861: 2018/02/03(土) 23:19:28.68 ID:l/zEA5Fv0
三段腹な楓さんですか
ちょっと書いてみます

シリーズ:○○な楓さん

前回:【モバマス】一国の姫な楓さん


862: 2018/02/03(土) 23:24:24.19 ID:l/zEA5Fv0
年末、そして年始

この季節には何かと酒の席がつきものですよね?

イベントが盛りだくさんなので、それは仕方ないです

かくいう私もお誘いを受けたら参加してしまう性質なので

それはもう、たくさんお酒を飲んでしまいました

お酒と美味しいおつまみ、私は片方だけだと成立しないと思っています

「あ、あら……?」

後悔先にたたず、ぷにぷにとした私のお腹は、服に包まれるのを拒んだのです
THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 004 高垣楓
863: 2018/02/03(土) 23:28:48.00 ID:l/zEA5Fv0
「楓さん、最近少し……ええと、そのふくよかになりましたか?」

プロデューサーが何重にもオブラートに包んで言いました

「すみません、不摂生がたたってしまいました」

深々とお辞儀しようとしても、ぷにゅっとお腹に邪魔をされます

「うう……」

悲しい、悲しすぎます

このお腹は私に徹底的に反抗しているようです

864: 2018/02/03(土) 23:34:02.72 ID:l/zEA5Fv0
「いえ……俺はそんなに気にしなくても良いと思いますよ。かな……いえ、ぽっちゃりも需要はあります」

今絶対何か言いかけましたよね?

「うちのアイドル達は細すぎる傾向にありますし」

ちらちらとプロデューサーが私のお腹を見てきます

そういう視線って女性はすぐ気づくんですよ? 

「そう、ですか……」

もう何と言って良いかわかりません

私のお腹を見るプロデューサーの表情が何故かほんのり桜色なのもわかりません

しかし、これは女の沽券に関わる問題なのです



865: 2018/02/03(土) 23:44:13.61 ID:l/zEA5Fv0
私のお腹に熱い視線を送るプロデューサーから、逃げるようにして事務所を飛び出しました

あの人なら……あの人ならきっとなんとかしてくれる

トレーナーさん達が待機している部屋を目指して歩きます

もう、四の五の言っている時間はありません

私は元の私に戻るんです

それが例え修羅の道であったとしても

「麗さん! 麗さんはいらっしゃいますか?」

それが、マスタートレーナーの力を借りなければいけないとしても……

866: 2018/02/03(土) 23:48:34.23 ID:l/zEA5Fv0
「どうした高垣? 随分と騒がしいじゃないか」

いらっしゃったみたいです

「私に……地獄の特訓を施してください」

ああ……本当ならばこんな言葉を言いたくありません

けれど、やらなければならないのです

明日からやればいいや、なんて思ったら絶対やらないんですから

「ほう……良い心意気じゃあないか」

にやりと笑う麗さんはとても楽しそうです

867: 2018/02/03(土) 23:51:46.51 ID:l/zEA5Fv0
「ふむ……三段ば……体を絞りたいと」

剣道三段って凄い強そうに聞こえますよね? 関係ないですけど

「はい……もうなりふりかまっていられないんです」

そう、やると思った時に行動は終わっていないといけないんです

「お前の気持ちは分かった、ただ……私の特訓は厳しいぞ?」

「覚悟の上です」

さようなら、私のお酒ライフ。さようなら、今までの私

868: 2018/02/03(土) 23:56:05.52 ID:l/zEA5Fv0
「まずは食事だ、人間の体は食べるものでできていると言っても過言ではない」

食事の見直しっと。私は麗さんに言われたことを逐一メモを取ることにしました

「それと、今回有酸素運動は行わない」

「え……? それで私の反抗期のお腹をどうにかできるんですか?」

「任せておけ」

いつもは怖い麗さんの笑顔が、今はとても頼もしく思えます

思えますけど……やっぱりちょっと怖いですね

869: 2018/02/04(日) 00:09:53.32 ID:7XMPZ4Fa0
麗さんから説明を受けて、連れてこられたのはトレーニングルーム

いつもはランニングマシンやエアロバイクしか使わないのですが

「お前にはBIG3を基本として、筋トレを行ってもらう」

ビッグスリー? 聞いたことのない単語です

「ベンチプレス、スクワット、デッドリフトの三種目のことだな」

「はぁ……」

ちょっと専門的すぎて何を言ってるかわかりません


870: 2018/02/04(日) 00:14:34.19 ID:7XMPZ4Fa0
「まずは私が手本を見せてやる」

まずはベンチプレスからだ。そう言って、麗さんがラックがある台に仰向けになり、重りがついている棒を持ち上げ始めました

「これは大胸筋を鍛えることができる」

こくこくと、とりあえず頷きます

「次はスクワットだ」

それは私も知っています。しゃがんで伸びてを繰り返すやつです

しかし、麗さんは重りがついている棒を担いでスクワットしてみせました

「次はデッドリフト」

響きが怖いです、特にデッドってところが

871: 2018/02/04(日) 00:20:44.41 ID:7XMPZ4Fa0
麗さんがまたもや重りが付いている棒を、これは何て言ったら良いんでしょうか

……頭でイメージしたのはお芋とか、大根を収穫する時のようなイメージ

それの重いバージョンでしょうか

「とりあえずやってみろ、わからなければその都度教えてやる」

習うより慣れろの精神。嫌いじゃないですが、ちょっと、ええ……

「むー……!」

お、重い……全然持ち上がりません

「初めは軽い重量で良い。まずは正しいフォームを覚えろ」

麗さんのフォームを頭の中でイメージして……あ、持ち上がりました

872: 2018/02/04(日) 00:24:51.82 ID:7XMPZ4Fa0
「そうだ、それで良い」

人間、やろうと思えば何とかなるものですね

それに……達成感というか、私の中の熱いモノが反応します

「筋トレは長く続けてようやく効果が出るんだ。道のりは長いが、その頂はお前が目指すものだろう」

にやりと笑う麗さん

その言葉にちょっぴり感化されて、調子に乗った私はもくもくと種目を消化していきました


次の日は起き上がるのも困難なほど、筋肉痛に襲われましたが……

873: 2018/02/04(日) 00:28:35.76 ID:7XMPZ4Fa0
起き上がった私はマルチビタミンとプロテインを飲むことにします

これも麗さんが勧めていたので間違いはないはずです……きっと

「筋肉を作るためにはビタミンも必要だぞ」

なんて言っていましたっけ

しかし、この錠剤大きくて飲みにくいです……

プロテインは……とっても甘くて飲みやすいですね

そういえば食事のメニューも言い渡されていましたっけ

玄米と低カ口リーで高たんぱくなご飯

味気ないし、美味しく感じませんが我慢です

874: 2018/02/04(日) 00:33:52.00 ID:7XMPZ4Fa0
それを続けること数か月

私の体に変化が起こってきました

ぷにょっとした反抗期のお腹はいまや引き締まり、すっきりです

腕も脚も、筋トレのおかげかすっきり……と言うか逞しい?

「良い体になってきたな高垣、とってもきれてるぞ」

「そうですか?」

もうこれで良いと思う反面、今度は筋トレが楽しくなってきました

筋肉が傷めつけられて起こる筋肉痛が、いまや愛おしく感じてしまいます

875: 2018/02/04(日) 00:39:04.30 ID:7XMPZ4Fa0
私は今までの種目とそれぞれの筋肉に効く筋トレを行いました

そうして手に入れた体は……

「いいぞ高垣! フィジークの大会にでも出たらどうだ?」

鏡の前でポージングすると、筋肉が収縮して見事なカットが出るようになりました

「あ、あら……?」

私の目的はなんでしたっけ? 反抗期なお腹をどうにかすることだったような気がするんですが

「私でさえうっとりしてしまうな……」

今やプロデューサーがそっけない視線を送るかと思えば、今度は麗さんが熱い視線を送ってきます

……とりあえず、今度は増量で良いでしょうか?



おしまい

876: 2018/02/04(日) 00:40:08.56 ID:7XMPZ4Fa0
三段腹な楓さんでした
読んでくれた方に感謝を
そろそろ眠さが限界なので寝ます

明日も書くのでよろしくお願いしますね

引用: 【モバマス】楓さんで安価