1: 2015/03/01(日) 15:16:02 ID:FlQyPoK2
これまでのあらすじ

はじめから:【ドラクエ3】アリアハンの魔法使い

前回:
【ドラクエ3】アリアハンの魔法使い【5】


アリアハンから旅立った魔法使い、商人、そして賢者ちの3人は、魔物と戦ったり牢屋にぶち込まれたり人間を食べそうで食べなかったりしながら、見事魔王バラモスを倒してアリアハンに凱旋したのして…

登場人物紹介

魔法使い
いつも落ち着いたパーティーリーダー的かつ長女的存在。すでに魔法使いとしての呪文は全て使える大魔法使い。Bと言われると怒ってドラゴラム唱えます。

商人
いつも落ち着きがないパーティーの次女的存在。きゅーとでせくしーだいなまいつ(自称)。投獄歴2回。僧侶呪文もそこそこ使えます。

賢者
いつも飢えてる元盗賊の賢者。わがまま放題の末っ子的存在。キャタピラーから人間まで好き嫌いなく食べる次期魔王候補筆頭…?

アリアハン王
どケチ。

ルイーダ
冒険者登録から酔っぱらいの相手までこなす偉いひと。賢者が旅に出てからは赤字の解消に成功した模様。

このSSの決まり
・全滅は五回まで、六回したらSS終了(現在全滅一回)
・旅立ちから1年経ったら勇者パーティーin(まだ5ヶ月未満ですが…)
・宿屋、ルーラ、王様に報告して中断で1日経過。アレフガルドはずっと夜なので町に入る、ダンジョンから出る等でも1日経過する、予定。
・誤字脱字は温かい目で見守る(最重要)
・このSSを読んでるとたまに賢者に食べられるので注意されたし

では、本編へ…

2: 2015/03/01(日) 15:25:33 ID:FlQyPoK2
――145日目、アリアハン城内

商人「…大変なことになっちゃったね…」

賢者「うー、うたげのごちそう…」

商人「しょうがないよ賢者ちゃん。あんな…大魔王なんてのに出てこられちゃったらさ…お城の兵士さん達も…」

賢者「きえちゃったな。しんじゃったのか?」

商人「それは…魔法使いちゃん?」

魔法使い「………」

賢者「どーしたんだ、まほーつかい?」

魔法使い「え?ああ、ごめんなさい…流石に少し堪えたわ、一応、あの兵士達は顔見知りだったしね…」

商人「あ、そっか…魔法使いちゃん…」

魔法使い「大丈夫、もう大丈夫よ。でも…大魔王、か…」

商人「大変な事になっちゃったね。せっかくバラモスを倒して、平和になったと思ったのに…」
Dragon Quest III HD-2D Remake (輸入版:北米) – Switch

4: 2015/03/01(日) 15:37:45 ID:FlQyPoK2
大臣「あー、お前達すまぬな、せっかくの凱旋だったのに…」

魔法使い「いえ、仕方ありません。私達は別に…」

賢者「ごちそうがなくなったぞ!!けんじゃはだいまおーをゆるさないぞ!!」

商人「け、賢者ちゃん…」

魔法使い「許さない、か…ねえ二人とも、私達の次の相手は大魔王、おそらく魔王よりも遥かに手強い相手だと思うわ。それでも…まだこの旅を続ける?それとも…」

賢者「なんでやめるんだ?だいまおーを食べてこんどこそごちそうも食べるぞ!!」

商人「あたしは正直怖いけど…でも、ここまで来たら止められないよ!それに、今までだってすごいモンスター達にも勝ってきたもの、大魔王だって…」

魔法使い「二人とも…うん、良く分かったわ。大臣、そういう事ですから、王様には私達がまた旅立つとお伝え下さい」

大臣「そうか、分かった。すまぬな、またしてもお主達にばかり頼って…しかし、我が王はすっかり意気消沈してしまったよ、お痛わしい…」

魔法使い「仕方ないですね、あんなでも世界平和にかける思いは本物でしたから」

大臣「なんだ、今日は王様に優しいな?」

魔法使い「大臣こそ、今こそ王座を奪い取る好機だ!!位言ってもらわなくては困ります」

大臣「お、おお、そうだな。うむ、王があの様子では私が王座にすわるしかあるまいな、がはははは!!」

魔法使い「ええ、その調子でお願いします…声は大きすぎますが」

5: 2015/03/01(日) 15:48:14 ID:FlQyPoK2
商人「でも、大魔王ってどこにいるんだろう?居場所が分からないと…」

魔法使い「大魔王のあの口振りだと、どうやら別世界にいるみたいね。この世界も闇に…なんて言ってたもの」

商人「別世界、かあ。ピンと来ないけど…」

魔法使い「恐らく、だけど…魔王の居場所か、そこに行くための場所は、多分ギアガの大穴じゃないなと思うの。貴方達覚えてる?」

賢者「ギアガのおおあなからすべてのわざわいがでてきたんだぞ!!」

商人「あ、その話どこかで聞いたね。どこだっけ?」

魔法使い「それは、貴方が姿を見て引き返したかわきのつぼのほこらの骸骨よ。どう?念のためもう一度話を聞きにいく?」

商人「え!?いやいやいや、お二人の記憶を信頼してるから、そういうのはいいかなー?」

賢者「ひとのきおくはあいまいなもの。ときにはあさごはんを食べたかどうかもわすれてしまうほどにたよりなく…」スチャ

商人「なんでまたインテリめがねかけてるの!?いいから、賢きものときれものが覚えてれば大丈夫だから!!」

6: 2015/03/01(日) 15:58:11 ID:FlQyPoK2
魔法使い「まあ冗談はこのくらいにして…問題はギアガの大穴がどこにあるかね…」

商人「うーん、大穴っていうくらいだからでっかい穴が空いてるんだろうけど…」

賢者「でっかいあな?けんじゃはみたことあるぞ!!」

商人「え!?ど、どこで!?」

賢者「んっと、まおーのしろのちかく!!そらからみたぞ!!」

魔法使い「そんな所に…気づかなかったわね、でも魔王も大魔王と同じ所から来たとなれば、魔王の城の近くにあるのも頷けるわね…」

商人「闇の世界に繋がる大穴、かあ…ちょっと怖いけど、行ってみる?」

魔法使い「行くしかないでしょうね、大魔王と対決するならばね」

賢者「いますぐいってだいまおー食べるぞ!!」

商人「今度は闇の異世界での冒険だね…怖いけど、でもワクワクもするね、新しい世界での冒険!」

魔法使い「ええ、実は私もよ。じゃあ早速行きましょう、ギアガの大穴、そして大魔王の元へ!!」

7: 2015/03/01(日) 16:08:20 ID:2G.RMX2E
商人「んー、ラーミアちゃんはやーい!!あ、賢者ちゃん見てみて、あれ、海賊さん達のおうち!!」

賢者「おー!!おかしら、いるかなー?」

魔法使い「あとでまた寄ってみましょうね…さあ、この海を越えれば…」

商人「あ、テドンの岬が見えてきた!!」

賢者「テードンーみーさーきーのー、しーおかーぜにー♪」

商人「きーたえーしーつーばーさー、たーくまーしーくー♪」

魔法使い「二人とも歌好きね…ほら、魔王の城が見えて…あ、ふ、魔王の城の東側!」

商人「あ、あー!!でっかい穴!!」

賢者「へへー、いったとーりだぞ!!」ドヤッ

魔法使い「ええ、お手柄よ、賢者」

商人「うわあ、実際に見てみると深くて怖い…」

魔法使い「そうね、でもとにかく近くに下りてみましょう。二人とも、準備はいい?」

賢者「いますぐだいまおーをやきにくでもいいぞ!!」

商人「さ、流石にすぐ大魔王はちょっと…ソフトな大魔王出てこないかな…?」

魔法使い「ソフトな魔王って何よ…とにかく行くわよ、ラーミア、近くに下りて――」

13: 2015/03/02(月) 16:33:11 ID:VuH2M21Y
――ギアガの大穴、入口

商人「うわあ、近くで見るとホントに大きい…」

賢者「これをなべにしてシチューつくったらまいにち食べれるな!!」

魔法使い「何もかも食べ物に例えないでよ…」

商人「とりあえず…よっ!ほっ!…ほら、あなほりでまた出たよ、もろはのつるぎ!!」

賢者「よんほんめだな!!」

魔法使い「呪われた剣を掘り当てたのね。幸先いいわね」ニッコリ

商人「あ…うう、掘らなきゃ良かったかな…」

魔法使い「いいじゃない、お金になるんだから」

賢者「おーいおーい、こっちからもっとしたにいけるぞ!!」

魔法使い「あら、まだ下れるのね。じゃあ行ってみましょうか」

商人「あ、うん…魔法使いちゃん、いつも慎重なのに…やっぱり異世界が待ち遠しいのかな?それともアリアハンの兵士さん達の仇討ちに焦ってる…?」

14: 2015/03/02(月) 16:50:49 ID:VuH2M21Y
――ギアガの大穴、地下1階

賢者「おおー、でっかいあな!!」

魔法使い「これは…凄まじいわね…それに、これは最近になってまた拡がった…?」

商人「すごいね…あ、あそこに人がいるよ!!すみませーん!!」

見張り「ひっ…!?な、なんだ人間か…さ、さっき大きな地震がしたと思ったら、何かとてつもなく大きなものがここを通って行ったんだ!!」

賢者「おーきなもの?なんだ?」

見張り「分からない…だが、だがその時に穴が拡がって俺の相棒が穴の中に…ああ…!」

魔法使い「そんな事が…でも大丈夫、今から私達もここを下ります。そしてもし、貴方の相棒を見つけたらきっと知らせに来ますから」

見張り「あ、あんた達が!?しかし、この穴は…」

魔法使い「私達なら大丈夫、その為に来たのだから。さあ二人とも、良いわね?」

商人「良いけど…魔法使いちゃん、ちょっと慌ててるんじゃない?いつもはもっと慎重なのに…」

魔法使い「ああ、それは…貴方には話してなかったけど…貴方の居ない間に、少しね…」

商人「居ない間に?あたしが町づくりしてる時?」

15: 2015/03/02(月) 16:55:34 ID:VuH2M21Y
魔法使い「ええ、貴方いつもアイテムの整理してるわよね?貴方が抜ける前と戻って来た後で、減ってたものがあるでしょう?」

商人「減ってたもの…?えーと、薬品類以外は、たねとか…あ、本が一冊、ゆうき100ばいが…あ、あ、魔法使いちゃん、まさか…!」

魔法使い「そう、私はあの本を読んだのよ。今の私はきれものじゃない、いのちしらずの魔法使いよ!さあ二人とも行くわよ!!」

商人「え、ええー!?ちょ、ちょっと落ち着いて…」

賢者「おー!!ホントにほしーものはー?」

魔法使い「エキサイトする心臓よ!!さあ、行くわよ!!」ピューン

賢者「それー!!」ピューン

商人「ふ、二人とも…これからずっとこのノリじゃないよね!?」

16: 2015/03/02(月) 17:09:26 ID:VuH2M21Y
賢者「………うー、すっごい落ちたぞ…」

魔法使い「少しやんちゃし過ぎたかしら…?」

商人「少しどころじゃないよ!!お願いだから、このノリ続けないでよ!?」

魔法使い「分かってるわよ。さて、ここは…」

大男「なんだあんた達は?あ、分かった!あんた達も上の世界から来たんだな?」

商人「上の…世界…?」

大男「ここは闇の世界アレフガルドっていうんだ。覚えておくんだな」

魔法使い「闇の世界…じゃあここが…」

商人「や、闇の世界!?え、え?てことは、つまり…?」

大男「あー、聞きたい事はいろいろあるだろうが、それは町の連中から聞いてくれ。ほら、そこに船があるだろ?」

賢者「おー、ふねだ!!」

魔法使い「これは…私達が使っても良いのですか?」

大男「ああ、ま、そういうしきたりだとでも思ってくれればいいよ。ただし、旅の安全は保証しないがね」

魔法使い「それは、魔物が出るという事ですか?それは大丈夫です、私達は今までもそういう旅をしてきたし…」

17: 2015/03/02(月) 17:15:27 ID:VuH2M21Y
賢者「ぎゃくに食べてやるぞ!!」

商人「うん、今までも大変な旅だったし…」

大男「ま、上の世界から来たならそうだろうな。じゃあ、旅の無事を祈ってるよ」

魔法使い「ありがとう。ほら、二人とも行くわよ」

商人「ま、魔法使いちゃん、あたし大変な事に気付いちゃった…」

魔法使い「な、なに?」

商人「上から落ちてきたって事は…あたしみたいにきゅーとでせくしーだいなまいつだと、ここの人達天使が降りてきたって間違えちゃうかもよ?」

賢者「なあなあ、てんしってなんだ?」

魔法使い「ああ、鳥みたいなものよ、焼き鳥ね」

賢者「おー、しょーにんのやきとり!!」

商人「鳥じゃないよ!?焼かないでよ!?」

魔法使い「さ、そんなどうでもいいことはさておき、出発するわよ。船に乗りましょう」

商人「どうでもよくはないよ!?焼かれたくないよ!!」

賢者「またふねだなー、食べれるイカいるかな?」

魔法使い「どうかしらね…それにしても、ラーミアを復活させたら船に乗ることもないと思ってたけど、まさか異世界で乗ることになるとはね…」

18: 2015/03/02(月) 17:25:30 ID:VuH2M21Y
商人「…それにしてもさ、ここって暗いね。真っ暗って訳でもないけど…」

魔法使い「闇の世界っていう位だからね…きっとずっとこの黄昏時みたいな暗さでしょうね…」

賢者「お?あっちにまちがみえるぞ!!」

魔法使い「町が?私にはまだ見えないけど…いいわ、じゃあここで船から下りましょう」

商人「りょーかい!…足元は、大地はあたし達の世界と変わらないみたいだね…」

魔法使い「そうね…あ、二人とも、魔物よ!!」

スライムベスがあらわれた!!じごくのきしがあらわれた!!

商人「うわあ、骸骨…でも見たことある相手だね」

魔法使い「ええ、あっちは…」

スライムベスはにげだした!!

魔法使い「一緒に襲い掛かって来たというよりは、骸骨から逃げてきたのかしら…まあいいわ、骸骨は倒すわよ!!」

商人「うん!!それっ!!とりゃあー!!」ドカバキッ

賢者「とー!!」ザクッ

――じごくのきしをやっつけた!!

魔法使い「ふう、1体だから楽だったわね。でも、魔王の城に居たような魔物が外を彷徨いているのね…闇の世界、か…」

19: 2015/03/03(火) 08:24:13 ID:noJl92UI
おいついたー

20: 2015/03/03(火) 12:21:07 ID:Ub5d9Vps
>>3が二度もやられるとは...

21: 2015/03/03(火) 17:26:16 ID:pjLAzaZg
魔法使い「さあ、町に着いたわよ」

町人「ここはラダトームの町です」

商人「ラダトーム…変わった名前…」

賢者「まちだまち!!おいしいものあるかな?」

魔法使い「どうでしょうね…まずは町を見て回りましょうか」

商人「そうだね、お店も見て見たいし…あ、賢者ちゃん、どこ行くの!?」

賢者「おじゃましますだぞ!!」バタン!!

商人「ああ、また勝手に民家に上がって…」

魔法使い「でも一応お邪魔しますが言えるようになったのね…とはいえ、ほっとく訳にもいかないわ、行きましょう」

商人「そうだね、お邪魔します…あ、ここ民家じゃなくて教会だ、こんにちは、あの、ここにあたし達の連れの女の子が…」

神父「旅の方ですかな?女の子なら、2階に上がりましたぞ」

魔法使い「ありがとうございます。もう、勝手にドカドカ進んで…失礼します」

商人「階段を上って、ここに賢者ちゃんが…あ、賢者ちゃん、勝手に…賢者ちゃん?」

賢者「お…おやぶん………?」

商人「え?親分って…え、え?」

22: 2015/03/03(火) 17:38:36 ID:pjLAzaZg
大男?「おや、貴方方は…ん、あ、ああ、お前は…!!」

賢者「おやぶん!!おやぶん!!おやぶん!!」ガバッ

商人「カ、カンダタ…さん…?」

魔法使い「驚いたわね…まさかこんなところに…」

カンダタ「お前は…!あのあとシャンパーニの塔に探しに行っても居なかったから、てっきり魔物にやられたと思ってたが…まさか生きてたとは…」

賢者「このふたりにたすけてもらったんだぞ!!」

カンダタ「そうか、貴方方が…それはお世話になりましたね…」

魔法使い「いえ、あんな所に女の子が一人でいたから、放っとけなかっただけよ。貴方の方こそ…まあ、無事で良かった、のかしらね」

カンダタ「いやいや、その節は…しかし悪いことは出来ないもんで、こんな世界に落ちてしまいましたよ。今は真面目にやらせてもらってますがね」

商人「真面目に…って、格好に突っ込んじゃいけないのかな…」ヒソヒソ

魔法使い「どう見ても囚人服よね…」ヒソヒソ

カンダタ「しかし見違えたな。なんだその格好、賢者か?お前がなあ…」

賢者「へへ、おやぶんはあんまりかわらないな!!あいかわらずおいしそうだぞ!!」

カンダタ「おお、お前もうまそうになったな!!」

魔法使い「うまそう…変なこと想像するけど、多分そのまんまの意味でしょうね…盗賊ってこんなのばっかりなのかしら…?」

23: 2015/03/03(火) 17:52:37 ID:pjLAzaZg
商人「ねえねえ魔法使いちゃん、二人は積もる話もありそうだし…」

魔法使い「そうね…じゃあ賢者、私達は町を見て回ってるから。またここで会いましょう」

賢者「おー!!それでなおやぶん、とうからでたあとな…」

商人「ふふ、嬉しそうだね賢者ちゃん!!」

魔法使い「そうね…さて、私達は町に戻りましょう…あ、神父様、お騒がせしました」

神父「いえいえ、久しぶりの再会だったようで…しかしあの方が父親代わりとは…」

商人「あ、あはは、かなりワイルドに育ったみたいです…」

魔法使い「それはそうと神父様、私達この町は初めてなのですが…」

神父「ああ、あの方と同じく上の世界から来たのですな?ならば…ふむ、貴方方はあの方と違って怪しいものでもなさそうだ、ならばお城に行って王様にあいさつするのがよろしいでしょう」

商人「お城に…ここ城下町だったんだ」

魔法使い「そういえば、大きな建物が見えた気がするわね。じゃあ行ってみましょうか。では神父様、失礼します」

商人「失礼します!!…ねえねえ魔法使いちゃん、お城もいいんだけど、あたし…」

魔法使い「はいはい、町のお店を見て回りたいんでしょう?挨拶は私がしてくるから、好きにするといいわ」

商人「やった!!ありがとー魔法使いちゃん!!じゃあまた後で!!」タタタ…

魔法使い「もう、暗いんだから走らないの!全く、いつまで経っても…」

24: 2015/03/03(火) 19:06:36 ID:5hbcUe/o

25: 2015/03/04(水) 17:01:07 ID:qiZq4KOU
――ラダトーム城内

魔法使い「ここがラダトームのお城…少しアリアハンのお城に構造が似てるような気がするわね…」

大男「あんたどこから来たんだ?アリアハン?へえ、そういえばいつか来たオッサンもそこから来たって言ってたな」

魔法使い「アリアハンから…?私達より先にここに…誰かしら…」

大男「誰だったかな…ああ、謁見の間にいるメイドがそのオッサンの世話をしてたはずだぜ、聞いてみたらどうだ?」

魔法使い「ありがとう。謁見の間は…この上ね…失礼して…」

メイド「こんばんは。本日はどのようなご用ですか?」

魔法使い「貴方がメイドさんね。私はアリアハンから来たのだけど…」

メイド「アリアハン!?そ、それは確かオルテガ様の出身と同じ!?」

魔法使い「オルテガ!?オルテガ殿が、ここに居るの!?」

メイド「いえ、今はもう旅立たれてここにはいません。どこでどうしているのか…」

魔法使い「そう…でも確かに、ここにオルテガ殿が来ていたのね?」

メイド「はい、ただオルテガ様は記憶を無くされていて、結局最後までご自分の名前以外思い出せなかったようですが…」

魔法使い「記憶を…やっぱり生氏はともかく、火山の火口に落ちたか、それに近い災難にあったのは事実なのかしらね…」

26: 2015/03/04(水) 17:18:14 ID:qiZq4KOU
大臣「ほう、旅の方かな?どちらからいらしたのかな?」

メイド「あ、大臣さま。この方はオルテガ様と同じアリアハンから来たそうです!」

大臣「なんと、オルテガと!?すると貴方はオルテガ殿を探しに?」

魔法使い「いえ、そういう訳ではないのです。私達の国も大魔王の存在が明らかになりまして…」

大臣「大魔王が…そうであったか…」

魔法使い「私達の国は、元々バラモスという魔王の脅威がありまして、それを倒して喜んだ矢先の出来事だったので…」

大臣「ほう、バラモスを!大魔王直属の手下の一角を崩したと申されるのだな?」

魔法使い「手下…そうですね。あの魔王が手下だったという事実に気が遠くなりそうですが…」

大臣「ああ、気持ちは良く分かる。しかし我々とて手下の一人も倒せていないのが現状。貴方の活躍に少しは希望が見えたきたようだ」

魔法使い「そう言っていただけるのは嬉しいですが…」

大臣「おおそうだ、後で我が王にも話を聞かせてもらえんかね?我が王も大魔王の脅威に頭を悩ませているのだ。手下を一人倒したと聞けば、少しは力が沸くかもしれぬ。貴方はお仲間は?」

魔法使い「ええ、今は城下町にいますが…」

大臣「ならば呼んで来るとよろしかろう。この城には宿泊施設もある、今夜はこの城に泊まっていくといい。これ、部屋の準備を」

メイド「はい!久しぶりに勇者様の御逗留ですね!」

魔法使い「勇者、か…期待されてるわね。それだけこの国の絶望が深いということかもしれないけど…」

27: 2015/03/04(水) 17:47:45 ID:qiZq4KOU
町娘「バラモスを倒したですって?でもバラモスも大魔王の手下の一人に過ぎませんわ」

商人「手下!?で、でもあたし達は今までだってたくさんの事を乗り越えてきたし、大魔王だって…」

町人「そうは言ってもねえ…分かるだろ?大魔王はこんな風にこのアレフガルドを闇に染めてしまう程の力の持ち主だ。例え上の世界を救ってきたと言ってもねえ…」

商人「そんな…あたし達はきっと…」

町人「ああ、今までもそう言って大魔王討伐に旅立った勇者はたくさんいたよ。誰も帰って来ないがね。ましてや、あんたは勇者でもない、商人じゃないか」

商人「それは…!」

魔法使い「…どうしたの商人、何の騒ぎ?」

商人「あ、魔法使いちゃん!あのね、あたし達が上で魔王を倒したって言ったらね…」

魔法使い「バラモス
手下に過ぎない、って言われたのね?」

商人「え!?何で分かるの?」

魔法使い「私も今、お城で同じような事言われたのよ。この世界は私達の世界より大変なのよ、貴方も悔しいだろうけど…」

商人「でも…」

魔法使い「ええ、私達は命懸けで上の世界を救ってきた。それは誇るべき事よ。さあ、そんな事より私達お城に呼ばれてるの。貴方も来てくれる?」

商人「お城に?なんで?」

魔法使い「お城ではまだ大魔王の脅威を理解してない愚か者が必要みたいよ。今夜はお城に泊めてくれるって。さあ、賢者も呼んで行くわよ、お城のディナーが食べられると聞いたら、きっとあの子も喜ぶわ――お城の人達には災難かもしれないけど」

28: 2015/03/04(水) 19:28:45 ID:qiZq4KOU
賢者「このようなせいかつではからだをこわすかもしれない、えいようバランスもかたよるし、ひまんのかのうせいが…」スチャ

カンダタ「あ、ああ…やっぱり賢者ってのはすごいもんだな…」

商人「ええっと…どういう状況か説明してもらっても?」

賢者「おやぶんのしょくせいかつがあまりにもだらしないので、ふしょうわたくしめがいちからしどうをさせていただき…」スチャ

魔法使い「何が不肖私めがよ…」ヒョイ

賢者「おー、ふたりとも戻ったのか?」

魔法使い「ええ、貴方は話は終った?」

賢者「まだおせっきょうがおわってないぞ!!」

カンダタ「いや、そろそろ勘弁してくれ…お願いだから連れていって下さい…」

商人「大変でしたね…あ、賢者ちゃん、これからお城でご飯だって!お腹減ってない?」

賢者「おー!!ごはんごはん!!」キラキラ

魔法使い「じゃあ行きましょうか…貴方は普段はここに居るの?また賢者が会いに来ても大丈夫かしら?」

カンダタ「私ですか?ええ、だいたいここに居ますよ」

賢者「おー!!おやぶん、つぎはごはんおごってもらうぞ!!」

カンダタ「お、お前に飯か…今の生活だと干上がりそうだな…」

31: 2015/03/05(木) 18:15:25 ID:/kKn/rWY
ラダトーム王「…では、上の世界でも魔物達の侵攻が進んでいたと…」

魔法使い「ええ、ジパングとサマンオサ、2つの国が魔王バラモスの配下によって支配されていました。あの2つの国の魔物とバラモスの明確な繋がりまでは分かりませんが、恐らく…」

賢者「うん、 このおにくもなかなか…」ガツガツ

王「しかし、それはそなたらが救ったと。大したものだな…」

賢者「ここのおにくもたいしたものだぞ!!」

魔法使い「しっ。確かに私達はいくつかの町や国を救い、バラモスも退ける事が出来ました。しかし…それ故に、更なる脅威があるという現実が…」

王「…やはり、重たいか?」

賢者「そーだな、このおにくかなかのさじゅうりょうかん…」

魔法使い「正直…ただ、私達は諦めるつもりはありません。頼りになる仲間もいますし…」

商人「は、はい、頑張ります!」

賢者「食べたぶんはがんばるぞ!!」

王「そうか…この国にはもう絶望しかないかと思っていたが…そなたらが諦めないのなら、我々も信じて待つとしよう…話が出来て良かった、感謝する」

魔法使い「いいえ、私達こそ…」

賢者「たくさん食べさせてくれてカンシャだぞ!!あ、あとあれとこれとそれと…」

商人「…本当に感謝してます。あと、ごめんなさい…」

32: 2015/03/05(木) 18:27:12 ID:/kKn/rWY
王「そうそう、オルテガの事だがな…」

商人「え!?オルテガ様!?」

魔法使い「ああ、まだ話してなかったかしら?この世界にオルテガ殿が来ていたらしいのよ」

商人「え?だ、だってオルテガ様って…」

魔法使い「ええ、私達はオルテガ殿はもうなくなっていたと聞いていました。まさかこの世界にたどり着いていたなんて…」

王「そうか、氏んでいたと…あの男はしばらくここに留まった後、大魔王を倒すために旅立ったのだ。その後の行方は知れないが…噂ではリムルダールの町で見たものがいるという」

魔法使い「リムルダール?そこは…」

王「謁見の間でマイラの村の事は聞いたかな?ここから東にある村だが、リムルダールはそこから南に行くとある。マイラに行ったら、リムルダールにも足を伸ばすといい」

魔法使い「分かりました。ありがとうございます…ねえ商人、賢者は?」

商人「え?賢者ちゃんなら、確か…」

賢者「なあなあ、すごいおべんとうつくってもらったぞ!!おーきゅーのあじだ!!」

魔法使い「…重ね重ね御無礼を…」

王「いや、元々この食糧は大魔王打倒を目指す勇者達の為のもの。同じ志を持つ物に食してもらえるならむしろ嬉しいよ…武運を、祈ってるぞ」

魔法使い「…はい、必ず…」

33: 2015/03/05(木) 19:24:16 ID:/kKn/rWY
――147日目

商人「んー、良く寝た…流石王宮のベッドだね、ふっかふか!!」

魔法使い「ん…」

賢者「おきろー!!」バンバンバンバンバン

魔法使い「わ、分かったわよ…もう、乱暴なんだから…」

商人「魔法使いちゃんが起きないのが悪いんでしょ?」

魔法使い「朝は苦手なのよ…しかもこっちは朝か夜か分からないし…」

商人「まあ確かに、爽やかな目覚め!!…とはならないね…」

魔法使い「そうね…でも慣れるしかないわ………さて、今日は…」

商人「あー、魔法使いちゃん、せっかく新しい世界に来て、色々な所に行きたいだろうけど…」

魔法使い「…何?」

商人「あたしね、お金下ろしてきたいなーって…だから、1回アリアハンに戻りたいんだけど…」

魔法使い「お金…?ああ、そういえば貴方は昨日町のお店を見て回ったのよね。良いもの売ってたのね?」

商人「うん、こっちの武器と防具はすごいよ!!あっちにはないような強力なものがズラリ!!…そのくらい強力なモンスターがいるって事なんだろうけど…」

魔法使い「そうね…確かに準備は必要ね…じゃあ1回戻りましょうか。一応、あっちの王様にもこちらの世界の事を報告しとかないとね…」

34: 2015/03/05(木) 21:48:43 ID:wAKOBHWs
おつー

寝る子はそだ...ってる?
まだ伸びるのはこれからだよね、うん
さ、さて今日も穴掘り頑張らなきゃ(責任転換)

38: 2015/03/06(金) 21:57:53 ID:IsTHmNjE
――148日目、アリアハン城内

大臣「…そうか、闇の世界…大魔王とは恐ろしいものだな…」

魔法使い「はい。私達は引き続き、アレフガルドで大魔王打倒の手段を模索します…報告は以上です」

大臣「分かった、ご苦労だったな…王からは、何か?」

王「お前なら…」

魔法使い「はっ?」

王「お前なら、大魔王も…いや、何でもない、気にしなくてもよい…ご苦労、下がってよいぞ…」

魔法使い「………では、失礼します…ふう、重苦しいわね…」

兵士「ああ、大変な事になったみたいだな」

魔法使い「貴方は…ここは謁見の間よ、倉庫番から出世したの?」

兵士「よう、久しぶりだな。まあ、アリアハン近衛隊の名だたる精鋭達が『辞職した』おかげでな…」

魔法使い「辞職…貴方達はそう聞いてるのね」

兵士「大体の事は分かるさ。ただ、口の軽い奴は信頼されないってだけさ」

魔法使い「なるほどね…貴方は意外と耳が早いわね」

兵士「そりゃあ、大臣から色々聞いてるからな」

39: 2015/03/06(金) 22:14:39 ID:IsTHmNjE
魔法使い「大臣から?貴方大臣から信頼されてるのね」

兵士「おいおい、それがきれものの言葉か?何の後ろ楯もない倉庫番が勝手に宝を誰かにくれてやったら普通首だろ?それがこうして近衛兵にまでなったんだぜ?どういう事か分かるだろ?」

魔法使い「そういう事だったの?貴方意外と世渡り上手いのね」

兵士「そりゃまあ、誰かさん程下手くそではないがよ…もしお前が帰ってくれば、俺なんかよりずっと出世出来るはずだが…まだやることがあるんだな?」

魔法使い「ええ、一番大事な仕事がね」

兵士「そうだろうな、今この国にはお前しかいないもんな。しかし、こんな緊急事態にも旅立ちは16才から、なんて言ってる余裕あるのかね…?」

魔法使い「勇者殿の事?それなら緊急事態だからこそ、中途半端なまま出陣するわけにはいかないでしょう?」

兵士「そんなもんかね…」

魔法使い「そういうものよ。じゃあ私は行くわね、またそのうちね」

兵士「ああ、またな…ああそうだ、お前地下牢の囚人の話を聞いたことあるか?バコタの隣に収監されてる奴のよ」

魔法使い「囚人…?その人が何か?」

兵士「どこで聞いたか知らないが、この世界のどこかに竜の女王の住むほこらがある、なんて話を前にしててな。その時は戯言だと思ったが、もしかしたらお前の旅の役に立つかもしれないと思ってな」

魔法使い「竜の…女王?」

兵士「お前達、ばかでかい鳥に乗ってどこにでも行けるんだろ?探してみるのもいいかと思ってな」

魔法使い「そう…気になるわね。ありがとう、考えてみるわ」

40: 2015/03/06(金) 22:23:07 ID:IsTHmNjE
――ルイーダの酒場

商人「よし、お金は下ろしたし…」

魔法使い「商人、用事は済んだ?」

商人「あ、魔法使いちゃん。今お金下ろしたとこだよ。お金さ、40000ゴールドくらいあればいいかな?」

魔法使い「貴方が良ければいいわ。で、賢者は?」

商人「ああ、賢者ちゃんなら、ほら…」

賢者「うんうん、ルイーダねえさんのごはんはおいしいな!!お、まほーつかい、しごとおわりか?」

魔法使い「ええ、終ったわよ。ねえ賢者、確か貴方ラダトームでお弁当もらってたわよね?」

賢者「あれは食べたぞ!!食べたらまた食べなきゃいけないんだぞ!!」

魔法使い「聞いた私がバカだったわね…」

商人「ねえ魔法使いちゃん、あとはもうアレフガルドに戻るの?」

魔法使い「それなんだけど…お城で気になる話を聞いてね。この世界のどこかに、竜の女王の住むほこらがある、という事らしいんだけど…」

商人「竜の女王が?へー、まだあたし達が行ってない所だね!いいじゃん、そこ行ってみようよ、賢者ちゃんも良いでしょ?」

賢者「おー!!りゅうのじょおう食べにいくぞ!!」

魔法使い「女王は食べるものじゃないわよ…」

41: 2015/03/07(土) 22:02:43 ID:VchDQeV.
――アリアハン郊外

魔法使い「さ、二人ともラーミアに乗って。竜の女王のほこらを探しに行くわよ」

商人「ねえ魔法使いちゃん、その前にさ、まずはギアガの大穴に行かない?」

魔法使い「大穴に?あそこに何かあるの?」

商人「あ、魔法使いちゃんは知らなかったよね、ギアガの大穴でさ、見張りの人が言ってたでしょ?相棒が穴に落ちちゃったって。のあ相棒の人、ラダトームにいたんだよ?」

魔法使い「え、そうなの?」

賢者「となりのへやでねてたんだぞ!!」

商人「まあ起きてすぐあの部屋から出た魔法使いちゃんは知らなかっただろうけど。あたし達は早起きしたからいろいろ見て回ったもんねー」

賢者「ねー」

魔法使い「むっ…不覚だったわね…それで、その人は?生きてたのね?」

商人「生きてたけど、大ケガしてたよ。しばらくは安静にしてないといけないみたい」

賢者「なんじゃくものだな!!けんじゃたちはへーきだったぞ!!」

魔法使い「まああの人は突然落ちたでしょうから、覚悟を決めて飛び下りた私達とは違うでしょうね。でもそういう事ならまずはギアガの大穴に行きましょう。相棒の人を見つけたら報告するって約束してたからね…」

42: 2015/03/07(土) 22:11:37 ID:VchDQeV.
――夜、ギアガの大穴

賢者「アリアハンからひとっとびだな!!」

商人そうだね…うう、夜に来ると一層怖いね。下に吸い込まれそう…」

魔法使い「別に吸い込まれても良いでしょ、1度落ちてるんだから。さて、下りて…」

賢者「お、みはりがいたぞ!!おーい!!」

見張り「あ、あんた達は!?穴から出てこれたのか!?」

商人「はい、魔法を使えば戻れますよ!!あ、下に相棒の人、居ましたよ!!」

見張り「な…それは本当か!?あいつは無事だったのか!?」

賢者「ケガしてるけどいきてるぞ!!」

見張り「そ、そうか…生きてるなら良かった…」

商人「ただ、大ケガなんですぐには戻れません。しばらく休んでから…」

見張り「そうか、いや、生きててくれたらそれでいい。あんた達、ありがとう、本当にありがとうな」

商人「いえいえ、当然の事をしたまでです!!相棒さんに気付いてなかった人もいたけど!!」

賢者「いたけど!!」キャッキャッ

魔法使い「ぐっ…二人揃ってここぞとばかりに…」

43: 2015/03/07(土) 22:20:19 ID:VchDQeV.
魔法使い「さて、報告も終わったし、いよいよ竜の女王のほこら探しだけど…どこに行けばいいかしらね…?」

商人「うーん、あたしのカンだと北かな。あとあたし達が行ったことない所って、ラーミアでしか行けない陸の高台とかだよね?なら、おっきな大陸がある所じゃないかな?」

魔法使い「なるほど、鋭いわね」

商人「へっへー、あたし町作りしてた時地図をたくさん見たからね、交易のために!!」

魔法使い「そうね、私達も貴方に地図を見せてもらいに行ったりしたわね。賢者はどう?」

賢者「けんじゃもきたでいいとおもうぞ!!」

魔法使い「なら決まりね。北に行ってみましょう。二人とも準備はいいわね?」

商人「うん!!じゃあラーミアちゃん、お願いね!!」

賢者「りゅうのじょおうのまるやきだー!!」

魔法使い「だから食べ物じゃないからね…」

44: 2015/03/07(土) 22:30:29 ID:VchDQeV.
賢者「おー、あっというまにさばくをすぎたな!!」

商人「うん、海が見えてきたよ!で、海を越えたら…」

魔法使い「ロマリアね。この調子ならすぐカザーブに…」

賢者「お、たいようがみえてきたぞ!!」

商人「ホントだ、夜が明けたね!!」

――149日目

魔法使い「…カザーブも見えてきたわね。このまま行ったらノアニールがあるだけか…じゃあ東に行ってみる?」

商人「そだね、西は海だし。じゃあラーミアちゃん、東に曲がって…あ、魔法使いちゃん、あそこ!!」

魔法使い「あれは…見たことないお城があるけど…」

賢者「あそこにりゅうのじょおうがいるのか?」

魔法使い「どうでしょうね、私はほこらと聞いてたけど…どちらにせよ、行ってみるしかないわね」

商人「こっちの世界にもまだ来てない所あったんだね!世界は広いなあ…」

魔法使い「流石にここが最後の未踏の地だと思うけど…さあ、もう着くわ、二人とも準備してね。さて、何が出るか…」

46: 2015/03/08(日) 17:19:47 ID:i9ITUAL2
――竜の女王の城

商人「うわあ…すっごい立派なお城…」

魔法使い「そう…ね。それに…なんだか言い知れない力を感じるわ…」

賢者「すっごくひろいな!!お、うまだ、うまそうだな!!」

魔法使い「こら、すぐ食べようと…」

馬「ここは、天界に最も近い竜の女王のお城です」

魔法使い「!?」

商人「しゃ、喋った!?」

賢者「おおー、スーにいたうまみたいだな!!」

商人「驚いた…天高く馬肥ゆる城、だね」

魔法使い「なにそれ…」

賢者「おー、こえたうまはおいしそうだな!!」

魔法使い「ああもう、何がなんだか…神秘的な雰囲気台無しね…」

47: 2015/03/08(日) 17:31:25 ID:i9ITUAL2
商人「うーん、でもここ、広いわりには人居ないね…」

魔法使い「そうね…がらんとしてて寂しいわね…」

賢者「へやにはいればだれかいるかもしれないぞ!!おーい!!」バタン

魔法使い「もう、あの子がいると騒がしいわね…」

商人「ホントだね…賢者ちゃん、待って…あ、誰かいるよ!」

ホビット「おお、こんな所に、こんな時にお客さんとは…」

魔法使い「貴方は…ホビットね。私達…」

ホビット「ああ、大魔王と戦おうという人間達だね。女王様が待っているよ」

商人「え!?分かるんですか!?」

ホビット「ああ…しかし、女王様はご病気で、余命いくばくもないお身体。本当なら静かにしていたいのだが…」

魔法使い「病気…」

ホビット「ああ、ご病気なのだが、亡くなられる前に卵を産まれるらしい。命と引き替えに、な…」

賢者「おおー、たまごや…むぐぐ」

魔法使い「静かに…そう…そのような時に私達が会っては…」

ホビット「いや、だからこそ会わなければいけないよ。今会わなければ、女王様と話す機会が失われてしまう。さあ、行ってきなさい。女王様はこの奥だよ…」

48: 2015/03/08(日) 19:02:02 ID:bvsnmJmM
賢者「このへやだな?おーい、じょおうさまいるかー?」バタン

商人「ああもう…し、失礼しま…あ、ああ、ドラゴン…!」

竜「貴方達が…待ってました」

魔法使い「竜の…女王様ですね?」

竜の女王「はい、私が竜の女王、神の代理…貴方達は、今魔王を倒すために旅をしている、間違いないですね?」

賢者「おー、食べてやるぞ!!」

竜の女王「貴方達の意志が本物なら…このひかりのたまを授けましょう」

魔法使い「ひかりのたま…これは…?」

竜の女王「貴方達が見事魔王を倒せるように祈っています………」

商人「………女王様?」

ホビット「…ま、まさかと思って来てみたが…女王様…!御いたわしや…」

魔法使い「女王様…あ、女王様の後ろに、これは…!」

賢者「おおー、たまごだな!!」

ホビット「こ、これは……この卵は、我々が大切に育てます。必ず、必ず…」

49: 2015/03/08(日) 19:12:27 ID:bvsnmJmM
魔法使い「大変な事に立ち会ってしまったわね…」

商人「ホントだね…竜の女王様の最期…」

賢者「なあなあ、なにもらったんだ?」

魔法使い「これよ、女王様はひかりのたまと呼んでいたわね。商人、見てもらえる?」

商人「うん…これは、スゴいものだね…ものすごい力を感じるよ…でも、どうやって使うものなのかは…」

魔法使い「そう…でも、女王様の話から考えれば、これが大魔王との戦いに必要なものだということは分かったわ。それに、私達はまだアレフガルドのほどんどを知らないわ。あの世界を冒険しているうちに、この珠の事が分かるかも…」

商人「そうだね、これからだね…」

魔法使い「いずれにせよ、これは私達にとっては女王様のご遺志よ。大魔王を討ち取って、その思いに応えないとね」

商人「うん!やってやるよ、このひかりのたまと…」

賢者「このおいしそうなりゅうのたまごがあれば!!」

商人「そう、この2つが…って賢者ちゃん!?何持ってきてるの!?」

魔法使い「ダメでしょう、持ち出しちゃ!返して…」

賢者「やだやだ!!ルーラ!!」パラララ!

商人「ちょっ、賢者ちゃ――」

ギュイーンギュイーン…

54: 2015/03/09(月) 16:36:18 ID:HMO7pKuo
――150日目、ラダトーム

魔法使い「もう、どうするのよ、ここまで卵持ってきちゃって!」

賢者「あとはドラゴンがいるぞ!!ドラゴンのおやこどんつくるぞ!!」

商人「ド、ドラゴンの親子丼…あのね賢者ちゃん、それは大事な…」

賢者「だいじよりもおいしいだぞ!!」

商人「ああもう…どうしよう魔法使いちゃん?」

魔法使い「仕方ないわね…ねえ賢者、確かに親子丼は美味しそうだけど、それをちゃんと育ててドラゴンにした方がお肉がたくさん食べられるわよ」

賢者「おにくがたくん!?…んー、でもおやこどんも食べたい…」

魔法使い「ほら、竜の女王様、今まで見てきたどのドラゴンよりも大きかったでしょう?だからお肉がたくさん、たくさんよ?」

商人「そ、そうだよ、絶対その方が良いって!!」

賢者「うーん…」

魔法使い「それに、今まで旅をしてきて、いろんな物を見てきたわよね?だからきっと、そのうちドラゴンの卵も見つかるわよ、ね?」

賢者「うーん…じゃあそうするぞ!!おおきくしてから食べるぞ!!」

魔法使い「ええ、それがいいと思うわ…ふう、当面の危機は回避ね…」

55: 2015/03/09(月) 16:45:57 ID:HMO7pKuo
商人「でも大きくなったらまた食べるって言い出すんじゃない?その時はどうするの?」

魔法使い「それは…その時までにドラゴンに情がわいてくる事を願うしかないわね…」

商人「ええー…大丈夫なの?情よりも食欲だよ、賢者ちゃんは?」

魔法使い「いえ、私には勝算があるのよ。だって、現に私達は食べられずにいるでしょう?」

商人「あー、なるほど…あたしはよく歯形付けられてるけど…」

魔法使い「という訳だから…ねえ賢者、その卵に名前をつけない?きっとその方が美味しくなるわよ」

商人「なるほど、名前をつければ情が沸きやすくなるね!」

賢者「おいしく!?ならつけるぞ!!えーとえーと…なあなあ、りゅうのじょおうってじょおうだったんだよな?ならこのたまごもえらくなるのか?」

魔法使い「え?うーん、まあそうなんじゃないかしら?」

賢者「じゃあおーさまになるんだな!!なら…りゅーおーにするぞ!!」

商人「竜王…いいんじゃないかな、ね、魔法使いちゃん?」

魔法使い「ええ、強そうだし…」

賢者「よーし、じゃありゅーおーにけってー!!おいしくなるんだぞ!!」

商人「うーん、ホントに食べないでくれるかな…?」

56: 2015/03/09(月) 16:58:30 ID:HMO7pKuo
賢者「よーし、じゃありゅーおーをおやぶんにあずけてくるぞ!!」タタタ…

商人「カンダタさんに…大丈夫かなあ…?」

魔法使い「うーん…でも私達が持ち歩く訳にもいかないし、他に置くところもないしね…」

商人「そっか、そだね…さてと!卵騒動も一段落したし、あたしお買い物したい!!」

魔法使い「ええ、そもそもそれが目的で上に戻ったんだしね。じゃあ行きましょう。武器防具屋は…ここね」

武器防具屋「お、いらっしゃい!!」

商人「さーて、何を買おうかな…やっぱりこの兜かなあ?」

魔法使い「ミスリルヘルム…いいんじゃないかしら。お金はあるんでしょう?貴方と賢者の二人分買ったら?」

商人「魔法使いちゃんは?これ、魔法使いちゃんでも装備出来るよ!」

魔法使い「確かに防御力は魅力だけど…私にはこのふしぎなぼうしがあるし…」

商人「あー、魔法使いちゃんはそっちのがいいかあ…じゃあおじさん、その兜2つ下さい!!」

武器防具屋「はいよ、毎度あり!!」

魔法使い「さて、とりあえず装備も調えたし、いよいよこの世界の探索ね。何が待ってるのか…」

59: 2015/03/10(火) 17:17:17 ID:f0hcRUuk
商人「じゃあまずはどこ行こっか?お城で言われた通り船でマイラの村を目指してみる?」

魔法使い「それもいいけど、まずはこの町の周りを確認したいわね」

商人「なら、歩いて東に行ってみるのはどう?もしかしたら、船で行くより早くマイラの村に着くかもよ?」

魔法使い「なるほど、いいかもね。賢者はどうしたい?」

賢者「けんじゃはさかなでもけものでもいいぞ!!」

商人「食べ物基準なんだね…じゃあまずは歩いて東に行ってみよー!!」

賢者「おー!!」

魔法使い「この新しい土地を進む感じ、久しぶりね。なんだかわくわくするわね」

商人「魔法使いちゃんも?あたしもだよ、何が待って…あ!!」

賢者「どーしたんだ!?」

商人「…行き止まりだ」

魔法使い「もう!?」

60: 2015/03/10(火) 17:27:49 ID:f0hcRUuk
魔法使い「真東は通れないか…なら北の岩山を西から迂回して、それから東に向かいましょう」

商人「そ、そだね。ぐるっと回って…」

賢者「…おー、ひろいとこにでたぞ!!」

魔法使い「これで先に進めるわね。今の所魔物もそこまで強いのは――」

うごくせきぞうがあらわれた!!サラマンダーがあらわれた!!

商人「うわ、ドラゴンだよ!!」

賢者「おー!!おいしそうだぞ!!」キラキラ

魔法使い「美味しいのはまず倒してからよ!まずはねむりのつえで…」

うごくせきぞうをねむらせた!!

商人「よーし、ならあたし達はドラゴンを倒すよ!!それっ!!」ドカッ

賢者「にく!!にく!!おにくー!!」ザクザク

サラマンダーをたおした!!

魔法使い「見た目ほど体力なかったわね。さあ、あとは石像に集中攻撃よ!!それっ」ザクッ

商人「ていっ!!たあー!!」ドカバキッ

――まもののむれをやっつけた!!

61: 2015/03/10(火) 17:37:50 ID:f0hcRUuk
賢者「んー、ドラゴンにく、おいしかったぞ!!」

商人「あっという間に捌いたね、賢者ちゃん…平和になったらお肉屋さん出来るかもよ?」

賢者「おにくはうるより食べたほうがいいぞ!!」

商人「ああ、うん…」

魔法使い「さて、ドラゴンには少し驚いたけど、少なくともただ外を歩いている分にはそこまで強い魔物もいないようね」

賢者「けんじゃたちがつよすぎるんだな!!」

商人「そうなのかなあ…?それに、地上はともかく、海とか洞窟はもっと強いかも…」

魔法使い「まあそうでしょうね。そこまで強い魔物も…とは言っても、上の世界の魔王城くらいの魔物はゴロゴロしてるわけだし」

商人「そうだね、そう考えるとちょっと怖いかも…」

賢者「まおーのしろよりいいぞ!!まおーのしろのドラゴンよりこっちのドラゴンのほうがおいしかったぞ!!」

魔法使い「よほどさっきのドラゴンが美味しかったのね。さて、それはともかく、私達はこれから…」

商人「うん、また引き返さないとね…」

賢者「うみですすめないぞ!!」

魔法使い「まあ、わざわざ船で…と話してた以上はこういうこだになるわよね…」

62: 2015/03/10(火) 19:15:36 ID:I87B3lZE
商人「どうしよう?北の海沿いに今度は西に行ってみる?」

魔法使い「そうね、ただ戻るのもつまらないし、まだまだ余力もあるし…」

賢者「まだまだあるけるぞ!!」

商人「じゃあそうしよっか?まずは、来た道を戻って…」

魔法使い「それから海沿いに…あれは…」

マドハンドがあらわれた!!マドハンドはいきなりおそいかかってきた!!マドハンドはなかまをよんだ!!マドハンドがあらわれた!!マドハンドはなかまをよんだ!!
だいまじんがあらわれた!!

商人「っと、魔法使いちゃん賢者ちゃん、モンスターだよ!!」

賢者「あのてのモンスターはおいしくなかったぞ…」

魔法使い「手の魔物は大したことなかったけど…あの大きな魔物は…」

商人「まだ会ったことないやつだよね…じゃあまずはこっちから!!それっ!!」ドカッ

魔法使い「私は他の魔物ごと攻撃するわ、ヒャダイン!!」ゴオオオ…

マドハンドをたおした!!マドハンドをたおした!!マドハンドをたおした!!

魔法使い「大きな奴には効かなかったわ!気を付けて!」

だいまじんのこうげき!!

賢者「ふぎゃあ!?いたい…」

63: 2015/03/10(火) 19:25:08 ID:I87B3lZE
商人「け、賢者ちゃん大丈夫!?あの大きなモンスター、すごい攻撃力だよ…」

魔法使い「危険な魔物ね。でも残りはこの1体だけ、早く片付けましょう!!」

商人「う、うん!!そりゃあー!!」バキヤッ

賢者「やったなー!!この!!この!!このー!!」ザクザクッ

魔法使い「冷気の呪文が効かないなら…メラミ!!」ゴオッ

だいまじんをやっつけた!!

商人「ふうー、強敵だったね…」

賢者「うー、こいつもかたくて食べれないぞ…」

魔法使い「それは食べない方がいいとおもうわ…あ、二人とも、あっちを見てみて」

商人「あっち…?あ、洞窟がある!!そういえばラダトームの町で、北に洞窟があるって聞いたような…」

魔法使い「これがその洞窟かもね。どうする?せっかくだから入ってみる?」

賢者「おいしいものがあるかもしれないぞ!!いくぞ!!」

商人「うーん、ちょっと怖いけど、でもやっぱり行ってみたいな…」

魔法使い「なら入りましょう。危険かも知れないけど…それも行かなければ分からないしね」

商人「そだねー…今までなら引き返すって言いそうなのに…やっぱり魔法使いちゃん、いのちしらずになった影響が…?」

65: 2015/03/11(水) 16:53:59 ID:vdpWoB46
――ラダトーム北の洞窟

賢者「お?あんまりくらくないぞ?」

魔法使い「そんな事はないでしょ。きっと外もいつも暗いから、目が慣れてるだけね」

商人「なるほど…でもこの洞窟、なんか…変じゃない?」

魔法使い「貴方もそう思う?入った瞬間から、少し違和感があるわね。賢者、とりあえずフローミを唱えてくれる?」

賢者「おー!!えーと…ここどーこだ?フローミ!!」パラララ!

しかしじゃもんはかきけされた!!

賢者「あれ?あれ?なんでだ?」

商人「ま、魔法使いちゃん、これって…!」

魔法使い「ええ、ピラミッドの地下と同じ、呪文が使えない洞窟 のようね…」

商人「ど、どうしよう?今回は引き返して…」

魔法使い「ねえ商人、今やくそうはいくつあるの?」

商人「え、やくそう?えっと…26個あるけど…まさか…」

魔法使い「それだけあれば大丈夫でしょう。さあ、行くわよ!」

商人「え、ええー!?魔法使いちゃん、ホントにいのちしらずになっちゃった…大丈夫かなあ…」

66: 2015/03/11(水) 17:02:12 ID:vdpWoB46
魔法使い「…どうやら、そんなに複雑な構造ではないようね…」

商人「そだね、あとはモンスターの強さだけど…あ!!」

トロルキングがあらわれた!!サラマンダーがあらわれた!!

賢者「あ、あのおいしいドラゴン!!そっちのでっかいのもおいしそうだぞ!!」キャッキャッ

商人「…と、賢者ちゃんは喜んでるけど…」

魔法使い「ええ、明らかに厄介そうだわ…まず貴方達はドラゴンを倒して!私は…ねむりのつえで!!」ポワーン

トロルキングをねむらせた!!トロルキングはねむらなかった!!

商人「1体寝なかった!?でもまずはこっち…それっ!!」ドカッ

賢者「たあー!!」ザクッ

サラマンダーをたおした!!

トロルキングはバシルーラをとなえた!!

商人「え!?きゃっ…!」

しかしじゃもんはかきけされた!!

商人「………」

魔法使い「呪文を使うのは驚いたけど、あまり頭は良くなさそうね…さあ、一気に倒すわよ!!」

67: 2015/03/11(水) 17:14:51 ID:vdpWoB46
賢者「それ、とどめだー!!」ザクッ

――まもののむれをやっつけた!!

商人「ふう…呪文が使えない洞窟で、初めて遭うモンスターだからどうなるかと思ったけど…」

魔法使い「何とかなりそうね。それにしても魔王との戦いの時といい、このねむりのつえは良いものね…」

商人「買っておいて良かったね!!さすがあたし!!」ドヤッ

魔法使い「はいはい。それで賢者は…」

賢者「よし、これでドラゴンはかいたいおわりだ!!つぎはこっちを…」

商人「相変わらず手早い…」

魔法使い「ほら賢者、あまり時間を使わないでね。お肉ならこれからも手に入るでしょうし…」

賢者「もうちょっとだけ…よし、かいたいおわり!!」

商人「はやっ!!でもお料理は後でね?」

賢者「むー…すこしおなかへったけど…」

魔法使い「少しなら我慢して。洞窟から出たら…二人とも、また魔物よ!!」

サラマンダーがあらわれた!!

商人「ド、ドラゴンが3体!?」

68: 2015/03/11(水) 17:23:04 ID:vdpWoB46
賢者「おお、またおにく!!」キラキラ

魔法使い「まずは倒してからよ!ねむりのつえで…」ポワーン

サラマンダーをねむらせた!!サラマンダーはねむらなかった!!サラマンダーはねむらなかった!!

魔法使い「効き目が薄いわ、気を付けて!」

商人「おっけー!!まずは1体ずつ、寝てない奴から…とうっ!!」ドカッ

賢者「おにくだ、たあー!!」ザクッ

サラマンダーをたおした!!

商人「よし、まずは1体…」

サラマンダーははげしいほのおをはいた!!

魔法使い「な…いけない…!」

賢者「わー、あつい、あついぞ!!」

商人「こ、これ、まるで魔王が吐いた炎みたいだよ…!二人とも、大丈夫!?」

魔法使い「とりあえず…氏んではいないわ…でも長引くと危険だわ、速やかに倒しましょう!」

商人「うん!!それっ!!このっ!!」ドカバキッ

賢者「やきにくになるのはそっちだぞ!!とりゃあー!!」ザクザクッ

69: 2015/03/11(水) 17:30:14 ID:vdpWoB46
――サラマンダーをやっつけた!!

魔法使い「っつう…ドラゴン3体が相手となると、被害が大きくなるわね…いえ、誰も氏ななかっただけ上出来と見るべき…?」

商人「ま、魔法使いちゃん、ひどい火傷!!待ってて、やくそうで…」

魔法使い「ありがとう。貴方達もちゃんと回復しといてね。でも、貴方のあなほりのおかげでやくそうに余裕があるわ。助かるわね…」

商人「へっへー、あなほり名人だからね!!まあ、この洞窟じゃ穴も掘れないけどさ…」

賢者「よーし、やきにくだー!!」ジュウウウ…

商人「ええ!?お料理始めちゃうの!?」

魔法使い「いえ、やくそうを使う間、少し休みましょう。賢者、ちょっとでいいから私達にも食べさせてね?」

賢者「おー、いいぞ!!このドラゴン、すごくおいしいんだぞ!!おやこどんにはこのおにくだな!!りゅーおー、はやくおおきくならないかなー?」ワクワク

商人「そ、それは…ホントに情がわいてくるのかなあ?」

魔法使い「ええ、きっと、たぶん、ね…」

70: 2015/03/11(水) 18:11:39 ID:DrZS7I4c
――地下2階

商人「ううー、ここのモンスター、強いね…」

魔法使い「そうね、あのドラゴンの他にも、やまたのおろちに似た魔物もいたし…」

賢者「あれもおいしかったぞ!!」

商人「あたしはまだ満腹にならない賢者ちゃんの方が怖くなってきたけどね…やっぱり、魔法が使えないと大変だね。回復もだけど、攻撃魔法も使えないから…」

魔法使い「結果的に長引いて消耗してしまうわね。相手の呪文が飛んでこないのはありがたいけど…」

商人「ああ、さっき出てきた悪魔っぽいモンスターは大変そうだったね。魔法が得意そうなモンスターなのに、なんでこんなとこにいるんだろ?」

賢者「おいしいおにくをさがしにきたんだぞ!!」

魔法使い「そうかしら…?いずれにしろ、私やあの悪魔にとっては、最悪の洞窟だって事には違いないわね…あら」

賢者「おー、下りるかいだんだぞ!!」

商人「次が地下3階だよね?そろそろ何かあるかな?」

魔法使い「どうかしら…まあ、行ってみれば分かるわね。二人とも、気を引き締めてね」

賢者「おー!!どんなおにくでも食べてやるぞー!!」

商人「それ、気を引き締めてるの?」

71: 2015/03/11(水) 19:25:40 ID:Qwc2sXz6
――地下3階

商人「あ、扉がある…けど…」

魔法使い「扉の両脇が崩れてるからもう扉の意味がないわね…」

賢者「おー、たからばこがあるぞ!!」タタタ…

魔法使い「待って、すぐに開けないで!…って言いたい所だけど…」

商人「インパスも使えないよね…ただ開けるしかないかあ…」

賢者「あけるぞー!!それっ!!それっ!!」

なんと960ゴールドをてにいれた!!1016ゴールドをてにいれた!!

商人「お金かあ…ありがたいけど…」

魔法使い「まだ宝箱はあるわ。賢者、それも開けてみて」

賢者「おー!!」パカッ

なんと たからばこはミミックだった!!

賢者「おお!?はこがけんじゃを食べようとしてるぞ!?」

商人「わわ、こ、これが宝箱のモンスター!?」

ミミックはザラキをとなえた!!

72: 2015/03/11(水) 19:37:43 ID:Qwc2sXz6
商人「ひっ!?………あ…」

しかしじゃもんはかきけされた!!

商人「またこのパターン…いや、いいんだけどさ…」

魔法使い「ほら、気を抜かないの!早く片付けましょう!」ザクッ

賢者「それーっ!!」ザンッ

ミミックをやっつけた!!

商人「ふー、ドキッとしたよ…」

魔法使い「氏の呪文を使うなんてね…恐ろしい魔物だけれど、この洞窟で良かった、という所かしらね…」

賢者「これは食べれないぞ…あ、こっち、ふかいあながあるぞ!!」

商人「うわ、ホントだ…あ、そういえばラダトームの町で、この洞窟には大魔王がこの世界に現れた時に出来た深い穴があるって聞いたけど…」

魔法使い「それがこの穴みたいね。それにしても深いわね…あら、穴の向こうに…」

賢者「おー、まだたからばこがあるぞ!!」

商人「賢者ちゃん、穴に落ちないようにね。その宝箱だけ離して置いてあるって事は、ちょっと期待しちゃうな…」

73: 2015/03/11(水) 19:46:42 ID:Qwc2sXz6
魔法使い「この苦難の道のりに相応しいものがあるといいけど…賢者、どう?」

賢者「いまあけるぞ!!それっ!!」パカッ

なんと ゆうしゃのたてをてにいれた!!

賢者「おー、たてだぞ!!」

商人「ちょっ、賢者ちゃん見せて見せて!!…こ、これはすごくいい盾だよ…!」

魔法使い「そうね、見るからに普通ではないみたいね」

商人「あたし達に装備できないのは残念だけど…これ、きっとラダトームのお城から大魔王が盗んだっていうお宝の1つだよ!」

賢者「おお、なんだかすごそうだな!!おいしいものじゃなかったけど…」

魔法使い「大魔王と共に生まれた深い穴の脇にあった強力な盾…良いものを見つけたわね。呪文が使えない中進んできた甲斐があったかもね」

商人「ホントだね!!さあ、お宝も手に入ったし、あとは…」

賢者「このあなにとびこむんだな?それー!!」ピューン

商人「え、ちょっ、賢者ちゃん!?」

魔法使い「なんでこんな穴に飛び込もうと思うのよ!仕方ないわね、私達も…え!?」

ガガガガガガガガ…

商人「うわ、ゆ、揺れて…って、賢者ちゃん!?賢者ちゃんが穴から飛び出して!?」

74: 2015/03/11(水) 19:52:05 ID:Qwc2sXz6
賢者「うわー!!すごいぞー!!」ピューン…ドサッ

魔法使い「だ、大丈夫なの!?」

賢者「すごいすごい!!びゅーんってとんだら、ゴーってなって、またびゅーんって…」

商人「ぶ、無事かあ…良かったけど…不思議な穴…」

魔法使い「本当、何なのかしらね、この穴…まあ、大魔王と関係がある穴なら、あまり関わるのは良くないかもね…」

賢者「でもおもしろいぞ!!」キャッキャッ

商人「面白いのは多分賢者ちゃんだけだよ…」

魔法使い「そうね、それに私達にはまだ帰り道が待ってる訳だし、危険は冒せないわ」

商人「あー、リレミトも使えないんだね…」

賢者「かえりもあるきか?またおにく食べほーだいだな!!」

魔法使い「そうね、私達が魔物のお肉にならなければ、だけどね…」

商人「ここのモンスター強いもんね。帰りがちょっと憂うつ…」

76: 2015/03/12(木) 17:38:36 ID:uA3sOYtM
サラマンダーがあらわれた!!トロルキングがあらわれた!!

商人「あ、またあのドラゴン…」

サラマンダーははげしいほのおをはいた!!

賢者「わー、やきにくになっちゃうぞ!!」

魔法使い「やっぱりこのドラゴンはきついわね…早めに決めるわよ!!」ポワーン

トロルキングをねむらせた!!

商人「よーし、ドラゴン、覚悟ー!!」ドカッ

賢者「きょうはおにくたくさんだー!!」ザクッ

サラマンダーをたおした!!

魔法使い「よし、残りも片付けるわよ!!」ザクッ

商人「それそれー!!」ドカバキッ

――まもののむれをやっつけた!!

商人「ふー、ドラゴンのブレスはキツいね…やくそうの残りが10個切ったよ…」

魔法使い「でもなんとか持ちそうね。もう少しで外に出られるはずよ。それに、これ以上呪文が使えない場所にいるのは気が滅入ってしまうわ…」

商人「そだね、あたしも早くあなほりしたいよ。でも、もうちょっと…」

77: 2015/03/12(木) 18:57:17 ID:QeTYr5Ew
――地下1階

魔法使い「よし、あと少しよ…」

賢者「あとちょっとでやきにく…あ、だれかいるぞ!!」

アークマージがあらわれた!!

魔法使い「な…!あの人、すごい魔力を感じるわ…!」

商人「う、うん…きっとすごい魔法を使うんだろうね………でも」

魔法使い「ええ、この洞窟じゃ呪文は使えないわね…」

賢者「たあー」ザクッ

――アークマージをやっつけた!!

魔法使い「修行か何かで来てたのかしらね…?」

商人「意外と大魔王に左遷されたんだったりして」

魔法使い「うーん、そんな事あるのかしらね…?」

78: 2015/03/12(木) 19:06:26 ID:QeTYr5Ew
――151日目、洞窟入口

商人「やっと戻れた…んー、まぶしー!!…ってならないのがちょっと残念だけどね…」

魔法使い「外も暗いからね…」

商人「うーん、それにしても大変な洞窟だったね」

魔法使いレベル42「そうね、でもだからこそレベルは上がったけどね」

賢者レベル34「けんじゃもあがったぞ!!」

商人レベル36「あたしなんか2つも上がったもんね!!」ドヤッ

賢者「むー…けんじゃもはやくレベルあげてとーぞくにもどりたいぞ…」

商人「やっぱり盗賊がいいんだ…」

魔法使い「そういえば前にもそんな事言ってたわね。貴方が商人に戻ったのと同じでしょう?」

商人「あー、そうだね…それにしても、あたしもうヘトヘト…早く町に戻りたいよ」

賢者「えー?今すぐやきにくだぞ!!」

商人「ええー!?でもまあいっか、お腹も減ったもんね」

魔法使い「そうね、じゃあドラゴン肉をいただこうかしら?」

賢者「おー!!おいしくやいてやるぞ!!」

79: 2015/03/12(木) 19:15:03 ID:QeTYr5Ew
――152日目、ラダトーム城下町

賢者「まちについたぞ!!おやぶんとりゅーおーのところにいくぞ!!」タタタ…

商人「うーん、元気だね賢者ちゃんは。やっぱりカンダタさんが恋しいのかなあ?」

魔法使い「歳からすれば当然なんだけどね。まあ、卵がおいしそうだからかもしれないけどね…」

商人「ああ…さ、さあ、あたしはお買い物しよっかなー!またこの前のお店に…こんにちはー!!」

武器防具屋「お、お嬢ちゃん、毎度!!」

商人「どれがいいかなー?あ、この盾、賢者ちゃんにいいかもね」

魔法使い「みかがみのたて、ね。今装備してるふうじんのたてよりいいものなの?」

商人「うん、それにお値段もお手ごろだし!じゃあおじさん、これ下さい!!」

武器防具屋「へい毎度!!」

魔法使い「これで、レベルアップと合わせてまた私達は強くなれたわね。でも、どのくらい強くなれば大魔王を倒せるのかしら…?」

80: 2015/03/13(金) 23:11:22 ID:oOGTRIuY
――153日目

商人「魔法使いちゃんおはよー!!朝だよ、早く起…あれ?いない…」

賢者「まほーつかいならもうでかけたぞ」モグモグ

商人「え、もう?珍しいね、寝坊助の魔法使いちゃんが。で、賢者ちゃんはもうご飯食べてるんだね…」

魔法使い「ただいま…あら、商人起きてたの?」

商人「あ、お帰り。どこ行ってたの?」

魔法使い「ああ、この町にね、呪いを解く勉強をしてるって子供がいたから、少しね」

商人「へえ、解呪の魔法を教えてるの?」

魔法使い「教える、と言っても、あれは結構高度な呪文だから…まあ、ちょっとした説明ね」

商人「ふーん…親切だね魔法使いちゃんは」

魔法使い「そんなんじゃないわよ。ただ、私も魔法使いとして何かを残したいからね…いつどうなるかも分からない旅だし…」

商人「どうもこうも、最後まで無事に旅して帰って来るんだよ、3人とも!!」

魔法使い「ええ、もちろんそのつもりよ。さあ、今日は昨日の探索の続きよ。あの洞窟のさらに西に行ってみるわよ、しっかり準備してね」

81: 2015/03/13(金) 23:21:00 ID:oOGTRIuY
商人「…やっと昨日の洞窟に着いたね。ここから西側かあ…でもさあ、ここホントに暗いよね。気が滅入っちゃうよ」

魔法使い「本当にね。何日かいる私達でもこうなんだから、ずっと暮らしてる人達は辛いでしょうね…」

賢者「やさいやくだものがそだたないとたいへんだぞ!!」

商人「そうだね、ずっと暗いとそういうのもなかなか育たないんだろうね。子供たちの成長とかにも良くないよね…」

魔法使い「そうね…出来るだけ早く何とかしたいけど…」

商人「うん、相手は大魔王だしね…」

賢者「ぜんぶたべるからだいじょーぶだぞ!!」

魔法使い「私達が食べられなければだけどね…あらあれは…」

商人「おうちがあるね!こんななんにもない所に…何だろう?」

賢者「きっとおいしいものがたくさんだぞ!!」

魔法使い「それはどうかしら…?とにかく行ってみましょう。私達はこの世界の事は分からない事だらけ。少しでもいろんな人から話を聞きたいわ」

商人「そだね、じゃあ行ってみよー!!」

82: 2015/03/13(金) 23:28:39 ID:oOGTRIuY
――154日目、ガライの家

賢者「おーい、だれかいるかー?」バタン

魔法使い「ああもう、ノックもしないで…でもここは…」

商人「普通の家、だよね。でもここ、良いなあ…」

魔法使い「いい?何が?」

商人「え?ううん、何でもない。それよりここ、誰か…あ、こんにちは!」

男性「おお、お客さんか?珍しいな」

女性「本当ね、よく来たわね。外は魔物だらけだったでしょう?」

魔法使い「こんにちは。ここにはお二人で暮らしてるんですか?」

男性「ああ、あとは息子が居たんだがね、歌いながら旅をすると言って出ていってしまったよ」

女性「本当、あの子には困ったものです」

商人「この世界を一人で旅してるんですか?心配ですね…」

男性「本当だよ、親の心子知らず、だね」

83: 2015/03/13(金) 23:43:35 ID:oOGTRIuY
商人「大変ですね…あ、あの、少し聞きたいんですけど、ここの先の海ってもしかして、良く船が通るんじゃないですか?」

女性「ええ、昔は良くマイラとラダトームを往復する船が通ってましたけど最近は魔物も増えたので…それが何か?」

商人「え?いえ、何でもないです、何でも」

魔法使い「さっきから怪しいわね…」

商人「怪しくはないよ!そ、それより賢者ちゃんは?」

男性「ああ、あの小さな女の子ですか?あの子なら地下に…」

賢者「おーい、こんなの見つけたぞ!!」ジャララン

商人「それは…竪琴?ってダメだよ賢者ちゃん、人のおうちの物取っちゃ!」

男性「ああ、その竪琴は…息子が持っていってたと思ってたが…」

魔法使い「息子さんの物何ですね?ほら、賢者、返してきなさい」

男性「ああ、待って下さい。どうせ私達には必要無いものだ、もしよければ持っていっていいよ」

商人「え、いいんですか?でもこれ、結構良いもの…」

賢者「おーじゃあもらうぞ!!」ジャララン

魔法使い「すみません、無理矢理みたいで…」

男性「いえ、いいんですよ、大事にさえしてもらえれば。それより、もし旅先で息子に会ったら、たまには帰ってこいと伝えておいて下さい」

85: 2015/03/14(土) 22:05:10 ID:qwubHNLw
魔法使い「さて…次は南に行ってみましょう」

商人「てゆうか、あと南しか行くとこないよね…」

魔法使い「まあそうだけどね………特に何もないわね」

賢者「お、はしがあるぞ!!」

商人「あ、ホントだ!!渡ってみよー!!」

魔法使い「渡るのはいいけど……また海ね」

商人「また行き止まりかあ…じゃあ西に行くしかないね…でも西って…」

魔法使い「ええ、そろそろラダトームが見えて来る頃だと思うわ」

賢者「…お?まちがみえたぞ!!」

商人「あ、あれってラダトームだよね?やっぱり戻って来ちゃったかあ…」

魔法使い「そうね。でも無事に戻ってこれた事を喜びましょ…」

マドハンドがあらわれた!!マドハンドはいきなりおそいかかってきた!!マドハンドはなかまをよんだ!!だいまじんがあらわれた!!マドハンドはなかまをよんだ!!だいまじんがあらわれた!!

賢者「あ、モンスターだぞ!!」

商人「え、え?あ、あの大きいのって…!」

魔法使い「やたら攻撃力が高い魔物よね。厄介な相手だけど…町までもうすぐよ、頑張りましょう!!」

86: 2015/03/14(土) 22:15:28 ID:qwubHNLw
魔法使い「まずは数を減らさなくちゃね。私の最大級の呪文で――我が力、世界の力、全ての力よ我が手に集え!!闇も光も引き裂く刃と為りて――旧き世界を引き剥がせ!!イオナズン!!」チュドーン!!

マドハンドをたおした!!マドハンドをたおした!!

賢者「おおー、すごいまほーだな!!」

魔法使い「大きいのはまだまだ余力があるわ、油断しないで!!」

商人「はーい!!それっ!!」ドカッ

賢者「たあー!!」ザクッ

だいまじんをたおした!!

だいまじんのこうげき!!

魔法使い「ぐっ…!強烈ね、でも…それっ!!」ザクッ

商人「それそれー!!」ドカバキッ

――まもののむれをやっつけた!!

商人「よーし!!あたし達、強い!!」ドヤッ

賢者「これは食べれないからうれしくないぞ…」

魔法使い「ご飯なら町に帰ったら食べられるわ、我慢しなさい。さあ、町に戻りましょう。少し休んだらまた出発だからね、お腹いっぱい食べておくのよ――」

87: 2015/03/14(土) 22:39:40 ID:qwubHNLw
――155日目

商人「ああ、もう前にここ出発してから2日経ってたんだ…ずっと暗いから分からなかったよ」

魔法使い「そうね。ここに住んでる人達には分かってるみたいだけど…慣れれば分かるのかしら?」

賢者「けんじゃはこっちのたべものにはもうなれたぞ!!」

魔法使い「貴方に慣れたとか慣れないとかあるの…?」

商人「良いなあ、あたしはこっちのあなほりにまだ慣れないよ。いくら掘っても小銭しか出ないよ…」

魔法使い「あなほりに慣れ…?」

商人「あなほりを甘く見ないでよ!!土の固さ、お宝の気配、その地域のモンスターの種類、あと他にも考えなきゃならない事が…」

魔法使い「はいはい、甘く見て悪かったわよ。それより、今日は南に行ってみるわよ」

商人「うん、他は行ったもんね。でも船でマイラの村を目指すってのもアリじゃない?」

賢者「そろそろさかなも食べたいしな!!」

魔法使い「ええ、そのうち船も使うけど…船で東に行けばマイラがあるのはもう分かってるから、いつでも行けるわ。それより、まだ情報の乏しい所を探索してみたいと思うのよ」

商人「それは、好奇心で?」

魔法使い「まあそうね、貴方達だってそうじゃないの?」

商人「そだねー。あたしもどっちかって言ったら南に行きたいな。じゃあ南に行こうよ!!今度こそ町があるといいね!!」

88: 2015/03/14(土) 22:49:32 ID:qwubHNLw
魔法使い「…南は山や森が多いわね」

商人「少し歩きづらいね…この先にあるのは何だろうね?」

賢者「いけばわかるぞ!!きっとおいしいものがあるぞ!!」

魔法使い「だといいけど…あら?あれは…」

商人「洞窟かな?結構近くにあったね…」

賢者「おお、ここにおいしいものがあるのか?」

魔法使い「分からないけど…まずは入ってみましょう…」

――岩山の洞窟、地下1階

商人「…うーん、外も中も暗いのには違いないけど、やっぱり洞窟はカビ臭いね…」

魔法使い「そうね、洞窟だからね…」

賢者「ここはどんなモンスターいるんだ?このまえのどうくつみたいなやつらか?」

魔法使い「どうかしらね?あのくらい強いと厄介だけど、今度は私の呪文も使えるし…」

商人「あ、そっか!ここならあなほり出来るんだね?よーし…あ、いのちのいしが2個も!!やったね、スランプ脱出!!」

賢者「おおー、やったな!!」

魔法使い「それはめでたいけど…確かあなほりで出るものってその地域の魔物に影響されるのよね?いのちのいしを持ってる魔物…あまりいい魔物じゃなさそうね…」

90: 2015/03/15(日) 17:04:06 ID:BehweOi2
キチキチ…キチキチ…

商人「うう、あたしも結構冒険者として長くなってきたけど、未だにこのコウモリの声って苦手…」

魔法使い「まあ得意な人もあまりいないと思うけど…」

賢者「コウモリはまるやきにするぞ!!」

商人「ああ、うん…でも、コウモリとかカビ臭さとか、こっちも上も変わらないんだね…」

魔法使い「そうねえ、そういえばラダトームの町で、こっちの世界の人達は上から移り住んで来たって言ってたわね」

商人「ふうん、じゃあコウモリとかカビとかもあっちから来たのかなあ?」

ホロゴーストがあらわれた!!ダースリカントがあらわれた!!

賢者「お、くまにくだな!!」

魔法使い「あれが肉にしか見えないのね…でもこっちの影は…」

商人「うん、魔王の城にいたよね。うう、お化けも熊もイヤだ…」

賢者「なんでだ?きっとおいしいぞ!!たあー!!」ザクッ

商人「食べる前の話だよ!?このっ!!」ドカッ

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「…ふう、ここの魔物はそこまで強くないようね。まだ入口近いから決めつけられないけど…」

91: 2015/03/15(日) 17:16:09 ID:BehweOi2
商人「ねえ魔法使いちゃん、あれから何回か魔物にあったけど…」

魔法使い「そうね、そこまで強い魔物はいないようね」

商人「うん…あたし思ったんだけどさ、もしかして北の洞窟よりこっちに先に来るべきだったんじゃ…」

魔法使い「そうかもしれないわね。でも、もう済んだことだし…」

商人「そうだけどさ、これからはあんまりズンズン中に進まないようにしない?もしこっちから攻略してたら、レベルも上がってあっちの洞窟も楽に…」

魔法使い「そうね、次からは気を付けましょう」

商人「…ホントだよ?魔法使いちゃん、いのちしらずになってからブレーキが壊れたみたいで不安になるよ…」

魔法使い「大丈夫よ、それより賢者が向こうで呼んでるわ」

賢者「おーい、たからばこだぞ!!あけていいか?」

魔法使い「待ってね、インパス!!…うん、開けていいわよ!!」

賢者「おー!!」パカッ

1016ゴールドをてにいれた!!

魔法使い「お金、まあああって困る物ではないし…商人、どうしたの?」

商人「あのね魔法使いちゃん、あたしこっちに来てからずっと疑問だったんだけど…やっぱり人やコウモリとかと一緒にお金も上から下に来たのかな?世界が違うのに通貨が一緒ってすごいよね?」

魔法使い「うーん、私に聞かれてもね…」

92: 2015/03/15(日) 17:25:21 ID:BehweOi2
――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「…あ、危なかったわ…二人が麻痺になるなんて…賢者、大丈夫?今まんげつそうを…ほら、食べて…」

賢者「んぐ…まんげつそう、にがいぞ…」

魔法使い「我慢して…もう動ける?」

賢者「うん、もうだいじょーぶだぞ!!しょーにんもマヒだな、うーんと…キアリク!!」キュラーン

商人「ん…あ、あー、怖かったね、全滅するかと思った…魔法使いちゃん、ありがとう」

魔法使い言ったでしょ、私は運が良いの。それよりほら、宝箱があるわよ。もう調べたから開けていいわよ」

賢者「よーし、それっ!!」パカッ

なんといのりのゆびわをてにいれた!!

商人「わあ、すごい高級品!!…なんだけど、あたし達これたくさん持ってるよね…」

魔法使い「そうね、まとめ買いしたからね…それはそうと、すぐそこに下り階段があるわ。下にはもっと良いものがあるわよ、きっとね」

商人「そ、そうだね。じゃあ地下2階にレッツゴー!!」

賢者「ゴー!!おにくあるかなー?」

93: 2015/03/15(日) 18:21:31 ID:hJIyIgeY
魔法使い「…で、あの階段の下は行き止まりだったと」

商人「行き止まりっいうか、個室だったね…」

賢者「なにもなかったぞ!!」

商人「そういえばここに来るまでに下り階段をいくつかスルーしたよね?そこで下りてれば良かったね」

魔法使い「でもその場合、いのりのゆびわを見つけられなかったかもしれないわ。洞窟なんだし、ある程度迷うのは仕方ないわ」

商人「そうかなー?でも、前の洞窟は単純過ぎただけかなあ?普通はこんなもんかもね」

賢者「まようし、ひろいぞ!!」

魔法使い「そうね、思ったよりずっと広いわね…あ、また階段があったわよ」

賢者「よーし、おりるぞ!!」ダダダ…

商人「もー、転んじゃうよ?」

魔法使い「落ち着きがないわね、全く。さて、下りた先には…」

商人「…あー、魔法使いちゃん、下りてこなくていいよ…」

魔法使い「え?という事は…」

賢者「またいきどまりだったぞ!!」

魔法使い「また?なかなか面倒なダンジョンね。敵が強くないから良いものの…」

94: 2015/03/15(日) 19:29:23 ID:K6xUIqG6
商人「…あれからしばらくしてちゃんとした階段見つけたけど、そこからは順調だね」

魔法使い「ええ、魔物のバリエーションも変わらないようだし…」

賢者「むー、もっといろんなおにくがあるとおもったのに、くまとカメしかいないぞ…」

商人「でも、ドラゴンがウロウロしてるよりずっといいけど…あ!」

魔法使い「宝箱ね。しかも2つ…インパス!!…うん、安全ね、開けるわよ」パカッ

なんとはかいのつるぎをてにいれた!!

商人「わー、高そう!!でも絶対呪われてるよこれ…で、もうひとつは?」

なんとじごくのよろいをてにいれた!!

賢者「おー、かっくいーよろいだぞ!!」

商人「かっこいいかなあ…?これも呪い感がすごいけど…」

魔法使い「呪い感…?さて、あとはおたからはなさそうかしら?」

賢者「もうおたからのにおいはしないぞ!!」

商人レベル37「それじゃあこの洞窟探検もここまでかな?お宝はまあ、そこそこって所だけど、レベルも上がったし!」

賢者レベル35「けんじゃもあがったぞ!!」

魔法使い「良かったわね、私は上がらなかったけど…さて、じゃあ地上に戻るわよ――リレミト!!」

97: 2015/03/16(月) 17:12:14 ID:2aRC/eC2
――156日目

商人「やっと外に出れた…相変わらず中も外も暗いけど、カビ臭さがないのはいいね」

賢者「しょくよくもますしな!!」

魔法使い「貴方、食欲が減ることあるの…?」

商人「で、今日はもう戻るの?」

魔法使い「いえ、このまま南下しましょう。貴方達もまだ余裕あるでしょ?」

賢者「おー!!くまとカメたくさん食べたぞ!!」

商人「私もまだ大丈夫だけど…」

魔法使い「じゃあ行きましょう。南にはまだ何かあるかもしれないし…」

商人「う、うん…前までの慎重な魔法使いちゃんはいずこへ…」

賢者「けっこうみなみにきたのにさむいなー…あ、はしだ!!」

魔法使い「大きな橋ね。こんな橋を架ける必要がある、という事は…向こうに町があるのかもしれないわ」

商人「うん、そうだといいね…あ、砂漠だ」

賢者「ううー…さばくなのにさむいぞ…」

魔法使い「夜の砂漠は冷えるから…あ、二人とも、魔物よ!!」

98: 2015/03/16(月) 17:19:53 ID:2aRC/eC2
まおうのかげがあらわれた!!キメラがあらわれた!!

賢者「んー、あっちのきいろいの、おいしいかな?」

商人「あれ、食べれるのかなあ…?」

魔法使い「とにかく戦うわよ!!私は…イオラ!!」ドカーン!!

賢者「けっこうきいたな!!けんじゃはムチでたたくぞ!!」ピシャッ

まおうのかげをたおした!!まおうのかげをたおした!!

まおうのかげはザキをとなえた!!まおうのかげはザキをとなえた!!

賢者「ひゃっ!?び、びっくりしたぞ…」

魔法使い「いのちのいしを持ってても心臓に悪いわね…商人!」

商人「うん!!それっ、ブーメラン!!」ヒュンヒュン

――まもののむれをやっつけた!!

賢者「おおー、いちもうだじんだな!!」

魔法使い「流石の怪力ね。見事なものだわ」

商人「あ、うん…ほめられてるんだろうけど、すごいビミョー…」

100: 2015/03/17(火) 17:44:48 ID:nHsE1vQk
賢者「さむ…はやくごはん食べないと…」

魔法使い「確かに、早く暖まりたいわね…あ、見て!」

商人「あ、町!やっと見つけたね、ラダトーム以外の町!」

賢者「おおー、はやくいくぞ!!」タタタ…

商人「あ、賢者ちゃん待って!!」

魔法使い「仕方ないわ、寒そうだったし…それにしても、闇の世界の砂漠の町か…環境は良くなさそうだけど…」

商人「そうだね…でも、あたし達としては助かったよね、もしかしたらすごい武器とか売ってるかもしれないし!!」

魔法使い「そうね…」

賢者「おーい、はやくはやく!!」

商人「うん、今行く!!魔法使いちゃんも早く、ね?」

魔法使い「ええ、行きましょう。さて、どんな町なのか…」

101: 2015/03/17(火) 17:57:05 ID:nHsE1vQk
――ドムドーラの町

町人「砂漠の町ドムドーラへようこそ!」

魔法使い「ドムドーラ、か…」

賢者「おおー、食べもののけはいがするぞ!!」ダダダ…

商人「あ、賢者ちゃん!…もう、しょうがないなあ…」

魔法使い「まああって町の中だし危険もないでしょ。それより貴方は買い物するんでしょ?」

商人「もちろんだよ!!えっと、武器屋さんは…ここ!こんにちは!!」

武器屋「いらっしゃい!!ゆっくり見てってくれ」

商人「はーい!…ふんふん、なるほど…」

魔法使い「どう?何か良いものある?」

商人「…えっとね、この盾、ちからのたてっていうんだけど…」

魔法使い「ええ、それがいいの?」

商人「これ、使えば魔法が使えなくても回復魔法が使えるんだよね
これさえ持ってたら、あの洞窟ももっと楽になったのに…」

魔法使い「もう!半ば無理矢理に進んだのは悪かったわよ…それより、他にはないの?」

商人「他?…うーん、そうだね…あ!御嬢さん、このあぶないみずぎなんかオススメでっせ、へっへっへっ」

102: 2015/03/17(火) 18:09:20 ID:nHsE1vQk
魔法使い「着ないわよそんなの…貴方が着たら?」

商人「あ、あたしが?あ、あたしはほら、こ、こんなの着なくてもせくしーだいなまいつだし!」カアア…

魔法使い「何本気で照れてるのよ…」

武器屋「いやー、お嬢ちゃん達はもっと成長してからの方が…!?」ビクッ

魔法使い「あら店主、何か?」ゴゴゴ…

武器屋「い、いや、何でもな…何でもありま…せん…」

商人「ま、魔法使いちゃん、落ち着いて…」

魔法使い「で?他には何もないの?なら行きましょう。店主、邪魔したわね。もう来ないわ」

商人「魔法使いちゃん!」

武器屋「あ、ありがとうございました…」ビクビク

魔法使い「さて、賢者はどこ行ったの……何か騒がしいわね…」

商人「う、うん…このパターンって…」

賢者「おー、ばにくだ!!まてまてー!!」ダダダ…

魔法使い「…ふう。牧場の人に迷惑ね…行って止め…あら?何か牧場で光った…?」

商人「うん、こんなに暗いのに、なんだろ…?」

105: 2015/03/18(水) 17:56:31 ID:i.jKzKz.
賢者「よーし、さばくぞ!!…わー、あばれる~」ドタバタ

魔法使い「ちょっと、それは他人の物よ、止めなさい!!」

商人「そ、そうだよ賢者ちゃ…ふぎゃっ!?」ドタッ

魔法使い「だ、大丈夫商人!?もう、茂みで走るから…足元には気を付けてよ

商人「ご、ごめん大丈夫…でも何につまづいたんだろ…あ、これって!?」

魔法使い「あら、青い石…金属?美しいわね…」

商人「こ、これはもしかしてオリハルコン!?す、すごい!!でもなんでこんな所に…」

魔法使い「オリハルコン!?オリハルコンって、あの伝説の…!?」

商人「うん、あたしも実物を見るのは初めてだけど、この青い輝き…きっと、ううん、絶対そうだよ!!」

魔法使い「オリハルコン…すごい物が手に入ったわね…あ、いけない、賢者は!?」

賢者「よしよし、まずはくびをきって…」

商人「あー、忘れてた!!ダメだよ賢者ちゃん!!」

106: 2015/03/18(水) 18:13:51 ID:i.jKzKz.
賢者「むー…じゃあほかの食べものをさがすぞ!!」ダダダ…

商人「あ、どこ行くの!?」

魔法使い「もう、落ち着きがないんだから!でもとりあえず馬が無事で良かったわ。でも放っとくとまたトラブルを起こすわね…」

商人「うん、このオリハルコンをどうするかも考えないといけないけど…とりあえず賢者ちゃんを追いかけよっか?」

魔法使い「ええ、賢者を捕まえたらご飯にしましょう。きっとお腹が空いてるでしょうから。賢者は…この家に入ったのね」

商人「ごめんくださーい!賢者ちゃん…あ、いた!すみません、勝手に上がって…あれ?お姉さん、少し…?

女性「こんばんは。この子、貴方達の連れね?でも貴方達ってもしかして、上から?」

商人「は、はい!!もしかしてお姉さんも?少しこっちの人達と雰囲気が違うなーって…」

女性「ええ、貴方達もね。私は昔、アッサラームにいたのよ」

魔法使い「ああ、いかにもそんな雰囲気ね…」

商人「色っぽいもんね。こういう人があの水着着たら似合うのかな…ま、魔法使いちゃん、睨まないで…」ビクビク

魔法使い「…で?何故こっちに?」

女性「それが…嫌なお客から逃げてきて…座長にも黙って来たから、きっと心配しているわね…」

賢者「そんなやつ食べれば…ムガッ」フガフガ

魔法使い「しっ。そういう商売も大変ね…なら、私達が座長さんに無事を伝えてきましょうか?」

107: 2015/03/18(水) 18:24:15 ID:i.jKzKz.
女性「ええ!?そんな事出来るの!?」

商人「もちろんです!!あたし達、こう見えてもベテラン冒険者ですから!!」

女性「そうなの…じゃあお願いしようかしら。くれぐれもよろしくね」

魔法使い「ええ、必ず…では失礼するわ。お騒がせしたわね」

女性「ううん、久しぶりに上の人達と話せて嬉しかったわ」

賢者「じゃーな!!またくるぞ!!」

商人「失礼しまーす…うーん、いろんな人がいるね…」

魔法使い「そうね、でもカンダタさんもいたし、もしかしたらもっと上から来た人がいるのかもね。オルテガ殿も…」

商人「あ、そういえばオルテガ様もこっち来てるかもしれないんだっけ?この調子ならいそうだよね!」

魔法使い「ええ、正直半信半疑だったけど、本当に…」

賢者「おなかへったー!!ごはん!!ごはん!!」ギャーギャー

魔法使い「ああ、そうだったわ。ごめんなさい、でも静かにしてね?」

商人「あたしもお腹が空いたよ…ねえ、今日はもう宿屋に泊まらない」

魔法使い「そうね、流石に少し疲れたし…」

賢者「おー、ごはんごはん!!」

110: 2015/03/20(金) 22:45:43 ID:6acfOeew
――159日目、アリアハン

魔法使い「…出来ればすぐにアッサラームに行きたかったけど…」

賢者「ざちょーはよるにならないとあえないんだな?」

魔法使い「ええ、だからまずはアリアハンに行きたいって商人が言ってたんだけど…」

商人「お待たせー!!はいこれ、ドラゴンクロウとドラゴンローブ!!」

賢者「おお、どっちもかっくいーぞ!!」

魔法使い「これって…どっちも貴重なものじゃないの?どうやって…」

商人「それはもう、巨大な商人ちゃんネットワークを駆使して!!」

賢者「しょーにん、すごいな!!おいしそうなだけじゃないんだな!!」

商人「すごいよ!!でもおいしくはないよ!!で、爪は誰も装備出来ないけど、ローブは魔法使いちゃんがどうかな?」

魔法使い「私に?いいの?」

商人「うん、賢者ちゃんはまほうのよろいがあるし…」

魔法使い「そう、ならありがたくいただくわ…ふふ、いいわねこれ。私、こういういかにも魔法使い、って服に憧れてたのよ」

商人「あはは、良かったね!!魔法使いちゃんならきっと似合うよ!!」

111: 2015/03/20(金) 23:02:12 ID:6acfOeew
――夜、アッサラーム

賢者「ラーミアできたらちょうどよるになったな!!」

商人「危なく夜が明けちゃう所だったけどね。で、座長さんは劇場だよね?」

魔法使い「劇場は…ここね。失礼します、座長は…」

座長「はい、私が座長ですが、貴方方は…いつかお会いしたような…」

魔法使い「ええ、前に。それより今日は、私達以前こちらで働いていたという女性に会いまして…」

座長「え!?まさか彼女が…!?ずっと心配していたんです!」

商人「あの人も言ってました、きっと座長さんが心配してるだろうって」

座長「ええ、で、彼女は今何処に…いえ、彼女はもう自由の身。聞かない方が良いですね…彼女は今、元気でいるんですね?」

魔法使い「…ええ」

座長「そうですか、それが分かれば十分です…ああそうだ、知らせてくれたお礼に、これを差し上げましょう」

なんと まほうのビキニをてにいれた!!

魔法使い「…………………………………………………どうも」

商人「さ、最近水着に縁があるね…」

112: 2015/03/20(金) 23:15:50 ID:6acfOeew
魔法使い「…別にお礼を求めてた訳じゃないけど、お礼に水着ってどういう事なのかしらね…?」

商人「さ、さあ…まあ、こういう商売の人だし…それにこれ、防具としては結構すごいよ?」

魔法使い「ふーん、じゃあ貴方が着たら?」

商人「わ、私はいいよ…」カアア

魔法使い「何また照れてるのよ…それに、防御力が高いといっても、呪文やブレスには強くないし…」

商人「うん、それに何よりこの格好は…」カアア

賢者「じゃあけんじゃがきるぞ!!うごきやすそうだぞ!!」

商人「え、ええー!?や、止めた方がいいよ!?」

魔法使い「いえ、悪くないわ。賢者がこれを着て、寄ってきたド変態共を賢者の晩ごはんに…」

賢者「おお!?ごはんがよってくるのか!!すごいふくだな!!」

魔法使い「ええ、ホルモン食べ放題よ」ニッコリ

商人「だ、ダメだよそんなの!!大体賢者ちゃんはまほうのよろい着てるし、このビキニは魔法防御力がないって話してたばっかりじゃない!!」

魔法使い「冗談よ、分かってるわ」

賢者「え?けんじゃはこっちきても…」

商人「ダメ!!絶対ダメ!!」

119: 2015/03/21(土) 21:52:00 ID:DgZt1Zlo
――160日目、ポルトガ

商人「それで、なんでここに来たの?」

賢者「ごはんがおいしいからだぞ!!」

魔法使い「違うわよ…ここには確か、バラモスに呪いをかけられたカップルがいたはず。どうなってるのかと思ってね…」

商人「ああ、そういえば…なるほど、上に来たついでにいろいろ用事を済ませたいって事だね?」

魔法使い「そういう事よ。さて、あの二人は確か、呪われる前は浜辺に…あら、あの二人…」

男性「あ、貴方方はもしや!!魔王を倒して下さったんですよね!?ありがとうございました!!」

商人「ど、どういたしまして…なんで知ってるんだろ…」

女性「貴方方が魔王を倒してくれたおかげで、また彼に会えました!!本当になんとお礼を言ったら…そうだ!私の家に代々伝わるこの剣を差上げます!!」

なんと ゆうわくのけんをてにいれた!!

商人「こ、この剣…!」

女性「これは女にしか使えない不思議な剣だそうです」

魔法使い「こんな貴重な物を…いいの?」

女性「はい、本当にありがとうございました!!………あの、私、もっと彼と話したいんで、これで…」

魔法使い「え?ああ、邪魔して悪かったわね。これで失礼するわ。ありがとうね」

120: 2015/03/21(土) 22:01:41 ID:DgZt1Zlo
男性「いえ、こちらこそ本当にありがとうございました」

商人「さようなら、お幸せに!!…はあ、ああいうのっていいよね…あたしにも白馬に乗った王子様が玉の輿背負って来ないかなあ?」

魔法使い「来ないわよ…鴨がネギ背負って来たことさえないのに…」

賢者「はくばがネギといっしょいくるのか?すごいな!!」

商人「ごっちゃになってるよ賢者ちゃん…」

魔法使い「私は鴨肉って少し苦手ね。固いし、油が多いし…」

賢者「けんじゃはだいすきだぞ!!」

商人「賢者ちゃんは口に入れば大体オッケーだよね?それはそうと、あとは下に戻るの?」

魔法使い「いえ、さっき言ったように上での用事は済ませてしまうわ。だから、海賊の家に行きましょう」

賢者「おー、おかしらのところか?」

魔法使い「ええ、魔王を倒したら来てほしいって言ってたからね…せっかくだし行ってみましょう」

賢者「おー、おかしら、おいしいもの食べさせてくれるかな?」

商人「そうだね、魔王を倒したって聞いたらきっと食べさせてくれるんじゃないかな?」

賢者「おー、たのしみだぞ!!はやくいくぞ!!」グイグイ

魔法使い「はいはい、慌てないで…」

125: 2015/03/22(日) 12:41:23 ID:qWDFT1KM
――夜、海賊のアジト

海賊「おお、よく来たな!!聞いたぞ、魔王をたおしたそうじゃないか!!」

商人「あ、はい、一応…すごい、もう知ってるんだ…」

海賊「俺達は七つの海を股にかける海賊だ。そのくらいすぐ耳に入るよ。さあ、お頭がお待ちかねだぜ!!」

賢者「おー、おかしら、きたぞー!!」バタン

お頭「おお、来たかい!!やるねえ、あんた達!!まさか本当に魔王を倒すとはね!!」

魔法使い「ええ、何とかね…」

お頭「あたしも負けてられないね!!女だからって男にも引けを取らない、それをあんた達が証明してくれたからね!!」

賢者「おとこにもまおーにもまけないぞ!!」

お頭「ああ、その通りだな…そうだ!!なああんた達、せっかく来たんだ、魔王討伐記念に飛びっきりのごちそうを用意しようじゃないか。食べてってくれるだろ!!」

賢者「おー、食べる食べる食べる食べる食べる!!」グイグイ

お頭「ははっ、そう言ってくれると思ったよ。待ってておくれよ、すぐに用意させるからね」

賢者「おー、まってるぞ!!はやくだぞ!!」

魔法使い「どっちなのよ…」

126: 2015/03/22(日) 12:52:22 ID:qWDFT1KM
賢者「ん…もう食べれ…んにゃ…」ウトウト

商人「流石海賊さん達、賢者ちゃんが満足するなんて…」

魔法使い「そうね…今日は本当にありがとう」

お頭「いいよ、好きでやったんだからね。しかし、大魔王か…まだあんた達の旅は終わらないんだね…」

魔法使い「ええ、そうね。こちらに影響が出る前に何とかしないと…」

お頭「魔王を倒した割には、浮かない顔してると思ったよ。でもあんた達はまだ諦めてないんだろ?」

商人「もちろんです!!…本音を言えば怖いけど…でも諦めるとかはないです!!」

お頭「それを聞けて良かったよ。大変だろうけど…頑張ってな。そしてまた大魔王を倒したら、こうやって騒ごうな」

賢者「ん…おー…おかしら、すき…ごはんくれる…おやぶんより…」ムニャムニャ

商人「もう、寝言でも食べる事ばっかり!」

お頭「ははっ、やっぱり私の小さい頃そっくりだね…大魔王を倒したらとは言わない、いつでも来てくれよ。歓迎するからさ」

賢者「おー…いつでもくるぞ…」

魔法使い「もう、この子は本当に…でも、また来るわよ、いつかきっと…」

128: 2015/03/23(月) 19:32:45 ID:ksWHFDNo
――161日目、ドムドーラ郊外

商人「今日は次の町に行くんだっけ?メルキド…だったよね?」

魔法使い「ええ、この町で聞いた所によると、歩いて行ける所にあるみたいだから…どういう道程か、覚えてる?」

賢者「みなみにいってはしわたってひがしだぞ!!」

魔法使い「そうね。だからまずは南に向かってみましょう

商人「おー!!やっぱり目標があるっていいね!ドムドーラに来るときは、町があるかどうかも分からないで歩いたから不安だったよ…」

賢者「どこでごはんが食べれるかわからないしな!!」

魔法使い「確かに、いつどこで何があるかわからないよりは良いわね…さて、結構歩いたけど…」

商人「これ、そろそろ東にいった方がいいんじゃない?まだ南かなあ?」

魔法使い「いえ、とりあえず行けるまでは南に行って…あら、海が見えてきてしまったけど…」

賢者「お?あっちにはしがあるぞ!!」

商人「あ、ホントだ!あれを渡って東かな?」

魔法使い「きっとそうね。さあ、橋を渡って進みましょう」

商人「はーい!!メルキド、どんな町かな?楽しみだね!!」

129: 2015/03/23(月) 19:40:27 ID:ksWHFDNo
賢者「んー、ずっと森だな…あるきづらいぞ…」

魔法使い「我慢して。きっともうすぐ着くはずだから…」

商人「そうそう、きっとおいしいものがあるよ!」

賢者「おいしいもの!?はやくいきたいぞ!!」グイグイ

商人「ま、待って、引っ張らないで…あ、魔法使いちゃん、また橋!」

魔法使い「そうね…でも、これを渡ればいいのか、それとも迂回して北に行くべきか…」

賢者「まちにいくんだよな?ならあっちだぞ!!」

商人「北に?何で分かるの?」

賢者「めじるしがたくさんあるぞ!!」

商人「目印?…って、もしかして…」

魔法使い「人の骨、ね。恐らく、魔物に倒された…この辺りはザキを使う魔物も多いし…」

賢者「これをたどってけばきっとまちにつくぞ!!」

商人「そっか、そだね。そうだけど…」

魔法使い「…まあ、辿り着く事が重要よ。さあ、行きましょう…」

130: 2015/03/23(月) 19:50:59 ID:ksWHFDNo
商人「…だんだん骨が多くなってきたね…」

魔法使い「ええ、町に近づいてる…という事ならいいけど…」

賢者「きっとそうだぞ!!おいしいものたくさんだぞ!!」

商人「うーん、そうだといいけど…」

魔法使い「そうね、そしてお店もたくさんあって、お買い物もたくさん出来るでしょうね」

商人「あ、そうだね、新しい町に着いたらお買い物だね!!あー、早く着かないかなあ?」

魔法使い「単純さは賢者といい勝負よね…」

商人「でもホント、そろそろ見えてきてもいいよね?確か、高い壁に囲まれてるからすぐ分かるって…あ!!あれ!!」

賢者「おー、すごくたかいかべだぞ!!」

魔法使い「本当ね…これ、どのくらいの労力で建てたのかしら…?」

商人「えー、町なんてぽぽぽぽーんって感じで出来るし、この壁もパパッと作ったんじゃない?」

魔法使い「貴方が言うと説得力があるのかないのか…」

商人「とにかく、早く行ってみようよ!!あたしお買い物したい!!」

賢者「けんじゃはいろいろ食べたいぞ!!」

魔法使い「はいはい、慌てないのよ。でも、本当に物々しい城壁ね。まるで要塞みたい…人の力はすごいけど、それだけ大魔王が恐ろしい事の証明でもあるわね…」

135: 2015/03/24(火) 16:41:06 ID:C7oaQ4t.
――162日目、メルキド

商人「わー、おっきな町!!すごいね、お店がたくさんあるよ!」

魔法使い「もう、落ち着いてよ…でも変ね、お店の数は多いのに、あまり活気が…」

賢者「んー、あんまり食べものの気配もないぞ…」

商人「このお店はー…あれ?誰も居ない…こっちは…わ、埃だらけだ…」

魔法使い「どうしたのかしらね…あらこっちには人がいるわよ」

商人「ホントだ!すみません、あのー…」

店主「ぐうぐう…」

賢者「ねてるぞ、食べていいのか?」

魔法使い「なんで寝てたら食べてもいいのよ…でもこれは異常ね。何かあったのかしら…」

商人「うーん…あ、あっちに人がいるよ!!すみませーん!!」

町人「ああ、旅の人か、町がこんなで驚いただろうね…」

魔法使い「ええ、何故こんな事に?」

町人「大魔王を恐れ、絶望のあまり人々は働かなくなってしまったのだ…」

136: 2015/03/24(火) 16:50:14 ID:C7oaQ4t.
商人「ええ!?こんなに立派な城壁があるじゃないですか!これなら…」

町人「ああ…だが、こんなもの大魔王の前には何の役に立つというのだろうか…?」

賢者「なんだ、なさけないな!!みんな食べて…」

魔法使い「しっ。事情は分かったわ、ありがとう、失礼します…大魔王の脅威とは大変なものね…」

商人「そうだね…ねえ、大魔王はなんでこんなにひどい事するんだろうね?」

賢者「きっとごはんのためだぞ!!」

魔法使い「そうかもね…確か、ラダトームで聞いた話では、大魔王は絶望をすすり憎しみを喰らい悲しみの涙で喉を潤すという事だから…」

賢者「ええー…おいしくなさそうだぞ…」

商人「賢者ちゃんでもおいしくなさそうなんだ…そっか、大魔王も生きる為に悪さしてるんだね………でも!!」

魔法使い「ええ、黙って大魔王のごはんになるわけにもいかないわ。それにあっちが食べに来てるなら…」

賢者「食べかえしてやるぞ!!」

商人「そだね、うん、負けてられないよ!!」

137: 2015/03/24(火) 17:04:24 ID:C7oaQ4t.
魔法使い「とはいえ、私達はまだ大魔王の城に乗り込むことも出来ないのよね。どうすればいいのか…」

商人「それにお買い物パワーアップも出来なかったね、この町…少し不安になるよ…」

男性「なあ、あんた達…」

魔法使い「え?何かしら?」

男性「いや、さっきから聞いてたんだが…あんた達、大魔王を倒すつもりなのか?本気か?」

商人「もちろんです!!倒せるかは分からないけど…」

賢者「だいまおーなんて食べてやるぞ!!」

男性「そうか…なら、あっちにいる老人に話を聞くといい。なんでも大魔王の城に行く方法を知ってるらしいぜ」

商人「ええ!?ホントに!?」

男性「ああ、だが…いや、いい。頑張ってな…」

魔法使い「ええ、ありがとう。さて、これは重要な情報が聞けるかも知れないわね…」

賢者「あっちにいるじーさんだな!!おーい…わー!!ゆかがビリビリだぞ…」

魔法使い「バリアね、大丈夫?」

賢者「まだふんでなかったからへーきだぞ!!」

魔法使い「そう、良かったわ。待ってて…トラマナ!!さて、これで行けるわ。さあ、話を聞きに行きましょう。こんなに厳重に守られてる人ですもの、きっと重要な情報を持ってるはずだわ…」

138: 2015/03/24(火) 17:44:36 ID:C7oaQ4t.
老人「なんだ、お前達は?」

魔法使い「失礼、私達は大魔王を倒す為に旅をしています。貴方が大魔王の城に行く方法を知ってると聞いたので…」

老人「なんと、ではお前達が勇者か?」

賢者「ゆーしゃじゃない、けんじゃだ!!」

老人「勇者ではない?それは…いや、どのみちこのままでは我々には破滅の道しかない。お前達を信じよう。確認するが、本当に大魔王を倒すつもりなのだな?」

魔法使い「ええ、その為に旅を続けてきました」

老人「そうか、ならば教えよう。大魔王の居城のある島に行くには、たいようのいし、あまぐものつえ、そしてにじのしずくが必要になる」

商人「あ、たいようのいしは持ってるよね、魔法使いちゃん?」

老人「なんと、もう…ではあと2つ、それらを揃えたら聖なるほこらへ行くといい」

魔法使い「聖なるほこらへ…そこには何が?」

老人「行けば分かる。そもそも、それら3つの道具を集められなければ、知っても意味のない事だ…」

139: 2015/03/24(火) 17:55:07 ID:C7oaQ4t.
商人「なるほど、まずは集めてみせろ!!って事ですね?」

老人「ああ、集めてみれば全てが分かる」

魔法使い「なるほど…分かりました、ありがとうございます」

商人「ありがとうございました!!」ペコリ

賢者「じーさん、じゃーな!!」ブンブン

魔法使い「さて…やっと大きな目標が見つかったって所かしらね…」

商人「そだね、まずはあと2つの道具を集めて、聖なるほこらへ!!」

賢者「そしたらだいまおーを食べにいけるんだな?」

魔法使い「さあ、それは集めてみないと分からないけど…集めれば、きっと分かるはずよ。きっとね…」

商人「じゃさ、次はどこ行こっか?やっぱりラダトームから船に乗ってマイラの村を目指してみる?」

魔法使い「そうね、おそらくそれが…」

賢者「え?みなみのほうにあるほこらにはいってみないのか?」

商人「え、ほこら?そんなのあった?」

140: 2015/03/24(火) 18:00:20 ID:C7oaQ4t.
賢者「けんじゃはみえたぞ!!」

魔法使い「私達には見えなかったけど…この町に来る途中にあった分かれ道かしら?」

商人「ああ、あったね、あの橋を渡った先かあ!」

魔法使い「しかもほこらっていう事は、さっきの話に出てた聖なるほこらかもしれないわね。行ってみる価値は有りそうね」

商人「じゃさ、次はそのほこらだね?」

魔法使い「ええ、そうしましょう。ただ、これからまた歩くのなら、まずは…」

賢者「ごはんだな?」

商人「あー、そういえばあたしもお腹減ったなあ…ドムドーラから結構歩いたしね。じゃあ宿屋にレッツゴー!!」

賢者「ゴー!!」

魔法使い「はいはい、分かったから焦らないでね。ただ…宿屋も休業中じゃないといいけどね…」

商人「えー、ま、まさか…」

142: 2015/03/25(水) 16:55:55 ID:oACOCH7E
宿屋「こんばんは、旅人の宿へようこそ」

商人「ほっ…やってたね」

魔法使い「ええ、良かったわ。賢者もご飯が食べられるから良かったわね…賢者?」

賢者「おー、あんちゃん、やわらかそうでおいしそうだな!!」

青年「え!?美味しそう!?」

商人「け、賢者ちゃん!すみません、何でもないです」

青年「変な子だね…君達、女の子だけで旅してるの?」

商人「え?ええまあ、そうですけど」

青年「ふーん、見かけによらずたくましいんだね」

商人「た、たくましいって…」

魔法使い「そういう貴方も、一人旅が出来るほどたくましくは見えないけど」

青年「そうかな?そうかもね。でもこう見えても、僕は旅のベテランだよ。実家を出てからかなり長いこと旅してきたからね」

商人「実家…って?」

青年「僕の実家?うーんと、ラダトームの北西の方角にあるんだけど…」

商人「あー、もしかして、あの二人の放蕩息子!?」

143: 2015/03/25(水) 17:02:27 ID:oACOCH7E
青年「放蕩息子は酷いなあ。でも君達は僕の両親を知ってるの?」

魔法使い「ええ、旅の途中で立ち寄って…」

賢者「これをもらったぞ!!」ジャララン

青年「あ、それ僕のぎんのたてごと!」

商人「そうそう、これ、お父さん達があたし達に渡してくれたんだけど…」

青年「ふーん、まあいっか。僕の旅には必要ないしね。っていうか、むしろ危ないし」

魔法使い「危ない?」

青年「うん、その竪琴の音色は魔物を喜ばせるから、外で弾いちゃダメだよ」

商人「そんな危ないものだったんだ…」

魔法使い「そうそう、貴方のご両親から伝言があるわ。たまには帰ってきなさい、だそうよ」

青年「えー、めんどくさいなあ。でもしばらく帰ってないし、たまには帰ろっかなあ」

魔法使い「ええ、それがいいわ、ご両親も喜ぶはずよ」

144: 2015/03/25(水) 17:52:12 ID:oACOCH7E
――163日目、メルキド郊外

商人「よーし、じゃあ賢者ちゃんが言ってたほこらに向けて出発だね!!」

賢者「おー!!」

魔法使い「さて、何があるかしらね?ただでさえ辺境のこの町よりも奥地となると…」

商人「フツーじゃないよね。でも、昨日の放蕩息子の実家みたいなのがまたあったりして」

魔法使い「さすがにそれはないと思うけど…でも確かにあの家も辺鄙な所にあったわね」

商人「うーん、でもあの家は結構立地条件良いと思うんだよね。少なくとも、上であたしが作った町よりは…」

魔法使い「そうかしら…ああ、貴方あの家の人たちに色々聞いてたのって…」

商人「うん、船が通るなら、あの辺に中継地点の町があってもいいかなーってさ」

魔法使い「…また町を作る気なの?」

商人「あはは、やだなあ、今度は失敗しないよ!!前回は急ぎすぎたからさ、今度はもっとゆっくりやれば…」

賢者「だいじょーぶか?とーごくれき3かいにならないか?」

商人「ならないよ!!…まあ、町を作るとしても、大魔王を倒してからだけどね」

魔法使い「そうしてもらえると助かるわね。貴方に今抜けられたら…っと、あの分かれ道に着いたわね。渡ってみるわよ」

商人「うん!!さあ、何が待ってるかなー?」

145: 2015/03/25(水) 18:03:28 ID:oACOCH7E
――まもののむれをやっつけた!!

商人「ひー、結構ダメージ受けちゃったね…」

賢者「やきにくとれーとーにくになるとこだったぞ…」

魔法使い「キメラって言ったかしら?あの魔物の炎と、骨の…スカルゴンの吹雪には注意しないとね」

商人「あれ?なんでモンスターの名前知ってるの?」

魔法使い「あの放蕩息子から聞いたのよ。流石に長い間旅をしてるだけあって物知りだったわ」

商人「ふーん、ならあたし達が今から行くほこらの事は分からないのかな?」

魔法使い「町から必要以上に遠くへ行かないことが、無事に旅をする秘訣、だそうよ」

賢者「わからないんだな!!」

魔法使い「そうみたいね。でもいいわ、どうせもうすぐ着くはずだし…」

商人「そだね、今までもあったもんね、ろくに情報がないまま進むこと!」

魔法使い「本当は避けたい事だけどね…」

賢者「お、みえてきたぞ!!」

魔法使い「ええ、あの沼地の中ね。さっきトラマナはかけたし、入っても平気よ」

商人「流石魔法使いちゃん!!…わー、結構古そうな建物だけど…だからこそ何かあるのかな?お邪魔しまーす…」

149: 2015/03/26(木) 17:08:09 ID:aLiKgIBk
――164日目、精霊のほこら

魔法使い「…外から見たのとは印象が違うわね…」

商人「ホントだね…花がたくさん咲いてて、すごくキレイ…」

魔法使い「こっちは闇の世界だから、なかなか花も見られないものね…」

賢者「ここならやさいもそだつな!!」

商人「なるほど、ここで育てた野菜をメルキドで売れば…」

魔法使い「二人とも、神秘の欠片もないわね…あら、あれは…エルフ?」

エルフ「まあ、人間だわ。人間がここに何の用?人間なんかキライよ」

賢者「けんじゃはおいしそうだからエルフすきだぞ!!」

商人「賢者ちゃん!」

エルフ「でも、オルテガは好きよ。きっと大魔王も倒してくれるんだから」

魔法使い「オルテガ殿!?オルテガ殿がここへ?」

エルフ「え?貴方達オルテガを知ってるの?」

魔法使い「私達はオルテガ殿の故郷から旅を続けて来たのよ」

エルフ「え?じゃあ貴方達が勇者なの?なら上へ上がって、貴方達を待ってる人がいるわ!」

150: 2015/03/26(木) 17:24:57 ID:aLiKgIBk
精霊「ようこそ。私は以前、精霊ルビス様にお仕えしていた者です。よくここまでたどり着きましたね」

魔法使い「精霊ルビス…確かこのアレフガルドを作った方だったかしら…」

精霊「以前、私はルビス様に代わって貴方がどんな人か尋ねた事がありました。その時はずいぶんと失礼な事を言ったかもしれませんね」

魔法使い「…?貴方、そんな事あった?」

商人「あたし?ううん、ないよ。賢者ちゃんじゃないの?」

賢者「けんじゃはしらないぞ」

精霊「え…?失礼ですが、貴方達のいずれかが勇者なのでは…?」

魔法使い「いいえ、私は魔法使いよ。こっちは賢者、こっちは…


商人「えっと…しょ、商人ですけど…」

精霊「商人…!?す、少しお待ちください…ちょっと、勇者が来るはずじゃなかったの?なんで…」ヒソヒソ

エルフ「え、オルテガと同じ故郷から来たって言うからてっきり…」ヒソヒソ

精霊「ではどうしましょう?勇者じゃないとなれば…でも……ええ………そうね……失礼しました。では、貴方達にあまぐものつえを授けましょう」

商人「ええ!?すごく唐突に貴重品くれたよ!?」

精霊「貴方達がルビス様を助けてくれると願っています」ニッコリ

魔法使い「…清々しい程の作り笑いね。まあ、貴重な物が貰えたからいいけど…」

151: 2015/03/26(木) 17:56:47 ID:aLiKgIBk
――165日目、ラダトーム

魔法使い「さて、今日はいよいよ船でマイラに向かうわよ」

商人「やっとだね。あたし今度こそはお買い物したいよ!」

魔法使い「そうね、もうメルキドみたいな事はない…といいわね」

賢者「ふねにのっていくんだな?さかなとイカだな!!」

魔法使い「そうねえ、こっちを食べるような魚やイカじゃなければいいけど…」

商人「まあ、上でもそういうのを倒して食べてたし…」

賢者「うえでもしたでもいっしょだぞ!!」

魔法使い「そうね、どちらにしろ黙って食べられるわけにもいかないし…じゃあ行きましょう」

商人「おー!!マイラまでどのくらいかなあ?前に歩いて東の海まで行ったときは、結構距離があったけど…」

魔法使い「近くはないでしょうね。気を引き締めて行きましょうね」

152: 2015/03/26(木) 18:16:49 ID:aLiKgIBk
――

商人「ここで1つ訂正があります」

魔法使い「メルキドのご老人が、大魔王の城に行くにはたいようのいし、あまぐものつえ、にじのしずくが必要だと言っていましたが、正しくはにじのしずくではなくせいなるまもりでした。お詫びして訂正致します」

商人「そもそもあたし達、まだにじのしずくの存在を知らないはずだよね…」

魔法使い「ちゃんと話を聞いたはずなのに、きちんとメモしないで記憶に頼るから…」

賢者「ものわすれがひどいのにな!!」

商人「今後はこういう事がないようにしたいなあ、出来ると良いなあ、出来たらすごいなあ、と思ってますので、何卒ご容赦の程を…」

魔法使い「またやらかしそうね…」

157: 2015/03/27(金) 16:45:45 ID:YqKFwz8M
商人「ほらほら見てみて、あそこ、放蕩息子の実家!」

魔法使い「すっかり放蕩息子で定着してしまったわね…」

商人「ここら辺でひと休み出来ればいいと思わない?やっぱり町を作るならここだと思うんだけど、どうかな?」

魔法使い「そうねえ、確かにこの辺にあれば便利かもね」

商人「でしょ?ね、ね、賢者ちゃんはどう思う?…って賢者ちゃん、何食べてるの?」

賢者「これはくちどけギズモだぞ!!つめたくてシュワっととけるんだぞ!!」

商人「口溶け…?さっき倒したモンスター?あれ、たべれるんだ…」

魔法使い「…うーん、食べられるかどうか、にはい、ともいいえ、とも答えづらい私の気持ちは分かってもらえるかしら?」

商人「ああ、うん、何となく…」

賢者「これにあじつけしたらおいしそうだぞ!!ジャムとか、ジュースとかで…」

魔法使い「たぶん貴方以外はお腹壊すけどね…」

158: 2015/03/27(金) 16:53:38 ID:YqKFwz8M
商人「あ、ほら、あの魔法の使えない洞窟だよ!」

魔法使い「ああ…忌まわしい場所ね」

商人「やっとここまで見えてきたね!ここまで来たら…あ!!」

クラーゴンがあらわれた!!

賢者「おおー、イカが食べれるぞ!!」

商人「、た確かにイカだけど…この大きさは…!」

魔法使い「ちょっとまともに相手したくないわね…賢者、ザラキをお願い」

賢者「えー!?ザキしたら食べれなくなるぞ!?」

魔法使い「3体全部は氏なないでしょ、多分。生き残った奴を焼きましょう」

賢者「はーい…ザラキ!!」ヂュモモモモ…

クラーゴンのいきのねをとめた!!クラーゴンのいきのねをとめた!!

魔法使い「よし、計画通りね!さあ、残った1体を倒すわよ!」ザクッ

商人「それそれー!!」ドカバキッ

魔法使い「とどめよ、メラミ!!」ゴオオッ

――クラーゴンをやっつけた!!

159: 2015/03/27(金) 17:02:08 ID:YqKFwz8M
賢者「おおー、なっとくのおおきさ!!」キャッキャッ

魔法使い「都合よく1体だけ残ってくれて助かったわね」

商人「うん、あれが3体となると船に載せきれたかどうか…」

魔法使い「でも、あれを食べる賢者が乗っててもこの船沈まないわよね。一体どういう…」

商人「そ、そこは突っ込んじゃ…あ、ほら見て魔法使いちゃん、島がたくさん見えてきたよ!」

魔法使い「本当ね。こちらに来たばかりの頃、ラダトームから東に歩いたときに見た景色に似てるわね…」

商人「て事はきっとそろそろ…ほら、村が見えた!!」

魔法使い「ええ、きっとあれがマイラの村ね。二人とも、船を下りる準備をしてね」

賢者「ん…まって、もうちょっとでやける…」

商人「もう捌いたんだ…でも、やっと噂のマイラに来たね。今度こそはお買い物出来ると良いなあ…」

魔法使い「きっと出来るわよ。さあ、行ってみましょう」

160: 2015/03/27(金) 17:12:07 ID:YqKFwz8M
――166日目、マイラ

商人「ここがマイラかあ…想像してたより活気があるね!」

魔法使い「そうね、メルキドみたいだったらどうしようかと思ったけど…」

商人「これならお店もやってるよね!!さあさあ、今日こそはお買い物だよー!!」

魔法使い「はいはい、じゃあまずは武器防具屋に…ここね」

武器防具屋「いらっしゃい!!」

商人「こんにちは!!…うん、うん…うーん、ここすごいよ!!まずこのみずのはごろもを賢者ちゃんに買って、あとこのけんじゃのつえを魔法使いちゃんに…」

魔法使い「その杖、そんなに良いものなの?」

商人「これはね、使うと回復魔法の効果があるの!ベホイミくらいかな?だから魔法使いちゃんが持ってるといいと思うの!!」

魔法使い「なるほど…でも、2つは予算的に無理よね?」

賢者「ごはんを食べるおかねもいるしな!!」

商人「まだ食べるの!?でも、確かにお金は足りないなあ…何か売ろうかなあ…?」

魔法使い「まあ、今すぐ買わなくても良いでしょ?この村にいる間に買えば…まずはこの村を見て回らない?」

商人「そっか、それもそうだね」

賢者「きっとおいしいものもあるしな!!」

161: 2015/03/27(金) 17:22:19 ID:YqKFwz8M
魔法使い「…さて、こっちは道具屋さんだけど…」

道具屋「いらっしゃいませ…おお、お客さん、それは…!」

商人「え?それって…オリハルコンの事?」

道具屋「それを是非とも譲っていただきたいのですが、いかがでしょうか?」

商人「オリハルコンかあ…うーん、結構貴重だし、ここで手放して良いのかなあ…?」

道具屋「ちなみにこの位で買い取りたいかと…」ススッ

商人「!?に、22500ゴールド!?う、売ります、今すぐ売ります!!良いでしょ、二人とも?」

魔法使い「ええ、私達が持ってても仕方ないし…でも少し落ち着きなさいよ」

商人「あ、ごめん…オホン、ではこちらとしては不満もないので、商談成立という事で…」

道具屋「ありがとうございます」

商人「いえいえ、こちらこそ…こ、これでさっき買いたかった装備がどっちも買えるよ!!余ったお金でごちそうも食べれるよ、賢者ちゃん!!」

賢者「ごちそう!?」キラキラ

魔法使い「思わぬ臨時収入ね。そういえば、ここの道具屋の主人は昔刀鍛冶だったって聞いたけど、あれも剣にするのかしら?」

商人「あー、ジパングから来たって言ってたね!!オリハルコン製のジパングの剣かあ…面白そうだね、ちょっとしたらまた覗きに来てもいいかもね!」

162: 2015/03/27(金) 17:36:59 ID:YqKFwz8M
武器防具屋「みずのはごろもとけんじゃのつえだね?毎度あり!」

商人「ありがとうございます!!やった、これでまたパワーアップ!」

魔法使い「そうね、防御面で強化出来たのは良かったわ。こっちの魔物は攻撃が苛烈だから…」

商人「この前もモンスターのブレスに悩まされたもんね。でもこれで…あれ?賢者ちゃんは?」

賢者「おーい、こんなのひろったぞ!!」

魔法使い「拾った…?それって、笛?どこからそんな…いえ、確かこの村には…」

賢者「これもやまびこのふえみたいになにかさがすのか?」ピュロロー♪

商人「あ………ぐう」zzz…

魔法使い「商人!?ちょっと、しっかりして!」ユサユサ

商人「んー、商売繁盛…はっ!?あれ、あたし…あ、それってようせいのふえ!!」

魔法使い「これがようせいのふえ?その名前の笛は、確か…」

商人「うん、さっき聞いたけど、精霊ルビス様の封印を解けるとかなんとか…ルビス様って、あのあまぐものつえをくれたほこらで言ってたヒトだよね?」

魔法使い「ええ、それが本当ならすごいことよ。賢者、よく探してきたわね」

商人「この笛があれば、ルビス様を助けられる…ルビス様は西の島にある塔に封印されてるんだよね?じゃあ助けに行こうよ!!」

魔法使い「そうね、ルビス様を助ければ、何かが変わるかもしれないわね…」

167: 2015/03/28(土) 23:53:08 ID:uwKd90ww
――マイラ郊外

商人「じゃあこれからルビス様を助けに行くんだね?」

魔法使い「ええ、ようせいのふえも手に入れたし、装備も調えたし…」

賢者「ルビスさまはえらいんだろ?えらいひとたすけたらごほーびにごちそうだな!!」

商人「うーん、精霊ってそういう俗世的なものなのかなあ?」

魔法使い「あまり期待しない方がいいけど…もしかしたら、この暗い世界に光をとりもどせるのかもしれないわ。それなら、この世界の食料事情も変わるし、結果的にごちそうが食べやすくなるかも…」

賢者「おおー!!ぜったいたすけるぞ!!」

商人「賢者ちゃんがやる気に…!でも、マイラで話を聞いた限りでは、ルビス様を助ければ…って感じだったし、他にも良いこと起こるかもね」

魔法使い「そうだと良いわね。話といえば、あの村では他にも良い情報が聞けたわね。大魔王にはひかりのたまが有効だとか…」

商人「あー、言ってたね。ひかりのたまを使えば、大魔王の力を弱められるって…」

魔法使い「これでもしかしたら、私達も大魔王に対抗出来るかもしれないわ。竜の女王様に感謝しないとね…」

商人「そだね…あとは卵を無事に孵すだけだけど…」

賢者「ごちそうかあ…たのしみだなー」ワクワク

魔法使い「…食べられずに孵すのも、孵した後食べられないようにするのも大変そうね…」

168: 2015/03/29(日) 00:05:36 ID:SBTsZU62
商人「…ルビス様が封印された塔は村の西にあるって聞いたけど…あ、あれかな?」

魔法使い「そうね、二人とも塔に入る準備をしてね」

商人「うーん、海を挟んでるとはいえ、こんなに近くにあるのに誰もルビス様を助けようとしなかったんだ…」

魔法使い「仕方ないわ、あの様子だとようせいのふえも行方不明だったようだし…でも、どちらにせよ村人達では難しかったでしょうね」

商人「え、なんで?」

魔法使い「ルビス様はこの世界を作った方だと聞いたわ。そんな方を封印しておく場所だもの、魔物も生半可な実力のものはいないと思うわ」

商人「ああ、確かにそうかあ…」

賢者「でもたすけないとごちそうが食べられないぞ!!」

魔法使い「そうね、ごちそうはともかく助けないとね。それが出来るのは、恐らく私達だけだし…」

商人「いつもながら責任重大だね…」

魔法使い「まあ、今までだっていくつもの国を助けてきたし、今回だって似たようなものよ」

商人「人助けの為だもんね…よし、頑張ろうね!!」

賢者「なさけはひとのためならずだぞ!!たすけたらごちそうが食べられるんだぞ!!」

魔法使い「そのことわざ、そんな意味だったかしら…?まあいいわ、塔に乗り込むわよ」

170: 2015/03/29(日) 14:13:55 ID:q1jHJLoo
――ルビスの塔、1階

商人「闇の世界のダンジョンなのに、中結構明るいよね…なんでだろ?」

魔法使い「ルビス様の力…なのかしらね?封印されててもそんな影響力があるのかは分からないけど…」

商人「どうなんだろうね…とりあえず、迷宮に来たからにはまずあなほりを…」

魔法使い「マメねえ…」

賢者「さいきんちょうしわるいけどな!!」

商人「うん、結局あのラダトームとドムドーラの間にあった洞窟でいのちのいしを2つ見つけてからは、何も見つけられてないんだよね…」

魔法使い「やっぱり暗いから探しづらいの?」

商人「そういうわけじゃないと思うんだけど…うーん、またハズレ…」

魔法使い「まあそういうこともあるわよ。それよりほら、宝箱があるわよ」

商人「あ、ホントだ!!開けてみるよ!!」パカッ

1016ゴールドをてにいれた!!

商人「1016ゴールド…アレフガルドに来てから開けた宝箱でこの金額だったの3回目くらいだよ。何か意味あるのかな…?」

魔法使い「うーん、どうなのかしらね…」

171: 2015/03/29(日) 14:21:52 ID:q1jHJLoo
――ラゴンヌがあらわれた!!サタンパピーがあらわれた!!

商人「わ、なんか強そうだよ!」

魔法使い「まずは私が呪文で弱らせるわ、ヒャダイン!!」ゴオオオ…

サタンパピーはメラゾーマをとなえた!!ラゴンヌはマヒャドをとなえた!!

商人「わー!!あつっ!!つめたっ!!」

賢者「れいとうはやだぞ、それっ!!」ザクッ

ラゴンヌをたおした!!

商人「あたしも…とうっ!!」ガンッ

――まもののむれをやっつけた!!

魔法使い「ふう…やっぱりこの世界の魔物は強いわね。それぞれが最上位の攻撃呪文をつかうなんて…」

商人「うう、さすがにメラゾーマは痛かったよ…でも体力はあんまりないみたいだね」

賢者「たいりょくはなくても食べるところはたくさんあるぞ!!まずはこっちのライオンから…」

魔法使い「ええ、そっちはいいけど、悪魔は止めときなさいよ…」

172: 2015/03/29(日) 14:32:17 ID:q1jHJLoo
商人「…この塔、結構広いね」

魔法使い「塔だからね、下は広くなってるはずよ…あら」

賢者「だれかいるな!!おーい!!」

老人「む、この様なところに、何物かな?」

商人「お、おじいさんこそこんなとこで何を…?」

老人「わしか、わしはな、ルビス様をここから見守っておるのだ。まあ、魔物が強くて近寄れず、見守る以外できぬだけだがな…」

賢者「そいつならこれでたすけるぞ!!」

老人「それは…おお、ようせいのふえか!それがあるならば、5階へ行くと良い」

魔法使い「5階へ…そこにルビス様が封印されているの?」

老人「行けば分かる。それより、この塔の魔物は強力だ、油断するでないぞ。それと、途中にある滑る床に気を付けてな」

商人「滑る床…?」

賢者「おもしろそうだな!!」

老人「滑る床の上をまともに歩こうとしてはいかん、頭を使わねばな…ただ無謀に突き進むだけが勇者ではない、そうであろう?」

魔法使い「なるほど…肝に命じておきます」

173: 2015/03/29(日) 19:23:56 ID:TjGECl3c
商人「…わりとあっさり階段は見つかって2階に来たけど…わ、ここもいきなり宝箱!!」

賢者「おー、このゆかなんだ?へんだぞ?」

魔法使い「これがさっきご老人が言ってた滑る床かしらね。なるほど、宝箱への道が滑る床になってて、うっかり足を滑らせると脇のバリア地帯に足を踏み入れてしまう、というわけね」

商人「な、なるほど、きをつけないとね…でも、頭を使えって言ってたけど、どうすれば…」

魔法使い「うーん…とにかくまずは歩いてみないとね…」

商人「ええー、それ、もちろんあたしが先頭だよね?うう、怖いなあ…」

賢者「はやくいけー!!」ドンッ

商人「わ、ちょっ、賢者ちゃん!?いきなりは、すべ…ぎゃーっ!!バリアー!!………あー、あれ?」

魔法使い「ああ、バリアならトラマナかけたから平気よ」

商人「先に言ってよ!!あと賢者ちゃんも急に押さないで!!」

賢者「ぼうけんのだいいっぽにきけんはつきものである。とらが食べたければとらのすあなにはいらねばならず…」スチャ

商人「インテリめがねでごまかさないでよ!!」

魔法使い「でも、おかげでこれが滑る床だという確認は出来たわ。ありがとうね、やっぱり頼りになるわね、貴方は」

商人「え、そ、そうかな…えへへ…」

賢者「…たんじゅんだなー」

175: 2015/03/30(月) 17:46:55 ID:UVuKoxkY
魔法使い「さて、じゃあインパスで調べるから…」

商人「ねえ魔法使いちゃん、あたし達そろそろ宝箱のモンスターにも勝てそうじゃない?調べなくても…」

賢者「おいしいものがはいってるかもしれないしな!!」

魔法使い「おいしいものは入ってないでしょうけど…そうね、インパスの魔力も勿体ないし…じゃあ開けてみて」

ミミックがあらわれた!!

商人「わっ、ホントに出なくても良いのに!とりゃー!!」ガンッ

ミミックはザキをとなえた!!

商人「ぎゃーっ!!…だ、大丈夫かあ…やっぱり心臓に悪い…」

賢者「だいじょーぶか!?ザキでしんだら食べれないんだからな!!」

商人「心配する所違うよね!?」

魔法使い「ほら、油断しないのよ!」ザクッ

商人&賢者「はーい!!」ドカザクッ

176: 2015/03/30(月) 18:00:05 ID:UVuKoxkY
――ミミックをやっつけた!!

賢者「これはおいしくなかったからなー…」

商人「ああ、あの魔法の使えない洞窟でも倒したよね。あそこでのザキは怖くなかったけど…」

魔法使い「そうね、やっぱり即氏呪文は怖いわね。さあ、それより他の宝箱も開けてみましょう。まだ7つも残ってるわよ」

商人「あ、そうだね!賢者ちゃん、開けてみよ!」パカッ

魔法使い「…いろいろ手に入ったわね。お金にいのちのきのみに…」

商人「はい賢者ちゃん、高いたかーい!!」ヒョイッ

賢者「わー!!どうしたんだしょーにん!?」ジタバタ

商人「魔法使いちゃんも、それー!!」ヒョイッ

魔法使い「ちょっ!?ちょっと、何やってるの!?」

商人「あはは、二人とも軽い軽い!!片手で持ち上がる…ってああ!?ちからのゆびわを外したら…!」ドテッ

賢者「ふぎゃっ!?きゅーにころぶなー!!」ブーブー

商人「ま、魔法使いちゃんがあたしのちからのゆびわを外すから!…いたた…」

魔法使い「っつう…悪かったわよ…それにしても、また装備品で調子に乗って…」

商人「えへへ、つい…」

177: 2015/03/30(月) 18:10:09 ID:UVuKoxkY
魔法使い「装飾品も良いけど、他には良いものあったの?」

商人「他?ねえ魔法使いちゃん、あたしはね、大好きな二人がこうやって無事だった事が何よりだよ?他には何もいらない…」

賢者「しょーにん、またへんなのみつけたな…」

魔法使い「はいはい、はくあいリングは前も見つけたでしょ。他には?」

商人「魔法使いちゃん、冷たい…他はね…そうそう、このらいじんのけんがあったよ!!」

賢者「おお、なんかかっちょいいな!!」

魔法使い「これは…ものすごい魔力を感じるわ。とても良いものじゃない?」

商人「うん!!武器としてもそうだけど、何よりすごく高値で売れそうだよ!!これを売れば、あれもこれも買える…」ワクワク

賢者「またごちそうだな!!」

魔法使い「強力なだけに私達が装備出来ないのは残念ね…でも宝箱って剣とか鎧ばかりね。杖とかローブももっとあれば良いのに…」

商人「そういえばそういうのあんまりないね。あればあんなに長いことぬいぐるみで冒険しなくても良かったのにね」

魔法使い「まったくよ。前衛職は良いわよね…」

178: 2015/03/30(月) 18:21:49 ID:UVuKoxkY
――3階

魔法使い「…さて、3階まで上ってきたわね」

商人「確かルビス様は5階にいるんだよね?」

魔法使い「ご老人の話によればね。まあ、嘘はついてないでしょうけど…」

賢者「みはりのモンスターがいるかもな!!」

商人「ああ、そういう可能性もあるんだね…強いモンスターじゃないと良いね」

魔法使い「分からないわよ、上の魔王くらいのがいるかも…」

商人「ええー!?それはちょっとやだな…」

賢者「こんどこそ食べるてやるぞ!!」

魔法使い「あれ、おいしいのかしらね…?でも獣の1種にも見えたし、案外…」

商人「ええー…あたしは遠慮しとくよ…」

魔法使い「私も食べないわよ…あら、行き止まりね。下にダイブは出来るけど…」

賢者「おちてみるのか?しょーにん、ほらほら!!」グイグイ

商人「ちょっ、押さないでよ賢者ちゃん!!さっき上りの階段があったから、まずはそっちに…」

魔法使い「そうね、まずは上に行ってみましょう。落ちるのはいろいろとリスクがあるからね…」

179: 2015/03/31(火) 17:55:44 ID:irP5jayk
商人「4階かあ…もう少しだね」

魔法使い「だといいけど…ここからが長い可能性もあるわね」

商人「そんな…でも、ルビス様の封印ってモンスター達にとっても大事そうただから、そうなのかもしれないね…」

賢者「おーい、あっちにたからばこがあるぞ!!」

商人「あ、賢者ちゃんが呼んでるよ!行ってみようよ!」タタタ…

魔法使い「ほら、廊下とダンジョンでは走っちゃダメよ…あれが宝箱ね。でも…」

商人「あー、すごく怖い所にあるね…足を踏み外さないように…あ、あれは!?」

賢者「どーした、しょーにん?」

商人「あ、あの宝箱…きっとものすごく貴重な物が入ってるよ!!商人の勘ってやつ?で間違いないよ!!」

魔法使い「どちらかというと盗賊の勘みたいだけど…少し落ち着いて…」

商人「ほらほら二人とも、早く来て、あれ今すぐ開けて…あっ!?」ツルッ

賢者「あ」

商人「あああ落ちるううウウ…」ピューン…

賢者「こんどはおしてないぞ…」

魔法使い「ここ、滑る床じゃないの…全く、落ち着いてって言ったのに…」

180: 2015/03/31(火) 18:09:30 ID:irP5jayk
商人「ひゃー…氏ぬかと思ったよ…」

賢者「したにおちてもしんだことないからだいじょーぶだぞ!!」

魔法使い「その考え方もどうかと思うけど…さて、また4階のあの場所に来たわ。今度は慎重にね」

商人「分かってるよ、もう落ちるのはこりごり…ゆっくり、ゆっくりと…」

賢者「しょーにん、おそ…ムガッ!?」モゴモゴ…

魔法使い「ちょっと大人しくね、賢者。あと押さないように」

商人「あ、ありがと魔法使いちゃん。よし、最大の敵は押さえたし…よし、渡りきったよ!!」

魔法使い「早速開けてみたら?私が賢者を押さえてる間に…」

商人「うん、すぐ開けるね…それっ」パカッ

なんと ひかりのよろいをてにいれた!!

魔法使い「これは…眩しい鎧ね…」

商人「こ、これもきっとあのゆうしゃのたてと同じでラダトームから奪われたっていう武具の1つだよ、きっと!!すごい、こんな鎧が手に入るなんて…」

魔法使い「やったわね。でも…私達はこれを装備出来ないのね…」

賢者「じゃあうってごちそうを食べるぞ!!」

商人「だ、ダメだよこれは!!」

181: 2015/03/31(火) 18:18:33 ID:irP5jayk
魔法使い「さて、素晴らしい鎧が手に入ったのは良いけど、これ以上上には行かないのね…」

商人「うん、この4階のどこにも階段がないもんね。となると…」

賢者「さっきのところからとびおりるぞ!!」

魔法使い「それしかないみたいね…まあ、1度飛び下りてからまた上るっていうダンジョンは今までも多かったけど…じゃあ戻りましょう」

商人「はーい…あーあ、また飛び下りてなきゃいけないのかあ…さっきの1回は余計だったなあ…」

魔法使い「あんまり興奮して慌てるからじゃない。もっと落ち着いて…」

商人「うん、分かってるんだけどさ、つい…」

賢者「…お、さっきのとびおりばしょだぞ!!」

商人「飛び下りて場所…まあそうだけど…また飛び下りるのかあ…」

魔法使い「ほら、迷ってても仕方ないでしょ」

賢者「そーだぞ、けんじゃがさきにおちるぞ!!それっ!!」ピューン…

商人「うう、羨ましいくらい思いきりが良いなあ………ええい、それっ!!」ピューン…

魔法使い「今まで何回も飛び下りてるのに、まだあんなに怖いのかしら…まあ良い気分ではないけど…それっ!」ピューン…

184: 2015/04/01(水) 17:28:41 ID:wKGaHD6A
商人「いたた…ってあれ、ここは?」

魔法使い「今まで来られなかった場所みたいね…どうやら飛び下りて正解かしら?」

賢者「じめんまでおちたんだな!!」

魔法使い「ええ、1階まで落ちて来たみたい…ここからまた上りか…」

商人「階段ばっかりだね…ダンジョンもバリアフリーにすれば良いのに」

魔法使い「それ、ダンジョンっていうのかしら…?」

賢者「よーし、かいだんのぼるぞ!!」ダダダ…

商人「元気だね…でもこれ、5階まで行けるのかな?」

魔法使い「さあ…ね。いつも通り、行けば分かるわ。さあ、行きましょう」

185: 2015/04/01(水) 17:40:02 ID:wKGaHD6A
商人「よいしょ、よいしょ…ふうー、キツい上りだね…」

魔法使い「そうね…でも、これだけ上れば…きっと…」

賢者「お?おおー、ひろいところにでたぞ!!」

商人「あ、ホントだ…魔法使いちゃん、あたし達下に落ちてから何回階段上ったっけ?」

魔法使い「確か…4回上がったかしら?という事は…」

商人「ここが5階かな?そう言えば、今までの階とは雰囲気がちょっと違うかな?やっと着いたね…」

賢者「ひろいなー…あ、だれかいるぞ!!」タタタ…

魔法使い「誰か…?それは像よ…あ、それは、もしかして…」

商人「ああ、これがルビス様なの!?封印って、像にされてたんだ…じゃあこの像の前で笛を吹けば…」

賢者「ふえってこれだよな?」ジャララン

魔法使い「ちょっと、それはぎんのたてごと…!」

ダースリカントがあらわれた!!はぐれメタルがあらわれた!!

商人「!?!?!?ま、魔法使いちゃん、あいつ…!」

はぐれメタルはにげだした!!

魔法使い「逃げられた…残念ね。でもここにはあいつがいるのね…」

186: 2015/04/01(水) 17:53:56 ID:wKGaHD6A
商人「あの銀色を逃がしたのは痛いけど…でも、ここにはルビス様の封印を解きに来たんだもんね!賢者ちゃん、笛はこっち!」

賢者「こっちかー。じゃあふくぞ!!」ピュララー

魔法使い「…像が…光ってる!?」

賢者「お?ぞうがうごいたぞ!!」

???「ああ…このような日が来るなんて、まるで夢の様ですわ!」

魔法使い「貴方が…ルビス様?」

ルビス「はい、私がルビス。このアレフガルドを創った者です」

魔法使い「貴方が…良かったわ、アレフガルドの人達も喜ぶわね」

ルビス「私の封印を解いてくれたお礼に、このせいなるまもりを差し上げましょう。そしてもし、貴方達が大魔王を倒したら…いつか必ずお礼を致しましょう」

賢者「せいなるまもり?おいしそうじゃ…モゴモゴ」

魔法使い「しっ。分かりました。きっと大魔王は倒してみせます」

ルビス「ええ、私もそれを願っています。私は精霊ルビス。この大地を創った者…」パアアア…

魔法使い「消え、た…これでルビス様は復活、せいなるまもりも手にいれたし、後は…商人?ずいぶん大人しいけど…」

商人「むにゃ…あれ?像は?ルビス様はどうなったの!?」

魔法使い「まさか、またようせいのふえで寝てたの…?」

187: 2015/04/01(水) 18:11:54 ID:wKGaHD6A
商人「ええー!?じゃあもうルビス様復活しちゃったの!?あああ、ルビス様見逃した…魔法使いちゃん、起こしてくれても良かったじゃない!」

魔法使い「寝てるとは思わなかったわよ…まさかこの世界の創造者の目の前で眠る人間がいるなんて思いもしなかったもの…」

商人「う、そ、それは…と、とにかく、ルビス様は復活して、せいなるまもりも手に入ったんだよね?ねえ、あたしにもせいなるまもり見せてよ!」

魔法使い「はいこれ。どう?商人の目から見て」

商人「うーん、これを身に付けてると、ザキから身を守れるみたいだよ。でも…あたし達には装備出来ないみたい…」

魔法使い「そう、残念ね……でも装備として以外にも、これには意味があるわよね」

商人「そっか、これで聖なるほこらに持っていくアイテム3つ全部揃ったんだ!!」

賢者「これでだいまおーを食べにいけるな!!」

魔法使い「私は食べないけど…でもいよいよね。私達の旅にも、終わりが見えてきたわね…」

商人「そうだね……でさ。あたし思ったんだけど…」

魔法使い「何?」

商人「大魔王の島に渡るためのアイテムをわあたし達に寄越したって事は…あたし達に大魔王退治は任せた!って事だよね?ルビス様は大魔王に封印された訳だし、大魔王に敵わないのは分かるけど、竜の女王様みたいに対大魔王用の物をくれる訳でもないし、こんな事言いたくないけど……」

賢者「ケチなうえにひとまかせだな!!」

ルビス(……聞こえてるんですけど…)

189: 2015/04/02(木) 17:19:14 ID:bviqyGyM
魔法使い「あまり酷い事言わないのよ、言いたい気持ちも分かるけど…それに、もしかしたらこの場所にルビス様の贈り物があるかもしれないわ」

商人「この場所に?」

魔法使い「ほら、さっき賢者が竪琴弾いた時、メタルが出たでしょう?ここはもしかしたらあいつの出やすい場所なのかも…」

商人「あ、なるほど!じゃあ賢者ちゃん、もう1回竪琴弾いてみて!!」

賢者「おー!!」ポロロン

はぐれメタルがあらわれた!!

商人「わ、ホントに出た!!しかも6匹!?」

魔法使い「これは…大チャンスね!行くわよ、ドラゴラム!!」ゴゴゴ…

賢者「おー、かっちょいいまほー!!」

はぐれメタルはにげだした!!はぐれメタルはにげだした!!はぐれメタルはにげだした!!はぐれメタルはにげだした!!はぐれメタルはにげだした!!はぐれメタルはにげだした!!

魔法使い「……………」シュウウウ…

賢者「やっぱりルビスさまはケチだな…」

ルビス(そんな、ひどい…)

190: 2015/04/02(木) 17:38:59 ID:bviqyGyM
魔法使い「…あれからかなり魔物と戦ったけど、なかなかメタルは倒せないわね…」

商人「数は結構出るんだけどね…すぐ逃げるから、なかなか複数倒せない…」

賢者「でもさっきあなほりでなにかでてなかったか?」

商人「あ、そうそう、かなりのレアモノだよ、このなげきのたて!!きっとルビス様からの贈り物だね!!」モヨヨーン

魔法使い「そのもよよーんっていう明らかに呪われてそうなオーラを放ってるそれがルビス様からの贈り物なの…?」

ルビス(ち、違います!!)フルフル

賢者「ルビスさまはケチだからなー」

商人「やっぱりそうなのかなあ?もしかしてあたし達が勇者じゃないから…」

魔法使い「まあいいわ、もう1回竪琴弾いてみて。これでダメなら帰りましょう」

賢者「おー!!かえってごはんだ!!」ポロロン

はぐれメタルがあらわれた!!

魔法使い「出たわね、しかもまた6匹!!今度こそ逃がさない…賢者、貴方ドラゴラム使えるわよね?私が失敗したら唱えて!」

賢者「おー!!まほーつかいはどーするんだ?」

魔法使い「私は…今までとは違う方法を試してみるわ――混沌に投げ出されし力よ、星に宿りて光を示せ!!我が魔力、夜空に手を伸ばし――星の海より奇跡を掬え!!パルプンテ!!」ペカー

191: 2015/04/02(木) 17:45:12 ID:bviqyGyM
商人「わ、新魔法!?」ドキドキ

商人のきずがかいふくした!!賢者のきずがかいふくした!!魔法使いのきずがかいふくした!!

魔法使い「………」

ルビス(ああ、しっかり…)

商人「け、賢者ちゃん、ドラゴラムを!!」

賢者「おー!!けんじゃもかっちょよくなるぞ!!ドラゴラム!!」ゴゴゴ…

魔法使い「後は逃げない事を祈るのみだけど…」

はぐれメタルはにげだした!!はぐれメタルはにげだした!!

商人「ああ、また逃げた!!また…もう2匹しか残ってないよ、賢者ちゃん、早く!!」

賢者はもえさかるかえんをはいた!!はぐれメタルをたおした!!はぐれメタルをたおした!!

商人「やった、すごいよ賢者ちゃん!!やったね魔法使いちゃん!!」

魔法使い「ええ、よくやったわ賢者。帰ったらごちそうね」

賢者「おー!!ごちそう!!」シュウウウ…

ルビス(良かった、本当に良かった…)

192: 2015/04/02(木) 17:57:20 ID:bviqyGyM
――167日目、ルビスの塔入口

魔法使い「ふう、いろいろあったけど、ルビス様を復活させられて良かったわね」

商人「そだね、アイテムもたくさん手に入ったし!」

賢者レベル38「レベルもあがったな!!」

商人レベル41「うん、あの銀色を倒したからね!」

魔法使いレベル44「賢者のおかげね。私のパルプンテは不発だったけど…」

商人「あの魔法って結局何だったの?」

魔法使い「あれは何が起こるか分からない呪文なのよ。良い効果が出れば良いけど、今回みたいに不発になることも多いみたいね…」

商人「そうなんだ。お堅い魔法使いちゃんはあんまり好きそうじゃない魔法だけど…」

魔法使い「まあね。でも今なら私が失敗しても賢者がフォローしてくれると思ったし、実際そうなったしね。ありがとうね、賢者」

賢者「まかせろ!!おれーはごちそうでいいぞ!!」

商人「あはは、じゃあ今日はフンパツしちゃうよ!!さあマイラに戻ろう!!」

賢者「おー!!」

ルビス(…短い間ですけど、賑やかで楽しかったです。またいつか…)

193: 2015/04/02(木) 18:13:23 ID:bviqyGyM
賢者「ついたぞ!!ごちそうだ!!」

商人「うん、賢者ちゃんは先に宿屋に行ってて。あたしはちょっと用事があるから…」

魔法使い「あら、何かあるの?」

商人「ほら、おとといここの道具屋さんにオリハルコン売ったでしょ?もしかしたらあれで何か作ってるんじゃないかなーってさ」

魔法使い「ああ、そういえば…道具屋はジパングの刀鍛冶だという話だったわね」

商人「そうそう、今頃すごい剣が出来上がってたりして…こんにちはー」

道具屋いらっしゃいませ。おや、あなた方は…今、ちょうどこれが出来上がった所なんですよ、いかがですか?」

商人「こ、これすごい…これすごいですよ!!買います、買わせて下さい!!」

道具屋「ありがとうございます」

商人「いいえ、こちらこそ!!やった、魔法使いちゃん、やったよ!!」

魔法使い「ど、どうしたのよ!?落ち着いて…」

商人「落ち着いてられないよ!!これ、おうじゃのけんだよ!!すごいすごい!!」

魔法使い「おうじゃのけん…ってあの、大魔王が砕くのに三年掛かったっていう、あの?」

商人「そうそう、すごい、本当にすごいよ!!」

魔法使い「驚いたわね、そんな剣が、しかも2日で…ジパング恐るべし、ね…」


【ドラクエ3】アリアハンの魔法使い【7】