309: 2015/06/01(月) 23:22:43.39 ID:H52/il9L0
310: 2015/06/01(月) 23:27:25.89 ID:H52/il9L0
工廠
夕張「とりあえず、今日はこんなもんかな」
金剛 Zzz
夕張「金剛さん寝ちゃってるし……毛布あったっけ?」
由良「夕張?まだやってたの?」
夕張「ん?何か用事?」
由良「用事も何も、時計見てる?」
夕張「ゲッ、もうこんな時間なの」
由良「没頭するのもいいけど、普段の仕事に支障が出ないようにね」
夕張「アハハー……努力はする」
由良「それとコレ、提督からの預かり物」ヒョイ
夕張「おっと。キー?」
由良「提督のクルマのスペアキーだって。修理している間なら乗っててもいいって」
夕張「んふー。そうそう、この為に今日の執務手伝ったんだから」
由良「あと伝言。『交通ルールは守りましょう』だって」
夕張「自分から嗾けといてよく言うわ……」
由良「全くよ。川内も帰って来ないし」
夕張「えー……あの二人まだ帰って来てないの?」
由良「明日非番だからじゃない?この鎮守府は暴走族しか居ないのかしらね」
夕張「否定できない……」
由良「あ、でも直ったら隣乗ってみたいかな」
夕張「モチロン」
夕・由「「後で感想聞かせてね」あげる」
夕張「分かってるじゃない」
由良「付き合い長いからね」
金剛「ダメダメ……ワタシが前を走るネー……」Zzz
夕張「あー……とりあえず、金剛さん運ぶの手伝って」
由良「そうね」
311: 2015/06/01(月) 23:31:03.66 ID:H52/il9L0
その頃の川内・摩耶in埠頭
川内「っぷー……」
摩耶「だいぶ慣れてきたみたいだな」
川内「番長!ハングオンの仕方が分かりません!」
摩耶「上半身だけで動くからダメなんだ。腰で移動だ腰で。あと番長言うな」
川内「というかさぁ、摩耶さんのバイク速過ぎだよー。何なのそれ」
摩耶「そりゃあ排気量からして全然違うからな」
川内「どれ位違うの?」
摩耶「それ(NSR)4台分」
川内「なにそれずるいー」
摩耶「ズルでもなんでもねーよ。リッターとニーハン比べること自体間違ってるっての」
摩耶のZRX1200
カラーはライムグリーン(ローソンレプリカカラー)
パッと見では分からないが、色々と改造されているらしい
エンジン周りよりも足回り、ブレーキ等を強化している
川内のNSR250
カラーはホワイト/レッドのレプリカカラー(所謂赤テラ)
提督が買って来て放置していたものを川内が譲り受けた
レストアついでに夕張がキャブとチャンバーを交換した以外はほぼノーマル
312: 2015/06/01(月) 23:33:52.41 ID:H52/il9L0
摩耶「そもそも、20年以上前のレーサーレプリカ相手に摩耶様が負けるかっての」
川内「摩耶さんのだって古そうじゃん……」
摩耶「そりゃ確かに10年前の型だから古いことには違いないけど、NSRよりマシだ」
川内「88年式とか言ってた」
摩耶「マジかよ。またとんでもないモン見つけてきたな」
川内「提督も自慢げに言ってたけど、これってそんなにスゴいの?」
摩耶「アタシが驚いてるのは程度が良いってとこなんだが……まあ、88に限らずNSRは確かにスゴかったらしいぜ」
摩耶「かつてレーサーレプリカブームってのがあってな。今と比べモンにならない位二輪が売れてた時代にヨ、ホンダはまんまレーサー仕様を放り込んできたって。とりわけ、ハチハチが一番過激だったと。あまりに市販車の状態で速過ぎるもんだから他のメーカーからバッシングを受けたって話だ」
川内「へー。じゃあこれスゴいバイクなんだ」
摩耶「あくまで当時の話だ。その後NSRは色々改良してより速くて扱いやすくなったみたいだし、バイクそのものも進化してるからな。今じゃインジェクション、ABSは当たり前だ。昔じゃ考えられないぜ」
摩耶「だから伝説と謳われた88も、今となっちゃただピーキーなだけの古いバイクだってこと」
川内「えー。何かショック……」
摩耶「何言ってんだ。確かに過去のバイクにはなったが、今でも充分速くて楽しいと思うぜ?」
川内「……そりゃあ、訓練生時代に乗ったバイクよりは全然速いけどさ」
摩耶「だから腕次第じゃ峠で最新SSにも……って流石に無理か。まあ格上相手でも結構イイ線行くと思うわ」
川内「そっかー。でも乗ってる分には楽しいから別にいっか」
摩耶「そうそう。結局は自分が気に入ったモンに乗るのが一番だ」
313: 2015/06/01(月) 23:35:23.80 ID:H52/il9L0
川内「よーし!もう一本!川内、行きます!」
摩耶「オイオイ勘弁してくれよ……お前は非番だろうけどアタシは出撃だってーの」
川内「そんなこと言わずにぃ。これでラストにするから」
摩耶「カーッ……そういうヤツは絶対言うこと守らないってのが相場なんだよ」
川内「ホントにこれで最後!お願い!」
摩耶「わーったわーった……ったく。ただ、何もなけりゃあな」
川内「??」
摩耶「一台なんか来るぞ……ヨシムラの音だなこりゃあ」
キィッ!
「おうおう、俺のシマを荒らしてるのは何処の誰だ!?」
摩耶「あん?」
川内「変なの来た」
天龍「俺の名は 川内「あ、天龍だ。久しぶり」
摩耶「なんだお前か。こんな時間に何やってるんだよ」
天龍「 」
314: 2015/06/01(月) 23:37:18.35 ID:H52/il9L0
川内「あれ?摩耶さん、天龍のこと知ってるの?」
摩耶「一応な。お前らは同期だっけ?」
川内「そうだよ」
天龍「せ、川内に摩耶さん……二人して何やってんだよ……」
川内「摩耶さんにバイクの乗り方教わってた!」ドヤ
摩耶「アタシは付き合わされてる。眠い」
天龍「あ、そう……」
摩耶「で、お前はなんだ?シマがどうとか」
天龍「あぁ、いや言葉の綾っつーか何ていうか……」
摩耶「いや別にどうでもいいんだけどさ。そのカタナ、まだ乗ってたのか」
天龍「いやあ、最近暇になったからまた乗り始めて」
摩耶「ふーん……」
川内「どしたの天龍?さっきから挙動不審だけど」
天龍「ばっ……バカ言うな!俺に怖いもんなんてねえ!」
川内「何言ってんの?」
天龍「大体、何でお前が単車乗ってんだよ!しかもNSRて」
川内「いやさぁ、ウチの提督が物好きで。買ったはいいけど乗ってなかったのが余ってたから、譲ってもらったんだ」
天龍「そう云えばお前んとこの提督はそんなんだったな」
川内「で、乗ってみたら楽しくてさ」
315: 2015/06/01(月) 23:39:21.02 ID:H52/il9L0
天龍「ところで川内……ちょっとこっち来い」ガシッ
川内「なに?夜戦?」
天龍「いいからっ」
摩耶「眠ぃ……」オオアクビ
天龍「お前、摩耶さんに乗り方教わってるって正気か」ヒソヒソ
川内「なんでさ。問題あるの?」
天龍「大アリだっ!摩耶さんはかつて『荒武者』と呼ばれ、地元では泣く子はもっと泣くトンでもないお方だったんだぞ!」
川内「訳が分からないよ」
天龍「走りに関しちゃ色々逸話があるってことだよ!俺なんか恐れ多くて目も合わせられねえ……」
川内「5へぇ」
天龍「ふざけんな!いいから、乗り方なら俺が教えてやっから。あの人は止めとけって」
川内「そんなこと言っても、天龍とじゃ所属が違うし」
天龍「そんなもん予定合わそうと思えばいくらでも合わせられるだろ。兎に角、怪我する前に止めとけ」
摩耶「……天龍」
川内「別に摩耶さん優しいよ?口は悪いけど」
天龍「バッカ、お前は全盛期のあの人を知らないから…… 摩耶「天龍!」
天龍「ひゃい!?」ビクゥ
摩耶「……火ぃ貸せ。オイル切れた」
天龍「は、はい!」
川内(番長と子分……)
316: 2015/06/01(月) 23:42:43.98 ID:H52/il9L0
摩耶「……お前、川内に余計なこと吹き込んでるんじゃないだろうな?」フー
天龍「滅相も無い!」
摩耶「あ、そ。別にどーでもいいけど」
天龍「はぁ。しかし何でまた川内に……」
摩耶「ただの興味本位。2ストって乗ったことなかったからな。教えるついでに乗らせてもらった」
天龍「ところで、前のマークⅡはどうしたんスか?」
摩耶「古くなったから売った」フー
川内「摩耶さーん。ラスト一本はー?」
摩耶「吸ったら行くよ。あ、折角来たんだからお前も付き合え」
天龍「あの、何を?」
摩耶「川内の相手。アイツ呑み込み早いし、お前となら結構良い勝負になると思うけど」
天龍「……ハッ。摩耶さんであっても流石に聞き捨てならないッスね。アイツと俺とじゃ歴が違いますよ歴が」
摩耶「速いヤツは最初から速いぜ?」
天龍「そんなヤツ摩耶さん以外で見たことないスねぇ……川内如き、俺の敵じゃねぇ!」
摩耶「おーおー言い切ったな。じゃあやってもらうか」
川内「なになに?」
摩耶「喜べ川内。天龍が夜戦の相手してくれるってよ」
317: 2015/06/01(月) 23:46:06.97 ID:H52/il9L0
川内「ホント?天龍が?」
天龍「おうよ。お前との力の差を見せてやるぜ」
摩耶「あ、そいつのカタナな。パッと見ヨシムラ1135Rだけど、中身はナナハンのパチモンだからNSRでも充分勝てる見込みがあるぞ」
天龍「ちょっ」
川内「そのヨシムラなんたらを知らないからよく分かんない」
摩耶「乗ってるヤツと同じでビッグマウスってことだ」ケラケラ
川内「ふーん?」
天龍「ぬぐぐ……」
天龍のGSX750カタナ改
カラーはブラックメタリック
一見するとヨシムラのコンプリートマシン「1135R」だが中身は別物
だが改造点は多岐に渡りパワーはそれなりに出ている模様
自慢はクァンタムのサスと完全コピーの外装
天龍「ま、中身は違えどこのカタナも世界水準軽く超えてるからな。四半世紀前のレーレプなんて子供騙しだぜ!」
摩耶「カタナの方が古いだろうがアホ」
川内「やったー!夜戦だー!」
天龍「ブッちぎってやんぜ!」
摩耶「(ブッちぎるなんて久々に聞いた)で、コースだがその辺周って先にここに戻って来たヤツが勝ち」
川内「番長!説明が大雑把過ぎてコースが分かりません!」
摩耶「うっせぇ眠ぃんだ。最初の信号左行って二個目を右。しばらく道なりに行った後、S字の先でUターンで帰ってくる。分かったか?」
川内「押忍!」
摩耶「あと対向車来るかもしれないからセンター割るなよ。特に天龍」
天龍「げっ、俺?」
摩耶「お前は昔から先走ってすっ転ぶようなタイプだからな。直線勝負ならお前の方が分があるんだから、無理に抜こうとすんなよ」
天龍「うーっす……」
327: 2015/06/03(水) 23:21:53.67 ID:e1TAfNTq0
小ネタ 鈴谷建造したから前から考えていた鈴谷ネタ雑談
提督「オーバーレブ!ってあるじゃん」
夕張「ああ、前から>>1がネタ出しに困っているマンガですね」
提督「放って置いてやれ。湾岸とかの汎用性が高すぎるんだ」
夕張「内容はMR2乗ってる女の子が主人公で、確かそのMR2に名前付いてましたね……パトリックさんだっけ」
提督「それブルヴァールだから。確かにあれもMR2だけど、SWだから」
夕張「知ってて言ってます」
提督「まあいい。それで、もしオーバーレブの主要キャラを艦娘に置き換えたら誰だろうと思ってナ」
夕張「ふむ……ではまず主人公の涼子ですね。元陸上選手ということで、スポーツ女子となれば……」
提督「やっぱり長良だろう。多分異論は無いと思う」
夕張「同感です。じゃあ次。S14のサワコ」
提督「足柄」
夕張「ほう。そのチョイスは何故に?」
提督「イメージ的にはイケイケお姉さんって感じだから」
夕張「あー……あの人がお立ち台女王とか言われても、何か想像出来るかも」
提督「だろ?今は何かお局様みたいな扱いばっかりな印象だけど、サワコのキャラにピッタリだと思うんだ」
夕張「では次。EG6のアイカさんは?」
提督「こっからが難しいんだよなぁ。最初の二人はすぐ思い浮かんだんだけど」
夕張「私的には、那智さんとかあなぁって」
提督「男勝りでクールな感じってなると、その辺りだよなぁ」
夕張「プジョーのサリは?」
提督「天然お嬢様だから、熊野か?」
夕張「熊野さんがメイド喫茶で働いたりネットアイドルやったりしますかね」
提督「それな。ノリの良さで云ったら愛宕だろうけどなぁ」
夕張「難しいですね……最後、FDの亜美」
提督「関西弁キャラだからな。それだけなら龍驤か黒潮だけど無理がある」
夕張「あの二人がセクシーパブ従業員だったら完全に犯罪の匂いしかしませんからね」
提督「となると……浦風」
夕張「いや、彼女駆逐艦ですよ。しかも広島弁だし」
提督「だって他に目立った方言キャラって思いつかないし」
夕張「確かに胸は戦艦クラスだからセクシーパブでも売れっ子になるでしょうけど、どのみちアウトでしょ」
提督「最初の二人が決まりすぎてるだけに、難しいなぁ」
329: 2015/06/03(水) 23:49:09.20 ID:e1TAfNTq0
夕張「で、それがタイトルの鈴谷さんとどう繋がるんですか?」
提督「いやね、実は鈴谷にピッタリなオーバーレブのキャラ居るんだよ」
夕張「ほぉう」
提督「単行本が手元に無いから巻数は忘れたけど、中盤で出て来た青木カンナってヤツ」
夕張「あれ?どんなキャラでしたっけ?」
提督「あれ、最後に涼子とド突き合いしてたサンニー乗ってるビXチ」
夕張「アウトォ!」
提督「でも、鈴谷にピッタリだと……」
夕張「謝れ!今すぐ全国の鈴谷提督に謝りなさい!」
提督「で、熊野を掛けて長良とバトルする、と」
夕張「熊野さんは沙璃じゃないの!?」
提督「だから熊野か愛宕で悩んでたんじゃん。鈴谷がカンナだとしたら、奪い合いになる秀明ポジは熊野にしかならんし」
提督「涼子=長良に嫉妬ってなったら、それまで自分がアイドルだったのにって感じで那珂でも良いかなって思ったけど……流石に那珂にビXチキャラには合わないからなぁ」
夕張「鈴谷さんだって勝手にビXチ扱いされたら迷惑ですって!」
提督「でも鈴谷の工口同人ってプリンツや愛宕並に多い気がするけど。>>1が好きなサークルでも鈴谷本出てたしな」
夕張「ノリも良いし重巡トップクラスの巨Oだからでしょうけど、そういうの風評被害っていうんですよ!」
提督「じゃあ鈴谷は処OビXチ?」
夕張「せめて耳年増程度の表現にしてください」
夕張「というか散々引っ張ってこんなオチ!?信じられない!」
何かスミマセンでした。
330: 2015/06/03(水) 23:57:01.60 ID:e1TAfNTq0
キヲトリナオシテホンペン
ウォンウォン……
天龍「やっぱ2ストはうるせぇなぁ。その辺にオイル撒き散らすなよぉ?」
川内「天龍のだって充分うるさいよ!」
摩耶「ハイハイ、やるぞー。3、2、1……」
摩耶「GO!」
川内「いっけえぇぇ!!」
天龍「行くぜオラァ!」
フロントをリフト気味にスタートする川内NSR。
750ccの排気量を持つ天龍のカタナに引けを取らない加速だ。
摩耶「おー速い速い。天龍のヤツ、口だけじゃないみたいだな」
摩耶「川内にはまだキツかったかぁ。でも天龍だしなぁ」スパー
最初の信号、左の直角コーナーに先に飛び込んだのは天龍のカタナだった。
スタートこそ互角だった両者だが、直線が続くにつれ徐々に排気量による地力の差が出始め、コーナー手前では天龍のカタナが前を行く形となった。
決して軽くない車体をヒラリと倒し、後輪を僅かに滑らせながらクリアーしていく。
331: 2015/06/03(水) 23:58:58.03 ID:e1TAfNTq0
続く川内は――
川内「うわっ、後輪滑ってた!あんなのアリ!?」
川内「でもあれで行けるってことは、私にも出来そうね」
2サイクルエンジン特有の乾いた音を響かせ、川内もコーナーへ進入。
まだぎこちないライディングフォームだが、持ち前の運動神経を武器に見よう見真似で天龍のラインをなぞる。
後輪が滑り出す予兆はみられない。
川内「……いけたっ!よしっ!」
直線を挟んで次の右コーナー。
再び天龍は後輪を滑らせつつ駆け抜ける。
負けじと川内も突っ込み重視のラインで暴れるNSRを捻じ伏せる。
年々進化していたNSRの中で最もピーキーな特性を持つと云われた88年式MC18型だが、既に彼女の手中に収まっているようだ。
2コーナー目を抜けたところで、カタナが直線で稼いだアドバンテージは削られ、さながら戦闘機の攻防を思わせる接近戦と化していた。
天龍「なんだよアイツ、しっかり着いて来てんじゃねぇか」
天龍「フフフ……そうじゃなくっちゃ面白くねぇ。ここからが俺の本気だ!」←既に割と本気
パワーに任せて逃げようとする天龍のカタナ。
しかし川内のNSRは全く離れない。
川内「集中集中……」スーハー
川内「勝負どころを見誤るな、テールを追うな、前を見ろ……今は着いて行けているんじゃない、まだ引っ張られているだけ……」ブツブツ
自他共に認める夜戦バカな川内は、裏を返せば好戦的な性格とも取れる。
しかし夜戦という特殊な環境下。漆黒の闇の中で肌に受ける感覚を常に研ぎ澄ましてきた彼女は、同時に状況を冷静な判断力と大胆な即決性を身に付けていた。
特に改二改修を受けてからはその能力は更に磨かれ、豊富な運動量と相まってか冗談でも何でもなく正に「忍者」と呼ぶに相応しい。
最も、それが走りに直接影響するかは別問題ではあるが。
332: 2015/06/04(木) 00:00:25.51 ID:lrtWV+UT0
摩耶「そろそろUターン付近か」スパー
摩耶「アイツ、普段はああなのに勝負事に関しちゃクレバーだからなぁ……仕掛けるとしたら、案外あの辺りだろうな」
Uターン前のS字コーナー。
天龍のカタナがアプローチで挙動を乱す。
天龍「ちぃっ!言うこと聞けってぇ、の!」
思いの他離れない川内NSRに焦りが出たのか。強引に車体を引き戻す。
一瞬のロス……川内がほぼノーブレーキで追走する。
川内「ブレーキミスったね……逃さないよ!」
天龍「流石に見逃さねえか……やっちまったな。だが!」
Uターン間際で二台が並ぶ。
インを取ったのは川内NSRだ。
しかし天龍のカタナがラインを潰すように被せて来る。
天龍「これでどうよ!?」
川内「………っ!」
逃げ場が無くなる川内。
333: 2015/06/04(木) 00:02:27.45 ID:lrtWV+UT0
しかし彼女は――笑った。
川内「待ってました!」
天龍「……は?」
川内NSRがアウト側へ……二台のラインが交差する。
天龍「なんだそりゃあ!?」
仕掛けたつもりが思わぬカウンター攻撃。
突っ込み重視のライン取りをしていた天龍のカタナはまたも体勢を崩し、その隙にNSRが悠然と旋回。
2ストの瞬発力を活かして一気に加速する。
天龍「クソッ!なめた真似を……!」
慌てて加速体勢に移行する天龍だったが時既に遅し。
NSRは遥か前方へ。
川内「バイバーイ!」ノシ
天龍「ヌガーッ!潰す!絶っっ対潰す!」
しかしこの差は大きかった。
コツを掴んだのか、川内NSRは往路時よりも高いスピードレンジで旋回していく。
直線区間では天龍のカタナが若干差を詰めるものの、結局川内を捉えるまでには至らなかった。
334: 2015/06/04(木) 00:04:09.21 ID:lrtWV+UT0
……パァーン
摩耶「おつ、来た来た。ああ?川内が頭かよ」
キィッ!
川内「勝利のV!」
摩耶「あれま。まさか勝てると思わなかった」
川内「えぇっ!?摩耶さん勝てる見込みあるって言ったじゃん!」
摩耶「見込みであって断言はしてねえよ」
天龍「チックショー!川内なんかに負けたぁ!!」
摩耶 m9(^Д^)
天龍「ええいっ指差して笑うな!」
摩耶「だってあんだけ大口叩いといて結局負けてんじゃねえか。てか、何で負けてんだよ」
335: 2015/06/04(木) 00:05:33.84 ID:lrtWV+UT0
天龍「……摩耶さんはどっちが勝つと思ってたんスか?」
摩耶「普通に考えればお前だろ。あらゆる面で川内の方が分悪ぃし」
天龍 ガーン
摩耶「で、どこで差したのよ?」
川内「Uターン手前」
摩耶「やっぱそこか」
川内「その前に天龍がミスったから並べたけど、あれ無かったらちょっとキツかったかなぁ」
天龍「……Uターンする時、俺が川内のライン潰したんスよ。そしたら裏をかかれて、アウトからそのままスパーンと」
摩耶「お前のミスが発端か。ザマぁねえな」
天龍「ぬー……」
摩耶「まあソレ抜きで考えても、川内の大金星には違いないな」
天龍「確かに全然振り切れなかったから……どっかでヤられてかもしれないしなぁ」
摩耶「なんだ、今日は随分素直だな」
川内「Uターンまでは天龍の圧勝だったじゃない」
天龍「いや、そもそもミスったのだって俺自身が未熟だったんだし、あんだけ綺麗に抜かれりゃ認めざるを得ないっつーか……」
摩耶「ハハ、こりゃあ明日は嵐だな」
天龍「ひでぇ」
川内「でも楽しかったぁ。こういう夜戦もアリだね」
天龍「まあ、何だかんだで俺も楽しかったよ。またやろうぜ」
川内「うん!次も私が勝つからね!」
天龍「何言ってやがる。次は俺が勝つに決まってんだろ!」
摩耶「眠……」ファー
戦果報告
川内NSR vs 天龍GSX750カタナ改
対戦結果……S 勝利!!
343: 2015/06/05(金) 16:08:49.56 ID:WrUaXWUM0
小ネタ そういえば赤城FDの紹介してなかった
「おう赤城ちゃん。よく来たね」
赤城「こんにちはオジ様」
「クルマ見せてもらったけど、だいぶ上手くなったみたいだね」
赤城「分かるんですか?」
「伊達に長くこの業界やってないからね。丁寧に乗ってくれているみたいで嬉しいよ」
赤城「いえいえそんな。オジ様方の手腕があってこそです」
「なんのなんの。赤城ちゃんみたいな美人さんに頼まれたらさぁ、こっちもやる気になっちゃうからねぇ!」
赤城「もう、お上手なんですから」
「で、今回ちょっと仕様変更してみたよ。もう少し下からトルクが出るようになったから、だいぶ乗りやすくなってるハズだよ」
「それと、エアロも手を加えてみたんだ。カッコいいでしょ?」
赤城「ええ、流石の一言です。だいぶ印象が変わりました」
「FDも古さは否めないからねぇ。勿論見た目だけじゃないよ。効果は僕自身が実証済だww」
赤城「オジ様もまだまだ元気ですね」
「いやあ、やっぱり好きだからね。でもやってることはタダの暴走行為なわけだし、赤城ちゃんも無理は禁物だよぉ」
赤城「肝に銘じておきますわ」
「まあ僕が云える義理じゃないけどねぇ。頑張ってよぉ赤城ちゃん」
赤城「ハイ!有難うございますオジ様」
「いやぁアッハッハッハ」
加賀(あの人……髭の無いジャ○おじさんみたい)
赤城FD3S RX-7改
RE雨宮フルエアロの赤いV型
内装や快適装備を残しつつ、サイドポート加工、V字マウントの冷却系、大型シングルタービンで武装した本気仕様
パワーは最大450馬力
344: 2015/06/05(金) 16:13:56.61 ID:WrUaXWUM0
小ネタ 時雨がバンドやったらめっちゃエモそうという妄想
~~♪
提督「ん?なんだこの音」
金剛 ジー
提督「金剛?なにやってんだそんな所で」
金剛「シャラップ提督。今良いトコロネー」
提督「なんだよ、何があるってんだ……」
金剛「バンドよバンド。時雨がギターで浦風がベースネ」
提督「そういえばアイツ、永ちゃんのファンだったな……前に琵琶型ベースを自慢された」
金剛「えいちゃん……?榮倉奈々デスか?」
提督「その発想は無かった」
金剛「でも二人ともカッコいいネ!ブンブンサテライツみたいデース」
提督「ブンブンってことは打ち込みか?というか、金剛もそういうの聴くんだ」
金剛「ドライブ中にかけるとテンションMAXネ!」
提督「お前のハチロク、カーステはおろかエアコンすら無いじゃん……」
金剛「MP3プレイヤー持ち込んで聴いてマース」
提督「素直にオーディオ載せとけよ。どれ、二人の演奏は……?」
浦風 ←踊りながら機材を操作
時雨 ←不規則なステップを踏みながらテレキャスターを振り回している
提督「なにこれ」
345: 2015/06/05(金) 16:23:24.61 ID:WrUaXWUM0
提督「え?え?おっOい揺れてるのは嬉しいけど……え?」
金剛「ワンダフォー。リズムにノってるヨ」
提督「いや、時雨はハードコアバンドのギタリストか?ATDIの頃のオマー・ロドリゲスみたいになってるじゃん」
金剛「もしくはレディオヘッドのトムかジョニーネ」
提督「あんだけ暴れて音外さないとかどういうことなの」
金剛「OH!浦風もベースに持ち替えたネ!」
提督「ピックガード無しのプレベってやっぱり永ちゃんか……つうか浦風も上手ぇな」
金剛「浦風はスティングも好きでしたヨ」
提督「アイツの趣味、年齢的に渋すぎだろ」
金剛「イイヨイイヨ!」
提督「……時雨が絶叫してる……」
金剛「FOO!」
提督 ←衝撃的過ぎて呆然
金剛「曲が終わったネ」
時雨「ん?やあ提督、金剛。どうしたんだい?」
提督「……むしろコッチがどうしたんだって聞きたい」
金剛「二人ともカッコ良かったデース!最高にエキサイトネー!」
時雨「え?二人とも僕達の演奏を見ていたのかい?ちょっと恥ずかしいな……」テレテレ
浦風「まだまだ下手じゃき、隠れて練習しとったのにぃ」
金剛「演奏終えたらいつもの二人ネ」
提督「……ど、どうしたんだ時雨!何か嫌なことでもあったのか!?山城にいびられたのか!?」ガシッ
時雨「??」
346: 2015/06/05(金) 16:26:14.07 ID:WrUaXWUM0
朝・工廠
夕張「ボディは何とかなりそうね。良かったぁ……リヤゲート歪んでる位は覚悟してたけど」
夕張「あとはエンジンホルダーも来たことだし、一回エンジン降ろしてみようかしら。そうなるとやること多いなぁ」
川内「あ、夕張だ。またやってるの?」
夕張「またっていうか、夜通しやってたから……そっちは?摩耶さんと出かけてたんでしょ?」
川内「まあね。天龍に会ったから一戦交えちゃった」
夕張「マジ?どうなったの?」
川内「勝ちっ!」ブイッ
夕張「おーやるぅ」
川内「ま、実のところあっちがミスってくれたおかげで勝てたようなもんだけどね」
夕張「それにしたって、乗り始めて数日しか経ってないんだから上々じゃない」
川内「まあまあ、そんなに褒めないでよ」テレテレ
夕張「それに比べて私は……初戦でぶつけて……」
川内「夕張って結構自虐的だよね」
夕張「あ、でNSRはどう?」
川内「バッチリ!直線は天龍の……カタナだっけ?ちょっと離されたけど、思った通りに動いてくれるし」
夕張「それなら何より。でも只でさえ古いバイクだし、2ストは今となっては気難しい所もあるから、メンテナンスは怠っちゃダメよ?」
川内「えー。夕張が直してくれるんじゃないのぉ?」
夕張「工具貸すから自分で直せる様にしなさい」
川内「ぶーっ。ケチ」
夕張「私は私で忙しいの。ワンエイティもこんな状態だっていうのに」
347: 2015/06/05(金) 16:29:43.81 ID:WrUaXWUM0
川内「そっちはどうなの?」
夕張「奇跡的に見た目ほどダメージは無いわ。正直ダメかと思ったけど」
川内「ふーん。どうせなら新しいボディにしちゃえばいいのに。こうパカッと」
夕張「……チョロQか何かと勘違いしてない?」
川内「え?出来ないの?」
夕張「アンタねえ……」
川内「ね、ね。直ったら、私と勝負する?」
夕張「一回勝った位で調子に乗らない」
川内「テヘッ。だよね」
夕張「そもそもバイクとバトルなんて怖すぎるから嫌だ」
川内「なんで?」
夕張「スピードレンジ、ブレーキのタイミング、ライン取り……全部が全部違うもの」
川内「そうなの?」
夕張「提督が言うにはね。確かに都高で見かけることもあるけど、お互いのことを信頼してないと絡んで走るのも難しいわ」
川内「夕張は私のこと信頼できないの?」
夕張「川内のことは信頼してるわよ。でもアンタはまだまだ初心者、私は……自分の腕そのものにまだ自信が無いし、当分は無理ね」
川内「ふーん。そんなもんかぁ」
夕張「ところで、立ち話する位なら手伝ってもいいのよ?」
川内「別にいいよ。どうせ暇だし」
由良「夕張、差し入れ持って来……って、川内も来てたの?」
348: 2015/06/05(金) 16:31:21.98 ID:WrUaXWUM0
執務室
提督「ヅホー。鉄火面乗らせてくんない?」ヘケー
瑞鳳「えー……どうせ都高とかで飛ばすんでしょ?」
提督「否定はしない」
瑞鳳「じゃあヤダ」
提督「何でだよぉ。夕張にクルマ貸しちゃったから乗るもん無いんだよぉ」
瑞鳳「嫌ですぅ。私は提督さんや夕張と違って普通に乗りたいからダメ」
提督「お前RSターボだぞ?ちょっとは踏みたくなるだろ」
瑞鳳「気持ちは分からなくないけど、公道でレースするような人は信用出来ませーん」
提督「サーキットだったら?」
瑞鳳「タイヤとオイル代出してくれるなら考えてあげる」
提督「むぅ……」
コンコン
瑞鳳「ハーイ、どうぞー」
金剛「Hey提督!ご機嫌イカがー!?」
提督「イカは嫌いなのです」
瑞鳳「そうなの?」
提督「いや、普通に食べるけど」
金剛「今はイカの話じゃないネ!ちょっと相談にのって欲しいヨ」
349: 2015/06/05(金) 16:34:25.96 ID:WrUaXWUM0
提督「は?クルマ買い換える?」
金剛「イエス!それで、どんなクルマがベストチョイスか考えているネ」
瑞鳳「ハチロクはどうするの?」
金剛「使えるパーツは比叡に譲るつもりデス」
提督「あんな仕様じゃ売るに売れないだろうしなぁ。で、候補はあるのか?」
金剛「NSXかS2000で考えてるヨ。他に良いのがあればそれも検討するネ」
提督「その二台を選択した理由は?」
金剛「コーナリング性能と、何処からでも踏めるパワーが欲しいヨ」
提督「フム……その二台ならS2かな」
瑞鳳「NSXじゃないの?排気量も大きくてミッドシップだし、条件的には有利だと思うけど」
提督「どっちに乗りたい?って聞かれたらNSX一択だけどナ、そういう次元の話をしてるわけじゃないだろ?」
金剛「イエー。どちらがより実戦的かデス」
瑞鳳「どういうこと?」
提督「どっちも乗ったこと無いから、あくまで仮定の話になるけどな。二台ともホンダが送り出したピュアスポーツには違いないけど、スタート地点が異なる」
提督「特に初期のNSXはラグジュアリー思考が強い。本気になったのはタイプR以降と考えて良い。それでも最初から本気だった32Rのニュルのタイムが殆ど変わらないってのもスゴいけどナ」
提督「一方S2は最初からマジだ。ホンダのFRはS800が最後だったせいか、過剰な程にナ」
提督「ただ瑞鳳の言う通り、NSXが有利な部分もある。排気量の差はどうしたってデカい」
提督「本当に速いエンジンってのは、俺はトルクが重要だと思ってるのヨ。だからってディーゼルが良いって話じゃないぞ?」
提督「金剛は分かるだろ。ハチロクにスーパーチャージャー付けてたしな」
金剛「イエス。低回転域からでもパワーが出るようにしたかったからネ」
提督「どんなにパワーがあるエンジンでも、ピークまで回せるトルクが無きゃ宝の持ち腐れだ。まあパワー出せばトルクはある程度ついて来るし、ノーマルならさほど気にしなくていいだろうけど」
瑞鳳「ああ……だからレブチューンモーターの評価ってボロクソなのね」
提督「ありゃあ最高回転数も低い上に上位互換が多過ぎるから……ってお前、ミニ四駆やるんか」
瑞鳳「嗜む程度にねっ☆」
350: 2015/06/05(金) 16:39:06.29 ID:WrUaXWUM0
提督「で、話を戻すと……S2が優れていると思うのはパッケージングだ。それに尽きる」
瑞鳳「NSXは?」
提督「本気で造る気があったら既存のシャシーなんて使わずに最初からエンジン縦置きだろ。ちょうどホンダはF1で常勝、日本経済もバブル期で上昇中の頃だし。その分クッソ高くなるけど、ポルシェやフェラーリの層は取り込めたハズだ」
金剛「途中で韻を踏みましたネ」
提督「うるせえ。事実、JGTCでは最速の車両と評されたが、初年度はマクラーレンF1にはRとスープラと共にフルボッコにされて、後年は横置き故の重量バランスに頭を悩まし、結局は縦置きになった。他のMRもそうだったけどな」
瑞鳳「マクラーレンは仕方ないんじゃ……」
提督「まあな。でもNSXだって最初はル・マンGT2車両使ってたんだぜ?スープラに到っては原型が無いし」
瑞鳳「あー……エンジン3Sだし、グループCの足回り使ったりしてたものねぇ」
提督「別にNSXのネガキャンをしたいわけじゃないけど、その点S2のパッケージングは最初から完成されている。S2の方がよっぽど採算度外視ってわけ」
提督「あとは整備性だな。横置きミッドは狭くて面倒だし」
金剛「ふむ……」
提督「最初にも言ったけど、俺はどっちも乗ったことないからあくまで仮定の話だ。所詮スペックの数字だけで判断するガキンチョと変わらない意見だと思ってくれ」
金剛「例えば……排気量アップしてターボorスーパーチャージャーを付けたとして、ループウェイでインターセプターに勝つ事は可能デスか?」
瑞鳳「インターセプター?月光?雷電?」
提督「……まあそこまで仕上げることが出来るなら、な。NSXでもS2でもお前なら圧勝だろう」
提督「勿論、タダで墜とされないけどな」ニヤッ
金剛「上等ネ」ニヤリ
ドドドドドド……
瑞鳳「ふぇ!?なに!?ジョ○ョ!?」
叢雲「うっさい!仕事しろ!」←非番
提・金「アッハイ」
若葉「ブライアン・ダウン」
357: 2015/06/07(日) 20:04:50.95 ID:GXWyvtea0
夜・由良部屋
由良「……何でいつの間にか私の部屋が溜まり部屋になってるの」
川内「気にしナーイ」ピコピコ
夕張「ちょっと!ぶつけてこないでよ!」ピコピコ
由良「ゲームなら自分の部屋でやりなさい!」
川内「だって夕張の部屋散らかってるし」
夕張「川内の部屋は何か……うん」
由良「……ほっんとにもう。コイツらは……」
川内「あ、ここってこんな感じで曲がれる?」
夕張「あー。そこ出口に大きめのギャップがあるから実際に通ったら氏ぬ」
川内「おk、把握」
由良「さっきから何のゲームやってるの?」
川内「都高速バトル」
夕張「イメトレよ。イ・メ・ト・レ」
由良「ホントに自分の部屋でやってよ……んもぅ」
川内「由良もやる?」
由良「結構です」
夕張「由良さんったら付き合い悪いと思いませんこと?川内さん」ヒソヒソ
川内「ええ全くですわね夕張さん」ヒソヒソ
由良「いい加減にしないと引っ叩くわよ」
夕・川「キャーコワーイ><」
由良「何なのこの無駄に息の合ったコンビネーション……あとその顔やめて」
358: 2015/06/07(日) 20:07:17.10 ID:GXWyvtea0
由良「というか、所詮ゲームでしょ?そんなんで何か分かるの?」
川内「んー……道を覚えてられる」
夕張「ぶっちゃけ私もこれで覚えました」
由良「地図でも見てればいいじゃない」
川内「でもさー、ほら……地図上じゃ予測は出来ても、見える風景って見ないと分からないしさ」
夕張「これが結構リアルでさ、行って見ると『ああ、ここか』って分かるのよ。十年前のゲームだけど、よく出来てるわ」
由良「ふーん……」
川内「いっそハンドル型のコントローラーでも使ってみよっか?」
夕張「アリねそれ」
由良「それは自分の部屋でやってよね、マジで」
夕張「それでも由良が言う通り、所詮ゲームっては思うよ。いくらリアルって云っても、やっぱり仮想現実でしかないから」
由良「クルマぶつけてもリスクがないって?」
夕張「そー。だからコイツ、わざと私にぶつけて無理矢理コーナリングしようとするし」
川内「勝てば官軍っしょ!というか、夕張が遅いんだって」
夕張「アンタがオーバースピードで突っ込み過ぎなだけでしょ」
由良「リアルファイトになりそうね」
夕張「……それと、百聞は一見にしかずでさ。実際に目で肌で経験したことには勝てないのね、やっぱり」
川内「ゲームでは最速でも実際は鈍足的なね」
夕張「ありがちww」
359: 2015/06/07(日) 20:08:36.15 ID:GXWyvtea0
由良「じゃあ二人に質問。体験した結果、何処が違ったの?」
夕張「……視点かな。当たり前な話だけど、仮想と現実はイコールではないじゃない」
夕張「やっぱりゲームはゲームで楽しむ為に作られているからさ、全体がハッキリ見渡せるるように出来ている。で、いざ現実を目の当たりにすると見えないものの方が多い。カーブの曲線率や圧迫感も全然違う。初めて走った時は、こんなん命が幾つあっても足りないわって思ったわ。今でもそうだけど」
川内「私はまだ乗り始めたばっかりだからあんまり小難しいこと考えられないけど、空気感っていうのかな。それかなぁ」
川内「でも夕張の云うこともすっごく分かる。実践したらやっぱ怖いもん。特にバイクじゃ生身だし、伝わってくる空気は体験しなくちゃ分からないよね。所詮コントローラーじゃただ押すだけで何も伝わってこないよ」
由良「あら、川内にも怖いものがあるのね」
川内「艦娘とはいえ人間ですからww」
川内「一歩間違えれば命を落とす。戦場だってそれを忘れたら怪我だけで済まないでしょ。それと同じじゃない?」
360: 2015/06/07(日) 20:09:30.28 ID:GXWyvtea0
夕張「と言うか、由良のその質問の意図がよく分からないんだけど」
由良「ん?なんとなくね、気になったから」
夕張「さいですか」
由良「夕張はまだしも、川内までハマり始めてるんだもの。ちょっとは理解したいかなって」
夕・川「……ほー」
由良「な、なによ二人して」
夕張「いや、だってやってることは違法行為だよ?普通止めない?」
川内「由良は真面目だからねー」
由良「止めたって聞かないじゃないアンタ達」
夕張「この前だって私のクルマ見てドンチャン騒ぎって言ってたじゃない」
由良「それはそうよ。ホントにウルサイんだから。川内のバイクはもっとウルサイし」
由良「でも頭ごなしに否定するより、相手を知ることもしなくちゃね。いつまで経っても、何で二人がそこまで入れ込むのか分からないもの」
夕張「むぅ……」
由良「本音を言えば賛成出来ないけど、そんなに楽しそうにされちゃ嫌でも気になっちゃうでしょ」
361: 2015/06/07(日) 20:10:59.56 ID:GXWyvtea0
由良「それにホントは、私も巻き込みたいんじゃない?」
夕張 ギクッ
川内「え?マジなの?」
夕張「だってぇ……やっぱりウチで一番信用出来る人ってやっぱり由良だし、川内はバカだし……」
川内「オイコラww」
由良「うん。それで?」
夕張「その……由良が居たら、ちょっと……心強いなぁって……///」
由良「……なんでそんな乙女な顔してるのよ」
川内「もはや愛の告白だねこりゃ」
夕張「そ、そんなんじゃないもん!」
川内「ヒューヒュー」
夕張「うっさい!」
由良「もう……別に作業を手伝う位ならいつでもやってあげるから」
夕張「ホント!?」
由良「タダじゃやらないけど」
夕張「う……何が条件……?」
由良「そうね……じゃあ、今度の休み、ちょっと付き合って欲しいの。あ、川内もね?」
川内「え?私も?」
夕張「なにするの?
由良「ふふっ。秘密。ねっ?」
362: 2015/06/07(日) 20:12:17.59 ID:GXWyvtea0
工廠
由良「ところで、ワンエイティは何か手を入れるんでしょ?」
夕張「まあねぇ……最初はいっそ全部作り変えてやろうと思ったけど、ちょっと考えが変わった」
川内「ああー……提督のせい?」
夕張「正解」
由良「どういうこと?」
川内「正確には提督のクルマ、だね」
夕張「この前Hakone行った時に、提督のクルマでバトルしたのよ、金剛さんと」
川内「ゴール手前でハチロクがエンジンブロー。姉妹にまで呆れられる始末で散々だったよね」ニヒヒ
由良「ああ、それがキッカケで金剛さんはココに異動したんだっけ」
夕張「そー。それはいいとして、提督のワンエイティがさ……スゴかった。ホントに同じクルマかって位に」
夕張「ワンエイティってさ、基本的にはスポーツカーじゃないのよ。あくまでスポーツも出来る安価なクーペなの」
由良「あおつらむきにスポーツカーな格好してるのに?」
夕張「確かに見た目はね。足回りも『901活動』のお陰で実は凝った造りをしてるんだけど」
川内「901活動?」
夕張「90年代までに、シャシー性能世界一を目指そうっていう日産独自の取り組みよ。R32系を筆頭に様々な車種にこの考えが取り入れられたわ」
夕張「で、S13系の発端はホンダのプレリュードにあるの。シルビア自体は元々人気車種だったけど、プレリュードの登場によってメインターゲットである若い世代の顧客をガバっと取られたの。そこで日産はそれを奪還しようと、割と本気で作ったのがS13シルビアであり、姉妹車のワンエイティね」
夕張「結果は当たりどころか、大ヒット。見た目もさることながら、素性の良いFR車ってこともあって、見事にプレリュードをやっつけたの。更に売れれば中古市場にも安価で出回るから、そこに走り屋系の兄ちゃん達が目を付けてまた人気が上がる。売れている車種だから色んなメーカーからもアフターパーツが販売されて……という具合に、今日までのイチサン人気を支えているってわけ」
363: 2015/06/07(日) 20:16:01.26 ID:GXWyvtea0
夕張「これは余談だけど、プレリュードはデートカーとして市場を席巻していたワケですが、実は運転席側から助手席を倒せる機能があったらしくて……」
川内「ほう!」
由良「何のメリットがあるのよそれ」
夕張「分からない?若い男女がドライブデート、良い感じになったところで突然シートごと押し倒されたら……」ガバッ
川内「……優しくしてね///」
夕張「と、このように最強のナンパマシンとして大ヒットしたわけです」
由良「川内の小芝居はなんなの?」
夕張「そして車名の通り、まさに男女の前奏曲が……」ドヤッ
川内「これは夜戦突入不可避ですわ」ドヤッ
由良「顔がうるさい」
364: 2015/06/07(日) 20:18:24.68 ID:GXWyvtea0
由良「話がとんでもない勢いで脱線しているんだけど」
夕張「おっと、そうだった。まあそんな時代背景もあってかS13って割と本格的に作られているんだけど、やっぱり走りが良いクーペってだけでスポーツカーではないのよ」
由良「でも人気があってアフターパーツも多いなら、ある程度は補えるでしょ?」
夕張「そうね。事実S13系はステージ問わずあらゆる所で使われているし、クルマ自体の懐はかなり広いわ」
夕張「で、提督のワンエイティね。そういう意味ではワンエイティ離れしているのよ」
由良「どういうこと?」
夕張「このクルマ、最大で500馬力オーバーなんだけど……」
由良「500って……あんまりピンと来ないんだけど、そんなにスゴイの?」
夕張「あー……艦とは桁が違うからねぇ。言うなれば、軽巡が戦艦クラスにまでパワーアップさせた機関を載せていると思って」
由良「つまりノーマルに対して遥かにキャパオーバーってことか」
川内「最初めっちゃ振り回されてたもんね、夕張」
由良「川内も乗ったの?」
川内「隣にね。面白かったよ」
365: 2015/06/07(日) 20:19:40.19 ID:GXWyvtea0
夕張「それでも何とか乗りこなせたのが今では不思議でね……その時はあまりに必氏で考えられなかったけど」
由良「ちなみに、夕張のクルマでどれ位出てるの?」
夕張「300ちょいってとこかな。エンジンはあんまり手を入れてないけど、ノーマルのカダロク値が205だから、およそ100馬力の差。コンパクトカー一台分のパワーアップね」
由良「クルマってそんな簡単にパワーが上がるんだ……」
夕張「車種にもよるけど、ワンエイティはターボ車だからね。今となってはSR20で500馬力を出すこと自体は難しくないわ。遥かに手間がかかるだけで」
夕張「私が注目したのはボディ。これがワンエイティ離れしている要因と考えているわ」
夕張「見てもらえば分かる通り、ワンエイティはファストバックスタイル……つまり、荷台との区切りが無いハッチバックなんだけど、後ろの開口部が広いからボディ剛性が弱いの。それがワンエイティの特徴であり弱点とも云えるわ」
夕張「ところが提督のワンエイティはその弱さを感じられない。だから私でも500馬力の高出力車でも乗ることが出来た」
川内「なんで?」
夕張「結局どんなにパワーがあっても、それを伝え受け止めるのは四つのタイヤとボディでしょ。ハチハチのNSRがピーキーと呼ばれる所以もそこにあって、足回りの剛性が高過ぎるから、その分限界を越えると一気に破綻するの」
由良「力の逃げ場が無い分、反動が一瞬で自分に返って来るってことね」
夕張「そういうこと」
川内「よく分からない……」
夕張「手押し相撲だと思えばいいわ。お互いが押している分には倒れたりしないけど、少しタイミングを外されたら押していた方がバランスを崩しちゃうでしょ?」
川内「あー……なるほど」
366: 2015/06/07(日) 20:21:33.33 ID:GXWyvtea0
夕張「提督のクルマは、それが絶妙なの」
川内「剛性って結局硬さなの?」
夕張「半分正解。それだけならむしろ強度って云うべきね」
夕張「例えばダイヤモンド。鉱物最高の硬度を持っているけど、それはあくまで摩擦や引っかき傷だけで、瞬間的に与えられる力……靱性って云うんだけど、これはそんなに強くないの」
川内「靱性?」
由良「ダイヤは刀で切ることは出来ないけど、ハンマーでは簡単に砕くことが出来るってこと」
川内「マジで!?勿体無い!」
由良「驚くポイント間違っているわよ」
夕張「クルマにおける剛性はボディの強度は勿論だけど、この靱性も重要なの。いかに強大な入力を効率良く受け止めることが出来るか……その点に置いて、提督のワンエイティとしては有り得ない程ズバ抜けている」
由良「海外のクルマは兎に角強度重視らしいね」
夕張「おっ、よくご存知で。特に欧州車は硬さを重視する傾向があって、力を「いなす」っていうのはどっちかと云うと日本的な考えだね」
川内「なんでそんなこと知ってるの?」
由良「TVでヨーロッパの工業特集みたいな番組があったんだけど、向こうだとクルマをガンガンぶつけるのが日常茶飯事だって……」
川内「うわぁ……」
夕張「その国の交通事情もあるけど、バンパーはぶつける為に付いているって考え方だからねww」
夕張「提督のクルマはパッと見だとリヤ周りにロールバーが付いているだけだけど、見えない所には丁寧な補強がされていたの」
夕張「それもただ補強をするだけでは、さっきの靱性が失われてしまう。そこで力をいなす、逃がす部分を作ってあった。これによって粘りを生んでいたの。クルマをよく知り尽くした素晴らしい内容だったわ」
川内「それと夕張が乗れたことに何の関係があるの?」
夕張「さっきも言った通り、ハチハチのピーキーさは剛性の高さに関係しているもの。つまり、限界を超えるとあっという間に破綻するんだけど、ここに粘りが加わることで限界を超えても破綻するまでにまだ幅がある」
夕張「全体的に踏んで安定させる方向に振ってあるけど、それを作り出しているのがボディだったのよ!」
367: 2015/06/07(日) 20:22:49.82 ID:GXWyvtea0
川内「お、おー……」
夕張「フッ、私としたことが熱くなり過ぎたわね……」
由良「理屈は分かったわ。要するに、提督のクルマを参考に改めて作り直すってことね?」
夕張「まあそういうことね。特にシャシー側に重点を置いて補強を見直していくわ」
由良「ふーん……じゃあ、エンジン関係はやらないの?」
夕張「うーん……今回はまずそっちかな」
由良「じゃあ、あそこにあるエンジン用と思われるクレーンはなに?」
夕張「そ、それは後々やりたいから買っておきました……」
由良「あんまり工廠を私物化すると、また叢雲に怒られるわよ」
川内「今更な気がするけどね」
夕張「あと、なるべくクルマ全体の重心を下になるようにすれば、少ないパワーでも充分速くする事が出来るはずよ」
川内「ハーイ。重心を下にすると何が起こるの?」
夕張「一番の恩賜は安定性ね。車高を下げても重心は下がるけど、あくまで車高が下がっただけだから効果は薄いわ。更にサスのストローク量が足りなくなったり、最悪それが原因で姿勢を崩す可能性もある。サーキットならまだしも、都高がメインである以上、それは避けるべきよ」
由良「具体的にはどうするの?」
夕張「まずはボディ各部の軽量化ね。上が軽くなれば自ずと重心は下がるし。勿論ただ軽くすればいいってわけじゃないから、各部のバランスを見ながらね」
夕張「それで……実はここに、余っているボーキを使って作り上げたルーフパネルがありまして……これを使おうかと」フフフ
由良「資源を勝手にくすねるな」
夕張「欲を言えばカーボンが良いんだけどね……工廠にオートクレープ(焼き入れする釜)置かせてくれるなら、いくらでも作れるんだけどなぁ」
由良「ピザ釜でも作ってなさい」
川内「カーボンってススのことでしょ?砲身掃除すれば幾らでも出るけど?」
由良「そのカーボンじゃないって」
夕張「やることは沢山あるわよぉ。ウフフ、燃えてきたぁ!」スパナクルクル
由良「ま、手伝うって言っちゃったからね……やりますか」
川内「私のNSRは?」
由良「工具貸すから自分でやりなさい」
川内「えーっ!贔屓だ差別だ横暴だー!」
376: 2015/06/08(月) 20:07:40.55 ID:9w/g1U0c0
小ネタ 時雨の演奏動画投稿
時雨「青葉に手伝ってもらって、演奏動画を撮ってみたよ」
提督「ほう、動画ねぇ……」
時雨「映像によって客観的に見ることで、また新たな発見があると思ったんだ」
提督「そうだな。自分では普通だと思っていたことが実は悪癖だったりすることもあるしな」
時雨「ただ……それを青葉が勝手に投稿サイトにアップしてしまったらしいんだ」
提督「またアイツは……」
時雨「僕もアップされたものはまだ見てないんだ。よければ提督も見てみないかい?」
提督「おう。いいぞ。そういえば何を弾いたんだ?」
時雨「ミッシェルのシャンデリヤだよ」
提督「お前、よくあんな鬼畜カッティング曲を弾く気になったな……」
時雨「カッティングはちょっと自信があったからね。でも右手首が捥げるかと思ったよ」
提督「とりあえずシャンデリヤだな……検索っと」
【TMGE】艦娘(白露型)のコスプレでギターを弾いてみた【シャンデリヤ】
377: 2015/06/08(月) 20:10:21.37 ID:9w/g1U0c0
時雨「……コスプレ……」
提督「まあ、青葉なりに気を使ったんじゃないか?」メソラシ
時雨「でもコスプレとは心外だね」
提督「とりあえず、動画を見てみよう」
登録タグ 演奏してみた TMGE 時雨(艦娘) カッティングの鬼 駆逐弦鬼 全編ギターソロ
俺の時雨がこんなにアベフトシなわけがない 時雨ちゃんprpr
時雨「タグからしてバレてるじゃないか……」
提督「最後のタグは見なかったことにしよう」
再生……
提督「おー、綺麗に撮れてるな」
時雨「なんだか恥ずかしいかな……」///
提督「しっかし、ホントよく弾けるなこんなん……俺なんか速攻で諦め……ん?」
しぐれぇぇぇ 時雨ちゃんマジ天使 しれぇ カッケエェェェ
那珂ちゃんのファンやめて時雨ちゃんのファンになります
カッティングスゲー 上手い 何で弾けるのwww
提督「おお、コメントも賞賛の嵐だな」
時雨「ぼ、僕はあくまで技術の評価をしてもらいたいんだけどな……」
時雨ちゃんprpr 時雨ちゃんprpr 時雨ちゃんprpr
rpr 時雨ちゃんprpr 時雨ちゃんprpr 時雨たーん prpr
白露型って意外とおっOい大きいよね しれぇ さっきから雪風が混じってるぞwww
この右手でシコシコされたい ←憲兵さんコイツです
提督「」
時雨「」
この動画は、現在ご視聴することが出来ません(BGM 蛍の光)
378: 2015/06/08(月) 20:13:04.18 ID:9w/g1U0c0
朝・食堂
山城「ハァ……不幸だわ……」
最上「山城のソレ、久々だね……急にどうしたのさ」
山城「あら最上……居たの。ハァァァァー……」
最上「今に始まったことじゃないけど、人前でそんな大きな溜め息吐かれると、こっちまで気が滅入っちゃうよ」
山城「ならば他人にこの不幸をばら撒くまでよ……ウフフ……」
最上「ただのテロだね」
山城「私より幸福な人間は皆肥溜めに落ちて養分になってしまえばいいのよ……」
最上「今ドキ肥溜めがある所の方が少ないんじゃないかな……」
山城「だからこそよ……不幸の極みじゃない」
最上「それにホラ、溜め息吐くと幸せが逃げるって言うじゃないか」
山城「逃げるだけの幸せが私にまだ残っているのかしらね……」
最上「……ボクで良ければ、はn 山城「聞いてくれるの!?」
最上「え、あ、うん。ボクと山城の仲じゃないか」
山城「流石最上ね……後で山城スタンプを贈呈してあげる」
最上「山城スタンプって何!?」
山城「姉様が夜な夜な何処かに出掛けているの……帰って来るのはいつも朝方だし」
最上「ボクはスタンプの方が気になるんだけど」
山城「問い詰めても上手い具合にハグらかされるの……こんなこと今まで無かったのに」
最上「扶桑にだって知られたくないこともあるんだよ。山城にだってあるでしょ?」
山城「私が姉様に隠し事……?そんな罪深いこと出来るわけないじゃない!」
最上「あ、そう……」
379: 2015/06/08(月) 20:16:01.87 ID:9w/g1U0c0
山城「いっそのこと尾行でもしようかしら……」
最上「瑞雲飛ばせばいいんじゃない?」
山城「ダメよ。すぐバレるわ」
最上「じゃあ……川内に頼んでみる?」
山城「何で夜戦バカが出て来るのよ……」
最上「ホラ、改二になってから忍者っぽくなったでしょ。尾行なんかもお手の物かなーなんて」
山城「あのねぇ……いくらそれっぽい格好してるからって、流石にそれは無理でしょ」
川内「出来るよ」
最上「うわ、ビックリ」
川内「扶桑さんの尾行でしょ?多分出来るよ」
山城「どうやって?」
川内「例えばー……こんなんとか」
ヒュンッ
最上「す、スゴいっ!天井から逆さになってぶら下がってる!忍者だ!」
川内(反転)「どう?名付けて忍法『逆さまになっても髪の毛下がらない』の術」
最上「そっちなの!?」
川内(反転)「夕張が見てたアニメにこんなん出てきて、試しにやったら出来ちゃった」
最上「え、えー……」
山城「ふざけないでちょうだい」
最上「山城……」
山城「スカートも下がってないじゃない!」
最上「真顔で何言ってるのさ!?」
川内(反転)「まあ、どうせ下はスパッツだから捲れても問題ないけどねぇ」ピラ
最上「川内は少し恥じらいを持とうよ!」
380: 2015/06/08(月) 20:18:11.98 ID:9w/g1U0c0
川内「で、なんだっけ。扶桑さんの尾行?」
山城「ええ、お願いできる?相応の謝礼なら出すわ」
最上「あのー山城……提案しといてなんだけど、やっぱり扶桑にだってプライバシーがあるんだし……」
山城「……貴方も西村艦隊の一員なら、姉様の最期は分かっているハズでしょ?」
最上「……!」
山城「私はもう……二度と姉様を見失うようなことはしたくないの」
川内「でも艦娘じゃなかったら赤の他人でしょ」ケロ
最上「 」
山城「余 計 な 言 わ な い で く れ る ?」
川内「ま……艦娘である以上、艦の頃の因果からは逃れられないよねぇ」
最上「ボク、時々川内の性格が怖いとさえ思うよ……」
川内「で、さ。尾行するにしても何か前情報みたいなのないの?何時頃出掛けるとか、行きそうな所とか」
山城「いつも23時頃に出かけているわ。行き先はサッパリね」
川内「ふーん……出かける日に法則性は?何曜日に出るとかさ」
山城「以前は週の中頃だったけど、ここ最近はほぼ連日よ。恐らく今日も出るわ」
川内「了解。じゃあ今夜早速だね」
最上「ホントに大丈夫なの……?」
川内「どうだろうね……尾行するのって初めてだし」
山城「少しでも何か情報が手に入れば構わない。深追いはしなくていいわ」
川内「あら、いざという時はとっ捕まえる位は考えていたけど」
山城「それは貴方の判断に任せる。私用で同僚を使っているのだから、事を大きくするのは避けたいもの」
最上「その辺りの分別はあるんだね」
山城「これでも旗艦経験者ですから。例え姉様であっても冷静さを欠いてはダメよ」
最上(川内を尾行につける時点で冷静では無い気がするけど……扶桑のことだから仕方ないか)
川内「ま、やるだけやってみるけど、期待しないでよね」
385: 2015/06/11(木) 22:20:39.72 ID:6QV8hbTj0
小ネタ 鈴谷リベンジ
鈴谷「ちょっと提督!この前の何よアレ!」
提督「んん?なんのことですかな?」
鈴谷「惚けるなっ!>>327の鈴谷雑談!建造記念とか言ってひとッつも鈴谷が出てきてないじゃん!」
提督「何を言ってる。ネタとしてちゃんと出ているだろう」
鈴谷「私そのものを出せ私をぉぉぉ!!」
提督「そんなこと言っても、基本的には由良張内の軽巡三人で話を進めたいみたいだしなぁ」
鈴谷「それなら最上型も一応軽巡!艦これでは重巡・航巡だけど!」
提督「とは云ってもなぁ……」
鈴谷「キャラ的にも鈴谷は動かしやすいでしょ!ホラ、出番を!」
提督「仕方ない、こんなこともあろうと一応用意しておいたモノが……」
鈴谷「なになに!?」
HCR32スカイラインGTS-t タイプM
提督「どうだ。バリモンのサンニーだぞ」
鈴谷「 」
提督「やっぱりお前に似合うクルマはこれしか無いと思ってな。いやぁ、探すの大変だったわぁ」
鈴谷「提督……このクルマってさ……」
提督「ああ、そうだ。例のビッt 鈴谷「鈴谷パンチッ!」ドゴォ
鈴谷「鈴谷パンチッ!鈴谷パンチッ!鈴谷パンチッ!」ドドドド
最上「いけない!鈴谷が寝惚けて鈴谷パンチを乱発している!」
熊野「起きなさい鈴谷!今日の占い・カウントダウンが始まりますわよ!」
ネタにしているけど、鈴谷は結構好きなんだ。
386: 2015/06/11(木) 22:22:35.11 ID:6QV8hbTj0
昼・執務室
金剛「ヌワー……デスクワークは慣れてない分、疲れるネー……」グデー
提督「慣れてないって、前の鎮守府でやってなかったのか?」
金剛「榛名と霧島がやってたヨ」
提督「全く、お前もココに来た以上はそれなりに秘書艦の仕事もしてもらうからな。ちゃんと覚えろよ」
金剛「Mu……出撃するか走りたいデース……」
提督「そういえば気になっていたんだが、Hakoneで会った時に『この辺荒らしまわってるヤツが居る』とか言ってたよな」
金剛「Oh!そうデース。ワタシは会ったことないデスが」
提督「ふーん……じゃあ、どんなヤツか分からないのか」
金剛「イエース。霧島はエンカウントしたみたいだけど、着いて行けなかったと言ってたネ」
提督「霧島もそこそこ腕は立つ方だろ?それが着いて行けなかったって相当だな」
金剛「そうネー。そこらの連中に負けることはまず無いデス。例えプロジェ○トDが来ても沈まないヨ」
提督「ハイハイ。で、俺らを見て反応したって事はソイツもワンエイティなのか?」
金剛「……ん?」
提督「車種だよ車種。霧島のことだから調べてある筈だろ」
金剛「アー……うん、そうですネー……」メソラシ
提督「お前、まさか知らないのに絡んで来たのかよ」
金剛「イヤー……アンノウンなワンエイティが居るから、てっきり……」
提督「あのなぁ……」
金剛「そのお陰で思わぬ大物が掛かったのでノープロブレムネー!」
提督「まあ、そういうことにしておいてやる」
金剛「でもでも、ちゃんと霧島が調べてくれたネ。確かグレーのGTOヨ」
提督「は?GTO?」
387: 2015/06/11(木) 22:23:57.02 ID:6QV8hbTj0
提督「よりにもよって一番峠に似合わないのが来たな……」
金剛「ワタシ、そのGTOってクルマをよく知らないのデスが、速いんデスか?」
提督「ノーマルはな。当時32Rと真っ向から張り合えた数少ないクルマだ」
提督「3LのV6ツインターボで280馬力にトルクは43.5キロ。80スープラの2JZが登場するまで国内最高値だ。三菱らしく電子制御満載の4WDに、国産初のアルミ4ポット異径対向キャリパー、マイチェンしてからはこれも国産初のゲトラグミッション、純正でも18インチで武装して……挙句オプションにAPロッキードの6ポットまで用意していた。このキャリパーのせいでRがブレンボを付けるようになったとも言われている」
金剛「聞くだけだとかなりのハイスペックネー」
提督「そう、数値上はな」
金剛「どういうことデス?」
提督「兎に角重いんだよ。そんだけ詰め込んだせいか車重は1.7トンだ。今となっては35Rもそれ位あるから気にならないだろうけど、重さの大半がフロントに寄ってるもんだから、まあフロントヘビーで曲がらない。しかもエンジンルームはFFベースの横置きだからギッチギチに詰まっていて整備的にも排熱的にもしんどい。本気で速くしようとするとそれらが足を引っ張るのよ」
提督「そんなもんで三菱の旗艦は後発のランエボに奪われ、GTOはマイナー扱い。今ではGTOと云えば鬼塚になり、ネットでは『神のGTO』とネタにされる始末。華々しいデビューとは裏腹に、実に淋しい終わりを迎えている」
金剛「どこぞの不幸姉妹の様ですネー」
提督「だが性能そのものは侮りがたいぞ?エンジン自体は頑丈、戦車のようなボディ、何よりハイパワー4WDだ。N1耐久(スーパー耐久の前身)ではRキラーの筆頭として凌ぎを削っていた。結局勝てなかったけどな」
金剛「それでも、霧島が負けるとは思えないヨ」
提督「それな。確かにちょっと考えにくい」
金剛「マシンがモンスターか、ドライバーがモンスターか……」
提督「本当にGTOだとしたら、どっちも当てはまりそうだな」
388: 2015/06/11(木) 22:26:35.20 ID:6QV8hbTj0
夜・工廠
川内「夕張ー、夜偵って何処置いてあったっけ?」
夕張「何に使うのよ」
川内「山城に扶桑さんの尾行を頼まれた」
夕張「何の為に……」
川内「扶桑さんが夜中黙って出掛けるから、何処に行ってるのか突き止めて欲しいってさ」
夕張「どうせ安請け合いしたんでしょ」
川内「だって山城スタンプ貰えるって云うからさあ」
夕張「山城スタンプってなに……」
川内「そもそも最初に質問していたのは私!で、夜偵何処だっけ?」
夕張「ハイハイ……右の棚の上から三段目。これ、鍵」
川内「ホイホイ、サンキュ」
由良「なに?どうしたの?」ガラガラ
川内「うわっ!由良がクルマの下から出て来た!」
由良「そんなに驚かなくたっていいでしょ。足回りを弄ってたのよ」
川内「何に乗ってるのそれ。楽しそう」
由良「この油塗れの姿を見て楽しそうと思うの?」
川内「でも楽しんでるでしょ」
由良「ええ、まあ」キリッ
夕張「それよりアンタも少しは手伝ってくれてもいいのよ?」
川内「私のNSRは?」
夕張「工具貸すから以下略」
川内「絶対やるもんか」
由良(その台詞、湾岸が元ネタだって何人気付いているのかしらね……あえて突っ込まないだけかもしれないけど)
389: 2015/06/11(木) 22:28:13.84 ID:6QV8hbTj0
鎮守府外
扶桑(私服) キョロキョロ
川内「目標確認。これから尾行に当たります」
山城『了解。くれぐれも注意するように』
川内「あいよー。いやぁ、私服の扶桑さんって新鮮だわぁ。何あの超弩級美人」
山城『何を今更。姉様の美しさは今に始まったことじゃないわ』
川内「ところでさー」
山城『何よ。あんまり無駄口叩かないで頂戴』
川内「いや、今時トランシーバーて……」
山城『倉庫に転がってたのを拝借してきたわ』
川内「携帯あるんだから、そっちにすればいいじゃん」
山城『こういうのは雰囲気作りも大事なのよ』
川内「実は結構楽しんでいるでしょ……」
山城『細かいこと気にしてないで、黙って姉様を追いなさい』
川内「へいへーい……とりあえず目標は市街地に向け移動中」
山城『姉様の様子は?』
川内「何か妙に警戒しているね」
山城『姉様は案外目ざといから、気を抜いたら見つかるわよ』
川内「分かってるってもう……」
川内 トランシーバーを見つめる
川内 トランシーバーを口元へ
川内「ドラーゲナイ……ドラーゲナイ」
山城『ぶっ飛ばすわよアンタ』
390: 2015/06/11(木) 22:30:36.16 ID:6QV8hbTj0
川内「目標、大通りから埠頭方面へ移動」
山城『姉様の様子に変化は?』
川内「んー……鼻歌交じりに歩いているね」
扶桑「未来だの……願いだの……今にも……ああいう風になりそう……」
川内「でも何か唄が暗いって云うかダークな感じ」
山城『それはいつものことよ。カラオケに行こうもんなら空気を一瞬で御通夜モードに叩き込むことが出来るわ』
川内「扶桑さんもカラオケ行くんだ……」
山城『お世辞抜きで半端じゃなく上手いわよ』
川内「へー……って、あれ?」
山城『どうしたの?』
川内「目標消失。どっか建物入った?」
山城『ちょっと何してるのよ!?』
川内「おかしいなぁ……今まで居たのに」
山城『アンタがお喋りばっかりしてるから!』
川内「山城だって普通に会話してたじゃんよ……」
山城『いいから探しなさい!草の根分けてでも探しなさい!』
川内「草の根って……この辺倉庫ばっかだし」
山城『倉庫ですって?何でそんな所に』
川内「こっちが聞きたいよ。着けてったらココだったんだもん」
山城『周辺に不審な点は?』
川内「なーんも。人っ子一人居ないし……待って。何か聞こえる」
山城『……なに?』
川内「野太い獣の咆哮の様な……なんだろ。動物が居るとは思えないし」
山城『それより姉様!姉様は!?』
川内「だからちょっと待ってって。近付いて来る……」
ヴォオォォォォー……
川内「なに……あれ……」ゾクッ
山城『ちょっと何この音!?』
川内「クルマ……クルマ……なの?」
山城『川内!川内!?何が起きてるの!?』
川内「はは……あんなのが居るんだ……あんなのが……」
山城『応答しなさい川内!川内!?』
391: 2015/06/11(木) 22:32:18.59 ID:6QV8hbTj0
朝・工廠
川内「……ということで、写真の解析お願いします」
夕張「はぁ。まあお疲れ」
川内「いやー、あんなトンでもないクルマが居るんだね。柄にもなくビビッたわぁ」
夕張「結局扶桑さんは見つからなかったんでしょ?」
川内「まあね。明け方まで粘ったけど成果無し。念の為夜偵を飛ばしてそのクルマを追跡したけど、何枚か写真撮った後に振り切られちゃったみたい」
夕張「夜偵を振り切るって、どんなクルマなのよ……」
川内「だから解析してもらうんじゃない。せめてあのクルマの正体だけでも知りたくて」
夕張「ハイハイ。お、取り込み完了っと」カチッ
川内「で、どう?これで何か分かる?」
夕張「画像が暗いから、車種位しか分からないわね」カタカタ
川内「何てクルマ?」
夕張「これは……三菱のGTOね。最近殆ど見ないけど」
川内「だからロンリロンリー切なくてぇ」
夕張「そっちじゃねえ」
川内「だってクルマは全然知らないし」
夕張「それにしても、そんなに怖がるようなシロモノではないと思うけど……これが一体どうしたのよ」
川内「何て云うかさ……コイツが居る間鳥肌が止まらなかった」
夕張「風邪でも引いたんじゃない?」
川内「レ級を目の前にして同じこと言える?」
夕張「考えたくないわね……」
川内「つまり、そういう寒気がしたのよ。このGTOとかいうのに」
夕張「へー……だとしたら、ある意味レアなモノを見たわね」
川内「どうせならもっと面白い方が良かったけどなー。山城スタンプも貰えなかったしさぁ」
夕張「欲しかったのね……スタンプ」
392: 2015/06/11(木) 22:33:35.34 ID:6QV8hbTj0
提督「GTOねぇ」
夕張「ええ。提督なら何かご存知かと思いまして」
提督「俺が現役の頃なら兎も角、今聞かれたところで大した情報は持ちえてないぞ?」
夕張「ですよねー……」
提督「岩崎にでも連絡してみるかー……まだアイツの方が詳しいだろうし」
川内「あんな只ならぬ雰囲気を持ったクルマなら、提督も知ってると思ったのにぃ」
提督「しっかしHakoneに現れるっていうののと恐らく同一だろうなぁ」
夕張「Hakoneでも?」
提督「ホラ、最初金剛姉妹と遭遇した時、この辺を荒らしている~とか言ってただろ?どうやらそれも黒いGTOなんだと」
夕張「車種が車種だけに、そう考えるのが妥当ですよね」
川内「そんなにマイナーなのコレ」
提督「ここまで本気仕様のGTOは、現役の頃でも滅多に居なかったな。昔はRと並ぶ湾岸マシンだったんだけど」
夕張「どっちかって云うと、ドレスアップマシンですからねぇ……白色のフルエアロでN 提督「神ネタは嫌いなのです」
川内「丁度扶桑さんを見失ってからコイツに出くわしたんだけど、まさかこれに扶桑さんが乗ってるとか有り得ないよね?」
夕張「まっさかー」
提督「……境遇的に似ているし、何より三菱だからな。有り得なくない」
夕張「ああ、『フソウ』繋がりで……って馬鹿!」
川内「はぁしれはしれ~いすゞのトラック~♪」
夕張「川内も歌わない!しかも違うし!」
夕張「そもそも!ホントに不幸なクルマと云ったら、ST205セリカでしょ!異論は認めない!」
川内「なにそれ」
提督「レギュレーション違反をやっちまった挙句、美味しい所を全てインプやランエボに持って行かれた悲しきWRCマシンよ……先代がチャンピオンマシンだから、余計に悲惨に見えるのな」
川内「違反は自業自得じゃないの?」
提督「トヨタはWRC復帰するみたいだし、次は『バレないように』やれよと言いたいところだ……」
393: 2015/06/11(木) 22:35:20.56 ID:6QV8hbTj0
提督「あと個人的にはパルサーGTi-Rとかも不幸キャラっぽい気がする。外車ならフォードRS200とか」
川内「へー。よく知らないけど」
夕張「何で全部ラリーカーなんですか」
提督「だってお前がセリカとか言うから。WRCは珍車・迷車・不幸車の宝庫だぞ?」
夕張「どうでもいいですよ。それにF1だって充分酷いじゃないですか。ファンカーとか六輪車とか」
提督「ティレルP34は名車だろいい加減にしろ」
川内「話に全く着いて行けないんだけど」
提督「おっとスマン。まあGTOについては知り合いに聞いてみるわ」
川内「結局扶桑さんもクルマも分からず仕舞いかぁ」
提督「さっきは冗談のつもりで言ったけど、扶桑さんを見失ってからソレが現れたんだろ?偶然かも知れんが、その辺りも調べてみた方がいいかもな」
夕張「流石に扶桑さんがそういうのに乗るとは思えませんけど……」
提督「人通りの無い埠頭で、入れ替わるように出て来たならちょっとは疑いもするさ」
川内「ねえ提督。提督が現役の頃にも、こういう雰囲気のクルマって居たの?こう見るとゾクッって来るような」
提督「……居たよ」
川内「どんなのどんなの?」
提督「魔物さ……Rの形をした、な」
川内「ふーん?」
夕張「提督?」
提督「いや、何でもない。とりあえず扶桑さんも気になるけど、この件は一旦保留だ」
夕・川「ハーイ……?」
394: 2015/06/11(木) 22:40:49.12 ID:6QV8hbTj0
一旦終了。
個人的に好きなF1マシンはラルースLC90です。
関係ないけど、N1時代最期までGTOはRの前に出れなかったけど、
実はギャランが一度だけ勝った事があるんですね。ビックリだ。
個人的に好きなF1マシンはラルースLC90です。
関係ないけど、N1時代最期までGTOはRの前に出れなかったけど、
実はギャランが一度だけ勝った事があるんですね。ビックリだ。
395: 2015/06/11(木) 22:56:39.51 ID:gQVxe/Xio
乙
だからロンリロンリー切なくてぇ
ってヒトリノ夜?
知ってる曲きたと思ったのにつながりが分からんくて悔しい
だからロンリロンリー切なくてぇ
ってヒトリノ夜?
知ってる曲きたと思ったのにつながりが分からんくて悔しい
次回:【艦これ】夕張「クルマ買いました!」【その5】
引用: 夕張「クルマ買いました!」
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