737: 2018/01/30(火) 20:49:30.42 ID:4wGR+G6H0
ヴァンパイアハンターな楓さんですか
ちょっと書いてみます
ちょっと書いてみます
シリーズ:○○な楓さん
前回:【モバマス】妊婦な楓さん
738: 2018/01/30(火) 20:58:13.96 ID:4wGR+G6H0
昔々の物語
一人のヴァンパイアハンターがおりました
長身とそれぞれ色が違う瞳をもつ妙齢の美女
町をあるけば男どもが振り向いてしまうほどです
「さて、今日はどこの酒場にしましょうか」
当の本人はどこ吹く風といった感じで、マイペースでした
一人のヴァンパイアハンターがおりました
長身とそれぞれ色が違う瞳をもつ妙齢の美女
町をあるけば男どもが振り向いてしまうほどです
「さて、今日はどこの酒場にしましょうか」
当の本人はどこ吹く風といった感じで、マイペースでした
739: 2018/01/30(火) 21:03:44.50 ID:4wGR+G6H0
「いらっしゃい……お客さん、ミルクは置いてないぜ」
酒場に入ると、いやらしい笑みを浮かべた店主がそう言いました
「エールをください、大きいジョッキで」
女性は、酒場でミルク? ……ミルクを飲んでみるく……いまいち
なんてことを思いながら、不思議そうな顔です
「お、おう……ちょっと待ってな」
店主はいそいそとしながら準備をしています
酒場に入ると、いやらしい笑みを浮かべた店主がそう言いました
「エールをください、大きいジョッキで」
女性は、酒場でミルク? ……ミルクを飲んでみるく……いまいち
なんてことを思いながら、不思議そうな顔です
「お、おう……ちょっと待ってな」
店主はいそいそとしながら準備をしています
740: 2018/01/30(火) 21:06:51.42 ID:4wGR+G6H0
女性が酒場に入ってからしばらく経ちました
「おかわりを」
「は、はい……」
女性の飲みっぷりに店主が恐れをなし、態度が軟化しました
「あ、そういえばこの辺りの町はヴァンパイアに困っているとか……」
何杯目かわからないエールを飲みながら、女性が尋ねます
「よくご存じで……あれは恐ろしい存在です」
店主が目をつぶり、重々しい口を開きます
「おかわりを」
「は、はい……」
女性の飲みっぷりに店主が恐れをなし、態度が軟化しました
「あ、そういえばこの辺りの町はヴァンパイアに困っているとか……」
何杯目かわからないエールを飲みながら、女性が尋ねます
「よくご存じで……あれは恐ろしい存在です」
店主が目をつぶり、重々しい口を開きます
741: 2018/01/30(火) 21:11:36.13 ID:4wGR+G6H0
なんでも、そのヴァンパイアは小柄で銀色の髪を持っている
口には恐ろしい牙を持ち、よなよな生贄をさがしているとか
そしてなぜかキノコを落としていくとか何とか
「なるほど……あ、この干し肉美味しいですね」
女性は干し肉をもぐもぐと咀嚼しながら、返事をしました
「出会ったら逃げたほうが良いですよ」
店主の忠告に、女性はこくりと頷きました
口には恐ろしい牙を持ち、よなよな生贄をさがしているとか
そしてなぜかキノコを落としていくとか何とか
「なるほど……あ、この干し肉美味しいですね」
女性は干し肉をもぐもぐと咀嚼しながら、返事をしました
「出会ったら逃げたほうが良いですよ」
店主の忠告に、女性はこくりと頷きました
743: 2018/01/30(火) 21:22:27.33 ID:4wGR+G6H0
「さて、良い時間ですね」
外は真っ暗で、星とお月さまが輝いています
女性は酒場を出ると、腰の革袋にあるものを確認し、夜の街を徘徊することにしました
いつの間にか、冒険者風な装いから、町娘なような装いに変わっています
「さて、後は私を間違えて襲ってくればいいだけですね」
女性は寒い寒いと言いながら、軽い足取りで歩きだしました
外は真っ暗で、星とお月さまが輝いています
女性は酒場を出ると、腰の革袋にあるものを確認し、夜の街を徘徊することにしました
いつの間にか、冒険者風な装いから、町娘なような装いに変わっています
「さて、後は私を間違えて襲ってくればいいだけですね」
女性は寒い寒いと言いながら、軽い足取りで歩きだしました
744: 2018/01/30(火) 21:28:28.45 ID:4wGR+G6H0
「だ、誰かー! カワイイボクが襲われてますよー」
薄暗闇から、まるで緊張感の無い悲鳴が聞こえてきます
「まぁ、大変」
こちらの女性も緊張感は皆無でした
声を頼りに走り出すと、そこには少女が尻もちをついていました
「大丈夫? 幸…お嬢ちゃん」
女性が、髪の毛がぴょこりと外ハネしている少女に声をかけます
薄暗闇から、まるで緊張感の無い悲鳴が聞こえてきます
「まぁ、大変」
こちらの女性も緊張感は皆無でした
声を頼りに走り出すと、そこには少女が尻もちをついていました
「大丈夫? 幸…お嬢ちゃん」
女性が、髪の毛がぴょこりと外ハネしている少女に声をかけます
745: 2018/01/30(火) 21:35:15.53 ID:4wGR+G6H0
「ヴァンパイアが……ボクに……」
何故か、可愛いと自負していそうな少女が怯えながら言います
「もう大丈夫よ、どっちに行ったかわかる?」
「あっちに……」
女性の問いに、タレ目がちな少女が返しました
「貴女は安全な場所へ、それじゃあ」
女性は少女が指さした方へ走り出します
「かえ……気を付けてくださいね」
しんとした町に、少女の声が静かに響きました
何故か、可愛いと自負していそうな少女が怯えながら言います
「もう大丈夫よ、どっちに行ったかわかる?」
「あっちに……」
女性の問いに、タレ目がちな少女が返しました
「貴女は安全な場所へ、それじゃあ」
女性は少女が指さした方へ走り出します
「かえ……気を付けてくださいね」
しんとした町に、少女の声が静かに響きました
746: 2018/01/30(火) 21:38:53.66 ID:4wGR+G6H0
「こ、これは……」
女性が何やら見つけたようです
それは、道に点々と落ちている血……ではなく
「エリンギ……? あ、こっちにはしめじも」
どうやらキノコを落とすと言うのは本当だったみたいです
「帰ったら焼いて食べましょう♪」
女性はるんるんな気分でキノコを拾いながら、ヴァンパイアの後を追いました
女性が何やら見つけたようです
それは、道に点々と落ちている血……ではなく
「エリンギ……? あ、こっちにはしめじも」
どうやらキノコを落とすと言うのは本当だったみたいです
「帰ったら焼いて食べましょう♪」
女性はるんるんな気分でキノコを拾いながら、ヴァンパイアの後を追いました
747: 2018/01/30(火) 21:43:16.78 ID:4wGR+G6H0
そうしてキノコをたくさん拾っていると、じめっとした洞窟にたどり着きました
「ここにヴァンパイアが……」
女性が神妙な顔をして見せますが、頭の中ではキノコで一杯やることしか考えていません
「慎重に、ゆっくり奥まで行きましょうか」
音を立てないように、差し足で女性が進みます
奥に進むにつれ、キノコの量が増えていきます
それはまるで栽培しているかのような量
「キノコ食べ放題ね」
くすりと女性が笑いました
「ここにヴァンパイアが……」
女性が神妙な顔をして見せますが、頭の中ではキノコで一杯やることしか考えていません
「慎重に、ゆっくり奥まで行きましょうか」
音を立てないように、差し足で女性が進みます
奥に進むにつれ、キノコの量が増えていきます
それはまるで栽培しているかのような量
「キノコ食べ放題ね」
くすりと女性が笑いました
748: 2018/01/30(火) 21:47:11.43 ID:4wGR+G6H0
「ん……?」
ろうそくの明かりが見えます
そして、銀色の髪の毛も
こちらに背を向けて何かをしているようですが、好都合です
今がチャンスと言わんばかりに、女性が腰にぶら下げた革袋から透明な小瓶を取り出し
「え~い」
楽しそうな声とともに、放り投げました
ろうそくの明かりが見えます
そして、銀色の髪の毛も
こちらに背を向けて何かをしているようですが、好都合です
今がチャンスと言わんばかりに、女性が腰にぶら下げた革袋から透明な小瓶を取り出し
「え~い」
楽しそうな声とともに、放り投げました
749: 2018/01/30(火) 21:50:42.96 ID:4wGR+G6H0
「うわっ……く、くさっ!」
銀色の髪の毛のヴァンパイアは小瓶の中身を浴びて転がりまわりました
「特製の聖水(ウォッカ)のお味はどう?」
ちょっと勿体ないことしたかしら、と女性が思っていました
「くそ……こんなところで……」
こちらに振り向いたヴァンパイアは噂通りとても小柄です
ですが、口から覗く鋭い犬歯は恐ろしさを感じさせました
銀色の髪の毛のヴァンパイアは小瓶の中身を浴びて転がりまわりました
「特製の聖水(ウォッカ)のお味はどう?」
ちょっと勿体ないことしたかしら、と女性が思っていました
「くそ……こんなところで……」
こちらに振り向いたヴァンパイアは噂通りとても小柄です
ですが、口から覗く鋭い犬歯は恐ろしさを感じさせました
750: 2018/01/30(火) 21:52:52.29 ID:4wGR+G6H0
「続いてニンニクも……!」
女性がニンニクを投げます
ヴァンパイアの伝承ではニンニクも効果があり……ませんでした
ほかほかと湯気を立てるニンニクは、香ばしく焼かれていました
「あ……臭くない」
そこで女性はお酒のおつまみ用に焼いてしまったことに気付きました
女性がニンニクを投げます
ヴァンパイアの伝承ではニンニクも効果があり……ませんでした
ほかほかと湯気を立てるニンニクは、香ばしく焼かれていました
「あ……臭くない」
そこで女性はお酒のおつまみ用に焼いてしまったことに気付きました
751: 2018/01/30(火) 21:56:07.05 ID:4wGR+G6H0
「とどめはこれです」
女性は腰に装備していた鞭を伸ばしました
先には金属片が付いていて、とても痛そうです
「これは痛いですよ? とっても痛いですよ?」
女性は何故か鞭を振りません
「降参するなら今のうちですよ?」
ヴァンパイアは気付きました、鞭使ったことないんだなって
女性は腰に装備していた鞭を伸ばしました
先には金属片が付いていて、とても痛そうです
「これは痛いですよ? とっても痛いですよ?」
女性は何故か鞭を振りません
「降参するなら今のうちですよ?」
ヴァンパイアは気付きました、鞭使ったことないんだなって
752: 2018/01/30(火) 22:00:58.20 ID:4wGR+G6H0
膠着状態かと思われたその時です
「輝子ちゃんをいぢめるのはやめるんですけど……」
奥のベッドから金髪のおどおどした少女が現れました
「乃々ちゃん、動いちゃだめだ」
ヴァンパイアから乃々と呼ばれた少女が女性の前に立ちます
まるでヴァンパイアを守るように、手を広げて
「輝子ちゃんをいぢめるのはやめるんですけど……」
奥のベッドから金髪のおどおどした少女が現れました
「乃々ちゃん、動いちゃだめだ」
ヴァンパイアから乃々と呼ばれた少女が女性の前に立ちます
まるでヴァンパイアを守るように、手を広げて
753: 2018/01/30(火) 22:04:20.38 ID:4wGR+G6H0
これではまるで女性のほうが悪者みたいです
「事情があるみたいね、お話を聞いてもいい?」
二人のやり取りを見た女性は話を聞くことにしました
傷つけるのは得意じゃないし、これで解決できるならと思ったからです
「乃々ちゃん……」
「わかりました、お話します」
乃々と呼ばれた少女が、伏目がちに話し始めました
「事情があるみたいね、お話を聞いてもいい?」
二人のやり取りを見た女性は話を聞くことにしました
傷つけるのは得意じゃないし、これで解決できるならと思ったからです
「乃々ちゃん……」
「わかりました、お話します」
乃々と呼ばれた少女が、伏目がちに話し始めました
754: 2018/01/30(火) 22:09:29.43 ID:4wGR+G6H0
「まぁ、そんなことが……」
聞けば、少女はぷろでゅうさぁと呼ばれる男性にいぢめれていて
逃げたところをヴァンパイアが助けたようです
「輝……ヴァンパイアちゃんは乃々ちゃんを襲わないの?」
女性は疑問に思い、聞いてみました
「友達を襲うわけない……」
はて? これはどういうことでしょうか
「血なんてまずいし、気持ち悪い」
このヴァンパイアはどうやら変わり者みたいです
聞けば、少女はぷろでゅうさぁと呼ばれる男性にいぢめれていて
逃げたところをヴァンパイアが助けたようです
「輝……ヴァンパイアちゃんは乃々ちゃんを襲わないの?」
女性は疑問に思い、聞いてみました
「友達を襲うわけない……」
はて? これはどういうことでしょうか
「血なんてまずいし、気持ち悪い」
このヴァンパイアはどうやら変わり者みたいです
755: 2018/01/30(火) 22:12:59.80 ID:4wGR+G6H0
「じゃあ、町の人を襲ったってのは?」
「あ、あれは……キノコと他の食料を交換しようと思って」
ヴァンパイアがちらりと少女を見ました
「乃々ちゃんにごはんを食べさせるため?」
ヴァンパイアが頷きます
「でも……皆逃げるんだ……フ、フヒ……ボッチ」
女性は町の人たちが勘違いしているとわかりました
「あ、あれは……キノコと他の食料を交換しようと思って」
ヴァンパイアがちらりと少女を見ました
「乃々ちゃんにごはんを食べさせるため?」
ヴァンパイアが頷きます
「でも……皆逃げるんだ……フ、フヒ……ボッチ」
女性は町の人たちが勘違いしているとわかりました
756: 2018/01/30(火) 22:15:59.73 ID:4wGR+G6H0
「やっぱりもりくぼが町に出たほうが」
「だ、だめだ……またいぢめられるに決まってる」
女性は二人の友情に胸が熱くなるのを感じました
このヴァンパイアは人と共存できると確信した女性は
「私に良い考えがあるの」
ウィンクをすると、二人に話し始めました
「だ、だめだ……またいぢめられるに決まってる」
女性は二人の友情に胸が熱くなるのを感じました
このヴァンパイアは人と共存できると確信した女性は
「私に良い考えがあるの」
ウィンクをすると、二人に話し始めました
757: 2018/01/30(火) 22:26:10.79 ID:4wGR+G6H0
町を騒がせたヴァンパイアはもういません
一人のヴァンパイアハンターに退治された……ということになっています
「キノコ―、キノコはいりませんか」
「美味しいキノコですよー♪ お鍋にも焼いても美味しいですよー」
銀色の髪の少女と、あの女性がお店でキノコを売っています
そして、その机の下には乃々と呼ばれた少女の姿もありました
女性の考えにより、ヴァンパイアは人との生き方を学んだのです
これで、この町にも平穏が訪れる事でしょう
おしまい
一人のヴァンパイアハンターに退治された……ということになっています
「キノコ―、キノコはいりませんか」
「美味しいキノコですよー♪ お鍋にも焼いても美味しいですよー」
銀色の髪の少女と、あの女性がお店でキノコを売っています
そして、その机の下には乃々と呼ばれた少女の姿もありました
女性の考えにより、ヴァンパイアは人との生き方を学んだのです
これで、この町にも平穏が訪れる事でしょう
おしまい
758: 2018/01/30(火) 22:27:22.37 ID:4wGR+G6H0
読んでくれた方に感謝を
今日はこれでおしまいです
続きは明日の夜からー
時間も伝えておいたほうが良いですかね?
今日はこれでおしまいです
続きは明日の夜からー
時間も伝えておいたほうが良いですかね?
引用: 【モバマス】楓さんで安価
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