1: 2013/08/05(月) 19:47:56 ID:jvcDveF.

俺「失せろ」ギンッ!

近海の主「―――!!」ブルブルブル

バシャン!

俺「ふぅ…」

シャンクス(なっ、なんて覇気だ!しかも的確に主だけを威圧しやがった!!)

俺「腕は大丈夫か、シャンクス?」

シャンクス「あっ、ああ…また借りを作っちまったな」

俺「まったく。いくらお前とは言えその子を抱えたままではどうなっていたか」

シャンクス「いやぁ、すまんすまん!ほら、ルフィ!俺のおかげで助かったぞ!!」

ルフィ「びえーん!海こええ!!おれ、海賊なんてならねえ!!!」ドン!

3: 2013/08/05(月) 19:52:14 ID:jvcDveF.



俺「もう行くのか」

シャンクス「ちょっと長居しすぎた。それに、また一から鍛え直そうと思ってな」

シャンクス「俺…これを預かってくれないか」パサッ

俺「麦わら帽子。いいのか、大事なものなんだろう?」

シャンクス「いいんだ。おれが俺と肩を並べられるくらいになるまで持っておいてくれ」

俺「ふっ、そういうことなら構わないぜ。どれ…」パサッ

俺「どうだ、似合うか?」ドン!

4: 2013/08/05(月) 19:55:29 ID:jvcDveF.

シャンクス「俺は海へ出ようとは考えないのか?」

俺「俺には東の海が性に合ってるのさ」

シャンクス「残念だな。俺なら海賊王に…いや、何でもない」

シャンクス「…そろそろ時間だ」

俺「じゃあな、シャンクス。また会おうぜ!」

シャンクス「ああっ!約束だ!!」ドン!

5: 2013/08/05(月) 20:00:34 ID:jvcDveF.

数年後

俺「…最近は海賊の動きが活発だな」

俺(誰もが誰もシャンクスみたいな奴らじゃない)

俺(冒険とは名ばかりの略奪行為が多発しているのが現状だ)

俺(海軍の黒い噂も聞く。このままでは世界から戦乱の火種が消えることはない)

俺「俺は…どうすればいい」

村長「悩んでおるようじゃな」

俺「村長!」ドン!

6: 2013/08/05(月) 20:10:15 ID:jvcDveF.

村長「俺よ。お前が亡き母の故郷であるフーシャ村にいてくれるのは助かる」

俺「………」

村長「だが、そろそろ自分の人生を歩いてもええんじゃよ」

村長「俺が本当にやりたいことは何じゃ。俺自身の心に問いかけてみろ」

俺「俺…俺は…!!」

俺「この力で誰かを守りたい!誰かの笑顔を守りたい!!」

俺「…村長、決めたよ。俺が」

俺「俺が海賊王になってこの大海賊時代を終わらせる!!」ドドン!!

7: 2013/08/05(月) 20:15:00 ID:jvcDveF.

早朝の港

俺「………」

村長「みんなには黙って行くつもりなのか」

俺「湿っぽいのは苦手でね」

俺「村の皆には村長の方から…」

マキノ「そんなこと許さないわよ!」

俺「マキノさん!?」


「そうだー!」「水臭いぞ、俺!!」「見送りくらいさせろー!!」
「俺ー!!」「寂しいぞこんちくしょう!!」「今までありがとー!!」


俺「みんな…」

村長「また、いつでも帰って来い」

俺「…ああっ!行ってくる!!」ドン!

9: 2013/08/05(月) 20:19:32 ID:jvcDveF.





【数日後】

アルビダ「ほら、コビー!ぼさっとすんじゃないよ!!」バキッ

コビー「ひぃ!すみません!ごめんなさい!!」

アルビダ「本当に役に立たないやつだね!見張りでもしてきな!!」

コビー「はっ、はいいいいいいい!!!」

コビー(くそう!くそう!絶対に逃げ出してやる!!)

コビー(そしてぼくは海軍将校になるんだ!!)ドン!

10: 2013/08/05(月) 20:23:40 ID:jvcDveF.

【浜辺】

コビー「と言っても、こうしてボロ船を作ることしかできないんだけど…」カンカン

コビー「ん?向こうに誰か倒れて…ひっ、人だ!大変だ!!」タッタッタッ

コビー「大丈夫ですか!?しっかりしてください!!」

俺「うっ…ここは」

コビー「ああっ、良かった。海賊にでも襲われたんですか、あなた」

俺「いや、泳いで海を渡ったまでは良かったんだが…」

コビー「泳いで!?」ドン!

11: 2013/08/05(月) 20:28:45 ID:jvcDveF.

俺「つい途中の大渦で遊ぶのに夢中になってグルグルと…」

俺「ガキっぽいのが俺の悪いところだな。いや、助けてくれてありがとう」

コビー「いえ、僕なんて何も…」

俺「俺は俺だ。よろしくな、えーっと」

コビー「あっ、コビーです。今は訳あって海賊の下っ端をしています」

俺「そうか。間違えて海賊船に乗り込んだらそのまま…か。災難だったな」

コビー「ええ~~~~~っ!どどどどうして分かったんですか!!」

俺「勘」ドン!

12: 2013/08/05(月) 20:32:22 ID:jvcDveF.

俺「コビー、あの船は?」

コビー「あっ、あれは僕が脱出用にコツコツ作ってるものなんです」

俺「へぇ、どれ…ありゃりゃ、こりゃ酷いもんだ」

コビー「仕方ないじゃないですか。廃材の寄せ集めなんですから」

俺「ちょっとまってな。助けてもらった礼だ」

コビー「えっ?」

シュババババババッ!

俺「…ふぅ、こんなもんかな」

コビー「がっ、ガレオン船ができたーーーーー!!!???」ドン!

13: 2013/08/05(月) 20:34:01 ID:jvcDveF.

コビー「どういうことですか!どうなってるんですか!!」

俺「まぁまぁ、いいじゃんか。これで脱出しろよ」

コビー「逆にこんなの一人じゃ動かせませんよ!!」

俺「えっ、できないのか?」ドン!

14: 2013/08/05(月) 20:37:55 ID:jvcDveF.

海賊「ひゅー!こりゃすげえ!!」

海賊「俺たちの船よりデケェんじゃねえのか」

アルビダ「いつの間にこんな…」

ゾロゾロ

コビー「ひっ!あっ、ああああアルビダ様!?」

アルビダ「どういうことか説明しな、コビー!」

コビー「こここここれはそそそそそそののののの」

俺「この船は俺がコビーのために作ったものだ」ドン!

15: 2013/08/05(月) 20:43:34 ID:jvcDveF.

アルビダ「ああん?…何者だい、あんた」

俺「俺は俺。コビーの友達だ」

コビー「おっ、俺さん…!」

アルビダ「ハッ!何だか分からないがコビーのだってんなら話は早いね」

アルビダ「この船は私が頂くよ!!」

コビー「そっ、そんな!…って元々ぼくじゃ使い道がないしなぁ」

俺「これはコビーに作ってやってものだ。お前らには渡せないな」ドン!

16: 2013/08/05(月) 20:46:07 ID:jvcDveF.

アルビダ「あんたの意見なんか知ったこっちゃないのさ!」

アルビダ「お前たち!やっちまいな!!」

シーン………

アルビダ「? お前たち、聞こえてるのかい!?」


海賊「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」


アルビダ「なっ!全員気絶してやがる!!」

俺「………」ドン!

17: 2013/08/05(月) 20:49:46 ID:jvcDveF.

アルビダ「お前のしわざか!まさか、悪魔の実の能力者!?」

俺「悪魔の実なんざ食っちゃいねえ」

コビー「すっ、凄いです俺さん!一歩も動かずに倒すなんて!!」

コビー「だけど、何でアルビダは何ともないんでしょうか」

アルビダ(たっ、たしかに!奴の実力なら簡単にできたはずだよ!)

俺「俺は氏んでも女は傷つけん」ドン!

19: 2013/08/05(月) 20:55:02 ID:jvcDveF.

アルビダ「!?」

コビー「!?」

俺「………」

アルビダ「…あんたの目は本気の目だ。冗談抜きで私なんかを女だと思ってやがる」

アルビダ「金棒のアルビダと恐れられたこの私を!ハハハッ!!」

俺「違わないだろう?」

アルビダ「ああ、そうさ。…何だか馬鹿らしくなっちまったね。コビー」

コビー「はっ、はいいい!?」

アルビダ「どこへなりと行きな。今まで…悪かった」ドン!

20: 2013/08/05(月) 20:59:34 ID:jvcDveF.





パッパッパッ!

コビー「本当に俺さんのおかげですよ!ありがとうございました!!」

俺「俺は俺のやりたいようにやっただけだ」

コビー「けど、いいんですか。船を置いてきちゃって」

俺「お前がいらないんなら俺にも必要はない」

俺「それに2人で行くんならお前を背負って海を走ったほうが楽だしな」

【現在 海の上】ドン!

22: 2013/08/05(月) 21:02:26 ID:jvcDveF.

コビー「俺さん…ぼく夢があるんです」

俺「そうか。聞かせてくれ」

コビー「海軍将校になって海賊から市民を守りたいんです」

俺「いい夢じゃないか」

コビー「けど、無理ですよね。海賊に脅されて下っ端をやってた奴なんて」

俺「なれるさ!」ドン!

23: 2013/08/05(月) 21:05:53 ID:jvcDveF.

俺「お前ならできる。俺が保証するよ」

コビー「えっ…えへへ、お世辞でも俺さんにそう言ってもらえると心強いです」

俺「お世辞なんかじやない。誰にだって夢は叶えられる」

俺「コビーが信じていればどんな無理な夢だって実現できるんだ」

俺「人の夢は終われねえ!!」ドン!

24: 2013/08/05(月) 21:07:45 ID:jvcDveF.

コビー「―――!!!」

ポロポロ

コビー「はい…!はい…!!」

俺「海軍のいる島まで送ってやる。そこでお別れだ」

コビー「そう、ですよね。俺さんも海賊なんですもんね」

俺「ああ!だからいつか、俺をつかまえに来い」ドン!

26: 2013/08/05(月) 21:13:03 ID:jvcDveF.

コビー「はい!必ず俺さんを捕まえて見せます!!」

俺「そうだ!その意気だ!だが…次に会った時の俺はもっと強いぞ」

コビー「それでも必ず!男同士の約束です!!」

俺「ふっ、また厄介な約束ができちまったな」

コビー「ところで俺さん。海賊団の名前は決まってるんですか?」

俺「ああ?…そういえば特に考えてなかったな」

コビー「あっ、ぼく良い名前を思いつきましたよ!」

俺「奇遇だな。俺もすぐに思いついた」

コビー「じゃあ、一緒に言ってみませんか?」

俺「いいだろう。変な名前だったら承知せんぞ?」

コビー「そんなことないですよ。じゃあ行きますよ」

「「せーの」」


俺・コビー 『 俺 海 賊 団 ! ! 』 ドドン!!


.

27: 2013/08/05(月) 21:14:25 ID:jvcDveF.

数日後、俺海賊団の俺という名の海賊が名を上げる


END

引用: 俺「腕は大丈夫か、シャンクス?」