490: 2009/03/16(月) 07:05:32.97 ID:Bp3CLECU0

巴「さよなら、雛苺、桜田君……」

491: 2009/03/16(月) 07:06:11.75 ID:Bp3CLECU0
巴「こんにちは」

のり「あら!巴ちゃん!いらっしゃい」

巴「おじゃまします」

雛苺「とぅっもえーーー!」ダッ

巴「雛苺」ダキ

雛苺「うゆ?巴、何だか元気ないの?」

巴「……」
ローゼンメイデン 愛蔵版 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

492: 2009/03/16(月) 07:08:05.25 ID:Bp3CLECU0
巴「こんにちは、桜田君」

JUM「ああ、柏葉来てたのか。まあ、ゆっくりしてけよ。僕はパソコンやってるから」

巴「桜田君、ちょっと待って」

JUM「?」

JUM「何よ?」

巴「実は 雛苺「JUM登りなのー」

JUM「うわ!髪の毛、引っ張るなよ、雛苺!」

巴「……」

JUM「悪い悪い。で、何だって?」

巴「ごめん、やっぱり何でもないわ」

JUM「変なやつだなぁ」

雛苺「とぅもえーー!うにゅーあげるのー」

493: 2009/03/16(月) 07:08:47.20 ID:Bp3CLECU0
巴「おじゃましました」

JUM「またな、気をつけて帰れよ」

雛苺「ともえー、バイバイなのー」

巴「じゃあね、雛苺。また明日」

494: 2009/03/16(月) 07:09:21.26 ID:Bp3CLECU0
巴(……)

巴(はぁ、ついついお茶をにごしちゃったな)

巴(『また明日』……か、あと何回言えるんだろう……)

巴(寂しいなぁ……)ジワ

495: 2009/03/16(月) 07:10:06.58 ID:Bp3CLECU0
雛苺「みてみてー、巴の似顔絵かいたのよー」

巴「上手ね、雛苺。うれしいわ」

雛苺「えへへ」

雛苺「あとね、こっちはJUM。そっちのは真紅たちの絵なのよ、みんな、一緒なのー」

巴「!」ズキン

巴「良い絵ね、本当に……」

雛苺「JUMにも見てもらうの」

雛苺「JUMーーー!」

JUM「何だ?雛苺?」

496: 2009/03/16(月) 07:10:48.86 ID:Bp3CLECU0
雛苺「ヒナ、絵をかいたのよー」

JUM「へぇ、これ僕か?」

雛苺「そうなのー」

JUM「なかなか似てるんじゃないか」

雛苺「この絵の特にどこがいいのー?」

JUM「そうだな……、この太陽とかかな」

雛苺「似顔絵とは関係ないのー!ヒナ、怒るのよー!」

JUM「ははは」

巴「桜田君!」

JUM「ん?」

巴「えっと…、その……」

巴「……」

巴「雛苺の絵、上手よね?」

JUM(……)

497: 2009/03/16(月) 07:11:35.96 ID:Bp3CLECU0
JUM「ああ、良く描けてると思うよ」

雛苺「巴とJUMの二人に誉められて、ヒナうれしいのー」

巴(……)

巴(今日こそは、って思ってても、いざとなると上手く口に出せないもんなんだなぁ)

巴(情けないなぁ私って)

巴(このまま、伝えられないままなんてことないよね?)

雛苺「巴ー、一緒にくんくんを見るのー。抱っこして欲しいのー」

巴「フフ、良いわよ雛苺」

498: 2009/03/16(月) 07:14:20.79 ID:Bp3CLECU0
くんくん『わかりましたよ、ネコ警部』
ネコ『なに、本当か!?くんくん!』
くんくん『犯人はこいつを使ったんです』
ネコ『それは……、氷じゃないか!?』
くんくん『そうです。犯人は氷で被害者を殺害したんです。通りで凶器が見つからないわけです』
ネコ『それで、犯人は一体、誰なんだ?』
くんくん『それは……』

雛苺「どきどきするのー」

翠星石「雛苺、静かにするですぅ」

真紅「……」ドキドキ

巴(雛苺の髪、良いにおいがするなぁ)

499: 2009/03/16(月) 07:23:56.39 ID:67dsoevFO
雛苺「それでね、翠星石ったらヒナの花丸ハンバーグを食べちゃったのよ」

巴「まあ。フフッ」

JUM「のりの分をもらったからいいだろ」

雛苺「そういう問題じゃないのー!」

巴「……」

巴「あのね…、桜田君、雛苺」

巴「えっと……」

JUM「……」

巴「……」

JUM「何か話したいことがあるんだろ?」

雛苺「うゆ?」

巴「!」

巴「……」

巴「実は……、私、引っ越すことになったの」

JUM「引っ越し!?」

501: 2009/03/16(月) 07:29:50.92 ID:67dsoevFO
巴「本当はもっと早く言うべきだったんだけど……、なかなか踏ん切りがつかなくて……」

JUM「いつ発つんだ?」

巴「……」

巴「今日の夜に出発するわ……」

JUM「今日!?」

JUM「でも、何で引っ越しなんか…」

巴「家の父……、今時珍しい厳格な人でね、すごく頑固なの。そのせいで母との仲が良くなかった……」

巴「そして、去年から離婚調停中だったんだけど、それが決まって私の親権は母のものになったわ」

JUM「……」

巴「それで私は母の実家で暮らすことになったの……」

JUM「だからって……、急すぎるだろ」

巴「……ごめんなさい」

502: 2009/03/16(月) 07:32:48.13 ID:67dsoevFO
雛苺「うゆ?ヒナには巴が何を言いたいかわからないのよ……。どういうことなの」

JUM「柏葉とお別れしなくちゃならないってことだ」

雛苺「!」

雛苺「なんでなの!ヒナは巴とさよならしたくないの!」

巴「雛苺……」

雛苺「そうだ!巴もJUMの家で一緒に住めばいいのよ!そしたら、ずっと一緒にいられるの!」
巴「残念だけど…、そういうわけには行かないのよ、雛苺……、」

雛苺「なんでなの?ヒナ、わからないの…。巴がどっか行っちゃうなんてイヤなの…」ポロポロ

JUM「……」

巴「泣かないで…、雛苺、別に二度と会えないっていうわけじゃないのよ」

504: 2009/03/16(月) 07:41:12.71 ID:67dsoevFO
雛苺「でも……、でもぉ!」

巴「手紙も書くし、電話で話すことだってできるのよ?」

雛苺「う…うう」

巴「桜田君……」

JUM「ん……」

巴「雛苺を……、よろしくね?」

JUM「ああ…、まかせろ」

巴「じゃあ…、私、そろそろ帰らないと…」

JUM「……」

506: 2009/03/16(月) 07:45:37.43 ID:67dsoevFO
JUM「柏葉!」

巴「なに?」

JUM「その……、達者でな」

巴「……」

巴「桜田君も元気でね。じゃあね、雛苺…」

雛苺「巴!絶対にまた会うのよ!約束なのよ!」

巴「ええ、約束よ」

ガチャン

JUM「……」

雛苺「JUM?泣いてるの?」

JUM「……ずっと我慢してたんだけどな。柏葉にかっこわるいとこ見せたくなかったから」

雛苺「JUM……」

JUM「まあ、いつまでもめそめそしてたら、柏葉に笑われちまうな。頑張るか」

雛苺「何を頑張るの?」

JUM「なんでもだ」

507: 2009/03/16(月) 07:50:14.47 ID:67dsoevFO
ーーーーーーーーーーー

JUM「なかなか良いところだな」

雛苺「あー!あっちには海も見えるのー!大きいのー!」

翠星石「まったく、チビ苺ははしゃぎ過ぎですぅ」

真紅「ふふ、無理もないわよ」

雛苺「!」

雛苺「あ、ああーー!」

巴「久しぶり、雛苺!」

雛苺「とぅもえーーーーー!!」ダッ

巴「わ!」ダキ

JUM「……」

巴「桜田君……」

508: 2009/03/16(月) 07:52:17.53 ID:67dsoevFO
JUM「久しぶり、柏葉」

巴「………背、伸びたね」(かっこよくなったな。……口には出せないけど)

JUM「柏葉も…」(きれいになった。……なんて恥ずかしくて言えないけど)

巴「……そうね、私もあれから5cmくらい伸びたわ」

JUM(僕が言いたかったのは身長のことじゃないんだけどなぁ)

巴「みんな、とりあえず家に来て。話したいことがいっぱいあるの」

雛苺「毎日、電話で話してたじゃないのー」

巴「電話だけじゃ伝え切れないこともあるのよ」

JUM「そうだな、僕も話したいことがいっぱいある」

ーfinー

511: 2009/03/16(月) 07:55:00.12 ID:67dsoevFO
終わりです。支援、保守ありがとうございました。

513: 2009/03/16(月) 08:39:07.31 ID:2bltGkIqP

雛苺成長したな良い子だ

引用: 蒼星石「僕が変態……?」