573: 2018/01/24(水) 20:15:13.44 ID:5I4hyW+W0
オフの日が雨な楓さんですか
ちょっと書いてみます

シリーズ:○○な楓さん

前回:【モバマス】ドラゴンな楓さん


574: 2018/01/24(水) 20:18:54.11 ID:5I4hyW+W0
「……んん」

今何時かしら

アラームをセットしたのは覚えていますが、鳴ったのかは覚えていません

スマートフォンを手に取り、確認すると、午前10時

……寝すぎちゃった

幸いなことに今日はオフですし構いません


THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 004 高垣楓
575: 2018/01/24(水) 20:22:43.46 ID:5I4hyW+W0
けれど、どうも頭が重い気がします

カーテンを開けた窓から見える空はどうにもよく無い様子

「一雨きますかね……」

不機嫌そうな空模様で、私の気持ちもどうも落ち込みがち

……お家でゆっくりするのも良いですけれど

せっかくのお休みなのでどこかにお出かけしたいです

そうだ、藍子ちゃんに教えてもらったカフェにでも行ってみましょうか

576: 2018/01/24(水) 20:27:37.96 ID:5I4hyW+W0
そうと決まれば、善は急げ

顔を洗って歯を磨いて、洋服をどうするか迷います

うーん……ワイドパンツにタートルネックのニット、それにコートでいいですかね

外は寒いし、マフラーも巻いていきましょうか

よし、これで準備万端

あいにくな空模様ですが、お出かけすっかい♪

577: 2018/01/24(水) 20:36:52.15 ID:5I4hyW+W0
サイドゴアブーツに足を入れて、鍵の施錠の確認も終わり

腕時計を見てみると午前11時

歩いていたら時間つぶしにもなるし、昼食もカフェで一緒に取ってしまいましょう

ええと、あの深夜ドラマでやってた『腹が、減った……』ごっこもやってみよう

そうときまれば出発です

今日も色々な発見があればいいなぁ、と思いながら私はカフェへと向かいました


578: 2018/01/24(水) 20:42:00.42 ID:5I4hyW+W0
あ、これ素敵ですね

足を止めたのはブティックのウィンドウに飾れらたコート

光を反射するような上品な光沢が綺麗

カシミアかしら、とても温かそう

どうも寒い季節は洋服が気になってしまいますね

買っても少ないオフの日に着るくらいで、まだ出番を待っている洋服を数えると両手でも足りません


579: 2018/01/24(水) 20:45:19.92 ID:5I4hyW+W0
今回は保留しましょう、そう決めて歩いているとまた目に留まるものが

これは……サックス? あいちゃんがたまに吹いてくれるやつですよね

頭の中にサックスを吹くあいちゃんがイメージされる

……うん、あいちゃんは年下なのに私より大人っぽい気がします

私も何か楽器を習ってみようかしら?

今思うと縦笛やカスタネットしかできないことに気付きました

580: 2018/01/24(水) 20:51:33.23 ID:5I4hyW+W0
足を止めすぎたせいでしょうか、気付くと、カフェに到着する前に雨が降ってきてしまいました

それも、結構な雨足です

仕方なくお店の軒先で雨宿りとなったのですが、なかなかやみそうにありませんでした

「どうしましょう」

ぽつりと出た言葉

運が悪く傘も忘れてしまいましたし、走ってもカフェに着く前にずぶ濡れになってしまいそう

「はぁ……」

重いため息が自然とでました

581: 2018/01/24(水) 20:55:31.80 ID:5I4hyW+W0
手持無沙汰になってしまった私は、流れる人たちの観察をすることにしました

この町はたくさんの人がいて、皆さん忙しそうに歩いています

すると、何という偶然か見知った人がこちらへ向かってくるのが見えました

「プロデューサー?」

「高垣さん? どうしたんですか」

私に声をかけられたプロデューサーは目を丸くしてこちらを見ています

「お出かけの最中に雨に降られてしまって……」

経緯を説明すると、プロデューサーが傘を差しだしてきました

582: 2018/01/24(水) 21:05:09.11 ID:5I4hyW+W0
「何なら送っていきますよ、暇なんで」

その手に握られている傘は大きめで、これなら大人二人でも大丈夫そう

「それならお言葉に甘えさせて頂きます」

このままプロデューサーもカフェに連れいっちゃいましょう♪

一人も良いですが、二人でお喋りするのも楽しいですし

傘に入れてもらったお礼、という形にすればプロデューサーも快く応じてくれるはずです

583: 2018/01/24(水) 21:11:43.01 ID:5I4hyW+W0
「お邪魔します」

「せまいかもしれないですけど、どうぞ」

お互いが雨に濡れないように、肩が少しだけ触れあう距離

けれど、私のほうが中心にいるような気がします

ちらりと横を見てみると、プロデューサーの右肩は雨に濡れていました

私が濡れないように、傘を譲ってくれているのでしょうけれど

「風邪ひいちゃいますよ?」

ぐっとプロデューサーに寄り添って、傘をスライドさせる

584: 2018/01/24(水) 21:17:38.22 ID:5I4hyW+W0
「俺は別に……」

相変わらず嘘が下手ですね、目が泳いでいますよ?

「そういうことにしておきます♪」

照れくさそうに頭をかくプロデューサーの腕を引っ張って先導することにしました

「私のせいで濡れてしまったので、暖かいものでもご馳走しますから」

「……まぁ、たまにはいいか」

これは自然な流れでお誘い出来た気がします

585: 2018/01/24(水) 21:20:43.80 ID:5I4hyW+W0
雨の中を二人で歩きます

普段なら憂鬱なら雨でも、こういうのなら歓迎ですね

「高垣さん、ずいぶんご機嫌みたいですね」

「ええ、恵の雨ってやつです」

私の上機嫌が雨にうつったのか

雨粒たちが楽しそうにリズムを取っているかのように聞こえてきました

586: 2018/01/24(水) 21:25:40.27 ID:5I4hyW+W0
「プロデューサーは何かご予定があったんですか?」

「いえ、先ほど言ったように何も」

ふぅん、ということは一日空いてるってことですよね

「そうですか、私も今日はぶらぶらしようかなと思って」

カフェの後に居酒屋で一人飲みでもしようかと思いましたけど

こうなればとことん付き合ってもらいましょう♪

「高垣さんも予定がない時あるんですね」

これはどうとらえていいのかしら?

587: 2018/01/24(水) 21:28:27.69 ID:5I4hyW+W0
「一人で居酒屋はざらですよ?」

「ええっ? 本当に!?」

そんなに驚くことでしょうか

「プロデューサーは私のことを誤解しています」

私のことを知らなすぎる貴方には、私を知る機会が必要ですね

「という事で、今日はとことん付き合ってもらいます♪」


588: 2018/01/24(水) 21:34:26.77 ID:5I4hyW+W0
憂鬱な雨が素敵な出会いをもたらしてくれました

無計画で動くのも案外良いのかもしれません

「アイドルのケアも仕事のうちか……」

財布の中身を確認するプロデューサーに私は笑顔で語り掛けます

「お仕事なら担当の私がいないといけませんね♪」

これから雨が降っても私は憂鬱になりません

なぜなら、こんなに素敵な時間があるのを知ったのですから




おしまい

589: 2018/01/24(水) 21:35:30.66 ID:5I4hyW+W0
読んでくれた方に感謝を
今日はこれでおしまいです
続きは明日でしてー

引用: 【モバマス】楓さんで安価