717: 2018/01/30(火) 19:37:45.48 ID:4wGR+G6H0
妊婦な楓さんですか
ちょっと書いてみます

シリーズ:○○な楓さん

前回:【モバマス】実は忍な楓さん


721: 2018/01/30(火) 19:47:13.24 ID:4wGR+G6H0
病室の窓からは元気に走り回っている少年の姿

私の赤ちゃんもあんな風に元気になってくれるかしら

随分大きくなった自分のお腹をさすってみる

小さいころに見たアニメの映画の狸みたい

何だかおかしくなって、一人で笑っちゃいました

あれってぽんぽんがぽっこりしてるから、ぽんぽこ?
THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 004 高垣楓
722: 2018/01/30(火) 19:52:10.26 ID:4wGR+G6H0
はぁ……久々に面白かった

一人でしきりに笑ったあと、待っているのは病室の静けさ

「退屈……」

今は安静にしていないといけない、それはわかりますけれど

誰かお見舞いに来てくれませんかね

むむむーん、と裕子ちゃんの真似をしてみる

723: 2018/01/30(火) 19:55:39.64 ID:4wGR+G6H0
こんこんこんと、病室のドアが三回ノックされる

あら、もしかして私のお願いがつうじちゃいましたか

「どうぞ」

今日は誰が来てくれたのかしら

そんな逸る気持ちを抑えながら、返事をした

「こんにちは、楓さん」

「みりあちゃん、いらっしゃい」

元気いっぱいの笑顔のみりあちゃんに、私も笑顔を返す


724: 2018/01/30(火) 20:00:14.53 ID:4wGR+G6H0
「お腹……苦しくない?」

ぽっこりとした私のお腹を心配してか、みりあちゃんの眉根が下がる

年少組の子だけど、最近はお姉さん気質が出てきたみたい

「ええ、大丈夫」

「そっかー、みりあは食べすぎちゃった時とっても苦しいの」

あはは、とみりあちゃんが笑った

「触ってみる?」

そう提案すると、みりあちゃんがこくりと頷いた


725: 2018/01/30(火) 20:05:27.88 ID:4wGR+G6H0
「やさしく……そーっと」

恐る恐るといった風に、ゆっくりとみりあちゃんの手が私のお腹に触れる

「わ……凄い」

目をまん丸にして、きゃあきゃあとはしゃいでる

「楓さんの赤ちゃん、早く見たいな」

「もうちょっとしたら、ね」

みりあちゃんの髪を撫でると、さらりとした感触が手に伝わる

726: 2018/01/30(火) 20:09:38.74 ID:4wGR+G6H0
「えへへ、みりあも赤ちゃんのお世話手伝うからね」

「ええ、その時はお願いね。みりあお姉ちゃん」

私がそう言うと、みりあちゃんは目を輝かせた

「やった♪ 一緒に遊びたいし、一緒にんーと……」

指を使ってやりたいことを数えているみたい

こんなに可愛いお姉ちゃんがいれば、赤ちゃんもきっと喜びますね

727: 2018/01/30(火) 20:23:13.09 ID:4wGR+G6H0
「そうだ! 楓さん、これお見舞いのリンゴと暇かなって思って本持ってきたの」

みりあちゃんが可愛いバッグから、リンゴと本を数冊取り出す

ひよこクラブ、ですか

「お母さんがこれ持っていきなさいって」

後でお礼をしておかないといけませんね

「ありがとう、みりあちゃん」

「どういたしまして! そうだ、みりあがリンゴの皮向いてあげる」

果物ナイフなら引き出しにあるはずだけど、大丈夫かしら?

728: 2018/01/30(火) 20:25:38.88 ID:4wGR+G6H0
「んしょっと」

はらはらしながらみりあちゃんを見ていると、それは杞憂だったみたい

慣れている手つきでリンゴの皮をするすると向いていく

「できた! ウサギさん♪」

「可愛いウサギさんね、それじゃあ頂きます」

少し耳がかけてしまったウサギさんのリンゴはとても甘くて美味しい

729: 2018/01/30(火) 20:29:58.72 ID:4wGR+G6H0
「でねでね、晴ちゃんがプロデューサーに怒っちゃって大変だったの」

小さい体をめいっぱい使って、その時の状況を細かく伝えてくれる

「プロデューサーも晴ちゃんに怒られるのが日課になっちゃったわね」

やりとりがすぐにイメージできた

「でもね、晴ちゃん後でごめんなさいしてた」

「きちんと謝れるのは大事だものね」

そっか、事務所の皆は元気みたいで一安心

730: 2018/01/30(火) 20:38:00.44 ID:4wGR+G6H0
落ち着いたら事務所にも顔を出してみましょうか

赤ちゃんも連れて行ったら、皆びっくりするかな

それまでにとっておきのダジャレを考えておかないと……

「あ、こんな時間になっちゃったわね」

気付くと窓の景色が茜色に染まっていた

みりあちゃんとの時間はとても楽しくて、時間があっという間に過ぎていた

731: 2018/01/30(火) 20:44:49.11 ID:4wGR+G6H0
「みりあちゃん、帰る時はどうするの?」

「プロデューサーが迎えに来てくれるって」

そっか、あの人が来てくれるなら安心

「それまで楓さんのお世話するの」

えへんと胸をはるみりあちゃん

「ふふふ……頼もしいわね」

「みりあはお姉ちゃんだからね♪」

それでね、まだ聞かせたいお話いっぱいあるの! とみりあちゃんが話し始める

これは退屈してる暇なんてないわね

小さなお客さんの言葉に耳を傾けながら、赤ちゃんに語り掛けた




おしまい

引用: 【モバマス】楓さんで安価