1: 2009/06/28(日) 00:34:54.83 ID:BQ0z0b4b0
キョン「…何だって?」

長門「アイドルは…いい。」

キョン「…へ、へぇ… 長門でも、そういうものに興味を持ったりするのか。
    意外だな。…で、誰が好みなんだ?」

長門「そうじゃない。」

キョン「え?」

長門「なってみたい。私自身が」

キョン「お、お前がかよ!?」
涼宮ハルヒの憂鬱 「涼宮ハルヒ」シリーズ (角川スニーカー文庫)
4: 2009/06/28(日) 00:41:41.57 ID:BQ0z0b4b0
長門「…おかしい?」

キョン「い、いや…そういう訳じゃないんだが…」

長門「あなたは笑いを堪えるのに必氏」

キョン「だ…だから、そういう…変とかそういうのじゃなくて…」

長門「…もういい。あなたに相談しようとしたのが間違い」

キョン「むくれるな。…いや、でもむしろその表情なんかイイな」

5: 2009/06/28(日) 00:51:40.15 ID:BQ0z0b4b0
みくる「こんにちは~」

キョン「あぁ朝比奈さん、こんにt…」

みくる「あれ?今日の長門さん、何だか少し色っぽいですね」

長門「!」

古泉「これはこれは、弱りましたね」

キョン「いやいやお前のことじゃないから。ってかいつから居た!」

6: 2009/06/28(日) 00:59:08.35 ID:BQ0z0b4b0
古泉「最初からここに座ってましたよ」

キョン「それならそれで少しは存在感を出せ。
    あらためて最初の方の場面を思い返してみたら複雑な気分になったぞ」

古泉「いやはや、まさか長門さんがあんな願望をお持ちだとは…」

キョン「それを黙ーって横で聞いていたわけか、お前は」

古泉「ライバルが一人増えてしまいましたね」

キョン「ってお前まで何を言い出すか!?」

7: 2009/06/28(日) 01:07:53.92 ID:BQ0z0b4b0
みくる「えっ、古泉君のライバルということは
    まさか長門さんもキョン君のことを…」

キョン「朝比奈さん!解釈がおかしいですよ!!」

長門「あながち間違いとも言い切れない」

キョン「長門、余計なフォローを入れるな!」

古泉「でも正直、人間的な魅力では長門さんと張り合う自信ありますよ」

キョン「古泉、しばらく喋るな」

8: 2009/06/28(日) 01:14:33.94 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「おまたせーっ!!
    あれ、みんな楽しそうね。宇宙人でも見つけたの?」

キョン(ここにいるけどな…)

みくる「何かよく分かりませんが、古泉君と長門さんがライバルですぅ」

キョン「朝比奈さん、分からないのに解説しようとしないで下さい」

ハルヒ「まぁ、その件は後で聞くわ。
    それよりみんな、特にキョン以外に朗報よ!」

10: 2009/06/28(日) 01:22:40.98 ID:BQ0z0b4b0
キョン「俺だけ仲間はずれとは、
    くだらない事とは分かってても妙に気になるな」

ハルヒ「我がSOS団の発展に関わる大チャンスよ!まずはこれを見て!!」

長門「…」

みくる「…北高No.1アイドル決定戦?」

キョン「なるほど。確かに俺は仲間はずれだな」

古泉「えぇ、全くです」

キョン「…」

12: 2009/06/28(日) 01:31:26.38 ID:BQ0z0b4b0
みくる「もしかして、これに涼宮さん出るんですか?」

ハルヒ「そうよ。来週末の放課後に開催されるみたいだけど、
    もう全員分のエントリーは済ませておいたわ」

キョン「相変わらず何の知らせもなく勝手に… って全員だと!?俺もか!
    俺には関係ないんじゃなかったのか?」

ハルヒ「あたし達が出場するってのに
    あんただけ何もしないなんてわけにはいかないし」

古泉「おやおや、気付けば全員ライバルになってしまいましたね。」

長門「ライバル…」

15: 2009/06/28(日) 01:38:56.18 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「まぁエントリーはあたし一人でも十分だったけど、
    同一の部からの出場人数制限はないみたいだし」

キョン「お前のその自信はどこから来る?
    そもそもSOS団は正式に部として認められてないだろ」

ハルヒ「それに、グランプリは一人だけど
    全員で出場して表彰台独占なんてしたら、まさに伝説じゃないの!
    それこそSOS団が日本の、いえ、世界のSOS団となる日もぐっと近くなるわ」

みくる「何だかよく分からないですが、
    私も出るんですよね。がんばります!」

ハルヒ「みくるちゃんは我が団の愛すべきマスコットだからね。
    グランプリはあたしが取るから無理だとしても、
    審査員特別賞くらいは確実に狙えるはずだわ。頼むわね!!」

16: 2009/06/28(日) 01:47:05.37 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「もちろん有希、あなたも出場するのよ!」

長門「アイドル…」

ハルヒ「そう、アイドルよ!…まぁ、細かい定義は
    考えなくていいから、何かカワイイ仕草とか、アピールポイントとかを…」

長門「バラエティ…グラビア…CDデビュー…」

ハルヒ「!! …有希、何かやる気マンマンじゃない?」

古泉「良かったですね長門さん、いきなり願望を叶えるチャンスがやって来て」

18: 2009/06/28(日) 01:57:53.63 ID:BQ0z0b4b0
長門「アイドルは素晴らしい。夢と希望を大衆に与える神々しき存在…」

ハルヒ「へ、へぇ…有希がそんなにアイドルに憧れてたなんて…ねぇ。」

キョン「早くもグランプリが危うくなってきたな、ハルヒ」

ハルヒ「う、うるさいわねぇ!圏外のあんたが言えたことじゃないわよ。」

キョン「そんな圏外男を勝手に無理矢理エントリーさせたのは誰だよ」

ハルヒ「とにかく、不本意だけどあんたも出場しちゃうんだから
    SOS団の恥になるようなことだけは当日しないでね!」

キョン「へいへい」

19: 2009/06/28(日) 02:04:53.22 ID:BQ0z0b4b0
鶴屋「おーっす!みくる、いるかい!?」

みくる「あ、鶴屋さん」

鶴屋「聞いてほしいにょろ、あたし今そこでこんなもん貰っちゃってさぁ~。
  『北高No.1アイドル決定戦』、みくるも出てみないかい?
   みくるなら優勝は無理でも、入賞まちがいナシっさー!」

みくる「あ…それなら私、SOS団としてもう出場決まりましたよ…」

鶴屋「およ…そうなのかー。いや~あたしとしたことが出遅れたなぁ」

キョン(何故だ!何故朝比奈さんの優勝を誰も期待しようとしないんだ!!)

21: 2009/06/28(日) 02:12:41.58 ID:BQ0z0b4b0
キョン「鶴屋さんもエントリーしたんですか?」

鶴屋「もちろんさ!清純派のあたしナシで
   コンテストが成り立つわけがないさ~!」

キョン「後半はあえて否定しませんけど、清純派のトコだけはツッコまさせて下さい!」

古泉「ますますライバルが増えてしまいましたね。」

キョン「何度もうるさいが、お前は男子生徒の部だから
    彼女らとは間違えても対戦することはないんだぞ」

長門「強豪が揃った。対策を練る必要がありそう」

23: 2009/06/28(日) 02:18:21.26 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「それじゃ今日は解散!おのおの今日からしっかり
    アイドルとしての自覚を持ち、日々励むように!!」

キョン「俺らはまだアイドルじゃないぞ!コンテストで決めるんだぞアイドルは!」

みくる「さっそく衣装を考えなくちゃ。
    あと運動もして、身体も引き締めないと…」

キョン「朝比奈さんも、意外とかなりやる気なんですね」

古泉「これは厳しい戦いが予想されますね…思い切って脱ぐしか」

キョン「させないからな、絶対に!!」

24: 2009/06/28(日) 02:24:14.67 ID:BQ0z0b4b0
―――長門家

長門「…ただいま」

あちゃくら「あら長門さん、早かったですね。SOS団の活動はどうされたんですか?」

長門「それより、やらなければならないことが出来た。」

キミドリ「おや、そういえばその手に持っているDVDは…」

長門「TSUTAYAで借りてきた。今日から研究を開始する」

あちゃくら「研究って…まさか!涼宮さんとキョン君の間に新たな動きが!?」

26: 2009/06/28(日) 02:35:11.98 ID:BQ0z0b4b0
 さくら~の はなび~らたちが さ~く~ころ~…♪

あちゃくら「…何なんですか、これ…」

キミドリ「どっからどう見ても、人気アイドルのDVDですよね…」

長門「アイドルを目指すには、まず本物の動作、仕草を研究し自らに取り入れるべき。」

あちゃくら「あーなるほど。そういうことでs…
      ってどうしちゃったんですか長門さん!」

27: 2009/06/28(日) 02:42:12.25 ID:BQ0z0b4b0
―――長門は彼女らに事のいきさつを語った。

あちゃくら「…で、長門さんもそのコンテストでグランプリを取るべく
      こうして研究を始めたということですか?」

長門「憧れてはみたものの、正直どうすれば
   彼女らのように大衆を引きつけることが出来るのかが分からない」

あちゃくら「そんなの、私達にかかれば情報改正とかでちょちょいのちょ…」

長門「そんな無粋なことはしたくない。
   自らの魅力で人々を楽しませてこそ本当のアイドル。あなたは何も分かっていない」

あちゃくら「す、すみません…」

キミドリ「まぁまぁ、そんなに落ち込まないで」

28: 2009/06/28(日) 02:48:39.48 ID:BQ0z0b4b0
あちゃくら「はぁ…でも私だって今頃こんな姿でなければ
      きっと一緒にコンテストにエントリーして、長門さんと火花を散らして…」

長門「あなたでは相手にならない」

あちゃくら「あはは、そうですよね。こんな太いマユ毛じゃ…
      って何を言わすかこんちくしょーっ!!」

キミドリ「いや、あなた自分で勝手に言ってましたよ…」

あちゃくら「…まぁ、でも私、長門さんがグランプリ取れるように応援とかサポートとか
      していきますので、遠慮なく相談してください!」

長門「…感謝する。」

31: 2009/06/28(日) 02:57:30.74 ID:BQ0z0b4b0
―――翌日

キョン「ハルヒは…先に部室に行ったのか?
    ま、アイドルがどうってことだから、またくだらない準備でもしてるんだろうな」

ガチャ

キョン「…あれ?ハルヒは…朝比奈さんもカバンがあるのにいないな…」

!!

キョン「この制服…と… !! 下…
    …何か、またすごく嫌な予感がするんだが…」

32: 2009/06/28(日) 03:04:34.01 ID:BQ0z0b4b0
ひゃああああああんっ!!!

キョン「…ものすごく分かりやすい叫び声だ。外か!?」


ざわ…  ざわ…

ハルヒ「皆さん!来週の北高アイドルコンテストでは
    我らがSOS団に清き一票をお願いします!!
    投票してくれた男子には、もれなくみくるちゃんの豊満なボディを…」

みくる「いやぁぁぁぁ!!やめてください~っ///」

33: 2009/06/28(日) 03:10:06.83 ID:BQ0z0b4b0
キョン「おいハルヒ!何やってんだそんな格好で…
    朝比奈さんに至ってはバニーどころか水着姿じゃないか!」

ハルヒ「何って…売り込みに決まってるでしょ!!
    アイドルたるもの、最初はこういう営業まわりから始めていくもんなのよ!」

キョン「営業まわりはショータイムじゃないし、第一お前はまだアイドルでも何でもない!」

みくる「ふぇぇぇぇん…恥ずかしいですぅ///…」

キョン「朝比奈さん…(あぁダメだ!直視出来ない!刺激が強すぎる!!)」

34: 2009/06/28(日) 03:13:27.67 ID:BQ0z0b4b0
キョン「とにかくすぐに撤収だ!先生に見つかったらそれこそただじゃ…」

ざわ… ざわわ…

みくる「…あれ?あっちの方にも人だかりが…」

ハルヒ「まさか他の出場者のしわざじゃ…行ってみましょう!」

キョン「あっ、おい!こら!!」

35: 2009/06/28(日) 03:23:27.17 ID:BQ0z0b4b0
ざわわ… ざわわ… ざわわ…

長門「はじまるデースティーニー ♪」

ワァァァァァァッ!!

キョン「なな長門!!何やってんだお前まで!?」

長門「…営業。」

ハルヒ「こんな手段を使ってくるなんて…今日のところは負けたわ。
    すぐに帰って作戦を練り直すわ。有希、あんたの思い通りにはさせないわよ!」

キョン「長門、小さくガッツポーズするな」

39: 2009/06/28(日) 03:30:04.75 ID:BQ0z0b4b0
みくる「着替え、私の着替えはどこですかぁ~」

ハルヒ「みくるちゃんのは部室に置いて来ちゃったわよ!そこまでその格好で辛抱してちょうだい!」

キョン「酷すぎるぞお前!だいいちあの部室の有り様は何だ!下着まで堂々と放ったらかしで…」

みくる「えぇっ!? …いやぁぁぁぁ////」

ハルヒ「ちょ、あんた最低ね!!みくるちゃんの下着をそんな…」

キョン「なっ!お、俺が悪いのかよ!!俺は何もしてないぞ!」

41: 2009/06/28(日) 03:36:07.59 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「出てけ工口ガッパ!みくるちゃんが着替えるのよ!!」

バタンッ!!

キョン「…ったく。出しっぱなしにする方が
    どう考えても悪いだろう。(ピンク…ピンク…リボン付き…)」

ハルヒ「あ~あ、みくるちゃん。キョンに下着の色覚えられちゃったわね!」

みくる「そんなぁ~もう言わないでください…グスン」

キョン「…そういえば、古泉のヤツ、今日は見かけないなぁ。
    どこで何をしてんだあいつ…」

42: 2009/06/28(日) 03:43:45.23 ID:BQ0z0b4b0
―――その頃、職員室では

古泉「…なので、その…今度のアイドルコンテストで絶対に勝たなきゃと思って…」

岡部先生「そんな理由で校門前で服をはだける馬鹿がどこにいる!!
   とにかくこの事は、家庭に知らせて…」

古泉「それだけは!家族と組織に言うのだけはご勘弁を!!」

43: 2009/06/28(日) 03:50:48.95 ID:BQ0z0b4b0
ガチャ…

長門「…入っていい。」

キョン「おう、長門。というか、いつの間にお前部室の中にいたんだな。」

長門「今日の活動は終了。全員帰宅の許可がおりた。」

ハルヒ「キョン!あんたも家でボサッとしてないで
    コンテストで結果を残すための努力の一つでもしなさいよ!」

キョン「俺は別に結果なんて気にしないがな」

みくる「あの…さっきはお騒がせしてしまってすみません… では失礼しますっ」

キョン「いえ、朝比奈さんもお気をつけて。(あの制服の中にはあの下着が…って何考えてんだ俺!)」

44: 2009/06/28(日) 03:58:27.89 ID:BQ0z0b4b0
―――その翌日

キョン「おぃーっす…って何だこの機材は!?」

ハルヒ「あっキョン!早く手伝ってよ!これ結構重いんだから」

キョン「おいおい、それよりどうしたんだよ、こんな撮影機材とセットどっから…」

ハルヒ「それは写真部と演劇部に交渉して…」

キョン「カツアゲして来たんだな。」

45: 2009/06/28(日) 04:03:20.86 ID:BQ0z0b4b0
キョン「っつーかよぉ、こんな大掛かりな機材なんか用意して
    今日は一体何をおっ始める気なんだ?」

ハルヒ「んー…一通りの撮影道具は揃えたけど…やっぱり何か物足りないわねぇ。」

キョン「おい、聞いてるのか!?」

ハルヒ「ちょっと待ってて!もう一回写真部の奴ら脅してくるから!」

キョン「もうカツアゲはやめろ~!!票が入らなくなってもいいのか~!?」

46: 2009/06/28(日) 04:12:09.61 ID:BQ0z0b4b0
長門「撮影用の機材を追加する必要はない。これで十分」

キョン「全くだ…って長門!お前いつも知らぬ間に俺の後ろに立つな!」

長門「下がってて…」

キョン「??」

長門「odirje@95uen9go]xip[@p,5eo8xo:@;vehos,>i5ygpoiu;v4oioijs@e」

ピカッ

長門「この時代における最新鋭の設備とセットに改変した。」

キョン「長門、お前ドラえもんみたいな奴だな」

47: 2009/06/28(日) 04:18:04.25 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「はぁ~…結局あの機材で我慢するしかな…
    えぇっ!?何これ、最高級の機材じゃない?どうしたのよこれ!?」

キョン「お、おい…長門、まずいんじゃないのか?」

長門「事前に近くの機材専門店で最新の機材を借りておいた」

ハルヒ「ホント!?ありがとう有希!これで写真集撮影がはかどるわ!!」

キョン「うまく誤魔化したな…」

ハルヒ「…あれ?でもこの辺りに写真屋さんなんてあったっけ…?」

キョン「はい、ちっちゃい事は気にすんな!」

長門「…」 クイックイッ
   ※ワカチコ、ワカチコのポーズをしています

49: 2009/06/28(日) 04:25:26.76 ID:BQ0z0b4b0
―――しばらくして

ハルヒ「全員そろったわね。
    それじゃあアイドル集団ことSOS団の写真集撮影会を行います!!」

キョン(とうとうアイドルユニットになっちまったのかよ俺ら!SOS48でも作るのか!?)

ハルヒ「今回は有希が最高の機材と衣装を用意してくれました!
    みなさん、まずは有希に盛大な拍手をっ!!」

キョン「衣装まで用意してきたのか!?」

古泉「さすが長門さん、情熱がこもってますね」

キョン「室内だからって、今日はむやみに脱ぐなよ」

50: 2009/06/28(日) 04:33:48.34 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「みくるちゃんは水着とバニー以外着用禁止ね」

みくる「えぇぇ~!?それはあんまりですぅ…」

ハルヒ「キョンには…そうね、これなんかいいんじゃない?インパクトあるし」

キョン「まぁ、どれでもいいんだg…って何だこれ!?
    どう見てもこれ『Yo! Say! 夏が~♪』のアレじゃないか!」

ハルヒ「有希も古泉くんも、早く着替えて。
    撮影してたら一日なんてあっという間よ!」

  ※この日は休日です。

52: 2009/06/28(日) 04:44:47.30 ID:BQ0z0b4b0
―――撮影会が始まった…

ハルヒ「ほらみくるちゃん!!もっと媚びるような眼差しで!
    足ももっと大胆に広げちゃっていいから!」

みくる「ひゃぁぁ~イヤですぅ~///」

キョン「おいおい…これはR-15の写真集じゃないだろ」

ハルヒ「ほらキョン、次はあんたの番よ!
    むしろあんたの格好の方がR-15じゃないの!?」

キョン「無理矢理着させておいて散々な言い草だな!」

53: 2009/06/28(日) 04:49:34.36 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「よーし、曲かけるわよ!!
    1カメ、2カメ、準備はいい?」

1カメ(谷口)「あぁ、大丈夫だ!」

2カメ(国木田)「カメラまわすよー!」

キョン「おい何だこれ!?何で俺だけPV撮影みたいなの??」

ハルヒ「みくるちゃんはそのままバックダンサーをしなさい!」

キョン「いやそれもおかしいだろ!この曲でうしろバニーかよ!!」

55: 2009/06/28(日) 04:59:44.31 ID:BQ0z0b4b0
キョン「ほんもののこいは やれそーかーい!♪」

ハルヒ「あぁダメダメ、カットカット!!
    んもう、そんな姿でカメラに写ろうなんて、恥ずかしいと思わないの?」

キョン「恥ずかしいよ!こんな衣装着てる時点で既にな!!」

ハルヒ「みくるちゃんも表情と動きが固い!
    いくら顔と胸がカワイくても台無しよ!!」

みくる「そ、そんなぁ~…」

56: 2009/06/28(日) 05:06:10.27 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「もういいわ!あたしが一度見本を見せてあげる。
    いい?アイドルってのはこう写真に写るものなのよ!カメラ用意して!」

谷口「ちぇっ、朝比奈さんの写真録り放題だっていうから来てやったのに…」

国木田「いいじゃん、涼宮さんの写真だって撮れるんだし」

谷口「まぁ涼宮でも、せめて水着にでもなってくれりゃなぁ」

古泉「さすが涼宮さん、笑顔がとても魅力的ですね」

57: 2009/06/28(日) 05:12:48.54 ID:BQ0z0b4b0
カシャ! カシャ!   カシャ!

ハルヒ「いい?ポーズはこんな感じ、動きを出すのがポイントよ!
    あと水着のトップは上下逆さまに着ること。これが今のトレンドよ!」

キョン「待て待て!最後のはいくら何でもおかしいだろ!」

長門「着替え終わった…」

キョン「長門、遅かっt…ちょ、お前その衣装…」

ハルヒ「あはっ!有希ー、意外と派手な水着で来たわね~。
    ちょっと胸がないけど、そこがまた高ポイントよ!」

60: 2009/06/28(日) 05:18:32.49 ID:BQ0z0b4b0
キョン「古泉、まさかお前が長門にコーディネートしてやったんじゃ」

古泉「いいえ、僕は何も。ただ長門さん、めずらしく悩んでましたね…
  『アイドル』たるもの、どんな服装が魅力的か、って。」

みくる「なんか長門さん、普段と雰囲気が違いますぅ…」

長門「写り方は心得ている…家で練習してきた。」

ハルヒ「結構な自信ね、なんだか楽しみだわ。
    私がカメラマンをやるわ!ほら二人、どいて!!」

61: 2009/06/28(日) 05:25:36.68 ID:BQ0z0b4b0
―――話はさかのぼって、前日…

長門「…ただいま。」

あちゃくら「うわぁ、長門さんったらまたこんなにDVDを借りてきて!
      昨日のヤツもまだ返してないじゃないですか…」

長門「あれは3泊4日…」

キミドリ「どれどれ、今回は誰のDVDを… えぇっ!!?」

長門「仲村みう。」

あちゃくら「長門さん…借りるとき恥ずかしくありませんでした?」

72: 2009/06/28(日) 10:24:33.01 ID:BQ0z0b4b0
…~♪

長門「…」

あちゃくら「うわぁ…きゃーっ!!大胆過ぎます!」

キミドリ「…見てるだけでこっちまで恥ずかしくなってきますよ」

あちゃくら「長門さん…絶対方向性間違えてますって。」

長門「これもアイドルのひとつの在り方…」

74: 2009/06/28(日) 10:34:43.97 ID:BQ0z0b4b0
長門「この路線も、ひとつの選択肢として頭に入れておく」

あちゃくら「反対ですよ!長門さんにはハレンチ過ぎます!!」

長門「他人には容易に真似出来ない。個性を出すには十分な方法。
   現に朝比奈みくるに対抗するには、これしか手段がない」

キミドリ「けど長門さんには、朝比奈さんほどグラマラスじゃ…」

あちゃくら「キミドリさん!それは言っちゃダメッ!!」

長門「…」

あちゃくら「ほら!長門さんこう見えても傷つきやすいんですから」

キミドリ「す、すみません…」

77: 2009/06/28(日) 10:44:47.91 ID:BQ0z0b4b0
―――話は戻って、現在…

ハルヒ「それじゃあ撮るわよ!有希、準備はいい?」

長門「…もっと寄って。」

キョン「ぶふぉっ!!…長門、お前いきなり挑発的だな。」

ハルヒ「…素晴らしいわ!その意気よ!!
    よーし…覚悟はいい?もう全身舐めまわすように撮ってあげるわ!!」

キョン「お前は工口オヤジか!」

78: 2009/06/28(日) 10:55:01.09 ID:BQ0z0b4b0
長門「かまわない…」  グッ

古泉「!!」

キョン「おいおいおい!長門、お前どこでそんなポーズを覚えた!!?」

ハルヒ「うひゃぁ…これ、つるぺた好きの男子が見たら発狂ものよ。」

古泉「なるほど。長門さんは胸元で勝負出来ないので
   下半身を中心に攻めていってますね。僕と同じだ」

キョン「…長門。お前、エラーとか起こしてないよな…?」

長門「…問題ない。私は正常」

79: 2009/06/28(日) 11:01:12.22 ID:BQ0z0b4b0
キョン「そうは言ってもなぁ、今のお前は
    とても正常な思考を持っているとは思えない格好してるぞ」

長門「この程度では終わらない。まだ切り札はある」  グッ…

みくる「いやぁ…///長門さん、それは…」

ハルヒ「いいわいいわ!もっと足を広げなさい!!」

長門「下から撮って」

ハルヒ「ぶっ…ぐはぁぁ!!」

キョン「ハルヒ!鼻血出てるぞ!!」

81: 2009/06/28(日) 11:08:22.28 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「すごいわ…顔色ひとつ変えずこんなに大胆になれるなんて。
    有希の新しい一面を見たわ…」

古泉「僕も、見習わなければいけませんね。」

キョン「お前にはさせないからな、絶対に!」

ハルヒ「あぁもうダメ…身体が熱い…我慢できない!!
    有希!あなたが欲しいわ!キョン、カメラお願い!」

キョン「おいハルヒ大丈夫か!放送できないことだけはしないでくれよ!」

82: 2009/06/28(日) 11:18:06.58 ID:BQ0z0b4b0
―――数分後

ハルヒ「ん~…有希の肌やわらか~い…」

有希「…これはまさに絡みのシーン。」

キョン「うわぁ、これは…正直理性を保つのがつらい工口さだ…」

ハルヒ「ほら、みくるちゃんも来なさい!あとサンオイル持って来て!!」

みくる「えっ…は、ふぁい…」

国木田「ちょっと、だめだよ谷口!!落ち着いて!!」

谷口「後生だ!行かせろぉぉぉっ!!!」 ジタバタ

83: 2009/06/28(日) 11:29:28.85 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「もうこんな場所じゃ物足りないわ!
    キョン、外行くわよ!外で撮影しましょ!!」

キョン「ば、馬鹿っ!!そんな格好で外で撮影しようものなら一発で捕まるぞ!」

古泉「…まずいことになりましたね。」

キョン「気づくのが遅すぎるぞ、古泉!」

長門「そういう意味ではない。
   涼宮ハルヒの精神は現在、異常なまでの興奮状態に達している。
   このまま彼女の理性が破壊されれば、多大な情報異常を引き起こし、世界が崩壊する」

古泉「要するに、この物質世界の法則がメチャクチャになる危険性があるって事です」

キョン「説明がアバウトだが、とにかく本気でヤバイ状態だってことは理解した」

85: 2009/06/28(日) 11:40:29.53 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「あぁっ、もっと見て!もっと撮って!!
    何だか気持ちよくなってきたわ…みくるちゃん、次は手ブラでいくわよ!」

みくる「あぅぅ…涼宮さん、もうやめてくださひぃぃ!!」

キョン「やめろハルヒ!俺の理性が…じゃなくて、世界が崩壊しちまう!!」

古泉「かくなるうえは、最後の手段… ちょっと待っててください!」

キョン「おい、ちょっ、古泉!どこへ行く!!」

長門「私が調子に乗りすぎたせい…詫びしきれない…」 ウルウル

キョン「大丈夫だ。自分を責めるな、長門」

87: 2009/06/28(日) 11:46:36.66 ID:BQ0z0b4b0
長門「…もう限界。強行手段で彼女を止めるしかない」

みくる「えっ…そんな事したら長門さんの身にも危険が!」

長門「世界全体の異常改変にはかえられない」

古泉「その必要はありませんよ!!」

キョン「しかし古泉、そんなk…ぐはぁ!何だその格好は!?センターマンか!」

ハルヒ「!!!」

古泉「さぁ、僕らも絡み合いましょう!」

キョン「や、やめろ!近寄るな!う…うわぁぁぁぁっ!!!」

89: 2009/06/28(日) 11:53:09.39 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「や…やめなさーーーーい!!」

キョン&古泉「!!」

ハルヒ「まったく、気持ち悪いったらありゃしない!調子に乗るのも程々にしなさい!!
    …あぁ、気分が壊れたわ。今日の撮影はもうやめよ、やめ!
    身体洗ってこよ。キョン、ここ全部片付けておきなさい!!」

キョン(調子に乗りまくって世界を危険にさらしたのはどこのどいつだよ…)

古泉「…よかった。ひとまず作戦は成功のようですね」

キョン「あぁ、感謝するよ…だから早く俺から離れてくれ。」

古泉「おや、本気はNGですか?」

キョン「離れないとお前だけもう二度とこの世界に戻れないようにするぞ」

91: 2009/06/28(日) 12:05:42.27 ID:BQ0z0b4b0
キョン「ほら、長門も着替えてこい。そんな格好じゃ帰れないぞ」

長門「…本当に申し訳ない。あるまじき失態…」

みくる「気にしないで下さい。長門さんのせいじゃありませんから。
    …私が言うのも変ですが、さっきのあなた、とても魅力的でしたよ。」

キョン「あぁ…正直、俺もやられそうになったが…
    だが長門、お前はやっぱり普段のお前の方が、らしくて魅力あると思うぞ。」

長門「…」

キョン「だから無理に背伸びをするな。アイドルに一番必要なのは
    そばにいる人を優しい気持ちにさせる力だ。普段のお前にも十分備わってるぞ」

94: 2009/06/28(日) 12:25:45.00 ID:BQ0z0b4b0
長門「…ただいま。」

あちゃくら「おかえりなさい。早かったですね…
      ってあれ?何か元気ないですね。何かあったんですか…?」

長門「あの路線はもう辞める…懲りた。」

あちゃくら「えっ… そうですか~。
      良かったぁ、もし本当に長門さんがあの路線のまま突っ走ってたら
      どうなることやらと心配でたまらなかったもんですから」

長門「あのような路線は同人誌の世界でのみで十分。
   今回のようなスピンオフでやるにはふさわしくない」

キミドリ「朝比奈さんは本編ですらあの路線ですけどね。」

95: 2009/06/28(日) 12:32:47.32 ID:BQ0z0b4b0
あちゃくら「そういえば聞いてませんでしたけど、
      長門さんがアイドルに憧れるようになったのって、何がきっかけなんですか?」

長門「…よく、分からない。」

キミドリ「…」

長門「…でも、何だか楽しそう。
   アイドルである本人のみでなく、その周りの人、それに接する人…」

あちゃくら「もしかして長門さん…みんなに愛されたいと思ってるんじゃないですか?」

長門「!!」

97: 2009/06/28(日) 12:43:45.00 ID:BQ0z0b4b0
キミドリ「そんな切な想いがあったんですか…」

あちゃくら「長門さんも…淋しかったんですね。」

長門「私にとって、アイドル…
   …輝くような表情、生き生きとした人柄は『人間として』、憧れの対象。」

キミドリ「そういえば長門さんの笑ってる顔って、見たことありませんね…」

あちゃくら「私がベビー歩行器に乗って足が届かなかったとき、
      思いっきり笑ってましたけどね」

98: 2009/06/28(日) 12:50:11.13 ID:BQ0z0b4b0
長門「私は情報統合思念体によって今のように作られた存在…
   人間とはもちろんのこと、あなた達とも違う。
   よってアイドルとは、より自身から遠い存在」

キミドリ「なるほど、だから憧れも強くなっていくわけですね…」

あちゃくら「…
      何かしんみりしちゃいましたね。夕飯にしましょ!」

キミドリ「そ…そうですね。今日のメニュー何にします?手伝いますよ!」

長門「…」

あちゃくら(長門さん…私にまかせてください!
      長門さんの魅力を最大限に引き出せるよう、私が何とか方法を考えてみますっ!)

100: 2009/06/28(日) 12:59:16.80 ID:BQ0z0b4b0
―――翌朝

長門「…これは?」

あちゃくら「あ、おはようございます!
      それはこれからコンテスト当日までのスケジュールと、トレーニングノルマ表です。
      アイドルたるもの、普段の生活も美しくなければいけませんからね」

キミドリ「ってちょっと…何で私のスケジュールもあるんですか!?」

あちゃくら「長門さんだけに頑張ってもらうわけにはいかないじゃないですか。
      こういうのは周りの人間の協力があってこそ成り立つものなんですよ!」

キミドリ「周りの人間って…考えてみればこの中にはまともな地球人の一人すらいないんですね…」

103: 2009/06/28(日) 13:07:01.72 ID:BQ0z0b4b0
―――午前10:00  ヨガのレッスン

長門「…痛い。」

あちゃくら「長門さん、意外と身体硬いんですね…」

―――午後1:00  昼食

長門「…お腹すいた。」

キミドリ「ダメですよ!お昼は500kcalまでって言ったじゃないですか」

―――午後2:30  ボイストレーニング

長門「あ・え・い・う・え・お・あ・お」

あちゃくら「ほらー!もっとハキハキと元気よく!」

104: 2009/06/28(日) 13:14:58.82 ID:BQ0z0b4b0
―――午後3:00  休憩

あちゃくら「こらぁー!長門さん、横になってお菓子を食べない!!」

長門「…つらい。」

―――午後5:00  アニメ

あちゃくら「こーらぁー!!今はランニングの時間のはずですよ!!」

長門「これと笑点だけは見させて」

―――午後6:30  エクササイズ

キミドリ「次は二の腕のシェイプアップですよ!はい、ワンツーワンツー!」

長門(サザエさんが見たい…)

106: 2009/06/28(日) 13:28:50.78 ID:BQ0z0b4b0
―――午後7:30  夕食

あちゃくら「お疲れ様です。疲れてませんか?」

長門「大丈夫。」

キミドリ「まぁ途中何度かサボってましたしね」

あちゃくら「でも長門さん、今日一日でまたずいぶん魅力的になりましたよ」

長門「さすが宇宙人といったところ…」

キミドリ「この調子ならグランプリも本当に夢じゃないかもしれませんね」

107: 2009/06/28(日) 13:36:27.75 ID:BQ0z0b4b0
―――数日後…

ハルヒ「みんな!この前撮影した写真が出来たわよ!整理しましょう!!」

キョン「ひゃあ…これ何百枚撮ったんだ?」

みくる「あ、キョン君。キョン君の写真ありましたよ~」

キョン「げっ!やっぱりこの写真撮られてたのか…」

ハルヒ「あっ、あんたにしてはいいわねそれ!
    引き伸ばしてプロモーション用に使いなさい!」

キョン「氏んでも断る!」

108: 2009/06/28(日) 13:46:17.55 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「タイトルは『T.M.レボリューキョン』ってとこね」

キョン「やめてくれ!俺はそんな色モノキャラで出るつもりはない!」

ハルヒ「あっ!みくるちゃん、これいいんじゃない?」

みくる「え、どれですk…いやぁぁっ!何ですかこれぇぇっ///」

ハルヒ「SOS団の工口テ口リストことみくるちゃんなんだから、
    このくらいセクシーな画像じゃないとみんな満足しないわよ!
    とりあえずこれをB1サイズに…」

キョン「だめだ!倫理的にまずいだろ!」
   (くそっ…校則さえなければ実現させただろうに…!!)

109: 2009/06/28(日) 13:55:03.47 ID:BQ0z0b4b0
キョン「そんなこと言うならば…よろしい。
    ハルヒ、お前のプロモーション写真、これなんかいいんじゃないか?」

バン!  ※例の乱れまくってたときの写真です。

ハルヒ「ひっ!!ちょ…いや…そんなのいつの間に////」

キョン「これなんてセクシーで悩ましげで、世の男の99%を虜にしてしまわんばかりの
    極上の写真だと思うんだが…ですよね、朝比奈さん!」

みくる「えっ… そ、そうですね。色っぽくて素敵な写真だと思いますぅ~」

古泉「いやはや、さすが涼宮さんといったところです。我々ではこうはいきません」

ハルヒ「もうやめてぇっ!!///…分かったわよ、使いたい写真は個人で選んでちょうだい!」

110: 2009/06/28(日) 14:00:27.45 ID:BQ0z0b4b0
みくる「私はこれにします~」

ハルヒ「…何かつまらない写真ね。露出も少ないし…まぁ、カワイイからいいけど。」

キョン「俺はこれでいいよ」

ハルヒ「…何よコレ、ピンボケじゃない!!あんた本当にこんなんでいいの!?」

キョン「くっきり写ってるのなんて恥ずかしくて使えるか!」

古泉「じゃあ僕はこのセンターマンで…」

キョン「全力で阻止させてもらう!!」

112: 2009/06/28(日) 14:11:31.64 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「有希は決めた?」

キョン(うわぁ…長門のは強烈な写真ばかりだな…)

長門「…これ。」

ハルヒ「…あら?あんたもずいぶん控えめな写真を選んだわね…
    こっちにもっとセクシーな写真がたくさんあるのに」

キョン「いいんじゃないか?こっちの方が
    普段の長門の良さが出てる気がして悪くない気がするぞ」

長門「そういうこと…私は私のキャラクターで勝負する」

ハルヒ「…まぁ、有希がそういうならいいわ。古泉くんは決まったの?」

古泉「だからこのセンターマンで…ダメならこの海パン姿の写真でも」

キョン「古泉…お前は一体どういう勝負に出たいんだ?」

113: 2009/06/28(日) 14:23:03.48 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「そうだ。みんながコンテスト当日
    どういったものをアピールするのか、ちょっと一回見てみたいわ」

古泉「あっ…そういえばしっかり考えてませんでしたね。
   理想の写真を作るのに必氏だったものですから」

キョン「あんなもの撮るために熱心になってるぐらいだったらいっそ出場を自粛してくれ」

ハルヒ「じゃあまずみくるちゃん!
    ちょっと試しに見せてくれる?やっぱり当日は水着姿で出場するの?」

キョン「見せてくれとか言いながらいきなりアピール方法を強制するな!」

114: 2009/06/28(日) 14:30:17.26 ID:BQ0z0b4b0
みくる「私は…やっぱりこれでアピールするのが一番かと…」

ハルヒ「あれ?それ、学園祭のときの衣装じゃないの。」

キョン「いいと思いますよ。何てったって
    それがあってこその朝比奈さんですからね…」

みくる「み…みくるビーム!!…」

キョン「あぁもうそれをやられてしまったら朝比奈さんの右に出る者はいませんね!」

ハルヒ「こらキョン!何鼻の下伸ばしてんのよ!!」

117: 2009/06/28(日) 14:36:10.35 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「あんたも何か見せてみなさいよ」

キョン「別に。俺はふだんの俺、素材そのもので勝負するつもりだし」

ハルヒ「何うすら寒いセリフ吐いてんのよ!
    そういうヤツに限ってろくでもない男だったりするんだから。」

古泉「僕の出し物も見て頂けますか?…マッガーレ!」

ハルヒ「それじゃ次、有希も何か見せてくれる?」

キョン「長門、頼むからあまり宇宙的なパワーは利用しないでくれよな」

古泉「…」

118: 2009/06/28(日) 14:50:02.29 ID:BQ0z0b4b0
…~♪

ハルヒ「!?」

キョン「な、何だ何だ?」

長門「♪つらくなって~は~しり~だす~ アイニージューベイビー♪」

谷口&国木田「L・O・V・E・ラブリー ゆきりん!」

キョン「お、お前らまで何付き合わされてんだ!?」

長門「~♪ …だいたいこんな感じ。」

キョン「追っかけ役まで用意するとは…恐るべし」

119: 2009/06/28(日) 15:00:23.39 ID:BQ0z0b4b0
長門「ただし、これはあくまで一案にすぎない。
   まだ未完成。アピールのバリエーションをこれからも増やす予定。」

ハルヒ「参ったわね…有希が思っていた以上に強敵になりつつあるわ。
    あたしも対策を練り直さないと!!」

キョン「おいおいハルヒ!お前は何か見せてくれるんじゃないのか!?」

ハルヒ「何言ってんのよ!団長で優勝候補のあたしのアピールは
    本番でのお楽しみに決まってるじゃない!」

古泉「おやおや。それはますます楽しみですね。」

キョン「ずるいだろ!修学旅行の夜に
    自分だけ好きな人の名前を最後まで言わないヤツみたいじゃねぇか!」

123: 2009/06/28(日) 15:34:49.25 ID:BQ0z0b4b0
―――時は流れ、コンテスト前日…

キョン「おぃーっす」

ハルヒ「キョーンッ!待ってたぞっ♥」

キョン「!!! …どどどどどうしたんだハルヒ!熱でもあるのか!?」

みくる「キョ・ン・君♥ お茶いかがですかぁ~?」

長門「… キョン… ///」

キョン「ど…どうしたの…かなぁ~… みなさん…」

古泉「お茶、熱いからフーフーしてあげましょうか?」

キョン「お前は去れ」

124: 2009/06/28(日) 15:43:13.79 ID:BQ0z0b4b0
長門「あなたに対してだけではない。
   翌日のコンテストにエントリーしている女子生徒達は
   一般審査員でもある男子生徒達にアピールするため必氏」

キョン「…そうか。だが長門、お前もさりげなく乗せられてたぞ」
   (もう二度と長門に「キョン」などと呼ばれることもないだろうな…)

みくる「キョン君、お茶のおかわりいかがですか?」

キョン「いやいや、まだ結構ですよ!」

ハルヒ「こらキョン!何みくるちゃん達と楽しそうに話してんのよ!
    …あたしとも遊んでくれないと、もう優しくしてあげないんだからっ!!」

キョン「うわぁ…ゴリゴリのツンデレだ…しかもポニーテール…」

古泉「どうやら涼宮さんに限っては、標的をあなた中心に絞っているようですね」

キョン「腕を組むな!胸をすり寄せるな!息をかけるな!近寄るな!」

126: 2009/06/28(日) 15:55:53.83 ID:BQ0z0b4b0
鶴屋「やっほーっ!みくる~今日も相変わらずカワイイね!
  『私の次に』!」

みくる「!! 鶴屋さん…」

バチバチバチ…!!

キョン「うおぁっ! 二人の間に流れる空気がいつもと違うぞ!?」

長門「同じグランプリの座を争うにおいては、
   たとえ親友同士でも敵同士。まさに格好のライバル」

キョン「長門も朝倉がいれば、なお面白い争いになっただろうな」

長門「…今の彼女は見る影もない。私の好敵手にはなり得ない」


あちゃくら「は…は…はーくちょん!!」

キミドリ「おや、風邪ですか?それとも…」

あちゃくら「どうせまた、長門さんが変なこと言ってるしわざですよっ」 プンスカ

127: 2009/06/28(日) 16:08:54.71 ID:BQ0z0b4b0
キョン「鶴屋さんは、何か明日に向けて対策とか練らないんですか?」

鶴屋「対策?もちろん抜かりはないさ。
   ハルにゃんも長門っちも、これを見るがいいさ!!」

長門「!!」

キョン「な…何ですかこれは!?」

鶴屋「自費製作の写真集とDVD、それにこの日のために
   自費でレコーディングしたデビューシングル『めがっさ好奇心/青春いいじゃないかっ!』、
   グランプリになった暁には全国ツアーを予定してるにょろ。」

ハルヒ(うわぁ…この人何でもアリね。)

みくる「わ、私だって、このお茶汲み技術とコスプレに関しては他の追随を…」

キョン「朝比奈さん、残念ですが全然張り合えてませんよ。」

128: 2009/06/28(日) 16:14:13.19 ID:BQ0z0b4b0
鶴屋「ウチのクラスだけでも、私とみくるを含め14人がエントリーしているのさ。
   ライバルが多いだけにいくら私でも手加減は出来ないのさっ!!」

キョン「うわぁ、鶴屋さんのクラスはナルシストばっかりなんですね」

ハルヒ「へー。あたし達のクラスからは確か3人だけだったから…」

キョン「ん、3人!?俺とハルヒの他に誰かいたか?」

ハルヒ「ほら、アイツも出るとかなんとかって言ってたし」

キョン「谷口ィィィ!!!」

129: 2009/06/28(日) 16:25:44.82 ID:BQ0z0b4b0
長門「…」

キョン「? どうした長門、急にいつも通り静かになっちまって…」

長門「みんな、輝いている…まさしくアイドルと呼ぶに相違ない人材…

   …私は…。」

キョン「長門…」

ポン

キョン「大丈夫だ。言っただろ?お前にはお前の良さ、長門なりの魅力があるって。
    無口で無表情の長門も、時おり見られるどこかハジけた長門も、
    それから、ごくごくたまに見られる無邪気な長門も。みんなお前のこと、信頼してるからさ。」

長門「…」

130: 2009/06/28(日) 16:30:33.41 ID:BQ0z0b4b0
―――その日の夕方

長門「…ただいま。」

あちゃくら「あっ!長門さん、待ってましたよ!
      ほら、こっちこっち!!」

長門「?」

あちゃくら「準備はいいですか、キミドリさん!」

キミドリ「えぇ。それではいきますよ!」

バッ!!

長門「…!!」

132: 2009/06/28(日) 16:38:53.27 ID:BQ0z0b4b0
あちゃくら「えへっ、どうですか?
      明日はこの衣装を着てコンテストに望んでください!!」

キミドリ「気に入っていただけたら嬉しいのですが…」

長門「… あなたが作ったの?」

あちゃくら「まぁ…身体が元の大きさだったらこのくらい楽勝だったんですけどね。
      一週間かけてやっと一着ですよ~」

長門「…」 ポロポロ

あちゃくら「えっ… な、長門さん!?」

長門「…何でもない。涙腺部分に軽いエラーが生じただけ…」

133: 2009/06/28(日) 16:48:42.32 ID:BQ0z0b4b0
―――そして、いよいよコンテスト当日…

キーン コーン カーン コーン…

キョン「んあーっ!今週も終わった終わったーっ!」

ハルヒ「何言ってんのよバカキョン!さっさと体育館に向かうわよ!」

キョン「おいおい、開催は13:30からだろ?少しゆっくりさせてくれよ」

ハルヒ「はーっ…あんた、ホント大物ねぇ。態度だけは」

キョン「そのセリフ、そっくりそのままお前に返してやりたいよ!」

ハルヒ「あたしは先に行って準備してくるわ。
    あんたも40秒でお昼済ませてきなさい!遅かったら氏刑だから!」

キョン「よ、40秒!?お前はドーラか!!」

134: 2009/06/28(日) 16:55:17.33 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「というか面倒だからあんたも一緒に来なさい!!
    まずは部室にある荷物を運んでもらうわよ!」

キョン「お、俺の昼休みが…俺の昼飯が~…」

谷口「おっすキョン!何モタモタしてんだ!?
   それでもお前アイドルを目指す身かぁ!?」  ダッ

キョン「…何だあいつ。」

ハルヒ「そういえばアンタ、今日のために自分で衣装とか小道具とか、用意してないの?」

キョン「言っただろ!俺は完全添加物0%で勝負するとな!!」

136: 2009/06/28(日) 17:00:39.97 ID:BQ0z0b4b0
ピンポンパンポ~ン

喜緑「生徒のお呼び出しをいたします。1年5組のキョン君、キョン君…」

ハルヒ「あら?キョン、呼ばれてるわよ」

キョン「何だぁ?こんな時に… っつーか生徒の呼び出しくらい本名で呼んでくれよ!!」

喜緑「妹さんがお待ちです。至急、職員室前までお越しください。」

キョン「ったく、何でこんな時にあいつが… って何だってぇぇぇ!!!」

138: 2009/06/28(日) 17:15:41.02 ID:BQ0z0b4b0
キョン「はぁ… で、何の用だ?こんなトコまで」

キョン妹「今日キョン君コンテストの日でしょ?これ、忘れ物だよ!」

キョン「あぁん!?俺は別に何も忘れてなんか… って…えぇぇぇ!!?」

ハルヒ「あら、これ衣装じゃない!キョンったら
    こんな大事なもの忘れるなんて… ありがとね、妹ちゃん!
    …ほらぁ、キョンも感謝しておきなさい!ホント、ダメなアニキね。」

キョン「いや、待て、俺は知らん!衣装なんか第一…」

キョン妹「それじゃがんばってねー!!」

139: 2009/06/28(日) 17:29:17.17 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「ほら、何だかんだやってる間にもう開催45分前よ!
    急がないと準備する時間も無くなるわ!」

キョン「俺は10分もあれば準備して、ついでにトイレにもいけるがな」

ハルヒ「あたし達女子と、あんたのようなデリカシーのない男子を一緒にしないで!」

キョン「第一ほかの団員はどこに行った?」

ハルヒ「たぶんもう準備しに部室の方行ってるはずよ。」

140: 2009/06/28(日) 17:33:21.90 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「ほら、早く部室の中の荷物を出して!」

キョン「分かったから急かすな!!」  ガチャ

みくる「ふぇ… いやぁぁぁぁっ!!!」

キョン「わあああああっ! し、失礼しましたっ!!」

ハルヒ「何やってんのよ工口キョン!みくるちゃん着替え中じゃない!」

キョン「さっさと開けろって急かしたのはお前だろう!!」

みくる「いいから早く閉めてくださぁぁぁい!!///」

141: 2009/06/28(日) 17:39:15.69 ID:BQ0z0b4b0
古泉「お待たせしました…あれ、まだ部室の荷物を出してなかったんですか?」

ハルヒ「そうなのよ…このウスノロキョンがグズグズしてたせいで」

キョン「お、俺のせいかよ!?
    っつーか古泉!何だその格好は!」

古泉「衣装ですよ、見れば分かるじゃないですか」

キョン「そうじゃなくて、お前授業終わってからずっと
    そんな素肌ジャケットで校内走り回ってたのか!!乳O見えてるぞ!」

古泉「今日は朝からこの格好ですよ。」

145: 2009/06/28(日) 17:47:25.64 ID:BQ0z0b4b0
みくる「お、お待たせしました~」

ハルヒ「よし、みくるちゃんも着替え終わったわね。
    それじゃキョン、早く荷物を出して!」

古泉「そういえば、長門さんがまだ来ていませんね…」

みくる「あ、長門さんなら先に体育館の更衣室に行って準備していますよ」

ハルヒ「んもぅ。それならそれで少しは荷物持っていってくれてたって
    いいじゃないの…気が利かないわねぇ」

キョン「おーいハルヒ!荷物…これしかなかったか?」

みくる「荷物も、事前にほとんど長門さんが持っていってくれましたよ」

149: 2009/06/28(日) 18:01:20.70 ID:BQ0z0b4b0
―――開催前の体育館

ざわ… ざわ…

キョン「ひぇぇぇ、まだ30分前だってのに何なんだこの混雑よう…」

古泉「話によりますと、今回は非常にハイレベルな戦いになると
   校内はおろか町内でさえも話題になり、このような大盛況に繋がっているという噂です」

キョン「…これもまた、ハルヒの力なのか?」

古泉「コンテストは元々からこの学校の伝統だったようですが、
   彼女の力でここまで大規模なものになったということは確実ですね」

キョン「一体何なんだ、この学校は…」

150: 2009/06/28(日) 18:17:42.24 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「あっ、いたいた!有希ー!!」

みくる「うわぁっ…長門さん、カワイイ衣装ですね。」

長門「この日が来ることを望んでいた…私も。」

鶴屋「おや、皆さんお揃いのようだね。
   外はもう満員だよっ!ハイレベルな戦い期待してるっさ!」

ハルヒ「いくら相手が鶴屋さんだからって、容赦はしないわよ。もちろん、あなた達に対してもね!」

みくる「望むところです!」

長門「…」

151: 2009/06/28(日) 18:27:53.60 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「さっ、あたしも着替えなくちゃ!」

みくる「それじゃ私達は、先に会場裏で待機してますね」

ビーッ

新川「お待たせ致しました。県立北高校No.1アイドル決定戦、
   開園五分前となりました。」

森「携帯電話をお持ちの方は、電源を切るか、マナーモードにして下さいますよう
  お願い申し上げます。」

キョン「また出てきたよ…あの人達どうでもいい所でさりげなく登場してくるな。」

153: 2009/06/28(日) 18:43:17.09 ID:BQ0z0b4b0
―――5分後

…~♪  ※コンテスト公式テーマソング「God knows…/ENOZ」

森「さぁ始まりました、北高No.1のアイドルを決める一大(非公式)イベント、
   県立北高校No.1アイドル決定戦2009夏!」

新川「司会を務めさせていただきますわたくし新川、そしてアシスタントの森でお送りいたします。」

森「今回の出場者、男女総勢20名の頂点に立つ北高のアイドルの座は
  果たして誰のものになるでしょうか!?」

キョン「総勢20名って…俺と朝比奈さんのクラスで出場者の大部分じゃないか!」

154: 2009/06/28(日) 18:51:34.62 ID:BQ0z0b4b0
谷口「ようキョン!遅かったじゃねぇか」

キョン「客席側でリアクションとるのに忙しくてな…」

国木田「というかキョン、早く着替えないと間に合わないよ!!」

キョン「いや、俺は別にこのままで…ってか国木田も今回出るのか!?」

谷口「だったらこの衣装は何なんだよ!
   あーもぅ、じゃあ手伝ってやるよ。国木田、キョンの服を脱がせてやれ!」

国木田「よしきた!」

キョン「お、おい!やめろ!…うわああああああっ!!」

157: 2009/06/28(日) 19:02:29.14 ID:BQ0z0b4b0
新川「それではまず、男子の部を開催いたします。
   出場者である6人の方たち、舞台へどうぞ!!」

ざわ…  ざわわ…

谷口「ヘーイ!見てるかーい全校のレディ達!!」

古泉「負けませんよ、レッドバルーン古泉の名にかけて!」

キョン「いっそ殺せ…///」

谷口「それにしてもキョン…お前えらい冒険したなぁ、その衣装!」

国木田「なんかT.M.Revolutionみたいだね」

158: 2009/06/28(日) 19:09:49.39 ID:BQ0z0b4b0
谷口「エントリーナンバー01番、白石…じゃなくて谷口でぇっす!!
   ラーメン、つけ麺、僕イk」

森「はい、ありがとうございました!それでは次の方、どうぞ!!」

国木田「あ…エントリーナンバー02番、1年5組の国木田です。
    本編では出番少ないけど、一生懸命がんばります!」

ワァァァァッ!!   パチパチパチ…

谷口「…」

キョン(森さんGJ!)

161: 2009/06/28(日) 19:23:40.74 ID:BQ0z0b4b0
古泉「どうも、初めまして皆さん!!
   紅のスーパーボール、一樹改め『射月』です!」  キュピン

ワァァァァッ!!   パチパチパチ…

キョン(え~っ…何この意外すぎる好評っぷり…)

森「さぁ、トリを飾るのはこの方です!エントリーナンバー06番、どうぞ!!」

キョン「俺の歌で、お前らのハートに火をつけてやるぜ!
    神出鬼没、本名不明、北高のツッコミ革命児ことキョンどぇす!!」  ←※やけくそ

シーン…

キョン「ほら見たことか!!」

166: 2009/06/28(日) 19:54:39.12 ID:BQ0z0b4b0
森「お待たせいたしました。適度なカオスでお届けしてまいりました
  男子の部一次予選、審査結果が出たようです!」

新川「発表いたします。最終審査に残った4人は…」

キョン「通過人数の枠、広っ!落ちた人間が恥かくだけじゃねぇか!!」

新川「エントリーナンバー02、03、05、06、おめでとうございます!」

キョン「って残っちゃったよ!どんだけ採点基準甘いんだよ!!」

古泉「ふぅ。…ま、ここまでは小手調べですね」

コンピ研部長「やった…やったぞー!コンピ研バンザーイ!!」

国木田「残っちゃったよ…自己紹介しかしてないのに。」

170: 2009/06/28(日) 20:06:29.01 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「おめでとう、古泉くん!
    聞いた話だと、予選通過点数ダントツ1位らしいじゃないの。」

古泉「身に余るお褒めの言葉、ありがとうございます」

キョン「よーく分かったよ。このコンテストの審査員は変人ばかりだったってことがな!」

ハルヒ「それに引き換えキョン!何なの、あのパフォーマンスは!!
    一応予選は通過したみたいだけど、あたしからすればドン引きよ!」

キョン「いや…お前を含め99%の人間がドン引きだったな。
    あの時は人生で初めて、本気で切腹を考えたよ」

長門「…あなたは頑張った。痛みに耐えてよく頑張った。」

キョン「あぁ…明日から周りの視線が痛いよ。」

173: 2009/06/28(日) 20:20:58.86 ID:BQ0z0b4b0
新川「大変お待たせいたしました。
   前座も終わりまして、いよいよ北高アイドル決定戦、メインの女子の部です!!」

キョン「俺らは前座か!駆け出しの芸人か!!」

森「エントリー人数は総勢14人、中でも2年2組からのエントリーが多いことに注目です!
  きっと自惚れやさんばかりなんですね~。それでは入場して頂きましょう!!」

古泉「さりげなくイジりましたね、さすが森さん。」


みくる「うぅ…緊張しますぅ…」

ハルヒ「大丈夫よ。我らがSOS団の実力、見せてあげましょう!」

鶴屋「ふふふっ…手ごたえのありそうな連中ばかりなのさ。」

長門「…私はアイドル。私はアイドル。私はアイドル。私は…」

178: 2009/06/28(日) 20:32:27.93 ID:BQ0z0b4b0
古泉「さぁ、いよいよ涼宮さん達の出番ですよ」

キョン「今まで散々ツッコんできたが、やっぱりこれはこれで…
    正直、楽しみにしている自分がいる。」

ハルヒ「ただのアイドルには興味がないわ!
    あたしが目指すのは、ただ一つ。グランプリ、もとい、スーパーアイドルよ!」

鶴屋「どっからでもかかって来るがいいさ!
   何人いっぺんにかかって来ようが、鶴屋流古武術で…」

みくる「あわわ鶴屋さん!これそういうコンテストじゃないですから!!」

長門「私はアイドル…みんなの嫁…」

180: 2009/06/28(日) 20:57:47.75 ID:BQ0z0b4b0
森「それではトップバッターの方、どうぞ!!」

鶴屋「まかせるっさ!
   エントリーナンバー01番、現在北高で最も輝いていると噂の
   鶴屋とは私のことさ!! この衣装もめがっさ似合ってると思わないかい?」

ドーーーン!!  シャァァァァ!!

キョン「うおぁ!びっくりした!!」

古泉「さすが鶴屋さん、演出にもお金をかけてますね」

キョン「この学校はどうなってんだ!?どっから花火とか出てんだ!?」

鶴屋「投票してくれた人全員に、このオリジナルDVD
  『TSURUYA VACATION ~グアム編~』もプレゼントするさ!みんなよろしくにょろ!!」

キョン「ちょ、ずるいだろ!物で釣るのは」

183: 2009/06/28(日) 21:04:59.07 ID:BQ0z0b4b0
みくる「ふぇぇぇん…心臓がはち切れそうです…」

長門「緊張するのは自分に対して自信が足りないから。
   自分の力を信じられれば決して物怖じすることはない」

鶴屋「おやおや?全校の男子生徒の半数を虜にしているといわれる
   みくる様の実力はそんなもんだったのかい?めがっさガッカリだよ!」

みくる「うぅぅ…でも…でもぉ。」

森「さぁ、みなさんお待ちかね!
  エントリーナンバー05番は優勝候補のあの人の登場です!!」

ハルヒ「ほら出番よみくるちゃん!ビビってないでさっさと行ってきなさい!!」

184: 2009/06/28(日) 21:09:47.27 ID:BQ0z0b4b0
キョン「…あれ?おかしいな…次は朝比奈さんの出番のはずじゃ…」

森「あら…まだ準備が出来ていないのでしょうか。なかなか出てきませんね」

みくる(あんなに人が…こわい… 怖いです…;;)

鶴屋「ちょ、ちょっとみくる!冗談もほどほどにするにょろ!」

ハルヒ「… みーくーる! みーくーる!」

キョン「…!?」

鶴屋「… みーくーる!! みーくーる!!」

187: 2009/06/28(日) 21:14:37.41 ID:BQ0z0b4b0
みくる「えっ…えっ!?」

ハルヒ&鶴屋「みーくーる!! みーくーる!!」

谷口&国木田「… みーくーる!! みーくーる!!」

キョン「みーくーる!! みーくーる!! …ほら古泉、お前も一緒に!」

キョン&古泉「みーくーる!! みーくーる!!」

男子生徒全員「みーくーる!!! みーくーる!!! みーくーる!!!」

全校生徒「みーくーる!!! みーくーる!!! みーくーる!!! …」

みくる「…み、みんな…  …。」

188: 2009/06/28(日) 21:23:30.83 ID:BQ0z0b4b0
~♪

森&新川「!!」

みくる「みっみっみらくる~みっくるん♪るん♪」

ワァァァァァァァァッ!!!!

キョン「!! …何だこの盛り上がり方…今までの比じゃないぞこれ!」

古泉「さすが、全校男子の半分を虜にしているだけありますね」

みくる「お待たせしてしまってごめんなさい!
    朝比奈みくる、あなたのために歌って踊ります!!」

鶴屋「…うん、それでこそみくるさ!」

ハルヒ「みくるちゃん…悔しいけど、(今だけは)あなたが主役よ!」

189: 2009/06/28(日) 21:34:49.78 ID:BQ0z0b4b0
みくる「恋のまっじない~♪」

男子全員「みくるビィ~ィム~!!!」

古泉「…これは大変なことになっていますね。
   現在の時点で朝比奈さんが、2位の鶴屋さんにダブルスコアの票差をつけています!」

キョン「そりゃ尋常じゃない数字だな…
    って何でお前が投票結果知ってるんだよ!?」

古泉「このコンテストの審査員は我々機関の構成員で成り立ってますからね。
   見ようと思えば私に限り、いつでも途中経過を見られるように…」

キョン「なるほど、審査員がさっきお前を通過させた理由が分かったわ」

191: 2009/06/28(日) 21:45:02.48 ID:BQ0z0b4b0
みくる「ふひゃぁぁ…出し切りましたぁ~」

長門「まだ予選。本気を出すにはまだ早い」

ハルヒ「いえ、そうとも限らないわよ有希。
    決勝だろうが一回戦だろうが、あたしは出せるときにすべてを出し切る。
    なぜなら…アイドルは常に輝いていなきゃいけないからよ!!」

みくる「そういえば涼宮さん、エントリーナンバー何番ですか?」

ハルヒ「えーっと確か…あたしが11番で、有希が…」

長門「次、12番」

みくる「涼宮さん…やっぱりそのバニー姿のまま舞台に上がるんですか?」

ハルヒ「当ったり前でしょ!大抵の男なんてこれだけでもイチコロよ!」

192: 2009/06/28(日) 21:57:39.54 ID:BQ0z0b4b0
キョン「…今の人で10人目か。古泉、途中結果は?」

古泉「やはり、何だかんだであなたも気になるんですね。
   以前朝比奈さんがトップで…あ、でもナンバー08番の榎本さんが迫ってきてますね」

森「続いてエントリーナンバー11番、またまた期待の選手が登場です!
  学園祭でENOZの代理ボーカルを務めたことでも話題になった
  1年5組の涼宮ハルヒさんです、どうぞ!!」

古泉「さぁ、我らが本命のお出ましですよ!」

キョン「ハルヒ…また一騒動起こすつもりでなければいいが…」

194: 2009/06/28(日) 22:05:22.98 ID:BQ0z0b4b0
ざわ… ざわ…   ざわ…

キョン「もうハルヒがバニー姿で出てきても、何の違和感も感じなくなってきたな…」

ハルヒ「…えー。皆さん、こんにちは。
    エントリーナンバー11番、涼宮ハルヒです。
    本日は北高のNo.1アイドルになるべく、このコンテストにエントリーした訳ですが…」

キョン「ん?…何か、ハルヒにしちゃやけに普通な、カッチリした挨拶だな…」

古泉「…これは何か、後で大きなサプライズを披露してくれそうな予感がしますね。」

195: 2009/06/28(日) 22:13:53.17 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「他の出場者の素晴らしいパフォーマンス、見させてもらいましたけど…

    一つだけ言わせてもらうわ… 勝つのはあたし!!そして
    ただのアイドルには興味なんてない…あたしが目指すのは…スーパーアイドルよ!!」

ざわ…   ざわわ…

キョン「一つだけとか言って、二つ言ったぞ!しかもさっきと言ったことかぶってるし!」

ハルヒ「今日のためにあたし、曲を用意してきました。聴いてください!!」

長門「!!」

みくる「曲…!?そ、そんなこと今まで一度も…」

197: 2009/06/28(日) 22:20:43.73 ID:BQ0z0b4b0
…~♪

ハルヒ「このハートの奥深くに ヒザを抱え眠っている♪」

古泉「あれ…この曲、我々は聴いた覚えがありませんね。
   それに、彼女たしかギターはあまり弾けなかったはずじゃ…」

キョン「…あいつ、俺らの見えないところで…」

全校生徒「…」

ハルヒ「暗闇の中 この夜に目覚める~ぅ♪ …さぁサビいくわよ!!」

198: 2009/06/28(日) 22:28:15.82 ID:BQ0z0b4b0
ハルヒ「あたし トゥインクル トゥインクル リトゥ モンスターァ♪」

全校生徒「ヘイ!!!」

ハルヒ「あばーれーだす このーきもちぃー♪」

キョン「いいぞーハルヒー!!」

古泉「おやおや…?ガラにも無くはしゃいじゃってますね!」

キョン「あっ…ま、まぁあいつの事もたまにはこうやって応援してやらんと。
    何てったって、我らが団長様だからなっ…」

古泉「…涼宮さんが今のあなたの心情を知ったら、何て言うでしょうね。」

201: 2009/06/28(日) 22:36:33.06 ID:BQ0z0b4b0
♪~…

ハルヒ「ハァ… ハァ… っありがとうございましたー!!」 ニコッ

ワァァァァァァッ!!!!

キョン「ハルヒ…やっぱりお前はすげぇ。癪に障るが、時々本気でそう思う…」

古泉(…凄い。得票数があっという間に朝比奈さんとほぼ同数まで伸びています…)

ハルヒ「…やったわ。やってやったわ!」

みくる「すごいです涼宮さん!感動しましたぁ~」

長門「やはりあなたは、この地球上においてこの上なき存在…まさに唯一無二。」

ハルヒ「…さぁ、次はあなたの番よ有希!あなたの本気を見せてちょうだい!!
    ははっ…まだ身体の震えが止まらないわ…」

202: 2009/06/28(日) 22:45:58.02 ID:BQ0z0b4b0
―――その頃、会場入り口付近では

キミドリ「やっと到着しましたね…」

あちゃくら「はぁ…正直ここまで命がけでしたね」

キミドリ「一回ネコにさらわれかけたときはどうなるかと思いましたよ。」

あちゃくら「気力があったからこそ、ここまで来れたんですよ。
      何としても長門さんの晴れ姿をこの目で見届けないと…」


※二人の壮絶なここまでの道のりは、物語の都合上割愛いたします。
 読者のご想像でお楽しみ下さい。

207: 2009/06/28(日) 22:59:20.76 ID:BQ0z0b4b0
森「さぁ、エントリーナンバー12番!
  SOS団からは最後の選手になります。長門有希さんです、それではどうぞ!」

キョン「おっ、とうとう長門の出番が回ってきたな」

古泉「いやはや、最初はまさか彼女がエントリーすること自体無いものだと
   思っていただけに、逆に期待をせずにはいられないですね」

キミドリ「あーっ!丁度長門さんの出番が回ってきているらしいですよ!」

あちゃくら「よーし、それじゃあ今ホールの中に…

      …扉が重くて開かねぇーーーこんちくしょーーーーっ!!!」

208: 2009/06/28(日) 23:09:02.79 ID:BQ0z0b4b0
長門「…」  ザッ

ざわわ…  ざわわ…    ざわわ…

古泉「どうでもいいことなのですが、何故長門さんのときだけ
   群集の音がさとうきび畑になるのでしょうね。」

キョン「…長門。」

…~♪  ※「雪、無音、窓辺より。」イントロ

長門「おーともなーい せかーいにー♪ まーいおーりた アイワズスノー♪
   …エントリーナンバー12、長門有希…」

みくる「さすが長門さん、歌はお上手です~」

ハルヒ「あれ…でもウケはまぁまぁね…」

210: 2009/06/28(日) 23:17:18.12 ID:BQ0z0b4b0
♪~…  …♪~♪♪~♪~

キョン「!?」

長門「今までのはいわゆる準備体操…本番はここから。」  バッ

全校生徒「…!!」

古泉「あっ…まさかあの格好は!?」

長門「ナーガトー とけてしまいそうー♪」

213: 2009/06/28(日) 23:22:42.22 ID:BQ0z0b4b0
長門「まだまだ…この程度では終わらない…」  バッ

みくる「!!」

キョン「今度は…何ぃぃぃぃっ!!?」

長門「ゴメンね素直じゃなくて♪ 夢の中なら言える♪」

ハルヒ「まさか…あの衣装の下にあんなコスプレ衣装を仕込んでいたなんて!」

長門「有希にかわって…おしおきよ…。」

215: 2009/06/28(日) 23:31:21.66 ID:BQ0z0b4b0
長門「締めのネタはこれ…」  バッ

キョン「…その格好はまさか!!」

みくる「えっ…えぇぇぇぇ!!?」

長門「ゆっゆっゆきりん ゆっきりんりん♪」

ざわ…  ざわざわ…  ざわ…

ハルヒ「まっまさか、仲間のネタを堂々とパクってくるなんて!
    有希…あんたって娘は… 面白いじゃないのっ!!」

長門「恋のまじない ナガトビーム かけてあげるわー♪」

217: 2009/06/28(日) 23:45:05.00 ID:BQ0z0b4b0
長門「恋のマジカル ゆっきりんりん♪」

キョン「…」

みくる「…」

全校生徒「…  ワァァァァァァッ!!!!」

古泉「…長門さんへの票の数が急上昇しています!」

キョン「ほっ…。 やったな、長門。」

長門「…」 ペコッ

219: 2009/06/28(日) 23:55:27.11 ID:BQ0z0b4b0
ついに北高No.1アイドル決定戦の幕が開け、
ハルヒ率いるSOS団メンバーは、一次審査の通過を確実なものにした。
自称No.1候補ハルヒ、北高男子の星みくる、芸達者長門の三人の中で
栄光のグランプリを獲得するのは果たして誰なのか?
ついでに男子の部でNo.1を獲得するのは誰になるのか?
さらにあちゃくらさん達は体育館ホールのドアを開けることが出来るのか?

物語はいよいよクライマックス!

225: 2009/06/29(月) 00:13:13.02 ID:1Ge4olDb0
県立北高校No.1アイドル決定戦2009夏  審査方法確認

・一次審査(自由アピール)を勝ち上がった者は
 決勝ステージ(課題アピール)に進み、総合点数の最も高い一人がグランプリとなる。

・総合点数には、一次審査で獲得した点数も加算される。
 よって決勝ステージでトップの点数を取れなくても総合優勝はあり得る。

・点数は、主要審査員(生徒会役員&例の機関の人間:持ち点5)と
 一般審査員(その他の生徒:持ち点1)の投票によって決まる。
 なお、一人が何人に投票してもOKだが、出場者一人に入れられる票は一回まで。

・票が同数の場合は「どちらにしようかな 神様の言うとおり」で決める。
 (キョンは先ほど谷口と同数票で、この方法によって決勝に進んだ。)

226: 2009/06/29(月) 00:21:07.49 ID:1Ge4olDb0
アピール時の注意点

・アピール時に使用する衣装や小道具に明確な制限はないが、
 常識の範囲でふさわしくないものは避ける(実際このルールは、守られているのか怪しい。)
 また、下校するときは必ず制服に着替え、メイクも落とさなければならない。

・アピール内容に明確な制限はないが、
 青少年にふさわしくない表現、特定の他出場者を侮辱するような内容は禁止。
 規則を破った場合には主要審査員達から冷たく罵られる。

・アピールに使用した小道具、またアピール時に出たゴミなどは
 コンテスト閉会後、必ず個人で片付けなければならない。
 規則を破った場合、清掃のおばちゃんが苦労するハメとなる。

230: 2009/06/29(月) 00:31:15.96 ID:1Ge4olDb0
キョン「一次審査、全員終わったな。結果はどうなってる?」

古泉「えぇ。SOS団の3人は問題なく決勝ステージに進出、
   他にあと3人が勝ち残りましたね…その中に、あの鶴屋さんも混じっています」

キョン「まだ油断は出来ないか」

古泉「まぁとにかく、我々男子の部の決勝審査が先ですから
   まずはそちらに集中しましょう。決勝では水着審査が行われるそうです」

キョン「水着審査か…いいなぁ、楽しみだなぁ」

古泉「男子の部のみで、なんですけどね。」

キョン「…はぁ!?」

231: 2009/06/29(月) 00:38:22.53 ID:1Ge4olDb0
森「それでは北高No.1アイドル決定戦、まずは男子の部の決勝審査を始めたいと思います!
  消去法で生き残った選手達の入場です、みなさん拍手でお迎え下さい!」

キョン「やっぱ消去法なんだ…」

古泉「…やはり水着審査は少し恥ずかしいですね///」

キョン「俺はむしろ、さっきまでの恥ずかしさからやっと解放された気分だが。」

国木田「これ…水着になる意味とかあるのかな…」

全校生徒(これ…水着になる意味とかあるのかな…)

234: 2009/06/29(月) 00:45:26.05 ID:1Ge4olDb0
新川「それでは審査に移ります。
   皆さん、舞台上であなたが一番輝けると思うポーズをとって下さい!」

キョン「ほぇぇぇ…何だこの審査?アイドルらしさ全くねー!!」

古泉「望むところです!」  キュピンッ

コンピ研部長「え~…どうすりゃいいんだよ、こうか?」  ビシッ

キョン「分かったぞ!これNo.1ボディービルダーを決めるコンテストだ!
    きっと何かの手違いで、この北高で行われちまってんだ!!」

国木田「仕方ないからベタなマッチョポーズでもとっておこう…筋肉ないけど」

254: 2009/06/29(月) 07:37:43.57 ID:1Ge4olDb0
―――20分後

新川「…はい、結構ですよ。それでは審査結果の集計に入ります」

キョン「な、なっげーっ…何この無駄過ぎる時間…」

古泉「審査結果が楽しみですね」

国木田「まともに参加してたの古泉君だけだしね…」

コンピ研部長「この学校、女子と比べて男子全体の平均レベル低すぎだろ…」

256: 2009/06/29(月) 07:43:42.51 ID:1Ge4olDb0
森「大変お待たせいたしました!
  北高No.1アイドル決定戦、いよいよ女子の部決勝です!!」

ワァァァァァァ!!!

古泉「わぁ、氏んだような目をしてたお客さん達が一気に生き返りましたね」

キョン「氏んだような目にさせたのは俺達だということは言うまでもない」

谷口「俺の中では全員AA+のパフォーマンスだったしな…あー迷うぜ!」

国木田「もう誰でもおかまいなしなんだね谷口」

森「それではここまで勝ち残った精鋭のみなさん、
  エントリーナンバー01、03、05、08、11、12のみなさん、前へどうぞ!!」

257: 2009/06/29(月) 07:52:32.75 ID:1Ge4olDb0
古泉「一次予選の投票結果は
   1位:朝比奈さん、2位:涼宮さん、3位:長門さん…まぁここまでは僅差ですね。
   続いて4位:榎本さん、5位:鶴屋さん、そして6位が財前さんとなっています」

キョン「何とか朝比奈さん逃げ切ったか。やはり強いな」

古泉「でも分かりませんよ…朝比奈さんから長門さんまで、わずか14票差ですから。
   下位の三人にも、下手をすれば逆転のチャンスがあるかもしれません」

キョン「いかにも手に汗握る勝負って感じだな…俺らとは大違いだ」

古泉「我々の決勝ステージなんて、お客さんトイレ休憩の時間と勘違いしてましたからね」

キョン「いや、会場を出て行った理由はそうじゃないと思うぞ。」

259: 2009/06/29(月) 07:58:37.13 ID:1Ge4olDb0
新川「決勝ステージの審査は、『夏』をテーマにアピールしていただきます。
   一人制限時間5分の間に、ステージ上で最高のアピールを見せてください!」

キョン「俺らと課題内容明らかにちげーっ!!」

ハルヒ(ふふっ…『夏』…。この勝負、勝ったわね!見てなさい、他の出場者達!)

みくる(必殺技は残してあります…頑張ります!!)

長門(夏…コミケ…イベント…)

261: 2009/06/29(月) 08:03:08.15 ID:1Ge4olDb0
―――その頃、あちゃくらさん一行は…

あちゃくら「ふんがーっ!うりゃーっ!!こんにゃろーっ!! …」

キミドリ「ぜんぜん開きませんね。」

あちゃくら「ハァ ハァ… そんな…ここまで来て…」

通りすがりのネコ「…にゃ?」

キミドリ「参りましたね、どうやってドアを…
     あ…あああああ朝倉さんうしろ!!!」

あちゃくら「えっ、何ですかキミd…」

ネコ「うんにゃあああああっ!!!」

あちゃくら「ぎょええええええっ!!!」   ダダダダダダダ…

262: 2009/06/29(月) 08:05:25.86 ID:1Ge4olDb0
すみません、再開はしましたがこれから仕事に向かいます
続きはまたしばらくしたら、ということで。
ストーリーの続きも出来るだけ考えておきます

264: 2009/06/29(月) 08:56:12.65 ID:jM0d7j8U0
みなさんお待たせしました
北高No.1アイドル決定戦 女子決勝ステージ
いよいよ開始いたします

今日は仕事が少ないので
合間を見つけて会社のPCからお送りいたします
(今はどこも不景気なんだよ)

267: 2009/06/29(月) 09:39:09.82 ID:jM0d7j8U0
森「それではトップバッター、エントリーナンバー01番!
  先ほどは金に糸目をつけない豪快な演出で会場を盛り上げてくれました!
 『にょろ~ん』の口癖でおなじみ、好物はスモークチーズ、鶴屋さんの登場です!!」

キョン「森さん、小さい方の鶴屋さんとごっちゃになってますよ!」

鶴屋「はいは~い!みんなお久しぶりなのさ!!」

古泉「90分ぶりぐらいですけどね。」

鶴屋「ふふ~ん、『夏』ね。まるで私のために設定してくれたようなテーマなのさ!
   なら今日は特別に、さっきのDVDの特典映像をちょこっとだけ見せてあげるさ。」

268: 2009/06/29(月) 09:46:34.57 ID:jM0d7j8U0
ジャージャジャッジャーン…  ジャジャジャジャーン!!

キョン「な、何じゃこれはぁぁっ!?」

鶴屋「まずは鶴屋家オリジナル短編映画『バック・トゥ・ザ・ツルヤー』予告編!
   どうだいこのシーン、めがっさ感動的だと思わないかい?」

古泉「本当に…何でもありですね、この人。」

  ヒロイン(鶴屋さん)『どうして…どうしても行ってしまうの?』

  少年(国木田)『僕は…この世界にいてはいけない人間なんだ!』

  通行人(谷口)『そうだそうだ!』

キョン「知らない間に何やってんだあいつら!!」

270: 2009/06/29(月) 10:00:24.01 ID:jM0d7j8U0
鶴屋「続いてこちら、鶴屋流古武術パーフェクトレクチャーDVD!」

キョン「一体この人は何を売りこみに来たんだ!!」

鶴屋「これさえやれば、1か月後には見違えるようなスリムボディになるよ!」

キョン「それじゃ武術じゃなくてエクササイズじゃないか!
    というかまた出てるよあの二人!」

谷口「う~ん…映画のときより映り方がイマイチだな。」

271: 2009/06/29(月) 10:32:28.73 ID:jM0d7j8U0
鶴屋「今ならこのDVDに、丸鶴デパートの商品券1,000円分をお付けして
   なんとお値段…4,980円なり~!!」

キョン「とうとう通販っぽくなっちゃった!しかも何気に超お買い得っ!!」

森「はい!鶴屋さん、ありがとうございました~!
  結局最後まで何がしたいのか分かりませんでしたね!!」

古泉「さすが森さん、皆さんが言わないことをあえておっしゃってくれましたね」

キョン「ハルヒ達のパフォーマンスの方が幾分良心的にすら感じてきた…」

272: 2009/06/29(月) 10:54:24.87 ID:jM0d7j8U0
♪~…

ワァァァァァッ!!  パチパチパチ…

森「はい、ありがとうございましたー! さすが財前さん、
  ENOZではベース担当のくせに地味に人気なだけありますね。」

キョン「おい…何かだんだん森さん口悪くなってきてないか?」

古泉「まぁまぁ。それより、次は男子生徒の心のオアシスことあの方の登場ですよ。」

273: 2009/06/29(月) 11:04:56.36 ID:jM0d7j8U0
みくる「…大丈夫。私なら出来ます、きっと出来ます!」

ハルヒ「みくるちゃん、もう緊張はしてない?」

みくる「はい。何てったって…私は北高のアイドル、みくるちゃんですから!」

ハルヒ「…何かみくるちゃんが強気なのは気に食わないけど…
    今日は特別に許してあげるわ。頑張りなさいよ!」

274: 2009/06/29(月) 11:13:18.66 ID:jM0d7j8U0
森「さぁ皆さんお待ちかね、いよいよあの人が登場しますよ!
  そのカワイさはまさに犯罪レベル、思春期の男子の恋心をいいように弄ぶ
  爆乳泣き虫エンジェルこと、朝比奈みくるさんでーす!!」

キョン「何故…何故誰も今のキャッチフレーズを聞いて怒り出さない!?」

デッデッデデデデッ デッデデンデン♪ ←おなじみのあのテーマ

みくる「みなさんこんにちはぁ、朝比奈みくるで~す☆
    応援ありがと~ございま~す!」

ワァァァァァァッ!!!!

みくる(涼宮さん達には負けられませんっ…かくなる上は…)

279: 2009/06/29(月) 11:38:50.20 ID:jM0d7j8U0
みくる「今日は、もっともっと、みくるの事を好きになって下さいっ…!」

バサッ…

キョン「…!!!」

谷口「み…MIMIMI水着だぁーーーっ!!」

男子生徒全員「うおおおおおおおおおっ!!!」

キョン「ま、まさか朝比奈さんがこんなこと…ハルヒのしわざか?
    いや待てよ…そんなこと強要したらハルヒ自身も不利になるはず…だとしたらこれは…?」

みくる(うぅぅ…恥ずかしくて倒れそうです///…でも、これ位しないと涼宮さん達には…)

281: 2009/06/29(月) 12:15:52.92 ID:jM0d7j8U0
ハルヒ「そ、そんな…みくるちゃんが自分から水着になるなんて…
    そんなことされたら勝ち目ないじゃないの!!」

長門「…!」

古泉「心配ですね…これは大変なことになる可能性があります。」

キョン「あぁ…もうこのコンテストは朝比奈さんの独壇場になったな」

古泉「だがしかしです。それにより、今涼宮さんはおそらくパニックに陥ってるはずです。
   もしもこのことが原因で、彼女の心に強い欲求不満がたまった場合…」

キョン「お、おい…それって…マズイことなんじゃ…」

282: 2009/06/29(月) 12:23:11.37 ID:jM0d7j8U0
みくる「それではこれからも、応援よろしくお願いします☆」 …ダッ

ワァァァァァァッ!!!!  パチパチパチ…

森「ありがとうございましたー!…いや~凄かったですね、新川さん!」

新川「いやはや、私がもう少し若ければ共に発狂しているところでしたよ。」

みくる「はぁ~… もう身体に力が入りませんっ…」 ヘタッ

長門「…」  ピシャッ!!

みくる「ひぎゃっ!!…な、何するんですか長門さん!!?」

283: 2009/06/29(月) 12:32:25.13 ID:jM0d7j8U0
長門「あなたの過剰なパフォーマンスのせいで
   涼宮ハルヒの精神状態は現在極端に不安定に成りつつある。
   あなたは自分の役割を放棄し過ぎた。大変な失態…」

みくる「!! …そ、そんな…私のせいで…
    あ、あの…涼宮さん…?」

ハルヒ「…やってくれたじゃないの、みくるちゃん…。
    あなたのおかげで、あたし含め残りの出場者達は窮地に追い込まれたわ…」

みくる「ご…ごごごめんなさひぃ!;;;決してそんなつもりぃひゃ…」

284: 2009/06/29(月) 12:50:28.10 ID:jM0d7j8U0
ハルヒ「…な、何を謝ってるのよ!?」

みくる「へ…??」

ハルヒ「みくるちゃん、あなたは最高のパフォーマンスを披露してくれたじゃないの!
    堂々と胸を張ってていいのよ!!むしろ誇りだわ!
    我がSOS団からあなたのような最強の刺客を送り出せて!!」

みくる「す…涼宮さん…」

ハルヒ「見直したわ!みくるちゃんもようやく
    SOS団専属マスコットとしての自覚を持ってくれたのね!」

長門「…」

288: 2009/06/29(月) 13:42:43.96 ID:jM0d7j8U0
古泉「!! …どうやら、危機的な状況は避けられたようですね。」

キョン「えっ… そ、そりゃ良かったけど、また何で…」

長門「いいえ。まだ予断を許さない状況…」

キョン「うわっ長門!?いつの間に」

長門「彼女の精神状態は未だかなり不安定。動揺している…
   今は彼女の理性と、朝比奈みくるに対する信頼と心遣いの気持ちから
   表面的には気丈に振る舞っている。しかし私達が置かれている状況は変わらず。」

古泉「そうですか、今も引き金に指をかけられた状態であることは間違いないのですね。
   それにしても…涼宮さんも大人になってきましたね…」

キョン「…」

292: 2009/06/29(月) 14:21:57.15 ID:jM0d7j8U0
榎本「♪だいすーきなひとが とーおい とおすぎてなきたくなるのーぉ♪」

全校生徒「E・N・O・Z・ラブリー・ENOZ!!」

――― 一方その頃…

ネコ「にゃあ~!にゃあああっ!! …」

キミドリ「…どうやら行ったみたいですよ。」

あちゃくら「もう氏ぬかと思いましたよ。二度も消滅するのはゴメンです!」

キミドリ「ちょうどここにダンボールがあったからよかったものの…」

295: 2009/06/29(月) 14:40:27.72 ID:jM0d7j8U0
ガコン!!

キミドリ「うわぁっ!」

あちゃくら「た、大変です!運ばれちゃってますよわわ私達!!」

キミドリ「えええっ!?どどどうすんですかここまで来ておきながら」

あちゃくら「はは早くだだだ脱出しないと!!」

キミドリ「むむ無茶ですよこんな状況からき気付かれずになななんて」

300: 2009/06/29(月) 15:39:01.07 ID:jM0d7j8U0
ドシン!!

あちゃくら「んきゃっ!!」

キミドリ「…どうやら降ろされたようですね。」

あちゃくら「んしょ…んしょ…全く、とんだ災難でしt…」

キミドリ「…あれ?もしかしてここって…」

榎本「I still I still I love you また逢えるよね~♪ ねっ!!」

ワァァァァァッ!!!   パチパチパチ…

302: 2009/06/29(月) 16:13:22.56 ID:jM0d7j8U0
国木田「あれ?谷口今までどこ行ってたの?」

谷口「んあ…あぁ、ちょっとトイレに行って戻ってくるつもりだったんだけど…
   偶然岡部のヤツに捕まってさぁ、荷物運びを手伝わされちまって。
  『お前どうせもう落選して暇だろ?』とか何とか言っちゃってよぉ」

―――体育館舞台裏

あちゃくら「や…やったー!やりました!!侵入成功ですよ!きゃーっ!」

キミドリ「まぁ何というか…結果オーライでしたね。」

森「ENOZのボーカルこと榎本さん、ありがとうございました!!
  さぁ…いよいよコンテストも佳境に入ってきましたよ!」

306: 2009/06/29(月) 16:30:10.79 ID:jM0d7j8U0
ハルヒ「や…ヤバイわ…本気で今までにないピンチだわ…」  ガタガタ…

みくる「あ、あの…」

ハルヒ「やめて!話しかけないで!!」

みくる「ひぎゃっ!!…す、すみません…;;」


長門「…緊急事態。涼宮ハルヒの精神状態がさらに不安定になっている」

古泉「傍観しているだけでは…済まなくなってくるかもしれませんね。」  グッ

キョン「ハルヒ…」

310: 2009/06/29(月) 17:18:56.34 ID:jM0d7j8U0
森「それではエントリーナンバー11番、涼宮ハルヒさんの登場です!!」

ワァァァァァッ!!!  ヒューヒュー!!

キョン「…」

ハルヒ「…。 どうもーっ!SOS団団長こと、涼宮ハルヒです!!
    いやー、一次審査からいきなり強敵ばかりで正直どうなるかと思ってましたが、
    無事!決勝ステージに!駒を進めることが出来ました!」

キョン「…ふっ、やっぱりハルヒだな。あの程度のことで怖気づくようなタマじゃないか」

長門「それは誤解…彼女の足元を見て。」

キョン「…!!」

ハルヒ「さすがに初めて舞台にあがった時は緊張しちゃって、
    何か堅苦しい挨拶とかしちゃったけど、今回はパーッと盛り上がって…」 ガタガタガタ…

311: 2009/06/29(月) 17:24:32.85 ID:jM0d7j8U0
ハルヒ「それじゃハリキッていくわよ!ミュージック、スタート!!」

古泉「どうか…無事を祈ります。」

♪!♪♪!♪~ ♪!♪♪!♪~  ※「ハレ晴レユカイ」のイントロ

ハルヒ「なぞなぞ♪ みたいに♪ ちきゅ~うぎを~ とき~あか~したら♪」

―――その頃、舞台裏では…

あちゃくら「う~っ…ここからじゃあんまり良く見えませんね…」

キミドリ「それにしても散らかってますね…ここは機材を置くところでしょうか。
     とりあえず見やすい所に移動しましょう。」

312: 2009/06/29(月) 17:32:41.66 ID:jM0d7j8U0
あちゃくら「あっ!ちょっとキミドリさん!押さないでくださいよぉ~」

キミドリ「仕方ないでしょ、狭いんですから。
     それより足元の配線に注意してくだs…」

あちゃくら「あ~~っ!!」  ズデーン

プツッ…


ハルヒ「ある~はれ~たひ~のこと♪ まほういじょ… … … ???」

キョン「…え?」

316: 2009/06/29(月) 18:33:32.15 ID:1Ge4olDb0
さぁ帰ってきたぞ!
感動のフィナーレに向かって書き進めていきますので
どうか皆さん、ハルヒ達の青春のひとときの結末を最後まで見届けてあげて下さい。

318: 2009/06/29(月) 18:45:50.63 ID:1Ge4olDb0
ハルヒ(え…ちょ、ウソでしょ!?
    何で?こんなときにマイクが故障!?)

ざわ…  ざわ…

ハルヒ(いや、落ち着け!落ち着くのよ涼宮ハルヒ!
    マイクがおちたって、普通に大声で歌えば済むこt…)

長門「…最悪の事態。」

ハルヒ(…歌詞が出てこない!!)

319: 2009/06/29(月) 18:53:18.92 ID:1Ge4olDb0
ハルヒ(ど…どうしよう… そんな…) ウルウル

ざわ…  ざわ…  ざわ…

谷口「お…おい!!…涼宮のヤツ、やばいんじゃないのか!?」

キョン「ハ、ハルヒ!…まさか、あいつがあんなに動揺するなんて…」

長門「もう彼女の精神は限界。」

古泉「やむをえません!こうなったら涼宮さんを…!」

キョン「待て!! …俺が行く」  ダッ

長門「!?」

320: 2009/06/29(月) 19:05:26.56 ID:1Ge4olDb0

キョン「ハルヒーッ!!」

ハルヒ「!? キョ、キョン!!バカ!な、な何やってんのよこんな時に!
    いや、ちょっと!! あああ上がって来ないでよ!!」

キョン「えーと… か、カワイイぞーーハルヒーー!!」

ハルヒ「は…はぁぁ!!?」

キョン「その歌ってるしぐさといい、踊ってるときの笑顔といい…
    俺、本気で心打たれちまったよ!
    え~、たしか、こんな踊りだっけ? なぞなぞ~みたいに~♪って」

322: 2009/06/29(月) 19:13:04.36 ID:1Ge4olDb0
ざわ…  ざわ…

キョン「ある~はれ~たひ~のこと~♪
    …はははっ、最高だよ!ハルヒのそばで一緒に歌えるなんて…」

ハルヒ「え…ぁ…」

キョン「よっしゃ!みんなもハルヒと一緒に歌おうぜ!!せーの!」

男子生徒「バカヤロー!!何やってんだお前!!」

女子生徒「何ジャマしてんのよアンタ!最低!!」

男子全員「ひっこめ!ひっこめ!!」

323: 2009/06/29(月) 19:19:48.72 ID:1Ge4olDb0
男子生徒「みんな!こいつを引きずりおろせ!」

ハルヒ「え…ちょっと、あんたたち、やめ…」

キョン「うわ!やめろ…ぎゃあああっ!!」
   (今だ長門、古泉!ハルヒのマイクを…)

古泉「…!! なるほど。そういうことでしたか!
   全く…あなたって人は、不器用なんですから。」 ダッ

長門「…。」 ダッ


あちゃくら「あ…あわわわわ;;;どうしようどうしようどうしよう!!」

キミドリ「おおお落ち着いてください!早く!切れたプラグを元通りに!」

328: 2009/06/29(月) 19:50:59.06 ID:1Ge4olDb0
長門「どいて…」

あちゃくら「!! 長門さん…何故ここに!?」

長門「それはこっちのセリフ。
   egun,pLr9b{@.8g0@8*@^-hgs:49ug+pe1%4pgbo8cH=q~ak;wuv」

ピカッ!!  シュー…

ハルヒ「…!! あ、あ… マイクが直ってる!」

女子生徒「がんばれー涼宮さん!!」

男子生徒「がんばれハルヒちゃん!!」

329: 2009/06/29(月) 19:59:49.38 ID:1Ge4olDb0
新川「…えー、大変失礼をいたしました。皆さん、そして涼宮さん。
   我々運営陣の不注意により、不快な思いをさせてしまったことを深くお詫びいたします。」

森「! …さ、皆さん!気を取り直して参りましょう!!
  準備はいいですか?せーの、がんばれがんばれハルヒちゃん!」

男子全員「がんばれがんばれハルヒちゃん!」

女子全員「がんばれがんばれハルヒちゃん!」

全校生徒「がんばれがんばれハルヒちゃん!」

ハルヒ「み…みんな…」

331: 2009/06/29(月) 20:19:41.69 ID:1Ge4olDb0
みくる「涼宮さーん、ガンバレー!!」

ハルヒ「みくるちゃん…」

古泉「ファイトです、涼宮さん!」

ハルヒ「古泉くん…」

谷口&国木田「ハルヒ!ハルヒ!」

新川&森「ハルヒ!ハルヒ!」

キョン「…ふっ、本当に不思議な奴だよなぁ。ハルヒは!」

332: 2009/06/29(月) 20:26:09.75 ID:1Ge4olDb0
長門「…。」  スッ

ハルヒ「有希…」

長門「あなたと…一緒に歌いたい。」

全校生徒「…  ワァァァァァァッ!!!!」

―――舞台裏

あちゃくら「…今だ!よーし、ミュージックスタートです!!」

キミドリ「もとはといえば、私達がトラブルの原因だったらしいですからね。
     せめてもの罪滅ぼしといきますか!」

333: 2009/06/29(月) 20:37:58.01 ID:1Ge4olDb0
~♪♪♪

長門「…あなたも。」 クイクイッ

みくる「えっ、わたし…ですか? …はい、喜んで!!」

ハルヒ「…。 さぁ…いくわよみんなーっ!!!」

ワァァァァァァァァッ!!!!!

古泉「あっという間に人々を魅了し、たくさん人の心までひとつにしてしまう…
   涼宮さん。朝比奈さん。そして長門さん。
   あなた達は生まれながらに、本当の意味でのアイドルなのかもしれませんね。」

334: 2009/06/29(月) 20:45:29.06 ID:1Ge4olDb0
みくる「空から落ちてきたんだ すべての願いをのせて♪
    ひとつの星には ちょっと重かったかな♪」

長門「やっぱり何か変だよ 心の君が消えた♪
   確かに覚えてるって言えるのかい♪」

全校生徒「ト・マ・レーーー!!!」

ハルヒ「過去は自分のモノ♪
    当然 誰ともとりかえたくないー♪ せーの!」

ハルヒ&みくる&長門「な・ぜ・な・ら♪」

337: 2009/06/29(月) 20:57:34.40 ID:1Ge4olDb0
―――数日後…

キョン「おぃーっす …」

ハルヒ「! …。」

キョン「…何いつまでもむくれてんだよ。北高のアイドルさん!」

ハルヒ「別に…そんなんじゃないわよ!」

キョン「あの…その…何と言うか、…悪かったな、あんなことして。
    俺も何であんなことしちまったのか、自分でも…」

338: 2009/06/29(月) 21:04:51.57 ID:1Ge4olDb0
ハルヒ「いつまでキザな悪役気取ってんのよ。…バッカじゃないの!」

キョン「!!」

ハルヒ「…あんな助け方しか出来ないなんて、とんだ白馬の王子様だわ。
    救いのヒーローってのは、もっと颯爽と現れて、華麗に仕事を
    … なんて高望みしたって、あんたには無理でしょうね。」

キョン「…ま、俺は童話の中の登場人物じゃないしな。」

ハルヒ「あんた…絶対にアイドルとかには向いてないわね。
    せいぜい、あたし達位には愛されるように努力しなさい!」

キョン「…あぁ。俺には縁のない世界だな。」

339: 2009/06/29(月) 21:09:59.68 ID:1Ge4olDb0
みくる「キョン君、お茶が入りましたよ」

キョン「ありがとうございます、北高のアイドル朝比奈さん。」

みくる「! そ、そんな、私なんて…とんでもないですぅ…///」

古泉「おや、皆さんもういらしてたんですね」

キョン「よう、アイドル気取りの変O君!」

古泉「そんな…さすがにそれは堪えますよ。」

340: 2009/06/29(月) 21:15:31.26 ID:1Ge4olDb0
キョン「だってよぉ、お前機関の人間を審査員にしておきながら
    お前が優勝しないって何なんだよ。ちょっと笑っちまったぞ!
    裏金渡しておきながら入学断られるみたいなもんだぞ」

古泉「…あの後、森さんに怒られましたよ。
  『あのパフォーマンスに票を入れる身にもなってくださいよ』って」

キョン「結局消去法で、ウチのクラスの国木田が優勝したときは
    本当に笑いを堪えるのに必氏だったし」

古泉「男子の部は来年から廃止したほうが良さそうですね…」

キョン「はい、チェックメイト!…お前、本当弱いな…。」

341: 2009/06/29(月) 21:23:55.46 ID:1Ge4olDb0
長門「…私もやる」

キョン「お、珍しいこと言うな長門…
    いや、今は『北高のアイドル』と呼ばせてもらうか。」

ハルヒ「ちょっとキョン!あんた誰に対してもアイドルアイドルって…」

キョン「仕方ないだろぉ、新川さん達が気を利かせて
    3人そろって『北高のアイドル』って認定してくれちまったんだから」

古泉「生徒さん方からも、何も異論ありませんでしたしね。」

ハルヒ「は~ぁ、つまんない結末よね。
    こういうのは誰か選ばれた一人のみが涙の栄冠に輝くってのが美しいのに!」

342: 2009/06/29(月) 21:34:35.54 ID:1Ge4olDb0
キョン「俺は別にいいけどな。誰か一人しか選べないより、こうやって選択肢あったほうが。
    たまにはドジっ子萌え美少女や、無口な不思議少女にもうつつをぬかさないと
    やかましいワガママ女王様しかいないんじゃ、俺の心がもたない。」

ハルヒ「言いたいこと言ってくれるわねあんた!ちょっと来なさい!!」

キョン「あれあれ?そんなんじゃアイドルにふさわしくないな~」

みくる「ふふっ…涼宮さんはキョン君にとって、一番の…」

長門「アイドル…」

345: 2009/06/29(月) 21:45:25.97 ID:1Ge4olDb0
長門「…。」  ペラッ

キョン「長門…やっぱりお前は、いつも通りの方がいいな。お前らしい。」

長門「…でも、変わってみるのも、悪くない。」 パタン

キョン「まぁ、俺はこんな人間だからな…
    そういう意見を理解出来なくはないが、気が進みはしないなぁ。」

長門「ならば、ほんの少し変えればいい。
   自分の中の何かをわずかに変えるだけでも、世界には大きな変化をもたらす」

キョン「…長門がアイドルに興味を持った理由、今ようやく分かった気がする。
    全然珍しいことじゃない。お前にとってごく当たり前の感情だったのかもしれないな…」

長門「だから今…少し自分に変化を与えてみる。」

キョン「…!! 長門、お前… いい笑顔してるぞ。」

                               END

346: 2009/06/29(月) 21:50:19.49 ID:BOWPTYnwO

引用: 長門「この国のアイドルという職業に強く興味を魅かれる」