1: 2020/07/28(火) 22:10:11.446 ID:VZ53Tx24p.net
書き溜めあり
途中まで再掲

3: 2020/07/28(火) 22:11:53.697 ID:IBCYbJCd0.net
あたまでっかち

僧侶「旅の仲間には僧侶、私もそう思います」

僧侶「勇者様は回復呪文も使えますが、攻撃に専念してもらったほうがパーティーのためですからね」ペラペラ

僧侶「そう考えると、回復役である僧侶をパーティーに必ず一人は入れるのが当然だと思います」ペラペラ

僧侶「それに私のほうが勇者様よりMPもかしこさも上回りますし、先々では戦闘中の確実な蘇生も必要になってきますからなおさら――」ペラペラ

勇者「…で、君レベルいくつなの?」

僧侶「1ですけど」

勇者「えぇ…」

4: 2020/07/28(火) 22:14:06.908 ID:IBCYbJCd0.net
あまえんぼう

僧侶「勇者様~!」ダキッ

勇者「うわ、ちょ」

僧侶「えへへ…勇者様の背中あったかい…」

勇者「だからって急に抱きつかないでくれよ」

僧侶「ちょっとくらいいいじゃないですかぁ~、私だって頑張ってるんですから」

勇者「ま、まぁ助かってるのは事実だけど」

僧侶「ね?それなら撫でてくれてもいいんですよ」

勇者「仕方ないなぁ」ナデナデ

僧侶「へへ……//」

5: 2020/07/28(火) 22:17:35 ID:IBCYbJCd0.net
いくじなし

勇者「くそっ…この程度のモンスターにやられるとは」

僧侶「ゆ、勇者様!」

勇者「すまない僧侶、あとは頼んだ……」 ガクッ

僧侶「そ、そんな……」

魔物「……」ジリジリ

僧侶「わ…私がやらなきゃ……」

魔物「グオオオ!」

僧侶「ひぃっ!?や、やっぱり無理です!神様ぁ~~!!」ダッ

6: 2020/07/28(火) 22:20:08.932 ID:IBCYbJCd0.net
いっぴきおおかみ

僧侶「……」

勇者「なあ僧侶さん、仲間なんだからもう少しこう会話というかコミュニケーションというか…」

僧侶「ほっといて下さい」

勇者「いや、でもほら。こうして一緒に旅もしてるわけじゃん?」

僧侶「魔王を倒すためですから。生きていくだけなら私は一人で生きていけます」

勇者「そ、そっか……まあ無理に仲良くしようとは言わないよ…はは…」

僧侶「……」

7: 2020/07/28(火) 22:23:09.924 ID:IBCYbJCd0.net
いのちしらず

勇者「お、おい僧侶!そんなに前に出たら――」

僧侶「きゃああ!?」

勇者「言ってるそばから…!大丈夫か!?」

僧侶「っ…はい、これくらいなんともないです」ヨロッ

僧侶「それにこのモンスターの攻撃は半端な威力じゃないです。たとえ勇者様でもまともに食らったら……ここはもう、アレしかないですね」

勇者「アレ……?い、いや待て!僧侶が氏んだら誰が回復と蘇生を……」

僧侶「それでも誰か一人の犠牲で済むならマシです!メガンテ――!」カッ

8: 2020/07/28(火) 22:26:15.850 ID:IBCYbJCd0.net
うっかりもの

勇者「いよいよ魔王の城か……」

僧侶「ついにここまで来ましたね、勇者様」

勇者「泣いても笑っても今日で決着を付けよう。僧侶、準備はできて――」

僧侶「ああ~~~~~~!!!!!」

勇者「えっ!?なんだどうした!?」ビクッ

僧侶「ひかりのたま、宿屋に置いてきちゃいました・・・・・・・」

勇者「・・・」

10: 2020/07/28(火) 22:29:17 ID:IBCYbJCd0.net
おおぐらい

僧侶「勇者様!この町には有名なデザートのお店があるそうですよ」

勇者「へえ、そうなのか」

僧侶「それと海の幸が豊富で、なんでも海鮮レストランには行列が絶えないほどの人で賑わっているとか」

勇者「ふーん」

僧侶「あとお酒は白ワインが名産で、夕食後のひとときにぴったりなバーも探しておきましたからね……じゅるり……」

勇者「え、待ってそれ一日で全部行くの?」

僧侶「じゅるり……」

11: 2020/07/28(火) 22:32:39 ID:IBCYbJCd0.net
おせっかい

勇者「さてと…じゃあ用も済んだし出発するか」

僧侶「勇者様、私はもう少し薬草を買い足したほうがいいと思いますよ」

勇者「そうか?十分だと思うけどな」

僧侶「だって勇者様いつもすぐ使っちゃうじゃないですか!私の魔力を温存したいから~とか言って!」

勇者「それはまあ…そうだけど…」

僧侶「あと道中でも、いちいち雑魚モンスターの相手をしてるから消耗が大きくなりがちなんですよ」

僧侶「いいですか?確かに逃げるのは勇者様らしくないかもしれないですけど、戦力のバランスを考えて……」

勇者「お母さんかな?」

14: 2020/07/28(火) 22:35:09.429 ID:IBCYbJCd0.net
おちょうしもの

僧侶「ベホイミ!」パァァ

勇者「いやー、助かったよ。完璧なタイミングの回復だった」

僧侶「そりゃそうですよ!私は回復のプロですからね!えっへん」

勇者「ま、まぁ…それもそうだよな」

僧侶「だから勇者様も、回復は私に任せてガンガン前に進んで下さいね!世界を救うプロなんですから!」背中ポンッ

勇者「わっ!…とと、まったく調子のいいヤツだな…」

15: 2020/07/28(火) 22:38:29.409 ID:IBCYbJCd0.net
おっちょこちょい

勇者「おい僧侶、そっちには落とし穴があるから慎重に足元を見て」

僧侶「へっ?」ズサッ

勇者「ああっ…!もう、俺の手に掴まれ!」

僧侶「きゃあ!?ごめんなさい、勇者様…」ガシッ

勇者「いま引き上げるから離すんじゃないぞ」

僧侶「は、はい…!わかりました」

僧侶(でも武器を持ってる方の手だから掴まりづらい……あ、そうだ武器を持ち替えれば)パッ

16: 2020/07/28(火) 22:41:11.098 ID:IBCYbJCd0.net
がんこもの

勇者「なあ、頼むよ…」

僧侶「だめです」

勇者「そこをなんとかさ」

僧侶「だめと言ったらだめです」

勇者「俺だってもう我慢できないんだよ!」

僧侶「だーめーでーすー!」

勇者「いいじゃんちょっとくらいさぁ!僧侶だって悪い気はしないだろう!?なあ!?」

僧侶「何の話をしてるんですか!今の装備でも十分戦えてるんですから節約しなきゃだめです!新しい武器は我慢して下さい!」

勇者「ちぇ……」

18: 2020/07/28(火) 22:44:16.671 ID:IBCYbJCd0.net
がんばりや

僧侶「勇者様、やりましたね!今の戦いでレベルが上がったみたいです」

勇者「なかなか手強いモンスターだったなぁ…思ったよりダメージを受けてしまった」

僧侶「ちょうど新しい回復呪文も覚えたんです!試してみますね」パァァ

勇者「おおっ、すごい…!傷がみるみる……」

僧侶「これからの戦いはますます厳しくなるかもしれません。私ももっともっと頑張らないと」

勇者「そうやって僧侶がいつも頑張ってくれてるから俺も安心して戦えるよ」

僧侶「いえいえ、勇者様のお役に立てるなら私も嬉しいです」ニコッ

19: 2020/07/28(火) 22:47:09.574 ID:IBCYbJCd0.net
きれもの

勇者「この洞窟の仕掛け、どうなってるんだ…何回やっても先に進めない」

僧侶「勇者様、私に考えがあります」

勇者「ほう?」

僧侶「逆転の発想で、一度前のフロアに戻ってみるというのはどうですか?何か新しい発見が残っているかもしれません」

勇者「うーん、でも前のフロアはもう調べ尽くしたと思うんだけどなぁ…」

僧侶「急がば回れ、とも言いますから。いったん引き返しましょう、勇者様」

勇者「まあ、僧侶がそう言うなら…」

僧侶(こうしている間にも勇者様との冒険の時間を長く過ごせる……ふふふ、私って策士……!)

20: 2020/07/28(火) 22:50:14.347 ID:IBCYbJCd0.net
くろうにん

僧侶「勇者様から買い物を任されました」

道具屋「お嬢ちゃん、一人で買い物かい?偉いねえ~これとこれも持って行きなよ。サービスだ」

僧侶「あ、ありがとうございます…(重い)」ドッサリ

子供「びえええんママ~~~!!」

僧侶「ボク、迷子…?お母さん一緒に探そっか」

井戸端おばさん「それでうちの旦那ったらさあ!」

僧侶「あはは…大変ですね……」

犬「キャン!キャン!」フリフリ

僧侶「あ~よしよしよし……」ナデナデ

勇者「僧侶遅いな…もう日が暮れるのにまだ戻ってこないぞ…」

21: 2020/07/28(火) 22:53:22.853 ID:IBCYbJCd0.net
ごうけつ

僧侶「私、気付いたんです」

勇者「うん」

僧侶「僧侶だから回復ができればいいやって、心のどこかで甘えていたと思うんです」

勇者「うん」

僧侶「でもそれじゃだめだなって思いました。攻撃が苦手なのも言い訳に過ぎないと思うんです」

勇者「うん…?」

僧侶「なので実は勇者様に内緒でちからをカンストさせておきました。ぶるぅぁあああ!!!!」

僧侶の攻撃!会心の一撃!
魔物に728のダメージ!

勇者「」

22: 2020/07/28(火) 22:56:10.786 ID:IBCYbJCd0.net
さびしがりや

勇者「今日はこのあたりで野宿にしよう」

勇者「見張りは俺がする。コテージを張ったから、僧侶はその中で休んでくれ」

僧侶「…はい、おやすみなさい」

~数時間後~

勇者「ふぁぁ…さすがに眠くなってきたな……」

僧侶「…勇者様」

勇者「ん…?僧侶、まだ起きてたのか」

僧侶「……勇者様がいないと寂しいです」

僧侶「隣で寝てもいいですか」

勇者「…俺の肩なんて寝心地悪いと思うけどなぁ」

23: 2020/07/28(火) 22:59:07.161 ID:IBCYbJCd0.net
しあわせもの

僧侶「私、勇者様と一緒に旅ができて幸せ者だなあって思うんです」

勇者「ええっ、なんでまた藪から棒に」

僧侶「よく考えてみて下さい、僧侶は私以外にもたくさんいますけど勇者様の仲間として旅を共にする僧侶は私しかいないんですよ?」

勇者「それはまぁ」

僧侶「勇者様は強いので一緒にいれば守ってもらえて、やがて魔王を倒した暁には私も英雄としてチヤホヤされて……」

僧侶「そして旅が終わったらなんやかんやで私は勇者様と……キャ~~~~~!!!///」

勇者「まあ幸せならOKです」

24: 2020/07/28(火) 23:02:13.387 ID:IBCYbJCd0.net
しょうじきもの

勇者「僧侶って本当に正直者だよね」

僧侶「もちろんです。私は神に仕える身ですから、嘘を付くなんて許されません」

勇者「ふーん、じゃあ何色のパンツはいてるの?」

僧侶「……」

勇者「……」

僧侶「正直に言ったほうがいいですか?私は今とっても怒っています」

勇者「ごめんなさい」

25: 2020/07/28(火) 23:05:07.099 ID:IBCYbJCd0.net
ずのうめいせき

勇者「図書館で本を集めに来たはいいけど…古代文字だらけでさっぱり読めない」

僧侶「勇者様、役に立ちそうな本は見つかりましたか?」

勇者「え?ああ…読めないから適当にそれっぽい表紙のやつ持ってきたんだけど」

僧侶「ちょっと見せて下さいね。えっと…これは歴史の本、こっちは魔術の本ですね」

僧侶「冒険に役立つ知識が得られるかもしれません。借りていきましょう」

勇者「へーすごいな、僧侶は古代文字が読めるのか」

僧侶「勉強なら得意でしたから。勇者様は習わなかったんですか?」

勇者「い、いや~どうだったかな…ははは…」

26: 2020/07/28(火) 23:10:38.266 ID:IBCYbJCd0.net
すばしっこい

勇者「――という作戦で行こう」

僧侶「えぇ~またですかぁ…?」

勇者「僧侶にしかできない戦い方なんだ、ほら早速モンスターが!」

僧侶「わ、わかりました!ええいっ」ダッ

魔物「小娘が血迷ったか?丸腰で突っ込んでくるとは…いいだろう、真っ先に始末してやるわ」

僧侶「ほっ、よっ、ひらり」タタタタ

魔物「チッ、ちょこまかとこざかしい奴め!いつまでも逃げ回っていられると思うな!」クルッ

勇者「背中を向けた今がチャンス!くらえ!!」ズバッ

魔物「ぐわあああああ」

勇者「でかしたぞ、僧侶!」

僧侶「ひぃん…毎回逃げてるだけで戦ってないんですけど…」

27: 2020/07/28(火) 23:12:13.742 ID:IBCYbJCd0.net
せけんしらず

勇者「今日から仲間として一緒に冒険をする勇者だ、よろしくな」

僧侶「よろしくお願いします」

勇者「よし、そうと決まれば早速旅の支度を――」

僧侶「ところで冒険ってどこまで行くんですか?私、この町から出たことがないんですけど」

勇者「…へ?」

僧侶「外には魔物も出ると噂に聞きますし、あまり帰りが遅くなると困るんですけど…」

勇者「い、いやだからその魔物を倒しながら」

僧侶「えっ!?魔物って実在するんですか!?しかもそれを倒しに行くって…氏ぬつもりなんですか!?」

勇者(この先大丈夫かな……)

28: 2020/07/28(火) 23:14:15.801 ID:IBCYbJCd0.net
タフガイ

勇者「僧侶の修行って、どんなことをするんだ?」

僧侶「そうですね…たとえば滝に打たれたり」

勇者「うん」

僧侶「何時間も正座をしたり」

勇者「ふむ」

僧侶「とにかく忍耐と精神的なタフさを求められますね」

勇者「なるほどなぁ…その中でも特につらかったのとかはある?」

僧侶「一番つらかったのは、お局僧侶様の修行ですね。何を言われても笑顔で相手への慈悲を忘れない――それが僧侶に必要な資質なのです」

勇者「いやそれはただブラックなだけだよ」

29: 2020/07/28(火) 23:16:12.161 ID:IBCYbJCd0.net
ちからじまん

僧侶「ふんっ!」ボコッ

魔物「ピギィ」

勇者「僧侶ってそんな細い腕なのに結構力もあるよね」

僧侶「へへ、こう見えても腕力には自信があるんですよ」

勇者「やっぱり鍛えたりしてるのか?」

僧侶「そうですね、教会にいたときは毎日のように水汲みの仕事をしたり…」

僧侶「まあでも一番は、まだ蘇生呪文が使えない頃に教会まで棺桶を引きずっていたのが原因ですかね……」

勇者「あー……」

30: 2020/07/28(火) 23:18:07.168 ID:IBCYbJCd0.net
てつじん

勇者@砂漠の国「あ~あっつ…」ダラダラ

僧侶「……」

勇者@雪の国「へ、へっくし!さ、寒い…」ブルブル

僧侶「……」

勇者「…僧侶っていつでも平気な顔して歩いてるけど、暑さ寒さに強いのか?」

僧侶「心頭滅却すれば火もまた涼し、というやつですよ。勇者様」

勇者「えぇそういうもん…?じゃあ風邪とかも引かないの?」

僧侶「はい。ちなみに学校は10年間無遅刻無欠席無早退で、通信簿には鉄人と書かれていました」

勇者「へ、へえー…」

32: 2020/07/28(火) 23:20:12.131 ID:IBCYbJCd0.net
でんこうせっか

勇者「は、腹が減った…でも金がない」

僧侶「装備の強化にお金を使ってしまいましたからね…なるべく食費は節約しないと」

勇者「ああ、このオークコロッケ美味そう…でも高くて買えない…」

僧侶「勇者様。ここは私に任せて下さい」

勇者「値引き交渉でもするのか?ってなんだ、急に人が集まってきたな――」

ザワザワ ザワザワ

「カンカンカン!今からタイムセールで惣菜全品半額!おひとり様3個まででお願いします!」

僧侶「はい!はい!!はい!!!」シュバッ

34: 2020/07/28(火) 23:22:16.888 ID:IBCYbJCd0.net
なきむし

僧侶「勇者様ぁ~…怖かったですよぅ」

勇者「はいはい。わかったから泣かない」

僧侶「うぅ……ぐすっ」

勇者「僧侶は泣き虫だなあ…俺は笑ってる顔のほうが好きなんだけどなあ」

僧侶「……っ」ぽろぽろ

勇者「あ、あれ?泣き止むかと思ったけど逆に気持ち悪すぎましたかね、はは…」

僧侶「…いいえ、これは好きって言われた嬉し涙です」

35: 2020/07/28(火) 23:24:14.896 ID:IBCYbJCd0.net
なまけもの

勇者「僧侶、悪いけど手当てをお願いできないか?大した傷じゃないんだけど」

僧侶「ちょっと呪文は面倒なので、そのくらいだったら薬草でもいいですかね…」

勇者「え…う、うんまぁいいけど」

僧侶「あ、でも薬草は勇者様の道具袋の中ですよね?ちょっと手が届かないと言いますか…」

勇者「…腕に傷があるからなるべく動かしたくなくて。袋から出してもらえれば自分でやるからさ」

僧侶「えぇ~…」

勇者「この性格はひどい」

36: 2020/07/28(火) 23:26:04.220 ID:IBCYbJCd0.net
ぬけめがない

勇者「この町の名物といったらなんといっても夜のぱふぱふ…」

勇者「そろそろ僧侶も寝てる時間だろう……よしっ!」

僧侶「勇者様、こんな夜更けに外出ですか?」

勇者「イ゛ェア!?!?」ビクッ

勇者「い、いやちょっとトイレに……」

僧侶「お手洗いなら部屋にもありますよね?わざわざ1階までおりてきたんですか?」

勇者「うぐっ…」

僧侶「勇者様の考えそうなことは大体わかります。そして外出するには部屋の鍵を受付に預ける必要があります」

僧侶「受付をしたのは私です。つまり勇者様の部屋の鍵も私が持っています」

勇者「…参りました」

37: 2020/07/28(火) 23:28:15.124 ID:IBCYbJCd0.net
ねっけつかん

勇者「はぁ…本当に俺なんかが魔王を倒して世界を救えるのだろうか…」

僧侶「どうしてそこで諦めるんですかそこで!!」

僧侶「応援してくれる人たちのこと、英雄になるって言ったことを思い出して下さい」

僧侶「確かに冒険は辛いかもしれません…どうして旅をしなきゃいけないんだろうって思う日もあるかもしれません」

僧侶「でも…私についてきて下さい!ネバーギブアップ!!」

僧侶「もっと!!熱くなれよおおおおおおお!!!!!!」

39: 2020/07/28(火) 23:30:17.468 ID:IBCYbJCd0.net
のんきもの

僧侶「勇者様、もう出発するんですか?もうちょっとゆっくりしていきましょうよ」

勇者「だめだ!俺たちがこうしている間にも魔王軍の侵攻は続いている…!」

僧侶「街並みも綺麗ですし、景色が良く見える場所もたくさんあるみたいですよ?」

勇者「あの、俺の話聞いてた?そんなのんきなことを言ってる暇なんて――」

僧侶「確かに、奪われた幸せを取り戻すのも私たちの使命かもしれないですけど~」

僧侶「私にとっては、勇者様とこうして過ごす時間もまた幸せなんですよ」にへ~

勇者「…旅立ちは、明日の朝にする」

僧侶「やったぁ~!」

40: 2020/07/28(火) 23:32:24.616 ID:IBCYbJCd0.net
ひっこみじあん

勇者「今の盾も大分使い古してきたな…いっそここで買い換えるべきか…?」

僧侶「……」

勇者「いや、でも次の町に進んだほうがもっと強力な盾を買えるかもしれないな…」

勇者「資金に余裕があるわけでもないしなあ…うーむ」

僧侶「…ぁ、あの……」

勇者「ん?」

僧侶「実は私、前の洞窟で、あの…盾を拾ったんですけど、装備できないから…ずっと持ってて…その」

勇者「な、なんだって!?」ガシッ

僧侶「ひぃっ!?勇者様、今の盾を大事に使ってるみたいでしたので、その…要らなかったら荷物が増えるだけかなと思って……」

勇者「いやいやめっちゃ要る!!めっちゃ良いやつだからこれ!!そういうことは早く言ってね!?お願いだから!ね!?」

僧侶「ふぇぇ……」

41: 2020/07/28(火) 23:34:20.255 ID:IBCYbJCd0.net
ひねくれもの

勇者「お、相性占いだって。面白そうだからやってみようぜ」

僧侶「ふん…下らないですね。私は占いなんて興味ありません」

勇者「まあまあそう言わずにさ。えっと・・・俺と気になるあの人とのパートナー度は94%だって!相性抜群じゃないか!」

僧侶「…良かったですね。早くそのパートナーの方と出会えるといいですね」

勇者「なんだよ~つれないなあ、俺のパートナーは僧侶しかいないってのに」

僧侶「私は勇者様をパートナーだとは一度も思ってませんけど」

勇者「素直じゃないところが残りの6%ってことかな?ははっ」

僧侶「……100%じゃないなら、占いなんて信じませんから」

42: 2020/07/28(火) 23:36:14.324 ID:IBCYbJCd0.net
ふつう

勇者「僧侶、普通ってなんだと思う?」

僧侶「普通、ですか?うーん…改めて言われると難しいですね」

僧侶「まあしいて言うなら、特徴がない、とかですかね?」

勇者「特徴がない、か…それじゃダメなんだよ」

僧侶「何がですか?」

勇者「それじゃ性格として成り立たないんだよ!」

僧侶「そうですかね?私は普通なのも安心できる感じがして好きですよ」

勇者「じゃあ俺のこと好き?」

僧侶「うーん、普通?」

勇者「やっぱりダメじゃないかーい!!」

43: 2020/07/28(火) 23:38:04.833 ID:IBCYbJCd0.net
へこたれない

僧侶「ふんぬぬぬぬ……ぐぎぎぎぎ……」

僧侶「はぁ…はぁ…開かない……」

勇者「なあ僧侶、宝物庫の扉なんだから開けるにはやっぱり鍵が必要なんじゃ」

僧侶「いいえ勇者様、この程度でへこたれる私ではありません」

勇者「お、おう」

僧侶「どんな困難にも立ち向かうことで必ず開かれる道がある…。この扉も、それと同じはずです」

勇者「いや絶対鍵が必要なだけでしょ」

僧侶「んぎぎぎぎ……!」

勇者(それで開くならもう僧侶じゃなくて盗賊なんだよな)

44: 2020/07/28(火) 23:40:07 ID:IBCYbJCd0.net
まけずぎらい

勇者「姫、ただいま戻りました」

姫「よく戻られましたね勇者、旅の無事を日々欠かさず祈っておりました」

僧侶「な~にが『日々欠かさず祈っておりました…』ですか!」

僧侶「勇者様と実際に旅をしてるのはこの私ですからね!姫様もちょっと美しいからって勝ったつもりでいるなら大間違いですよ!」

姫「ふふっ、わたくしよりも貴女のほうがよっぽど美しいと思っていますよ。怒った顔もまた魅力的だと思うくらいに」

僧侶「~~~~~!//」むきー

姫(かわいい)

勇者(かわいい)

45: 2020/07/28(火) 23:42:31 ID:IBCYbJCd0.net
みえっぱり

勇者「僧侶って回復呪文のほかには特技とかあるのか?」

僧侶「と、特技ですか?え、ええと…う~ん…」

僧侶「あ、そうだ!料理!料理が得意です!」

勇者「料理かぁ~、家庭的でいいね」

僧侶「そりゃもう任せて下さいよ、古今東西ありとあらゆる料理を作ってきましたから」

僧侶(本当はスープくらいしか作れないけど)

勇者「そりゃすごいな!でも俺は料理とか詳しくないからなぁ、高級な食材とか全然知らないし」

勇者「カッコ悪いかもしれないけど、見栄を張らずに簡単なスープとか作ってほしいって思うかな」

僧侶「ああ、カッコ悪いのは私のほうでした…」

46: 2020/07/28(火) 23:44:09.177 ID:IBCYbJCd0.net
やさしいひと

勇者「うおりゃあああ!!」

僧侶「勇者様!待って下さい!」

勇者「なにっ!?」

僧侶「この魔物にはもう戦いの意思はありません…見逃してあげませんか」

勇者「い、いやしかし…」

僧侶「本来、命とはみな平等…無差別に奪っていい命など存在しないのです」

僧侶「…これで歩けるようになったかな?もう悪さしないでね」ニコッ

魔物「♪」

勇者「魔物がうらやましいと思った俺の汚れた心もいつか浄化して下さい、僧侶様」

47: 2020/07/28(火) 23:46:15.589 ID:IBCYbJCd0.net
らんぼうもの

勇者「ふんふんふふ~ん」

勇者「いやぁ~今日も疲れたなぁ。風呂で一日の疲れを流すのが一番の楽しみだよ」

ガララッ

僧侶「!?」バッ

勇者「え?」

僧侶「……見ました?」

勇者「ごめん、よく見てなかったけど今見たら書いてあったわ。女湯って」

僧侶「そうですか。では歯を食いしばって下さいね」

49: 2020/07/28(火) 23:48:23.662 ID:IBCYbJCd0.net
ロマンチスト

僧侶「勇者様は星座ってお好きですか?」

勇者「星座?うーん、あんまり詳しくは」

僧侶「私、夜空に星座を探すのが好きなんです」

僧侶「だから教会で過ごしていた毎日も、夜になるのが楽しみでした」

僧侶「星座を探すのってなんだか宝探しみたいで、私にとってはそれが冒険の時間だったんですよ」

僧侶「でも今は私のすぐ隣に一番星様がいるせいか、他の星座はよく見えなくなっちゃいましたけどね。なーんて」

勇者「えっ昼間だからよく見えないんじゃないの?昼夜逆転呪文使おうか?」

僧侶「ああもう!!……ああもうっ!!」

50: 2020/07/28(火) 23:50:16.888 ID:IBCYbJCd0.net
わがまま

僧侶「へとへとでもう歩けません…勇者様、おんぶして下さい」

勇者「えぇ~わかったよ」

僧侶「勇者様、お腹すきました……まだ着かないんですか?」

勇者「おぶってるから遅いんだっての。町までもう少しの辛抱だ」

僧侶「勇者様、食べさせて下さい。あーん」

勇者「まったく……本当に僧侶のわがままは尽きないな」

僧侶「……一番のわがままは、旅が終わるまで我慢してるんですけどね」

51: 2020/07/28(火) 23:52:20.694 ID:IBCYbJCd0.net
おじょうさま

勇者「あの、僧侶さん?馬車から出て戦闘に参加してほしいんですけど…」

僧侶「何を言ってらっしゃいますの?日差しはお肌の大敵ですもの。外なんて歩けませんわ」

勇者「じゃ、じゃあせめて回復だけでも…」

僧侶「あら、勇者様ともあろう御方がこの程度で回復を?案外情けないんですのね」

勇者「うぅ…」

僧侶「そんな惨めな顔を見せないで下さい。踏みますよ」グリグリ

勇者「ンギモッヂィィィ!!!」

勇者は何かに目覚めた!HPが全回復した!

52: 2020/07/28(火) 23:54:12.675 ID:IBCYbJCd0.net
おてんば

僧侶「ん~…やっぱり冒険って最高!旅をしてると生きてるな~って感じがします!」

勇者「えぇ、そう…?」

僧侶「はい!やっぱり教会で修行だけの繰り返しじゃ刺激が足りなくてつまらないです!」

勇者「刺激はなるべく少ないほうがいいと思うけどなぁ」

僧侶「勇者様がそんな弱気でどうするんですか!あっ、ほら!こっちにまだ通ってない道がありますよ!」タッタッ

勇者「ちょ、ちょっと待…」

僧侶「勇者様~!早く早く~!」

勇者「これじゃどっちが勇者か分からないよ…」

54: 2020/07/28(火) 23:56:24.763 ID:IBCYbJCd0.net
おとこまさり

勇者「結構歩いたな~、汗もかいたしちょっと木陰で着替えないか?」

僧侶「…僕はいいよ」

勇者「え、なんでだよ。まあいいや、俺は着替えるから」ヌギッ

僧侶「ちょ、ちょっと!着替えるならあっちで着替えてくれない?」

勇者「はぁ~?男同士なのに何言ってんだよ!そんな事言ってるとお前も脱がすからな――」ガシッ

僧侶「や、やめ――!」ムニュッ

勇者「………ムニュッ?」

僧侶「…どうせ男みたいな身体で気付かなかったんだろ!悪かったな!」

勇者「………ゴクリ」

55: 2020/07/28(火) 23:58:19.400 ID:IBCYbJCd0.net
セクシーギャル

僧侶「ふふっ、勇者様。どうしたんですか?そんなにじろじろ見て…」

勇者「い、いやだってさ…僧侶の衣装って全身タイツだしどう考えても工口すぎるでしょ…」

僧侶「私の身体が気になりますか?無理もないですよね、勇者様だってお年頃ですから」

勇者「じゃ、じゃあ…!」

僧侶「こーら。せっかちな男の子は嫌われちゃいますよ?」指ピト

勇者「っ~~~…//」

僧侶「そうですね…、じゃあ旅が終わって勇者様がオトナになるまで、いい子に待ってられたら考えてあげますね?」顎クイッ

勇者「!…わ、わかった……//」ドキドキ

僧侶「ふふっ…勇者様、カワイイ」

56: 2020/07/28(火) 23:59:06.098 ID:IBCYbJCd0.net
おわり

みんなはどんな僧侶ちゃんが好き?

58: 2020/07/29(水) 00:01:07.914 ID:TD5mzZBM0.net
みんなかわいかったよ

引用: 勇者「やっぱり旅の仲間にしたいのは女僧侶だよな。そうだな、性格は――」