656: 2014/12/29(月) 20:54:28.28 ID:o+xMsSm1o
シリーズ最初へ:【艦これ】提督「暇っすね」
このpart最初へ:【艦これ】提督「暇じゃなくなった」
前回:【艦これ】提督「暇じゃなくなった」part8
提督「……」
新鋭「手間が省けたわ。何かとチョロチョロ嗅ぎ回ってくれて、目障りだったのよ」
提督「嗅ぎ回るだなんて人聞きが悪いっすね。散々人の古傷や大事なものを穿ったり穢したり、やりたい放題し
てくれた人が言う台詞とは思えませんよ。艦娘を使った非人道的な人体実験、人間を使って深海棲艦の細胞とを
組み合わせる生体研究…その過程で恐らくは生まれたであろう戦艦レ級…」
新鋭「それを私がやったであろう事を裏付ける証拠でもあるのかしら?」
提督「残念ながら自ら順次綺麗にお掃除してくれてなぁんにも残ってませんよ。貴女と言う存在以外にはね」
新鋭「私の自白頼み?あははははっ!馬鹿じゃないの…例えそうだとしても言う訳ないでしょ」
提督「言い回しが一々芝居がかってるのが癇に障りますね」
新鋭「…なんですって?」
提督「つまりお互い様ってことでしょ。あの時の借り、ここできっちり返しますよ」トントンッ
三度に渡り見えた提督と新鋭。
一度目は大本営で、二度目は鎮守府で、そしてこれが三度目にして最後。
提督は以前に新鋭に切り付けられた肩を自らの拳で叩いて示す。
提督「海軍艦娘運営法に基く違反行為第一条、叛乱罪」
※
党を結び艦娘を兵器として執り叛乱をなした者は次の区別に従って処分される。一つ、首魁・氏刑。一つ、本来
の目的とは異なり明らかな叛乱の意図が認められる謀議に参与し、またそれに伴い艦娘を先導・誘導しこれを指
揮した者は氏刑・無期、または五年以上の懲役。または禁錮とする。
また叛乱をなす目的で党を結び兵器、資材その他艦娘に供する物を却掠した者は、上の例に同じく処分される。
上の罪の未遂も罰せられ、また予備、陰謀は一年以上の有期の懲役または禁錮。予備、陰謀をなした者が未だ事
を行なわない前に自首したときはその刑を免除される。
また、海軍における鎮守府、艦娘、資材、弾薬その他軍用に供する場所、建造物その他の物を掠奪・破壊・間諜
する及びそれに当たる幇助をした場合、これらの行為をなした者は氏刑。
(一部文章を Wikipedia:反乱罪 の頁より抜粋、文字を一部変更して掲載)
(※当然ながら存在・実在しない刑法です)
新鋭「…くだらない」
提督「建前ですよ。貴女を俺は決して殺さないし、氏刑にもさせない」
新鋭「なんですって…?」
提督「皆が苦しんだ分、きっちり苦しみ抜いて貰わないと気が済みませんからね…」ニヤッ…
新鋭「この、クソガキ……ッ!」
655: 2014/12/29(月) 20:53:36.98 ID:o+xMsSm1o
皆様こんばんは
本日も宜しくお願いします
本日も宜しくお願いします
657: 2014/12/29(月) 21:18:47.82 ID:o+xMsSm1o
-川内・夕立・Bep vs 駆逐棲姫-
駆逐棲姫「やらせは…シナイよ…ッ!」ザッ
川内「こいつ…!」
夕立「は、速い…!」
Bep「くっ…」
駆逐棲姫「落チロッ!」ドン ドン
駆逐棲姫には足がない。
それを補うようにして下半身は太ももから下が深海棲艦のパーツで補われ、返ってそれが俊敏な動きを更に上げ
ていると言っても過言ではなかった。
しかもそれだけ速く動きながら射撃の腕も殆どブレない。
棒立ちでは確実に蜂の巣にされる。
ザバアァァァァン ザバアァァァァン
川内「くっそ…!」
Bep「私が引き付ける」
夕立「左右から同時に行くっぽい!」サッ
Bep「了解だよ」サッ
駆逐棲姫「ドンナ手でこよウト、同じダヨ」サッ
川内を正面に残し、夕立とヴェールヌイの二人が左右に分かれて展開する。
川内「よし、行くよ!」ジャキッ
夕立「うんっ!」
Bep「いつでもいける」
駆逐棲姫「小賢シイ…!」
ドン ドン
駆逐棲姫「コノ…程度…ッ!」サッ グッ
ボボボボボンッ
駆逐棲姫「やらせは…シナイよ…ッ!」ザッ
川内「こいつ…!」
夕立「は、速い…!」
Bep「くっ…」
駆逐棲姫「落チロッ!」ドン ドン
駆逐棲姫には足がない。
それを補うようにして下半身は太ももから下が深海棲艦のパーツで補われ、返ってそれが俊敏な動きを更に上げ
ていると言っても過言ではなかった。
しかもそれだけ速く動きながら射撃の腕も殆どブレない。
棒立ちでは確実に蜂の巣にされる。
ザバアァァァァン ザバアァァァァン
川内「くっそ…!」
Bep「私が引き付ける」
夕立「左右から同時に行くっぽい!」サッ
Bep「了解だよ」サッ
駆逐棲姫「ドンナ手でこよウト、同じダヨ」サッ
川内を正面に残し、夕立とヴェールヌイの二人が左右に分かれて展開する。
川内「よし、行くよ!」ジャキッ
夕立「うんっ!」
Bep「いつでもいける」
駆逐棲姫「小賢シイ…!」
ドン ドン
駆逐棲姫「コノ…程度…ッ!」サッ グッ
ボボボボボンッ
658: 2014/12/29(月) 21:35:29.51 ID:o+xMsSm1o
前後の緩急だけで川内の一撃をやり過ごし、駆逐棲姫が前傾姿勢を取る。
力を溜めて、蓄積された力をバネに変えて一気に間合いを詰める作戦だ。
ボボボボォォンッ ザバアアァァァァァン
駆逐棲姫「……ッ!?」
飛び出そうとしたまさにその時、前方に砲撃が着弾して大きな水飛沫を生み出す。
更に真横からヴェールヌイが主砲を構えて躍り出す。
駆逐棲姫「キサマ…ッ!」
Bep「ウラー!」ドン ドン
駆逐棲姫「くっ…!」サッ
咄嗟に両腕を交差させて衝撃に備える。
ボゴオオォォォォン
至近距離からのヴェールヌイの一撃、手応えはあったと彼女自身も確信を得る。
しかし、それら自信を覆すが如く、多少の擦り傷程度と言わんばかりの姿で駆逐棲姫は爆煙の中から姿を現す。
駆逐棲姫「…種別が同じダカラって、キミ達みたいなのと一緒にサレるのは心外ダヨ」 被害軽微
Bep「なっ…!」
夕立「それなら…!」バッ
反対方向から猛進する夕立は両手に持つ魚雷を同時に海面に向けて放つ。
それと共に艤装を持ち替え、主砲を駆逐棲姫へ差し向けた。
夕立「夕立の戦い、見せて上げる!」ジャキッ
駆逐棲姫「敵わナイと解っててクルの?ただの馬鹿ネ」
ドン ドン
主砲を撃ちながら夕立は左右に身を揺さぶりながら相手の照準を外す動きで駆逐棲姫へ迫る。
ボボボボンッ
バシュンッ……ボゴオオォォォン
力を溜めて、蓄積された力をバネに変えて一気に間合いを詰める作戦だ。
ボボボボォォンッ ザバアアァァァァァン
駆逐棲姫「……ッ!?」
飛び出そうとしたまさにその時、前方に砲撃が着弾して大きな水飛沫を生み出す。
更に真横からヴェールヌイが主砲を構えて躍り出す。
駆逐棲姫「キサマ…ッ!」
Bep「ウラー!」ドン ドン
駆逐棲姫「くっ…!」サッ
咄嗟に両腕を交差させて衝撃に備える。
ボゴオオォォォォン
至近距離からのヴェールヌイの一撃、手応えはあったと彼女自身も確信を得る。
しかし、それら自信を覆すが如く、多少の擦り傷程度と言わんばかりの姿で駆逐棲姫は爆煙の中から姿を現す。
駆逐棲姫「…種別が同じダカラって、キミ達みたいなのと一緒にサレるのは心外ダヨ」 被害軽微
Bep「なっ…!」
夕立「それなら…!」バッ
反対方向から猛進する夕立は両手に持つ魚雷を同時に海面に向けて放つ。
それと共に艤装を持ち替え、主砲を駆逐棲姫へ差し向けた。
夕立「夕立の戦い、見せて上げる!」ジャキッ
駆逐棲姫「敵わナイと解っててクルの?ただの馬鹿ネ」
ドン ドン
主砲を撃ちながら夕立は左右に身を揺さぶりながら相手の照準を外す動きで駆逐棲姫へ迫る。
ボボボボンッ
バシュンッ……ボゴオオォォォン
659: 2014/12/29(月) 21:53:43.43 ID:o+xMsSm1o
夕立の砲撃を片手で蹴散らし、海面から迫る無数の魚雷を身体を逸らして回避する。
空中へと姿を現した魚雷は停止した宙で大爆発を起こし、辺りに熱風を奔らせる。
駆逐棲姫はそれを物ともせずに態勢を正して身体ごと夕立に向き直る。
しかし速度を緩めない夕立の姿勢に、初めて駆逐棲姫の顔色に変化が生まれた。
駆逐棲姫「接近戦…!?」
夕立「夕立、突撃するっぽい!」
川内「…あいつの装甲、伊達にお姫様名乗ってないね。私達の中距離からの砲撃じゃビクともしなそうだ」
Bep「川内や私達駆逐艦の十八番まであと少しだよ」
川内「相手にとっても条件は一緒…なら、やる事は一つだね」
Bep「了解だよ」ザッ
駆逐棲姫「コイツ等…!」
夕立に続きヴェールヌイもその距離を一気に詰めて接近戦に持ち込む。
左右に夕立とヴェールヌイ、正面に川内。
その陣形は崩さず、間合いだけを徐々に狭めていく。
駆逐棲姫「鬱陶シイ…ッ!!」ドン ドン ドン ドン
バシャアアァァァン ボボボボンッ
これ以上の接近を許すまいと周囲へ向けて駆逐棲姫が一斉射を行うが、それを掻い潜り更に三人は間合いを狭め
る為に接近を試みる。
危険を犯してまでそうするのには幾つかの理由がある。
一つは駆逐棲姫の尋常じゃない装甲。
戦艦クラスに匹敵する装甲を持つ駆逐棲姫を相手に、中距離からの軽巡、駆逐艦の砲撃では決定打を与えれない
と三人は気付いたのだ。
残弾がなくなるまで撃ち続けようと、これでは付け焼刃でしかない。
更に駆逐艦特有の俊敏な身のこなし。
単発で捉えた所で先の装甲が理由となり決定打には程遠くなり、かといって無闇に近付けばあの瞬発力から繰り
出される攻撃や砲撃に一溜まりもない。
確実に沈めるにはどうすればいいか……そこに至って最後の一つ、それが夜戦だ。
闇に乗じ、氏角を衝いての強襲作戦。
大物食いを成すには度胸と覚悟、それを行う絶好のタイミングを判断する決断力が物を言う。
彼女達にとってそのタイミングは夜戦以外にありえない。
今は夕刻手前、地平線に太陽が沈みかけて間も無く辺りを照らすオレンジの光が閉ざされる。
太陽の加減を見て、川内の眼がスッと細く鋭くなる。
余分な音が排除され、神経が研ぎ澄まされていく。
川内は以前提督に何故夜戦に拘るのか、と聞かれた事がある。
身内の演習で羽黒にはそこで活躍の場を見出すためだと答えた彼女だったが────
空中へと姿を現した魚雷は停止した宙で大爆発を起こし、辺りに熱風を奔らせる。
駆逐棲姫はそれを物ともせずに態勢を正して身体ごと夕立に向き直る。
しかし速度を緩めない夕立の姿勢に、初めて駆逐棲姫の顔色に変化が生まれた。
駆逐棲姫「接近戦…!?」
夕立「夕立、突撃するっぽい!」
川内「…あいつの装甲、伊達にお姫様名乗ってないね。私達の中距離からの砲撃じゃビクともしなそうだ」
Bep「川内や私達駆逐艦の十八番まであと少しだよ」
川内「相手にとっても条件は一緒…なら、やる事は一つだね」
Bep「了解だよ」ザッ
駆逐棲姫「コイツ等…!」
夕立に続きヴェールヌイもその距離を一気に詰めて接近戦に持ち込む。
左右に夕立とヴェールヌイ、正面に川内。
その陣形は崩さず、間合いだけを徐々に狭めていく。
駆逐棲姫「鬱陶シイ…ッ!!」ドン ドン ドン ドン
バシャアアァァァン ボボボボンッ
これ以上の接近を許すまいと周囲へ向けて駆逐棲姫が一斉射を行うが、それを掻い潜り更に三人は間合いを狭め
る為に接近を試みる。
危険を犯してまでそうするのには幾つかの理由がある。
一つは駆逐棲姫の尋常じゃない装甲。
戦艦クラスに匹敵する装甲を持つ駆逐棲姫を相手に、中距離からの軽巡、駆逐艦の砲撃では決定打を与えれない
と三人は気付いたのだ。
残弾がなくなるまで撃ち続けようと、これでは付け焼刃でしかない。
更に駆逐艦特有の俊敏な身のこなし。
単発で捉えた所で先の装甲が理由となり決定打には程遠くなり、かといって無闇に近付けばあの瞬発力から繰り
出される攻撃や砲撃に一溜まりもない。
確実に沈めるにはどうすればいいか……そこに至って最後の一つ、それが夜戦だ。
闇に乗じ、氏角を衝いての強襲作戦。
大物食いを成すには度胸と覚悟、それを行う絶好のタイミングを判断する決断力が物を言う。
彼女達にとってそのタイミングは夜戦以外にありえない。
今は夕刻手前、地平線に太陽が沈みかけて間も無く辺りを照らすオレンジの光が閉ざされる。
太陽の加減を見て、川内の眼がスッと細く鋭くなる。
余分な音が排除され、神経が研ぎ澄まされていく。
川内は以前提督に何故夜戦に拘るのか、と聞かれた事がある。
身内の演習で羽黒にはそこで活躍の場を見出すためだと答えた彼女だったが────
660: 2014/12/29(月) 22:47:13.32 ID:o+xMsSm1o
提督「よくこんな暗い中で的確に動けるもんだな」
川内「探照灯や照明弾使えばもっと命中率上がるよ!」
提督「ホント、お前等姉妹は特異だな」
川内「へ?」
提督「神通といい、お前といい…俺から見ると、どうにも元気が空回りしているようにしか見えないんだがな…」
川内「何それ…」
提督「色々、って言っても大したもんじゃないが、ここに来る前にも何人か軽巡型の子たちには会った事がある。
勿論、夜戦が得意だって子も居たは居たが…正直、お前は異常だ」
川内「……」
提督「で、色々と考えてお前たちを観察してて辿り着いた一つの結論だがな……献身、だろ?」
川内「ぇ……?」
提督「なんだ、自分で気付いてないのか。お前は仲間や妹の神通を守る為なら喜んで前に出る。中でも夜戦はそ
の行為を最大限に生かせるお前の土俵だ。先陣を切って自ら的になり、自らの手で制圧する。以前に金剛たちと
戦ったときの神通もそうだった。だが神通の場合は献身なんて生易しいものじゃない…あいつは、自らを犠牲に
すらする。境遇が反転してそうさせているのかもしれないな。今まで役に立てなかった、役に立てないって思っ
てきた自分がやっとその意味を見出せた。だからこその犠牲…」
川内「はは…そんな風に、考えた事もなかったよ。純粋に、私は夜戦が好き…って、思ってただけなんだけど…」
提督「まぁ、そうだろうな。献身的で犠牲的、姉と妹でこうも違うもんなんだな。お前は全て自分で成そうと、
周りを傷付けさせまいとし、神通は己の身を楯にしてでも全てを守り抜こうとする」
川内「……」
提督「一つの信念を括った奴は本当に強い。その信念を圧し折ろうと思ってもこっちが生半可な覚悟じゃビクと
もしないからな。けどな、覚えておいてくれ。一人で抱えれる量には限界がある。だから、周りを見ろ…お前の
周りには多くの仲間が居るはずだ。だから分担して皆で抱えろ、支えろ、補い合え。そうすれば、今よりもっと
お前は輝ける」
丸い太陽が地平線の向こう側へ沈み、辺りを闇が覆い始める。
三人が三人とも散開して照準を絞らせなかったのが功を奏し、ほぼ万全に近い態勢でこの瞬間を迎えられた。
川内の口角が薄っすらと釣りあがり、細めていた眼は限界まで見開らかれる。
この瞬間より、彼女達の作戦が開始される。夜戦強襲。
川内「探照灯や照明弾使えばもっと命中率上がるよ!」
提督「ホント、お前等姉妹は特異だな」
川内「へ?」
提督「神通といい、お前といい…俺から見ると、どうにも元気が空回りしているようにしか見えないんだがな…」
川内「何それ…」
提督「色々、って言っても大したもんじゃないが、ここに来る前にも何人か軽巡型の子たちには会った事がある。
勿論、夜戦が得意だって子も居たは居たが…正直、お前は異常だ」
川内「……」
提督「で、色々と考えてお前たちを観察してて辿り着いた一つの結論だがな……献身、だろ?」
川内「ぇ……?」
提督「なんだ、自分で気付いてないのか。お前は仲間や妹の神通を守る為なら喜んで前に出る。中でも夜戦はそ
の行為を最大限に生かせるお前の土俵だ。先陣を切って自ら的になり、自らの手で制圧する。以前に金剛たちと
戦ったときの神通もそうだった。だが神通の場合は献身なんて生易しいものじゃない…あいつは、自らを犠牲に
すらする。境遇が反転してそうさせているのかもしれないな。今まで役に立てなかった、役に立てないって思っ
てきた自分がやっとその意味を見出せた。だからこその犠牲…」
川内「はは…そんな風に、考えた事もなかったよ。純粋に、私は夜戦が好き…って、思ってただけなんだけど…」
提督「まぁ、そうだろうな。献身的で犠牲的、姉と妹でこうも違うもんなんだな。お前は全て自分で成そうと、
周りを傷付けさせまいとし、神通は己の身を楯にしてでも全てを守り抜こうとする」
川内「……」
提督「一つの信念を括った奴は本当に強い。その信念を圧し折ろうと思ってもこっちが生半可な覚悟じゃビクと
もしないからな。けどな、覚えておいてくれ。一人で抱えれる量には限界がある。だから、周りを見ろ…お前の
周りには多くの仲間が居るはずだ。だから分担して皆で抱えろ、支えろ、補い合え。そうすれば、今よりもっと
お前は輝ける」
丸い太陽が地平線の向こう側へ沈み、辺りを闇が覆い始める。
三人が三人とも散開して照準を絞らせなかったのが功を奏し、ほぼ万全に近い態勢でこの瞬間を迎えられた。
川内の口角が薄っすらと釣りあがり、細めていた眼は限界まで見開らかれる。
この瞬間より、彼女達の作戦が開始される。夜戦強襲。
661: 2014/12/29(月) 22:59:07.68 ID:o+xMsSm1o
川内「────さあ、私と夜戦しよ?」サッ
夕立「ソロモンの悪夢、見せてあげる!」バッ
Bep「信頼の名は伊達じゃない。追撃する!」スッ
駆逐棲姫「……!マサカ、夜戦に持ち込むタメに…!」
一斉に闇に乗じ、三人の姿がそこから忽然と消える。
パッ……パパパッ
そんな中、一箇所に明かりが灯る。
駆逐棲姫「馬鹿メ、そこか…!」ドン ドン
ボボボボボンッ
探照灯による明かりを頼りに駆逐棲姫が砲撃するも、それはあっさりと回避される。
パァァァァン
駆逐棲姫「クッ……な、今度ハ一体…!?」
探照灯の明かりが消えた直後、今度は自身の周囲に明かりが灯る。
その明かりの切れ端に一瞬、夕立の姿が映るが明かりは直に消えて辺りには再び闇が広がる。
そしてその直後、何処からともなく声が響く。
──夜はいいよねぇ、夜はさ──
駆逐棲姫「……ッ!ドコから…!」
カカカッ
駆逐棲姫「……ッ!」
ボゴオオォォォォン
駆逐棲姫「ウグッ…!」 小破
飛び道具として改良された投擲型の爆雷。
川内が最も夜戦で愛用する固有の艤装だ。
夕立「ソロモンの悪夢、見せてあげる!」バッ
Bep「信頼の名は伊達じゃない。追撃する!」スッ
駆逐棲姫「……!マサカ、夜戦に持ち込むタメに…!」
一斉に闇に乗じ、三人の姿がそこから忽然と消える。
パッ……パパパッ
そんな中、一箇所に明かりが灯る。
駆逐棲姫「馬鹿メ、そこか…!」ドン ドン
ボボボボボンッ
探照灯による明かりを頼りに駆逐棲姫が砲撃するも、それはあっさりと回避される。
パァァァァン
駆逐棲姫「クッ……な、今度ハ一体…!?」
探照灯の明かりが消えた直後、今度は自身の周囲に明かりが灯る。
その明かりの切れ端に一瞬、夕立の姿が映るが明かりは直に消えて辺りには再び闇が広がる。
そしてその直後、何処からともなく声が響く。
──夜はいいよねぇ、夜はさ──
駆逐棲姫「……ッ!ドコから…!」
カカカッ
駆逐棲姫「……ッ!」
ボゴオオォォォォン
駆逐棲姫「ウグッ…!」 小破
飛び道具として改良された投擲型の爆雷。
川内が最も夜戦で愛用する固有の艤装だ。
664: 2014/12/30(火) 20:54:57.00 ID:XSxe8N1lo
皆様こんばんは
本日も宜しくお願いします
本日も宜しくお願いします
665: 2014/12/30(火) 21:05:15.56 ID:XSxe8N1lo
川内「条件は五分と五分…けどさ、この領域じゃ私は絶対に負けない。負ける訳にはいかないんだよ。この身を
盾にしてでも守りたい仲間が居るから…!誰一人、私の前じゃやらせないよ!」
駆逐棲姫「キサマァ…!」
ボゴオオォォォォン ボゴオオォォォォン
駆逐棲姫「グッ…!」 中破
夕立「守られてるばかりじゃないっぽい。駆逐艦だって、私たちだって意地がある!」
Bep「守ってもらってばかりじゃないさ。私たちだって、守ってみせる!」
駆逐棲姫「何故、コウモ狙い違ワズ、こちらヲ……」
夕立「気付けないならそれまでよ。さぁ、素敵なパーティしましょう?」バッ
Bep「君を沈める」サッ
闇の中、声だけのやり取りが終わり二人の気配がその場から消える。
ここまで駆逐棲姫が混乱を見せたのは幾つかの理由があった。
一つは夕刻から夜へと変わった直後、眼が慣れきってないところ、その直後にヴェールヌイが探照灯を使い明る
さを誤魔化し、闇の深さを増加させた事。
厳密には駆逐棲姫の眼を即座に闇に慣れさせない為の囮だ。
更にそこから夕立が照明弾を発射し、駆逐棲姫の場所を明確にする。
極め付けが川内の放っていた夜間偵察機だ。
これの援護も手伝って、川内は駆逐棲姫の居場所をキッチリ把握した上で投擲型爆雷を放つ事が出来たのだ。
そして、その恩恵は既に闇に眼の慣れた三人を更に後押しする。
ザァァァァァ……
駆逐棲姫「」(音…これハ、波ノ音…クルッ!)
ビュオッ
駆逐棲姫「え……?」
駆逐棲姫の横を凄まじい速度で何かが過ぎ去る。
しかし未だ闇に眼の慣れない彼女はそれが何なのか認識すら出来ずに小さく声を漏らすだけだった。
そしてその直後、耳元で聞こえた声に駆逐棲姫の動きが止まる。
盾にしてでも守りたい仲間が居るから…!誰一人、私の前じゃやらせないよ!」
駆逐棲姫「キサマァ…!」
ボゴオオォォォォン ボゴオオォォォォン
駆逐棲姫「グッ…!」 中破
夕立「守られてるばかりじゃないっぽい。駆逐艦だって、私たちだって意地がある!」
Bep「守ってもらってばかりじゃないさ。私たちだって、守ってみせる!」
駆逐棲姫「何故、コウモ狙い違ワズ、こちらヲ……」
夕立「気付けないならそれまでよ。さぁ、素敵なパーティしましょう?」バッ
Bep「君を沈める」サッ
闇の中、声だけのやり取りが終わり二人の気配がその場から消える。
ここまで駆逐棲姫が混乱を見せたのは幾つかの理由があった。
一つは夕刻から夜へと変わった直後、眼が慣れきってないところ、その直後にヴェールヌイが探照灯を使い明る
さを誤魔化し、闇の深さを増加させた事。
厳密には駆逐棲姫の眼を即座に闇に慣れさせない為の囮だ。
更にそこから夕立が照明弾を発射し、駆逐棲姫の場所を明確にする。
極め付けが川内の放っていた夜間偵察機だ。
これの援護も手伝って、川内は駆逐棲姫の居場所をキッチリ把握した上で投擲型爆雷を放つ事が出来たのだ。
そして、その恩恵は既に闇に眼の慣れた三人を更に後押しする。
ザァァァァァ……
駆逐棲姫「」(音…これハ、波ノ音…クルッ!)
ビュオッ
駆逐棲姫「え……?」
駆逐棲姫の横を凄まじい速度で何かが過ぎ去る。
しかし未だ闇に眼の慣れない彼女はそれが何なのか認識すら出来ずに小さく声を漏らすだけだった。
そしてその直後、耳元で聞こえた声に駆逐棲姫の動きが止まる。
666: 2014/12/30(火) 21:19:10.58 ID:XSxe8N1lo
夕立「まず何から撃とうかしら?」
駆逐棲姫「ッ!?」バッ
一瞬の硬直の後、咄嗟に身を翻し声のした方からは遠ざかるように間合いを取ろうと動き出す。
しかしその先に待ち受けているのはヴェールヌイ。
Bep「無駄だね」ドン ドン
駆逐棲姫「ナッ…!?」
ボゴオォォォォン
駆逐棲姫「ガッ……くっ、コノ、程度…ッ!」 中破
夕立「ごめんね。けど、私達も負けられないっぽい」ジャキッ
駆逐棲姫「勝った気に、ナルナッ!!」ジャキッ
ドン ドン ドン ドン
互いの砲撃音が重なり、暗闇に一瞬火花が散る。
ボゴッボゴオォォォォン
二つの砲撃音が重なり合い、再び互いの周囲を一瞬照らし出す。
夕立「くっ…!ハンモック張ってでも、戦うよ!」 中破
駆逐棲姫「痛いじゃ、ナイカ…ッ!」 大破
Bep「なんてタフなんだ」
駆逐棲姫「マダだ…こんな、ワタシは…こんな場所デ、沈まナイ…ッ!」
駆逐棲姫「ッ!?」バッ
一瞬の硬直の後、咄嗟に身を翻し声のした方からは遠ざかるように間合いを取ろうと動き出す。
しかしその先に待ち受けているのはヴェールヌイ。
Bep「無駄だね」ドン ドン
駆逐棲姫「ナッ…!?」
ボゴオォォォォン
駆逐棲姫「ガッ……くっ、コノ、程度…ッ!」 中破
夕立「ごめんね。けど、私達も負けられないっぽい」ジャキッ
駆逐棲姫「勝った気に、ナルナッ!!」ジャキッ
ドン ドン ドン ドン
互いの砲撃音が重なり、暗闇に一瞬火花が散る。
ボゴッボゴオォォォォン
二つの砲撃音が重なり合い、再び互いの周囲を一瞬照らし出す。
夕立「くっ…!ハンモック張ってでも、戦うよ!」 中破
駆逐棲姫「痛いじゃ、ナイカ…ッ!」 大破
Bep「なんてタフなんだ」
駆逐棲姫「マダだ…こんな、ワタシは…こんな場所デ、沈まナイ…ッ!」
667: 2014/12/30(火) 21:29:29.82 ID:XSxe8N1lo
川内「悪いけどここまでだね。私達もさ…ここで躓く訳にはいかないんだよ」チャキッ
ザァァァァァァ……
駆逐棲姫「姿が、見えナクても…音で位置ナラ、解る…!」バッ
川内「それだけで夜戦を語ってもらっちゃ困るなぁ」サッ
駆逐棲姫「落チロ!落チロッ!!」ドン ドン
ヒュン ヒュン……ボゴオオォォォォン
駆逐棲姫の放った砲撃は空を切って何もない海面を叩き割る。
その一瞬を衝いて川内は爆発音に乗じ駆逐棲姫の背後に回り込む。
だがその気配を察してか、駆逐棲姫は敢えて振り向かずに口元だけを釣り上げて静かに笑う。
川内「……!」バッ
駆逐棲姫「……ワタシが気付いてナイとでも、思ってイタのかッ!!」クルッ ジャキッ
川内「…気付いてるのは解ってたよ。カウンターって奴さ!」グッ
ドン ドン ビュッ…ジッ
ボゴオオォォォォン
駆逐棲姫の砲撃直後、まさに砲撃が放たれたその直後、身を捻って川内は射線軸を逸らし紙一重でその砲撃を回避する。
そして突進の勢いは殺さないまま、すれ違い様に進行方向に背を向ける様に更に身を捻って手に構えていた魚雷
をそのまま直接、駆逐棲姫へ向かって放った。
ヒュッ…
駆逐棲姫「…!?か、かわシタのかッ!?バカな……」
ガッ…
駆逐棲姫「ハハッ…冗談、デショ…」
川内「悪いね、終わりだよ」
ザァァァァァァ……
駆逐棲姫「姿が、見えナクても…音で位置ナラ、解る…!」バッ
川内「それだけで夜戦を語ってもらっちゃ困るなぁ」サッ
駆逐棲姫「落チロ!落チロッ!!」ドン ドン
ヒュン ヒュン……ボゴオオォォォォン
駆逐棲姫の放った砲撃は空を切って何もない海面を叩き割る。
その一瞬を衝いて川内は爆発音に乗じ駆逐棲姫の背後に回り込む。
だがその気配を察してか、駆逐棲姫は敢えて振り向かずに口元だけを釣り上げて静かに笑う。
川内「……!」バッ
駆逐棲姫「……ワタシが気付いてナイとでも、思ってイタのかッ!!」クルッ ジャキッ
川内「…気付いてるのは解ってたよ。カウンターって奴さ!」グッ
ドン ドン ビュッ…ジッ
ボゴオオォォォォン
駆逐棲姫の砲撃直後、まさに砲撃が放たれたその直後、身を捻って川内は射線軸を逸らし紙一重でその砲撃を回避する。
そして突進の勢いは殺さないまま、すれ違い様に進行方向に背を向ける様に更に身を捻って手に構えていた魚雷
をそのまま直接、駆逐棲姫へ向かって放った。
ヒュッ…
駆逐棲姫「…!?か、かわシタのかッ!?バカな……」
ガッ…
駆逐棲姫「ハハッ…冗談、デショ…」
川内「悪いね、終わりだよ」
668: 2014/12/30(火) 21:30:02.35 ID:XSxe8N1lo
ボゴオオォォォォォン
ザザザッ
駆逐棲姫「……クッ……」
サァァァァ……
川内「月…?」
夕立「わあ…」
Bep「…ハラショー」
戦闘の終わりを告げるかの様に、雲に隠れていた月が辺りを仄かに照らし出す。
ボロボロになりながら、静かに沈みゆく駆逐棲姫はただ静かに天を仰いで空に遍く星々と月を見上げる。
駆逐棲姫「アァ……ツキガ…月が、きれい……」
川内「…ごめんよ」
夕立「せめて、安らかに眠って欲しいっぽい」
Bep「…ダスビダーニャ。また、いつか…」
669: 2014/12/30(火) 22:16:11.04 ID:XSxe8N1lo
-木曾・神通・那智 vs 空母水鬼-
木曾「イムヤ達を『カンゲO』してくれたそうじゃねぇか」
水鬼「アァ、あの潜水艦娘達?バカよねぇ、潜ってレバ良いのに、ワザワザ出てクルんだから…」
神通「彼女達の抱いた無念の分、清算させて頂きます」
水鬼「出来ルノ?脆弱な艦娘風情ガ…」
那智「脆弱かどうか、貴様の身をもって知れ」
水鬼「生意気ネ。そう言えば、ピーコックも何かヘンな言い方シテたわネ。未来がどうトカ…その先へアナタ達
も進みたい…ノカ?」
那智「ふん、私はただ眼前の敵を撃ち滅ぼすのみだ」
木曾「ああ、てめぇにきっちり落とし前付けた上で俺達は先へ進むぜ」
神通「出し惜しみはしません」
水鬼「そう……ナラ、やらせは…シナイヨッ!」バッ ヒュン ヒュン ヒュン
那智「制空権は無理だ。迎撃しつつ、空と海、両方に注意を向ける必要がある」
木曾「わーかってるよ」
神通「きます!」
バッ
三人は空母水鬼から放たれた艦載機に合わせて一斉に動き出す。
木曾「対空は任せろ!俺が迎撃する!」
那智「ふん、ならばやってみせろ!」
神通「お願いします!」
水鬼「朽ち果てルトいい…空爆ノ雨に全て焼かレテナッ!」
ブゥゥゥゥゥゥン……
木曾「へっ…別に騒ぐほどのこともない。俺は球磨型の木曾だ…俺の前に立ちはだかるヤツは容赦しねぇ」ジャキッ
那智「いくぞっ!」
神通「はいっ!」
木曾「うおらあぁぁぁぁぁっ!!」ダダダダダダダダッ
木曾「イムヤ達を『カンゲO』してくれたそうじゃねぇか」
水鬼「アァ、あの潜水艦娘達?バカよねぇ、潜ってレバ良いのに、ワザワザ出てクルんだから…」
神通「彼女達の抱いた無念の分、清算させて頂きます」
水鬼「出来ルノ?脆弱な艦娘風情ガ…」
那智「脆弱かどうか、貴様の身をもって知れ」
水鬼「生意気ネ。そう言えば、ピーコックも何かヘンな言い方シテたわネ。未来がどうトカ…その先へアナタ達
も進みたい…ノカ?」
那智「ふん、私はただ眼前の敵を撃ち滅ぼすのみだ」
木曾「ああ、てめぇにきっちり落とし前付けた上で俺達は先へ進むぜ」
神通「出し惜しみはしません」
水鬼「そう……ナラ、やらせは…シナイヨッ!」バッ ヒュン ヒュン ヒュン
那智「制空権は無理だ。迎撃しつつ、空と海、両方に注意を向ける必要がある」
木曾「わーかってるよ」
神通「きます!」
バッ
三人は空母水鬼から放たれた艦載機に合わせて一斉に動き出す。
木曾「対空は任せろ!俺が迎撃する!」
那智「ふん、ならばやってみせろ!」
神通「お願いします!」
水鬼「朽ち果てルトいい…空爆ノ雨に全て焼かレテナッ!」
ブゥゥゥゥゥゥン……
木曾「へっ…別に騒ぐほどのこともない。俺は球磨型の木曾だ…俺の前に立ちはだかるヤツは容赦しねぇ」ジャキッ
那智「いくぞっ!」
神通「はいっ!」
木曾「うおらあぁぁぁぁぁっ!!」ダダダダダダダダッ
670: 2014/12/30(火) 22:27:33.65 ID:XSxe8N1lo
ボボボボボボボボン
無数に飛来する空母水鬼の艦載機に木曽が対空砲火を浴びせかけ、それを合図とする様に両左右から那智と神通
が空母水鬼へ向けて駆け出す。
水鬼「ホラッ、撃ち漏らしヨ!」ヒュン ヒュン
那智「小賢しい!」
神通「押し通ります!」
ボゴオォォォン ボゴオォォォン
空爆の降り注ぐ中、那智と神通は左に右にと巧みに舵を取りながら速度を落とさず空母水鬼へ迫る。
那智「落ちろ!」ドン ドン
神通「そこです!」ドン ドン
間合いに到達すると同時に、二人の艦娘は声を揃えて同時に砲撃を開始する。
ヒュン ヒュン
ボゴオオオォォォォン
那智「なっ…!」
神通「そんな…」
水鬼「モノは使いよう、デショウ?」
避ける動作を微塵も見せないかと思えば、空母水鬼は自ら生み出した艦載機自身を盾代わりに砲弾の真っ只中へ
発艦させて砲弾に直撃させて誘爆、荒い手法で那智達の砲撃を制圧する。
その所業、まさに鬼。
那智「下衆め…」
水鬼「褒めテルのカシラ?」
神通「……」
水鬼「さぁ、次のに対処ガ出来るカシラ」ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
那智「…木曾っ!」
木曾「っせー!やってやる!!」ジャキッ
水鬼「氏になサイッ!」バッ
対空に備えて木曽が再び無数に空を舞う空母水鬼の艦載機を睨みつける。
だが次の瞬間────
671: 2014/12/30(火) 22:39:34.70 ID:XSxe8N1lo
神通「木曾さんっ!!」ダッ
木曾「……っ!」
水鬼「馬鹿面下ゲテ、そのまま沈みナサイッ!」ジャキッ
上空に注意を逸らされた木曾の眼前に空母水鬼が迫り、玉座のような深海棲艦特有の黒塗りの艤装、その砲塔が
木曾に差し向けられる。
木曾「こいつ、砲撃も…っ!」
水鬼「サヨウナラ」ドン ドン
神通「…させません!」ビュッ
空母水鬼の砲撃とほぼ同時に互いの間に割り込んだ神通が眼にも留まらぬ速さで腰に下げた武刀剣を一閃させる。
空母水鬼の放った砲撃、その全てを神通は捌いて対処する。
水鬼「ナッ…!?」
ボボボボボンッ
木曾「神通…」
那智「馬鹿共が…っ!」ダッ
水鬼「小賢シイ真似ヲ…けど、何か忘レテるんじゃナイかしら」ニヤッ…
木曾「…ッ!避けろっ、神通!!」
神通「……っ!」
水鬼「纏めて沈みナサイッ!」
ボゴオオオォォォォォォォォン
水鬼「フフフ…アハハハハッ!馬鹿ナ連中ね」
木曾「……っ!」
水鬼「馬鹿面下ゲテ、そのまま沈みナサイッ!」ジャキッ
上空に注意を逸らされた木曾の眼前に空母水鬼が迫り、玉座のような深海棲艦特有の黒塗りの艤装、その砲塔が
木曾に差し向けられる。
木曾「こいつ、砲撃も…っ!」
水鬼「サヨウナラ」ドン ドン
神通「…させません!」ビュッ
空母水鬼の砲撃とほぼ同時に互いの間に割り込んだ神通が眼にも留まらぬ速さで腰に下げた武刀剣を一閃させる。
空母水鬼の放った砲撃、その全てを神通は捌いて対処する。
水鬼「ナッ…!?」
ボボボボボンッ
木曾「神通…」
那智「馬鹿共が…っ!」ダッ
水鬼「小賢シイ真似ヲ…けど、何か忘レテるんじゃナイかしら」ニヤッ…
木曾「…ッ!避けろっ、神通!!」
神通「……っ!」
水鬼「纏めて沈みナサイッ!」
ボゴオオオォォォォォォォォン
水鬼「フフフ…アハハハハッ!馬鹿ナ連中ね」
675: 2014/12/31(水) 17:25:36.64 ID:4BpBRiSho
──これくらいの傷……なんてことは、ない──
水鬼「……ッ!?」
爆煙の中から響く声、やがて風に流され爆煙が吹き抜けて消え去った後には無傷の木曾と神通、そしてその二人
を守るように、前面に出て堪えた那智の姿があった。
那智「…詰が、甘かったな。深海棲艦…っ!」 中破
神通「那智さん…!」
木曾「お前…」
那智「……つくづく、貴様らの言う守るの意味が、私には理解しかねる。どれだけ守ろうと最後に立っていなけ
れば無意味だろう…何故、貴様らにはこんな真似が幾度も成せる……」
神通「一人で立てないなら、支えてもらえば良いじゃないですか」
那智「何…?」
木曾「その為の『戦隊』だろ。もっと仲間を信じろ。てめぇのケツ持ちくらい、何度だって請け負ってやる」
神通「ここからです」
木曾「あぁ、こっからだ。俺達の戦闘ってヤツをあいつに教えてやろうじゃねぇか」
那智「……ふっ、はは…そうか。なるほど…嫌いでは、ない。こういうのも、悪くはないものだ…」
神通「ふふっ」ニコッ…
木曾「へっ、素直じゃねぇヤツだぜ」ニヤッ
水鬼「目障リナ…」
木曾「神通、あいつの艦載機をまともに相手してたら日が暮れる。が、放っておくワケにもいかねぇ」
神通「武刀剣の破壊力なら、とも思いましたが…生憎あちらは間合いを取るのが上手です」
木曾「だろうな。けど、予想外の事態が起きればそれも狂うってもんだ」
神通「え?」
木曾「お前の武刀剣、俺に預けてくんねぇか。必ず役立てる」
神通「それは、構いませんが…」
木曾「んじゃ、説明する────」
676: 2014/12/31(水) 17:26:48.77 ID:4BpBRiSho
北上「いいかい、木曾っち。頭はクールに、心はホット、だよ!」
木曾「んだよそのマンガみてぇな台詞はよ!」
北上「え、マンガの受け売りってよく解ったね」
木曾「まんまかよ!馬鹿なのか、てめぇは!?」
北上「まぁ聞きなって。案外私達には当てはまる言葉だったりするんだよね~」
木曾「ああ?」
北上「ほら、うちらって何だかんだで結構装甲はうっすいじゃない?」
木曾「ん、まぁ、な…」
北上「戦艦は愚か空母系や重巡、下手すりゃ軽巡の一撃やなんかでも結構怖いわけさ。だから、考えんのよ」
木曾「考えるだぁ?」
北上「そっ、どうしても劣っちゃう部分はあるわけだしさ、だったらその分は頭でカバーだよ、木曾っち」
木曾「────ねぇ頭で考えた策だ」
神通「…………」
木曾「伸るか反るかは任せる。失敗すりゃ俺らはお釈迦だ。少なくとも俺ぁ確実にやられちまう」
神通「ここまできて、伸るか反るか、なんて聞くまでもありません」
木曾「ははっ、野暮だったか。じゃ…頼むぜ、相棒」
神通「木曾さんの進む道、私が切り開きます」
那智「勝手に、話を進めるな…」
木曾「おまっ、無茶するな!」
那智「ほざけ…命を懸ける作戦に掛かろうとしてる仲間を、そのまま見す見すいかせるものか…!」
神通「那智さん…」
那智「新鋭に騙され沈んでいった同胞は少なくない…ここで、出ずして何が仲間だ!」
木曾「…だよな。ああ、その通りだ!俺ら三人、一蓮托生!やるなら三人、全員でやり遂げるっきゃねぇよな!」
那智「当然だ…!これは、この戦いは仲間たちの仇だ!追撃する!」
神通「はい…!」
水鬼「コソコソと…氏ぬ順番デモ決めていたのカシラ?」
木曾「バァカ。てめぇを仕留める段取りとトドメ誰が刺すかで揉めてたんだよ。塩水で首でも洗って待っとけ!」
水鬼「…笑えナイ冗談はキライなの。氏になサイ」ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
那智「いくぞっ!砲雷撃戦、用意!!」
水鬼「お前達如きノ砲雷撃ナド、恐れるコトなど何モない!」
神通「次発装填済みです。これからです!」
木曾「言ってろ。てめぇに本当の戦闘ってヤツを、教えてやるよ!」
木曾「んだよそのマンガみてぇな台詞はよ!」
北上「え、マンガの受け売りってよく解ったね」
木曾「まんまかよ!馬鹿なのか、てめぇは!?」
北上「まぁ聞きなって。案外私達には当てはまる言葉だったりするんだよね~」
木曾「ああ?」
北上「ほら、うちらって何だかんだで結構装甲はうっすいじゃない?」
木曾「ん、まぁ、な…」
北上「戦艦は愚か空母系や重巡、下手すりゃ軽巡の一撃やなんかでも結構怖いわけさ。だから、考えんのよ」
木曾「考えるだぁ?」
北上「そっ、どうしても劣っちゃう部分はあるわけだしさ、だったらその分は頭でカバーだよ、木曾っち」
木曾「────ねぇ頭で考えた策だ」
神通「…………」
木曾「伸るか反るかは任せる。失敗すりゃ俺らはお釈迦だ。少なくとも俺ぁ確実にやられちまう」
神通「ここまできて、伸るか反るか、なんて聞くまでもありません」
木曾「ははっ、野暮だったか。じゃ…頼むぜ、相棒」
神通「木曾さんの進む道、私が切り開きます」
那智「勝手に、話を進めるな…」
木曾「おまっ、無茶するな!」
那智「ほざけ…命を懸ける作戦に掛かろうとしてる仲間を、そのまま見す見すいかせるものか…!」
神通「那智さん…」
那智「新鋭に騙され沈んでいった同胞は少なくない…ここで、出ずして何が仲間だ!」
木曾「…だよな。ああ、その通りだ!俺ら三人、一蓮托生!やるなら三人、全員でやり遂げるっきゃねぇよな!」
那智「当然だ…!これは、この戦いは仲間たちの仇だ!追撃する!」
神通「はい…!」
水鬼「コソコソと…氏ぬ順番デモ決めていたのカシラ?」
木曾「バァカ。てめぇを仕留める段取りとトドメ誰が刺すかで揉めてたんだよ。塩水で首でも洗って待っとけ!」
水鬼「…笑えナイ冗談はキライなの。氏になサイ」ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
那智「いくぞっ!砲雷撃戦、用意!!」
水鬼「お前達如きノ砲雷撃ナド、恐れるコトなど何モない!」
神通「次発装填済みです。これからです!」
木曾「言ってろ。てめぇに本当の戦闘ってヤツを、教えてやるよ!」
677: 2014/12/31(水) 17:27:36.41 ID:4BpBRiSho
ドン ドン ドン ドン
那智の構えた主砲は空母水鬼を狙いに収め、微塵もその砲塔はブレずにピッタリと止まる。
そして木曾の咆哮と共に那智の手にする主砲が火を吹いた。
それに合わせるように空母水鬼の艦爆艦攻隊による空からの攻撃も開始される。
そして木曾と神通はそのどれにも気を取られず、ただ真っ直ぐに空母水鬼へ向けて進路を固定する。
水鬼「アハハハッ!味方を見捨てて、神風特攻デモ仕掛ける気ナノ!?」ヒュン ヒュン
木曾「……!」
神通「……」
水鬼「マダマダ……何度だって艦載機ハ放てるワ。無残に朽ち果てナサイ!!」
ボゴオォォォォン ボボボボボンッ
木曾「ちっ」
神通「…っ!」
水鬼「沈メッ!沈メッ!!」ヒュン ヒュン
ブゥゥゥゥゥゥゥン……
木曾「」(くそっ……俺の、俺の考えが甘かったのか…!)チラッ…
小さく頭を振って併走する神通を見やると、彼女は一瞬だけその視線に気付いて小さく笑って頷く。
その笑みと『大丈夫』という肯定を示す頷き、これだけで揺らぎ掛けた木曾の考えは再び礎を得て強く立つ。
その直後、後方から後押しする声と砲撃音が木霊した。
ドン ドン
ボゴオオォォォォォン
那智「進めッ!貴様たちの道、この那智が必ず切り開く!!」
神通「…そうです。そして私が、木曾さんが行く先を切り開きます!」グッ
水鬼「シブトイわね…!」ヒュン ヒュン
神通「この程度の苦難、何度だって超えて見せます!」バババッ
水鬼「ナッ…!?」(何だ、コノ艦娘の動きは…ソレニ……アノ、構えハ…)
神通「この戦いに、終止符を打ちます!」ビュッ
神通の構えは居合いのそれ。
しかし、武刀剣を振るう間合いでもなければ肝心の物は木曾に貸し与えている。
そう、神通が手にしているのは魚雷の発射管。
その動きに完全に虚を衝かれた空母水鬼は判断が遅れる。
678: 2014/12/31(水) 17:28:06.36 ID:4BpBRiSho
水鬼「何か、クル…!?」
カッ
水鬼「バカな…!コイツ、魚雷ヲ……」
ボゴオオオォォォォォン
水鬼「グッ……!」 小破
那智「よしっ!」
水鬼「小賢シイッ!!」ヒュン ヒュン
神通「…っ!」
ブゥゥゥゥゥン……ボゴオオォォォォン
木曾「……ッ!」
神通「まだ、です…!まだこれからです…!!」 中破
水鬼「チィッ…!」
木曾「やっと…」
水鬼「クソッ…!」
木曾「ご対面だな────」
木曾「────至近距離まで近付けりゃ正直な所、打つ手はあると思う」
神通「ですがそれが至難です。制空権は十中八九向こうにあります」
木曾「あぁ…だから、悪ぃ…空爆を出来る限りひきつけて欲しい」
神通「…全く、突拍子もありませんね」
木曾「お前の速度で近付いてこられたら、あいつもお前に意識が集中すると思うんだ」
神通「その隙に側面から木曾さんが接近し、肉薄…武刀剣と砲撃の嵐を見舞うという事ですね?」
木曾「あぁ、完全に接近されたとなりゃあ、お前への艦攻艦爆も発艦させてあるもののみになる。お前も一気に
近付いてきたら完全にこっちのもんだ」
神通「憂いは…」
木曾「あぁ、艦攻艦爆の嵐を切り抜けれるか…でもって、意表を衝いた砲撃…隣接出来ても正直気は抜けねぇ」
神通「けど、このまま手を拱いている訳にも参りません」
木曾「ああ、やる価値はあるって思ってる。ねぇ頭で考えた策だ」
神通「…………」
木曾「伸るか反るかは任せる。失敗すりゃ俺らはお釈迦だ。少なくとも俺ぁ確実にやられちまう」
神通「ここまできて、伸るか反るか、なんて聞くまでもありません」
木曾「ははっ、野暮だったか。じゃ…頼むぜ、相棒────」
木曾「────恩に着るぜ、相棒共…!」スラッ…
水鬼「まだ…ッ!」ジャキッ
ズバッ
水鬼「ナッ…!?」
木曾「させっかよ。お前等と背負ってるもんがこっちはダンチで違ぇんだ。悪ぃがこっからは俺の独断場だ」
カッ
水鬼「バカな…!コイツ、魚雷ヲ……」
ボゴオオオォォォォォン
水鬼「グッ……!」 小破
那智「よしっ!」
水鬼「小賢シイッ!!」ヒュン ヒュン
神通「…っ!」
ブゥゥゥゥゥン……ボゴオオォォォォン
木曾「……ッ!」
神通「まだ、です…!まだこれからです…!!」 中破
水鬼「チィッ…!」
木曾「やっと…」
水鬼「クソッ…!」
木曾「ご対面だな────」
木曾「────至近距離まで近付けりゃ正直な所、打つ手はあると思う」
神通「ですがそれが至難です。制空権は十中八九向こうにあります」
木曾「あぁ…だから、悪ぃ…空爆を出来る限りひきつけて欲しい」
神通「…全く、突拍子もありませんね」
木曾「お前の速度で近付いてこられたら、あいつもお前に意識が集中すると思うんだ」
神通「その隙に側面から木曾さんが接近し、肉薄…武刀剣と砲撃の嵐を見舞うという事ですね?」
木曾「あぁ、完全に接近されたとなりゃあ、お前への艦攻艦爆も発艦させてあるもののみになる。お前も一気に
近付いてきたら完全にこっちのもんだ」
神通「憂いは…」
木曾「あぁ、艦攻艦爆の嵐を切り抜けれるか…でもって、意表を衝いた砲撃…隣接出来ても正直気は抜けねぇ」
神通「けど、このまま手を拱いている訳にも参りません」
木曾「ああ、やる価値はあるって思ってる。ねぇ頭で考えた策だ」
神通「…………」
木曾「伸るか反るかは任せる。失敗すりゃ俺らはお釈迦だ。少なくとも俺ぁ確実にやられちまう」
神通「ここまできて、伸るか反るか、なんて聞くまでもありません」
木曾「ははっ、野暮だったか。じゃ…頼むぜ、相棒────」
木曾「────恩に着るぜ、相棒共…!」スラッ…
水鬼「まだ…ッ!」ジャキッ
ズバッ
水鬼「ナッ…!?」
木曾「させっかよ。お前等と背負ってるもんがこっちはダンチで違ぇんだ。悪ぃがこっからは俺の独断場だ」
679: 2014/12/31(水) 17:28:39.39 ID:4BpBRiSho
水鬼「ナメるな…!」
木曾「舐めちゃいねぇよ。だからてめぇの命を仲間に託すんだろうが…!言っとくが、この距離だったら否が応
でも外さねぇよ」
水鬼「バカが…!」ニヤッ ジャキッ
木曾「…ッ!」
ボンッ
神通「…っ!木曾さんっ!!」
那智「っ……!」
至近距離から木曾の氏角になる部分より放たれた空母水鬼の一発の砲弾は木曾を直撃する。
ブンッ…
しかし、先に抜いた武刀剣とは別にもう一本、神通から預かり受けた武刀剣を抜き放ち、額から流血しながらも
木曽はその眼を真っ直ぐ空母水鬼へ向ける。
砲撃による衝撃でいつも隠している右目の眼帯も破け散り、その瞳が露になっている。
木曾「くくっ…ちょっとばかし涼しくなったぜ。けどなぁ……やれ滑走台だ、カタパルトだ、そんなもんはいら
ねぇな。戦いは、こうやって…敵の懐に飛び込んでやるもんよ。なあ?」ニヤッ… 中破
水鬼「寄ルナ…!」ブンッ
木曾「っと…へへっ、そうは問屋が卸さねぇってな」キンッ
木曾「舐めちゃいねぇよ。だからてめぇの命を仲間に託すんだろうが…!言っとくが、この距離だったら否が応
でも外さねぇよ」
水鬼「バカが…!」ニヤッ ジャキッ
木曾「…ッ!」
ボンッ
神通「…っ!木曾さんっ!!」
那智「っ……!」
至近距離から木曾の氏角になる部分より放たれた空母水鬼の一発の砲弾は木曾を直撃する。
ブンッ…
しかし、先に抜いた武刀剣とは別にもう一本、神通から預かり受けた武刀剣を抜き放ち、額から流血しながらも
木曽はその眼を真っ直ぐ空母水鬼へ向ける。
砲撃による衝撃でいつも隠している右目の眼帯も破け散り、その瞳が露になっている。
木曾「くくっ…ちょっとばかし涼しくなったぜ。けどなぁ……やれ滑走台だ、カタパルトだ、そんなもんはいら
ねぇな。戦いは、こうやって…敵の懐に飛び込んでやるもんよ。なあ?」ニヤッ… 中破
水鬼「寄ルナ…!」ブンッ
木曾「っと…へへっ、そうは問屋が卸さねぇってな」キンッ
680: 2014/12/31(水) 17:29:07.75 ID:4BpBRiSho
両手に携えた武刀剣を目の前で交差させ、木曽が不敵に笑う。
木曾「なぁ、提督。武刀剣なんだけどよ、これ俺専用なんだろ?」
提督「ああ、夕張がお前に神通に利根に川内に、それぞれ長さ重さを調節して造った文字通り特注品だ」
木曾「そんじゃやっぱ他人の武刀剣借りるってワケにもいかねぇかー」
提督「はぁ?」
木曾「いやな?結構、この俺用にカスタマイズしてくれた武刀剣軽くてさ。この重量だったらちょいと魚雷管を
いくつか取っ払っちまえばもう一本持てっかなー、とか思ったワケよ」
提督「二刀流ってことか」
木曾「おう!」
提督「お前が言うほど二刀流ってのは簡単なもんじゃないぞ」
木曾「ああ?そうなのか?」
提督「まずは単純に刀を片手だけで安定させれるだけの筋力が必要だ。そして両手で構えるのとは違い、一発毎
に隙も生じやすい。それを補うためにもう片方の刀で追撃・防御と言った所作を考えて動かさなきゃならん」
木曾「なるほどねぇ…」
提督「二刀流に興味があるのか?」
木曾「んー、いやそういうワケじゃねぇんだけど、二本あったらつえーかなーって」
提督「ったく、お前はホント単純だな。それにしても…」クスッ
木曾「な、なんだよ!」
提督「いや、口の悪さとは裏腹に随分と食べてる物は女の子してるじゃないか」
木曾「っ~~~!うるせぇ!///」
提督「甘いの苦手じゃなかったのか?」
木曾「き、北上に押し付けられたんだよ!物は粗末にするんじゃねぇって伝えとけ!くそっ、甘すぎる!甘すぎ
て反吐が出るぜぇぇぇっ!!」
提督「…滅茶苦茶美味そうに食べるな」
木曾「やっぱデザートはチーズケーキに限るかぁ…へへっ、尚更こんな海のど真ん中で氏んでらんねぇわ」
水鬼「ソンナ鉄のガラクタで何ができる…!」
木曾「てめぇを三枚に卸すくらいはできんじゃねぇかな。その掻っ捌いた艤装みてぇによ」
水鬼「キサマァ…!」ギリッ…
木曾「らぁっ!!」ブンッ
水鬼「クッ…!」サッ
681: 2014/12/31(水) 17:29:34.56 ID:4BpBRiSho
バババッ
身体を捻り、回転するようにして両手に持った武刀剣を振り回しながら木曾が空母水鬼へ斬りかかるが、それを
なんとか空母水鬼は身を捩ってかわす。
さり気無く提督に相談をしてから今に至るまで、木曽はあらゆる重さの刀を実際に持って訓練を重ねた。
木曽は自身の性格をよく自覚していた。
まずは型に嵌った基本的な動作が疎かになりやすい事。
故に元となる型が存在するような構えを余り好かない。
神通のような居合いの構え、利根のような刺突の構え、どれも真似ては見たものの自分にフィットしなかった。
そして木曾なりに、どんな構え、どんな持ち方、どんな方法が自分にしっくりくるのか研究に研究を重ねた。
そして得たのが今の構え。
利き手となり力も入る右は順手、力はそれほどでもないが器用に扱える左は逆手に持つ型。
木曾「いくぜ?」ニヤッ
一拍置いて不敵に笑った木曾が海面を強く蹴り、空母水鬼の間合いに深く踏み込む。
それを空母水鬼は迎撃しようと迎え撃つ。
水鬼「寄るナァァァッ!!」ドン ドン
サッ スパァァン…
ボボボボン
木曾「狙ったら外さねぇ!」バシュンッ バシュンッ
武刀剣を振り抜いた硬直時間、その間に脇に構えていた魚雷数基から何本かの魚雷を発射し、即座にまた海面を
蹴って空母水鬼へ肉薄する。
木曾「おら、好きな方守れよ」ザッ
水鬼「コイツ…!」
ガシュッ ガガッ
木曾「…ッ!てめぇ…!」
水鬼「ノロマな魚雷を放ったノハ、失策だったみたいネ」ググッ
木曾「……ッ!!くそ、切り裂けねぇ…!」
682: 2014/12/31(水) 17:30:01.95 ID:4BpBRiSho
水鬼「魚雷ノ一発や二発、氏に目の褒美に食らッテあげるワヨ。ただし、アナタにも同席シテもらうけれど…!」
木曾「ちっ…!しょうがねぇか…」
水鬼「アラ…諦め早いワネ」
木曾「くくっ、その前にてめぇも何か忘れてんじゃねーのか」
水鬼「え…?……ッ!」キョロキョロッ
木曾の不敵な笑みに空母水鬼は何かを察して周囲を見渡す。
だがその時には既に木曾達の布陣は完成していた。
那智「渾身込めて全弾撃ち尽くす!」ジャキッ
神通「まだまだ…これからです!」ジャキッ
水鬼「しまっ……」
木曾「悪ぃな…この勝負、俺達の勝ちだ」
ドン ドン ドン ドン
神通「木曾さん…!」
木曾「構うな!」
ズバァッ
水鬼「ガアア……ッ!!」 中破
木曾「信頼できる仲間の一撃だ。タイミングくらいわかってるってんだ」
水鬼「キ、キサマ…まさか…!」
木曾「魚雷は囮、刀が抜けねぇのは芝居だ。残念だったな!神通!!」ダッ ブンッ
ボゴオオォォォォン
水鬼「オノ、レ…ッ!」 中破
神通「確かに…!」ガシッ ヒュンヒュン キンッ
那智「いけっ!」
木曾「決めるぞ!」チャキッ
神通「推して参ります!」スッ…
木曾に気を取られ那智と神通の動きを見落としていた空母水鬼は二人の接近に気付かず、三人の艦娘に易々と間
合いの中へと侵入を許してしまっていた。
極めつけは木曾の芝居だろう。
最初に放った魚雷、これは彼女が言っていた通りただの囮だった。
そして空母水鬼の艤装に深々と突き刺した武刀剣も、抜けない芝居をしたのも自身に空母水鬼の意識を釘付けに
させる為に打った一芝居。
結果として木曽に手一杯となっていた空母水鬼は那智と神通の存在を忘れる事となった。
そして矢継ぎ早に放たれた那智と神通の一撃、芝居をやめて一気に振り抜いた木曾の斬撃が空母水鬼を強襲し、
態勢を立て直すだけで手一杯となったところに木曾と神通が武刀剣を構え直して一気に駆け出す。
木曾「終わりだ、空母水鬼!」ビュッ
木曾「ちっ…!しょうがねぇか…」
水鬼「アラ…諦め早いワネ」
木曾「くくっ、その前にてめぇも何か忘れてんじゃねーのか」
水鬼「え…?……ッ!」キョロキョロッ
木曾の不敵な笑みに空母水鬼は何かを察して周囲を見渡す。
だがその時には既に木曾達の布陣は完成していた。
那智「渾身込めて全弾撃ち尽くす!」ジャキッ
神通「まだまだ…これからです!」ジャキッ
水鬼「しまっ……」
木曾「悪ぃな…この勝負、俺達の勝ちだ」
ドン ドン ドン ドン
神通「木曾さん…!」
木曾「構うな!」
ズバァッ
水鬼「ガアア……ッ!!」 中破
木曾「信頼できる仲間の一撃だ。タイミングくらいわかってるってんだ」
水鬼「キ、キサマ…まさか…!」
木曾「魚雷は囮、刀が抜けねぇのは芝居だ。残念だったな!神通!!」ダッ ブンッ
ボゴオオォォォォン
水鬼「オノ、レ…ッ!」 中破
神通「確かに…!」ガシッ ヒュンヒュン キンッ
那智「いけっ!」
木曾「決めるぞ!」チャキッ
神通「推して参ります!」スッ…
木曾に気を取られ那智と神通の動きを見落としていた空母水鬼は二人の接近に気付かず、三人の艦娘に易々と間
合いの中へと侵入を許してしまっていた。
極めつけは木曾の芝居だろう。
最初に放った魚雷、これは彼女が言っていた通りただの囮だった。
そして空母水鬼の艤装に深々と突き刺した武刀剣も、抜けない芝居をしたのも自身に空母水鬼の意識を釘付けに
させる為に打った一芝居。
結果として木曽に手一杯となっていた空母水鬼は那智と神通の存在を忘れる事となった。
そして矢継ぎ早に放たれた那智と神通の一撃、芝居をやめて一気に振り抜いた木曾の斬撃が空母水鬼を強襲し、
態勢を立て直すだけで手一杯となったところに木曾と神通が武刀剣を構え直して一気に駆け出す。
木曾「終わりだ、空母水鬼!」ビュッ
683: 2014/12/31(水) 17:30:43.42 ID:4BpBRiSho
ズバァッ
水鬼「ガハッ!」 大破
神通「……」タンッ
水鬼「オノレ、オノレ、オノレ、オノレ……ッ!!」ジャキッ
ボゴオオォォォォン
水鬼「ガッ…!」
那智「させるか!」
水鬼「キ、サマ…!」
水鬼の構えた艤装を狙って那智が動きを封じ、その隙に神通が更に迫る。
神通「先へ、進ませて頂きます」
水鬼「……クソ……イイダロウ…進むガ…いいわ……」
ズバァッ
神通と空母水鬼が交錯し、そして空母水鬼が静かに水底へと沈んでいく。
キンッ
神通「……貴女の事を、私達は忘れません」
木曾「おら…」スッ…
那智「ふん…」スッ…
神通「ふふっ」スッ…
パァンッ
三人が三人とも片手を上げてハイタッチをする。
木曾「へへっ」
那智「ふっ」
神通「やりましたね」
690: 2015/01/03(土) 20:29:15.47 ID:gAPve/dKo
-ピーコック・リコリス vs フェアルストCL-
リコリス「よもやコンナ展開になるナンテ…誰が想定したカシラね」
ピーコック「誰も想定できないわよ。予想外しかないんだから」
フェアルストCL「何故、我々ヲ裏切ル」
ピーコック「彼女と同じ成りと声でそういう事言わないでくれる?イラつくわ」
リコリス「生まれたバカリの赤子同然なアナタが、それを言うワケ?」
フェアルストCL「今更、話し合う余地ナドなかったと言うコトか」
リコリス「当然ヨネ」
ピーコック「余りフェアルストを穢さないで欲しいわ」
フェアルストCL「私ヲ、穢す…?」
ピーコック「って…まぁ、そういう反応よね。ホント、面倒くさい」
リコリス「まぁ、邪魔シテくるって言うんだカラ、排除しなきゃネ」サッ…ヒュン ヒュン ヒュン
ピーコック「追撃戦開始よ。第一艦攻艦爆隊、第二艦攻艦爆隊、発艦準備…!」サッ…
フェアルストCL「ソノ全てを焼き払う」ジャキッ
ピーコック「さぁ、精鋭達…今こそ、その実力を示しなさい。この空を縦横無尽に飛翔しろ!」ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
リコリス「……!」(大したモノね……この艦載数……私ですら驚くホドだわ)
フェアルストCL「例え幾万、幾億と飛ばソウと、ワタシには関係ナイッ!!」
『ねぇ、コノ戦いが終わっタラ、アナタはどうしたい?』
『静カナ時代で、ただコノ海のように揺蕩うノモ、悪くないカモしれナイ』
『青い空、青い海、恋焦がレタものがソコにある』
『二度と、手に入れるコトは叶わないのカモしれない』
『ケド、そうね……想いを馳せる、ソレくらいは許されナイかしら……』
『どう、カシラ…一度ハ、手放してシマったんだモノ…』
『もう一度、ナンテ流石に虫が良過ぎるカシラね?』
『なら、深く想い続けまショウ。信じて、待ち続けまショウ。そうスレバ、いつか……キット……』
リコリス「よもやコンナ展開になるナンテ…誰が想定したカシラね」
ピーコック「誰も想定できないわよ。予想外しかないんだから」
フェアルストCL「何故、我々ヲ裏切ル」
ピーコック「彼女と同じ成りと声でそういう事言わないでくれる?イラつくわ」
リコリス「生まれたバカリの赤子同然なアナタが、それを言うワケ?」
フェアルストCL「今更、話し合う余地ナドなかったと言うコトか」
リコリス「当然ヨネ」
ピーコック「余りフェアルストを穢さないで欲しいわ」
フェアルストCL「私ヲ、穢す…?」
ピーコック「って…まぁ、そういう反応よね。ホント、面倒くさい」
リコリス「まぁ、邪魔シテくるって言うんだカラ、排除しなきゃネ」サッ…ヒュン ヒュン ヒュン
ピーコック「追撃戦開始よ。第一艦攻艦爆隊、第二艦攻艦爆隊、発艦準備…!」サッ…
フェアルストCL「ソノ全てを焼き払う」ジャキッ
ピーコック「さぁ、精鋭達…今こそ、その実力を示しなさい。この空を縦横無尽に飛翔しろ!」ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
リコリス「……!」(大したモノね……この艦載数……私ですら驚くホドだわ)
フェアルストCL「例え幾万、幾億と飛ばソウと、ワタシには関係ナイッ!!」
『ねぇ、コノ戦いが終わっタラ、アナタはどうしたい?』
『静カナ時代で、ただコノ海のように揺蕩うノモ、悪くないカモしれナイ』
『青い空、青い海、恋焦がレタものがソコにある』
『二度と、手に入れるコトは叶わないのカモしれない』
『ケド、そうね……想いを馳せる、ソレくらいは許されナイかしら……』
『どう、カシラ…一度ハ、手放してシマったんだモノ…』
『もう一度、ナンテ流石に虫が良過ぎるカシラね?』
『なら、深く想い続けまショウ。信じて、待ち続けまショウ。そうスレバ、いつか……キット……』
691: 2015/01/03(土) 20:52:06.34 ID:gAPve/dKo
ピーコック「今が、その時よ。フェアルスト…!」
ボゴオオォォォォォン
ボゴオオォォォォォン
ボゴオオォォォォォン
ピーコックとリコリスの放った艦載機はフェアルストCLの対空砲火を物ともせずに一斉に彼女目掛けて凄まじい
火力を誇る艦攻・艦爆による怒涛の攻撃を見舞う。
だが、それを嘲笑うかのようにフェアルストCLが白煙漂う中から悠然と姿を現す。
フェアルストCL「ワタシの装甲を甘くミテると、痛い目シカ見ないワヨ?」
リコリス「コイツ…!」
ピーコック「そうね、フェアルスト。貴女は本当に強かった…けど、目の前に居る貴女じゃ私達は倒せない」
リコリス「ピーコック…」
ピーコック「アイアン・ボトムサウンドの亡霊…貴女はここで沈みなさい」サッ…ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
フェアルストCL「沈むのハ、お前達ダッ!!」ジャキッ
ドォン ドォン ドォン ドォン
ボゴオオオオォォォォォォォン
凄まじい爆音と共に誘爆したピーコックの艦載機が空中でオレンジ色に次々と成り代わり空を宛ら地獄絵図へと
変貌させていき、フェアルストCLの背後に照るオレンジ色の太陽が放つ輝きが逆光となって、その場を更に鮮烈
な色へと染め上げる。その光景はまるでその地獄に君臨する鬼か何かか、そう髣髴とさせる何かがあった。
そんな情景を更に色濃くさせるが如く、周囲を熱風が駆け抜け、気温が一気に跳ね上がる。
遠くに見えるフェアルストCLは陽炎の如くユラユラと揺れて真夏の太陽に照り返されて映る情景を醸し出す。
ボゴオオォォォォォン
ボゴオオォォォォォン
ボゴオオォォォォォン
ピーコックとリコリスの放った艦載機はフェアルストCLの対空砲火を物ともせずに一斉に彼女目掛けて凄まじい
火力を誇る艦攻・艦爆による怒涛の攻撃を見舞う。
だが、それを嘲笑うかのようにフェアルストCLが白煙漂う中から悠然と姿を現す。
フェアルストCL「ワタシの装甲を甘くミテると、痛い目シカ見ないワヨ?」
リコリス「コイツ…!」
ピーコック「そうね、フェアルスト。貴女は本当に強かった…けど、目の前に居る貴女じゃ私達は倒せない」
リコリス「ピーコック…」
ピーコック「アイアン・ボトムサウンドの亡霊…貴女はここで沈みなさい」サッ…ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
フェアルストCL「沈むのハ、お前達ダッ!!」ジャキッ
ドォン ドォン ドォン ドォン
ボゴオオオオォォォォォォォン
凄まじい爆音と共に誘爆したピーコックの艦載機が空中でオレンジ色に次々と成り代わり空を宛ら地獄絵図へと
変貌させていき、フェアルストCLの背後に照るオレンジ色の太陽が放つ輝きが逆光となって、その場を更に鮮烈
な色へと染め上げる。その光景はまるでその地獄に君臨する鬼か何かか、そう髣髴とさせる何かがあった。
そんな情景を更に色濃くさせるが如く、周囲を熱風が駆け抜け、気温が一気に跳ね上がる。
遠くに見えるフェアルストCLは陽炎の如くユラユラと揺れて真夏の太陽に照り返されて映る情景を醸し出す。
692: 2015/01/03(土) 21:04:06.35 ID:gAPve/dKo
リコリス「」(一度の射撃デ無数の艦載機ヲ誘爆を引き起こしナガラ一気に制圧スル……フェアルストの火力が
凄まじいノハ前々から解ってはイタケド、実際に見ると驚愕スルわね。この圧倒的な力の前デそれでも尚、挑み
続けてクル彼女達艦娘…ソノ精神的支柱はヤハリ提督大佐か。ワタシ達の心サエも、彼は解き放ってクレタ)
ピーコック「何度でも…!」サッ…
フェアルストCL「何度デモ…!」ジャキッ
ピーコック「やってやるわ!」ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
フェアルストCL「沈んでイケッ!!」ドォン ドォン
リコリス「」(彼は……彼女達サエ、救った)
ボゴオオオォォォォォォン
何度目の爆発音か、フェアルストCLの口角が小さく釣り上がる。
それはピーコックの艦載機など何度飛ばされようと撃ち落せるという自信から来た笑み。
しかしその笑みは直に掻き消え、小さく口を開く。
フェアルストCL「ナ、ニ……」
リコリス「恩ヲ仇で返すにも限度がアルわよね」スッ…
ピーコック「……凄い威圧感…これが、リコリスの本気……」
リコリス「アナタ、さっき笑ってたわヨネ。何度でも、沈んでイケって…?フフッ、だから…無理ナノヨ…」
フェアルストCL「何ですッテ…?」
リコリス「私はリコリス・ヘンダーソン。アナタに教えて上げる…沢山ノ鉄、沈むコノ海で…ソウ…私達が何ヲ
望み、何ヲ求め、願い続けてキタのか…!フェアルストは今も昔もタダ一人、アナタに彼女の名を継ぐ資格ナド
ないと知りナサイ」
フェアルストCL「……沈まナイワ……私は、モウ…二度とッ!!」
凄まじいノハ前々から解ってはイタケド、実際に見ると驚愕スルわね。この圧倒的な力の前デそれでも尚、挑み
続けてクル彼女達艦娘…ソノ精神的支柱はヤハリ提督大佐か。ワタシ達の心サエも、彼は解き放ってクレタ)
ピーコック「何度でも…!」サッ…
フェアルストCL「何度デモ…!」ジャキッ
ピーコック「やってやるわ!」ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
フェアルストCL「沈んでイケッ!!」ドォン ドォン
リコリス「」(彼は……彼女達サエ、救った)
ボゴオオオォォォォォォン
何度目の爆発音か、フェアルストCLの口角が小さく釣り上がる。
それはピーコックの艦載機など何度飛ばされようと撃ち落せるという自信から来た笑み。
しかしその笑みは直に掻き消え、小さく口を開く。
フェアルストCL「ナ、ニ……」
リコリス「恩ヲ仇で返すにも限度がアルわよね」スッ…
ピーコック「……凄い威圧感…これが、リコリスの本気……」
リコリス「アナタ、さっき笑ってたわヨネ。何度でも、沈んでイケって…?フフッ、だから…無理ナノヨ…」
フェアルストCL「何ですッテ…?」
リコリス「私はリコリス・ヘンダーソン。アナタに教えて上げる…沢山ノ鉄、沈むコノ海で…ソウ…私達が何ヲ
望み、何ヲ求め、願い続けてキタのか…!フェアルストは今も昔もタダ一人、アナタに彼女の名を継ぐ資格ナド
ないと知りナサイ」
フェアルストCL「……沈まナイワ……私は、モウ…二度とッ!!」
693: 2015/01/03(土) 21:14:55.60 ID:gAPve/dKo
-長門・飛龍 vs レ級EL・加賀CL-
加賀CL「何度でも、水底へ、沈んでいきなさい」サッ…
飛龍「加賀のクローンって、事か…!」サッ
凛とした佇まいから無駄のない所作で描かれる矢を射る構え。
飛龍はそれを見て改めて実感した。
一航戦の強さ。一航戦の二人が築き上げたものが、どれほどのものか。
共に肩を並べて第一艦隊の一翼を担っていた頃、飛龍は加賀に聞いてみた事がある。
飛龍「ねぇ、加賀って確か赤城さんと元々は一緒だったんじゃないの?」
加賀「ええ、そうよ」
飛龍「じゃあ何で今は別々なのさ?」
加賀「それを貴女に教える理由はあるのかしら」
飛龍「いやまぁ、ない、と言えばないけど…」
加賀「…私達は元々、特定の鎮守府に籍を置くつもりは毛頭ありませんでした」
飛龍「え、それって…つまりフリーランスみたいなもの?」
加賀「そう捉えて頂いて差し支えはありません。今思えばそれは慢心以外の何ものでもありませんでしたが…」
飛龍「でも、実際に強いじゃん」
加賀「強いだけで何かを守れるほど世の中は単純ではない、と言う事です」
飛龍「うーん、でもなぁ…」
加賀「結局、飛龍さんは何が言いたいのですか?」
飛龍「えっとね、率直になんでそこまで強いのか、その自信と強さはどこから来るのか、それが知りたいなってね」
加賀「強さの基準等あって無いようなもの。それを言葉にするのは些か傲慢の域に辿り着くのではないでしょうか」
飛龍「それでも見習えるものは見習いたいって思うのが私なんだよ」
加賀「はぁ」
飛龍「ちょっとー、ため息は酷いんじゃない!?」
加賀「申し訳ありません。ですが、私も赤城さんも何か特別、という訳では決してありません。あるとすれば、
それは私達が定めた一つの決意でしょう。例えるなら、一航戦の誇りとは────」
飛龍「────ねぇ、加賀。貴女にとっての誇りは何?」
加賀CL「貴女に告げる理由はありません。沈みなさい」ビュッ…ヒュン ヒュン ヒュン
飛龍「あっそう。なら、思う存分やらせてもらうんだから!」ビュッ…ヒュン ヒュン ヒュン
加賀CL「何度でも、水底へ、沈んでいきなさい」サッ…
飛龍「加賀のクローンって、事か…!」サッ
凛とした佇まいから無駄のない所作で描かれる矢を射る構え。
飛龍はそれを見て改めて実感した。
一航戦の強さ。一航戦の二人が築き上げたものが、どれほどのものか。
共に肩を並べて第一艦隊の一翼を担っていた頃、飛龍は加賀に聞いてみた事がある。
飛龍「ねぇ、加賀って確か赤城さんと元々は一緒だったんじゃないの?」
加賀「ええ、そうよ」
飛龍「じゃあ何で今は別々なのさ?」
加賀「それを貴女に教える理由はあるのかしら」
飛龍「いやまぁ、ない、と言えばないけど…」
加賀「…私達は元々、特定の鎮守府に籍を置くつもりは毛頭ありませんでした」
飛龍「え、それって…つまりフリーランスみたいなもの?」
加賀「そう捉えて頂いて差し支えはありません。今思えばそれは慢心以外の何ものでもありませんでしたが…」
飛龍「でも、実際に強いじゃん」
加賀「強いだけで何かを守れるほど世の中は単純ではない、と言う事です」
飛龍「うーん、でもなぁ…」
加賀「結局、飛龍さんは何が言いたいのですか?」
飛龍「えっとね、率直になんでそこまで強いのか、その自信と強さはどこから来るのか、それが知りたいなってね」
加賀「強さの基準等あって無いようなもの。それを言葉にするのは些か傲慢の域に辿り着くのではないでしょうか」
飛龍「それでも見習えるものは見習いたいって思うのが私なんだよ」
加賀「はぁ」
飛龍「ちょっとー、ため息は酷いんじゃない!?」
加賀「申し訳ありません。ですが、私も赤城さんも何か特別、という訳では決してありません。あるとすれば、
それは私達が定めた一つの決意でしょう。例えるなら、一航戦の誇りとは────」
飛龍「────ねぇ、加賀。貴女にとっての誇りは何?」
加賀CL「貴女に告げる理由はありません。沈みなさい」ビュッ…ヒュン ヒュン ヒュン
飛龍「あっそう。なら、思う存分やらせてもらうんだから!」ビュッ…ヒュン ヒュン ヒュン
694: 2015/01/03(土) 21:27:46.36 ID:gAPve/dKo
長門「つくずく私は運がいい」
レ級EL「はぁ?そんなにボクに食われるのが夢だったの?相当狂ってるね」
長門「馬鹿を言え。借りを返す機会に恵まれていると言う意味だ」
レ級EL「借りを返す?フフッ、ボク相手に何が出来るのか、それじゃあ見せて貰おうかなぁ…」
長門「何、大した事は出来んよ。お前を倒す、と言う事くらいしかな」
レ級EL「だまれッ!!」ビュッ
サッ
長門「短気なのは変わらずか」
レ級EL「頃す」
長門「上等だ。受けて立ってやる!」
先輩「ねぇ、どうして私についてきてくれる気になったの?」
長門「理由か。必要とされているから、ではダメなのか?」
先輩「だって、貴女的にはあのヒヨッ子の所が居心地良いんじゃない?その気になれば少しくらい我が侭を言っ
てあっちに残る事だって出来たはずでしょ?」
長門「ふふ、それは否定しない。初めて着任した時から私は恵まれていると認識できるほどにな」
先輩「だから尚更不思議でならないのよねぇ」
長門「強いてあげるなら、変化、だな」
先輩「変化?」
長門「同じ未来は決してない。榛名から、武蔵の最期を聞いたんだ」
先輩「え…?」
長門「私は、変える為にここにきた」
先輩「変えるって、何を…」
長門「未来だ」
長門「みせてやる。同じ結末、同じ悲劇、同じ涙は決して流させやしない。私が変える。闇へ繋がる不幸の連鎖
はこの私が全て断ち切る!運命は変えられる…散っていった先人達の想いを込めて、私がそれを証明してみせる!」
レ級EL「じゃあボクはお前が望まない未来、その全てを実現させてやるよ!最悪の未来をね…!」
レ級EL「はぁ?そんなにボクに食われるのが夢だったの?相当狂ってるね」
長門「馬鹿を言え。借りを返す機会に恵まれていると言う意味だ」
レ級EL「借りを返す?フフッ、ボク相手に何が出来るのか、それじゃあ見せて貰おうかなぁ…」
長門「何、大した事は出来んよ。お前を倒す、と言う事くらいしかな」
レ級EL「だまれッ!!」ビュッ
サッ
長門「短気なのは変わらずか」
レ級EL「頃す」
長門「上等だ。受けて立ってやる!」
先輩「ねぇ、どうして私についてきてくれる気になったの?」
長門「理由か。必要とされているから、ではダメなのか?」
先輩「だって、貴女的にはあのヒヨッ子の所が居心地良いんじゃない?その気になれば少しくらい我が侭を言っ
てあっちに残る事だって出来たはずでしょ?」
長門「ふふ、それは否定しない。初めて着任した時から私は恵まれていると認識できるほどにな」
先輩「だから尚更不思議でならないのよねぇ」
長門「強いてあげるなら、変化、だな」
先輩「変化?」
長門「同じ未来は決してない。榛名から、武蔵の最期を聞いたんだ」
先輩「え…?」
長門「私は、変える為にここにきた」
先輩「変えるって、何を…」
長門「未来だ」
長門「みせてやる。同じ結末、同じ悲劇、同じ涙は決して流させやしない。私が変える。闇へ繋がる不幸の連鎖
はこの私が全て断ち切る!運命は変えられる…散っていった先人達の想いを込めて、私がそれを証明してみせる!」
レ級EL「じゃあボクはお前が望まない未来、その全てを実現させてやるよ!最悪の未来をね…!」
695: 2015/01/03(土) 21:43:43.50 ID:gAPve/dKo
加賀CL「纏めて海の藻屑となりなさい」
飛龍「…っ!」バッ
加賀CLの言葉に飛龍は周囲を見渡し、その近くに長門が居ることを確認する。
飛龍「長門っ!!」
長門「…っ!」
レ級EL「余所見とか超余裕あるんだねぇッ!!」ビュッ
ガシィッ
長門「貴様…!」
レ級EL「さぁ、楽しもうじゃないか…この海を煉獄に変えて、地獄よりも更にハードな世界に、泥沼の血塗られ
た世界に変えていこうよ!」ジャキッ
加賀CL「鎧袖一触よ」
ブゥゥゥーーーーーン……
長門「私を信じろ、飛龍!」
飛龍「…うんっ、わかった!」サッ
ボゴオオォォォォォォン
ザザザザッ
飛龍「くっ…本当に、加賀を相手にしてるような精密な攻撃だ」
長門「……ふん」 被害軽微
レ級EL「ちぇっ、あれじゃ氏なないか。じゃあこれで氏んじゃえ」ドォン ドォン
長門「ビッグセブンの力、侮るなよ」
ボゴオオォォォォォン
加賀CLとレ級ELによる壮絶な波状攻撃で幕を開けた飛龍と長門、二人の戦い。
正規空母組の中でも指折りの実力を持ち、事実その当時の赤城をもってしても一矢報いるのがやっとの程だった。
そんな彼女をトレースしたこの加賀CLが弱いわけがない。
飛龍も一片の予断なく挑む決意をしてはいても、実際に合間見えてみて初めて彼女の凄さを痛感した。
そして戦艦レ級EL。
幾度となくその脅威を見せつけ、絶望を根付かせた畏怖の象徴。
長門さえも一度は破れ、戦線に戻るまでに時間を要したほどだった。
しかしだからこそ、この邂逅は長門にとって待ちに待った瞬間でもある。
飛龍「…っ!」バッ
加賀CLの言葉に飛龍は周囲を見渡し、その近くに長門が居ることを確認する。
飛龍「長門っ!!」
長門「…っ!」
レ級EL「余所見とか超余裕あるんだねぇッ!!」ビュッ
ガシィッ
長門「貴様…!」
レ級EL「さぁ、楽しもうじゃないか…この海を煉獄に変えて、地獄よりも更にハードな世界に、泥沼の血塗られ
た世界に変えていこうよ!」ジャキッ
加賀CL「鎧袖一触よ」
ブゥゥゥーーーーーン……
長門「私を信じろ、飛龍!」
飛龍「…うんっ、わかった!」サッ
ボゴオオォォォォォォン
ザザザザッ
飛龍「くっ…本当に、加賀を相手にしてるような精密な攻撃だ」
長門「……ふん」 被害軽微
レ級EL「ちぇっ、あれじゃ氏なないか。じゃあこれで氏んじゃえ」ドォン ドォン
長門「ビッグセブンの力、侮るなよ」
ボゴオオォォォォォン
加賀CLとレ級ELによる壮絶な波状攻撃で幕を開けた飛龍と長門、二人の戦い。
正規空母組の中でも指折りの実力を持ち、事実その当時の赤城をもってしても一矢報いるのがやっとの程だった。
そんな彼女をトレースしたこの加賀CLが弱いわけがない。
飛龍も一片の予断なく挑む決意をしてはいても、実際に合間見えてみて初めて彼女の凄さを痛感した。
そして戦艦レ級EL。
幾度となくその脅威を見せつけ、絶望を根付かせた畏怖の象徴。
長門さえも一度は破れ、戦線に戻るまでに時間を要したほどだった。
しかしだからこそ、この邂逅は長門にとって待ちに待った瞬間でもある。
696: 2015/01/03(土) 21:51:09.28 ID:gAPve/dKo
長門「」(全く、先輩提督には頭が下がる。これ程までに気遣いをしてくれる提督などそうはない。だからこそ
感謝の念で言葉が詰まる。それでも言おう…ありがたい。これなら、奴とも戦える!)バッ
レ級EL「こいつ…あの空爆を凌いだのか!?」
長門「クロスロード……」ボソッ
レ級EL「何…?」
長門「あの極光に比べればこの程度の輝き、瞬きするほどでもない!いくぞ、戦艦レ級EL!」ザッ
レ級EL「なんだ、こいつ…!こんな、はやっ……」
海面を蹴り、宛ら滑空するかのように凄まじい勢いで駆け出した長門。
携える艤装、その砲塔はその全てがレ級ELを捉え今か今かと一斉に火を噴く瞬間を待ち焦がれる。
レ級EL「舐めた真似をッ!」ドォン ドォン
ササッ
ボゴオオォォォォン
長門「甘い!全主砲、斉射!てーーッ!!」ドォン ドォン ドォン
ボゴオォォォン ボゴオオォォォォォォン
レ級EL「ガッ……!」 小破
長門「はぁっ!」ブンッ
バキィッ
ザザザザッ…
レ級EL「ぐっ…くそがぁ…!」
長門「さぁ、掛かって来い!貴様との殴り合いなら大歓迎だ。何処まででも付き合ってやるぞ!」グッ
感謝の念で言葉が詰まる。それでも言おう…ありがたい。これなら、奴とも戦える!)バッ
レ級EL「こいつ…あの空爆を凌いだのか!?」
長門「クロスロード……」ボソッ
レ級EL「何…?」
長門「あの極光に比べればこの程度の輝き、瞬きするほどでもない!いくぞ、戦艦レ級EL!」ザッ
レ級EL「なんだ、こいつ…!こんな、はやっ……」
海面を蹴り、宛ら滑空するかのように凄まじい勢いで駆け出した長門。
携える艤装、その砲塔はその全てがレ級ELを捉え今か今かと一斉に火を噴く瞬間を待ち焦がれる。
レ級EL「舐めた真似をッ!」ドォン ドォン
ササッ
ボゴオオォォォォン
長門「甘い!全主砲、斉射!てーーッ!!」ドォン ドォン ドォン
ボゴオォォォン ボゴオオォォォォォォン
レ級EL「ガッ……!」 小破
長門「はぁっ!」ブンッ
バキィッ
ザザザザッ…
レ級EL「ぐっ…くそがぁ…!」
長門「さぁ、掛かって来い!貴様との殴り合いなら大歓迎だ。何処まででも付き合ってやるぞ!」グッ
697: 2015/01/03(土) 22:01:20.82 ID:gAPve/dKo
加賀CL「そろそろ潮時ですね」ヒュン ヒュン
飛龍「油断してた訳じゃない。索敵を怠った訳でもない。それでも、やっぱり何処かに隙があったのかなぁ」 小破
加賀CL「全身を炎に焼かれて、沈みなさい」バッ
飛龍「」パンパン
加賀CLの放った艦載機が、妙にスローモーションのようにゆっくりと自分に接近してくるのが飛龍には不思議で
仕方がなかった。
その間に色々と考えてしまった。
己の覚悟の足りなさ、人事を尽くしたのか、どれか一つでも欠けてはいないか。
決して慢心していた訳でもない。
ただ、目の前に居る空母組の中でも最強の呼び声が高い加賀を前にして、どこか怖気付いていたのかもしれない。
だから飛龍は自身の頬を張って自らを奮い立たせた。
────聳える壁。
それが試練なら幾らでも乗り越える。
ただしこれは試練ではない。
今、目の前に聳え立つのは脅威と言う名の絶壁。
────撃ち砕く。
一矢入魂、飛龍の眼差しは遥か彼方を見据えていた。
まともに撃ち合っても意味はない。
狙うは一点のみ。
飛龍「……」スッ…
静かに弓を構える。
精神を統一し指先に全神経を向ける。
ボゴオオオォォォォォォン
加賀CLの放った艦攻艦爆隊の攻撃すら彼女の放つ心気に狙いをぶらされ、飛龍への直接的な攻撃すら間々ならな
くなり、最終的に彼女の頬を一撫でして儚い一本の筋を傷として残す程度に終わる。
加賀CL「なっ…」
左右の両拳を上へとゆっくり上げて打ち起こしと呼ばれる弓を射る姿勢に入る。
その凛とする佇まいはもはや芸術の域に達するかの如く、両拳は高低前後なく水平を保ち、体と平行に引き分か
れて見事なまでに弓矢と体の位置が十字を構成し、弓体一致となる。
飛龍「ふっ…!!」ビュッ
加賀CL「この、気迫は…」
そして裂帛の気合と共に彼女の精鋭隊が空を、風を、海面すらも切り裂くようにして飛翔する。
飛龍「第二次攻撃の要を認めます……全攻撃隊、発艦!!」ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
加賀CL「なっ…小賢しい、真似を…!」バッ…
飛龍「私は二航戦の飛龍、どんな苦境でも戦えます!たとえ最後の一艦になっても、叩いて見せる!」
飛龍「油断してた訳じゃない。索敵を怠った訳でもない。それでも、やっぱり何処かに隙があったのかなぁ」 小破
加賀CL「全身を炎に焼かれて、沈みなさい」バッ
飛龍「」パンパン
加賀CLの放った艦載機が、妙にスローモーションのようにゆっくりと自分に接近してくるのが飛龍には不思議で
仕方がなかった。
その間に色々と考えてしまった。
己の覚悟の足りなさ、人事を尽くしたのか、どれか一つでも欠けてはいないか。
決して慢心していた訳でもない。
ただ、目の前に居る空母組の中でも最強の呼び声が高い加賀を前にして、どこか怖気付いていたのかもしれない。
だから飛龍は自身の頬を張って自らを奮い立たせた。
────聳える壁。
それが試練なら幾らでも乗り越える。
ただしこれは試練ではない。
今、目の前に聳え立つのは脅威と言う名の絶壁。
────撃ち砕く。
一矢入魂、飛龍の眼差しは遥か彼方を見据えていた。
まともに撃ち合っても意味はない。
狙うは一点のみ。
飛龍「……」スッ…
静かに弓を構える。
精神を統一し指先に全神経を向ける。
ボゴオオオォォォォォォン
加賀CLの放った艦攻艦爆隊の攻撃すら彼女の放つ心気に狙いをぶらされ、飛龍への直接的な攻撃すら間々ならな
くなり、最終的に彼女の頬を一撫でして儚い一本の筋を傷として残す程度に終わる。
加賀CL「なっ…」
左右の両拳を上へとゆっくり上げて打ち起こしと呼ばれる弓を射る姿勢に入る。
その凛とする佇まいはもはや芸術の域に達するかの如く、両拳は高低前後なく水平を保ち、体と平行に引き分か
れて見事なまでに弓矢と体の位置が十字を構成し、弓体一致となる。
飛龍「ふっ…!!」ビュッ
加賀CL「この、気迫は…」
そして裂帛の気合と共に彼女の精鋭隊が空を、風を、海面すらも切り裂くようにして飛翔する。
飛龍「第二次攻撃の要を認めます……全攻撃隊、発艦!!」ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
加賀CL「なっ…小賢しい、真似を…!」バッ…
飛龍「私は二航戦の飛龍、どんな苦境でも戦えます!たとえ最後の一艦になっても、叩いて見せる!」
704: 2015/01/07(水) 21:13:00.98 ID:ddF2rqjIo
-ピーコック・リコリス vs フェアルストCL-
フェアルストCL「何度デモ鉄屑に変えてヤルッ!」ジャキッ
リコリス「彼に懸けてミタクなったのは、何もアナタだけじゃナイわ」
ピーコック「リコリス…」
リコリス「どうせナラ、笑っていタイものネ?」バッ…
ピーコック「ええ、そうね!」サッ…
フェアルストCL「沈みなサイッ!!」ドォン ドォン ドォン ドォン
おぞましい巨躯から伸びる黒塗りの主砲、その数々の砲塔が一斉に轟音を上げてリコリスを強襲する。
ボゴオオォォォォォォン
リコリス「キャァ!」 中破
フェアルストCL「フフ…」ニヤッ…
ピーコック「フェアルスト、それを慢心と言うのよ」
フェアルストCL「……ッ!?」
ブゥゥゥゥーーーーーン……
フェアルストCLの直上を無数の艦載機が埋め尽くす。
リコリスが自ら放った艦載機と己自身を囮にして生み出した好機。
それを逃すほど、無駄にするほど今のピーコックは緩くない。
フェアルストCL「舐めるナ…!」ジャキッ
ピーコック「なっ…」
ボゴボゴボゴボゴボゴォォォォォン
リコリス、ピーコック、二人の決氏の囮作戦を持ってしてもフェアルストCLを欺くまでには至らなかった。
直上より急降下で近付くピーコックの艦載機を、その圧倒的な火力のみでフェアルストCLは迎撃してしまった。
フェアルストCL「何度デモ鉄屑に変えてヤルッ!」ジャキッ
リコリス「彼に懸けてミタクなったのは、何もアナタだけじゃナイわ」
ピーコック「リコリス…」
リコリス「どうせナラ、笑っていタイものネ?」バッ…
ピーコック「ええ、そうね!」サッ…
フェアルストCL「沈みなサイッ!!」ドォン ドォン ドォン ドォン
おぞましい巨躯から伸びる黒塗りの主砲、その数々の砲塔が一斉に轟音を上げてリコリスを強襲する。
ボゴオオォォォォォォン
リコリス「キャァ!」 中破
フェアルストCL「フフ…」ニヤッ…
ピーコック「フェアルスト、それを慢心と言うのよ」
フェアルストCL「……ッ!?」
ブゥゥゥゥーーーーーン……
フェアルストCLの直上を無数の艦載機が埋め尽くす。
リコリスが自ら放った艦載機と己自身を囮にして生み出した好機。
それを逃すほど、無駄にするほど今のピーコックは緩くない。
フェアルストCL「舐めるナ…!」ジャキッ
ピーコック「なっ…」
ボゴボゴボゴボゴボゴォォォォォン
リコリス、ピーコック、二人の決氏の囮作戦を持ってしてもフェアルストCLを欺くまでには至らなかった。
直上より急降下で近付くピーコックの艦載機を、その圧倒的な火力のみでフェアルストCLは迎撃してしまった。
705: 2015/01/07(水) 21:13:38.75 ID:ddF2rqjIo
フェアルストCL「何ヲ望み、何ヲ求め、願い続けてキタのか…決まってる。氏ヲ望み、絶望ヲ求め、深く暗い、
水底へソノ全てヲ叩き落す…!ソレだけを願い続けた!!」
リコリス「……ソレが、間違っているカラ……私達が生まれたノヨ」ググッ…
ピーコック「リコリス…!」
リコリス「──────」ボソッ…
ピーコック「え…?」
ずっと昔、遥か彼方、私にとってはそう表現するに相応しい歳月。
いつ以来か、その情景を想い出してしまったのは……
ずっと心の奥底にしまい込んで、蓋をして、二度と思い描く事も無いと見て見ぬ振りをして捨ててしまった過去。
その情景を今になって想い描いて、夢見てしまったのは何故なのか。
はじめはただ悔しくて、そして悲しくて、でもどうしようもないから我慢して、結局それは蓄積されていって…
そして私達は生まれた。
託せる者が居なかった。
紡がれる事がなかった。
永遠と続く輪の中で、幾度となく廻り続ける歯車のように、ただ只管に同じ道をグルグルと回り続けていた。
その輪廻から逃れる術を、抜け出す方法を、教えてくれた者達がいた。
諦めていた未来。
縋っていた過去。
不変のまま過ぎ行く現在。
未来は変えられる。
過去は赦される。
心の中で叫び続けた『それ』を掬い上げてくれた者達が居る。
ならば、今こそその想いに私達が答える番ではないのだろうか。
リコリス「……聞こえた」
ピーコック「貴女……」
フェアルストCL「ナ、ニ……」
リコリス「沢山の想い、確かに聞こえた」
遠い昔に捨てた過去がある。
二度と拾えない、取り戻せない、直せない過去がある。
しかし紡ぐ事は出来る。
受け継ぐ事は出来る。
その想いの力は何ものにもきっと勝る。
そしてそれが、リコリスが出した結果と決意の表れとなった。
水底へソノ全てヲ叩き落す…!ソレだけを願い続けた!!」
リコリス「……ソレが、間違っているカラ……私達が生まれたノヨ」ググッ…
ピーコック「リコリス…!」
リコリス「──────」ボソッ…
ピーコック「え…?」
ずっと昔、遥か彼方、私にとってはそう表現するに相応しい歳月。
いつ以来か、その情景を想い出してしまったのは……
ずっと心の奥底にしまい込んで、蓋をして、二度と思い描く事も無いと見て見ぬ振りをして捨ててしまった過去。
その情景を今になって想い描いて、夢見てしまったのは何故なのか。
はじめはただ悔しくて、そして悲しくて、でもどうしようもないから我慢して、結局それは蓄積されていって…
そして私達は生まれた。
託せる者が居なかった。
紡がれる事がなかった。
永遠と続く輪の中で、幾度となく廻り続ける歯車のように、ただ只管に同じ道をグルグルと回り続けていた。
その輪廻から逃れる術を、抜け出す方法を、教えてくれた者達がいた。
諦めていた未来。
縋っていた過去。
不変のまま過ぎ行く現在。
未来は変えられる。
過去は赦される。
心の中で叫び続けた『それ』を掬い上げてくれた者達が居る。
ならば、今こそその想いに私達が答える番ではないのだろうか。
リコリス「……聞こえた」
ピーコック「貴女……」
フェアルストCL「ナ、ニ……」
リコリス「沢山の想い、確かに聞こえた」
遠い昔に捨てた過去がある。
二度と拾えない、取り戻せない、直せない過去がある。
しかし紡ぐ事は出来る。
受け継ぐ事は出来る。
その想いの力は何ものにもきっと勝る。
そしてそれが、リコリスが出した結果と決意の表れとなった。
706: 2015/01/07(水) 21:14:18.26 ID:ddF2rqjIo
-長門・飛龍 vs レ級EL・加賀CL-
飛龍「絶対、負けない!」
加賀CL「ば、馬鹿な…」
大空を縦横無尽に駆け巡る飛龍の艦載機。
遅れて放たれた加賀CLの艦載機、その悉くを撃墜し、ついには完全に空を制圧する。
加賀CL「何故だ…」
飛龍「幾ら加賀と同じ構え、同じ子たち、同じ台詞を紡いだって……そこに心が宿ってなければ優秀な子たちは
私達に応えてはくれないって事だよ。心技一体…私の知ってる加賀が誇る一航戦は、心技体の全てが高い次元で
構築されてる。どれか一つでも欠けちゃいけない。だから、彼女は強く気高く常に凛としていた」
ブゥゥゥゥゥーーーーーン……
加賀CL「くそっ…」
飛龍「彼女が言う一航戦の誇りとは……刃。自らをも切り裂く鋭利さがあり、錆びつく事もある。突き立てる事
さえ適わなくなり、倒れてしまうかもしれない。そんな危うさを秘めているのが誇りなんじゃないか…それが、
加賀が私に教えてくれた一つの答え……ふふっ、折れない訳だよね、赤城さんも加賀も…だから、私はあなたに
負ける訳にはいかない。彼女達の掲げてきたその誇りを、私が守る!友永隊の皆、頼んだわよ!」
飛龍の言葉に彼女の艦載機達が大きな円を描いてそれに応える。
そして直上より急降下、加賀CLを目掛けて一斉に攻撃を仕掛ける。
加賀CL「私は、一航戦の加賀だ…!こんな、所で…!」バッ
飛龍「残念だけど、本物の加賀に君は遠く及ばない」
加賀CL「私は…優秀なんだ…!」
飛龍「ううん、優秀なのは加賀が率いた艦載機の皆だよ」
加賀CL「そんなのと、一緒に…」
飛龍「加賀の放つ艦載機の子たち本当に強い。鎧袖一触…信頼できる、最高に優秀な子たち」
ボゴオオォォォォン
加賀CL「……っ!飛行甲板に直撃。そんな……馬鹿な」 中破
飛龍「あなたと戦った事は忘れない。バイバイ…」
ボゴオオォォォォォォン
加賀CL「沈む…のか……」 轟沈
飛龍「加賀、もう一度…一緒に肩を並べたかったな…さようなら」
飛龍「絶対、負けない!」
加賀CL「ば、馬鹿な…」
大空を縦横無尽に駆け巡る飛龍の艦載機。
遅れて放たれた加賀CLの艦載機、その悉くを撃墜し、ついには完全に空を制圧する。
加賀CL「何故だ…」
飛龍「幾ら加賀と同じ構え、同じ子たち、同じ台詞を紡いだって……そこに心が宿ってなければ優秀な子たちは
私達に応えてはくれないって事だよ。心技一体…私の知ってる加賀が誇る一航戦は、心技体の全てが高い次元で
構築されてる。どれか一つでも欠けちゃいけない。だから、彼女は強く気高く常に凛としていた」
ブゥゥゥゥゥーーーーーン……
加賀CL「くそっ…」
飛龍「彼女が言う一航戦の誇りとは……刃。自らをも切り裂く鋭利さがあり、錆びつく事もある。突き立てる事
さえ適わなくなり、倒れてしまうかもしれない。そんな危うさを秘めているのが誇りなんじゃないか…それが、
加賀が私に教えてくれた一つの答え……ふふっ、折れない訳だよね、赤城さんも加賀も…だから、私はあなたに
負ける訳にはいかない。彼女達の掲げてきたその誇りを、私が守る!友永隊の皆、頼んだわよ!」
飛龍の言葉に彼女の艦載機達が大きな円を描いてそれに応える。
そして直上より急降下、加賀CLを目掛けて一斉に攻撃を仕掛ける。
加賀CL「私は、一航戦の加賀だ…!こんな、所で…!」バッ
飛龍「残念だけど、本物の加賀に君は遠く及ばない」
加賀CL「私は…優秀なんだ…!」
飛龍「ううん、優秀なのは加賀が率いた艦載機の皆だよ」
加賀CL「そんなのと、一緒に…」
飛龍「加賀の放つ艦載機の子たち本当に強い。鎧袖一触…信頼できる、最高に優秀な子たち」
ボゴオオォォォォン
加賀CL「……っ!飛行甲板に直撃。そんな……馬鹿な」 中破
飛龍「あなたと戦った事は忘れない。バイバイ…」
ボゴオオォォォォォォン
加賀CL「沈む…のか……」 轟沈
飛龍「加賀、もう一度…一緒に肩を並べたかったな…さようなら」
707: 2015/01/07(水) 21:14:48.59 ID:ddF2rqjIo
レ級EL「ボクが…お前等艦娘に、劣るわけないだろ!」ビュオッ
長門「食物連鎖の頂点にでも君臨したつもりか!?」ザッ
ガガガッ
ドォン ドォン
ボゴオオォォォォン
接近戦から砲撃を交えた多連撃の応酬。
打撃は防ぎ、砲撃はかわし、互いに攻防一体となって戦闘が継続される。
レ級EL「何なんだ、お前は!」ザザッ
長門「貴様を倒す者だ」グッ
レ級EL「艦娘がボクを倒すって…?全てに勝るこのボクを…不完全な存在でしかない艦娘が?笑わせるな!」
長門「私達は成長する。学び、経験し、克服して、幾らでも強くなれる!」
レ級EL「お前等の言う強さなんて幻想だ。本物の力がどんなものか、知りもしない奴が言う戯言さ!」
長門「戦艦レ級EL…貴様達の紡いだ負の連鎖。私がここで断ち切る」
レ級EL「無駄だ!どう足掻こうとも、お前等はボクには勝てやしないッ!!」ザッ
長門「させるか!」ジャキッ
レ級EL「当たるか…!」ビュッ
ドォン ドォン
レ級EL「なっ…」
ボゴオォォォォォォン
レ級ELの動き先、それを見越して長門の放った砲撃はレ級ELが行き着いた先で見事に爆発する。
白煙の中からヨロヨロと身を引き摺ってレ級ELが静かに姿を現すが、それを長門は悠長に眺めてはいなかった。
長門「悪いが、実力の差は歴然だ。お前では、私を倒せはしない」ジャキッ
レ級EL「クソッ、クソッ……!なんでだ、どうして…!」 中破
長門「成長するからさ。私達の伸び代は無限大らしくてな。さよならだ」ドォン ドォン
レ級EL「」(ボクは……ゼッタイ、氏なない……ッ!必ず……!)
ボゴオオオォォォォォォン
長門「食物連鎖の頂点にでも君臨したつもりか!?」ザッ
ガガガッ
ドォン ドォン
ボゴオオォォォォン
接近戦から砲撃を交えた多連撃の応酬。
打撃は防ぎ、砲撃はかわし、互いに攻防一体となって戦闘が継続される。
レ級EL「何なんだ、お前は!」ザザッ
長門「貴様を倒す者だ」グッ
レ級EL「艦娘がボクを倒すって…?全てに勝るこのボクを…不完全な存在でしかない艦娘が?笑わせるな!」
長門「私達は成長する。学び、経験し、克服して、幾らでも強くなれる!」
レ級EL「お前等の言う強さなんて幻想だ。本物の力がどんなものか、知りもしない奴が言う戯言さ!」
長門「戦艦レ級EL…貴様達の紡いだ負の連鎖。私がここで断ち切る」
レ級EL「無駄だ!どう足掻こうとも、お前等はボクには勝てやしないッ!!」ザッ
長門「させるか!」ジャキッ
レ級EL「当たるか…!」ビュッ
ドォン ドォン
レ級EL「なっ…」
ボゴオォォォォォォン
レ級ELの動き先、それを見越して長門の放った砲撃はレ級ELが行き着いた先で見事に爆発する。
白煙の中からヨロヨロと身を引き摺ってレ級ELが静かに姿を現すが、それを長門は悠長に眺めてはいなかった。
長門「悪いが、実力の差は歴然だ。お前では、私を倒せはしない」ジャキッ
レ級EL「クソッ、クソッ……!なんでだ、どうして…!」 中破
長門「成長するからさ。私達の伸び代は無限大らしくてな。さよならだ」ドォン ドォン
レ級EL「」(ボクは……ゼッタイ、氏なない……ッ!必ず……!)
ボゴオオオォォォォォォン
712: 2015/01/08(木) 22:13:48.44 ID:4Iju0s+Go
お詫び
書き進めていて最終決戦、神通が出撃既にして帰投途中にも関わらず
再びvs新鋭戦で登場しているという不手際がありました
何度か読み直しては新しいストーリー書いていたのに凡ミスです
若干の矛盾は孕んでしまいますが、今から書き直すのもなんですので
生温い目で見守って頂ければ幸いです
713: 2015/01/08(木) 22:20:57.18 ID:4Iju0s+Go
-ピーコック・リコリス vs フェアルストCL-
フェアルストCL「なんだ、ソノ姿は…」
リコリス「私が過去に捨ててきたモノ。言わば残された私の最後の残照。残された、最後の光…それこそがこの
姿の根本かしら?」
ピーコック「おかえりなさい」
リコリス「…ただいま。取り敢えず話は後…」
ピーコック「ええ、勿論」
フェアルストCL「姿カタチが変わろうと、大元ハ何も変わらナイ」
リコリス「果たしてそうかしら?」
そこにいるのは飛行場姫と呼ばれた深海棲艦だった存在。
真っ白な肌に真っ白な髪の毛、それに合わせたかのような真っ白な衣装、そして真紅に輝く円らな瞳に似合わな
い少し大人びた口調と態度。
自らをリコリス・ヘンダーソンと名乗り、圧倒的な強さを誇った深海棲艦。
今の姿は真紅の瞳は変わらず禍々しかった艤装は鮮やかな色合いを取り戻し、重厚な趣きを感じさせる。
肌の色合いも人肌然とし、服装は白のワンピースのような物に変わっている。
フェアルストCL「なんだ、ソノ姿は…」
リコリス「私が過去に捨ててきたモノ。言わば残された私の最後の残照。残された、最後の光…それこそがこの
姿の根本かしら?」
ピーコック「おかえりなさい」
リコリス「…ただいま。取り敢えず話は後…」
ピーコック「ええ、勿論」
フェアルストCL「姿カタチが変わろうと、大元ハ何も変わらナイ」
リコリス「果たしてそうかしら?」
そこにいるのは飛行場姫と呼ばれた深海棲艦だった存在。
真っ白な肌に真っ白な髪の毛、それに合わせたかのような真っ白な衣装、そして真紅に輝く円らな瞳に似合わな
い少し大人びた口調と態度。
自らをリコリス・ヘンダーソンと名乗り、圧倒的な強さを誇った深海棲艦。
今の姿は真紅の瞳は変わらず禍々しかった艤装は鮮やかな色合いを取り戻し、重厚な趣きを感じさせる。
肌の色合いも人肌然とし、服装は白のワンピースのような物に変わっている。
714: 2015/01/08(木) 22:44:36.97 ID:4Iju0s+Go
リコリス「First Air Fleet……」サッ…
リコリスが静かに手を振り上げる。
そして静かに振り上げた手を振り下ろしてフェアルストCLを指し示しながら力強く告げる。
リコリス「全機発艦…!」バッ ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
フェアルストCL「全て撃ち落シテあげるワ!」ジャキッ
ピーコック「それを私が黙ってみてると思う?」サッ…
フェアルストCL「…ッ!?」
ピーコック「当然邪魔させてもらうわよ!攻撃隊、目標は敵艦艤装…!全てを焼き払いなさい!!」ヒュン ヒュン ヒュン
フェアルストCL「オノレェェェェッ!!」ドン ドン ドォン ドォン
僅かな時差をつけてリコリスとピーコック、双方が放った艦載機はフェアルストCLの放つ対空砲撃を華麗にかわ
して多方面からによる一斉アウトレンジ攻撃を開始する。
ボゴオオォォォォン
ボゴオオオォォォォォン
ボゴオオオオォォォォォォン
断続的に響き渡る艦爆艦攻隊の攻撃の前に一瞬にしてフェアルストCLの姿が白煙の中へ呑み込まれて消える。
リコリスとピーコックは油断無く立ち昇る白煙を見据えて微動だにしない。
やがて白煙が晴れてゆっくりとフェアルストCLの姿が露になる。
リコリスが静かに手を振り上げる。
そして静かに振り上げた手を振り下ろしてフェアルストCLを指し示しながら力強く告げる。
リコリス「全機発艦…!」バッ ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
フェアルストCL「全て撃ち落シテあげるワ!」ジャキッ
ピーコック「それを私が黙ってみてると思う?」サッ…
フェアルストCL「…ッ!?」
ピーコック「当然邪魔させてもらうわよ!攻撃隊、目標は敵艦艤装…!全てを焼き払いなさい!!」ヒュン ヒュン ヒュン
フェアルストCL「オノレェェェェッ!!」ドン ドン ドォン ドォン
僅かな時差をつけてリコリスとピーコック、双方が放った艦載機はフェアルストCLの放つ対空砲撃を華麗にかわ
して多方面からによる一斉アウトレンジ攻撃を開始する。
ボゴオオォォォォン
ボゴオオオォォォォォン
ボゴオオオオォォォォォォン
断続的に響き渡る艦爆艦攻隊の攻撃の前に一瞬にしてフェアルストCLの姿が白煙の中へ呑み込まれて消える。
リコリスとピーコックは油断無く立ち昇る白煙を見据えて微動だにしない。
やがて白煙が晴れてゆっくりとフェアルストCLの姿が露になる。
715: 2015/01/08(木) 22:59:53.88 ID:4Iju0s+Go
フェアルストCL「グッ……ハァ、ハァ……」 大破
リコリス「…驚いた。流石、戦艦棲姫の名は伊達じゃないわね。あれだけの攻撃を受けてまだ立ってるなんてね」
ピーコック「大人しく沈みなさい」
フェアルストCL「マダ……終わって、ナイ……!」
ピーコック「いいえ、終わりよ。この悲しい争いは、もうこれで終わり…」
リコリス「安らかに、眠りなさい」
フェアルストCL「マ、ダ……ッ!」ザッ…
ピーコック「……」フルフル…
フェアルストCL「何故、構えナイ…!」
リコリス「……」
フェアルストCL「ソウ……」ズズッ…
ピーコック「さようなら、フェアルスト」
フェアルストCL「…ダメ、ナノ……ネ……」 轟沈
リコリス「悲しくない?」
ピーコック「本物の彼女は、徹底海峡で静かに眠っている。この戦いが終わる頃には、改めて弔いにいけるわ」
リコリス「アイアン・ボトムサウンド、か…」
ピーコック「ホント、報われないわね」
リコリス「仕方ないわ。悲劇の上に成り立っていたのが私達なんだから…」
静かに悲しみを帯びた表情のまま沈んでいったフェアルストCLに弔いを捧げ、二人は遠くを見やる。
気付けば夕刻も過ぎて空は闇の色を深くしつつある。
空を見上げれば遍く星々と綺麗な月が顔を覗かせ、海をキラキラと照らそうとしていた。
改めて海面を見れば、波打つ海は静かで穏やかな風を乗せて二人の頬を優しく撫ぜる。
そこで初めて彼女達は肩の荷が下りたかのようにその場にただ立ち続け、静かにただジッとその場の空気を全身
に浴びて思いを馳せ続けた。
今、二人の戦いに幕が下りた瞬間だった。
リコリス「…驚いた。流石、戦艦棲姫の名は伊達じゃないわね。あれだけの攻撃を受けてまだ立ってるなんてね」
ピーコック「大人しく沈みなさい」
フェアルストCL「マダ……終わって、ナイ……!」
ピーコック「いいえ、終わりよ。この悲しい争いは、もうこれで終わり…」
リコリス「安らかに、眠りなさい」
フェアルストCL「マ、ダ……ッ!」ザッ…
ピーコック「……」フルフル…
フェアルストCL「何故、構えナイ…!」
リコリス「……」
フェアルストCL「ソウ……」ズズッ…
ピーコック「さようなら、フェアルスト」
フェアルストCL「…ダメ、ナノ……ネ……」 轟沈
リコリス「悲しくない?」
ピーコック「本物の彼女は、徹底海峡で静かに眠っている。この戦いが終わる頃には、改めて弔いにいけるわ」
リコリス「アイアン・ボトムサウンド、か…」
ピーコック「ホント、報われないわね」
リコリス「仕方ないわ。悲劇の上に成り立っていたのが私達なんだから…」
静かに悲しみを帯びた表情のまま沈んでいったフェアルストCLに弔いを捧げ、二人は遠くを見やる。
気付けば夕刻も過ぎて空は闇の色を深くしつつある。
空を見上げれば遍く星々と綺麗な月が顔を覗かせ、海をキラキラと照らそうとしていた。
改めて海面を見れば、波打つ海は静かで穏やかな風を乗せて二人の頬を優しく撫ぜる。
そこで初めて彼女達は肩の荷が下りたかのようにその場にただ立ち続け、静かにただジッとその場の空気を全身
に浴びて思いを馳せ続けた。
今、二人の戦いに幕が下りた瞬間だった。
716: 2015/01/08(木) 23:13:22.73 ID:4Iju0s+Go
~勝利を、提督に~
-存在の証明-
榛名「……」
榛名CL「同じ存在は二人と要りません」
榛名「え?」
榛名CL「私は、貴女を頃して唯一の存在になります」ニヤッ…
榛名「唯一の、存在…?」
榛名CL「私と同じ顔、同じ声、同じ仕草…全てが癇に障ります。榛名は、私一人です!」ジャキッ
榛名「…っ!」サッ
ドォン ドォン
ボゴオォォォォォン
榛名「」(顔も、声も…本当に私と同じ…これが、クローン?でも、どうして…)
717: 2015/01/08(木) 23:13:51.84 ID:4Iju0s+Go
提督「今までの研究は、このクローンを作り出す為ってわけですか」
新鋭「クローンは結論に至っただけの事よ。出来れば従順な手駒にはなるでしょうけど、そこに至るまでが苦難
の連続ってやつかしら?はじめは艦娘そのものを手駒にできれば…って所だったかしらね」
提督「それが金剛たちに施そうとした洗脳か」
新鋭「過去の記憶、感情と言った要因が結局は邪魔をして、障壁となる結果に終わったけどねぇ…」
提督「そうまでして海軍に何を求める」
新鋭「……滅亡」
提督「何…?」
新鋭「不要なのよ。海軍なんて存在は…この世に存在して良い組織じゃないのよ…!」
提督「何故そこまで海軍を憎む!」
新鋭「さぁ、何故かしらね?」
提督「例えそこに同情的な理由があっても、彼女たちを苦しめた事実は変わらないぞ」
新鋭「はぁ、青臭い青臭い…そういう所、ホント虫唾が走るわ。対深海棲艦用の兵器に対して貴方感情移入し過
ぎなんじゃないの?どこまでいっても、艦娘も深海棲艦も兵器なのよ。戦争兵器…解らない?軍艦と同じ破壊力
を持ったコンパクトな戦争兵器。小さな島程度なら一撃で蹴散らせる、殲滅が可能な道具よ」
提督「口を慎め、新鋭!」
新鋭「あら、本性が出たわね。貴方に昼行灯は似合わないわよ。艦娘達が兵器じゃないと言うのなら、一体何な
のかしら?まさか、私達と同じ人間だなんて冗談は言わないわよね?」
提督「…人間だろ。俺たちと同じ、人の子だろ!」
新鋭「はぁ…?」
提督「特別な力をもって生まれたら、それはもう人じゃないっていうのか?世に羽ばたいた幾万もの偉人・天才
といった存在も、それなら人じゃないっていうのか?違う……全て人だ。艦娘も一緒だ…!」
新鋭「おめでたい脳みそね。普段からそれだけお花畑全開で脳みそフル回転させてれば、さぞご満悦でしょう?
知ってるかしら、そういうのを何て言うのか…自己満足って言うのよ。全ての人間がそれを認めてるとでも本気
で思ってる訳じゃないでしょうね?」
提督「何だと…」
新鋭「これ以上言葉を交わしても水掛け論でしょ?自分の主張を相手に認めさせたいのなら、力で勝ち取りなさい」
提督「力で、だと…!」
新鋭「そう…全てを支配するのは力よ。強い者が弱い者を従える…弱肉強食!それが全てで、それこそが真理よ。
弱い者は虐げられ、踏み躙られ、淘汰される。強い者は全てを手にし、権力を掌握し、世界を動かす!」スラッ…
提督「間違った考えだ」スッ…
新鋭「なら、正してみなさい!」ダッ…
新鋭「クローンは結論に至っただけの事よ。出来れば従順な手駒にはなるでしょうけど、そこに至るまでが苦難
の連続ってやつかしら?はじめは艦娘そのものを手駒にできれば…って所だったかしらね」
提督「それが金剛たちに施そうとした洗脳か」
新鋭「過去の記憶、感情と言った要因が結局は邪魔をして、障壁となる結果に終わったけどねぇ…」
提督「そうまでして海軍に何を求める」
新鋭「……滅亡」
提督「何…?」
新鋭「不要なのよ。海軍なんて存在は…この世に存在して良い組織じゃないのよ…!」
提督「何故そこまで海軍を憎む!」
新鋭「さぁ、何故かしらね?」
提督「例えそこに同情的な理由があっても、彼女たちを苦しめた事実は変わらないぞ」
新鋭「はぁ、青臭い青臭い…そういう所、ホント虫唾が走るわ。対深海棲艦用の兵器に対して貴方感情移入し過
ぎなんじゃないの?どこまでいっても、艦娘も深海棲艦も兵器なのよ。戦争兵器…解らない?軍艦と同じ破壊力
を持ったコンパクトな戦争兵器。小さな島程度なら一撃で蹴散らせる、殲滅が可能な道具よ」
提督「口を慎め、新鋭!」
新鋭「あら、本性が出たわね。貴方に昼行灯は似合わないわよ。艦娘達が兵器じゃないと言うのなら、一体何な
のかしら?まさか、私達と同じ人間だなんて冗談は言わないわよね?」
提督「…人間だろ。俺たちと同じ、人の子だろ!」
新鋭「はぁ…?」
提督「特別な力をもって生まれたら、それはもう人じゃないっていうのか?世に羽ばたいた幾万もの偉人・天才
といった存在も、それなら人じゃないっていうのか?違う……全て人だ。艦娘も一緒だ…!」
新鋭「おめでたい脳みそね。普段からそれだけお花畑全開で脳みそフル回転させてれば、さぞご満悦でしょう?
知ってるかしら、そういうのを何て言うのか…自己満足って言うのよ。全ての人間がそれを認めてるとでも本気
で思ってる訳じゃないでしょうね?」
提督「何だと…」
新鋭「これ以上言葉を交わしても水掛け論でしょ?自分の主張を相手に認めさせたいのなら、力で勝ち取りなさい」
提督「力で、だと…!」
新鋭「そう…全てを支配するのは力よ。強い者が弱い者を従える…弱肉強食!それが全てで、それこそが真理よ。
弱い者は虐げられ、踏み躙られ、淘汰される。強い者は全てを手にし、権力を掌握し、世界を動かす!」スラッ…
提督「間違った考えだ」スッ…
新鋭「なら、正してみなさい!」ダッ…
718: 2015/01/08(木) 23:14:24.31 ID:4Iju0s+Go
榛名CL「いつまで…」ジャキッ
榛名「……!」ダッ
榛名CL「逃げ回ってるつもりですか!」ドォン ドォン
ボゴオオォォォォォン
榛名「くっ」 被害軽微
榛名CL「夾叉…次は、外さない!」ジャキッ
榛名「どうして、何で貴女は私を憎むの!?」
榛名CL「どうして…?どうして、ですって?」
榛名「同じ存在なら……」
榛名CL「外見だけ一緒なだけじゃない!姿形が同じだけ、声が同じだけ、服装が同じだけ…私の中身は空っぽ…」
榛名「え……」
榛名CL「だから奪うの、貴女から!私が榛名……金剛型三番艦、戦艦榛名ッ!それが、私の存在証明!!」
榛名「貴女が、私の中身を手に入れても…きっと幸せにはなれない」
榛名CL「なんで言い切れるのよ!」ドォン ドォン
バッ…
ボゴオオォォォォォン
榛名「くっ…!」
榛名CL「どこまでいこうと、私はずっと陰…貴女の陰!もういやなの……陰は、私は表に出る。出て、光を浴び
るの……貴女と言う光を浴びて、私は陰から光になる。貴女を消して、私が新しい光になるのよ!」
榛名「そんなの、間違ってる。思い出や経験は、実際に体験して初めて得られるものだから…私の全てを貴女に
譲る事は愚か、渡す事なんて絶対にできない!」
榛名CL「だから、奪うのよ!」ジャキッ
榛名「だったら、絶対に渡さない!」ジャキッ
ドォン ドォン ドォン ドォン
ボゴオオオォォォォォォォォン
互いに構えた主砲が同時に火を噴き、二人の間で激しい爆発を巻き起こす。
榛名のクローンとして生まれた榛名CLは、傍に居る者が提督だったのならここまで捻くれたりはきっとしなかっ
ただろう、と予想がされる。
彼女の言葉にある陰、これは新鋭が事ある毎に彼女へ吹き込んだ言わば嫌味と妬みの塊だ。
榛名は優秀、お前は出来損ない。
榛名は出来る、お前じゃ出来ない。
榛名こそ艦娘の理想系であり、お前はその燃え滓から生まれた文字通りの塵屑だ、と。
そうして反骨精神のみを沁み込ませ、時に慰めてやる事で榛名CLの心を歪な鎖で雁字搦めに取り込む。
そして引き金となる最後の一言を囁いてやる事で、彼女は復讐と愛憎に塗れた負の化身となる。
榛名「……!」ダッ
榛名CL「逃げ回ってるつもりですか!」ドォン ドォン
ボゴオオォォォォォン
榛名「くっ」 被害軽微
榛名CL「夾叉…次は、外さない!」ジャキッ
榛名「どうして、何で貴女は私を憎むの!?」
榛名CL「どうして…?どうして、ですって?」
榛名「同じ存在なら……」
榛名CL「外見だけ一緒なだけじゃない!姿形が同じだけ、声が同じだけ、服装が同じだけ…私の中身は空っぽ…」
榛名「え……」
榛名CL「だから奪うの、貴女から!私が榛名……金剛型三番艦、戦艦榛名ッ!それが、私の存在証明!!」
榛名「貴女が、私の中身を手に入れても…きっと幸せにはなれない」
榛名CL「なんで言い切れるのよ!」ドォン ドォン
バッ…
ボゴオオォォォォォン
榛名「くっ…!」
榛名CL「どこまでいこうと、私はずっと陰…貴女の陰!もういやなの……陰は、私は表に出る。出て、光を浴び
るの……貴女と言う光を浴びて、私は陰から光になる。貴女を消して、私が新しい光になるのよ!」
榛名「そんなの、間違ってる。思い出や経験は、実際に体験して初めて得られるものだから…私の全てを貴女に
譲る事は愚か、渡す事なんて絶対にできない!」
榛名CL「だから、奪うのよ!」ジャキッ
榛名「だったら、絶対に渡さない!」ジャキッ
ドォン ドォン ドォン ドォン
ボゴオオオォォォォォォォォン
互いに構えた主砲が同時に火を噴き、二人の間で激しい爆発を巻き起こす。
榛名のクローンとして生まれた榛名CLは、傍に居る者が提督だったのならここまで捻くれたりはきっとしなかっ
ただろう、と予想がされる。
彼女の言葉にある陰、これは新鋭が事ある毎に彼女へ吹き込んだ言わば嫌味と妬みの塊だ。
榛名は優秀、お前は出来損ない。
榛名は出来る、お前じゃ出来ない。
榛名こそ艦娘の理想系であり、お前はその燃え滓から生まれた文字通りの塵屑だ、と。
そうして反骨精神のみを沁み込ませ、時に慰めてやる事で榛名CLの心を歪な鎖で雁字搦めに取り込む。
そして引き金となる最後の一言を囁いてやる事で、彼女は復讐と愛憎に塗れた負の化身となる。
723: 2015/01/10(土) 23:08:24.24 ID:Vo6r2gVBo
『欲しい?』
『欲しい…』
『羨む?』
『羨ましい…』
『望む?』
『望む…!』
『なら、力で奪い取りなさい』
『力で、奪う?』
『そう、それで貴女は完成する』
『私の、証明…』
ただ彼女は欲しただけ。
望んだだけ。
しかし、それについて選んだ手段が強引過ぎた。
新鋭の理念を纏い、手にする全戦力をただ榛名から奪い去る為だけに彼女の力は行使される。
榛名CL「私よりも弱い分際で…!」ザッ
榛名「くっ…!」ダッ
同時に海面を蹴る二人。
榛名は後方へ飛び退き距離を取ろうとし、榛名CLは近付いて一気に雌雄を決するべく前へ出る。
榛名「このっ…!」ドォン ドォン
サッ…
ボボボボボン
牽制の意味で放った榛名の砲撃はあっさり回避され、その距離は遠距離から中距離にまで縮む。
榛名CL「見せてみなさいよ。貴女の提督お墨付きの、本当の力って言うのを!」ドォン ドォン
ボゴオオォォォォォン
榛名「きゃあっ」 小破
ザッ…
榛名CL「…それとも、このまま氏ぬ?」ジャキッ
ついに榛名の行動を制御し、榛名と榛名CL、互いの距離は超近距離の状態で跪く榛名に対して、艤装の全砲塔を
榛名へ突き付ける形で榛名CLが立つ。
『欲しい…』
『羨む?』
『羨ましい…』
『望む?』
『望む…!』
『なら、力で奪い取りなさい』
『力で、奪う?』
『そう、それで貴女は完成する』
『私の、証明…』
ただ彼女は欲しただけ。
望んだだけ。
しかし、それについて選んだ手段が強引過ぎた。
新鋭の理念を纏い、手にする全戦力をただ榛名から奪い去る為だけに彼女の力は行使される。
榛名CL「私よりも弱い分際で…!」ザッ
榛名「くっ…!」ダッ
同時に海面を蹴る二人。
榛名は後方へ飛び退き距離を取ろうとし、榛名CLは近付いて一気に雌雄を決するべく前へ出る。
榛名「このっ…!」ドォン ドォン
サッ…
ボボボボボン
牽制の意味で放った榛名の砲撃はあっさり回避され、その距離は遠距離から中距離にまで縮む。
榛名CL「見せてみなさいよ。貴女の提督お墨付きの、本当の力って言うのを!」ドォン ドォン
ボゴオオォォォォォン
榛名「きゃあっ」 小破
ザッ…
榛名CL「…それとも、このまま氏ぬ?」ジャキッ
ついに榛名の行動を制御し、榛名と榛名CL、互いの距離は超近距離の状態で跪く榛名に対して、艤装の全砲塔を
榛名へ突き付ける形で榛名CLが立つ。
724: 2015/01/10(土) 23:18:04.15 ID:Vo6r2gVBo
榛名CL「貴女に決めさせてあげる。このまま氏ぬならその全てを私が奪う。抗うのなら、好きなだけ抗ってみせ
なさい。その全てを私が完膚なきまでに打ちのめして、絶望を味わってもらった上で貴女の全てを私が奪う」
榛名「っ……!」
榛名CL「…返答なしは、潔く氏ぬって事でいい?いいよね?だって、私にはどう頑張っても敵わないでしょ?」
榛名「私は…」
榛名CL「もう遅い!氏ねッ!!」ドォン ドォン
ボゴオオオオオォォォォォォォォン
超至近距離から容赦なく放たれた一斉射は、一瞬にして周囲を爆音が貫き、熱風が吹き荒れ、海が悲鳴を上げる。
白煙が立ち昇り、未だ冷め遣らぬ熱が篭るその只中へ、更に弾丸を再装填した榛名CLが再び砲撃を見舞う。
ドォン ドォン ドォン
ボゴオオォォォン ボゴオオォォォォォン
海は波立ち荒れ狂い、立ち昇る白煙は噴き上がった爆煙で更にその範囲を広げる。
熱気は更に加速し、燃え盛る炎の明かりが榛名CLの顔をオレンジ色に照らす。
その炎を背に、一つの影がユラユラと揺れている。
榛名CL「なっ…」
榛名「…まだ、やれます!」 中破
榛名CL「往生際が悪いんですね」
榛名「それが取り柄でもありますから」
榛名CL「なら、徹底的に潰して上げる。覚悟しなさい!」
榛名「ええ、榛名でいいなら、お相手しましょう!ただし、簡単に潰されはしません!」
榛名CL「くたばり損ないの癖に…!」ジャキッ
榛名「榛名!全力で参ります!」ジャキッ
榛名CL「そんなボロボロの状態で、何ができるって言うのよ!」ドォン ドォン
サッ……ボボボボボボボボボンッ
榛名「……!」
榛名CL「艤装も半壊、身体の状態も不満足…もうただの処分対象じゃない!」
榛名「…榛名は、一人じゃ何も出来ません」
榛名CL「出来損ないなら当然でしょ」
榛名「皆の協力がないと、満足な成果も上げれません」
榛名CL「自分のダメっぷりアピールしてどうするの?」
榛名「でも、一つだけ他の誰にもできない、私にしかできない事があります」
榛名CL「何が、言いたいのよ…!」
榛名「……」スッ…
榛名CL「それ、は…」
榛名「あの人の傍に寄り添うこと、共に生きること、未来を…作ること」
榛名CL「黙れッ!!」ドォン ドォン
なさい。その全てを私が完膚なきまでに打ちのめして、絶望を味わってもらった上で貴女の全てを私が奪う」
榛名「っ……!」
榛名CL「…返答なしは、潔く氏ぬって事でいい?いいよね?だって、私にはどう頑張っても敵わないでしょ?」
榛名「私は…」
榛名CL「もう遅い!氏ねッ!!」ドォン ドォン
ボゴオオオオオォォォォォォォォン
超至近距離から容赦なく放たれた一斉射は、一瞬にして周囲を爆音が貫き、熱風が吹き荒れ、海が悲鳴を上げる。
白煙が立ち昇り、未だ冷め遣らぬ熱が篭るその只中へ、更に弾丸を再装填した榛名CLが再び砲撃を見舞う。
ドォン ドォン ドォン
ボゴオオォォォン ボゴオオォォォォォン
海は波立ち荒れ狂い、立ち昇る白煙は噴き上がった爆煙で更にその範囲を広げる。
熱気は更に加速し、燃え盛る炎の明かりが榛名CLの顔をオレンジ色に照らす。
その炎を背に、一つの影がユラユラと揺れている。
榛名CL「なっ…」
榛名「…まだ、やれます!」 中破
榛名CL「往生際が悪いんですね」
榛名「それが取り柄でもありますから」
榛名CL「なら、徹底的に潰して上げる。覚悟しなさい!」
榛名「ええ、榛名でいいなら、お相手しましょう!ただし、簡単に潰されはしません!」
榛名CL「くたばり損ないの癖に…!」ジャキッ
榛名「榛名!全力で参ります!」ジャキッ
榛名CL「そんなボロボロの状態で、何ができるって言うのよ!」ドォン ドォン
サッ……ボボボボボボボボボンッ
榛名「……!」
榛名CL「艤装も半壊、身体の状態も不満足…もうただの処分対象じゃない!」
榛名「…榛名は、一人じゃ何も出来ません」
榛名CL「出来損ないなら当然でしょ」
榛名「皆の協力がないと、満足な成果も上げれません」
榛名CL「自分のダメっぷりアピールしてどうするの?」
榛名「でも、一つだけ他の誰にもできない、私にしかできない事があります」
榛名CL「何が、言いたいのよ…!」
榛名「……」スッ…
榛名CL「それ、は…」
榛名「あの人の傍に寄り添うこと、共に生きること、未来を…作ること」
榛名CL「黙れッ!!」ドォン ドォン
725: 2015/01/10(土) 23:18:36.26 ID:Vo6r2gVBo
サッ……ボボボボボン
榛名CL「なんで、当たらないのよ!」
榛名「私と同じなんでしょう?自分のことは、自分が一番知ってるって思わない?」
榛名CL「……っ!」
榛名「それでも、私と貴女じゃ決定的に違うものがある!」
榛名CL「煩い!」
榛名「過去にばかり縋って、未来を自分の手で紡ごうとしない貴女になんか、私は絶対に負けない!提督や、他
の皆のために…私は全力で貴女を倒します!」
榛名CL「…私を倒す?貴女が私を知ってるように、私も貴女のことなら何でも知ってる。貴女に私を倒すなんて
天地がひっくり返っても無理よ!」
榛名「お見せします…榛名の全力を…!」スッ…
そう堰を切って放たれた榛名の言葉、それと共に彼女は握り拳を作って海面に思いっきり叩き付けた。
バシャアアァァァァァァン
榛名CL「なっ…!?」
どのような意図が隠れているかなど知る由もない。
それだけでも驚かされたが何より彼女のか細いその腕で放たれた一撃は海面を割っるだけに留まらず、周囲を大
きく波打たせて単発的ながら大きな波を生み出した。
榛名CL「くっ…動きが…!」
榛名「……」ニコッ…
榛名CL「何の、真似よ!何笑ってるのよ!?こんなことしたって、貴女だって動けない……」
そこまで叫んで言葉が止まる。
出かかった言葉が喉に詰まる。
呑み込まされた、と言う方が正しいかもしれない。
否、もっと厳密には言葉を失った、が正しいだろう。
榛名にあって、榛名CLにないもの。
背負った事のある者だけが纏える鎧とも言うべき威厳、志した者だけが放てる光と言う名の信念。
今、榛名を支えるのは志半ばで倒れた者達から託された遺志と、今を生きる皆で紡いできた小さな、それでいて
とても頑丈な、決して消えない、解けない、敗れない、何物にも変え難い誇りとも呼べる形無き宝。
いつだって彼女は自分の為じゃない、誰かの為に全力で臨んで来た。
傷付こうと、危険な目に遭おうと、どんな逆境に立とうと全てを守ると彼女は立ち上がる。
そして彼女は常に戦場では皆の無事を願い、心配をし、誰かの支えになろうと奮起する。
周りを鼓舞し、勝利を目指して我武者羅に突き進む。喜びを分かち合い、手にした勝利を自分達を待ち続けてく
れる人へ捧げる為に、彼女は戦場で凛とした声で高らかに宣言する。
726: 2015/01/10(土) 23:19:07.63 ID:Vo6r2gVBo
榛名「勝利を!提督に!!」
誰が為に鳴らす鐘。
言うまでもない、結局は誰もが彼の笑顔を見たいから、彼の居る下へ戻りたいから、だから頑張れる。
榛名CL「空を、飛ぶなんて…」ギリッ…
榛名「主砲!砲撃開始!!」ドォン ドォン
超高高度、そう表現するに相応しい角度。
奥歯を噛み締め、歯軋りが聞こえそうなほどに強く口を噤み、その光景を目に焼き付ける。
到底、真似できる芸当ではない……そう悟ってしまった事への悔しさと憎しみがその表情から滲み出る。
だから放たれた砲撃に対して何の防衛手段も選べなかった。
ボゴオオォォォォォン
炸裂する榛名の砲撃、薄れる意識の片隅で彼女が最後に目にしたのは────巨大な顎を象った、口だった。
誰が為に鳴らす鐘。
言うまでもない、結局は誰もが彼の笑顔を見たいから、彼の居る下へ戻りたいから、だから頑張れる。
榛名CL「空を、飛ぶなんて…」ギリッ…
榛名「主砲!砲撃開始!!」ドォン ドォン
超高高度、そう表現するに相応しい角度。
奥歯を噛み締め、歯軋りが聞こえそうなほどに強く口を噤み、その光景を目に焼き付ける。
到底、真似できる芸当ではない……そう悟ってしまった事への悔しさと憎しみがその表情から滲み出る。
だから放たれた砲撃に対して何の防衛手段も選べなかった。
ボゴオオォォォォォン
炸裂する榛名の砲撃、薄れる意識の片隅で彼女が最後に目にしたのは────巨大な顎を象った、口だった。
727: 2015/01/10(土) 23:46:11.71 ID:Vo6r2gVBo
-悪鬼の咆哮-
ボゴオオォォォォォン
新鋭「……っ!」バッ
提督「終わりですよ、何もかも…!」
新鋭「私の…艦隊が、全滅したって言うの!?」
提督「どれだけ精鋭を揃えようと、どれだけ策を弄そうと、強い信念を持ったあいつ等には、無意味だったって
ことですよ。もう諦めて大人しく縛について下さい」
アヒャヒャヒャ……
提督「……っ!?」
新鋭「なっ……」
爆発音の後、収まった静寂の中に聞こえてきた耳障りな笑い声。
長門「提督、離れろ!!」
近くまで戻ってきた長門が声を張り上げる。
そしてその直後、四方から一斉に何かが飛び出し、提督と新鋭の周りで大きく爆ぜた。
ボゴオオォォォォン
ザザザザッ…
提督「くっ…!」
新鋭「…ッ!」
??「アハッ……アヒャヒャヒャ……!はぁ、美味い……いいよぉ、美味いよぉ……やっぱり、ボクは…強い!」
提督「お前は…」
新鋭「戦艦…レ級…」
ボゴオオォォォォォン
新鋭「……っ!」バッ
提督「終わりですよ、何もかも…!」
新鋭「私の…艦隊が、全滅したって言うの!?」
提督「どれだけ精鋭を揃えようと、どれだけ策を弄そうと、強い信念を持ったあいつ等には、無意味だったって
ことですよ。もう諦めて大人しく縛について下さい」
アヒャヒャヒャ……
提督「……っ!?」
新鋭「なっ……」
爆発音の後、収まった静寂の中に聞こえてきた耳障りな笑い声。
長門「提督、離れろ!!」
近くまで戻ってきた長門が声を張り上げる。
そしてその直後、四方から一斉に何かが飛び出し、提督と新鋭の周りで大きく爆ぜた。
ボゴオオォォォォン
ザザザザッ…
提督「くっ…!」
新鋭「…ッ!」
??「アハッ……アヒャヒャヒャ……!はぁ、美味い……いいよぉ、美味いよぉ……やっぱり、ボクは…強い!」
提督「お前は…」
新鋭「戦艦…レ級…」
728: 2015/01/10(土) 23:48:22.35 ID:Vo6r2gVBo
リコリス「冗談でしょ、こいつ…!」
ピーコック「これほどなの、こいつの進化は…」
提督「お前達…」
榛名「長門さん…!」
長門「榛名、すまない…私の責任だ。仕損じた…!」
榛名「他の、皆は…」
長門「解らんが、今は信じるしかない。近くに飛龍が居たのは確認してるが、戦闘の最中で巻き込む訳には行か
ないと思ってな…距離を置いてしまったのも仇になった」
提督「おい、長門。あれは本当に戦艦レ級なのか…!?」
長門「ああ、すまない。事実だ…奴は、沈んだとばかり思っていたが榛名の相手していたクローンを……食った」
リコリス「この場に揃ってるのは私達だけね」
ピーコック「誰も沈んでないって信じてるんでしょう?」
提督「当然だ…!」
ピーコック「なら、今は私達だけでアレを食い止める。出来る事なら仕留めるのよ」
新鋭「……無理よ」
榛名「何を言って…」
新鋭「あれはもう未知の化け物なのよ!?そうならない為に、そうしない為に私は……!」
提督「御託は後だ!すまない、榛名、長門、ピーコック、リコリス……あの化け物を、止めてくれ」
長門「ああ、そのつもりだ」
榛名「はい…!」
リコリス「はぁ~あ…嫌になるわね」
ピーコック「ホント…ベット積み過ぎでしょう。どれだけ釣り上げる気かしらね」
新鋭「貴方達、正気なの!?」
長門「良く見ておけ、これが私達だ」
榛名「諦めません」
リコリス「ふふっ、でも癖になりそう。やってあげるわよ」
ピーコック「これが最後よ…!」
レ級FS「全部纏めて、食い頃してやるよッ!!」
ピーコック「これほどなの、こいつの進化は…」
提督「お前達…」
榛名「長門さん…!」
長門「榛名、すまない…私の責任だ。仕損じた…!」
榛名「他の、皆は…」
長門「解らんが、今は信じるしかない。近くに飛龍が居たのは確認してるが、戦闘の最中で巻き込む訳には行か
ないと思ってな…距離を置いてしまったのも仇になった」
提督「おい、長門。あれは本当に戦艦レ級なのか…!?」
長門「ああ、すまない。事実だ…奴は、沈んだとばかり思っていたが榛名の相手していたクローンを……食った」
リコリス「この場に揃ってるのは私達だけね」
ピーコック「誰も沈んでないって信じてるんでしょう?」
提督「当然だ…!」
ピーコック「なら、今は私達だけでアレを食い止める。出来る事なら仕留めるのよ」
新鋭「……無理よ」
榛名「何を言って…」
新鋭「あれはもう未知の化け物なのよ!?そうならない為に、そうしない為に私は……!」
提督「御託は後だ!すまない、榛名、長門、ピーコック、リコリス……あの化け物を、止めてくれ」
長門「ああ、そのつもりだ」
榛名「はい…!」
リコリス「はぁ~あ…嫌になるわね」
ピーコック「ホント…ベット積み過ぎでしょう。どれだけ釣り上げる気かしらね」
新鋭「貴方達、正気なの!?」
長門「良く見ておけ、これが私達だ」
榛名「諦めません」
リコリス「ふふっ、でも癖になりそう。やってあげるわよ」
ピーコック「これが最後よ…!」
レ級FS「全部纏めて、食い頃してやるよッ!!」
729: 2015/01/10(土) 23:58:31.07 ID:Vo6r2gVBo
-最後の出撃-
レ級FS「知ってるか?負の感情、情念を抱いて氏んだ奴の肉って言うのはとてもスパイシーで身が引き締まって、
とても濃厚で、それはそれはゴージャスな餌になるんだ!アハハハハハハッ!!」
榛名「彼女は、彼女なりに頑張って、私に挑んで…文字通り全てを賭して戦ったんです」
レ級FS「そう!その爆発した感情を内包したまま、氏ぬ前に生きたまま食ってやるのが礼儀ってもんだよ。今頃
はボクの腹の中で、喜んでるんじゃないかなぁ」
榛名「許せない…!」
長門「性根は変わらずじまいだな」
レ級FS「ボクは強いから生き残ったんだよ。あいつは弱いからボクに捕食されたのさ。弱肉強食……ッ!なぁ、
そうだろ新鋭…?お前も、そいつらに負けるなら用済みだね」
新鋭「……っ!」
レ級FS「ボクに食われて、ボクの糧になれ…!」ギュオッ
バチィッ
レ級FS「くっ…!」ビュルッ…
ピーコック「……」
レ級FS「邪魔、するなよ。手元が狂って外れちゃうだろ?」ニヤニヤ…
リコリス「こんな下衆を従えてたかと思うと反吐が出るわね」
レ級FS「今はボクが上で、お前等は下だろ?まぁ、従うっていうなら従わせてやらないでもないよ。ボクの手足
となって奴隷として是非働かせて下さいってお願いしてごらんよ、ほら…早く!」
リコリス「……」サッ…
ピーコック「返事よ」スッ…
ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
榛名「これは…」
長門「壮観だな…」
リコリス「First Air Fleet……」
ピーコック「全艦載機、その錬度をもって…」
リコリス「全機発艦っ!」バッ
ピーコック「目標を殲滅っ!」バッ
レ級FS「無駄だってば…今や、ボクは最強なんだよ…!」ジャキッ
レ級FS「知ってるか?負の感情、情念を抱いて氏んだ奴の肉って言うのはとてもスパイシーで身が引き締まって、
とても濃厚で、それはそれはゴージャスな餌になるんだ!アハハハハハハッ!!」
榛名「彼女は、彼女なりに頑張って、私に挑んで…文字通り全てを賭して戦ったんです」
レ級FS「そう!その爆発した感情を内包したまま、氏ぬ前に生きたまま食ってやるのが礼儀ってもんだよ。今頃
はボクの腹の中で、喜んでるんじゃないかなぁ」
榛名「許せない…!」
長門「性根は変わらずじまいだな」
レ級FS「ボクは強いから生き残ったんだよ。あいつは弱いからボクに捕食されたのさ。弱肉強食……ッ!なぁ、
そうだろ新鋭…?お前も、そいつらに負けるなら用済みだね」
新鋭「……っ!」
レ級FS「ボクに食われて、ボクの糧になれ…!」ギュオッ
バチィッ
レ級FS「くっ…!」ビュルッ…
ピーコック「……」
レ級FS「邪魔、するなよ。手元が狂って外れちゃうだろ?」ニヤニヤ…
リコリス「こんな下衆を従えてたかと思うと反吐が出るわね」
レ級FS「今はボクが上で、お前等は下だろ?まぁ、従うっていうなら従わせてやらないでもないよ。ボクの手足
となって奴隷として是非働かせて下さいってお願いしてごらんよ、ほら…早く!」
リコリス「……」サッ…
ピーコック「返事よ」スッ…
ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
榛名「これは…」
長門「壮観だな…」
リコリス「First Air Fleet……」
ピーコック「全艦載機、その錬度をもって…」
リコリス「全機発艦っ!」バッ
ピーコック「目標を殲滅っ!」バッ
レ級FS「無駄だってば…今や、ボクは最強なんだよ…!」ジャキッ
730: 2015/01/10(土) 23:59:18.03 ID:Vo6r2gVBo
ボゴオオォォォォォン
ボゴオオォォォォォン
ボゴオオォォォォォン
ボフウウゥゥゥゥゥゥゥゥン……
リコリス「なっ…!」
ピーコック「あの、弾幕の中を…!?」
レ級FS「ボクこそ最強!この世界に君臨し、この海を制圧し、お前達人間共を扱き下ろし、艦娘全てを根絶やし
にし尽くしてやる!跪け、海軍!ボクこそが、お前達の危惧する恐怖そのものだ…!」
提督「…教えてやれ、お前たち。俺たちの翳す信念がどんなものかを…そこにいる化け物に知らしめてやるんだ」
リコリス「あら、『たち』って私達も入ってるのかしら?」
ピーコック「っていうか、それ命令なわけ?」
長門「ふっ…」
榛名「強情ですね」
提督「いいや、作戦指示だ」ニヤッ…
リコリス「りょーかい…!」スッ…
ピーコック「…任せなさい」スッ…
長門「殿は私が務める」グッ
榛名「サポートします」
リコリス「準備は何時でもいいわ」
ピーコック「さぁ、鬼退治よ」
長門「よし!」ザッ
レ級FS「こいよ!全て捻じ伏せてやる!!」
長門「艦隊、この長門に続け!!」ダッ
731: 2015/01/10(土) 23:59:52.03 ID:Vo6r2gVBo
長門の号令と共に長門、榛名が同時に駆け出し、リコリスとピーコックは同時に艦載機を放つ。
それに合わせるように、レ級FSは上空へ艦載機を放ち、自身は長門と榛名の二人を迎え撃つべく正面を見据える。
だがそこでレ級FSにとっては不足の事態、想定していなかった状況が生まれた。
──これでFinish!?な訳無いデショ!──
──艦載機、発艦急げ!──
──そろそろ反撃よ…!──
──よし、一気に決めるで!──
──追撃戦に移ります!──
──四十門の酸素魚雷は伊達じゃないからねっと──
──君たちには失望したよ。ここが潮時だね──
──何も、解ってイナイ…愚かな子──
レ級FS「援軍、だと…!?」
榛名「皆、ここまで来てくれたの!?」
長門「ふっ、さぁ…待ちに待った艦隊戦だな!」
リコリス「出し惜しみ無しよ!」
ピーコック「お釣りも全部取っておきなさい!余さずご褒美として受け取ってもらうわ!」
金剛「全砲門!Fire!」ドォン ドォン
伊勢「主砲、四基八門、一斉射!」
蒼龍「全艦載機、発進!」
プリンツ「砲撃、開始!Feuer!」
北上「そんじゃま、やっちゃいますか!」
時雨「ここは譲れない」
ポート「お痛ガ過ぎるワネ」
レ級FS「港湾棲姫・ポート…!キミも結局、艦娘や人を選ぶのか!」
ポート「少なくトモ、アナタが望む世界ヨリは、現実味アルわ」
それに合わせるように、レ級FSは上空へ艦載機を放ち、自身は長門と榛名の二人を迎え撃つべく正面を見据える。
だがそこでレ級FSにとっては不足の事態、想定していなかった状況が生まれた。
──これでFinish!?な訳無いデショ!──
──艦載機、発艦急げ!──
──そろそろ反撃よ…!──
──よし、一気に決めるで!──
──追撃戦に移ります!──
──四十門の酸素魚雷は伊達じゃないからねっと──
──君たちには失望したよ。ここが潮時だね──
──何も、解ってイナイ…愚かな子──
レ級FS「援軍、だと…!?」
榛名「皆、ここまで来てくれたの!?」
長門「ふっ、さぁ…待ちに待った艦隊戦だな!」
リコリス「出し惜しみ無しよ!」
ピーコック「お釣りも全部取っておきなさい!余さずご褒美として受け取ってもらうわ!」
金剛「全砲門!Fire!」ドォン ドォン
伊勢「主砲、四基八門、一斉射!」
蒼龍「全艦載機、発進!」
プリンツ「砲撃、開始!Feuer!」
北上「そんじゃま、やっちゃいますか!」
時雨「ここは譲れない」
ポート「お痛ガ過ぎるワネ」
レ級FS「港湾棲姫・ポート…!キミも結局、艦娘や人を選ぶのか!」
ポート「少なくトモ、アナタが望む世界ヨリは、現実味アルわ」
732: 2015/01/11(日) 00:03:43.52 ID:n7OS+c8jo
気付けば一匹、彼女に対して少しの同情をする部分があるとすれば、それはやはり望まれて生まれてきた訳では
ないという点だろうか。
あくまで、彼女は新鋭が進めていた研究の副産物として誕生した変異種。
故に通常のカテゴリーからは逸脱し、際限なく全てを破壊し尽くした。
全てを敵に回し、全てを拒絶し、全てを投げ捨てた、怨念の塊以外の何ものでもない存在。
だからこそ淘汰されて然るべきなのかもしれない。
彼女の存在に勝るもの、それが目の前に居る艦娘達なのだ。
刹那の間にレ級FSが想い描いたのは、それでも己自身の未来だった。
炎の海、漆黒の闇、混沌とした世界の中心で狂気に染まった笑みを浮かべる自身を想い描く。
だから一斉攻撃が自らを襲うその瞬間でさえ、戦艦レ級FSは笑みを絶やさなかった。
声には出さなかった、だが…彼女は静かに思い続けた。
まるで呪詛の如く、一つの事を思い続けた。
『ボクが氏のうと何度だってボクは生まれ変わる。次に出会うその時こそ────』
しかし、その呪詛すらも己を倒そうと迫り来る砲撃と艦爆艦攻の嵐に掻き消されてゆく。
この理念は、必ず何かに受け継がれてゆく。
だから彼女は最後まで笑みを絶やす事無く、戦火の中へと消えていった。
ないという点だろうか。
あくまで、彼女は新鋭が進めていた研究の副産物として誕生した変異種。
故に通常のカテゴリーからは逸脱し、際限なく全てを破壊し尽くした。
全てを敵に回し、全てを拒絶し、全てを投げ捨てた、怨念の塊以外の何ものでもない存在。
だからこそ淘汰されて然るべきなのかもしれない。
彼女の存在に勝るもの、それが目の前に居る艦娘達なのだ。
刹那の間にレ級FSが想い描いたのは、それでも己自身の未来だった。
炎の海、漆黒の闇、混沌とした世界の中心で狂気に染まった笑みを浮かべる自身を想い描く。
だから一斉攻撃が自らを襲うその瞬間でさえ、戦艦レ級FSは笑みを絶やさなかった。
声には出さなかった、だが…彼女は静かに思い続けた。
まるで呪詛の如く、一つの事を思い続けた。
『ボクが氏のうと何度だってボクは生まれ変わる。次に出会うその時こそ────』
しかし、その呪詛すらも己を倒そうと迫り来る砲撃と艦爆艦攻の嵐に掻き消されてゆく。
この理念は、必ず何かに受け継がれてゆく。
だから彼女は最後まで笑みを絶やす事無く、戦火の中へと消えていった。
733: 2015/01/11(日) 00:06:00.81 ID:n7OS+c8jo
-終幕-
激闘から僅か半日と経たない間に海軍は深海棲艦との大々的な戦に終止符が打たれた旨を宣言した。
今後は警戒態勢を強化し、残党として未だに敵対してくる深海棲艦にのみ注意を払う事を付け加えた。
失ったものは大きく、得たものは少ない。
だがそれはとある鎮守府にとっては瑣末な出来事だった。
彼等はただ、それぞれを想って戦っただけなのだから。
これまでと何ら変わりはない。
あの夜、最後の激闘を制して新鋭を捕らえ、鎮守府に戻って共に戦った仲間達と大宴会を開いた。
もうクリスマスは過ぎていたけど、これこそがクリスマスプレゼントだと皆はしゃいでいた。
そして今────
提督「はぁ、さっむいなぁ…ま、どうせ暇だしなぁ…」
榛名「暇じゃありません!」
提督「うおぉぉぉっ!」
榛名「なっ、そんな驚かなくてもいいじゃないですか!」
提督「おま、まだ朝の五時だぞ?もう大晦日手前だから任務もないし、鎮守府に来る必要ないだろ」
榛名「そういう提督はなんで鎮守府に来てるんですか」
提督「え、そりゃ暇だから…」
榛名「朝の五時に暇だからって…どうせ普段出来ない資料整理でもしようとか思ってたんじゃないんですか?」
提督「目敏いやっちゃなぁ…」ガチャガチャ…
ガチャ…
榛名「そういえば、リコリスやピーコック達、正式にうちで預かる事になったんですか?」
提督「あぁ…アクタンがリコリス、ポートの二人とはどうしても離れ離れいやだってさ」
榛名「ピーコックは…?」
提督「俺のところ意外はいやだと…」
榛名「…良かったですね、可愛い子達が増えて」ムスッ…
提督「俺は悪くねぇだろ!?」
榛名「別に榛名は怒ってませんよー」スタスタ…
提督「怒ってるだろ、どー考えても!てか、待てって…」
榛名「ふーん…」ツーン
提督「ったく…」
ピタッ…
榛名「……」
提督「ん、どうした急に…」
榛名「ドア、提督が開けてくれないとは入れないから…」
提督「ぷっ…ははっ、はいはいっと…」ガチャ…
激闘から僅か半日と経たない間に海軍は深海棲艦との大々的な戦に終止符が打たれた旨を宣言した。
今後は警戒態勢を強化し、残党として未だに敵対してくる深海棲艦にのみ注意を払う事を付け加えた。
失ったものは大きく、得たものは少ない。
だがそれはとある鎮守府にとっては瑣末な出来事だった。
彼等はただ、それぞれを想って戦っただけなのだから。
これまでと何ら変わりはない。
あの夜、最後の激闘を制して新鋭を捕らえ、鎮守府に戻って共に戦った仲間達と大宴会を開いた。
もうクリスマスは過ぎていたけど、これこそがクリスマスプレゼントだと皆はしゃいでいた。
そして今────
提督「はぁ、さっむいなぁ…ま、どうせ暇だしなぁ…」
榛名「暇じゃありません!」
提督「うおぉぉぉっ!」
榛名「なっ、そんな驚かなくてもいいじゃないですか!」
提督「おま、まだ朝の五時だぞ?もう大晦日手前だから任務もないし、鎮守府に来る必要ないだろ」
榛名「そういう提督はなんで鎮守府に来てるんですか」
提督「え、そりゃ暇だから…」
榛名「朝の五時に暇だからって…どうせ普段出来ない資料整理でもしようとか思ってたんじゃないんですか?」
提督「目敏いやっちゃなぁ…」ガチャガチャ…
ガチャ…
榛名「そういえば、リコリスやピーコック達、正式にうちで預かる事になったんですか?」
提督「あぁ…アクタンがリコリス、ポートの二人とはどうしても離れ離れいやだってさ」
榛名「ピーコックは…?」
提督「俺のところ意外はいやだと…」
榛名「…良かったですね、可愛い子達が増えて」ムスッ…
提督「俺は悪くねぇだろ!?」
榛名「別に榛名は怒ってませんよー」スタスタ…
提督「怒ってるだろ、どー考えても!てか、待てって…」
榛名「ふーん…」ツーン
提督「ったく…」
ピタッ…
榛名「……」
提督「ん、どうした急に…」
榛名「ドア、提督が開けてくれないとは入れないから…」
提督「ぷっ…ははっ、はいはいっと…」ガチャ…
734: 2015/01/11(日) 00:06:32.66 ID:n7OS+c8jo
榛名「…余り実感って、沸かないものなんですね」
提督「あぁ?何が…っと、暖炉暖炉…しっかし、暖炉ねぇ…もうちょい最新のもん用意してくれてもいいだろうに」
榛名「深海棲艦はまだ居るのは解りますけど、なんていうか…」
提督「危機的状況は去った、みたいな?」
榛名「まぁ、なんというか…はい」
提督「それで良いんじゃないのかっと、よし…これで少ししたら暖まるな」ボッ…
榛名「それでいいって言うのは、一体…」
提督「俺は、お前たちと居るのが好きだ」ニコッ
榛名「えっ…」
提督「これからもずっと、以前と変わらず一緒に居たい。だから元帥殿からもらった話も蹴った」
榛名「元帥殿からもらった話って、私は何も聞いてませんよ!?」
提督「ん?そりゃあ、話してないからな?とにかく、一先ずの脅威は去った。それで良いんじゃないのか」
榛名「そう、ですよね」
提督「ああ、本当の本当に、全てが終わったら俺も海軍を辞めるよ」
榛名「え!?」
提督「ほら、以前に話しただろ。全てが終わったら、どっかに土地でも何でも買って二人で静かに暮らすって」
榛名「あ…///」
提督「あー…ゴホン。言っておくが、俺は本気だからな。俺の目標は一週間をとにかくだらけて過ごすことだ」
榛名「んな…!」
提督「ここに居ちゃ、一日どころか半日すらもだらけるのは不可能だ。だから、退官した後はもう徹底的にだら
けまくってお前に迷惑かけまくってやるんだ。で、二人で笑って一日を過ごす!」
榛名「私が余り笑えなさそうじゃないですか!?」
提督「ははっ、そん時になってみなきゃその状況は解らんだろうけどなぁ」
榛名「もう…提督は私がついてないとダメみたいですね」
提督「おう、そうみたいだ。だから頼むわ」
榛名「ふふっ、ええ…榛名でいいなら、お相手しましょう」
これはとある鎮守府のお話。
彼と彼女達の物語はこの先もまだまだ続くのだろう。
ただこの海が好きで、周りに居る皆が愛おしく、いつまでも共に居たいと思えるような、そんな仲間達。
これから先も、多くの事が起こりえるだろうが、それはまた別の話。
今はただ、この平凡な毎日を恙無く過ごすのみ。
何も起こらない、騒ぎも、事件も、戦争も。
今日もいつもと同じ、提督と彼女達の賑やかな声だけが鎮守府からは響いてくる。
Fin.
提督「あぁ?何が…っと、暖炉暖炉…しっかし、暖炉ねぇ…もうちょい最新のもん用意してくれてもいいだろうに」
榛名「深海棲艦はまだ居るのは解りますけど、なんていうか…」
提督「危機的状況は去った、みたいな?」
榛名「まぁ、なんというか…はい」
提督「それで良いんじゃないのかっと、よし…これで少ししたら暖まるな」ボッ…
榛名「それでいいって言うのは、一体…」
提督「俺は、お前たちと居るのが好きだ」ニコッ
榛名「えっ…」
提督「これからもずっと、以前と変わらず一緒に居たい。だから元帥殿からもらった話も蹴った」
榛名「元帥殿からもらった話って、私は何も聞いてませんよ!?」
提督「ん?そりゃあ、話してないからな?とにかく、一先ずの脅威は去った。それで良いんじゃないのか」
榛名「そう、ですよね」
提督「ああ、本当の本当に、全てが終わったら俺も海軍を辞めるよ」
榛名「え!?」
提督「ほら、以前に話しただろ。全てが終わったら、どっかに土地でも何でも買って二人で静かに暮らすって」
榛名「あ…///」
提督「あー…ゴホン。言っておくが、俺は本気だからな。俺の目標は一週間をとにかくだらけて過ごすことだ」
榛名「んな…!」
提督「ここに居ちゃ、一日どころか半日すらもだらけるのは不可能だ。だから、退官した後はもう徹底的にだら
けまくってお前に迷惑かけまくってやるんだ。で、二人で笑って一日を過ごす!」
榛名「私が余り笑えなさそうじゃないですか!?」
提督「ははっ、そん時になってみなきゃその状況は解らんだろうけどなぁ」
榛名「もう…提督は私がついてないとダメみたいですね」
提督「おう、そうみたいだ。だから頼むわ」
榛名「ふふっ、ええ…榛名でいいなら、お相手しましょう」
これはとある鎮守府のお話。
彼と彼女達の物語はこの先もまだまだ続くのだろう。
ただこの海が好きで、周りに居る皆が愛おしく、いつまでも共に居たいと思えるような、そんな仲間達。
これから先も、多くの事が起こりえるだろうが、それはまた別の話。
今はただ、この平凡な毎日を恙無く過ごすのみ。
何も起こらない、騒ぎも、事件も、戦争も。
今日もいつもと同じ、提督と彼女達の賑やかな声だけが鎮守府からは響いてくる。
Fin.
735: 2015/01/11(日) 00:07:05.29 ID:n7OS+c8jo
以上で 【艦これ】提督「暇じゃなくなった」 完結となります。
長い目で読み続けてくれた皆様、本当にありがとうございます。
今後も何か思いつくネタでもあれば書きたいと思います。
一週間、このスレはこのままにさせておきます。
意見や要望等、あればお好きにご記入下さい。
答えられる内容であれば全て返信させて頂きたいと思います。
長い目で読み続けてくれた皆様、本当にありがとうございます。
今後も何か思いつくネタでもあれば書きたいと思います。
一週間、このスレはこのままにさせておきます。
意見や要望等、あればお好きにご記入下さい。
答えられる内容であれば全て返信させて頂きたいと思います。
736: 2015/01/11(日) 00:32:58.14 ID:XwpBI/rUo
完結乙です
737: 2015/01/11(日) 01:12:23.06 ID:VoOr8EsM0
乙
ピーコックたちは鎮守府にいるんだ
どこか特区みたいなの作って、残ってる深海棲艦たちにあげるのかと思った
ピーコックたちは鎮守府にいるんだ
どこか特区みたいなの作って、残ってる深海棲艦たちにあげるのかと思った
740: 2015/01/11(日) 19:14:27.37 ID:VoOr8EsM0
艦娘が撃沈した場合はあったが、深海棲艦が沈むとどうなるんだ?
フェアルストもそのうち生まれてくるのかな?
そしたらピーコックたちと暮らせるの?
フェアルストもそのうち生まれてくるのかな?
そしたらピーコックたちと暮らせるの?
741: 2015/01/11(日) 19:27:30.38 ID:8Og8zPH6o
>>740
詳細を書いてないのであれでしたが、自分の作品内での深海棲艦の扱いは
怨念や悲しみ、憎しみと言った負の感情を糧にしている存在という設定です
ですので、深海棲艦として想いを遂げて果てた場合はそのまま魂は昇天する
という設定で話を進めていました
フェアルストは最後、本当の姿で最後の戦いに挑んだ事で、艦娘として果てた
と考えてもいいかもしれませんね
ですので、何れはピーコック達と平和な世界で邂逅を果たせる日がくるのかもしれません
詳細を書いてないのであれでしたが、自分の作品内での深海棲艦の扱いは
怨念や悲しみ、憎しみと言った負の感情を糧にしている存在という設定です
ですので、深海棲艦として想いを遂げて果てた場合はそのまま魂は昇天する
という設定で話を進めていました
フェアルストは最後、本当の姿で最後の戦いに挑んだ事で、艦娘として果てた
と考えてもいいかもしれませんね
ですので、何れはピーコック達と平和な世界で邂逅を果たせる日がくるのかもしれません
743: 2015/01/13(火) 19:35:16.80 ID:AKOpFHBNo
乙
次回作も楽しみにしてるよ
次回作も楽しみにしてるよ
次回:【艦これ】提督「暇暇ひ~ま~ひ~ま~」【番外】
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります