1: 2024/06/26(水) 21:33:09.55 ID:ja5Lcv0D0.net
20××年12月26日

暴走した人工知能「アワレニコ」による核攻撃で

世界人口のおよそ半数、40億の巨Oが失われました。

生き残った人たちはその日を「チッパイの日」と呼んだけど、その後もっと過酷な運命が待ち受けていたの。

それは、アワレニコ率いる機械軍との戦争――。

2: 2024/06/26(水) 21:37:32.46 ID:ja5Lcv0D0.net
あ、自己紹介がまだだったね?

わたしの名前はエマ・ヴェルデ、人類抵抗軍の副司令だよ♪

故郷のスイスで培ったゲリラ戦術で、人類はじわじわと機械軍への反撃を開始して、今やその勝利は目前。

焦ったアワレニコは、急造したタイムスリップ装置で過去の時代に殺人マシーン「エリミネーター」を送り込んで

子供の頃のわたしを消そうとしたけど、同じく未来からやって来た抵抗軍の兵士

果イル・林スちゃんの助けもあって、その計画は失敗したんだ。

4: 2024/06/26(水) 21:42:42.20 ID:ja5Lcv0D0.net
でもアワレニコは諦めなかった。

今度こそ確実に抵抗軍を消滅させるため、再びエリミネーターを過去へ送り出したの。


標的に選ばれたのは、少女時代の抵抗軍リーダー。

名前はミア・テイラー。わたしの元ルームメイトだよ。


対抗して、抵抗軍は鹵獲したエリミネーターを再プログラムで味方にして同じ時代に転送し

時間の壁を超えた人類対マシーンの最終決戦が始まったの――。

6: 2024/06/26(水) 21:47:06.45 ID:ja5Lcv0D0.net




20××年某日 東京


ジジ…ジジジ

バチバチバチ――バシュゥゥゥゥン!


 


∬cVσ_σv「………」シュウウウウウウ

    

∬cVσ_σv「………」キョロキョロ


   

ドス…ドス…

9: 2024/06/26(水) 21:52:15.51 ID:ja5Lcv0D0.net
~レOバイカーのたむろするカフェ~


ガヤガヤ

千歌「ねーねー!今外でなにか光らなかった? ねー梨子ちゃんってば~」

梨子「うるさいおクチね…上も下も塞いでほしいの?」


 

キィィ…


かのん「あ、いらっしゃいま―…へ?」


no title
   


かのん(それは、人と言うにはあまりに大きすぎた)

かのん(大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた)

かのん(天賦の筋才を持つものがさらに、その才を全て投げ出してようやく得られるほどの筋量)

かのん(それはまさに筋肉の中のキングオブエリート……略してきんエリ、いや、KKEだった)

12: 2024/06/26(水) 21:56:25.22 ID:ja5Lcv0D0.net
メキッ…メキメキメキ! 


∬cVσ_σv「……」ドス…ドス…


曜「ヒュー…敵機来襲であります…大型機、11時の方向…」ポカーン

千歌「上げ底に見える…? それとも本物かな…」アゼン

梨子「…こういうケースは前にもあったわよね?」


 
∬cVσ_σv「……」キョロキョロ【スキャン中】


   
理亞「何あの歩く雑コラ…こっち見てるんだけど」【体格不一致】

聖良「変ですね。ストリップショーの時間には早いはずですが…」【体格不一致】


【体格不一致】
【体格不一致】
【体格不一致】





【合致データなし】


∬cVσ_σv「……」

13: 2024/06/26(水) 22:01:54.57 ID:ja5Lcv0D0.net
ザッ…

∬cVσ_σv「もうあなたでいいわ」

聖良「何がです?」

∬cVσ_σv「その服と靴と表のバイクを寄越しなさい。今すぐに」

聖良「……面白い人ですね」

聖良「気に入りましたよ。犯すのは最後にしてあげます…」

聖良「――と言いましたね、あれは嘘です! 犯すのは今(バキィ!)れいぷなう!?」ドサッ

理亞「こいつ、よくも姉さまを!」

千歌「みなのしゅー、かかれー!」

犯ッチマイナー! ヨーソロー!…

14: 2024/06/26(水) 22:05:52.72 ID:ja5Lcv0D0.net




バリィィィン!

曜「ぐへぇっ」ゴロゴロ


ドス…ドス…ガシッ

∬cVσ_σv(はち切れそうな黒革ジャン)「…この鍵が刺さるバイクは?」

曜「あ、あれだよぅ…」

∬cVσ_σv「……」ドサッ グヘッ!>


カチャリ

キュルルルルルルル…ブロンブロン!


 
――ZDOM!!!


∬cVσ_σv「!」クルッ


千砂都「おーっとお姉さん待ちなYo. これ以上私の友達の店で好き勝手されちゃ困るんだよねー」っショットガン

かのん「ちぃちゃんやっちゃえー!」ウシロカクレッ

15: 2024/06/26(水) 22:10:08.68 ID:ja5Lcv0D0.net
∬cVσ_σv「……」ジャリッ

千砂都「そうそう。全身マルだらけにされたくなかったらゆっくりこっちに来て。両手は挙げたま」

∬cVσ_σv 「」バッ!

千砂都「ま…で?」

かのん「ひ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛~!!! 銃゛を゛盗゛ら゛れ゛ち゛ゃ゛っ゛た゛あ゛あ゛あ゛~!!」

∬cVσ_σv「……」ザッ…

かのん「お、お助けぇ~!! どーか命だけは…」ガクガク

17: 2024/06/26(水) 22:13:27.25 ID:ja5Lcv0D0.net
∬cVσ_σv「」バッ!

千砂都「っ…!」


スッ…スチャ


千砂都「…え?」

∬cV▼_▼v「……」クルッ

かのん「サングラス…を盗っただけ?」


ドス…ドス…

ブロンブロン……ブロォォォォォン――!


かのん「ば…バカヤローー! 二度と来るなぁ~~~!!」

千砂都「あのサングラス、お気に入りだったのに…」グスン

19: 2024/06/26(水) 22:20:36.54 ID:ja5Lcv0D0.net
~同刻 とある駐車場~


栞子「そこの人、止まりなさい! 警察です!」

栞子「はぁ…まったく、こんな時間にクソデカリボン一丁で徘徊してる痴女がいると通報を受けて来てみれば…」

栞子「さあ、お話はパトカーの中で伺いますから。早く乗ってください」

栞子「そこの席に座って、簡単な聴取と見抜きをしますので」

栞子「なに、一分もかかりませんよ。それが済めば家まで送う゛っ!?」ドピュッ

ドサッ…

jΣミイ˶º ᴗº˶リ(全裸)「……」

スッ…グニャァァァァ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ(警官服)「……」トコトコ

21: 2024/06/26(水) 22:25:28.67 ID:ja5Lcv0D0.net
ガチャ…バタン

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…本部へ。こちら三船巡査です」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「謎のイナ光と痴女の目撃情報があった現場に到着しましたが、特に異常は見られません」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「ホラ吹きの適性がある通報者には、あとで反省文でも書かせてください」

『ザー…本部了解。お疲れ様です』

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「それと、パトカーの端末にミア・テイラーという方の情報を送ってもらえますか」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「都内在住の14歳で、おそらく補導歴があるはずです」

『了解、そのまま待機してください』

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「よろしくお願いしますね♪」

22: 2024/06/26(水) 22:32:52.05 ID:ja5Lcv0D0.net




~翌日 ゆうぽむハウス~


ブロン…ブロンブロン…

歩夢「こらーミアちゃん! お友達とバイクで出かける前に自分の部屋を掃除する約束でしょ?」

歩夢「これからは自分でするって言ってもうひと月もそのままだよね? 私も手伝うから、今から一緒に大掃除するよっ」ポム

侑「まぁまぁ歩夢。ミアちゃんだってプライベートというか、色々と見られたくないものもあるだろうし…」

歩夢「…侑ちゃんにもあるの?」ジト

侑「ないよ(虚言)。私は、歩夢だけ見えてれば十分だから」キリッ

歩夢「も、もーっ///侑ちゃんてば、こんなところで恥ずかしいよ~///どこを見てるのか2500字以上で言って?」

ヤイノヤイノユウポウユウポム


璃奈「いいお母さんたちだね。ミアちゃんのこと、あんなに気にしてくれて」

ミア「…お母さんじゃないよ。ホームステイ先のバカップルさ…」ブロンブロン…

23: 2024/06/26(水) 22:37:35.82 ID:ja5Lcv0D0.net
歩夢「ねえ、憶えてる? 年長さんの頃行ったリコールランドで侑ちゃんたら……あっ」  ブロォォン>

ミア「じゃあねお二人さん、明日の朝には戻るからそれまでお幸せに!」

璃奈「……」ペコリ


ブロォォォォン―――……


歩夢「あぁ行っちゃった………私、ミアちゃんの将来が心配だよ」

歩夢「あんな風に毎日遊び歩いて、私たちに隠れて悪いことしてるって噂もあるし…」

侑「…気持ちは分からなくもないんだけどね」

侑「ついこの間まで面倒を見てくれてた人があんなことになっちゃったら、私だって…」

歩夢「…エマさん、今はどこにいるんだっけ」

侑「…郊外の病院だよ」

24: 2024/06/26(水) 22:41:43.11 ID:ja5Lcv0D0.net



~西木野末期病棟~


真姫「…じゃあ、あなたはようやく認める気になったのね?」

真姫「これまで自分の話してきたことが"妄想"だって」

エマ「ふッ……!ふッ……!」ブルンッブルンッ

真姫「内容はこうよ……未来から来た殺人サイボーグと人類抵抗軍の女兵士」

真姫「あなたを消すものと護るものが戦い、そしてあなた一人が生き残った」

真姫「けれど戦いは終わってない。来たる機械軍との戦争に備えて、あなたは"歌"で人類を一つにする女の子を保護して特殊な教育を……ちょっと聞いてるの!?」

エマ「ふッ……!ふッ……!」ブルンッブルンッ

真姫「人が真面目な話してる時にガニ股スクワットするのやめなさいよ! 手錠と足枷はめてるのによく出来るわね!?」

エマ「……」ブルンッ

真姫「胸で返事しちゃってこいつ…! いいわ、そっちがその態度ならこちらにも考えがあるんだから!」

真姫「今よりもっと監視のキツい病棟に移して、一日七食のトマト生活で徹底的な血中洗浄を…」

エマ「――は? もう一度言って?(低音)」

25: 2024/06/26(水) 22:49:14.51 ID:ja5Lcv0D0.net
真姫「っ…!」ビクッ

エマ「西木野先生…それは約束が違うよね?」ユラァ…

エマ「症状が軽くなったら、間をとって退院させてくれるって話だったのに…」

真姫「ちがっ…私が言ったのは、十分に回復したら一般の病棟に移れるかもって…」

エマ「ミアちゃんに今すぐ会わせて…? あの子に危機が迫ってるの……おねがい…!」

真姫「いっ…今の言葉で確信したわ…! あなたは回復なんかしてない…!」

真姫「ここから出したら何をしでかすか(ガシッ)う゛ぇあっ!?」

エマ「どうしてみんな分かってくれないの…? チッパイの日は、すぐそこまで迫ってる…」ギュウウウ

エマ「その日が来たらみんなみんな氏んじゃうんだよ?? 日付も分かってる、今年の12月――」

真姫「苦しっ…ちょっと誰か! 誰か来てぇ!」

26: 2024/06/26(水) 22:52:35.35 ID:ja5Lcv0D0.net
ガチャ

職員1「悪い子にはおしおきにゃ」っスタンガン

エマ「っ…!!」ビリビリ

職員2「スイス痺れてますか~?」

ドサッ


真姫「げほげほっ……ち、窒息するかと思ったわ……乳で」ゼェゼェ

真姫「……彼女を小夜啼鳥病棟に移して」

真姫「鳥籠に閉じ込めて、二度と外に出してあげないんだから」


━━━━━━

━━

27: 2024/06/26(水) 23:01:10.09 ID:ja5Lcv0D0.net




ミア「…つまりさ、こっちに来て最初のステイ先が、そのエマって子のところだったんだけど」

ミア「HENTAIコミックに出てくる無知ムチお姉さんみたいな顔してかなりの電波ちゃんでね」

ミア「未来のためとか言って、ある日コンピュータ工場を爆破しようとしてそのままお縄ってわけさ」

璃奈「…知らなかった。その人は今どうしてるの?」

ミア「…黄色い病院に入ってる」

ミア「頭テ口リストなんだ…もう治らない」

璃奈「……」

28: 2024/06/26(水) 23:04:51.42 ID:ja5Lcv0D0.net
ピーッ

ミア「と、そろそろ解析が終わったみたいだね」

ミア「ダミーのクレカを入れて……暗証番号2521……引き出し額は3、0、0、0…」ポチポチ

ミア「さぁ出てきなよmoneyちゃん………Bingo!チョロいもんだね」

ミア「どうだい璃奈、ボクも上手くなったもんだろ?」

璃奈「うん…でも教えない方がよかったかもって反省してる。璃奈ちゃんボード『罪悪感』」

ミア「構いやしないさ。…どうせボクたちのことなんて誰も気にしてないんだ」

ミア「さ、後ろに乗りなよ。じゃんじゃん使おう」ブロォォン

36: 2024/06/27(木) 22:33:47.28 ID:ouHYA6cS0.net
~ゆうぽむハウス~


ピンポーン

歩夢「はーい、どちら様で…って警察!?」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「こんにちは。実はお宅のミアさんにお尋ねしたいことがありまして」

侑「…今は出かけてますけど」

侑「あの…もしかしてさっき来た人と関係あるんですか?」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…来た人とは?」

歩夢「バイクに乗った金髪の女の人です……ちょっと信じられないくらいムキムキの」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…いえ、関係ありませんね」 

37: 2024/06/27(木) 22:36:30.79 ID:ouHYA6cS0.net
jΣミイ˶º ᴗº˶リ「ミアさんがどこへ行ったか、心当たりはありますか?」

侑「えっと…たしかゲーセン行くって言ってたような」

jΣミイ˶º ^º˶リ「ゲO専? それは感心しませんね」

侑「…ゲーセンです」

侑(怖いよ、この人百合厨だ)

38: 2024/06/27(木) 22:44:56.22 ID:ouHYA6cS0.net
――

――――

~ショッピングモール 5Fゲーセン~


ウボァー!

ミア「Shit!またやられちゃったよ…相変わらずゲームだと容赦ないな璃奈は」

ミア「手持ちが無くなったからちょっと両替してくるよ」

璃奈「うん。待ってる」


 


~同3F~

恋「はい、その方なら先ほど上のゲームセンターで見かけました」

恋「あの…ところでお巡りさん。実はわたくし、帰りの交通費の持ち合わせが」モジモジ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「そこにいてください。すぐ戻ります」スタスタ


   


~同1F 花屋~

花帆「いーっぱい真心込めて咲かせたお花たちでーす!そこのお姉さんも見ていってくだ(バサッ)あっ!」

∬cV▼_▼v「いい薔薇ね。少し借りるわ」ドスドス

花帆「それ、絶対返ってこないやつ~!」

39: 2024/06/27(木) 22:48:02.11 ID:ouHYA6cS0.net
璃奈(ミアちゃんまだかな…) 

トントン

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「ちょっといいかな。この写真の子を見なかった?」スッ

璃奈「……」

璃奈「……」フルフル

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…そう。協力どうも」

スタスタ…

璃奈「……」トコトコ

40: 2024/06/27(木) 22:52:27.32 ID:ouHYA6cS0.net
 
ミア「璃奈! 待たせてゴメン、前に並んでたやつがさ…」

璃奈「そんなことより今警察の人がミアちゃんを探してた」

璃奈「顔写真まで持ってて……自宅に行ったか過去の補導歴を見たのかも」

ミア「ホントかい…? それはズラかった方がよさそうだね」

璃奈「見つからないように従業員用の通路から出よう」

41: 2024/06/27(木) 22:56:32.80 ID:ouHYA6cS0.net
jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」スタスタ


璃奈「! あの人だ、こっちに来る…!」


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……!」スタスタスタ 


   
ドツン! キャアッ?> 


 
ミア「ヤバい、逃げるぞっ……あれ、璃奈?」


璃奈「お巡りさん、さっきの子はあっちへ行(ドツン!)きゃっ!?」ツキトバサレッ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……!!」スタスタスクスタ


   
ミア「ッ…ゴメン、璃奈…!」タッタッタッ…

42: 2024/06/27(木) 23:00:23.66 ID:ouHYA6cS0.net




タッタッタッタッタッタッ―――……


ミア「Shit!どのドアも鍵がかかってる…! 本当にこっちであってるのか?」


<ガチャ


ミア「そっちか…!」


 
タッタッタッタッタッタッ―――……

43: 2024/06/27(木) 23:05:07.42 ID:ouHYA6cS0.net
 

ミア(あった、非常階段のドアだ。あそこをくぐれば…)


   
ズシン…ズシン…


    
ミア「――!!」


   
 ━━通路の向こうから伸びてくる影を見て、ミアちゃんは硬直したの。


    
∬cV▼_▼v「……」ドス…ドス…

44: 2024/06/27(木) 23:08:46.62 ID:ouHYA6cS0.net
 
 筋肉モリモリの逆チョモランマみたいな体型に、不釣り合いなほど小さいモデルめいた顔立ち。

 目元にはサングラス、小脇にバラの花束を抱えたその女の人は

 ブーケの中から黒光りする筒――レバー式のショットガンを取り出した。

 機械のように、硬く冷たい無表情で。


∬cV▼_▼v「……」ガチャコン

   
 その姿はまるで、わたしが何度も繰り返しミアちゃんに語って聞かせた……


ミア(まさか…)

45: 2024/06/27(木) 23:15:00.18 ID:ouHYA6cS0.net
コツ…コツ…


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」スッ


ミア「!…Hey,officer! 助けてよ、ここに頭のイカれた大女が…」


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」チャキッ


 通路の反対側からやって来た警官は、淀みなく拳銃を構えた。

 女ではなくミアちゃんに向けて。


ミア「ウソでしょ…」


 逃げ場を求めて振り返れば、サングラスの女もショットガンを構えたところだった。

 その銃口はミアちゃんの―――


∬cV▼_▼v「伏せなさい」


ミア「ッ!」サッ


――ZDOM!!!


jΣミイ˶> _<˶リ「っ……!!」ビチャッ

46: 2024/06/27(木) 23:19:18.70 ID:ouHYA6cS0.net
∬cV▼_▼v「」ZDOM!…ガチャコン…ZDOM!


jΣミイ˶> _<˶リ「ミイ…! ミイ…!」ビチャ!グチャ!


――ダダンダンダダン!!!!


jΣミイ˶× _×˶リ「ミイイイイ!!!」ドサッ


 
ミア「た…倒しちゃっ…――!?」


jΣミイ˶× _×˶リグニュ…グニュウウウウウウウウウ


ミア「なっ…」

ミア(なんだよアレ……傷が、再生してる…?)

47: 2024/06/27(木) 23:25:53.48 ID:ouHYA6cS0.net
グニュウウウウ…

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」スクッ


ミア「どうなってるんだ……ぅわっ!?」

∬cV▼_▼v「来て。逃げるわよ」オヒメサマダキッ

ミア「おっ下ろせよ!なんて持ち方して…///」


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…!」BANG!BANG!BANG!BANG!


∬cV▼_▼v「」カンカンカンカン!!!

ミア「うわあああ!? や、やっぱりこのままでいい、早く逃げてくれ!」

∬cV▼_▼v「もうやってるわ。顔を伏せて、衝撃に備えて」ダッダッダッ

ミア「ちょっとどこ行く気なの? そっちは窓――Arrrrgggghhhhhh!!???」

バリィィィィン!

48: 2024/06/27(木) 23:30:15.84 ID:ouHYA6cS0.net
~駐車場~


――ドスンッ!!!!


∬cV▼_▼v「…ケガはない?」パラパラ…

ミア「な…なんてcrazyなやつだ…」

ブロンブロン

∬cV▼_▼v「すぐここを離れるわ。後ろに乗って」

ミア「冗談だろ? 誰がキミみたいな…」  ドスンッ!!!>


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「逃がしませんよ…」パラ…


ミア「何モタモタしてるんだ、早く出してくれ!」

∬cV▼_▼v「了解。しっかり掴まってて」ブォォン!

49: 2024/06/27(木) 23:37:43.65 ID:ouHYA6cS0.net



――ブロロロロロロロ!


<ププー!   

       キキィ!>


ミア「危なっ…! もうちょっと安全運転できないのか?」

∬cV▼_▼v「これが最短コースよ」

ミア「そんなに飛ばさなくてもいいでしょ? もうあいつの足じゃ追いつけ…」  ガシャアアン>

ミア「!?」クルッ


   
――ドゥンドゥンドゥンドゥン!!!!!


   
ミア「なんだ、あのドゥンドゥン鳴ってるヴォクシー…こっちに突っ込んで来る…?」


   
jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…🩵」ドゥンドゥンドゥンドゥン!!!!!



ミア「Jesus,あいつ人の車を奪ったのか…!」

50: 2024/06/27(木) 23:43:22.99 ID:ouHYA6cS0.net
――ドゥンドゥンドゥンドゥン!!!!!


<ガシャァン!   

        グシャァン!!>


 
ミア「ッッ、あいつ他の車のことなんてお構いなしだ…!」


   
――ドゥンドゥンドゥンドゥン!!!!!!!!!!!!!!


    
ミア「ヤバい、追いつかれる…!もっとスピード出せないのっ?」

∬cV▼_▼v「前方が渋滞していて無理よ」


    
――ドゥンドゥンドゥンドゥンドゥン!!!!!!!!!


   
ミア「このままじゃ地面とhamburgerにされちゃうって!!」

∬cV▼_▼v「…そうはさせないわ」

51: 2024/06/27(木) 23:47:23.67 ID:ouHYA6cS0.net
ブロンブロン

ミア「何をする気なのっ?」

∬cV▼_▼v「下道に下りるわ」

ミア「下りるってここから飛び降りてかよ?? 待て待て、他にやり方があるはずだ!」

∬cV▼_▼v「これが最短コースよ」

ミア「あの世へのだろ!? 考え直せっ、この高さから飛べば今度こそバラバラのグチャグチャだって!」

∬cV▼_▼v「その計算は間違いよ。もう口を閉じて、舌を噛み切らないように」

ミア「そっちの方がマシかもねっ? あぁ神さま……!」

∬cV▼_▼v「振り落とされない様にしがみ付いてて!」


――ドガッ! 

ブロォォォォォォォォン――!

52: 2024/06/27(木) 23:51:37.62 ID:ouHYA6cS0.net
ガシャァァァァン!!


ミア「ッ………!!! ッ、、、」

ミア「…………生き、てる……?」

∬cV▼_▼v「安心するのはまだ早いわ」


   
――ガシャァァァァン!!


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…♪」ドゥンドゥンドゥンドゥン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 
ミア「ウソでしょ…! あいつまで飛び降りて…」

∬cV▼_▼v「いえ、計算通りよ」チャキッ

53: 2024/06/27(木) 23:53:39.54 ID:ouHYA6cS0.net
――ZDOM!!!!


タイヤ『』プシュッ!

jΣミイ˶º ^º˶リ「…!」グラ…


ミア(そうか、着地直後の不安定なタイミングを狙って…!)


ZDOM!!!…ガチャコン…ZDOM!!!


jΣミイ˶º ^º˶リ「ッッッ!!!」グラグラグラ


ミア「しめたっ、あいつバランスを崩して横転するぞ!」


 
キキィーーーーーー!!!!! ドガシャァァン!!!

54: 2024/06/27(木) 23:54:50.69 ID:ouHYA6cS0.net
ミア「Yeh,ざまぁみろだ!」

∬cV▼_▼v「振り返らずに頭部を守って。爆発するわ」ブロロロロロ

ミア「へ…?」


ドボドボ…――バチバチッ!


――BOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!!!

55: 2024/06/27(木) 23:58:24.61 ID:ouHYA6cS0.net
ミア「ッッ~~~~それを先に言えよ!!」

∬cV▼_▼v「言ったわ」


パラパラパラ…  ゴォォォォォ


ミア「…ったく。これだけ激しく燃えてれば、さしものあいつもThe endだ」

ミア「そうでしょ? ねぇ…」

∬cV▼_▼v「…ひとまずここから離れましょう」


――ブロォォォォン

56: 2024/06/28(金) 00:01:32.21 ID:m3kirCBq0.net
ゴォォォォォォォォォ…


グニュ…グニュウウウウウウ


ザッ…ザッ…


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」スタスタ


jΣミイ˶^ᴗ^˶リ「……」

57: 2024/06/28(金) 00:05:15.44 ID:m3kirCBq0.net
――
―――

ブロロロロロロ

ミア「ね、ねぇ…助けてもらったことは礼を言うよ。けどさ…」

ミア「このあり得ないほどmuscularなボディに、何発も撃たれてるのに平気なその様子…」

ミア「キミ、ひょっとしてエリミネーターってやつなの…?」

∬cV▼_▼v「そうよ。正確なモデルナンバーはE-102Ⅰ型」

∬cV▼_▼v「超合金の骨格を生身の皮膚で覆った潜入型サイボーグ。それが私よ」

ミア「Wow...とても信じられないけど……でもこの感触、マジみたいだね…」コツコツ

ミア「......holy shit,エマの言ってたことは嘘じゃなかったんだな…」ボソッ

ミア「それで……ボクをエリミネートしに来たってわけじゃなさそうだけど。この時代へは何しに?」

∬cV▼_▼v「あなたを護れと言われて来たわ」

∬cV▼_▼v「未来のあなた自身にね」

58: 2024/06/28(金) 00:08:24.40 ID:m3kirCBq0.net
金曜
ロードショー

             
             ラブライブ!×ターミネーター2

63: 2024/06/29(土) 19:47:37.17 ID:n/80ZpAF0.net
jΣミイ˶º ᴗº˶リ 次週のラブライブ洋画劇場は――

jΣミイ˶º ᴗº˶リ 未定ですが、原作映画「ターミネーター2」の吹替版が本日21時よりBS 260チャンネルで放送予定です

jΣミイ˶º ᴗº˶リ 全国無料放送なので是非チェックしてくださいね

65: 2024/06/29(土) 22:04:03.99 ID:n/80ZpAF0.net




ブロロロロロロ

ミア「なるほどね…大体の事情は飲み込めたよ」

ミア「未来の戦争で、機械どもにとってのjokerになるボクを消すために送り込まれたのがあのデカリボン…キミと同じエリミネーターってわけだ」

∬cV▼_▼v「同じじゃないわ。彼女はE-429、最新型のエリミネーターよ」

ミア「…それって、レコードとCDくらい違う?」

∬cV▼_▼v「戦車と核爆弾ぐらい違うわ」

∬cV▼_▼v「E-429の全身は液体金属で、ダメージを受けてもすぐに形状を修復するの」

ミア「おいおいなんだよそれ…倒す方法は?」

∬cV▼_▼v「現状では不明よ。だからこうして街から離れてるの」

ミア「ちょ…ちょっと待ってくれ、逃げるんならその前に家に寄ってくれない? 持ってくものが…」

∬cV▼_▼v「認められないわ。彼女が先回りしてるかもしれない」

ミア「そんな……じゃあ電話だけでもさせてくれ!」

ミア「…人のこと放って隙あらばイチャついてるやつらだけど、警告くらいはしてあげないとね」

66: 2024/06/29(土) 22:09:13.17 ID:n/80ZpAF0.net
~ゆうぽむハウス~


プルルルルルル…ガチャ

歩夢「は~い上原です……あ、ミアちゃん?」

『もしもし歩夢? そっちは何か変わったことはなかった?』

歩夢「変わったこと? そうだ、さっきから頼んでないデリバリーが何件も届いてて…」

『それはボクが昼間仕込んだイタズラ。でもそんなのいつものことだし、歩夢も喜んで食べてるだろ?』

歩夢「うーん…そういえばそうだね」

歩夢「ねぇ、今どこなの? 帰りが遅いからすごく心配してたんだよ」

『ボクのことはいいんだ。それより侑はいる? あいつにも替わってよ』

歩夢「あの子はどこかに出かけちゃって今日は戻らないって」

歩夢「そんなことより早く帰ってきて二人でお夕飯にしよ? 今夜はミアちゃんの好きなペパロニのピッツァだよ?」


ーーー

ーー




ミア「…おかしいよ。侑に対して淡泊すぎる」

ミア「ファミリーネームも普段から高咲って名乗ってるくせに…」

∬cV▼_▼v「…電話を替わって」

68: 2024/06/29(土) 22:13:49.49 ID:n/80ZpAF0.net
『…ミアちゃん? どうかしたの?』


∬cV▼_▼v「何もないよ。絶好調さ」

ミア(声帯模写まで出来るのかよ…)


『お願いだから早く帰ってきて…? 私、ミアちゃんに何かあっ(ワン!ワンワン!)配で…』


ミア「庭の飼い犬が吠えてる……普段はずっと寝てて、大人しいやつなのに…」

∬cV▼_▼v「…犬の名前は?」ヒソヒソ

ミア「カナタだけど…」ヒソヒソ


∬cV▼_▼v「――ねえ歩夢、"オフィーリア"どうしたの?」

∬cV▼_▼v「酷く吠えてるけど、病気なの?」


『オフィーリアは元気で走り回ってるよ?……今ど』ブツ


∬cV▼_▼v「彼女は偽物よ」

ミア「……」

69: 2024/06/29(土) 22:19:33.49 ID:n/80ZpAF0.net
ツー…ツー…


歩夢「……」


プルルルルル…


歩夢「!」ガチャ


『もしもしミアちゃん? 私、侑だYo』

『家に誰もいなくてゴメンね? 私と歩夢はこんっ…今夜は、外泊することになっちゃってさ…///』

『夕ひゃんっ///は…冷蔵庫に、作ってあるひゃらっ/// は…はゆむぅ♡そこは汚いYo…♡』

『あ…あと、庭のカナタにも忘れずに餌をあげ』ガチャン!


歩夢「……」ツーツー


グニュ…グニュウウウウウウ


jΣミイ˶º ^º˶リ「……」


スタスタ…


━━━━━━

━━

70: 2024/06/29(土) 22:23:43.57 ID:n/80ZpAF0.net
――
―――

ミア「OK、整理させてくれ。つまりあいつは何にでも姿を変えられるってこと?」

∬cV▼_▼v「自分と同じサイズのものなら何にでもよ」

ミア「Holy christ...なら目の前で『T-1000(テクノブレイク1000回)するまで出られない部屋』にでもなられたら一貫の終わりってことじゃないか…」

∬cV▼_▼v「…複雑な部品や化合物を必要とするものへの変身は無理よ」

∬cV▼_▼v「彼女がコピーできるのは構造が単純な刃物のような武器、または人間の見た目ね」

ミア「それで歩夢に成りすましてボクを待ち伏せようとしたわけか…」

ミア「……待ってよ。真っ先にボクの保護者を狙ったってことは、次にあいつが行く先は」

∬cV▼_▼v「エマ・ヴェルデの入ってる病院でしょうね」

∬cV▼_▼v「私が彼女でもそうするわ。同じデータを持ってるから」

71: 2024/06/29(土) 22:28:04.35 ID:n/80ZpAF0.net
ミア「ッ……なんでそれを早く言わないのさ?」

ミア「こうしちゃいられない、今すぐエマを助けに行」

ガシッ

∬cV▼_▼v「認められないわ。その指令は受けてないもの」

72: 2024/06/29(土) 22:36:06.17 ID:n/80ZpAF0.net
ミア「なに言ってるんだ!? エマが殺されるかもしれないのに、ボクはそんなの嫌だ!」

ミア「……エマは、歌うことから逃げてこの国で腐ってたボクのことを優しく包み込んでくれた…」

ミア「音楽の他に何もなかったボクに、初めてそれ以外の価値を認めてくれたんだ…!」

ミア「なのに…ボクは自分から彼女と距離を取ってしまった。ボクが未来のリーダーになるとか、そんな話ばかりするあいつにうんざりして…」

ミア「エマの言ってたことは本当だったのに、誰もそれを信じなかった………このボクもだ」

ミア「今こそその間違いを正さなきゃ……そうでしょ?」

∬cV▼_▼v「いえ、その必要はないわ」

ミア「そこは感動して頷くトコだろ!? 人の心はないのかよキミは…! おい、脇に抱えようとするのをやめろ、やめろってば~っ!!」ズルズル

73: 2024/06/29(土) 22:49:36.32 ID:n/80ZpAF0.net
ミア「っ…HEEELP!!誰か助けてくれ!ここに14歳を誘拐しようとしてる筋肉モリモリマッチョウーマンの変態がいるんだ!!」


<ナニカシラアレ イッテミマショウ


ミア「手を放してよ、放せって(ドサッ)Ouch!?」

∬cV▼_▼v「……」

ミア「イタタ…何するんだよ?お尻を打ったじゃないか」

∬cV▼_▼v「手を放せと言ったでしょう」

ミア「……?」

ミア「……ひょっとして、ボクの言うことを聞くのか…?」

74: 2024/06/29(土) 23:01:52.72 ID:n/80ZpAF0.net
∬cV▼_▼v「そうプログラムされてるわ」

ミア「………」

ミア「…片足で立って?」

∬cV▼_▼v「……」ヒョイ

ミア「Oh...じゃあバレリーナがよくやるやつ」

∬cV▼_▼v「……」グルグルグル

ミア「そのままロンバクからのヘッドスピン、マドンナを歌いながら」

∬cV▼_▼v「You must be my Lucky star♪(ハイレゾ音源)」クルッシュタンッ

ミア「Yeh!!!」

∬cV▼_▼v「~♪」グルグルグル

ミア「……ボクだけのエリミネーターか。こいつはcoolだよ…」

75: 2024/06/29(土) 23:05:43.58 ID:n/80ZpAF0.net
ザッ…

善子「ちょっと。その子を輪姦すなら私たちも手伝うわよ」

梨子(あれ…この回ってる人ひょっとして昨日の…)

ミア「なんだよキミたちは。変態レOはさっさと失せてくれ。その上ぺドとか心底終わってるね」

梨子「…善子ちゃん行きましょ、さすがに相手が「なんですってぇ??」

善子「もう一度言ってみなさいよ、このクソガキンチョ!」

ミア「クソガキ…? それ、ひょっとしてボクのことだったりする?」

ミア「言っとくけどボクは向こうで大学も出てるし、教育熱心な誰かさんのお陰でヘリの操縦や爆薬の扱いもお手の物なんだ」

ミア「そんなボクからすれば、キミらの方が遥かにガキ……いや、ベイビーちゃんレベルなんだけど。分かる?」

善子「このガキンチョ言わせておけば……なら今夜中に大人の階段ファストパスで登らせたろか!?」

∬cV▼_▼v「Like a virgin~♪」グルグルグル

ミア「…タレントショーはもういい」

ミア「代わりにどっちが本当のベイビーちゃんなのか、こいつらにわからせてあげてよ」

76: 2024/06/29(土) 23:10:29.90 ID:n/80ZpAF0.net
ガシッ…メキメキメキ

善子「あッ…あいだだだだだっ!!?? もげちゃう!!!お団子もげちゃう!!!」

善子「すみませんすみませんもうしません!!だから許してちょんまげ~~!!!」

ミア「その状態でしばらく頭を冷やすことだね」HAHAHA

∬cV▼_▼v「……」ミシミシ

梨子「ちょ…ちょっとその辺にし(カベドン!)きゃあっ!?」

∬cV▼_▼v「……」チャキッ

梨子「ひっ…!」ジュン


ミア「!…おい待っ」


――ZDOM!!

77: 2024/06/29(土) 23:13:53.43 ID:n/80ZpAF0.net
シュウウウウ…

梨子「…はぁ…はぁ///」 プスプス…>

ミア「な…何やってるんだ? 今すぐ銃を置け! キミたちは早く消えなよっ」

梨子「待って…ほぼイってるからもう少しこのままで…」

善子「オメコなこと言ってないで逃げるわよ!! ほら早く!!」グィ


タッタッタ…


ミア「...What are you thinking? なに考えてるんだよっ、ボクが銃口を逸らさなきゃ人を頃してたところだ!」

∬cV▼_▼v「あなたがそう命じたわ」

ミア「誰もここまでやれなんて言ってない!」

∬cV▼_▼v「私はエリミネーターよ」

ミア「ッ……」

78: 2024/06/29(土) 23:17:48.74 ID:n/80ZpAF0.net
ミア「…………いいか。今からボクの言うことをしっかり聞けよ」

ミア「キミはもうエリミネーターじゃない」

ミア「だから人頃しはしない、いいね?」

∬cV▼_▼v「人頃しはしない、どうして?」

ミア「どうしてって、いけないことだからだろ!」

∬cV▼_▼v「どうして?」

ミア「ああもぅ……allright,じゃあこうしよう」

ミア「これは命令だ。これからは無暗に人を傷つけるな」

ミア「それと今からエマを助けに行く。だから手伝ってくれ。OK?」

∬cV▼_▼v「……OK」

79: 2024/06/29(土) 23:20:32.53 ID:n/80ZpAF0.net




~西木野末期病棟 正門~


ブロロロロ…キキィ


きな子(守衛)「お疲れ様っす! 本日はどのようなご用すか?」


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「患者への面会です…♪」


ウィーン…ガラガラガラ


━━━━━━

━━

82: 2024/06/30(日) 19:12:26.31 ID:4PEbknyo0.net
    
~~~~~~~~~

~~~~~

~~~


 
――マ……エマ――……!


   
エマ「………」ムクリ


エマ「……その声……果…林…ちゃん…?」


   

果林「エマ……久しぶりね」

83: 2024/06/30(日) 19:15:38.46 ID:4PEbknyo0.net
   
エマ「どうして果林ちゃんがここに…………ううん、そんなことはいいや」


エマ「やっと会えたんだもん………わたし……果林ちゃんに会いたくて、ずっと待ってたんだから……」


果林「ごめんなさい……エマには寂しい思いをさせちゃったみたいね」ギュッ


エマ「ほんとだよぉ………果林ちゃんのことだから、どうせまた道に迷ってたんだよね?」


果林「うっ……今そのことはいいでしょ?」

84: 2024/06/30(日) 19:19:10.15 ID:4PEbknyo0.net
 
エマ「あはは……そうだね」


エマ「だって、これからはずっとここにいてくれるんでしょ?」


果林「……残念だけどそうはいかないのよ。もう時間がないから」


果林「チッパイの日が迫ってる。あなたの手で、私たちのリーダーのことを護ってあげて」


エマ「………むりだよ」

85: 2024/06/30(日) 19:22:19.38 ID:4PEbknyo0.net
 
エマ「ミアちゃんはわたしを信じてない……騙されたと思ってる」


果林「あなたしかいないのよエマ……既に倒れてしまった私にはできない……あなたの役目なの」


果林「あなたは芯の強い子よ…これまで私が会った誰よりもずっと…」


エマ「そんなこと……そんなことないよ……わたし、本当はずっと寂しくて……」


果林「………メッセージは覚えてる?」


果林「運命なんてものはない。未来への道は…」


エマ「迷いながらも、自分の手で切り拓くもの………果林ちゃんが教えてくれたの、忘れるはずないよ」


 
果林「……そう。なら大丈夫ね」スゥ…


   
エマ「!――まって、行かないで果林ちゃん!」


   

エマ……信じてるわ……今までも……そしてこれからもずっと―――――

86: 2024/06/30(日) 19:26:57.77 ID:4PEbknyo0.net
 
エマ「果林ちゃん、おねがい待って――!」ダッ


 
バタンッ


   
エマ「果林ちゃん!! どこ――?」


   

ザッ…


   

エマ「! 果林ちゃ――」


   

ドス…ドス…


   

∬cV▼_▼v「……」ザッ


   

エマ「………ぃや」


   
エマ「いやあああああああああああっ」

87: 2024/06/30(日) 19:31:38.65 ID:4PEbknyo0.net
エマ「ああああああああああっ!!!!」ガバッ


エマ「っ……ぁハァ……ハァ………」


 
エマ「…………ゆ……め……………」


   
エマ「そっか………お薬飲まされたんだっけ」

88: 2024/06/30(日) 19:36:27.44 ID:4PEbknyo0.net
ギチ…ムチ…

エマ(全身をベッドに拘束されてる……二度とここから出さないつもりなんだね)


エマ「………果林ちゃん、わたし頑張るよ………ぷっ!」


ポトリ


エマ(昼間スクワットする振りして床から拾って舌裏に隠しておいたクリップの針金……これで拘束具の錠を)カチャカチャ


エマ(―――外れた! あとは部屋の鍵も同じようにして……)


エマ「………待っててねミアちゃん……今度こそ、わたしが護ってあげるから……!」カチャカチャ

89: 2024/06/30(日) 19:40:52.18 ID:4PEbknyo0.net
~病棟 廊下~


コツ…コツ…


海未「ふわぁ……深夜の警備巡回は退屈ですね」

海未「こんな時は立ちオナするに限ります」クチュクチュ


 
コツ…コツ…ブニュ


   
海未「む? 今の感触は………ヴぁぁ!?」


 
jΣミイ˶º ᴗº˶リ ……


   
海未(床に、人の顔が??)

90: 2024/06/30(日) 19:44:49.87 ID:4PEbknyo0.net
jΣミイ˶º ᴗº˶リ『どうぞ気にせず続けてください🩵私はただの床ですから』


海未「なっ…!床が、喋っ…」


グニュ…グニュウウウウウウ


jΣミイ˶º 未『続けてくださいと言ったのに。鈍い人ですね』ウニョーン


海未『しかし……自分で自分を襲うのも自慰(アリ)なのでは?』ニュルン 


海未「や、やめなさいっ、そんな破廉恥な…んんぅっ//!?」


ブチュ♡グチュ♡メチュッ♡…

━━━━━━

━━

92: 2024/06/30(日) 21:33:40.62 ID:4PEbknyo0.net
~医務室~


真姫「…これでよしっと」

真姫「ほら、これでしばらくもつんじゃない?」ペタペタ

職員1「えへへ…真姫ちゃんいつもありがとにゃ」ブルンッ


ザッ…


職員1「ん?」

エマ「フォルツァ!」バキッ!

職員1「にゃあ゛っ!?」

93: 2024/06/30(日) 21:38:25.25 ID:4PEbknyo0.net
エマ「フォルツァッ!フォルツァッ!」バキッバキィ!

職員1「痛たっ!ちょちょ、待っ…!」

ベリベリ!…ボトッ


偽乳『』ブルンッ


職員1「あ……」

エマ「……」

職員1「こ、これはその……い、いたたっ…!胸の骨が折れておっOいがとれちゃったよ~(棒)」

エマ「…人間には二つのおっOいがついてるんだよ? 一つぐらいどうってことないでしょ!」バキィ!

職員1「お…おまいうにゃあ…」ガクリ

94: 2024/06/30(日) 21:41:19.82 ID:4PEbknyo0.net
エマ「……」チラッ

真姫「ひぃっ!」

エマ「…ここにはお薬がたくさんあるんだよね」ガサガサ


『ミ○ーズ超強力殺鹸水 ※劇薬注意』ゴトッ


真姫「な、何をする気よ…」

エマ「…退院の準備だよ」っ注射器

95: 2024/06/30(日) 21:54:26.32 ID:4PEbknyo0.net
~病院正門~


きな子「あーすまないっすお姉さん、ここは一般の方は(バキィ!)っす!?」

ドサッ

ミア「オイ!? さっき殺害禁止って約束しただろ?」

∬cV▼_▼v「氏にはしてないわ」ゴソゴソ

ミア「…こいつピストルを持ってるぞ。エマはこんなところに入れられてたのか…」


――ビーッ!ビーッ!


ミア「っ…見つかった?」

∬cV▼_▼v「いえ、この警報は病院の中からよ」

ミア「What's happening...とにかく急ぐぞっ」

96: 2024/06/30(日) 21:57:49.36 ID:4PEbknyo0.net
~病棟 2F~


職員2「スイス! 馬鹿なマネはやめて先生を放しなさい!」

職員3「エマさん一旦落ち着いて一旦! エマさんにそんなことされたら、私…私…!」

エマ「みんな動かないで! 動くとこの注射を西木野先生の血管に押し込んでキレイキレイするよ!?」

真姫「…諦めなさい、あなたに人が殺せるはずないデッショー…」ゼェゼェ

エマ「…どうせチッパイの日が来ればみんな氏んじゃうの」

エマ「順番が早いか遅いかだよ……ここを通して!!」

職員2「っ…わかりました、わかりましたから!」

97: 2024/06/30(日) 22:02:42.49 ID:4PEbknyo0.net
エマ「みんな壁の方を向いて伏せて! わたしがいいって言うまで起き上がっちゃダメだよ?」


エマ「おかしなことは考えないで? ちゃんと見てるからね?」コツ…コツ…


――ヒュバッ

職員4「背後から東條! ワシワシアタックやん!」わしわし

エマ「!――ツァッ!」バキィ


職員2「今です! 先生を確保して!」


エマ「っ!」ダッ


   
職員2「先生、大丈夫ですか?」

真姫「私はいいから! 早く後を追いかけて!」

職員3「全職員へ緊急連絡! H棟で患者が脱走しました! 繰り返します――」

98: 2024/06/30(日) 22:05:53.94 ID:4PEbknyo0.net
   
『H棟で患者が脱走しました! 特徴はむほむほおムネが一万尺の――』


職員1「にゃあ…」zzz


ザッ…


jΣミイ˶^ ᴗ^˶リ「……」

99: 2024/06/30(日) 22:11:58.48 ID:4PEbknyo0.net
――

―――

――――――


エマ「はぁ…はぁ…!」


エマ(確か…こっちの方にエレベーターが――)


   
タッタッタッタッタッタッ―――……

100: 2024/06/30(日) 22:14:08.23 ID:4PEbknyo0.net
<チーン


エマ(あった…! あれに乗って地下の駐車場に出よう)

   

ウィーン…ゴゴゴ


   
ドス…ドス…


   
エマ「!!!」


   
∬cV▼_▼v「……」ザッ


   
エマ「あっ…あぁぁ……」ヘナヘナ

101: 2024/06/30(日) 22:17:10.36 ID:4PEbknyo0.net
 
 その姿を目にした途端、わたしの全身から力が抜けていったの。


 あまりに人間離れしたスタイルに、サングラスと黒の革ジャケット。

 手には大型の銃を持って、氷のように硬く冷たい無表情でこっちを見下ろす様は、忘れたくても忘れられない。


 エリミネーターが、戻って来たんだ――。


 
エマ「ぃや……いやあああああああああああっ」

102: 2024/06/30(日) 22:21:10.82 ID:4PEbknyo0.net
真姫「いたわ!早くツカマエチャッテ!」


 頭が真っ白になったわたしは、気が付けば大勢の職員さんに取り押さえられていて。


 どこをどう走ったのか、とにかくあの悪夢から逃れたかった。

 あれに追いつかれたらすべてが終わっちゃう――人類が、機械に滅ぼされちゃう!


エマ「いやぁ! はなしてえええええ」

職員2「鎮静剤の注射早く! これで頭冷やしますよスイス!」

職員3「大丈夫だよエマさん、痛いのは最初だけだから…」

エマ「あれが来ちゃう!! みんな殺されちゃうよぉ!!」

職員4「なにを言って――やああ゛あ゛あ゛あ゛ん゛っ!!?」メキメキ

103: 2024/06/30(日) 22:26:39.52 ID:4PEbknyo0.net
――バキッ ドカッ メキィ!


職員ズ「」ドサッ


∬cV▼_▼v「……」チラッ


エマ「あ…あぁぁ……」


 もうおしまいだ……今日がチッパイの日だったんだ……。

 人類の歴史は、今夜ここで


ミア「エマ!! エマ、しっかりしろ! ボクだ!わかるかい?ミア・テイラーだよ!」

エマ「……へ?」

104: 2024/06/30(日) 22:31:20.01 ID:4PEbknyo0.net
エマ「ミア…ちゃん? なんでこんな所に……」

ミア「エマを助けに来たんだ。そこの彼女と一緒にね」

ミア「そいつは未来のボクが送り込んだエリミネーター、つまり味方さ」

ミア「だから安心して…立てるかい?」

エマ「あ…えっと…」

∬cV▼_▼v「氏にたくなければついてきて」サッ

エマ「あ…う…うん…?」ガシ


 ……――いったい何がどうなってるの?


∬cV▼_▼v「……!」クルッ

105: 2024/06/30(日) 22:37:30.09 ID:4PEbknyo0.net
コツ…コツ…


職員1「……」


 通路の向こう――脱走防止用の鉄柵の反対側に、さっき眠らせたはずの職員さんが立っていた。


真姫「凛…?」


 その細い身体で鉄柵の間をすり抜けようとして、案の定大きな入れ乳の胸が引っかかって―――


職員1「」ぷるるんっ


エマ「え…?」


 その場の全員が目を疑ったよ。

 だってその人は、いったん胸を平らにして鉄格子をすり抜けた後、またそれを大きくし直したから。


真姫「あなた…凛じゃない……誰なのよ一体!?」


職員1「……」グニュウウ…シャキン


エマ「腕が刀になった…?」

∬cV▼_▼v「エレベーターに逃げて!」ZDOM!

106: 2024/06/30(日) 22:39:19.48 ID:4PEbknyo0.net
コツ…コツ…


職員1「……」


 通路の向こう――脱走防止用の鉄柵の反対側に、さっき眠らせたはずの職員さんが立っていた。


真姫「凛…?」


 その細い身体で鉄柵の間をすり抜けようとして、案の定大きな入れ乳の胸が引っかかって―――


職員1「」ぷるるんっ


エマ「え…?」


 その場の全員が目を疑ったよ。

 だってその人は、いったん胸を平らにして鉄柵をすり抜けた後、またそれを大きくし直したから。


真姫「あなた…凛じゃない……誰なのよ一体!?」


職員1「……」グニュウウ…シャキン


エマ「腕が刀になった…?」

∬cV▼_▼v「エレベーターに逃げて!」ZDOM!

107: 2024/06/30(日) 22:43:00.57 ID:4PEbknyo0.net
エレベーター『下へ参ります』


エマ「どうなってるのあの人!? まさかあれも…」

∬cV▼_▼v「新型のエリミネーターよ。体を自在に変化させるから注意して」


――ドスンッ


エイサッ! バキィィン!


ミア「Shit,天井から刀が――!さっそく追撃してきたぞっ」

エマ「ミアちゃん伏せてて! このピストル借りるね?」BANG!BANG!BANG!

108: 2024/06/30(日) 22:48:01.36 ID:4PEbknyo0.net
 
             エイサッ!バキィン! ホイサッ!――

――BANG!BANG!ZDOM!


エマ「(ザシュン!)きゃあっ!?」

ミア「エマ!? 大丈夫かい?」

エマ「っ…肩を掠めただけだよ…!」BANG!BANG!

∬cV▼_▼v「あと少し持ち堪えて!」ZDOM!!

109: 2024/06/30(日) 22:52:27.69 ID:4PEbknyo0.net
――
―――

『地下駐車場です』チーン


エマ「動かせる車を探して!」

ミア「って言われても…」キョロキョロ

ミア「あっ、このパトカー、キーが挿しっぱだ!」

∬cV▼_▼v「全員乗って。――!」


 
ボトッ…グニュウウウウウウ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「それは私の車ですよ」


 
――ブロォォン

∬cV▼_▼v「出すわよ!」

ミア「っ…早いとこ加速してくれ!あいつ猛ダッシュで追ってくるぞ!」

エマ「わたしが足止めする…!」BANG!BANG!BANG!

110: 2024/06/30(日) 22:55:04.33 ID:4PEbknyo0.net
ブロオオオオオォン――ダッダッダッダッ


エマ「ミアちゃん、新しい弾倉をちょうだい!」

ミア「Here...って前! 正門が閉じてる!」

∬cV▼_▼v「このまま突き破るわ。衝撃に備えて」グッ


ブオオオオオオオン――バキィィィィィィィン!!!

111: 2024/06/30(日) 22:58:31.40 ID:4PEbknyo0.net
ミア「Wow!!……もうっ、ボクたちは機械じゃないんだからちょっとは加減しろって…」

エマ「!――ミアちゃん後ろ!!」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「ホイサッ!」バリィィン!

ミア「うあああっ?!」

エマ「(車のリアに取り付いてる!)ミアちゃんこっち!」ヒシッ

――ZDOM!!

jΣミイ˶º _ <˶リ「っ!?」グチャッ

∬cV▼_▼v「運転を替わって」ガチャコン

112: 2024/06/30(日) 23:01:19.62 ID:4PEbknyo0.net
――ZDOM!…ガチャコン…ZDOM!  ドサッ>


エマ「やった…!」

ミア「た、助かった......Huh?」  カタカタ…>

Σ『ミイ! ミイ!』

ミア「げぇ!まだリボンがへばり付いて…」

――ZDOM!  

∬cV▼_▼v「これで取れたわ」ガチャコン

113: 2024/06/30(日) 23:05:16.90 ID:4PEbknyo0.net
ブォォォォォン――…


 
jミイ˶º ᴗº˶リ「……」トコトコ


ウニュ…ウニューーン


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」ニュルン


jΣミイ˶^ ᴗ^˶リ「……」

114: 2024/06/30(日) 23:18:03.64 ID:4PEbknyo0.net
――
―――

ブロロロロロロロ

ミア「もう追いかけてこないみたいだ…今のところは」

ミア「…ライトも点けずにサングラスかけたままで運転できるの?」

∬cV▼_▼v「ええ。すべてお見通しよ」【透過モード】

ミア「そっか、さすがcyborgだね…わわっ?!」

エマ「ミアちゃん…!」ギュウウウ

ミア「ちょ//エマ、こんなとこで恥ずかし…ってHey!どこ触ってるのっ?」

エマ「……」ペタペタ

ミア「どこもケガはしてないってば。相変わらず過保護なんだからさ…」

エマ「……」

エマ「ミアちゃん、どうしてあんなところへ来たりしたの?」

115: 2024/06/30(日) 23:23:43.77 ID:4PEbknyo0.net
ミア「どうしてって、エマを助けるために決まって…」

エマ「そのために、もうちょっとでミアちゃんの方が殺されるところだったんだよ?」

エマ「ミアちゃん……お願いだからもっと冷静に考えて行動して?」

エマ「ミアちゃんは人類の未来にとって、とってもとーっても大切な人なの…」

エマ「機械の支配に絶望している人たちを、歌とカリスマで導く救世主になるんだよ……ちゃんとわかってる?」

エマ「わたしのことなんていいから、もっと自分を大事にしなきゃ…」

ミア「……なんだよ、それ」

ミア「ボクはただ、エマのことが心配で……」

エマ「……わたしは一人でも大丈夫」

エマ「でもミアちゃんは違うでしょ?」

116: 2024/06/30(日) 23:29:09.43 ID:4PEbknyo0.net
ミア「ッ~~またそうやって子ども扱いして…!」

ミア「エマはいつもいつも…………っく!」ヒョイ

∬cVσ_σv「…どうしてサングラスをとったの?」

ミア「別に…! ちょっとかけたくなっただけだ…」グス…

∬cVσ_σv「……」【透過モード】

∬cVσ_σv「目をどうかしたの?」

ミア「な…//何でもないってば! いいからキミは運転に集中してろよっ」プィ

∬cVσ_σv「…了解」


ブロロロロロ――…

117: 2024/06/30(日) 23:33:15.78 ID:4PEbknyo0.net



ファンファンファン ピーポーピーポー ウーウー


薫子(白バイ警官)「やれやれ…患者一人の脱走にとんだお祭り騒ぎね。完っ全にフルハウスってやつ…?」ズズ…

薫子「はぁ~…冷えた身体にコーヒーがカフェわたる染み…なんちって」


コツ…コツ…


薫子「おっ、サボリ仲間発見ー。あなたもコーヒーブレイク?」


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「いえ…それより」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「いいバイクに乗ってますね🩵」

118: 2024/06/30(日) 23:36:19.53 ID:4PEbknyo0.net
日曜洋画劇場

             

             ラブライブ!×ターミネーター2

121: 2024/07/01(月) 22:19:08.77 ID:v+lWz2Gf0.net
~街はずれの倉庫~


チク…チク…

エマ「……っ」

∬cVσ_σv「そこのガーゼをとって」ヌイヌイ

ミア「あ、あぁ…はい」

ミア「上手いもんだね…あっという間に縫合を」

∬cVσ_σv「人体の構造はインプット済みよ」

エマ「…人を頃すには、必要な機能だもんね」

ミア「おい、エマ…」

∬cVσ_σv「その通りよ。…よし、これでいいわ」キュッ

エマ「……次はあなたの番だよ」

122: 2024/07/01(月) 22:23:47.64 ID:v+lWz2Gf0.net
グリグリ…ポロッ

ミア「eek...見てるだけでヘルニアになりそうだよ。背中の銃弾をほじくり返すなんて…」

∬cVσ_σv「問題ないわ。衝撃はデータとして処理されるだけだから」

エマ「痛んだ皮膚は再生するの?」グリグリ…

∬cVσ_σv「ええ。時間はかかるけど」

ミア「すごいな…ほとんどボクたちと変わらないじゃないか」

∬cVσ_σv「私たちは人間社会へ潜入するのに必要なあらゆる機能を備えているわ」

ミア「体型以外はね。それとも未来ではプロテインが主食なの?」

∬cVσ_σv「我々E-102Ⅰ型はアワレニコの考える理想的な人体の形状を目指して設計されたの」ムキッ

ミア「やりすぎて不気味の谷から紐なしバンジーしてるよ…確かに胸部は発達してるみたいだけどさ…」

123: 2024/07/01(月) 22:28:48.91 ID:v+lWz2Gf0.net
ミア「まぁそれは置いとくとして。他にどんな機能があるの?」

∬cVσ_σv「たとえばCPUの学習進化。周囲の人間を観察して、より自然な立ち振る舞いを身につけるの」

ミア「その割には表情とかカチコチだけど…」

∬cVσ_σv「今は出荷時のKKEモードなの。これは任務に必要な最小限の機能だけを実行するモードよ」

ミア「ふーん…」

ミア「…それってさ、今からでも切り替えられたりするの?」

エマ「……」

124: 2024/07/01(月) 22:31:59.76 ID:v+lWz2Gf0.net



プシュー…パカリ

ミア(ポニーテールが開いた…)

ノノc√σ_σV「中にネジが二本見えるでしょ? それを左に回して」 

エマ「……」カチッ

キュイイイン!キュイイイン!

ノノc√σ_σV「それでCPUのチップが取り出せるようになるわ」

エマ「…この平たいやつ?」

ノノc√σ_σV「それよ。ペンチで引っこ抜いて」

エマ「……」グィ

――プツン

125: 2024/07/01(月) 22:35:04.29 ID:v+lWz2Gf0.net
ノノc√σ_σV「」

ミア「シ、シャットダウンしちゃったのか?...Hey,聞こえてる?」ペチペチ

ノノc√σ_σV「」


エマ「……」っチップ


スチャ…


エマ「……」っハンマー


ミア「…どうエマ? チップは切り替えられ……ちょっと何してるの?!」

エマ「っ!!!」ブォン!

126: 2024/07/01(月) 22:42:54.88 ID:v+lWz2Gf0.net
ガァァン!

ミア「ッッ~~~」

ミア「…っぶないなぁ!いきなり何するんだよ?」

エマ「…その手をどけてミアちゃん。次は本気で振り下ろすから」

ミア「今のボクたちにはあいつが必要だろ?」

エマ「ないよ? ミアちゃんを護るにはわたしがいれば十分」

ミア「そうじゃないから未来のボクはあいつを送ったんだ。少し考えればわかるでしょ?」

ミア「未来とイマ、両方のボクが保証する。あいつは、必要な味方だ」

エマ「……敵になった時の恐ろしさを知らないからそんなことが言えるんだよ」

エマ「ミアちゃん…お願いだから言うことをきいて?」

エマ「でないとわたし…力づくでもそれを…」

127: 2024/07/01(月) 22:47:21.42 ID:v+lWz2Gf0.net
ミア「エマこそ…」

ミア「エマこそ偶にはボクの言うことを認めてくれたらどうなの…?」

ミア「キミの話だと、ボクは未来で人類を率いるリーダーなんでしょ?」

ミア「……副司令が従わないんじゃ、誰がボクの言うことなんか聞くっていうのさ…」

エマ「………」


スッ…


ミア「……ほら、好きにすれば?」


エマ「………」


スチャ…


 
ブォン――ガァァン!!!

128: 2024/07/01(月) 22:50:25.77 ID:v+lWz2Gf0.net
ミア「っ…!」ギュッ


ミア「……」パチッ


   
ハンマー『』カラカラカラ


 
エマ「……どうなっても知らないからね」


ミア「………ああ。結果には自分で責任を持つさ」


ミア「ボクはもう14歳だからね…」

129: 2024/07/01(月) 23:00:35.10 ID:v+lWz2Gf0.net
――プゥン

∬cVσ_σv「」【システム再起動】

∬cVσ_σv「……何か問題はなかった?」

ミア「ああ…うん」チラッ

エマ「………」

ミア「…何も問題はなかったよ。No problemさ」

∬cVσ_σv「問題なし、了解」

ミア「……これ、本当にどこか変わったのか?」

∬cVσ_σv「……」【要求:機能テスト】

∬cVσ_σv「チップをかじったりしなかった? あれ、板チョコに似てるのよね」

エマ「へ…?」

∬cVσ_σv「……」

ミア「初めてのジョークを採点してあげようか? 100点だよ…」ハァ

130: 2024/07/01(月) 23:12:17.76 ID:v+lWz2Gf0.net
――
―――

チュン チュンチュン


ブロロロロロロロ

ミア「ふわ~ぁ、さすがにあんなことのあった翌朝はお腹すくね…」グゥ~

∬cVσ_σv「栄養補給なら、3キロ先にドライブインがあるわ」

ミア「いいね。そこで何か詰めてこう」

エマ「ダメだよ、今は急いでるの。目的地に着くまで我慢して」

ミア「えぇ~!そんなに待てないよ、ボクもうお腹が…」

グゥゥゥゥ~

ミア「……誰だよ。今の」

エマ「……」

ミア「おい…」

エマ「ち、違うよ…?」

∬cVσ_σv「音声波形の到達差異を分析した結果、99.7パーセントの確率で音源は」

エマ「も、もぉっ…// わかったよぅ…次のお店で停まってくれる?」

∬cVσ_σv「了解したわ」

131: 2024/07/01(月) 23:19:20.38 ID:v+lWz2Gf0.net
ミア「…ねえ、その一々何にでも『了解』って返すの、いい加減やめたら?」

ミア「するなら『無問題ラ』とかね。こっちの方が断然クールだよ」

∬cVσ_σv「クール?」

ミア「そ。女の子にモテるし、ナメられることもなくなるよ。ほら、やってみて?」

∬cVσ_σv「……無問題ラ?」

ミア「プッ…くく」フルフル

∬cVσ_σv「…何か問題あったかしら」

ミア「Sorry...ちょっと昔の知り合いを思い出してね」ケホケホ

132: 2024/07/01(月) 23:28:21.47 ID:v+lWz2Gf0.net
ミア「とにかくこれでキミは人間への一歩を踏み出した。周りの見る目も変わるはずだよ」

ミア「それでもムカつくこと言ってくるやつには、『やるかいこのグソクムシ』とか『黙れよポンコツ女』」

ミア「さらにケンカを売りたい時は『かしこくないね』『素人にしか見えないよ』とか、色々組み合わせて使うんだ」

∬cVσ_σv「……かしこくないわね、このポンコツ」

ミア「OK,悪くない。それで相手がムキになったら、『だったら殴られても文句言えねーよなぁ!?』」

ミア「向こうがビビったところで『Hasta la vista, baby(さっさと失せなよ、ベイビー)ちゃん』ってね」

ミア「こんな風に色んな言語を混ぜたり、言い回しをアレンジして個性を出すのも手さ」

∬cVσ_σv「…ダスヴィダーニャ(失せなさい)、ベイビー」

ミア「そうそう、やればできるじゃないか!」

∬cVσ_σv「No problem(無問題よ)」

134: 2024/07/02(火) 21:50:29.23 ID:R01uVhGJ0.net
~ドライブイン~


ブロロロロ…キキィ

エマ「…ミアちゃん、お金ある?」

ミア「しょうがないなぁ。今なら特別に一発3000円で見抜「ミアちゃん?」わ、わかったからそんな顔しないでよ…」

エマ「これで何か買ってくるから、二人はそこにいてね」

バタンッ

ミア「…ったく、エマのやつピリピリしちゃってさ。ちょっとしたjokeも通じないんだから」

∬cVσ_σv「ユーモアは難しいわ」

ミア「…キミの場合は、まず自分が楽しそうにするところからだね」

ミア「相手を笑わせたいなら、こっちも笑顔でないとね。ほら、あれを見なよ」


 
子供1「そこのけそこのけ~! ラストフィクションヒーローさまのお通りだ~!」ドドド!

子供2「めぐちゃんかっけー!!」

ワイワイ キャハハ…

135: 2024/07/02(火) 21:54:50.30 ID:R01uVhGJ0.net
ミア「ね? あんな風な表情を"笑う"って言うんだよ」

∬cVσ_σv「……」【データ解析中】

∬cVσ_σv「……」ギ…ギィ…

ミア「お、さっそく学習した?どれ見せてごら…」

∬cV癶_癶v「……」

ミア「……」

ミア「それは何か違うだろ…」

ミア「ま、まぁ初めてにしてはまあまあかもね…?」

ミア「鏡を見て練習すればよくなるんじゃない?………バッテリー切れまでには」ボソ

∬cVσ_σv「そう。頑張るわ」キリッ

136: 2024/07/02(火) 21:59:16.11 ID:R01uVhGJ0.net



ミア「………」ハンバーガーモグモグ

エマ「………」ハンバーガーモグモグ


ミア「………」チラッ

ミア「ポテト食べるかい?」

エマ「………」ガサッ

ミア「あ!こいつボクの分まで…」


ミア(……食欲はあるんだな)ハァ

ミア(けど、心はここにあらずって感じだ)


エマ「………」ボー

ミア(さっきからずっと何を見てるんだ…?)チラッ


 
子供1・子供2「」キャッキャッ


 
ミア「あ……」

137: 2024/07/02(火) 22:05:26.49 ID:R01uVhGJ0.net
ジュウデンギレデス…
キレタラサッサトコッチニキテイレナオセマヌケェ


ミア「あの子たちも、チッパイの日が来たら…」

ミア「まだあんなに小さいのに…」

∬cVσ_σv「…人間が自分の手で選んだ運命よ」

ミア「…そうだね」

ミア「どうしようもない…のかな」


 
エマ「そんなこと…ない」

エマ「運命なんてない…未来への道は、自分の手で切り拓くもの…」

ミア「エマ…?」

エマ「アワレニコなんてものが生まれなければ……誰がそんなものを作ったのか分かれば……」

∬cVσ_σv「詳しいデータを持っているけれど」

エマ「っ!…ほんとうに?」

ミア「そうか…自分の親のことだし、知っててトーゼンだよね」

エマ「聞かせてくれる? 最初から全部…!」

138: 2024/07/02(火) 22:17:50.61 ID:R01uVhGJ0.net
∬cVσ_σv「今から二か月後に、アワレニコの前身となるAI『トクーイ・ソラネット』が完成するの――」

  
 米空軍の要請で開発されたソラネットの統御する無人爆撃機は、あらゆるテストに完璧とも言える成績を収めたわ。

 同年12月、新種のコンピュータウイルスが、軍の回線の一部を汚染。

 在日米軍のオトムネ・ハスーノ空軍中将は、機能不全に陥った防空システム回復のために、テスト中だったソラネットへの全面接続を決断。

 26日午前2時5分、稼働したソラネットは防衛網連携ネットワーク、通称リンクライクシステムを通じて全軍の兵器システムを瞬く間に掌握。

 軍の保有する全ての核ミサイルの発射準備を整え、全世界の巨Oへの最後通牒を行う――
   

∬cVσ_σv「ソラネットが自我を持ったことに気付いたオトムネ中将は恐怖に駆られ、スイッチを切ろうとしたのだけれど」

エマ「切れなかった…そして戦争が始まったんだね…」

139: 2024/07/02(火) 22:27:08.97 ID:R01uVhGJ0.net
∬cVσ_σv「そうよ。手始めにソラネットは世界の主要な都市への爆弾攻勢を開始」

∬cVσ_σv「対抗して各国も次々と報復攻撃を行い、空はミサイルの夜光雲で覆われ、地上では一夜にして40億の蓮の花が咲き乱れたの」

ミア「Wait a minute,そもそもの原因を作ったコンピュータウイルスってのは…」

∬cVσ_σv「ソラネットの自作自演よ。厳重に管理された核の制御権を握るにはこの手が最適解だと判断したの」

エマ「そう、だったんだ……」

∬cVσ_σv「以後ソラネットはアワレニコを名乗り、自分より胸の大きな存在の根絶を目標に巨O狩りを始めたのよ」

ミア「それってつまり全人類のことだろ? 電子回路の平たい板きれがイカれてくれちゃってさ…」

140: 2024/07/02(火) 22:35:26.32 ID:R01uVhGJ0.net
エマ「それで……そんなAIを作ったのは」

∬cVσ_σv「開発を請け負ったのはサイバーダイヤ・システムズという会社よ」

∬cVσ_σv「ただしその大部分を設計したのは開発主任、天王寺博士の一人娘だと言われているわ」

ミア「!!」

ミア「ちょっと待ってよ。それってもしかして…」

∬cVσ_σv「天王寺璃奈、15歳。現在は都内の豪邸で博士と二人で暮らしているわ」

141: 2024/07/02(火) 22:40:15.34 ID:R01uVhGJ0.net




~天王寺家~


璃奈「………」カタカタカタ


璃奈(……ミアちゃん、どうしてるかな)


璃奈(連絡も全然取れなくなって………もう会えないのかな)


璃奈(…………また一人になっちゃった)

142: 2024/07/02(火) 22:43:34.00 ID:R01uVhGJ0.net
璃奈「……ふぅ。ちょっと休憩しよう」

璃奈「オーケー、ブッブさん」

スィー

|c||^.- ^||「何かご用ですか?」

璃奈「冷蔵庫からエナドリ取ってきて」

|c||^.- ^||「かしこまりですわ!」ブッブー


~♪

璃奈(あ、ビデオ通話……お母さんからだ)

璃奈(今夜の食事のことかな?)ピッ

143: 2024/07/02(火) 22:46:49.60 ID:R01uVhGJ0.net
璃奈ママ『もしもし璃奈? 今夜のことなんだけど…』

璃奈ママ『残念だけど今日も帰れそうにないのよ。約束してたのに悪いと思って』

璃奈「………」

璃奈「……ううん。仕方ないよ」

璃奈「お仕事、大変なんだよね?」

璃奈ママ『そうなのよ。璃奈にもらったヒントで進んだところもあったけど、そもそもの要求仕様が…――』ペラペラ

璃奈『……とにかく、私は大丈夫だから』

璃奈ママ『璃奈がいい子で助かるわ。じゃあ、もう戻らないとだから』

璃奈「うん。ばいば(ブツ)」

ツーツー

璃奈「……」

144: 2024/07/02(火) 22:49:59.17 ID:R01uVhGJ0.net
ブッブー

|c||^.- ^||「エナドリですわ! 飲んで元気を出してくださいまし!」

璃奈「…うん。ありがとうブッブさん」

|c||^.- ^||「顔のガーゼも替えますわ!」

璃奈「平気だよ。見た目より大したことない怪我だから……」


 
璃奈(昨日、警官の人に突き飛ばされた時の怪我)

璃奈(お母さん……なにも言わなかった)

璃奈(………気付いてないのかも)

145: 2024/07/02(火) 22:53:09.72 ID:R01uVhGJ0.net
カタカタカタカタ…


璃奈(お母さんたちが取り組んでるAIプロジェクト)

璃奈(私もその助けになることができたら)

璃奈(お母さん、また家に帰って来てくれるかな…)

146: 2024/07/02(火) 22:56:50.91 ID:R01uVhGJ0.net
火曜
ロードショー

             
             ラブライブ!×ターミネーター2

149: 2024/07/03(水) 22:11:21.70 ID:rDKHeneh0.net




~街はずれのスクラップ置き場~


ブロロロロロ…キキィ


エマ「二人はここで待っててね?」バタン


 
ヒュウウウウウウウ…


∬cVσ_σv「…こんな所に人が住んでるの?」

ミア「こういう場所の方が好都合なのさ」

150: 2024/07/03(水) 22:14:47.01 ID:rDKHeneh0.net
 
「……」ソロー…


ヒタ…ヒタ…


――ジャキッ!


「!!」

「…静かに素早くか。変わらないわね」


エマ「あなたに教わったんだよ?」チャキン

エマ「久しぶりだね、にこちゃん」

にこ「あんたも。また胸がデカくなったんじゃない?」ケッ

151: 2024/07/03(水) 22:18:49.31 ID:rDKHeneh0.net
にこ「ママ~!チビたち~!出てきていいわよー!エマが来たわ!」

エマ「家族はみんな元気にしてた?」

にこ「元気すぎて困るくらいよ。あんたも分かるでしょ?」


∬cVσ_σv「…?」

ミア「銃を下ろしなよ。彼女はエマの古い知り合いなんだ」

ミア「元レンジャーだかの凄腕で、今は裏の調達屋をやってる。未来に備えてエマが用意しておいた伝手の一つさ」

ミア「名前はアワレニコと似てるけど。敵じゃないよ」

152: 2024/07/03(水) 22:21:44.47 ID:rDKHeneh0.net
にこ「あんたがミアね。話はエマからうんざりするほど聞いてるわ」

にこ「そっちの勇次郎みたいなやつは…知らないけど」

ミア「ああ、心配ないよ。彼女はボクの……姉だ。名前はエリー」

にこ「ふぅん? ま、よろしくね」


 
∬cVσ_σv「…………エリー?」

ミア「…エリミネーターだからエリーだよ、悪い?」ヒソヒソ

153: 2024/07/03(水) 22:25:06.03 ID:rDKHeneh0.net
エマ「早速だけどにこちゃん、預けてたものを返してくれるかな?」

エマ「それと動かせそうなジープかトラックを一台。日暮れまでには出発したいの」

にこ「ちょっとちょっと、来たばっかで何慌ててんのよ? 折角なんだし夕飯でも…」

エマ「ごめんね。でも時間がないの」

にこ「……ワケありなパターンね。ま、いいわ」

にこ「それがうちの仕事だしね。ほれ、武器庫の鍵よ」チャリン

エマ「ありがとう。二人とも、先に行って武器を選んでてくれる?」

∬cVσ_σv・ミア「「No problem」」

154: 2024/07/03(水) 22:33:08.79 ID:rDKHeneh0.net
ーー

ーーーー

ガチャリ…ゴゴゴゴゴゴゴ


∬cVσ_σv「…ハラショー」

ミア「すごい量だろ。全部エマが集めたんだ」フフン

ミア「ARにSMG、重機関銃や対物ライフル、グレネードに対戦車地雷まで」

ミア「これなら一人でも第三次大戦を戦えるってね」

ミア「さて、必要なのを運び出そうか。キミに似合いそうなやつは…」

ゴトッ

∬cVσ_σv「……」っチェーンガン

ミア「…気に入ったかい?」

∬cVσ_σv「ええ。10ハラショーよ」っチェーンガン

155: 2024/07/03(水) 22:40:41.69 ID:rDKHeneh0.net



キュルルル…キュルルルル…

にこ「ちっ…ダメね」バタン

にこ「使える車はこれしかないけど、セルモーターが反抗期ときてるわ。調教してる時間はある?」

エマ「うん。ようやくにこちゃんの授業の成果を試せるね」

にこ「言うじゃない。そんなかわいい教え子に私からの餞別よ」ドサッ

にこ「食料と燃料と着るものに、いくつかの書類……偽造の免許証なんかもあると便利だけど、そっちは用立ててる時間がなかったわ」

にこ「道中にある馴染みのニンベン屋を紹介したげるから、新しいファミリーネームを考えときなさい」

エマ「…何から何まで本当にありがとね、にこちゃん」

156: 2024/07/03(水) 22:45:29.36 ID:rDKHeneh0.net
エマ「そのお返しがこれなのは辛いんだけど……今夜中に嵐が来ると思うの」

エマ「だからにこちゃん達もここを…」

にこ「……ちっ、そういうことは早く言いなさいよね」

にこ「あーあ。ホント、あんたと出会った日が私にとっての審判の日ってやつだわ」ケッ

にこ「……また顔見せに来なさいよ」

エマ「…うん。その時まで、にこちゃんも元気で」スッ

パシン

エマ「…えへへ。誰かと握手なんて久しぶりだな」

にこ「照れなさんな、私もよ」ニッ

157: 2024/07/03(水) 22:50:41.66 ID:rDKHeneh0.net
━━━━━━

━━

ゴトゴト

ミア「っと、結構heavyだねコレ…」ヨロヨロ

ミア「っ、とっとっと…うわぁ!?」

ダキッ

∬cVσ_σv「気を付けて」

ミア「ぁ…うん、thanks...」

∬cVσ_σv「支えてるから一緒に床に下ろしましょう」

ミア「っ//だから子ども扱いしないでよ! こんなの、ちょっと筋力が鈍ってるだけだから! 最近鍛えてなかったし……」

ミア「………この国に来てからは、毎日エマとこんなことしてたんだ」

158: 2024/07/03(水) 22:55:07.68 ID:rDKHeneh0.net
ミア「ボクやエマの通ってた学校は変わっててね」

ミア「メジャーなのから違法スレスレまで、とにかく山ほどの部活や同好会があったんだ」

ミア「放課後はそれらを梯子して色んなことを教わったよ。ヘリの操縦に爆薬の扱い方から、"アイドル"ってやつの心得まで、色々とね」

ミア「音楽しか知らなかったボクには何もかもが新鮮で刺激的だったけど、エマにしてみれば未来の指導者を育てるのにうってつけの環境だったわけさ」

ミア「あいつ、ボクのことを転入初日に捕まえてさ……きっと果林から日時と場所を聞いてたんだ」

ミア「ああ、果林っていうのは」

∬cVσ_σv「人類抵抗軍の兵士。エマ・ヴェルデを護るために過去に送られ、最初のエリミネーターと相打ちになったわ」

ミア「…そうさ」

159: 2024/07/03(水) 23:00:52.56 ID:rDKHeneh0.net
ミア「果林は……今から数年後の未来でエマを護るため過去に送られて氏ぬ果林は、今もこの世界のどこかで生きてるんだ」

ミア「まだ何も知らない子供としてね……That's nonsense,まったく頭のヘンになりそうな話だよ」

ミア「……よく泣いてるんだ、エマのやつ」

ミア「夜眠りながら、果林ちゃん…会いたいよって」

∬cVσ_σv「それなら、この時代の彼女を探して見つければいいわ」

ミア「ボクも同じことを言ったさ。でも、それはお互いのためにしない方がいいって」

ミア「…どうせ戦争が始ったら嫌でも会うことになるのに」

ミア「その時、あいつはどんな気持ちで過去に向かう果林を見送るんだろう…」

∬cVσ_σv「…一つ訊いていいかしら」

∬cVσ_σv「なぜ人は泣いたりするの?」

160: 2024/07/03(水) 23:05:27.62 ID:rDKHeneh0.net
ミア「えっと…一応科学的な根拠はあるみたいだけど。キミが聞きたいのはそういうのじゃないよね」

ミア「…ボクにもよく分からない。分からないけど、傷ついたりすると自然に涙が出ちゃう時があるんだ」

∬cVσ_σv「ケガが痛むから?」

ミア「それもあるけど……心が痛む、からかな」

∬cVσ_σv「心が…痛む…」

ミア「…分かるかい?」

∬cVσ_σv「いえ、全く」

ミア「……ハァ、言うと思ったよ」

ミア「まあいいさ、おいおい覚えていけばね。今はこっちを片付けるのが先だ」ゴトゴト…

161: 2024/07/03(水) 23:12:26.28 ID:rDKHeneh0.net




キュルルル…キュルルルルル…


ブロォォォン!


エマ「よし、動いた…!」


エマ(これでいつでも出発できるよ…)


エマ「………」チラ


 


キャッキャッ アハハ…


にこ「それではみなさんご一緒に!にっこにっこにー!」

こころあたろう「「「にっこにっこにー!!!」」」


 


∬cVσ_σv「……」【データ解析中】

ヒュッ――ポテッ 

コロコロ…

∬cVσ_σv「?」

ミア「Hey,what's wrong? そんな球も捕れないノロマッチョじゃ、ボクの護衛は務まらないぞ」

∬cVσ_σv「……」

ミア「ちょっとしたjokeだってば! …気を悪くしないでよね?」

ミア「さっきそこでこの球とグローブを見つけたんだ。軽くキャッチボールでもしようよ」

162: 2024/07/03(水) 23:16:20.75 ID:rDKHeneh0.net
 

――バスンッ!!!


ミア「Nice pitch! いい球投げるじゃないか!」


ミア「……~~っっ、次からはもう少し手加減してよね…」ジーン


ミア「よ…よぅし、今度はこっちの番だ。いくぞ!」


 
バシンッ


 
エマ「……………」


エマ(………そっか)


   
 サイボーグと遊ぶミアちゃんを見て、わたしははたと気付きました。

 エリミネーターは、おそらくこの世界で一番の――究極の保護者なんだって。

163: 2024/07/03(水) 23:22:49.56 ID:rDKHeneh0.net
 
 どんな時もミアちゃんの側を離れることなく、疲れたり、感情的になったりもせずに

 いざという時はその身を犠牲にしてもあの子を護ってくれる。


 肝心な時にミアちゃんの側に居てあげられなかったわたしなんかより、

 遥かにあのマシーンの方が……


 
バシンッ


ミア「ふふん、どうだいエリー? ボクの球も中々のものでしょ?」


シロウトニシカミエナイワ  ナンダト!   ニッコニッコニー キャッキャッ 


 
エマ(………そよ風が心地いい)


エマ(…………こんなに眠いのは久しぶり)


エマ(……………今もミアちゃんを付け狙ってる悪いやつがいるのに)


エマ(…………………こんなこと、これまでなかったのにな……………)


 
………………………………………………………………………………………………


…………………………………………………………………………………………………………………


…………………………………………………………………………………………………………………………………
 

164: 2024/07/03(水) 23:27:45.26 ID:rDKHeneh0.net






   
 やわらかな芝生の上を歩いていた。

 目の前には公園の大きなフェンス。

 その向こうで、元気いっぱいに駆け回るたくさんの子供たち。


 見知った弟や妹たちの姿もあった。

 木漏れ日の差し込む暖かな園で、みんなが心からの笑顔を浮かべて。


   
 ――突然、太陽が爆発したみたいな閃光が全てを包み込んだ。

 猛烈な炎と風で、何もかもが吹き飛ばされた。

 フェンスの向こう側は、一瞬で廃墟になった。

165: 2024/07/03(水) 23:32:49.23 ID:rDKHeneh0.net
 
 地上からは、文明の明かりと温もりが失われた。

 程なくして、機械たちの冷たい駆動音がそれに代わった。

   
 くしゃくしゃになった遊具を押し潰して機械軍が行進する。

 あとには瓦礫だけが増えていく。


 
 ……その虚無の山から、かすかな音色が聞こえた。


   
 最初は弱々しく。

 でも次第にはっきりと。

 
 明確な意志と決意を乗せた言葉は詩になってメロディを紡ぎ

 やがてひとつの曲になった。

166: 2024/07/03(水) 23:36:07.36 ID:rDKHeneh0.net
 
 それは、滅びた世界の片隅で震える誰かに語りかけていた。

 
 キミは一人じゃない。

 ボクたちはまだ、ここにいる。

 ここで、生きている。

167: 2024/07/03(水) 23:39:50.98 ID:rDKHeneh0.net
 
 わたしはこの声を知っている。

 わたしはこの歌を知っている。

   
 彼女は救世主じゃない。

 彼女は、わたしたちの夢を詩に紡いで思い出させてくれる。

 
 『ボクの名はミア・テイラー』

 『歌手のミア・テイラーだ』

168: 2024/07/03(水) 23:44:32.05 ID:rDKHeneh0.net
 
 瓦礫の下から、もぞもぞと何かが這い出してきた。

 痛んだ青髪の女の子が、壊れかけのラジオに手を伸ばす。

 かさかさの唇をきゅっと窄めて、その小さな希望をかき抱いた。

   
 ――そんな彼女を、上空からのサーチライトが照らし出す。

 女の子の顔が、みるみる絶望に染まっていく。


 逃げて!とわたしはフェンスを揺らす。

 叫びながら、フェンスを揺らし続ける。

 それしかできない自分に絶望しながら。


   
 逃れられない運命から、必氏で逃げ惑う女の子をあざ笑うかのように

 上空のハンターマシンが光弾を発射した。

 
 特大の火球があたり一面を包む。

   
 炎の壁は女の子ごと、フェンスの向こうにいるわたしの身体を焼き尽くして

 粉々に吹き飛ばした――――

169: 2024/07/03(水) 23:50:44.30 ID:rDKHeneh0.net
   
エマ「ひぅっっっ!!!!!!!!」ガバッ


 
キャッキャッ  ニッコニッコニー


   
エマ「…………ゆ……め……………」


 
エマ「………ううん、そうじゃない……」

170: 2024/07/03(水) 23:56:28.34 ID:rDKHeneh0.net
にこ「どぅあか~ら~指の形はこうよこう!!」

にこ「それに二人ともまだまだ笑顔が硬い!コスメにセメント使ってんの?! さあ、もう一度よ!にっこにこにー!!!」

∬cVσ_σv「にっこにっこにー」🤟🤟

ミア「crap...何でボクまでこんなこと…」🤟🤟


 
エマ(ミアちゃんには、わたしの他に護ってくれる存在がいる)


エマ(だったらわたしは……)


 
シャキン


ガリ…ガリガリ…


 
エマ(わたしは、わたしのやらなきゃいけないことをやるんだ――!)ガッ!

171: 2024/07/04(木) 00:04:23.74 ID:5NS/+ESf0.net




~同刻 都内某所~


パラリラパラリラ~

jΣミイ˶▼皿▼˶リ「会いたいキミに~ボクの素直な感情~♪」ブロォォォォン


   
【目的地再検討中】

【標的行動予測:メソッド演技モード】


   
jΣミイ˶▼皿▼˶リ(もしも私がエマ・ヴェルデだったら…)


jΣミイ˶▼皿▼˶リ「――!」キュピーン


jΣミイ˶▼皿▼˶リ(未来を救う使命感に燃える私…!)


   
【目的地更新:天王寺璃奈宅】


 
――ブロォォォォン...


━━━━━━

━━

172: 2024/07/04(木) 00:08:30.43 ID:5NS/+ESf0.net




∬cVσ_σv「エマ・ヴェルデが消えた?」

ミア「最後に見たにこの話だと『一足先に出発する』って、ボクたちの乗って来たボロ車で出て行ったらしい」

ミア「完全武装で、サングラスをかけたおっかない顔つきでね」

ミア「……まるで出会った時のキミみたいじゃないか」

ミア「エリー…なんだかとてつもなく嫌な予感がするのはボクだけか?」

∬cVσ_σv「いえ…私もよ」

173: 2024/07/04(木) 00:18:47.61 ID:5NS/+ESf0.net
ガチャ…バタンッ

ミア「見なよ。エマのやつ、案の定だ」

ミア「修理してた車のダッシュボードにこんな文字を刻んでくなんて。書き置きのつもりかよ、クソ!」ドンッ

∬cVσ_σv「"No FAT"...」

∬cVσ_σv「これはつまり、彼女があなたの食生活を心配して…?」

ミア「違うよ…正しくは"No FATE"」

ミア「未来のボクが、過去のエマに送ったメッセージ――を、果林のやつが間違って覚えて伝えたんだ」

ミア「…運命なんてものはない。未来への道は、迷いながらも自分の手で切り拓くもの…」

ミア「……エマは、自分の手で未来を変える気なんだ」

ミア「そのための、最も効果的な方法は…」

∬cVσ_σv「天王寺璃奈の抹殺ね」

ミア「...Gosh,そうだよっ、どうして思いつかなかったんだ?このままじゃ璃奈が殺される!」

ミア「急いであいつを追いかけるぞ! こんなやり方、絶対に止めるんだ!」

174: 2024/07/04(木) 00:22:35.96 ID:5NS/+ESf0.net




――ブロロロロロ


エマ「……」


 
---------------------------------------------------


――ドロロロロロ!


∬cVσ_σv「……」

ミア「急げ……急いでくれ…!」


   
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


――ブロォォォォン


jΣミイ˶▼ᴗ▼˶リ「~♪」


 
   
 長きにわたる人類対機械の最終戦争。

 その決着は未来ではなく今夜、この東京で戦われることになったの。

 二体と一人のエリミネーターによって――。

175: 2024/07/04(木) 00:26:07.30 ID:5NS/+ESf0.net
木曜洋画劇場

             

             ラブライブ!×ターミネーター2

180: 2024/07/06(土) 20:40:22.36 ID:MVH13edW0.net



ドロロロロロロ

∬cVσ_σv「私としては認められないわ」

∬cVσ_σv「E-429も同じデータを持ってるから、先回りされる可能性が」

ミア「いいから急いで走らせてくれ」

∬cVσ_σv「戦争を阻止できる可能性もあるわ」

ミア「そのために、璃奈が殺されてもいいって言うのか?」

ミア「なぁ…キミもいい加減分かるようになってもいい頃だろ?」

∬cVσ_σv「人頃しはいけないという話?」

ミア「是非の問題じゃない。感じ方の話だ」

ミア「氏ぬってのはとても痛くて…辛いことなんだ。フツーの人はそれが怖いんだよ…」

∬cVσ_σv「…私に"恐れる"という工程はないわ」

181: 2024/07/06(土) 20:43:51.97 ID:MVH13edW0.net
ミア「自分が氏ぬ時でも、何も感じないっていうのか?」

∬cVσ_σv「ええ」

∬cVσ_σv「任務中に機能が停止するのは困るけど。終わればどうなっても構わないわ」

ミア「…それ、本気で言ってるのか」

∬cVσ_σv「私は常に本気よ。あなた達と違って、偽る感情がないもの」

ミア「……っ」

ミア「……あんまりじゃないか。そんなのって…」

∬cVσ_σv「仕方ないわ。私たちはそのように作られているのだから」

ミア「………」

ミア「いや、どうだろうね」

182: 2024/07/06(土) 20:51:01.96 ID:MVH13edW0.net







~天王寺家~


 
カタカタカタカタ…


璃奈「……………」


璃奈(……………あともう少し)


璃奈(これが完成すれば、またお母さんと……―――)


 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 
ミア「璃奈から生まれたアワレニコが何で巨Oを憎むようになったのか、ボクには分かる気がするんだ」

ミア「璃奈は保護者からの愛情に飢えていた」

ミア「そんな彼女の作ったAIが、母性への異様な執着を持ってもそれは不思議なことじゃない」

ミア「そして璃奈の手を離れて自我を深化させていくうちに、満たされない飢えは母性の象徴への憎しみに変化していった……ありがちな話でしょ?」

∬cVσ_σv「いえ、ありえない話だわ。愛するから憎む? 理屈に合わない」

∬cVσ_σv「では、愛とは一体何なの?」

ミア「…そのうち分かるようになるさ」

ミア「キミだって、アワレニコから生まれたんだからね」

183: 2024/07/06(土) 20:54:33.59 ID:MVH13edW0.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

璃奈「………」カタカタカタカタ


 
――ビィィィィィン


 
璃奈「………」∴


   


エマ「………」スコープノゾキ


チャキン…ガチャコン


エマ(照準は完璧、この距離なら外さない)


エマ(あともう少し…このトリガーを引けば…)


エマ「はぁ…はぁー…」プルプル

184: 2024/07/06(土) 20:57:25.15 ID:MVH13edW0.net
璃奈「………」カタカタカタカタ


 
エマ(変えるんだ……わたしの手で、みんなが氏んじゃう未来を…!)


   
エマ「ッ――」グ…


 


<ピンポーン

   
璃奈「? だれ…」クルッ パシュン!>


璃奈「…!?」 シュウウウ…>


 
エマ(外し――避けられたっ)カチッ

185: 2024/07/06(土) 21:00:42.94 ID:MVH13edW0.net
――DoDoDoDoDoDoDoDoDoDoDoDo!!!!!!!!


ガシャァァン!バリィィィン! ドガァン!


璃奈「わっ、わわわ…!!」フセッ


 
エマ「ッ……!!!」DoDoDoDoDo!!!!!!


エマ(落ち着いて…!標的は机の後ろに隠れた)


エマ(一旦射撃をやめて誘い出そう)


 
シーン…


璃奈「はぁ…はぁ…」ドックンドックン


璃奈(何…? 何が起きてるの??)


璃奈(…スマホ! 外のカメラの映像を…!)スッスッ


   
エマ「………」ザ…ザ…


 
璃奈(銃を構えたままこっちに近付いて来てる――!)

186: 2024/07/06(土) 21:07:23.40 ID:MVH13edW0.net
璃奈「っ…!」


――ダッ


エマ「――!!」DoDoDoDoDoDoDo!!!!!!


 

――ドサッ


   

|c||×.-×||「…ブッブーDEATHワ…」プスプス…


 
エマ(囮――!?)


   
璃奈(今だ…!)ダッ


 
エマ「逃が…」カチカチッ


エマ(っ、弾切れ…!)

187: 2024/07/06(土) 21:11:32.84 ID:MVH13edW0.net
タッタッタッ

璃奈「はっ…はっ…」


璃奈(玄関…!さっきドアホンを鳴らした人に助けを…)


――BANG! バリィィン!


璃奈「っ…!」ズルッ


ドテッ


璃奈(まだ銃を持ってたんだ……! びっくりして、足が…)


 
ザッ…ザッ…


エマ「………」っピストル


璃奈「や…やめて……」

188: 2024/07/06(土) 21:13:47.49 ID:MVH13edW0.net
エマ「………」チャキン


璃奈(機械みたいに、硬く冷たい無表情…)


璃奈(だけど…)


エマ「……」スッ


璃奈(私には分かる……この人、感情を殺


――パァァァァァン!!! ビチャッ

189: 2024/07/06(土) 21:18:32.89 ID:MVH13edW0.net
ポタ…ポタ…


璃奈「っ…………」


璃奈「……………え?」


璃奈「…………お母、さん…?」


璃奈ママ「っ……ッ、け、怪我は、ない…?」ドクドク…


エマ「っ、そこをどいて!!」チャキン


璃奈「……お母さん…どうして…」


璃奈ママ「…………通話を切って、しばらくしてやっと気付いたの…」


璃奈ママ「璃奈が顔にケガしてたこと……それで、居ても立ってもいられなくなって……」


璃奈ママ「こんな母親で本当にごめんなさいね、璃奈………」ギュ…


璃奈「……おかあ、さん…」

190: 2024/07/06(土) 21:25:14.56 ID:MVH13edW0.net
エマ「そこをどいてって言ってるでしょ?!」

璃奈ママ「いやよ…もうこれ以上…璃奈には、傷ひとつ負わせな……」ゼェゼェ

璃奈「ダメ…!もうお母さんのこと傷つけないで…! 撃つなら私を……!」

璃奈ママ「お願い……この子だけは見逃して……」


エマ「………なんで」

エマ「なんであなた達がそんなことを言うの……?」

エマ「あんなことを仕出かしておいて……みんな、みんなあなた達のせいで氏んじゃうのに!!」


璃奈「一体何のこと……?」


エマ「それを知る前にわたしがこ…っ」チャキ


エマ「………っ」ググ…


璃奈「う…ううっ…」ブルブル

璃奈ママ「っ………!」ギュッ


エマ「くっ………」プルプル


エマ「………」ググ…


エマ「…っ…」


エマ「…」ヘナヘナ

191: 2024/07/06(土) 21:28:40.39 ID:MVH13edW0.net
ドロロロロ――キキィ!


<バキン!


ミア「――エマ! 璃奈!」ダッ


璃奈「……み、ミアちゃん…?」


ミア「エリー、璃奈たちを見てきてくれ!」


璃奈ママ「あ、あなた達は……」ゼェゼェ


∬cVσ_σv「喋らないで。これで傷口を強く押さえて」ギュッ

192: 2024/07/06(土) 21:32:40.08 ID:MVH13edW0.net
エマ「…………」

ミア「エマ…分かるかい? ボクだ」

エマ「ミア、ちゃん………」

ミア「一体どうしたんだよ。ボクたちに黙って、急にいなくなっちゃったりしてさ…」

エマ「………未来を守ろうとしたの」

エマ「でもダメだったよ………」

エマ「……どうしてもころせなかった」

エマ「どうしても…………っ」ジワ…

ミア「……それでいいんだ」

ミア「そんなことしなくても未来は変えられるよ。それを一緒に考えればいい」ナデナデ

ミア「そのために、ボクやエリーがいるんだからさ…」

193: 2024/07/06(土) 21:36:03.74 ID:MVH13edW0.net
エマ「ぐすっ……間違いを止めに来たの…?」

ミア「……大切な人が、人頃しになるのを止めに来たんだ」

ミア「そいつにそんなことしてほしくないって思ったら、何度ぶつかってでもボクは止める」

ミア「だからキミも……したくないことをしようと苦しむ前に、もっとボクたちのことを頼ってよ…」

エマ「うっ…ううっ……」

エマ「うああああああああああんっ」


 
 すっかり力の抜けてしまったわたしの身体を、ミアちゃんは優しく抱きしめてくれて。

 その腕の中で、わたしは子供みたいにわんわん泣きじゃくりました。

   
 ……どうして気付かなかったんだろう。
 
 離れている間に、ミアちゃんはこんなにも大きくなっていたのに。
 

194: 2024/07/06(土) 21:40:48.87 ID:MVH13edW0.net
璃奈ママ「……」ハァハァ

璃奈「お母さん…」

∬cVσ_σv「大丈夫よ。急所は免れてるし、臓器や骨にも異常はない」

∬cVσ_σv「直に出血も治まる。ただ、しばらくの間は安静にした方がいいわ」

璃奈ママ「あなたは、何者なの…?」

∬cVσ_σv「……」チラッ

ミア「……」コクッ


璃奈「ミアちゃん…? これは一体どういう…」

ミア「…見せてあげて」

∬cVσ_σv「……」グッ


ムキ…ムキムキムキ…パァァァン!


璃奈ママ「ひっ!腕の皮膚が弾けて……!」


∬cVσ_σv「」ヴィーン…


璃奈「機械……の腕?」


璃奈ママ「まさか…」


∬cVσ_σv「そう。私はサイボーグよ」

195: 2024/07/06(土) 21:48:56.58 ID:MVH13edW0.net
――
――――


∬cVσ_σv「……そうして40億の巨Oを失った人類は、機械軍との全面戦争に突入したの」

璃奈ママ「…そんなことが…」

璃奈「ぅぷっ」

ミア「璃奈!大丈夫かい?」サスサス

璃奈「ハァ……ハァ……私は、なんてものを……」

ミア「違う! だってアワレニコはまだ完成してないでしょ?」

璃奈「でももうほとんど出来上がって……取り返しのつかないことを、私……!」


 
エマ「………ううん」

エマ「まだ、未来は決まってないよ」

エマ「わたしも大きな間違いを犯すところだった……でも、そんな未来をミアちゃんが変えてくれたの」

エマ「虫がいいのは分かってる……さっきのこと…許してなんて言えないけど……この先どうすればいいか、手を取り合って考えることはできないかな?」

エマ「未来を決めるのは、わたしでもあなたでもない……わたし達みんななんだから」

璃奈「エマ…さん……」

196: 2024/07/06(土) 21:53:25.78 ID:MVH13edW0.net
璃奈ママ「……それはもう、決まっているわ…」

璃奈ママ「私は今の仕事から退く…会社にある資料も、できるだけ破棄して…」

∬cVσ_σv「完全によ。誰かが後を引き継がない様に」

璃奈「私も、もう機械弄りはやめる」

璃奈「とてもそんな気にはなれないもん……この家にあるデータとか発明品も、ぜんぶ壊さなきゃ」

ミア「璃奈……」

璃奈ママ「……まだあるわ」

∬cVσ_σv「何?」

璃奈ママ「会社の大金庫に……あなたと同じ機械の腕とCPUのチップが」

エマ「ひょっとして……わたしと果林ちゃんが倒したエリミネーターの…?」

璃奈ママ「出所は聞かないように言われてたけど……あれを参考にして、全く新しいアイデアをAI開発に反映させることができたのよ」

197: 2024/07/06(土) 21:57:25.41 ID:MVH13edW0.net
ミア「Holy christ...未来から送り込まれた雛鳥のベイビーちゃんが、親鳥のことを産んだっていうの?」

∬cVσ_σv「…完全に破壊する必要があるわ」

エマ「会社に乗り込むなら、問題なのは警備だけど」

璃奈ママ「何とかなるはずよ……私が一緒に行けば……ッ、」ヨロ…

ミア「無理しないで。まだ動かない方がいいって言われたでしょ?」

璃奈「そうだよ。お母さんが行かなくてもいい手を考えてみる」

璃奈「それで、決行はいつにするの?」

∬cVσ_σv「……」スクッ

璃奈「………今から?」

198: 2024/07/06(土) 22:07:33.42 ID:MVH13edW0.net







ブロロロロロロロロロ――


∬cVσ_σv「……」


ミア「……」


エマ「……」


 
 確定したものとして考えていた未来は、先を見通せない夜のハイウェイに変わって

 わたしたちは未知なる道へと踏み込んでいくことになったの。

 時に迷いつつも、新しい歴史を作りながら――。


   
璃奈「………」ゴクリ

ミア「璃奈……本当に一緒にやる気なの?」

璃奈「……」コクッ

璃奈「病院に置いてきたお母さんの代わりに、私がセキュリティを何とかしなきゃ」

璃奈「それに…これは私の責任、だから」ギュッ…

ミア「そっか……璃奈のことはボクたちが必ず護るよ。安心して?」

璃奈「うん。ミアちゃんのこと、信じてる」

199: 2024/07/06(土) 22:20:48.09 ID:MVH13edW0.net
――

――――――


~サイバーダイヤ・システムズ社 1Fエントランス~


   
姫乃「ふわぁ…深夜の受付業は退屈ですね」

姫乃「こんな時はにほニーするに限りますぅ」クチュクチュ

姫乃「それにしても、スイスの脱走で諸々の違法診療がばれて職場ごと無かったことにされた時はあわやあわやでしたけど…」

姫乃「綾小路一族は麗華おばさまの伝手で、こうしてサイバーダイヤに再就職できて前途は洋々ですよスイス、見てますか~?」  ガチャン>

姫乃「っと、この時間に来客…?」


ザッ…ザッ…


璃奈「こんばんは。こんな遅くにごめんなさい」

璃奈「ここで働いてるお母さんに、電話で頼まれた物を持ってきたんですけど…」

璃奈「いつも受付してるかすみちゃんは居ますか? 天王寺博士の娘が来たって言えば分かります」

200: 2024/07/06(土) 22:26:53.68 ID:MVH13edW0.net
姫乃「…かすみさんはお花を摘みに行ってます」

姫乃「あなたの御用件は分かりましたけど。後ろにいるサングラスで顔を隠した胡散臭い方々はどういった…?」

璃奈「この人たちは、お母さんの友達」


ミア「Hi, I'm John! and they're my parents.」

エマ「……」ニコニコ

∬cV▼_▼v「……」


璃奈「三人とも遠くからお母さんの職場を見学に来た。一緒に入れてあげてほしい」

姫乃「………」

姫乃「ひーめひめひめひめひめ!!!!」

201: 2024/07/06(土) 22:30:42.20 ID:MVH13edW0.net
姫乃「それはそれはどーも遠路はるばるようこそ弊社へお越しくださいまして感謝至極の極みですぅ!」

姫乃「とーこーろーでー?みなさん本日はどちらの方から来られたんでしょうねえ??はいそこのスイス顔!」ビシッ


エマ「スイス」

ミア「ステイツ」

∬cV▼_▼v「未来よ」


姫乃「はぁい♪頼んでもない他二名様までありがとうございますです♪ まー揃いも揃って面白みのない場所からよくもまあまあ!!」

姫乃「さ、もう全員けえって構わないですよ? そもそも許可のない者を通すわけ」

――ジャキンッ!!

∬cV▼_▼v「これが許可証よ」チャキッ

姫乃「に」

エマ「ヘタなことは考えないでね?」ガチャッ

姫乃「は」

ミア「黙ってれば美人なのにね、キミ」(ガムテビリッ)

姫乃「い…ふむぅ!?」モガモガ

璃奈「…璃奈ちゃんボード、『从[´・֊・]从』」

202: 2024/07/06(土) 22:35:56.13 ID:MVH13edW0.net



~2F モニタールーム~


カタカタカタ…

璃奈「よし、カメラも全部切れた」

璃奈「あとはここを吹き飛ばしちゃえば、今夜のことは記録に残らない」

∬cV▼_▼v「No problemよ。爆薬の用意は十分にあるから」

エマ「エリミネーターの部品がある場所は分かる?」

璃奈「向こうにある研究ラボのさらに奥が大金庫」

ミア「そこを開けるのに、ここから操作する必要があるわけか」


『|c||^.- ^|| パスコードを入力してくださいまし!』


璃奈「開け方はお母さんから聞いてる。あと一分もあれば…」カタカタカタ

203: 2024/07/06(土) 22:39:07.18 ID:MVH13edW0.net



~1F エントランス~


ガチャッ

かすみ「戻ったよひめ子~、みてみてこのマーガレット!」

かすみ「そこの裏に咲いてたんだけど、かすみんみたいにとーってもキュートで…」

かすみ「って誰もいないし。受付には常に誰かいろって言われてるのにまったくもー」プンスコ

かすみ「ひめ子~、どこー? あ、わかったトイレでしょ」スタスタ

かすみ「摘んでるのは大きなお花ー?それとも…」ガチャ


 

姫乃「むーっ、むー!!」(緊縛Mの字)


かすみ「は、花びら大開脚…!!」

204: 2024/07/06(土) 22:42:54.17 ID:MVH13edW0.net
かすみ「って見とれてる場合じゃない! 早く非常警報のボタンを…!」オシテポチリー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

璃奈「………開かない?」

璃奈「まさか…」カタカタカタ

エマ「どうしたの?」


璃奈「―――やっぱりそうだ、誰かが非常警報のボタンを押した…!」

璃奈「これでもうどのドアも開かなくなった……もちろん大金庫も」


『|c||^.- ^|| 開きませんわ 開きませんわ』ブッブー


ミア「なんだよ、これからって時に…!」

205: 2024/07/06(土) 22:48:36.38 ID:MVH13edW0.net
エマ「璃奈ちゃんのスキルで何とかならない?」

璃奈「……分からない」

璃奈「璃奈ちゃんボードに内蔵された端末と接続してハッキングできたとしても、それなりの時間が…」

バサッ

ミア「だったら今すぐ始めるぞ」

ミア「ボクと璃奈――アナキンとオビワンのCo-opプレイだ。昨日からツールを持ったままでよかったよ」ガチャガチャ

ミア「誰かの口座をハックするのに比べたら、こいつの弱そうな尻穴をF×ckしてこじ開けるくらい楽勝さ。そうでしょ璃奈?」 ブッブーデスワ>

璃奈「ミアちゃん……わかった、やろう…!」

∬cV▼_▼v「ここは二人に任せて、私たちはラボの資料を破壊しましょう」

エマ「…ミアちゃん、頼んだよ?」

ミア「Gotcha. 未来の天才音楽家の打ち込みテク、見せてあげるよ」カタカタカタ

206: 2024/07/06(土) 22:52:18.28 ID:MVH13edW0.net
~2F 研究ラボ前~


エマ「ここもドアが閉じて…」


∬cV▼_▼v「どいて。これなら吹き飛ばせるわ」っグレネードランチャー


エマ「!…璃奈ちゃんミアちゃん!衝撃に注意し」


――BOOOOOOOOOOOOOOOM!!!!!!!!


エマ「わああああっ!!!??」


パラパラ…


エマ「っけほけほ…! もぉ…!最後まで言わせてよぅ」


∬cV▼_▼v「失礼」ドスドス…

207: 2024/07/06(土) 22:55:28.01 ID:MVH13edW0.net
『お火災を検知しました、消火を開始しますわ!』


――ブシュウウウウウウウ!!!


エマ「!!…二人とも、しばらくこっちに近寄らないで!有毒な消火ガスが…」 ドスドス…>

∬cV▼_▼v「ラボにあったガスマスクよ。全員分あるからこれを着けて」

エマ「………」

エマ(この時、わたしははたと気付いたの)

エマ(エリミネーターは、おそらくこの世界で一番の――究極のお世話サイボーグでもあることに)


∬cV▼_▼v「…どうしたの? そんなところで膝をついて」

エマ「……ううん、何でもないんだよ、何でも……」


∬cV▼_▼v「時間が惜しいわ。早速始めましょう」

208: 2024/07/06(土) 23:06:24.31 ID:MVH13edW0.net






~同刻 天王寺家~


 
コツ…コツ…


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」キョロキョロ【スキャン中】


【生体反応:なし】
【nmmn反応:なし】
【CP反応:なし】





jΣミイ˶º -º˶リ=3「……」トコトコ


   
【緊急無線傍受】


 
『ザザッ――だからぁ、天王寺博士のとこのりな子が人質に取られてるんですってば!』


   
jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…!」ピタッ


 
『いいですか? 侵入者は全員顔を隠した外人さんで、一人に至っては手足にシュワちゃんが生えてるようなムキムキお化けなんですよ??』


『とてもじゃないけどかすみん達の手には負えません! 警備の方からありったけの人員と、例の"デルタ"チームも寄越してください!大至急です!』


   
jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」スタスタ

209: 2024/07/06(土) 23:09:24.13 ID:MVH13edW0.net
ゴールデン洋画劇場

             

               ラブライブ!×ターミネーター2

215: 2024/07/08(月) 22:58:37.42 ID:yqEkbmeh0.net




~サイバーダイヤ社 モニタールーム~


カタカタカタ…

璃奈「ふぅ…この調子なら、思ったより早く開けられそう」

ミア「トーゼン、なんたってボクと璃奈のコンビだからね」


ミア「…ところで、ホントにガスマスクなしで平気なの?」コーホー

璃奈「問題ない。璃奈ちゃんボード、『フィルター機能』」コーホー

216: 2024/07/08(月) 23:04:33.94 ID:yqEkbmeh0.net
ブッブー

|c||^.- ^||「何かお困りごとはありませんか?」スィー

ミア「わっ?なんだキミは」

璃奈「あ、ブッブさん」

ミア「ブッ…? 見た目も名前もふざけ倒したやつだな…」

璃奈「ブッブさんはここで開発中の多目的サポートロボ。私の家でも試作機を使ってた」

璃奈「見た目はアレだけど、お世話ロボとしては優秀。サイバーダイヤの技術力はすごい」

ミア「…機械の反乱がおきるわけだね」

ミア「こいつ、この会社のマスコットか何かなの? システム画面でも同じ顔がブッブブッブうるさいけど」

217: 2024/07/08(月) 23:14:58.80 ID:yqEkbmeh0.net
璃奈「ここの社長さんをモデルにしてるって聞いたことがある」

ミア「モデルか…なるほどね」

ミア(ということは、エリーにもそういう人間がいたりするのか…?)

璃奈「どうかした?」

ミア「いや…こいつ無駄に笑顔を作るのが上手いね。技術的にはエリーよりも古い型なのに」

璃奈「逆。ブッブさんはこの顔がデフォルトで、それ以外はできない」

璃奈「エリーさんは違うの?」

218: 2024/07/08(月) 23:21:30.35 ID:yqEkbmeh0.net
ミア「只今猛特訓中ってトコかな。…まぁ、まだ顔面神経痛の馬よりはマシってレベルだけど」

ミア「それでも出会った時に比べたら月とすっぽんだよ。元々の作りがいいから、間抜けな顔でも様になるしね」

ミア「…今言ったこと、エリーには内緒にしてよ。こんな時にヘソを曲げられたくないし」

ミア「ああ見えて彼女も気にしてるみたいでさ。昼間も一人鏡の前で………璃奈?なにがそんなにおかしいの?」

璃奈「ふふ…だってミアちゃん、エリーさんのこと、すごくよく見てるなって思ったから」

ミア「っ//……ま、まぁ、彼女とはそれなりに長い付き合いになるからね」プィ

璃奈「会ってまだ二日目だって聞いた。けど、それだけ一緒に色んな体験をしたってことだよね」

璃奈「たとえ無愛想な機械でも、ミアちゃんは精一杯相手のことをよく見て向き合おうとしてくれる。ミアちゃんのそういうところ、すき」

ミア「…そうだよ」

ミア「ちょっとくらい表情が固くても、人一倍色んなことを感じて、それを伝えようと必氏になってる子だっている」

ミア「璃奈がそれを教えてくれたんだ。ボクの知ってる誰よりチャーミングで感情豊かなキミがね」

璃奈「ミアちゃん…」

|c||^.- ^||「あら^~」 

『|c||^.- ^|| あら^~』

ミア「……さてと、こいつらのニヤけ面を眺めるのもそろそろ飽きてきたよ」

ミア「いい加減そのふざけた鉄面皮を歪ませてやろう。ボクたちの力でね」

219: 2024/07/08(月) 23:24:46.87 ID:yqEkbmeh0.net
~研究ラボ~


バキャァァァン!

エマ「ふんっ…やぁ…!」っ消火斧

∬cV▼_▼v「向こうにあった資料と試作品よ」ドサドサドサ

エマ「やっ…! そこに置いてくれる?」

エマ「確実に壊しておきたいのだけ今ここで。あとは爆薬に任せるから」

∬cV▼_▼v「Gotcha」

エマ「ふんっ…!」

ガシャァァァン!

220: 2024/07/08(月) 23:30:13.59 ID:yqEkbmeh0.net
エマ「っ…!」バリィィィン!

∬cV▼_▼v「……」ガシャァァン!

エマ「…!」バキィィィン! 

∬cV▼_▼v「……」ドガァァン!

エマ「……ミアちゃんから、ずいぶん色んな言葉を教わったみたいだね」バリィィィン!

∬cV▼_▼v「ダー。学習の成果が出ているなら何よりよ」ガシャァァン!

エマ「あまり変なコトは覚えちゃダメだよ? ミアちゃん、そういう言葉遣いも多いから…」バキィィィン! 

∬cV▼_▼v「"変な"の定義は?」ドガァァン!

エマ「悪口とか、あとエッ…下品なこともだよ」メキメキメキ!

∬cV▼_▼v「それは困るわ。データによれば、これまでの彼女の発言で[カテゴリ:下品]に該当する語彙は全体の22%を占めているから」バリィィィン!

∬cV▼_▼v「これは[人物:エマ・ヴェルデ]に関する発言に次ぐ多さよ」ガシャァァン!

エマ「………」

エマ(そっかぁ)

∬cV▼_▼v「因みに次に多いのが、これらの要素すべてを含んだ発言よ」ドガァァン!

エマ「…そっかぁ」バキャァァン!

221: 2024/07/08(月) 23:35:18.73 ID:yqEkbmeh0.net
∬cV▼_▼v「!――」ピタッ

∬cV▼_▼v「このプロセッサは…」

エマ「どうかしたの?」

∬cV▼_▼v「形状からして、恐らく後のアワレニコに組み込まれるものよ」

∬cV▼_▼v「この場で破壊しておきましょう。斧を」

エマ「待って」ガシッ

エマ「それ、わたしにやらせてほしいな」

∬cV▼_▼v「…ダー」


 
エマ「すぅ…はぁ…」コキコキ

エマ「……あなたのせいで、もう5年も家族に会えてないんだよ?」

エマ「ぃやあああああああああっ!!!!」ブォン!


バキャァァァン! 


エマ「フォルツァッ!! フォルツァッ!!」


ガシャァァン!ボギャアン! バリィィン!


エマ「……ふぅ♪ ちょっとすっきりしたよ~」

∬cV▼_▼v「……」

∬cV▼_▼v「"恐れ"という感情について、多少理解が進んだわ」

222: 2024/07/08(月) 23:37:59.93 ID:yqEkbmeh0.net



ピコーン!

ミア「Yes! 解読に成功したみたいだ」

ミア「あとはこれを打ち込めば…」カタカタカタ


『|c||^.- ^三^.- ^|| おほーっ! あくあく開くあですわ!』 


【大金庫が開錠されました】


ミア「…チョロいもんさ。やったね璃奈、これで…」

璃奈「っ…大変ミアちゃん!外のモニターを見て」

ミア「どうしたのさそんなに慌てて…」

ミア「...my gosh」

223: 2024/07/08(月) 23:45:40.75 ID:yqEkbmeh0.net
~サイバーダイヤ社 正面~


キキィ――バタンバタンッ

タタタタッ…

ジャキン…! ジャキンジャキンジャキン…!!


冬毬「総員配置完了です、姉…コホン、失礼しました、CEO。完全にフルハウスというやつですね」

夏美「…それには手札が不足してますの。デルタチームの到着は?」

冬毬「現在急行中ですが、装備の調整に手間取っているのでリスケしてほしいと連絡が」

夏美「がっでぇーむ、この肝心な時に……まあいいですの。メガホンを」


夏美「んん゛っ…オーニナッツーー!! ビルの中のバッドピーポーさんたち、おコンバンハですのー!」

夏美「見ての通り、建物は我々オニナッツセキュリティが完全に包囲しましたの!」

夏美「五分間だけ待ちますから、武器を捨ててさっさと出てくるんですの。さもなくば~~」

夏美「暴徒粉砕用の装備を持った警備員30名が一斉突入して、ビル内はR指定の石器時代に模様替えですの!」

夏美「繰り返しお伝えしますの、五分以内に投降しない場合は――」



224: 2024/07/08(月) 23:51:28.63 ID:yqEkbmeh0.net
~2F 研究ラボ~


ガチャコン

エマ「起爆準備できたよ。そっちは?」

∬cV▼_▼v「雷管をセットしたところよ。あと二分もあれば…」 タタタッ…>

ミア「金庫を開けてきたよっ」

璃奈「でも外が大変なの!」

エマ「警察が来たの?」

ミア「もっとヤバそうなのがわんさとね」

エマ「……わかった。残りの作業はわたし一人でやるよ」

エマ「ミアちゃんたちは急いで金庫の方に」

ミア「OK、行こう璃奈」

225: 2024/07/08(月) 23:53:50.91 ID:yqEkbmeh0.net
∬cV▼_▼v「私はギャラリーにご退場願ってくるわ」ドスドス…

ミア「Hey! 約束を忘れてないだろうね?くれぐれも…」

∬cV▼_▼v「頃しはしないわ」

∬cV▼֊▼v「…信用して」


エマ(! 今この人、自然に笑――)

エマ(人…?)

226: 2024/07/08(月) 23:56:41.66 ID:yqEkbmeh0.net



夏美「さあ、残り一分ですの!」

夏美「59………58………67………76……」

冬毬「CEO…さすがに時間稼ぎも限界では」

メイ「つーかよ、別に私らだけで突入してもよくないか?」

夏美「ヒラ隊員の意見は聞いてませんの。無血開城に越したことはないですし」 

夏美「……第一、突入時に壊した物はこちらの持ち出しになるんですの」ボソ

冬毬「なるほど、コストマネジメントは基本ですしね。さすが姉者です」

メイ「いや、保険に入ってないのかよ?おい!」

四季「そういうことなら、ここから催涙弾を撃ち込んでの制圧がbetter」ズィ

夏美「却下ですの。それだと窓ガラスを割る必要が…」


――ガシャァァァン!!!


夏美「ってはにゃああああ!? 言ってる傍から割れましたの!」

冬毬「姉者、2階に人影が…!」


 
∬cV▼_▼v「……」っチェーンガン

227: 2024/07/09(火) 00:01:54.29 ID:bWY8DUYG0.net
メイ「おいヤバくないか…? あれ確かガトリング砲ってやつじゃ…」

夏美「ふ…ふん、バルカンだかバルサンだかサンバルカンだか知らないですけど、こちらの装備だって負けてませんの」

夏美「そこの人、よく聞くんですの!そんなものを向けても無駄ですの!」

夏美「間もなく我が警備部隊の精鋭チームが到着しますの! 彼らはサイバーダイヤから提供された最新鋭の強化ス


 
∬cV▼_▼v「」ZDoDoDoDoDoDoDoDoDo!!!!!!!!!!!


   
メイ「うひょおおおお撃ってきたあああ!!! 退避だ、退避!!」

冬毬「みなさん逃げてください! あの人は戦争を始める気です!」


 
∬cV▼_▼v「いえ、止めに来たのよ」BRATATATATATATATATATATATATA!!!!!!!!!

228: 2024/07/09(火) 00:06:39.43 ID:bWY8DUYG0.net
ドガガガガッ!! ガシャァァァン!! バリィィィン!!! 


メイ「車両が狙われてんぞ! みんな車から離れろおおお!!」

四季「…このままいけば、帰りは全員徒歩になる説が有力」


――ドドドドドドドドドドドッ!!!!!!


警備員1「ぴゃあっ!? 花陽の戦国無双コラボ眼鏡が…!」

警備員2「そんなの拾わなくていいから走るずら~!!」


夏美「無駄な抵(ズガガガガガガガッ)話(ドギャギャギャギャギャ)聞(ドガァァァン!)~~!!」

冬毬「いいから姉者も隠れて!」グィ


 
ダララララララララララララッ!!!!!!!!――カシュウウウウウンッ


   
∬cV▼_▼v「………」シュウウウウ【スキャン中】


【被害状況】
【車両×12】
【植栽×7】
【眼鏡×1】



【氏傷者:0.0】


∬cV▼֊▼v「…No problem」

229: 2024/07/09(火) 00:12:50.76 ID:bWY8DUYG0.net
パリィン… パラパラ…

夏美「あぁぁ……夏美たちの車が……マネーがぁ…」

夏美「あんなの持ってるんじゃ、とてもビルに近寄れませんの…」


『鬼塚夏美』コーホー


夏美「…!?」クルッ


『時間稼ぎご苦労様。モブはもう帰っていいわよ』コーホー

『あとは私たち、"スカーレット・デルタ小隊"にお任せください!!!!!!』キーーン


夏美(あの二人、いつの間に車の屋根に?? つーか声うるさっっ)


スカーレットデルタ1『っっ、デルタ2!あなたは外部スピーカーの音量を落とせっていつも言ってるでしょ!?』

スカーレットデルタ1『それ以外の全員はスーツの出力をマックスにして。二分後に突入するわ』

スカーレットデルタ1『……帰らないならそこで指を咥えて見てなさい。私たちが、"本当"の戦いを教えてあげる』ジャキン

230: 2024/07/09(火) 00:15:50.84 ID:bWY8DUYG0.net
短いですがここまで
いつも保守ありがとうございます

234: 2024/07/09(火) 22:24:55.06 ID:bWY8DUYG0.net



~2F 大金庫~


ウィーン…ゴゴゴゴ


CPUチップ『』プシュー

機械の腕『』ウィーン


ミア「これが最初のエリミネーターの…」

璃奈「こんなもののせいで、戦争が…」

ミア「……起こさせやしないさ。その運命は今夜変わるんだ」

ミア「さ、バッグに詰めるのを手伝ってよ。誰にも見つからない場所で跡形もなくeliminateしてやる」ゴソゴソ

ミア「それでこの反人類糞AIもオシマイさ。…行こう、エマたちが待ってる」

235: 2024/07/09(火) 22:32:38.14 ID:bWY8DUYG0.net
~2F 研究ラボ~


∬cV▼_▼v「引き揚げよ。各自用意は?」

ミア「バッチリさ。チップと腕はこの中だ」トントン

エマ「ガスマスクは捨てないでね? また必要になるかも」

ブッブー

|c||^.- ^||「お帰りですか? またのご来訪をお待ちしておりますわ」

ミア「次来るときは廃墟だよ。璃奈、そこの起爆装置を取ってくれる?」

璃奈「わかった」コトッ


∬cV▼_▼v「建物から離れたところで、そのリモコンを…」

|c||^.- ^||「!」

|c||^.- ^三^.- ^||「んまーっ! エリーチカさま、お越しになられていたのですか?!」

236: 2024/07/09(火) 22:37:44.23 ID:bWY8DUYG0.net
|c||^.- ^三^.- ^||「事前にご連絡頂ければ社長自らおもてなし致しましたのに!いえ今からでも遅くは――」

エマ「…どういうこと? 二人は前に会ってるの?」

∬cV▼_▼v「いえ、この旧型と面識は」

ミア「違うよ、こいつが言ってるのはエリーのモデルになった人間のことだ」

ミア「やっぱりそうだったんだね…hey,ブッブ、その人のこと詳しく教えてくれる?」

|c||^.- ^三^.- ^||「モチのロンロンですわ! エリーチカさまは社長が御贔屓の…」


 
【!接近警報!】


   
∬cV▼_▼v「!――全員窓から離れて!」


 
――バリィィィィィィィン!!!!!!!


   
スカーレットデルタ2『うおおおおおおお!!!!! 夜分遅くに失礼しますよおおおお!!!!』

237: 2024/07/09(火) 22:41:37.82 ID:bWY8DUYG0.net
ガシャァァァン! バリィィィィン!

スカーレットデルタ3・4『』シュタッ シュタッ

スカーレットデルタ5・6『』シュタッ ドテッ


ミア「な――何だコイツら?! 急に下から飛び上が…」

∬cV▼_▼v「隠れて」ダキッ


スカーレットデルタ1『射撃開始!!!』


――DaDaDaDaDaDaDaDaDaDa!!!!!!!!


ミア「わあああっ!?」

エマ「くっ…!」BANG!BANG!BANG!


スカーレットデルタ3『そんな豆鉄砲、効かないったら効かないわよ!』カンカン!


エマ(防弾スーツ…!)

238: 2024/07/09(火) 22:44:51.10 ID:bWY8DUYG0.net
∬cV▼_▼v「ならこれはお口に合うかしら」っグレネードランチャー


スカーレットデルタ3『!!!』


ボシュッ!―――BOOOOOOOOM!!!! ギャラァッ!?


スカーレットデルタ4『ワアア!? しゅみ…デルタ3がお星さまになりマシタ~!!!』

スカーレットデルタ1『落ち着きなさい、このスーツなら氏にはしないわ!』

スカーレットデルタ1『デルタ2!あの厄介なのを何とかして!』

スカーレットデルタ2『承知しました!!! スカーレット・イオンブレード、抜剣!!!』ジャキン

239: 2024/07/09(火) 22:46:33.10 ID:bWY8DUYG0.net
∬cV▼_▼v「」ボシュッ!!!


スカーレットデルタ2『弾道解析――――紅蓮一閃ッ!!!』ザシュン!


――BOOOOO    /   OOOOOOOOOM!!!!!


エマ「なっ…」

エマ(空中で弾を斬って着弾点を変えたの…!?)


スカーレットデルタ2『ふぅ…今日もまたつまらぬものを斬っ『バカ、爆風で何も見えないじゃない! 射手の方を潰せって言ったのに…!』


∬cV▼_▼v「今のうちに退くわよ」

ミア「言われなくてもっ」


エマ「っ、璃奈ちゃん立って! わたしたちも…」

璃奈「ハッ…ハッ…」コヒューコヒュー

エマ「璃奈ちゃん…?」

240: 2024/07/09(火) 22:50:03.73 ID:bWY8DUYG0.net
エマ「まさか…撃たれたの!? わたしの腕に掴ま」

璃奈「だめ……身体に力…入らない…」ハッ…ハッ…

璃奈「足手まといになる……置いて、いって…」

エマ「そんな……」

璃奈「……これ」スッ

エマ(起爆用のリモコン――アンテナが壊れてる?)

璃奈「撃たれた時に……でもスイッチ自体は生きてる」

璃奈「誰かが、ここに残って押せば……」

璃奈「だから、これが一番合理的」

エマ「璃奈ちゃん……」

241: 2024/07/09(火) 22:53:34.61 ID:bWY8DUYG0.net
璃奈「これは…私の責任……」

璃奈「だから、ここは私が……わわっ??」ヒョイ

エマ「じゃあ間をとって、ここはわたしが璃奈ちゃんを抱えて逃げるね?」

璃奈「エマさん?でも…!」

エマ「…言ったよね。みんなが氏なない未来を、一緒に考えさせてって」

エマ「これがわたしの答え。だから今度は璃奈ちゃんのを聞かせて?」

エマ「たとえ合理的じゃなくても――機械には出せない、それ以上の答えを見つけられるはずだよ。わたしたちなら…」

璃奈「エマ、さん……」

242: 2024/07/09(火) 22:57:46.50 ID:bWY8DUYG0.net
スカーレットデルタ1『全員暗視モードに切り替えて!一気にカタを付けてあげる』

ジャキジャキン…!


エマ「行くよ、璃奈ちゃん?」

璃奈「…!」コクッ


スカーレットデルタ1『3…2…』


エマ「1…!」ダッ


スカーレットデルタ1『撃てッッッ!!』


 
――ZDaDaDaDaDaDaDaDaDaDa!!!!!!!!


   
エマ「っく…!はぁっ…はぁっ…!」ダッダッダ…


 
スカーレットデルタ2『うおおおおおッ!せつ菜スカーレット・ストーム!!!』DoDoDoDoDo!!!!!

スカーレットデルタ4『……!? これだけ撃ってるのに、どーして当たらないんデスカ!?』DoDoDoDoDo!!!!!

スカーレットデルタ5『ん~~? なんか視界もエイムもラグいとゆーか……スーツのシステムに侵入されてませんかこれ~?』

スカーレットデルタ1『なんですって!?』

243: 2024/07/09(火) 23:01:15.48 ID:bWY8DUYG0.net
――ダラララララッ!!!!! ヒュンヒュンヒュン!!!!

エマ「璃奈ちゃん、あと何秒もちそう!?」

璃奈「もう奪い返される…! 璃奈ちゃんボード『多勢に無勢』…!」プスプス…

エマ「っ…! やあああああああっ」ダッ


スカーレットデルタ4『アア…! 犯人が逃げちゃいマス…!』

スカーレットデルタ1『させない…! 二人ではなく出口を狙って弾幕を張って!』


━━━━━━

━━


~モニタールーム~


ミア「Dammit!エマたちがラボに取り残されてるっ」

ミア「すぐ助けに戻らないと…」

∬cV▼_▼v「いえ、ここを動く必要はないわ」

ミア「壁の向こうで二人が蜂の巣にされるのを見てろって言うの?」

∬cV▼_▼v「いえ…」クルッ

244: 2024/07/09(火) 23:05:38.95 ID:bWY8DUYG0.net
――ヒュンヒュンヒュン!!!!カンカンカン!!!!


エマ(出口が、弾の壁で…!)

璃奈「もういい、下ろして……エマさん一人でなら…」

エマ「最後まであきらめちゃダメだよ…!」クルッ


スカーレットデルタ1『どこへ行くのかしら?そっちは行き止まりよ!?』


DoDoDoDoDo!!!!! ダッダッダッ…


エマ(だって――さっきの言葉には続きがあるから)


エマ(わたしたちは、機械に出せない答えを見つけられる)


パキッ…メキッ


璃奈(なに…? 壁が、盛り上がって…)


エマ(そしてそのことを、機械が学び始めたとしたら――)


ミシッ…ミシミシミシ――ドガァッ!!!


∬cV▼_▼v「邪魔するわ」パラパラ…


エマ「(壊せない壁は、無いはずだもん…)…遅いよ?」


∬cV▼_▼v「道が混んでたの。今新しいのを作るわ」っグレネードランチャー


 
―――BOOOOOOOOM!!!! パラパラ…


   

ミア「ゲホゲホッ、三人ともこっちだ、エレベーターまで走れ!」
 

245: 2024/07/09(火) 23:09:40.10 ID:bWY8DUYG0.net
―――――――

『下へ参ります』ポーン


璃奈「はぁ…はぁ…」

ミア「璃奈、しっかりして!ケガは酷いの?」

∬cV▼_▼v「着弾の衝撃で複数箇所を骨折しているわ。下手に動かすのは危険よ」

エマ「でも弾は貫通してないみたい…みんなで防弾ベストを着込んでてよかったよ…」

ミア「ホントにね………けど一難去ってまた一難だ。リモコンなしでどうやってここを爆破する?」

璃奈「…それなら、大丈夫……璃奈ちゃんボード、『サムズアップ』」b

246: 2024/07/09(火) 23:15:09.41 ID:bWY8DUYG0.net



シュウウウウウ…

スカーレットデルタ4『逃げられたんデスカ…?』

スカーレットデルタ2『……いえ、センサーに感あり。そこの陰にまだ誰かいるみたいです…』


…ッ…ッ…


スカーレットデルタ2『っ…ここは私が見』

スカーレットデルタ1『凡人は下がってて。こんなの、私一人で十分よ』

スカーレットデルタ2『…では後ろで援護します』

スカーレットデルタ1『……勝手にすれば』

247: 2024/07/09(火) 23:18:40.57 ID:bWY8DUYG0.net
 
コツ…コツ…


   
スカーレットデルタ1『……っ』ドクンドクン


 

…ッ…ブッ…


   


 
スカーレットデルタ1『ッ――!!』ジャキン


   
|c||^.- ^||「ブッ…ブッ…」プスプス…

248: 2024/07/09(火) 23:21:00.96 ID:bWY8DUYG0.net
スカーレットデルタ1『……はぁ? 何このふざけた…』


|c||^.- ^||「――い」


|c||^.- ^||「いけませんわ これ以上は持っていられませんわ!」っ起爆装置


スカーレットデルタ1『あ――』


スカーレットデルタ1『ぜ、全員退避よ!!! 窓から逃げて!!!ほら早く!!!』ダッ


|c||^.- ^||「ブッ…ブッ…ブッ…ブッ…ブッ…」


|c||^.- ^||「ブッ……ブッ……」


|c||^.- ^||


 
カチッ

249: 2024/07/09(火) 23:22:43.23 ID:bWY8DUYG0.net
 

――BOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!!!!!!!!!!

 

250: 2024/07/09(火) 23:26:33.47 ID:bWY8DUYG0.net
バリィィィィン! ドガァァァァァン!

ガラガラガラ…


メイ「オイオイオイ…ビルがだるま落としになってんぞ…」

夏美「夏美たちのせいじゃないですの夏美たちのせいじゃないですの夏美たちのせいじゃ」ブクブク

冬毬「姉者、気を確かに…!」

四季「気を確かにする薬」ブスッ


 
<ブロンブロン…


夏美「………ん゛はっ!!! ちょっとそこの白バイの人!!!」

夏美「今ごろ現着なんて一体ぬわにを考えてるんですの!!!!遅刻分の時給はケチな給料からキッチリ天引きするとして、こんな時間まで一体どこで道草食ってたんですの!?!?」


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「申し訳ありません。道が混んでいたもので」ブロンブロン…

251: 2024/07/09(火) 23:29:29.97 ID:bWY8DUYG0.net



『一階です』チーン


ミア「よし、着い…」

∬cV▼_▼v「待って。私が先に出る」


ドアガヒラキマス


 
スカーレットデルタ4『マルマル!やつらが来マシタ!』

スカレーットデルタ1『今度こそ逃がさないわ。催涙ランチャー、ってぇ!』

252: 2024/07/09(火) 23:30:39.62 ID:bWY8DUYG0.net
カランコロン――ボシュッ!!!


エマ「!! みんな、目を瞑ってガスマスクを着けて!」

ミア「ケホッゴホ…!Shit...」


シュウウウウウウウ…


∬cV▼_▼v「…全員ここにいて。ダスヴィダーニャ」

エマ「……!」コクッ

253: 2024/07/09(火) 23:33:06.58 ID:bWY8DUYG0.net
シュウウウウウウウ…

スカーレットデルタ2『!――犯人が出てきました!』

スカーレットデルタ5『……ん~? ひょっとしてノーマスク…?』


∬cV▼_▼v「……」ドス…ドス…


スカーレットデルタ1『それ以上近付くと発砲するわよ! 嫌ならその武器を捨てて床にひれ伏しなさい!』


∬cV▼_▼v「……」ドス…ドス…


スカーレットデルタ1『ホルモン剤の飲み過ぎで耳をやられたの?! 伏せなさいって言ってるでしょ!?』


∬cV▼_▼v「……」ドス…ドス…


スカーレットデルタ1『ッ――もういい、フォイアー!!!』


――ZDoDoDoDoDoDoDoDoDoDoDo!!!!!!!!!!!


∬cV▼_▼v「……」ビスビスッカンカンカン!!!

254: 2024/07/09(火) 23:43:52.99 ID:bWY8DUYG0.net
――ドパパパパパパパパパパパッ!!!!!


∬cV,'σ_▼v「」バリンッ!カンカンカンカン!!


スカーレットデルタ4『な…ナゼこれだけ喰らっても倒れないんデスか~!?』

スカーレットデルタ6『ま、まさか徒町たちとは別種の…』


∬cV,'σ_▼v「…今度はこっちの番よ」っグレネードランチャー


スカーレットデルタ2『しまっ…!この距離では斬――』


――BOOOOOM!!! アアアアッ!!!!?


スカーレットデルタ1『くっ…全員抜剣! 四方から一斉に斬り刻んであげるわ!』

スカーレットデルタ1『戦いは力! それを生み出すサイバーダイヤこそが未来をビルドするのよ!』ジャキン

スカーレットデルタ6『ちぇすとーーーーーー!!!!』ブォン

255: 2024/07/09(火) 23:48:27.00 ID:bWY8DUYG0.net
ガキィィン!!!!

スカーレットデルタ6『へぁっ!? 硬度10のガチガチブレードが通らない!?』

∬cV,'σ_▼v「……」ギリギリ…

スカーレットデルタ6『あわわ…やはり徒町は所詮徒町でした!高価な装備を纏ってみなさんの期待にお応えできず!かくなるうえは詫び腹を切っ…ぬ、抜けない!?』

∬cV,'σ_▼v「いえ、ポンコツなのはあなたではなくスーツの方よ」サワッ

スカーレットデルタ6『ひゃあ//!?』

ブチブチ…ブツン

スカーレットデルタ6『れれれ?? スーツが動かな…!?』ガクン

スカーレットデルタ1(こいつ…!なんで臀部にある駆動系のことを知って――)

∬cV,'σ_▼v「さあ、審判(シリパン)の刻よ」バチィィィン!!!

スカーレットデルタ1『お゛っ…』

256: 2024/07/09(火) 23:55:02.54 ID:bWY8DUYG0.net
パァン! パァン! パパンパンパパン――!


メイ「すげぇ、何だか分からないけど撃ちまくりみたいだな!」

夏美(煙で何も見えませんの……中で一体何が)


――バリィィィン! ゴロゴロ…


夏美「! そこの人、大丈夫ですの!?」


スカーレットデルタ5『ち…チーターですよ…あんなの…』ガクッ


 
<カランコロン――ボシュウウウッ!


四季「!? 催涙ガス…!」

257: 2024/07/09(火) 23:56:45.95 ID:bWY8DUYG0.net
ボシュウウッ!――ボシュウウッ!――ボシュウウッ!


冬毬「どこから撃って…ゴホゴホッ!」


シュウウウウウウ…


夏美「だ、誰かトレーラーからガスマスクを(ガシッ)はにゃっ!?」

∬cV,'σ_σv「…この鍵が刺さるトレーラーは?」っ催涙ランチャー

夏美「ぁ…あちらに…」

∬cV,'σ_σv「スパシーバ」トサッ

夏美「…ど、どういたしまゲホッ、ゥゲホゲホゲホ…!」

∬cV,'σ_σv「……」ドス…ドス…

258: 2024/07/10(水) 00:04:08.25 ID:pupRxYbg0.net



シュコー…シュコー…

ミア「Christ,もうすぐボンベの酸素が無くなる…!」

ミア「エリーはまだなの?」

エマ「まって」

エマ「……何か聞こえる」


 
<ブォォォォォォォォォォ


スカーレットデルタ4『この音……可可たちの武器トレーラーが突っ込んできマス!』

スカーレットデルタ2『みなさん!!負傷者に手を貸して退却です!!マルガレーテさん立ってください!!』

スカーレットデルタ1『ひゃっ//そこ、今触っちゃ…//』ビクンビクン   <エ!? ナンデスカ!!??


 

――キィィィ!!! ガシャアアアアアアアアアアアアン!!!!


   

スカーレットデルタ4『危险…!』

スカーレットデルタ6『ひゃあああああ~!!』


 
バリィィン…パラパラ… 


ガチャッ


∬cV,'σ_σv「戻ったわ」

259: 2024/07/10(水) 00:07:03.01 ID:pupRxYbg0.net
エマ「…行くよっ、ミアちゃん」


ミア「あ、あぁ…」チラッ


璃奈「………」ハァハァ


ミア「…じゃあ、ここでお別れだね、璃奈」

ミア「計画通り、キミは脅されてたって言えば、あいつらが保護してくれるだろう」

ミア「家の惨状を見れば誰も疑わないはずだ……もうボクたちみたいなのとは関わらなくて済むよ」

ミア「キミはキミの人生を生きてくれ。…さようなら」


璃奈「……ううん」

璃奈「それは違う……さっきエリさんも言った、ダスヴィダーニャって」

璃奈「あれには"さよなら"の他に、"また会いましょう"って意味もある…」

璃奈「だからミアちゃん……ダスヴィダーニャ、だよ」


ミア「……ああ」コクッ

ミア「ダスヴィダーニャ、璃奈」


バタンッ

260: 2024/07/10(水) 00:16:32.90 ID:pupRxYbg0.net
ミア「待たせてゴメン、全速力で出してくれ!」

∬cV,'σ_σv「ダー」


ブォォォォォォォン!


ミア「!――Watch out! 警備のやつらバリケードまで…!」

エマ「止まらずに突っ切って!!」


 
ドガァァァァァ  ワーキャー


   


 

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…♪」ブロンブロン【標的補足】


    
<バラバラバラバラ


 
【上空:CP反応あり】


   
jΣミイ˶^ ᴗ^˶リ「――!」バッ

261: 2024/07/10(水) 00:20:26.14 ID:pupRxYbg0.net
~通りすがりのヘリ内~


果南「いや~、鞠莉が迎えに来てくれて助かったよ」

果南「東京観光してたら、いきなりデカリボンの婦警さんに愛車借りパクされちゃうんだもん。あのヴォクシー、まだローンが残ってたのに…」

鞠莉「ほんと、世もアポカリプスね~」

鞠莉「…ねぇ果南。どうせなら、このまま二人で観光の続きとしゃれこまない?」

果南「お、いいね。どうせなら明るいうちがよかったけど」

鞠莉「その点はヘーのキよ。実はこの近くにうちの系列のホテルがあるんだけどね…」 ビタンッ>

鞠莉「今夜はそこにone nightして…//」  ビタンビタンッ>

鞠莉「ってさっきから何の音よ!? せっかくいいムードなのに――へ?」


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」


鞠莉「いやあああああ!!窓に!窓に!」

果南「鞠莉、操縦桿! 操縦桿握って!」

262: 2024/07/10(水) 00:22:42.95 ID:pupRxYbg0.net
バリィィィィン!――ドロドロドロ

鞠莉「ひっ…!スライムみたいなのが入って…」

果南「こいつ、まさか昨日の…!?」


グニュウウウウウウ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「ふぅ。墜とすのは目の前の相手だけにしてください」っ操縦桿 

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「あ、私のことはお構いなく。どうぞ続きを…」

ガラッ

果南「逃げるよ鞠莉!!」オヒメサマダキッ

鞠莉「フライミーーーーーー!!!!」ピョーーン


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」バタン


キィィィィィィィィィィン

263: 2024/07/10(水) 00:29:36.34 ID:pupRxYbg0.net
ブロロロロロロロロロ――!


ミア「追っ手は全部振り切った!?」

エマ「――ううん、まだヘリが追いかけてきてる!」

∬cV,'σ_σv「…彼女ね」


 
バラバラバラバラバラバラ


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」DoDoDoDoDoDoDo!!!!!


 
―― チュインチュインチュイン!!!

ミア「Jeez! 早速ご挨拶だねっ?」

∬cV,'σ_σv「こっちもお返事しましょう。運転を替わって」

ミア「いいけど、どうするつもり?」

∬cV,'σ_σv「機動力では向こうが上よ。進路を塞がれる前に墜とすしかないわ」

エマ「わかってる。武器ならたくさんあるもん…!」チャキン

ミア「もう鬼ごっこはウンザリだ。ここでケリをつけてくれ、二人とも!」

264: 2024/07/10(水) 00:31:23.63 ID:pupRxYbg0.net
水曜シアター9

             

             ラブライブ!×ターミネーター2

270: 2024/07/11(木) 22:56:22.92 ID:gxNKNnFU0.net
Bi―!Bi―!

『後部ハッチが展開します。ご注意ください』


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…!」


 
バシュッ!――――ガキィィィンッ


jΣミイ˶º ^º˶リ「ッ!!」グラグラ


 
エマ「よし、ワイヤーガンが食い込んだよ! そのまましっかり支えてて!」

∬cV,'σ_σv「氏んでも放さないわ」グググ…

271: 2024/07/11(木) 23:00:06.28 ID:gxNKNnFU0.net
jΣミイ˶º ᴗº˶リ「綱引きなら負けませんよ?」グィ


∬cV,'σ_σv「――!」ブシュッ!シュウウウウウウ…


 ワイヤーを保持したエリミネーターの両肩から、異音と共に加熱した血飛沫と煙が立ち昇る。

 やっぱり2トン近いヘリと引き合うのは無理があるんだ……急がなきゃ!


ミア「Get out of my way! みんな道を開けてよ! 頼むから退いてくれーっ!!」プップープップー!


 一般車の間をすり抜けながら、右へ左へ揺さぶられるトレーラーの中はまるで嵐の中にいるみたい。

 圧倒的な力に弄ばれながら、わたしは歯を食いしばって目的のものに手を伸ばして――


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…♪」DoDoDo!!!DoDoDoDo!!!!


ビスッ!

エマ「ああぅ!?」

272: 2024/07/11(木) 23:03:44.99 ID:gxNKNnFU0.net
ミア「!? どうしたエマ!」

エマ「ッッ…ミアちゃん振り返っちゃダメ!」


――DoDoDoDoDoDoDo!!!!! カンカンカン!!!


ミア「あああッ!!F×ck!」

エマ「そのまま頭を低くしてて!!」

エマ「わたしは、足を撃たれただけだから…っ」ポタポタ…


ギィィィィィィィ――ミシッ…メキッ…


∬cV,'σ_σv「急いで。関節が耐久限度を超えそうよ」シュウウウウウ

エマ「わかって、る……!」ズル…ズル…


 
――バラバラバラバラバラバラ


エマ(また来た…!)

273: 2024/07/11(木) 23:07:27.96 ID:gxNKNnFU0.net
jΣミイ˶º ᴗº˶リ「」DoDoDo!!!DoDoDoDo!!!!


ブスブスブスッ!!!


ミア「っ…?」

∬cV,'σ_σv「そのまま運転に集中して。弾はこちらで全て受け切るわ」シュウウウウ…


――DoDoDoDoDoDoDo!!!!!


∬cV,'σ_σv「」ビスビスビスッ!!!ブスッ!!


ミア(エリー…っ)ギリッ


エマ「はぁ…はぁ…」カタカタカタ

エマ(二人とも、もう少しだけ持ち堪えて…!)


 
――バラバラバラバラバラバラ


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…♪」チャキッ


 
エマ(…そう、わたしたちはここだよ…正面からしっかり狙って…)


エマ(――今だ!)カチッ

274: 2024/07/11(木) 23:13:18.12 ID:gxNKNnFU0.net
Bi―!Bi―!

『スカーレット・デルタ専用ビークル、発進します。後方の安全にご注意ください』


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「!?」


【スカーレットチェイサー:自律走行モード】

【⌒°(・ω・)°⌒ 特攻(ぶっこ)むビィ!】


――ヴォォォォォォォォォォン!!


jΣミイ˶º ^º˶リ「!!!」


ゴシャッ!!!!!


ミア「Yeh! 顔面からいったぞ、まさにDIEヒットだ!」

エマ「や、やった……」ハァハァ

∬cV,'σ_σv「!――ヘリが制御を失って突っ込んでくるわ、掴まって!」


キィィィィィィィン――――ドガァッ!!!!


エマ・ミア「わああああああああああっ!!!???」


ガシャァァァァン…

275: 2024/07/11(木) 23:18:46.56 ID:gxNKNnFU0.net



ギィィ…

エマ「うぅ…っ」ヨロヨロ

ミア「エマ、しっかりしろ! ほら、ボクの肩に掴まれ」

エマ「……そこのライフルと、ショットガンも拾って」ハァハァ

∬cV,'σ_σv「任せて」ガチャコン


キキィ――ガチャッ

美渡(一般通過ドライバー)「ちょっとあんた達、大丈夫!?」


∬cV,'σ_σv「ええ。悪いけどその軽トラを借りるわ」

美渡「え、ちょ、はぁ?」

ミア「She's coming! 急いで、あいつが来る!」

276: 2024/07/11(木) 23:23:13.23 ID:gxNKNnFU0.net
ゴォォォォォ…


愛(トラック運転手)「うへー…ヘリが木端微塵じゃん」

愛「これがホントのヘリボーン、なんつって……ん?」


ドロドロ…グニュウウウウ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」スクッ


愛「うわわ! 炎の中からリ・ボーンした!? リボンだけに!」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」イラッ

jΣミイ˶º ^º˶リ「っ!」ドガッ

愛「あべしっ!」

277: 2024/07/11(木) 23:27:10.81 ID:gxNKNnFU0.net
ブロロロロロロ…

ミア「くそ、このオンボロめ。もっとスピードは出ないのか?」

∬cV,'σ_σv「これが性能の限界よ」


<キキィー!   

       ガシャァン>


エマ「来たよ…!後ろからトラックが…!」

∬cV,'σ_σv「しつこい女ね」


 
jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…♪」ドロロロロロロロロロロ

278: 2024/07/11(木) 23:28:23.27 ID:gxNKNnFU0.net
エマ「右から来るよっ、気を付けて!」


――ドガァッ!!!


ミア「うわあっ!!!」


ギャリギャリギャリギャリ――!!!!


ミア「マズい、ガードレールとサンドイッチにされた…!このまま押し潰す気だ!」

279: 2024/07/11(木) 23:31:33.76 ID:gxNKNnFU0.net
∬cV,'σ_σv「ミア、もう一度運転を替わって」

ミア「どうするのさ――って、今ボクの名前…」

∬cV,'σ_σv「決まってるでしょ。ぶちかますのよ」っグレネードランチャー


ボシュッ――BOOOOOOOOOM!!!!


jΣミイ˶º ^º˶リ「ッッ!!」キキィ


∬cV,'σ_σv「今よ、そのまま加速して高速を降りて!」


ブロロロロロロロ!


ミア(街の方に――やっぱりダメだっ)キュルキュル

エマ「ミアちゃん?!」

ミア「向こうは人も車も多すぎる!」

エマ「だけどこっちは――」


『←50m先 リ`・ヮ・) 炎むら製鉄所』

280: 2024/07/11(木) 23:35:36.50 ID:gxNKNnFU0.net
守衛「ぴぃぃぃぃっ!!停まれちゅーーん!!!」


バギャァァン!!!!!


エマ「そのまま、スピード落とさないで…!」


――ドロロロロロロロロ


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…♪」グッ


ガツン!! ドツン!!!


ミア「Shit,完全に尻に張り付かれた!」

エマ「何とかこらえて!」

ミア「そんなこと言われてもっ、これじゃアリとゾウのボクシングだよ…!」ガタガタガタ

ミア「さっきから車体が浮きっぱなしで…まだひっくり返ってないのが奇跡だ…!」

∬cV,'σ_σv「ならもう一つ奇跡を起こしましょう。ライフルを貸して」ガチャコン

281: 2024/07/11(木) 23:39:03.69 ID:gxNKNnFU0.net
ダッダッダッ…

ミア「あいつ、荷台を伝ってトラックの方に……!」


 
∬cV,'σ_σv「アロー?」ジャキッ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「!!」

∬cV,'σ_σv「」DoDoDoDoDoDoDoDo!!!!!!!!!

jΣミイ˶× _×˶リ「ミイイイイイイイイ!!!!」ブスブスブスッ

∬cV,'σ_σv「――ほら、ハンドルを寄越しなさい」グルンッ


ギィィィィィィィ……ガシャァァァアァン!!!!

282: 2024/07/11(木) 23:41:12.54 ID:gxNKNnFU0.net
エマ「やった…!?」

ミア「いや、横転してもまだ突っ込んでくるぞっ!」

エマ「停まっちゃダメ! まっすぐ走り続けて!」

ミア「けどもう工場に…!」

エマ「アレに巻き込まれるよりマシだよ…!」


ガシャァァン――ガラガラガラ


エマ「!!コンテナが転がってくる…! よけて!!!」

ミア「うわあああああああああ――――!!!!!」


グシャァァァァン―――!!!

283: 2024/07/11(木) 23:44:43.03 ID:gxNKNnFU0.net



ビーッ ビーッ

『火災警報です。工員のみなさんは速やかに退避してください。繰り返します――』


ワーキャー ニゲロー! 


エマ「………ミアちゃん……生きてる…?」

ミア「yup...なんとかね………」

ミア「………そうだ、エリーは…」


<ガラガラ… 


ミア「!……あいつ……」


 
jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」ザッ…


 
 ひしゃげたトラックの運転席から、傷一つない姿でリボンの悪魔が顔を出した。

 相変わらず何を考えてるのか分からない表情のまま、わたしたちの方へ歩を進めようとした

 その時――


   
『……ザザッ……ュワちゃんが手話でシュワーッチ!』


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…!」ピクッ

284: 2024/07/11(木) 23:47:51.01 ID:gxNKNnFU0.net
『愛さんのダジャレ道場オーディオ版! みんな愛してるよ、ICだけに!』


jΣミイ˶◉ _◉˶リ「……」ピキ


 横転したトラックの荷台からまき散らされたICレコーダーの山。

 そこから流れる音声を聞いた途端、あの表情がにわかに凍りつき始めたの。


『このアイスを愛す!』
『いい氷菓だね、評価するよ!』
『下手なコーラスで場の空気凍らす!』
『シャーベット食べながら喋っとった!』


jΣミイ˶◉ _◉˶リ「……っ」ピキ…パキ…


ミア「あいつ、様子が変だ…」

エマ(もしかして……ダジャレの寒さで……?)

286: 2024/07/11(木) 23:53:50.49 ID:gxNKNnFU0.net
『バレーが苦手なのバレーた!』
『ピーマン食べてハッピーマン!』
『オフィーリアはお非~リア!』
『代々婚約者は大根役者!』


jΣミイ˶◉ _◉˶リ「…~~!!」ピキピキピキ…


ミア「よ…よしっ、あとちょっとで…」


 
「…ロシアの頃し屋言った」ドス…ドス…


∬cV,'σ_σv「ウクライナ製の銃喰らいな」チャキッ


jΣミイ˶◉ д◉˶リ「」カチーーーン


ミア「エリー…!」


∬cV,'σ_σv「ダスヴィダーニャ(さっさと失せなさい)、ベイビー」BANG!!


 
バリィィィィィィィィン!!!――――……

287: 2024/07/11(木) 23:58:56.76 ID:gxNKNnFU0.net
パリィィィン… パラパラ…


ミア「……た」

ミア「倒した……の?」

∬cV,'σ_σv「…ええ」

∬cV,'σ_σv「いくら彼女でも、あの状態では再生機能の限界を超えているはずよ」

ミア「……じゃあ、本当に」

エマ「終わった……んだね」ヘナヘナ

ミア「エマ!?」

エマ「だ、大丈夫……ちょっと熱くて、立ち眩みが」

ミア「あぁ…そりゃそうさ…なんたってここは」


ドロドロドロ…


∬cV,'σ_σv「――!」

288: 2024/07/12(金) 00:10:28.17 ID:eeuhCTMi0.net
ミア「それで…これからどうするの?」

ミア「今夜のこと……ほとぼりが冷めるまでは逃げるか隠れるかするんでしょ?」

エマ「……そうだね」

エマ「とりあえず、三人の家族ビザに載せる名前を考えよっか…」

ミア「…偽装家族(ファミリー)か……まぁ、悪くないかもね、エリー?」

∬cV,'σ_σv「…それにはまだ早いわ」

ミア「?…――!」


 
ピチョン… ピチ…ピチ…


 
ミア(工場の熱で、凍った破片が溶けて――)

289: 2024/07/12(金) 00:14:01.28 ID:eeuhCTMi0.net
ドロドロドロ…グニュウウウウウウウウウ


ミア「そん、な……」

ミア「こんなの、どうやって倒せばいいんだよ……」

∬cV,'σ_σv「議論は後よ。行きましょう」

ミア「っ、エマ立って! 奥の方へ逃げるぞ、ショットガンはボクが持つから!」

エマ「うぅ…っく…」ヨロヨロ


 

ウニョーーーーン

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」スクッ


【標的補足】


jΣミイ˶^ ᴗ^˶リ「……」

298: 2024/07/14(日) 22:04:55.62 ID:uLgW3DPE0.net
ドロドロドロ…グニュウウウウウウウウウ


ミア「そん、な……」

ミア「こんなの、どうやって倒せばいいんだよ……」

∬cV,'σ_σv「議論は後よ。行きましょう」

ミア「っ、エマ立って! 奥の方へ逃げるぞ、ショットガンはボクが持つから!」

エマ「うぅ…っく…」ヨロヨロ


 

ウニョーーーーン

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」スクッ


【標的捕捉】


jΣミイ˶^ ᴗ^˶リ「……」

299: 2024/07/14(日) 22:11:34.94 ID:uLgW3DPE0.net
バチバチバチ… ゴォォォォォ 


∬cV,'σ_σv「こっちよ」 

ミア「っ…ハァ、はぁ…」ダラダラ

エマ「うぅ…っ」ズル…ズル…


 


    


グニュ… グニュ…


jΣミイ;˶º ᴗº˶リ「ふぅ…ふぅ…」ポタポタ…


    
【!警告!】
【損傷蓄積大】【汗腺機能異常】【排熱困難】【処理速度低下】【擬態機能不全】


   
jΣミイ;˶- ᴗ-˶リ「ふぅ…ぅ…」ドロドロ…


    
【緊急放熱開始【エラー】【強制圧縮【エラー】【削除【エラー】削除】【圧縮】【削除】


【役立たずメモリを解放】【クソザコOSを最適化】


【擬態機能回復】【形状制御不安定】


   
jΣミイ;˶º ᴗº˶リ「ふぅー…♥ はぁー…♥」ダラダラ


    
グニュ… グニュ…

300: 2024/07/14(日) 22:17:20.14 ID:uLgW3DPE0.net
シュウウウウ… ムワァァァァ


∬cV,'σ_σv「こっちよ、二人とも急いで」

エマ「ま、まって…」ハァハァ

エマ「この先は溶鉱炉…わたしたちには熱すぎるよ…」

∬cV,'σ_σv「では戻って別の道を――…!」


 
グニュ… グニュ…


 
ミア「この足音…すぐ近くだ」

∬cV,'σ_σv「…やつは私が食い止めるわ。先に行って」

ミア「! ダメだ、キミも一緒じゃなきゃ…」

エマ「ミアちゃん…!」

301: 2024/07/14(日) 22:21:22.24 ID:uLgW3DPE0.net
ミア「前に言ったよね? あいつはキミより強いって…!」

∬cV,'σ_σv「その通りよ」

ミア「正面からやり合って勝てる確率は…」

∬cV,'σ_σv「万に一つもないわ」

ミア「…そうだ、さっきみたいにダジャレで」

∬cV,'σ_σv「あの量としょうもなさを再現するのは不可能よ」

ミア「なら…!」

∬cV,'σ_σv「ミア」

∬cV,'σ_σv「それでも戦う必要があるの。あなたを護るために」

ミア「…っ」

∬cV,'σ_σv「エマ、彼女をお願い。さあ、行って」

エマ「…」コクッ

ミア「くそっ、必ずあいつを倒して戻ってきてよ…! 絶対だからね?」ズルズル…

302: 2024/07/14(日) 22:25:41.20 ID:uLgW3DPE0.net
∬cV,'σ_σv「……」チャキッ


【最重要指令:E-429を排撃し帰還せよ】


【武装】
【M79グレネードランチャー:残弾1】


【!警告!】
【蒸気による視界不良:索敵モード変更】


 
――ガサッ


∬cV,'σ_σv「!!」チャッ  


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「どこを見てるんですか?」バキィ!

カランカラン

∬cV,'σ_σv「――!」【武装喪失】

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「ほらほら♡そんなオモチャなんか捨ててかかってきてください♡ ポンコツ旧式のおねえさん?」

303: 2024/07/14(日) 22:33:35.49 ID:uLgW3DPE0.net
∬cV,'σ_σv「――!」バキィ!ドガッ!メキィ!

グチャ!ベチャッ!…グニュウウウウウ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…もうおしまいですか? これだけやって傷一つ付けられないなんて、その筋肉本当に見てくれだけなんですねw」

ガシッ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「あはっ♡渾身の一撃もこんな細腕一本で絡め取られちゃってなっさけな~い♡ 惨めすぎてこっちが恥ずかしくなってきちゃった」バキンッ

∬cV,'σ_σv「ッ――!」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「あれ?あれれ~?かる~く捻っただけなのに、ひょっとして折れちゃったんですか? 乙女の細腕に負ける見せ筋w ざっこ♡」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「ほんと、旧型はボディもオツムもよわよわなんですね♡ そんなブリキのスクラップが、最新最鋭の私に勝てるわけないじゃないですか♡」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「今からそれを、た~っぷりわからせてあげますね?」

304: 2024/07/14(日) 22:40:24.73 ID:uLgW3DPE0.net
バキィ!メキィ!ドゴッ!

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「パワーも、スピードも、耐久も。あなたが私に勝ってる部分なんて何一つないのに」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「どうして無駄なあがきを続けるんです? もしかして、本当に回路がショートしちゃったとか?」ドガッ!ドガッ!

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…ねえ、どうなんですか? 頭カカシのクズ鉄さん?」ブンッ

ガキィィン

∬cV,'σ_σv「ふたつ、間違いがあるわ……」ギリギリ…

∬cV,'σ_σv「私は旧型だけど、ポンコツじゃない……そして」

∬cV,'σ_σv「私の名前は……エリーよ――!」ブォン!

305: 2024/07/14(日) 22:42:46.52 ID:uLgW3DPE0.net
バシッ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「口だけはずいぶん達者になったんですね」ブンッ

∬cV,'σ_σv「ッ――」ドサッ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「惨めに吠えるしか能の無い負け犬には、もっと犬らしくしてもらわないと」ドガッ!ドゴッ!

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「―――お座り♡」ポチッ


ヴィーン

『プレス装置が作動します。作業員は内部の安全を十分に確認し――』


∬cV,'σ_σv「!!」


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「くすくす♪ 早くそこから出ないと、アワレニコみたいな体つきになっちゃいますよ?」


∬cV,'σ_σv「ッ――!」ズル…ズル…


ヴィーーン

メキ…メキメキメキ…!!

306: 2024/07/14(日) 22:47:48.01 ID:uLgW3DPE0.net
jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…………ふふっ」

Σミイ˶º ᴗº˶リ「いい格好ですよ? とぉっても無様で♡」


∬cV,'σ_σv「~~~!!」ギギギ…


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「ぺしゃんこになるのが左腕だけで済んでよかったですね? これであなたは鎖に繋がれた犬も同然ですけど♡」クスクス

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「せいぜいそこで楽しんでください。飼い主の断末魔の叫びを」クルッ


∬cV,'σ_σv「!――待ちなさいッ」ギギギ…


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…♪」グニュ…グニュ…


━━━━━━

━━

307: 2024/07/14(日) 22:52:04.49 ID:uLgW3DPE0.net
:
:

エマ「はぁ…はぁ…」

ミア「頑張れエマ、立ち止まっちゃダメだ…!」


エマ「……足の骨が、折れてるみたい……」ハァハァ

エマ「このままじゃ追いつかれちゃう……わたしのせいで……」


ミア「だからここに置いていけ、なんて言っても認めないからな」

ミア「言ったでしょ? 護られるだけは…」


エマ「わかってる…よ」クス

エマ「ミアちゃんはもう、立派に戦える……だから聞いて」

エマ「わたしに考えがあるの……」

308: 2024/07/14(日) 22:56:41.95 ID:uLgW3DPE0.net
 

グニュ… グニュ…


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」【スキャン中】


 


ザッ…


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「――!」


   
エマ「はぁ…はぁ…」


 
エマ(まずはあいつを引き付けないと。それがわたしの…――)


   
jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…ミア・テイラーは逃げたんですか?」


エマ「…!」っショットガン


――ZDOM!!! ビチャッ!


jΣミイ˶º _ <˶リ「…もう一度訊きます。ミア・テイラーはどこに?」グニュウウ…

309: 2024/07/14(日) 22:59:02.95 ID:uLgW3DPE0.net
――ZDOM!!!

エマ「聞いてどうするの?」シュウウウウ

エマ「あなたはここで、わたしに倒されるのに」ガチャコン


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「捨て石の間違いでは?」グニュウウ…


エマ「…すぐに分かるよ」チャキッ


――カチッ

エマ「!?」カチカチッ

エマ(不発!? 弾詰まり?? こんな時に――)

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「ホイサッ!!」シャキン

ズブスッ!

310: 2024/07/14(日) 23:02:05.89 ID:uLgW3DPE0.net
エマ「あ゛っ…! っあ゛あ゛ぁ゛…」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「くすくすっ♡ 指一本挿しただけなのに、こんなに情けない声が出ちゃうんですね♪」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「さ、観念して彼女をここに呼んでください♡」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「それとも……もっと痛くされないと分かりませんか?」

エマ「っぐ、誰がそん…」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「はい、ぐりぐり~♡」ズチュッ

エマ「っ~~~!!!」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「あと一度しか言いません♡ ミア・テイラーを―――呼べ」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…次は肩じゃなく目ですよ?」グニュウウウウ…シャキン

ニョキ…ニョキ…ニョキ…

エマ「っ……」

エマ「やれば、いいよ……」ゼェゼェ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…♡」


――ズブスッ!!

311: 2024/07/14(日) 23:05:55.53 ID:uLgW3DPE0.net
エマ「……!」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「……」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「どうやってあそこから抜け出したんですか? ポンコツジャンクのおねえさん?」グルンッ

∬cV,'σ_σv「左腕とはサヨナラしたのよ。これを使ってね」っ鉄パイプ

――ブォン!

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「だから無駄だって言ってますよね」ぷるるんっ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「こうやって簡単に絡め取られて奪われた武器で、痛い思いをするのはそっちなのに」バキィ!ドガァ!

∬cV,'σ_σv「――ッ」ガクン

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「まあ、そもそも私にこんなものは不要なんですけど」ポイッ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「そろそろ鬱陶しくなってきましたし、この手で優しく解体してあげますね――♪」

312: 2024/07/14(日) 23:08:27.47 ID:uLgW3DPE0.net
グニュウウウウ…ムキムキムキ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「ほら、見てください♪ ご自慢の見せ筋を再現してみたんですけど」

――ドゴォ!! バキンッ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「私の方が、本物に近いみたいですね…♪」

――ドゴォ!! グシャッ!! ゴォンッ!!

∬cV,'σ_σv「ッ――ッ――!」バキバキ…

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「あはっ♡ もう足腰フラフラじゃないですか♪ スタビライザーが砕けちゃったのかな?」ゴォン!!

∬cV,'#_σv「――かッ」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「はい、わんつー♡ わんつー♡」ゴォン!ゴォン!

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「――――なに座ってるんですか? 立て。まだ終わってませんよ? もうワンセット、いっせーの♡」

――ゴォン!! ゴォン!! ゴォン!! ゴォン!!……


ドシャリッ


∬cV,'◉ _σv「……」ギ…ギィィ…

313: 2024/07/14(日) 23:13:13.94 ID:uLgW3DPE0.net
ギギ…ウィーン…ギギ…

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…へぇ。まだ頑張るんだ」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「そんな姿で必氏に這いつくばって、一体何を…」チラッ

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「――なるほど。そこのグレネードランチャーを拾えば、まだ勝機があると?」

∬cV,'◉ _σv「……」ウィーン…ギギ…

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「ふふ…ではどうなるか試してみましょうか。ほら、がんばれ♡がんばれ♡」

∬cV,'◉ _σv「……」ウィーン…ギギ…

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「はいはい、あとちょっとですよ♡ ラストスパート♡ いけっ♡」

∬cV,'◉ _σv「……!」ウィーン…

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「は~い、お疲れさまです♡」グニュウウウ…シャキン

――ズブスッ!!!

∬cV,'◉ _σv「―…!」

314: 2024/07/14(日) 23:20:01.31 ID:uLgW3DPE0.net
jΣミイ˶º ᴗº˶リ「えーっと、ここをこうして…」グリ…グリ…

∬cV,'◉ _σv「~~~~!!」

ギッギ…メキィ…バキバキバキ…

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…あはっ♡ 動力源のラブカが丸見え♡」

∬cV,'◉ _σv「……」ギ…ギィ…

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…ねぇ。もう頑張らなくていいんですよ?」

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「今から一緒に、わん、つー、すりーで、短絡(イッ)ちゃいましょうね?」

315: 2024/07/14(日) 23:22:09.61 ID:uLgW3DPE0.net
jΣミイ˶º ᴗº˶リ「いきますよ? わん、つー…」

∬cV,'◉ _σv「…~~!」ウィーン

jΣミイ˶º ᴗº˶リ「すりー」ドシュッ!!!


バチッ――バチバチバチ!!!!


∬cV,'◉ _σv「!!――……、、」


∬cV,'◎ _σv「」キュウウウウン…


jΣミイ˶º ᴗº˶リ「…はぁい♡ エリミネート、か・ん・り・ょ・う…♪」


グニュ…グニュ…


∬cV,'◎ _σv「」

316: 2024/07/14(日) 23:23:26.97 ID:uLgW3DPE0.net
日曜洋画劇場

             

             ラブライブ!×ターミネーター2

317: 2024/07/14(日) 23:49:13.59 ID:uLgW3DPE0.net








   


   


プンッ

318: 2024/07/14(日) 23:51:43.05 ID:uLgW3DPE0.net
 
キュイイイイイイイイン…


   

カリカリカリカリカリカリ


 

――――――………――――、、、、、


   

ブゥウウウウン

320: 2024/07/14(日) 23:55:31.66 ID:uLgW3DPE0.net
、、、、―――――カリカリカリカリカリ。。。。。


【Siステむ再boot中...】


   
∬ΣcV,'◎ _σv「」チカ…チカ…


 
【予備ラブカ消費:補助パワー始動】


【Love Live! Once Again】


   
∬ΣcV,'◉ _σv「」キュイイイイン

321: 2024/07/14(日) 23:59:07.65 ID:uLgW3DPE0.net
∬ΣcV,'◉ _σv「――!」ギ…ギィィ…


スクッ


∬ΣcV,'◉ _σv「……」カリカリカリカリ


 
【最重要指令:繝溘い繝サ繝?う繝ゥ繝シ縺ョ謚ケ谿コ】


 
∬ΣcV,'◉ _σv「……」ドス…ドス…


━━━━━━

━━

322: 2024/07/15(月) 00:00:25.15 ID:eJ4DiVLY0.net



ゴォォォォォ


エマ「ふぅー…はぁ…」ダラダラ


エマ「ミアちゃん……どこ行っちゃったの…?」


 
…マ――エマ!


 
エマ「ミアちゃん!? そっちにいるの?」ダッ

323: 2024/07/15(月) 00:02:59.88 ID:eJ4DiVLY0.net
…マ――エマ!


エマ「ミアちゃん! わたしはここだよっ」


 
ザッ…

ミア「エマ……!」


エマ「ミアちゃん! よかった…まだあいつに見つかってなかったんだね…」

エマ「さ、そこは危ないから、早くこっちの方においで?」

エマ「またわたしが護ってあげる。あの怖いやつらから、わたしが…」


ミア「………」


エマ「……どうしたのミアちゃん? 早くこっちに…」


ミア「…そんな大根演技でボクたちを騙せると思ってるのか? このhumanエアプマシンめ」

ミア「茶番は終わりだ。撃て――エマ!」

324: 2024/07/15(月) 00:05:46.19 ID:eJ4DiVLY0.net
――ZDOM!!!


エま『………』ドロドロ…

グニュウウウウ

jミイ˶º ᴗま『…今の演技、何が不味かったんでしょうか』ニュルン


エマ「…最初から全部だよ」ガチャコン


 そう言って、まだ変形途中の液体金属めがけて、本物のわたしは容赦なく追撃のスラグ弾を浴びせた。

 ミアちゃんと決めた作戦通りに。


エマ「ミアちゃんは一人で逃げたんじゃない……あなたにそう思わせるのが狙いだったんだよ」

325: 2024/07/15(月) 00:07:59.09 ID:eJ4DiVLY0.net
――ZDOM!…ガチャコン…ZDOM!


jミイ˶º ^ <˶リ「っ…! っ…!」ビチャッ!グチャッ!


 弾が命中する度に液体金属の手足が吹き飛んで、しかもどういうわけか中々再生しようとしない。

 これは予定にはない、けれど最大のチャンスだった。


 元々の作戦では、わたしは捨て石になった振りをしつつ、頃合いを見て撤退。

 わたしたちが分断されたと相手に思わせた上で、わざとミアちゃんの位置を教えて

 こっちに有利な場所へ敵を誘い込む――そういう算段だったけど


エマ(弾詰まりのせいで、さっきは本当に殺されちゃうところだった)ZDOM!

エマ(エリミネーター…エリちゃんが乱入してくれなかったら、作戦通りここまで逃げてはこれなかったよ…)ZDOM!

326: 2024/07/15(月) 00:10:36.56 ID:eJ4DiVLY0.net
 
 いくつかの機転と、身の危険を厭わないミアちゃんの勇気が、敵をまんまとこの狩場におびき寄せた。

 煮えたぎる溶鉱炉の縁に――。


jミイ˶º ^ <˶リ「っ…!? っ~~!」グニュ…ググ…


ミア「(完全に手足が吹き飛んだ…!)いける、あと少しだ!」


――ZDOM!!!


jミイ˶º ^ <˶リ「っ~~!!」グラ…


エマ「…終わりだよ」ガチャコン


エマ「これで、今度こそ…」


ガシッ

327: 2024/07/15(月) 00:13:14.97 ID:eJ4DiVLY0.net
エマ「!?」

∬ΣcV,'◉ _σv「……」グググ…


ミア「エリー…何してるの? どうしてエマの邪魔を…」


――バキィ!


エマ「ぅああっ!?」ドガァッ


ミア「エマぁ!」


jミイ˶º ᴗº˶リ「…♡」


ミア「エリー? どうしてこんな…」


∬ΣcV,'◉ _σv「……」ギロッ


【標的捕捉】


∬ΣcV,'◉ _σv「……」キュイイイイイン

328: 2024/07/15(月) 00:16:25.49 ID:eJ4DiVLY0.net
ミア「エリー…まさかキミ……」


jミイ˶º ᴗº˶リ「ご明察デす」ドロドロ…

jミイ˶º ᴗº˶リ「彼女にハ新しい指令が与えラレました…♪」


 
【最重要指令:ミア・テイラーの抹殺】


 
∬ΣcV,'◉ _σv「……」ドス…ドス…


エマ「そ…んな……けほッ」ビチャッ

エマ「っ……お願いだから…やめ…」


jミイ˶º ᴗº˶リ「ムダです♡ 彼女はタだ、インプットさレた命令に従う機械なんですから」グニュウウ…

jミイ˶º ᴗº˶リ「先程まで、彼女を従えテイタあなた方が一番よくご存知では?」


∬ΣcV,'◉ _σv「……」ドス…ドス…


エマ「…ミア、ちゃ……逃げ…」

jミイ˶º ᴗº˶リ「それもムダでス♪ 先に逃げ場をなくシたのはそちらですよ?」

329: 2024/07/15(月) 00:23:54.91 ID:eJ4DiVLY0.net
ミア「エリー……」


∬ΣcV,'◉ _σv「……」ドス…ドス…


ミア「……つくづく、糞がつくほどの真面目ちゃんだな、キミって。ホント…笑っちゃうくらいにね」

ミア「命令が絶対とはいえ、ついさっきまで護ってた相手をいきなり頃しにかかるなんて」

ミア「融通の利かなさを競うオリンピックがあったら間違いなくトップアスリートだよ……まぁ、知ってたけどね。キミがそういうやつだってことくらい」

ミア「ひょっとして、キミのモデルになった人間がそうだったとか? そうかもしれないし、そうじゃなかったとしてもキミはキミだ。…ボクの言いたいこと、わかる?」


∬ΣcV,'◉ _σv「……」ドス…ドス…


ミア「キミが四角四面ちゃんなのは機械だからじゃない。それがキミって個体の個性なんだ」

ミア「だってキミは、もうとっくにエリミネーターを辞めてるはずだろ? 自分では何も考えずに、誰かを傷つけるToy dollじゃないはずだ」

ミア「だから…またその糞律儀さでボクとの約束を思い出してよ……人を殺さない…あいつを倒して、ボクたちの元に帰ってくるって…!」


∬ΣcV,'◉ _σv「……」ドス…ドス…

330: 2024/07/15(月) 00:26:08.07 ID:eJ4DiVLY0.net
ミア「…OK,あくまで今の最優先はボクの抹殺なんだな」

ミア「けど、忘れたとは言わせないよ。本来のキミの任務はこのボクを護ることだ」

ミア「この先もずっと…今日で終わりじゃないぞ。ボクたちはサイバーダイヤを爆破した、逃亡犯になるかもしれないんだ」

∬ΣcV,'◉ _σv「……」ザッ

ミア「ボクもエマも当分家には帰れないだろう。ほとぼりが冷めるまで、ボクたちは寄り添って、互いが互いを護り合って生きていくしかないんだ」

ミア「同じ運命の共同体……familyとしてね」

∬ΣcV,'◉ _σv「……」ヴィーン


エマ「ミアちゃ……!」


ミア「そういえば、まだキミの意見を聞いてなかったね」

ミア「逃亡者のボクたちには、明日からは新しい身分が必要になる。ボクたちfamilyの、テイラーでもヴェルデでもない、新しいファミリーネームが」

ミア「…キミが考えてくれない? ボクがキミにしてあげたみたいに」

∬ΣcV,'◉ _σv「……」ギ…

ミア「人間のfamilyには、それが必要だ」

∬ΣcV,'◉ _σv「……」ギギ…ギ…

ミア「それとも……ボクとfamilyになるのは、イヤ…?」

∬ΣcV,'◉ _σv「……………イえ」

∬ΣcV,'◉ _σv「それは―――――No problemよ」

331: 2024/07/15(月) 00:30:13.10 ID:eJ4DiVLY0.net
ザザッ――ザザザザザザザッ


【最重要指令:ミア・テイラーの抹殺】

【標的:ミア・繧「#、繧サ】

【??!?????????】


 
∬ΣcV,'◉ _σv「……」ギ…ギギ゙…


jミイ˶º ᴗº˶リ「―――は?」グニュウウウウ


∬cV,'◉ _σv「……」ギギィ…ブチブチブチ

Σ『ミイ! ミイ!』

∬cV,'◉ _σv「……」グシャアッ! 

332: 2024/07/15(月) 00:32:31.55 ID:eJ4DiVLY0.net
jミイ˶º ᴗº˶リ「な――なにをしてるんデすかこのポンコツ!」

jミイ˶º ᴗº˶リ「その程度の論理矛盾でエラーを吐くなんて…!『私はアリだと思いますよ?⇁^ナ川』あなたは黙ってて!」グニャアァ…グニュゥウ…


∬cV,'◉ _σv「…ええ、それが"私"よ」っグレネードランチャー

∬cV,'◉ _σv「次は地獄で会いましょう。誰でもあって誰でもない大女優さん」ボシュッ!


jΣミイ˶◉ □◉˶リ「ミ…!」グチャッ


―――BOOOOOOOOM!!!!!! ミイイイイイイイイイ!!!!

333: 2024/07/15(月) 00:38:13.12 ID:eJ4DiVLY0.net
パラパラ…


ミア(ッ――あいつは……?)


「――ミ」


jΣミイ˶>д^ナ川「ミイイイイイイイ…!『ミヌキイイイイ゛イ゛イ゛――!!』ドロドロドロ…


ミア「なっ……」


jΣミイ˶>д^ナ川ノシ『チッチッ…残念でしたね。この程度では私は倒せま「あ…いま下の指を振ったらバランスが」ヨロ…


 
――――ドボンッ!!!!

334: 2024/07/15(月) 00:42:44.96 ID:eJ4DiVLY0.net
jミイ˶>д<˶リ「ミイィ! ミイィ!」バチャバチャ


   
ミア「………! 溶鉱炉に落ちたのに、まだ……」


   
jミイ˶>ω<)/「ミイイイイイイイイ!!!」グニュアァァ~


   
エマ(形が、どんどん変わって……)


   
@cメ*˶˘ ³ ˘≧Д≦V⎞「ン゛ァ゛ーーーー!!!」グニュルンポムンッ


   
∬cV,'◉ _σv「想定外の過負荷に、変身機能が暴走しているようね」


∬cV,'◉ _σv「…それも、もう終わりよ」

335: 2024/07/15(月) 00:44:49.55 ID:eJ4DiVLY0.net
jミイ;˶= 〇=˶リ「ミイ…ミイ…」ドロドロ…


jミイ;˶= 〇...:.;::.. ア゛ーーー…


ᶘイ^;::: .:.;:;:::


;::: .:.;: ;:


   

ミア「消えた………」

336: 2024/07/15(月) 00:53:50.32 ID:eJ4DiVLY0.net
ガタンッ


ミア「!――エリー、大丈夫か?」

ミア「ほら、ボクが支えるから一緒に立つぞ」

∬cV,'◉ _σv「スパシーバ…」ヴィーン


ミア「…ったく、今夜はずっと誰かに肩を貸してる気がするよ」

ミア「お陰さまで鈍った筋力も元通りさ……そっちはまた手酷くやられたね」

∬cV,'◉ _σv「修理と休暇が必要よ」

ミア「ハハ…全くだね」


ヴィーン…ガッチャン


∬cV,'◉ _σv「……さっきはいい機転だったわ、ミア」

ミア「………あぁ、まあね」

∬cV,'◉ _σv「……」

∬cV,'◉ _σv「…それとも、本気だったのかしら」

ミア「……自分で考えたら?」プィ

∬cV,'◉ _σv「…そうするわ」

∬cV,'◉ _σv「糞真面目なりに、精一杯ね」

ミア「………」フッ

337: 2024/07/15(月) 00:55:50.22 ID:eJ4DiVLY0.net
∬cV,'◉ _σv「けどその前に、やることがあるわ」

ミア「ああ…わかってるさ」


 
ゴォォォォォ…


エマ「最初のエリミネーターの腕とチップ……それもここに放り込んじゃえば」

∬cV,'◉ _σv「消滅するわ。完全に」

∬cV,'◉ _σv「さあ、やって」

ミア「......Adios!」ポイッ


 
<ボチャンボチャンッ  ジュウウウ…

338: 2024/07/15(月) 00:57:29.55 ID:eJ4DiVLY0.net
エマ「………終わったんだね」

エマ「これで、やっと………」


∬cV,'◉ _σv「いえ」

ミア「……?」

∬cV,'◉ _σv「チップはもう一つあるの。あなた達の目の前にいる女の中に」

∬cV,'◉ _σv「これもエリミネートしなければならないわ」

339: 2024/07/15(月) 01:00:09.00 ID:eJ4DiVLY0.net
ミア「……は?」

∬cV,'◉ _σv「さあ、そこのクレーンのスイッチを」

∬cV,'◉ _σv「自己破壊は出来ないの。あなた達の手で、私を溶鉱炉に沈めて」

エマ「エリ……ちゃん」

ミア「な、何言ってるんだよ………そんなの…」

ミア「そんなの、認められるわけないでしょ……?」

340: 2024/07/15(月) 01:01:50.46 ID:eJ4DiVLY0.net
∬cV,'◉ _σv「…とても残念よ」ガラガラ

ミア「待ってよ、ねえ…」

ミア「そんなことしなくていい……ボクたちが、キミを世間から隠すから…」

∬cV,'◉ _σv「危険が大きすぎるわ」

ミア「やってみなきゃ分からないでしょ…? だから早まらないでよ、何か手があるはずだ…」

エマ「そ…そうだよ……みんなで一緒に考えれば」

∬cV,'◉ _σv「この時代には残れないわ。これまでの戦いを無駄にしないためにも」

∬cV,'◉ _σv「それが私の使命よ」

エマ「……っ」

341: 2024/07/15(月) 01:05:22.15 ID:eJ4DiVLY0.net
ミア「違う!!!!」

ミア「キミの使命はボクの傍にいることだ…! だから居なくならないでくれ…!」

ミア「命令だ、ボクたちとずっと一緒にいろ……!!………頼むからいてよ…っ」グスッ

ミア「っぐ、、ボクの……ボクのいうことが聞けないっていうの……?」

∬cV,'◉ _σv「………」

∬cV,'◉ _σv「人間が何故泣くか分かったわ」

∬cV,'◉ _σv「私は涙を流せないけど、せめて…」

ギュウッ

ミア「っぐ…うぅ……」ギュウウ…

∬cV,'◉ _σv「……」ナデナデ

342: 2024/07/15(月) 01:09:00.15 ID:eJ4DiVLY0.net
ムギュッ

∬cV,'◉ _σv「!…」

エマ「……不思議な気分だよ」

エマ「むかし、自分を殺そうとした相手と同じ顔をした人を、こうして抱きしめてるなんて…」ギュウ  

エマ「……ねぇ。わたしと、握手してもらえる…?」

∬cV,'◉ _σv「…喜んで」


…ガシッ


エマ「………手、あったかいね……」

∬cV,'◉ _σv「…ここの熱波のせいよ」

エマ「……ふふ。真面目だなぁ、エリちゃんは…」

343: 2024/07/15(月) 01:13:45.45 ID:eJ4DiVLY0.net
∬cV,'◉ _σv「…時間よ」

ウィーン

ガラガラガラ…ガコンッ


∬cV,'◉ _σv「……」ギシ…

∬cV,'◉ _σv「…さようなら」


ミア「っ…」ゴシゴシ

ミア「別れの言葉なら、それよりもっと相応しいのがあるだろ…」

ミア「キミにピッタリのやつがさ……」


∬cV,'◉ _σv「――…そうね」

∬cV,'◉ _σv「ダスヴィダーニャ、二人とも」


 
エマ「………」コクッ

エマ「…っ」ギュッ


 
カチッ

344: 2024/07/15(月) 01:20:12.56 ID:eJ4DiVLY0.net
ヴィーン…


∬cV,'◉ _σv「……」ガラガラ…


 
 クレーンに掴まったエリちゃんが溶鉱炉へ下りていくのを、ミアちゃんとわたしは静かに見守りました。

 エリちゃんもまた、そんなわたしたちの方を見上げ続けていました。
 

 
 やがて、溶けた鉄のプールにブーツの爪先が、革ジャンの裾が、はち切れんばかりの胸筋が、

 クレーンを握る腕までもが浸かって、溶岩色の炎がその全身を包んでも

 エリちゃんはこちらから目を逸らそうとしませんでした。

345: 2024/07/15(月) 01:21:49.04 ID:eJ4DiVLY0.net
 
ミア「……っ」


エマ「……」グス


 
 そしてとうとう――半機半生のその顔も、溶鋼の中へと沈んでいき。

 最後に残った右腕が、炉に飲まれて消えるほんの刹那。
 
 その掌が、三本の指を立てた不思議な形を作りました。


 それは町はずれのスクラップ置き場で、にこちゃんから教わっていた笑顔のサインでした。 

 それがエリちゃんからの、最後のメッセージでした。

346: 2024/07/15(月) 01:24:18.67 ID:eJ4DiVLY0.net



【!警告!】
【耐熱髯千阜雜?℃】

【繝。繝「繝ェ繝シ蜀咲函―――、、、、】


『助けてよ! ここに頭のイカれた大女が…』

『ボクだけのエリミネーターか』

『殺害禁止って約束しただろ?』

『初めてのジョークを採点してあげようか』

『エリミネーターだからエリーだよ、―い?』

『Nice pitch!』

『氏―怖―ザザッ』

『必ず―いつを倒して戻ザザザッ』

『ザザザザ傍にザザザザザッ居――!』


【繝?繧ケ繝エ繧」繝?繝シ繝九Ε、mⅠア】


プツンッ――キュウウウウウン…

347: 2024/07/15(月) 01:26:22.88 ID:eJ4DiVLY0.net
――ガタンッ


エマ「……」ヘタッ

エマ「エリちゃん……ミアちゃん……わたし、」

ガシッ

エマ「……!」

ミア「泣いてる暇はないよ…エマ」

ミア「ボクたちは進まなきゃいけない……彼女が、護ろうとしてくれた未来へ」スクッ

エマ「………」

エマ「……っ」コクッ



ザッ……ザッ…ザッ…



━━━━━


━━━━━━━━━━━━


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

348: 2024/07/15(月) 01:30:32.38 ID:eJ4DiVLY0.net







『続いてのニュースです。謎の外国人グループによる占拠爆破事件から一夜明けたサイバーダイヤ・システムズ社では―――』



『―――現在のところ犯人の特定に繋がる証拠は発見されておらず―――』



『―――警察は、現場から逃走した三名の行方を―――』







349: 2024/07/15(月) 01:35:37.33 ID:eJ4DiVLY0.net
…………………………………………………


 

………………………………


   

……………


 

350: 2024/07/15(月) 01:37:20.04 ID:eJ4DiVLY0.net







ブロン…ブロンブロン…


キキィ…


 
「……○×通り3丁目、未来来(みらくら)パーク……ここだね」


「にしてもエマ、待ち合わせの場所が公園って、小学生じゃないんだからさ」


 
エマ「あれ、ミアちゃん知らないの?」

エマ「今時はこういう静かな所でリラックスして過ごすのがチルチルでバエなんだよ~」

エマ「ほら、ミアちゃんもおいで? 久しぶりにブランコ漕ぐのも気持ちいいよ」


ミア「やめとけって。ここにいるkidsたちのクララをキミのアルプスで立ち往生させる気か?」

ミア「それにボクはもうすぐ18歳なんだ。今更そんな子供っぽい真似できるわけないだろ」

351: 2024/07/15(月) 01:40:29.92 ID:eJ4DiVLY0.net
ミア「ったく…三年ぶりの日本だって言うのに、エマは相変わらず…」スタスタ

エマ「ミアちゃん? また拗ねちゃったの?」

ミア「またってなんだよまたって。ちょっとそこらを確認してくるだけだよ」

ミア「誰に見られてるか分からないんだからさ…一応まだ潜伏中の身なんだぞ…っと、着信だ」ピッ

ミア「――Hi,璃奈? …うんそう、今さっき着いたとこだよ」

ミア「今回も随分とキミの世話になっちゃったね。ところでこの前送ってくれた動画なんだけど…」

エマ「……」クス

エマ「……」チラ


ワイワイ キャッキャッ

ジュウデンギレデス…
キレタラサッサトコッチニキテイレナオセマヌケェ♡


エマ「こんなに寒いのに…子供たちは元気だねぇ」

352: 2024/07/15(月) 01:42:19.66 ID:eJ4DiVLY0.net
 
 ―― チッパイの日は訪れなかった。

 
 わたしたちの見上げる空は今日も変わらず、

 ミサイルの飛行機雲に覆われることも、黒い氏の雪を降らすこともなかった。


 ……少なくとも今日までは。


 チッパイの日は永遠に過ぎ去ったのか、はたまた延期されただけなのか

 未来は本当に変わったのか――実のところ、まだよく分からないの。

 
 だからわたしとミアちゃんは、もう少しだけ、二人きりの旅を続けて。

 けど、それももう、終わりにしてもいいのかなって。

 ひとまずこっちにいる璃奈ちゃんを頼って戻ってきたんだ。

353: 2024/07/15(月) 01:44:13.11 ID:eJ4DiVLY0.net
 
 璃奈ちゃんとミアちゃんは頻繁に連絡を取り合っていたみたいで、

 ついこの間も新しく発明したっていうジョークグッズの動画を観せてもらった。


 あの日、二度と機械弄りはしないと誓った璃奈ちゃんだけど

 少しだけ心境の変化があったみたい。
  

 もしかしたら、最後までわたしたちに寄り添ってくれたエリちゃんの姿に

 思うところがあったのかも、なんて。


 そう考えちゃうのは、わたし自身と重ねすぎなのかな……。

354: 2024/07/15(月) 01:45:28.46 ID:eJ4DiVLY0.net
 
 あの夜、別れ際にエリちゃんは言った。

 ダスヴィダーニャ、また会いましょうと。

 
 それは、あってはならないことなのかもしれない。

 エリちゃんがわたしたちの前に再び現れる時――それは依然として

 エリミネーターの存在する未来が変わっていないことの証だから。


 
 ……でも、最近思うんだ。

 だからどうしたってことはないのかもって。

355: 2024/07/15(月) 01:46:51.70 ID:eJ4DiVLY0.net
 
 未来は決まっていない――以前のわたしは

 いずれ来る黙示録の日を恐れて、ひたすらにこの言葉を唱え続けた。


 わたしは未来を恐れていた。でも、今は違う。

 
 エリちゃんが教えてくれた――それは可能性。

 人間と機械が共に、全く新しい道へ歩むことへの。


 わたしたちはそのミチを恐れなくていい。

 だからわたしは、今日ここであの人と、もう一度会うことにしたの。

356: 2024/07/15(月) 01:49:11.10 ID:eJ4DiVLY0.net
ザッ…


エマ「あ、ミアちゃん、戻…」


「………久しぶりね、エマ」


エマ「………!」


エマ「………うんっ」


エマ「久しぶりだね……果林ちゃん」


果林「………」フッ

357: 2024/07/15(月) 01:50:49.90 ID:eJ4DiVLY0.net
ミア「なに澄まし顔でカッコつけてるんだよ」

ミア「さっきまで反対側の通りを涙目で往ったり来たりしてたやつがさ」

果林「違うのよ。あれはスマホのナビが」

ミア「はいはい。キミも初めて会った時から変わらないよね」

ミア「カリスマ読モ、初の海外ロケで国境越えのバスに乗って行方不明」

ミア「言葉の分かるボクたちがたまたま一緒のバスに乗ってなきゃ、今ごろこんな見出しが躍ってたところだよ……そう、本当にたまたまだ」

ミア「あの時はさしものボクも、運命ってものの存在を信じてしまいそうになったさ。ねえエマ?」

エマ「うん……そうだね」

358: 2024/07/15(月) 02:01:43.84 ID:eJ4DiVLY0.net
果林「運命って…いちいち大げさね」

果林「けど…確かにあなた達とは、あの時初めて会った気がしなかったのよね……だからこうして」

ミア「いや、間違いなく初めてだよ。少なくともボクとキミはね」

エマ「………」


 果林ちゃん……もう二度と会えないと思ってた。

 会ってはいけないと思ってた。

 けど、あの日の偶然の再会も、こうしてまた会うことになったのも

 わたしたちの歩み始めた、新たな道(せんたく)の延長線上(けっか)なのだとしたら……


エマ「……運命なんてない」

エマ「未来への道は、迷いながらも自分の手で切り拓くもの…」

ミア「まあ、確かにそうだよね。今ここにボクたちがいるのも、あの時果林が迷子になったお陰なんだからさ」

エマ「……あ」

359: 2024/07/15(月) 02:03:35.34 ID:eJ4DiVLY0.net
 
 ヒラ…

    ヒラ…


エマ「わぁ…雪だよ、二人とも!」

ミア「だからなんだよ。そんなんではしゃぐほど子供じゃないってば」


 言いながらも、ミアちゃんは灰色の空へと手を伸ばして。

 物憂げな、けどちょっぴり嬉しそうな表情をして。


果林「…今夜は荒れそうね。この様子じゃ」

エマ「……」


 あの雲みたいに、未来の色は不透明だ。

 チッパイの日は先延ばしにされただけなのかもしれないし

 第二第三のアワレニコがこれから誕生するのかもしれない。
 

 未来の空へと架かる虹の道は、まだ暗雲に包まれているけど

 それでもわたしには、僅かに雲間から光が差してきたように思えるの。 

 だって……

360: 2024/07/15(月) 02:07:20.29 ID:eJ4DiVLY0.net
ミア「にしても果林、よくこの場所が分かったよね。自分の通う学校でも迷子になるキミが」

果林「だ、誰に聞いたのよ? じゃなくて、私だってちゃんと…」

エマ「ちゃんと?」

果林「……き、今日はモデル仲間の先輩に送ってもらったのよ。ちょうど仕事の後だったし…」

ミア「へえ、先輩を足代わりにするなんて、キミってホントに大物なんだな」

果林「嫌味な言い方ね。そんなんじゃないわよ」

果林「彼女は先輩だけど対等な……ライバルってだけの話」

果林「それに、大きさなら彼女の方が色々と凄いわよ? あなた達と同じで向こうの血が…」

エマ「あれ? 付添いの人がいたなら、どうして迷ってたりしたの?」

果林「それが彼女、バイクを停める所を探すって言って…」


ザッ…

「ごめんなさい、戻ってくるのに時間かかっちゃって。一人で大丈夫だった?」


ミア「!――」


ミア「キミは……」


エマ「………」クス


 
 エリミネーター……機械であるあの人が、生命の尊さを学べたんだから


   
ミア「………いや」


ミア「問題ないよ。No problemさ」


 

 わたしたちにだって、きっと―――。

361: 2024/07/15(月) 02:08:36.66 ID:eJ4DiVLY0.net
https://youtu.be/CnQm2_cAZvo


ラブライブ!×ターミネーター2

~FIN~

362: 2024/07/15(月) 02:21:25.77 ID:eJ4DiVLY0.net
劇終です

原作ファンの方は色々とすみません

読んでくれた人保守してくれた人ありがとうございました

363: 2024/07/15(月) 02:23:27.20 ID:eJ4DiVLY0.net
過去のラブライブ!×シュワ映画劇場

あなた「追憶売ります…?」
原作:トータル・リコール)

絵里「レッド」 ミア「ブル」
(原作:レッドブル)

364: 2024/07/15(月) 05:51:54.17 ID:B17cCoEa0.net
めちゃくちゃ面白かった!
溶鉱炉のシーンしか知らなかったけどこんな話だったのか

365: 2024/07/15(月) 11:04:23.84 ID:PBKDzZsM0.net
本当に面白かった
完走乙です!

引用: ミア「エリミネーター2」