1: 2014/10/13(月) 15:18:58 ID:uVVdp.gM
――アリアハン 謁見の間

魔法使い「お呼びでしょうか」

王「うむ、呼び立ててすまぬな。早速だが、お主に頼みがある。オルテガの娘の話は聞いておるな?」

魔法使い「はい、父オルテガ殿に負けず劣らずの豪傑であるとか。確か、来年には16になり、旅立ち予定である、と聞いております」

王「さよう。そしてわしは、そなたに勇者の供をしてもらいたい、と思っておる。どうじゃ、出来るか?」

魔法使い「…それがご命令であるならば。しかし、彼女の旅立ちは一年後…」

王「そうじゃ、そこでじゃよ、お主には勇者より先に旅立ってもらいたいのじゃ」

魔法使い「!?と、言いますと?」

王「なに、そう難しい話ではない。これから勇者が旅立つまでの一年間で腕を磨き、見聞を広げて来て欲しい、それだけの話じゃよ」

魔法使い「つまり、今の私の実力では力不足、と」

2: 2014/10/13(月) 15:26:31 ID:uVVdp.gM
王「そうは言っておらん。だが、どうせ勇者を送り出すなら、より頼もしい供がいた方が心強いじゃろう?」

魔法使い「それはそうですが…」

王「で、じゃ。きれものと名高いお主に白羽の矢を立てたというわけじゃ。どうじゃ、やってくれるな?」

魔法使い「それがご命令であるならば」

王「うむ、お主ならそう言ってくれると思っていたぞ。では早速じゃが、旅立ちの餞別じゃ」

どうのつるぎを手に入れた!
こんぼうを手に入れた!
こんぼうを手に入れた!
ひのきのぼうを手に入れた!
たびびとのふくを手に入れた!
たびびとのふくを手に入れた!
50Gを手に入れた!

3: 2014/10/13(月) 15:38:20 ID:uVVdp.gM
魔法使い「…」

王「何か言いたげじゃな」

魔法使い「いえ、別に…」

王「あー、言っておくがな、お主を供にするこの計画はわしの独断でな、あまり大きな金は動かせぬによってな…」

魔法使い「理解しております。王ともあろうお方の食卓から、酒や珍味がなくなっては一大事でしょうから」

王「…」

魔法使い「私は不満はありません、ご命令であるならば。ただ――ルイーダの酒場は使っても?」

王「あ、ああ、構わんよ」

魔法使い「それでは早速準備にはいります。では――」

王「ま、待て待て!まだ渡すものがある」

魔法使い「…?まだ何か?」

王「うむ。お主は優秀な魔法使いではあるが、天に選ばれた勇者ではない。魔物に殺されたら、それで終いじゃ」

魔法使い「それはそうでしょうね」

4: 2014/10/13(月) 15:46:10 ID:uVVdp.gM
王「で、じゃ。お主にこれをやろうと思う。これがあれば、魔物に殺されても最寄りの王の所に戻れるじゃろう」

亡者のくつを手に入れた!

魔法使い「…このようなものをいただいても?」

王「構わん。お主のためは勇者のため、ひいては平和のためしゃからな。ただし、この靴は5回までしか使えぬ。6回目の氏亡による全滅でお主の旅は終わりじゃ。最悪の形でな。それだけは忘れぬようにな」

魔法使い「はっ、ありがとうございます」

5: 2014/10/13(月) 15:55:10 ID:uVVdp.gM
王「では魔法使いよ、この旅がどのようなものであるか確認するぞ」

魔法使い「はっ。まず、

私に与えられた時間は365日

キメラの翼やルーラで1日経過

徒歩で夜が明けても1日経過

宿屋に止まって1日経過

王様の所で冒険を中断しても1日経過

で、よろしいですね?」

王「うむ、次に全滅に関してじゃが――」

魔法使い「はい。

氏亡による全滅は5回まで。

マヒによる全滅は構わない

ですね?」

王「うむ。ま、マヒなどの場合は、通りすがりが助けてくれたりもするからの。じゃが、氏亡による全滅を6回した場合――」

6: 2014/10/13(月) 16:02:07 ID:uVVdp.gM
魔法使い「魔法使いは、志半ばで力尽きた。その後、アリアハンは、勇者はどうなったのか、それは――キミの目で確かめてくれ!――といった感じですね?」

王「うむ。そうなれば誰も得をしない。くれぐれも、気を付けて旅をしてくれ魔物達は日々、その強さを増しているという報告も聞くからの」

魔法使い「心得ました」

王「うむ。では、重ねてになるが、くれぐれも気を付けてな。では、ゆけ、魔法使いよ!」

7: 2014/10/13(月) 16:18:55 ID:uVVdp.gM
1日目

魔法使い「さて、 まずは、ルイーダの酒場に行くのも良いけど…とりあえず自分がどのくらい魔物に通用するのか知りたいわね…」

――アリアハン郊外

スライムがあらわれた!
おおがらすがあらわれた!

魔法使い「早速出たわね!は火の子よ我が掌に、我が敵の元に――メラ!!」

おおがらすをたおした!!

スライムのこうげき!!

魔法使い「っ痛…!でも…もう1回、メラ!!」

スライムをたおした!!

魔法使い「…ふう、特に苦戦もしなかったけど…ダメね、いくら魔力があっても足りないわ。やっぱり仲間が必要か…」

8: 2014/10/14(火) 15:35:52 ID:/sTl95Ro
――ルイーダの酒場

魔法使い「さて、どんな仲間がいいかしら…」

戦士「あんたの仲間?いやいや、俺は勇者についていく予定だから」

魔法使い「…ダメね、旅立つ事さえ恐れてるわ」

武道家「ああ、いいぜ。可愛がってやるよ、へっへっへ…」

魔法使い「かえって危険が増えるわね…」

遊び人「ええ~、冒険とかマジありえないんですけど」

魔法使い「…なんでここにいるのかしら?まあいいわ、仕方ない、やっぱり1人で…」

???「ねえ、そこの魔法使いさん、仲間探してるの?」

魔法使い「…貴方は?」

女の子「あたし?あたしは商人。あたし、アリアハンだけじゃなくて、もっといろんな所で商売してみたいの。連れてってくれないかな?きっと役に立つよ!」

魔法使い「商人か…」

9: 2014/10/14(火) 15:45:19 ID:/sTl95Ro
商人「ね、いいでしょ?あたし、戦いも頑張るし、それに、旅するならお金も必要でしょ?あたしがいたら、お金の心配はさせないよ!」

魔法使い「そうね…お金は…国からも大して出なかったし…」

商人「ね、ね?いいでしょ?」

魔法使い「…そうね、じゃあお願いしようかしら」

商人「やったー!じゃあよろしくね、魔法使いさん」

――

魔法使い「さて、仲間も加えたし、まずは…」

商人「ね、早速だけど、レーベ行こうよ!ここから北、歩いてすぐだよ」

魔法使い「…いえ、次の町に行くのは、少し鍛えてからにしましょう」

商人「え~」

10: 2014/10/14(火) 15:58:29 ID:/sTl95Ro
――アリアハン郊外

スライムがあらわれた!

商人「早速出たわね!…って、6匹!?多すぎるよ~」

魔法使い「やるしかないわ。準備は?」

商人「う、うん。さっきもらったどうのつるぎが…」

魔法使い「じゃあ攻撃よ!それ、メラ!!」

商人「よ、よし、私も…それっ!!」ガツンッ

魔法使い「よし、2匹倒し…!?」

スライムのこうげき!!スライムのこうげき!!スライムのこうげき!!スライムのこうげき!!

商人「ひえ~!痛い痛い痛い!!」

魔法使い「ひるんじゃダメよ!もう1回、メラ!!」

商人「う、うん!それっ!!このっ!!このっ!!……」

11: 2014/10/14(火) 16:07:26 ID:/sTl95Ro
――スライムたちをやっつけた!!

商人「はあ~、すっごい疲れた…」

魔法使い「流石に数が多かったわね。でも貴方、なかなかやるじゃない」

商人「うーん、無我夢中でよくわかんないけど…」

魔法使い「でもこの調子なら大丈夫そうね。じゃあ、もう一度戦って…」

商人「ええ~、休まないの!?」

――スライムがあらわれた!おおがらすがあらわれた!

魔法使い「よし、行くわよ!!」

商人「え~ん、きついよ~!」

――夜、アリアハンの宿屋

商人「つ~か~れ~た~」バタンッ

魔法使い「大丈夫?大変ならやめてもいいのよ?まだ間に合うわ」

商人「うーん………いや、やめない!こんな事でへこたれてられないわ!」

魔法使い「…そう。じゃあ明日は…」

12: 2014/10/14(火) 16:09:07 ID:/sTl95Ro
商人「…」zzz…

魔法使い「…私も疲れたわ。お休みなさい、また明日…」

14: 2014/10/15(水) 08:40:01 ID:4KVi11Dc
ちゃーらーらーらーらっちゃっちゃー

――3日目
商人「おはよー!さあ出発よ、すぐ出発よ!」

魔法使い「…待って…朝は…苦手…」

商人「も~、今日こそレーベ行くんでしょ?早くしないとレーベ逃げちゃうよ!?」

魔法使い「…逃げないわよ…」

商人「さあ起きて起きて!…ところで、1つ質問があるんだけど」

魔法使い「なに?」

商人「なんでもう3日目なの?まだ2日…」

魔法使い「なに言ってるの、昨日1日買い物したり、情報収集したり、王様に報告したりしたじゃない」

商人「ああ、王様に報告すると1日経つんだっけ…でもこのペースで大丈夫なの?」

魔法使い「それは私達次第ね。でも、のんびりとはしてられないけど、焦っても…」

商人「ほら、じゃあ急がなきゃ。もう行きましょ、ね、ね?」グイグイ

魔法使い「だから焦らないで…」

15: 2014/10/15(水) 08:48:36 ID:4KVi11Dc
――アリアハン郊外

商人「さあ、今日こそはレーベに行くよ!!」

魔法使い「あんまり騒ぐと魔物が寄って来るわよ」

商人レベル2「大丈夫よ、昨日レベルも上がったし」

魔法使いレベル2「まあそうだけど…」

商人「来るなら来なさいよ、けちょんけちょんにしてわるわ、モンスター!!」

スライムがあらわれた!おおがらすがあらわれた!

魔法使い「来たわね」

商人「よーしやるわよー!…ってなんでまた6匹もいるの!?」

魔法使い「魔物達は6匹パーティーが流行ってたりしてね」

商人「そんな流行やだよ~」

魔法使い「ほら、弱音吐いてないで、やるわよ」

商人「うう、なんで毎回毎回…」

16: 2014/10/15(水) 09:00:01 ID:4KVi11Dc
――レーベの村

商人「やっと着いた~。瀕氏だよ~」ヨロヨロ

魔法使い「あの後またスライム6匹に襲われたからね」

商人「ホントに6匹パーティー流行ってるのかな?ああ、体のあちこち痛いよ…」

魔法使い「ねえ、アリアハンで買った薬草はどうしたの?使えばいいじゃない」

商人「だって~、薬草は8ゴールド、宿屋に泊まれば1人2ゴールド…」

魔法使い「…呆れた」

商人「こんな簡単な計算が出来ないようじゃ、商人失格だよ~」

魔法使い「はいはい。じゃあ早く2ゴールドの宿屋に泊まりましょ」

商人「待って、お店見て回りたい…」

魔法使い「その体で?」

商人「疲れたし身体中痛いしだけど、お店も見ないで宿屋に行く商人なんて…」ヨロヨロ

魔法使い「ほんと呆れた…」フゥ

17: 2014/10/15(水) 10:04:36 ID:4KVi11Dc
道具屋「いらっしゃい」

商人「あっ、ターバンがある」

魔法使い「買うの?」

商人「いちじゅうひゃく、いちじゅうひゃく、いちじゅうひゃく…」

魔法使い「何回数えても値段は下がらないわよ」

商人「うぅ~…」

魔法使い「ほら、唸ってないで、次は武器防具屋に行きましょ」

商人「ああ、ターバン~…」

18: 2014/10/15(水) 10:17:33 ID:B3fUJ4Eg
武器防具屋「いらっしゃい、ようこそ!!ゆっくり見てってくれよ!」

魔法使い「どう?」

商人「アリアハンより良いものがたくさんあるね」

魔法使い「そうみたいね。でも…」

商人「うん。良いものだけに、値段もね…」

魔法使い「そもそも私達、そんなにお金ないわよね」

商人「今日宿屋に泊まれば45ゴールドしかないよ…余ってる武器とか売ってやっと100ゴールドあるかないか…」

魔法使い「しばらくお金を稼ぐ時間が必要かしらね」

商人「また魔物退治かあ…でも仕方ないよね」

魔法使い「そうと決まったら、今日はもう休みましょ?あとはまた明日」

商人「そうだね。それじゃ宿屋に向かって出発進行!!」

魔法使い「ふう、全くお調子者ね…」

19: 2014/10/15(水) 16:22:00 ID:ir/VFIVw
ちゃーらーらーらーらっちゃっちゃー

――4日目

商人「起きて!朝よ、あーさー!」

魔法使い「…今…起き…」

商人「おーきーてー!!」バンバン

魔法使い「…分かったわよ、全く…」

商人「今日は魔物退治だよ!たくさん倒してお金稼いで、いっぱい買い物するの!」

魔法使い「分かってるわよ…準備するから待ってて…」

商人「早くしてね!私外で待ってるから!」バタンッドタドタ…

魔法使い「朝から元気ね…」フゥ

20: 2014/10/15(水) 16:32:22 ID:ir/VFIVw
――レーベ郊外

商人「…それでね、このアリアハン大陸から出るにはまほうの玉っていうのが必要なんだって」

魔法使い「そういえば、アリアハンにもそれを作ろうとしてた人がいたわね。失敗したみたいだけど…」

商人「あーいたね。レーベに来ればちゃんとしたやつくれるおじいさんがいるって話だったのに」

魔法使い「私にその話は聞いたけど…村中探してもそんな人いなかったわよ」

商人「だよねー。どういうことだろ?私達探し方甘かったかなぁ?」

魔法使い「そうね、それでなければ、私達が行けない所…開かない扉の向こう側とかかしら」

商人「あーあったね、いくら扉叩いても出てこないおうち!」

21: 2014/10/15(水) 16:38:49 ID:ir/VFIVw
魔法使い「と、なると…気になるのはもう1つの情報ね」

商人「もう1つ…?あ、とうぞくのカギ!」

魔法使い「ええ、もしかしたら、だけど…それがこの大陸を出るための、文字通りのカギになるんじゃないかしら?」

商人「カギがあるのは、話によればナジミの塔。で、そこに行くには…」

魔法使い「南にある岬の洞窟から行けるらしいわ。ちょっと場所だけでも確認しに行く?」

商人「うん!行ってみよー!!」

22: 2014/10/15(水) 16:46:41 ID:ir/VFIVw
――岬の洞窟

商人「うわあ…洞窟の中ってひんやりしてるね…」

魔法使い「もう…場所の確認するだけって話だったのに…」

商人「でめ、せっかく来たんだし…私達一応、冒険者でしょ?」

魔法使い「まあ、確かにね…でも今日は、すぐ引き返すわよ」

商人「分かってるって…わっ!モンスター!?」

おおがらすがあらわれた!

魔法使い「…外と代わり映えしない顔ね」

商人「ね、ね、あいつらこんな洞窟の中にいるけど、鳥目じゃないのかな?」

魔法使い「さあ…?それはともかく、やるわよ!」

商人「は~い!」チャッ

23: 2014/10/15(水) 16:57:54 ID:ir/VFIVw
――おおがらすをやっつけた!!

商人「へへ~、もうこの程度の敵ならこわくないね!」

魔法使いレベル3「レベルも上がったしね」

商人レベル3「じゃあもっと進んでみようよ!」

魔法使い「ダメよ、無理しちゃ。この洞窟に着く前にも、魔物と戦ったじゃない」

商人「よりによって流行りの6匹パーティーに逢っちゃったもんね…」

魔法使い「そうよ、それに余裕があるうちに引き返すべきだと思うわ。だから…」

商人「あ、ちょっと待って!ほら、あそこあそこ、何かあるよ!?」

魔法使い「あれは…宝箱?」

商人「ね、あれだけ開けてみてから帰ろうよ。ね、ね、いいでしょ?」

魔法使い「しょうがないわね。まあ、私も宝箱は気になるけど…」

商人「やった!じゃ、早く行こ?」タタタ…

魔法使い「全く…転ぶわよ?」

24: 2014/10/15(水) 17:04:27 ID:ir/VFIVw
商人「ね、ね、私が開けてもいいでしょ?」ソワソワ

魔法使い「はいはい」

商人「じゃ、開けるよ!ドキドキするね…それっ」ガチャッ

なんと やくそうを見つけた!

商人「……えぇ?!?」

魔法使い「こんな大きな箱に、薬草1つ…?」

商人「期待はずれだよ?。がっかり…」

魔法使い「まあ、仕方ないわね。さ、帰りましょ?」

商人「はーい。はぁ…」

25: 2014/10/15(水) 17:14:11 ID:ir/VFIVw
――岬の洞窟、入口

魔法使い「無事、出てこられたわね」

商人「はぁ~、薬草かあ…」

魔法使い「まだ言ってるの?仕方ないじゃない、それに次こそはもっと良いものが入ってるわよ、きっと」

商人「そうかな…?そうかもね」

魔法使い「ええ、きっとね。それに、今日はもともとダンジョン攻略が目的じゃなかったはずよ?」

商人「え…?あ、お金稼ぎ!」

魔法使い「そうよ、いっぱい魔物倒して、たくさん買い物するんでしょう?」

商人「すっかり忘れてた!まだ明るいうちに、魔物たくさん倒さなきゃ!ね、ね、魔法使いちゃん、早く行こ?」

魔法使い「私、ちゃん付け?まあいいけど…」

商人「ほら、早く早く!」

魔法使い「はいはい」

26: 2014/10/15(水) 17:18:04 ID:ir/VFIVw
――アリアハン城下町

魔法使い「結局、夜になるまで魔物退治しちゃったわね」

商人「疲れたよ~。しかもお店みんな閉まってるし。お買い物…」

魔法使い「仕方ないわよ、また明日ね」

商人「魔法使いちゃん、今日仕方ないばっかり…」

魔法使い「仕方ないでしょう?ほら、宿屋行くわよ」

商人「はーい…」

27: 2014/10/15(水) 18:32:46 ID:ir/VFIVw
――5日目

商人「おっかいっもの♪おっかいっもの♪」

魔法使い「本当、元気ね…」

武器防具屋「いらっしゃい!」

商人「ね、ね、何買おっか?」

魔法使い「貴方が欲しい物を買えばいいわ、私は今、欲しい物ないから」

商人「いいの!?魔法使いちゃん、太っ腹!」

魔法使い「当然でしょう?貴方の方が前に出て戦闘してるんだから」

商人「それじゃ、遠慮なく。何がいいかな~」

魔法使い「あ、でも貴方、そのうちターバン買うんでしょ?なら頭防具以外がいいんじゃないかしら」

商人「あっ、そうだね!となると…鎧は高いし…盾がいいかなあ?」

魔法使い「そうね、そのかわの盾がいいんじゃない?」

商人「じゃあおじさん、かわの盾下さい!」

武器防具屋「毎度あり!」

28: 2014/10/15(水) 18:42:13 ID:ir/VFIVw
商人「じゃあ次は道具屋!」

魔法使い「いいけど、前に買った薬草もまだ手をつけてないし、買うものないんじゃない?それにお金も…」

商人「お金は今武器防具屋さんで要らないこんぼう売ったから、ちょっとはあるよ。それと、買うものだけど…あ、着いた。こんにちは!」

道具屋「こんにちは、いらっしゃいませ」

商人「ほら、これ!魔法使いちゃんに買ってあげる!」

魔法使い「これって…おなべのフタ?」

商人「魔法使いちゃんも、少しは防具買うべきだと思うの。ね、ね?」

魔法使い「気持ちはありがたいけど…」

商人「ねえおじさん、これ下さい!」

道具屋「はい、毎度ありがとうございます」

商人「はい、魔法使いちゃん!」

魔法使い「あ、ありがとう…(これを装備してあるくのは…恥ずかしいわね…)」

商人「どういたしまして!へへ~、じゃあ出発しよっか!」ニコニコ

魔法使い「…ま、しょうがないわね」

29: 2014/10/15(水) 19:43:40 ID:EE00fomQ
魔法使い「さて、じゃあ今日はどうしようかしら」

商人レベル4「あたし、今日こそあの洞窟探検したいな。レベルも上がったし、次はもっといい宝箱見つけられるはずだし」

魔法使いレベル4「そうね、いずれあの洞窟は攻略しなければいけないし…」

商人「ね?そうと決まったら、早速行こっ!ね?」

魔法使い「そうね、じゃあ行きましょうか」

商人「じゃあ、しゅっぱーつ!!」

――岬の洞窟

おおがらすがあらわれた!

商人「てい、やあ、とおー!!」ドカバキ

魔法使い「それ、メラッ」ボォォッ

おおがらすをやっつけた!!

商人「ふふん、もう君たちなんか敵じゃないもんね。…あれ?何か落とした?」

魔法使い「あら、薬草じゃない」

商人「ラッキー♪幸先いいね。今日こそは本当に、何か良いもの見つけられるかも!」

商人「じゃあもっと奥に行ってみようよ!」

30: 2014/10/15(水) 19:51:07 ID:EE00fomQ
魔法使い「あ、あれってもしかして…」

商人「宝箱だ!ね、ね、開けてみようよ!」

魔法使い「今度は良いものだといいわね」

商人「きっとそうだよ!…えいっ」ガチャッ

なんと たびびとの服を手に入れた!!

魔法使い「…うーん、悪くはないけど…」

商人「そうだね…でも、昨日の薬草よりは、何倍も高く売れるよ!」

魔法使い「そうね、まあ今回はよしとする?まだまだ先は長いみたいだし」

商人「このまま進めば、もっと良いものがきっとあるよ!」

31: 2014/10/16(木) 10:18:12 ID:21aZh.16
魔法使い「さて…分かれなね」

商人「左、真ん中、右か…ね、左行こうよ!」

魔法使い「なんで左なの?」

商人「カン!!」ドヤッ

魔法使い「……ま、いいわ、どうせどこ行けば正解なのか分からないし」

商人「じゃあ左、行ってみよー!!」

魔法使い「さて、何があるかしらね…あら?」

商人「すごいすごい、また宝箱だよ!あたしのカン、すごい!!」

魔法使い「確かに、今回はカンが当たったわね」

商人「じゃあまたあたしが開けるね!それっ」ガチャッ

32: 2014/10/16(木) 10:29:05 ID:21aZh.16
56ゴールドを手に入れた!!

魔法使い「あら、お金ね。良かったじゃない」

商人「…帰ろう」

魔法使い「え?」

商人「今日の冒険はここまで!まだ余裕があるうちに引き返そうよ!」

魔法使い「…お金が手に入った途端に慎重ね…」

商人「落としたり奪われたりするの怖いもん。ね、ね、帰ろ?」

魔法使い「まあいいわよ。慎重に進みたいのは私も一緒だし」

商人「じゃ、今日はここまで、引き返して…!?」

おおがらすがあらわれた!いっかくうさぎがあらわれた!スライムがあらわれた!

魔法使い「モンスターよ!しかも2匹ずつ、また6匹…!」

商人「見たことない魔物がいるよ!」

魔法使い「あのうさぎね。どんなやつか分からないし、気を付けて行くわよ!」

33: 2014/10/16(木) 10:45:03 ID:21aZh.16
商人「よーし、うさちゃん、覚悟ぉー!!」ガキンッ

いっかくうさぎをたおした!!

魔法使い「私はからすね。メラッ」ボォォ

おおがらすをたおした!!

商人「なーんだ、うさちゃんも大したことない…」

いっかくうさぎのこうげき!!おおがらすのこうげき!!スライムのこうげき!!スライムのこうげき!!

魔法使い「!!商人、大丈夫!?」

商人「痛い!!痛いけど…てい、やあ、そぉれっ!!」ドカバキ

魔法使い「大丈夫そうね…私も、メラッ!!」ボォォ

商人「まだまだ、いっくよー!!」

34: 2014/10/16(木) 10:52:43 ID:21aZh.16
――まもののむれを やっつけた!!

商人「へっへ~ん、やったね!」

魔法使い「本当に大丈夫?結構狙われてたみたいだけど…」

商人「それがね、あんまり効かなかったの。きっと新しく買った盾のお陰だね!」

魔法使い「そう…私も、ダメージは少なくて済んだわ。この…おなべのフタのお蔭…かしらね」

商人「やっぱり買っておいて良かったね!」

魔法使い「え、ええ…」

商人「これなら、明日は洞窟のもっと奥まで行けそうだね!じゃ、明日に備えて、帰ろー!」

35: 2014/10/16(木) 11:02:02 ID:21aZh.16
――岬の洞窟、入口

魔法使い「さて、無事に出てこられたわね。今日はどうする?レーベに帰る?」

商人「う~ん、ちょっと待ってね。ひいふうみい…」

魔法使い「なんで今お金を数えるの?」

商人「…うーん、ねえ、魔法使いちゃん、もうちょっと魔物退治してかない?」

魔法使い「え?いいけど、早く帰りたいって言ったの、貴方よ」

商人「うん、そうなんだけど…もうちょっと、もうちょっとでターバンが買えるようになるから…」

魔法使い「ああ、そういう事。いいわよ、まだ少し余裕あるし」

商人「やった!じゃ、あっちの森の方に行こっ!」タタタ…

魔法使い「もう…本当に転ぶわよ…」

36: 2014/10/16(木) 11:09:01 ID:21aZh.16
魔法使い「さて、森に着いたけど…」

商人「あれ?ね、ね、魔法使いちゃん、あそこ!」

魔法使い「え?…あら、茂みの中に、何か…」

商人「ね、ね、ちょっと行ってみようよ!」

魔法使い「そうね…あ!」

商人「え?あ、モンスター!?」

おおありくいがあらわれた!おおがらすがあらわれた!

魔法使い「また6匹…しかも見たことのない魔物もいるわ」

商人「な、なんかちょっと強そう…」

魔法使い「どうせ魔物退治してお金稼ぐつもりだったんでしょ?やるわよ!」

商人「う~、こんなはずじゃなかったのに~」

37: 2014/10/16(木) 11:19:16 ID:21aZh.16
魔法使い「それ、メラッ!!」ボォォ

おおがらすをたおした!!

商人「じゃあ私はこの茶色いヤツを…えいっ」ガキンッ

おおありくいのこうげき!!

商人「いったぁ!?一撃で倒せなかったの、初めてだ…」

おおありくいのこうげき!!おおありくいのこうげき!!

商人「痛い痛い!!ま、魔法使いちゃん、ちょっとヤバいかも…」

魔法使い「作戦変更ね、まず茶色い方を集中攻撃して倒しましょ!メラッ!!」

おおありくいをたおした!!

商人「やー!!このー!!」ブンブン

おおありくいをたおした!!

商人「よし、今度は1発で…」

おおありくいのこうげき!!おおがらすのこうげき!!

魔法使い「大丈夫!?」

商人「な、なんとか耐えられそう…よし、最後の力を振り絞って、いっくよー!!」ドカバキ…

38: 2014/10/16(木) 11:25:57 ID:21aZh.16
――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう…きつかったわね」

商人「まだまだ、あたし達の知らない、強いモンスターがたくさんいるんだね…」

魔法使い「そうね…」

商人「でも!!これでターバンが買えるようになったよ!」

魔法使い「良かったわね。じゃあ、帰る?正直、私はもう限界よ…」

商人「そうだね、あの茂みも気になるけど…調べてる余裕ないよね…」

魔法使い「とてもじゃないけど、今日は無理ね。じゃあ、レーベに戻りましょう」

商人「はーい」

39: 2014/10/16(木) 11:34:14 ID:21aZh.16
――レーベの村

道具屋「ターバンですか?160ゴールドになります」

商人「はーい」チャリンチャリン

道具屋「ありがとうございました」

商人「えへへ、念願のターバンが買えたよ!!これでさっきの茶色いヤツの攻撃も怖くないよ!…たぶん」

魔法使い「あまり防具を過信しない方がいいんじゃない?」

商人「そうだね…でもきっとこれなら大丈夫!明日はもっといろいろ探検出来ると思うよ!」

魔法使い「そうだといいわね。さて、それじゃあその明日に備えて…」

商人「うん、宿屋にゴーゴー!!あ~、今日も疲れたなあ。お腹も減ったし…」

魔法使い「そうね、私も…」

41: 2014/10/16(木) 16:43:15 ID:MLNFyf4Q
――6日目

商人「ねえ、今日はどうするの?岬の洞窟に行くの?それともあの茂みを調べて見る?」

魔法使い「そうね…茂みからにしましょう。もしかしたら、あそこには特になにもないかもしれないし、そしたら改めて岬の洞窟に行けばいいんじゃないかしら」

商人「なるほど!じゃあそうしよっか?でも、何か面白い物があればいいな」

魔法使い「そうね、でも危険はない方がいいけど」

商人「それも行ってみれば分かるよ。じゃあしゅっぱーつ!!」

42: 2014/10/16(木) 16:50:26 ID:MLNFyf4Q
――

商人「ここが昨日見つけた茂みだよね」

魔法使い「そうね。さて、何があるのか…」

商人「あ!ね、ね、魔法使いちゃん、あそこ、牢屋みたいになってる!」

魔法使い「本当ね…うん、どうやっても開かないわね」ギシギシ

商人「ダメか~。…あ、魔法使いちゃん、あそこ、あそこ!」

魔法使い「え?…あ、階段!?」

商人「下り階段だね!ね、ね、魔法使いちゃん、降りてみようよ!ね?」

魔法使い「もちろんよ。こんなもの見つけて、引き返せないわ」

商人「だよね!へへ~、じゃあ、探
検開始!!」

ザッザッザッザッ…

43: 2014/10/16(木) 17:00:10 ID:MLNFyf4Q
レーベ南の洞窟

商人「うわあ…なかはひんやりしてるね」ブルルッ

魔法使い「南の洞窟もそうだったけど、こっちはもっとね…」

商人「と、とりあえず進もっか?じっとしてると寒いよ…」

魔法使い「そうね、行ってみないと始まらないし」

商人「う~、これからは洞窟に入る時は厚着して来よう…」

魔法使い「その方がいいかもね…あら?」

商人「あ、こんな入口の近くに扉がある!」

魔法使い「見るからに怪しいけど…ここも開かないわね…」ガチャガチャ

商人「ここもダメか~」

魔法使い「でも、道は続いてるわ。ここはとりあえず後回しにして、先に進みましょう」

商人「そだね、行ってみよう!」

44: 2014/10/16(木) 17:10:52 ID:MLNFyf4Q
魔法使い「分かれ道ね…」

商人「左は真っ直ぐ道が続いてるけど、正面は暗くてよく見えないね」

魔法使い「左は先が長そうだし、まずは正面に行ってみる?」

商人「そだね、なんか怪しい気がするし」

魔法使い「じゃあ正面に進みましょ…!?」

フロッガーがあらわれた!スライムがあらわれた!

商人「モ、モンスター!?また6匹、しかも見たことないヤツが!!」

魔法使い「ずいぶん大きなカエルね…私、カエルとかあまり得意じゃないんだけど」

商人「あたしも苦手だよ~。ね、ね、逃げちゃおっか?」

魔法使い「何言ってるの、カエルが出てくる度に逃げ出すわけにはいかないわ。それに…新しい呪文も試したいし」

商人「えっ!?魔法使いちゃん、新しい呪文覚えたの?」

魔法使いレベル5「レベル上がったからね。そういうわけだから、戦うわよ」

商人レベル5「う~、ちょっと怖いけど…新しい呪文、期待してるね!」

45: 2014/10/16(木) 17:18:42 ID:MLNFyf4Q
魔法使い「じゃあ行くわよ!目覚めよ冬の子等よ、我の意のまま、誘うままに!ヒャド!!」カキーン

フロッガーをたおした!!

商人「おおお、すごいすごい!!」

フロッガーのこうげき!!スライムのこうげき!!

商人「わっ!…って、全然効かない!ターバンすごい!!」

フロッガーのこうげき!!

魔法使い「っ…!!私は、ちょっと痛いわね…」

商人「魔法使いちゃん!!…このー、えいっ、えいっ、とりゃあ!!」ザクザクッ

魔法使い「このくらいで怯んでられないわ!ヒャド!!」

商人「それっ!それっ!それー!!」

46: 2014/10/16(木) 17:24:41 ID:MLNFyf4Q
――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう…この洞窟の魔物は、岬の洞窟の魔物より強いみたいね。でも貴方は平気そうね?」

商人「うん、やっぱりターバンすごいよ!全然痛くなかったもん!」

魔法使い「貴方が平気なら、魔物が多少強くても大丈夫そうね」

商人「このくらいなら全然平気!!どんどん先に進もうよ!」

魔法使い「そうね。でもその前に…あれを見てみて」

商人「あれって…?あ、あ、宝箱!!」

魔法使い「ええ、開けてみるといいわ」

商人「やったー!!」

47: 2014/10/16(木) 17:30:25 ID:MLNFyf4Q
――32ゴールドを手に入れた!!

魔法使い「お金ね。どうする?また引き返す?」

商人「いいよ、まだ全然疲れてないし、それに前の宝箱よりも少ないし」

魔法使い「確かにね。じゃあこのまま進むわよ。と言っても、ここは行き止まりのようだから、さっきの分かれ道まで引き返すようだけど」

商人「そうだね。じゃあさっきの正面の道の方に行ってみよう!」

48: 2014/10/16(木) 18:27:57 ID:MLNFyf4Q
魔法使い「分かれ道ね…」

商人「右か、左か、正面だね。前は迷ったけど…」

魔法使い「今回は、正面に階段が見えてるわね。これなら行き先に迷わなくていいわね」

商人「うん、じゃあ正面の階段上ってみよう!」

ザッザッザッザッ…

魔法使い「ここは…建物の中かしら?」

商人「そうみたいだけど…あ、こっち、出口があるよ、1回出てみようよ」

魔法使い「そうね…出てみましょうか」

商人「うん、行こっ!さあー、どんな景色が待ってるかな…あ!ね、ね、魔法使いちゃん、あそこって…!」

魔法使い「海を挟んで、お城が見える…あれは…アリアハンのお城!?」

商人「てことは、アリアハンのお城が見えるって事は、ここって…!」

魔法使い「ええ、あのアリアハンから見えた塔…ナジミの塔ね」

商人「あの茂みから、ここに繋がってたんだ!!」

49: 2014/10/16(木) 19:43:27 ID:D3D6r0Rw
魔法使い「意外な所から目的地に着いたわね…じゃあ、せっかくだからこのままナジミの塔探索に入りましょうか」

商人「ここがアリアハンから見えてた塔なんだね…なんだかドキドキしてきたよ」

魔法使い「そうね、小さい時からずっとみてきたけど、入った事はなかったもの…」

商人「私も。なんだか不思議な感じ…」

魔法使い「さあ、感傷に浸ってないで、探索を…出たわね」

おおありくいがあらわれた!おおがらすがあらわれた!

商人「流行りの6匹パーティーだね。でも見たことある顔ばっかりだよ」

魔法使い「塔に入ったからといって、突然魔物の強さが増したりはしないみたいね。でも油断は禁物。やるわよ!」

商人「はーい!モンスターめ、覚悟ぉ!!」

50: 2014/10/16(木) 19:57:18 ID:D3D6r0Rw
sageののむれをやっつけた!!

魔法使い「いたたた…重傷ね…」

商人「ま、魔法使いちゃん、大丈夫!?大丈夫!?」

魔法使い「大丈夫よ、薬草を使えば…ほら」

魔法使いのきずが回復した!

商人「うわあ…薬草すごーい」

魔法使い「抜群の効き目ね。さ、行くわよ」

商人「魔法使いちゃんが治って良かった!」

魔法使い「そういえば貴方、このナジミの塔で見つけるもの、何か覚えてる?」

商人「もちろん!とうぞくのカギ、だよね!」

魔法使い「あら、ちゃんと覚えてたのね?」

商人「あ~、失礼!そのくらい覚えてます!!」プンプン

魔法使い「ごめんなさい、冗談よ。大事な目的ですものね…あ」

商人「え?…あ、階段だ!でも、塔なのに、上り階段じゃないんだ」

51: 2014/10/17(金) 11:55:08 ID:yRVPy2BA
ザッザッザッザッ…

宿「おお、久しぶりのお客さんだ。たびびとの宿へようこそ」

商人「???」

魔法使い「ダンジョンの中に、宿屋…」

商人「あの~、ここ、儲かりますか…?」

宿屋「いやあ、ダンジョンに宿屋があったら便利だろうなと思ったんだが、やっぱり儲からんよ、はっはっはっ!」

商人「でしょうね…」

魔法使い「そもそも人が来ないでしょうからね…」

宿屋「ま、確かに来る人は少ないが、全くというわけでもないんだ。たまにね、この塔に住むご老人が泊まりに来てくれたりね」

魔法使い「!!そのご老人は、この塔の何処に!?」

宿屋「ああ、確か最上階に住んでいるという話だ」

魔法使い「そう…ありがとう」

商人「魔法使いちゃん?その人が何か?」

魔法使い「以前、アリアハンの牢獄で盗賊と喋った事があるんだけど…ナジミの塔の老人に、とうぞくのカギを奪われたと言っていたわ」

商人「…!!それって…!!」

52: 2014/10/17(金) 13:04:52 ID:yb5oQGt.
魔法使い「ええ、そのご老人に会えれば、きっと私達の目的を果たせるわ」

商人「じゃあ、目指すは最上階だね!」

宿屋「なあ、盛り上がってる所悪いんだが、今日は泊まっていくんだろう?」

魔法使い「ああ、ごめんなさい。泊まっては行くけど、もう少し塔の中を探索してからにするわ」

商人「せめて、1階は調べてしまいたいね」

魔法使い「そうね。そういう事だから、ご主人、またあとで来るわ」

宿屋「そうかい。じゃあ待ってるからな、気をつけてな」

商人「はーい、行って来まーす!」

53: 2014/10/17(金) 13:16:00 ID:yb5oQGt.
魔法使い「さて、それじゃあさっさと調べてしまいましょう」

商人「どこから行こうか?」

魔法使い「まずは真っ直ぐ進んでみましょ」

商人「はーい。…この塔って結構明るいけど、所々暗い所あるね」

魔法使い「そうね、この先も少し薄暗いわ。気をつけて…」

商人「でも、洞窟とかよりは明るいから…あ、あれ!!」

魔法使い「階段ね。しかも上り」

商人「これで2階に行けるね!てっぺんに少し近づくね!じゃあ上ってみよ?」

魔法使い「待って、2階に行くのは1階を調べ終わってからにしましょう」

商人「ええ~、まだ何かあるかなあ?でも、宿屋があったくらいだから…」

魔法使い「ええ、何があるか分からないわ。だから、きちんと調べて…」

商人「待って!!ま、魔法使いちゃん、後ろ!!」

魔法使い「え…?あ、魔物!?」

54: 2014/10/17(金) 13:27:04 ID:yb5oQGt.
おおありくいがあらわれた!フロッガーがあらわれた!

商人「茶色いの3匹にカエルが2匹…流行りより少ないね」

魔法使い「だからって、油断しちゃダメよ。じゃあやりましょう、ヒャド!!」カキーン

フロッガーをたおした!!

商人「あたしも!!茶色いの、覚悟ぉ!!…あ、あれ、倒せない…」

フロッガーのこうげき!!おおありくいのこうげき!!おおありくいのこうげき!!おおありくいのこうげき!!

魔法使い「く…いけない…」

商人「ま、魔法使いちゃんばっかり狙わないでよ!!大丈夫!?」

魔法使い「ええ、私、薬草使う…から、貴方は攻撃…」

商人「わ、分かった!そ、それっ」ガキンッ

おおありくいをたおした!!

フロッガーのこうげき!!

魔法使い「!!ああ…」バタッ

商人「ま、魔法使いちゃん?魔法使いちゃん!?」

魔法使いは しんでしまった!!

55: 2014/10/17(金) 14:32:14 ID:LJ2/jDdI
商人「!!!!…ま、ま、…」

商人「早く…早く戻って生き返らせなきゃ…!!あんたたち、どいてよ、この!!この!!」ザクザクッ

まもののむれをやっつけた!!

商人「早く戻らなきゃ、早く…」

商人「…ううん、違う…こんな時こそ冷静に、慎重にならないと…あたしまで氏んだら…」

商人「…うん、まず、宿屋に泊まろう。ちゃんと休んで、それから町まで戻るんだ…」

56: 2014/10/17(金) 14:37:25 ID:LJ2/jDdI
宿屋「お、戻って来たね。…ああ、何てこったい!!」

商人「おじさん、泊めて…」

宿屋「あ、ああ、もちろんだが…お仲間は、いいのかい?」

商人「良くないよっ!!」

宿屋「!!」

商人「良くないよ…でも、あたしまで氏んじゃう訳にいかないもん…だから、だから…」

宿屋「…」

商人「…怒鳴ってごめん…おじさん、泊めて…」

宿屋

57: 2014/10/17(金) 14:43:47 ID:LJ2/jDdI
宿屋「ああ、ゆっくり休んでいくといい。…こっちこそ、すまなかったな…」

商人「ううん…じゃあ、お休みなさい…」

――

商人「大丈夫…町に戻れさえすれば、教会にさえ行けば…魔法使いちゃんは生き返る…」

商人「生き返らせたら、魔法使いちゃんに自慢するんだ。あたし、レベル7まで上がったよって。魔法使いちゃんは、まだレベル5でしょって」

商人「あと、町に戻ったら、魔法使いちゃんに新しい防具買ってあげなきゃ。今度戦闘するときは、もっと魔法使いちゃんを気遣ってあげなきゃ。あと、あと…」

58: 2014/10/17(金) 17:05:57 ID:7B05MDsE
――7日目

宿屋「おはよう。よく眠れたかい?」

商人「おはよう。うん…おじさん、あたしもう行くね」

宿屋「そうかい。気をつけてな…」

商人「うん、ありがと…あ、おじさん」

宿屋「なんだい?」

商人「あたし…あたし達、また泊まりに来るから。今度は2人で」

宿屋「ああ…待ってるよ」

商人「うん、じゃあ、行ってきます」

59: 2014/10/17(金) 17:13:34 ID:7B05MDsE
商人「さあ、くよくよしてられない。早く帰って、魔法使いちゃんを…」

いっかくうさぎがあらわれた!じんめんちょうがあらわれた!

商人「こんな時に、新しいモンスター…!どいてよ、もう!!」ザクザクッ

じんめんちょうをたおした!!

じんめんちょうのこうげき!!いっかくうさぎのこうげき!!

商人「くっ…あんた達の攻撃なんて効かないんだから!!この!!この!!」ガキンッ

――まもののむれをやっつけた!!

商人「新しいモンスターの攻撃も、大して効かなかった…やっぱり、あたしは防具をたくさん買ったから…だから、だからこそ魔法使いちゃんをもっと気遣ってあげなきゃいけなかったのに…」

商人「ううん、反省は後。今は、早く帰る事だけ…」

60: 2014/10/17(金) 17:19:55 ID:7B05MDsE
――レーベ南の洞窟

商人「分かれ道だ…確か、真っ直ぐ行けば、あの茂みの所に戻れたはず…」

商人「でも、もしかして右か左のどっちかが、近道かも…」

商人「でも、もし違ったら…かえって遠回り…それに、もしもっと危険な場所に出たりしたら…」

商人「…来た道を帰ろう。それが一番確実だよね。待っててね、もう少し我慢してね、魔法使いちゃん…」

61: 2014/10/17(金) 17:45:25 ID:7B05MDsE
――レーベの村

魔法使い「……ここは…?私は、確か…?」

商人「ま、魔法使いちゃん!魔法使いちゃん!!」ユッサユッサ

魔法使い「ちょ、ちょっと商人!?」

商人「良かった…魔法使いちゃん…良かったよ~、うえぇ~ん」ヒック

魔法使い「ねえ、落ち着いて?どうしたのよ」

商人「だって、魔法使いちゃんしんじゃって、

62: 2014/10/17(金) 17:54:11 ID:7B05MDsE
商人「だって、魔法使いちゃん氏んじゃって、それであたし、あたし…」

魔法使い「私が、氏んだ…あ、そうか、私、魔物に…」

商人「そうだよー。今思い出したの?」

魔法使い「それで…ここはレーベの教会よね?貴方1人で、ここまで運んでくれたの?」

商人「そうだよー、あたし、あの後宿屋さんに泊まってね、だから1日経っちゃったんだけどね…」ヒック

魔法使い「そう…ありがとうね、あと、ごめんなさい。ダンジョンの中を1人だなんて、怖かったでしょう?」

商人「ううん、あたしの方こそ、もっと魔法使いちゃんを気遣ってあげなきゃいけなかったのに、それなのに…」

魔法使い「違うわ、あれは私の不注意。でも、これからはお互いにもっと気をつけましょうね?」

商人「うん…うん…」

63: 2014/10/17(金) 18:01:28 ID:7B05MDsE
魔法使い「さて…じゃあ行きましょうか。神父様、お世話になりました」

商人「なりました!!」ペコリ

神父「いや、なに、気をつけてな」

商人「はい!じゃあ失礼します!!」

魔法使い「失礼します…さて、貴方、ダンジョンから帰ってきたばかりよね?今日はもう休むでしょう?」

商人「ううん、魔法使いちゃんさえ疲れてなければ、すぐまた出発したいなあ」

魔法使い「すぐに?疲れてないの?」

商人「へーき、へーき!…あ、でも、ちょっと待って。防具屋さんに寄って行きたいの」

魔法使い「良いわよ。何か買い物?」

65: 2014/10/17(金) 20:10:09 ID:DZjvkCQU
武器防具屋「かわのぼうしかい?80ゴールドだが、いいかい?」

商人「はい、買います!」チャリンチャリン

武器防具屋「まいど!!」

商人「はい、魔法使いちゃん、これ!」

魔法使い「私に?」

商人「あたし、防具はたくさん装備してるもん。魔法使いちゃんは、ただでさえ装備出来る防具少ないんだから、装備出来るものはしっかり揃えなきゃ」

魔法使い「そうね…また氏んじゃうといけないものね…ありがとう」

商人「魔法使いちゃんの安全は、あたし達パーティーの安全だもん、当然だよ!じゃ、もう行こ?」

魔法使い「本当に休まなくて平気?」

商人「うん!だから、早く行こ?ね、ね?」

魔法使い「分かったわ。でも、辛くなったら言うのよ?」

商人「うん!」

66: 2014/10/17(金) 20:23:45 ID:DZjvkCQU
――レーベ南の洞窟

魔法使い「分かれ道か…正面の階段上ればナジミの塔よね。貴方は帰って来る時、来た道を戻って来たの?」

商人「うん、それが一番いいかなーって」

魔法使い「そうね、1人の時にそんな博打を打つ必要はないわよね。賢明だったと思うわ」

商人「へへー、いつもきれものと一緒にいるからね!!」

魔法使い「おだててるの?でも、その時はともかく、今は2人。他の道にも行ってみる?」

商人「うん、何か危険があっても、2人ならなんとかなるし。あ、そうだ、魔法使いちゃん?」

魔法使い「なに?」

商人レベル7「あたし、レベル7になったから。魔法使いちゃん、まだレベル5だっけ?へっへ~、差をつけちゃったね!」ニヤニヤ

魔法使いレベル5「むっ…見てなさいよ、すぐに追い付いてあげるんだから」

商人「甘い甘い。商人はレベルアップが早いんだから、もうおいつかせないよーだ」

魔法使い「それはまだまだ分からないでしょ?いいわ、追い付けないかどうか、やってみようじゃない。ほら、さっさと行くわよ」

商人「あ、待ってよ~」タタタ…

67: 2014/10/17(金) 20:35:38 ID:DZjvkCQU
魔法使い「…勢いのまま左の道に来ちゃったけど…」

商人「あ、階段があるよ」

魔法使い「上ってみましょう…なんだか洞窟とは少し空気が変わった?」

商人「そうだね、なんていうか…あれ?ここも建物の中?」

魔法使い「そうね、でも塔ではないみたい…というか、ここ…お城!?」

商人「ええっ!?アリアハンの!?」

魔法使い「ええ、この壁の素材とか、お城のものみたい。こんな所があるなんて、知らなかったけど…」

商人「お城にいた魔法使いちゃんでも知らない所なんだ…中に入ってみたいけど…この扉、開かないね」ギシギシ

魔法使い「中には入れないみたいだけど、もしかしたら…とうぞくのカギで開けられるかも…?」

商人「あ、そうだね!じゃ、無事とうぞくのカギを見つけたら…」

魔法使い「ええ、また来てみましょう」

商人「なんだか楽しみだね!」

68: 2014/10/17(金) 20:44:51 ID:DZjvkCQU
魔法使い「じゃあ次は逆側の通路ね」

商人「こっちは何があるかな?あ、下り階段?」

魔法使い「さらに下るのね…どうなってるのかしら?」

商人「とりあえず降りてみようよ、ね?」

魔法使い「そうね、行ってみないと分からないし……ここは…もしかして…」

商人「なんだか見覚えのある洞窟に出たね。ここって…あ、あの空の宝箱!」

魔法使い「ええ、確かに1度来た所ね。ここは…岬の洞窟のようね」

商人「そういえば探検が途中だったね。そっか、こことあの洞窟が繋がってたんだ」

魔法使い「そのようね。でもこれでここを探索する必要もなくなったわ。後はナジミの塔だけね」

商人「そだね、じゃあ気を引きしめて行こー!!」

69: 2014/10/18(土) 13:10:48 ID:XzG.UPg2
――ナジミの塔、宿屋

宿屋「おお、あんた達は…!」

商人「おじさんーただいま!約束通りまた来たよ!!」

商人「確かに来るとは聞いたが…まさか今日中とはなあ…」

商人「へっへ~、若者は頑張るのよ!!」ドヤッ

宿屋「いやいや大したもんだ…そっちのお嬢さんも、無事蘇生出来たんだね?」

魔法使い「お陰さまで。夕べは、連れが世話になったみたいね」

宿屋「はは、商売だからな、当然さ。それで今日も、泊まってってくれるんだろう?」

魔法使い「ええ、お願いするわ」

商人「おじさん、今日もよろしく!」

宿屋「ああ、ゆっくりお休み…」

70: 2014/10/18(土) 22:36:09 ID:geqRGrk.
――8日目

商人「うーん…魔法使いちゃん、起きてぇ…」ユサユサ

魔法使い「……ああ、おはよう。さすがに今日はいつもほど元気ないわね。疲れてる?」

商人「んー、大丈夫…じゃ、行こっか」

魔法使い「すぐじゃなくてもいいんじゃない?まだ眠いでしょう?」

商人「ん~、ちょっとだけ…」

魔法使い「なら、慌てる必要もないわ。お茶でも飲んで、それからにしましょう」

商人「うん…そうだね」ファァ…

71: 2014/10/18(土) 22:47:14 ID:geqRGrk.
魔法使い「さて、それじゃあそろそろ行く?」

商人「そうだね、眠気も覚めたし。おじさん、行ってきます!」

魔法使い「行ってきます。多分、また利用する事になると思うけど」

宿屋「ああ、待ってるよ。行ってらっしゃい、気をつけてな」

商人「はーい!!」

魔法使い「さて…それじゃあ2階に行ってみましょうか」

商人「そうだね、何階まであるか分からないけど、上に進めばそのうちてっぺんまで行けるよね」

魔法使い「そうね。でも、どのくらいの道のりかは分からない。だから、もし疲れたら、またこの宿屋に戻って来ましょう。1日で無理なら、2日3日かけてもいいから、安全第一で行きましょうね」

商人「うん、でも、出来れば早く見てみたいなあ、とうぞくのカギ」

魔法使い「確かに、早いに越した事はないけどね。それじゃあ、階段を上りましょう…」

72: 2014/10/19(日) 07:23:09 ID:mchtHabk
商人「2階に来たけど…ね、あれ3階に上る階段じゃない?」

魔法使い「そうね、こんなに早く見つかるなんて…」

商人「でも、すぐ上らないんでしょ?この階を見て回ってからだよね?」

魔法使い「ええ、ここに階段があると覚えてさえいればね」

商人「じゃ、次行ってみよー!!」

73: 2014/10/19(日) 07:37:59 ID:mchtHabk
魔法使い「あ、ねえ商人、あれは…」

商人「あー、宝箱!!ね、ね、早く行って開けようよ!!」タタタ…

魔法使い「もう、危ないわよ…あ、商人!」

商人「え?あ、モ、モンスター!?」

いっかくうさぎがあらわれた!じんめんちょうがあらわれた!

商人「む~、宝箱の目の前で…!!」

魔法使い「見たことのない魔物がいるわ。気を付けるのよ」

商人「え?あたしどっちも見たことあるよ?」

魔法使い「え?そうなの?」

商人レベル7「へっへ~、魔法使いちゃん、そんなだからレベル低いのよっ!!」ドヤドヤッ

魔法使いレベル6「むっ…たった1つの差じゃないの、すぐ追い付くわよ」

商人「それはどうでしょうね~?だって、あたし…」

魔法使い「ほら、魔物が来るわよ!ふざけてないで、戦闘準備!」

商人「はーい!!」

74: 2014/10/19(日) 07:47:04 ID:mchtHabk
――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう、あの蝶も、大した強さではないわね。全部で6匹ね群れだったから、心配したけど…」

商人「そんな事より、宝箱、宝箱開けようよ!ね?」

魔法使い「…貴方、たくましくなったわね…最初の頃はスライムと戦うだけで『辛いよ~』なんて言ってたのに」

商人「え~、そんな事言ってたっけ?」

魔法使い言ってたわよ、本当、最初の頃はどうなるかと…」

商人「もう、その話はもういいでしょ?宝箱、開けちゃうよ?」

魔法使い「はいはい、どうぞ」クスクス

75: 2014/10/19(日) 07:59:01 ID:mchtHabk
40ゴールドを手に入れた!!

商人「え~、もうちょっと欲しかったなあ…」

魔法使い「そうねえ…でも、ただで手に入るんだから、文句を言ってはいけないわ」

商人「む~、そろそろ300ゴールドくらい入っててもいいのに…」

魔法使い「何バカな事言ってるの。商人なんだから、お金は自分で稼ぎなさい。ほら、行くわよ」

商人レベル8「あ、待ってよ!レベル8のあたしが、前歩いてあげるから…」

魔法使い「貴方、またレベル上がったの!?」

商人「言ったでしょ?商人はレベルアップが早いって。魔法使い君、精進したまえよ」オッホン

魔法使い「言ってくれるわね…見てなさいよ、すぐに…」

商人「それは聞きあきたわよ魔法使いちゃ~ん?そういうのは行動で示さないと、ね?」ニヤニヤ

魔法使い「…悔しい…!本当、見てなさいよ…!」

76: 2014/10/19(日) 08:11:18 ID:mchtHabk
商人「でもさあ、この塔も思ったほどモンスター強くないね」

魔法使い「うーん、1度氏んだ身だからなんとも言えないけど…確かにもっと危険な場所じゃないかとは思ってたわね」

商人「この調子なら、結構簡単にとうぞくのカギも手に入るかもよ?」

魔法使い「だといいけど…油断は禁物よ。これからどんどん上に上がるんだし…あ、噂をすれば」

商人「階段だね。でも、上に上がる階段二つ目だ。どうしよう?」

魔法使い「こっちの階段上りましょう。わざわざ戻るのも手間だし…貴方、まだ余裕ある?」

商人「全然平気!!魔法使いちゃんの魔力は?」

魔法使い「私も、まだまだ大丈夫。じゃあ、先に進みましょう」

商人「次は3階か、ワクワクするね!」

77: 2014/10/19(日) 08:27:24 ID:mchtHabk
魔法使い「さて、3階だけど…」

商人「あんまり今までと変わらないね。いきなり強い敵ががおー!とか来ると思ってたのに」

魔法使い「そんな事あるのかしら…?それに、同じ建物の中なんだし、そんなに…」

商人「あ、魔法使いちゃん、あの人なんだろ?」

まほうつかいがあらわれた!

魔法使い「同業者かしら?でも、仲良くしよう、みたいな雰囲気ではないわね…」

商人「そうだね…あ、襲いかかって来たよ!!」

魔法使い「そっちがその気なら…ヒャド!!」カキーン

まほうつかいをやっつけた!!

商人「あ、勝った」

魔法使い「1人だけだったからね…じゃあ先に進みましょう」

78: 2014/10/19(日) 17:48:05 ID:qUf92Fsw
バブルスライムがあらわれた!おおありくいがあらわれた!じんめんちょうがあらわれた!

商人「また見たことないモンスター!!」

魔法使い「あのぶくぶくしてる緑色の…確か毒があるって話よ、気をつくて」

商人「ええ~、触りたくないよ…」

魔法使い「それなら私があいつを攻撃するわ。貴方は他を倒して。それ、ヒャド!!」カキーン

バブルスライムをたおした!!

商人「分かった!!そぉれっ!!」ザクッ

じんめんちょうをたおした!!

バブルスライムのこうげき!!

商人「ひえ~、やだやだやだ!!」

魔法使い「大丈夫!?毒は?」

商人「だ、大丈夫みたい…で、でも怖いよ、早くやっつけちゃおうよ!」

魔法使い「そうね、長引くと良くないわね…一気に行くわよ!!」

商人「うん!!」

79: 2014/10/19(日) 18:00:15 ID:qUf92Fsw
まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「最初はそうでもないと思ってだけど…3階からは魔物が強くなった気がするわね」

商人「しかも毒があったり、呪文を使ってきたり、モンスターがいろいろしてくるようになったね。マヌーサの呪文は効かなかったけど…」

魔法使い「油断ならないわね…あら、4階へ行く階段だわ」

商人「どうしよう?まだ3階を調べきってないよね。ここは後回し?」

魔法使い「いえ、上りましょう。魔物が強くなってきたから、あまり時間をかけない方がいいわ。それに、おそらくだけど、そろそろ頂上のはずよ」

商人「分かるの?」

魔法使い「ええ、このダンジョン、上に来るたびに狭くなってるでしょう?外から見た感じもそうだったし。だから、4階はもっと狭くて…そして多分、4階より上はないんじゃないかしら」

商人「なるほど、さすがきれもの!!」

魔法使い「行ってみなければ分からないけどね」

商人「そうだね、じゃあ4階にレッツゴー!!」

80: 2014/10/19(日) 18:09:53 ID:qUf92Fsw
老人「ほう、ここまで来るものがいるとはのう」

商人「あ、おじいさんだ!ってことは…」

魔法使い「ここが目的地、かしらね」

老人「ほう、ここが目的地という事は、お主らはとうぞくのカギが目当てか。しかし、わしはずっと勇者にとうぞくのカギを渡す夢を見続けて来たのじゃ。勇者でなければ、カギは渡せん。お主らは勇者ではないじゃろう?」

商人「ええ~、そんな…」

魔法使い「確かに、私達は勇者ではありません?ですが、私は、私達は
勇者のために旅をしています。そして、旅を続けるにはとうぞくのカギがどうしても必要なんです。譲ってはいただけないでしょうか?」

老人「勇者のために旅を…?それは本当かな?」

魔法使い「はい。アリアハン王の命です」

老人「……」

魔法使い「………」

商人「…………」ゴクリ

81: 2014/10/19(日) 18:17:02 ID:qUf92Fsw
老人「分かった。お主達を信じよう。このとうぞくのカギ、受け取ってくれ」

とうぞくのカギを手に入れた!!

商人「やったー!!ありがとう!!」

魔法使い「ありがとうございます。信じていただいて…」

老人「なに、試すような事を言ったが、お主らが信用に足るもの達であるのは、目を見れば分かった。このカギ、役立ててくれよ」

商人「もちろん!!ありがとう、おじいさん!!」ペコリ

魔法使い「ええ、必ず役に立てます。勇者様の為にも」

老人「ああ、頼んだよ。ではわしは、夢の続きを見ることとしよう…」

82: 2014/10/19(日) 18:25:31 ID:qUf92Fsw
商人「カギがもらえて良かったね!!でもあのおじいさん、こんなモンスターだらけの塔で1人暮らしなのかな?よく平気だね?」

魔法使い「あのご老人、ただのおじいさんじゃないわ、魔法使いよ。それも、かなりのレベルの」

商人「へ~、そうなんだ、全然分からなかったよ」

魔法使い「私は同じ魔法使いだからね。さ、それじゃあ下の階の探索を続けようかしら、まだ余裕ある?」

商人「うん、まだ平気。早く行こ、ね、ね?」タタタ…

魔法使い「もう、せっかちなんだから…あのご老人、ただの魔法使いじゃないわ。おそらく魔法使いや僧侶よりも上の…それなら、もっと話を聞いておくべきだったかしら…?」

商人「ね~、なにぶつぶつ言ってるの?早く行こうよ!」

魔法使い「待って、今行くわ…」

83: 2014/10/19(日) 18:39:20 ID:qUf92Fsw
フロッガーがあらわれた!バブルスライムがあらわれた!おおありくいがあらわれた!じんめんちょうがあらわれた!

商人「わあ、いろんな種類がいるよ!」

魔法使い「ええ、でも数は4体よ、大丈夫。毒と呪文に気を付けてね」

商人「うん。それっ、行くよー!!」ザクッ

おおありくいをたおした!!

魔法使い「ヒャド!!」カキーン

バブルスライムをたおした!!

じんめんちょうはマヌーサをとなえた!!

商人「わわ、なにこれ!?モンスターがたくさん見えるよ、しかもぐにゃぐにゃ…あ、ま、魔法使いちゃん!?」

魔法使い「ど、どうしたの!?」

商人「魔法使いちゃんが、すっごくないすばでーに見えるよ!!せいぜいBくらいの魔法使いちゃんが!」

魔法使いB「うるさいわね!!貴方だって、大して変わらないでしょう!?」

商人B「わ、私は、し、Cくらいあるもん!!」

魔法使い「ウソばっかり!大体、貴方…」

84: 2014/10/19(日) 18:46:02 ID:qUf92Fsw
フロッガーのこうげき!!

商人「わわ、モンスターが!」

魔法使い「いけない、バカな事してたわ…集中して、まずは魔物を倒すのよ!!」

商人「う、うん!!」

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう、終わったわね…全く、貴方がバカな事言うから…」

商人「魔法使いちゃんだって…」

魔法使い「あれは最初に貴方が…!まあ、いいわ。確かに私も悪かったわ。これからは、戦闘中にふざけるのはやめましょう」

商人「そうだね…ごめんなさい」

魔法使い「お互い様よ。さて、この塔も大体調べ終わったわね。後は宿屋にもどりましょうか、私は魔力も心細くなってきたし…」

商人「そうだね、じゃあ戻ろう、いざ宿屋へ!!」

85: 2014/10/19(日) 19:22:46 ID:qUf92Fsw
商人「おじさん、ただいま!!」

宿屋「おお、お帰り。…その様子だと、目的は果たした、といった所かな?」

商人「え?分かるの?」

魔法使い「貴方、分かりやすいのよ」

商人「え~、そうかな…?」

宿屋「はっはっはっ、それはそうと、今日も泊まっていってくれるんだろうね?」

商人「はい、もちろん!!」

魔法使い「ええ…多分、今日が最後になるでしょうけど」

商人「あ…そっか…」

宿屋「…ああ、いつまでも、こんな所にいられないだろうからね。ここ何日か、楽しかったよ…」

商人「おじさん…」

宿屋「さあさあ、辛気くさいのはここまでだ。疲れているんだろう?ゆっくりお休み」

魔法使い「ええ、お休みなさい」

商人「お休みなさい…」

86: 2014/10/19(日) 19:29:34 ID:tQaj7gDg
――9日目

商人「魔法使いちゃん、起きて、起きてー!」バフバフ

魔法使い「…ん…もう少し…」

商人「おーきーてー。魔法使いちゃん、レベル6ー!」

魔法使いレベル7「レベルは…7…」

商人「もー!起きて!魔法使いちゃん!Bー!!」

魔法使いB「…!!」ガバッ

商人B「あ、起きた」

魔法使い「顔、洗ってくる…」

商人「はーい…効果テキメンだね、B」

魔法使い「うるさいわね、B!!」

商人「ひゃー、聞こえてた!?」

87: 2014/10/20(月) 16:51:36 ID:u6vXQGqI
魔法使い「さて、準備は出来た?」

商人「うん、じゃあ行こっか。おじさん、お世話になりました!!」ペコリ

魔法使い「本当に…」

宿屋「よしてくれ、こっちは商売でやっただけだ。…道中、気を付けてな」

商人「うん、うん…」

魔法使い「もう、辛気くさい顔しないの!今生の別れって訳じゃないんだから。またいつか、きっと来ましょう?」

商人「うん、そうだね…そうだね!!じゃあおじさん、いつかまた!!」

宿屋「ああ、またいつか、な」

商人「じゃあね!じゃーねー!!」

宿屋「…行ってしまったか。静かになっちまうなあ…」

88: 2014/10/20(月) 17:03:57 ID:u6vXQGqI
商人「絶対だよ?絶対、また来ようね!」

魔法使い「分かってるわよ。それより、これからどこに行くか、分かってるわよね?」

商人「えっと…洞窟から繋がってたアリアハンのお城に行ってみるんだよね?」

魔法使い「そうね。とはいえ、あのお城に、私が知らなかった何かがまだあるとも思えないけど」

商人「魔法使いちゃんは、王宮魔術師だったんだよね。エリートだよね」

魔術師「どうかしらね…?こうやって外に出されたし、大した人材とは思われてなかったのかもね」

商人「でも、旅に出て良かったでしょ?」

魔法使い「そうね。最初はどうなるかと思ったけど、結構面白いものね。貴方にも助けてもらってるし…」

商人「それはあたしもだよ!魔法使いちゃんがいなければ、あたしずっとアリアハンでだらだらしてたと思うし」

魔法使い「まあ、これからもっと過酷な旅になるでしょうから、面白いなんて言っていられなくなるかもしれないけど」

商人「大丈夫だよ、二人で行けば!!」

魔法使い「ふふふ、そうだといいわね」

89: 2014/10/20(月) 17:21:42 ID:u6vXQGqI
商人「おしゃべりしてるうちに、お城に行く階段まで来ちゃったね」

魔法使い「そうね、じゃあ行きましょう」

商人「あ、またあの扉。私、カギ使ってみるね」カチッ

魔法使い「開いた、わね」

商人「よーし、どんどん進んでみよう!!…ね、魔法使いちゃん、ここは?」

魔法使い「ここは…牢獄ね。お城の地下よ…あら」

囚人「あ、それは俺様のとうぞくのカギ!なぜてめーらが!?」

商人「あ、カギの元の持ち主さん?」

囚人「持ち主どころか、そのカギを作ったのが俺様なんだよ!それを、あの老人が…てめーら、あの老人にあったのか!?」

魔法使い「そうよ、あのご老人から譲ってもらったの」

囚人「畜生、あのじじい…まあいい、俺様はどうせ牢屋の中だ、せいぜい役立てろや」

魔法使い「ええ、そのつもりよ」

商人「おじさん、じゃーねー!!…牢屋のなかとか大変だね」

魔法使い「貴方も、将来入ったりしないようにね」

商人「あはは、ないない」

90: 2014/10/20(月) 17:33:12 ID:u6vXQGqI
魔法使い「結局、真新しいものは何もなかったわね」

商人「いろんな人にも聞き込みしたけど、特に新しい情報はなかったし」

魔法使い「新しい情報といえば、旅の扉くらいかしら。どうやらまほうの玉を使って行ける先にあるらしいけど」

商人「旅の扉…なんだろうね?」

魔法使い「まあ、行ってみれば分かるでしょう。さて、たまには王様にご挨拶でもしようかしらね。貴方も来る?」

商人「え?う~ん…いいや、王様と会うなんて、緊張しそうだし」

魔法使い「そんな大したものじゃないけどね…」

商人「そうなの?」

魔法使い「私に寄越した軍資金を見れば分かるでしょう?まあいいわ、私1人で行くから」

商人「じゃあ、ルイーダの酒場で待ち合わせしよっか?」

魔法使い「そうね、あそこで待ってて。じゃあ、また…」

91: 2014/10/20(月) 18:28:10 ID:u6vXQGqI
――10日目

商人「ね、今日はどうするの?」

魔法使い「まずは、まほうの玉をもらいにレーベに行きましょう」

商人「じゃさ、昨日通ったお城の地下の洞窟、あそこ通って行かない?」

魔法使い「あの洞窟を?確かにあの洞窟を抜ければレーベの近くに着くし、あそこの魔物も今ならそこまで怖くないでしょうけど…」

商人「ほら、あの洞窟最初に入った時さ、入ってすぐの所に扉あったじゃん。あそこ、とうぞくのカギで開かないかなーって」

魔法使い「ああ、確かにそんな所あったわね。いいわ、行きましょう」

商人「やった!何があるか、楽しみだね!」

92: 2014/10/20(月) 18:41:34 ID:u6vXQGqI
――レーベ南の洞窟

魔法使い「それじゃあ、カギを使ってみましょう」

商人「うん、じゃあ開けるね」カチッ

魔法使い「あいたわね」

商人「中は…あー、宝箱があるよ、2つも!!」

魔法使い「やったわね、さあ、開けてみて」

商人「もちろん!!まずは1つ目…」ガチャ

なんと すばやさのたねを見つけた!!

魔法使い「何かしら、これ?」

商人「どれどれ…えーと、たぶんね、これ食べると素早さがあがるよ」

魔法使い「へえ、さすが商人ね、大した鑑定眼だわ」

商人「えへへ、たまには商人っぽいとこ見せないとね!さて、もう1つの宝箱は…」

なんと きのぼうしを見つけた!!

魔法使い「木で出来た帽子ね

商人「う~ん、悪くないけど…魔法使いちゃん、装備出来ないよね…」

94: 2014/10/21(火) 10:17:50 ID:Nl5rBOoA
魔法使い「貴方は…ターバンの方が守備力高いのね。すごいのねターバンって。何で出来てるの?」

商人「へへ~、それは商人だけのヒミツなのです!」

魔法使い「そうなの?」

商人「ごめん、ウソ」

魔法使い「……まあ、いいわ。それより、もうこの部屋には何もないし、レーベへ行きましょう」

商人「そだね、いよいよまほうの玉ゲットかあ!」

95: 2014/10/21(火) 13:04:05 ID:dn6kXsXc
――レーベの村

老人「ほう、下は確かカギをかけていたはずだが…お前達はカギを持っているのか?」

商人「はい!これ!」ジャラ

老人「ほう、カギを持っているか。ならば、まほうの玉を持っていくといい」

魔法使い「…ずいぶんあっさりと手にはいったわね」

老人「なんだ、要らんのか?」

商人「いりますいります、すっごくいります!!」

老人「そうだろう。ならば持っていけ」

まほうの玉をうけとった!!

商人「ありがとう、おじいさん!!」

魔法使い「ありがとうございます」

老人「これがあれば、旅の扉への封印が解けるだろう。海の向こうでは、アリアハンから勇者が来るのを待っている人々も数多いる。力になってやってくれ」

魔法使い「はい、必ず」

商人「これで海の向こうに行けるんだね!!すっごくどきどきしてきたよ!!」

96: 2014/10/21(火) 14:34:34 ID:Dr2CLkjM
魔法使い「ついにまほうの玉が手に入ったわね。じゃあ、後は…」

商人「おっ買いっもの!おっ買いっもの!」

魔法使い「はいはい、じゃあ武器防具屋に行きましょう」

商人「やった!じゃあ早く行こ!ね、ね?」タタタ…

魔法使い「全く、本当買い物好きね…」

武器防具屋「はいらっしゃい!!」

商人「ね、ね、何買おっか?」

魔法使い「そうね…まずは貴方の武器を買いましょう。一撃で倒せない敵も増えてきたし」

商人「そうだね。じゃあおじさん、くさりがま下さい!」

武器防具屋「毎度あり!!」

商人「残りは200ゴールド…」

魔法使い「買えるのは、かわのよろいくらいね。買ったら?」

商人「え…でも、魔法使いちゃんの防具は…?」

魔法使い「お金が足りないもの、仕方ないわ。間に合う範囲で買える物を買いましょう」

商人「うーん…分かった!じゃあおじさん、かわのよろいも下さい!」

97: 2014/10/21(火) 14:47:26 ID:Dr2CLkjM
――レーベ郊外

魔法使い「さて、と。じゃあとりあえず、このまほうの玉を使う場所を探しに行ってみる?」

商人「うーん、そうだね…」

魔法使い「なに?珍しいわね、いつもなら行こう行こううるさいのに」

商人「…ね、魔法使いちゃん、これからが本当に大変な旅になるって行ってたよね?」

魔法使い「ええ、そうだけど…まさか怖じ気づいた?」

商人「違うよ!これからが大変なのに、魔法使いちゃんの防具買えなかったから…」

魔法使い「ああ、その事。大丈夫よ、とりあえず今日はそこまで長く冒険はしないでしょうし」

商人「でも、でも、今日だけじゃなくて…」

魔法使い「分かったわよ。新しい防具を買うまで、絶対に無理はしないから」

商人「ホントだよ?約束だからね?」

魔法使い「はいはい、分かってるわよ」

商人「うん、それじゃあ行こっか!…で、どっちに行くの?」

魔法使い「貴方は…東に行けば、旅の扉がある洞窟があるって話だったでしょう?」

商人「そうだっけ?じゃあ東に向かってしゅっぱーつ!!」

98: 2014/10/21(火) 15:23:47 ID:Dr2CLkjM
魔法使い「ふう…結構歩いたけど」

商人「あ、魔法使いちゃん、あれなんだろ?」

魔法使い「あれは…ほこらかしら?とにかく、入ってみましょう」

商人「そうだね…なんだか寂しい所だね…お邪魔しまーす」

魔法使い「ここは…」

老人「まほうの玉は手に入れたかね?」

商人「うわー!!びびびびっくりした!!」ドキドキ

魔法使い「貴方は…?」

老人「まほうの玉は手に入れたかね?」

魔法使い「え、ええ…」

老人「ならば、いざないの洞窟に向かうがよい。ここからすぐの泉の近くじゃ」

魔法使い「あ、ありがとうございます…じ、じゃあ行きましょうか…」

商人「そ、そうだね…お、お邪魔しました…」

99: 2014/10/21(火) 15:30:03 ID:Dr2CLkjM
魔法使い「見えたわ、あれがほこらのご老人が行ってた泉ね」

商人「ね、ね、さっきのおじいさん、なんだったんだろうね…?」

魔法使い「さあ…とにかく、私達は先へ進みましょう」

商人「そだね…あ、魔法使いちゃん、あそこ!」

魔法使い「あそこが入り口かしら?行ってみましょう」

商人「うん…封印って、どんなだろうね?」

魔法使い「それはきっと…もうすぐ分かるはずよ

商人「そっか…そだね、行ってみれば分かるよね…緊張してきたなあ…」

100: 2014/10/21(火) 15:39:54 ID:Dr2CLkjM
魔法使い「ここは…広い部屋に出たけど…」

老人「これはこれは、こんな所までよく来たのう」

商人「うわあ…ナジミの塔から、おじいさん4連発だね…」ヒソヒソ

魔法使い「そんな事言わないの。あの、ここがいざないの洞窟でしょうか?」

老人「さよう。しかし洞窟の入り口は、封印によって封じられておる」

商人「えっと…この壁がそうなの?魔法使いちゃん…」

魔法使い「ええ、想像してたのとは少し違ったけど…そういえば、まほうの玉は爆弾みたいな物だって、誰かが言ってた気がするわ」

商人「あ、じゃあこの壁、物理的にこわすんだ…」

魔法使い「多分ね。じゃあ、やってみるわね。離れてて」

商人「うん、気を付けてね」

魔法使い「ええ………これでよし、と。じゃあやるわよ、それっ!!」

ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!!

商人「わ、わわわわわわー!!」

101: 2014/10/21(火) 15:46:56 ID:Dr2CLkjM
魔法使い「…どうなったのかしら?」

老人「おお、おお…!」

商人「わ、わ、魔法使いちゃん、壁が!!」

魔法使い「壁が崩れて…その先に階段が…これは…」

老人「うむ。もはや、封印はほどかれた!!」

商人「封印が!?じゃあ、これで海の向こうに行けるんだね!?」

老人「うむ。しかし、ここから先は魔物も強い。気を引きしめて行く事じゃ」

魔法使い「ええ、気を付けるわ。行きましょう、商人」

商人「だ、大丈夫かな…?」

魔法使い「まだ私の心配をしているの?大丈夫よ、行きましょう」

商人「う、うん…」

102: 2014/10/21(火) 15:55:57 ID:Dr2CLkjM
魔法使い「とはいえ、今日中に海の向こうまで行く訳じゃないわ。少し様子を見て、後は引き返しましょう」

商人「うん…あ、ま、魔法使いちゃん、ひ、人が!!」

まほうつかいがあらわれた!!

魔法使い「ご同業…しかも4人も…!」

商人「あ、あの人たち、みんな攻撃呪文使うの!?」

魔法使い「おそらくね。でも、怯んじゃダメよ!それっ、ヒャド!!」カキーン

まほうつかいをたおした!!

商人「よーし、あたしも…それっ!!ってあれ?倒せない!?」

魔法使い「ご同業のくせに頑丈ね!…あ、商人、危ない!!」

まほうつかいはメラを唱えた!!

商人「!!あ、熱いよ!!」

まほうつかいはメラを唱えた!!

魔法使い「くっ…!!長引くと不味いわね。商人、一気に行くわよ!!」

商人「う、うん!!」

103: 2014/10/21(火) 16:02:57 ID:Dr2CLkjM
――まほうつかいをやっつけた!!

魔法使い「商人、大丈夫?」

商人「あたしは平気。魔法使いちゃんは?」

魔法使い「私も、大丈夫。薬草も使ったからね」

商人「良かった…でも、魔法って怖いね…」

魔法使い「私も、使われる側になって、初めて怖さを知った気がするわ」

商人「味方にいるととっても頼もしいけど…あ、魔法使いちゃん、あっち!!」

さそりばちがあらわれた!!じんめんちょうがあらわれた!!

魔法使い「また魔物!?次から次へと…しかも新手ね。商人、やるわよ!」

商人「う、うん!!」

104: 2014/10/21(火) 16:12:37 ID:Dr2CLkjM
――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「うっ…あの新手の魔物、かなりの攻撃力だったわね…」

商人「ま、魔法使いちゃん、大丈夫?もう戻ろう?ね、ね?」

魔法使い「…そうね、今の私達じゃ、この洞窟は厳しいわ…」

商人「うん、じゃあ戻ろう、すぐ戻ろう!」

じんめんちょうがあらわれた!!アルミラージがあらわれた!!おばけありくいがあらわれた!!さそりばちがあらわれた!!

まもののむれはいきなりおそいかかってきた!!

さそりばちのこうげき!!おばけありくいのこうげき!!

商人「え、え、え!?」

魔法使い「しまった、まだ準備が…!!」

アルミラージはラリホーを唱えた!!魔法使いは眠ってしまった!!

魔法使い「ああ、い、け…」

商人「ま、魔法使いちゃん!?」

おばけありくいのこうげき!!さそりばちのこうげき!!

魔法使いは しんでしまった!!

105: 2014/10/21(火) 16:53:05 ID:Dr2CLkjM
――まもののむれをやっつけた!!

商人「な、何とか…何とか勝てたよ…や、薬草を使って…」

商人「魔法使いちゃん…待っててね、大丈夫、この前だって大丈夫だったから…!」

――いざないの洞窟、入り口

商人「あれから、モンスターに会わずにここまで来れた…もうちょっと、もうちょっとだよ、魔法使いちゃん」

ホイミすらいむがあらわれた!!

商人「な、何こいつ!?足がいっぱいで気持ち悪い…こ、来ないでよ!!」ザシュッ

ホイミスライムはホイミを唱えた!!

商人「え!?回復したの!?こ、この、邪魔しないでよ!!」ザシュッ

ホイミスライムはホイミを唱えた!!

商人「ど、どうしよう…魔法使いちゃんの魔法があればなあ…あ!そうだ、まずは魔法を使わせて…」

ホイミスライムはホイミを唱えた!!

商人「よし、ここで攻撃!!そんでもって、回復する前に…もう1回!!」ザシュッ

106: 2014/10/21(火) 17:12:44 ID:Dr2CLkjM
――ホイミスライムをやっつけた!!

商人「やった!!やっぱりいつもきれものと一緒にいるからだね、魔法使いちゃん!!…待っててね、もう少しだからね…」

まほうつかいがあらわれた!!

商人「ま、魔法使いが2人…?だ、大丈夫、体力も余裕があるし…いっくよー!!」ザシュッ

――レーベの村

魔法使い「……ここは…?ああ、また私…」

商人「魔法使いちゃん、大丈夫?」

魔法使い「ええ、そうね…私、寝たまま氏んだのね…そうだ、貴方は?貴方は、今回も無事に帰って来られたの!?あそこの魔物は強かったけど…」

商人「へへ~、ピンチの連続だったけど、何とか帰って来れたよ!」

魔法使い「そう、良かった…ごめんなさい、貴方には怖い思いばっかり…」

商人「ううん、もう2回目だし、慣れたよ」

魔法使い「そう…でも、慣れるほど氏んでもいられないわね…」

商人「うん、それでね、魔法使いちゃん、あたし達、もっと強くならなきゃいけないと思うの」

魔法使い「ええ、貴方はともかく、私は…」

商人「あと、やっぱり魔法使いちゃんには新しい防具が必要だよ。だから、お金も貯めて…」

107: 2014/10/21(火) 17:15:34 ID:Dr2CLkjM
魔法使い「ええ、明日から魔物退治して、経験とお金を稼ぎましょう。少し足踏みになるけれど、仕方ないわね…」

商人「うん、それじゃあそうと決まったら、もう休も?外、もう暗いよ。魔法使いちゃんも疲れただろうし…」

魔法使い「ええ、貴方も疲れたでしょうし。じゃあ宿屋に行きましょう。商人、今日は本当にごめんなさいね…」

商人「そういうのは言いっこなし。じゃ、早く宿屋行こ、ね?」

108: 2014/10/21(火) 18:06:12 ID:Dr2CLkjM
――11日目

商人「おはよ、気分はどう?」

魔法使い「ええ…いつも通り…」

商人「魔法使いちゃん、ホント朝弱いよね~。でも、昨日の影響はないんだね?」

魔法使い「ええ、それは大丈夫よ。じゃあ、準備して…行きましょうか」

商人「今日は魔物退治の日だね、頑張るぞ~!!」

――レーベ東部

魔法使い「…じゃあ、この辺りにも手強い魔物が出たのね?」

商人「うん、だから洞窟の中で魔物退治するより、町に近いここら辺で戦った方が安全だと思うんだ」

魔法使い「そうね、昨日みたいな事になってもいけないし…あら」

バブルスライムがあらわれた!!フロッガーがあらわれた!!さそりばちがあらわれた!!

商人「さっそく出たよ、6匹も!!」

魔法使い「確かに、手強い連中がいるのね…商人、やるわよ!

商人「うん!魔法使いちゃんも、気を付けて!!」

109: 2014/10/21(火) 18:14:23 ID:Dr2CLkjM
――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「なるほど、この辺りでもいい訓練になりそうね」

商人「そうでしょ?じゃあどんどん行こうよ!!あ、また出たよ!!」

ホイミスライムがあらわれた!!

魔法使い「…触手がたくさんで気持ち悪いわね」

商人「だよね?でもこいつ、自分を回復してばっかりなんだ。魔法使いちゃんがいれば楽勝だよ!」

魔法使い「なるほど…じゃあ、メラッ」ボォォツ

ホイミスライムにはきかなかった!

商人「あ、あれ?」

魔法使い「なら…ヒャド!!」カキーン

ホイミスライムにはきかなかった!

魔法使い「呪文が効かない!?」

商人「ええ~!?こんな敵もいるんだ!?」

魔法使い「残念だけど、貴方に頼るしかないわ。頑張って!」

商人「うう~、あいつ気持ち悪いのに~」

110: 2014/10/21(火) 18:23:45 ID:Dr2CLkjM
――夜、レーベの村

商人「ふ~、今日はたくさん退治したね!お金、結構貯まったよ!」

魔法使い「でも、2人ともレベルは上がらなかったわね。仕方ないわ、明日も魔物退治ね」

商人「海の向こうに行ける!!…って聞いてからの修行モードはもどかしいけど…でも、もうちょっとだよね?」

魔法使い「そうね、明日か…遅くても明後日には、2人ともレベルアップしてるんじゃないかしら?」

商人「そしたら海の向こうだね!待った分、楽しみも増えてる気がするよ!もうちょっと、もうちょっと…」

魔法使い「ええ、もうちょっと。でもまずは、今日はもう休みましょう」

商人「明日も魔物退治だもんね。よーし、今日はゆっくり休んで、明日また頑張ろー!!」

111: 2014/10/21(火) 18:29:19 ID:Dr2CLkjM
――12日目

商人「あははは、魔法使いちゃん、似合う似合う~!!」

魔法使い「おなべのフタにかめのこうら…私は何物なのかしら…?」

商人「あはは、でも防御力は高いんだから、ちゃんと装備しなきゃダメだよ?あははは!」

魔法使い「もう!あんまり笑わないでよ!」

商人「あはは、ごめんごめん。でもこれで、かなり安全になったよ、魔法使いちゃん!!」

魔法使い「はあ…安全ってこんなに不恰好なものなのね…」

112: 2014/10/21(火) 19:23:26 ID:dGamn5YQ
――レーベ東部

商人「新しい防具はどう?魔法使いちゃん」

魔法使い「ええ、いいわね。今まで脅威に感じていた魔物の攻撃も、かなりやわらげてくれてるわ。…これで見た目も悪くなければ…」

商人「も~、まだ言ってるの?安全第一でしょ?」

魔法使い「他人事だと思って…貴方だって…あ!」

まほうつかいがあらわれた!!

商人「攻撃呪文使う人たちだ!!呪文新しい防具でも、呪文のダメージは減らせないんでしょ?気を付けて!!」

魔法使い「分かってる。行くわよ…あら?」

まほうつかいはにげだした!!

商人「あ、逃げた!!魔法使いちゃんの格好が、よっぽど怖かったんじゃないの?」クスクス

魔法使い「そ、そうなの…?」ガーン

商人「もう、そんなわけないでしょ?きっと、私のレベルが10になったから、恐れおののいたのよ!」

魔法使いレベル8「そ、そう…って貴方、もうレベル10なの!?」

商人レベル10「へっへ~、またまた魔法使いちゃんに差をつけちゃったね!」ドヤッ

魔法使い「悔しいわ…負けないんだからね!!」

113: 2014/10/21(火) 19:35:08 ID:dGamn5YQ
――レーベの村、夕暮れ

商人レベル10「ん~、今日もたくさん退治したね!レベルも上がったし!!」

魔法使いレベル8「私は上がらなかった…明日も魔物退治ね…」

商人「そっかあ~。でもでも、新しい防具を試せたし、良かったね?」

魔法使い「そうね、昨日はいくつか薬草を使ったから、今日はたくさん買っていったけど、結局1つも使わずに済んだわね」

商人「防具は高かったけど、薬草を使う数が減れば、長い目で見て経済的だしね!」

魔法使い「そうね、お金が貯まれば良い装備が買えるようになるし、パーティーの戦力アップにもなるわね」

商人「お財布を制する者は世界を制す。世界は商人で回ってるのよ、あはははは!!」

魔法使い「大丈夫かしら…?でもまあ、あながち間違いでもないのかもね…さて、今日もこのくらいにして…」

商人「明日に備えてお休みなさい!!だねっ!それじゃ、宿屋にゴーゴー!!」

114: 2014/10/21(火) 19:51:22 ID:dGamn5YQ
――13日目

商人「ねえ、魔法使いちゃん、今日はちょっとお願いがあるんだけど」

魔法使い「お願い?何?」

商人「うん、今日は魔物退治に行く前に、アリアハンに戻りたいんだ。良いかな?」

魔法使い「ええ、それは構わないけど…何かあるの?」

――アリアハン城下町

商人「…でね、魔法使いちゃんも、魔力を節約するために、武器を新しくすれば良いんじゃないかなって思ったの」

魔法使い「確かにそうね。でも、非力な私が扱える武器って…」

商人「じゃーん!!そこでこれ、とげのむち!!」

魔法使い「鞭…」

商人「これなら魔法使いちゃんでも装備出来るし、しかもたくさんの敵を攻撃出来るスグレモノだよ!!ね、ね、良いでしょ?」

魔法使い「ええ、すごくいいわ…でもこれ、私より力がある貴方が装備した方が…」

商人「…出来たら良かったんだけどねー、これ、私装備出来ないの」

魔法使い「そうなの?」

商人「そ、だから、これは魔法使いちゃんのもの。そもそも、今まであたしの装備ばっかり買って来たから、そろそろ魔法使いちゃんの装備もととのえるべき。そうでしょ?」

115: 2014/10/21(火) 20:01:59 ID:dGamn5YQ
魔法使い「そうね…じゃあ、ありがたくいただくわ」

商人「うん!じゃ、さっそく魔物相手に試してみよ、ね、ね?」グイグイ

魔法使い「ちょ、ちょっと、引っ張らないで…!」

――アリアハン郊外

おおがらすがあらわれた!!スライムがあらわれた!!

商人「ほら、ちょうどいいのがいたよ。試してみようよ!!」

魔法使い「そうね…それっ!」ピシャッ

スライムをたおした!!

商人「やったやった、魔法使いちゃんやった!!」

魔法使い「なるほど…そんなに強くない敵なら、私の力でも倒せそうね」

商人「でしょ?それに、あたしが倒し損ねたモンスターに止めを刺したりも出来るし、これで結構魔力の節約が出来ると思うんだ」

魔法使い「そうね、あの洞窟は長丁場になりそうだし…これで節約が出来たらかなり楽になるかも…」

商人「ね?ふふふ、なんだか着々と海の向こうに行く準備が煤んでる感じがするね!!」

魔法使い「そうね、もう少し、きっともう少しで…」

116: 2014/10/22(水) 17:27:20 ID:5pyY1Ca6
――魔法使いはレベルがあがった!!

魔法使い「よし、これでギラと、あとリレミトも覚えたわ」

商人「リレミトって、ダンジョン脱出だっけ?」

魔法使い「そうよ、これで多少の無茶も出来るわ」

商人「うーん…」

魔法使い「言いたい事は分かるわ。でも本当に少しだけ、よ。第一、私が氏んだら唱えられないわけだし」

商人「うん、それならいいけど…」

魔法使い「それより、私もうひとつの呪文の試し撃ちをしたいわ。もう少し魔物退治しましょう」

商人「でも、もう夜になるけど…」

魔法使い「夜になるからいいのよ。夜の魔物は、昼よりも強い。でもきっと、あの洞窟の魔物達はそれ以上に強いと思うの」

商人「そっか、夜のモンスターに克てないようじゃ、あの洞窟を抜けるなんてできないよね…」

魔法使い「それに、ここなら町も近いし、洞窟よりはずっと安全よ。だから、夜を待って、それから魔物と戦ってみましょう」

117: 2014/10/22(水) 17:37:08 ID:5pyY1Ca6
じんめんちょうがあらわれた!!アルミラージがあらわれた!!

商人「ま、魔法使いちゃん、あのウサギ…!!」

魔法使い「ええ、私あいつに眠らされて氏んだのよね…でも、だからこそよ!」

商人「そ、そうだね…じゃあ、行くよっ!!」ザシュッ

アルミラージをたおした!!

魔法使い「やるわね!!私も…火の子等よ踊れ、我が意志の命ずるままに!!ギラ!!」ゴオォオ

アルミラージをたおした!!アルミラージをたおした!!

魔法使い「…よし!」

商人「す、すごいすごい!!魔法使いちゃん、すごい!!」

魔法使い「油断しないで、敵はまだ残ってるわ。一気にいきましょう!」

商人「よーし、あたしも負けないぞー!!」

118: 2014/10/22(水) 17:43:15 ID:5pyY1Ca6
レーベの村、真夜中

魔法使い「すっかり遅くなっちゃったわね」

商人「アリアハンに行ったりしたからね。でも、この時間まで戦ってても余裕が出てきたね」

魔法使い「そのくらいじゃないと、多分あのいざないの洞窟は越えられないわ」

商人「そうだね…でも!明日はいよいよ…」

魔法使い「ええ、いざないの洞窟再挑戦よ。今度こそは、突破しましょうね」

商人「うん、絶対、絶対2人で突破してみせるんだ…!!」

119: 2014/10/22(水) 19:21:26 ID:5pyY1Ca6
――14日目

商人「じゃあ、薬草を…いくつ要るかな?」

魔法使い「待ってね…今、10個あるわ。あと10個くらい有れば良いかしら?」

商人「ん~、もっとたくさんあった方が安心だよ。おじさん、15個下さい!」

道具屋「お買上げありがとうございます」

商人「じゃあ次はどくけし草だね」

魔法使い「どくけし草は…3つあるわ。あと2つもあれば良いんじゃない?」

商人「そうだね…うん!じゃあおじさん、どくけし草2つ!」

道具屋「ありがとうございます」

魔法使い「あと、聖水も1ついただけるかしら」

商人「洞窟まで安全に行きたいもんね」

道具屋「かしこまりました」

魔法使い「こんな所かしら?結構な出費になったわね。本当は、貴方の防具も買いたかったけど…」

商人「いいよ、あたしは今の防具で間に合ってるし。それに、魔法使いちゃんのトレードマークのかめのこうらをあたしが着るのも悪いしね、あはは!」

魔法使い「1人でこんなの着るのが嫌だからこそ、貴方にも着て欲しかったのに…」

120: 2014/10/22(水) 19:34:26 ID:5pyY1Ca6
魔法使い「さて、薬草は持ったし、どくけし草も持ったし…」

商人「聖水は買ったし、キメラの翼は1つ持ってるし。準備万端だね!」

魔法使い「ええ、今出来るほとんどすべての準備が出来たといっていいわ。あとは、私達次第…」

商人「旅立ってからちょうど2週間。キリもいいし」

魔法使い「そうね、あっという間の2週間だったけど…って、まだまだ振り返るのは早いわね」

商人「そうだよ、海の向こうがゴールじゃないだろうし、そもそもまだそこまで行ってもいないのに」

魔法使い「そうね、まずは目の前の目標からね」

商人「うんうん。じゃ、いざないの洞窟に向けて、しゅっぱーつ!!」

122: 2014/10/23(木) 12:51:48 ID:7DB7WNyQ
――いざないの洞窟

魔法使い「聖水のおかげで、ここまで戦わずに来られたわね」

商人「うん、それに、前回少しだけどダンジョン内を探検したから、最初のうちは迷わずに行けるね」

魔法使い「あ…ここ…」

商人「別れ道だね。前回は左に行ってさすぐにモンスターに逢って…」

魔法使い「私はやられてしまったわ。ここで…」

商人「どうしよう?今度は逆に行く?」

魔法使い「………いえ、また左にいきましょう。どうせ、行かない訳にはいかないかもしれないし」

商人「そだね…」

123: 2014/10/23(木) 13:00:32 ID:7DB7WNyQ
魔法使い「暗いわね…」

商人「そうだね…あ、行き止まりかあ…」

魔法使い「そうね、でも仕方ない…待って。ほら、あそこ…」

商人「あ、宝箱だ!!」タタタ…

魔法使い「もう、宝箱見つけるとすぐにはしゃぐんだから…」

商人「へっへ~、それじゃあ…開けまーす!!」ガチャッ

なんと どくけし草をてに入れた!!」

商人「だから、なんでこんなに大きな箱にどくけし草1つなの!?」

魔法使い「もっと小さな箱がなかったんじゃないの?」

商人「そんな理由なの!?」

魔法使い「まあ冗談は置いて…宝箱の中身はともかく、ここまで魔物が出てこないのも不思議ね」

商人「運が良いだけなのかもしれないけど、不気味だね…」

魔法使い「ええ、警戒を緩めないようにしましょう」

124: 2014/10/23(木) 16:56:41 ID:J1l4AhtQ
――おばけありくいがあらわれた!!

魔法使い「――やっぱり、魔物と逢わずに、っていうのは調子が良すぎたわね!」

商人「あいつ、すごい攻撃力だったよね…でも、あたし達もあの時と一緒じゃないよ!」

魔法使い「もちろんよ。それを見せてあげましょう!」

商人「うん!行くよー!!」ザシュッ

おばけありくいをたおした!!

魔法使い「その調子よ!私も…ギラ!!」ゴオォオ

おばけありくいをたおした!!おばけありくいをたおした!!おばけありくいをたおした!!

おばけありくいをやっつけた!!

商人「やっぱり、魔法使いちゃん、すごい!!でも、なんだか…」

魔法使い「ええ、少しあっけない気もするけど…先に進みましょう」

125: 2014/10/23(木) 18:10:00 ID:XPbySH6g
まほうつかいがあらわれた!!

魔法使い「ギラ!!」ゴオォオ

まほうつかいをたおした!!まほうつかいをたおした!!まほうつかいをたおした!!まほうつかいをたおした!!

おばけありくいがあらわれた!!

魔法使い「ギラ!!」ゴオォオ

おばけありくいをたおした!!おばけありくいをたおした!!おばけありくいをたおした!!おばけありくいをたおした!!

魔法使い「こんな事言っちゃいけないんでしょうけど…ちょっと…拍子抜けね…」

商人「ま、魔法使いちゃんがすごいんだよ!あたし、なにもしてないもん」

魔法使い「何言ってるの、貴方が前にいてくれるから私は安心して戦えるのよ」

商人「そ、そう?えへへ、じゃ、じゃあこの調子でどんどん行こう!!」

126: 2014/10/24(金) 16:30:02 ID:.RhWv4YU
商人「そして大きなハプニングもなく、我々は洞窟を奥へ奥へとすすむのでした」

魔法使い「彼女の名誉のために言っておくと、彼女の攻撃にも助けられての順調な行軍よ。ってこれ、誰に説明してるの?」

商人「それはほら、あれだよあれ…って宝箱だよ!!」

魔法使い「強引に誤魔化したわね…」

商人「開けーゴマ!!ってこれ、ナイフ!?」

なんと せいなるナイフをみつけた!!

魔法使い「見たことないナイフだけど…あまり大したことなさそうね」

商人「あたしも魔法使いちゃんも、これより良い武器使ってるからね。でも、売ればそこそこになりそうだよ」

魔法使い「なら悪くないかしら?この先、たどり着いた場所で、お金が入り用になるかもしれないものね」

127: 2014/10/24(金) 16:37:46 ID:.RhWv4YU
商人「かなり歩いた気がするんだけど…」

魔法使い「そうね…あ、商人、階段よ!」

商人「ホントだ!!もちろん下りるよね、ね?」

魔法使い「ええ、行きましょう…まだ、ゴールではないようね」

商人「別れ道かあ…右、正面、左…よし、右だね!!」

魔法使い「一応、どうしてか聞いてみようかしら」

商人「カン!!」ドヤッ

魔法使い「でしょうね…まあ、貴方の勘は当たるし、賭けてみても良いわね。どうせ、どこに行けば良いかの手掛かりがある訳でもないし…」

商人「うんうん。じゃ、右の道にゴーゴー!!」

128: 2014/10/24(金) 22:07:26 ID:WG4G/VbM
魔法使い「この通路、結構長いわね」

商人「何があるんだろうね…」

魔法使い「もしかしたら何もないかもしれないけど…その時は引き返して別の道を行けば良いし…?」

商人「ま、魔法使いちゃん!?あれ、あれ!!」

魔法使い「何かしら…?空間が、歪んでる…?」

商人「あれ、普通じゃないよね?あれが、もしかして…?」

魔法使い「もしかして、じゃなくて、間違いなくそうよ。あれが…私達の目的地…」

商人「これが、旅の扉!?ここでどうするの?まさか、ここに飛び込むの!?」

魔法使い「ええ、これは空間を歪めて遠くの土地と繋げているんでしょうから。じゃあ、行きましょう」ニュイーン

商人「え、え、魔法使いちゃん、え?消えちゃった、ていうか思いきり良すぎ!!ま、待ってよ~!」ニュイーン

129: 2014/10/24(金) 22:23:44 ID:WG4G/VbM
ニュイーン

魔法使い「ここは…ここが…」

ニュイーン

商人「ま、待ってよ魔法使いちゃん!!ってあれ?ここ、どこ!?いきなり森に出たけど…?」

魔法使い「海の向こう、よ。きっと。いえ、アリアハンが海の向こうになった、かしら?」

商人「え、え、じゃあ、あたし達…?」

魔法使い「ええ」

商人「いざないの洞窟を無事にくぐり抜けられたんだ!!海の向こうにこれたんだ!!」

魔法使い「ええ、やったわね」

商人「やった、やった、やったよ!!やったよ魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ええ、やったわね。さあ、行きましょう。海の向こうがどんな世界か…わくわくするわね」

130: 2014/10/24(金) 22:34:06 ID:WG4G/VbM
商人「ね、ね、まだ少し遠いけど、あそこに見えるのお城じゃない?」

魔法使い「ええ、そうみたい。あの森を抜けたら、いきなりお城があるなんて…いえ、離れた空間を繋ぐ以上、町の近くに繋ぐのは当然かしら?」

商人「ね、ね、早く行ってみようよ!!ね?」

魔法使い「もう、あまり急がないでよ」

キャタピラーがあらわれた!!まほうつかいがあらわれた!!
まもののむれはいきなりおそいかかってきた!!まほうつかいはにげだした!!

商人「あれ?今何か…って、モンスター!?うええ、でっかいイモムシ、気持ち悪いよ~!」

魔法使い「確かにこれはちょっと…いいわ、イモムシ2匹は私がやるから、貴方はまずまほうつかい1人を相手してちょうだい」

商人「魔法使いちゃん、気持ち悪いやつ任せちゃってゴメン!!じゃあまほうつかいめ、行くよー!!」

131: 2014/10/25(土) 08:22:19 ID:uVsWt7vg
魔法使い「イモムシには…ギラ!!…2匹とも氏なないか、柔らかそうなのに頑丈ね」

商人「とりゃあー!!ってあれ?あたしも倒せなかった!」

キャタピラーのこうげき!!キャタピラーのこうげき!!まほうつかいはメラを唱えた!!

商人「!?っ痛…このイモムシヤバイよ、魔法使いちゃん、絶対攻撃受けちゃダメだよ!!」

魔法使い「攻撃呪文も辛いわね…でもそっちはもう少しで倒せるわよね?」

商人「うん、多分あと一発で…そぉれっ!!」ザクッ

まほうつかいをたおした!!

魔法使い「よし、こっちも…ギラ!!…うそ!?2発撃っても1匹も倒せないなんて…!」

キャタピラーのこうげき!!

魔法使い「…っあ…!!」

商人「ま、魔法使いちゃん!?」

132: 2014/10/25(土) 08:31:11 ID:uVsWt7vg
魔法使い「ま、まだ大丈夫よ…すごいわね、あんな巨体なのに、攻撃するときの速さ…」

商人「かじってくるのかと思ってたけど、しっぽ?体の後ろを思いっきり叩きつけてくるんだね、すごい…」

魔法使い「海の向こうの魔物は強烈ね…でも、流石にあのイモムシ達も限界に近いはず…それっ!!」ピシャッ

キャタピラーをたおした!!

魔法使い「やっぱり、私の力でも倒せたわ!商人!」

商人「任せて!!えいっ!!」ザシュッ

キャタピラーをたおした!!

まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう…1回戦っただけでボロボロね…」

商人「ホントだね…でも、お城までもうすぐだよ、頑張ろ!」

魔法使い「そうね…早くたどり着いて、休みたいわね…」

133: 2014/10/25(土) 13:21:53 ID:DVfS/rJI
――ロマリア城下町

商人「わ~、魔法使いちゃん、町だよ、町!海の向こうの、知らない町!!」キョロキョロ

魔法使い「あんまりはしゃがないのよ…でも仕方ないか。私も、つい心踊ってしまうもの…」

商人「あ、魔法使いちゃん、宿屋!どうしよう魔法使いちゃん、今日はもう休む?」

魔法使い「何心にも無いこと言ってるの。でも、宿屋の人にこの町の事を聞くのもいいかもね」

商人「あ、なるほど!それいい!じゃあ早く行こ、ね、ね?」

魔法使い「はいはい…もう、張り切っちゃって…」

宿屋「お客さまですか?いらっしゃいませ」

商人「こんにちは!!えっと、あたし達この町初めてで、それで…」

宿屋「ほう、お客さま、どちらから?」

商人「はい、あたし達、アリ…」

魔法使い「ただの旅のものです。それで、この町の店や施設がどこにあるのか知りたくて…」

宿屋「ああ、店ならこの宿屋を出てまっすぐに行けば商店街がありますよ。あと、商店街の地下にモンスター格闘場があります」

商人「モンスター格闘場!?何それ?」

宿屋「お客さま、格闘場をご存知ないのですか?ならば1度行ってみることをお勧めしますよ。ただ、くれぐれものめり込み過ぎないように…」

134: 2014/10/25(土) 13:34:02 ID:DVfS/rJI
商人「と、いうわけで、やって来ました、モンスター格闘場!!す、すごいよ魔法使いちゃん、モンスターとモンスターが戦ってる!!」

魔法使い「もう、ここまで引っ張られて私は疲れたわ。でも、確かにすごいわ。アリアハンにはない施設ね…」

客A「お、なんだ、新しいバニーちゃんかと思ったら違ったか」

魔法使い「…品のない人達ね…」

客B「ばか言っちゃいけねえよ、こんな凹凸のない、なだらかなバニーちゃんがどこにいるんだよ!!」

客A「ちげえねえ、あっはっは!!」

魔法使い「…汝、我に仇なす者よ、汝の魂、魔天に凍てつく星となれ…!!」

商人「ま、魔法使いちゃん!?魔法使いちゃんは、ザキ使えないでしょ!?」

客B「お、こっちの嬢ちゃんもなだらかだな!こりゃなだらか姉妹か、あっはっは!!」

商人「…汝等、愚かなる魂よ、我が氏神の鎌の前に頭を垂れよ…」

魔法使い「…貴方は、ザラキ以前に呪文使えないでしょ?」

商人「えへへ、ついかっとなって…」

136: 2014/10/25(土) 13:52:57 ID:DVfS/rJI
いっかくうさぎがあらわれた!!おおがらすがあらわれた!!バブルスライムがあらわれた!!

商人「普段は毒が嫌だけど、今日は応援してるよバブちゃん!!行け行け~!!」

魔法使い「バブちゃん!?…それにしても残酷な見せ物ね。どうやって魔物同士戦わせているのか分からないけど…もしかして、私が思っているよりずっと、人間って残酷なのかしら…?」

商人「いいよいいよバブちゃん、いっけ~!!」

魔法使い「…でも、人間同士だって戦争はするわ。魔物同士だって、憎しみ合ったりはするのかもね。ましてや、種が違うとなれば…」

商人「よし、いけ、いけ、いっけ~!!やった、勝った、勝ったよ魔法使いちゃん!!」

魔法使い「……真面目に考えるのが馬鹿らしくなってきたわね…」

137: 2014/10/25(土) 14:10:53 ID:DVfS/rJI
客A「くっそー、いっかくうさぎに賭けてたのに…」

客B「ばかだなあ、ここはバブルスライム一択だろう?」

客A「いやあ、穴をあけるなら…」

魔法使い「…ここでは、商人のように楽しむのが正しいのでしょうね…」

商人「うう~、魔法使いちゃん、哀しいお知らせがあります…」

魔法使い「どうしたの、勝ったんでしょう?」

商人「うん、それがね…勝ったのに、全然儲かってないの…」

魔法使い「どういう事?…ああ、今の試合、バブルスライムは倍率が1倍だったのね?じゃあ勝っても儲けなしじゃない」

商人「うん、しかもね、あたし、予想屋さんに5ゴールド払ったから…」

魔法使い「勝ったのに赤字なのね…確かに、上手い商売ね…」

商人「うん、あたし、よーく分かったよ…」

魔法使い「そうね、やっぱり賭け事は…」

商人「予想屋さんに聞いたから、赤字になっちゃったんだ。見ててよ、今度はあたしが自分で当てて見せるから。じゃあ、次の試合は…」

魔法使い「なんでそうなるのよ!?」

138: 2014/10/25(土) 15:28:48 ID:DVfS/rJI
――夜、宿屋

商人「…だから、あれはバブちゃんが2連戦だったから!そうじゃなきゃ…」

魔法使い「全く同じ魔物を連続で戦わせるとは思えないし、別のスライムでしょう?でも、大穴に賭けてれば10.7倍だったのに、残念だったわね」

商人「まさかじんめんちょうが来るなんて…バブちゃんはすぐにマヌーサかけられるし…」

魔法使い「まあ、賭け事は程々に、って事じゃないの?」

商人「そうかなぁ…うーん…あ、そういえばお店も見て回ってないよ、せっかく商店街に行ったのに」

魔法使い「遅い時間になってしまったもの、仕方ないわ。それに、明日は外へ出ないで、ゆっくり町を回るつもりだったし」

商人「そうなの?でも確かに、いざないの洞窟を抜けるのは疲れたもんね…」

魔法使い「そういうこと。明日は、出来ればこの国の王さまに挨拶もしたいし」

商人「そういえば魔法使いちゃん、さっきどうしてあたしがアリアハンから来たって言おうとしたの止めたの?」

魔法使い「学校で習わなかった?アリアハンは昔、世界中を支配していたって。つまり、アリアハンは支配者で侵略者よ。よく思ってない人達だって…」

商人「な、なるほど。でも、王さまには言わない訳にはいかないんじゃないの?」

魔法使い「かもしれないわね。まあ、絶対に隠し通さなきゃ、って程でもないしね」

商人「念のため、だね。魔法使いちゃんは心配性だなあ」

139: 2014/10/25(土) 15:42:11 ID:DVfS/rJI
――15日目

魔法使い「どう?この町の品揃えは」

商人「うん、アリアハンやレーベより良いものばっかりだよ。でも、お値段も…」

魔法使い「まあ、そうよね。それに、意外といざないの洞窟でお金を貯められなかったのも痛いわね」

商人「そうだね。あとこの町、あたしが装備出来るモノはたくさんあるけど、魔法使いちゃんの装備出来るモノが…」

魔法使い「まあ、ないのは仕方ないわ。貴方用のがあるなら、とりあえずまたお金を貯めないとね。こっちの魔物は、一段と強いようだし…」

商人「そうだね。また魔物退治かあ…それはそうと、このあとどうするの?」

魔法使い「まずは、情報収集ね。この近くにどんな町や村があるかとか…」

商人「王さまに挨拶もするんだっけ?」

魔法使い「そうね。あのあと考えたけど、私達は封印を解いてしまったから、その報告もしないと…」

商人「そういえばあたし達、結構すごい事しちゃったんだね…」

魔法使い「そうね。まあ、そうしないとずっとアリアハンから出られなかったんだもの、仕方ないわ。さあ、もう行きましょう。もたもたしてると、夜になってしまうわ」

商人「そだね、行こう!」

140: 2014/10/25(土) 15:53:42 ID:DVfS/rJI
――夜、宿屋

商人「王さまへの挨拶、何事もなく終わって良かったね」

魔法使い「いきなり探し物を頼まれたけどね。きんのかんむり、か…」

商人「どうするの魔法使いちゃん、王さまのお願い聞くの?」

魔法使い「どうしましょうね…どちらにしろ、私達は北に行くようね」

商人「やっぱり北?東は、
怖い怪物がいるって話だったけど…」

魔法使い「無駄に危険を冒す必要はないわ。それに、王さまの冠を奪った盗賊も、どうやら北にいるみたいだし」

商人「そっかー。あたしは東にも興味あったけどな。東は栄えてるみたいだし。もっとすごい格闘場とかあるかも…」

魔法使い「北にしましょう。決定よ」

商人「魔法使いちゃん!?」

141: 2014/10/25(土) 17:26:11 ID:88d3uaBM
――16日目

魔法使い「さて、今日なんだけど、いざないの洞窟に行こうかと思うの」

商人「あの洞窟に?アリアハンに戻るの?」

魔法使い「そうじゃないわ。この町に来るとき、1度だけ外の敵と戦ったわよね?」

商人「ああ、あのでっかいイモムシ、強かったねー」

魔法使い「ええ。だから、あれくらいの魔物がいる町の周辺より、洞窟の中の方が危険が少ないと思うのよ」

商人「うーん、確かにあのイモムシみたいなのと毎回毎回戦ってたら、すごい大変そうだよね…」

魔法使い「ええ、だからまずはいざないの洞窟へ行って、お金を稼いでから次を考えるべきかなって思ったの。どうかしら?」

商人「うん、それがいいと思うよ」

魔法使い「決まりね。じゃあ、準備が出来たら、いざないの洞窟へ向かいましょう」

142: 2014/10/25(土) 17:32:28 ID:88d3uaBM
――いざないの洞窟

商人「…やっぱり魔法使いちゃんの攻撃呪文があれば、この洞窟のモンスターはそんなに怖くないね」

魔法使い「ええ、かなりたくさんの魔物を倒せたわ。商人、お金はどのくらい貯まったの?」

商人レベル11「900とちょっと。ちなみにレベルも上がったよ!」

魔法使いレベル10「私もよ。お金も、とりあえずそのくらいあれば十分かしら?そろそろロマリアに戻る?」

商人「そうだね、戻ってお買い物しよう!」

143: 2014/10/25(土) 17:41:46 ID:88d3uaBM
――ロマリア城下町、宿屋

商人「えへへ、てつのまえかけ買っちゃった。ターバンに前掛け…だんだん商人っぽくなってきた!」クルッ

魔法使い「いいわね、貴方は…私も早く、魔法使いっぽい格好をしたいわ…」

商人「まあまあ。でもこれであたしは防御力大幅アップだよ、鎧が皮から鉄になったんだから!!」

魔法使い「そうね、貴方の防具も新調出来たし、明日はこの町の周りの魔物退治をする?」

商人「うーん、ちょっと怖いなあ、魔法使いちゃんは防具変わらないし…」

魔法使い「確かに危険はあると思うわ。でも、いつまでも洞窟にこもっていられないでしょう?それに、町のすぐ近くで戦えば、危険も少なくなるし」

商人「うーん、そうだね…じゃ、明日はこの町の周りでモンスター退治をしよう!!」

145: 2014/10/25(土) 22:00:29 ID:XP9si4DY
――17日目、ロマリア郊外

ポイズントードがあらわれた!!

魔法使い「さっきから、あのカエルばっかりね」

商人「いっぱいいるよね。他と比べて、そんなに強くないからいいけど…」

魔法使い「体力がそんなにないみたいだからね…ギラ!!」ボオォォ

ポイズントードをたおした!!ポイズントードをたおした!!ポイズントードをたおした!!

商人「じゃ、残りはあたしが!えいっ!!」ザクッ

ポイズントードをたおした!!

魔法使い「ふう、なかなかいい調子ね」

商人「あのイモムシにさえ気を付ければ、ここもそんなに大変じゃないかもね。カエルの毒はやっかいだけど」

魔法使い「貴方もさっきは毒にやられて大変だったわね。ついさっきどくけしそう見つけたから良かったけど」

商人「う~、治ったからいいけど、あれあのカエルが落としたどくけしそうだったんだよね。ちょっとやだ…」

146: 2014/10/25(土) 22:08:38 ID:XP9si4DY
――アニマルゾンビがあらわれた!!

魔法使い「見たことない魔物ね。少し、やっかいそうな気がするわ」

商人「攻撃力高そうだね。魔法使いちゃん、気をつけて!」

魔法使い「回復しておけば良かったわね。まあいいわ、ギラ!!…3匹とも倒れない…!」

商人「1匹はとどめ刺すよ!!それっ!!あ、あれ?まだ倒れない…!?」

アニマルゾンビのこうげき!!アニマルゾンビのこうげき!!アニマルゾンビのこうげき!!

魔法使い「…!!い、いけない…!」

商人「す、すごい攻撃力だよ!!魔法使いちゃん、平気!?」

魔法使い「平気、とは言いがたいわね…でも、相手は動き鈍そうだし、回復が間に合えば…」

アニマルゾンビのこうげき!!アニマルゾンビのこうげき!!

魔法使いはしんでしまった!!

商人「う、うそ!?魔法使いちゃん!?さ、さっきまではあんなに遅かったのに…!」

148: 2014/10/25(土) 22:27:05 ID:XP9si4DY
魔法使い「でも、こうなると今の場所での魔物退治はまだ厳しいのかしらね…」

商人「うーん、またいざないの洞窟に戻る?」

魔法使い「そうね…やり直しみたいで少しもどかしいけど、その方がいいかもね。またお金を貯めて、今度は貴方の武器を買いましょう。確か武器も良いの売ってたわよね?」

商人「うん、てつのやり、だったかな?」

魔法使い「貴方の攻撃力が上がって魔物を早く倒せるようになれば、また少し危険が減らせるわ。最初は、私の魔法があれば攻撃は事足りると思っていたけど…」

商人「思ったよりタフなモンスターが多かったね」

魔法使い「ええ、やっぱり貴方の攻撃にも頼るようだわ。武器を新調すれば、またこの辺りでも戦えるはずよ。きっと…」

149: 2014/10/25(土) 22:59:22 ID:XP9si4DY
――18日目、夕方

魔法使い「はあ~、さすがに二日連続で氏ぬと、自信無くすわ…」

商人「しょ、しょうがないよ、まほうつかいの攻撃呪文が集中しちゃったんだから…」

魔法使い「まあ、運が悪いといえばそうなんでしょうけど…はあ~…」

商人「もう、元気出してよ!ほら、あたしの武器も買えたし、余ったお金で盾も新しく出来たし、次はきっと大丈夫だって!!ね?」

魔法使い「そうね、貴方はまたレベルも上がったし、強くなってる。だからこそ、私がもうちょっと…」

商人「うーん、困ったな…と、とにかく、明日もモンスター退治に行こ?どっちみち、地道に力をつけるしかないんだし」

魔法使い「地道、か。そうよね、それ以外にないわよね」

商人「そうそう。だからほら、今日はもう寝ちゃお?ね、ね?」

魔法使い「そうね…今日は休んで、明日また頑張る、それしかないわね…」

150: 2014/10/26(日) 10:52:31 ID:LKzzRTjI
――19日目

魔法使い「どう?新しい装備の使い心地は」

商人「うん、武器は結構攻撃力上がった感じがするよ。防具は…そんなに変わんないかな。前掛けを買った時は、すごく防御力アップ!!って感じがしたんだけど」

魔法使い「攻撃力が上がったならいいわ、最初からそれが目的だったんだもの」

商人「魔法使いちゃんも、レベル上がったんでしょ?新しい呪文、見てみたいな」

魔法使いレベル11「やっと全体に攻撃出来る呪文を覚えたわ…これでかなり戦闘時間を短縮出来る、はずよ」

商人「バクハツの呪文だっけ?凄そうだよね、見てみたいな!」

魔法使い「そのうち嫌でも見ることになるわよ…あら」

アルミラージがあらわれた!!キャタピラーがあらわれた!!

商人「ちょうどよく出たね。あんまり出て欲しくないやつだけど、ちょうどよくだね」

魔法使い「どっち?まあいいわ、行くわよ!!」

151: 2014/10/26(日) 11:01:48 ID:LKzzRTjI
商人「えと、じゃあ、使う?ウワサの…」

魔法使い「世界に宿りし破壊の力、集え!!弾けよ!!撒き散らせ!!イオ!!」ドカーン!!

アルミラージをたおした!!アルミラージをたおした!!アルミラージをたおした!!アルミラージをたおした!!

商人「うわ、凄い…って、あたしも行くよ!!それっ!!」ザクッ

キャタピラーをたおした!!

魔法使い「ふう、試運転は上々ね」

商人「やっぱり魔法って凄いね…これなら、ロマリアの王さまから冠をぬすんだ盗賊も退治出来るんじゃないの?」

魔法使い「そんなに簡単ではないでしょ。私達はこの辺の魔物退治でいっぱいいっぱいなんだから。昨日貴方が言っていた通り、地道に、少しずつ、よ」

商人「そうかなあ…凄い呪文だと思ったけど」

152: 2014/10/26(日) 11:08:27 ID:LKzzRTjI
――20日目

商人「ね、ね、魔法使いちゃん、今日はこの町の西側行ってみない?」

魔法使い「西へ?そういえば、東と北は情報があったけど、西の情報はなかったわね」

商人「でしょ?これはやっぱり、あたし達が自分で確かめなきゃいけないと思うの」

魔法使い「確かに、気にはなるわね…いいわ、行きましょう。ただ、危ないと思ったら、すぐに引き返すからね」

商人「うん、じゃあ行こ!!」

153: 2014/10/26(日) 11:16:18 ID:LKzzRTjI
魔法使い「町からそんなに離れてないけど…何か見えてきたわね」

商人「あれ、ほこらかな?行ってみよ、ね?」

魔法使い「そうね、危険な場所ではなさそうだし…ただ、こんなに近いのに、何故ロマリアの町で情報が出なかったのかしら」

商人「こんにちは~、あ、兵士さんがあるよ」

兵士「兵士ってか、門番みてーなもんだな、俺は。ここ、通りたいのか?」

魔法使い「ここから先は、何処へ?」

兵士「なんだ、そんな事も知らないのか。ポルトガだよ」

商人「ポルトガ…」

兵士「ああ、つっても、まほうのかぎがなきゃここは通れないけどな」

魔法使い「まほうのかぎ?それは何処に?」

兵士「はは、それさえ分からんようじゃここから先行ってもしょうがねえよ。さ、帰った帰った!」

156: 2014/10/26(日) 12:16:00 ID:g357Aegw
――21日目

魔法使い「出来るだけ険しい道は避けてきたけど、ここからは…」

商人「うん、山道だね。カザーブって、山の中なんだ…」

魔法使い「ここからは、道が険しいだけじゃなくて、きっと魔物も増えるわ。気をつけましょう」

商人「そうだね…でも、こんなに大変な思いをして行く場所だもん、きっとすごく素敵な所だよね!」

魔法使い「そうだと良いけど…多分、結構な田舎じゃないかしら?」

商人「うう…で、でも、レーベはアリアハンより田舎だったけど、お店の品揃えは良かったよ!きっと、カザーブだって…」

魔法使い「ああ、そっちは期待して良いのかもね。でも、それはより強い魔物がいるって事…」

ぐんたいガニがあらわれた!!

商人「も、モンスター!!見たことないやつだよ!!」

魔法使い「大きなカニね…ゆで上がったみたいな色してるけど、元気いっぱいのようね。さあ商人、行くわよ!!」

商人「うん!!」

157: 2014/10/26(日) 12:23:37 ID:g357Aegw
魔法使い「まずは私が…ギラ!!」ボオォォ

ぐんたいガニのこうげき!!ぐんたいガニのこうげき!!ぐんたいガニのこうげき!!

魔法使い「!?私一人が、狙われてる…!?」

商人「させない!!それっ!!」ザクッ

ぐんたいガニをたおした!!

ぐんたいガニのこうげき!!

商人「い、痛い!?こ、こんなの食らったら、魔法使いちゃんは……!」

魔法使い「もう一撃もらったら危なかったけど…大丈夫、薬草、使うわ!」

魔法使いのキズがかいふくした!!

商人「ほっ…一安心した所で…えいっ!!」ザクッ

ぐんたいガニをたおした!!

魔法使い「やったわね、一気に行くわよ!」

商人「よーし、負けないよ!!」

158: 2014/10/26(日) 12:31:09 ID:g357Aegw
――ぐんたいガニをやっつけた!!

魔法使い「強敵だったわね…」

商人「攻撃力も守備力も、今までのモンスターと全然違ったよ。魔法使いちゃん、無事で良かった…」

魔法使い「今回はなんとか無事だったけど、次はどうなるか分からない。早くカザーブにたどり着きたいわね」

商人「あ、魔法使いちゃん、あれ!何か見えない!?」

魔法使い「あれは、町…いえ、村かしら?もう一息ね」

商人「そうだね、もうちょっと…ああ!!」

キラービーがあらわれた!!

魔法使い「また新手…!」

商人「うう~、虫苦手なのに…」

魔法使い「私だって嫌よ。でも、向かって来る以上は…行くわよ!」

159: 2014/10/26(日) 12:57:12 ID:g357Aegw
商人「うう、近寄ってきた…」

魔法使い「もう…私はやるわよ、ギラ!!」ボオォォ

キラービーをたおした!!キラービーをたおした!!キラービーをたおした!!

キラービーのこうげき!!

商人「魔法使いちゃん、平気!?」

魔法使い「大丈夫、さっきのカニ程じゃないわ!」

商人「良かった…なら、えいっ!!」ザクッ

キラービーをやっつけた!!

魔法使い「この虫は、そこまで強くないのかしらね…」

商人「呪文で大体たおせたのが良かったね。さ、魔法使いちゃん、もうちょっとで村だよ。急ご?」

魔法使い「そうね、早く行きましょう」

160: 2014/10/26(日) 13:33:37 ID:g357Aegw
――カザーブの村

商人「着いた着いた!ほら、新しい村だよ、魔法使いちゃん!!」

魔法使い「本当、やっとここまで来たわね。さあ、どこから見て回ろうかしら?」

商人「あ、魔法使いちゃん、お店があるよ!見に行こうよ、ね、ね?」

魔法使い「そうね、良いもの売ってれば良いけど…」

商人「こんにちはおじさん、売ってるもの見せて下さい!」

武器防具屋「いらっしゃい。おや、見ない顔だね。ゆっくりと見て行くといいよ」

魔法使い「どう?この村の品揃えは。期待通り?」

商人「うん、私のモノは期待以上だけど、魔法使いちゃんのモノは…」

魔法使い「そう…残念だけど、仕方ないわね」

商人「あと、やっぱりモノが良いだけにお値段高めだね。あ、ありがとうおじさん、お金貯めてからまた来ます!」

武器防具屋「そうかい、じゃあ楽しみにしてるよ」

魔法使い「失礼します…さて、後は情報収集ね」

商人「いろいろ聞かないとね。盗賊の話とか…」

161: 2014/10/26(日) 13:44:20 ID:g357Aegw
魔法使い「――どうやら、盗賊のカンダタが逃げたのは西のシャンパーニの塔で間違いないようね」

商人「盗賊を追っかけて来たおじさんもいたね。あと、この村の北にも町があるみたいだよ?」

魔法使い「ノアニール、って言ったかしら。他にも、眠りの町、なんて噂も聞いたけど、ここがノアニールの事なのかしら?」

商人「どうだろう?まあ、そのうちノアニールにも行くんでしょ?その時に分かるよ…それより、魔法使いちゃん?」

魔法使い「何?」

商人「はい、これ、けがわのフード!魔法使いちゃん用の防具だよ!」

魔法使い「私用の…?こんなの、どこから…」

商人「へっへ~、あたしは商人、商売なら任せといてよ!じゃあ魔法使いちゃん、新しい防具お試しに、もう一度村の外に出てみようよ!!」

魔法使い「え?あ、うん、そうね…ありがとうね、商人」

商人「えへへ、商人としての仕事をしただけだよ!!」

162: 2014/10/26(日) 13:51:48 ID:g357Aegw
――カザーブ郊外

魔法使い「ふう、やっぱりここの魔物は強いわね。でも…」

商人「魔法使いちゃん、新しい防具はどう?」

魔法使い「ええ、すごくいいわ。あのカニの攻撃も、致命的な脅威ではなくなったわ。ありがとうね」

商人「いいよ、何回も。でもこれなら、ここでモンスター退治出来そうだね!」

魔法使い「ええ、ロマリアを出る時は、正直不安だったけど、ここまで足を伸ばして正解だったわ」

商人「お金が貯まればあたしの装備も買えそうだしね。あ、魔法使いちゃん、暗くなってきたよ、そろそろ村に戻ろ?」

魔法使い「ええ、そうしましょう」

163: 2014/10/26(日) 14:00:54 ID:g357Aegw
――カザーブ、夜

商人「うーん、暗いね…夜とはいえ、やっぱり田舎だね」

魔法使い「そうね、アリアハンやロマリアは、夜でもここまで暗くないわ。レーベといい勝負ね」

商人「ホントだね…あ、魔法使いちゃん、あそこ、誰かいない?」

魔法使い「本当ね…あら、こんな所で寝ているわ。無用心ね…ってここって!」

商人「お、お墓!?ま、魔法使いちゃん、は、早く…」

魔法使い「待って、他にも誰か…キャア!!」

商人「ど、どうしたのまほ…ぎゃああー!!」

骸骨「私は

商人「キャー、骸骨、骸骨!!ま、魔法使いちゃんに、ニフラム!!ニフラム!!」

魔法使い「つ、使えないわよ、私…よ、寄らないで!!」

骸骨「私は偉大なる

魔法使い「に、逃げるわよ商人!ほら、立って!!」

商人「ま、待ってよ~」

骸骨「いや、話、聞いて…」

164: 2014/10/26(日) 14:15:17 ID:g357Aegw
商人「あー怖かった。なんだったんだろ、あれ?」

魔法使い「さあ…ただ、これからは夜のお墓にあまり近づかないようにしましょう」

商人「そうだね…それはそうと、大体夜の村も見て回ったよね?宿屋に戻る?」

魔法使い「そうね、今日は疲れたし…」

商人「そうだね。それじゃ、お疲れの魔法使いちゃんにプレゼント、これ、どくばり!!」キコキコキコーン

魔法使い「また私の装備?本当、どこから…?」

商人「ん~、闇のコネクション、ってヤツ?」

魔法使い「嘘くさいわね…まあいいわ、ありがとうね、商人」

商人「へっへ~、どういたしまして!!」

165: 2014/10/26(日) 15:48:13 ID:4tzGGjI2
――22日目

商人「よいしょ、よいしょ!!」ザッザッ

魔法使い「…何してるの?」

商人「なにって…あなほりだよ、よいしょ!!」ザッザッ

魔法使い「…あなほり?」

商人「そだよー。商人の基本、あなほり!!」ザッザッ

魔法使い「…穴を掘るのが商人の基本なの?」

商人「え?何言ってるの、当たり前じゃん、タダで手に入れて高く売る!商売の基本だよ?」ザッザッ

魔法使い「そ、そう…」

商人「うーん、ダメだ、1ゴールドしか出てこないや。じゃあ魔法使いちゃん、モンスター退治行く?」

魔法使い「え、ええ。行きましょうか…」

166: 2014/10/26(日) 15:57:14 ID:4tzGGjI2
商人「最初は心配だったけど、この辺でもモンスター退治出来そうだね」

魔法使い「ええ、貴方のくれた防具のおかげで、今日は氏なずに済みそうよ。貴方も、新しい武器が調子良い見たいじゃない」

商人「うん、このチェーンクロス、たくさんの敵を1度に攻撃出来て、すごく便利だよ!!」

魔法使い「私の魔法と合わせれば、1度にかなりの数の魔物を倒せるようになったものね」

商人「後は、回復のタイミングさえ間違えなければ、魔法使いちゃんもそうそう氏なないと思うよ!」

魔法使い「それが結構難しいんだけど…それはとにかく、夜までもう少し魔物退治するわよ」

商人「はーい!!」

167: 2014/10/26(日) 16:03:59 ID:4tzGGjI2
――魔法使いはレベルがあがった!!

魔法使い「よし、ルーラを使えるようになったわ。これで、行ったことのある場所にはいつでも行けるわよ」

商人「へー、すごい、アリアハンにも一飛びだ!!」ザッザッ

魔法使い「ええ、そうよ…って貴方、また穴を掘ってるの?」

商人「うん、ほらこれ、今出てきたんだよ、まんげつそう」ザッザッ

魔法使い「本当に掘り当てるのね…」

商人「もっちろん!!…あ、魔法使いちゃんこれ、見てみて!!」

魔法使い「これって…木の実?」

商人「そ、いのちのきのみ、貴重品だよ!!やったやった、今日はあなほりの当たり日だあ!!」

魔法使い「ビックリした…本当にすごいわね…

169: 2014/10/27(月) 12:17:38 ID:putf8zgQ
――23日目

商人「ねえねえ魔法使いちゃん、新しい村には驚きと発見があったよね?」

魔法使い「この村の事?そうね、装備も新しく出来たし…」

商人「でしょ?というわけで、あの感動をもう一度!今日は北の町ノアニールに行きましょう!ね、ね?」

魔法使い「あのね商人、いくら装備を新しくして気が大きくなったからって、すぐに次の町なんて早すぎるわ。大体、ここからノアニールまでどのくらい離れてるかも分からないじゃない」

商人「それがね、昨日モンスター退治してた時さ、チラッと見えたの、北の方に町が!!」

魔法使い「…本当に?」

商人「ホントホント、あれならそんなに遠くないよ、だからちょっと行ってみよ?ね、ね?」

魔法使い「まあ、近いのなら良いかしらね…」

商人「決まり!じゃあ北に向かって全速前進!!」

170: 2014/10/27(月) 12:24:16 ID:putf8zgQ
――

魔法使い「ふう…カザーブの周りは山だらけね…」

商人「きっと美容と健康に良いよね!!」

魔法使い「そうかしらね…?」

商人「きっとそうだよ!あ、魔法使いちゃん、見てみて、ほら、あれ!」

魔法使い「…確かに町のようね。こんなに近いのに、なんでカザーブではあまりここの話が聞けなかったのかしら?」

商人「ん~、きっと仲悪いんじゃない?」

魔法使い「そんな理由なら良いけど…」

商人「もう、魔法使いちゃんは!案ずるより、だよ!!」

魔法使い「そうね、行けば分かる、か…行きましょう、ノアニールへ!」

171: 2014/10/27(月) 13:33:32 ID:9xr294Xo
――ノアニールの町

商人「…町に着いたは良いけど…あのー、すみません!」

町人A「ぐうぐう…」

魔法使い「…寝ているの?あの…」トントン

町人B「すやすや…」

商人「ま、魔法使いちゃん、これって…」

魔法使い「ええ、ノアニールが眠りの町だったのね。本当にこんな町があるなんて…」

商人「えーと、噂では眠りの町はエルフを怒らせちゃって、それで呪われたんだっけ?」

魔法使い「噂によれば、ね。でも現実にこういう状態である以上、その噂も恐らく本当みたいね」

商人「な、なんだかあたし恐くなってきたよ。あたし達、大丈夫だよね?呪われたりしないよね?」

魔法使い「絶対に大丈夫とは言えないけど…呪われるならきっともう私達も呪われてるはずよ。それより、一応この町も一通り調べてみましょう。望みは薄いでしょうけど、何か手掛かりがあるかも…」

172: 2014/10/27(月) 13:42:35 ID:9xr294Xo
商人「ダメだよ魔法使いちゃん、やっぱりみんな眠ってる」

魔法使い「予想はしてたけど…厳しいわね…ちょっと待って、商人、あの人!」

商人「あ、お、起きてる!?す、すみませーん!あのー、聞こえますかー!?すみませーん!」

老人「おお、どなたか知りませんが、この町を助けて下され!」

魔法使い「あの、一体この町は?噂では、エルフの怒りを買ったとか…」

老人「その通りですじゃ。すまんがあんたがた、エルフの隠れ里へ行ってエルフ達の怒りを鎮めて下さらんか?」

商人「隠れ里!?」

老人「はい、ここから西、洞窟のすぐ近くにありますじゃ。この老いぼれではそこまでは行けませぬ。よろしくお願いします。よろしくお願いします…」

173: 2014/10/27(月) 13:50:10 ID:9xr294Xo
商人「…お願いされちゃったけど、どうするの?魔法使いちゃん」

魔法使い「聞いてあげたいのはやまやまだけど…今すぐ更に西、は私達の実力的に厳しいと思うわ」

商人「やっぱりそうだよね、かわいそうだけど、もうちょっと待ってもらうようだね…」

魔法使い「そうね…さて、もう少しでカザーブね、今日はこのくらいで…」

商人「あーー!!」

魔法使い「な、何!?どうしたの?」

商人「今日全然あなほりしてないよ、ノアニールの近くでも掘って見たかったのに!!」

魔法使い「…ああ、そう…」

商人「今すぐ掘らなきゃ!!魔法使いちゃん、カザーブに行くのもうちょい待ってて!」

魔法使い「…そんなにあなほりが大切なのかしら…」

174: 2014/10/27(月) 13:59:11 ID:9xr294Xo
――宿屋、夜

商人「へっへ~、今日もあたしあなほりでまんげつそうといのちのきのみ見つけちゃった!!すごいでしょ?」

魔法使い「え、ええ…こんなにたくさん道具を拾えるものなのね…」

商人「うーん、普通はこんなにたくさんは見つけられないと思うよ?」

魔法使い「ということは、貴方の腕が良いのね」

商人「そういう事になりますなあ~。いいんだよ魔法使いちゃん、あたしの事あなほり名人って呼んで!」

魔法使い「…呼べと言われれば呼ぶけど、うら若き乙女が本当にそれで良いの?」

商人「あ…やっぱりやめる…」

魔法使い「私もそれがいいと思うわ…」

商人「でもこんなにいのちのきのみが出てくるなんて思わなかったよ!もっと見つけたら、魔法使いちゃんにもいくつかあげるね!」

魔法使い「あの調子なら、もっと見つかりそうね。楽しみにしてようかしら?」

商人「うん、絶対もっと見つけて見せるよ!!」

176: 2014/10/28(火) 18:29:48 ID:roKNxVgU
――26日目

商人「――というわけで、モンスター退治だけの3日間はあっという間に過ぎたのでした」

魔法使い「3日間の退治生活の間に、私はレベル13、商人はレベル14まで上がったわね。…ってこれ、誰に向かって説明…」

商人「そして!!これから発表するのが24日目から26日目の3日間のあなほりの成果だよ!!」

魔法使い「また強引に…」

商人「まあまあ。あなほりは45回くらい掘ったかな?5回くらい穴を掘ったら、気分転換に1度町へ戻るのがおすすめだよ!あと迷惑だから町の中であなほりしたりしないよーに!!」

魔法使い「そう…」

商人「では発表です!!じゃーん!!」

計11G、まんげつそう2、たびびとのふく、せいなるナイフ、やくそう、いのちのきのみ

商人「………もっとたくさん拾えると思ったのに…」

魔法使い「タダでこれだけ見つけたなら良いじゃない、高望みし過ぎよ」

177: 2014/10/28(火) 18:45:38 ID:roKNxVgU
商人「だって~、その前の2日間は15回のあなほりで7Gまんげつそう2いのちのきのみ2だったんだよ!?それなのに…」

魔法使い「はいはい。それよりも、この3日間魔物退治とあなほりだけしかしてないわ。レベルも上がったし、明日はエルフの隠れ里にでも行ってみる?」

商人「うん、それはいいけど…魔法使いちゃんには、大事なお願いがあるのです…」

魔法使い「何よ、改まって」

商人「あなほりで見つけたは良いけど…このままじゃ土まみれで売れないでしょ?特に、このたびびとのふくとか…」

魔法使い「…まさか、洗濯しろって言うの?」

商人「お願い!あたし、あなほりし過ぎて疲れちゃったし…」

魔法使い「あのねえ…まあいいわ、売れればパーティーのお金だし、貴方が掘って私が洗う、役割分担と考えれば…」

商人「良いの?ありがとー!!だから魔法使いちゃん好きよ、大好き!!」

魔法使い「はいはい。だから、そんなに疲れるほどあなほりするのは…」

商人「じゃああたし、明日からもあなほり頑張るから!いろんなものたくさん見つけるから!!」

魔法使い「あのねえ、少しは人の話を…」

商人「ちなみに今回は全部カザーブの周りであなほりしたよ!!それから、昼と夜だと出てくるアイテム変わるかも!?以上です、じゃあ明日も早いから、おやすみなさーい!!」ドタバタ

魔法使い「…もう、本当におちょうしものなんだから。くじけぬこころでも持たせようかしら…?」

178: 2014/10/28(火) 19:04:34 ID:roKNxVgU
――27日目

商人「えっほ、えっほ…あ、魔法使いちゃん、やっと起きた?おはよう!!」ザッザッ

魔法使い「おはよう。起きたらもう宿屋にいないと思ったら…」

商人「朝早く起きたら労働!労働と言えばあなほり!!でしょ?」ザッザッ

魔法使い「そうかしら…?で、今朝の成果は?」

商人「それが、もう10回も掘ったのに、たったの3Gぽっち…」

魔法使い「私は結果よりもう10回も掘った事の方が衝撃的だけど…でも、早起きは3Gの得って言う昔のことわざの通りじゃない」

商人「そんな昔のことわざで納得出来ないよ!あたしは今を生きてるんだよ!?」

魔法使い「私にそう言われても…それより、もうエルフの隠れ里に向けて出発したいんだけど、準備はいい?」

商人「あ、ちょっと待って。あたし、手と顔洗ってくる!!」タタタ…

魔法使い「ちょっと!!…もう、そんなに慌てなくていいのに…」

179: 2014/10/29(水) 12:14:05 ID:DxKlXQ2Y
――27日目

商人「…で、またノアニールまで戻って来たけど…この辺ってモンスターめちゃめちゃ強くない?カザーブと少ししか離れてないのに…」

魔法使い「そうね、あの鎧の魔物とか、攻撃力すごいわね」

商人「攻撃を集中されたらあたしも危ないかも…あ、魔法使いちゃん、あれなんだろう?」

ギズモがあらわれた!!

魔法使い「何かしら…?ガスの生命体…?よく分からないけど、敵には違いないようね」

商人「どんな攻撃してくるんだろ?怖いね…」

魔法使い「そうね、得体が知れないけど…気を引きしめていきましょう!」

180: 2014/10/29(水) 12:23:24 ID:DxKlXQ2Y
ギズモはメラをとなえた!!ギズモはメラをとなえた!!ギズモはメラをとなえた!!

商人「ひえ~、熱い熱い熱い!!攻撃呪文の雨みたい!!」

魔法使い「しかも早いわね。厄介な敵だわ…でも負けてられない、ギラ!」ボオォ

ギズモをたおした!!

商人「よーし、残りはあたしが…それっ!!」ピシャッ

ギズモをたおした!!ギズモをたおした!!

魔法使い「ふう、やったわね、思ったより呪文が効いて助かったわ」

商人「結構簡単に倒せたね。体力?があんまりないみたい」

魔法使い「でも、もっとたくさん出てきたら危なかったかもしれないわ。ここからは、今まで以上に体力には気を使いましょう」

商人「そうだね、あたしも気を付けるよ」

182: 2014/10/29(水) 18:23:33 ID:p/W3Tq/M
魔法使い「ふう、そんなに歩いてないのに疲れるわね。本当に敵が強いわ…」

商人「薬草もたくさん使っちゃったね。2、3日前に25個も買ったのに、また買わないと…」

魔法使い「お金はまだ余裕あるの?」

商人「もっちろん!あたしが管理してるんだよ?」

魔法使い「そうね、お金に関しては信頼してるわ」

商人「むっ…お金以外は信用ない?あたし」

魔法使い「ご免なさい、言い方が悪かったわ。戦闘でも信頼してるわ、もちろんあなほりの腕前も」

商人「そ、そう?エヘヘ、あたしも魔法使いちゃんのお洗濯の腕前、シンライしてるよ!!」

魔法使い「それは喜ぶべきかしら…あら?商人、あれ、何かしら?」

商人「え…あ!こんな森の中に村!?もしかして…」

魔法使い「ええ、エルフの隠れ里かもしれないわ。行ってみましょう」

183: 2014/10/30(木) 13:26:37 ID:EA.y25ZI
――エルフの隠れ里

エルフA「人間と話したらママに叱られちゃう」

エルフB「ひー!!人間だわ!!拐われてしまうわ!!」ガクブル

道具屋エルフ「人間にモノは売りません。お引き取りあそばせ」

馬「ヒヒーン!!」

商人「魔法使いちゃん!魔法使いちゃん!!」

魔法使い「何よ?」

商人「ザ・ラ・キ!!ザ・ラ・キ!!」

魔法使い「だから使えないわよザラキは…第一、人間嫌いにも理由があるかもしれないでしょ?」

商人「そうかな…」

魔法使い「まあ、本当のところは分からないけど、それはエルフの女王様が教えてくれるはずよ」

商人「エルフのお偉いさんか…こわいけど、話聞きにいかないとね…」

184: 2014/10/31(金) 13:04:57 ID:og7L89zo
女王「…人間などがここに何の用ですか?」

商人「こ、この人が女王様?なんかもうツンツンしてるけど…」

魔法使い「女王様。私達は貴方方に呪われたというノアニールの事で伺いました」

女王「そう、ノアニール…そんなこともありましたね」

商人「そんなことって…!あの町の人達は、まだ眠ったまんまだよ!?」

女王「もう何年前になるか…私の娘が、あの町の人間と駆け落ちしたのです」

魔法使い「娘、というと、エルフの姫君…?」

女王「しかも、私達エルフの宝であるゆめみるルビーを持ち出して…所詮エルフと人間、娘は騙されたに決まってます」

商人「そんな、決めつけなくても…」

女王「ああ、人間なんて見るのも嫌です。さっさとお行きなさい」

185: 2014/10/31(金) 13:14:20 ID:og7L89zo
魔法使い「会話にもならなかったわね」

商人「人間が悪い!!って決めつけられたのは納得いかないけど、娘さんがいなくなっちゃったんだね…」

魔法使い「人間と駆け落ち、しかもエルフの秘宝を持って、か…」

商人「あの最初から拒絶する感じ…やっぱり人間とエルフって解り合えないのかな…?」

魔法使い「そうかしら?少なくとも私は、エルフは人間と似てると思ったわ。いえ、人間がエルフに似ているのかもしれないけど」

商人「似てる?どの辺が?」

魔法使い「嫌な事されたら復讐しちゃう所とか、宝石みたいなモノを大事に扱う所とか」

商人「復讐…」

186: 2014/10/31(金) 13:27:58 ID:og7L89zo
魔法使い「あと、嫌いになったらその相手の嫌いな所ばかり見ようとする所とかね。全く、人間もエルフも、顔を見たら罵り合うより、挨拶の1つでもした方が楽だ、ってなんで気づかないのかしらね?」

商人「うーん、それが出来ないのが憎いって事なんだろうけど…でも、人間と似てるって言うなら、どうすれば機嫌をなおしてくれるかも解りやすいね」

魔法使い「そうね、娘を連れて帰るか、秘宝を取り戻すか…出来れば両方ね」

商人「だよね!!じゃ、どうにかその二つをクリアして、女王様のご機嫌をなおしてもらおうよ!それにあたし、ノアニールの町で買い物したいし!」

魔法使い「それが一番の目的…?まあいいわ、とりあえず今日はカザーブまで戻りましょう?何をするにも、準備が…」

商人「あ、待って魔法使いちゃん!あたしここであなほりしてく!!女王様はともかく、他のエルフの態度は嫌だったから、エルフの隠れ里の周りを穴ぽこだらけに…」

魔法使い「…私の話聞いてた?」

187: 2014/10/31(金) 13:58:56 ID:og7L89zo
――28日目

商人「よいしょ、よいしょ!あ、魔法使いちゃんおはよう!!今日も遅かったね、もう10回も掘ったよ!!」

魔法使い「相変わらずすごいわね…それで今朝の成果は?」

商人「まんげつそう、やくそう、1Gって感じかな。まあまあ?」

魔法使い「結構良かったじゃない、さすがあなほり名人ね」

商人「へっへ~♪あ、そうだ魔法使いちゃん、あたしお願いがあるんだけど…今日、アリアハン行かない?」

魔法使い「アリアハンに?行っても良いけど…何かあるの?」

商人「うん、ちょっとね…」

魔法使い「…まあいいわ、たまにはお城に帰って王様に報告しないといけないし」

商人「ホント!?ありがとー、じゃああたし準備してくるから、待っててね!!」タタタ…

魔法使い「あんなに慌てて…はいつもの事だけど…アリアハンで何かあるのかしら?」

189: 2014/11/01(土) 16:37:27 ID:mdJv/uiA
魔法使い「じゃあ、準備は出来た?」

商人「うん!そう言えば、あたしルーラもキメラのつばさも使った事ないや、楽しみ~」

魔法使い「言われてみれば、私もそうね」

商人「え…と、途中で墜ちたりしないよね?」

魔法使い「大丈夫よ、多分」

商人「うう、不安…」

魔法使い「ふう…今立つ地、遠き故郷、彼我の逢瀬を我が手で結ばん!ルーラ!!」

商人「お?え、え、え、きゃあああァァァァアアアア…!」

ギュイーンギュイーン

190: 2014/11/01(土) 16:44:12 ID:mdJv/uiA
――29日目

魔法使い「はい、着いたわよ」

商人「え?…あ、お城!?あっちはナジミの塔…ホントにあっという間…」

魔法使い「本当はあっという間でもないんだけどね。1日経ってるし…」

商人「え?あ、ホントだ」チラッ

魔法使い「どこ見て確認してるの…?とにかく、私は今日1日お城で報告とかしなきゃいけないから、貴方も今日中にやりたい事を済ませてね」

商人「うん、分かった。気を付けてね、魔法使いちゃん!…さて、まずはここであなほりを…」

191: 2014/11/01(土) 16:53:54 ID:mdJv/uiA
――アリアハン城内

王「久しいな。旅は順調か?」

魔法使い「はい。頼もしい仲間に頼ってばかりですが」

王「そうか、何よりじゃ。…ところで、世界は今どうなっておる?」

魔法使い「思った以上に魔物が蔓延っているようです。…ああ、海の向こうでも、アリアハン出身の我々は歓迎されましたよ」

王「おお、そうかそうか、さすが我が国、時は経てどもその栄光は…」

魔法使い「これがオルテガ殿の功績の1つなのでしょうね。戦争で敗れ、鎖国して震えていたアリアハンの人間がこれほど歓迎されたというのは」

王「…」

192: 2014/11/01(土) 17:02:32 ID:mdJv/uiA
魔法使い「あとは、魔物の勢いが増してきたのもあるのでしょう。藁をもすがるような思いで、我々を見ていました」

王「…旅は、大変か…?」

魔法使い「それが分かっているからこそ、若き勇者が旅立つ前に私に旅をさせているのでしょう?おかげで充実した毎日を送らせていただいてますが」

王「…」

魔法使い「皮肉ではありません。本当です――ではこの辺で失礼します」ペコリ

王「…気をつけてな」

魔法使い「ええ、そちらも。――間違っても、旅立つ前の勇者が魔物の手にかかる、などという事がないように…」

193: 2014/11/01(土) 17:13:46 ID:mdJv/uiA
魔法使い「ふう…一番面倒な仕事が終わったわね」

兵士「おお、なんだお前、帰って来てたのか?」

魔法使い「貴方は…久し振りね」

兵士「見てたぞ。全く、あんなだから煩わしく思われて外に放り出されるんだぞ」

魔法使い「それはどうも。おかげで毎日楽しいわ、ここにいたときよりも。ところで貴方は変わらずに?」

兵士「変わるも何も、お前が旅立ってまだ1ヶ月だぜ?」

魔法使い「じゃあまだ倉庫番ね」

兵士「ああ…そうだ、お前、もう少ししたらまたアリアハンに来いよ。倉庫の中の不要な宝とかくれてやるから」

魔法使い「…いいの、そんな事して?」

兵士「ああ、俺は昔オルテガさんにお世話になったからな。そのオルテガさんの娘のために旅してんだろ?だったら俺は…倉庫泥棒を全力で見て見ぬふりする」

魔法使い「なにそれ?…まあいいわ、じゃあまたいつか、楽しみにしてるわ」

兵士「おう、道中達者でな」

194: 2014/11/01(土) 17:24:00 ID:mdJv/uiA
魔法使い「…さて、お城の雑務は大体終わったわ。商人はどこで何をしてるのかしら…」

商人「あん、魔法使いちゃあん、こっちよおん」クネクネ

魔法使い「…どうしたの?」

商人「あらん、見違えたあ?そうなの、あたし今日からセクシーギャルになったのお」クネクネ

魔法使い「…調子狂うわね。どうしてこんなになってしまったの?」

商人「あん、嫉妬ね?そうよねえ、セクシーさで魔法使いちゃんに大差をつけちゃったもんねえ」クネクネ

魔法使い「…全く、何を装備したやら…いいから早く元に戻りなさい!」ドタバタ

商人「あん、ダメよ、そんな強引に…って魔法使いちゃん、ダメ、ダメだってば!!」ドタバタ

魔法使い「やっと元にもどったわね。…ってなにこれ、ガーターベルト!?」

商人「あーん、商人ちゃんせくしーだいなまいつ計画が…」

魔法使い「そんな計画だったのね…」

195: 2014/11/01(土) 17:32:49 ID:mdJv/uiA
商人「冗談よ、冗談。ホントはこれ、魔法使いちゃんにあげる予定だったんだ」

魔法使い「…これを、私に?」

商人「うん、こんなでも一応、守備力上がるし。ノアニールの周りはモンスターも手強いから、少しでも守備力あげたいもんね」

魔法使い「そう…でも、これは少し…」

商人「なーに今更恥ずかしがってるの?かめのこうらもおなべのふたも堂々と装備してた魔法使いちゃんらしくないよ!」

魔法使い「別に堂々としてた訳じゃないけど…そうね、じゃあこれはありがたくいただくわ」

商人「うん、じゃあ早速装備しよ!ね、ね、どう?どんな感じ?」

魔法使い「ねえ、商人…装備しても、別に口調が変わったりしないけど…」

商人「もー、そこはほら、雰囲気ってやつ!!」

魔法使い「そう…」

196: 2014/11/01(土) 17:43:37 ID:mdJv/uiA
――30日目

商人「魔法使いちゃん、おはよー!!ね、ね、今日はカザーブに戻るんでしょ?」

魔法使い「おはよう。そうね…戻ってから、どうしようかしら?まだまだレベルを上げなきゃいけないけど、ノアニールの周辺での魔物退治は不安があるし…」

商人「やっぱり、ガーターベルトしても、不安?」

魔法使い「そうね、あそこの魔物は強いから…」

商人「そっか、まあガーターベルトじゃないよりまし、って程度だもんね…そうだ、魔法使いちゃん、行き先さ、カザーブじゃなくてノアニールにしてくれない」

魔法使い「良いけど…あそこでの魔物退治は…」

商人「うん、ちょっと考えがあってさ。ね、ね、いいでしょ?」

魔法使い「そこまで言うなら…じゃあ、次の行き先はノアニールにするわよ?」

商人「うん、よろしく!」

168: 2014/10/26(日) 17:51:02 ID:p9fAGq0k

引用: [プレイ日記?]アリアハンの魔法使い