1: ◆vgbPh/qA6.0z 2015/01/25(日) 00:39:33.52 ID:jYCVPHBVo
艦これのSSです。
書簡体、対話体、それぞれの形式で書く事があります。
いくつかオリジナル要素が登場します。
作品内に前作品の設定が一部反映されており、世界観が一部リンクされています。
一部、過剰ではありませんがバイオレンス的表現が混ざる場合があるのでご注意下さい。
各艦娘の相関図等、若干違う部分もあると思いますが二次創作観点からご了承下さい。
【艦これ】提督「暇っすね」
【艦これ】提督「暇じゃなくなった」
【艦これ】提督「暇暇ひ~ま~ひ~ま~」【番外】
上記作品は過去作品になります。
書簡体、対話体、それぞれの形式で書く事があります。
いくつかオリジナル要素が登場します。
作品内に前作品の設定が一部反映されており、世界観が一部リンクされています。
一部、過剰ではありませんがバイオレンス的表現が混ざる場合があるのでご注意下さい。
各艦娘の相関図等、若干違う部分もあると思いますが二次創作観点からご了承下さい。
【艦これ】提督「暇っすね」
【艦これ】提督「暇じゃなくなった」
【艦これ】提督「暇暇ひ~ま~ひ~ま~」【番外】
上記作品は過去作品になります。
2: 2015/01/25(日) 00:40:06.95 ID:jYCVPHBVo
~ハズレ鎮守府~
-仮面-
加賀「何を訳の解らない事を呟いているのですか」
提督「んあー、業績の話」
加賀「なるほど。ですが、些か血迷った発言にも感じます」
提督「血迷ったってお前…」
加賀「これが今月の提督の業績表です」ピラッ…
提督「何も見えない」
加賀「現実を直視して下さい。提督は近隣区画の鎮守府の中で下段から数えて一番目です。数字の上では一番で
すけれど、あえて皮肉を言った方が宜しいですか?」
提督「言うな!」
加賀「百歩譲って最強は良いとしましょう。しかし言うに事欠いてNo.1ではなくNo.2とは意味が解りません」
提督「だってNo.1業績っていつもエリート提督じゃん?最強の水上打撃艦隊と空母機動艦隊備えてるじゃん?」
加賀「その直に他人と自分を比較する癖、いい加減やめては如何ですか。寧ろ比較事態が無意味です」
提督「と・に・か・く!まずはNo.2な訳よ!」
加賀「どちらにしろ机上の空論、砂上の楼閣、絵空事に変わりはありませんね」
提督「相変わらず辛辣だねぇ…」
加賀「何か問題でも?」
提督「あぁ、もういい。もういい!今日のスケジュールは!?」
加賀「…本日は遠征任務のみです。応援依頼のあった輸送船団の海上護衛任務、こちらが主任務となります」
提督「ああ、そう…で、面子は」
加賀「私、加賀と長良、漣に満潮、変わりありません」
提督「ですよね。お前等四人しか居ないもんな」
加賀「他に何かありますか」
提督「んー…」ジー…
加賀「…私の顔に、何かついていて?」
提督「いや…別に」
加賀「はぁ…これだけは言わせて頂きますが、あなたが私の提督なのは別に構いません。それなりに期待もしま
しょう。ですが、それだけの事です。先にも言いましたが、現実を直視して下さい。こんなハズレの鎮守府にき
たという自覚と、諦めも重要だと私は思っています」
提督「ハズレねぇ…」
加賀「…では、失礼します」ペコリ スッ…
提督「はいはいっと…」
ガチャ…パタン…
提督「はぁ、全く何だかなぁ…」
3: 2015/01/25(日) 00:40:40.88 ID:jYCVPHBVo
そこは外れた鎮守府。
大本営をはじめとし、他の鎮守府ではそこをハズレ鎮守府と呼ぶ。
問題児とされた艦娘や提督の行き着く陸の孤島。別名、海軍の墓場。
主要な任務など皆無に等しく、回される仕事の大半は良くて護衛任務。
無しが基本当たり前。
最も酷いのは演習の的役。
彼がこの鎮守府に着任した切っ掛けは定かとなっていない。
何かしでかした訳でも軍法に反した訳でもない。
彼は自ら進んでこのハズレ鎮守府へと来たのだ。
ここに進水している艦娘は僅か四名。
一人目は加賀型一番艦、正規空母ネームシップの加賀。
嘗ては一航戦の加賀として同じ一航戦の赤城と共に第一線を支え続けたと言われている正規空母の加賀。
しかし彼女は戦場において作戦指示を無視し、無茶とも言える特攻を仕掛けて敵味方問わずに多大な被害を出す
と言う大惨事を引き起こした過去がある。
それが原因となり、加賀は大将第一艦隊に所属していたものの、即時解任。
解体処分こそ免れたものの、この遠方の地である陸の孤島、海軍の墓場たるハズレ鎮守府への左遷が決まった。
二人目は長良型一番艦、軽巡洋艦ネームシップの長良。
数々の戦場をたった一人で駆け回り、制圧してしまうという偉業を成し得た過去を持つ。
だがそれは組織にとってあってはならない、してはならない行いの一つだった。
彼女の行動の端々でその被害を被り轟沈してしまった艦娘も居ると聞く。
水雷戦隊の指揮統率力は群を抜いていたと言われているが、上記の通り自ら作戦を逸脱する行為が目に余り結果
として彼女もまた左遷扱いとなった。
大本営をはじめとし、他の鎮守府ではそこをハズレ鎮守府と呼ぶ。
問題児とされた艦娘や提督の行き着く陸の孤島。別名、海軍の墓場。
主要な任務など皆無に等しく、回される仕事の大半は良くて護衛任務。
無しが基本当たり前。
最も酷いのは演習の的役。
彼がこの鎮守府に着任した切っ掛けは定かとなっていない。
何かしでかした訳でも軍法に反した訳でもない。
彼は自ら進んでこのハズレ鎮守府へと来たのだ。
ここに進水している艦娘は僅か四名。
一人目は加賀型一番艦、正規空母ネームシップの加賀。
嘗ては一航戦の加賀として同じ一航戦の赤城と共に第一線を支え続けたと言われている正規空母の加賀。
しかし彼女は戦場において作戦指示を無視し、無茶とも言える特攻を仕掛けて敵味方問わずに多大な被害を出す
と言う大惨事を引き起こした過去がある。
それが原因となり、加賀は大将第一艦隊に所属していたものの、即時解任。
解体処分こそ免れたものの、この遠方の地である陸の孤島、海軍の墓場たるハズレ鎮守府への左遷が決まった。
二人目は長良型一番艦、軽巡洋艦ネームシップの長良。
数々の戦場をたった一人で駆け回り、制圧してしまうという偉業を成し得た過去を持つ。
だがそれは組織にとってあってはならない、してはならない行いの一つだった。
彼女の行動の端々でその被害を被り轟沈してしまった艦娘も居ると聞く。
水雷戦隊の指揮統率力は群を抜いていたと言われているが、上記の通り自ら作戦を逸脱する行為が目に余り結果
として彼女もまた左遷扱いとなった。
4: 2015/01/25(日) 00:41:07.75 ID:jYCVPHBVo
三人目は綾波型九番艦、駆逐艦漣。
周りからは変わり者と言われ、彼女に好意を寄せる艦娘は殆ど居なかったと言われている。
提督を提督・司令官とは呼ばずにご主人様、と呼ぶのも他の艦娘には理解を及ぼさない原因となった。
普段からこんな調子のため、戦闘時もその風変わりな発言や行動が災いし、仲間達との連携が計れずに一艦隊を
瀕氏の状態へと追いやる事態が発生する事になる。
これを好機とし、当時漣が所属していた鎮守府の提督は、厄介払いをする意味で責任を取らせる名目で漣をこの
ハズレ鎮守府へと左遷させた。
最後の四人目は朝潮型三番艦、駆逐艦満潮。
常に罵詈雑言が絶えない、そんな感じの艦娘。と言うのが提督の第一印象だった。
満潮はハズレ鎮守府に来る前は西方にある鎮守府の第一水雷戦隊の一員として大活躍をしていたと聞く。
前線で戦果を上げる事に至高の喜びを得ていた様で、入渠後早々に戦地へ戻ろうとしたりと何かとじゃじゃ馬が
過ぎていた面もあったようだ。
ある日、敵泊地目前という所で身内の艦隊に損害が出てこれ以上の進軍が難しいと言う局面に立った。
だが敵は目前、ここで叩かなければ直に雲隠れされ、次に出会う頃には再び戦力を整えられてしまう。
進軍すべきと進言する満潮に対し、水雷戦隊旗艦はこれを拒否、だが提督からの命令は追撃せよとの事だった。
提督からの命令は絶対。
水雷戦隊旗艦は苦虫を噛み潰したような表情でそれでも了解と呟き、大破する仲間を囲うようにして進軍した。
やがて岩礁の陰に身を潜める残存部隊を発見し、追撃に出るも満潮が突出しすぎ、大破していた艦娘が絶好の的
として集中砲火を浴びる結果となり、更にはその護衛をしていた二人の駆逐艦娘も共に被害を被り、結果として
三名轟沈、二名中破、一名小破というとんでもない結果で帰投する事になった。
提督の命令なのだから仕方がない、そう思っていても水雷戦隊旗艦は自らに及ぶ責任から逃れる為に満潮を出汁
に使い、責任転嫁をした。
陣形を保ち、無理に前に出るような勇み足さえなければ時間は掛かっても確実に全員無事で戻る事が出来た。
今回の失態は満潮による独断行動による弊害であった、そう証言したのだ。
結果として提督はこれを鵜呑みにし、満潮は解体処分こそ免れたものの厳罰としてこのハズレ鎮守府へと左遷さ
せられる羽目になったのだ。
周りからは変わり者と言われ、彼女に好意を寄せる艦娘は殆ど居なかったと言われている。
提督を提督・司令官とは呼ばずにご主人様、と呼ぶのも他の艦娘には理解を及ぼさない原因となった。
普段からこんな調子のため、戦闘時もその風変わりな発言や行動が災いし、仲間達との連携が計れずに一艦隊を
瀕氏の状態へと追いやる事態が発生する事になる。
これを好機とし、当時漣が所属していた鎮守府の提督は、厄介払いをする意味で責任を取らせる名目で漣をこの
ハズレ鎮守府へと左遷させた。
最後の四人目は朝潮型三番艦、駆逐艦満潮。
常に罵詈雑言が絶えない、そんな感じの艦娘。と言うのが提督の第一印象だった。
満潮はハズレ鎮守府に来る前は西方にある鎮守府の第一水雷戦隊の一員として大活躍をしていたと聞く。
前線で戦果を上げる事に至高の喜びを得ていた様で、入渠後早々に戦地へ戻ろうとしたりと何かとじゃじゃ馬が
過ぎていた面もあったようだ。
ある日、敵泊地目前という所で身内の艦隊に損害が出てこれ以上の進軍が難しいと言う局面に立った。
だが敵は目前、ここで叩かなければ直に雲隠れされ、次に出会う頃には再び戦力を整えられてしまう。
進軍すべきと進言する満潮に対し、水雷戦隊旗艦はこれを拒否、だが提督からの命令は追撃せよとの事だった。
提督からの命令は絶対。
水雷戦隊旗艦は苦虫を噛み潰したような表情でそれでも了解と呟き、大破する仲間を囲うようにして進軍した。
やがて岩礁の陰に身を潜める残存部隊を発見し、追撃に出るも満潮が突出しすぎ、大破していた艦娘が絶好の的
として集中砲火を浴びる結果となり、更にはその護衛をしていた二人の駆逐艦娘も共に被害を被り、結果として
三名轟沈、二名中破、一名小破というとんでもない結果で帰投する事になった。
提督の命令なのだから仕方がない、そう思っていても水雷戦隊旗艦は自らに及ぶ責任から逃れる為に満潮を出汁
に使い、責任転嫁をした。
陣形を保ち、無理に前に出るような勇み足さえなければ時間は掛かっても確実に全員無事で戻る事が出来た。
今回の失態は満潮による独断行動による弊害であった、そう証言したのだ。
結果として提督はこれを鵜呑みにし、満潮は解体処分こそ免れたものの厳罰としてこのハズレ鎮守府へと左遷さ
せられる羽目になったのだ。
5: 2015/01/25(日) 00:41:34.38 ID:jYCVPHBVo
提督「…ま、つまる所はみ出し者の集団って訳なんだが…」ペラッ…
提督は手にしていた資料に目を落としながら小首を傾げる。
提督「加賀も長良も漣も満潮も、どいつもこいつも中将クラスかそれ以上の鎮守府の艦隊に従事してんだよなぁ」
提督「ちょいとミスしたって内容でないのも確かだが、くくっ…こんな紙切れで事の顛末、その全てが明らかに
なりますかって話だ。改ざんし放題だからなぁ…流石は、大本営様って所か。それとも…」
パサ…
提督「まっ、俺がそれをどうこう言う身でもないか。何はともあれ、来たからにはやる事やらにゃあ男が廃るっ
てもんだ。やれるだけやって、ダメならさっさとトンズラこくだけさ」ニヤッ…
提督「そろそろ、猫被るのも飽きてきた頃だし、準備に取り掛かりますかねぇ…」カチン…シュボッ…
提督は手にしていた資料に目を落としながら小首を傾げる。
提督「加賀も長良も漣も満潮も、どいつもこいつも中将クラスかそれ以上の鎮守府の艦隊に従事してんだよなぁ」
提督「ちょいとミスしたって内容でないのも確かだが、くくっ…こんな紙切れで事の顛末、その全てが明らかに
なりますかって話だ。改ざんし放題だからなぁ…流石は、大本営様って所か。それとも…」
パサ…
提督「まっ、俺がそれをどうこう言う身でもないか。何はともあれ、来たからにはやる事やらにゃあ男が廃るっ
てもんだ。やれるだけやって、ダメならさっさとトンズラこくだけさ」ニヤッ…
提督「そろそろ、猫被るのも飽きてきた頃だし、準備に取り掛かりますかねぇ…」カチン…シュボッ…
12: 2015/01/25(日) 13:10:13.15 ID:qI3V5UwMo
-悪辣-
長良「よしっ、張り切って頑張りましょう!」
加賀「張り切るのはいいけれど、勝手に航路を外れないように注意願いたいものです」
漣「まぁまぁ、どーせ暇防衛なんだからさ、適当にやっちまうのねっ!」
満潮「あんたその喋り方いい加減ウザイんだけど」
漣「あらら~?満潮ちゃんったら、ご機嫌斜め?斜め?おこ?おこなの?それとも激おこ満潮ちゃんキタコレ!?」
満潮「マジウザッ…!ねぇ、加賀!別にコイツ居なくても護衛任務とか出来たんじゃないの?」
加賀「原則として護衛任務は軽巡洋艦一名、駆逐艦二名に他一名の計四名が基本になります。三名では護衛不可
能なのよ。諦めなさい」
満潮「はぁ!?何それ、私じゃ力不足ってこと!?」
長良「取り敢えずさ~、もう直任務も終わるんだし、仲良くやろうよ。任務中くらいはね?」
加賀「同感です。無駄口を叩く暇があるなら周辺の警戒を密に願いたいものです」
長良「よしっ、張り切って頑張りましょう!」
加賀「張り切るのはいいけれど、勝手に航路を外れないように注意願いたいものです」
漣「まぁまぁ、どーせ暇防衛なんだからさ、適当にやっちまうのねっ!」
満潮「あんたその喋り方いい加減ウザイんだけど」
漣「あらら~?満潮ちゃんったら、ご機嫌斜め?斜め?おこ?おこなの?それとも激おこ満潮ちゃんキタコレ!?」
満潮「マジウザッ…!ねぇ、加賀!別にコイツ居なくても護衛任務とか出来たんじゃないの?」
加賀「原則として護衛任務は軽巡洋艦一名、駆逐艦二名に他一名の計四名が基本になります。三名では護衛不可
能なのよ。諦めなさい」
満潮「はぁ!?何それ、私じゃ力不足ってこと!?」
長良「取り敢えずさ~、もう直任務も終わるんだし、仲良くやろうよ。任務中くらいはね?」
加賀「同感です。無駄口を叩く暇があるなら周辺の警戒を密に願いたいものです」
13: 2015/01/25(日) 13:12:08.92 ID:qI3V5UwMo
提督「…はぁ、そうですか」
依頼人『お宅んところの艦娘、どうなってんのさ!口喧嘩ばっかりで、深海棲艦の奇襲がなかったから良いよう
なものの、もしもあったらあんなんで本当に守ってもらえるかも怪しいね!』
提督「誠に、申し訳ございません。以後、このような事がないように指導を徹底させますので…」
依頼人『頼むよホントにさぁ!次もしも護衛してもらって同じようならこっちも報酬や資材の分け前考えさせて
もらうからね!そこんとこ、きっちり認識しといてよ!!』
ブツッ……
提督「~~っ!はぁ、やれやれ…人間、カルシウム不足が祟るとやばそうなのは理解したな。うるせぇうるせぇ」
ガチャ…
加賀「お呼びですか、提督」
提督「おう……他はどうした?」
加賀「長良は外を走っています。漣はケーキを作りたいと…満潮は一言『ウザイ』といって自室へ篭りました」
提督「あぁ…そう…」ニガワライ
加賀「ご用向きは何でしょうか」
提督「ん、取り敢えずお前一人じゃ意味がないんでな。全員集めてから言う」
加賀「ですが、他の三名があなたの言う事を素直に聞くとは到底思いませんが?」
提督「そうか…」ガタッ…
依頼人『お宅んところの艦娘、どうなってんのさ!口喧嘩ばっかりで、深海棲艦の奇襲がなかったから良いよう
なものの、もしもあったらあんなんで本当に守ってもらえるかも怪しいね!』
提督「誠に、申し訳ございません。以後、このような事がないように指導を徹底させますので…」
依頼人『頼むよホントにさぁ!次もしも護衛してもらって同じようならこっちも報酬や資材の分け前考えさせて
もらうからね!そこんとこ、きっちり認識しといてよ!!』
ブツッ……
提督「~~っ!はぁ、やれやれ…人間、カルシウム不足が祟るとやばそうなのは理解したな。うるせぇうるせぇ」
ガチャ…
加賀「お呼びですか、提督」
提督「おう……他はどうした?」
加賀「長良は外を走っています。漣はケーキを作りたいと…満潮は一言『ウザイ』といって自室へ篭りました」
提督「あぁ…そう…」ニガワライ
加賀「ご用向きは何でしょうか」
提督「ん、取り敢えずお前一人じゃ意味がないんでな。全員集めてから言う」
加賀「ですが、他の三名があなたの言う事を素直に聞くとは到底思いませんが?」
提督「そうか…」ガタッ…
14: 2015/01/25(日) 13:13:02.57 ID:qI3V5UwMo
加賀「…?」
提督「それなら…」スッ…
ガシッ…
加賀「っ!?かはっ…な、何、を…!」
提督「言う事を聞かせるまでだ…おっと、すまない。加賀は幾らか業務的だが従ってくれていたな」パッ…
加賀「けほっ…」
提督「憲兵、もしくは大本営に事の顛末を報告したければして構わない。虐待を行う提督には厳正なる処分が下
されるからな。良くて永久追放、最悪氏刑だ。くくっ、とんだ不始末を働いてしまったな」
加賀「あなたは、一体…」
提督「提督さ。階級は大佐。元々は中将だったんだがねぇ…」
加賀「」(中将ほどの階級の人物が、二階級も階級を落とすほどの罪とは…)
提督「加賀にしては珍しい。人を観察する目と言うのは得てして妙でな。それぞれに異なった色合いを見せる」
加賀「…!」
提督「さて、取り敢えずは従わない三名の躾からか。一つ、後学までに参考にしておきたいんだけど、艦娘って
言うのはこういう場合、どんな罰が一番堪えるのかね?」
加賀「何を…」
提督「色々とあるだろう。拷問は言わずもがな…偏に拷問と言っても男女でその在り方は様々だ。特に、君達み
たいにうら若い者であれば性的な拷問も視野に入るだろう?だが艦娘となると少々毛色が変わるのかもしれない。
そう思ったまでの事だ」
加賀「暴力で捻じ伏せるという事ですか」
提督「んー、個人的には余りしたくはないんだけど、どうしても従わないのであれば選択肢の一つに数えざるを
得ない、と言う判断だな」
加賀「もしその手法を取ると言うのならば…」チャキッ…
提督「ほぅ…」ニヤッ…
加賀「この場で打ち抜きます」
提督「…解った。解ったよ…怖いねぇ。どちらにしろ俺が出向かないとお高い彼女達は話に聞き耳を立ててくれ
ない訳だから、出向くしかないだろう?それとも、このまま二人でずっとこうしてるか?」
加賀「着任して一週間。飄々とした態度だったあなたからは想像も出来ない豹変振りです。一体何者ですか」
提督「……答えて欲しいか?」
加賀「当然です」
提督「そうか。なら断る」
加賀「なっ…」
提督「人間、やれと言われるとやりたくなくなる。言えと言われたら言いたくなくなるって訳だ」
加賀「ふざけた事を…」ギリッ…
提督「だがこれだけは教えてやろう。この鎮守府は、スペシャリストの集まりだという事だ」
加賀「は…?」
提督「さて、それじゃ俺は他三人を迎えに行ってくる」スタスタ…
加賀「あっ…ま、まだ話は…!」
ガチャ…パタン…
加賀「一体、彼は…」
提督「それなら…」スッ…
ガシッ…
加賀「っ!?かはっ…な、何、を…!」
提督「言う事を聞かせるまでだ…おっと、すまない。加賀は幾らか業務的だが従ってくれていたな」パッ…
加賀「けほっ…」
提督「憲兵、もしくは大本営に事の顛末を報告したければして構わない。虐待を行う提督には厳正なる処分が下
されるからな。良くて永久追放、最悪氏刑だ。くくっ、とんだ不始末を働いてしまったな」
加賀「あなたは、一体…」
提督「提督さ。階級は大佐。元々は中将だったんだがねぇ…」
加賀「」(中将ほどの階級の人物が、二階級も階級を落とすほどの罪とは…)
提督「加賀にしては珍しい。人を観察する目と言うのは得てして妙でな。それぞれに異なった色合いを見せる」
加賀「…!」
提督「さて、取り敢えずは従わない三名の躾からか。一つ、後学までに参考にしておきたいんだけど、艦娘って
言うのはこういう場合、どんな罰が一番堪えるのかね?」
加賀「何を…」
提督「色々とあるだろう。拷問は言わずもがな…偏に拷問と言っても男女でその在り方は様々だ。特に、君達み
たいにうら若い者であれば性的な拷問も視野に入るだろう?だが艦娘となると少々毛色が変わるのかもしれない。
そう思ったまでの事だ」
加賀「暴力で捻じ伏せるという事ですか」
提督「んー、個人的には余りしたくはないんだけど、どうしても従わないのであれば選択肢の一つに数えざるを
得ない、と言う判断だな」
加賀「もしその手法を取ると言うのならば…」チャキッ…
提督「ほぅ…」ニヤッ…
加賀「この場で打ち抜きます」
提督「…解った。解ったよ…怖いねぇ。どちらにしろ俺が出向かないとお高い彼女達は話に聞き耳を立ててくれ
ない訳だから、出向くしかないだろう?それとも、このまま二人でずっとこうしてるか?」
加賀「着任して一週間。飄々とした態度だったあなたからは想像も出来ない豹変振りです。一体何者ですか」
提督「……答えて欲しいか?」
加賀「当然です」
提督「そうか。なら断る」
加賀「なっ…」
提督「人間、やれと言われるとやりたくなくなる。言えと言われたら言いたくなくなるって訳だ」
加賀「ふざけた事を…」ギリッ…
提督「だがこれだけは教えてやろう。この鎮守府は、スペシャリストの集まりだという事だ」
加賀「は…?」
提督「さて、それじゃ俺は他三人を迎えに行ってくる」スタスタ…
加賀「あっ…ま、まだ話は…!」
ガチャ…パタン…
加賀「一体、彼は…」
15: 2015/01/25(日) 13:13:30.82 ID:qI3V5UwMo
長良「はっ、はっ、はっ……とっとと…!ふぅ…」タッタッタ…
提督「随分と精が出るな」
長良「あっ……」
提督「上官の呼び出しを無視して持久力トレーニングとはいい度胸だ」
長良「あ、あはは…いやぁ、加賀さんから後で聞けばいっかなー、なんて…」
提督「なるほど。無駄を省くという奴か」
長良「流石司令か……」
提督「[ピーーー]」
長良「……え?」
提督「上官に従えない奴は不要だから[ピーーー]」
長良「え、ちょ…」
提督「何だ、言ってる意味が理解できないか?[ピーーー]と言ったんだ。規律を乱す奴を置いておいてもそれこそ無駄
というものだ。つまりお前の理論で言う所の無駄を省くという奴だ。無駄なものは排除するに限る。お前は無駄
なものだから[ピーーー]、とそういう事だ」
長良「な、何よそれ!私が無駄って!」
提督「はぁ、俺も舐められたもんだよ。こんな小娘に俺の言葉は無駄だと言われ、シカトされるんだからな」
長良「だ、だって…!どうせ、こんな鎮守府に居たって意味ないじゃないですか!毎日トレーニングしたって、
やる事は遠征任務だけで…だったら、司令官の話だって聞く意味ないじゃないですか!」
提督「ふむ、なるほど。理には適ってる。が、ならば何故お前は毎日こんな整備もされていない様なグラウンド
で走り込みを行う?」
長良「そ、それは…気を、紛らわせるためで…」
提督「お前の言葉を借りるならどうせ遠征任務だけなんだ。深海棲艦と戦う出撃任務などない。そんな体力作り
は不要だろう。違うか?」
長良「……」
提督「ふっ、どうせ大方いつでも舞い戻れるように訓練でも積んで戦力の維持を図っているんだろうが、それこ
そ無意味。無駄と言うものだな」
長良「なっ…!」
提督「ここはハズレ鎮守府らしいじゃないか。一度ここに納まったら最後、氏ぬ以外でここから出る事は無理だ」
長良「そ、そんな…」
提督「だがまぁ、この整備もされていないグラウンドをよくもまぁあれだけ速く走れたものだ。その点に関して
俺はお前を高く評価する。これから先も、変わらずこうしてチャンスを伺って居たいならまずは俺に従え。この
鎮守府では俺が上官であり、お前は部下だ。上官から指示が出たならそれに頷け。首を横に振るな。解ったらま
ずは執務室へ来い。生憎、俺はお前一人に時間を全て割いてる暇がない。次に来なかった場合は容赦しない」
長良「…わかり、ました…」
提督「随分と精が出るな」
長良「あっ……」
提督「上官の呼び出しを無視して持久力トレーニングとはいい度胸だ」
長良「あ、あはは…いやぁ、加賀さんから後で聞けばいっかなー、なんて…」
提督「なるほど。無駄を省くという奴か」
長良「流石司令か……」
提督「[ピーーー]」
長良「……え?」
提督「上官に従えない奴は不要だから[ピーーー]」
長良「え、ちょ…」
提督「何だ、言ってる意味が理解できないか?[ピーーー]と言ったんだ。規律を乱す奴を置いておいてもそれこそ無駄
というものだ。つまりお前の理論で言う所の無駄を省くという奴だ。無駄なものは排除するに限る。お前は無駄
なものだから[ピーーー]、とそういう事だ」
長良「な、何よそれ!私が無駄って!」
提督「はぁ、俺も舐められたもんだよ。こんな小娘に俺の言葉は無駄だと言われ、シカトされるんだからな」
長良「だ、だって…!どうせ、こんな鎮守府に居たって意味ないじゃないですか!毎日トレーニングしたって、
やる事は遠征任務だけで…だったら、司令官の話だって聞く意味ないじゃないですか!」
提督「ふむ、なるほど。理には適ってる。が、ならば何故お前は毎日こんな整備もされていない様なグラウンド
で走り込みを行う?」
長良「そ、それは…気を、紛らわせるためで…」
提督「お前の言葉を借りるならどうせ遠征任務だけなんだ。深海棲艦と戦う出撃任務などない。そんな体力作り
は不要だろう。違うか?」
長良「……」
提督「ふっ、どうせ大方いつでも舞い戻れるように訓練でも積んで戦力の維持を図っているんだろうが、それこ
そ無意味。無駄と言うものだな」
長良「なっ…!」
提督「ここはハズレ鎮守府らしいじゃないか。一度ここに納まったら最後、氏ぬ以外でここから出る事は無理だ」
長良「そ、そんな…」
提督「だがまぁ、この整備もされていないグラウンドをよくもまぁあれだけ速く走れたものだ。その点に関して
俺はお前を高く評価する。これから先も、変わらずこうしてチャンスを伺って居たいならまずは俺に従え。この
鎮守府では俺が上官であり、お前は部下だ。上官から指示が出たならそれに頷け。首を横に振るな。解ったらま
ずは執務室へ来い。生憎、俺はお前一人に時間を全て割いてる暇がない。次に来なかった場合は容赦しない」
長良「…わかり、ました…」
16: 2015/01/25(日) 13:14:06.76 ID:qI3V5UwMo
漣「ふんふふ~ん♪たらりら~♪」
ガチャ…
漣「あら?」
提督「飽きもせずに良くやる」
漣「あらあら、ご主人様じゃないですか♪」
提督「俺はお前の主人になったつもりもメイドを雇ったつもりもない」
漣「細かい事ぁいいんですよぉ♪それとご主人様?調子に乗ると、ぶっとばしますよ♪」
提督「面白い。是非ぶっ飛ばしてみてもらおうか?」
ガシャァァァン…
漣「あっ…!な、何してくれてやがりますかぁ!?」
提督「ふっ、言っておくが駆逐艦だろうが何だろうが上官に逆らう奴に容赦はしないぞ」
漣「いくらご主人様でも、お痛が過ぎるんじゃありませんかねぇ!」
提督「これはお痛でもなければ我が侭でもない。そもそも俺はお前の上官だ。言葉の違いを教えてやる。これは
躾と言うんだ。身を美しくすると書いて躾だ。だから余り横暴な真似を俺にさせるな」
漣「なっ…!?さ、先にいちゃもんつけてきたのそっちじゃん!」
提督「その前に、歯向かったのはお前だ」
漣「はぁ!?」
提督「俺は話があるから執務室へ来いと言ったんだ」
漣「そんなの、加賀さんから後で聞けばそれでいくない?」
提督「はぁ、揃いも揃って馬鹿ばっかりか。馬鹿か?史上空前の馬鹿か?長良といいお前といい、ホンット救い
難いレベルの馬鹿だな?この世に居るかどうかしらんが、仏と言うのはここまで馬鹿を量産させてなんとする」
漣「馬鹿馬鹿ってちょーメシマズなんですけど!」
提督「戯け、俺の方がメシマズだ。ケーキ作りも大概にしないと以後禁止にするぞ」
漣「なっ、そんな権利…」
提督「あるんだよ。俺はこの鎮守府の提督だ。お前の上官だ。お前は俺の部下だ。指示に従わないのなら別に構
わんが、その場合は不要と見做し即時解体処分にしてやる」
漣「解体、処分って…冗談、だよね?」
提督「すまないが事実だ。それが嫌ならさっさとこの場を片して執務室へ来い」
漣「……」
ガチャ…
漣「あら?」
提督「飽きもせずに良くやる」
漣「あらあら、ご主人様じゃないですか♪」
提督「俺はお前の主人になったつもりもメイドを雇ったつもりもない」
漣「細かい事ぁいいんですよぉ♪それとご主人様?調子に乗ると、ぶっとばしますよ♪」
提督「面白い。是非ぶっ飛ばしてみてもらおうか?」
ガシャァァァン…
漣「あっ…!な、何してくれてやがりますかぁ!?」
提督「ふっ、言っておくが駆逐艦だろうが何だろうが上官に逆らう奴に容赦はしないぞ」
漣「いくらご主人様でも、お痛が過ぎるんじゃありませんかねぇ!」
提督「これはお痛でもなければ我が侭でもない。そもそも俺はお前の上官だ。言葉の違いを教えてやる。これは
躾と言うんだ。身を美しくすると書いて躾だ。だから余り横暴な真似を俺にさせるな」
漣「なっ…!?さ、先にいちゃもんつけてきたのそっちじゃん!」
提督「その前に、歯向かったのはお前だ」
漣「はぁ!?」
提督「俺は話があるから執務室へ来いと言ったんだ」
漣「そんなの、加賀さんから後で聞けばそれでいくない?」
提督「はぁ、揃いも揃って馬鹿ばっかりか。馬鹿か?史上空前の馬鹿か?長良といいお前といい、ホンット救い
難いレベルの馬鹿だな?この世に居るかどうかしらんが、仏と言うのはここまで馬鹿を量産させてなんとする」
漣「馬鹿馬鹿ってちょーメシマズなんですけど!」
提督「戯け、俺の方がメシマズだ。ケーキ作りも大概にしないと以後禁止にするぞ」
漣「なっ、そんな権利…」
提督「あるんだよ。俺はこの鎮守府の提督だ。お前の上官だ。お前は俺の部下だ。指示に従わないのなら別に構
わんが、その場合は不要と見做し即時解体処分にしてやる」
漣「解体、処分って…冗談、だよね?」
提督「すまないが事実だ。それが嫌ならさっさとこの場を片して執務室へ来い」
漣「……」
17: 2015/01/25(日) 13:14:33.50 ID:qI3V5UwMo
コンコン…
満潮「ウザーイ」
コンコン…
満潮「あぁもうっ!ウザイわね!何よ!誰!?」
ガチャ…
満潮「え、ちょ…!」
提督「全く、どいつもこいつも…」
満潮「ちょ、あんたねぇ!もしも着替えてたらどーすんのよ!馬鹿!変態!スOベ!」
提督「安心しろ、俺が興味あるのは大人の身体だ。お前みたいな貧相なガキに興味はない。そもそも海軍の軍規
に反して駆逐艦の艦娘に手を出すとか言う馬鹿の心境が俺にはいまいちよく解らん。極めて口リコンに近いのか、
はたまた特殊な性癖の持ち主なのか、どちらにしろ理解に苦しむね」
満潮「だ、だから何よ!勝手に入ってこないでよ!」
提督「大概にしろ小娘」バンッ
満潮「ひっ…!」ビクッ
提督「おっと、これではただの恫喝になるな。今のは非礼だったな、詫びてやる。すまんな」
満潮「……」
提督「ツンケンするのは別に構わんが時と場合を弁えろ。俺が執務室へ来いと言ったら来い。上官命令に無駄な
プライドを翳して逆らうな。次に逆らったら相応の罰を加える。宣言してからの行使だ、次からは容赦しない」
満潮「れ、連絡とか、そんなの別に…加賀使えば、それでいいじゃないのよ…!」
提督「便利屋加賀パート2か。馬鹿なのか、阿呆なのか、単細胞にも程があるぞ。身の程を弁えろ戯け。園児で
すら言われた事はキッチリこなすぞ、このろくでなし」
満潮「な、何よその言い方!あんた提督向いてないんじゃないの!?提督なら艦娘のアフターケアくらいしても
当然じゃないのよ!」
提督「ははははっ!何がアフターケアだ、笑わせるな!ケアするほどの仕事もしてないだろ。便所掃除くらいし
てからほざけこのナマケモノが」
満潮「…うるさいわね」
提督「くくっ、反論できなくて罵倒に覇気がないぞ?」
満潮「ウザイのよッ!!」
提督「ほぅ、まだそれだけ元気があれば十分だ。だが次からは先も言ったとおり容赦はしない。サービス期間は
今この瞬間だけだと思えよ。この後、執務室に来なかった場合は最悪解体処分もあると思って行動しろ」
満潮「は、はぁ!?なにそれ…意味分かんない」
提督「なら理解できるようにする事だ。言っておくが俺のモットーは有言実行だ。やると言ったらやるって事だ。
解体処分と言ったら本気でやる。あとから何を喚こうが命乞いしようが知らん。こんな辺鄙な場所で無様に果て
たいなら一生ここにいろ。後で解体処分の為にもう一度だけ尋ねてやる。それが嫌ならさっさと執務室へ来い」
満潮「……わかったわよ」
18: 2015/01/25(日) 13:14:59.90 ID:qI3V5UwMo
加賀「……」
長良「……」
漣「……」
満潮「……」
提督「さて、四人揃って意気消沈しているところ申し訳ないが、早速クレームだ」
加賀「……」
提督「解ってると思うが、先の遠征任務で護衛した船団の船長からのクレームだ。警護中に身内同士で喧嘩沙汰
を起こしてくれたんだってな。そりゃあ大層なお怒り具合でな。奴さんのカルシウムもゼロだったよ」
加賀「申し訳ありません。私の監督不行き届きです」
提督「が、別に俺はそんなのはどうだっていい。こんなものは話の繋ぎだ」
長良「え…?」
提督「言いたい奴には言わせておけばいい」
漣「それ、どういう意味なの?」
満潮「説教する気ないなら、何で呼んだのよ」
提督「いい質問だ。お前等問題児にもう一度だけ脚光を浴びるチャンスをくれてやる、と言ったらどうする?」
加賀「脚光を浴びる…?」
長良「それは、どういう意味ですか」
提督「今日、一人新たに着任する艦娘が居る。ヒトヨンマルマルには到着するだろう。もうあと三十分もすれば
着任するな。五名居ればまぁ、形にはある程度なるだろうからな」
加賀「どういう事ですか?」
提督「俺はな、相手の悔しがる顔を見るのが大好きなんだよ」ニヤッ…
加賀「…不愉快な笑みです」
提督「くくっ、はいはい。飄々と過ごすのも飽きたからなぁ…ふぅぅ……」カチン…シュボッ…
加賀「……」
提督「そこでだ。分不相応にもハズレ鎮守府と言われるここにはそれぞれに秀でたスペシャリストが勢揃いして
いる、という事に俺は気付いた訳だ」
加賀「は…?」
提督「全く…各鎮守府のクソ虫、ウジ虫、ゴミ虫提督共はこんなにも見る目がないときた。実に…じ・つ・に、
馬鹿ばっかりで、ひっっっじょうに俺は今愉快だ!」
満潮「何、言ってんのよ、こいつ…」
漣「解らない…」
長良「私も…」
長良「……」
漣「……」
満潮「……」
提督「さて、四人揃って意気消沈しているところ申し訳ないが、早速クレームだ」
加賀「……」
提督「解ってると思うが、先の遠征任務で護衛した船団の船長からのクレームだ。警護中に身内同士で喧嘩沙汰
を起こしてくれたんだってな。そりゃあ大層なお怒り具合でな。奴さんのカルシウムもゼロだったよ」
加賀「申し訳ありません。私の監督不行き届きです」
提督「が、別に俺はそんなのはどうだっていい。こんなものは話の繋ぎだ」
長良「え…?」
提督「言いたい奴には言わせておけばいい」
漣「それ、どういう意味なの?」
満潮「説教する気ないなら、何で呼んだのよ」
提督「いい質問だ。お前等問題児にもう一度だけ脚光を浴びるチャンスをくれてやる、と言ったらどうする?」
加賀「脚光を浴びる…?」
長良「それは、どういう意味ですか」
提督「今日、一人新たに着任する艦娘が居る。ヒトヨンマルマルには到着するだろう。もうあと三十分もすれば
着任するな。五名居ればまぁ、形にはある程度なるだろうからな」
加賀「どういう事ですか?」
提督「俺はな、相手の悔しがる顔を見るのが大好きなんだよ」ニヤッ…
加賀「…不愉快な笑みです」
提督「くくっ、はいはい。飄々と過ごすのも飽きたからなぁ…ふぅぅ……」カチン…シュボッ…
加賀「……」
提督「そこでだ。分不相応にもハズレ鎮守府と言われるここにはそれぞれに秀でたスペシャリストが勢揃いして
いる、という事に俺は気付いた訳だ」
加賀「は…?」
提督「全く…各鎮守府のクソ虫、ウジ虫、ゴミ虫提督共はこんなにも見る目がないときた。実に…じ・つ・に、
馬鹿ばっかりで、ひっっっじょうに俺は今愉快だ!」
満潮「何、言ってんのよ、こいつ…」
漣「解らない…」
長良「私も…」
28: 2015/01/25(日) 19:47:56.22 ID:qI3V5UwMo
提督「加賀、お前は空母と言う特性上、艦載機を通して先を見る能力がある。加えて必殺必中の極めて精巧且つ
強力な一撃を放てる火力!今まで見てきた空母の中でもお前は群を抜いている。他が一拍置くタイミングすらも
お前にとっては無駄な所作になる。周りと連携が取れなくて当然だな」
加賀「……!」
提督「長良、お前の足の速さは軽巡の枠を優に超えている。それだけじゃない、一発の火力と次発装填の早さ、
他の軽巡には凡そ真似はできんだろうな。戦艦クラスとタイマン張って打ち勝てるだけのポテンシャルを秘めて
いる奴はそうはいない」
長良「えっ…?」
提督「漣、くくっ…お前は本当に面白い奴だな。そのコミュ障がなけりゃ今頃は大出世だっただろうよ。周りと
の連携が計れず大破した連中が居るって?馬鹿を言え、お前の計算通りだったのを周りが勝手に崩しただけだ。
結果を見ればそんなのは火を見るより明らかだ。見る目が無いとか抜けているとか、そんな生易しいレベルじゃ
ないな」
漣「」(この人…)
提督「満潮、お前は本当に駆逐艦か?くくっ、笑えてくるよな。お前が大破進軍を進言した事になってるんだっ
てなぁ。その場で言えば良いものを、更に後から全ての濡れ衣被されてお役御免でここに不時着、見事な転落し
きった人生じゃないか。お前が居たから全滅回避できたんだろ?普通じゃまず有り得んよ。あの状況から一転し
て全てを殲滅して尚、三人も残って帰還するなんてまず信じられん」
満潮「」(こいつ、本当にウザイ…!)
提督「因みにこの後着任してくるのは高雄型四番艦、重巡洋艦の鳥海だ」
加賀「鳥海…?確か、金剛型の霧島と知略を競えるだけの頭脳を持っているとか…」
提督「ほぅ、流石は加賀。だが俺に言わせりゃ鳥海の戦略は霧島なんて目じゃないね。あいつの頭脳は一歩先の
未来すらも視る。凡庸な連中相手じゃ、あいつの知略は半分もその実力は発揮できゃしない」
加賀「結局、その鳥海を含めた私達五名を、あなたはどう利用するつもりですか」
強力な一撃を放てる火力!今まで見てきた空母の中でもお前は群を抜いている。他が一拍置くタイミングすらも
お前にとっては無駄な所作になる。周りと連携が取れなくて当然だな」
加賀「……!」
提督「長良、お前の足の速さは軽巡の枠を優に超えている。それだけじゃない、一発の火力と次発装填の早さ、
他の軽巡には凡そ真似はできんだろうな。戦艦クラスとタイマン張って打ち勝てるだけのポテンシャルを秘めて
いる奴はそうはいない」
長良「えっ…?」
提督「漣、くくっ…お前は本当に面白い奴だな。そのコミュ障がなけりゃ今頃は大出世だっただろうよ。周りと
の連携が計れず大破した連中が居るって?馬鹿を言え、お前の計算通りだったのを周りが勝手に崩しただけだ。
結果を見ればそんなのは火を見るより明らかだ。見る目が無いとか抜けているとか、そんな生易しいレベルじゃ
ないな」
漣「」(この人…)
提督「満潮、お前は本当に駆逐艦か?くくっ、笑えてくるよな。お前が大破進軍を進言した事になってるんだっ
てなぁ。その場で言えば良いものを、更に後から全ての濡れ衣被されてお役御免でここに不時着、見事な転落し
きった人生じゃないか。お前が居たから全滅回避できたんだろ?普通じゃまず有り得んよ。あの状況から一転し
て全てを殲滅して尚、三人も残って帰還するなんてまず信じられん」
満潮「」(こいつ、本当にウザイ…!)
提督「因みにこの後着任してくるのは高雄型四番艦、重巡洋艦の鳥海だ」
加賀「鳥海…?確か、金剛型の霧島と知略を競えるだけの頭脳を持っているとか…」
提督「ほぅ、流石は加賀。だが俺に言わせりゃ鳥海の戦略は霧島なんて目じゃないね。あいつの頭脳は一歩先の
未来すらも視る。凡庸な連中相手じゃ、あいつの知略は半分もその実力は発揮できゃしない」
加賀「結局、その鳥海を含めた私達五名を、あなたはどう利用するつもりですか」
29: 2015/01/25(日) 19:48:23.50 ID:qI3V5UwMo
提督「オブラートに包むって言葉を知らない奴だなぁ。ま、別にいいけど…俺はあのエリート提督がこの上なく
嫌いなんだよ。俺も周りに理解されなかった口でな。戦略が毎度突拍子もないと、艦娘を無駄に轟沈させるだけ
の無能提督ときたもんだ。じゃあなんで俺は中将になれたかって話だ。くくっ、目に物を見せてやる」トントン…
長良「目に物…?」
提督「まずはこの数字だ。業績…ひっっっじょうに下らない。こんなものを何万何億何兆稼ごうが知った事か!
だが、取り敢えずはエリート君の背中を掴まない事には始まらない。故にNo.2と言う訳だ」
漣「No.2…?」
提督「おう、バリバリ最強のNo.2をまずは目指す」
満潮「はぁ?何それ…普通No.1じゃないの?」
提督「あっさり抜いたらザマァ感がねぇだろ、ダァホ。エリート君の吠え面拝んだ時が、お前等が栄光の凱旋を
果たした瞬間だ。どうせ今のままじゃお前等は腐って寂れて廃れるだけだ。だったら騙されたと思って、俺にそ
の命の全てを預けろ。俺の命令には従え。これからは心行くまでお前等の思い通りに事を運んでやる」
ツカ ツカ……ガチャ……
??「その話が本当で、この先に道が続くと言うのであれば、私はその話に乗りましょう」
提督「きたか、鳥海」
鳥海「お久しぶりです、司令官さん」
漣「ご主人様と、知り合いなの?」
鳥海「ええ、改めまして…高雄型四番艦、重巡洋艦の鳥海です。宜しくお願いしますね。加賀さんに長良さん、
それから漣さんに満潮さん?」
満潮「私達の事は既に解ってるって訳ね」
提督「さて、と…じゃあ早速だが、お前等は今日から一週間、演習のみを行え」
加賀「なっ…」
長良「演習だけ!?」
漣「それ、どういう…」
満潮「ふざけんじゃないわよ!大体……」
提督「あぁあぁ、待て待て待て待て。煩いから黙れ。話は最後まで聞け、猿か?言われて即座に脊髄反射する猿
なのか?全く……いいからつべこべ言わずにこのカリキュラムに沿って演習はやれ」ピラッ…
加賀「これは…」
鳥海「私が事前に司令官さんから伺った情報を元に作りました」
提督「個々で内容は全て違う。相手を想定した上で無論演習は行え。妥協は許さん。それを全てこなした上で、
その後直に実戦へ移る。最終調整と言う奴だ。実際にその項目をやれば解る、やらなきゃ解らずじまいでそのま
ま終わりだ。だからまずはやれ。反論は認めん、以上だ」
加賀「…了解しました」
長良「はい、了解です」
漣「はーい…」
満潮「解ったわよ…」
鳥海「では、私もカリキュラムに沿って演習を開始します」
ガチャ……パタン…
提督「……はぁ~あぁ、仮面を被るのも楽じゃない、が…それ以上に楽しい、か……」ニヤッ…
嫌いなんだよ。俺も周りに理解されなかった口でな。戦略が毎度突拍子もないと、艦娘を無駄に轟沈させるだけ
の無能提督ときたもんだ。じゃあなんで俺は中将になれたかって話だ。くくっ、目に物を見せてやる」トントン…
長良「目に物…?」
提督「まずはこの数字だ。業績…ひっっっじょうに下らない。こんなものを何万何億何兆稼ごうが知った事か!
だが、取り敢えずはエリート君の背中を掴まない事には始まらない。故にNo.2と言う訳だ」
漣「No.2…?」
提督「おう、バリバリ最強のNo.2をまずは目指す」
満潮「はぁ?何それ…普通No.1じゃないの?」
提督「あっさり抜いたらザマァ感がねぇだろ、ダァホ。エリート君の吠え面拝んだ時が、お前等が栄光の凱旋を
果たした瞬間だ。どうせ今のままじゃお前等は腐って寂れて廃れるだけだ。だったら騙されたと思って、俺にそ
の命の全てを預けろ。俺の命令には従え。これからは心行くまでお前等の思い通りに事を運んでやる」
ツカ ツカ……ガチャ……
??「その話が本当で、この先に道が続くと言うのであれば、私はその話に乗りましょう」
提督「きたか、鳥海」
鳥海「お久しぶりです、司令官さん」
漣「ご主人様と、知り合いなの?」
鳥海「ええ、改めまして…高雄型四番艦、重巡洋艦の鳥海です。宜しくお願いしますね。加賀さんに長良さん、
それから漣さんに満潮さん?」
満潮「私達の事は既に解ってるって訳ね」
提督「さて、と…じゃあ早速だが、お前等は今日から一週間、演習のみを行え」
加賀「なっ…」
長良「演習だけ!?」
漣「それ、どういう…」
満潮「ふざけんじゃないわよ!大体……」
提督「あぁあぁ、待て待て待て待て。煩いから黙れ。話は最後まで聞け、猿か?言われて即座に脊髄反射する猿
なのか?全く……いいからつべこべ言わずにこのカリキュラムに沿って演習はやれ」ピラッ…
加賀「これは…」
鳥海「私が事前に司令官さんから伺った情報を元に作りました」
提督「個々で内容は全て違う。相手を想定した上で無論演習は行え。妥協は許さん。それを全てこなした上で、
その後直に実戦へ移る。最終調整と言う奴だ。実際にその項目をやれば解る、やらなきゃ解らずじまいでそのま
ま終わりだ。だからまずはやれ。反論は認めん、以上だ」
加賀「…了解しました」
長良「はい、了解です」
漣「はーい…」
満潮「解ったわよ…」
鳥海「では、私もカリキュラムに沿って演習を開始します」
ガチャ……パタン…
提督「……はぁ~あぁ、仮面を被るのも楽じゃない、が…それ以上に楽しい、か……」ニヤッ…
30: 2015/01/25(日) 19:48:57.97 ID:qI3V5UwMo
-計画-
加賀「鳥海さん」
鳥海「何か?」
加賀「あの、提督と言う人物は一体…」
鳥海「…あぁ、ふふっ、やっぱり気になりますよね」クスッ
加賀「その含み笑いは多少なりともやはり、何かを知っていると解釈して宜しいのでしょうか」
鳥海「あらら…洞察力は流石ね。いいわ、私の知ってる限りで教えて上げる」
彼は別名、仮面の男、なんて呼ばれていた時期があります。
ご覧になった通り性格は極めて自分勝手で上から目線、自信家で言動も暴力的。
以前着任していた鎮守府でもそれは変わりありませんでしたね。
ただし、彼の立てる戦術や艦娘の性能を見抜く眼力は他の提督には無い特異なものがあると言えます。
一切の妥協を許さず、自らの出した結論だけしか信じず、それ故に周りからは白い目で見られる。
決して自分の本心、本性は相手に晒さない。
私もあの人の本音と言うのを聞いた事がありません。
それ故に、仮面の男、等と言う呼称がされていたのかもしれませんね。
加賀「以前は中将だったというのは…」
鳥海「本当です。ただ、剥奪されたのではなく、自ら進んでその地位を捨てた、と言う風に聞いてます」
加賀「自ら、進んで…?」
鳥海「意味が解りませんね?では、私も演習の準備があるのでこれで失礼します」
加賀「……」
そこは外れに外れた陸の孤島。
誰も見向きもしない、はみ出し者が寄せ集められた海軍の墓場。
誰が言ったのか、外れと出来損ないのハズレを掛けたハズレ鎮守府。
そんな墓場に、一癖も二癖もある提督を筆頭とし、戦場で汚点を刻んだ五名の艦娘が漂着する。
曰く付きの五名は誰からも理解されない、誰からも信用されない、誰からも重用されない、誰からも認知されない。
行き着くべくして行き着いた、最後の鎮守府。
提督を含めたこの六名が、このハズレ鎮守府が後に大本営をも揺るがす大事を成し遂げる。
36: 2015/01/26(月) 20:43:31.95 ID:Q+nTDy3jo
~逆襲の狼煙~
-思惑-
加賀「────以上がこの一週間のデータ全てです」
提督「……近海の深海棲艦相手にチームワークを検証した結果は?」
加賀「…良い作戦指揮でした。こんな艦隊なら、また一緒に出撃したいものです」
提督「ふっ…」ニヤッ…
ピリリリリ……ピリリリリ……
提督「っと…小言か罵倒か、どっちかなっと…」
加賀「…?」
ガチャ…
提督「はい、もしもし?」
??『…その声は、ふっ…君、本当にまだ生きてたんだねぇ…驚いたよ。ハズレに漂着したって風の噂で聞いて
はいたけど、まさか世迷言じゃなく真実だったとは…』
ピッ……カチャ…(スピーカーON)
提督「ちっ、大本営じゃねぇのか。嫌味なら切るぞ」
??『そう邪険にしないでくれよ。うちはこれからアルフォンシーノ方面への進軍を考えていてね。最終調整を
行いたいので、君のところの艦隊で『試し撃ち』をさせてほしいのさ。錬度を上げる意味もあるんだけどね?』
加賀「……」ピクッ…
提督「調整ねぇ…」チラッ…
加賀「……」
提督「構わないよ」
??『おぉ、そうか。何、病院送りにしない程度には抑えるように、うちの艦隊にも通達は出しておくさ。精々
当たり所が悪くて氏ぬって事だけはないように頼むよ?あはははは!』
提督「はっはっは!」
??『!?』
提督「いやぁ、悪い悪い…調整相手に間違って怪我させちゃわねぇかこっちが心配してたからなぁ。いや結構、
じ・つ・に、結構!それだけ大胆に寝言ほざけりゃ問題ないだろ。頼んできたのはそっちだ、時刻は明日のヒト
サンマルマル。一秒でも遅れたら実弾で演習だ」
??『なっ!?き、貴様……』
提督「あぁあぁ、はいはいはいはい。煩いから黙れ、この薄らハゲ脱糞野郎。電話越しでも臭うとかぶっ飛びす
ぎだろ。黙って糞して明日でも待ってろ。時間はさっき通達した通りだ。反論は許さん」
ブツッ……
37: 2015/01/26(月) 20:43:58.50 ID:Q+nTDy3jo
加賀「……」アゼン
提督「ん、何だよ」
加賀「…いえ、何でも…」
提督「電話してきたのは北方に陣を構えてる北提督だ」
加賀「はい、声でどなたかは直に解りました。以前にも、同じ事を言ってきた事がありましたから…」
提督「そうか」
加賀「ですが、あそこまで馬鹿にして明日本当に来ると思っているのですか?」
提督「そりゃあ来るだろ。あいつは元来、馬鹿にされたままじゃ引き下がれない単細胞だ。あわよくば、と間違
えただ何だといちゃもん付けつつ、実弾ぶっ放してくるかもしれねぇな」
加賀「そ、それは…」
提督「まぁだが、先に手を出すのはあっちだ。どっかのドラマでもビシッとスーツで決めてやってたろ。やられ
たらやり返す、倍返しだ!ってな」ニヤッ…
加賀「ドラマの役者さんはそんな不遜な笑みは浮かべません」
提督「ちっ、うっせぇんだよダァホ。っていうか、お前も相当神経図太いな。この間あんだけの目に遭ってまだ
俺にそんな口利けるとか、そうそういねぇぞ」
加賀「あの程度の恫喝では私の意志は挫けません」
提督「言うねぇ…で、話を戻すが先の実戦、お前の見解は?」
加賀「鳥海さんの戦術は完璧でした。長良も漣も満潮も、十分な錬度で深海棲艦を撃滅。型に嵌らない、それで
いて特定の型を持つ、その型に嵌ると尋常ではない強さが発揮できると想定されます」
提督「矛盾した表現だが概ね当たってる。その通りだ。型に嵌らないってのは、言わば海軍で推奨されるお飾り
陣形の事だ。だが、お前等にとってこの陣形自体が枷でしかない訳だ。各々が独断で縦横無尽に暴れまわるって
のは、傍から見ればどえらいもんだろうがそれすらも計算の内…鳥海が提唱したあの戦術なら、お前等に向かう
所敵は無しって訳だ」
加賀「ですが良かったのですか。勝手な出撃と勝手な資材消費は経費申請報告書に記載した場合、虚偽申請のし
ようもありません。仮にしたとしても、当然の如く暴かれるのは目に見えています」
提督「その為に明日、北と一戦交えるんだろうが」ニヤッ…
加賀「では、まさか本当に明日、北提督の率いる艦隊は実弾を使用してくると?」
提督「ああ、十中八九必ずな。北のおぼっちゃんの事だ、盛大にぶちかましてくれるだろうよ。さっきはああは
言ったが、こっちは敢えて模擬弾だけで応戦する。解ってると思うが…」
加賀「…正直、頭にきていた所です。そもそも的になどなりたくはありませんから。徹底的に打ちのめします」
提督「そいつは重畳。他の奴等にも明日の演習の件を通達しておけ」
加賀「解りました」
提督「ん、何だよ」
加賀「…いえ、何でも…」
提督「電話してきたのは北方に陣を構えてる北提督だ」
加賀「はい、声でどなたかは直に解りました。以前にも、同じ事を言ってきた事がありましたから…」
提督「そうか」
加賀「ですが、あそこまで馬鹿にして明日本当に来ると思っているのですか?」
提督「そりゃあ来るだろ。あいつは元来、馬鹿にされたままじゃ引き下がれない単細胞だ。あわよくば、と間違
えただ何だといちゃもん付けつつ、実弾ぶっ放してくるかもしれねぇな」
加賀「そ、それは…」
提督「まぁだが、先に手を出すのはあっちだ。どっかのドラマでもビシッとスーツで決めてやってたろ。やられ
たらやり返す、倍返しだ!ってな」ニヤッ…
加賀「ドラマの役者さんはそんな不遜な笑みは浮かべません」
提督「ちっ、うっせぇんだよダァホ。っていうか、お前も相当神経図太いな。この間あんだけの目に遭ってまだ
俺にそんな口利けるとか、そうそういねぇぞ」
加賀「あの程度の恫喝では私の意志は挫けません」
提督「言うねぇ…で、話を戻すが先の実戦、お前の見解は?」
加賀「鳥海さんの戦術は完璧でした。長良も漣も満潮も、十分な錬度で深海棲艦を撃滅。型に嵌らない、それで
いて特定の型を持つ、その型に嵌ると尋常ではない強さが発揮できると想定されます」
提督「矛盾した表現だが概ね当たってる。その通りだ。型に嵌らないってのは、言わば海軍で推奨されるお飾り
陣形の事だ。だが、お前等にとってこの陣形自体が枷でしかない訳だ。各々が独断で縦横無尽に暴れまわるって
のは、傍から見ればどえらいもんだろうがそれすらも計算の内…鳥海が提唱したあの戦術なら、お前等に向かう
所敵は無しって訳だ」
加賀「ですが良かったのですか。勝手な出撃と勝手な資材消費は経費申請報告書に記載した場合、虚偽申請のし
ようもありません。仮にしたとしても、当然の如く暴かれるのは目に見えています」
提督「その為に明日、北と一戦交えるんだろうが」ニヤッ…
加賀「では、まさか本当に明日、北提督の率いる艦隊は実弾を使用してくると?」
提督「ああ、十中八九必ずな。北のおぼっちゃんの事だ、盛大にぶちかましてくれるだろうよ。さっきはああは
言ったが、こっちは敢えて模擬弾だけで応戦する。解ってると思うが…」
加賀「…正直、頭にきていた所です。そもそも的になどなりたくはありませんから。徹底的に打ちのめします」
提督「そいつは重畳。他の奴等にも明日の演習の件を通達しておけ」
加賀「解りました」
38: 2015/01/26(月) 20:44:35.53 ID:Q+nTDy3jo
満潮「ちっ、悔しいけど美味しいから尚更ムカつくわ…」パクッ…
漣「あら~、別に食べなくてもいいわよ?」モグモグ…
満潮「うっさいなぁ…一言多かったのは悪かったわよ」モグモグ…
鳥海「栄養バランスも非常にいいですね」モグモグ…
長良「漣のご飯は最高だよー!」モグモグ…
加賀「流石に気分が高揚します」モグモグ…モグモグ…
満潮「なんか加賀、食べる速度早くない…?」
加賀「……気のせいです」
長良「ふふっ…でもさぁ、こうやって皆で顔を合わせてご飯って、何時以来だっけ」
鳥海「…?」
加賀「そうですね。かなり久しぶりだと認識しています」
鳥海「今までは、各々の部屋で?」
満潮「そうよ」
鳥海「何故?」
漣「だって、喋る事別にないもん」
長良「あはは…まぁねぇ、どこかギクシャクもしてたしねぇ」
加賀「提督の配慮、と言うべきでしょうか。食事は全員で摂る事、と通達がありましたから」
鳥海「ホント、素直じゃありませんね。あの人は…結局の所、私達が一つにならなければ彼の描く理想には遠く
及ばないという事なのでしょう」
満潮「何が理想よ。アホ面晒して調子に乗ってるだけじゃん。あぁ、もうマジウザイ!」
提督「アホ面で悪かったな、このクソチビ」
満潮「げほっ」
漣「うわっ、汚なぁ!」
鳥海「あらまぁ…」
39: 2015/01/26(月) 20:45:07.73 ID:Q+nTDy3jo
満潮「いきなり後ろから声掛けてくるんじゃないわよ!このアホ面オヤジ!」
提督「んだとテメェ!誰がアホ面だこのクソチビまな板!」
満潮「私は満潮ですー!名前ちゃーんとありますー!あんたみたいなアホ面オヤジと一緒にしないでくれる!?」
提督「ぶっ頃すぞこのクソガキャ…」
加賀「子供ですか、あなたは…」
提督「大人だ!ふざけんな!」
加賀「はぁ…」
長良「あはははっ」
提督「何が可笑しいんだよ!」
長良「だって、二人してさぁ!」クスクスッ
提督「待て待て待て待て。今二人って言ったか?ふざけろ、俺は可笑しくない。可笑しいのはこのクソチビまな
板であって断じて俺ではない。むしろこのクソチビまな板以外にありえない。存在しない」
満潮「あーっ!もうマジなんなのこいつ!ほんっと腹立つ!」
漣「あれあれ、満潮ちゃん、またおこなの?激おこ?プンプン丸?ムカチャッカいっちゃう?やっちゃう?」
満潮「ちょっと、加賀っ!あんたも澄ましてないで何とか言いなさいよ!」バンバン
加賀「関わると碌な事にならなそうなので、傍観に徹します」
提督「見ろ、自らの無様を曝け出した結果だ。俺が正しいと証明されたな、クソチビまな板」ドヤァ
鳥海「」(ホント、飽きないわねぇ…)クスッ…
満潮「はっ!言ってなさいよ。いつか吠え面かかせてやるんだから!」
提督「ほぅ、それはじ・つ・に、面白い!楽しみにしてよう!あぁ、そうだ!明日の演習で一人で三人分仕留め
る事が出来たらお前に俺の吠え面を公開してやろう!」
満潮「…言ったわね。文字通り拝ませて貰おうじゃないの、アホ面オヤジの吠え面をねっ!」
長良「あ~あ……」
漣「ご主人様、それは墓穴かもよぉ?」
提督「え?」
加賀「明日が楽しみです」
提督「え、いや…おい、待て待て待て待て。おい、どういう意味か答えを言え」
満潮「ふふん、吠え面の準備だけして待ってなさい!」
提督「なんて連中だ…信じられん」
満潮「べー、だ!」
提督「こ、の…ク・ソ・ガ・キ……ッ!」
提督「んだとテメェ!誰がアホ面だこのクソチビまな板!」
満潮「私は満潮ですー!名前ちゃーんとありますー!あんたみたいなアホ面オヤジと一緒にしないでくれる!?」
提督「ぶっ頃すぞこのクソガキャ…」
加賀「子供ですか、あなたは…」
提督「大人だ!ふざけんな!」
加賀「はぁ…」
長良「あはははっ」
提督「何が可笑しいんだよ!」
長良「だって、二人してさぁ!」クスクスッ
提督「待て待て待て待て。今二人って言ったか?ふざけろ、俺は可笑しくない。可笑しいのはこのクソチビまな
板であって断じて俺ではない。むしろこのクソチビまな板以外にありえない。存在しない」
満潮「あーっ!もうマジなんなのこいつ!ほんっと腹立つ!」
漣「あれあれ、満潮ちゃん、またおこなの?激おこ?プンプン丸?ムカチャッカいっちゃう?やっちゃう?」
満潮「ちょっと、加賀っ!あんたも澄ましてないで何とか言いなさいよ!」バンバン
加賀「関わると碌な事にならなそうなので、傍観に徹します」
提督「見ろ、自らの無様を曝け出した結果だ。俺が正しいと証明されたな、クソチビまな板」ドヤァ
鳥海「」(ホント、飽きないわねぇ…)クスッ…
満潮「はっ!言ってなさいよ。いつか吠え面かかせてやるんだから!」
提督「ほぅ、それはじ・つ・に、面白い!楽しみにしてよう!あぁ、そうだ!明日の演習で一人で三人分仕留め
る事が出来たらお前に俺の吠え面を公開してやろう!」
満潮「…言ったわね。文字通り拝ませて貰おうじゃないの、アホ面オヤジの吠え面をねっ!」
長良「あ~あ……」
漣「ご主人様、それは墓穴かもよぉ?」
提督「え?」
加賀「明日が楽しみです」
提督「え、いや…おい、待て待て待て待て。おい、どういう意味か答えを言え」
満潮「ふふん、吠え面の準備だけして待ってなさい!」
提督「なんて連中だ…信じられん」
満潮「べー、だ!」
提督「こ、の…ク・ソ・ガ・キ……ッ!」
40: 2015/01/26(月) 20:45:34.55 ID:Q+nTDy3jo
-実力の差-
提督「……」
鳥海「時間ですが…」
加賀「北鎮守府の面々は一人として現れていません」
提督「ちっ…」
ピリリリリ……ピリリリリ……
提督「北のビチクソ野郎だな…」
ピッ……
提督「…はい、もしもし」
北提督『やあ、ゴミクズの提督さん』
提督「時間も厳守できない奴に言われても何とも思わねぇって」
北提督『くくっ…何言ってるのぉ、もう演習は始まってるんだよぉ…』
加賀「……」チリッ…
長良「加賀さん?」
加賀「…哨戒任務に向かわせておいて正解でした。警戒中だった艦載機の一団が対空砲火にて制圧されました」
満潮「まさか、奇襲!?」
漣「うわぁ、メシマズ状態。何それ、感じ悪ぅ…」
北提督『ゴミ集積場に寄せ集められただけのクズ共が!的役になれるだけでもありがたいって気になってもらい
たいもんだねぇ!スクラップにされて然るべきクズなんだからさぁ!』
提督「…結構。じ・つ・に、結構!好きなだけ小細工して来い。その分、負けた時のお前の無様具合は俺の想像
を優に超えてくれるだろう。吠え面掻く準備だけして糞でもしとけ薄らハゲ脱糞野郎!」
漣「どうもでいいけどぉ、言葉が汚いですよ、ご主人様ぁ」
提督「っせぇ!」
北提督『……上等だよ。叛乱を企てたとしてこの場で全員雷撃処分にしてやる!!』
ブツンッ……
提督「……」
鳥海「時間ですが…」
加賀「北鎮守府の面々は一人として現れていません」
提督「ちっ…」
ピリリリリ……ピリリリリ……
提督「北のビチクソ野郎だな…」
ピッ……
提督「…はい、もしもし」
北提督『やあ、ゴミクズの提督さん』
提督「時間も厳守できない奴に言われても何とも思わねぇって」
北提督『くくっ…何言ってるのぉ、もう演習は始まってるんだよぉ…』
加賀「……」チリッ…
長良「加賀さん?」
加賀「…哨戒任務に向かわせておいて正解でした。警戒中だった艦載機の一団が対空砲火にて制圧されました」
満潮「まさか、奇襲!?」
漣「うわぁ、メシマズ状態。何それ、感じ悪ぅ…」
北提督『ゴミ集積場に寄せ集められただけのクズ共が!的役になれるだけでもありがたいって気になってもらい
たいもんだねぇ!スクラップにされて然るべきクズなんだからさぁ!』
提督「…結構。じ・つ・に、結構!好きなだけ小細工して来い。その分、負けた時のお前の無様具合は俺の想像
を優に超えてくれるだろう。吠え面掻く準備だけして糞でもしとけ薄らハゲ脱糞野郎!」
漣「どうもでいいけどぉ、言葉が汚いですよ、ご主人様ぁ」
提督「っせぇ!」
北提督『……上等だよ。叛乱を企てたとしてこの場で全員雷撃処分にしてやる!!』
ブツンッ……
41: 2015/01/26(月) 20:46:00.41 ID:Q+nTDy3jo
提督「よし、いってこい」
鳥海「はいはい。それじゃ加賀さん、音頭お願いしますね」
加賀「一航戦、出撃します」
漣「ほいさっさ~♪」
満潮「満潮、出るわ」
長良「よしきたー!任せといて!」
鳥海「さぁ、行きましょう!」
加賀「…相手はこのまま直進、これは…」
鳥海「どうかしましたか?」
加賀「不愉快です」
長良「どうかしたの?」
加賀「相手は聨合艦隊です」
満潮「はぁ!?」
漣「え、ちょっと言ってる意味解んない」
加賀「つまり、数で私達を蹂躙する気なのでしょう。先の無線で言っていたように、言われ無き罪とやらで私達
を雷撃処分にでもして自分の手柄として功績を手中に収める、と言った所でしょうか」
鳥海「…なるほど。非常にそれは不愉快ですね。なら、こちらも相応の対応をしてあげれば良いのではなくて?」
満潮「それじゃあ、暴れて良いって事よね」
漣「ご主人様も見てる事だし、すこ~し本気出しちゃおっかなぁ♪」
加賀「けれど、相手空母の主力が出てくるなら…流石に、慎重に攻めたいところだわ」
長良「そこは加賀さんに任せるよ!私達は…」
満潮「海上を…!」
鳥海「制圧します!」
鳥海「はいはい。それじゃ加賀さん、音頭お願いしますね」
加賀「一航戦、出撃します」
漣「ほいさっさ~♪」
満潮「満潮、出るわ」
長良「よしきたー!任せといて!」
鳥海「さぁ、行きましょう!」
加賀「…相手はこのまま直進、これは…」
鳥海「どうかしましたか?」
加賀「不愉快です」
長良「どうかしたの?」
加賀「相手は聨合艦隊です」
満潮「はぁ!?」
漣「え、ちょっと言ってる意味解んない」
加賀「つまり、数で私達を蹂躙する気なのでしょう。先の無線で言っていたように、言われ無き罪とやらで私達
を雷撃処分にでもして自分の手柄として功績を手中に収める、と言った所でしょうか」
鳥海「…なるほど。非常にそれは不愉快ですね。なら、こちらも相応の対応をしてあげれば良いのではなくて?」
満潮「それじゃあ、暴れて良いって事よね」
漣「ご主人様も見てる事だし、すこ~し本気出しちゃおっかなぁ♪」
加賀「けれど、相手空母の主力が出てくるなら…流石に、慎重に攻めたいところだわ」
長良「そこは加賀さんに任せるよ!私達は…」
満潮「海上を…!」
鳥海「制圧します!」
48: 2015/01/27(火) 20:45:47.72 ID:/bh8DKUco
空母艦娘1「相手の空母は加賀って言っても、たかが一人よ。こっちが制空権を奪えない道理は無いわ」
空母艦娘2「一気に蹴散らして上げようじゃない!」
軽空母艦娘1「こっちは空母四人よ」
軽空母艦娘2「制空権は貰ったも同然ね!」
加賀「不愉快です」
空母艦娘1「か、加賀…!」
加賀「一つ、訂正があります」スッ…
空母艦娘2「て、訂正ですって!?」
加賀「確かに艦載数ではそちらが上…事実として制空権を優勢に導く事は困難かもしれません。ですが、それと
現状の優劣は別だという事です。あなた達程度の錬度で私の優秀な子たちが蹂躙できるとは到底思えません」
軽空母艦娘1「言わせておけば…!」
軽空母艦娘2「だったら望み通りに蹂躙して上げようじゃない!」
加賀「…言葉の意味を理解しているのですか?」クスッ…
軽空母艦娘1「何を…!」
加賀「蹂躙の意味です。これが、蹂躙するという事の実演です。鎧袖一触よ。心配いらないわ」ビュッ…
空母艦娘2「一気に蹴散らして上げようじゃない!」
軽空母艦娘1「こっちは空母四人よ」
軽空母艦娘2「制空権は貰ったも同然ね!」
加賀「不愉快です」
空母艦娘1「か、加賀…!」
加賀「一つ、訂正があります」スッ…
空母艦娘2「て、訂正ですって!?」
加賀「確かに艦載数ではそちらが上…事実として制空権を優勢に導く事は困難かもしれません。ですが、それと
現状の優劣は別だという事です。あなた達程度の錬度で私の優秀な子たちが蹂躙できるとは到底思えません」
軽空母艦娘1「言わせておけば…!」
軽空母艦娘2「だったら望み通りに蹂躙して上げようじゃない!」
加賀「…言葉の意味を理解しているのですか?」クスッ…
軽空母艦娘1「何を…!」
加賀「蹂躙の意味です。これが、蹂躙するという事の実演です。鎧袖一触よ。心配いらないわ」ビュッ…
49: 2015/01/27(火) 20:46:20.86 ID:/bh8DKUco
目にも止まらぬ速さで矢を放つ。
相手空母群は一瞬何が起こったのかさえ理解しなかった。
放たれた矢は彼女達を追い越し、後方で無数の艦載機へとその姿を変えると一気に急上昇。
上空で旋回してから今度は一気に急降下爆撃を開始する。
その間、四人はただ呆けていただけ。
その判断が実戦であれば命取りにさえなるのを知らない、甘い考えが起こす気の緩み。
たった一投。
僅か一矢。
それだけで加賀の率いる艦載機達は軽空母の艦娘二人をまさに鎧袖一触、一撫での下に葬った。
ボゴオオオォォォォォォン
空母艦娘1「なっ…!」
空母艦娘2「え……?」
軽空母艦娘1「きゃあっ」 大破
軽空母艦娘2「そ、そんな…」 大破
空母艦娘1「これは…模擬弾…!?」
空母艦娘2「よくも…!」
瞬く間すら惜しくなる。
それほどまでに短い僅かな間。
時間にすればほんの数十秒。
それだけで加賀と自分達に歴然とした差がある事を思い知らされて尚、彼女達は加賀へと立ち向かう。
だが、それは実戦で言えば氏路。
勇猛果敢と言うに相応しくない愚行。
かつて謳われた一航戦の一翼、鎧袖一触の加賀。
それはかつてではない。
健在であり、既にそれは現実としてそこにある。
謳われてなどいない、今尚紡ぎ続けている。
一航戦の加賀を伝説と呼ぶ者は、過去の亡霊のみ。
しかし彼女の実力、これはそのほんの一部に過ぎない。
相手空母群は一瞬何が起こったのかさえ理解しなかった。
放たれた矢は彼女達を追い越し、後方で無数の艦載機へとその姿を変えると一気に急上昇。
上空で旋回してから今度は一気に急降下爆撃を開始する。
その間、四人はただ呆けていただけ。
その判断が実戦であれば命取りにさえなるのを知らない、甘い考えが起こす気の緩み。
たった一投。
僅か一矢。
それだけで加賀の率いる艦載機達は軽空母の艦娘二人をまさに鎧袖一触、一撫での下に葬った。
ボゴオオオォォォォォォン
空母艦娘1「なっ…!」
空母艦娘2「え……?」
軽空母艦娘1「きゃあっ」 大破
軽空母艦娘2「そ、そんな…」 大破
空母艦娘1「これは…模擬弾…!?」
空母艦娘2「よくも…!」
瞬く間すら惜しくなる。
それほどまでに短い僅かな間。
時間にすればほんの数十秒。
それだけで加賀と自分達に歴然とした差がある事を思い知らされて尚、彼女達は加賀へと立ち向かう。
だが、それは実戦で言えば氏路。
勇猛果敢と言うに相応しくない愚行。
かつて謳われた一航戦の一翼、鎧袖一触の加賀。
それはかつてではない。
健在であり、既にそれは現実としてそこにある。
謳われてなどいない、今尚紡ぎ続けている。
一航戦の加賀を伝説と呼ぶ者は、過去の亡霊のみ。
しかし彼女の実力、これはそのほんの一部に過ぎない。
50: 2015/01/27(火) 20:46:47.08 ID:/bh8DKUco
空母艦娘1「以前に見たことがある、翔鶴さんや瑞鶴さんに匹敵するくらいの強さだってことなの、加賀は…」
空母艦娘2「まさか…鶴姉妹より上位の空母艦娘なんて…」
加賀「……」ピクッ
ボヤキに近いその一言は加賀にとっては耳障りでしかなかった。
彼女がこの世で最も嫌う事、それは比較をされる事。
中でも二航戦や五航戦と呼ばれる姉妹達と比べられるのが最も加賀は嫌った。
それは嫌悪ではなく、ただ純粋に比べられるという行為そのものに対しての嫌気だった。
中でも一航戦の後釜と言われている五航戦の姉妹に対しては殊更辛辣に当たる事が加賀は多い。
加賀「五航戦の子なんかと一緒にしないで」ビュビュッ
加賀と同じ、一航戦の名を背負う赤城ですら容易に真似できない、加賀だからこそ成せる脅威の技術、速射。
本来、加賀のスタイルは一矢入魂。
一発一発に己の念を籠めるが如く、驚くべき集中力を発揮して放たれる一撃必殺と呼称するに相応しいものだ。
故に放たれた艦載機は狙い違わず目標を撃滅する。
だが今のは一呼吸の間に、二度の射手を行うもの。
精密性は無論欠けるが放たれる艦載数は通常の倍、つまりやり方次第で一気に複数艦の相手を撃滅に追い込める
ほどの驚異的な破壊力を秘めている。
これが加賀が基本の型に嵌らない、周りとの連携を取れないとする所以の一つ。
二条の放たれた矢は敵前で無数の艦載機へとその姿を一変させ、大空へと一斉に舞い上がる。
イメージは既についている。
真上への急上昇から狙いを定めた艦爆隊による一斉爆撃。
次に艦攻隊による敵上空から急降下、対空砲が放たれるより早く、より速く、描く姿はまさに獲物を狙う鷲。
空の覇者、加賀の強さを絶対とし、それを知らしめるが如く、放たれた艦載機達による一方的な攻撃が始まる。
まさに、これこそ蹂躙と称するに相応しい圧倒的戦闘力。
ボゴオオォォォォォォン
加賀「それでも、狙いは外しません。みんな優秀な子たちですから」
空母艦娘1「は、発艦すら…できないなんて…」 大破
空母艦娘2「バケモノ……」 大破
加賀「射法八節、その理に準じれば基礎を基礎とし、極める事のみに心血を注げば良いだけの事です。あなた達
には私を詰る権利は無論、二航戦や五航戦を引き合いに出す資格すらありません。分を弁えて下さい」
空母艦娘2「まさか…鶴姉妹より上位の空母艦娘なんて…」
加賀「……」ピクッ
ボヤキに近いその一言は加賀にとっては耳障りでしかなかった。
彼女がこの世で最も嫌う事、それは比較をされる事。
中でも二航戦や五航戦と呼ばれる姉妹達と比べられるのが最も加賀は嫌った。
それは嫌悪ではなく、ただ純粋に比べられるという行為そのものに対しての嫌気だった。
中でも一航戦の後釜と言われている五航戦の姉妹に対しては殊更辛辣に当たる事が加賀は多い。
加賀「五航戦の子なんかと一緒にしないで」ビュビュッ
加賀と同じ、一航戦の名を背負う赤城ですら容易に真似できない、加賀だからこそ成せる脅威の技術、速射。
本来、加賀のスタイルは一矢入魂。
一発一発に己の念を籠めるが如く、驚くべき集中力を発揮して放たれる一撃必殺と呼称するに相応しいものだ。
故に放たれた艦載機は狙い違わず目標を撃滅する。
だが今のは一呼吸の間に、二度の射手を行うもの。
精密性は無論欠けるが放たれる艦載数は通常の倍、つまりやり方次第で一気に複数艦の相手を撃滅に追い込める
ほどの驚異的な破壊力を秘めている。
これが加賀が基本の型に嵌らない、周りとの連携を取れないとする所以の一つ。
二条の放たれた矢は敵前で無数の艦載機へとその姿を一変させ、大空へと一斉に舞い上がる。
イメージは既についている。
真上への急上昇から狙いを定めた艦爆隊による一斉爆撃。
次に艦攻隊による敵上空から急降下、対空砲が放たれるより早く、より速く、描く姿はまさに獲物を狙う鷲。
空の覇者、加賀の強さを絶対とし、それを知らしめるが如く、放たれた艦載機達による一方的な攻撃が始まる。
まさに、これこそ蹂躙と称するに相応しい圧倒的戦闘力。
ボゴオオォォォォォォン
加賀「それでも、狙いは外しません。みんな優秀な子たちですから」
空母艦娘1「は、発艦すら…できないなんて…」 大破
空母艦娘2「バケモノ……」 大破
加賀「射法八節、その理に準じれば基礎を基礎とし、極める事のみに心血を注げば良いだけの事です。あなた達
には私を詰る権利は無論、二航戦や五航戦を引き合いに出す資格すらありません。分を弁えて下さい」
51: 2015/01/27(火) 20:47:27.63 ID:/bh8DKUco
提督「ヒュ~♪やるねぇ、加賀は…ありゃあいつだったかなぁ、一度だけ赤城の戦闘を見た事があったが、赤城
が柔なら加賀は剛か…利を活かし、盤上全てをひっくり返せる赤城に強さで一気に捻じ伏せる加賀…くくっ、確
かに一航戦の二人が揃えば鬼に金棒、才色兼備…智勇と武勇が合わされば怖いもんはねぇわ。最強と言われるに
足る所以、ここに一つ見つけたり、だな」
提督「あれが一航戦の赤城…」
赤城「敵艦、捕捉しました」
提督「でもって…その赤城を要するあの艦隊を指揮するのが、噂の大佐の枠を超えた大佐殿か。元はブラックで
有名だった鎮守府だ…それを僅か二年とちょっとでここまで纏め上げたわけだから、まぁ確かに手腕としちゃあ
大佐で納まる器じゃなさそうなのは目に見えて解るか…」
とある提督「陣形はそのまま単縦陣。瑞鳳は赤城に続け、発艦準備だ」
瑞鳳「はい!」
提督「…見てて虫唾が奔るな」
今では四方山の鎮守府で語り草になっている、海軍史上類を見ない叛乱事件。
その渦中にあって最終的に収束へと導いた張本人。
風に乗る噂には必ず尾鰭が付いて回るというが、実際に見て彼が感じたのはそれとは別の感情だった。
見てて虫唾が奔る……そう感じたのは単にそこに流れる空気が彼にそぐわないものだったから。
艦娘達と和気藹々と過ごす、それはどこの鎮守府にも見て取れる光景だろう。
過去の確執があったからこそ、今のあの鎮守府が存在していると言ってもいいかもしれない。
だが提督にとってそんなのはどうでもいいことだった。
時は流れ時代は変わり、深海棲艦も為りを潜めて久しい今、この海軍と言う組織は緩みだしていると実感した。
あの事件以降、名を馳せた鎮守府は他にも幾つかある。
前元帥の愛娘が治めている、精鋭揃いと名高い鋼鉄の艦隊。
不滅・不屈を信条とし、決して揺るがない鋼の意志を持った不動の艦隊。
本来はそこに名を連ねるはずだった、もう一つの歴戦の艦隊。
提督「気付いてるのか、このうねりの中に混ざった異物を…時代は、平和を求めちゃいねぇって事だ。あんたが
作ったこの平和は、悲しい事に続きゃしねぇんだ…」
が柔なら加賀は剛か…利を活かし、盤上全てをひっくり返せる赤城に強さで一気に捻じ伏せる加賀…くくっ、確
かに一航戦の二人が揃えば鬼に金棒、才色兼備…智勇と武勇が合わされば怖いもんはねぇわ。最強と言われるに
足る所以、ここに一つ見つけたり、だな」
提督「あれが一航戦の赤城…」
赤城「敵艦、捕捉しました」
提督「でもって…その赤城を要するあの艦隊を指揮するのが、噂の大佐の枠を超えた大佐殿か。元はブラックで
有名だった鎮守府だ…それを僅か二年とちょっとでここまで纏め上げたわけだから、まぁ確かに手腕としちゃあ
大佐で納まる器じゃなさそうなのは目に見えて解るか…」
とある提督「陣形はそのまま単縦陣。瑞鳳は赤城に続け、発艦準備だ」
瑞鳳「はい!」
提督「…見てて虫唾が奔るな」
今では四方山の鎮守府で語り草になっている、海軍史上類を見ない叛乱事件。
その渦中にあって最終的に収束へと導いた張本人。
風に乗る噂には必ず尾鰭が付いて回るというが、実際に見て彼が感じたのはそれとは別の感情だった。
見てて虫唾が奔る……そう感じたのは単にそこに流れる空気が彼にそぐわないものだったから。
艦娘達と和気藹々と過ごす、それはどこの鎮守府にも見て取れる光景だろう。
過去の確執があったからこそ、今のあの鎮守府が存在していると言ってもいいかもしれない。
だが提督にとってそんなのはどうでもいいことだった。
時は流れ時代は変わり、深海棲艦も為りを潜めて久しい今、この海軍と言う組織は緩みだしていると実感した。
あの事件以降、名を馳せた鎮守府は他にも幾つかある。
前元帥の愛娘が治めている、精鋭揃いと名高い鋼鉄の艦隊。
不滅・不屈を信条とし、決して揺るがない鋼の意志を持った不動の艦隊。
本来はそこに名を連ねるはずだった、もう一つの歴戦の艦隊。
提督「気付いてるのか、このうねりの中に混ざった異物を…時代は、平和を求めちゃいねぇって事だ。あんたが
作ったこの平和は、悲しい事に続きゃしねぇんだ…」
52: 2015/01/27(火) 20:47:53.24 ID:/bh8DKUco
-生まれる疑念-
北提督「なんだ、これは…なんで!?」
満潮「はぁ、手ごたえのない子っ!それで私達を本気で倒せるって思っちゃってる所がウザイのよッ!!」
重巡艦娘「く、駆逐艦のクセに…!」 大破
軽巡艦娘「くっ…鬱陶しい!」 中破
漣「逃げられないよ!漣はしつこいからっ!!」ドン ドン
軽巡艦娘「しまっ……」
ボゴオオォォォォン
軽巡艦娘「ぐっ…こい、つ…!」 大破
戦艦艦娘「どうして、私の、装甲が…!」 中破
長良「走り込み、してないからじゃない?」
鳥海「軽巡や重巡が戦艦に敵わない、なんて道理は何処にもありませんよ」
長良「遅すぎるよ。遅い!全然遅い!そんなんじゃ私を捉える事なんて絶対無理よ」
北提督「なんなんだ、こいつらは…」
提督「お前等がゴミクズだって蔑んでた連中さ。原石とゴミの意味を履き違えるなよ。実弾使ってそのザマじゃ
実戦でもどうせ沈んでた連中だろうよ。アルフォンシーノは前海戦の折に激闘があった海域だ。未だにエリート
クラスの深海棲艦も生息していると聞く。そんな場所にお前等程度の錬度の艦隊が突っ込んだ所で、遊び相手に
もなりゃしねぇだろうよ」
北提督「き、貴様ぁ!口を慎めよ、俺は北を任されている少将様だぞ!」
提督「だからどうした脱糞野郎!階級と賢さは必ずしも比例なんざしねぇんだよ。そら見たことか、そのバカ面
に備わってる両目で現状をよぉく見てみろ。見たか?見えてるか?飾りじゃねぇなら見えるよな?いい加減認識
しろ、ゴミは自分達でクズは自分達であるという事実を認識しろ。解ったらさっさと白旗でも上げて吠え面でも
かいてろこのゴミクズが!あぁ~、じ・つ・に、愉快だ!そのバカ面を拝めただけでも結構!大いに結構!」
北提督「お、の、れぇぇ……ッ!」
北提督「なんだ、これは…なんで!?」
満潮「はぁ、手ごたえのない子っ!それで私達を本気で倒せるって思っちゃってる所がウザイのよッ!!」
重巡艦娘「く、駆逐艦のクセに…!」 大破
軽巡艦娘「くっ…鬱陶しい!」 中破
漣「逃げられないよ!漣はしつこいからっ!!」ドン ドン
軽巡艦娘「しまっ……」
ボゴオオォォォォン
軽巡艦娘「ぐっ…こい、つ…!」 大破
戦艦艦娘「どうして、私の、装甲が…!」 中破
長良「走り込み、してないからじゃない?」
鳥海「軽巡や重巡が戦艦に敵わない、なんて道理は何処にもありませんよ」
長良「遅すぎるよ。遅い!全然遅い!そんなんじゃ私を捉える事なんて絶対無理よ」
北提督「なんなんだ、こいつらは…」
提督「お前等がゴミクズだって蔑んでた連中さ。原石とゴミの意味を履き違えるなよ。実弾使ってそのザマじゃ
実戦でもどうせ沈んでた連中だろうよ。アルフォンシーノは前海戦の折に激闘があった海域だ。未だにエリート
クラスの深海棲艦も生息していると聞く。そんな場所にお前等程度の錬度の艦隊が突っ込んだ所で、遊び相手に
もなりゃしねぇだろうよ」
北提督「き、貴様ぁ!口を慎めよ、俺は北を任されている少将様だぞ!」
提督「だからどうした脱糞野郎!階級と賢さは必ずしも比例なんざしねぇんだよ。そら見たことか、そのバカ面
に備わってる両目で現状をよぉく見てみろ。見たか?見えてるか?飾りじゃねぇなら見えるよな?いい加減認識
しろ、ゴミは自分達でクズは自分達であるという事実を認識しろ。解ったらさっさと白旗でも上げて吠え面でも
かいてろこのゴミクズが!あぁ~、じ・つ・に、愉快だ!そのバカ面を拝めただけでも結構!大いに結構!」
北提督「お、の、れぇぇ……ッ!」
53: 2015/01/27(火) 20:48:23.40 ID:/bh8DKUco
??「……見たか?」
??「あぁ、見た」
??「で、これどう報告するのかしら?」
??「どうも何も、見たままを告げればいいだろう。結局の所、私達の任務はそこに集約される」
??「つってもなぁ…演習戦に故意に実弾を使用する疑いがあるってタレコミがあって、きてみりゃ北鎮守府の
違反行為ときたもんだ…正直、まだハズレ鎮守府がやらかしてくれた方が幾分かましだったんじゃねぇのか」
??「どちらにしても違反に変わりはない。深海棲艦の脅威が著しく減少しても尚、まだその全てが解決した訳
ではない中で、内部の治安悪化にはホトホト嫌気が差す」
??「そうねぇ…平和は平和だけど、各地の鎮守府でこうも質が落ちる、と言うのは幾らか懸念材料かも」
??「しかもあの野郎、少将だろ。将官があんなんで佐官連中以下に示しなんて付く訳がねぇ。下手すりゃ艦娘
にも叛乱の兆候が見えたって不思議じゃねぇぞ」
??「事実は小説より奇なり……と単に括れる内容でもないからな。摩耶、私はこのまま生の情報を持って一度
大本営へ戻る。貴様は引き続き通達のあった鎮守府の動向監視に務めろ」
摩耶「ったくよぉ、ホントお前は人使い荒いな」
??「それとも、妹をもう少し見ていたいか?」
摩耶「幾らお前でもそれ以上言ったらぶっ飛ばすぞ」
??「…ふん」
摩耶「」(鳥海、どうしてお前、こんなとこに居るんだよ…)
??「私はどうしましょう?」
??「手が空いてるなら摩耶を手伝ってやれ。こんな小細工に等しい行為、叛乱にも入らん。海軍内部に闇がま
だ存在するのなら、肥大化する前に阻止しなければならない。私達はその為に存続された海軍の暗部だ」
??「解ったわ」
??「あぁ、見た」
??「で、これどう報告するのかしら?」
??「どうも何も、見たままを告げればいいだろう。結局の所、私達の任務はそこに集約される」
??「つってもなぁ…演習戦に故意に実弾を使用する疑いがあるってタレコミがあって、きてみりゃ北鎮守府の
違反行為ときたもんだ…正直、まだハズレ鎮守府がやらかしてくれた方が幾分かましだったんじゃねぇのか」
??「どちらにしても違反に変わりはない。深海棲艦の脅威が著しく減少しても尚、まだその全てが解決した訳
ではない中で、内部の治安悪化にはホトホト嫌気が差す」
??「そうねぇ…平和は平和だけど、各地の鎮守府でこうも質が落ちる、と言うのは幾らか懸念材料かも」
??「しかもあの野郎、少将だろ。将官があんなんで佐官連中以下に示しなんて付く訳がねぇ。下手すりゃ艦娘
にも叛乱の兆候が見えたって不思議じゃねぇぞ」
??「事実は小説より奇なり……と単に括れる内容でもないからな。摩耶、私はこのまま生の情報を持って一度
大本営へ戻る。貴様は引き続き通達のあった鎮守府の動向監視に務めろ」
摩耶「ったくよぉ、ホントお前は人使い荒いな」
??「それとも、妹をもう少し見ていたいか?」
摩耶「幾らお前でもそれ以上言ったらぶっ飛ばすぞ」
??「…ふん」
摩耶「」(鳥海、どうしてお前、こんなとこに居るんだよ…)
??「私はどうしましょう?」
??「手が空いてるなら摩耶を手伝ってやれ。こんな小細工に等しい行為、叛乱にも入らん。海軍内部に闇がま
だ存在するのなら、肥大化する前に阻止しなければならない。私達はその為に存続された海軍の暗部だ」
??「解ったわ」
62: 2015/01/28(水) 20:59:02.75 ID:Zf7w/nyxo
漣「あれ、もう終わりなの?うっそぉ、メシマズ~」
満潮「連携の『れ』の字も取れてない雑魚艦隊とか、倒した内にも入らないわね」
長良「息切れすぎ!足遅すぎ!勝負も戦いも拮抗しなきゃ演習なら楽しみないじゃん!成長してるかどうかを見
るのが演習の醍醐味じゃん?まぁ、連携の確認とかもあるだろうけどさぁ、はぁ…なんかつまなかったなぁ」
加賀「ストレスしか溜まりませんでした」
鳥海「」(倍の数を相手にしてもたじろぐ所かほぼパーフェクトで任務完了。スタミナが切れてる様子もない。
何より奇襲を受けた状態から制空権を奪われても尚、戦局の優勢を貫いた個々の実力。まさに、少数精鋭)
提督「実弾使った割に、随分とこっちの被害は少ないじゃないか。北の将軍様」
北提督「ぐっ…く、そ…!」
提督「しっかし、北の将軍様ともあろうお方が…演習に実弾を持ち込み、あまつさえそれを艦娘達に使用する事
を強要するとは…いやぁ、これは…ははっ、実に、じ・つ・に、宜しくない。海軍規定の軍法に接触しているの
をご存じないのか、はたまた無視したのか…どちらにしろ、お前の未来は断たれたな?」
北提督「お、まえ…まさか…!始めから、これが狙いで…!」
提督「冗談…お前みたいな小物の座なんて俺にはどうでもいい事だ。一緒にするなよ、脱糞野郎。格の差を馬鹿
なお前に教えてやっただけだ。空いてた座席に納まっただけのボンクラと、実力を示して狙った座席を物にして
きた奴の差って事だ」
北提督「このハズレ鎮守府が、狙ってくる場所だって?あははははっ!お前こそ、馬鹿なんじゃないのか!?」
提督「吠えてろバカ面。どの道お前は懲戒処分だ。演習に実弾を持ち込むなんて新米提督でもやらかさないミス
だからなぁ…間違えました、で済ませれる事案じゃない。その垢塗れの汚ぇ首でも洗って待ってろよ」
その後、事の顛末を見ていたとされる第三者の通報により、北提督は大本営から派遣されてきた憲兵によってそ
の身柄を拘束され、彼の言葉に従った艦娘も同様にして大本営へと連行されていった。
最後まで『俺はハメられた』と叫び続ける北提督の言葉だけが、虚しく周囲に響き渡っていた。
満潮「連携の『れ』の字も取れてない雑魚艦隊とか、倒した内にも入らないわね」
長良「息切れすぎ!足遅すぎ!勝負も戦いも拮抗しなきゃ演習なら楽しみないじゃん!成長してるかどうかを見
るのが演習の醍醐味じゃん?まぁ、連携の確認とかもあるだろうけどさぁ、はぁ…なんかつまなかったなぁ」
加賀「ストレスしか溜まりませんでした」
鳥海「」(倍の数を相手にしてもたじろぐ所かほぼパーフェクトで任務完了。スタミナが切れてる様子もない。
何より奇襲を受けた状態から制空権を奪われても尚、戦局の優勢を貫いた個々の実力。まさに、少数精鋭)
提督「実弾使った割に、随分とこっちの被害は少ないじゃないか。北の将軍様」
北提督「ぐっ…く、そ…!」
提督「しっかし、北の将軍様ともあろうお方が…演習に実弾を持ち込み、あまつさえそれを艦娘達に使用する事
を強要するとは…いやぁ、これは…ははっ、実に、じ・つ・に、宜しくない。海軍規定の軍法に接触しているの
をご存じないのか、はたまた無視したのか…どちらにしろ、お前の未来は断たれたな?」
北提督「お、まえ…まさか…!始めから、これが狙いで…!」
提督「冗談…お前みたいな小物の座なんて俺にはどうでもいい事だ。一緒にするなよ、脱糞野郎。格の差を馬鹿
なお前に教えてやっただけだ。空いてた座席に納まっただけのボンクラと、実力を示して狙った座席を物にして
きた奴の差って事だ」
北提督「このハズレ鎮守府が、狙ってくる場所だって?あははははっ!お前こそ、馬鹿なんじゃないのか!?」
提督「吠えてろバカ面。どの道お前は懲戒処分だ。演習に実弾を持ち込むなんて新米提督でもやらかさないミス
だからなぁ…間違えました、で済ませれる事案じゃない。その垢塗れの汚ぇ首でも洗って待ってろよ」
その後、事の顛末を見ていたとされる第三者の通報により、北提督は大本営から派遣されてきた憲兵によってそ
の身柄を拘束され、彼の言葉に従った艦娘も同様にして大本営へと連行されていった。
最後まで『俺はハメられた』と叫び続ける北提督の言葉だけが、虚しく周囲に響き渡っていた。
63: 2015/01/28(水) 20:59:35.33 ID:Zf7w/nyxo
提督「」(…三人居たな。情報が早いっていうか、目の付け所が鋭いっていうか…下手を打てば俺の首も易々と
飛ぶって事か。面倒な連中だ…だが、これで内部への疑念は確実に広がるだろう。あの新鋭の時のような、禍々
しくどす黒い野望や欲望に塗れた連中がゴロゴロと顔を出す…良くも悪くも、どちらも今後は慎重に事を運ぶん
だろうが…さて、次はどうしたもんかねぇ)
加賀「提督」パサッ
提督「ん?あぁ、演習報告書か。バカ正直に書けってか?」
加賀「それがあなたの仕事の一端だと思うけれど」
提督「はいはい、然様にございますよっと…」カキカキ…
加賀「それと…」
提督「んだよ、まだ何かお小言かよ」
加賀「北提督の一件、何故こうも迅速に事態が露見し、早急な処罰が決まったのでしょうか。腑に落ちません」
提督「…聞きてぇか?」
加賀「自力で探れなくはありませんが、労力に伴わないのであれば時間を無駄にする事になります。その間、私
はこの鎮守府を離れての独断の捜査を敢行する事になるでしょう。仰ってる意味が提督になら解ると思うのだけ
れど…どうかしら?」
提督「ったく、小賢しい奴だ。以前の言葉遊び、根に持ってやがんな」
加賀「さぁ、どうかしら?」
提督「ちっ、わぁかったよ。海軍には公にしている査察団ってのは存在しねぇ。代わりに諜報部隊、隠密部隊、
密偵部隊って三つの三大暗部が存在する。これらは日本陸軍の与り知らないまさに影の組織だ。だが先の大叛乱
としても知られる新鋭中将の一件以来、諜報部隊は壊滅している。厳密には長が退いて自然消滅の流れだ」
加賀「今回、その暗部が動いたというのですか?」
提督「あぁ、だろうな。気配を頃し、目視できる限界の位置を見極めての監視…密偵部隊だろう」
加賀「…それだけの情報を知っているあなたは、この期に及んで一体何をしようと言うのですか…」
提督「言っただろ。バリバリ最強のNo.2を目指すんだよ」
加賀「………」
提督「他に用がないなら出てっていいぞ。他の鎮守府がどうかは知らんが、俺は秘書艦のお前に執務を手伝うよ
うに要請など出さない。が、代わりにその空いた時間を使って自分を磨け。これは命令ではない。だから言われ
たからといって別にする必要はない。しかし、しなかった場合は自然とそのツケは回ってくる。まぁ、お前が思
うよう好きにやれ」
加賀「…解りました。では、失礼します」
飛ぶって事か。面倒な連中だ…だが、これで内部への疑念は確実に広がるだろう。あの新鋭の時のような、禍々
しくどす黒い野望や欲望に塗れた連中がゴロゴロと顔を出す…良くも悪くも、どちらも今後は慎重に事を運ぶん
だろうが…さて、次はどうしたもんかねぇ)
加賀「提督」パサッ
提督「ん?あぁ、演習報告書か。バカ正直に書けってか?」
加賀「それがあなたの仕事の一端だと思うけれど」
提督「はいはい、然様にございますよっと…」カキカキ…
加賀「それと…」
提督「んだよ、まだ何かお小言かよ」
加賀「北提督の一件、何故こうも迅速に事態が露見し、早急な処罰が決まったのでしょうか。腑に落ちません」
提督「…聞きてぇか?」
加賀「自力で探れなくはありませんが、労力に伴わないのであれば時間を無駄にする事になります。その間、私
はこの鎮守府を離れての独断の捜査を敢行する事になるでしょう。仰ってる意味が提督になら解ると思うのだけ
れど…どうかしら?」
提督「ったく、小賢しい奴だ。以前の言葉遊び、根に持ってやがんな」
加賀「さぁ、どうかしら?」
提督「ちっ、わぁかったよ。海軍には公にしている査察団ってのは存在しねぇ。代わりに諜報部隊、隠密部隊、
密偵部隊って三つの三大暗部が存在する。これらは日本陸軍の与り知らないまさに影の組織だ。だが先の大叛乱
としても知られる新鋭中将の一件以来、諜報部隊は壊滅している。厳密には長が退いて自然消滅の流れだ」
加賀「今回、その暗部が動いたというのですか?」
提督「あぁ、だろうな。気配を頃し、目視できる限界の位置を見極めての監視…密偵部隊だろう」
加賀「…それだけの情報を知っているあなたは、この期に及んで一体何をしようと言うのですか…」
提督「言っただろ。バリバリ最強のNo.2を目指すんだよ」
加賀「………」
提督「他に用がないなら出てっていいぞ。他の鎮守府がどうかは知らんが、俺は秘書艦のお前に執務を手伝うよ
うに要請など出さない。が、代わりにその空いた時間を使って自分を磨け。これは命令ではない。だから言われ
たからといって別にする必要はない。しかし、しなかった場合は自然とそのツケは回ってくる。まぁ、お前が思
うよう好きにやれ」
加賀「…解りました。では、失礼します」
64: 2015/01/28(水) 21:01:50.33 ID:Zf7w/nyxo
-蠢動-
はじめは小さな違反行為だった。
資材運用に関する報告書の虚偽申告。
だがこれは運営部の見落としによって指摘されずに済んだ。
この時に彼は思った。
ああ、僕はツイている、と。
次に彼は、同期の競争相手である佐官将校の一人を邪魔だったからと言う理由で訓練を利用して事故に見せかけ
て殺害してしまう。
この時は彼も憲兵に呼ばれ度重なる事情聴取を受ける事になったが、この時も状況証拠のみで物的証拠が見つか
らないとして事故氏として処理されてしまう。
この時も彼は思った。
ああ、これはもう僕に授けられた一種の力の一端かもしれない、と。
小さな悪事から始まって彼は己の強運をもって度重なる障壁を一つ、また一つと綺麗に剥がし落としていく。
邪魔な者は蹴落として、不要な物は処分して、そうやってコツコツコツコツ、小さな悪事を積み重ねていった。
そんな折に海軍でこれから後も語り草になるであろう大事件が起こった。
ある中将提督による大規模叛乱事件。
彼はここに来て岐路に立たされた。
便乗して表に出るか、それとも裏方に徹して力を蓄えるか。
結論から言うと彼は後者を選んだ。
お陰で彼が未だに知らない情報までがどさくさに紛れて彼の元に転がり込んでくる事になった。
まだ見ぬ情報の山、まさにこれこそ宝の山。
彼は寝る間も惜しんでそれらの山に喰らいついた。
気付けば彼は、人の皮を被った怪物となっていた。
はじめは小さな違反行為だった。
資材運用に関する報告書の虚偽申告。
だがこれは運営部の見落としによって指摘されずに済んだ。
この時に彼は思った。
ああ、僕はツイている、と。
次に彼は、同期の競争相手である佐官将校の一人を邪魔だったからと言う理由で訓練を利用して事故に見せかけ
て殺害してしまう。
この時は彼も憲兵に呼ばれ度重なる事情聴取を受ける事になったが、この時も状況証拠のみで物的証拠が見つか
らないとして事故氏として処理されてしまう。
この時も彼は思った。
ああ、これはもう僕に授けられた一種の力の一端かもしれない、と。
小さな悪事から始まって彼は己の強運をもって度重なる障壁を一つ、また一つと綺麗に剥がし落としていく。
邪魔な者は蹴落として、不要な物は処分して、そうやってコツコツコツコツ、小さな悪事を積み重ねていった。
そんな折に海軍でこれから後も語り草になるであろう大事件が起こった。
ある中将提督による大規模叛乱事件。
彼はここに来て岐路に立たされた。
便乗して表に出るか、それとも裏方に徹して力を蓄えるか。
結論から言うと彼は後者を選んだ。
お陰で彼が未だに知らない情報までがどさくさに紛れて彼の元に転がり込んでくる事になった。
まだ見ぬ情報の山、まさにこれこそ宝の山。
彼は寝る間も惜しんでそれらの山に喰らいついた。
気付けば彼は、人の皮を被った怪物となっていた。
65: 2015/01/28(水) 21:11:20.66 ID:Zf7w/nyxo
??「ねぇ、一枚岩を崩すには、どこから着手するのが利巧だったかな?」
??「それをボクに聞くの?」
??「野暮だったかな?」
??「野暮だね。だって、ボクは回りくどい事しないから」
??「そうだったね。君は……」
??「一つ…」
??「ん?」
??「気になった事がある。お前は内部から穴を空けて、中身をスッカスカにしてから内側に向けて切り崩すっ
て言ってた。事実、海軍はジワジワと内部から腐食が進行している。お前が撒いた種が着実に成長している」
??「それで?」
??「…その種を踏み潰した奴がいる」
??「……根拠は?」
??「気付いてるクセに…」ニヤッ…
??「まだね…まだなんだよ。まだ、手強い鎮守府は沢山在る。それらを衰退させていかない事には、磐石には
程遠いんだよ。磐石って言うのは堅固でしっかりしていてびくともしない事を言う。現状はまだ、揺らぐんだ」
??「不動、鋼鉄、進撃、新月、中でも新月と呼ばれる艦隊は…あれは怖い。噂が本当かは解らないけど…」
??「元は深海棲艦だって奴かい?確かに、その全てが謎に包まれている艦隊だからね。僕でも情報を手に入れ
る事ができてない、唯一の艦隊だ」
??「不動、鋼鉄、進撃についてはいくつか情報が上がっているね?」
??「中でも要注意は進撃の艦隊。ここの提督、本当に厄介だよ。大本営で何度か見かけた事があるけど、あれ
の腹を探るのはいくらかリスクが伴いそうだ。率いている艦娘も最優と呼ぶに相応しい面々…」
??「ボク、あの艦隊嫌いだ」
??「君が感情で物事を判断するのは珍しいね。どれも頓着無くイケる口だと思っていたのに…」
??「ボクに宿っている古の記憶がね、言ってるんだ…次に出会うその時こそ、今度こそ完全な地獄の底へ落と
してやろうって…だからかな。嫌いだけど、嬉しい」
??「ふふっ、僕はそんな君が愛しく思う。やはり、君は最高だ」
??「褒めてもボクから愛は生まれないよ」
??「だからこそ愛しい。そうだろう?」
??「そういう所、嫌いだ」
??「ふふっ、褒め言葉だね」
??「それをボクに聞くの?」
??「野暮だったかな?」
??「野暮だね。だって、ボクは回りくどい事しないから」
??「そうだったね。君は……」
??「一つ…」
??「ん?」
??「気になった事がある。お前は内部から穴を空けて、中身をスッカスカにしてから内側に向けて切り崩すっ
て言ってた。事実、海軍はジワジワと内部から腐食が進行している。お前が撒いた種が着実に成長している」
??「それで?」
??「…その種を踏み潰した奴がいる」
??「……根拠は?」
??「気付いてるクセに…」ニヤッ…
??「まだね…まだなんだよ。まだ、手強い鎮守府は沢山在る。それらを衰退させていかない事には、磐石には
程遠いんだよ。磐石って言うのは堅固でしっかりしていてびくともしない事を言う。現状はまだ、揺らぐんだ」
??「不動、鋼鉄、進撃、新月、中でも新月と呼ばれる艦隊は…あれは怖い。噂が本当かは解らないけど…」
??「元は深海棲艦だって奴かい?確かに、その全てが謎に包まれている艦隊だからね。僕でも情報を手に入れ
る事ができてない、唯一の艦隊だ」
??「不動、鋼鉄、進撃についてはいくつか情報が上がっているね?」
??「中でも要注意は進撃の艦隊。ここの提督、本当に厄介だよ。大本営で何度か見かけた事があるけど、あれ
の腹を探るのはいくらかリスクが伴いそうだ。率いている艦娘も最優と呼ぶに相応しい面々…」
??「ボク、あの艦隊嫌いだ」
??「君が感情で物事を判断するのは珍しいね。どれも頓着無くイケる口だと思っていたのに…」
??「ボクに宿っている古の記憶がね、言ってるんだ…次に出会うその時こそ、今度こそ完全な地獄の底へ落と
してやろうって…だからかな。嫌いだけど、嬉しい」
??「ふふっ、僕はそんな君が愛しく思う。やはり、君は最高だ」
??「褒めてもボクから愛は生まれないよ」
??「だからこそ愛しい。そうだろう?」
??「そういう所、嫌いだ」
??「ふふっ、褒め言葉だね」
66: 2015/01/28(水) 21:11:52.86 ID:Zf7w/nyxo
闇は常にそこにある。
深く底がない、水底のような更に深い所にひっそりと潜む。
水面に顔は殆ど覗かせない。
闇は光が天敵だから。
それでも水面に上がるのは、闇と言うのはどこまでも底なしだから。
貪欲で、際限が無く、理性も働かない。
だから何処までも深く根を下ろし、気付いた頃には引き返せないほどびっしりと辺り一面に根を張っている。
何故気付けないのか。
何故引き返せないのか。
闇は暗がりで活動する。
木の葉を隠すには森の中。
闇は影に同化する。
だから気付けない。
だから気付いた頃には引き返せない。
何故かって…その頃には既に一面に根を張っているから。
影に潜んで静かにゆっくりと蠢動する。
モゾモゾと影の輪郭に沿ってはみ出さない様に、ジワジワと影と同化する。
そして影と一体化した時、闇は本性を現す。
深く底がない、水底のような更に深い所にひっそりと潜む。
水面に顔は殆ど覗かせない。
闇は光が天敵だから。
それでも水面に上がるのは、闇と言うのはどこまでも底なしだから。
貪欲で、際限が無く、理性も働かない。
だから何処までも深く根を下ろし、気付いた頃には引き返せないほどびっしりと辺り一面に根を張っている。
何故気付けないのか。
何故引き返せないのか。
闇は暗がりで活動する。
木の葉を隠すには森の中。
闇は影に同化する。
だから気付けない。
だから気付いた頃には引き返せない。
何故かって…その頃には既に一面に根を張っているから。
影に潜んで静かにゆっくりと蠢動する。
モゾモゾと影の輪郭に沿ってはみ出さない様に、ジワジワと影と同化する。
そして影と一体化した時、闇は本性を現す。
67: 2015/01/28(水) 21:12:23.45 ID:Zf7w/nyxo
~ロスト・シップ~
-吠え面-
今、提督は逃げている。
元はと言えば身から出た錆なのだが、ここぞとばかりに追跡者は容赦無く襲い掛かる。
提督はその包囲網を掻い潜り、今現在は使用されていない空き倉庫に身を潜めていた。
提督「くっそ…あいつ等、ここぞとばかりに…」
一人悪態をついているとスピーカー放送がオンになり、鎮守府内に艦娘の声が響き渡る。
加賀『提督、あなたともあろう方がこの期に及んで敵前逃亡とは、示しが付きません』
鳥海『ご自分で仰った事なんですから、そこは呑んで頂かないと困りますね』
長良『司令かーん、こっちから探しに行っちゃうぞー?』
漣『っていうか既に満潮ちゃんが出動しちゃってるので、ご主人様乙でーす♪』
提督「あんの野郎共ぉ…っ!」
ガチャ…
提督「……っ!」
満潮「バレバレだし。入っていくところ見えてたし。ばっかねぇ…」
提督「よ、よし、解った。落ち着け。まずは落ち着こう。ここは運命共同体としてそれぞれの意見を平等に交換
し合い、互いにそれぞれ益をもたらす選択を築こう」
満潮「うっさい!散々偉そうな事言って、恫喝紛いの真似までしてた奴が何言っちゃってんのよ。さっさと…」ガシッ
提督「うおっ」
満潮「こっちにきなさいよ!」
ズルズルズルズル……
漣「あはははっ!ご主人様、小さい子に襟首掴まれて引き摺られるってどんな気分ですか?」
提督「喧しいわ!さっさとはな……」
ポイッ
提督「せっとぉ!」ズザザザザッ
長良「うわぁ…顔面からいったよ…」
鳥海「あらあら…」
満潮「ふんっ!」パンパン
加賀「さぁ提督、満潮が待ち望んでますのでさっさと終わらせてしまいましょう」
提督「ぐっ…お、お前等はなんなんだ!」
漣「ただのけんがーく♪」
68: 2015/01/28(水) 21:12:51.64 ID:Zf7w/nyxo
提督「するな!失せろ!」
満潮「私が呼んだのよ。一人じゃ何されるか解ったもんじゃないもの。ね、変態さん?」
提督「語弊を招く表現をするな!」
満潮「さっ、早い所あんたの吠え面ってのを拝ませてもらおうかしら?」
提督「にゃにおぉ~…!」
鳥海「前回の演習戦、満潮さんの撃墜数は前十二隻中五隻、次点は加賀さんの四隻です。残り三隻を私達で仲良
く等分して一隻ずつ、合計で十二隻、勝利ランクで言えば文句なしのSクラスです」
満潮「ふふん、なんだっけ、え~っと……明日の演習で一人で三人分仕留める事が出来たらお前に俺の吠え面を
公開してやろう!だったっけ?」ニヤッ…
提督「似てねぇよ!」
満潮「似たくないわよ!」
提督「じゃあ真似してんじゃねぇ!」
満潮「喧しいわ吠え面司令官!さっさと吠え面見せなさいよ!」
提督「ぐぬぬぬ…!」
鳥海「映像には残しませんので思う存分にどうぞ」
加賀「約束は果たして然るべきです」
漣「ワクテカ!」
長良「さぁ、司令官、どうぞ!」
提督「これは罠だぁ!」
満潮「んなわけあるかぁ!」ブンッ
バキィッ
提督「ぐはっ」
満潮「あっ、思わずノリで殴っちゃった…」
長良「あ、鮮やか…あははは…」ニガワライ
提督「い、いてぇ…クソガキと侮っていた…だ、だが…今の一撃で帳消しにしてやろう」
満潮「へ?」
満潮「私が呼んだのよ。一人じゃ何されるか解ったもんじゃないもの。ね、変態さん?」
提督「語弊を招く表現をするな!」
満潮「さっ、早い所あんたの吠え面ってのを拝ませてもらおうかしら?」
提督「にゃにおぉ~…!」
鳥海「前回の演習戦、満潮さんの撃墜数は前十二隻中五隻、次点は加賀さんの四隻です。残り三隻を私達で仲良
く等分して一隻ずつ、合計で十二隻、勝利ランクで言えば文句なしのSクラスです」
満潮「ふふん、なんだっけ、え~っと……明日の演習で一人で三人分仕留める事が出来たらお前に俺の吠え面を
公開してやろう!だったっけ?」ニヤッ…
提督「似てねぇよ!」
満潮「似たくないわよ!」
提督「じゃあ真似してんじゃねぇ!」
満潮「喧しいわ吠え面司令官!さっさと吠え面見せなさいよ!」
提督「ぐぬぬぬ…!」
鳥海「映像には残しませんので思う存分にどうぞ」
加賀「約束は果たして然るべきです」
漣「ワクテカ!」
長良「さぁ、司令官、どうぞ!」
提督「これは罠だぁ!」
満潮「んなわけあるかぁ!」ブンッ
バキィッ
提督「ぐはっ」
満潮「あっ、思わずノリで殴っちゃった…」
長良「あ、鮮やか…あははは…」ニガワライ
提督「い、いてぇ…クソガキと侮っていた…だ、だが…今の一撃で帳消しにしてやろう」
満潮「へ?」
69: 2015/01/28(水) 21:13:33.86 ID:Zf7w/nyxo
提督「ふふふ…いや何、艦娘が上官に対し暴力を振るうのも、上官が艦娘に対して暴力を働く行為も、共に処罰
対象となる訳だが…俺はひっっっじょうに心が広い。だからこの件はこれ以上追求しない。これで終わり!不問!
後腐れ無し!以上!反論は……」
漣「異議有り!」
提督「はぁ!?」
漣「本件と吠え面には確固たる関連性がありません!被告は本件を前面に押し出し、不当に吠え面の件をないも
のにしようと画策している節が見受けられます!」
提督「なんで裁判風なんだよ!」バンバン
鳥海「クスクス……」プルプル
長良「あはははははっ!」
加賀「……」プルプル
満潮「…加賀、あんた今ちょっと笑ったでしょ」
加賀「…何の事ですか」マガオ
満潮「絶対笑ってたでしょ…」
加賀「気のせいでは?」
漣「って事でご主人様♪さっさと吠え面かまして下さいませ♪」
提督「そうまでして俺の吠え面を拝みたいか」
満潮「っていうかあんたが条件含めて言ったんでしょうが!」
提督「…記憶にございません」ボソッ
満潮「…は?」
提督「記憶にございませんっ!」クワッ
満潮「んなぁっ!?」
提督「記憶にございません!!」ダンダン
散々悪態をついて駄々を捏ねて逃げ回って白を切り通したものの、結局最後は再び満潮に殴り飛ばされ、彼は断
腸の思いで彼女達に変顔、もとい吠え面を披露する羽目になった。
対象となる訳だが…俺はひっっっじょうに心が広い。だからこの件はこれ以上追求しない。これで終わり!不問!
後腐れ無し!以上!反論は……」
漣「異議有り!」
提督「はぁ!?」
漣「本件と吠え面には確固たる関連性がありません!被告は本件を前面に押し出し、不当に吠え面の件をないも
のにしようと画策している節が見受けられます!」
提督「なんで裁判風なんだよ!」バンバン
鳥海「クスクス……」プルプル
長良「あはははははっ!」
加賀「……」プルプル
満潮「…加賀、あんた今ちょっと笑ったでしょ」
加賀「…何の事ですか」マガオ
満潮「絶対笑ってたでしょ…」
加賀「気のせいでは?」
漣「って事でご主人様♪さっさと吠え面かまして下さいませ♪」
提督「そうまでして俺の吠え面を拝みたいか」
満潮「っていうかあんたが条件含めて言ったんでしょうが!」
提督「…記憶にございません」ボソッ
満潮「…は?」
提督「記憶にございませんっ!」クワッ
満潮「んなぁっ!?」
提督「記憶にございません!!」ダンダン
散々悪態をついて駄々を捏ねて逃げ回って白を切り通したものの、結局最後は再び満潮に殴り飛ばされ、彼は断
腸の思いで彼女達に変顔、もとい吠え面を披露する羽目になった。
70: 2015/01/28(水) 21:14:02.04 ID:Zf7w/nyxo
今回はここまで
71: 2015/01/28(水) 21:15:25.78 ID:Y2SuwXwwo
乙 実際ほえ面ってどんな感じなんだろ
次回:【艦これ】提督「バリバリ最強No.2」part2
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