ガヴ「あ……えっとね……変Oっていうのは……」

ハニ「変Oさんの方じゃなくてHentai！Hentai！」

ガヴ「やめてハニエル！お姉ちゃん目覚めちゃうから！まだやさぐれ天使純情派でいたいから！」

ハニ「変Oさんっていうのは人のパンツの匂い嗅いだりお外で裸になる人でしょ？わたし知ってる」

ガヴ「情操教育偏ってない！？」

ハニ「そういえば、なんでパンツの匂い嗅ぐの？」

ガヴ「……まだむなしい戦いを挑む気？」

ハニ「そうだね！いまはHentaiのお話」

ガヴ「えぇ……？まだやるの？どこでそんな言葉覚えたの？」

ハニ「う～ん？教科書？」

ガヴ「ハニエル？教育庁を更地にしてくるから、ちょっと待っててね？」

ハニ「あ、ちがう。いんたーねっと！……えっくすなんとか？ぴー？」

ガヴ「天界はフィルタリングしてるんじゃないの！？XとPはもう滅べよ！」

ハニ「ゼルお姉ちゃんが“いんたーねっと”ならガヴお姉ちゃんのほうが詳しいって」

ガヴ「ねーさーん！ねえええええさあああああああん！？」

ゼル「むにゃ……にゃに？はやいにゃおまえたち……」ﾑﾆｬﾑﾆｬ

ハニ「おはよ～♪ゼルお姉ちゃん！」

ガヴ「おはよ！姉さん！？ハニエルが世界の暗黒面を見ちゃったら照らしてあげるのが天使の役目でしょ！」

ゼル「ふあぁ……ふぁぶりーりゅ……」ﾑﾆｬﾑﾆｬ

ガヴ「私をファブリーズみたいに言わないで！目を覚まして！消臭剤ぶっかけるよ！」

ハニ「Bukkakeだね！」

ガヴ「違うから！」

ゼル「ん～……ガヴリール……お前も天使の端くれならまず全ての事実を飲み込んでだな……」

ハニ「Gokkun！」

ガヴ「私には苦くて飲めないな！」

ゼル「インターネットのことならお前の方が詳しいのは事実じゃないか」

ガヴ「姉さんも知ってるよね？世界の真実を見通す千里眼だよね？」

ゼル「最近ピントが合わなくてな」

ガヴ「老眼なんじゃない？」

ゼル「にゃんだときしゃまああああああああああ！？」

ガヴ「ごめんなさいマジ切れしないで！？気にするような年！？」

ゼル「全く！お前も使徒としてたまには神の真意を語ってみせろ！」

ガヴ「は？神の真意もなにもただのAV用語でしょ？」

ハニ「えーぶい？」

ガヴ「――っ！？しまった！」

ゼル「……えーぶい？」ﾆｺｯ

ガヴ（なんでAV知らないの？ちょっと偏向的すぎない！？）

ゼル（自ら試練に突き進み突破しようとする。成長したなガヴリール……でもお前の年でAV見ちゃだめだぞ）ｳﾝｳﾝ

ガヴ（くそ！この状況をいかに切り抜ける！？
3択――ひとつだけ選びなさい
①天才美少女天使ガヴリールは突如素晴らしい神託を得る
②ラフィエルが来て助けてくれる。あ、やっぱいいです
③どうしようもない。現実は非情である）

ハニ「ガヴお姉ちゃん？汗すごいよ？」

ガヴ（答えは①！神は正直ものを救うッ！即ちここは素直に答えればいい！）

ガヴ「アダOトビデオのことだよ？」

ゼル「おいガヴリール！？」

ハニ「あだるとびでお？」

ガヴ「大人のビデオってこと！私たちにはまだ早いからゼルお姉ちゃんに聞こうか！」

ゼル「――は！？」

ハニ「うん！ゼルお姉ちゃんは大人のビデオ見たことある？」

ガヴ「ある？」ﾆﾔｯ

ゼル（このドグサレがァァーーーーッ！！）

ゼル「な……ないよ？」

ハニ「ゼルお姉ちゃん？なんで目をそらすの？」

ガヴ「マジかよこのムッツリすけべ」

ゼル「にゃいっていってるでしょぉ！！もうぅ！！///」ｸﾞｽｯ

ガヴ「ご、ごめんごめん……泣かないで？」

ハニ「ゼルお姉ちゃん泣かないで～」

ガヴ「残念だったねハニエル……もう諦めよう？」

ハニ「むぅ～……」ｼｮﾝﾎﾞﾘ

扉「ノックノック」

ゼル「む！？こんな朝早くから客か？はいはいどちら様？」ｶﾞﾁｬ

ガヴ「姉さん今日はもう勝ったよ！第4部完！」

ゼル「は？まだ朝だろう……」

ラフィ「おはようございま～す！ガヴちゃんいますか？」

ガヴ「いません。お引き取りください」

ゼル「あぁラフィエルか、おはよう」

ラフィ「おはようございます、ゼルエルさん、寝不足ですか？目が赤いですけど」

ゼル「ま、まぁな！」

ハニ「ラフィお姉ちゃん！おはよ！」

ラフィ「あらハニちゃん♪今日も可愛いですね」

ハニ「えへへ///あのねラフィお姉ちゃん！聞きたいことがあるの！」

ラフィ「はいはい？なんですか？」

ハニ「Hentaiって知ってる？えーぶいって見たことある？」

ラフィ「ありませんよ？……さすがにゼルエルさんの前ではイエスとは言えないので」

ゼル「……？私の前では？」

ガヴ（この天界ちょっとタダれすぎじゃないすかね）

ラフィ「でもハニちゃんそんな言葉よく知ってますね」

ハニ「うん！わたし“いんたーねっと”も頑張ってるの！」

ラフィ「えらいですね～」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ゼル（勉強熱心だなハニエルは……私に似たんだな）

ガヴ（努力の方向音痴は私に似ちゃったかな……）

ハニ「でもそっか～誰も見たことないんだね～」

マルティエル「私はあります！」ﾝﾊﾞｯ

ハニ「ひゃ！？」

ガヴ「うわびっくりした！」

ゼル「誰だ！？」

ラフィ「マルティエル！？」

マルティ「失礼しました、私白羽家執事のマルティエルと申します。お目にかかれて光栄です」

ゼル「あ、あぁ……」

ラフィ「マルティエル？どうしてここに？」

マルティ「私は天界でお嬢様の行く先、どこでも常にお側に控えておりますので……
実は皆様のこともこっそり存じあげておりました。ご挨拶が遅れ大変申し訳ございません」

ゼル「この私の目すら欺くとは……素晴らしい天使力！」

ラフィ「褒めるとこじゃないですよ？ゼルエルさん」

ガヴ「姉さんのピントがずれてるのは目だけじゃないんじゃない？」

ハニ「マルティエル……さん？」

マルティ「はいハニエル様……可愛いですねパンツ見せていただいてよろしいですか？」

ガヴ「……悪いけど敷居を跨いだら撃つからね？」

ハニ「マルティエルさんは変Oさんなんだね！Hentaiって何か知ってるの？」

マルティ「ありがたきお言葉！無論です！詳細にお答えしましょう！
Hentaiとは所謂日本製アダOトビデオを指す言葉でその特色はなんといってもその――」

扉「――バタン！」

ラフィ「ふぅ……失礼しました」

ゼル「…………」

ハニ「あ～……」

ラフィ「あ……鍵しめときますね？」ｶﾞﾁｬﾝ

ガヴ「チェーンもよろしく」

ラフィ「は～い」ｶﾁｬｶﾁｬ

ゼル「一応結界も張っておくか……」ﾊﾞｼｭｯ

ラフィ「ゼルエルさんの結界なら安心です」

ラフィ「さぁハニちゃん！お勉強はここまで！あそびましょう！」

ハニ「わぁい♪あやとり勝負しよう？」

ガヴ「え？あやとりに勝負なんてあるの？」

ゼル「私も混ぜて～」

ガヴ「姉さんその前に顔洗ってきたら？」

ゼル「はっ！？しまった！」

ラフィ「まぁゼルエルさんったら寝起きのままだったんですね」ｸｽｸｽ

ハニ「あはは♪」

ﾜｲﾜｲ…………
…………
……

マルティ「はぁはぁ……///扉を閉める時のお嬢様のあの目！やっぱりたまりません！」

end

乙