、緊張する。
この時間だとまだジュンのお姉さんは家に帰っていない。
つまり、2人きりということ。
窓から、紅い人形が覗いていた。
決して行きたくない訳じゃない、ゆっくり行きたかった。
通常の1,5倍程度の時間を掛けてようやくジュンの家にたどり着いた。
「すぅ・・・・・・」
ただチャイムを鳴らすだけなのに、緊張する。
この時間だとまだジュンのお姉さんは家に帰っていない。
つまり、2人きりということ。
窓から、紅い人形が覗いていた。
14: 2009/05/09(土) 01:00:04.65 ID:Gpaoxk+x0
ゆっくりと玄関の扉が開く。
チャイムを鳴らす前に。
「よ、よお・・・・・・ 元気そうだな」
ジュンがぶっきらぼうに言う。
そして、手で中に入れと合図する。
「お邪魔します」
玄関に足を踏み入れると、雛苺が飛びついてきた。
「トゥモエーーーッ!」
チャイムを鳴らす前に。
「よ、よお・・・・・・ 元気そうだな」
ジュンがぶっきらぼうに言う。
そして、手で中に入れと合図する。
「お邪魔します」
玄関に足を踏み入れると、雛苺が飛びついてきた。
「トゥモエーーーッ!」
17: 2009/05/09(土) 01:04:56.39 ID:Gpaoxk+x0
抱きしめた雛苺からは、ジュンの匂いがした。
「あ、おい雛苺 あんまり迷惑かけるなよ」
「気にしないで」
キュッと力を入れて抱きしめる。
こんなにも柔らかく、暖かい。
本当に人形なのだろうか、と疑ってしまうほどに。
「巴苦しいのー・・・・・・」
ついつい、力を入れすぎてしまったみたい。
「ご、ごめん・・・・・・」
「あ、おい雛苺 あんまり迷惑かけるなよ」
「気にしないで」
キュッと力を入れて抱きしめる。
こんなにも柔らかく、暖かい。
本当に人形なのだろうか、と疑ってしまうほどに。
「巴苦しいのー・・・・・・」
ついつい、力を入れすぎてしまったみたい。
「ご、ごめん・・・・・・」
20: 2009/05/09(土) 01:09:52.78 ID:Gpaoxk+x0
ジュンに案内されてリビングへ向かう。
雛苺は嬉しそうに私を見上げながら横を歩いている。
「まぁ、座ってくれ」
そう言うと、ジュンは台所へ向かった。
「柏葉も紅茶でいいか?」
別に構わないのに・・・・・・。
でもこういう小さな気遣いで心が温まる。
「ええ」
雛苺は嬉しそうに私を見上げながら横を歩いている。
「まぁ、座ってくれ」
そう言うと、ジュンは台所へ向かった。
「柏葉も紅茶でいいか?」
別に構わないのに・・・・・・。
でもこういう小さな気遣いで心が温まる。
「ええ」
24: 2009/05/09(土) 01:14:52.86 ID:Gpaoxk+x0
コトッと音を立てて私の前に紅茶が置かれる。
そして、私の隣にも。
「あら、ありがとう」
予想を裏切り、ジュンは私の向かいの席に座った。
そして、隣にはさっき窓から覗いていた紅い人形。
名前は、真紅といったっけ。
「ここに真紅がいるのは事情があるんだ」
ジュンが話し始めると、雛苺は私の膝の上に乗ってきた。
そして、私の隣にも。
「あら、ありがとう」
予想を裏切り、ジュンは私の向かいの席に座った。
そして、隣にはさっき窓から覗いていた紅い人形。
名前は、真紅といったっけ。
「ここに真紅がいるのは事情があるんだ」
ジュンが話し始めると、雛苺は私の膝の上に乗ってきた。
28: 2009/05/09(土) 01:19:55.38 ID:Gpaoxk+x0
「真紅に相談してみたんだが、柏葉と雛苺はもう契約が切れているんだろ?」
そう、私と雛苺の契約は隣に座っている真紅によって断ち切られた。
別に恨んでなんていない、そうでもしないと私はここにいなかったから。
「ええ」
「今雛苺は真紅を通して僕の力で動いているんだ」
雛苺の目を見ると、少し悲しそうに頷いた。
ああ・・・・・嘘じゃないんだ、と悟る。
「つまり、僕の元を離れると雛苺は深い眠りについてしまう」
「らしい」とジュンが弱気に付け足す。
そう、私と雛苺の契約は隣に座っている真紅によって断ち切られた。
別に恨んでなんていない、そうでもしないと私はここにいなかったから。
「ええ」
「今雛苺は真紅を通して僕の力で動いているんだ」
雛苺の目を見ると、少し悲しそうに頷いた。
ああ・・・・・嘘じゃないんだ、と悟る。
「つまり、僕の元を離れると雛苺は深い眠りについてしまう」
「らしい」とジュンが弱気に付け足す。
31: 2009/05/09(土) 01:24:52.51 ID:Gpaoxk+x0
「それじゃ、雛苺は桜田君の元から離れられないの?」
頭の中では理解できているはずなのに、自然と口が動いた。
少しの沈黙のあと、ジュンが首を振った。
「ああ、本当にごめん」
謝ることは無い。
無理を言ったのは私の方なのに、と声を掛けたかったが声が出なかった。
「2人とも、どうして悲しい顔をしているのー?」
雛苺が沈黙を破る。
頭の中では理解できているはずなのに、自然と口が動いた。
少しの沈黙のあと、ジュンが首を振った。
「ああ、本当にごめん」
謝ることは無い。
無理を言ったのは私の方なのに、と声を掛けたかったが声が出なかった。
「2人とも、どうして悲しい顔をしているのー?」
雛苺が沈黙を破る。
36: 2009/05/09(土) 01:29:54.22 ID:Gpaoxk+x0
「私ね、もう雛苺とは暮らせないの」
納得しろ、とは言わない。
ただ、分かって欲しい。
「うゆ、それは昨日真紅から聞いたの」
雛苺が不思議そうな顔をしてみせる。
「雛苺、言いたいことがあるならハッキリ言いなさい」
紅い人形、もとい真紅が口を挟む。
「だって巴が毎日ジュンの家に来ればいいことなのー」
納得しろ、とは言わない。
ただ、分かって欲しい。
「うゆ、それは昨日真紅から聞いたの」
雛苺が不思議そうな顔をしてみせる。
「雛苺、言いたいことがあるならハッキリ言いなさい」
紅い人形、もとい真紅が口を挟む。
「だって巴が毎日ジュンの家に来ればいいことなのー」
39: 2009/05/09(土) 01:32:52.99 ID:Gpaoxk+x0
私の心臓がドキッと大きく脈を打った。
顔が熱い。
「なななな、何を言っているんだ雛苺」
ジュンも動揺しているように伺える。
もちろん、私だって負けないくらいに動揺している。
「そうよ、雛苺 桜田君に迷惑になってしまうわ」
何か変なこと言ったのだろうか、ジュンが私の方向を見据える。
「僕は全然迷惑じゃ・・・・・・」
顔が熱い。
「なななな、何を言っているんだ雛苺」
ジュンも動揺しているように伺える。
もちろん、私だって負けないくらいに動揺している。
「そうよ、雛苺 桜田君に迷惑になってしまうわ」
何か変なこと言ったのだろうか、ジュンが私の方向を見据える。
「僕は全然迷惑じゃ・・・・・・」
43: 2009/05/09(土) 01:39:33.63 ID:Gpaoxk+x0
「桜田君・・・・・・」
しまった、という顔をしている。
お互いに目を逸らした。
「2人とも顔が赤いのー!」
雛苺の一言で、再びお互いに目を合わす。
「か、柏葉さえ良ければ僕は・・・・・・」
「私も、桜田くんの迷惑じゃなければ」
雛苺が私といた時には見せたことのない、満面の微笑みを見せた。
「それじゃ決まりなのー!」
fin
起承転結の起あたりかな
オチry>>1ry
続き浮かんだら書こうと思うけど
需要次第かな、今は書かないけど
文才が欲しい
最近ネタ切れ気味だ、おやすみお前ら
え、書き溜め? 知らんがな^^
しまった、という顔をしている。
お互いに目を逸らした。
「2人とも顔が赤いのー!」
雛苺の一言で、再びお互いに目を合わす。
「か、柏葉さえ良ければ僕は・・・・・・」
「私も、桜田くんの迷惑じゃなければ」
雛苺が私といた時には見せたことのない、満面の微笑みを見せた。
「それじゃ決まりなのー!」
fin
起承転結の起あたりかな
オチry>>1ry
続き浮かんだら書こうと思うけど
需要次第かな、今は書かないけど
文才が欲しい
最近ネタ切れ気味だ、おやすみお前ら
え、書き溜め? 知らんがな^^
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