530: 2014/12/04(木) 19:20:24 ID:Fp1uy4.6

はじめから:【ドラクエ3】アリアハンの魔法使い

前回:
【ドラクエ3】アリアハンの魔法使い【3】

――91日目

魔法使い「さて、お金も預けたし、もうここには用は無いけど…」

盗賊「そーりょがいないぞ?どこ行ったんだ?」

僧侶「ふふん、待たせたねご両人」

盗賊「あ!なんだそーりょ、へんなめがね!!」

僧侶「「ふふん、君には変なメガメにしか見えないだろうね。全く、これだから…おおっと!!」

魔法使い「取れなかった…!素早いわね…」

僧侶「ふふん、このあたしがメガネだけだと?全く、考えが浅いね。あたしには更にこのはやてのリングとパワーベルトまである。素早さでも、力でもあたしからこれらを奪い取ろうなんて…」

魔法使い「仕方ないわね。盗賊、僧侶は置いていきましょう」

盗賊「んー、そうだな、なんかそーりょイヤなヤツになったもんな」

僧侶「ええっ!?ま、待ってよ、冗談だってば!!はい、3つとも渡すから!!」

魔法使い「もう、貴方はすぐ装飾品で図に乗るんだから…」

僧侶「えへへ、つい…」
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531: 2014/12/04(木) 19:30:05 ID:Fp1uy4.6
――夜、旅人の宿屋

魔法使い「ジパングの近くにちょうどいい宿があって助かったわね」

僧侶「ムオルからだと、遠いって訳でもないけど、ちょっとかかるもんね」

盗賊「ここのやどのごはんもなかなかだな!!」モグモグ

魔法使い「さて、お金も預けたし、準備は出来たわ。明日はいよいよジパングの魔物退治よ。二人とも、覚悟はいいわね?」

僧侶「もっちろん!!…ちょっと恐いけど…」

盗賊「オロチってヘビなんだろ?おいしいかなあ、はやく食べたいぞ!!」

魔法使い「ふふ、盗賊は頼もしいわね。僧侶、見習わなきゃ駄目よ。」

僧侶「だ、大丈夫だよ、怖いは怖いけど、戦闘ではしっかりやるから!!」

魔法使い「ふふ、期待してるわよ。さあ、明日は決戦。今日はもう休むわよ」

僧侶「うん、おやすみ?

盗賊「また明日だぞ!!」

533: 2014/12/05(金) 16:04:21 ID:GPXuk4Ls
――92日目、おろちの洞窟

魔法使い「ふう、暑いわね…」

盗賊「よーがんグツグツだぞ!!」

僧侶「魔法使いちゃん、ぬいぐるみだもんね、暑そう…」

魔法使い「全く、いつになったら魔法使いらしい服を着られるのかしらね…それはそうと、ここはあまり魔物が多くないわね」

僧侶「そんなに強くもないしね…あ、見てみて、宝箱があるよ!!」

盗賊「ホントだ、開けるぞ!!」ガチャッ

魔法使い「もう、また確認もしないで…」

なんと はんにゃのめんを手に入れた!!

盗賊「なんだこれ?へんなおめん~」

僧侶「!!待って盗賊ちゃん、それ被っちゃダメ!!」

盗賊「えー、なんでだ?」

魔法使い「見るからに怪しいじゃない…さて、この階はもう何もないわね。下に下りてみましょう」

534: 2014/12/05(金) 16:21:18 ID:GPXuk4Ls
盗賊「ちか2かいに下りたら、なんかへんなにおいがするな」

魔法使い「ええ…この臭いの正体は…この祭壇ね」

僧侶「こ、これ…人の骨!?こんなにたくさんの人の骨が散らばって…」

魔法使い「ここが生け贄の祭壇…おろちに生け贄を捧げる場所みたいね」

僧侶「ま、魔法使いちゃん、あたし怖いよ…人をこんなに食べるおろちもだけど、ここに置き去りにされて、おろちが来るまで待ってる、そんな女の子達の気持ちを考えると…」

魔法使い「そうね…」

盗賊「おおー!!やっぱりおろちはニンゲン食べほうだいなんだな!!とーぞくも、うまれかわったらおろちになりたいぞ!!」

僧侶「え、ええ!?」

魔法使い「そうねえ、そうしたら生まれ変わって盗賊になった子におろちの焼き肉にされて食べられてしまうわね」

盗賊「う~、じゃあおろち食べてどっちがおいしいかかんがえてからどっちになるかきめるぞ…」

魔法使い「ええ、きっとおろちの方が美味しいわよ」ニッコリ

僧侶「盗賊ちゃんといると、あたしの感覚の方が変なのかとおもっちゃうよ…」

魔法使い「それはないから安心しなさい。それより、こんなものがあるって事は、ついにおろちが近くにいるって事よ。二人とも、気を引き締めてね!」

535: 2014/12/05(金) 17:41:17 ID:DR.6YgWk
盗賊「お、なあなあ、おくにでかいのがいるぞ!!あれがおろちか?」

魔法使い「多分ね…大きいわね…」

僧侶「あ、あれと戦うんだ…てゆうかさ、あれってヘビじゃなくてもうドラゴンじゃない?」

盗賊「おお、ドラゴンならおいしそうだな!!あのスカイドラゴンとかいうのとどっちがおいしいかな?」

魔法使い「どうかしらね…?こっちの方が、肉厚で量は多そうだけど…」

僧侶「二人ともよくあんなのを目の前にして平気でいられるね…」

魔法使い「あら、やっぱり怖い?」

僧侶「実物を見ると、やっぱり…でも今、心の準備をしてるから、ゆっくり近づいて…」

盗賊「おいおろち、食べていいか?」

僧侶「え、ええ!?いきなり目の前に…!?」

魔法使い「どうせやることは一緒よ!さあ行くわよ!!」

536: 2014/12/05(金) 17:53:56 ID:xKb9zOgo
やまたのおろちがあらわれた!!

僧侶「うわあ、近くで見ると、やっぱり大きい…」

盗賊「おおー!!ちかくでみるともっとおいしそうだぞ!!」

僧侶「ええ~…」

魔法使い「ほら、戦いに集中する!まずは…スクルト!!」ニュイーン

僧侶「えっと、あたしは…大いなる神よ、日照りの日も吹雪の日も我ら人の子を御守り下さい…フバーハ!!」ミニョーン

盗賊「おおー、バリアが2つ!!」キャッキャッ

魔法使い「これで少しは安心ね、思いっきり暴れて…」

やまたのおろちのこうげき!!

僧侶「!!ま、魔法使いちゃん、平気!?」

魔法使い「…ええ、大丈夫…よ…」

僧侶「ど、どうしたの!?やっぱり効いたの!?」

魔法使い「…いえ、逆よ。あまりに効かなかったから、ビックリして…」

盗賊「まほーつかい、じょーぶだな!!」

魔法使い「もちろん、呪文のおかげもあるけど…確信したわ、私達なら倒せる。さあ、やるわよ!!」

537: 2014/12/05(金) 18:09:42 ID:xKb9zOgo
僧侶「よし、じゃああたしも攻撃するよ!!ていっ!!」ドゴッ

魔法使い「呪詛に潜みし力の主よ、我が友に溢れんばかりの祝福を!!バイキルト!!」ミュウウー

盗賊「おお!?すごいちからだぞ!!それー!!」バキッ

魔法使い「僧侶、貴方もよ!!バイキルト!!」ミュウウー

僧侶「すごいすごい!!もう目一杯殴っちゃうよー!!」ドガン

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!!

盗賊「あちち、あついぞ!!」

僧侶「ひゃー!!フバーハしてても、これは熱いよ…」

魔法使い「いくらバイキルトしたからって、攻撃に熱中しちゃ駄目よ!貴方は回復が一番の仕事なんだから!!」

僧侶「わ、分かってる!!魔法使いちゃん、ベホイミ!!」パアア…

魔法使い「ありがとう――空と海と大地を巡る水よ、冷たき姫君の手によって氷となれ!!汝、白き暴君よ、我が敵に凍てつく永遠を!!マヒャド!!」ドドドドド…!!

盗賊「おお!?れーとーにくになるぞ!!」

魔法使い「攻撃は私でも出来るわ!!僧侶、貴方は手が空いた時だけ攻撃すればいいからね!!」

僧侶「う、うん。相変わらずすごい魔法…」

538: 2014/12/05(金) 18:18:20 ID:xKb9zOgo
盗賊「このー!!とりゃー!!」ドカバキッ

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!!

僧侶「あちち…まだ倒れないの!?」

魔法使い「そう簡単には行かないでしょうね。僧侶、盗賊を回復して!」

僧侶「オッケー!!大いなる神よ、傷つき疲れた貴方の戦士に今再び力を!!ベホマ!!」パアアアア…!

盗賊「おおー!!ケガなおったぞ!!」ピョンピョン

魔法使い「さあ、もう一息よ!マヒャド!!」ドドドドド…!!

盗賊「いくぞいくぞ!!そーれっ!!」ドガッ

僧侶「もひとつ、そーれっ!!」ドガン

魔法使い「いい調子よ!!私も…」

僧侶「待って、魔法使いちゃん、おろちが!!」

グラッ ドシーン…!

やまたのおろちをやっつけた!!

539: 2014/12/05(金) 18:25:28 ID:xKb9zOgo
魔法使い「倒した、わね…」

盗賊「よし!!食べるぞー!!」

僧侶「ま、待って!おろちが…」

魔法使い「…立ち上がった?この傷で…!」

盗賊「ああ、逃げちゃうぞ!!」ニュイーン

僧侶「に、逃げられた!?これ、旅の扉!?」

魔法使い「即席で旅の扉を作ったのかしら…?流石に並みの魔物ではないわね」

盗賊「まて、食べさせろー!!」ニュイーン

僧侶「と、盗賊ちゃん!?追っかけて旅の扉に入っちゃったよ!!」

魔法使い「もう、しょうがないわね!いいわ、どうせ私達も行くしかないもの。この旅の扉がいつまであるかも分からないし…僧侶、行くわよ!」ニュイーン

僧侶「う、うん!!…もうあれ以上のモンスターがいませんように…」ニュイーン

541: 2014/12/06(土) 17:38:42 ID:.nLjc9UU
盗賊「おお?ここどこだ?」

魔法使い「ここ…ジパングの…」

僧侶「あ、ねえ魔法使いちゃん、あの人すごいケガ!!」

近習「なんだあんた達は!?今ヒミコ様が大ケガをして帰ってきて大変なんだ、出てってくれ!!」

魔法使い「このタイミングであの怪我、やっぱりこの人が…!」

(…この事は…)

僧侶「!?頭の中に、声が…!?」

(この事はそなた達しか知らない事じゃ。黙っておれば、悪いようにはせぬ。分かったな?)

魔法使い「そう、ね…あちらも手傷を負っているけど、こちらにも消耗があるわ。ここは…」

僧侶「何言ってるの?あんたみたいなの、見逃すわけないじゃない!!」

盗賊「そーだそーだ!!はやく食べさせろ!!」

魔法使い「え?ちょっと、二人とも…」

ヒミコ「ならば生きては帰さぬわ!!」ガオー

やまたのおろちがあらわれた!!

魔法使い「ああ、もうっ!!」

542: 2014/12/06(土) 17:40:45 ID:.nLjc9UU
僧侶「あれ?魔法使いちゃん、何怒ってるの?」

魔法使い「…何でもないわ。さあ、やるわよ!!戦法はさっきと同じ、さっきも勝てたんだから、今回も倒せるはずよ!!」

543: 2014/12/06(土) 17:49:10 ID:.nLjc9UU
僧侶「分かってる!!まずは…フバーハ!!」ミニョーン

魔法使い「そして私がスクルトを唱えて…バイキルト!!」ニュイーン

盗賊「よっしゃー!!やるぞー!!」ドガン

やまたのおろちのこうげき!!やまたのおろちのこうげき!!

僧侶「痛いっ!!あっちも氏に物狂いだね!」

魔法使い「当然よ、負けた方が焼き肉なんだから!」

盗賊「おお!?やきにくやきにく!!」ドカバキッ

僧侶「盗賊ちゃんが元気になった!!あたしも…」

やまたのおろちのこうげき!!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!!

僧侶「あちち、火はやっぱり熱いよ!!」

魔法使い「僧侶、さっき自分で相手は氏に物狂いだって言ってたでしょ!?もう少し回復に気を配って!」

僧侶「ごめんごめん、盗賊ちゃん、ベホイミ!!」パアア…

盗賊「おう、げんきはつらーつ!!」ドガッ

魔法使い「それでいいわ。体力にさえ気を付けていれば、負ける相手じゃないはず。気を抜かないでね!」

544: 2014/12/06(土) 20:37:43 ID:hjK7e/02
やまたのおろちはひのいきをはいた!!

盗賊「お?あんまりあつくないぞ!!」

魔法使い「弱ってきてるのかも…もうひと踏ん張りよ!マヒャド」ドドドドド…

僧侶「もうちょっと、もうちょっと…それっ!!」ドガッ

盗賊「もうふらふらだな!!はやくおにくに…なれっ!!」ドガン

魔法使い「!!効いたみたいね…二人とも離れて!!倒れるわ!!」

ズウウウ…ン…!

やまたのおろちをやっつけた!!

僧侶「やった、やったね魔法使いちゃん、盗賊ちゃん!!」

盗賊「やきにくだー!!」キャッキャッ

近習「そんな、まさか…ヒミコ様がおろちだったなんて…み、皆の衆!!おろちが、おろちがー!!」ダダダ…

魔法使い「…きっとこれからが大変ね、この国は…」

545: 2014/12/06(土) 20:47:52 ID:hjK7e/02
――93日目

盗賊「おーい、あさだぞ、おきろー!!」バンバンバン

魔法使い「う…ん…」ムニャムニャ

盗賊「おきろ、おきろ、おーきーろー!!」バンバンバンバンバン

魔法使い「…分かったわよ…昨日遅くまで騒いだのに、元気ね…」

僧侶「はは、か昨日は結局国を挙げてのおろち焼き肉パーティーだったね」

魔法使い「船に乗せきれないくらい肉があったからね…火力係は大変だったわよ…」

僧侶「お疲れさま。でも、おろちの皮を剥いでた盗賊ちゃんも大変そうだったよ」

魔法使い「そうしないと火が通らなかったからね…でもまあ、美味しかったからいいわ」

盗賊「お、まほーつかい、おきたか?おろちは食べおわったし、つぎだつぎ、もっとたくさんのおにくを食べにいくぞ!!」

僧侶「あれ?盗賊ちゃん、その手に持ってるの、何?」

盗賊「これか?おろちからぬすんだんだ、いーだろ!!そーびできないけどな!!」

僧侶「見るからに凄そうな剣だね…ちゃっかり盗賊の仕事もしてたんだ…」

546: 2014/12/06(土) 20:59:38 ID:hjK7e/02
魔法使い「さて、盗賊が満足したならここに用はないわね、そろそろ…」

???「お待ちください!!」

僧侶「え?誰?」

少女「あの…私、次におろちの生け贄になるはずだった者です。皆さんのお陰で、こうして無事でいられました。ありがとうございました!!」ペコリ

魔法使い「ああ、貴方が…良かったわね」

僧侶「あたし達は当然の事をしただけだよ、ねっ?…盗賊ちゃん?」

盗賊「ふーん、ねーさんがつぎのおろちのごはんだったのか。たしかにおいしそうだな」ジュルリ

少女「え?え!?」

魔法使い「こら、おどかさないの!ごめんなさい、この子は冗談ばっかり…」

盗賊「じょーだんじゃないぞ!!ならいますぐねーさんを食べ…フガッ」モゴモゴ

僧侶「冗談です!!冗談ですから!!さ、魔法使いちゃん、そろそろ行こ?」

少女「ま、待って下さい!国のみんなから、これを渡すようにと…」

なんと パープルオーブを手に入れた!!

魔法使い「これは…」

少女「ヒミコ様が…いえ、おろちがもっていたものです。私達にはこれが何なのか全く分かりませんが、皆さんのお役に立つのではと…」

547: 2014/12/06(土) 21:14:07 ID:hjK7e/02
魔法使い「思わぬ物が手に入ったわね。オーブ、か…」

僧侶「わー、きれいな珠だねー…」ウットリ

盗賊「なーんだ、食べれないのかー」

魔法使い「何でも食べようとしないの。それより僧侶、前にポルトガの灯台で聞いたオーブの話、覚えてる?」

僧侶「え?えーと、確かオーブを6つ集めると、船が要らなくなるとか…あ、あ、もしかして、オーブってこのオーブ!?」

魔法使い「多分ね…もしかしたら、私達はこれを集めるべきなのかもしれないわね…」

僧侶「船が要らなくなるって、どういう事だろうね?船より凄い乗り物が手に入るのかな?」

魔法使い「どうかしら、船より優れた乗り物なんて、想像もつかないけど…でも、もしそうなら、その乗り物に乗って、船でさえ行けない場所に行けるようになる…?」

僧侶「す、凄い…そんな乗り物があったら…」

盗賊「このせかいのぜんぶのたべものが食べれるな!!」

僧侶「え~、ロマンがない…」

魔法使い「でも実際、盗賊の言う通りになるかもね。じゃあ、私達の次の目標は、オーブ探し。これでいいかしら?」

僧侶「うん!!すっごく楽しそう!!ね、盗賊ちゃん?」

盗賊「おー!!ぜんぶ食べるぞー!!」

魔法使い「ふふ、決まりね。オーブはあと5つ、早く集めたいわね…」

548: 2014/12/06(土) 21:23:21 ID:hjK7e/02
僧侶「そうだ、魔法使いちゃん、あのさ、あたし達、おろちを倒したら転職するって言ってたけどさ…」

魔法使い「何?やっぱり僧侶のままがいいの?」

僧侶「ううん、そうじゃなくて、あともうちょっとだけレベル上げてから転職したいんだ。良いかな?」

魔法使い「いいも悪いも、自分の事ですもの、好きにしたらいいわ。じゃあちょっとこの辺で魔物退治していく?」

僧侶「うん、お願い。盗賊ちゃんも、いい?」

盗賊「ここのくまにくはおいしいからな、いいぞ!!」

魔法使い「じゃあそうしましょうか。それにしても…ふふふ…」

僧侶「な、何?」

魔法使い「やっぱり貴方は僧侶より商人が似合うわ。ニフリャミュ!!とか言っちゃう僧侶はちょっとね…ふふふ…」

僧侶「あ、あれは…魔法使いちゃんがおどかすから…!」

魔法使い「はいはい、じゃあ残り少ない僧侶の修行、頑張ってね」

僧侶「あ~、なんかバカにしてる!!あたしだって、好きであんな…」

549: 2014/12/06(土) 21:30:04 ID:hjK7e/02
――僧侶はレベルがあがった!!

僧侶「うん!これでオッケー!!へっへー、魔法使いちゃん、あたしついに覚えたよ、ベホマラー!!」

魔法使い「全員を1度に回復出来る呪文ね?これでかなり楽になるわね」

盗賊「おー、なんだかすごいな!!」

僧侶「そうだよ!!あーあ、これ覚えてたら、おろちももっと楽に戦えたんだろうなー…」

魔法使い「それは仕方ないわ。私だって、もう少し早く鍵あけの呪文を覚えてたら、もっと早く色んな場所に行けてたし…」

僧侶「あー、魔法使いちゃんはさいごのかぎ見つけた次の日にアバカム覚えたんだっけ…」

550: 2014/12/06(土) 21:37:46 ID:hjK7e/02
魔法使い「そうよ。だからそういうのは気にするだけ無駄よ。それに、おろちには勝てたんだし、今までは必要なかったって事よ、きっと」

僧侶「そっかあ、そうかもね…じゃあ切り替えて!ついにあたし、商人に戻る時が来たよ!!」

盗賊「とーぞくは、とーぞくじゃなくてけんじゃになるぞ!!」

魔法使い「あら、ちゃんと覚えてたのね。二人ともレベル1に戻るし、またゆっくり船旅しながらオーブ探しでもしましょうか」

僧侶「あ、それいい!まだ知らない町もあるかもしれないし!」

盗賊「まだ食べたことない食べ物もあるかもしれないな!!」

魔法使い「そうね、まだ私達の知らない世界の顔があるかもしれない。楽しみね。さあ、まずはダーマへ行きましょう。準備はいいわね?」

僧侶「うん!!さらばジパング!!」

盗賊「さらばだー!!」

552: 2014/12/06(土) 23:42:29 ID:sAIrJi6c
――94日目

商人「んー、1ヶ月ぶりに商人復帰!!あたしやっぱり商人がいい!!」

魔法使い「だから昨日私もそう言ったじゃない」

商人「だからあれはバカにしてただけじゃない!!」

魔法使い「はいはい、それより今は元通りの貴方よりも…」

賢者「おー、服もきがえるのか!!なんかスースーするな!!」キャッキャッ

商人「大丈夫なのかな、こんな子が賢者で…」

魔法使い「大丈夫よ、むしろ小さいうちから色々覚えた方がいいわ」

商人「そういう話も聞くけど…」

賢者「なあなあ、これでじぶんでやきにくがやけるんだな?」

魔法使い「ええ、これから貴方はたくさん呪文を覚えるわ。そうしたら焼き肉も冷凍も自由自在よ」

賢者「おおー!!たのしみだなー!!」キャッキャッ

商人「…せっかくの賢者が、さとりのしょが焼き肉のために使われるなんて…」

魔法使い「何言ってるの、他にも色々覚えるでしょ。それより、今日は神官に報告するようだから、貴方達はもう休みなさい。転職したばかりで、色々やることもあるでしょうから…」

553: 2014/12/07(日) 06:18:19 ID:Hht4TUdo
連日おつかれさま

554: 2014/12/07(日) 09:59:47 ID:OFZHu6jc
――95日目

商人「さあさあ、今日から商人復帰冒険者生活の第一歩だよ!魔法使いちゃん、どこに行くの?」

魔法使い「前に言った通り、オーブ探しをしたい所だけど、これといった情報はないわね。ただ、いくつか気になる場所はあるわ」

商人「へー、どこどこ?」

賢者「どこどこ?」

魔法使い「そうねえ…とりあえず、一番近い所から行ってみる?ほら、入り口で引き返したアープの塔ってあったでしょう?」

商人「え?えーと…あ、あの近くでしあわせのくつを掘り当てた所!」

賢者「おおー、けんじゃもいったことあるぞ!!」

魔法使い「ああいうどこからも情報が出てこない、忘れられた場所には、きっと何かあると思うの。どうかしら?」

商人「うん、いいんじゃないかな。あそこ、いつか行ってみたいと思ってたし」

賢者「けんじゃはどこでもいいぞ!!」

魔法使い「決まりね。じゃあまずはアープの塔に行きましょう」

555: 2014/12/07(日) 10:12:50 ID:OFZHu6jc
――アープの塔

商人「ねえ、魔法使いちゃん…ここのモンスター、ちょっと強くない?」

魔法使い「いえ、そこまででもないと思うけど…貴方達が転職直後だという事を少し軽く見ていたかもしれないわね…」

賢者「あのよろいのモンスターじゃ食べれないぞ!!おなかへったー!!くーふくだー!!」

魔法使い「…仕方ないわ、ここは後回しね。他を当たりましょう」

商人「他?そういえば他にも気になる場所があるって言ってたっけ。どこなの?」

賢者「ごはんがおいしいところか?」

魔法使い「そうねえ…まあ、行けば分かるわよ」

商人「?なんか歯切れ悪いよ魔法使いちゃん」

魔法使い「…ええ、まあ、とりあえず塔から出ましょう…準備いいわね?ルーラ!!」バヒューンバヒューン

556: 2014/12/07(日) 10:25:21 ID:OFZHu6jc
――96日目、ポルトガ

商人「っと、ここは…ポルトガ?ここにオーブがあるの?」

魔法使い「いえ、ここではないわ。ここから船に乗るの。さあ、二人とも行くわよ」

商人「う、うん…」

賢者「けんじゃはここへんはじめてだぞ!!」

魔法使い「そう?私達とは初めてでしょうけど、貴方が前にいたシャンパーニの塔からそう離れてないのよ」

賢者「そうなのか?へ~」キョロキョロ

商人「あ、あのさ魔法使いちゃん、この船、南に向かってるよね?」

魔法使い「…ええ、そうよ」

商人「も、もしかして、今から行く場所って…!」

魔法使い「…ええ、テドンよ」

商人「やっぱり!!だから魔法使いちゃん、行き先ハッキリ言わなかったんだ!!」

魔法使い「…まあ、怖がるかなーと思ってね…」

商人「そ、そりゃあこ怖いけど、ああたしもぼ冒険者だから、そそそそんなに怯えびえててばっかりじじゃないよよ?」

魔法使い「…ええ、まあ、無理しないでね…」

557: 2014/12/07(日) 10:38:28 ID:OFZHu6jc
――夜、テドンの村

商人「よ、夜かあ…良かった、そういえば最初にポルトガからテドンに来たときも夜だったっけ…」

賢者「なんかぼろいむらだな。ごはんもおいしくなさそうだぞ…」

魔法使い「さあ、私達の目的は村の奥よ。行きましょう」

商人「奥って…ここ、牢屋!?」

魔法使い「二人は看守の気を引いてて。私が中に入るわ」

商人「わ、分かった。ねえ~ん、看守さぁ~ん」クネクネ

賢者「さぁ~ん」クネクネ

看守「…なんだ、気色悪いな…」

商人「あー!!気色悪いってなによ!!あたしだって…!!」ギャーギャー

魔法使い「…まあ、上手くやってるのかしらね…じゃあ失礼して…」ガチャリ

囚人「ああ、やっと会えた!!貴方のような勇者にこれを渡したかったのです!」

なんと グリーンオーブを手に入れた!!

魔法使い「これは…ありがとう。でも…」

囚人「ここからはるか南、レイアムランドのほこらにある祭壇に、6つのオーブを捧げて下さい。貴方方ならきっと…お願いします!!」

558: 2014/12/07(日) 10:46:49 ID:OFZHu6jc
商人「わー、オーブ手に入ったんだ!!今度は緑色なんだね!!これもキレイ…」

魔法使い「じゃあ、どうしようかしら?ここで一晩泊まってく」

商人「え?やだやだ、こんな、ほろ…えっと、も、もう少し先に行ってみようよ、ほら、新しい行き先聞いたんでしょ?」

魔法使い「ええ、ここから南、レイアムランドという所ね。そこの祭壇に…」

商人「じゃあじゃあ今すぐそこに行こ?良いでしょ?ね、ね?」グイグイ

魔法使い「賢者はどうしたい?やっぱりお腹すいたわよね?」

賢者「うーん、そうだな~…」

商人「減ってない減ってない!!賢者ちゃん、レイアムランドにはきっとおいしいお肉があるよ?早く行こ、ね、ね?」

賢者「おおー、ならはやくいきたいぞ!!」

商人「よし決まり!!さあレイアムランドにしゅっぱーつ!!」

魔法使い「…よっぽどここに泊まりたくないのね。まあ無理もないけど…」

559: 2014/12/07(日) 11:02:50 ID:OFZHu6jc
――97日目

商人「うーん、船から見る朝日、まぶしー!!」

賢者「ん…ひつじ…おいしい…」コックリ

魔法使い「テドンの周りに羊がいて良かったわね。賢者も満足してくれたわ」

商人「おかげで静かだったもんね。良かった…」

魔法使い「全く、貴方がおいしいお肉があるなんて騙すから…」

商人「ま、まあいいじゃん、レイアムランドではないけど、お肉は手に入ったし…あ、魔法使いちゃん、ほらほら、陸が見える!!」

魔法使い「本当ね。あれがレイアムランドかしら…?」

商人「結構大きそうな島だね…賢者ちゃん、起きて!上陸するよ!!」

賢者「お?おいしい肉だな?」パッチリ

商人「え、ええっと、それは…」

魔法使い「ほら商人、ちゃんと責任取るのよ。さ、行きましょう」

賢者「おー!!」

商人「ま、待ってよ…!ど、どうしよう…」

560: 2014/12/07(日) 11:17:20 ID:OFZHu6jc
賢者「おおー、寒いなー!!」

魔法使い「そうね、私はぬいぐるみ着てるから良いけど…」

商人「うう…お肉…お肉…」

賢者「お?しょーにんもはらぺこか?はやくやきにく食べたいな!!」

商人「そ、そうだね…あ、ああ!!」

スノードラゴンがあらわれた!!

魔法使い「良かったわね、お肉よ」

賢者「おおー!!すごくおいしそうだぞ!!」

商人「よ、良かった~…ってドラゴン!?」

魔法使い「大丈夫よ、メラミ!!」ゴオッ

賢者「おおー、やきにく!!それっ!!」ザシュッ

スノードラゴンをやっつけた!!

賢者「よーし、やきにくだー!!」

商人「はは、良かった…」ホッ

561: 2014/12/07(日) 11:49:47 ID:OFZHu6jc
――レイアムランドのほこら

魔法使い「ここは少し暖かいわね…」

賢者「お?ながいはしごだー!!」

商人「これ上るんだ…大変だな…」

魔法使い「肉体労働は苦手だけど…仕方ないわね…」ギシッ

賢者「よいしょ、よいしょ…ついたー!!」

商人「ふう、疲れた…あれ?誰かいる…」

???「私達は」

???「私達は」

商人「わ!?双子!?」

賢者「けんじゃより小さいな!」

???「卵を守っています」

???「卵を守っています」

魔法使い「不思議な二人ね…この祭壇を守る…巫女?」

562: 2014/12/07(日) 11:57:56 ID:OFZHu6jc
巫女A「世界中に散らばる6つのオーブを祭壇に捧げた時…」

巫女B「伝説の不氏鳥ラーミアは蘇りましょう」

魔法使い「魔法使い伝説の…不氏鳥?」

賢者「ふしちょう?」

商人「氏なない鳥の事よ。見たことないけど…」

賢者「しなない?いくら食べてもへらないのか?」

商人「た、食べれるのかなあ…?」

魔法使い「なんでも食べようとしないの。それより、せっかくここまで来たもの、オーブを捧げてみましょう。まずは、パープルオーブを…」ボッ

商人「あ、祭壇に火が点いた!」

魔法使い「次はグリーンオーブね…」ボッ

賢者「おおー、すごいすごい!!」

魔法使い「これで2つ…残り4つか…先は長そうね…」

563: 2014/12/07(日) 12:07:36 ID:OFZHu6jc
魔法使い「さて、次に行きたい所だけど、流石にダーマを出てから宿に泊まってないから疲れたわね…テドンに戻る?」

商人「や、やだよ絶対!!こういう時こそあたしが大声で宿屋さん呼ぶから!!」

魔法使い「本当に呼べるの?頼むわよ」

商人「あー、信用してない!!見ててよ、絶対宿屋さん呼ぶから…すみませーん、誰かー!!」ダレカー…

武器屋「おまたせ、武器屋だ」

賢者「あー、はずれだー!」

魔法使い「待って、悪くないわ…ね、商人?」

商人「うん、あたし武器買いたい!!このゾンビキラー下さい!!…あ、お金足りない…」

魔法使い「貴方さっきあなほりで何か見つけてなかった?それを売れば…」

商人「あ、そうだ!このみかわしのふく売ります!!今掘ったばっかりで、ちょっと汚れて、あとちょっと凍ってるけど…」

武器屋「…あー、まあいいぜ、みかわしのふくには違いないからな」

商人「やったー!!おじさん、すてき!!」

564: 2014/12/07(日) 12:14:49 ID:OFZHu6jc
魔法使い「武器が手に入ったのは良いけど、もちろん本当の目的は忘れてないわよね?」

商人「もちろん!!次は宿屋さん呼んで見せるから!!」

賢者「やどやよんだらごはんだな!!たのんだぞ!!」

商人「任せて!!すみませーん、誰かー!!」ダレカー…

宿屋「お待たせしました、宿屋です」

商人「やった!!来た!!あたしすごい!!優勝!!」

賢者「おおー、すごいすごい!!」キャッキャッ

魔法使い「良かったわね、おめでとう」

商人「ふ、二人ともありがとう!!やったよ!!あたしやったよ!!」

宿屋「…えーと、ご利用ですよね…?」

商人「あ!す、すみません、1泊お願いします…」

魔法使い「ついはしゃいでしまったわね。でもやっと休めるわね…」

賢者「ごはんだー!!」

567: 2014/12/07(日) 14:29:07 ID:yCoEGhMA
――98日目

魔法使い「こんな氷の世界で宿屋に泊まれるなんて、すごいわね。ついつい寝過ぎたわ…」

賢者「もうつぎのひのよるだぞ!!」

商人「うわあ、ホントだ…あ、宿屋さん、ありがとうございました!!」

宿屋「それではお気をつけて」

商人「はい!宿屋さんも気を付けて!!」

宿屋「ありがとうございます。失礼します」シュタタタタ…

魔法使い「…行ったわね。すごい人ね…」

商人「この世界で旅をしてるのはあたし達だけじゃない。あたし達も頑張ろう!!」

賢者「なあなあ、つぎはどこにいくんだ?」

魔法使い「次?そうね、ここから近いし、ランシールに行きましょうか」

商人「あ、あのカギの掛かった神殿!!」

魔法使い「ええ、さいごのかぎも手に入ったし、きっとあの神殿にも入れるわ」

商人「そだね、あそこにはきっと何かあるよね。うん、行ってみよう!!」

568: 2014/12/07(日) 14:38:08 ID:IPTQWMKg
――99日目、ランシール

賢者「へー、ちいさなまち!!」キョロキョロ

商人「神殿は大きいんだよ賢者ちゃん!」

魔法使い「さて、その神殿に行ってみましょうか…ここね」

商人「じゃあ開けてみるね…よっと」ガチャリ

賢者「お、あいたあいた!!」

商人「あ、神官さんがいるよ!こんにちはー!!」

神官「おお、よくぞ来た。ここに来たということは、たった一人で戦う覚悟がおありだな?」

商人「え?一人で?」

賢者「いっしょにいけないのか?」

魔法使い「困ったわね…いいわ、私が行ってみる」

商人「ええ!?危ないよ!!」

魔法使い「大丈夫よ、危険だと思ったら引き返すから。それでいいですよね?」

神官「では、わしについて参れ!」

569: 2014/12/07(日) 14:43:34 ID:IPTQWMKg
商人「し、心配だよ魔法使いちゃん…無事に帰って来てね!」

魔法使い「大丈夫よ、本当に無理はしないから」

賢者「きをつけろよー!!」

魔法使い「ありがとう。行ってくるわ」

神官「では、行け、魔法使いよ!!」

魔法使い「ええ、お願いします」

商人「…行っちゃった。大丈夫かなあ、モンスター強くないかな…?」

賢者「だいじょーぶだぞまほーつかいならきっとだいじょーぶだぞ、かきっと…」

商人「そ、そうだよね…頑張れ、魔法使いちゃん!!」

570: 2014/12/07(日) 14:53:01 ID:IPTQWMKg
――地球のへそ、地下1階

魔法使い「…いつも仲間といるから、いざ一人になると心細いものね…」

マミーがあらわれた!!

魔法使い「…あまりいい思い出のない魔物ね。ヒャダルコ!!」ピキキキーン

マミーをたおした!!マミーをたおした!!マミーをたおした!!

魔法使い「…流石に今この魔物に苦戦はしないわね。さて…宝箱ね。インパス!!…青か、じゃあ開けて…」

248ゴールドを手に入れた!!

魔法使い「お金か…良い装備が欲しいけど、なかなか都合よくはいかないか…」

メタルスライムがあらわれた!!アントベアがあらわれた!!

魔法使い「出たわね!ドラゴラム!!」グググゴゴゴメキメキメキ…!

メタルスライムのこうげき!!アントベアのこうげき!!アントベアのこうげき!!アントベアのこうげき!!

魔法使いはもえさかるかえんをはいた!!メタルスライムをたおした!!アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!

571: 2014/12/07(日) 14:59:58 ID:IPTQWMKg
商人「…遅いなあ、魔法使いちゃん…大丈夫かなあ…」

賢者「うー、おなかへったー…」

商人「賢者ちゃん、先に宿に戻ってていいよ。あたしが魔法使いちゃんを待ってるから」

賢者「うー…いい、けんじゃもまってる…」

商人「そっかあ、じゃあ二人で待ってよっか…あ、魔法使いちゃん!!帰ってきてくれたのね!!」

賢者「おおー!!まほーつかい、おかえりだぞ!!」

魔法使い「ただいま。待ってなくても良かったのに…」

神官「よくぞ戻った!一人で寂しくはなかったか?」

魔法使い「…正直、心細かったわね。呪文を使う間、フォローしてくれる人もいないし…」

神官「では、お前は勇敢だったか?いや、それはお前が一番分かっているであろう。では、行くがよい」

572: 2014/12/07(日) 18:47:58 ID:W.FObQ7s
商人「え、じゃあ洞窟最後まで行かなかったんだ?」

魔法使い「ええ、途中までよ。どうも、魔法使いというのは一人旅には向いてないみたい。魔物を倒す度に魔力を使うし、回復呪文もないし…仲間のありがたさが見に染みたわ」

商人「そうでしょうそうでしょう。で、ここはもう諦めるの?」

魔法使い「何言ってるの、貴方達がいるじゃない。回復呪文が使えて、魔力を使わずに魔物が倒せる…」

商人「え、ええ!?あたしは、ちょっと…」

賢者「おおー、じゃあけんじゃがやるぞ!!」

商人「ええ!?大丈夫なの、賢者ちゃん!?」

賢者「おおー、やってやるぞ!!」

魔法使い「分かったわ。じゃあ賢者、貴方から行ってもらうわね。まずはまっすぐ行って、それから…途中に残してある宝箱は危険で…」

賢者「うんうん、分かったぞ!!」

商人「…まずは?もしかして、あたしもやっぱり行かなきゃいけないのかなあ…」

573: 2014/12/07(日) 19:31:28 ID:HJgiGvls
賢者「よーし、じゃあ行ってくるぞ!!」

魔法使い「行ってらっしゃい、気を付けてね」

商人「無理しないでね?回復ちゃんとするんだよ?」

賢者「わかってるぞ、じゃあな!!」タタタ…

魔法使い「怖いもの知らずね。頼もしいけど、不安もあるわね…」

商人「やっぱり心配だよ…賢者ちゃん、大丈夫だよね?」

魔法使い「無理さえしなければね。あの子はもうリレミトも使えるし、そろそろベホイミだって…」

商人「そっか、じゃあ大丈夫かな…でも…」

魔法使い「心配なのは分かるけど、あの子は私よりずっと時間がかかるはずよ、心配しっぱなしじゃあ持たないわ」

商人「ええ!?なんでそんなに時間かかるの!?」

魔法使い「なんでって、それは…」

574: 2014/12/07(日) 19:40:05 ID:HJgiGvls
賢者「おー、ひつじだひつじだ、おいしそうだぞ!!」ドカバキッ

――まもののむれをやっつけた!!

賢者「よし、おにくだ!!んー、でもさっきのさるも食べおわってないし、こまったぞ…」

「引き返せ!!」「引き返した方が良いぞ!!」

賢者「んー、やっぱりさいしょにたおしたやつからたべるぞ!!まずはかわをはいで…」

「引き返せ!!」「引き返せ!!」

賢者「んー、さっきからうるさいぞ…で、ないぞうをとって…」テキパキ

かえんムカデがあらわれた!!

賢者「おお!?またあたらしいにくだ、食べきれるかなー?」キャッキャッ

575: 2014/12/07(日) 19:50:45 ID:HJgiGvls
商人「ホントに遅いね…夜になっちゃったよ…」

魔法使い「そうね、あの子の事だから、無事だとは思うけど…」

賢者「おーい、かえったぞー!!」

商人「おかえり!!遅いから心配したよ!!」

賢者「んー、ずっとあるいたからつかれたぞ!!」

魔法使い「貴方、リレミト使わなかったの!?脱出用の呪文…」

賢者「お?ああ、忘れてたぞ、キャハハ!!」

魔法使い「…あきれた」

商人「そ、それにしても、たくさんお肉持ってきたね…ってぎゃー!!ムカデ!!」

賢者「へへへ、ムカデにさるにひつじに…ああ、ちっちゃいアクマにキノコもあるぞ!!」

魔法使い「うん、その辺は捨てましょうね?流石にマタンゴは危ないわ…」

賢者「えー…まあいいか、他にもにくはたくさんあるし…あ、あとこれ、おみやげだぞ!!」

なんと ブルーオーブを手に入れた!!

商人「こ、これ…!!賢者ちゃん、これすごいよ!!」

魔法使い「驚いたわね…でもお手柄だわ。これでオーブは半分集まったわね、この調子なら、いずれ…」

578: 2014/12/08(月) 16:30:11 ID:g6cv1Xiw
魔法使い「それで洞窟はどうだったの?」

賢者「えっとな、かいだん下りたらひろいへやがあって、それから…あ、これもおみやげだぞ!!」

なんと だいちのよろいを手に入れた!!

商人「こ、これもすごい鎧…!あたし達じゃ装備出来ないのが残念だけど…」

賢者「それで…もっと下までおりて…わかれみちをきたに…」

魔法使い「なるほど…頑張ったわね」

商人「でも、オーブとこの鎧を見つけたなら、もうこの洞窟は探索終了だね。良かった、あたし一人で洞窟に行くとか怖いもんね…」

魔法使い「はい、じゃあ最後、商人行ってきなさい」

商人「はいはーい…ええ!?なんで!?」

魔法使い「なんでって…話聞いてた?賢者は地下3階の別れ道の南側は探索しないで来たのよ。貴方、そこ行ってきてくれる?」

商人「えええ~!?も、もう良いんじゃないかな、これだけお宝見つけたら、もう…」

魔法使い「何言ってるの、このままじゃ貴方だけこの洞窟に入らずじまいですもの、仲間外れは悪いわ」

賢者「いってこーい!!」

商人「うう、行かないで済むと思ったのに…」

579: 2014/12/08(月) 17:10:03 ID:g6cv1Xiw
――地球のへそ、地下3階

商人「…ここまでは無事に来れたけど…早く帰りたいよ…えっと、ここを南に…」

「引き返せ!!」

商人「ひぎゃあっ!?!?な、何?…これ、仮面?石像?な、なんでおどかすの!?」

「引き返した方が良いぞ!!」

商人「ぎゃー!!目が光った!?!!」

「引き返せ!!」「引き返した方が良いぞ!!」「引き返せ!!」「引き返せ!!」

商人「もう、もうやだ…なんでこんなに怖がらせるの!?…あ、ああ!!お、終わりが見えた…あそこで終わりだ…って終わり!?何もないよ…?」

「ここまで来た勇気はほめてやろう。だが…」

商人「え?え?え?」

580: 2014/12/08(月) 17:22:26 ID:g6cv1Xiw
――ランシールの神殿

商人「でさ!!そいつさ、勇気はほめてやるけど、人の話はちゃんと聞け、だって!!あそこまでおどかして、ひどいと思わない?そもそも人じゃないじゃん!!大体…」

魔法使い「はいはい、分かったわよ」

商人「あー!!ちゃんと聞いてない!!第一、最初に魔法使いちゃんが行けって言うから…!!行っても何も無かったのに…!!」

魔法使い「もう、悪かったわよ!そんなに怖かったとは思わなかったわ。賢者も同じように脅されたの?」

賢者「うーん、なにかいわれたきがするけど、おぼえてないぞ!!」

商人「ええー…」

魔法使いレベル36「…まあ、どちらが良いかは良し悪しね。とにかく、オーブは手に入ったし、それぞれレベルも上がったし、成果は上々ね」

賢者レベル15「あがったぞー!!」

商人レベル17「確かに、レベルはあがったけど…」

魔法使い「でしょう?さあ、目的は果たしたし、次に向けて今日はもう休みましょう」

賢者「やどやだ!!ごはんだ!!」

商人「むー、強引にまとめられた…」

581: 2014/12/08(月) 20:08:51 ID:UdTae0zw
――100日目、夜、旅人の宿屋

商人「今日は、なんと100日目!!」

魔法使い「思えば長かったわね…」

商人「そうかなあ?あたし3年くらい旅してた気がするよ!」

魔法使い「それは流石に言い過ぎね…」

商人「でさ!今日はせっかくの100日記念日なのに、何もしないで終わっちゃうんだけど!!」

魔法使い「え?何かしたかったの?なら早く言ってくれれば良かったのに、移動して終わっちゃったじゃない」

商人「むー…まあいいや、これからもきっと記念日はあるよね!」

魔法使い「そうね。その時は何か美味しいものでも食べましょう」

賢者「おいしいもの!?」ガバッ

魔法使い「あら、起こしてしまったわね」

商人「そだね。じゃあ二人とも、あと皆さん、これからもよろしくお願いします!!」

賢者「おねがいするぞ!!おいしいものを!!」

魔法使い「…皆さんって誰?」

583: 2014/12/09(火) 04:15:31 ID:Rh7.ARf.
祝100日突破!
どこまで行くんだろう…

584: 2014/12/09(火) 17:52:47 ID:EZPvrGE6
――101日目、アープの塔

商人「で、今日はアープの塔にリベンジだね!」

魔法使い「そうね、前に断念した時と比べてレベルも上がったし、大丈夫なはずよ」

賢者「きょうはとうか?けんじゃはとう、すきだぞ!!」

商人「そっかー、やっぱり塔に住んでた賢者ちゃんは塔が好きなんだね」

魔法使い「それはいいけど…張り切りすぎて無茶しないのよ。以前魔物が手強くて撤退したんだから、慎重に…」

賢者「おおー、かいだんだ!!4つもあるな、これに上るぞ!!」ダダダ…

商人「ああ、言ってるそばから!!」

魔法使い「…仕方ないわね。商人、お目付け役頼むわよ」

商人「う、うん!賢者ちゃん、待ってー!」タタタ…

魔法使い「ふう…さて、ここには何があるのかしら?オーブがあるといいけど…」

585: 2014/12/09(火) 18:04:32 ID:EZPvrGE6
商人「ふう…上がったり下りたり大変だね…」

魔法使い「そうね、でも貴方が大変なのは、階段上り下りする度にあなほりしてるからじゃないの?」

商人「やっぱりそうかな…?でも…」

賢者「おおー、またロープがあるぞ!!」キャッキャッ

商人「ロ、ロープ!?あああ、ガルナの塔の苦い記憶が蘇る…」

魔法使い「今度はあまり揺らさないのよ、賢者?」

賢者「これ、あみだくじみたいだな!!どこいこっかなー?」

商人「話聞いてないよ…」

魔法使い「まあ、ついていくしかないわね。幸い、あの子の行き先に宝箱があるし…」

賢者「おおー、たからだ!!あけるぞ!!」

魔法使い「待って、インパスで…駄目ね、赤いわ」

賢者「えー、つまんないつまんない!!」ユサユサ

商人「あ、賢者ちゃん、ちょっ、待って、あ、あああぁぁぁアアア…!」ピューン

賢者「おおー、おちたおちた!!」キャッキャッ

魔法使い「結局こうなるのね…」

586: 2014/12/09(火) 18:19:06 ID:EZPvrGE6
商人「ふう、えらいめに遭ったよ…」

賢者「たのしいなー、ぴゅーん!!だって!!」キャッキャッ

魔法使い「もう、あまり遊ばないのよ…さて、また上まで来たけど、残りの宝箱は1つ…大丈夫、インパス使ったけど青かったわ。賢者、開けて良いわよ」

賢者「おう、あけるぞー!!」パカッ

なんと はくあいリングを手に入れた!!

賢者「なあしょーにん、これなんだ?」

商人「魔法使いちゃん、賢者ちゃん」

魔法使い「何?」

商人「大好き」ギュッ

賢者「ど、どうしたんだしょーにん!?けんじゃを食べるのか!?やだやだ!!」ジタバタ

商人「食べるわけないじゃない、あたし、二人が大好きだもの。でも賢者ちゃん、すぐに人を食べようとしてはダメ。人は食べるものじゃない、愛するものよ」

賢者「しょーにん、なんかへんだぞ!?どうしたんだ!?」ビクビク

商人「変?違うの、変わったんじゃないの、目覚めたのよ。人は愛するために…ああ、魔法使いちゃん、それ取っちゃダメだよ!!」

魔法使い「もう、いつまでやるのかと思ってたら、ちっとも終わらないんだから…」

商人「えへへ、つい…」

587: 2014/12/09(火) 18:30:14 ID:EZPvrGE6
魔法使い「それにしても、頂上上まで来て一番のお宝が、この商人を目覚めさせる指輪だけっていうのは期待外れね…」

商人「えーと、一応これ、装備品としても使えるけど…」

賢者「なあなあ、ふたつしたのかいでおたからのにおいがしたぞ」

商人「3階で?でも、確か階段は全部チェックしたし…」

魔法使い「となると…やっぱりあれしかないわね…」

商人「え?魔法使いちゃん、何か心当たりあるの?」

魔法使い「ええ…こういう時はやっぱり、以前と同じ方法を取るべきだと思うの」

商人「同じ?以前っていつ?」

魔法使い「ほら、ガルナの塔でさとりのしょを取った時…」

商人「ま、まさかまたロープから飛び下りるの!?やだよ、それにさっき落ちた時、何もなかったじゃない!!」

魔法使い「ええ、だからあの時と同じように、真ん中辺りから…」

商人「やだやだ!!もう落ちたくない!!ってあれ?いつの間にあたし達ロープの上に…!?あ、賢者ちゃん、押さないで!!あ、ああっ…!」ピューン

賢者「よーし、けんじゃもおちるぞー!!」ピューン

魔法使い「…まあ、結果オーライかしらね。さて、私も…それっ!」ピューン

589: 2014/12/09(火) 19:24:38 ID:/vR7XLX6
商人「いたた…もう、賢者ちゃんは…あ、あれ?宝箱だ…」

賢者「ほらほら、あったあった!!」

魔法使い「思ったとおりね。さて、インパスで…うん、全部大丈夫よ」

賢者「よーし、じゃああけるぞ!!」ガチャ

なんと やまびこのふえを手に入れた!!

賢者「お?ふえか?」

商人「こ、これは結構すごいものじゃないかな!?こう、吹いてさ、何かあると山彦が帰ってくるの!!」

魔法使い「何かって何?」

商人「えっと…分からないや、えへへ…」

魔法使い「ある程度分かってるのがかえってもどかしいわね…まあ仕方ないわね、旅を続けているうちに分かる事も…」

賢者「んー、けんじゃどこかでやまびこのふえのこときいたきがするぞ?たしか、ちいさなむらで…」

商人「あ、そうだよ!!確かランシールで、イ工口ーオーブはやまびこのふえを使っても探すのが難しいって…!」

魔法使い「確かに言ってたわね!となると、やまびこのふえはオーブを探すための物、と考えるべきでしょうね」

商人「これを町やダンジョンで拭いて、山彦が返ってきたらそこにオーブがあるって事だよね?これでオーブ探しが楽になるね!!」

魔法使い「ええ。これから行く町、行く洞窟で、これを吹いてみましょう。伝説の不氏鳥の復活も、夢物語ではなくなってきたわね!」

590: 2014/12/10(水) 00:22:20 ID:.it8cHRw
――102日目、おろちの洞窟

商人「祝・1000日突破記念!!第3回ドキドキ☆あなほり大会inおろちの洞窟~!!」

賢者「おおー!!」パチパチパチパチ

魔法使い「…また唐突に始まったわね…」

商人「と、いうわけで、ここおろちの洞窟の地下1階と地下2階でそれぞれ150回ずつあなほりしてみたよ!!ではさっそく…結果はこちら!!」

賢者「じゃじゃーん!!」

地下1階:どくがのこな8個

商人「地下1階ではどくがのこなしか出てこなかったよ。数はすごいけど…」

魔法使い「これだけでしばらくはどくがのこな買わなくて済むわね」

商人「そして次は地下2階!!結果はこちら!!」

地下2階:どくがのこな5個、ちからのたね2個、ぬののふく2個、せかいじゅのは2個

商人「どう?このあなほり名人芸は!!」ドヤドヤッ

賢者「おおー!!すごいぞ!!」パチパチパチパチ

商人「結論!!あなほり最高!!商人最高!!商人をパーティーに!!以上、第3回あなほり大会でしたー!!」

魔法使い「最後の一言が言いたかっただけね?」

591: 2014/12/10(水) 08:21:13 ID:BORvFUQw
――103日目、アッサラーム

商人「祝・100日突破記念!!第4回ドキドキ☆あなほり大会inアッサラーム・夜~!!」

魔法使い「まだやるの!?」

商人「だってだって、あたし昨日1000日突破記念って言っちゃったんだもん!!突っ込まれる前にやり直したいの!!」

魔法使い「誰の突っ込みを恐れてるの…?」

商人「とにかく、今回は夜のアッサラーム周辺で200回あなほりしてみたよ!!では結果はこちら!!」

賢者「じゃじゃーん!!」

全財産の半額ゴールド(2236G)1回ラックのたね:1個 ちからのたね:1個 どくけしそう:1個

商人「………」

魔法使い「ま、まあ、調子悪い時もあるわよ…」

賢者「そーだぞ、きにするな!!」バンバン

商人「ありがとう…でもね、ちょっと分かった。たねとかきのみだけ集めようとしても、なかなか集まらないんだ。でもね、前回みたいに、ついでだったり、他にも欲しいものがあったりすると、あなほりってとっても効率がいいなって思ったの」

魔法使い「まあ、とってもかはともかく、使いどころを押さえて使いたいって事ね」

商人「そうそう、そういう事!!そんなわけで、皆さんも良いあなほりライフを!!あとパーティーに商人を!!」

魔法使い「だから皆さんって誰…?」

595: 2014/12/10(水) 19:14:47 ID:XwIJxXZs
商人「あなほりの結果は冴えなかったけど…突っ込み回避出来たからよし!!」ドヤッ

魔法使い「うん、それはいいけど、その突っ込み回避のためにかなり予定変更になったんだけど…」

賢者「ここからどこにいくんだ?」

商人「その件につきましては大変申し訳なく…でも!あたしだって、何も考えないでここまで来たわけじゃないよ!!」

魔法使い「あら、なら何か他の目的があるの?」

商人「あのね、あたし前に商人仲間から聞いたんだけど、ここから西にあるピラミッドの地下にね、すっごいお宝があるんだって!!」

賢者「おたから?おいしいものか?」

商人「いや、多分食べられないと思うけど…」

魔法使い「お宝、か…もしかして、オーブが…?」

商人「そうそう、もしかしてそうかな?って!ほら、やまびこのふえも手に入ったし、行ってみる価値はあるんじゃないかな?」

魔法使い「そうね、確かにピラミッドの地下はほとんど調べてないし…じゃあ行ってみる?」

商人「うん、行ってみよー!!」

賢者「みよー!!」

596: 2014/12/10(水) 19:24:04 ID:XwIJxXZs
――104日目、ピラミッド

魔法使い「ピラミッドか…苦い思い出があるわね」

商人「あたし達が全滅した所だよね…でも!あたし達、あの頃とは違うよ!!」

魔法使い「もちろんよ、あれから成長したし、それに賢者もいるし」

賢者「いるぞー!!」キャッキャッ

魔法使い「…とはいえ、地下に行くのよね?確かピラミッドの地下は呪文が使えなかったはず…多分、戦闘は二人に頼りっきりになるわよ」

商人「だいじょーぶ、魔法使いちゃんは弾除けになってさえくれれば!!」

魔法使い「それはそれで嫌ね…まあいいわ、とりあえず貴方にやいばのブーメラン渡しておくわね、力の強い方が使った方がいいでしょうし」

商人「ありがとう!じゃあ行こっか、賢者ちゃん、準備はいい?」

賢者「いつでもいいぞー!!」

商人「よーし、じゃあピラミッド地下探検にしゅぱーつ!!」

597: 2014/12/10(水) 19:33:24 ID:XwIJxXZs
魔法使い「さて、地下へ来たわね…やっぱり呪文は使えないか…」

商人「うう…あたしのあなほりも使えない…」

賢者「とーぞくのはなもつかえないぞ…」

魔法使い「でも、笛は吹けるはずよ。商人、やまびこのふえを吹いてみて」

商人「うん、吹いてみるよ」ペッポッパッポー…

賢者「なにもおきないぞ」

魔法使い「外れかしらね…まあ仕方ないわ」

商人「ううん、ちょっと待って。ほら、あそこ、なんか怪しくない?」

賢者「あ!なにかありそうだな、いってみるぞ!!」タタタ…

魔法使い「ずいぶんあからさまに怪しいけど…」

賢者「おーい、かいだんがかくれてたぞ!!もっとしたに下りれるぞ!!」

商人「やった!!まだ可能性アリだね!!」

魔法使い「オーブなのか、それとも別の何かか…確かめてみるしかないわね」

商人「うん、行ってみよー!!ドキドキするね!!」

598: 2014/12/10(水) 19:44:21 ID:XwIJxXZs
魔法使い「階段を下りたら、まるで祭壇みたいね…それともお墓…?」

商人「どうだろう?どっちにしても、何かありそうな雰囲気!ああ、ドキドキのワクワクだよ…!」

賢者「おお?なんかおっきなはこがあるぞ!!」

魔法使い「これは…柩かしら?ずいぶん古いもののようだけど…」

商人「じゃあやっぱりここはお墓なんだね…どうしようかな」

魔法使い「そうね、お墓となると、勝手に荒らすのもね…でも、もしオーブなら、見逃す訳にもいかないし…商人、またやまびこのふえを吹いてみてくれる?」

商人「オッケー!!ちょっと待ってて…」

賢者「んー、よいしょっと!!」パカッ

魔法使い「ちょっと、賢者!?開けちゃったの!?」

賢者「おおー!!ほら、ピカピカだぞ!!」

商人「こ、これはおうごんのつめ!?すごい、オーブではなかったけど、すごいお宝が…」

…おうごんのつめを奪う者に災いあれ…!

商人「あ、あれ?魔法使いちゃん、何か言った?」

魔法使い「何も言ってないわよ。これはもしかしてまずい事に…」

あやしいかげがあらわれた!!マミーがあらわれた!!

599: 2014/12/10(水) 19:54:38 ID:XwIJxXZs
商人「モ、モンスター!?いきなり…!?」

魔法使い「ほら、驚いてないで戦うわよ!!それっ!」ザクッ

賢者「そりゃあっ!!」ピシャッ

まもののむれをやっつけた!!

商人「ふう、びっくりしたよ…」

あやしいかげがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

商人「え!?ま、またモンスター!?」

あやしいかげがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

魔法使い「また出たわ!次から次へと…!」

ミイラおとこがあらわれた!!あやしいかげがあらわれた!!

賢者「うう、みんなおいしくなさそうだぞ…」

マミーがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

商人「こ、これもしかしてまずいかな!?ど、どうしよう!?」

あやしいかげがあらわれた!!

魔法使い「多分その爪を持ち出したのがいけなかったのよ。返してみたら?」

600: 2014/12/10(水) 20:00:50 ID:XwIJxXZs
マミーがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!

商人「や、やだよ、こんなすごいお宝…」

マミーがあらわれた!!

魔法使い「じゃあ仕方ないわ。このまま抜け出すしかないわ」

ミイラおとこがあらわれた!!あやしいかげがあらわれた!!

商人「そ、そんな~!」

マミーがあらわれた!!

魔法使い「あら、レベル上がったじゃない」

だいおうガマがあらわれた!!

商人レベル19「ええ!?今!?喜んでる余裕ないよ…」

ミイラおとこがあらわれた!!

賢者レベル17「けんじゃもレベルが上がったぞ!!」

ミイラおとこがあらわれた!!あやしいかげがあらわれた!!

魔法使い「やったわね。きたかいがあったわね」

601: 2014/12/10(水) 20:09:02 ID:XwIJxXZs
商人「ふう…やっと外に出れた…もうへとへとだよ…二人はすごいね、あたしはレベルアップの感動も吹っ飛んじゃった…」

魔法使い「何言ってるの、貴方今持ち出したものを思い出してみなさい」

商人「え…?あ、そうだ、おうごんのつめ!!やった、おうごんのつめが手に入ったよ、やったやった!!」ピョンピヨン

魔法使い「全く、ゲンキンね…」

賢者「ううー、けんじゃはおなかすいたぞ…」

魔法使い「ああ、ごめんなさい。じゃあこれからイシスに行きましょう。イシスにもおいしいものがあるわよ、カニとか…」

賢者「おお!?行く行く!!」

魔法使い「せっかくここまで来たし、イシスでもやまびこのふえを試してみたいしね。商人、いつまではしゃいでるの?行くわよ」

商人「え?あ、はいはい、行きます!!」

魔法使い「全く…でも、ピラミッドの外まで魔物があの調子で出なくて良かったわ。さすがにあのままじゃ疲れてしまうものね…」

602: 2014/12/10(水) 20:18:07 ID:XwIJxXZs
――イシス

商人「うーん、町でもお城でも、やまびこのふえに反応はなかったね…」

魔法使い「ここにはオーブはないみたいね…残念だけど仕方ないわ。今までが少し順調過ぎたのかもね」

商人「あっという間に半分の3つが手に入ったもんね。もう3つはそう簡単にはいかないかなあ…」

賢者「おーい、ふたりはカニ、食べないのか?おいしいぞ!!」ムシャムシャ

魔法使い「はいはい、今行くわよ」

商人「うん、とりあえずはじごくのハサミでも食べて気分一新しよっか!…でも、これからどうしよう?」

魔法使い「そうね、アッサラームに来る前に予定してた、アープの塔よりさらに南の探索に行きましょう。まだあの大陸、調べてない所が多いはずよ」

商人「ああ、そうだね!じゃあ明日からはまたあっちに行くようだね…それにしても、カニおいしいね、賢者ちゃん!!」

賢者「おお!!おいしいぞ!!」ムシャムシャ

魔法使い「二人とも、明日からはまた冒険だから、たくさん食べるのよ。今日も大変だったけど、やっぱり未知の世界を行くのはもっともっと大変だから…」

603: 2014/12/11(木) 17:54:52 ID:Kj.YKWrE
――105日目

商人「あれからルーラでジパングに移動して、そこから西、大陸が見えたら南に向かって来てるけど…」

賢者「なにもないなー」

魔法使い「そうね、山と岩山しか見えないわね…でも、確かこの岩山の向こうがサマンオサだったはずよ」

商人「ああ、この辺なんだ!旅の扉で来たからどの辺かよく分からなかったんだよね」

賢者「サマンオサ?あのお城に入れなかったとこか?」

商人「そうそう。そういえば、あの国も大変そうだったよね。そのうちまた行ってみないとね」

魔法使い「そうね、ほったらかしには出来ないわね…」

賢者「お?なあなあ、むこうになにか見えるぞ!たてものだ!!」

商人あ、ホントだ!おっきな家!」

魔法使い「ここから上陸すると少し歩くようね…東側の海岸から上陸して行きましょう」

604: 2014/12/11(木) 18:00:50 ID:Kj.YKWrE
――海賊のすみか、夜

男性「ここは海賊達のすみか。近寄らない方がいいですよ」

商人「ひえ~、海賊だってよ魔法使いちゃん!」

魔法使い「海賊…厄介事は避けたいけど…」

賢者「おおー!!かいぞくか!!すごいな、おやぶんとどっちがつよいのかな?」タタタ…

商人「あ、賢者ちゃん、待って!」

魔法使い「行ってしまったわね。一人にしてはおけないし、私達も行かないと…」

商人「うう、いきなり捕まえられて売られたりしないよね?特に、あたしくらいきゅーとになると…」

魔法使い「はいはい、行くわよ」

商人「もうちょっと真剣に聞いてよ!?」

605: 2014/12/11(木) 18:09:50 ID:Kj.YKWrE
海賊A「なんだお前ら?ああ、お前らか、魔王を倒す旅をしてるってのは」

商人「魔王を倒す旅!?」

魔法使い「驚いた…私達、そんなに有名なの?」

海賊A「俺たちは7つの海を股にかける海賊だ、お前らの話は聞いてる。お前らなら歓迎するぜ!」

商人「ど、どうも…」

魔法使い「それなら…私達、オーブを探しているんだけど、知らないかしら?色は違うかもしれないけど、こういう…宝玉なんだけれど」

海賊A「オーブ?さて…おい、知ってるか?」

海賊B「ああ、確か前に盗んで来た奴に、そんなのがあったな。どこにしまったか…」

商人「ホントに!?」

魔法使い「ここで見つかるなんて、運が良いわね」

海賊B「ああ、ただどこにしまったかは分からないぜ。大した価値も無さそうだし、魔王を倒そうってお前達にならくれてやってもいいが、自分達で探してくれよ?」

商人「分かった!おじさん達、ありがとう!!」

606: 2014/12/11(木) 18:24:56 ID:Kj.YKWrE
商人「ふふ、おじさん達ったら物の価値が分からないんだから!」

魔法使い「それはそうと…賢者はどこ?」

商人「あ!ど、どうしよう…すみません、あの、小さな女の子見ませんでした?」

海賊C「ああ、あのお嬢ちゃんならここだ」

商人「良かった、はぐれなくて…じゃあ失礼して…」

海賊C「ああ、ちなみにここは俺らのお頭の部屋だ。粗相のないようにな」

商人「お、お頭!?」

魔法使い「参ったわね、賢者は粗相の塊よ。何もしてなければいいけど…」ガチャ

お頭「はっはっは、なかなかハッキリ言うじゃないか、気に入ったよ」

賢者「おおー、けんじゃもおかしらがきにいったぞ!!」

商人「けけけけんじゃちゃん!?」

お頭「なんだいあんた達は?ああ、この子の連れだね?なかなか面白いじゃないか、あたしの小さい頃みたいだよ」

魔法使い「…ごめんなさい。色々と驚き過ぎて、何から聞いていいか…」

お頭「はは、そうだろうね。まずあたしがこの海賊達のお頭だ。女のお頭はおかしいかい?」

魔法使い「まあ、正直意外だったわね…」

607: 2014/12/11(木) 18:33:23 ID:Kj.YKWrE
お頭「はは、あんた達がそれを言うのかい?魔王を倒そうって連中が女だらけのパーティーだって聞いたときは、あたしの方が驚いたけどね」

魔法使い「まあそうでしょうね…」

賢者「でも、けんじゃたちはつよいぞ!!」

お頭「でも、本気なのかい?あの魔王を倒そうだなんてさ」

商人「え、えーと、それは、なんていうか…」

賢者「たおすぞ!!ぜんぶ、ぜーんぶ!!」キャッキャッ

お頭「はは、威勢がいいね。なら…もし魔王を倒せたら、またここに来な。あたしらはいつでもあんたらを歓迎するからさ。ああ、あたしらは夜しかいないからね、会いたいなら夜に来てくれ」

魔法使い「ありがとう。また来るわ」

お頭「あ、そうだ!あんた達、ルザミって知ってるかい?」

商人「ルザミ?えっと、確かまだ言ったことないけど…」

お頭「なら行ってみるといいよ。ここから南に行って、ちょっと西さ」

魔法使い「何から何まで…ありがとう」

お頭「なあに、お安いご用さ。気を付けてな」

賢者「おー!!おかしらもきをつけてな!!」

お頭「はは、ありがとう。それじゃな」

608: 2014/12/11(木) 19:44:39 ID:VHExN4Fg
商人「あんなに若い女の子が海賊のお頭なんだ…でも、いい人で良かった…」

魔法使い「そうね、きっと賢者のおかげね」

賢者「そーか?おかしらはやさしいものだぞ!!おやぶんもやさしかったし!!」

商人「そっか…」

魔法使い「さて、後はオーブだけど…商人、一応笛を吹いてみてくれる?疑う訳じゃないけど、あの様子だと…」

商人「うん、どこにあるか分からないなんてね。じゃあ吹いてみるよ…」ペッポッパッポー

ペッポッパッポー ポッパッポー ポッパッポー…

賢者「やまびこだな!!」

魔法使い「ええ、ここにあるのは間違いないようね」

商人「でも、どこだろう?中は怪しい場所なかったよね?」

魔法使い「となると、外かしらね…ちょっとでてみましょうか」

商人「…外も、これといって怪しい場所は…」

魔法使い「待って。あの岩…少し不自然じゃない?こんな所にあんな大きな岩…」

商人「あ、怪しい!じゃあ押してみようよ、せーのっ!」

魔法使い「それっ!」グググ…ゴロッ!

609: 2014/12/11(木) 19:53:17 ID:VHExN4Fg
商人「う、動いた!!」ゼーハー

賢者「お?このした、なにかあるぞ!!」

魔法使い「…階段!やったわね、じゃあ下りてみましょう」

商人「うん!!…あ、宝箱が並んでる!!」

賢者「あけるぞ!!それっ!」パカッ

なんと ヘビメタリングを手に入れた!!

魔法使い「またずいぶん個性的なリングね…商人、見てくれる?」

商人「見る?あたしに頼んでるの?」

魔法使い「?そうよ、お願い…」

商人「はん、お願いされてもね…あたし達は、しょせん最後は一人…馴れ合いなんてごめんだよ」

賢者「しょーにん、どうしたんだ?」

商人「心配したふりされてもね。結局、最後はみんな自分が可愛くなって…ああ!待って魔法使いちゃん、もう少し、もう少し!!」

魔法使い「待ってられないわよ、全く、オーブが目前にあるかもしれないって時に、だらだらしないの」

商人「えへへ、つい…」

610: 2014/12/11(木) 20:09:50 ID:VHExN4Fg
賢者「じゃあつぎあけていいか?」

魔法使い「いいわよ、どうぞ。」

賢者「じゃああけるぞ!!」ガチャ

なんと レッドオーブを手に入れた!!

商人「お、オーブだ!!オーブだよ!!」

魔法使い「やったわね!でも一応、海賊達にことわっていかないと…」

商人「そうだね…大丈夫だよね?気がかわったりしてないよね?」

魔法使い「きっと大丈夫よ、きっと…ああ、いたわねさっきの人。ごめんなさい、オーブを見つけたんだけれど…」

海賊B「それは…!どこで見つけたんだ?まあいい、約束通りお前達にやるよ」

商人「やった!!おじさん、ありがとう!!」

海賊B「ああ、魔王退治、頑張れよ」

賢者「おー!!がんばるぞ!!」

商人「あはは、それじゃあ…はあ、成り行きとはいえ、魔王退治する事になっちゃったね…」

魔法使い「正直、まだまだ魔王には遠い気はするけど…どうなるかしらね?」

612: 2014/12/12(金) 16:14:23 ID:zZo2k.IQ
商人「で、これからどうするの?このまま東海岸を北上するの?それともお頭が教えてくれたルザミに行ってみる?」

魔法使い「そうね…最初は北上する予定だったけど、せっかく教えてもらったんだし、ルザミに行ってみる?」

賢者「けんじゃはおかしらのいうとおりにしたいぞ!!」

商人「そだね、ここから~って教えてもらったんだし、他から行こうとしても行き方分からなくなっちゃいそうだし」

魔法使い「じゃあ次の行き先はルザミね。さっそく出発しましょう。準備はいい?」

商人「もっちろん!!ね、賢者ちゃん?」

賢者「おー!!ルザミに行くぞ!!」

613: 2014/12/12(金) 16:25:19 ID:zZo2k.IQ
――106日目

魔法使い「朝になってしまったけど…ルザミ、見えないわね…」

商人「もしかして、行き方間違えちゃったかなあ?」

魔法使い「そうね…南に行ってちょっと西、って考えてみればアバウトな説明だったわね…」

商人「そして、頼みの綱の賢者ちゃんは…」

賢者「くー…くー…」zzz…

魔法使い「まあ仕方ないわね…」

商人「うん…でも、ルザミが見つからないのは良いとして、どこまで進んでみるの?このままだと、どこに行くか…」

魔法使い「…待って。商人、あれ、陸じゃないかしら?」

商人「あ、ホントだ!!…あれ、なんか見覚えが…」

魔法使い「ここは…確か、エジンベアを出てから西に向かった時、ここに来たわね」

商人「て事は…ぐるっと回って大陸の北端に来ちゃったんだ!?」

魔法使い「やっぱりルザミには行けなかったけど…でもちょうど良いわ、このまま南下して東海岸を進んでみましょう」

商人「うん…あ、魔法使いちゃん、あそこ、ちょっと拓けてる所があるよ!!」

魔法使い「本当ね、何かあるのかしら…行ってみましょう」

614: 2014/12/12(金) 16:38:03 ID:zZo2k.IQ
商人「拓けてはいるけど…何もないね…あ、家が一軒あるよ!」

賢者「おー、じーちゃんがいるぞ!!」

老人「おお、旅人か、よく来た」

魔法使い「こんにちは。こんな所で何を?」

老人「私、ここに町作ろう思てる。でも、商人いないと町作れない。貴方、ここ残って欲しい。一緒に町作って欲しい」

商人「え!?あ、あたし!?」

魔法使い「それは、流石に突然ね…」

老人「確かに突然。それは申し訳無い。ただ、考えて欲しい。私待ってる」

商人「そ、そんな事言われても…」

魔法使い「…まあ、どちらにしろ今すぐは無理でしょう?待ってると言ってるし、少し考えてみたら?」

商人「ええ!?魔法使いちゃん、あたしが抜けていいの!?」

賢者「けんじゃはいやだぞ!!ずっといっしょだ!!」

魔法使い「私だって困るわよ。ただ、貴方が頼まれた以上、決めるのは貴方よ。だから…少し落ち着きなさい、ね?」

商人「あ…うん、ごめん…」

魔法使い「いいのよ…ご老人、そういう訳なので、今すぐという訳にはいきません。またそのうち、彼女の意志を伝えに来ますから…」

615: 2014/12/12(金) 17:44:29 ID:vrQegVvc
魔法使い「さて、と…じゃあまた南へ向かうわよ」

商人「………」

魔法使い「商人?」

商人「え?あ、ううん、ちょっと考え事してただけだから…」

魔法使い「…さっきは悪かったわ。私も配慮が足りなかったわね」

商人「ううん、いいんだ。そうじゃなくて…あのおじいさん、誰か商人が来るまでずっとあそこでああしてるのかな?」

魔法使い「…そうね…諦めない限りは…」

商人「だよね…少し、かわいそうっていうか…」

魔法使い「まあ、貴方の事だからそう考えると思ってたわ。ただ、貴方の気持ちも分かるけど、まずは貴方がどうしたいかよ。分かるわね?」

商人「うん、分かってるよ…」

賢者「なあなあ、あのじーちゃん、ごはんどうしてるんだ?あそこじゃたべもの、あんまりなさそうだぞ」

魔法使い「さあ…どうなのかしらね…?」

商人「ふふ、賢者ちゃんはいつも変わらないね…うん!あたしも元気出して行こう!!」

賢者「お?げんきになったな!おなかすいたのか?」

商人「あはは、そうかも。だからさ魔法使いちゃん、早く町を見つけて、おいしいもの食べようよ!!ね、ね?」

616: 2014/12/12(金) 19:06:04 ID:vST1fdks
魔法使い「さて、じゃあ南下を続けるわよ」

商人「町があるといいねー!」

魔法使い「そうね…川があるけど…」

賢者「このかわいきたい!!いきたい!!」

商人「そだね、川があるなら上流に町があったりするかも…」

魔法使い「このままやみくもに突き進んでも仕方ないし、この川を遡ってみましょうか」

商人「うん!…結構複雑にいりくんでるね…」

賢者「めいろみたいだぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「橋があるわね。橋があるって事は、近くに…あ、ほら、何か見えない?」

賢者「おおー!!うちがあるぞ!!」

商人「ホントだ!!町っていうより村かな?とにかく行ってみよー!!」

617: 2014/12/12(金) 23:33:40 ID:AlN4QzcQ
とうとうここまで来ちゃったか…商人ぇ…

618: 2014/12/13(土) 21:35:51 ID:n9cqrwxM
村人「よく来た。ここスーの村」

魔法使い「スー、か…のどかな村ね…商人?」

商人「ここの人達…あのおじいさんと同じしゃべり方だね…」

魔法使い「ああ、そういえば…」

村人「あのおじいさん?それはここから東の草原にいた男か?」

商人「そ、そうです!やっぱりこの村の人だったんだ…」

村人「そこはまだ草原のままか?町は出来てなかったか?」

賢者「うちがいっけんあっただけだぞ!!」

村人「そうか…やはり…」

商人「……」

魔法使い「…さ、村を見て回りましょ?」

賢者「むらみつかったし、おいしいもの食べるぞ!!」

商人「うん、そうだね…」

619: 2014/12/13(土) 21:45:45 ID:n9cqrwxM
魔法使い「村を回ってみたけど、何か真新しい情報あった?」

商人「うーん…古い情報がちらほら…かわきのつぼの事とか、やまびこのふえの事とか…」

魔法使い「もっと早くこの村を見つけてたら、色々冒険が楽になってたのかもしれないわね…」

商人「そうかもね…ねえ、魔法使いちゃん、あたしなんだか疲れちゃった。まだ朝早いけど、今日はお休みじゃダメかな?」

魔法使い「そうね…実は六日前を最後に宿に泊まってないし、早く休むのもいいかもね」

商人「ありがと…さーて!!賢者ちゃんも言ってたけど、おいしいもの食べなきゃね!!この村は何があるかなー?」

賢者「おーい、ここにおいしいものあるぞ!!アカイライの手羽先!!」

商人「ホント?今行く、待ってて!」タタタ…

魔法使い「ふう…こっちまで悩ましくなってくるわ…私もおいしいものを食べようかな…」

620: 2014/12/13(土) 22:09:39 ID:n9cqrwxM
――夜

賢者「くー…くー…」

商人「魔法使いちゃん、起きてる?魔法使いちゃん?」

魔法使い「…何?」

商人「ごめんね、いろいろと。気を使わせてるでしょ?」

魔法使い「…まあ、正直に言えばね…」

商人「あはは、ホントに正直だ。ごめんね、明日からはちゃんとやるから」

魔法使い「そうしてもらえると助かるけど…別に考えることは悪いことじゃないわよ」

商人「うん、考えないって訳じゃなくて、もっとこう、前向きにっていうかさ。あんまりウジウジしてると、あたしのきゅーとさが台無しだからね!!」

魔法使い「きゅーとさ、ねえ…素手でごうけつぐまにでも勝てそうな貴方がきゅーとねえ…」

商人「ええ!?あたし、そんなこと…」

魔法使い「出来ないの?」

商人「………多分、出来るけど…」

魔法使い「でしょうね」クスクス

商人「もう!!真面目な話してたのに!!」

621: 2014/12/13(土) 22:14:39 ID:n9cqrwxM
魔法使い「真面目な話?きゅーとさがどうとか言ってたような…」

商人「だから、真面目な話じゃない。きゅーとでせくしーだいなまいつなあたし」

魔法使い「ああ、うん、そうね」

商人「あー!!本気にしてないんだ!!大体魔法使いちゃんはいつもいつも…!」

魔法使い「はいはい。じゃあまた明日から頼むわよ、熊頃しのあなほり名人さん?」

商人「違うよ!!きゅーとでせくしーだいなまいつなみんなのヒロイン商人ちゃん!!」

魔法使い「だんだん肩書きが増えてくわね…」

商人「あたしのきゅーとさは成長してるの!」

魔法使い「はいはい、そうね」

商人「むー、また人の話を適当に聞いて…」

622: 2014/12/13(土) 22:22:58 ID:n9cqrwxM
――108日目

賢者「おーい、あさだぞ!!おきろー!!」バンバンバン

魔法使い「待って…今……」

商人「うう~、遅くまでおしゃべりさしてたからあたしも今朝はきついよ…」

賢者「きのうもはやくねてきょうはねぼうか?おきろー!!」バンバンバンバン

魔法使い「分かったわよ…やれやれ」

商人「ん~、おはよ…で、今日はどこ行くの…?」

魔法使い「そうね…もう一度、ルザミを目指してみない?もともとはそこを目指してたんだし…」

賢者「おかしらがいってたところだな!!いきたいぞ!!」

商人「うん、いいんじゃないかな。他に情報もないし…」

賢者「ほらいくぞ、したくだ!!ほらほらほら!!」グイグイ

魔法使い「分かったわよ、もう、朝から元気ね…」

商人「よっぽどおかしらが気に入ったんだね。じゃあ早く準備しよっか?」

魔法使い「たまに宿に泊まった時位朝もゆっくりしたいものだけど…やれやれね」

624: 2014/12/14(日) 14:27:23 ID:RkqlHzWI
商人「で、北から行くの?それとも南?」

魔法使い「南から行きましょう。まだこの海岸沿いは最後まで行ってないしね」

商人「そいえばそっか。じゃあしゅっぱーつ!!」

賢者「おー!!」

魔法使い「…この川、中々の難所よね。船乗りさん達には頭が下がるわ」

商人「ホントだねー…おお、海が見えた!!」

賢者「またぎょかいるいだな!!」

魔法使い「すぐ食べ物の話になるわね…」

商人「南には何があるかなー?」

魔法使い「さあ、それもすぐにわかるわよ、きっとね…」

625: 2014/12/14(日) 14:33:44 ID:RkqlHzWI
――109日目

賢者「おー、おかしらたちのいえがみえたぞ!!」

商人「あ、ホントだ!!…って事は…」

魔法使い「スーからここまでは結局何もなかったわね…まあいいわ、目的はルザミだもの」

商人「そだね、じゃあ改めて、ルザミ目指して…」

賢者「けんじゃはおかしらにあいたいぞ!!」

商人「え?ま、また海賊の住みかに行くの!?」

魔法使い「寄っても良いけど…お頭は夜にならないといないって言ってたような…」

賢者「うー、でも行ってみたいぞ…」

魔法使い「そこまで言うなら行ってみましょうか。商人もいい?」

商人「いいよ!!…みんないないなら怖くないし…」

626: 2014/12/14(日) 14:42:42 ID:RkqlHzWI
魔法使い「結局、海賊達はいなかったわね…」

賢者「うー…ざんねんだぞ…」

商人「仕方ないよ、もう会えないって訳でもないんだし。でもあの牢屋に入ってた偉そうな人、何した人なんだろうね?」

魔法使い「さあ、でもあの海賊達は義賊のようだから、多分良からぬ事をした人なんでしょうね。それより、海賊の住みかから出てしばらく来たけど、なかなかルザミは見えないわね…」

賢者「お、なんかみえたぞ!!しまだ!!しろだ!!」

商人「おお、ルザミってお城だったんだ!!」

魔法使い「待って、あれ見たことあるわ…あれ、エジンベアじゃない?」

商人「え?あ、ホントだ!!なんで!?」

魔法使い「………今気づいたんだけど…私達、海賊の住みかから東に行って南へ進んだわよね?」

商人「え…ああ!!ルザミって…!」

魔法使い「東じゃなくて西、だったわよね…いけないわ、なんでこんな間違いを…」

商人「ひゃ~、これは本格的に迷っちゃったよ…」

627: 2014/12/14(日) 14:51:10 ID:RkqlHzWI
魔法使い「さて、ここはどの辺りなのか…」

商人「暗くなっちゃったし、回りも全然見えなくなったね…」

魔法使い「まあ、いざとなったらルーラで戻れるけど、また1からやり直しっていうのもね…」

商人「そうだね…っていうかさ、あたし達、前回ルザミにいけなかった時も、もしかして東に…」

魔法使い「言わないでよ…」

賢者「おーい、なにかみえたぞ!!」

商人「え?…あ、あ、陸だ!!あれ、でもあれも見たことあるような…」

魔法使い「あれ、グリンラッドよね?変化の杖を欲しがってたご老人のいた…」

商人「あー!!じゃあまた違うところに…」

賢者「そっちじゃないぞ、あっちだ!!」

商人「え?あ、小さな島に…建物もあるよ!あそこって…」

魔法使い「ええ、まだ見たことないわね。あそこがルザミかしら?とにかく行ってみましょう。あそこだと良いけど…」

628: 2014/12/15(月) 16:41:33 ID:Ln5sFCT.
女性「ここはルザミ。忘れられた島よ」

商人「やった!!ルザミだルザミにた着いたよ魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ええ、やっと着いたわね」

賢者「おー、とおかったぞ!!」

女性「その様子だと大分迷ったようね。無理もないわ。貴方達の前に旅人が来たのは何年前だったかしら…」

商人「そんなに…じゃあ迷っても恥ずかしくなかったね!!」

魔法使い「それはまた別の問題だと思うけど…」

賢者「なあなあ、しまのなかみてまわらないのか?」

商人「もちろん見て回るよ!!さ、魔法使いちゃんも行こ、あたしお店とか見て回りたいし!!」

魔法使い「そうね、行きましょう。こんな孤島に、品揃え豊富なお店があるとも思えないけど…」

629: 2014/12/15(月) 16:48:45 ID:Ln5sFCT.
賢者「おー、みせだぞみせ!!」

商人「あ、ホントだ!!…って、この品揃えは…」

魔法使い「私達冒険者向けのものはないわね。生活雑貨ばかり。それもかなり…」

賢者「ほとんどなにもないな!!」

商人「け、賢者ちゃん…」

店主「いえ、いいんです。せっかく来ていただいたのに何もなくて…代わりに、私が昔聞いた噂話をお売りしましょう」

魔法使い「噂話…?」

店主「ええ、なんでも、ガイアのつるぎはサイモンという男が持っていたそうです」

商人「ガイアのつるぎ…?それにサイモンってどこかで…」

店主「あちらに住むご老人に話を聞けば、もう少しいいお話がありますよ」

魔法使い「ありがとう。それでその噂話のお代は?」

店主「いりませんよ…それより、道中ご無事で…」

商人「ありがとうございます!!じゃあ!!」

630: 2014/12/15(月) 16:58:14 ID:Ln5sFCT.
魔法使い「ここがそのご老人の家ね…」

賢者「おーい、じいちゃんいるか?」バタン!

商人「け、賢者ちゃん、ちゃんとノックして…」

老人「そなたらは…そうか。わしは予言者。そなたらが来るのを待っておった」

賢者「いきなりなにいってんだ?じーちゃん?」

魔法使い「こらっ!予言者ですもの、私達と見えてるものが違うんでしょう」

老人「よいか、魔王バラモスはネクロゴンドの山奥!!」

商人「魔王…!」

老人「やがてそなたらはガイアのつるぎを火山の火口に投げ入れ…その道を切り開くであろう!!」

商人「ガイアのつるぎって、さっきのおじさんが言ってた…?」

魔法使い「だんだん話が繋がってきたわね。魔王の所へ行くには、ガイアのつるぎが必要で、そのつるぎはサイモンという男が持っていた。そして…確かサイモンの名前は、サマンオサに行く途中の教会で、神父様から聞いた気がするわ」

商人「あ!!確かにそんなきがする!!」

魔法使い「決まりね。私達はまた、サマンオサに行かなければいけない。あそこもまた、一筋縄では行かなそうだけども…」

631: 2014/12/15(月) 17:06:21 ID:Ln5sFCT.
商人「じゃあ次はサマンオサだね?早く行こうよ!!」

魔法使い「あえ、行くのは良いけど…さっきの話の神父様、サイモンの事をなんて言ってたか覚えてる?」

商人「え?なんか言ってたっけ?」

魔法使い「勇者サイモンはサマンオサ王によって旅の扉から追放された…確か神父様はそう言ってたわ」

商人「え!?じゃあサマンオサに行ってもサイモンさんっていないの!?」

魔法使い「おそらく…でも、他に情報がない以上、結局私達はサマンオサに行くしかないわ。もしかしたら、誰か行き先を知ってるかも…」

賢者「おーさまがついほーしたなら、おーさまがしってるんじゃないのか?」

魔法使い「おそらくね。でも、その王様が…」

商人「確かご乱心気味だったよね…じゃああたし達、結局サマンオサの国も助けなきゃならないかもね」

魔法使い「そうね、ジパングでも出来たし、今度も出来るとは思うけど…前途多難ね…」

632: 2014/12/15(月) 17:15:49 ID:Ln5sFCT.
――111日目、サマンオサ

賢者「ついたぞごはんだごはん!!」

商人「賢者ちゃん、ごはんはちょっと待って。それより、みんなから話を聞かないと…」

賢者「ええ~?」ブーブー

魔法使い「ごめんね、ちょっとだけ我慢して。でも話を聞くといっても、最初に来たときに町の人には話聞いて回ったわよね」

商人「うん、だから話を聞くとしたら、お城の中に入るしかないと思うんだ」

魔法使い「相手の中枢に乗り込むのね。確かにそれが一番良いけど、問題はどうやってお城の中に入るかね。前回は門前払いだったけど…」

賢者「なあなあ、どっかのおしろみたいに、とーめいになって入れないのか?」

魔法使い「駄目ね、このお城は二人の門衛が隙間なく立ちはだかってるもの…」

商人「へっへ~、それなんだけどさ魔法使いちゃん、あたし閃いたの!!すっごくいい方法を!!」

魔法使い「いい方法?本当に?」

商人「ホントだって!!とりあえずお城にいってみよ、ね、ね?」

魔法使い「本当かしら…でも他に思いつかないし、貴方に任せるしかないわね…」

商人「まーかせといてよ!!」

635: 2014/12/16(火) 22:14:05 ID:m0WPSJvc
――サマンオサ城入口

魔法使い「やっぱり入口は固められてるわね…」

賢者「あいつらみんな食べればいいんじゃないか?」

魔法使い「なんでもかんでもすぐ食べようとしないの。そもそも、そんな事したらここの王様が暴君でなくても私達氏刑よ」

賢者「ならおーさまも食べて…」

商人「まあまあ賢者ちゃん、ここは商人おねーさんに任せなさい!!」

賢者「ホントか?べつにまるやきでも…」

魔法使い「あくまで食べるつもりなのね…商人、頼むわよ」

商人「大体二人ともさ、正面から入ろうとするからいけないの。ほら、あっちに勝手口があるでしょ?」

魔法使い「…なるほど」

商人「ね?で、あそこから御用聞きの商人として入ればいいの。どう?」

魔法使い「確かにそれが一番良さそうね。本当の商人なら、相手の警戒も薄くなるだろうし…」

商人「ね、ね?さあ、勝手口から進入作戦、スタートだよ!!」

賢者「おー!!」

637: 2014/12/16(火) 22:25:21 ID:m0WPSJvc
兵士「ここは勝手口だ。御用聞きの商人か?」

商人「へい、あたしらはお城相手に商売をさせていただいてる者でして、へへ」

魔法使い「…そのキャラなに?」ボソッ

兵士「そうか、なら入るといい」

商人「ありがとうございやす。へへ…やったね、成功だよ!!」

賢者「おー、やったな!!すごいぞしょーにん!!」

魔法使い「…正門の警戒と比べてユルすぎない?まあ、中に入れたから良いわ。ありがとうね、商人」

商人「へっへ~、あたしの商人スキルとせくしーさをもってすればお安いご用だよ!!」ドヤッ

魔法使い「さりげなくセクシーさをねじ込んできたわね…まあ、今日の所はそれでもいいわ」

商人「ありがたき幸せ、へへ」

賢者「しやわせ、へへ」キャッキャッ

魔法使い「…でもそのキャラは止めなさいよ?」

638: 2014/12/16(火) 22:35:32 ID:m0WPSJvc
商人「で、ここは台所だね。まずはここにいる人達に…すみませーん…」

侍女「邪魔しないで下さい。食事が遅れたら、私達氏刑にされてしまいます」

商人「あ、す、すみません…」

魔法使い「食事が遅れただけで氏刑…これは想像以上ね。ここまでひどいなんて…賢者?」

賢者「おー…おーさまのりょーりってすごくおいしそうだぞ…ちょっとだけ、ちょっとだけなら…」ジュルリ

魔法使い「!!駄目よ賢者!商人、ここから出るわよ!」

商人「う、うん!し、失礼しました~!!」

賢者「あ~、まだ食べてないぞ!!」ジタバタ

魔法使い「いいから早く!…ふう、いきなり問題起こす所だったわね」

賢者「おなかへった~…」グウウウ…

商人「ごはん食べてからの方が良かったね。でも今引き返す訳には行かないし…もうちょっとだけ我慢して。ね?」

賢者「うー、もうちょっとなら…」グウウウ…

639: 2014/12/16(火) 22:48:01 ID:m0WPSJvc
商人「…いろんな人に話を聞いて回ったけど、ひどいね…」

魔法使い「そうね…悪魔に魂を売ったんじゃないかって言ってた人もいたけど、あながち間違っていないかもね」

商人「実の娘のお姫様まで王様は人が変わったようだって言ってたよね…そんなにいきなり人が変わったりするのかな?」

魔法使い「…やっぱり魔物が絡んでると見るのが自然でしょうね。それに、ただの人間がこれほどの敵意と悪意を撒き散らせるなんて、信じたくないわ…」

商人「そうだよね…あれ?賢者ちゃん、何持ってるの?」

賢者「これか?おーさまのしんしつってとこで見つけたんだぞ!!」

なんと こんぼうを手に入れた!!

商人「王様の寝室にこんぼう?護身用かな?」

魔法使い「王族の護身用武器にしては粗野も良いとこだけど…なんでこんぼうなのかしらね…?」

640: 2014/12/16(火) 22:59:03 ID:m0WPSJvc
商人「うーん、でも一番聞きたかっサイモンさんとガイアのつるぎの話は聞けなかったね…」

魔法使い「そうね、これだけ聞いても話が出てこないとなると、もう王様本人に聞くしかないけど…」

商人「それはちょっと難しいよね。何されるか分からないもん」

魔法使い「そうね…でも困ったわ。このお城にいる人のほとんどに話を聞いても駄目となると…」

商人「ねえ、そういえばこのお城、牢屋とかないのかな?もしかしてそこなら…」

魔法使い「牢屋…確かに、サイモン殿は罪人として扱われたらしいし、牢屋なら何か話が聞けるかも…ねえ、この騒ぎは何?賢者はどこ?」

商人「え?あれ?な、なんだかイヤな予感が…」

賢者「なんでだー!!ちょっとくらい食べても…!!」ギャーギャー

兵士「あ、お前はさっきの商人と一緒に入ってきたガキだな!!奴ら共々牢屋にぶち込め!!」

魔法使い「………」フゥ…

商人「ろ、牢屋に行けるね…」

643: 2014/12/17(水) 16:39:38 ID:Fj4pQkUw
兵士「大人しくしているんだぞ!!」ガシャーン

賢者「なんでだ?なんでろーやにはいったんだ!?」ガシャガシャ

魔法使い「なんでって…貴方ねえ…」

商人「うーん、人生初投獄だね…」

魔法使い「普通は1度もないと思うけど…まあいいわ、早く抜け出しましょう」

商人「そだね…さいごのかぎがなかったらと思うとゾッとするね…」ガチャ

賢者「おお!?あいたぞ…ムググ」フガフガ…

魔法使い「もう、大きな声出さないの。出るわよ」

商人「はーい…誰も見てない、よね?」

兵士「待て」

魔法使い「いけない、見つかった!?」

兵士「…私は眠っている。だからこれは私の寝言だ」

商人「!?え?え!?」

644: 2014/12/17(水) 16:45:51 ID:Fj4pQkUw
兵士「確かに、最近の王様はおかしい。しかし、王様に逆らう訳にもいかぬ」

魔法使い「兵士の立場ではそうでしょうね…」

兵士「私はここから動けないが、この牢獄には秘密の抜け道があるらしい」

商人「それって…!」

魔法使い「…眠っているから聞こえないでしょうけど、例を言うわね。ありがとう」

兵士「眠っているから聞こえん。これも寝言だが、気を付けてな」

魔法使い「ええ、貴方も」

商人「あ、ありがとうございます…」

賢者「へんなやつー。ねごとだって」

魔法使い「でも、見張りがああ出るなら心配ないわね。牢屋にいる人達に話を聞いてみましょう」

商人「そだね。ここならきっと、きっと情報が…」

645: 2014/12/17(水) 16:56:27 ID:Fj4pQkUw
魔法使い「じゃあまずはそこにいる詩人から話を聞きましょう。もしもし…」

詩人「ああ…なぜこんなことに…ロマリアの遥か北東、湖の真ん中のほこらの牢獄で朽ち果てたサイモンのように、私もここで…」

商人「え!?今なんて!?サイモンさんが氏んだ…!?」

詩人「だ、誰ですか貴方達は!?」

魔法使い「すみません、今の話を詳しく…」

詩人「詳しくと言われても…私も聞いた話ですが、勇者サイモンは王の怒りを買いほこらの牢獄へと追放され、そこで朽ち果てたと…」

魔法使い「…なんて事」

詩人「貴方達、勇者サイモンの知り合いですか?」

魔法使い「いえ、そうではないけど…ありがとう、助かったわ」

商人「ど、どうしよう魔法使いちゃん、サイモンさんが亡くなってたって…」

魔法使い「ええ…でも、私達が探さなければならないのは、サイモン殿ではなく彼が持っていたガイアのつるぎよ。いつか彼が投獄されたほこらの牢獄にもいくようかもね…」

商人「そ、そうだね。まだ、まだ終わりになった訳じゃないんだ…」

魔法使い「ええ…でも、困難は予想してたけど…難しいかもしれないわ…」

646: 2014/12/17(水) 17:06:51 ID:Fj4pQkUw
商人「…これで、牢屋にいる人達みんなから話が聞けたね」

魔法使い「ええ。気になったのは、ラーのかがみの情報ね」

商人「あたし、商人ネットワークで聞いたことあるよ。ラーのかがみは、真実を映すって。変身してたりとか、そういうのを見破れるんだって」

魔法使い「それが本当で、そしてその話をしたせいで牢屋に入れられた…という事は…」

商人「うん。王様はきっと、何か別の人か――考えたくないけど、モンスターが化けてて、それで王様は正体がばれるのが怖い…?」

魔法使い「その可能性は高いわね。となると、ジパングのやまたのおろちに続いて、ここも魔物に支配されてる国って事ね…」

賢者「なあなあ、もしここもおろちみたいなのがおーさまなら、ここのおーさまも食べていいのか?おろちみたいにおいしいかな?」グウウウ…

商人「あはは、賢者ちゃんすっかりお腹ぺこぺこだね」

魔法使い「こんなことになって、ずいぶん時間が掛かってしまったわ。早く抜け道を探して、ご飯を食べないとね」

賢者「おー!!はやくいくぞ、はやく!!」グイグイ

商人「ま、待って、引っ張らないで…」

647: 2014/12/17(水) 17:21:03 ID:Fj4pQkUw
魔法使い「…どうやら、ここから出られるわ。二人とも、急いで…」

賢者「ごっはんー、ごっはんー♪…お?誰だ?」

魔法使い「!誰かいるの!?」

王様「…そこに誰かいるのか…?わしはこの国の王じゃ…」

商人「お、王様!?もしかして、本物の…!」

王様「何者か知らぬが、わしからへんげのつえを奪い取って、わしに化けよった…口惜しや…」

商人「そ、そんな…ど、どうしよう魔法使いちゃん?王様、助けないと…」

王様「いや…今わしが居なくなっては、奴が…偽物が感付く。もしそうなったら、わが国の民は…」

魔法使い「…そうね。今動くのは得策じゃないわ。それに、見たところ王様はかなり弱っているし、無闇に動かしても…」

賢者「なあなあ、このおーさまがほんもので、おーさまやってるやつがにせものなんだな?ならにせものやっつけて食べればいいんじゃないか?」

魔法使い「…まあ、食べるかはともかく、偽者をどうにかしなければならないのは間違いではないわね…」

商人「じゃ、じゃああたし達の次の目標は…」

魔法使い「まずはラーのかがみを手に入れて、偽の王様の正体を暴く。そして必要なら、偽者を倒す…王様、今しばらくの辛抱をお願いします」

王様「構わぬ…すまんな、見ず知らずのお主らに、そのような…」

商人「大丈夫です!あたし達、今までもこうしてきましたから!!ね?…少し怖いけど…」

650: 2014/12/18(木) 17:06:53 ID:YTp.qXjw
魔法使い「ああ、ここが出口ね…やっと出られたわね…」

賢者「おー、明るいぞ!!」

商人「んー、シャバの空気はうまいねえ!!」

魔法使い「ちょっと牢屋に入ってただけじゃない…それより、次はラーのかがみ探しよ。どこに行けば分かってる?」

商人「えっと…どこだっけ?」

賢者「ごはん食べるところ!!」

魔法使い「ええ、それも大事だけど…ラーのかがみがあるのは、この町から南の洞窟よ。牢屋にいた人から聞いたでしょう?」

商人「も、もちろん覚えてるよ!!」

魔法使い「本当かしら…まあいいわ、私としては早速向かいたい所だけど…」

賢者「ごはんー!!ごはんー!!ごはんー!!」ギャーギャー

魔法使い「…まあそうでしょうね。いいわ、食事をしてからにしましょう」

賢者「おー!!はやくはやく!!」グイグイ

商人「ま、待ってよ!…でも正直、あたしもお腹減ったよ…」

魔法使い「私もよ。いろいろあったし、少し休憩ね…」

651: 2014/12/18(木) 17:17:36 ID:YTp.qXjw
――サマンオサ郊外

商人「…う~ん、さっきは王様の手前、強気なこと言っちゃったけど、またおろちみたいなモンスターと戦わなきゃいけないかもしれないと思うと…」

魔法使い「弱気ねえ。あたし達、今までもこうしてきましたから!!って言ってたのは誰かしら?」

商人「だ、だから勢いで…」

魔法使い「はいはい。でも、まだ強い魔物と戦うと決まった訳じゃないし、今から気を張っても仕方ないわよ」

賢者「そーだそ、きらくにいけよ!!」ポンポン

商人「賢者ちゃんは強いなあ…でもそうだよね。まずは今から行く洞窟だよね」

魔法使い「そうそう。まずはラーのかがみを見つけないと」

商人「真実を映す鏡かあ…ねえ魔法使いちゃん、どうする?もしあたしを映したら、イシスの女王様もびっくりの絶世の美女が映ってたら…いた、痛いよ!なんでほっぺたつねるの!?」

魔法使い「え?貴方変装してるんじゃないの?化けの皮を剥がしてやろうかと思って」

商人「ひどい!!しかも化けの皮だなんて…!」

賢者「しんぱいするな、もししょーにんがモンスターでも、けんじゃがおいしく食べてやるから」

商人「それ、慰めになってる!?嬉しくないよ!?」

655: 2014/12/19(金) 18:10:32 ID:PC1ZWmw2
――サマンオサ南東の洞窟

魔法使い「洞窟か…おろちのいた洞窟以来ね」

商人「地球のへそにも行ったし、あたし達洞窟に潜ってばっかりだね…」

賢者「ここにはおいしいのいるかなー?」

魔法使い「どうかしら…?さっきの青っぽい影の魔物は食べられないでしょうけど…」

商人「初めて見たよねあれ。この洞窟は見た事ないモンスターが多かったりするのかな?」

魔法使い「かもしれないわね…今までの経験からすると、見た事ない魔物は今までより強い魔物の事が多いわ。気をつけないと…」

賢者「いままで食べたことないまものか!!」キラキラ

魔法使い「目を輝かせてる所悪いけど…美味しいとは限らないわよ」

商人「あ、二人とも見て!階段だよ!!」

魔法使い「結構歩いたけど、ようやく下の階に行けるわね…」

賢者「こんどこそ食べれる魔物いるかな?」

商人「それは行ってみないとね。じゃあ下りよう!!」

656: 2014/12/19(金) 18:18:57 ID:PC1ZWmw2
――地下2階

魔法使い「暗いわね…足下に気をつけて…」

商人「うん…やっぱり下の階に来ると空気変わるね…」

賢者「おー!!たからばこがあるぞ!!」

魔法使い「待って、調べてみるから…大丈夫、開けていいわよ」

賢者「おー!!」パカッ

128ゴールドを手に入れた!!

魔法使い「お金か…あって困る物ではないけど、少ないわね…」

商人「そだねー。もう5桁くらい入ってないと、有り難みないよね」

魔法使い「そんなに!?…でも貴方ならあなほりで4桁堀当てるものね…」

賢者「おーい、こっちにもたからばこあったぞ!!」

商人「あ、賢者ちゃんが呼んでるよ!!行って…あれ!?宝箱、あっちにも、こっちにもあるよ!?」

魔法使い「本当、たくさんあるわね。王家の財宝か何かかしら…?」

657: 2014/12/19(金) 18:28:02 ID:PC1ZWmw2
賢者「おー!!まだまだあるぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「待って、調べてから…」

商人「ね、ねえ魔法使いちゃん、あたし達いくつ宝箱開けたかな?」

魔法使い「覚えてないわ…宝があるのはいいけど、調べるだけで魔力を使ってしまうわね…」

賢者「こっちにもあるぞ!!はやくはやく!!」

商人「な、なんかずいぶん奥まで来ちゃったけど…」

魔法使い「…もしかしたら、罠かしら?宝箱で侵入者を誘導して…」

賢者「おー、いきどまりだ!!たからばこがよっつ!!」

魔法使い「…怪しすぎるわ。まるでここに連れてこられた見たいじゃない。インパスで…」パアア…

商人「あ、赤い!!」

魔法使い「4つともね。この部屋の宝箱はみんな開けられないわ」

賢者「えー、つまんない…」ブーブー

魔法使い「わがまま言わないの。それにしても、こんな稚拙な誘導で罠に嵌めようなんて、なめられたものね…」

商人「ま、魔法使いちゃん、怒らない怒らない…」

659: 2014/12/20(土) 17:12:53 ID:ThYqbpvo
魔法使い「さて、と。次は…」

ガメゴンがあらわれた!!

商人「あ、見た事ないモンスター!!」

賢者「おおー、おいしそう!!とりゃー!!…うー、かたいぞ…」

商人「あの甲羅がいかにも固そうだよね…えいっ!!」ガキンッ

魔法使い「武器攻撃は通りづらいみたいね…イオラ!!」キャボーン

賢者「まほうもいまいちだな…くさなぎのけんをつかってみるぞ!!」ミュニーン

商人「よーし、じゃあ攻撃…」

ガメゴンはあまいいきをはいた!!商人はねむってしまった!!

商人「むにゃ…商人ちゃんブロマイド、大好評発売中…」zzz…

魔法使い「その寝言何!?」

660: 2014/12/20(土) 17:24:57 ID:ThYqbpvo
――ガメゴンをやっつけた!!

賢者「おおー、たおしたぞ!!にくだにく!!」

魔法使い「呪文も武器攻撃も効きづらい、厄介な敵だったわね…ほら、商人、起きなさい」ユサユサ

商人「むにゃ…ブロマイドの売上、商人ちゃんは魔法使いちゃんの17倍…」zzz…

魔法使い「………」ムニー

商人「ひゃっ!?痛い痛い、ほっぺたつねらないでよ!!」

魔法使い「ごめんなさいね、発言が不愉快だったから」

商人「敵意を隠す気なしなの!?」

魔法使い「それより、ここからどこに行くべきかしらね?宝箱につられてだいぶ奥まで来てしまったわ」

商人「うーん、こういう時は賢者ちゃんがとうぞくのはなを効かせて…あれ、賢者ちゃんは?」

魔法使い「あら、あの子なら魔物の解体作業をしてたはずだけど…」

商人「あ!!ね、ねえ魔法使いちゃん、ほら、あそこ、隅っこに穴が空いてるよ。もしかしたら…」

魔法使い「…落ちたのかしらね。もう、本当に落ち着いてられないんだから…」

商人「じゃあ下りて、ううん、落ちてみよっか…うう、塔だけじゃなくて洞窟でも飛び下りる事になるなんて…」

661: 2014/12/20(土) 17:47:46 ID:ThYqbpvo
賢者「おおー、ふたりともきたな!!ほらほら、たからばこだぞ!!」

魔法使い「もう、黙ってどこか行かないのよ」

商人「でもなんだか、こんな所にある宝箱なんて、すごく怪しいね。特別な感じっていうか…」

魔法使い「確かにね。洞窟内の小さな湖の真ん中にある宝箱…ちょっとだけゆめみるルビーを思い出すわね…」

賢者「よーし、開けるぞ!!」ガチャ

魔法使い「ああもう、調べもしないで…」

なんと ラーのかがみを手に入れた!!

賢者「おおー、かがみだかがみだ!!」

魔法使い「これが、ラーのかがみ…?ずいぶんあっさり見つかったわね。商人、鑑定してみてくれる?」

商人「おおー、すごい、さすが伝説の鏡!!すごいよ、あたしを見てみたら、きゅーとでせくしーだいなまいつな絶世の美女が…」

魔法使い「偽物ね。叩き割ろうかしら?」

商人「なんでそうなるの!?本物、本物だからね!?」

賢者「なんだ、ばけものをうつすかがみじゃないのか?」

商人「化け物じゃなくて、真実を映すの!!」

662: 2014/12/21(日) 00:26:35 ID:W7G4GwnA

663: 2014/12/21(日) 02:57:02 ID:7DZQtzH2
化け物(商人)だからちかたないね!

664: 2014/12/21(日) 17:37:28 ID:ZK0eF7Jo
魔法使い「さて、若干疑わしいけど一応本物らしき鏡は見つけたわね」

商人「なんでそんなに疑うの!?本物だってば!!」

魔法使い「まあそういう事にしておいてあげようかしら」

賢者「しかたないな!!」

商人「二人ともひどいよ!いくらあたしのせくしーだいなまいつっぷりが妬ましいからって…」

魔法使い「はいはい。それより、あまりあっさり見つかったから、洞窟の探索が進んでないわ。まだ帰らずにこのまま洞窟を進みたいんだけど…」

商人「また納得いかない話の進め方だけど…いいよ、まだまだお宝があるかもしれないしね」

賢者「けんじゃもいいぞ!!あのカメまた食べるんだ!!」

魔法使い「それじゃあこのまま続けるわよ。宝もだけど、もしサマンオサの王様が魔物なら、少しでもレベル上げたいし…」

商人「もう、いつも魔法使いちゃんは心配性過ぎ!!…でも、確かにモンスターだったら怖いかも…」

魔法使い「ええ、私達は術師と術師上がりだけで体力的に不安があるし、やれることはやらないと…」

666: 2014/12/23(火) 17:57:48 ID:5c44i/vk
商人「ね、ねえ魔法使いちゃん…ここのモンスター、強くない?」

魔法使い「そうね、強いのもそうだけど、打撃と魔法のごり押しが通用しづらくなっているわね。戦闘に一工夫が必要になってくるかもね…」

ゾンビマスターがあらわれた!!

魔法使い「ああもう!この魔物は苦手よ!」

商人「魔力を吸われちゃうもんね…」

賢者「にゅ~ってなって、気持ち悪いぞ…」

魔法使い「先手必勝ね!ベギラゴン!!」ゴオオオオオオ…!

ゾンビマスターをたおした!!ゾンビマスターをたおした!!ゾンビマスターをたおした!!

ゾンビマスターはマホトラをとなえた!!

魔法使い「もう!また吸われたわ!」

賢者「やなやつだな!!それっ!!」ザクッ

ゾンビマスターをやっつけた!!

魔法使い「ふう、消耗が激しいわ…レベルを上げたかったけど、長居は出来ないわね…」

667: 2014/12/23(火) 18:07:37 ID:5c44i/vk
商人「はあ~、やっと地上に戻れたわね…」

魔法使い「もう魔力が空に近いわ。しばらくはあの魔物の顔は見たくないわね…」

賢者「あいつ、おいしそうだったな。食べたかったな…」

魔法使い「流石にあれは勘弁して…人間みたいだし…」

商人「仮面してるから分からなかったけど、人間かもしれないもんね…でも賢者ちゃん、カメはたくさん食べたでしょ?」

賢者「おお!!おいしかったぞ!!」

魔法使いレベル36「良かったわね。それに、少しの間とはいえ、魔物退治もしたから二人はレベルも上がったわね」

商人「そうそう、モンスターが強い分、いい経験が積めた気がするよ!!」

賢者レベル19「まほーもおぼえたぞ!!」

魔法使い「私もレベルを上げたかったけど、仕方ないわね…さあ、早く町に戻って休みましょう。魔力が空だと不安になるわ…」

668: 2014/12/23(火) 18:27:27 ID:5c44i/vk
――サマンオサの宿屋、夜

賢者「しょーにん、なにやってるんだ?」

商人「え?ああ、今ね、今日行った洞窟で見つけたお宝をチェックしてたの」

魔法使い「マメねえ…でも確かにすごい数の宝箱があったわ」

商人「今までこんなダンジョンなかったよね!まあ、ラーのかがみ以外はそこそこって感じだったけど…」

魔法使い「鏡も偽物疑惑が晴れないしね」

商人「だから本物だよ!?」

魔法使い「分かってるわよ。そもそも明日使うんだから、偽物だったら困るわ」

商人「そっかあ、いよいよ明日だね。どうなるんだろうね?やっぱり戦いになるのかなあ…?」

魔法使い「そうねえ、いつも同じこと言うようだけど…」

賢者「いけばわかる、だな!!」

商人「そっか、そだね…ああ、ドキドキしてきたよ…」

魔法使い「大丈夫よ。おろちにも勝てた私達だもの、どんな魔物が相手だって、きっと…」

賢者「きっとおろちみたいにおいしいぞ!!」

商人「あはは、そうだといいね!!そうだよね、おろちにも勝てたもん、きっと大丈夫だよね…」

672: 2014/12/24(水) 05:48:47 ID:zTtz.sAQ
――112日目

魔法使い「ん…少し寝すぎたかしら?やっぱりダンジョンに行った翌日は朝が辛いわね…賢者はもう食堂かしら?商人は…」

商人「ん…あたし…眠り人形…眠り始めた…あれはいつから…?」

魔法使い「夕べからだけど…って、これはまた寝言タイム?お城の看守に対抗でもしてるのかしら?」

商人レベル22「あたし…もうレベル22…書き忘れや…うっかりは…いつもの事…ご容赦を…」

魔法使い「誰に謝ってるのかしら…」

商人「あと…まだサーだから!!フォーじゃないから!!断じてないから!!!!」

魔法使い「ど、どうしたの!?ずいぶん必氏だけど…!?」

商人「ついでに…言うと…あたし…Cくらいは………あ、あるかな…?」

魔法使い「唐突な上にやけに自信なさげに言ってるけど…今までの寝言の信憑性まで大きく落ちたわよ?」

商人「魔法使いちゃんは…正真正銘のB…下手するとA…」

魔法使い「………」ドスドスドス

商人「い、痛い痛い!?ってあれ?魔法使いちゃん、なんでそんなに叩くの!?どこからそんな力が!?」

魔法使い「――炎天の主よその身を分けよ!!汝、落ちたる太陽の双子よ、地上で再び――」

商人「だ、ダメだよ魔法使いちゃん!!部屋のなかでメラゾーマはダメ!!」

673: 2014/12/24(水) 19:16:18 ID:REa6.AAI
商人「ふう…危なくサマンオサの城下町が火の海に…」

魔法使い「流石にそんな威力はないわよ。私がそこまでするにはドラゴラムしかないわね」

商人「出来るんだ…」

魔法使い「やらないけどね。さて、それより今日の予定だけど…」

賢者「んー、おなかいっぱいだぞ!!」

商人「あ、賢者ちゃんちょうど良いところに」

魔法使い「そうね。で、今日の予定だけど、まず夜まで待たなきゃいけないわ」

商人「あれ?今から乗り込むんじゃないの?」

魔法使い「乗り込めないわよ…またこの前みたいに捕まるわよ」

賢者「ならこんどこそみんな食べて…」

魔法使い「貴方でも流石にお城の兵士みんなたべられないでしょ?だから、夜になるのを待つの。夜になれば、王様は一人で寝てるという話だから…」

商人「あ、寝室に忍び込んで…!」

魔法使い「ええ、そこで鏡に映してみましょう。幸い、前にお城に入ったとき、寝室の場所は確認出来たし…」

賢者「こんぼうがあった場所だな?」

魔法使い「ええ。あそこがもしかしたら決戦の場になるかもしれないわ。気を引き締めて行きましょう」

677: 2014/12/25(木) 19:44:59 ID:Uy1PmIUI
商人「と、いうわけで、あたし達はやみのランプで夜にした後、サマンオサ城に乗り込んだのでした!!」

魔法使い「いつも誰に説明してるやら…それにしても、ずいぶんあっさり浸入出来たわね。昼間は監視がきつかったのに…」

商人「正門は相変わらずたけど、勝手口は誰もいないんだもんね…」

賢者「おお、だいどころだ!!食べるもの…お?だれだ?」

商人「まさか…盗み食い!?」

兵士「!た、頼む、この事は王様には…」

魔法使い「なんでまた盗み食いなんて…」

兵士「最近、満足に食べてないものだから、つい…」

賢者「そうか、つらいな。けんじゃはそのつらさ、よくわかるぞ」

魔法使い「そうでしょうね…これも、王様のせいなのかしら?」

兵士「それは…」

商人「まあ、兵士さんは王様悪く言えないよね…」

賢者「ごはんをちゃんと食べさせてくれないなんてひどいな!!けんじゃはおーさまをゆるさないぞ!!」

魔法使い「ご飯が絡むと頼もしいわね…」

商人「でも、賢者ちゃんでなくてもこれは許せないよ!!やってやろうじゃん!!」

678: 2014/12/25(木) 19:53:21 ID:Uy1PmIUI
賢者「それで、おーさまはどんなものを食べてるんだ?」

魔法使い「そこのチェックは忘れないのね…」

商人「きっと王様だからすっごい高級食材を…ってギャー!!こ、こうもり!?!?」

魔法使い「こっちは…とかげね。それにムカデまで…古臭い黒魔術でもするつもりかしら?」

賢者「なんだ、けんじゃと食べてるものあんまりかわらないな!」

兵士「か、変わらない!?」

商人「あ、え、えーと…そ、それより魔法使いちゃん、これはちょっとおかしいというか…」

魔法使い「そうね…ああ、兵士さん、貴方の事は黙ってるわ。だから私達がお城をうろついているのも見逃してくれるかしら?」

兵士「あ、ああ…だが、あんた達は…?」

魔法使い「そのうち分かるわよ、きっと。じゃあ行きましょう、商人、賢者」

商人「はーい!賢者ちゃん、ほら!」

賢者「むぐむぐ…けっこうあじつけこいな…」

魔法使い「お願いだから、こうもりは持ってこないでよ…」

679: 2014/12/25(木) 20:03:39 ID:Uy1PmIUI
魔法使い「さて、寝室はこっちだったわね」

商人「ねえ魔法使いちゃん、やっぱり、ここの王様ってさ…」

魔法使い「まともじゃないわね。というか、人間ではなさそうね…」

賢者「ニンゲンでも、とかげくらい食べるぞ!!」

魔法使い「食べ物もだけど、酷く人々を締め付けているようだし…」

商人「いろいろ考えると、やっぱり怪しいよね。人間じゃないとすると、モンスター…ああ、またおろちみたいなモンスターと戦わなきゃいけないのかあ…」フウ…

賢者「みんなからごはんをうばうごくあくにんだぞ!!けんじゃはゆるさないぞ!!」

魔法使い「まあ、相手が何者であれ、ここで退く訳にもいかないわ…さあ、寝室に着いたわよ」

賢者「あのかがみのでばんだな!!」

商人「そうだね…いよいよかあ、ドキドキするよ…」

魔法使い「何が起きても良いように、準備はしっかりね。じゃあ商人、頼むわよ」

商人「う、うん。じゃあ鏡に映してみるよ…」

商人はラーのかがみをつかった!!

商人「え!?うそ!?こ、これって…!!」

682: 2014/12/26(金) 18:02:32 ID:9QDBZtiE
商人「え!?うそ!?こ、これって…!!」

魔法使い「なんでまた繰り返すの?」

商人「え、一旦時間をおいた後親切に繰り返すのは基本かなーって」

魔法使い「親切…?まあいいわ、何が写ってたの?………なるほど、驚いたけど、予想通りといえば予想通りねここまで知性を感じさせない顔だとは思わなかったけど…」

賢者「なにがうつってたんだ?みせてみせて!!」

商人「け、賢者ちゃん、声が大きい…」

王様?「みーたーなあ?」

商人「!!」

魔法使い「貴方は一体…」

魔物「ケケケ!!生きては帰さんぞえ!!」

ボストロールがあらわれた!!

683: 2014/12/26(金) 18:16:10 ID:9QDBZtiE
商人「うわー、すごくでっかい…」

魔法使い「本当、品性のかけらもないわね。よく王様として振る舞っていられたわね…」

賢者「おおー!!食べるとこいっぱいあるぞ!!かたにももにむねに…ほっぺたのにくも、ヤギとかニンゲンみたいにおいしいかな?」

魔法使い「もう!どこをどうやったら人間とヤギとあれをイコールで結べるのよ!」

商人「ま、まあまあ、落ち着いて魔法使いちゃ…あ、攻撃が来るよ!!」

ボストロールのこうげき!!

賢者「ふぎゃっ!?い、いたい…」

魔法使い「大丈夫!?思った以上に強烈だわ、賢者、私と同じ呪文を唱えて!スクルト!!」ミュイーン

賢者「う~、す、スクルト…」ミュイーン

商人「賢者ちゃん、ちゃんと魔法使えるんだね、ホッとしたよ…」

ボストロールはルカナンをとなえた!!

魔法使い「呪文!?顔に似合わずやってくれるじゃない!!」

商人「か、顔関係あるかな…?じゃああたしは…暗き意志、邪な言葉、悪しき魔力を封じ込めよ!!マホトーン!!」モニョーン

ボストロールのじゅもんをふうじこめた!!

魔法使い「やるじゃない!さあ反撃よ!!」

684: 2014/12/26(金) 18:30:15 ID:9QDBZtiE
賢者「このやろー!!なぐりかえしてやるぞ!!」

魔法使い「まだ待って!貴方はさっきと同じ呪文を唱えて!私は…バイキルト!!」ミュイーン

商人「おお、力が湧いてきた!!」

賢者「けんじゃがなぐりたかったのに…スクルト!!」ミュイーン

魔法使い「すぐ殴れるわよ、我慢して…来るわよ!!」

ボストロールのこうげき!!ボストロールのこうげき!!

商人「ひえー、痛い痛い!!」

魔法使い「っく…強烈ね…でも負けないわ!さあ賢者、暴れてきなさい!バイキルト!!」ミュイーン

賢者「おおー!!きたきた!!このやろー!!」ザクッ

商人「あたしも続くよー!!それっ!!」ザシュッ

ボストロールのこうげき!!ボストロールのこうげき!!

魔法使い「っつう…!まだ守備力足りないの!?商人、貴方は回復に回って!私はもう一回…スクルト!!」ミュイーン

商人「オッケー!!悪しき者達に抗う我らに、神の恩寵と祝福を!!ベホマラー!!」キュピピピーン

魔法使い「素晴らしい回復力だわ、僧侶の修行をしたかいがあったわね」

賢者「すごいな、まるでそーりょみたいだ!!」

685: 2014/12/26(金) 19:16:46 ID:JHfhwPe2
商人「そりゃっ!!このっ!!…う~、そろそろ倒れてよ…」

魔法使い「この体ですもの、体力はあるんでしょうね…マヒャド!!」ピキーン

ボストロールのこうげき!!ボストロールのこうげき!!

賢者「いたい!!このっ!!このっ!!このっ!!」ドカバキザクッ

商人「賢者ちゃん、待ってて…ベホマ!!」キラリーン

賢者「おお!?ぜんぶなおったぞ!!すごいすごい!!」

魔法使い「さあ、ラストスパートよ!!マヒャド!!」ピキーン

商人「いっくよー!!それっ!!」ザクザク

賢者「う~、そりゃあー!!」ザンッ

――ボストロールをやっつけた!!

商人「やった、やったね二人とも!!」

魔法使い「ええ、貴方の回復呪文のおかげね。賢者もよく頑張ったわ、お疲れ様」

賢者「はやく、はやくちをぬかないと…くびをきって…」

商人「て、手早い…」

686: 2014/12/26(金) 19:25:19 ID:JHfhwPe2
兵士「な、なんだ今の音は…ってあんたらは!?いや、それよりそのモンスターは!?まさか…」

賢者「まさかもなにも、いまから食べるんだぞ!!」

魔法使い「そういう意味のまさかじゃないでしょ。お察しの通り、この国の王様はこの化け物が化けていたの」

商人「でももう安心ですよ!!あたし達が退治しましたから!!」

兵士「いや、まあ、今からそれを食べる事にも驚いたが…」

魔法使い「ええ、まあ、そうでしょうね…」

商人「そ、そんなことよりさ、地下牢の奥の方に、本物の王様が捕まってましたよ!!助けに行ってあげて下さい!!」

兵士「な、それは本当か!?た、大変だ…誰か、誰かー!!」タタタ…

魔法使い「…上手くごまかせたかしら?流石に、こんな大きな魔物の氏体が逆さ釣りにされてたら驚くわよね…」

賢者「なんでだ?さかさにしないと、ちゃんとちがぬけないぞ?」

商人「うん、そういう事じゃなくてね…」

688: 2014/12/28(日) 19:33:53 ID:2fN6MkK2
――113日目、サマンオサ城

王様「再びここに座れるとは思っていなかった…例を言うぞ、商人よ!!」

商人「は、はい!!…お、王様があたしの名前を…」ヒソヒソ

魔法使い「貴方が一番頑張ったもの、当然よ」ヒソヒソ

賢者「えー、けんじゃもがんばったぞ!!」

魔法使い「もう、静かに…」

王様「はは、そうであったな。賢者もよくやってくれた。魔法使いもな」

賢者「おー!!ほめられたぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「有り難きお言葉…ほら、静かにしなさい…」

王様「しかし、大変な戦いであったのだな。我が寝室も、魔物の血で酷い有り様であったよ。当分は別の場所で寝なければならぬが…なに、地下牢に居たときに比べれば大したことではない」

商人「そ、そうですか、すみません…ね、ねえ、王様の寝室が血だらけなのって…」ヒソヒソ

魔法使い「ええ、賢者があそこで魔物の血抜きをしたからね…」ヒソヒソ

王様「女ながらにあのようなすさまじい戦いを潜り抜けるとは…私も驚きを隠せないぞ!!」

商人「あ、ありがたき…な、なんか後ろめたさが…」

691: 2014/12/30(火) 22:09:05 ID:k.Srqj8g
――114日目

商人「魔法使いちゃんおはよ、朝だよ!!」

魔法使い「おはよう…相変わらず早いわね…賢者は…?」

商人「食べ疲れて寝てるよ」

賢者「んにゃ…まだはいる…」ムニャムニャ

魔法使い「食べ疲れた、って聞き慣れないわね…」

商人「まあ、昨日1日お城の宴で食べっぱなしだったもん、仕方ないよ」

魔法使い「まあ、出されたもの全部たべたらこうなるでしょうね…トロル肉も大体一人で食べたみたいだし…」

商人「ていうか、あの肉は誰も手を出さなかっただけだけどさ…それより魔法使いちゃん、今日はちょっと行ってほしい所があるんだけど」

魔法使い「いいわよ、どこへ?」

商人「うん、それはね…」

692: 2014/12/31(水) 23:44:38 ID:STITHKcw
――115日目、アリアハン

商人「うん、というわけで、あたし達はアリアハンにやって来たよ!!」

魔法使い「…まあ、ここに来る前にサマンオサ南の洞窟に行ったけど…」

商人「え?そんなとこ行ったっけ??」

賢者レベル20「いったぞ、けんじゃはレベルもあがったし。しょーにんだって…」

商人レベル23「そうだっけ?うーん、覚えてないや」

魔法使い「貴方ねえ…確かに意気揚々とあなほりしに洞窟に行って、600回以上穴掘って特に掘り出し物がなかったからって…」

商人「そんなの知らないよ!!第5回あなほり大会は中止になりました!!」

賢者「そうか?てつかぶととかはがねのつるぎとか、いろいろでてきてたぞ?」

商人「だって、欲しかったのはそれじゃないんだもん…」

魔法使い「でも、600回なんて今までで一番よね?今回はずいぶん張り切ったじゃない」

商人「うん…だってあたし、もうすぐパーティーから抜けるし…」

賢者「え?なにいってるんだ?」

693: 2014/12/31(水) 23:54:45 ID:STITHKcw
商人「ほら、スーの村の東にさ、町を作りたいっておじいさんがいたでしょ?あたし、あのおじいさんのお手伝いしたいなって…」

魔法使い「…決めたのね」

商人「うん、いろいろ考えたけど…今回のサマンオサの事件もだけどさ、やっぱりあたし、困ってる人助けるのっていいなってさ…で、次はあのおじいさんを助けてあげたいなって…」

賢者「え?しょーにんいなくなるのか!?やだやだ、いっしょがいい!!」

商人「あはは、大丈夫だよ賢者ちゃん、あたしにかかれば町なんてちょちょいのちょいだから!!で、町が出来たら、また一緒だから!ね?」

賢者「うー、ほんとにすぐか…?」

商人「すぐすぐ、10日もあれば出来ちゃうよ!!」

魔法使い「流石に10日は無茶でしょ…」

商人「そ、そうかな?でも、出来るだけ早く戻って来るからさ!だから、ちょっとだけ我慢して?ね?」

賢者「うー………わかったぞ…」

商人「うん、いいこいいこ!!…魔法使いちゃんも、ごめんね?」

魔法使い「貴方が決めた事だもの、私がとやかく言うことじゃないわ。まあ、寂しくなるけど、またいつか、よろしくね?」

商人「うん、必ず!!」

694: 2015/01/01(木) 00:06:22 ID:xtAfMBtU
商人「で、今日ここに来たのはこれらを手に入れるためだったの。ほら、どう?」

魔法使い「ほのおのブーメランと、これは…?」

賢者「じゃらじゃらしてるな、へんなの!」

商人「これはね、せいぎのそろばんって言ってね、あたしみたいな商人専用の武器なの!!戦士用の武器だって、これより良いのなんてそんなにないんだから!!」

賢者「ヘー、すごいな!!」

魔法使い「じゃあこれは、貴方がまた戻ってきた時用ね?」

商人「そういう事!!大事にしててね!!」

賢者「なあ、ほんとにいなくなるのか…?」

商人「だから、ホントに少しの間だって!!それに、お別れはもう少しだけ後でね。でさ、魔法使いちゃん、あたしエルフの隠れ里に行きたいんだけど…」

魔法使い「エルフの隠れ里?いいけど…あそこに近いのはノアニールね、じゃあノアニールまでルーラで…」

商人「あ、待って魔法使いちゃん!あたしさ、船であそこまで行きたいんだ。ダメかな?」

魔法使い「船で…?ええ、いいわよ、しばらく会えなくなるし、その前にゆっくり船旅しましょうか」

賢者「お、じゃあまだいっしょだな!!」

商人「うん、もうちょっとよろしくね!!」

695: 2015/01/02(金) 00:49:33 ID:INp41XcM
商人「…とは言ったものの、エルフの隠れ里は遠いね…」

魔法使い「それはそうよ。それに、西に来るんじゃなくて、東にいった方が良かったんじゃないかしら?」

商人「ん~、でも東から行くと何もないし…」

賢者「お、あれはランシールだぞ!!」

魔法使い「ランシールか…皆で一人ずつ地球のへそに行ったりしたわね」

商人「そうそう、あれは怖かったよ!もう用はないのに、あたしまで…」

魔法使い「まだ根に持ってるの?でも、賢者のおかげでオーブが手にはいったのよね」

賢者「けっこうカンタンだったぞ!!」

商人「そうかなあ…?あたしは大変だったな、やっぱり一人は辛かったし…」

魔法使い「そうね、パーティーの有り難みをつくづく感じたわね…」

696: 2015/01/02(金) 00:58:43 ID:INp41XcM
魔法使い「さて、夜になって見えてきたのは…」

賢者「あ、あのへんもオーブがあったとこだぞ!!」

魔法使い「そうだったわね。どう?思い出の地に行ってみる?」

商人「そうだね~、ってテドンじゃない!!いいよ行かなくて!!」

魔法使い「そう?結構重要な場所よ?」

商人「例え重要な場所でもいいの!!…ああ、怖かったなあ…」

賢者「なにがこわかったんだ?」

魔法使い「ああ、賢者は朝のこの村に来たことないのね。じゃあやっぱり寄って…」

商人「イヤよ!!賢者ちゃん、ここの宿屋はごはん美味しくないよ?しかも朝ごはんはでないし」

魔法使い「確かに朝ごはんはなかったわね」

賢者「ええー…そんな村行きたくないぞ…」

商人「そうだよね?ね?というわけだから魔法使いちゃん?」

魔法使い「分かってるわよ。私だって特別行きたい訳じゃないし…」

商人「じゃあなんでそんなイジワル言うの!?あ、あれでしょ、好きな子にはついイジワルするってヤツ!!魔法使いちゃん、もしかして…」

魔法使い「変な想像しないでよ…」

697: 2015/01/02(金) 01:10:00 ID:INp41XcM
――116日目夜、エルフの隠れ里

商人「遠いと思ったけど、なんとか2日で着いたね」

魔法使い「もう夜だけどね。それで、ここには何の用?」

商人「それはもちろん…」

賢者「エルフを食べるんだな?柔らかそうだもんな!!」

魔法使い「そうなの?」

商人「食べないよ!!ほら、前にさ、この村にホビットが来てて、ホビットに変身出来ればこの村でもお買い物出来るかも?って言ってたでしょ?」

魔法使い「変身…?ああ、へんげのつえね!」

商人「そうそう、あのサマンオサの事件の後、王様からへんげのつえもらったでしょ?」

賢者「おお、そうだったな!!」

魔法使い「これがあったから魔物にお城を乗っ取られかけたって王様は言ってたわね。確かに、これさえなければあんなことにはならなかったでしょうけど…」

商人「まあ、いろいろ思うところはあるけど、もらったものは有効に使わないとね!じゃあ変身してみようよ!!それっ!!」ボフンッ

賢者「おおー、じいちゃんになったぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「…これもしかして、なりたいものになれるわけじゃない?」

商人「あ、あれ?ま、まあまたやってみればいいし…」

700: 2015/01/02(金) 23:29:51 ID:CjMpKh1U
魔法使い「ふう、5、6回使ったかしら?やっとホビットになれたわね」

商人「思った程便利なものじゃなかったね…あ、本物のホビットだ。こんにちはー」

ホビット「おう、兄弟。この村は落ち着くよな」

賢者「おう、兄弟!!」キャッキャッ

魔法使い「さて、早いとこ買い物を済ませましょう。さっきから使ってる感じだと、あまり長くは変わっていられないみたいだし」

商人「そだね、お店は…あった、こんにちはー!」

エルフ商人「こんにちは、道具屋へようこそ」

魔法使い「買い物出来るみたいね…賢者、少し大人しくしててね?」

賢者「はーい!!ホビットだぞー!!」キャッキャッ

魔法使い「…まあいいわ。商人、品揃えはどう?」

商人「うん…やっぱりすごいよ、人間のお店とは一味違うね。とりあえず、珍しいモノは片っ端から買っておきたいかなあ…」

701: 2015/01/02(金) 23:43:14 ID:CjMpKh1U
魔法使い「まずは、この本ね…」

商人「やさしくなれるほん、かあ…とりあえず3冊くらい買っておこうかな。あとは…」

魔法使い「このローブがいいわ。やっと私、ぬいぐるみから解放されるわ…」

商人「てんしのローブね。じゃあこれを1着買って…」

賢者「なあなあ、このゆびわはなんだ?」

商人「あ、これっていのりのゆびわ!!イシスの女王様からもらったやつだ!!」

魔法使い「魔力が回復出来る指輪ね。これもいくつか欲しいけど…3つくらい買っとく?」

商人「ううん、15個!!」ドンッ

魔法使い「じゅ、15個!?これ、結構高いわよ?お金大丈夫なの?」

商人「大丈夫!!中止になったあなほり大会でたくさん掘り当てたし!!」

賢者「ちゅーしになったのにあなほりしたのか?」

魔法使い「そこは突っ込まないであげましょう…確かに、お金はたくさん掘り当ててたわね」

商人「30000ゴールド以上掘り当てたからね!!…これからは、術師二人旅だもの、魔力がなくなったら困るでしょ?」

魔法使い「…そうね」

商人「ね?だから、これはたくさん買っておくの!!あって困る事はないだろうしね!!」

702: 2015/01/03(土) 00:00:02 ID:QmTaVbKw
魔法使い「さて、大体こんな所かしらね?」

商人「待って、まだもうちょっと見たいから…あ、この杖いいんじゃない?」

魔法使い「杖?ねむりのつえ、か…」

賢者「ねむくなるつえなのか?」

商人「そうそう、でも眠くなるのはあたし達じゃなくて、これを使われた方だよ」

魔法使い「呪文が込められてる杖なのね?ラリホーかしら?」

商人「そう!これがあれば、ラリホー使えない魔法使いちゃんでもオッケーだよ!!」

賢者「でも、まほーつかいはまほーでどかーん!!ってやったほーがはやくないか?」

魔法使い「確かに今まではそうだったけど…サマンオサの洞窟みたいに、攻撃呪文でも武器攻撃でも辛い相手と戦う事になった場合を考えれば、選択肢が増えるのは悪くないわね」

商人「でしょ?これからは戦い方も工夫しなきゃって言ってたもんね!!」

賢者「じゃあこれは3つだな!!さんにんぶん!!」

商人「うん、みんなの分買おうね!!じゃあこれで全部だね?お姉さん、これ全部下さい!!」

エルフ商人「分かりました、ありがとうございます…こんなに買うなんて、まるで人間みたいな買い方ですね」

商人「え?ええええーと、あ、あたしも商人だから、いろいろと…ね?」

魔法使い「なにが『ね?』なのよ…」

703: 2015/01/03(土) 16:49:17 ID:U827pbUQ
商人「さて、お買い物も終わったし、そろそろ…」

魔法使い「そうね…」

賢者「もうおわかれなのか!?やだやだ!!」

魔法使い「そうはいっても…ああ、そういえば、このへんげのつえを欲しがってたご老人がどこかに居たわよね。あれは確か…」

商人「あの旅の扉のほこらの更に北じゃなかったかな?サマンオサの王様がへんげのつえを持ってるって教えてくれた人」

賢者「グリンラッドだな?」

魔法使い「よく名前知ってるじゃない」

賢者「へへー、かいぞくたちのいえできいたんだぞ!!」

魔法使い「なるほどね…そういえばあそこ、ここからそう遠くないわよね。行ってみる?へんげのつえを手放しても良ければ、だけど…」

商人「うーん、確かに貴重なものでもったいないけど…あたし達が持ってても仕方ないしね…」

魔法使い「じゃあ行きましょうか。これも人助けの一環としてね」

商人「そだね、じゃあ行こう!!」

704: 2015/01/04(日) 20:58:37 ID:sCFe4rFM
――117日目、グリンラッド

老人「おお、お主達は…またきてくれたのか、嬉しいのう」

賢者「おーじーちゃん、これこれ!!」ブンブン

魔法使い「ちょっと、また変身しちゃうわよ!」

老人「変身…?おお、それはへんげのつえ!!わしもそれが欲しかったんじゃよ」

商人「そう言ってたから来たんですよ、はい!」

老人「おお、なんと…ありがたいのう!礼と言ってはなんだが、このふなのりのほねをやろう」

ふなのりのほねをてにいれた!!

魔法使い「これは…?」

老人「これはな、なかなかのものでな、あ~、なんじゃったかな…?」

賢者「ゆうれいせんがみつかるんだぞ!!」

老人「おお、そうじゃそうじゃ、幽霊船を探すための船なんじゃよ、お嬢ちゃんは賢いのう」

魔法使い「海賊達から聞いたのね?でも、幽霊船か…」

商人「お、おももしろそうだだよねね?でもあたし、ぱパーティーからぬ抜けるし、ざざざざ残念だなあ!!」

魔法使い「うん、まあ、行かないなら無理して見栄張らなくていいのよ?」

705: 2015/01/04(日) 21:08:15 ID:sCFe4rFM
魔法使い「でも実際、幽霊船なんかに何か私達が求めるものがあるのかしらね…?」

商人「それはいつもと同じでしょ?行けば分かるよ!!あー、なんて残念なんだろう、あたしも行きたかった!!」ニコニコ

魔法使い「残念なわりには嬉しそうね…?」

商人「そ、そんなことないよ!!さ、さあ、ここにも用はないし、もう行こ?おじいさん、さよなら、お元気で!!」

賢者「じゃーな!!」ブンブン

老人「おお、おお、ありがとうな。お主達も達者でな」

魔法使い「ええ、失礼します――さあ、いよいよスーの東に行くわよ。商人、心の準備はいい?」

商人「うん、大丈夫…二人とも、ごめんね?」

魔法使い「謝る必要はないわよ。頑張ってね」

賢者「ぜったいだぞ!!ぜったいまたいっしょだぞ!!」

商人「うん、もちろんだよ!!じゃあ…行こ?二人とも」

魔法使い「ええ…行きましょうか」

707: 2015/01/06(火) 22:38:18 ID:uLCbTRCM
――スー東の草原

商人「おじいさん、こんにちは!!」

老人「お前達…またきたのか?まさか…」

商人「うん、今日からあたし、ここで町作りするよ!!」

老人「おお、本当か!?ここで町作る、ここに骨埋めるかも。それでもいいのか?」

商人「それはイヤ!!でも大丈夫、あたしがぱぱっと大都市作るから!!」

魔法使い「大きく出たわね…」

老人「そうか、町作つてくれるか、嬉しい、よろしく」

商人「はい、よろしくお願いします!!」

賢者「ほんとだな?ほんとにすぐまた戻ってくるんだな?」

商人「ほんとだってば!!もう、賢者ちゃんってば船の中からそればっかり!!」

賢者「だって…だって…」

魔法使い「…ご老人、少しいいかしら?」

老人「何か?」

魔法使い「あの子は私達にとってとても大事な仲間よ。もし彼女に何かあったら…私は貴方を許さないわよ」

708: 2015/01/06(火) 22:48:58 ID:uLCbTRCM
老人「…分かってる」

魔法使い「その言葉、信用させてもらうわよ」

商人「ねえ魔法使いちゃん、何?あたしにナイショの話?」

魔法使い「何でもないわ…それにしても商人、貴方本当に町作りなんて出来るの?私は不安だわ…」

商人「だいじょーぶ!!あたしの腕前を見ててよね!!」

魔法使い「腕前はいいけど…町が大きくなれば、良からぬ人も寄ってくるわ。気を付けるのよ。それから…」

商人「もう、魔法使いちゃんはホントに心配性なんだから!!大丈夫だって!!」

魔法使い「だといいけど…ご老人、本当に頼むわよ」

老人「心配なのは分かる。全力を尽くす」

商人「そうそう、おじいさんもいるし、大丈夫大丈夫!!」

魔法使い「…そうね。じゃあ、そろそろ私達は…」

賢者「もういくのか?」

商人「賢者ちゃん、寂しくなったらまたいつでもおいでよ!!あたしここにいるからさ!!」

魔法使い「そうよ、それにまたすぐ来るわよ。幽霊船の土産話を沢山しにね」

商人「え!?えーと…忙しいようなら、そんなしょっちゅう来なくて良いからね!?」

710: 2015/01/08(木) 17:23:08 ID:sWBEASl6
魔法使い「さて…そろそろ行くわよ、賢者」

賢者「うん…またくるからな、ぜったいくるからな!!」

商人「うん!!…これからやっぱり、あそこ行くの?」

魔法使い「そうね、幽霊船に行きたいけど…まずはポルトガで1泊ね。ふなのりのほねがあっちの方向を指してるから…」

商人「そっか…じゃあ気を付けてね、無理しないでね!!」

魔法使い「ええら貴方もね。それじゃあ…」

賢者「またなー!!またなー!!」ブンブン

商人「うん、また!!…行っちゃったかあ…自分のパーティーを見送るって、少し変な感じ…」

老人「いい仲間だな」

商人「うん、とっても!!さあおじいさん、早く町を作りましょ?またすぐに戻らなくっちゃ!!」

711: 2015/01/08(木) 17:32:02 ID:sWBEASl6
賢者「うー、もう見えなくなったぞ…」

魔法使い「またすぐに来られるわ。それより、今日から私達は二人旅。今までより危険が増すわ、気を付けないと…」

賢者「へーきだぞ!!けんじゃがみんた食べてやる!!」

魔法使い「ふふ、そうね、頼りにしてるわ」

賢者「けんじゃもまほーつかいをたよりにしてるぞ!!」

魔法使い「そうね、私も頑張るわ。頑張って、強くなって、帰ってきた商人をびっくりさせましょう」

賢者「そーだな!!しょーにんよりつよくなって、ごはんがかりにしてこきつかってやるぞ!!」

魔法使い「うん、一応先輩は敬ってね?――さあ、見えてきたわよ、ポルトガが。今日はあそこで1泊して…」

賢者「ゆーれーせんだな?おいしいものあるかな?」

魔法使い「幽霊船にはないでしょうね…ポルトガでたくさん食べましょうか。さ、もうすぐ着くわ、賢者、下船の準備を…」

712: 2015/01/10(土) 22:07:26 ID:ycIvbq1M
――118日目、ポルトガ

魔法使い「ん…よく寝たわ」

賢者「お?いつもねぼすけなのにきょうははやいな!!」

魔法使い「まあ、たまにはね…今日はこれから少し用事もあるし…」

賢者「ようじ?どこかいくのか?」

魔法使い「ええ、ちょっとね…貴方はここで待ってて。朝御飯まだでしょ?」

賢者「おお、じゃあごはんたべてまってればいいんだな?」

魔法使い「幽霊船には食べ物ないでしょうから、たくさん食べて置いてね。じゃあちょっと出掛けてくるわ」

賢者「おー、きをつけてな!!ええと、あれとこれと、これも食べたいし、これも…」

魔法使い「…宿屋の食料を食べ尽くさないといいけど。さて、私は…」

713: 2015/01/10(土) 23:01:58 ID:ycIvbq1M
――ポルトガ城

魔法使い「久しぶりね、このお城も。謁見の間は…こっちね」

大臣「おお、そなたは…王様、胡椒の魔法使いが来ましたぞ」

魔法使い「胡椒の魔法使い…」

王様「おお、魔法使いよ、黒胡椒の件では世話になったな。あれからお主が開拓したルートで胡椒を取り寄せる事が出来るようになった。感謝しておるぞ」

魔法使い「もったいないお言葉。それで王様、今日は王様に折り入ってお願いが…」

王様「なんじゃ?他ならぬお主の頼みだ、出来るだけ聞き届けたいが…」

魔法使い「私の仲間の商人が、新大陸で町作りを始めました。ここからそう遠くない所です。王様、並びにこの国にご贔屓にしていただければと…」

王様「ふむ、お主の仲間のあの商人だな?そういう事なら協力したいが…あそこはエジンベアも近いのではないか?」

魔法使い「あの国は…新大陸など野蛮な辺境と考えているでしょう。心の広いポルトガ王にお頼みする方が賢いと思いまして…」

ポルトガ「ほう、アリアハンの魔法使いは魔法だけでなくお世辞も達者なのかな?まあいい、他ならぬお主とあの商人の為じゃ、便宜をはかってやろう」

魔法使い「はっ、ありがとうございます」

714: 2015/01/10(土) 23:13:11 ID:ycIvbq1M
王様「そうそう、お主はあのアッサラームの東で通せんぼしてたホビットを覚えているか?」

魔法使い「ええ、覚えていますけど…」

王様「お主達の事を心配しておったぞ。ああ見えても、悪い奴ではないのだ」

魔法使い「そうですか…いつか商人と一緒に訪ねてみます」

王様「そうするとよい。では達者でな」

魔法使い「はっ、では失礼します…ふう、すんなり話がついて良かったわ。やはりここの王様は出来た方ね…さて、宿屋に戻らないと――」

――宿屋

賢者「おお、はやかったな!!まだ食べたりないぞ!!」

魔法使い「ああ、そう…と言ってるけど、まだ食べるものあります?」

宿屋「…」フルフル

魔法使い「でしょうね…私も朝御飯食べ損ねたわね…」

賢者「だいじょーぶ!!ふねにのったら、けんじゃがイカとかマーマンのさしみをつくってやるぞ!!」

魔法使い「ええ、ありがとう…宿屋に泊まった時くらい、普通の食事がしたかったけど…」

716: 2015/01/11(日) 22:08:38 ID:xRj02/B.
――スー東の草原

商人「さーて、まずはお店を作らなきゃ!…こんな形で自分のお店を持つことになるなんて思わなかったけど…やあ、やるよ!!」グイッ

老人「おお、その腕…」

商人「え?せくしーな二の腕?」

老人「いや、その腕の傷は…」

商人「き、傷!?な、なんだ…まあ、あたしも冒険者だったから、傷の1つや2つ…や3つや4つや5つや…」

老人「大変な旅をしてきたのだな」

商人「ええ、まあ、そうかな?でも楽しかったですよ!」

老人「そうか…それにしてもすごい傷。ここなんか、咬み痕のようだが…」

商人「こ、これ!?これは、えっと…」

老人「小さいが、とても深い傷。狂暴な魔物とも戦ったのだな」

商人「え、ええまあ…さ、さあ、お店を建てる準備をしないと!!」

老人「ああ、そうだな」

商人「ふう…まさか仲間に噛まれたなんて言えないよね…賢者ちゃん、いつもお腹空かしてたから…」

717: 2015/01/11(日) 22:19:07 ID:xRj02/B.
賢者「ヘッブシ!!」

魔法使い「どうしたの?海風に当たって風邪引いた?」

賢者「かぜはひいてないぞ!!これはむしゃぶるいだぞ!!」

魔法使い「武者震いってくしゃみ出たかしら…?それより賢者、もう1度ふなのりのほねを使ってみて。ここからどのくらいの所に幽霊船があるか調べてみましょう」

賢者「おー!!くるくるだー!!」キャッキャッ

魔法使い「南に14に東に…44か…まだ少し遠いかしら」

賢者「くるくるまわっておもしろいな!!」

魔法使い「確かに不思議なアイテムね…さて、かなり東に来たけれど…まだ見えないかしら…?」

賢者「お?なあなあ、あそこにふねがあるぞ!!ぼろっちいなー!!」

魔法使い「あれは…いかにもな船ね…マストがないのに波に逆らって動いてるわ…」

賢者「おもしろそー!!あれにのるんだな?」

魔法使い「ええ、面白いかは分からないけど…さあ、行ってみましょう」

賢者「おー!!」

718: 2015/01/11(日) 22:57:39 ID:xRj02/B.
――幽霊船

魔法使い「これは…想像以上ね…商人がいたら泣き出しそうだわ…」

賢者「なかもボロボロだなー。あ、がいこつがうごいてるぞ!!」

魔法使い「あの人…が船長かしら?」

船長「例えどんな嵐が来ようとも、わしの船は決して沈まんのだ!!わはははは!!」

賢者「なんだ?こっちがみえないのか?」

魔法使い「見えてないし、聞こえてないわね。初めからこの調子か…」

賢者「なあなあ、このゴロゴロころがってるたまはなんだ?」

魔法使い「これは…きっと大砲の玉ね。この船は戦い用の船だったのかしら?」

賢者「お、あっちに誰かいるぞ!!」

魔法使い「あれは…!」

悪魔「ひひひ…幽霊船には屍がふさわしかろう。お前達も氏ぬがよい!!」

賢者のこうげき!!魔法使いのこうげき!!ミニデーモンをやっつけた!!

賢者「なあなあ、これ食べれるかなあ?」

魔法使い「止めときなさい…」

719: 2015/01/11(日) 23:08:42 ID:xRj02/B.
魔法使い「ふう…あの悪魔以外はアンデッドと海の魔物だらけね」

賢者「イカとマーマンのさしみが食べれるぞ!!」

魔法使い「ここでの食事は気が進まないわね…あら」

賢者「あれはいきてるヒトだな!!おーい!!」

剣士「やあ、あなた方は亡霊ではないようですね」

魔法使い「そういう貴方もね」

剣士「やはりあなた方も財宝が目当てですか?」

賢者「ざいほー?おいしいのか?」

剣士「はは、食べ物はないでしょうね。しかし…ここは亡霊ばかりで参ってしまいますよ」

魔法使い「全くね。よく一人で来れたものだわ」

剣士「はは、あなた方も若い女性だけでよく来たものですね。では、私はこれで…」

魔法使い「ええ、気を付けて…まあ、こんな所にまともな人は来ないわよね…」

賢者「けんじゃたちもまともじゃないのか?」

魔法使い「もちろんよ、あの人の言う通りね。さあ、急ぎましょう。何があるのかは分からないけど、先を越される訳にもいかないわ」

賢者「ホントはおいしいものがあるかもしれないからな!!」

721: 2015/01/12(月) 13:15:44 ID:QUyEp8yQ
――幽霊船、地下

魔法使い「…とは言ったものの、さて、何を探せばいいのやら…」

賢者「ぜんぶとってけばいいぞ!!」

魔法使い「盗賊の理屈ね…でもそれしかないかしら…」

賢者「おお、したはヒトがたくさんいるな!!」

魔法使い「人…まあ人かしらね。骨だけの人も多いけど…」

骸骨1「俺たちゃドレイよ!!」

骸骨2「船を漕ぐのはドレイか罪人の仕事なのさ」

魔法使い「奴隷…そんな制度がある国なんて今もあるのかしら…?それとも相当昔の船なのか…」

賢者「ドレイってあんまり食べさせてもらえないんだよな?つらいな、かわいそうだな」

魔法使い「そうね…っと、あれは…?」

賢者「ひのたまみたいだな」

魂「溺れて氏ぬのは苦しい…氏にたくねえよお!!」

魔法使い「…流石に、ちょっと耐えられないわ。早いとこ探索を進めましょう」

賢者「お?あいつちょっとふんいきちがうぞ」

724: 2015/01/13(火) 19:03:34 ID:OMDbjLKc
魔法使い「若い男性ね…少し、奴隷や罪人とは違う感じもするわね…」

青年「ああ…オリビア…もう船が沈んでしまう…君とは永遠に会えなくなるんだね…」

魔法使い「オリビア…恋人の名前かしら?でも、オリビア…どこかで聞いたような…」

賢者「このにいちゃんもドレイなのか?」

囚人「いや、そのあんちゃんは無実の罪だそうだよ、可哀想になあ」

魔法使い「!貴方は、私達が分かるの?」

囚人「ああ、そのあんちゃんはオラみたいな人頃しと同じ船に乗せられて、あげく船は沈没だ。あんまりだよなあ…」

青年「オリビア…ああ…オリビア…」

賢者「なあ、まほーつかい、なんか、つらいな」

魔法使い「そうね…私達に、何か出来るかしら…」

725: 2015/01/13(火) 19:12:06 ID:OMDbjLKc
魔法使い「さて…あとはこの船で調べてないのはこの奥ね…」

賢者「おお、なんかたくさんはこがあるぞ!!」

魔法使い「ここは倉庫かしら?ちょっと待っててね賢者…インパス!!これは安全ね、次は…」

賢者「いっこだけあかかったな!!」

魔法使い「ええ、他は開けて良いわよ」

賢者「おー!!それっ!!…これ、どくばりだな?次は…たねだ!!もひとつ…おかねだぞ!!」

魔法使い「それなりの金額だけど…アイテムも含めて、それほど価値のある物はないみたいね。少し期待外れね…」

賢者「あ、まほーつかい、あっちにもまだへやがあるぞ!!」

魔法使い「一番奥ね。何かあるかしら…宝箱が、1つ?」

賢者「あけてみるぞ!!それっ!!」パカッ

なんと あいのおもいでをてにいれた!!

726: 2015/01/13(火) 19:20:19 ID:OMDbjLKc
賢者「おー、これなんだ?」

魔法使い「何かしらね、さほど貴重な物にも見えないけど…あら、名前が書いてあるわ」

賢者「おー、だれのだ?」

魔法使い「オリビア…あと、エリックと書いてあるわね。これは、あの青年の持ち物かしら?」

賢者「あのあんちゃんか?」

魔法使い「ええ、多分あの人と恋人の思い出の品か何かね。これ…持っていっても良いものかしら…?」

賢者「あんちゃんにきいてみるぞ!!おーい!!」タタタ…

魔法使い「聞いて分かるものでもないと思うけど…」

賢者「おーい、あんちゃん、これあんちゃんのか?もらっていいか?」

青年「オリビア…もう会えないよ…オリビア…」

賢者「あんちゃん…きいてくれないぞ…」

魔法使い「でしょうね。でも…これはもらっていきましょう。ここに置いておいても、海の藻屑になるだけだわ」

賢者「そーだな。あんちゃん、これ、もらってくぞ!!」

魔法使い「出来れば、恋人に渡してあげたいけど、この船はどれだけ昔のものなのか…あまり期待は出来ないかもね…」

728: 2015/01/15(木) 16:23:05 ID:uJP9wKYw
――夜、洋上

魔法使い「夜になってしまったわね。でもあの船の中で夜になるよりはよかったわ」

賢者「おなかもすいたしな!!」

魔法使い「結構幽霊船の中でもイカとか食べてたようだけど…」

賢者「あれはおひる!!ばんごはんがまだだぞ!!」

魔法使い「ああ、そう…」

賢者「ポルトガのごはんはおいしいな!!いろんな食べものがあったし!!」

魔法使い「海運国みたいだし、いろんな土地の食べ物が集まっていたわね。私もあの国の御飯は美味しいと思うわ」

賢者「へへー、今からばんごはんがたのしみだな!!」

魔法使い「そうね…ほら、ポルトガの町が見えてきたわ…あら、なんだか騒がしいみたいだけど…」

町人A「あの子だ!!あの子が帰ってきたぞ!!」

町人B「食料を、食料を宿屋に集めるんだ!!早く!!」

賢者「おおー、かんげいしてくれてるぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「歓迎…してるのかしら…?」

729: 2015/01/15(木) 16:33:46 ID:uJP9wKYw
――119日目

賢者「へへー、食べた食べた!!ばんごはんもおいしかったけど、あさごはんもおいしいな!!」

魔法使い「そうね…と言ってるけど、他のお客さんの分はあります?」

宿屋「…」フルフル

魔法使い「でしょうね…私達だけいただいて、少し申し訳ないわね…」

賢者「みんなこしょうのおれいだっていってたぞ!!」

魔法使い「貴方は黒胡椒持ってきてなかったわよね…?」

賢者「なあなあ、きょうはこれからしょーにんのところにいくんだな?」

魔法使い「ええ、幽霊船で手に入れたアイテムの事も聞きたいしね。確か、どこかでオリビアの名前を聞いたような…」

賢者「しょーにんはおぼえてるかな?」

魔法使い「どうかしらね…?でも、あの子は鑑定が得意だから、これを見て私達が分からない事も分かるかもしれないわ」

賢者「へへー、ひさしぶりにしょーにんとあうのたのしみだな!!」キャッキャッ

魔法使い「そうね、と言ってもまだ2日しか経ってないけど」

賢者「じゃあはやくいこー!!あ、これおかわり!!」

魔法使い「もうないわよ…」

730: 2015/01/15(木) 17:03:08 ID:uJP9wKYw
――スー東の草原

商人「うん、お店を建てる資材も揃ったし、次は…」

老人「見ろ。船、来た」

商人「へ?船?…あ、あの船!!」

賢者「おーい、おーい!!」ブンブン

魔法使い「ほら、海に落ちてしまうわ」

商人「あー、二人とも!!来てくれたんだ!!」

賢者「うん!!はやく、はやくおりるぞ!!」グイグイ

魔法使い「慌てないで…ふう、元気だった?作業は進んでる?」

商人「うん!!見てみて、ここにお店を建てるの!!で、これがお店の資材だよ!!」

賢者「おおー、すすんでるな!!」

魔法使い「2日でここまでやったのね、すごいじゃない」

商人「へっへー、あたしの商人力をなめて貰っちゃ困るよ!!」ドヤッ

賢者「おおー、すごいな!!」

魔法使い「 …商人力?まあいいわ、それより商人、貴方に見てもらいたい物が…」

731: 2015/01/15(木) 17:16:03 ID:uJP9wKYw
商人「イヤ!!」

魔法使い「え!?なんで?」

商人「だって、魔法使いちゃん達幽霊船に行ってきたんでしょ?そこのアイテムなんて…」

魔法使い「ああ、そういう事…大丈夫よ、別に怖いものじゃないわ」

賢者「そーだぞ、あんしんしろ!!」

商人「そ、そう?ホントに?なら…」

魔法使い「あ、そこにちょっと血が付いてるわ」

商人「ぎゃー!!や、やっぱりイヤ!!」

魔法使い「冗談よ、冗談」

商人「うう、ひどい…」

賢者「ゆーれーせんはすごかったぞ!!ぼーれーがいて、アクマがいて…」

魔法使い「苦しい…氏にたくない…ってね」

商人「そそそのはなしはああとでいいいいかな?かかんていのさまさまたげにななるし」

魔法使い「そうね、じゃあ鑑定が終わってから改めてたっぷりと…」

商人「え、えーっとね!!ここ見て、名前が書いてあるよ!!」

732: 2015/01/15(木) 17:23:33 ID:uJP9wKYw
魔法使い「強引に話題を変えに来たわね」

賢者「そのなまえはきがついたぞ!!」

魔法使い「そう、それでこのオリビアっていう名前なんだけど、心当たりない?どこかで聞いたような気がするんだけど」

商人「うーんとね…あ、あそこだよ魔法使いちゃん、あたし達最初にバハラタに行こうとした時、間違えて北に行ったでしょ?その時見つけた宿屋で、確か詩人さんから聞いた名前が…」

魔法使い「ああ、確かに聞いたわ、オリビアの名前を!」

商人「オリビアさんの名前を聞いたのがその時か後でかは忘れたけど…」

魔法使い「後で…そういえばあそこにはもう1度行ったわね、確か…そう、旅の扉がたくさんあるほこらからね」

賢者「あのうにゅーんってなるやつか?」

魔法使い「そうよ、入ると遠くへ行けるあの不思議な所よ」

商人「あのほこらなら、ここからそんなに遠くないよ。とりあえず行ってみたら?」

魔法使い「そうね、行ってみる事にするわ。でも、その前にやることがあるわね…」

商人「え?なに?」

賢者「ゆーれーせんのみやげばなしだぞ!!あのふねな、かってにかじがうごいてて…」

商人「だ、たからそれはいいってば!!」

735: 2015/01/16(金) 19:11:20 ID:NhjiAciQ
賢者「――で、さいごにみつけたのがいまみてもらったヤツだぞ!!」

商人「ううう…結局フルで土産話を聞かされたよ…」

魔法使い「貴方だけ仲間外れは悪いじゃない、ね?」

賢者「そーだそーだ!!」

商人「あ、ありがと…でも、そのエリックさん?とオリビアさんは、何とかしてあげたいね…」

魔法使い「ええ、でも貴方のおかげでどうにかなるかもしれないわ」

商人「お役に立てて光栄です!!えへへ…」

魔法使い「さて、じゃあ行ってみようかしら」

賢者「もういくのか?」

魔法使い「大丈夫よ、あの宿屋でオリビアの話を聞いたらまた戻って来ましょう。商人も気になるでしょうし」

商人「うん、結果を聞かせてもらえれば嬉しいな!…今度は怖い話は無さそうだし…」

賢者「そっか、じゃあはやくいってはやくかえってこよー!!」

魔法使い「そうね、じゃあ商人、私達は行くわ。貴方も頑張ってね」

商人「うん!気を付けて!!」

736: 2015/01/16(金) 19:23:56 ID:NhjiAciQ
――バハラタ北の宿屋

賢者「おおー、うにゅーんってなってちがうところにきたぞ!!」キャッキャッ

魔法使い「さて、じゃあ聞き込みね。確か、オリビアの話をしてくれる詩人がいたはずだけど…」

賢者「へーしならいるぞ!!おーい!!」

兵士「ん?なんだあんたら?」

魔法使い「こんにちは。私達、少し聞きたい事があって、以前会った詩人を探してるんだけど…」

兵士「詩人?このオリビアの岬で詩人と行ったら…」

賢者「おおー、オリビアだって!!」

魔法使い「ま、待って。ここ、オリビアの岬って言うの?」

兵士「あ、そそうだ。で、岬を通り過ぎた所にあるのがほこらの牢獄だ」

魔法使い「ほこらの牢獄…!」

賢者「お?どこかできいたな」

魔法使い「サマンオサね。確か勇者サイモンが投獄されたという…」

兵士「ま、聞いた話じゃもう生きてる人間はいないみたいだけどな。ただ、あそこは未だに氏者の亡霊が彷徨ってるって話だ」

魔法使い「そう…」

737: 2015/01/16(金) 19:52:26 ID:NhjiAciQ
兵士「で、詩人を探してるんだったか?詩人なら、向こうの部屋にいるぜ、行ってみな」

魔法使い「ありがとう、行ってみるわ…この部屋ね」

賢者「おーい、しじんいるかー?」バタン!

魔法使い「こらっ!ノックくらいしなさい!」

詩人「おや…?貴女方は、いつかお会いしたような…」

魔法使い「ごめんなさい、私達、オリビアという人の事を調べていて、それで以前ここで貴方にオリビアの話を聞いた事を思い出して…」

詩人「ああ、そうですか。オリビア…悲しい女性の話です」

賢者「どんなヤツだったんだ?」

詩人「オリビア…彼女の恋人エリックが乗っていた船は、嵐で沈んでしまい、それを悲しんだオリビアはこの岬で海に身を投げました」

賢者「みをなげた?しんじゃったのか?」

詩人「ええ…しかし氏にきれぬのか、岬を通る船を呼び戻すと聞きます」

魔法使い「…悲しいわね。そう、もうこの世にいないのね…」

詩人「噂では、恋人エリックの乗っていた船も、幽霊船として海を彷徨っているそうです」

賢者「そのふねのったぞ!!これみつけてきた!!」

詩人「それは…?エリック…オリビア…!これは、あの二人にまつわる品…!?」

739: 2015/01/17(土) 21:39:55 ID:s3/VN6ME
魔法使い「ええ、でもオリビアはもうこの世にいないのね…」

詩人「いえ、まだ遅くはないかもしれません。先程言ったように、この岬はオリビアの呪いが船を呼び戻してしまいます。でも、その品をオリビアに捧げれば、彼女の呪いが解けて、岬を通れるようになるかもしれません」

魔法使い「岬を通れるようになれば、ほこらの牢獄にも行ける…そこにはサイモン殿が…」

賢者「なんとかのつるぎがみつかるかもしれないな!!」

詩人「もし貴女方が本当にオリビアへその品を渡したいなら、ここからでは無理でしょう。船に乗って岬にくれば、彼女を感じられるでしょう。その時に、その品を渡せるかもしれません」

魔法使い「なるほど…詳しくありがとう」

詩人「いえ、私も彼女の悲しみを少しでも癒したい…それだけです。どうかお気を付けて…」

賢者「ありがとな!!じゃーな!!」

740: 2015/01/17(土) 21:48:00 ID:s3/VN6ME
魔法使い「さて…やることは決まったわ。後は、この岬に船で来ればいいのだけど…」

賢者「じゃあはやくふねでこよう!!な?はやく!!」

魔法使い「待って。まだ、ここに船で来るにはどこから来ればいいか分からないわ」

賢者「ルーラじゃダメなのか?」

魔法使い「ここにはルーラでは来られないわ。でも、何処からかは来られるはず。ここは内陸だから、どこかの川を遡ればいいはずよ」

賢者「かわかー。どこのかわだろーな?」

魔法使い「少なくとも南ではないわね。私達は以前、ここからバハラタまで歩いたけど、それらしい川はなかったわ」

賢者「うーん…じゃあまたしょーにんにそーだんだな!!」

魔法使い「そうね、三人よれば、って言うし。さあ、また戻るわよ」

賢者「はーい!!またしょーにんにあえるな!!」

741: 2015/01/17(土) 22:00:27 ID:s3/VN6ME
――120日目、スー東の草原

魔法使い「夜が明けてしまったわね…」

賢者「やっとついたな!!…あれ?あそこになにかたってるぞ!!」

魔法使い「あそこ…昨日商人がお店を建てるって言ってた場所よね?まさか昨日1日でお店を建てたの?」

商人「あ、二人ともお帰り!!見てみて、ほら、あたしのお店!!」

賢者「おー、すごいすごい!!」

魔法使い「貴方には驚かされっぱなしだわ…たったの1日でこんな…」

商人「へっへー、だから言ったでしょ?あたしの商人力はすごいんだって!!」ドヤッ

魔法使い「商人力で建物が建つの…?」

賢者「すごいなしょーにん、ただおいしそうなだけじゃなかったんだな!!」

商人「おいしくはないよ!?きゅーとでせくしーではあるけど!!」

魔法使い「まあ、商人力以上に建築には関係ないでしょうけど、ここまでやられたらそれでもいいわ。ところで、品揃えはどうなってるの?」

商人「えっと、それが…まだやくそうとかわのぼうしだけで…」

魔法使い「そう…でも、店を建てただけですごいじゃない。でものさ商品はどこから仕入れたの?まさかあなほりで…」

商人「え?や、やだなあ、商人力とせくしーさの賜物だよ?」

742: 2015/01/17(土) 22:15:30 ID:s3/VN6ME
魔法使い「…あなほりね?まあいいわ、それが商売の基本、だったわよね?」

商人「そうそう、ただで仕入れれば丸儲け!!…それで、そっちはどうだったの?オリビアさんの事、何か分かった?」

賢者「オリビアはもうしんでたぞ!!」

商人「え?そうなの?」

魔法使い「ええ、恋人が亡くなったショックで、海に身を投げたという話よ」

商人「そっかあ、可哀想だね…」

魔法使い「それで、彼女が身を投げた岬はオリビアの岬と呼ばれてるんだけど、そこを通ればほこらの牢獄に行けるらしいの。覚えてる?」

商人「覚えてるよ、サイモンさんが入れられた牢屋だよね?見つけたんだ!!…でも、もうサイモンさんは亡くなったって話じゃ…」

賢者「だいじょーぶ!!ゆーれーせんみたいに、ぼーれーからはなしをきけばいいぞ!!」

商人「え、ええ!?」

魔法使い「まあ、そう上手く行くかは分からないけど、行かなければならない事には違いないわ。ただ、少し問題があって…」

賢者「オリビアののろいがじゃまするんだぞ!!」

商人「呪い!?亡霊に呪い…また話が怖い方に…」

743: 2015/01/17(土) 22:30:50 ID:s3/VN6ME
魔法使い「まあ、呪いはなんとかなりそうよ、詩人の考えが正しければ、だけれども。それより問題は、そのオリビアの岬まで船で行かなければならないって事なの」

商人「船で?ああ、あそこ確か湖みたいになってたっけ…」

賢者「ふねでいかないとのろいがとけないぞ!!」

魔法使い「そういうわけ。それにどちらにしろ、船じゃないとほこらの牢獄にも行けないようだし…」

商人「なるほど、船でかあ…あそこに船で…きっとどこかの川を遡って行くようなんだよね?」

魔法使い「おそらくね。そして、少なくともそれは南ではないはずよね?」

商人「うん、バハラタに行くとき川とか見なかったし。あ、ちょっと待ってて、あたしいいもの持ってるから…」

賢者「いいもの?おいしいものか?」

商人「おいしくはないなあ…はいこれ、世界地図!」

魔法使い「地図?そっか、町作りの為には世界と交易する必要があるものね。で、あそこに通じる川は…」

商人「あ、ここじゃない。あの宿屋から見て、北側!」

賢者「おー、まえにちかくをとおったな?」

魔法使い「そうね、貴方を仲間にして間もなくだったかしら?確かこの辺は、オルテガ殿の仲間だったというホビットが住んでいるほこらがあったわね」

商人「あったねー!で、この川を南に遡れば、きっと…」

賢者「オリビアのみさきにいけるな!!」

744: 2015/01/18(日) 12:19:27 ID:wtCthlXY
魔法使い「うん、やっぱり貴方に相談して良かったわ。ありがとう」

商人「どういたしまして!!って、今回は地図のおかげだけどね」

賢者「じゃあはやくいってくるぞ!!」

魔法使い「待って、行き先は決まったけど、どこから行けば近いかしら?」

商人「うーん、ノアニールかムオルが近そうだけど…」

魔法使い「ムオルはルーラで行けないから、そうなるとノアニールかしらね」

賢者「なあなあ、これうえとしたつながるのか?ランシールからしたにガーッていったらダメなのか?」

魔法使い「ランシールから南下…なるほど」

商人「それいいかもね!今回は賢者ちゃん案にしてみたら?」

魔法使い「そうね、そうしてみるわ。賢者、やるわね」

賢者「けんじゃはかしこきものなんだぞ!!あたまいーんだぞ!!」ドヤッ

商人「あ、うん、そうだね…」

745: 2015/01/18(日) 14:02:44 ID:oq7ZGRfo

【ドラクエ3】アリアハンの魔法使い【5】