可可「ククはどうすれば良いんデショウか」


「そうね…」


「占ってみる」


可可「お願いしマス…」


「……むむむ」


可可「！」


「…可可さんのお友達は…」


「……持っていかれてるのね」


可可「持って…？」


「恐らく、何かの弾み…本人の意思と関係の無い所か、あるいは故意」


「常世の者か、はたまた……人の淀みが産んだ悪しき者か。彼の者らが可可さんのお友達を持っていこうと……ないしは」


「…話を聞く限り、既に持っていった後か…」


可可「そんな…！？嫌デス、そんなの！」


「そりゃそうよ。私だって友達がいなくなるのは嫌だわ」


可可「どう、すれば」


「そうね……願う事」


可可「願う…？」

「その手順は教えられない…というより、定まっていないわ」


「なぜなら、相手が神なる者なのか所謂悪霊なのか、それかマレビトか……第三者の人間による、洗脳の可能性すらある」


「そんな中で、じゃあこれをこうしてこうやりなさい、ってったって効く訳が無い」


可可「なら」


「救いを願うのは簡単。だけど、願い続ける事は難しい」


「願い続けなさい。さすれば、必ずやあなたは解が得られるでしょう」


可可「…」


「……お代は要らないわ。大した事言えてないしね。ごめんなさい」


可可「…いえ、大丈夫デス」


可可「可可が…やらなきゃいけない」


ｽｯ


可可「ありがとうございマシタ」ﾍﾟｺｯ


ﾃｸﾃｸ


「おつかれー」


「こんな感じ？」


「慣れてきたねぇ」


「バイトも楽じゃないわ…」


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

可可「…」


ーーー『願い続ける事は難しい』ーーー


可可「どうすれば…」


可可「何か…取っ掛りが欲しいデス」ｽｯ



【人格 他人 友達】


【友達が別人みたいに】


【お化け 取り憑かれると】


【神様 人に降りる 治し方】



可可「……こんなので出てくる訳ないのに」


可可「……」


可可「…ん？」



【桜灯白水儀】



可可「…」ﾀﾌﾟﾀﾌﾟ



『友達が、家族がまるで他人の様になってしまった…』


『そんなあなたに、古来より伝わる秘密の儀式をお伝えします！』


『手順も間違えなければ難しくありません。あなたの大切な人を返して頂くために！かえってきた大切な人を見』



可可「……文が長いデス。とっととその手順を教えやがれデス」

『手順.1』


『桜の花、枝を対象に持たせる』


可可「7月なんデスが…」


『手順.2』


『両脇に割れたガラスを入れ、酒で満たした盃(醤油差し等で可！)と行灯(ひな祭りで使う物のイメージで！)を2つ置く』


可可「…」


『手順.3』


『対象の名前を書いた短冊を人数分書き、目の前の台に並べ、返して欲しいと願う』


『ここまでを行ってから暫く待てば、お友達や家族はあなたのよく知る大切な人達に戻るでしょう！』


可可「……肝心な所が全部あやふやデス」


可可「でも」


可可「今は、藁にも縋りマス」


ﾀﾀｯ


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

ー学校ー



かのん「おはよう、可可ちゃん」


可可「おはようございマス」


夏美「おはようですの」


すみれ「今日も元気そうね」


可可「勿論！グソクムシよりも元気デスから！」


すみれ「……グソクムシ？」


可可「…！」


すみれ「誰がグソクムシよ」ﾍﾟｼｯ


可可「?吃呀！」


可可(……)


可可「…そ、そうデシタ、このぬいぐるみをあげたかったんデス」


かのん「え？」


夏美「わ、可愛いですのね」


可可「むふふ、フクロウのぬいぐるみキーホルダーデス。可愛く出来たので、皆にあげマス」


かのん「かわいい…」


すみれ「ほんとね。いいの？」


可可「しょーうがないからグソクムシにもあげマス！」


可可(…中には)


可可(桜の花が入ってマス)


可可(本物は季節的に無いので、造花デスが)


可可(これを持たせていれば、きっと)


ーーーーー

メイ「え、いいのか？！こんなすげぇもの貰って…！！」ｳﾋｮｰ


恋「ありがとうございます」


千砂都「お手玉みたいだね」


四季「Cute」


きな子「ありがとうっす！まんまるっす～！」


可可「遠慮無く！皆でお揃いしまショウ！」


可可(…これで、よし)


ーーーーーー

ー次の週ー



＜ｶﾞﾗｯ


可可「おはようござい…ありぇ？」


きな子「あ、可可先輩！」


可可「……少ないデスね…？」


メイ「あぁ。夏美に四季、すみれ先輩と恋先輩、千砂都先輩もかのん先輩も休みだ。夏風邪かねぇ？」


きな子「皆、大丈夫っすかねぇ」


可可「…2人も予防してクダサイね」


可可(…今まで、こんな事はありませんデシタ)


可可(特に変わってしまった様に見えるかのん達だけが、同時に学校に来ない)


可可(効果……あるって意味なんデショウか)


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

ー可可宅ー



可可(分からないデス)


可可(いつ儀式に取り掛かればいいのか…)


可可(…)


可可(きっと、こういうのは思い立ったが吉日デス！)


ﾀﾀﾀｯ


可可(…買ってきマシタ)


可可(前に皆でひな祭りをしたので、その時の行灯)


可可(そして、短冊を人数分)


可可(ガラスは…)


ｽｯ


可可(可可の手鏡を…！)


ﾊﾟﾘﾝｯ!


可可(…お気に入りデシタ)


可可(で、これをこの盃に入れて)


ｶﾗﾝｯ


可可「いっ…！」


ﾎﾟﾀｯ


可可(少し切れてしまいマシタ…まあ、絆創膏は後でいいデス)

可可(そして、お酒は買えないのでお水を入れマス)


ﾄｸﾄｸ…


可可(行灯も…よしっ)


ｶﾁｯ


可可(そして名前を書いた短冊を)


可可(…変わってしまった、可可の友達の名前を)


ｻﾗｻﾗ


【澁谷かのん】


【平安名すみれ】


【嵐千砂都】


【葉月恋】


【鬼塚夏美】


【若菜四季】


可可(…名前だけで良いんデショウか？)


可可(確か…)ｻﾗｻﾗ


【急々如律令】


可可(実家にあった御札に、こう書いてあった気がしマス)


可可(意味は知りませんが…書いて損は無い気がしマス)

可可(……そして、これを並べて…)


ｽｯｽｯ…


可可(…願う)


可可(お願いしマス、神様)


可可(可可の、大親友達を)


可可(どうか…)


可可(返して欲しいデス…！)


















＜ｺﾝｺﾝｺﾝ


可可「っえ」


＜「可可ちゃーん」

可可「…か、かのん？」


＜「遊びに来ちゃった、良いかな？」


可可(なんで、このタイミングで)


＜「実はさ」


＜「みんな来てるんだよね」


＜「すみれちゃんも、ちぃちゃんも、恋ちゃんも、四季ちゃんも、夏美ちゃんも」


可可「…！！」


＜「…入って良い？」


可可(短冊に、書いた人だけ…！！)


可可「っ、まっ、ちょっと待って欲しいデス！」


＜「いやいや」






＜「待てないんだ」


＜ｶﾞﾁｬｯ






可可「え、なん、で」


＜ﾃｸﾃｸ


かのん？「やあ、可可ちゃん」


すみれ？「やってるわね」


千砂都？「あぁ、これかあ」


恋？「口惜しいですね」


四季？「離れたくは無いな」


夏美？「でも怒ってますの」


可可「何、を」

かのん？「可可ちゃん、もしかしてコレ？」


可可「フクロウのぬいぐるみ…」


かのん？「やっぱりかあ。中、桜だよね？」


可可「は、はい」


すみれ？「今7月よね。って事は」


千砂都？「あぁ、紛いか」


可可「紛い…？」


恋「失礼します、可可さん」ﾋﾟﾄｯ


可可「えっ、レ、レンレン何を…っ！？」


可可(何で可可の目を塞いで─────)


ﾊﾟｯ


可可「………っあ」













縺九�繧�「怒ってるんだよ」


縺吶∩繧�「紛いを持たせて」


諱�「出鱈目な儀をして」


蜊��る�「あまつさえ願い」


蝗帛ｭ｣「生半な覚悟で」


螟冗ｾ�「畏れも無く」

可可(そこにいたのはいつもの皆じゃなくて)


可可(首が半分落ちてたり)


可可(目が無かったり)


可可(体が腐ってたりで)


可可(…ヒトの形なんかしていなかった)


可可「あ、あ……っ！？」


縺九�繧�「ほんの少しだけ借りるつもりだったのに」


蜊��る�「ふふっ」


縺九�繧�「可可ちゃんが中途半端に引き合わせたせいで」


縺九�繧�「こうされちゃった」


可可「可可の、せい…？」


蜊��る�「私達は……もういかないといけない」


可可「えっ」


螟冗ｾ�「さようなら、可可さん」

可可「い、嫌です！！待って、行かないで下さい！！」


縺吶∩繧�「…」


可可「何か間違えたのなら、謝ります…！可可は、皆と離れたくないんです！」


諱�「それは本当の願いですか？」


可可「心から、心の底から可可が願ってる事です……！！」


縺吶∩繧�「じゃあ」


螟冗ｾ�「後ろを向いて」


可可「…うしろ？」


ｽｯ


縺九�繧�「繰り返して」


可可「はい…」


縺九�繧�「ふるべ」


可可「…ふるべ」


れ�「ゆらゆらと」


可可「ゆらゆらと」


縺み∩れ�「ふるべ」


可可「ふるべ…」


「こっち向いて」


可可「…」


ｽｯ









かのん「…お待たせ。可可ちゃん」


可可「…か、かのん！！」

すみれ「ほんとにもう…」


可可「しゅみれぇっ！！」


恋「もうしないで下さいね、可可さん」


四季「その通り。ちゃんと見なきゃ」


千砂都「まあ、仕方ないか」


可可「変な事はもうしないデスぅ…！」


夏美「ほら、可可先輩っ！」


ｽｯ


可可「うぇ！？は、花冠デスか！？」


千砂都「実は来る前に作ってきたんだぁ、付けてみてっ」

四季「唐突にプレゼント」


可可「…キレイ…」


すみれ「ユリにカーネーション、デイジーにヒヤシンス…手作りってのはこう言う事を言うのよね」


可可「…す、すみれの手作りなら別に…」


すみれ「ぬわぁんでよ！！」


夏美「ふふっ、可可先輩もツンデレですの」


可可「…///」


かのん「似合ってるよっ、可可ちゃん！」


可可「……ありがとう、ございマスっ！」


ーーーーーー

ーCASTー



唐可可


澁谷かのん


平安名すみれ


嵐千砂都


葉月恋


鬼塚夏美


若菜四季


桜小路きな子


米女メイ


占い師：津島善子(特別出演)


ーBased on a story byー


ラブライブ！スーパースター!!


道教


神道


古事記


世阿弥作 泰山府君


マヤ神話


ーーーーー

ーーーーー


『友達が、家族がまるで他人の様になってしまった…』


『そんなあなたに、古来より伝わる秘密の儀式をお伝えします！』


『手順も間違えなければ難しくありません。あなたの大切な人を返して頂くために！かえってきた大切な人を見てはいけないらしいですが』


『向こうから許しが出ればきっと！あなたは心安らかになれますよ！』


『私の友人が実際に試したらしく、本当に効果があったそうです！』


ーーーーー


「また来なさい、迷い子よ。そなたの悩みは、このヨハネが払います」


＜「ありがとうございました！」


「…はぁ」


「おつかれ。そろそろ上がり？」


「コツが分かったわ」


「お、どんなのどんなの？参考にするよ」


「それらしい事を並べまくって、考える暇も無くせばいいのね」


ーーーーー

ーーーーー


ｺﾝｺﾝ


メイ「可可先輩、大丈夫か？」


きな子「他の皆はもうすっかり元気っすよ～」


メイ「うーん、風邪とか拗らせてんのかな」


きな子「連絡つかないから心配っすよ」


＜…ｶﾁｬｯ


メイ「…開いてんじゃねぇか！！」


ﾀﾀｯ


きな子「あちょっ、メイちゃん勝手に入っちゃダメっす！！」


メイ「可可先輩、ドア閉めないのはやべぇって！！アンタ人気なん、だか、ら──」


きな子「もうっ、メイちゃ」


ﾍﾀｯ

きな子「ぃ、な、なん、なんで、可可せんぱ…っ！？」


メイ「お、降ろさないと、早く降ろさないと！！」


きな子「さ、さわっちゃダメじゃ」


メイ「だからってほっとくのも…！！」


きな子「……」


メイ「きゅ、救急車呼ばないと！！」


きな子「…」


メイ「おい、きな子！！……きな子？」












きな子「………笑ってるっす」


ーーーーー

人のせいで


⬇最新5作⬇

曜「ねぇ梨子ちゃん、悪い事しようよ」

かのん「隔て」

千砂都「禁足」

四季「そら」

きな子「渇望」

乙
ちょいラストの解釈が分からん
祝詞唱えられてる時点で祓われる側ではないっぽいし
ただ穢れに近い見た目取ってるから悪神だし、それらしいこと～の下りから適当ぶっこいて可可連れていったのは分かるんやが
これベースになった宗教的にはハッピーエンドだったりすんのか？

乙