25: 2009/05/19(火) 13:17:19.26 ID:EULzFN2J0
佐「・・・へぇ?」

長「・・・。」

佐「それで、キョン。何が言いたいんだい?」

キ「ん?いや、だからな。俺は巨Oより貧Oの方が良いんだ。」

佐「2回も言わなくて良いんだよ。
  問題はなぜ僕と長門さんの2人をわざわざ呼び出して
  そんな事を言うんだい、という事さ。」

キ「む?そりゃこんな事、ハルヒや朝比奈さんに言っても仕方ないだろ?」

佐「全くだね。それは男のする事じゃないよ。」

キ「だろう?」

佐「かと言って僕たち2人にこんな事を言うのも同様に失礼だと思わないか?」

長「」コクリ
涼宮ハルヒの憂鬱 ブルーレイ コンプリート BOX (初回限定生産) [Blu-ray]

27: 2009/05/19(火) 13:29:11.17 ID:EULzFN2J0
キ「・・・」

佐「まったく、休日の昼に呼び出されるから何かと思えば・・・
  時々、君にはガッカリさせられる。」

長「しかし彼に悪意はなかった。その点を考慮すべき。」

佐「長門さんは優しいな。だが悪意がない故に余計手に負えない事もある。
  相手のコンプレックスを無闇につっつく真似は控えるべきだよ、キョン。」

キ「・・・そうだな、すまなかった。我ながら恥ずかしい。2人には申し訳ない事をした。」

佐「くっくっ・・・わかってもらえれば良いんだ。さて用件がそれだけなら出ようか。」

キ「ああ。支払いは俺にさせてくれ。」

28: 2009/05/19(火) 13:34:35.78 ID:EULzFN2J0
佐「さて、今度呼び出す時は何か楽しい事にしてくれたまえよ?」

キ「おう。情報収集しておく。今日は2人とも本当にすまなかった。」

佐「くっくっ・・・君と僕の仲だ。気にするな。」

長「・・・個人的な意見を述べる。」

キ「ん、どうした?長門。」

長「私は貴方が胸の大きな女性を好まないと言った事を嬉しく思う。」

佐「・・・!」

長「今日この後特に予定もない。貴方が良ければ、一緒に時間を過ごしたい。」

キ「なっ」

佐「な、長門さん?」

29: 2009/05/19(火) 13:37:12.40 ID:EULzFN2J0
長「貴方と時間を共に過ごすのは・・・・・・」

キ「・・・ん?」

長「きっと、嬉しいという言葉が最も当てはまる。」

佐「!」

キ「長門・・・あんな失礼な事を言った俺にそんな言葉をかけてくれるのか・・・。」

佐「(ま、まさか・・・)」

キ「ありがとう。もし良ければこの後図書館でも行くか?」

長「」コクリ

佐「ちょ、ちょっと待った。」

30: 2009/05/19(火) 13:40:04.71 ID:EULzFN2J0
長「なに?」

キ「ん?どうした、佐々木?」

佐「いや、何もない、何でも、ない・・・。」

キ「そ、そうか?じゃあ俺たちはこれで―――」

長「」チラッ

佐「!」

佐「(僕を見た・・・まさか・・・この状況を狙ってた・・・?)」

キ「じゃあ行こうか、長門。」

長「」チラッ

佐「や、やっぱり待ちたまえキョン!」

32: 2009/05/19(火) 13:43:59.69 ID:EULzFN2J0
キ「どうしたんだ?いつものお前らしくないぞ?」

佐「こ、コホン。いやそのなんだ。ぼ、僕も図書館に付き合う。」

キ「良いのか?別にこんな無神経男にわざわざ付き合わなくても・・・」

佐「良いんだ。行こう、キョン。」

キ「そうか、構わないよな?長門?」

長「」コクリ

キ「じゃあ行くか。」スッ

佐「えっ?」

キ「おっとすまん。最近SOS団の不思議探索では団員同士で手を繋いでるんだ。
  自然とお前にも手を差し出してちまった。重ね重ねすまんねな。」

佐「なん・・・だと・・・?」

33: 2009/05/19(火) 13:47:46.64 ID:EULzFN2J0
キ「あぁ、もちろん古泉、SOS団もう1人の男子メンバーだが、そいつとは手は繋がない。さすがにな。」

佐「じゃ、じゃあその・・・涼宮さんや朝比奈さんとは・・・」

キ「繋いでるな。今もほら、長門と。」ヒョイッ

長「・・・これが自然」

佐「!」

佐「わ・・・ぼ、僕も君と手を繋ごう。」

キ「え、良いのか?」

佐「考えてもみたまえ。3人で歩いていて僕一人が手を繋いでいなければ周りから仲が悪いと思われるだろう?」

キ「いや、多分思われないぞ?」

佐「・・・良いから手を出したまえ、キョン。それとも女性にリードされたいのかい?」

キ「む・・・」スッ

34: 2009/05/19(火) 13:49:56.43 ID:EULzFN2J0
佐「・・・。」キュッ

キ「どうした、佐々木?急にうつむいて・・・」

佐「な、なんでもない。・・・図書館に行くのだろう?」

キ「ああ、そうだったな。よし行くか。」

長「・・・楽しみ。」

佐「(キョキョキョキョンと手を繋いじゃった繋いじゃった繋いじゃった・・・!)」

36: 2009/05/19(火) 13:53:59.65 ID:EULzFN2J0
キ「この季節は風が心地良いな。散歩にはうってつけだ。」

長「」コクリ

佐「(うわあうわあキョンの手って大きいんだ・・・それに思ったよりすべすべで・・・)」

佐「(それに腕も意外と引き締まってて・・・)」

佐「(な、なんだか中学の頃よりも少し背が伸びた気もするし)」

キ「・・・木・・・佐・・・・・・」

佐「(男の子ってやっぱり高校に入って変わるんだ・・・)」

キ「おい、佐々木!」

佐「は、はいっ!」

キ「へ?」

37: 2009/05/19(火) 13:57:15.75 ID:EULzFN2J0
佐「あ、ああああ、いや、コホン。な、なんだい?」

キ「いや、お前の学校はインフルエンザ大丈夫か?って聞いたんだが・・・」

佐「い、インフルエンザ?あぁ、新型のかい?」

キ「おう。なんだか休校になったり大変らしいぞ。」

佐「ウチの学校はまだそういった事はないようだよ。キョンの北高もかい?」

キ「ああ。みんなあの坂道を登って登校するから健康なのかもしれん。」

佐「・・・だからキョンもたくましくなったのかな?」

キ「え?」

佐「あわわわ、な、なんでもないなんでもない!」

長「・・・。」

38: 2009/05/19(火) 14:01:29.60 ID:EULzFN2J0
佐「と、ところでキョン、高校に入って少し背が伸びたかい?」

キ「ん?ああそうだな。と言ってもそんなに変わらないだろう?」

佐「いや、そんな事はないさ。・・・その・・・なんか、男らしく、なったな。」

キ「なっ、きゅ、急に何を言い出すんだ。」

佐「はっ!す、すまない・・・なんでもないっ。」

長「・・・。」

佐「(落ち着け落ち着け。深呼吸、深呼吸・・・。)」スーハー

キ「(佐々木のヤツどうしたんだ?いつもの冷静さがないような・・・)」

39: 2009/05/19(火) 14:04:20.76 ID:EULzFN2J0
キ「さて、図書館に着いた訳だが。」

長「・・・。」トテテテテ・・・

キ「ふっ、アイツはいつも通りだな。」

佐「キョン、長門さんは図書館が好きなのかい?」

キ「ああ。不思議探索で俺と長門で組んだら大体ココだ。」

佐「そうか・・・確かに本が好きそうではあるね。」

キ「お前はどうだ?」

佐「ん?」

キ「いや、好きでもない図書館に付き合わせてしまったら申し訳ないと思ってな。」

41: 2009/05/19(火) 14:08:22.91 ID:EULzFN2J0
佐「いや、僕はこの静かな空間は好きだよ。非常に落ち着くね。」

キ「ふっ、佐々木らしいな。」

佐「そうかい?」

キ「ああ。どっかの団長様は騒がしくてな。図書館にいたら追い出されちまうよ。」

佐「そ、そうなのか。」

佐「(・・・なぜだろう、彼が涼宮さんの話題を出すだけで・・・胸が・・・)」

キ「じゃあ俺も何か適当に本を見繕ってくるわ。あとでな。」

佐「あ、うん。また後で。」

佐「さて・・・僕も何か本を探すとしようか」

?「」ポンポン

佐「?」クルッ

42: 2009/05/19(火) 14:10:02.19 ID:3xAQe+WJ0
佐「・・・長門さん?」

長「少し、話がある」

佐「?」

長「ついてきて」

佐「う、うん。」

長「この辺りなら誰にも聞かれない。」

佐「どうしたんだい?こんな奥まで連れてきて・・・」

長「率直に聞く。貴方は何をしにきた?」

佐「えっ?」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
佐「何をしに・・・って、そ、そりゃ本を・・・」

長「それは違う。貴方には別の思惑があるはず。」

佐「うっ・・・。」

長「はっきり言ってほしい。」

佐「もしかして・・・お邪魔だったかい?」

長「そういう意味ではない。」

佐「じゃ、じゃあなぜ・・・」

長「私は、貴方が彼に対して好意を持っていると考えた。違う?」

佐「!」

45: 2009/05/19(火) 14:17:06.39 ID:EULzFN2J0
佐「そ、それは・・・」

長「そう思ったから私は貴方が私たちについてくるように誘った。」

佐「・・・あれはそういう意味の視線だったのか。」

長「迷惑だった?」

佐「いや、そんな事はない。正直助かったよ。ありがとう。」

長「構わない。」

佐「確かに私はキョンに対して好意を抱いてる。長門さんの言うとおり。」

46: 2009/05/19(火) 14:20:08.42 ID:EULzFN2J0
佐「今朝キョンからメールがあった時も、嬉しかった。久しぶりに彼に会えるって。」

佐「でも私だけじゃなくて長門さんも一緒だった。」

長「迷惑?」

佐「ううん。そんな事ない。ただちょっと、ガッカリしただけ。」

長「そう。」

佐「しかもあんな話をされてね・・・呆れるを通り越して悲しくなっちゃったんだ。」

長「しかし、彼の話は貴方に対する嫌悪に繋がらない、むしろ―――」

佐「分かってる、分かってるのさ。もちろん私は彼がその、胸が大きい人が好きじゃなくて良かったと思ってる。」

長「・・・ではなぜ?」

48: 2009/05/19(火) 14:24:52.01 ID:EULzFN2J0
佐「正直に言うとね、嫉妬かな。あの話を私だけにしてくれたらきっともっと素直に嬉しかった。
  でも、長門さんも一緒の席で言うって事はさ、私に対して特別な感情がないんだなって・・・。」

長「・・・。」

佐「私はこんな性格だからキョンに自分の気持ちを伝えたりできないんだ。」ポロッ

長「・・・。」サスサス

佐「いつも冷静な振りをして、余裕があるように見せるのに精一杯で・・・。」ポロポロ

長「・・・。」ナデナデ

佐「気がついたら彼は遠くの存在になってしまっていて
  ・・・でも、うん、やっぱり彼のことが好きなんだなって、今日再確認したよ。」

長「そう。」ナデナデ

50: 2009/05/19(火) 14:28:25.17 ID:EULzFN2J0
佐「ははっ、すまない。こんな風に誰かに愚痴をこぼした事はないんだがね。
  長門さんは以前、牧師のバイトでもしてたのかい?
  いや、女性だからシスター、かな。」

長「そのような過去はない。」

佐「わかってる、僕なりの冗談さ。」

長「今日は涼宮ハルヒも朝比奈みくるもいない。ならば、攻めるべき。」

佐「長門さん・・・?」

長「チャンスは限られている。」

佐「・・・長門さん、1つ良いかい?」

長「?」

87: 2009/05/19(火) 21:13:10.84 ID:EULzFN2J0

佐「なぜ君はそんなに良くしてくれるんだい?」

長「?」

佐「その、いわば僕は『涼宮さん側』の人間じゃない。むしろその敵とも言える立場だ。」

長「・・・。」

佐「僕が言うのもなんだけどね、僕らの関係はそういうものだろう?
  だから、こうまでしてその、応援してくれる理由が分からないんだ。」

長「貴方のいう事は正しい。しかし正解ではない。」

佐「?」

長「第一に、涼宮ハルヒはあくまで観察対象。その点では貴方も同じ。」

佐「・・・。」

長「そして、適当な言葉を選べているかは不明、しかし―――」

佐「・・・しかし?」

長「―――私にも、女の意地がある。胸が大きいだけの女に、負けてほしくない。」

佐「!」

88: 2009/05/19(火) 21:17:04.82 ID:EULzFN2J0

長「・・・私はおかしい?」

佐「くっくっ・・・いや、貴方にそんな感情があるなんて思わなかった。」

長「私は『彼ら』と出会うまでこのような感情を持った事はない。」

佐「そうだろうね、君と似た立ち位置にいる周防さんはそういったものがないように見える。」

長「・・・だから、私にとって『彼ら』は大事な存在。」

佐「それなら尚の事、涼宮さんとキョンの仲を取り持った方が良いのではないのかい?」

長「・・・。」プクッ

佐「・・・長門さん?」

長「それとこれは話が別。」

佐「ぷっ・・・くっくっく・・・はははっ」

長「そのように笑われる理由が分からない。」

89: 2009/05/19(火) 21:18:37.29 ID:EULzFN2J0


佐「くっくっく・・・こんなに笑ったのは久しぶりだ。ああ、決して悪く思わないでほしい。
  ―――長門さん、僕たちは良い友人になるかもしれない。」

長「・・・友人?」

佐「ああ。良かったら今度君と一夜語り明かしたいな、もちろん2人でね。」

長「・・・。」

佐「ははっ、さすがにそれは迷惑かな?」

長「・・・カレーで良ければご馳走する。」ニコッ

佐「ふふっ、楽しみにしているよ。さてそうと決まれば我らの王子にどう攻めるか考えるとしよう。
  長門さんには感謝してもしきれない。僕にこんな勇気なんてものが残っていたなんてね。」

長「健闘を。」スッ

佐「ああ。」ギュッ

93: 2009/05/19(火) 21:21:13.97 ID:EULzFN2J0

キ「お、2人ともこんなところで何してるんだ?」

佐「ん?」

佐&長「内緒。」

キ「? 良く分からんが、仲良くなったんだな、2人とも。」

佐「まあね。それで?君はどうしたんだい?」

キ「いや、もうじき閉館時間だぞ。」

佐「え、もうそんな時間なのかい?・・・うわ、本当だ・・・いつの間にか6時10分前じゃないか。」

キ「ああ。長門、借りていきたい本はあるか?」

長「」コクコク

94: 2009/05/19(火) 21:22:45.48 ID:EULzFN2J0

キ「さてどうする?どこかで夕飯食べて行くか?」

佐「僕は構わないよ。長門さんは?」

長「私も構わない。」

キ「よし、それじゃ適当なファミレスに入るか。」

95: 2009/05/19(火) 21:24:28.08 ID:EULzFN2J0

キ「すんなり入れて良かったな。」

佐「そうだね、最も混むのはこれからの時間だろう。」

キ「ああ。さて、何を食べようか・・・。」

佐「長門さんは何か好きな食べ物あるのかい?」

長「・・・カレー。」

佐「ほう。そうきますか。」

長「辛いが美味い。」

佐「確かに辛い料理を食べて汗をかくと気持ちが良いね。」

長「」コクコク

96: 2009/05/19(火) 21:26:49.28 ID:EULzFN2J0

佐「そう言えば長門さんと一緒に食事をするのは初めてだね。」

長「貴方は、何か好きな料理がある?」

佐「僕もカレーは好きだな。タイカレーなんかも結構好きなんだ。」

長「タイカレー・・・?」

佐「ああ。茶色のどろっとしたカレーと違うんだ。どうと説明するのも少々難しいな。」

長「作れる?」

佐「ふふっ、こう見えても料理は得意でね。なかなかのものと自負しているよ。」

長「なら今度、うちに作りに来ると良い。」

佐「そうだね、是非味わって頂きたいものだね。ああ、キョンにも・・・ってキョン?」

キ「お、おう?」

98: 2009/05/19(火) 21:29:03.46 ID:EULzFN2J0

佐「どうかしたかい?ぼーっとして。」

キ「いやその、なんだ。随分仲良くなったものだと・・・。」

佐「そう見えるかい?」

キ「ああ。会話だけ聞いてたら相当なものだ。何より、2人とも楽しそうだしな。」

佐「くっくっ、妬いているのかい?キョン。」

キ「なっ・・・。」

佐「冗談だよ、冗談。くっくっ」

長「」クス

キ「(長門が笑った・・・ホントに仲良くなったんだな。)」

99: 2009/05/19(火) 21:30:55.46 ID:EULzFN2J0

キ「あー食った食った。」

佐「うむ。長門さんがあんなに食べるとは思わなかったよ。」

長「・・・腹八分。」

キ「8時過ぎ、か。そろそろ解散かな。」

佐「うん、そ、そうだね・・・。」

長「・・・。」ツンツン

佐「!」

キ「そもそも今日はホント無神経な事で呼び出してすまなかったな。それじゃあ―――」

長「待って。」

キ「どうした?長門。」

長「図書館にいた時、彼女は貴方に話があると言っていた。」

佐「!」

101: 2009/05/19(火) 21:34:04.64 ID:EULzFN2J0

キ「そうなのか?佐々木。」

佐「あ、うん、まあね。実はそうなんだよ。(長門さんのアシスト・・・無駄にしない。)」

キ「なんだ、そうならそうと早く言ってくれれば良かったのに。どうしたんだ?」

佐「え、えっと・・・その・・・。」

長「遺憾ながら私は用事がある。その話は2人ですべき。」

キ「ん?そうなのか。じゃあ、また明日な、長門。」

長「」コクリ

佐「な、長門さん、また今度メールするから・・・。(本当にありがとうペコペコ)」

長「(頑張って。)」

103: 2009/05/19(火) 21:37:11.42 ID:EULzFN2J0

キ「さて、立ち話もなんだな。どこか喫茶店でも入るか?」

佐「い、いや、そのキョンさえ良ければ・・・なんだが、ウチに来ないか?」

キ「お前の?」

佐「ああ。ちょっとその、あまり人に聞かれたくないんだ・・・。」

キ「ふむ。まあ良い。お前がそう言うならどこだってついていくぞ。」ニコ

佐「!(こ、ここでその笑顔は反則だぞ、キョン!素数素数・・・)」

104: 2009/05/19(火) 21:39:41.48 ID:EULzFN2J0

キ「そういやお前の家は初めてだな。」

佐「そ、そうだね。こっちだ。(2,4,8,16,32,64,128・・・)」

キ「おう、行くか。まだ少し夜は冷えるな。」

佐「・・・き、キョン・・・その、手は繋がないのかい?(1024,2048,4096,8192・・・)」

キ「え、あ、いや・・・良いのか・・・?」

佐「な、なんで今さら聞くんだい?昼間はあんな自然に繋いできておいて・・・(262144,524288.1048576・・・)」

キ「いや昼間は長門がいて不思議探索の延長みたいに考えてたからな・・・今はその、2人きりじゃないか。」ポリポリ

佐「」ボンッ

106: 2009/05/19(火) 21:42:15.12 ID:EULzFN2J0

キ「佐々木?」

佐「い、いや、なんでもない。」

キ「そ、そうか・・・。」

佐「・・・。」

キ「・・・。」

佐「・・・君はまた女性にリードさせようというのかい?」

キ「! ・・・すまないな、どうにも俺はこの手のことに慣れなくてな。」スッ

佐「いや、君らしいさ。」キュッ

キ「だがしかし、あれだな。どうにも照れるというか恥ずかしいというか・・・。」

佐「」ドキドキ

108: 2009/05/19(火) 21:45:14.05 ID:EULzFN2J0

キ「さ、佐々木。」

佐「な、なんだい?」ドキドキ

キ「あ、あのだな。無言でいられるとその・・・非常に気まずい。」

佐「・・・ふふっ。」

キ「なんだよ?」

佐「くっくっ、なんでもないさ。」ニコッ

キ「!(うおっ・・・か、可愛い・・・!)」

111: 2009/05/19(火) 21:47:10.17 ID:EULzFN2J0

佐「ついたよ。」

キ「ん?真っ暗だぞ?親御さんはどうした?」

佐「・・・今日は帰ってこない・・・。」

キ「なっ・・・!」

佐「実は今日は両親の結婚記念日でね。夫婦で温泉旅行さ。」

キ「・・・。」

佐「キョン。」

キ「な、なんだ?」

佐「・・・良からぬ事を考えてはだめだぞ。」

キ「あ、ああ。(もう遅かったなんて言えん・・・。)」

112: 2009/05/19(火) 21:49:36.21 ID:EULzFN2J0

佐「さ、入ってくれ。」

キ「お、お邪魔しまーす・・・。い、意外と女の子らしい部屋、なんだな。」

佐「意外とはどういう事だい?」

キ「あーいや。誤解のないように言っておくが佐々木が女の子らしくないという意味ではない。断じてない。」

佐「くっくっ。結構。それで?」

キ「想像ではもっとこうモノクロ系というか、こざっぱりというか・・・機能美というかだな・・・。」

佐「もっとシンプルな部屋を想像していたかい?」

キ「ああ。まぁそんな感じだ。」

佐「ひどいな、これでも僕は女の子だよ?可愛いものも好きさ。」

キ「(ここで女の子らしさをアピールされてはいろいろ堪えるぞ・・・佐々木!)」

113: 2009/05/19(火) 21:50:50.36 ID:EULzFN2J0

佐「何かお茶でも淹れようか?紅茶、緑茶、コーヒー・・・何が良い?」

キ「佐々木は、何を飲むんだ?」

佐「僕は紅茶だよ。」

キ「じゃあ同じので頼むよ。」

佐「ああ、分かった。ちょっと待っててくれ。」パタン

キ「(・・・ほっ・・・緊張した・・・考えたらこれはとんでもない状況なんじゃないか・・・?)」

佐「あ、キョン。」

キ「     」

114: 2009/05/19(火) 21:53:23.33 ID:EULzFN2J0

佐「くっくっ・・・なんだいその反応は。」

キ「オホン。なんでもないぞ。で、どうした?」

佐「キョン、妙な真似をするんじゃないぞ?」ニヤ

キ「ば・・・お前、妙なとはなんだ!妙なとは!」

佐「さあね?くっくっ。」

キ「お前・・・俺をいじめて楽しいか?」

佐「思った以上に。」

キ「・・・。」

佐「そう睨まないでくれよ。くくっ。」

115: 2009/05/19(火) 21:55:18.40 ID:EULzFN2J0

キ「まったく・・・勘弁してくれ・・・。」

佐「ちなみに」

キ「ん?」

佐「下着はタンスの上から3段目だ。」

キ「ばっ・・・お前なあ!」

佐「はっはっはっ、顔が真っ赤だぞ、キョン。」

キ「お前、まだ昼間の事を根に持ってるんじゃなかろうな?」

佐「くっくっ、さあてどうかな。では今度こそ台所にいってくる。」パタン

キ「・・・やれやれ・・・。」

116: 2009/05/19(火) 21:57:03.93 ID:EULzFN2J0

佐「ふう・・・。」パタン

佐「(わあああ緊張した緊張した!男の子と2人きりって初めてで相手がキョンで親がいなくて)」

佐「(どどどどうしようどうしよう・・・。)」

佐「(でもこれは長門さんがくれたチャンスなんだ。)」

佐「(僕は学校が違うし、こうやって会うのもそう度々じゃない。)」

佐「(・・・よし、頑張ろう!)」

118: 2009/05/19(火) 21:59:04.55 ID:EULzFN2J0

キ「・・・うーむ、しかしただ待っていても暇だな・・・。」

キ「メールくらいチェックしておくか。」ゴソゴソ

キ「ん?メールあり・・・と、長門か。」

長「今日は楽しかった。また3人で出かけたい。」

キ「・・・アイツがこんな事をメールでよこすとはな・・・。」

キ「ふむ、しかし猫やらパンダのぬいぐるみなんてものがあるとは思いもしなかったな。」

キ「ん、これは・・・。」

キ「中学の時、一度だけ一緒に撮った写真・・・。」

キ「あいつ・・・。」

120: 2009/05/19(火) 22:01:25.12 ID:EULzFN2J0

佐「(深呼吸、深呼吸)」スーハースーハー

佐「キョンー、いれてきたよー。」

キ「お、おう、おかえり。」

佐「・・・ふむ。」

キ「ん?」

佐「いや、部屋が荒らされた形跡はないな、と思ってね。」

キ「お前な・・・。」

佐「冗談さ。君の口に合うか分からないが、ダージリンだ。」

キ「お、悪いな。・・・ん、良い香りだな。」ズズズ

佐「そうか、良かったよ。」

123: 2009/05/19(火) 22:05:02.45 ID:EULzFN2J0

キ「で?話ってなんだ?」

佐「あ、うん、そうだね。(えっとえっと・・・)」

キ「・・・?」

佐「その、昼間、キョンはひ、ひん・・・えーと胸が小さい方が良いと言っていただろう?」

キ「あ、ああ。その件は申し訳なかった。我ながら無礼甚だしかったよ。」

佐「いや、良いんだ。その。なんというかな。ちょっと嬉しかったというかね。」

キ「!?」

佐「でもその、胸が小さければなんでもいいのかい?」

キ「い、いや、そういう訳じゃ、ないけどな。」

佐「た、例えばその・・・どんなのが・・・良い?」

キ「・・・っ。(う、上目遣いはヤバイって・・・)」ゴクッ

125: 2009/05/19(火) 22:06:57.01 ID:EULzFN2J0

キ「そ、そうだな、例えば・・・きゃ、キャミソール姿とか、そそられるな。」

佐「な、なるほど。薄着なのが良いのかい?」

キ「いや、そういう訳じゃない。自然な、男に媚びない感じが良いというかだな。」

佐「ほ、ほう。」

キ「・・・何を言ってるんだろうね、俺は・・・。」

佐「いや、興味深い。続けてくれたまえよ。」

キ「そ、そうか?うーんそうだな。(意外とのってくれるな・・・。)」

佐「キャミソールか・・・。」ブツブツ

キ「・・・佐々木?」

佐「・・・良かったら、今・・・キャミソール、着ようか?」

キ「!(マ ジ か !)」

126: 2009/05/19(火) 22:09:13.11 ID:EULzFN2J0

キ「も、もし着てくれるというなら・・・。」

佐「う、うん。」

キ「是非着て、見せてほしい。」

佐「わかっ・・・た・・・。じゃあ・・・早速・・・。」

キ「あ、じゃあ俺は部屋の外に出て・・・。」

佐「いや、そこにいて良いよ。ただその・・・こっち見ないで・・・ね?」

キ「      」

129: 2009/05/19(火) 22:12:38.68 ID:EULzFN2J0

佐「・・・。」ゴソゴソ

キ「・・・。」ドキドキ

佐「・・・。」シュルッ パサッ

キ「・・・!(衣擦れの音が・・・!やばいやばい!)」バクバク

佐「ん・・・っ。」シュッ

キ「・・・。(・・・臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前・・・)」

佐「キョン、もう良いよ、こっち見ても・・・。」

キ「あ、ああ。」クルッ

132: 2009/05/19(火) 22:15:06.58 ID:EULzFN2J0

佐「・・・どう、かな?」

キ「・・・。」

佐「・・・?」

キ「・・・。」

佐「・・・キョン、仮にも女性がだね、君の要望に応えて着替えたというのに・・・。」

キ「・・・うだ・・・。」ボソッ

佐「え?」

キ「最高だ・・・。」ツーーー

佐「え?え?泣いてる!?」

キ「俺はこの瞬間のために生まれたと言っても過言ではないかもしれん。」

佐「(それはさすがに過言じゃないのかな・・・。)」

133: 2009/05/19(火) 22:16:44.71 ID:EULzFN2J0

佐「ま、まあ、そう言われて悪い気はしないよ。」

キ「まさに眼福。人生の幸福。出生の理由。天地開闢の真理。お前は最高だ、佐々木。」

佐「そ、そこまで言うかい・・・?」

キ「ああ。俺は今かつてないほど母親に産んでくれた事を感謝しているぞ。」

佐「は、ははは。(すごい威力だ・・・。)」

佐「なんかこう、ポーズとか取った方がいいかい?」

キ「そ、そんなサービスまでしてくれるのか?そ、それなら是非・・・。」

佐「うん?」

キ「ぽ、ポニテを・・・してくれるか?」

佐「あぁ、それくらいお安い御用さ。(よかった。もし変なポーズ取らされたらどうしようと・・・。)」ドキドキ

134: 2009/05/19(火) 22:19:35.93 ID:EULzFN2J0

佐「よっと・・・。」

キ「! 佐々木!ちょっと待て!ちょっと待ってくれ!」

佐「ええっ!?な、なんだい!?」ドキッ

キ「そのまま!そのままが良い!」スクッ

佐「えええ?(僕の後ろに回って・・・な、何をする気なんだよ・・・キョン。)」

キ「・・・俺はな、極ごく普通の無宗教の人間だ。」

佐「う、うん?」

キ「だが・・・神はここにいたよ・・・。」

佐「そ、そんなにかい!?」

キ「ああ。神は佐々木、お前の後ろ髪の中にいたんだな。」

135: 2009/05/19(火) 22:22:23.96 ID:EULzFN2J0

キ「白い肌、浮き上がる鎖骨、持ち上がらなかった短い後ろ髪、少し朱色の耳たぶ・・・。」

佐「(そ、そんなこと言われたら・・・恥ずかしくなるじゃないか・・・キョン・・・!)」ドキドキ

キ「な、なあ、佐々木・・・。」

佐「う、うん?」

キ「その、なんだ。昼間は本当にすまなかった。」

佐「まだ気にしてると思ってるのかい?僕はどれだけ根に持つタイプなんだ。」

キ「いや、そういう事じゃない。長門と一緒に、呼び出した事だ。」

佐「え?」

キ「ホントは、お前だけでも良かったんだが・・・その、踏ん切りがつかなくってな。」

佐「え?え?」ドキドキ

キ「だからその、すまなかった。」

136: 2009/05/19(火) 22:25:14.94 ID:EULzFN2J0

佐「・・・ううん、気にしないでくれ、キョン。おかげで長門さんとも友達になれたしね。」

キ「そうか。よかったよ。」

キ「そ、それで、だな。さっきの今でこんな事を言うのはアレかもしれんが・・・。」

佐「ん?」

キ「抱きしめて良いか?」

佐「!」

佐「う、うん・・・良いよ・・・。」

138: 2009/05/19(火) 22:27:08.32 ID:EULzFN2J0

キ「・・・。」キュッ

佐「・・・。(う、後ろから・・・っ)」ドキドキ

キ「・・・この、肩越しからな。」

佐「うん・・・?(きょ、キョンの鼻息が耳に当たってる・・・)」ドキドキ

キ「佐々木の控えめな胸が自己主張してるのが見えるんだ。」

佐「う、うん・・・。(も、もう意識が・・・。)」

キ「それがすごく綺麗だ。」

佐「っ・・・!」

139: 2009/05/19(火) 22:29:05.65 ID:EULzFN2J0

佐「(い、いったいこのままでどのくらい時間がたったんだろう・・・。)」チラッ

佐「(まだ全然たってない・・・?・・・嘘・・・すごく長く感じる・・・。)」ドキドキ

キ「・・・なぁ、佐々木。」ドキドキ

佐「う、うん・・・?」ドキドキ

キ「お前の胸を・・・その・・・愛でたいと思うんだが・・・だめか?」

佐「! め、愛でるって・・・そのあの・・・まさか・・・。」

キ「あ、ああ・・・。」

佐「・・・っ!」

141: 2009/05/19(火) 22:31:42.28 ID:EULzFN2J0

キ「・・・やっぱダメ、か?」

佐「ダ、ダメじゃない、けど・・・その・・・。」

キ「うん・・・?」

佐「・・・その前に・・・言う事があるんじゃないか・・・?一回で当たったら・・・その、良いよ・・・。」

キ「!」

佐「・・・。」

キ「佐々木・・・好きだ。」

佐「っ!」ドキッ

143: 2009/05/19(火) 22:33:51.88 ID:EULzFN2J0

キ「お、おい、佐々木、大丈夫か?」

佐「こ、腰がくだけてしまったよ・・・。」

キ「え、えっと、どうすれば・・・。」

佐「キョン・・・このままベッドまで運んでくれないか?」

キ「     」

佐「くっくっ・・・それとも僕では嫌かな?」

キ「バカ言え・・・。最高に決まってる。」

272: 2009/05/20(水) 20:11:27.38 ID:iLZDoOvp0

キ「ん・・・朝、か・・・?」

キ「佐々木は・・・いないな。どこだ?」

キ「・・・っと、その前に服を着ないとな。」ゴソゴソ

キ「佐々木~?」カチャ

キ「ん?1階から音が・・・。」トントン

キ「佐々木。」カチャッ

佐「やぁ、おはよう、キョン。よくお休みだったね。」トントン ジャー

キ「あ、ああ、おはよう・・・。」

274: 2009/05/20(水) 20:14:06.43 ID:iLZDoOvp0

キ「ごちそうさまでした。」

佐「お粗末様です。」

キ「いや、お前料理上手だったんだな。すごく美味かったぞ。」

佐「くっくっ・・・意外だったかい?」

キ「・・・かもな。」

佐「ふふっ。・・・さて、そろそろ学校に行く準備をしなくては。」

キ「ああ。俺も一旦家に帰らないとな。」

275: 2009/05/20(水) 20:14:48.57 ID:iLZDoOvp0

佐「・・・また、会えなくなるね・・・。」

キ「いつでも会えるさ。だろう?」

佐「だが僕らは違う学校だ。難しいよ。」

キ「まあな・・・。」

佐「・・・。」

キ「なあ、佐々木。」

佐「ん?」

キ「今度、2人で温泉でも行こうか。」

佐「・・・! うん!」

佐「(2人きりなんて・・・恥ずかしい・・・でも嬉しいな。)」テレテレ

キ「(やっぱ貧Oと言えば浴衣だからな・・・ふふ、ふふふふ)」モンモン



引用: キョン「長門、佐々木――――実は俺、貧乳萌えなんだ」