107: 2015/01/29(木) 21:36:55.63 ID:E2bM7EKt0


最初:【艦これ】提督「この平和な鎮守府の日常」
前回:

【矛盾】

電「あっ、司令官さん、おはようございます!」

提督「ああ、おはよう」

提督(電…暁型駆逐艦四姉妹の末っ子…。『なのです』口調と『はわわわ』と言う優しい声で数多くの口リコ…おっと、

   子供好きな提督が堕ちたと聞く…)

提督(それはさておき、この子はとても健気な子で、吹雪と同じくらい平和を何よりも望んでいる…)

電『沈んだ敵も、できれば助けてあげたいのです…』

電『なるべくなら…戦いたくないですね…』

提督(といった感じで、敵も助けたいと思っている優しい子だ。実に健気だ)

提督(だが…)


 ―戦闘中―

電「命中させちゃいます!」ドォン

駆逐イ級「グエアアアアアア…」111damage(Critical Hit!!)


電「魚雷装填です!」バゴォ

戦艦タ級「ヒエエエエエエエエ…」80damage(Critical Hit!!)


電「なのです!」ズドォン

空母ヲ級「グオオオオオオオ…」65damage(Critical Hit!!)


提督(言っている事とやっている事が矛盾している…。特に最後のセリフなんて、『なのDEATH!!』と言っているようにしか聞こえない…)

電「?」キョトン


【END】
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
108: 2015/01/29(木) 21:50:45.51 ID:E2bM7EKt0
【わるさめ】>>2レス以上続きます

 ―『第二次渾作戦』南西海域方面・Gエリア―

長門「提督に報告!警戒部隊撃破!第一艦隊損傷、依然無し!これより、海域中枢部へと突入する!許可を」

提督『おお、すごいじゃないか!そこまでダメージ無しなんて!』

夕立「褒めるのは後にしていいっぽい!」

提督『よし、海域中枢部への突入を許可する!くれぐれも、慢心しないように。もし重度の損傷を負った場合は、

   後の事を考えずに帰ってこい!無理な攻撃、夜戦は控えるようにな!』

隼鷹「提督ぅ~、もしボスを撃破できたら祝賀会しようぜ~!」

提督『…わかったよ!ただし、撃破できたらな!』

隼鷹「ひゃっはー!やる気湧いてきたぁ!!」

夕立「やったね!春雨ちゃん、パーティ楽しみだね!」

春雨「う、うん…」

春雨(…なんだろ、この気持ち…。何か、やな予感がする…)

長門「よし!じゃ、帰還後のご褒美もできた事だし、頑張ってボスを撃破して鎮守府に帰るぞ!」

皆「おー!」


 ―『第二次渾作戦』南西海域方面・中枢部―

長門「これより、中枢部に侵入する。全員、気を引き締めろ。…特に隼鷹はな」

隼鷹「分かってるってぇ~」

夕立「静かにしなきゃ…」

春雨「…うん」

春雨(やっぱり、何かが…迫ってきているような…)

夕立「むっ!2時の方向に敵影っぽい!」

長門「全員、戦闘準備!」

ザバァ…


109: 2015/01/29(木) 21:59:59.46 ID:E2bM7EKt0
駆逐棲姫「ヤラセハ…シナイ…ヨ……ッ!」

夕立「…え?」

隼鷹「なあ…あいつって、春雨にすっごい似てない…?」

春雨「…あ…あ…」

夕立「…まさか、あれって元春雨ちゃん…?」

長門「何を躊躇っている!あれが誰に似ていようが元春雨だろうが、あれは深海棲艦!敵だ!ここで倒さなければ―」

駆逐棲姫「仕掛ケテ来ナイナラ、コチラカラ、ヤル…ッ!」

ズドォォォォォン

長門「ぐあっ!」小破

夕立「長門さん!」

隼鷹「あのビッグセブンの長門が…一撃で…?」

春雨「……攻撃、できませんよ…」

夕立「春雨ちゃん…」


 ―鎮守府・執務室―

提督「春雨そっくりの深海棲艦がボスだと?」

長門『ああ。そのせいで、皆攻撃を躊躇してしまっている。このままでは、奴にダメージを与える事ができない』

提督「…お前だけでも攻撃できないのか?」

長門『それが攻撃しようとしても、夕立が艤装の前に立ちはだかって、「どうしても、あの子は倒したくないっぽい…」

   と言ってどかないんだ』

提督「…今、その深海棲艦…駆逐棲姫はどうしてる?」

長門『こちらの様子を怪訝に思ったのか、距離を少し離している。だが、私の砲撃の射程内だ』

提督「一度、春雨と変わってくれ」

長門『分かった』ガチャ

110: 2015/01/29(木) 22:07:20.72 ID:E2bM7EKt0
春雨『変わりました…』

提督「春雨、その駆逐棲姫は本当にお前とそっくりなのか」

春雨『ええ…。髪の色と服の色が若干違うだけで、他は私と瓜二つです』

提督「そうか…。お前は、そいつを倒したくないんだよな』

春雨『…はい。何だか、私自身を頃すような感じがしてならないんです』

提督「だから…他の皆にも攻撃して欲しくない、と」

春雨『……』

提督「…夕立、聞いているか?」

夕立『聞いているっぽい!』ガチャ

提督「お前も、その駆逐棲姫を倒したくはないんだな?」

夕立『…うん。何か、あの子に春雨ちゃんの面影を見ちゃって、それで、倒したくないって思っちゃったんだ』

提督「…隼鷹と長門も聞いたな?」

隼鷹『もちろん。まあ、アタシも夕立と同意見かな』ガチャ

長門『…実を言うと、私もアイツを攻撃するのは少し気が引けていたんだ』ガチャ

提督「つまり…第一艦隊のお前達は、その駆逐棲姫を倒したくないと言う事でいいんだな?」

皆『はい』

提督「そうか…。……これより、お前達第一艦隊に新たな任務を言い渡す』

長門『何だ?』

長門(まさか、私達に撤退するように命じる気か?)

111: 2015/01/29(木) 22:14:32.61 ID:E2bM7EKt0



提督「…どんな手段を使ってでも駆逐棲姫を確保しろ!そして、第参鎮守府へ連れて来い!」



皆『ええええええええええええええええええええええええええええ!?』

長門『提督貴様正気か!?』

提督「倒したくないなら仲間になってもらう!それが、俺の結論だ!」

隼鷹『すげぇ自分勝手な結論だなオイ!』

夕立『でもでも、提督さんらしいっぽい!』

提督「春雨、お前の意見も聞く。お前は、自分そっくりな駆逐棲姫が俺達の鎮守府で暮らすのが嫌か?嫌だったら、

   さっきの命令は撤回する」

春雨『…私は、あの子を助けてあげたいです…』

提督「…?」

春雨『なんだか、さっきと同じような言葉ですけど…あの子は赤の他人と思えなくって、だから、見捨てたくないんです』

隼鷹『そうだねぇ…。何か、このままあの子を沈めるって言うのもスッキリしないような感じで…』

提督「…なら決まりだ!その春雨のそっくりさんをウチの鎮守府で保護するぞ!」

長門『了解!』

ブツッ

提督「…さて…また賑やかになるな…。まずは、上層部を説得しなくちゃね…」

112: 2015/01/29(木) 22:20:50.98 ID:E2bM7EKt0
―『第二次渾作戦』南西海域方面・中枢部―

長門「ビッグセブン・チョップ!」ビシッ

駆逐棲姫「ハウッ!」ガグッ

長門「よし、駆逐棲姫の無力化に成功!これより、コイツを第参鎮守府へと曳航するぞ!」

皆「りょ、了解!」

隼鷹(…チョップ1つで、戦艦並みの装甲の駆逐棲姫を気絶させるって…やっぱりビッグセブンだな…)


駆逐ハ級後期「エ…?チョット…」

軽巡ト級「私達ハ…?」

駆逐イ級後期「無視デスカー?」

長門「だまらっしゃい!」ズドォ!!

隼鷹「ちょっと黙って沈んでいやがれ!」バルルルルル

夕立「勝手に素敵なパーティしてて!」ドォン

春雨「さよーならー!」バゴォ

ハ級後期「ホゲエエエエエエエ!?」轟沈

ト級「何コノ…」轟沈

イ級後期「…ゾンザイナ倒サレ方ハ…」轟沈

 駆逐棲姫のお供達はこの世の理不尽さを悔やみながら沈んで行きました。ちなみに第一艦隊の勝利判定はBでした。


【続く】

118: 2015/01/30(金) 21:29:28.50 ID:3rxi7eyE0
【わるさめ・続】

 ―鎮守府・医務室―

駆逐棲姫「……」パチッ

駆逐棲姫「…ベッド…?ココハ…?」

提督「お、気が付いたな」

駆逐棲姫「…オ前ハ…、提督…海軍ノ人間…我々ノ敵…ッ!」グイッ

駆逐棲姫「…腕ガ…動カナイ…?」

提督「悪いが、手錠でベッドの柵と繋がせてもらった。一筋縄じゃいかないようだからな」

駆逐棲姫「…ココハドコダ?海軍ノ本部カ?」

提督「いや、俺の鎮守府の医務室だ」

駆逐棲姫「…ナンデ、私ヲ沈メズニ捕マエタ?」

提督「…俺の仲間の要望だ」

駆逐棲姫「…?」

提督「…お前が気絶する前にお前と戦っていた艦隊の奴らが、駆逐棲姫がウチの鎮守府の春雨って子に似ているから、

   攻撃するのに気が引けて倒せない、と言ったんだよ。だから、俺はあいつらの意を汲んで、お前を攻撃せず、

   捕まえる事にした」

駆逐棲姫「…ツマリ、オ前ニハ私ヲ捕マエル理由ガ無イト?」

提督「そう言われると、少し違う」

駆逐棲姫「…何?」

119: 2015/01/30(金) 21:37:04.58 ID:3rxi7eyE0
※言い忘れてましたが、2レス以上続きます


提督「俺は、お前が春雨に似ているって報告を受けた時に、少し疑問を抱いたんだ」

駆逐棲姫「……」

提督「…基本的に深海棲艦に、俺達提督が指揮する艦娘と似ている奴や、瓜二つな奴もいない。そう言う話だ。だから、

   お前みたいに、艦娘に似ている深海棲艦って言うのは初めてなんだよ」

駆逐棲姫「…私ミタイナ特異ナ奴ニ興味ヲ持ッタトデモ?」

提督「そうでもあるし、まだ理由がある」

駆逐棲姫「…回リクドイ。早ク結論ヲ言エ」

提督「長門達の言った通り、お前は春雨にそっくりだ。髪と服の色が若干違うぐらいで、他は全くと言っていいほど同じだ。

   そこで俺は、ある一つの疑問を抱いたんだ」

駆逐棲姫「?」



提督「…お前は、過去に沈んだ艦娘の春雨じゃないのか?」




120: 2015/01/30(金) 21:51:03.21 ID:3rxi7eyE0
駆逐棲姫「!?」

提督「もちろん、それが本当の事なのかはわからない。俺の勝手な想像だとも考えられる。だが、俺の考えは1つの推測だ。

   でも、考えられない事もない」

駆逐棲姫「……仮ニ私ガ元・艦娘ノ春雨ダトシテ、ソノ春雨ヲ沈メタノハオ前カ?」

提督「それは違う。俺は着任してから誰一人として沈めたことは無い。書類にもそう書かれている。証人もいる」

駆逐棲姫「…ソウカ…」

提督「…もし、お前が元春雨だとしたら、なんで春雨に近い容姿になってしまったんだ?元春雨じゃなかったなら、

   お前が春雨に似ているのは偶然ってことになるけど…」

駆逐棲姫「……」

提督「……」

駆逐棲姫「…多分、私ハ元々、艦娘ノ春雨ダッタンダロウナ…」

提督「…やっぱりか」

駆逐棲姫「…何デ、私が春雨ニ近イ容姿ニナッテシマッタノカハ…ワカル気ガスル。コレハ予測ナノダガ…」

提督「…予測でもいい。聞かせてくれ」

駆逐棲姫「…アア」

121: 2015/01/30(金) 22:10:38.84 ID:3rxi7eyE0
駆逐棲姫「…恐ラク、艦娘ダッタ頃ノ私ハ、鎮守府ノ仲間達ト仲良クヤッテイタンダロウナ…」

提督(やっぱりか…。俺のところの春雨も、皆と仲良くやっている…。あの性格からか、皆付き合いやすいんだろうな…)

駆逐棲姫「ダケド、私ハ難シイ海域ヘノ出撃デ沈ンデシマッタノダロウ…」

提督「……」

駆逐棲姫「私ハ沈ムノガ嫌ダッタ…。ソシテ、鎮守府ノ皆ト離レタクナカッタ…。ソンナ気持チガ、私ノ姿ヲコンナ風ニ、

     春雨ニ近シイモノニシテシマッタンダロウナ…」グスッ

提督「…お前は推測のように言っているけど、もしかしてそれって、本当にお前が体験した事なんじゃないのか?」

駆逐棲姫「…ソウカモシレナイ。私ハ、本当ニ春雨ダッタノカモシレナイナ…」

提督「そうか…」

駆逐棲姫「…戻リタイ…」グスッ

提督「……?」

駆逐棲姫「…皆ノイル鎮守府ニ戻リタイヨ…」グスッ

提督「……」

駆逐棲姫「…ダケド、コンナ、深海棲艦ノ姿ニナッテシマッタ私ヲ誰モ受ケ入レテハクレナイダロウ…」グスッ

提督「……あのさ」

駆逐棲姫「…何ダ…?」

122: 2015/01/30(金) 22:18:13.76 ID:3rxi7eyE0
提督「…もしよかったら、ウチの鎮守府で俺達と一緒に暮らさないか?」

駆逐棲姫「…何?」

提督「いや、お前が元居た鎮守府と同じような環境とは言えないけど、この鎮守府は平和だし、ここの皆は優しいし、明るい。

   だから、お前の事を拒絶する奴なんていないと思う。お前が良いって言うなら、俺達はお前を快く受け入れるよ」

駆逐棲姫「…何故、コンナ私ニ優シクスルンダ?」

提督「…これについては、深い理由なんてない」

駆逐棲姫「?」

提督「ただ、お前を助けてあげたい。また皆がいる鎮守府に戻りたい、そんなお前の願いを叶えてやりたいだけだ」

駆逐棲姫「…ッ!」ドキッ

提督「まあ、お前が元居た鎮守府の事なんて分からないから、ただいつも通り平和に―」

駆逐棲姫「……」ギュッ

提督「お?」

駆逐棲姫「…アリガトウ…。コンナ私ノチッポケナ願イヲ叶エテクレルナンテ」

提督「…礼を言われるほどの事でもないよ」


【続く】

126: 2015/01/31(土) 18:32:49.95 ID:bMRMEUnl0
【わるさめ着任】

 ―翌朝:鎮守府・講堂―

提督「―と言うわけだ」

駆逐棲姫「…ヨロシク」

『そんな事が…』

『本当に…春雨だったの…?』

『奇妙なものだな』

提督「…コイツは、俺達と同じようにまた皆と一緒に暮らしていきたいんだ。俺は、そんなコイツに新しい居場所を作ってやりたい。

   だから―」

加賀「…提督」

提督「加賀…」

加賀「…この駆逐棲姫さんが、普通の人間、艦娘と同じように居場所を求めているのならば、私達は喜んで助けますよ」

提督「………」

加賀「これは、私だけの意見ではありません。他の皆さんも同じようですよ?」

提督「皆…」

皆「…」コクッ

提督「…よし、駆逐棲姫。これでお前も、俺達の仲間だ。俺達と一緒に、楽しくやっていこう!」

駆逐棲姫「…ウン!」

提督「でも…駆逐棲姫って名前はなんかなぁ…」

夕立「それならさ、悪そうな春雨ちゃんて事で―」


                 "わるさめちゃん"ていうのはどう?


【わるさめ着任】

127: 2015/01/31(土) 18:46:21.98 ID:bMRMEUnl0
【餌付け】

 ―執務室―

瑞鶴「提督助けてよぉ!」バァン

提督「何だ唐突に」

瑞鶴「あの最近来た秋月って子、ここ最近毎日空母寮の前に姿を見せてくるのよ!」

提督「それが何―あ」

瑞鶴「そうよ!あの子は駆逐艦でも対空特化型、アンチ艦載機、つまり空母の敵よ!そんな子が空母寮の前苛めか何か!?」

提督「そう言うわけじゃないと思うんだが…」

瑞鶴「あの子が来る度に赤城さんは艦載機の妖精を我が子のように抱いているし、加賀さんは体育座りでビクビク震えているし、

   飛龍さんは『多聞丸多聞丸多聞丸』って何度も呟くし!とにかく怖いのよ!」

提督「あのクールな加賀がそこまでになるとは…」

瑞鶴「とにかく!あの子を今後空母寮の近くに行かないようにして!」

提督「何で俺が…」

瑞鶴「ここで一番偉い人でしょ!?」

提督「…まあ、一応やってみるけど…」

提督(頭ごなしに行くなって言っても多分聞かないだろうし…ここは…)


 ―数日後・空母寮前―

秋月「……」キョロキョロ

提督(やっぱりあいつ、空母寮の前をうろついてやがる…。ここはコイツで…)ガサッ

提督「おーい、秋月ー!」

秋月「あら司令、どうしたんですか?」

提督「新しい対空装備を開発したから、試してみないか?」つ12㎝30連装噴進砲のカード

秋月「!喜んで、させてもらいます!さ、早く試験場へ行きましょう!」パァ

提督(チョロい)


【END】

133: 2015/01/31(土) 21:46:48.72 ID:bMRMEUnl0
【ツンデレ】

 ―駆逐艦寮・叢雲&磯波の部屋―

ピピピピ

磯波(37度5分…完全な風邪ですね…)ゴホゴホ

磯波(叢雲ちゃんは…私が風邪っぽいって言ったらどこかへ行ってしまったし…。風邪が移るのが怖かったのかも…)ケホッ

磯波(当然と言えば当然かもしれないけど…少し寂しいかな…)

磯波「…うっ」グスッ

磯波(…分かってても、悲しいな…)グスッ

ガチャ

叢雲「磯波、大丈夫?」

磯波「…叢雲ちゃん?」ゴシゴシ

叢雲「どうしたの?どこか痛いの?」

磯波「ううん…咳がひどくって、涙が出ちゃっただけ…」

叢雲「…そ。あ、司令官から風邪薬を貰ってきたわよ。市販のヤツだけど。それと、間宮さんからリンゴを貰ってきたわ。

   食べられる?」

磯波「…食べれるけど…。…もしかして叢雲ちゃん、今まで私の為に…?」

叢雲「あ…か、勘違いしないでよね!私に風邪を移されるのが嫌だっただけで、別に磯波の心配なんてしていないんだからね!」

磯波(うわあ露骨なツンデレ発言…)

叢雲「そ、それと、駆逐艦の皆が磯波が風邪ひいたって聞いたら、皆がお見舞いの手紙を書いてくれたわ。読んでみる?」ドサッ

磯波「こんなに沢山…」

磯波(あ…叢雲ちゃんの字の手紙がある…)

叢雲「……」リンゴカワムキ

磯波(叢雲ちゃんは、普段はクールな一匹狼的な感じだけど、本当は心優しいんだよね…)

磯波(…ありがとう)


【END】

134: 2015/01/31(土) 22:10:22.43 ID:bMRMEUnl0
【正反対】

 ―執務室―

提督「…大型建造で8時間だと?」

明石「はい。建造時間8時間は、大和型の大和または武蔵が建造されます」

提督「そうか…。ウチの鎮守府には大和はいるけど武蔵がまだいないな。武蔵が来てくれたら、嬉しいけどね」

明石「そればっかりはわかりませんからね…」

提督「ま、建造が終わったら連れてきてくれ」

明石「分かりました」


 ―8時間後・工廠―

明石「お、建造が終わりましたねー?」

??「…私は…?」

明石「おおおおお…お?」

??「む?どうした?」

明石(…え?この人が、大和型…?あの大和さんの妹…?)


 ―執務室―

提督「楽しみだなあ。大和の妹、武蔵」

大和「そうですね。私も会うのが楽しみです」

提督「明石から、武蔵さんでしたって報告を聞いた時は嬉しさで飛び跳ねたからなあ」

コンコン

明石「失礼しまーす。武蔵さんを連れてきました~」ガチャ

提督&大和「おお!」

武蔵「随分待たせたようだな……。大和型戦艦二番艦、武蔵。参る!」ヌッ

提督&大和「」

提督(大和が艶やかな黒髪柔らかそうな白い肌に対し、コイツは一応手入れされているっぽい銀髪に浅黒い肌…。銀縁の眼鏡…)

大和(私の着ている服とは全然違い胸にサラシが巻いてあるだけ…というか首から垂れているのは私と同じ服の切れ端…?)

提督(そんで、おしとやかな大和とは違って勝気な口調…)

提督&大和(こんな奴が本当に大和/私の妹!?)

武蔵「明石とやら。この鎮守府は面白そうな所だな」

明石「そうですよ~。この鎮守府は、提督さんも他の皆さんも面白いですからねぇ~」

明石(それより面白いのは同じ大和型の大和さんと武蔵さんのギャップですけどね)


【武蔵「うおっ!深海棲艦がいる!」わるさめ「ア、ドウモ」】

135: 2015/01/31(土) 22:23:26.07 ID:bMRMEUnl0
【1人っ子】>>2レス続きます

 ―夜・提督の私室―

提督「……(読書中)」ペラッペラッ

コンコン

提督「…ん?誰だ、こんな遅くに」

ガチャ

島風「…やっほ。提督」

提督「どうした島風。枕なんて抱えて」

島風「…今夜だけ、一緒に寝てくれない?」

提督「…何かあったのか」

島風「ちょっとね」

パタン

提督「?」

島風「…寂しくなっちゃって」ベッドニスワル

提督「…」

島風「私ってさ、姉妹艦がいないじゃない…?だから、毎晩寝る時に1人で…寂しくてね…。もう、我慢できなくなって。

   それで、提督のとこへ行こうって思ってね…」

提督「…そうか」

136: 2015/01/31(土) 22:45:20.88 ID:bMRMEUnl0
島風「だからね…その」

提督「…分かった」

島風「?」

提督「ほら、隣に来い」ポンポン

島風「…ありがと」ポスッ

 島風はそう言うと、ベッドの上の提督の横に寝転がる。

提督「電気消すぞー」カチッ

島風「ん…」

提督「…島風」

島風「…何?」

提督「…さっき、お前は"今夜だけ"って言ってたけど、これからも、寂しくなったらいつでも来ていいからな」

島風「…ホント?」

提督「…俺も1人っ子で、正直兄弟が欲しかった。だから、誰かと同じ部屋で寝るって事が無くて寂しかったんだ」

島風「…ふーん」

提督「…だから、島風は俺の妹みたいな感じかな?」

島風「…つまり、提督は私のお兄ちゃん、って事?」

提督「ま、そう言う事になるね」

島風「…そっか。でも、提督がお兄ちゃんって言うのも面白そうだなぁ…」

提督「そりゃどうも」

島風「…それに…私は…提督の事を…」

提督「…島風?」

島風「………」スースー

提督「…寝たか」

 提督は島風が寝たのを確認すると、自分も瞼を閉じて眠りに就こうとする。そこで提督は、島風が自分の手を握っているのが分かった。

さらに、なぜ島風が他の駆逐艦娘の1人部屋に行かずに自分の部屋に来たのかを起きたら聞いてみようと考えながら眠ったが、

朝起きた時に提督はその疑問を忘れてしまっていた。


【END】

137: 2015/01/31(土) 22:57:06.41 ID:bMRMEUnl0
【1日1人、キャラ紹介】

≪駆逐棲姫/わるさめ≫

元・深海棲艦上層部の1人。春雨に酷似した容姿をしている。第二次渾作戦において、第参鎮守府の敵として出現したが鹵獲され、

第参鎮守府の提督から『駆逐棲姫は元々艦娘の春雨だったのかもしれない』と言われ、自分が駆逐棲姫になる前の記憶を思い出す。

そして、また皆と一緒に暮らしたいという自分の願いを提督が聞き入れて、第参鎮守府に所属する事になる。"わるさめ"という名前の由来は、

夕立曰く『悪そうな春雨ちゃん、略してわるさめ』。何だかんだで第参鎮守府に溶け込む事ができた。

好きな言葉は『光陰矢の如し』。

143: 2015/02/01(日) 18:37:27.15 ID:VqYB9C420
【シスコンゆえに】

 ―沖ノ島海域―

ズドォォォン!!

扶桑「きゃぁぁぁ!?」

山城「姉さま!?大丈夫ですか!」

扶桑「大丈夫…ちょっとした損傷よ。私の事は構わないで…!」HP80→76

長門「おい山城!どこを見ている!敵は正面だ!」

ヲ級elite「…沈メッ!」

バルルルルルルルルル

陸奥「すごい数の艦載機…!何とか落せるだけ落とす!」ガガガガガガ

ドンドォンドゴォ

長門「チィッ…!完全には落とせないか…!扶桑、山城!そっちに行ったぞ!」

扶桑「ああ…避けきれません…」

山城「ク…ッ!」

バッ

扶桑「山城!?何を―」

山城「姉さまを狙うなら…私を狙えええええ!!」

ズドォン

山城「イヤァァッ!」大破


 ―執務室―

提督「で、旗艦の山城が大破したから強制的に妖精さんによって帰された、と」

山城「…はい」セイザ

扶桑「あのね山城…」ガチャ

山城「姉さま!?」

扶桑「…少し、迷惑よ」

山城「」グサッ


【END】

144: 2015/02/01(日) 18:53:23.89 ID:VqYB9C420
【デュエリスト】

 ―執務室―

<ブレイブ・クロー・レボリューション!!

提督「へえ…こういう戦略だったのか…」

コンコン

夕張「提督、前回の遠征の報告書の提出に来たわ」ガチャ

提督「おう、ありがと」

夕張「さっきまでPCで何してたの?」

提督「アニメ見てた」

夕張「…執務時間中に堂々とサボり…」

提督「失礼だな。ちゃんと仕上げるべき書類は片付けたぞ」

夕張「…で、何のアニメ見てたの」

提督「某TCGアニメ。しかも、俺は今もあれやってるぞ」

夕張「…提督って、20歳過ぎだったわよね?その歳でまだやってるなんて…」

提督「いやあ、これはいくつになっても止められないよ。アニメも面白いしね。なんかこう、子供心をくすぐる感じ?」

夕張「ふーん…私にはわからないわねー」

提督「…と言いつつ、俺はお前が非番の日にカードショップに行くのを知っているぞ」

夕張「んなっ!?」

提督「しかも、お目当ての物は、俺が今やっているのと同じものだとか。夕張もやっているって意外なようなそうでもないような」

夕張「ど、どこでそれを!?」

提督「青葉から聞いた」

夕張「あのパパラッチめ…」

提督「それはともかく、俺海軍に入って以来戦った事ないんだよね。できれば、お前と戦ってみたいなーなんて」

夕張「…面白そうね。いいわよ、また時間があれば、ね」ニヤッ

提督「決まりだな」ニヤッ


【続くかもしれない】

※提督と夕張のデュエルが見たい人はどうぞお気軽にリクエストして下さい

147: 2015/02/01(日) 19:15:06.57 ID:VqYB9C420
【一人称】

 ―執務室―

Z1(以下レーベ)「僕の名前はレーベレヒト・マース。レーベでいいよ、うん」

提督「ほぉ…君がドイツの艦娘か…」

レーベ「珍しいかい?」

提督「ああ…。ウチの鎮守府に海外の子が来たのは初めてだし、それに…」ジッ

レーベ「?」

提督「…君、本当に女の子?」

レーベ「な、挨拶から1分も経ってないのに随分失礼だね!?」

提督「だって、一人称が"僕"だし、髪短いし、胸無いし、顔立ちが男の子っぽいし…」

レーベ「僕は女の子だよ!しかも、何か失礼な単語が混ざっていたし!」

提督「でもなぁ…君みたいな子は初めてな感じがするし…」

コンコン

最上「失礼するよ、提督。今日の開発の報告をまとめたよ。目を通しておいてね」ガチャ

提督「ああ、ご苦労さん」

レーベ「あ、Guten Tag」

最上「…君がもしかして、ドイツから来た子?」

レーベ「うん。レーベレヒト・マース。レーベって呼んでね?」

最上「ボクは航空巡洋艦・最上!よろしくね、レーベ!」

レーベ「…何か僕、あなたとは仲良くやっていけそうな気がするよ」

最上「…奇遇だねっ!ボクも、君とは馬が合いそうだよ!」

レーベ&最上「よろしくっ!」ガシッ

提督(ボクっ子…アリだな!)


 その後レーベは、時雨、皐月、利根、初春と友達になる事ができました。

レーベ「自分の事を"吾輩"とか"わらわ"って呼ぶのなんて初めて聞いたよ!流石Japan(ヤーパン)だね!」

利根&初春「そ、そうかの///」


【天龍&木曾「何で俺とは仲良くなれないんだ!?」 提督「俺っ子とボクっ子は何か違うんだよなあ」】

151: 2015/02/01(日) 22:06:31.82 ID:VqYB9C420
【酒癖】>>2レス続きます

 ―特別海域攻略記念祝勝会―

提督「えー、では!渾作戦、完全遂行おめでとう!乾杯!」

皆「かんぱーい!!」

ワイワイガヤガヤ

妙高「提督、渾作戦遂行、おめでとうございます」ペコッ

提督「ああ、妙高。それに那智、足柄、羽黒もか。ありがとう」

那智「しかし、この作戦を完了する事が出来たのも、全て貴様の作戦のおかげだな」

提督「いや、俺はただ作戦を立てただけだ。一番頑張ったのはお前達の方だよ。お礼を言いたいのはこっちの方さ」

足柄「あら、提督ったら言うようになったじゃない。私が着任した時とは大違いね」

提督「そこまで俺はひよっこだったかね?」

羽黒「あ、あの…その…司令官さんは、全然ひよっこなんかじゃないです…ご、ごめんなさい!偉そうな口利いてしまって!」

提督「いやいや、そんな弱気になるなよ…」

足柄「それで、後でまた私達四姉妹で二次会をやろうと思うんですけど」

提督「二次会?」

那智「ああ、ここでは駆逐艦の子達がいる手前、好きに酒を飲むわけにはいかないんだ」

妙高「ですが、このような祝い事の時に酒が飲めないというのは少しもどかしいと言いますか…」

羽黒「あの、それでですね…私達だけでお酒を飲もうかなって…事で」

提督「へーそうなのか」

妙高「ですから、提督もご一緒しませんか?」

提督「お、いいのか?俺なんかが」

那智「もちろんだ。貴様と飲む酒はまた一段と美味いからな」

提督「じゃ、ご一緒させてもらおうかな?」

足柄「分かったわ!じゃあ、また後でね!」

羽黒「で、では!失礼しますっ!」

提督(そう言えば、妙高や羽黒と飲んだ事は無かったな…。那智と足柄みたいに酒癖が悪いのかな…?)

提督(少し楽しみだな)

152: 2015/02/01(日) 22:24:07.56 ID:VqYB9C420
 ―居酒屋・鳳翔―

提督(―と思っていたのだが、ホントに酒癖が悪すぎる)

那智「どうした提督!猪口に酒が入っていないじゃないか!しょうがない、私が注いでやる!はっはっは!」トクトク

提督「あ、ああ。ありがとう」

提督(まず那智。こいつはいつもと同じように少し気が大きくなるだけで、特に変りがないように見えるが、実は内面は、

   完全な酔っ払いだろう。だが、いつも通りだ)

足柄「う…うぇええ…何で…世の男はどいつもこいつも…私の事を見てくれないのよぉ~…」シクシク

提督「あーあーそうだなー。皆見る目がないよなー(一応本心)」

提督(次に足柄。酒が入るとコイツは大抵の割合で愚痴って泣き出す。これもいつも通り、よく見るものだ)

提督(問題なのは、後の二人だ…)

羽黒「もう!なンなンですかァ!皆私の事を臆病者だの小動物だのと呼んでェ!私だってェ!こンな感じに怒れるンですからァ!!」バンバン

提督「どうどう…落ち着け羽黒」

提督(まさかの羽黒は怒り上戸。普段から溜め込んでいる不満とか怒りが酒を飲んで気が大きくなってしまった事で解放されたんだろう…。

   今度から、ちょくちょく話を聞いてやろうかな…?)

提督(だが…最大の問題は…)

妙高「うふふ…提督ぅ~…」スリスリ

提督「あの、妙高…?少しくっつき過ぎなんじゃ…」

妙高「そうですかぁ~?でも私はぁ、提督の温もりを感じる事ができて気持ちいいんですよ~」スリスリ

提督「そ、そうか…っつーか、色々当たっているんだが…」

妙高「当ててるんですよ~」グイグイ

提督(なんと妙高は酒が入ると色っぽくなる。いつもは真面目だったはずなのに、ここまで乱れてしまうとは…変わりすぎだろう…。

   っつーか、妙高一番飲んでいる量が少ないのに…もしかして酒に弱いのか?)

妙高「何だか…暑くなってしまいました~…」シュル

提督「ぶっ!?なんで服を脱ぐ!?」

妙高「だって、暑いじゃないですかぁ~」プチプチ

提督「だからって服を脱ぐ事は無いだろう!早く着なさい!というかどこ触っている!」

妙高「そんな事より提督ぅ~、私とイイコトしませんか~?」パサッ

提督「このタイミングで!?とにかく誰か助けて!おい、そこの酔っ払い三人組!」

那智「何だって?聞いていなかった!いやあ、すまないなあ!」ハッハッハ

足柄「ふええええ…誰か、私を嫁に貰ってぇ…」グスッ

羽黒「なンですかァ!?人が気持ちよく酒飲ンでるって言うのにィ!それを邪魔するんですかァ!」ガンガン

提督「クソッ!もう妙高型はあてにならん!鳳翔さん!ヘルプミー!」

鳳翔「お任せくださーい」


【妙高「この後滅茶苦茶夜戦―」 提督「しねーよ!」 川内「夜戦と聞いて!」】

153: 2015/02/01(日) 22:32:47.53 ID:VqYB9C420
【1日1人、キャラ紹介】

≪妙高≫

妙高型重巡洋艦一番艦(ネームシップ)。温和で真面目な性格で、重巡洋艦娘の中では一番提督の秘書艦としての業務を、

そつなくこなす。普段はニコニコ笑っているが怒らせると怖い。酒にはとても弱く少し飲んだだけで出来上がってしまう。

さらに飲む量が増えると、色っぽくなり脱ぎ癖が出る。提督に密かに思いを寄せているような仕草がたまに出るが…?

好きな言葉は『平穏無事』。

159: 2015/02/02(月) 22:04:23.61 ID:5hes38mX0
【航空戦艦だからこそ】

 ―執務室―

提督「…と言うわけで今回の作戦は、日向、君に旗艦となってもらう」

日向「私がか?」

提督「ああ。日向は砲の扱いが上手いという話を皆からよく聞く。だから、日向になら今回の作戦を任せられると思ってね」

日向「それはつまり、君が私の事を信じてくれていると言う事かな?」

提督「…まあ、そう言う事になるかな」

日向「…そうか。ならば、君の期待に応えられるように頑張るよ」

提督「…頑張ってくれ」

日向「では、航空戦艦の真の力をアイツらにお見舞いしてやるとするか」

提督「…あー…その事なんだけど…」

日向「?」

提督「今回の作戦では、瑞雲を積まないで零式水上偵察機を積んでほしいんだけど…」

日向「な…に…!?」

提督「いやあ…先の大規模作戦で赤城とか空母勢が酷い損傷を負ってね、ボーキサイトが大分減っちゃったんだ」

日向「」

提督「だから、ボーキの消費をなるべく節約するために、瑞雲は積まないでほしいんだ」

日向「…わかった」グスッ

 
 ―作戦中―

日向「ずいううううううううん!!!」ドドドドドドドド

ズドゴォン!!

夕張(何あれ…怖っ…)


【END】

160: 2015/02/02(月) 22:20:57.37 ID:5hes38mX0
【乙女なお艦】

 ―執務室―

コンコン

鳳翔「提督、失礼しま―」ガチャ

提督「……ZZZ」コタツムリ

鳳翔「…もう、提督ったら…。こたつで書類仕事をすると眠くなるってあれほど注意したのに…」

提督「……ZZZ」

鳳翔「……お隣、失礼しますよ…」コソコソ

提督「……ZZ…」

鳳翔「…こうして改めて間近に見てみると、可愛らしい顔立ちですね…」

提督「……………」

鳳翔「…私は、他の艦娘の方達とは少し年が離れているように見られがちですが、それでも私は皆さんと同じような感じですよ」

提督「……………」

鳳翔「…美味しいものが好きですし、噂話も少し興味があります…それで、おしゃれも好きです…。そして…」

提督「……………」

鳳翔「…貴方の事を、皆さんと同じくらい…いえ、皆さんよりもお慕いしているのですよ…。

提督「……………」

鳳翔「…私は、貴方に惹かれてしまったのです…。私は、貴方の事が…好きなんです…」

提督「……………」

鳳翔「…私も、少し眠くなってしまいました…。ここで眠らせてください…」

提督「……………」

鳳翔「…おやすみなさい」

チュッ

提督「……………」

鳳翔「……スゥ…スゥ…」



提督(…どうしよう…起きられない…///)

提督(と言うか、告白されたり頬っぺたにキスされたり…鳳翔さん乙女すぎるだろう!!///)

提督「……………」チラッ

鳳翔「……スゥ…スゥ…」

提督(…着物の間から鎖骨が若干見えている…すごく工口い…ちくしょう可愛いすぎるぞ!///)

鳳翔「……てい…とく…」

提督(…返事は、ちゃんとした告白を受けた時に返します)

提督(今は、おやすみなさい)


【END】

161: 2015/02/02(月) 22:33:11.81 ID:5hes38mX0
【憲兵さん2】>>2レス続きます

 ―執務室・作戦会議中―

提督「俺が思うにここの海域はかくかくしかじかこれこれうまうま何だよな」

わるさめ「ダガ、深海棲艦ダッタ私カラスレバ、ココハアアデコウデコーデアーデ」

明石「ですけど、皆さんの損傷具合を考慮するんでしたら、編成はうんたらかんたらうんたらかんたら」

バァン!!

??「失礼する!」

提督「誰だぁ?今は大事な会議中だからノックを―」

憲兵「また会ったな、口リコンよ」

提督「あ、あの時の、憲兵…だと…っ!?バカなっ!お前の記憶は消したはず…っ!」

憲兵「いや、あの日第参鎮守府から海軍本部に帰って自分の机に戻ったら、お前が口リコン疑惑に関する書類を見つけてな。

   それから全て思い出したのだ」

提督(やっぱ、MIBみたいに完全に記憶を消す事はできないのか…)

憲兵「それより聞いたぞ。貴様また幼女を手籠めにしたようだな」

提督「俺が何度もやっているような言い草はやめろ」

わるさめ「提督、コノ男ハ?」

提督「憲兵だ。ようは、海軍直属の警察みたいなものか…」

わるさめ「…ろりこんトイウノハ?」

提督「コイツが俺にかけているあらぬ容疑だ」

明石「えー、提督口リコンなんですか?」

提督「断じて違う」

憲兵「しかも、今回手籠めにした幼女は深海棲艦だという話じゃないか」

提督「…手籠めとか幼女とかいう話は置いといて、それがこの子だ」

わるさめ「……」ペコリ

提督「確かにこいつは元深海棲艦だが、海軍の許可は得ている。俺の友達を通してな」

162: 2015/02/02(月) 22:44:35.08 ID:5hes38mX0
憲兵「だが、幼女である事に変わりはない。結局、貴様は幼女にしか発情しない変Oだと言う事が分かったよ」

わるさめ「………」ピクッ

明石(何あの言い草…ひどいわね…)

提督「いや、だから俺は別に幼女が好きとかそう言うわけではなくてだな」

憲兵「だが、なぜこんな小さい奴にしたんだ?どうやらお前は海軍に、敵の情報を聞き出すため、と言ったらしいが、

   同じ深海棲艦なら他にもヲ級とか港湾棲姫とか大人っぽい奴もいるだろうが」

提督「それは…」

憲兵「それでもこいつを選んだのは、お前の下衆な趣味なんじゃないのか?」

わるさめ「………」ピキッ

明石(…おや?わるさめちゃんの様子が…?)

提督「違う!こいつを捕まえたのは…」

憲兵「ん?」

提督(だめだ…俺の艦隊の奴らが『わるさめが春雨に似ていて倒したくない』っていう理由だけで捕まえたなんて言えない…。

   それは、わるさめとの約束なんだ)


わるさめ『提督ノ艦隊ノ奴ラガ私ニ春雨ノ面影ヲ見テ、私ヲ倒サズニ捕マエタト言ウ話ハ伏セテオイテホシイ。

     ソンナ事ガバレレバ、コノ艦隊ノ皆モ、提督ニモ、世間カラノ批判ガ来ルダロウ。深海棲艦ニ同情シテ、

     人間達ノ海ノ平和ヲ軽ンジタ、ト。ダカラ、コノ事ハ内密ニシテクレ。私トオ前トノ約束ダゾ?』


憲兵「何だ?理由が言えないのか?ならば、よほど吐き気のするクソッたれな理由なんだろうな」

提督「それは絶対違う!」

憲兵「ならば、どんな理由なんだ?」

提督「…それは」

憲兵「そこでちゃんと理由が言えないというのが、お前が下衆な理由でこの子捕まえたという証拠。この子も可哀想だ。

   こんな男の捕虜にされるなんて」

明石「ちょっと!あなたいくらなんでも―」

163: 2015/02/02(月) 22:57:33.37 ID:5hes38mX0
>>3レスになってしまいました。すみません。

わるさめ「……」ツカツカ

提督「わるさめ…」

憲兵「…ああ、君は大変だったろうね。安心しろ、これからは君は我々憲兵と海軍が―」

わるさめ「私ノ提督ノ悪口ヲ言ウナァ!!」

スッ(わるさめが憲兵の両足の間に綺麗な右足が滑り入る音)

ヒュッ!(わるさめのほっそりとした足がそのまま勢いよく上に上がる音)

グキャ!!(わるさめの華奢な足の丸みを帯びた膝小僧が憲兵の股間にめり込む音)

提督&明石「!?」

憲兵「オゴオオオオオオオオオ…」

わるさめ「セイッ!!」ヒジテツ

ゴスッ!!(わるさめの白くキメ細かな肌で覆われた肘が憲兵の後頭部に直撃する音)

憲兵「ぎへっ」

提督「あ…」

憲兵「」チーン

わるさめ「成敗ッ!」

提督「…わるさめ…何て事を…」

わるさめ「…スマナイ…。ダガ、コイツガ提督ノ事ヲ悪ク言ッタラ、ナゼカコイツニ対シテドウシヨウモナイ怒リヲ覚エタンダ…」

明石「…それは、それだけ提督の事を信頼しているっていう事ですよ」

わるさめ「…信頼…?」

明石「信頼している提督の事を悪く言われたから、それに対して憤りを覚えたって事ですよ」

提督「…わるさめ、ありがとう。俺なんかの為に怒ってくれて」ニコッ

わるさめ「……///」コクッ

明石(さーって、このクソ憲兵はとっとと外へ放り出しときますか)


 ―数時間後、第参鎮守府・正門前―

憲兵「…あれ…?一体、何があったんだっけ…?」

 わるさめの攻撃は、記憶を失うほどの威力がある事が証明された。


【続くかも】

170: 2015/02/03(火) 21:40:15.53 ID:4qxy/3n+0
【改造空母】※地文・2レス以上続きます

 ある日の夜。第参鎮守府の敷地内にある≪居酒屋・鳳翔≫に2人の来客がやってきた。その2人のうち1人が、

店の扉を横に開いて入ってくる。

鳳翔「いらっしゃい―あら」

 店で働いている鳳翔は、入ってきた二人を見て、納得の表情を浮かべる。

提督「や、鳳翔さん。こんばんは」

隼鷹「こんばんは~、鳳翔さん、今夜も飲ませて~!」

 その2人は、鳳翔が想いを寄せている人物と、場の雰囲気を賑やかにしてくれる艦娘だったからだ。

鳳翔「こんばんは、お2人さん。今日はまた、何かおめでたい事でもあったのですか?」

提督「いやあ、今日1回目の改造をこいつに施しましてね。コイツが"アタシの改造祝いに2人だけで飲もうぜ~!"、

   って言ってきたから、それに付き合う事にしたんです」

 隼鷹は、何かめでたい事があると決まって祝賀会を開いて酒を飲もうとする。新しい艦娘が着任すれば祝賀会を開こうと言い、

新しい海域が解放されればまたパーティを開こうと提案し、特別作戦を完了すれば記念会を催そうと言い出す。その度に、

隼鷹は酒を持ち出して皆と喜びを分かち合うのだ。

隼鷹「今回は改二になったんじゃなくて1回目の改造が済んだだけだから、改造してくれたお礼に提督を誘おうと思ってね」

提督「…まあ、誰かが改二になったら皆でパーティを開こうかと思ってるんだがね」

 この鎮守府で改二記念パーティを開いたのは、夕立が改二になった時の事である。

隼鷹「おおっ!それはつまり私が改二になれば、またパーティ開いて酒が飲めるって事か!」

提督「…ま、そう言う事かな」

隼鷹「ひゃっはー!そう考えるとやる気出てきたー!明日から頑張るぞー!」

 そう言いながら隼鷹は腕を上に突き上げたが、すぐに腕を下ろして空いているカウンター席の椅子を『音も無く』引き、

そこに座る。

171: 2015/02/03(火) 21:51:17.04 ID:4qxy/3n+0
隼鷹「だけど、今日はアタシの最初の改造祝いに飲む事にするよ」

提督「まったく、しょうがない奴…」

 そう呆れた調子で言いながら、提督は隼鷹の横の椅子を引いて座る。

 2人が座ったのを確認すると、鳳翔は2人にお通しを差し出す。今日のお通しはしらすおろしだった。

隼鷹「おっ!美味そー!」

 隼鷹はしらすおろしを見ると、箸の入っている箱から割り箸を2つ取り出し、1つを提督に差し出す。

隼鷹「ほい提督」

提督「どもー」

 隼鷹は箸を渡した後、割り箸を『静かに』割り、しらすおろしを一口含み、『音を立てずに』咀嚼する。

隼鷹「ん、やっぱ鳳翔さんの作るのは何でも美味いねー!」

鳳翔「そう言ってもらえると、ありがたいです」

 提督は、これまでの隼鷹の所作を見て、静かに思った。

提督(隼鷹は、元々商船だったからか、音を立てないで椅子を引いたり、静かに割り箸を割ったり、音を立てずに食べる、

   っていったお嬢様っぽい感じがあるよな…)

 そんな事を考えている横で、隼鷹はさっさと酒を注文する。

隼鷹「黒ビール1つ!」

鳳翔「はい。分かりました」

隼鷹「提督はどうする?」

提督「あ、ああ。俺はコーラでいいよ」

隼鷹「何だー酒飲まないのかよー」

提督「俺は明日にも仕事があるから二日酔いとか勘弁だよ。それに、一杯飲んだら止められない可能性が高いからな」

隼鷹「そうなったら、アタシと一緒に朝まで飲み明かそうぜー」

提督「それはまたの機会にな。まあいいや、鳳翔さん、俺はコーラで」

鳳翔「分かりました」

172: 2015/02/03(火) 22:00:15.24 ID:4qxy/3n+0
 そして少しした後、提督の前にはコーラの入ったグラスが、隼鷹の前には黒ビールが入ったジョッキが置かれる。

2人は目の前に置かれたグラスとジョッキを持ち、構える。

隼鷹「そんじゃ―」

提督「隼鷹の改造を祝って―」

提督&隼鷹「かんぱーい!」

 そして2人は自分の飲み物をぐびっと心地良い音を立てて飲む。

隼鷹「いやぁ~美味いねぇ!提督もビールにすればよかったのに」

提督「悪いが俺は、コーラで満足しているんでね。お前みたいに飲兵衛にはなりたくないんだよ」

隼鷹「何を~!」

 そんな感じで言い合うと2人は声を上げて笑う。

 その後は、2人で他愛もない話をしながら飲み物を飲んだり、おつまみを食べる。

 そして、乾杯をしてから数時間後。

隼鷹「うにゅ~…もう飲めにゃーい…」

提督「まあ、こうなるか…」

 隼鷹はカウンターの上に突っ伏していた。

 結局隼鷹は最初の黒ビールの後にまた黒ビールを2杯飲み、さらに別の種類のビールを2杯飲んだのだ。

 こうやって大量の酒に溺れてだらしない体制をとっている姿からは、もう元商船特有のお嬢様っぽい感じもクソも無かった。

提督(最初の所作は綺麗だったのに…)

隼鷹「うにゃ~…」

提督「…鳳翔さん、勘定頼みます。俺のツケで」

鳳翔「あら、いいんですか?」

提督「いいんです。元々、俺が払う予定でしたし」

鳳翔「では後日請求しますので」

 提督は鳳翔の言葉に頷くと、未だに突っ伏している隼鷹を起こそうとする。

173: 2015/02/03(火) 22:18:04.39 ID:4qxy/3n+0
提督「ほら隼鷹、帰るぞ」

隼鷹「ヴあー…歩けない…提督おぶってー」

提督「まったく…しょうがねーなー…」

 隼鷹の言葉を聞くと、提督はよっこいしょと言いながら隼鷹を背中に背負い、店を出た。もう空には星空が広がっている。

 ≪居酒屋・鳳翔≫から鎮守府本館への帰り道、隼鷹は提督に言った。

隼鷹「提督ぅ~、また今度一緒に飲もうぜ~」

提督「今日あれだけ飲んでまだ飲み足りないのかよ」

隼鷹「そう言うなってぇ、今度は那智とか千歳とかも誘ってさ~」

 隼鷹が言葉を告げる度に、提督の耳には酒臭い隼鷹の息がかかる。

 夜の道を、女の子を背中に背負って歩いている。これで隼鷹の吐く息が酒の匂いなどせず甘い匂いでもすれば、

ドキドキするシチュエーションだったのだが、背中に背負っているのが酔っ払いだからそんな雰囲気は皆無だった。

提督「まったく、そんな酒ばっかり飲んで…姉の飛鷹を見習えよ。アイツみたいにもっと御淑やかにだな…」

隼鷹「飛鷹は飛鷹、アタシはアタシでいいじゃんかー。これがアタシ、隼鷹なんだぜー」

 提督は隼鷹のにべもない返事を聞いて、はぁ、と溜め息をついて半ば冗談気味に言う。


提督「お前ホントその口調とかガサツな感じとかよく酒飲むのとかやめた方がいいと思うぞ。お前シラフの時は可愛いんだし、

   スタイルだって良いんだし。まさに美女って感じなんだから」


隼鷹「…………」

提督「俺はお前の事が嫌いってわけじゃない。けど、所々がさつだし、口調が少し男勝りって感じだし、酒ばっか飲むし、

   そう言うのは女の子としてどうなのかなぁ―って」

隼鷹「…………」

 隼鷹が返事をしないのを不審に思って、提督が隼鷹の顔を見てみると、隼鷹は目を閉じていた。定期的に酒臭い息を、

スースーと立てている。

提督「…なんだ、寝ちまったか…。ホント、こうして静かにしていると可愛いんだけどな…」

 提督は急いで、飛鷹と隼鷹の部屋へと向かった。

 この時提督は、寝ている隼鷹の顔が赤かったのは、ただ酒のせいだろうとしか考えていなかった。


【続く】

177: 2015/02/04(水) 18:14:13.33 ID:UZTw9m0F0
【驚異の変身】※地文・2レス以上続きます

 翌朝6時30分。提督は執務室で今日の予定の確認をしていた。

提督「えーと、今日は9時30分から出撃、13時から第拾鎮守府と演習…」

 そう言葉に出しながら予定を反芻していると、提督はふと今週の秘書艦の欄を見た。

提督「そうか…今週の秘書艦は隼鷹か…」

 この鎮守府では、週毎に秘書艦を変えている。主な秘書艦となるは戦艦、空母、重巡洋艦、軽巡洋艦の艦娘だが、

出撃等のローテーションで秘書艦の任に就けない場合は極たまに駆逐艦の艦娘が就く事がある。

提督「…昨日飲みまくってたからなぁ…二日酔いとかで仕事に集中できないとか言わなければいいんだが…」

 提督が思い出すのは、昨日二人で飲んだ時の事。しこたまビールを飲んで酔いつぶれ、結局部屋まで提督が運んだのだ。

提督「…マジで仕事サボったら禁酒令を出してやる…」

 提督が小さな声で言うと同時、ドアがノックされる。

提督「どうぞー」

 提督はそう返す。こんな朝早くに来るのは隼鷹だろうと提督は考えていた。

提督(寝坊しなかったのは褒めてやるか)

 そう提督が思っていると、ドアがギィィ…と音を立てて開く。

 そこに立っていたのは―

178: 2015/02/04(水) 18:28:45.28 ID:UZTw9m0F0



隼鷹「提督。失礼致します」



提督「……………………え」

 提督は一瞬、自分が見ているものが信じられなかった。

 長く綺麗な薄紫色の髪。薄く化粧が施された整った顔立ち。特徴的な、金色の刺繍が入った白い上着と赤の袴。

その服の上からでも分かる女性的なスタイル。そして、丁寧な言葉遣い。

 提督は、その服装や髪の色から隼鷹だと考えたが、明らかに雰囲気が違う。まず、いつものように髪がはねておらず、

普段はしていない、化粧をしている。そして、口調が男勝りな感じではなくてちゃんとした敬語だった。

提督「隼鷹…なのか…?」

隼鷹「はい。私は、商船改造空母、飛鷹型軽空母二番艦の隼鷹です。それが、何か?」

提督「…俺をからかっているのか…?」

隼鷹「からかう…?なぜ私がそのような事をなさる必要があるのですか?」

提督「…ええぇ?」

 どうやら隼鷹は本気のようだった。いつもと違う雰囲気の隼鷹に、提督はただ慌てるしかない。

提督(どうしよう…調子が狂う…と言うか、こいつホントはこんな風に綺麗になれるのか…)

隼鷹「提督?どうかなさったのですか?」

提督「い、いや!ナンデモナイ!」

隼鷹「そうですか…」

 提督は声が一瞬裏返ったが、隼鷹は気にしていないようだった。

180: 2015/02/04(水) 18:52:59.89 ID:UZTw9m0F0
 運動場に着くと、艦娘達が全員整列していた。その艦娘達は、提督と一緒にやってきた謎の美女(艦娘と提督評)を見て、

驚きの声を上げる。

『ねえ、あの人だれ?』

『すっごい美人…』

『また胸か…』

 隼鷹は、皆の反応を見て隠れてニヤッと笑う。その隼鷹からは、口を呆けたようにぽかんと空けたままの姉の飛鷹には気づかない。

提督「えーっと…」

 提督はそんなざわざわした雰囲気の中で話し出す事もできず、少し艦娘達が静かになるのを待ってから、朝の挨拶をした。

そんないつもと違う朝礼の中、隼鷹はただニコニコと笑っていた。それは普段浮かべるような、豪快な感じの笑みとは違う、

柔和な笑みだった。

181: 2015/02/04(水) 19:02:54.79 ID:UZTw9m0F0
 朝礼を終えて、朝食を食べた後、本格的に鎮守府は動き始める。

 隼鷹は朝の感じに戻ると、せっせと仕事を始める。

隼鷹「提督、コチラの書類ですが」

提督「あ、ああ」

隼鷹「提督、資材の事ですが、弾薬の減る量がいつもより多くなっている傾向に―」

提督「お、おう」

 その隼鷹が仕事をそつなくこなす姿は、いつものガサツな感じの隼鷹とは違う、新鮮な感じだった。

提督(確かに、俺の隣で美人が仕事をしているって言うのは何かいい感じだが…何かな…)

 そして、艦隊が出撃する時。

夕張「ではこれより、夕張率いる第一艦隊、北方海域モーレイ海の残党討伐任務に出撃します」

提督「ああ。頑張ってくれ」

隼鷹「皆さん、どうかご無事で」

 提督の言葉の後、隼鷹がいつもの投げやりな感じとは違う、優しい口調で皆をで送るのを見ると、第一艦隊の面々は、

若干引き気味に笑い返してそそくさと執務室を出ていった。

 提督が驚いたのは昼食の時。提督が昼食を食べるために食堂へ行こうとした時の事。

提督「さって、食堂にでも―」

隼鷹「あの、提督」

提督「お?」

 隼鷹が呼び止めたので振り返ると、隼鷹は手に小さな箱を持っていた。

182: 2015/02/04(水) 19:07:58.37 ID:UZTw9m0F0
隼鷹「これ、よろしかったら、どうぞ」

提督「え、これ、お弁当?」

隼鷹「はい。提督の為に作りました」

 そんな言葉を優しい笑顔で言われると断れない。

提督「あ、ああ。じゃ、いただこうかな…」

隼鷹「ありがとうございます」

 隼鷹は一礼すると、執務室を出ていった。それを見て、提督は執務用の椅子に座って弁当箱を開く。すると中には、

色とりどりのおかずが盛られていた。

提督「おお…すげぇ美味そう…と言うかアイツ、料理できたのか…」


 執務室を出た隼鷹は、指先がズキッと痛んで、顔をしかめる。

隼鷹「あー、くそぅ…指の傷が痛ぇ…」

 元々隼鷹は簡単な料理ができたが、提督に渡した弁当のように本格的なおかずを作るのは初めてだった。だから、

慣れない包丁さばきなどで指を切ったりしてしまったのだ。

隼鷹(でも…アイツ喜んでくれるよな…)

 隼鷹がそう思っていると、後ろから声がかかった。

祥鳳「あの、隼鷹さん?」

隼鷹「はい、何か?」

祥鳳「い、いえ…」

瑞鳳(ホントに…別人みたいだ…)


【続く】

188: 2015/02/04(水) 21:19:57.40 ID:UZTw9m0F0
【結局】※地文・2レス以上続きます

 隼鷹が完全なるレディになった日の夜。隼鷹は仕事にまつわる書類を持って執務室へと向かっていた。隼鷹は、

提督に仕事とは別の件で呼び出されていたのだ。

隼鷹(しっかし、千歳と那智には悪いことしちまったかもなぁ~…)

 昼食の時、千歳と那智に酒を飲もうと誘われたが、隼鷹は、

隼鷹「申し訳ございません。今夜は控えさせていただいてもよろしいですか?」

 そう言うと、2人は白くなってしまった。

隼鷹(今度酒でも奢ろうかなぁ)

 そんな事を考えながら執務室にドアを開けて入る。

隼鷹「失礼いたします」

提督「おう」

隼鷹「こちらは、今日中に仕上げる予定だった書類です」

提督「どもども」

 提督も一日付き合っていれば慣れたのか、もうぎこちなさは失くなっていた。

 提督は隼鷹から渡された書類をパラパラと眺めて、全て見終えると頷く。

提督「よし、オッケーだ。ありがとな」

隼鷹「いえ、お気になさらず。それより提督、話とは…」

提督「ああ…」

 提督は小さく咳払いをして話し始める。

提督「今日一日、おしとやかな隼鷹と一緒にいて思ったんだがな…」

隼鷹「?」

189: 2015/02/04(水) 21:36:48.69 ID:UZTw9m0F0
提督「…やっぱり、いつもの調子に戻ってくれないか?」

隼鷹「…それはつまり、この今の感じが気に食わないと言う事ですか?」

提督「いや、そう言う悪い意味じゃなくてだな…」

 提督は少しうーんと唸ってから話し始める。

提督「いや、今のおしとやかな感じのお前も良いと思うんだけどさ、どこかとっつきにくい感じがするんだよな」

隼鷹「………」

提督「だけど、いつもの感じのお前なら、気兼ねなく話し合うことができるし、酒を飲む時は笑い合える。そんな感じの隼鷹が、

   俺は好きだな」

隼鷹「……ッ!///」

 提督の告白を受けて、隼鷹は顔を紅くする。ちなみにこの告白は、愛・好意の意味での告白ではなく、仲間としての意味、

つまり信頼の意味だったのだが、隼鷹はその意味を履き違えてしまった。

隼鷹「ば、バカ言ってんじゃないよ!///」

 隼鷹は口調を元に戻し、顔を赤らめながら髪をガシガシと掻く。そのせいで、長く整えられた髪がぼさぼさになってしまった。

隼鷹「はー、やっぱこの方が性に合うね」

提督「あーあ、もったいない…。綺麗な髪が…」

隼鷹「う、うるさい!あーもー、今日はもう寝る!お休み!///」

提督「お、おう」

 提督は、なぜ怒って(提督にはそうとしか見えない)出ていってしまったのかがわからなかった。

 しかし、次の日以降、たまに髪を整えた隼鷹が目撃されたとかなんとか。

 そして、その時の隼鷹の表情は少し恥ずかしそうだったらしい。


隼鷹「綺麗な髪…か。……ひひっ///」


【END】

190: 2015/02/04(水) 21:48:17.80 ID:UZTw9m0F0
【普段が普段であるから】

 ―14時・演習時間―

大淀「ではこれより、第参鎮守府と第拾鎮守府との演習を行います」

提督「では、よろしく」アクシュ

第拾鎮守府提督(以下拾督)「ああ、よろしく頼む」アクシュ

隼鷹「どうぞよろしくお願いいたします」ペコリ←おしとやかモード

大和「こちらこそ」ペコリ

拾督「…ところで、提督さん」

提督「はい、何か?」

拾督「そちらの、貴方の秘書艦の方は、どちら様ですか…?」

提督「…信じられないかもしれませんが、飛鷹型軽空母二番艦の隼鷹です」

隼鷹「どうも、隼鷹です。以後、お見知りおきを」ペコリ

拾督&大和「えええっ!?」

拾督「いやいやいや!だって、隼鷹って言ったら髪ぼさぼさで、酒飲んでばっかの飲んだくれ空母じゃないんですか!?」

大和「それが、そんな私よりおしとやかで煌びやかな感じで、そんな丁寧語を使うなんて、あり得ません!」

拾督「そうだ!きっと隼鷹の服を誰か別の艦娘に着せたに違いない!きっとそうだ!」

大和「そうです!さあ提督さん!その方は本当は誰なんですか!?さあ!教えてください!」

提督「…隼鷹、酷い言われようだな」

隼鷹「……誠に遺憾です」プルプル

大淀「…そろそろ演習を…」


【隼鷹「アタシだって、やる時はやれるんだぜ?」】

191: 2015/02/04(水) 21:55:55.85 ID:UZTw9m0F0
【1日1人、キャラ紹介】

≪隼鷹≫

飛鷹型軽空母二番艦。商船から改造されて空母になったからか、日常の所所の所作に上品な気質が混じっているが、基本、

女性らしからぬ言動が目立つ。超がつくほどの酒好きで、何かめでたい事がある度にパーティを開いて酒を飲もうとする。

那智、千歳は飲み仲間。顔立ちもスタイルもいいので、少し頑張れば誰か分からないくらいにまで美人になれる。

好きな言葉は『酒は天の美禄』。


提督「ホント、元々可愛いから普段からおしゃれしていればいいのに」

隼鷹「うるせー!///」

192: 2015/02/04(水) 21:59:25.20 ID:UZTw9m0F0
今日はここまでにします。次の更新は明日の夕方以降の予定です。

>>168
 ご期待に応えられましたでしょうか?

そして今さらながら訂正です。

>>164
 鳳祥型→鳳翔型で脳内変換お願いします。


次回:【艦これ】提督「この平和な鎮守府の日常」【その3】


引用: 【艦これ】提督「この平和な鎮守府の日常」